JPWO2015115259A1 - 液晶ポリエステル繊維およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)示差熱量測定において、50℃から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク(Tm1)におけるピーク半値幅が15℃以上であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量が25.0万以上200.0万以下であり、損失正接(tanδ)のピーク温度が100℃以上、200℃以下であり、損失正接(tanδ)のピーク値が0.060以上、0.090以下であることを特徴とする液晶ポリエステル繊維。
(2)前記(1)項記載の液晶ポリエステル繊維からなるメッシュ織物。
(3)溶融紡糸して得られた液晶性ポリエステル繊維を固相重合し、その後、示差熱量測定において、50℃から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)+50℃以上の温度で0.1%以上3.0%未満のストレッチ率で加熱処理することを特徴とする溶融液晶性ポリエステル繊維の製造方法。
構造単位(I)45〜65モル%
構造単位(II)12〜18モル%
構造単位(III)3〜10モル%
構造単位(IV)5〜20モル%
構造単位(V)2〜15モル%
条件1. 30≧a+b≧2.0
条件2. a≧0.05
条件3. b/a≧1
(無機粒子(A)の付着率(a))=(a+b)×Ca÷(Ca+Cb)
(リン酸系化合物(B)の付着率(b))=(a+b)×Cb÷(Ca+Cb)
ここで、Caは固相重合用油剤中の無機粒子(A)の濃度、Cbは固相重合用油剤中のリン酸系化合物(B)の濃度を指す。
(ストレッチ率(%))=(V1−V0)×100/V0
TA instruments社製DSC2920により示差熱量測定を行い、50℃から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピークの温度をTm1(℃)とし、Tm1での融解熱量をΔHm1(J/g)とした。Tm1の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で50℃まで一旦冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピークの温度をTm2とし、Tm2での融解熱量をΔHm2(J/g)とした。繊維、樹脂とも同様の測定を行い、樹脂ではTm2を融点とした。
溶媒としてペンタフルオロフェノール/クロロホルム=35/65(重量比)の混合溶媒を用い、液晶ポリエステルの濃度が0.04〜0.08重量/体積%となるように溶解させGPC測定用試料とした。なお、室温24時間の放置でも不溶物がある場合は、さらに24時間静置し、上澄み液を試料とした。これを、Waters社製GPC測定装置を用いて測定し、ポリスチレン換算により重量平均分子量(Mw)を求めた。
カラム:ShodexK−806M 2本、K−802 1本
検出器:示差屈折率検出器RI
温度 :23±2℃
流速 :0.8mL/分
注入量:200μL
検尺機にて繊維を100mカセ取りし、その重量(g)を100倍し、1水準当たり3回の測定を行い、平均値を総繊度(dtex)とした。これをフィラメント数で除した商を単繊維繊度(dtex)とした。
JIS L1013:2010記載の方法に準じて、試料長100mm、引張速度50mm/分の条件で、オリエンテック社製テンシロンUCT−100を用い1水準当たり10回の測定を行い、平均値を強力(cN)、強度(cN/dtex)、伸度(%)、弾性率(cN/dtex)とした。なお、弾性率とは初期引張抵抗度のことである。強力変動率は強力の10回の平均値からの最大もしくは最小値の差の絶対値のうち、いずれか大きい方の値を用いて下式により算出した。
強力変動率(%)=((|最大値もしくは最小値−平均値|/平均値)×100)
偏光顕微鏡(OLYMPUS社製BH−2)を用いコンペンセーター法により試料1水準当たり5回の測定を行い、平均値として求めた。
オリエンテック社製バイブロンDDV−II−EPを用い、周波数110Hz、初期荷重0.13cN/dtex、昇温速度3℃/分の条件で60℃から210℃までの動的粘弾性測定を行い、損失正接(tanδ)のピーク温度、ピーク値を求めた。明確なピークが見られない場合は昇温測定におけるtanδ最大値をピーク値、そのときの温度をピーク温度とした(すなわち、明確なピークが見られない場合は60℃もしくは210℃がピーク温度となる)。ピークが複数見られる場合は、最大値を取るものをピーク値とみなした。またピークトップの値が一定温度続く場合は、その温度の平均値をピーク温度とみなした。
