JP6617626B2 - 液晶ポリエステルマルチフィラメントおよびその製造方法 - Google Patents

液晶ポリエステルマルチフィラメントおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶ポリエステルマルチフィラメントに関する。詳しくはネット、魚網、ロープ、テンションメンバー等の産業資材用途に好適な高引張強度・高結節強度を有する液晶ポリエステルマルチフィラメントに関する。
液晶ポリエステルは剛直な分子鎖からなるポリマーであり、溶融紡糸においてはその分子鎖を繊維軸方向に高度に配向させ、さらに高温下で固相重合するため、溶融紡糸で得られる繊維の中では最も高い強度、弾性率が発現することが知られている。また、液晶ポリエステルは、熱処理により分子量が増加するとともに、融点が上昇するため、耐熱性や寸法安定性が向上することも知られていることから、高強力、高弾性率に加え、高寸法安定性が求められる産業資材用途に好適に用いられている。これらの用途の中で、特にネット(安全ネット、ゴルフ練習場のネット)や魚網(定置網、地引網)の用途では、繊維の交差部や結び目に強い応力が加わることから、直線強度だけでなく、高い結節強度が求められてきた。
しかしながら、従来の液晶ポリエステルマルチフィラメントは繊維長軸方向には高い強度を示すものの、繊維長軸に対し垂直方向の力には弱いため、結び目での強い屈曲により容易に座屈し、低い結節強度しか得られないという課題があった。
これらの問題を解決する方法として、繊維表面に平均粒径0.001〜1μmの無機微粒子を付与することにより熱処理後も単糸同士が膠着することなく単糸分繊性に優れ、非常にしなやかで従来よりも結節強度の高い極細の溶融異方性芳香族ポリエステル繊維が提案されている(特許文献1参照)。
また、芯成分(Aポリマ−)が溶融異方性芳香族ポリエステルであり、鞘成分が屈曲性熱可塑性高分子からなる海成分(Bポリマ−)と溶融異方性芳香族ポリエステルからなる島成分(Cポリマ−)により構成され、かつ繊維断面積比がB/C=1〜5、A/(B+C)=1〜5、引張強度が10g/d 以上であることを特徴とする特に釣糸に適した芯鞘型複合繊維が提案されている(特許文献2)。
また、芯成分Aが異方性溶融相を形成し得る芳香族ポリエステル、鞘成分Bが、その80重量%以上が分岐ポリ(アリーレンスルフィド)である樹脂からなる複合紡糸繊維であって、該繊維の横断面に占めるB成分の面積比R=B/(A+B)が0.05〜0.6であることを特徴とする耐疲労性の改良された高強力高弾性率繊維が提案されている(特許文献3)。
特開2006−336147号公報 特開平7−243128号公報 特開平6−123013号公報
しかしながら、特許文献1では、繊維表面の無機粒子により糸−糸摩擦係数が低下し、結節部の一点に応力が集中するため、得られる繊維の結節強度は未だ不十分であった。
また、特許文献2、3では、芯鞘複合繊維であるがゆえに、低強度である鞘成分を含有していることにより繊維としての強度が不十分であるという課題があった。
本発明は、上述したかかる事情を背景として、鋭意検討したものであり、従来技術と比較して高強度であり、かつ結節強度が高い液晶ポリエステルマルチフィラメントを提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、本発明では、下記の構成を採用する。
(1)糸−糸動摩擦係数が0.40〜0.90であり、かつ直線強度が20cN/dtex以上であることを特徴とする液晶ポリエステルマルチフィラメント。
(2)結節強度が7cN/dtex以上である上記(1)に記載の液晶ポリエステルマルチフィラメント。
(3)液晶ポリエステルが(A)p−ヒドロキシ安息香酸成分と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸成分が共重合された液晶ポリエステル、(B)p−ヒドロキシ安息香酸成分と4,4´−ジヒドロキシビフェニル成分とイソフタル酸成分および/またはテレフタル酸成分が共重合された液晶ポリエステル、(C)p−ヒドロキシ安息香酸成分と4,4´−ジヒドロキシビフェニル成分とイソフタル酸成分とテレフタル酸成分とヒドロキノン成分が共重合された液晶ポリエステルから選択された1種以上である上記(1)または(2)に記載の液晶ポリエステルマルチフィラメント。
(4)液晶ポリエステルの紡糸繊維であるマルチフィラメントを固相重合して液晶ポリエステルマルチフィラメントを製造するに際し、固相重合前に油剤を付与し、供給気体流量30NL/分以上、220℃以上の温度で処理することにより、固相重合を進行させつつ、表面に付着した油剤を変性させることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法。
(5)固相重合後に油剤を付与し、150℃以上の温度で処理することを特徴とする上記(4)に記載の液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法。
本発明によれば、糸-糸間の動摩擦係数を0.40〜0.90とすることで、糸を結んで両端から引っ張った際、糸同士の抵抗により結び目が締まらず、同じ荷重を加えても結節部での巻き締まりが小さく、座屈しにくいため、高い結節強度が得られる。その結果、液晶ポリエステルマルチフィラメントの特徴である高直線強度を損なうことなく、高い結節強度を発現させることができ、高次加工時の工程通過性を損なうことなく高次加工製品の強度を向上させることができる。このように本発明の液晶ポリエステルマルチフィラメントにおいては、糸-糸間の動摩擦係数を特定の範囲に制御することが重要であり、高い結節強度が要求されるネット、魚網等の一般産業資材用途に好適な繊維材料を提供することができる。
以下に本発明の液晶ポリエステルマルチフィラメントについて詳細に説明する。
本発明に用いられる液晶ポリエステルとは、加熱して溶融した際に光学異方性(液晶性)を呈するポリエステルを指す。これは、液晶ポリエステルからなる試料をホットステージにのせ、窒素雰囲気下で昇温加熱し、偏光顕微鏡で試料の透過光を観察することにより認定できる。
本発明に用いられる液晶ポリエステルとしては、例えば(a)芳香族オキシカルボン酸の重合物、(b)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、脂肪族ジオールから選択されるジオールの重合物、(c)(a)と(b)の共重合物等が挙げられ、中でも芳香族のみで構成された重合物が好ましい。芳香族のみで構成された重合物は、繊維にした際に優れた直線強度および弾性率を発現する。また、液晶ポリエステルの重合処方は従来公知の方法を用いることができる。
