JP2011234865A - 錠剤フィーダ - Google Patents

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正二 湯山
Naoki Koike
直樹 小池
Akira Maeda
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Abstract

【課題】錠剤収容容積の増加を図りつつ、ロータの回転の阻害要因となる錠剤詰まりを防止する。
【解決手段】錠剤フィーダ7は、収容量増加部8と、この収容量増加部8が着脱可能に組み付けられたカセット9とを有している。収容量増加部8には、収容量増加部8の上端に形成された錠剤投入口10と、収容量増加部8の下端に形成された円形の錠剤排出口11とを接続する錠剤収容部12が設けられている。さらに、収容量増加部8は、錠剤収容部12を部分的に仕切る略矩形板状の仕切り部材13と、錠剤投入口10を塞ぐ略矩形板状の蓋部材14とを有している。さらに、収容量増加部8の内周面12aには、錠剤排出口11に達した下端を有し且つ上方に向かうに連れて外側に位置するように傾斜した下傾斜領域A1と、この下傾斜領域A1の上端に接続され且つ上方に向かうに連れて内側に位置するように傾斜した上傾斜領域A2とが設けられている。
【選択図】図10

Description

本発明は、多品種の錠剤群から特定の錠剤群を選択し容器に充填する機能を有する錠剤充填装置に用いる錠剤フィーダに関する。
従来の錠剤充填装置には、錠剤を必要に応じて払い出すことが可能な錠剤フィーダが設けられている。この錠剤フィーダは、複数の錠剤を収容可能なカセットを有している。カセットには、錠剤を保持するための収容部が設けられており、その内部にロータが収納されている。また、ロータの外周面には、錠剤を保持するための保持溝が形成されている。そして、ロータの回転に伴い、各保持溝に保持された錠剤が排出口から順次排出される。また、ロータの回転時において、ロータの上方に積み重なった錠剤のうち下層部にある錠剤は、ロータの上面に沿って収容部の端へ移動し、その後上方へ移動する(例えば、特許文献1、2)。
特開2005−289463号公報 特開平9−30501号公報
ところで、従来の錠剤フィーダにおいて、錠剤が保持される収容部の背を高くする等により錠剤収容容積の増加を図った場合、収容部において積み重なった錠剤のうち下層部にある錠剤は、上層部にある錠剤から大きな荷重を受ける。このため、ロータの回転時において、ロータの上方に積み重なった錠剤のうち下層部にある錠剤は、収容部の端へ移動した後、上方へ移動することができず、ロータの上面と収容部の側壁面との間に留まる。ロータの上面と収容部の側壁面との間に錠剤が次々に留まることで、ロータの上面と収容部の側壁面との間が錠剤で詰まってしまう。さらに、この錠剤詰まりが要因となってロータの回転が阻害されてしまう。
本発明の目的は、錠剤収容容積の増加を図りつつ、ロータの回転の阻害要因となる錠剤詰まりを防止可能な錠剤フィーダを提供することである。
第1の発明に係る錠剤フィーダは、錠剤を保持する保持溝が外周面に形成されたロータ、ロータを回転可能に収容する凹部、及び、ロータの保持溝に保持された錠剤を外部に排出する排出孔が設けられたカセットと、一部がカセット内に位置するようにカセットの上方に配置された、錠剤を収納するための収容量増加部とを備え、収容量増加部には、収容量増加部に形成された錠剤投入口と、収容量増加部の下端に形成された円形または楕円形の錠剤排出口とを接続する錠剤収容部が設けられており、収容量増加部の内周面には、錠剤排出口に達した下端を有し且つ上方に向かうに連れて外側に位置するように傾斜した下傾斜領域が設けられており、収容量増加部の内周面の錠剤排出口を取り囲む終端が、全周に亘って、カセットの内側面と接触している。
この錠剤フィーダでは、収容量増加部の内周面に下傾斜領域が設けられているので、収容量増加部をカセットの上方に配置することによって錠剤収容容積を増加させたことで、ロータの保持溝に保持し切れない錠剤が錠剤収容部の内部で積み重なっても、積み重なった錠剤のうち下層部にある錠剤を、ロータの回転運動に伴って下傾斜領域に沿って上方に移動させることができる。つまり、下層部にある錠剤に対して上方向の逃げ場を与えることができる。従って、従来のように下層部で逃げ場を失くした錠剤がロータの上面とカセットの内周面との間で詰まってしまうことはない。この結果、ロータの回転の阻害要因となっていた錠剤詰まりを減少させることができる。