100mg以上の繊維を採取し、60℃にて10分間乾燥させた後の重量を測定し(W0)、繊維重量に対し100倍以上の水にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを繊維重量に対し2.0重量%添加した溶液に繊維を浸漬させ、室温にて20分超音波洗浄し、洗浄後の繊維を水洗し、60℃にて10分間乾燥させた後の重量を測定し(W1)、次式により油分付着率を算出した。
(付着率(重量%))=(W0−W1)×100/W1
1.23cN/dtexの荷重をかけた繊維を垂直に垂らし、繊維に対して垂直になるように直径4mmのセラミック棒ガイド(湯浅糸道工業(株)社製、材質YM−99C)を接触角2.7°で押し付け、ストローク長30mm、ストローク速度600回/分でガイドを繊維軸方向に擦過させ、30秒おきに実体顕微鏡観察を行い、棒ガイド上もしくは繊維表面上に白粉またはフィブリルの発生が確認されるまでの時間を測定し、7回の測定のうち最大値および最小値を除いた5回の平均値を求め耐摩耗性Cとした。なお360秒の擦過後でも白粉またはフィブリルの発生が見られなかった場合は360秒とした。
JIS L1013:2010記載の方法に準じて、乾熱のかせ寸法変化率を測定し、高温での熱変形率とした。このとき、かせ長測定時の荷重を3.0cN/dtexとし、処理温度を150℃、処理時間を5分とし、乾熱処理時の荷重も同様とした。熱変形率は以下の式で求めた。
(熱変形率(%))=(L1−L0)×100/L0
L0:乾熱処理前のカセ長(cm)
L1:乾熱処理後のカセ長(cm)
熱処理工程における糸切れ回数と処理した繊維長から、下記式により100万mあたりの糸切れ回数を算出した。なお処理した繊維長は実施例1〜8、比較例1〜6では固相重合パッケージ1本分、実施例9〜11、参考例3では500万m分である。
(糸切れ(回/100万m))=(糸切れ回数(回))×100/(処理した繊維長(万m))
溶融紡糸工程において50万mの巻取を行った際の糸切れ回数を計測し、以下の基準に基づいて製糸性を判定した。糸切れ回数が少ないほど製糸性が良好であり、工業的観点からは糸切れ回数が2回以下であることが好ましい。
◎:0回
○:1〜2回
△:3〜4回
×:5回以上
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル327重量部、ハイドロキノン89重量部、テレフタル酸292重量部、イソフタル酸157重量部および無水酢酸1460重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら室温から145℃まで30分で昇温した後、145℃で2時間反応させた。その後、335℃まで4時間で昇温した。
重合温度を335℃に保持し、1.5時間で133Paに減圧し、更に40分間反応を続け、トルクが28kgcmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
得られた液晶ポリエステルの組成、融点、分子量は表1に記載の通りである。
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器に p−ヒドロキシ安息香酸907重量部と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸457重量部および無水酢酸946重量部(フェノ−ル性水酸基合計の1.03モル当量)を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら室温から145℃まで30分で昇温した後、145℃で2時間反応させた。その後、325℃まで4時間で昇温した。
重合温度を325℃に保持し、1.5時間で133Paに減圧し、更に20分間反応を続け、所定トルクに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
得られた液晶ポリエステルの組成、融点、分子量は表1に記載の通りである。
参考例1の液晶ポリエステルを用い、160℃、12時間の真空乾燥を行った後、大阪精機工作株式会社製φ15mm単軸エクストルーダーにて溶融押し出しし、ギアーポンプで計量しつつ紡糸パックにポリマーを供給した。紡糸パックでは金属不織布フィルターを用いてポリマーを濾過し、表2記載の条件にてポリマーを吐出した。なお口金孔の直上に位置する導入孔はストレート孔とし、導入孔と口金孔の接続部分はテーパーとしたものを用いた。吐出したポリマーは40mmの保温領域を通過させた後、25℃、空気流の環状冷却風により糸条の外側から冷却し固化させ、その後、脂肪酸エステル化合物を主成分とする紡糸油剤を付与し、全フィラメントを表2記載の紡糸速度で第1ゴデットロールに引き取った。これを同じ速度である第2ゴデットロールを介した後、全フィラメント中の1本以外はサクションガンにて吸引し、残りのフィラメント数1の繊維はダンサーアームを介しパーンワインダー(神津製作所社製EFT型テークアップワインダー、巻取パッケージに接触するコンタクトロール無し)にてパーンの形状に巻き取った。50万mの巻取中、糸切れは発生せず製糸性は良好であった。得られた紡糸繊維物性を表2に示す。なお、得られた紡糸原糸のtanδ測定では、明確なピークは見られず、温度上昇に伴い、単調に増加する挙動であった。したがって本発明で定義するピーク温度は210℃となり、ピーク値は0.067であった。