ここで、芳香族オキシカルボン酸としては、例としてヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸等、またはこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン置換体等が挙げられる。
また、芳香族ジカルボン酸としては、例としてテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸等、またはこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン置換体等が挙げられる。
更に、芳香族ジオールとしては、例としてヒドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシビフェニル、ナフタレンジオール等、またはこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン置換体等が挙げられ、脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
本発明に用いる液晶ポリエステルは、上記モノマー以外に、液晶性を損なわない程度の範囲で更に他のモノマーを共重合させることができ、例としてアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、ポリエチレングリコール等のポリエーテル、ポリシロキサン、芳香族イミノカルボン酸、芳香族ジイミン、および芳香族ヒドロキシイミン等が挙げられる。
本発明に用いる前記モノマー等を重合した液晶ポリエステルの好ましい例としては、(A)p−ヒドロキシ安息香酸成分と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸成分が共重合された液晶ポリエステル、(B)p−ヒドロキシ安息香酸成分と4,4´−ジヒドロキシビフェニル成分とイソフタル酸成分および/またはテレフタル酸成分が共重合された液晶ポリエステル等が挙げられ、特に好ましくは固重後に高い直線強度が得られる(C)p−ヒドロキシ安息香酸成分と4,4´−ジヒドロキシビフェニル成分とイソフタル酸成分とテレフタル酸成分とヒドロキノン成分が共重合された液晶ポリエステルが挙げられる。
上記(A)(B)(C)のような組み合わせの液晶ポリエステルにより、液晶ポリエステルの融点が分解点以下に低下し、溶融紡糸可能な融点を有するようになる。したがって、ポリマーの融点と熱分解温度の間で設定される紡糸温度において良好な製糸性を有するようになり長手方向に均一な繊維が得られ、かつ適度な結晶性を有するため繊維の直線強度、弾性率を高めることができる。
本発明に用いる液晶ポリエステルのポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、分子量と記載)は3万以上が好ましく、5万以上がより好ましい。分子量を3万以上とすることで紡糸温度において適切な粘度を持ち製糸性を高めることができ、分子量が高いほど得られる繊維の直線強度、伸度、弾性率は高まる。また分子量が高すぎると粘度が高くなって流動性が悪くなり、ついには流動しなくなるため分子量は25万未満が好ましく、15万未満がより好ましい。なお本発明で言う分子量とは実施例記載の方法により求められた値とする。
本発明に用いる液晶ポリエステルの融点は、溶融紡糸のし易さ、耐熱性の面から200〜380℃の範囲のものが好ましく、より好ましくは250〜350℃であり、更に好ましくは290〜340℃である。なお、融点は、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC)で行う示差熱量測定において、50℃から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、およそTm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温速度で50℃まで冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2)を融点とした。
また、本発明に用いる液晶ポリエステルには、本発明の効果を損なわない範囲で他のポリマーを添加・併用することができる。添加・併用とは、ポリマー同士を混合する場合や、2成分以上の複合紡糸において一方の成分、もしくは複数の成分に他のポリマーを部分的に混合使用すること、あるいは全面的に使用することをいう。他のポリマーとしては、例としてその他のポリエステル、ポリオレフィンやポリスチレン等のビニル系重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、芳香族ポリケトン、脂肪族ポリケトン、半芳香族ポリエステルアミド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂等のポリマーを添加しても良く、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン6T、ナイロン9T、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート、ポリエステル99M等が好適な例として挙げられる。
なお、これらのポリマーを添加・併用する場合、その融点は液晶ポリエステルの融点±30℃以内にすることが製糸性を損なわないために好ましく、また、得られる繊維の直線強度、弾性率を向上させるためには添加・併用する量は50重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、実質的に他のポリマーを添加・併用しないことが最も好ましい。また、液晶ポリエステル繊維の特徴である高直線強度を損なわないためにも複合糸より非複合糸であることが好ましい。
本発明に用いられる液晶ポリエステルには、本発明の効果を損なわない範囲内で、各種金属酸化物、カオリン、シリカ等の無機物、着色剤、艶消剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤、末端基封止剤、相溶化剤等の添加剤を少量含有していても良い。
本発明の液晶ポリエステルマルチフィラメントの総繊度は、生産性向上のため5〜10000dtexが好ましく、10〜10000dtexがより好ましく、100〜10000dtexがさらに好ましい。ここでいう総繊度とは実施例記載の手法により求める値である。かかる範囲であれば、固相重合時に糸条の内部と外部に物性差のない糸を得ることができる。