また、この錠剤フィーダでは、収容量増加部の錠剤排出口が円形または楕円形で角がないので、錠剤排出口から排出された錠剤を、ロータの回転運動に伴って回転方向の下流側に向けてスムーズに流すことができ、錠剤が錠剤収容部内で停滞することを抑制することができる。
また、この錠剤フィーダでは、収容量増加部にロータを収容する必要がないので、収容量増加部を用いた場合には、高さが例えば2倍で、錠剤収容容積は例えば2倍以上にできるので、錠剤を大量に収容でき、収容量増加部を用いない場合と比べて錠剤補充作業の頻度を低下させることができる。
また、この錠剤フィーダでは、錠剤の保管状況や、錠剤の成分に応じた使用期限や、適正在庫数等の使用状況に応じて、収容量増加部をカセットに組み付けるか否か、つまり、錠剤フィーダ全体における錠剤収容容積を増加させるか否かを柔軟に選択することができる。
なお、本発明の「錠剤」には、薬剤を成型したものや、薬剤の入ったカプセル等が含まれる。
第2の発明に係る錠剤フィーダは、第1の発明に係る錠剤フィーダにおいて、終端が、凹部の内面よりも外側でカセットの内側面と接触している。
終端が凹部の内面よりも内側で接触していると、終端とロータ上面との間で錠剤詰まりが生じることがある。この錠剤フィーダでは、収容量増加部の内周面の錠剤排出口を取り囲む終端を、凹部の内面よりも外側でカセットの内側面と接触させることで、終端とロータの上面との間で錠剤詰まりが生じることを抑制できる。
第3の発明に係る錠剤フィーダは、第1または第2の発明に係る錠剤フィーダにおいて、収容量増加部の内周面には、下傾斜領域の上端に設けられ且つ上方に向かうに連れて内側に位置するように傾斜した上傾斜領域が設けられている。
この錠剤フィーダでは、収容量増加部の内周面に、下傾斜領域及び上傾斜領域が設けられている。これにより、収容量増加部の内周面は、径方向外側に向かう凸状に反り返った形状を有しているので、錠剤が下傾斜領域から上傾斜領域に沿って上方へと移動した後に再び下方へと移動する対流が生じやすくなる。従って、効率よく錠剤が攪拌されて、ロータの上面とカセットの内周面との間の錠剤詰まりをさらに抑制することができる。
第3の発明に係る錠剤フィーダにおいて、収容量増加部の内周面には、錠剤排出口の中心を基準として互いに重なり合わない2つの角度範囲のそれぞれに下傾斜領域及び上傾斜領域が設けられており、2つの下傾斜領域同士及び2つの上傾斜領域同士が互いに対向していてもよい。
この錠剤フィーダでは、2つの下傾斜領域同士及び2つの上傾斜領域同士が互いに対向させることで、相互に対向する各下傾斜領域間や、相互に対向する各上傾斜領域間のスペースをより広く確保することができる。従って、ロータの回転運動に伴い、より広い範囲で錠剤を掻き回すことができ、錠剤をより効率よく攪拌することができる。この結果、ロータの上面とカセットの内周面との間の錠剤詰まりをさらに抑制することができる。
第3の発明に係る錠剤フィーダにおいて、錠剤排出口の中心を基準とした内周面の第1角度範囲には下傾斜領域及び上傾斜領域が設けられていると共に、内周面の第1角度範囲とは重なり合わない第2角度範囲には下傾斜領域が設けられ且つ上傾斜領域が設けられておらず、第2角度範囲に設けられた下傾斜領域が、第1角度範囲に設けられた上傾斜領域と同じ高さまで延在していてもよい。
この錠剤フィーダでは、ロータの上面とカセットの内周面との間の錠剤詰まりを防止しつつ、錠剤収容容積の増加を図ることができる。
第1〜3の発明のいずれかに係る錠剤フィーダにおいて、下傾斜領域が、錠剤排出口の中心を基準として、連続した180°以上の角度範囲に亘って設けられていてもよい。
この錠剤フィーダでは、ロータの上面とカセットの内周面との間の錠剤詰まりを広い範囲で抑制することができる。
第4の発明に係る錠剤フィーダは、第1〜第3の発明のいずれかに係る錠剤フィーダにおいて、収容量増加部は、水平軸を中心として錠剤収容部内で揺動可能であり、錠剤収容部を部分的に仕切る仕切り部材を支持している。
この錠剤フィーダでは、収容量増加部が錠剤収容部を部分的に仕切る仕切り部材を有しているので、錠剤収容部内において仕切り部材よりも下方にある錠剤の荷重のみをロータの上面に加えることができる。従って、仕切り部材を設けることなく錠剤収容部内にある錠剤の全荷重をロータの上面に加えた場合と比べて、ロータの上方に積み重なった錠剤のうち下層部にある錠剤が上層部にある錠剤から受ける荷重を小さくでき、ロータの上面とカセットの内周面との間の錠剤詰まりを抑制することができる。