次に巻き返したパッケージからステンレスの穴あきボビンを外し、ケブラーフェルトに繊維を巻き取ったパッケージの状態として固相重合を行なった。固相重合は、密閉型オーブンを用い、室温から240℃までは約30分で昇温し、240℃にて3時間保持した後、4℃/時間で表3に示す最高到達温度まで昇温し、表3に示す保持時間の間保持し、固相重合を行った。なお、雰囲気は除湿窒素を流量20NL/分にて供給し、庫内が過度に加圧にならないよう排気口より排気させた。得られた固相重合後繊維物性を表3に示す。なお、固相重合後繊維の耐摩耗性Cは30秒であり、耐摩耗性に劣るものであった。
ここでは高温熱処理でのストレッチ率の影響について評価を行った。
実施例1で得られた固相重合糸を用いて、熱処理温度、ストレッチ率を表4の通りに変えた以外は実施例1と同様の方法で高温熱処理を行った。
ストレッチ率を5.0%とした比較例2では、熱処理直後から糸切れが発生し、4万mの処理を行う間に2回の糸切れが発生し、3万m以上のサンプルが得られなかったため試験を中止した。
得られた繊維の物性を表4に示す。ストレッチ率が0.1%以上、3.0%未満であれば糸切れも少なく、得られた繊維では優れた耐摩耗性と低い熱変形率を両立できていることが分かる。
ストレッチ率が低い比較例1では熱処理の糸切れ回数がやや多く、tanδピーク値が高く、熱変形率が大きくなっている。また、ストレッチ率が5.0%の比較例3では、糸切れ抑制のため温度を高くしたことからtanδピーク値が上昇し、熱変形率が大きくなっている。ストレッチ率のみが高い比較例4ではtanδピーク値が小さく、熱変形率は小さいものの、耐摩耗性が劣位となっている。
ここでは単糸繊度の影響について評価を行った。
吐出量、紡糸速度を表2の通りに変えた以外は実施例1と同様の方法で溶融紡糸を行った。単糸繊度が小さい実施例5では糸切れが1度生じたが、紡糸性は問題なかった。得られた繊維物性を表2に示す。
次に巻き条件(量、張力、密度)を表3の通りに変えた以外は実施例1と同様の方法で巻き返し、固相重合を行った。得られた固相重合後繊維物性を表3に示す。
次に熱処理温度を表4の通りに変えた以外は実施例1と同様の方法で、高温熱処理を行った。単糸繊度が小さい実施例5では10万mの処理中に糸切れが1度生じたが、工程通過性には概ね問題なかった。
得られた繊維の物性を表4に示す。単糸繊度が異なっていても、熱処理温度を調節し、かつストレッチ率が0.1%以上、3.0%未満であれば、得られた繊維では優れた耐摩耗性と低い熱変形率を両立できていることが分かる。
ここでは熱処理速度の影響について評価を行った。
実施例1で得られた固相重合糸を用いて、熱処理温度、処理速度を表4の通りに変えた以外は実施例1と同様の方法で高温熱処理を行った。
得られた繊維の物性を表4に示す。処理速度が異なっていても、熱処理温度を調節し、かつストレッチ率が0.1%以上、3.0%未満であれば糸切れは少なく、得られた繊維では優れた耐摩耗性と低い熱変形率を両立できていることが分かる。
ここではフィラメント数の影響について評価を行った。
吐出量、口金ホール数、紡糸速度を表2の通りに変え、吐出したフィラメントを収束させてマルチフィラメントとして巻き取った以外は実施例1と同様の方法で溶融紡糸を行った。糸切れが1度生じたが、紡糸性は問題なかった。得られた繊維物性を表2に示す。
次に巻き量を表3の通りに変えた以外は実施例1と同様の方法で巻き返し、固相重合を行った。得られた固相重合後繊維物性を表3に示す。
次に熱処理温度、ストレッチ率を表4の通りに変えた以外は実施例1と同様の方法で、高温熱処理を行った。10万mの処理中に糸切れが1度生じたが、工程通過性には概ね問題なかった。
得られた繊維の物性を表4に示す。マルチフィラメントであっても、熱処理温度を調節し、かつストレッチ率が0.1%以上、3.0%未満であれば、得られた繊維では優れた耐摩耗性と低い熱変形率を両立できていることが分かる。
ここではポリマー組成の影響について評価を行った。
参考例2で得られたポリマーを用い、口金孔径、ランド長、吐出量、紡糸速度を表2の通りに変えた以外は実施例1と同様の方法で溶融紡糸を行った。糸切れが1度生じたが、紡糸性は問題なかった。得られた繊維物性を表2に示す。