本発明の液晶ポリエステル繊維の単繊維繊度は18.0dtex以下が好ましい。ここでいう単繊維繊度とは実施例記載の手法により求める値である。単繊維繊度を18.0dtex以下と細くすることで、繊維のしなやかさが向上し繊維の加工性が向上する、表面積が増加するため接着剤や樹脂との密着性が高まると言った特性を有することに加え、織加工する場合は厚みを薄くできる、織密度を高くできる、メッシュ等のオープニング(開口部の面積)を広くできるという利点も有する。単繊維繊度はより好ましくは12.0dtex以下、さらに好ましくは7.0dtex以下である。なお、単繊維繊度の下限は特に限定されないが、前述の製造方法により達し得る下限としては1.0dtex程度である。
糸条に含まれる単糸数、すなわちフィラメント数は10〜500本が好ましく、15〜500本がより好ましく、50〜500本がさらに好ましく、100〜500本が最も好ましい。かかる範囲であれば、糸条のしなやかさと高い強力(直線強度と総繊度の積)を併せ持つ、工程通過性に優れた糸を得ることができる。
本発明の液晶ポリエステルマルチフィラメントの直線強度は20.0cN/dtex以上であり、22.5cN/dtex以上が好ましい。なお、直線強度は23.0cN/dtex以上がより好ましく、25.0cN/dtex以上がさらに好ましい。直線強度の上限は特に限定されないが、後述の製造方法により達し得る上限としては30.0cN/dtex程度である。なおここで言う直線強度とは実施例記載の手法により求める値である。直線強度が20.0cN/dtex以上あることで、高直線強度・軽量化が求められる産業資材用途に好適に用いられる。
本発明の液晶ポリエステルマルチフィラメントの伸度は1.0%以上が好ましく2.0%以上がより好ましい。伸度が1.0%以上あることで繊維の衝撃吸収性が高まり、高次加工工程での工程通過性、取り扱い性に優れる他、衝撃吸収性が高まるため耐摩耗性も高まる。なお、伸度の上限は特に限定されないが、後述の製造方法により達し得る上限としては10.0%程度である。なお、ここでいう伸度とは実施例記載の手法により求める値である。
本発明の液晶ポリエステルマルチフィラメントの弾性率は900cN/dtex以上が好ましく、1000cN/dtex以上がより好ましく、1100cN/dtex以上がさらに好ましい。弾性率の上限は特に限定されないが、後述の製造方法により達し得る上限としては弾性率1500cN/dtex程度である。なお本発明でいう弾性率とは実施例記載の手法により求める値である。弾性率が900cN/dtex以上あることで、荷重がかかった際の寸法変化が小さく、産業用資材に好適に用いられる。
本発明の液晶ポリエステルマルチフィラメントの糸−糸動摩擦係数は0.40〜0.90が必須であり、0.50〜0.90がより好ましい。なお、糸−糸動摩擦係数が0.40未満であると実施例記載のような結節強度は得られない。また、0.90を超えると糸同士の擦化の影響が大きくなり直線強度の低下を引き起こす。
結節強度の上下限は特に限定されないが、後述の製造方法により達し得る上限としては10.0cN/dtex程度、下限としては7.0cN/dtex程度である。なお本発明でいう結節強度とは実施例記載の手法により求める値である。
次に、本発明の液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法について詳細に説明する。本発明の液晶ポリエステルマルチフィラメントは基本的に液晶ポリエステルを溶融紡糸して液晶ポリエステルマルチフィラメント(紡糸繊維)とし、この紡糸繊維であるマルチフィラメントを固相重合して液晶ポリエステルマルチフィラメントとする。
本発明の液晶ポリエステルマルチフィラメントの溶融紡糸において、基本的な溶融押出法としては通常の手法を用いることができるが、重合時に生成する秩序構造をなくすためにエクストルーダー型の押出機を用いることが好ましい。押し出されたポリマーは、配管を経由してギアーポンプ等通常の計量装置により計量され、異物除去のフィルターを通過した後、口金へと導かれる。このときポリマー配管から口金までの温度(紡糸温度)は、液晶ポリエステルの融点以上、熱分解温度以下とすることが好ましく、液晶ポリエステルの融点+10℃以上、400℃以下とすることがより好ましく、液晶ポリエステルの融点+20℃以上、370℃以下とすることが更に好ましい態様である。また、ポリマー配管から口金までの温度を、それぞれ独立して調整することも可能である。この場合、口金に近い部位の温度を、その上流側の温度より高くすることにより吐出が安定する。
また、本発明の液晶ポリエステルマルチフィラメントの溶融紡糸では、1つの口金に多数の口金孔を穿孔するため、それぞれの口金孔の吐出と細化挙動を安定させることが好ましい。
これを達成するためには、口金孔の孔径を小さくするとともに、ランド長(口金孔の孔径と同一の直管部の長さ)を長くすることが好ましい。ただし、孔の詰まりを有効に防止する観点から、孔径は0.03mm以上1.00mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.05mm以上0.80mm以下であり、更に好ましくは0.08mm以上0.60mm以下である。
圧力損失が高くなることを有効に防止する観点から、ランド長Lを孔径Dで除した商で定義されるL/Dは、0.5以上3.0以下であることが好ましく、より好ましくは0.8以上2.5以下であり、更に好ましくは1.0以上2.0以下である。
また、液晶ポリエステルマルチフィラメントの生産性を向上させるために、1つの口金の孔数は、10孔以上2,000孔以下が好ましく、より好ましくは50孔以上1000孔以下であり、更に好ましくは100孔以上500孔以下である。口金孔の直上に位置する導入孔は、圧力損失を高めないという観点から、直径が口金孔径の5倍以上のストレート孔とすることが好ましい。導入孔と口金孔の接続部分は、テーパーとすることが異常滞留を抑制する上で好ましいが、テーパー部分の長さはランド長の2倍以下とすることが圧力損失を高めず、流線を安定させる上で好ましい態様である。