また、この錠剤フィーダでは、仕切り部材が錠剤収容部内で揺動可能であるため、仕切り部材とロータとの間に錠剤が積み重なっても、その上層部にある錠剤がロータの回転運動に伴って仕切り部材を上方向に突き動かすことができるので、仕切り部材が揺動不可能な状態で錠剤収容部内に固定されている場合と比べて、仕切り部材とロータとの間に積み重なった錠剤によってロータの上面が過度に押圧されてロータの回転が阻害されることを抑制できる。
第1〜第4の発明のいずれかに係る錠剤フィーダにおいて、内周面には、上傾斜領域よりも上方に設けられ且つ鉛直方向に延びた鉛直領域と、鉛直領域よりも上方に設けられ且つ上方に向かうに連れて外側に位置するように傾斜した入口傾斜領域とが設けられていてもよい。
この錠剤フィーダでは、鉛直領域よりも上方に入口傾斜領域を設けない場合と比べて錠剤収容容積の増加を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る錠剤フィーダが装着された錠剤充填装置を示した斜視図である。 支持パネルに固定された錠剤フィーダを示した斜視図である。 錠剤フィーダの正面側を示した斜視図である。 錠剤フィーダの正面図である。 錠剤フィーダの背面図である。 錠剤フィーダの右側面図である。 錠剤フィーダの左側面図である。 錠剤フィーダの上面図である。 錠剤フィーダの底面図である。 図3に示したA−A線の矢視断面図である。 図3に示したB−B線の矢視断面図である。 (a)収容量増加部の正面図である。(b)収容量増加部の背面図である。 収容量増加部の底面図である。 図12(a)に示したC−C線の矢視断面図である。 (a)カセットの底面図である。(b)カセットの底面側を示した斜視図である。
以下、図面に基づいて、本発明の一実施形態に係る錠剤フィーダについて説明する。なお、図12では、収容量増加部の構成要素である蓋部材の図示を省略している。
<錠剤充填装置の構成>
図1に示されるように、錠剤充填装置100は、容器供給ユニット1と、ラベリングユニット2と、錠剤供給ユニット3と、容器排出ユニット4と、液晶ディスプレイ5と、各ユニット間でバイアル瓶を搬送可能な搬送機構(図示省略)とを有している。
容器供給ユニット1は、その内部に錠剤の収容容器となる複数のバイアル瓶(図示省略)を収容するものであって、充填装置本体内部に設けられている。ラベリングユニット2は、バイアル瓶の外周面にラベルを貼着するものであって、充填装置本体の側部下方に設けられている。
図1に示されるように、錠剤供給ユニット3は、支持パネル6に固定された複数の錠剤フィーダ7を備えている。各錠剤フィーダ7には、各種の錠剤が多数収容されている。また、各錠剤フィーダ7は、図2に示されたように、支持パネル6の表面から突出する上下段2対の桟6aに挟まれた状態で、2対の桟6aに支持されている。
図1に示されるように、容器排出ユニット4は、錠剤が収容されたバイアル瓶を外部に排出するものであって、充填装置本体の側部に設けられている。液晶ディスプレイ5は、錠剤充填装置100の各種設定画面や各種設定情報を表示するものであって、充填装置本体の側部に設けられている。
<錠剤フィーダの構成>
錠剤フィーダ7は、図3〜図9に示されるように、収容量増加部8と、この収容量増加部8が着脱可能に組み付けられたカセット9とを有している。
<収容量増加部の構成>
収容量増加部8は、後述する蓋部材14を除いて、透明または半透明の合成樹脂製の材料を用いて加工されており、外部から投入された錠剤を収納するとともに、収納された錠剤をカセット9へ供給するものである。収容量増加部8は、図3に示されるように、その下方部分がカセット9内に位置するようにカセット9の上方に配置されている。また、収容量増加部8には、図10〜図13に示されるように、収容量増加部8の上端に形成された錠剤投入口10と、収容量増加部8の下端に形成された円形の錠剤排出口11とを接続する錠剤収容部12が設けられている。さらに、収容量増加部8は、図11に示されるように、錠剤収容部12を部分的に仕切る略矩形板状の仕切り部材13と、図3に示されるように、錠剤投入口10を塞ぐ略矩形板状の蓋部材14とを有している。
