JP2017031525A - 液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高強度、高弾性率で加工工程における単糸切れが抑制された工程通過性および製品収率に優れた液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法の提供。
【解決手段】直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)と直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)で構成される液晶ポリエステル異繊度混繊糸を固相重合する液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法において、直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)の直径を(Ra)、本数を(Na)とし、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)の直径を(Rb)、本数を(Nb)とするとき、(Ra)/(Rb)≧1.4、(Na)/(Nb)≧0.1を満たす液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)と直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)で構成される液晶ポリエステル異繊度混繊糸を固相重合する液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法において、直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)の直径を(Ra)、本数を(Na)とし、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)の直径を(Rb)、本数を(Nb)とするとき、(Ra)/(Rb)≧1.4、(Na)/(Nb)≧0.1を満たす液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は高強度、高弾性率で加工性工程における単糸切れが抑制され工程通過性および製品収率に優れた液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法に関するものである。
液晶ポリエステルは剛直な分子鎖からなるポリマーであり、溶融紡糸においてはその分子鎖を繊維軸方向に高度に配向させ、さらに高温下で固相重合するため、溶融紡糸で得られる繊維の中では最も高い強度、弾性率が得られる(非特許文献1参照)。強度、弾性率、耐磨耗性、低吸湿性等の特性バランスの良さから、液晶ポリエステル繊維は漁網や海洋ロープ類、スリング、テンションメンバー、安全防護材などに好適に用いられている。
上述のような各種用途において液晶ポリエステル繊維は他の高強度繊維や金属ワイヤーとの競合素材として、更なる高強度化を目指した開発が行われてきた。高強度化に向けた具体的な手法としては、液晶ポリエステルポリマーの開発や液晶ポリエステル繊維の極細化などが挙げられる。液晶ポリエステル繊維の極細化により、繊維の比表面積が増え、固相重合時のガス拡散性が向上することで高強度化が達成される。
たとえば、特許文献1、2には他種ポリマーとのブレンドあるいは複合紡糸により得られた海島繊維の脱海処理を行い、極細の液晶ポリエステル繊維を得た後に固相重合する手法が開示されている。この技術では確かに高強度化が達成されるものの、脱海処理が必要なために工業生産においてコストが極めて高くなるという問題があった。
これに対し、特許文献3には直接紡糸による極細化の手法について開示されている。この手法によれば単糸繊度の小さい糸を安定的に紡糸することが可能であり、極細化による高強度化を達成している。上述のように各種手法による極細化で液晶ポリエステル繊維の高強度化が達成できることが実証されている。
技術情報協会編、「液晶ポリマーの改質と最新応用技術」(2006)(第235頁〜第256頁)
一方で、このような極細化された液晶ポリエステル繊維においては新たな課題が発生した。それは、特に固相重合工程後の製糸工程あるいは加工工程における単糸切れを原因とする工程通過性の低下である。液晶ポリエステル繊維は弾性率が高いことが特徴であり、応力に対する伸びが小さい。この特徴に起因して、液晶ポリエステル繊維をマルチフィラメントとした際には単繊維の糸長のバラツキにより糸長の短い特定の単糸へ工程張力が集中してしまう現象が発生するのである。このような液晶ポリエステル繊維の特性に由来し、液晶ポリエステルマルチフィラメントにおいては単糸繊度が小さくなることで単糸の強力低下と工程張力の集中により単糸切れの発生頻度が著しく上昇し工程通過性が低下するのである。本発明は前記課題を解決し、高強度、高弾性率で加工工程における単糸切れが抑制され工程通過性および製品収率に優れた液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法を提供することにある。
本願発明者らは上記課題に対し、特定の直径差を有する2種以上のフィラメントで構成される液晶ポリエステルマルチフィラメントを固相重合することで、高強度、高弾性率かつ加工工程の通過性が良好な液晶ポリエステルマルチフィラメントが得られることを見出し、本発明を得るに至った。
すなわち前記した本発明の課題は以下の手段により達成される。
直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)と直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)とから構成される液晶ポリエステル異繊度混繊糸を、固相重合する液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法において、直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)の直径を(Ra)、本数を(Na)とし、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)の直径を(Rb)、本数を(Nb)として、