口金孔から吐出されたポリマーは、保温領域と冷却領域を通過させ固化させた後、一定速度で回転するローラー(ゴデットローラー)により引き取られる。保温領域は過度に長いと製糸性が悪くなるため、口金面から400mmまでとすることが好ましく、300mmまでとすることがより好ましく、保温領域を200mmまでとすることが更に好ましい態様である。保温領域の下限としては100mmが好ましい。また、保温領域は加熱手段を用いて雰囲気温度を高めることも可能であり、その温度範囲は100℃以上500℃以下であることが好ましく、より好ましくは200℃以上400℃以下である。冷却は、不活性ガス、空気および水蒸気等を用いることができるが、環境負荷を低くするという観点から、平行あるいは環状の空気流を用いることが好ましい。
引き取り速度は、生産性向上のため50m/分以上であることが好ましく、より好ましくは300m/分以上であり、更に好ましくは500m/分以上である。本発明で用いられる液晶ポリエステルは、紡糸温度において良好な曳糸性を有することから引き取り速度を高速にすることができる。引き取り速度の上限は特に制限されないが、本発明で用いられる液晶ポリエステルにおいては曳糸性の点から3,000m/分程度となる。
引き取り速度を吐出線速度で除した商で定義される紡糸ドラフトは、1以上500以下とすることが好ましく、5以上200以下とすることがより好ましく、12以上100以下とすることが更に好ましい態様である。本発明で用いられる液晶ポリエステルは、良好な曳糸性を有することからドラフトを高くすることができ、生産性向上に有利である。上記の紡糸ドラフトの計算に用いた吐出線速度(m/分)とは、単孔あたりの吐出量(m/分)を単孔断面積(m)で除した商で定義される値であり、引き取り速度(m/分)を吐出線速度で除するため、紡糸ドラフトは無次元数となる。
本発明では、製糸性および生産性向上の観点から、上記の紡糸ドラフトを得るために、紡糸パックあたりのポリマー吐出量を10〜2,000g/分と設定することが好ましく、30〜1,000g/分と設定することがより好ましく、50〜500g/分と設定することが更に好ましい態様である。ポリマー吐出量を10〜2,000g/分と高吐出で紡糸することにより、液晶ポリエステルの生産性が向上する。
糸条の巻き取りは、通常の巻き取り機を用いてチーズ、パーンおよびコーン等の形状のパッケージとすることができるが、巻量を高く設定できるチーズ巻きとすることが好ましい。糸条の巻き取りの際、ガイドやローラーとの摩擦抵抗を低減させるために、オイリングローラーを用いて各種油剤を使用しても何ら差し支えない。
このようにして得られた液晶ポリエステルマルチフィラメントは、更に直線強度および弾性率を向上させるために固相重合を行うことが好ましい。固相重合は、パッケージ形状、カセ形状、トウ形状(例えば、金属網等にのせて行う)、あるいはローラー間で連続的に糸条として処理することも可能であるが、設備を簡素化することができ、生産性も向上できるという観点から、パッケージ形状で行うことが好ましい。
パッケージ状で固相重合を行う場合、融着し易いので、これを防止するためには、固相重合を行う際の繊維パッケージの巻密度が0.50g/cm以上の繊維パッケージとしてボビン上に形成し、これを固相重合することが好ましい。ここで巻密度とは、パッケージ外形寸法と心材となるボビンの寸法から求められるパッケージの占有体積Vf(cm)と繊維の重量Wf(g)からWf/Vf(g/cm)により計算される値である。
巻密度は過度に小さいと、パッケージにおける張力が不足するため繊維間の接点面積が大きくなり融着が増大するだけでなく、パッケージが巻き崩れるため0.30g/cm以上とすることが好ましい。また、巻密度の上限は、巻密度が過度に大きいとパッケージの内層における繊維間の密着力が大きくなり接点での融着が増大するため、1.50g/cm以下とすることが好ましい。本発明においては、融着軽減および巻き崩れ防止の観点から、巻密度を0.50〜1.00g/cmとすることがより好ましい態様である。このような巻密度のパッケージは、生産効率が良く、工程の簡略化が可能である。例えば、液晶ポリエステルの溶融紡糸時に直接巻き取って、上記の巻密度を有するパッケージを形成することも可能であり、生産効率の向上を図ることができる。また、固相重合時の糸質量を調整する際などに、溶融紡糸で一旦巻き取ったパッケージを巻き返して、上記の巻密度を有するパッケージを形成することも可能である。パッケージ形状を整え巻密度制御するためには、通常用いられるコンタクトロール等を用いず、繊維パッケージ表面を非接触の状態で巻き取ることや、溶融紡出した原糸を、調速ロールを介さず直接、速度制御された巻取機で巻き取ることも有効である。これらの場合、パッケージ形状を整えるためには、巻取速度を3000m/分以下、特に2000m/分以下とすることが好ましい。
上記の繊維パッケージを形成するために用いられるボビンは、円筒形状のものであればいかなるものでも良く、繊維パッケージとして巻き取る際に巻取機に取り付けこれを回転させることで繊維を巻き取り、パッケージを形成する。固相重合に際しては、繊維パッケージをボビンと一体で処理することもできるが、繊維パッケージからボビンのみを抜き取って処理することもできる。繊維をボビンに巻いたまま処理する場合、そのボビンは固相重合温度に耐える必要があり、アルミニウム、真鍮、鉄およびステンレスなどの金属製であることが好ましい。またこの場合、ボビンには、固相重合を効率的に行えるようにするため、多数の穴が空いていることが好ましい。
また、繊維パッケージからボビンを抜き取って処理する場合には、ボビン外層に外皮を装着しておくことが好ましい。また、いずれの場合にもボビンの外層にはクッション材を巻き付け、その上に溶融紡糸した液晶ポリエステルマルチフィラメントを巻き取っていくことが好ましい。クッション材の材質は、アラミド繊維などの有機繊維または金属繊維からなるフェルトが好ましく、厚みは0.1mm以上20mm以下であることが好ましい。前述の外皮を、上記のクッション材で代用することもできる。
上記の繊維パッケージの繊維の質量は、巻密度が本発明の範囲内となるものであればいかなる質量でも良いが、生産性を考慮すると0.01kg以上11kg以下であることが好ましい範囲である。また、糸長は1000m以上200万m以下が好ましい範囲である。
本発明において、固相重合時の融着を防ぐため、繊維表面に油分を付着させることは好ましい実施形態である。これら油分成分の付着は溶融紡糸から巻き取りまでの間に行うこともできるが、付着効率を高めるためには巻き返しの際に行う、あるいは溶融紡糸で少量を付着させ、巻き返しの際にさらに追加することが好ましい。
油分付着方法はガイド給油でも良いが、マルチフィラメントに均一付着させるためには、金属製あるいはセラミック製のキスロール(オイリングロール)による付着が好ましい。