図11に示されるように、仕切り部材13は、紙面と垂直な方向に延びる水平軸15を中心として錠剤収容部12内で上下方向に揺動可能な状態で支持されている。この仕切り部材13は、図11に示されるように錠剤が錠剤収容部12内に投入されていない空の状態で、下端が後述する下傾斜領域A6に向かって静止するとともに、この静止状態において、収容量増加部8の背面側(ロータ収容部19の排出孔19b側)が高くなるように傾斜している。また、蓋部材14は、図3に示されるように、収容量増加部8の上端に設けられた、矢印X方向に延びる水平軸16を支点として上下方向に揺動可能な状態で取り付けられている。
また、図14に示されるように、収容量増加部8の内周面12aには、錠剤排出口11の中心Oを基準として、互いに重なり合わない2つの第1角度範囲θ1に後述する下傾斜領域A1が設けられている。また、図14に示されるように、各第1角度範囲θ1とは重なり合わない第2角度範囲θ2には、後述する下傾斜領域A6が設けられている。このように、下傾斜領域A1、A6は、中心Oを基準として連続した180°以上の角度範囲(2θ1+θ2)に亘って設けられている。
さらに、図14に示されるように、各第1角度範囲θ1及び第2角度範囲θ2のいずれにも重なり合わない第3角度範囲θ3には、後述する鉛直領域A8が設けられている。また、この第3角度範囲θ3には、図14に示されるように、収容量増加部8の外周面に形成された後述する嵌め込み部25が配置されている。
図10に示されるように、収容量増加部8の内周面12aには、2つの第1角度範囲θ1のそれぞれにおいて、錠剤排出口11に達した下端を有し且つ上方に向かうに連れて外側に位置するように傾斜した下傾斜領域A1と、この下傾斜領域A1の上端に接続され且つ上方に向かうに連れて内側に位置するように傾斜した上傾斜領域A2とが設けられている。これにより、収容量増加部8の内周面12aは、径方向外側に向かう凸状に反り返った形状を有している。
さらに、図10に示されるように、収容量増加部8の内周面12aには、2つの第1角度範囲θ1のそれぞれにおいて、上傾斜領域A2の上端に接続され且つ後述するロータ収容部19の底面19aに対して鉛直方向に延びた鉛直領域A3と、この鉛直領域A3の上端に接続され且つ上方に向かうに連れて外側に位置するように傾斜した入口傾斜領域A4と、この入口傾斜領域A4の上端に接続され且つ後述する底面19aに対して鉛直方向に延びた鉛直領域A5とが設けられている。また、図10に示されるように、2つの下傾斜領域A1同士及び2つの上傾斜領域A2同士は互いに対向しており、仕切り部材13の少なくとも一部は鉛直領域A3と同じ高さに位置している。
また、図11に示されるように、収容量増加部8の内周面12aには、第2角度範囲θ2において、錠剤排出口11に達した下端を有し且つ上方に向かうに連れて外側に位置するように傾斜した下傾斜領域A6と、この下傾斜領域A6の上端に接続され且つ後述する底面19aに対して鉛直方向に延びた鉛直領域A7とが設けられている。また、下傾斜領域A6は、図11に示されるように、錠剤収容部12が空の状態で静止状態にある仕切り部材13の下端と略同じ高さ(図10に示す上傾斜領域A2と同じ高さ)まで延在している。
また、図11に示されるように、収容量増加部8の内周面12aには、第3角度範囲θ3において、錠剤排出口11に達した下端を有し且つ後述する底面19aに対して鉛直方向に延びた鉛直領域A8と、この鉛直領域A8の上端に接続され且つ上方に向かうに連れて内側に位置するように傾斜した傾斜領域A9と、この傾斜領域A9の上端に接続され且つ後述する底面19aに対して鉛直方向に延びた鉛直領域A10とが設けられている。
さらに、図11に示されるように、収容量増加部8の内周面12aには、第3角度範囲θ3において、鉛直領域A10の上端に接続され且つ上方に向かうに連れて外側に位置するように傾斜した傾斜領域A11と、この傾斜領域A11の上端に接続され且つ後述する底面19aに対して鉛直方向に延びた鉛直領域A12とが設けられている。そして、図10及び図11に示されるように、各鉛直領域A5、A7、A12の上端には、上述した蓋部材14が配置されている。
また、図10に示されるように、上傾斜領域A2と鉛直領域A3の境界近傍には、収容量増加部8の外周面において、径方向外側に突出するように嵌め込み部25が形成されている。この嵌め込み部25は、収容量増加部8をカセット9に組み付けた際に後述する収容量増加部用収容部17の上端に対して着脱可能に嵌め込む部位である。この嵌め込み部25は、図13に示すように、収容量増加部8の全周にわたって形成されており、底面視において、略四角形状を有している。また、図2に示されるように、この嵌め込み部25の上面25aと、入口傾斜領域A4の外周面26との間の距離は、桟6aの高さ寸法よりも長く確保されている。これにより、錠剤フィーダ7を支持パネル6に固定した際に、嵌め込み部25の上面25aと、入口傾斜領域A4の外周面26との間に形成されたスペースに桟6aを挿入可能となっている。