(Ra)/(Rb)≧1.4
(Na)/(Nb)≧0.1
を満たすことを特徴とする液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法。
直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)と直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)とから構成される液晶ポリエステル異繊度混繊糸を、固相重合する液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法において、直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)の直径を(Ra)、本数を(Na)とし、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)の直径を(Rb)、本数を(Nb)として、
(Ra)/(Rb)≧1.4
(Na)/(Nb)≧0.1
を満たすことを特徴とする液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法。
本発明の液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法により得られる液晶ポリエステル繊維は高強度、高弾性率で加工性工程における単糸切れが抑制され工程通過性および製品収率に優れる。このため、一般産業用資材、土木・建築資材、スポーツ用途、防護衣、補強資材、電気材料(特に、テンションメンバーとして好適)、音響材料、一般衣料等の分野で広く用いられる。有効な用途としては、スクリーン紗、フィルター、ロープ、ネット、魚網、荷役スリング、カテーテルコード、コンピューターリボン、プリント基板用基布、抄紙用のカンバス、エアーバッグ、飛行船、ドーム用等の基布、ライダースーツ、釣糸、各種ライン(ヨット、パラグライダー、気球、凧糸)、ブラインドコード、網戸用支持コード、自動車や航空機内各種コード、電気製品やロボットの力伝達コード等といった幅広い用途に用いることができる。このうち特に、総繊度が大きい品種が使われるロープ、ネット、漁網、荷役スリング用途および、単糸が細いことが要求されるテンションメンバー、カテーテル等の用途に好適に用いられる。
以下、本発明の液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法について詳細に説明する。
本発明における液晶ポリエステル紡糸繊維とは液晶ポリエステルを溶融紡糸することで得られたフィラメント状の繊維を指す。
液晶ポリエステルとは、溶融時に異方性溶融相(液晶性)を形成し得るポリエステルである。この特性は例えば、液晶ポリエステルからなる試料をホットステージにのせ、窒素雰囲気下で昇温加熱し、試料の透過光を偏光下で観察することにより確認できる。
本発明に用いられる液晶ポリエステルとしては、例えば(i)芳香族オキシカルボン酸の重合物、(ii)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールまたは脂肪族ジオールから選択されたジオールとの重合物、および(iii)前記の(i)と前記の(ii)の共重合物等が挙げられ、中でも芳香族のみで構成された重合物が好ましい。芳香族のみで構成された重合物は、繊維にした際に優れた強度および弾性率を発現する。また、液晶ポリエステルの重合処方は従来公知の方法を用いることができる。
ここで、芳香族オキシカルボン酸としては、例としてヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸等、またはこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン置換体等が挙げられる。
また、芳香族ジカルボン酸としては、例としてテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸等、またはこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン置換体等が挙げられる。
更に、芳香族ジオールとしては、例としてヒドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシビフェニル、ナフタレンジオール等、またはこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン置換体等が挙げられ、脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
本発明に用いる液晶ポリエステルの好ましい例としては、p−ヒドロキシ安息香酸成分と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸成分が共重合された液晶ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸成分と4,4´−ジヒドロキシビフェニル成分とイソフタル酸成分および/またはテレフタル酸成分が共重合された液晶ポリエステル等が挙げられ、特に好ましくはp−ヒドロキシ安息香酸成分と4,4´−ジヒドロキシビフェニル成分とイソフタル酸成分とテレフタル酸成分とヒドロキノン成分が共重合された液晶ポリエステルが挙げられる。
上記に示すような組み合わせにより、分子鎖の対称性が低下することで液晶ポリエステルの融点が分解点以下に低下し、溶融紡糸可能な融点を有するようになる。したがって、ポリマーの融点と熱分解温度の間で設定される紡糸温度において良好な製糸性を有するようになり長手方向に均一な繊維が得られ、かつ適度な結晶性を有するため繊維の強度、弾性率を高めることができる。本発明では下記化学式に示す構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)からなる液晶ポリエステルであることが好ましい。