次に巻き量を表3の通りに変えた以外は実施例1と同様の方法で巻き返し、固相重合を行った。得られた固相重合後繊維物性を表3に示す。
次に実施例1と同様の方法で、高温熱処理を行った。10万mの処理中に糸切れが1度生じたが、工程通過性には概ね問題なかった。
得られた繊維の物性を表4に示す。組成が異なっていても、熱処理温度を調節し、かつストレッチ率が0.1%以上、3.0%未満であれば、得られた繊維では良好な耐摩耗性と低い熱変形率を両立できていることが分かる。
ここでは高温熱処理の効果について評価を行った。
実施例1および実施例8で得られた固相重合糸を用いて、ヒーターを昇温せず、温度を常温とし、ヒーター前後のローラーを共に200m/分として走行させた以外は実施例1、実施例8の熱処理と同様の方法で繊維を走行させ、繊維を巻き取った。すなわち、固相重合した繊維から、解舒、洗浄を行い、熱処理をせずに巻きなおした形である。
得られた繊維の物性を表4に示す。熱変形率はそれぞれ低いものの、高温熱処理を施していないため、耐摩耗性が低いことが分かる。比較例5ではtanδピーク値が低く、比較例6ではピーク温度が低く、このような場合には良好な耐摩耗性と低い熱変形率を両立できないことが分かる。
ここでは加熱領域を出た後のガイド設置の影響に関しロングラン評価を行った。すなわち高温熱処理に供した固相重合糸を500万mとして、主に糸切れに注目して評価を行った。
実施例1で得られた固相重合糸を用いて、表5に記載したように熱処理ヒーターを出た位置に直径3.8mmの硬質クロムメッキ梨地加工金属棒ガイド(湯浅糸道工業(株)製棒ガイド、Rzjis=2〜4)を2本設置した以外は実施例1と同様の方法で高温熱処理を行った。なお処理長は固相重合糸10本分の500万mとした(実施例9)。またガイドを設置せず、実施例1と同様の条件で500万mの高温熱処理を行った(参考例3)。参考例3と実施例1の違いは処理長の違いのみである。
得られた繊維の物性を表5に示す。実施例9は参考例3に対し糸切れ回数が少なく、走行安定性に優れることが分かる。得られた物性では強力変動率が小さくなっておりばらつきが小さくなっていることが分かる。また強度、伸度、弾性率が参考例3に対しわずかに高く、安定した処理を行うことでばらつきが小さくなったことの効果と推測される。このように加熱領域を出た後にガイドを設置して糸道を規制することで糸切れを抑制できることが分かる。
ここでは加熱領域を出た後のガイド設置位置の影響に関しロングラン評価を行った。
ストレッチ率、ガイド設置位置を表5の通りに変えた以外は実施例9と同様の方法で高温熱処理を行った。なお実施例10、11と実施例3とではストレッチ率は同一であり、ガイド設置および処理長が異なる。
得られた繊維の物性を表5に示す。実施例10ではガイド設置位置と加熱領域(ヒーター)が近いためT1の測定ができなかった。実施例10では実施例3に比べ、処理長が長いにも関わらず糸切れが低減できることが分かる。実施例11でも同様に実施例3に比べ糸切れ回数が低減していることが分かる。このようにガイド設置位置が加熱領域から1cm以上、50cm以下の範囲内とすることで糸切れを抑制できることがわかる。
Claims (5)
- 示差熱量測定において、50℃から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク(Tm1)におけるピーク半値幅が15℃以上であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量が25.0万以上200.0万以下であり、損失正接(tanδ)のピーク温度が100℃以上、200℃以下であり、損失正接(tanδ)のピーク値が0.060以上、0.090以下であることを特徴とする液晶ポリエステル繊維。
- 繊維の強力変動率が10%以下であることを特徴とする請求項1記載の液晶ポリエステル繊維。
- 請求項1または2記載の液晶ポリエステル繊維からなるメッシュ織物。
- 溶融紡糸して得られた液晶性ポリエステル繊維を固相重合し、その後、示差熱量測定において、50℃から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)+50℃以上の温度で0.1%以上3.0%未満のストレッチ率で加熱処理することを特徴とする溶融液晶性ポリエステル繊維の製造方法。
- 加熱処理した後、引き続き、加熱領域出口部から1cm以上、50cm以下の範囲内で糸道ガイドによる糸道規制を行って巻き取ることを特徴とする請求項4記載の溶融液晶性ポリエステル繊維の製造方法。
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