<カセットの構成>
カセット9は、後述するロータ18や仕切り部材22を除いて、透明または半透明の合成樹脂製の材料を用いて加工されており、収容量増加部8の錠剤排出口11から排出された錠剤をロータ18の回転によって1錠ずつ外部に払い出すことが可能となっている。また、このカセット9は、収容量増加部8を組み付けずに単独で使用することも可能である。このカセット9は、図10及び図11に示されるように、収容量増加部用収容部17と、ロータ18と、このロータ18を回転可能に収容するロータ収容部(凹部)19とを有している。
図10に示されるように、収容量増加部用収容部17は、4つの側壁面17aと、底面(内側面)17bとによって囲まれた凹形状を有する部位であって、収容量増加部8をカセット9に組み付けた際に収容量増加部8の下側部分が収容される。この収容量増加部用収容部17は、図15(a)に示されるように、底面視において、収容量増加部8の嵌め込み部25と同じ形状を有している。つまり、この収容量増加部用収容部17は、底面視において、その四方を側壁面17aで囲まれた略四角形状を有している。
また、図10に示されるように、収容量増加部用収容部17の上端には、収容量増加部8をカセット9に組み付けた際に収容量増加部8の嵌め込み部25が着脱可能に嵌め込まれる。なお、この収容量増加部用収容部17は、カセット9を単独で使用する場合には、収容量増加部8の蓋部材14を取り付けることで、外部から投入された錠剤が収納される収容スペースとして使用することが可能となっている。
図11に示されるように、ロータ18の上面18aは、中心部に向かって突出する円錐形状を有している。また、図10に示されるように、ロータ18の外周面18bには軸方向に延びる各保持溝18cが形成されており、これらの保持溝18cに錠剤が上下に例えば1錠ずつ整列された状態で保持される。そして、各保持溝18cの内部で保持された各錠剤は、後述するブラシ22aによって上下に分離されるとともに、下方側にある錠剤のみが後述する排出孔19bを通過して落下する構成となっている。
図10や図11に示されるように、ロータ収容部19は、収容量増加部用収容部17の底面17bから下方に向かって窪んだ凹形状を有している。図11や図15に示されるように、ロータ収容部19は、その底面19aを略矩形状に切り欠くことで形成された排出孔19bと、この排出孔19bの上側に形成されたスリット19cとを有している。また、このスリット19cの近傍には、図15(a)、(b)に示されるように、ブラシ22aを有する仕切り部材22が固定されている。このブラシ22aは、図15(b)に示されるように、スリット19cを介してロータ収容部19の内部に挿入されている。
また、図15(a)、(b)に示されるように、ロータ収容部19の底面19aの略中央部には、貫通孔(図示省略)を介してロータ18に固定された従動ギア21が回転可能な状態で固定されている。さらに、ロータ収容部19の底面19aには、図15(a)、(b)に示されるように、従動ギア21と噛み合う中間ギア23や、この中間ギア23と噛み合うウォームギア24が回転可能な状態で取り付けられている。これにより、ウォームギア24に連結された駆動モータ(図示省略)がウォームギア24を回転させると、中間ギア23及び従動ギア21に回転エネルギーが伝達されて、ロータ収容部19の内部に収容されたロータ18が回転する構成となっている。
また、図10の実線で囲んだ部分の拡大図に示されるように、収容量増加部8の内周面12aの錠剤排出口11を取り囲む終端20は、全周に亘って、ロータ収容部19の内面19dよりも径方向外側で収容量増加部用収容部17の底面17bと接触している。また、図10に示されるように、収容量増加部8と、収容量増加部用収容部17の側壁面17a及び底面17bとの間には、錠剤が入り込まないデッドスペースDSが形成されている。
<錠剤フィーダの動作>
収容量増加部8の錠剤収容部12内に多数の錠剤が収容された状態で、カセット9のロータ18を回転させると、ロータ18の上方に積み重なった錠剤のうち最も下層部にある錠剤が、例えば1錠ずつ、上面18aに沿って下方に落下し、ロータ18の外周面18bに形成された各保持溝18cに入り込む。そして、各保持溝18cに入り込んだ錠剤は、保持溝18cで保持された状態でロータ収容部19の内面19dに沿ってロータ18の回転方向下流側に向かって移動する。そして、保持溝18cがロータ収容部19の排出孔19bに辿り着くと、保持溝18cで保持されていた錠剤は、排出孔19bから外部へと払い出される。このように、本発明の錠剤フィーダ7では、ロータ18の上方に積み重なった錠剤のうち最も下層部にある錠剤から順番に外部へと払い出されていく。