本発明の如き高直線強度でかつ高結節強度を有する液晶ポリエステルマルチフィラメントを得るために重要かつ最も特徴的な点は、固相重合後の繊維の糸−糸動摩擦係数を目的の範囲に制御することである。筆者らが結節部での破断現象を詳細に観察した結果、摩擦係数を特定の範囲に制御することで、糸が引っ張られた際に結節部の一点に応力が集中するのを防ぎ、かつ糸同士の擦れによる損傷が少ないことを見出した。
目的の糸−糸動摩擦係数を有する繊維が得られるのであれば手段は限定されないが、融着防止剤として固相重合後に高い糸―糸動摩擦係数が得られるような油剤を使用する方法が好ましく、さらに固相重合後の繊維に同様の効果を有する油剤を仕上げ油剤として上塗りし、熱処理する方法がより好ましい。熱処理後に糸−糸動摩擦係数が上がる詳細なメカニズムは把握できていないが、油剤が高粘度化、もしくは固体へと変性している可能性が考えられる。
固相重合時に使用する油剤の成分としては、固相重合で揮発させないため耐熱性が高い方が好ましい。また、糸―糸動摩擦係数を下げるような油剤、例えば公知のフッ素系、シロキサン系化合物(ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなど)およびこれらの混合物を使用する場合や、公知の無機粒子を添加した場合は、本発明記載の効果は得ることは困難であるため使用を避けるようにする。したがって、本発明においては、目的の糸−糸摩擦係数が得られる油剤であれば限定されないが、固相重合時に粘度が増加したり、固体に変性したりするような、脂肪酸エステル化合物、リン酸エステル化合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物、反応性シリコーンおよびこれらの混合物などが好ましい。なかでも特にリン酸エステル化合物および反応性シリコーンは、高温下で液状から固体に変性する点から好ましい。
これらの成分の塗布方法は、直接塗布でも構わないが、付着量を適正化しつつ均一塗布するためにはエマルジョン塗布が好ましく、安全性の点から水エマルジョン塗布が特に好ましく用いられる。したがって、成分としては水溶性あるいは水エマルジョンを形成しやすいことが好ましい。融着防止剤の濃度は、実施例に記載した方法により求められる値を指す。
固相重合前の繊維への油分付着量は、融着抑制のためには多い方が好ましく、繊維全体を100質量%としたときに0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましい。一方、油分付着量が多すぎると、繊維がべたつきハンドリングを悪化させる他、固相重合反応が進みにくくなり直線強度が低下するため、油分付着量は10.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは8.0質量%以下であり、特に好ましくは5.0質量%以下である。繊維への油分付着量は、実施例に記載した方法により求められる値を指す。
固相重合は窒素等の不活性ガス雰囲気中や、空気のような酸素含有の活性ガス雰囲気中または減圧下で行うことが可能であるが、設備の簡素化および繊維あるいは付着物の酸化防止のため窒素雰囲気下で行うことが好ましい。この際、固相重合の雰囲気は露点が−40℃以下の低湿気体が好ましい。
固相重合時に供給する気体の流量としては、固相重合の進行を促進させるため30NL/分以上が好ましく、50NL/分以上がさらに好ましい。流量の上限は特に限定されないが、上記の流量とすることで20cN/dtex以上の高い直線強度が得られる。
固相重合温度は、最高到達温度が液晶ポリエステルの融点−60℃以上であることが好ましい。このような融点近傍の高温とすることで固相重合が速やかに進行し、繊維の直線強度を向上させることができる。なお、ここで言う融点は実施例記載の測定方法により求められた値を指す。なお最高到達温度は融点未満とすることが融着防止のために好ましい。また固相重合温度を時間に対し段階的にあるいは連続的に高めることは、融着を防ぐと共に固相重合の時間効率を高めることができ、より好ましい。この場合、固相重合の進行と共に液晶ポリエステル繊維の融点は上昇するため、固相重合温度は、固相重合前の液晶ポリエステル繊維のTm+100℃程度まで高めることができる。ただしこの場合においても固相重合での最高到達温度は固相重合後の繊維の融点−40℃以上融点未満とすることが固相重合速度を高めかつ融着を防止できる点から好ましい。
なお固相重合前に油剤を付与し、固相重合を行うと同時に油剤を変性させ糸―糸動摩擦係数を所望の範囲に制御するためには供給気体流量30NL/分以上、220℃以上の温度で処理することが好ましい。更に得られる液晶ポリエスエル繊維の物性面からこの供給気体流量および温度は、上記好ましい範囲を同時に満たすことがより好ましいのはもちろんである。 固相重合時間は、繊維の分子量すなわち直線強度、弾性率、伸度を十分に高くするためには最高到達温度で5時間以上とすることが好ましく、10時間以上がより好ましい。一方、直線強度、弾性率、伸度増加の効果は経過時間と共に飽和するため、生産性を高めるためには50時間以下とすることが好ましい。
その後、固相重合後の繊維に仕上げ油剤を上塗りし、熱処理させる場合の油剤付着率は、付着バラツキを防止できる点で1.0重量%以上が好ましい。一方、付着率が多すぎると繊維がべたつきハンドリングを悪化させるため、5.0重量%以下が好ましく、3.0重量%以下がより好ましい。
仕上げ油剤としては、固相重合時に使用した油剤と同様、油剤上塗り後の熱処理で揮発させないため耐熱性が高い方が好ましい。また、糸―糸動摩擦係数を下げるような油剤、例えば公知のフッ素系、シロキサン系化合物(ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなど)およびこれらの混合物を使用する場合や、公知の無機粒子を添加した場合は、本発明記載の効果は得ることは困難であるため使用を避けるようにする。したがって、本発明においては、目的の糸−糸摩擦係数が得られる油剤であれば限定されないが、熱処理時に粘度が増加したり、固体に変性したりするような、脂肪酸エステル化合物、リン酸エステル化合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物、反応性シリコーンおよびこれらの混合物などが好ましい。なかでも特にリン酸エステル化合物および反応性シリコーンは、高温下で液状から固体に変性する点から好ましい。