[本実施形態の錠剤フィーダの特徴]
以上、本実施形態の錠剤フィーダ7では、収容量増加部8の内周面12aに下傾斜領域A1、A6が設けられているので、収容量増加部8をカセット9の上方に配置することによって錠剤収容容積を増加させたことで、錠剤が錠剤収容部12の内部で積み重なっても、積み重なった錠剤のうち下層部にある錠剤を、ロータ18の回転運動に伴って下傾斜領域A1、A6に沿って上方に移動させることができる。つまり、下層部にある錠剤に対して上方向の逃げ場を与えることができる。従って、従来のように下層部で逃げ場を失くした錠剤がロータ18の上面18aとカセット9の内周面(側壁面17a)との間で詰まってしまうことはない。この結果、ロータ18の回転の阻害要因となっていた錠剤詰まりを減少させることができる。
また、本実施形態の錠剤フィーダ7では、収容量増加部8の錠剤排出口11が円形で角がないので、錠剤排出口11から排出された錠剤を、ロータ18の回転運動に伴って回転方向の下流側に向けてスムーズに流すことができ、錠剤が錠剤収容部12内で停滞することを抑制できる。
また、本実施形態の錠剤フィーダ7では、収容量増加部8にロータ18を収容する必要がないので、収容量増加部8を用いた場合には、高さが例えば2倍で、錠剤収容容積は例えば2倍以上にできるので、錠剤を大量に収容でき、収容量増加部8を用いない場合と比べて錠剤補充作業の頻度を低下させることができる。
また、本実施形態の錠剤フィーダ7では、錠剤の保管状況や、錠剤の成分に応じた使用期限や、適正在庫数等の使用状況に応じて、収容量増加部8をカセット9に組み付けるか否か、つまり、錠剤フィーダ7全体における錠剤収容容積を増加させるか否かを柔軟に選択することができる。
また、本実施形態の錠剤フィーダ7では、収容量増加部8の内周面12aの錠剤排出口11を取り囲む終端20を、ロータ収容部19の内面19dよりも径方向外側で収容量増加部用収容部17の底面17bと接触させることで、収容量増加部8の外周面と、収容量増加部用収容部17の各側壁面17a及び底面17bとの間に、錠剤が入り込まないデッドスペースDSを形成できる。また、収容量増加部8の内周面12aの錠剤排出口11を取り囲む終端20がロータ収容部19の内面19dよりも径方向外側で収容量増加部用収容部17の底面17bと接触しているので、終端20とロータ18の上面18aとの間で錠剤詰まりが生じることを抑制できる。
また、本実施形態の錠剤フィーダ7では、終端20を収容量増加部用収容部17の底面17bと接触させずにロータ18よりも径方向内側に配置した場合と比べて、ロータ18の上面18aと収容量増加部8の外周面との間に発生する錠剤詰まりや、収容量増加部用収容部17の各側壁面17a及び底面17bと、収容量増加部8の外周面との間に発生する錠剤詰まりを抑制することができる。
また、本実施形態の錠剤フィーダ7では、収容量増加部8の内周面12aの第1角度範囲θ1に、下傾斜領域A1の上端に接続された上傾斜領域A2が設けられている。これにより、収容量増加部8の内周面12aは、径方向外側に向かう凸状に反り返った形状を有しているので、錠剤が下傾斜領域A1から上傾斜領域A2に沿って上方へと移動した後に再び下方へと移動する対流が生じやすくなる。従って、効率よく錠剤が攪拌されて、ロータ18の上面18aとカセット9の内周面との間の錠剤詰まりをさらに抑制することができる。
また、本実施形態の錠剤フィーダ7では、収容量増加部8の内周面12aの2つの第1角度範囲θ1に形成した2つの下傾斜領域A1同士及び2つの上傾斜領域A2同士は互いに対向しているので、相互に対向する各下傾斜領域A1間や、相互に対向する各上傾斜領域A2間のスペースを広く確保することができる。従って、ロータ18の回転運動に伴い、より広い範囲で錠剤を掻き回すことができ、錠剤をより効率よく攪拌することができる。この結果、ロータ18の上面18aとカセット9の内周面との間の錠剤詰まりをさらに抑制することができる。
また、本実施形態の錠剤フィーダ7では、第1角度範囲θ1には下傾斜領域A1及び上傾斜領域A2が設けられていると共に、第1角度範囲θ1とは重なり合わない第2角度範囲θ2には下傾斜領域A6が設けられ、この下傾斜領域A6が、第1角度範囲θ1に設けられた上傾斜領域A2と同じ高さまで延在しているので、ロータ18の上面18aとカセット9の内周面との間の錠剤詰まりを防止しつつ、錠剤収容容積の増加を図ることができる。
また、本実施形態の錠剤フィーダ7では、下傾斜領域A1、A6が、錠剤排出口11の中心Oを基準として、連続した180°以上の角度範囲(2θ1+θ2)に亘って設けられているので、ロータ18の上面18aとカセット9の内周面との間の錠剤詰まりを広い範囲で抑制することができる。
また、本実施形態の錠剤フィーダ7では、収容量増加部8が錠剤収容部12を部分的に仕切る仕切り部材13を有しているので、錠剤収容部12内において仕切り部材13よりも下方にある錠剤の荷重のみをロータ18の上面18aに加えることができる。従って、仕切り部材13を設けることなく錠剤収容部12内にある錠剤の全荷重をロータ18の上面18aに加えた場合と比べて、ロータ18の上方に積み重なった錠剤のうち下層部にある錠剤が上層部にある錠剤から受ける荷重を小さくでき、ロータ18の上面18aとカセット9の内周面との間の錠剤詰まりを抑制することができる。
また、この仕切り部材13は、錠剤収容部12内で揺動可能であるため、仕切り部材13とロータ18との間に錠剤が積み重なっても、その上層部にある錠剤がロータ18の回転運動に伴って仕切り部材13を上方向に突き動かすことができるので、仕切り部材13が錠剤収容部12内で揺動不可能な状態で固定された場合と比べて、仕切り部材13とロータ18との間に積み重なった錠剤によってロータ18の上面18aが過度に押圧されてロータ18の回転が阻害されることを抑制することができる。
また、本実施形態の錠剤フィーダ7では、収容量増加部8の内周面12aには、鉛直領域A3よりも上方に入口傾斜領域A4が設けられているので、入口傾斜領域A4を設けない場合と比べて錠剤収容容積の増加を図ることができる。
また、本実施形態の錠剤フィーダ7では、錠剤収容部12内に錠剤が収容されずに空の状態にあるときに、収容量増加部8の仕切り部材13を、その下端が下傾斜領域A6に向かって静止するとともに、収容量増加部8の背面側(ロータ収容部19の排出孔19b側)が高くなるように傾斜させたことで、錠剤を仕切り部材13から下傾斜領域A6に向けてスムーズに送り込むことができるとともに、排出孔19bに錠剤の荷重が過度に加わることを抑制できる。
また、本実施形態の錠剤フィーダ7では、収容量増加部8の蓋部材14が上下方向に揺動可能であるため、仕切り部材13と蓋部材14との間に錠剤が積み重なっても、積み重なった錠剤がロータ18の回転運動に伴って仕切り部材13によって上方向に突き動かされることで、収容量増加部8の蓋部材14が揺動不可能な状態で固定された場合と比べて、仕切り部材13と蓋部材14との間に積み重なった錠剤によって、仕切り部材13とロータ18との間に積み重なった錠剤が過度に押圧されてロータ18の回転が阻害されることを抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
なお、上述した実施形態では、第1角度範囲θ1に下傾斜領域A1及び上傾斜領域A2の両方を設ける例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されず、第1角度範囲θ1に下傾斜領域A1のみを設けてもよい。
なお、上述した実施形態では、仕切り部材13や蓋部材14を略矩形板状に形成する例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されず、例えば楕円形状等の任意の形状に形成可能である。
なお、上述した実施形態では、ロータ18の上面18aを円錐形状に形成する例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されず、任意の形状に形成可能である。
なお、上述した実施形態では、合成樹脂製の錠剤フィーダ7を用いる例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されず、錠剤フィーダの材料は変更できる。
なお、上述した実施形態では、収容量増加部8の内周面12aには、第3角度範囲θ3において、錠剤排出口11に達した下端を有し且つ底面19aに対して鉛直方向に延びた鉛直領域A8を設ける例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されず、この鉛直領域A8に代えて、第1角度範囲θ1や第2角度範囲θ2と同様に、錠剤排出口11に達した下端を有し且つ上方に向かうに連れて外側に位置するように傾斜した下傾斜領域を設けてもよい。