繊維への仕上げ油剤の付着方法は、固相重合後のパッケージを浸漬させることもできるが、糸条への均一付着のために、固相重合後のパッケージを巻き返しながら金属製あるいはセラミック製のキスロール(オイリングロール)により付着することが好ましい。このとき、繊維を固相重合パッケージから解舒する際には解舒による固相重合パッケージの崩れを防ぎ、さらに軽微な融着を剥がす際のフィブリル化を抑制するために、固相重合パッケージを回転させながら、回転軸と垂直方向(繊維周回方向)に糸を解舒する、いわゆる横取りにより解舒することが好ましい。さらに、固相重合パッケージの回転は自由回転ではなく積極駆動により回転させることにより、パッケージからの糸離れ張力を低減させフィブリル化をより抑制することができる。ここで、液晶ポリエステルマルチフィラメントパッケージを形成するためには、パーン、ドラムおよびコーンなどの形態のパッケージとすることができるが、生産性の観点から、巻量を多く確保することができるドラム巻取とすることが好ましい。
上記仕上げ油剤を塗布後、熱処理する。熱処理温度としては150℃以上であることが好ましい。仕上げ油剤が水分を含む場合には、熱処理とともに乾燥(以下、当該処理を「高温乾燥」と称する場合もある)も行うことが好ましい。上記高温乾燥等の熱処理は窒素等の不活性ガス雰囲気中や、空気のような酸素含有の活性ガス雰囲気中または減圧下で行うことが可能であるが、設備の簡素化および繊維あるいは付着物の酸化劣化防止のため窒素雰囲気下で行うことが好ましい。この際、高温乾燥の雰囲気は露点が−40℃以下の低湿気体が好ましい。
高温乾燥を含む熱処理は、油剤付着後にパッケージ形状、カセ形状、トウ形状(例えば、金属網等にのせて行う)、あるいは油剤付着後に非接触ヒーターを設置し、ローラー間で連続的に糸条として処理することも可能であるが、設備を簡素化することができ、生産性も向上できるという観点から、油剤付着後にパッケージ形状で行うことが好ましい。
液晶ポリエステルは固相重合により融点が上昇するものの、高温乾燥を含む熱処理時に液晶ポリエステルマルチフィラメント間の融着を防ぐため、高温乾燥の温度は液晶ポリエステルの固相重合後融点−120℃以上、固相重合後融点−40℃以下であることが好ましく、固相重合後融点−90℃以上、固相重合後融点−50℃以下であることがさらに好ましい。
熱処理時間は、油剤を十分に乾燥、変性させ、糸−糸摩擦係数を本発明で規定する範囲に制御することができれば特に制限はないが、通常15分以上であることが好ましい。なかでも5時間以上とすることが好ましく、10時間以上がより好ましい。一方、油剤の乾燥、変性は経過時間と共に飽和するため、生産性を高めるためは、30時間以下とすることが好ましい。
上記のように紡糸時、固相重合前あるいは固相重合後に付与した油剤は、付与後の熱履歴により変性物となり、繊維表面を皮膜するように液晶ポリエステルに付着し、表面の摩擦特性を制御し得る要因の一つとなり得る。摩擦特性は油剤の種類、付着量、変性の程度に影響されるが、一般に付着量が多いほど、縮合等油剤の熱による反応が進むほど、温度を上げる、時間を長くする、すなわち変性の程度が多いほど摩擦係数は上がる傾向にあるので、本発明においては糸―糸動摩擦係数が本発明で規定する範囲となるよう油剤種、付着量、熱による処理条件を調整する。
本発明の製造方法により得られる液晶ポリエステル繊維は高直線強度であり、かつ結節強度が高いため、結び目や糸の交差部で容易に破断しないという特徴を持つ。このため、一般産業用資材、土木・建築資材、スポーツ用途、防護衣、補強資材、電気材料等の分野で広く用いられる。有効な用途としては、スクリーン紗、フィルター、ロープ、ネット、魚網、コンピューターリボン、プリント基板用基布、抄紙用のカンバス、エアーバッグ、飛行船、ドーム用等の基布、ライダースーツ、釣糸、各種ライン(ヨット、パラグライダー、気球、凧糸)、ブラインドコード、網戸用支持コード、自動車や航空機内各種コード、電気製品やロボットの力伝達コード等の幅広い用途に好適に用いることができる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれにより何等限定されるものではない。なお、明細書本文および実施例に用いた特性の定義および各物性の測定、算出法を以下に示す。
(1)融点
示差走査熱量計(TA 1nstruments社製DSC2920)で行う示差熱量測定において、50℃から20℃/minの昇温条件測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、およそTm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温速度で50℃まで冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2)を融点とした。同様の操作を2回行い、2回の平均値を液晶ポリエステルの融点Tm2(℃)とした。
(2)ポリスチレン換算の重量平均分子量(分子量)
溶媒としてペンタフルオロフェノール/クロロホルム=35/65(重量比)の混合溶媒を用い、液晶ポリエステルの濃度が0.04〜0.08重量/体積%となるように溶解させGPC測定用試料とし、これをWaters社製GPC測定装置を用いて測定し、ポリスチレン換算によりMwを求めた。同様の操作を2回行い、2回の平均値を重量平均分子量(Mw)とした。
カラム:ShodexK−806M 2本、K-802 1本
検出器:示差屈折率検出器RI(2414型)
温度:23±2℃
流速:0.8mL/分
注入量:200μL
(3)油分付着率
100±10mgの繊維を採取し、60℃にて10分間乾燥させた後の重量を測定し(W0)、繊維重量に対し100倍以上の水にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを繊維重量に対し2.0重量%添加した溶液に繊維を浸漬させ、室温にて20分超音波洗浄し、洗浄後の繊維を水洗し、60℃にて10分間乾燥させた後の重量(W1)を測定し、次式により油分付着率を算出した。
(油分付着率(重量%))=(W0−W1)×100/W1
(4)総繊度
JIS L 1013 (2010) 8.3.1 A法により、所定荷重0.045cN/dtexで正量繊度を測定して総繊度(dtex)とした。
(5)単繊維数
JIS L 1013 (2010) 8.4の方法で算出した。
(6)単繊維繊度
総繊度をフィラメント数で除した値を単繊維繊度(dtex)とした。
(7)強伸度、最大弾性率