なお、上述した実施形態では、収容量増加部8の嵌め込み部25や、収容量増加部用収容部17が、底面視において、略四角形状を有している例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されず、任意の形状に形成可能である。
なお、上述した実施形態では、各錠剤フィーダ7が、支持パネル6の表面から突出する上下2対の桟6aに挟まれた状態で、支持される例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されず、各錠剤フィーダ7が、支持パネル6の表面から突出する1対の桟6aに挟まれた状態で、支持されるものでもよい。
なお、上述した実施形態では、収容量増加部8の蓋部材14を除いて透明または半透明の合成樹脂製の材料を用いる例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されず、収容量増加部8の蓋部材14についても、透明または半透明の合成樹脂製の材料を用いてもよい。
なお、上述した実施形態では、カセット9のロータ18や仕切り部材22を除いて透明または半透明の合成樹脂製の材料を用いる例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されず、カセット9のロータ18や仕切り部材22についても、透明または半透明の合成樹脂製の材料を用いてもよい。尚、上記においては、収容量増加部8がカセット9に着脱可能に組み付けられた構成について説明したが、収容部増加部8は、カセット9と着脱不能に組み付けられていてもよい。
1 容器供給ユニット
2 ラベリングユニット
3 錠剤供給ユニット
4 容器排出ユニット
5 液晶ディスプレイ
6 支持パネル
7 錠剤フィーダ
8 収容量増加部
9 カセット
10 錠剤投入口
11 錠剤排出口
12 錠剤収容部
12a 内周面
13 仕切り部材
15、16 水平軸
17 収容量増加部用収容部
17b 底面(内側面)
18 ロータ
19 ロータ収容部(凹部)
19b 排出孔
19d 内面
20 終端
100 錠剤充填装置
A1、A6 下傾斜領域
A2 上傾斜領域
A3、A5、A7、A8、A10、A12 鉛直領域
A4 入口傾斜領域
A9、A11 傾斜領域
θ1 第1角度範囲
θ2 第2角度範囲
θ3 第3角度範囲

Claims (4)

  1. 錠剤を保持する保持溝が外周面に形成されたロータ、前記ロータを回転可能に収容する凹部、及び、前記ロータの前記保持溝に保持された錠剤を外部に排出する排出孔が設けられたカセットと、
    一部が前記カセット内に位置するように前記カセットの上方に配置された、錠剤を収納するための収容量増加部とを備え、
    前記収容量増加部には、前記収容量増加部に形成された錠剤投入口と、前記収容量増加部の下端に形成された円形または楕円形の錠剤排出口とを接続する錠剤収容部が設けられており、
    前記収容量増加部の内周面には、前記錠剤排出口に達した下端を有し且つ上方に向かうに連れて外側に位置するように傾斜した下傾斜領域が設けられており、
    前記収容量増加部の前記内周面の前記錠剤排出口を取り囲む終端が、全周に亘って、前記カセットの内側面と接触していること特徴とする錠剤フィーダ。
  2. 前記終端が、前記凹部の内面よりも外側で前記カセットの内側面と接触していることを特徴とする請求項1に記載の錠剤フィーダ。
  3. 前記収容量増加部の前記内周面には、前記下傾斜領域の上方に設けられ且つ上方に向かうに連れて内側に位置するように傾斜した上傾斜領域が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の錠剤フィーダ。
  4. 前記収容量増加部は、水平軸を中心として前記錠剤収容部内で揺動可能であり、前記錠剤収容部を部分的に仕切る仕切り部材を支持していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の錠剤フィーダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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