JIS L 1013(2010) 8.5.1標準時試験に示される定速伸長条件で測定した。試料をオリエンテック社製“テンシロン”(TENSILON) UCT−100を用い、掴み間隔は25cm、引張り速度は30cm/分として、1水準あたり10回の測定を行った。直線強度・伸度は破断時の応力および伸びとし、最大弾性率は荷重−伸び曲線において伸長変化に対する荷重変化が最大となる点とした。
(8)結節強度
JIS L 1013(2010) 8.6.1標準時試験に準じ、試料のつかみ間中央に結節部をつくり、上記強伸度測定と同様の条件で1水準あたり10回の測定を行った。
(9)糸−糸動摩擦係数
東レエンジニアリング(株)製摩擦試験機YF850を使用した。測定では、装置に仕掛けたマルチフィラメントの糸条の一部を360°捻って、45°の角度で交差させてローラーガイドに掛け、糸速20m/分、初荷重0.12cN/dtexで糸条を5分間連続で走行させた。このときの走行糸条の張力の平均値(T)と初荷重(T)から、糸―糸間の動摩擦係数μF-Fを下記式により算出した。
μF-F=(T―T)/(T+T
参考例1
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870g(6.30モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル327g(1.890モル)、ハイドロキノン89g(0.810モル)、テレフタル酸292g(1.755モル)、イソフタル酸157g(0.945モル)および無水酢酸1460g(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら室温から145℃まで30分で昇温した後、145℃で2時間反応させた。その後、335℃まで4時間で昇温した。
重合温度を335℃に保持し、1.5時間で133Paに減圧し、更に40分間反応を続け、トルクが28kgcmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
得られた液晶ポリエステルの融点は315℃であった。
実施例1
参考例1の液晶ポリエステルを用い、160℃の温度で12時間真空乾燥を行った後、大阪精機工作株式会社製φ15mm単軸エクストルーダーにて溶融押出しし、ギアーポンプで計量しつつ紡糸パックにポリマーを供給した。この時のエクストルーダー出から紡糸パックまでの紡糸温度は345℃とした。紡糸パックでは金属不織布フィルターを用いてポリマーを濾過し、孔径0.13μm、ランド長0.26mmの孔を300個有する口金より吐出量100g/分でポリマーを吐出した。この際の吐出線速度は18m/分であった。吐出したポリマーは40mm、345℃に設定した保温領域を通過させた後、環状冷却風により糸条の外側から冷却し固化させ、その後、下記構造式で示す分解開始温度が375℃であり、常温で液体のリン酸エステル系化合物を2重量%含有する水溶液を紡糸油剤として付与し、全フィラメントを600m/分の第1ゴデットロールに引き取った。これを同じ速度である第2ゴデットロールを介した後、ダンサーアームを介しパーンワインダー(神津製作所社製EFT型テークアップワインダー、巻取パッケージに接触するコンタクトロール無し)にてパーンの形状に巻き取った。得られた液晶ポリエステルの紡糸繊維の融点(Tm)は318℃であった。また、繊維の総繊度は1670dtex、単繊維繊度は5.6dtex、直線強度は6.4cN/dtex、伸度は1.5%、弾性率は540cN/dtex、油分付着率は0.5重量%であった。
Figure 0006617626
この紡糸繊維のパッケージから神津製作所社製SSP−MV型リワインダー(接触長(最内層の巻きストローク)200mm、ワインド数8.7、テーパー角45°)を用いて、400m/分で巻き返しを行った。紡糸繊維の解舒は、縦方向(繊維周回方向に対し垂直方向)に行い、調速ローラーは用いず、オイリングローラー(梨地仕上げのステンレスロール)を用いて紡糸油剤と同様のリン酸系化合物〔以下PA〕を18.0重量%含有する水溶液を油剤として給油を行った。
巻き返しの芯材にはステンレス製の穴あきボビンにケブラーフェルト(目付280g/m、厚み1.5mm)を巻いたものを用い、面圧は100gfとした。巻き返し後の繊維パッケージの巻密度は0.60g/cm繊維への油分付着率は1.5重量%であった。
次に巻き返したパッケージからステンレスの穴あきボビンを外し、ケブラーフェルトに繊維を巻き取ったパッケージの状態として固相重合を行なった。固相重合は、密閉型オーブンを用い、室温から240℃までは約30分で昇温し、240℃にて3時間保持した後、4℃/時間で290℃まで昇温し、10時間保持する条件にて固相重合を行った。なお、雰囲気は除湿窒素を流量60NL/分にて供給し、庫内が加圧にならないように排気口より排気させた。
得られた固重後繊維の融点(Tm)は331℃であった。得られた固相重合後の繊維の総繊度は1680dtex、単繊維繊度は5.6dtex、直線強度は24.0cN/dtex、伸度は2.5%であり、固相重合前の繊維と比べて直線強度、伸度が向上しており、固相重合が進んでいることが確認できた。
この固相重合後の繊維はパッケージから神津製作所社製SSP−MV型リワインダー(接触長(最内層の巻きストローク)200mm、ワインド数8.7、テーパー角45°)を用いて50m/分で巻き返しを行った。解舒は、縦方向(繊維周回方向に対し垂直方向)に調速ローラーは用いず行った。得られた繊維の結節強度は表1に記載のとおりであり単繊維間のポリマー融着は認められなかった。
得られた液晶ポリエステル繊維の表面は白っぽく変色しており、固相重合前、油剤付与後の表面に変色がみられなかったのと比較して変性し、変性物となっていることが認められた。
実施例2、3
固相重合前の巻返し時に、オイリングローラーの回転数を変化させることで、付与する融着防止剤の付着率を変更したこと以外は実施例1と同様にして液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
得られた液晶ポリエステル繊維の表面は白っぽく変色しており、固相重合前、油剤付与後の表面に変色がみられなかったのと比較して変性し、変性物となっていることが認められた。
実施例4,5
使用する油剤を反応性シリコーン(信越化学工業(株)製POLON−MK−206〔以下MK〕)を水に12重量%分散させた溶液に変更したこと以外は実施例1と同様にして液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
得られた液晶ポリエステル繊維の表面はゴム状態であり、固相重合前、油剤付与後の表面が滑らかであったのと比較して変性し、変性物となっていることが認められた。
実施例6
固相重合後の繊維を解舒する際に、オイリングローラー(梨地仕上げのステンレスロール)を用いて、仕上げ油剤として紡糸油剤と同様のPAを水に20重量%分散させた溶液を付着し、密閉型オーブンを用いて250℃で10時間高温乾燥を施したこと以外は実施例1と同様にして液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
得られた液晶ポリエステル繊維の表面は白っぽく変色しており、固相重合前、油剤付与後の表面に変色がみられなかったのと比較して変性し、変性物となっていることが認められた。
実施例7
高温乾燥時の温度を変更したこと以外は実施例4と同様にして液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
得られた液晶ポリエステル繊維の表面は白っぽく変色しており、固相重合前、油剤付与後の表面に変色がみられなかったのと比較して変性し、変性物となっていることが認められた。
実施例8、9
仕上げ油剤付与時のオイリングローラーの回転数を変え、仕上げ油剤の油分付着率を表1の通り変更したこと以外は実施例4と同様にして液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
得られた液晶ポリエステル繊維の表面は白っぽく変色しており、固相重合前、油剤付与後の表面に変色がみられなかったのと比較して変性し、変性物となっていることが認められた。
実施例10
固相重合工程において、室温から240℃までは約30分で昇温し、240℃にて3時間保持した後、4℃/時間で270℃まで昇温し、10時間保持する条件に変更したこと以外は実施例4と同様にして液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
得られた液晶ポリエステル繊維の表面は白っぽく変色しており、固相重合前、油剤付与後の表面に変色がみられなかったのと比較して変性し、変性物となっていることが認められた。
比較例1
固相重合前の巻返しで付与するPAの付着率を表2の通りに変更したこと以外、実施例1と同様にして液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
比較例2、3
固相重合前の巻返しで付与する融着防止剤をポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング(株)製SH200−350cs、粘度350cSt)〔以下DS〕を水に30重量%分散させた溶液に変更したこと、付着率を表2の通りに変更したこと以外、実施例1と同様にして液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
比較例4
固相重合時の供給窒素流量を表2の通りに変更したこと以外、実施例1と同様にして液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
比較例5,6
仕上げ油剤をDSを水に30重量%分散させた溶液に変更したこと、仕上げ油剤の付着率を表2の通り変更したこと以外は、実施例4と同様にして液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
比較例7、8
高温乾燥時の温度を表2の通り変更したこと以外、実施例4と同様にして液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
Figure 0006617626
Figure 0006617626
表1の実施例1〜10から明らかなように、糸−糸動摩擦係数を所定の範囲とすることで、液晶ポリエステルマルチフィラメント特有の高い直線強度を有し、かつ結節強度が7.0cN/dtex以上となる液晶ポリエステルマルチフィラメントが安定して得られるのである。
一方で、表2の比較例1〜6から明らかなように、糸−糸動摩擦係数が適切でないと、高い結節強度は得られない。
本発明の液晶ポリエステルマルチフィラメントは高直線強度で、かつ結節強度が7.0〜10.0cN/dtexと高いため、結び目や糸同士の交差部で容易に破断しないという特徴を有する。このため、一般産業用資材、土木・建築資材、スポーツ用途、防護衣、補強資材、電気材料等の分野で広く用いられる。有効な用途としては、ネット、魚網、ロープ、スリング、コンピューターリボン、プリント基板用基布、抄紙用のカンバス、エアーバッグ、飛行船、ドーム用等の基布、ライダースーツ、釣糸、各種ライン(ヨット、パラグライダー、気球、凧糸)、ブラインドコード、網戸用支持コード、自動車や航空機内各種コード、電気製品やロボットの力伝達コード、テンションメンバー等といった幅広い用途に用いることができる。

Claims (5)

  1. 糸−糸動摩擦係数が0.40〜0.90であり、かつ直線強度が20cN/dtex以上であることを特徴とする液晶ポリエステルマルチフィラメント。
  2. 結節強度が7cN/dtex以上である請求項1に記載の液晶ポリエステルマルチフィラメント。
  3. 液晶ポリエステルが(A)p−ヒドロキシ安息香酸成分と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸成分が共重合された液晶ポリエステル、(B)p−ヒドロキシ安息香酸成分と4,4´−ジヒドロキシビフェニル成分とイソフタル酸成分および/またはテレフタル酸成分が共重合された液晶ポリエステル、(C)p−ヒドロキシ安息香酸成分と4,4´−ジヒドロキシビフェニル成分とイソフタル酸成分とテレフタル酸成分とヒドロキノン成分が共重合された液晶ポリエステルから選択された1種以上である請求項1または2に記載の液晶ポリエステルマルチフィラメント。
  4. 液晶ポリエステルの紡糸繊維であるマルチフィラメントを固相重合して液晶ポリエステルマルチフィラメントを製造するに際し、固相重合前に油剤を付与し、供給気体流量30NL/分以上、220℃以上の温度で処理することにより、固相重合を進行させつつ、表面に付着した油剤を変性させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法。
  5. 固相重合後に油剤を付与し、150℃以上の温度で処理することを特徴とする請求項4に記載の液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法。
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