なお、本発明において構造単位とはポリマーの主鎖における繰り返し構造を構成し得る単位を示す。上記(I)〜(V)の組み合わせは直線性が高いため、弾性率を高めることができ、好ましい。
構造単位(II)、(III)のような嵩高くなく、直線性の高いジオールからなる成分を組み合わせることで分子鎖は秩序だった乱れの少ない構造を取ると共に、結晶性が過度に高まらず繊維軸垂直方向の相互作用も維持できる。これにより高い強度、弾性率が得られることに加えて、固相重合後に高温熱処理を施すことで特に優れた耐摩耗性も得られる。
また、上記した構造単位(I)は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して40〜85mol%が好ましく、より好ましくは65〜80mol%、さらに好ましくは68〜75mol%である。このような範囲とすることで結晶性を適切な範囲とすることができ高い強度、弾性率が得られ、かつ融点も溶融紡糸可能な範囲となる。
構造単位(II)は構造単位(II)および(III)の合計に対して60〜90mol%が好ましく、より好ましくは60〜80mol%、さらに好ましくは65〜75mol%である。このような範囲とすることで結晶性が過度に高まらず繊維軸垂直方向の相互作用も維持できるため、耐摩耗性を高めることができる。
構造単位(IV)は構造単位(IV)および(V)の合計に対して40〜95mol%が好ましく、より好ましくは50〜90mol%、さらに好ましくは60〜85mol%である。このような範囲とすることでポリマーの融点が適切な範囲となり、ポリマーの融点と熱分解温度の間で設定される紡糸温度において良好な紡糸性を有するため長手方向に均一な繊維が得られる他、ポリマーの直線性が適度に乱れるため、フィブリル構造が乱れやすくなり繊維軸垂直方向の相互作用が高まり耐摩耗性を向上させることができる。
なお、上記本発明で好ましく用いる液晶ポリエステルの各構造単位の好ましい範囲は以下のとおりである。なお、下記構造単位(I)〜(V)の合計を100mol%とする。この範囲の中で組成を調整することで本発明の液晶ポリエステル紡糸繊維が好適に得られる。
構造単位(I):45〜65mol%
構造単位(II):12〜18mol%
構造単位(III):3〜10mol%
構造単位(IV):5〜20mol%
構造単位(V):2〜15mol%
さらに、構造単位(IV)と構造単位(V)の合計量と構造単位(II)と構造単位(III)の合計量は、実質的に等モルであることが好ましい。
なお、本発明の液晶ポリエステルは、上記モノマー以外に、液晶性を損なわない程度の範囲で更に他のモノマーを共重合させることができ、例としてアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、ポリエチレングリコール等のポリエーテル、ポリシロキサン、芳香族イミノカルボン酸、芳香族ジイミン、および芳香族ヒドロキシイミン等が挙げられる。
構造単位(II):12〜18mol%
構造単位(III):3〜10mol%
構造単位(IV):5〜20mol%
構造単位(V):2〜15mol%
さらに、構造単位(IV)と構造単位(V)の合計量と構造単位(II)と構造単位(III)の合計量は、実質的に等モルであることが好ましい。
なお、本発明の液晶ポリエステルは、上記モノマー以外に、液晶性を損なわない程度の範囲で更に他のモノマーを共重合させることができ、例としてアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、ポリエチレングリコール等のポリエーテル、ポリシロキサン、芳香族イミノカルボン酸、芳香族ジイミン、および芳香族ヒドロキシイミン等が挙げられる。
また、本発明の液晶ポリエステルには、本発明の効果を損なわない範囲で他のポリマーが添加・併用されていてもよい。添加・併用とはポリマー同士を混合する場合や、2成分以上の複合紡糸において一方の成分、乃至は複数の成分に他のポリマーを部分的に混合使用すること、あるいは全面的に使用することをいう。
他のポリマーとしては、例としてポリエステル、ポリオレフィンやポリスチレン等のビニル系重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、芳香族ポリケトン、脂肪族ポリケトン、半芳香族ポリエステルアミド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂等のポリマーを添加しても良く、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン6T、ナイロン9T、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート、ポリエステル99M等が好適な例として挙げられる。なお、これらのポリマーを添加・併用する場合、その融点は液晶ポリエステルの融点±30℃以内にすることが製糸性を損なわないために好ましい。
なお、得られる繊維の強度、弾性率を向上させるため、またポリマー界面での剥がれによる毛羽発生や糸切れを抑制するためには添加・併用する量は50wt%以下が好ましく、5wt%以下がより好ましく、実質的に他のポリマーを添加・併用しないことが最も好ましい。
本発明の液晶ポリエステルには、本発明の効果を損なわない範囲内で、各種金属酸化物、カオリン、シリカ等の無機物、着色剤、艶消剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤、末端基封止剤、相溶化剤等の添加剤を少量含有していても良い。
本発明の液晶ポリエステル紡糸繊維の強度、伸度、弾性率は固相重合により飛躍的に向上するため、紡糸繊維の段階で特段制限はない。しかしながら取り扱い性の観点から強度は4cN/dtex以上、伸度は1.0%以上、弾性率は200cN/dtex以上が好ましい。なお、通常の溶融紡糸により得られる液晶ポリエステル紡糸繊維の到達可能な強度は10cN/dtex、伸度は3.0%、弾性率は600cN/dtex程度である。なお、ここで言う強度、伸度、弾性率とは実施例記載の手法により求める値である。
本発明は直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)の直径を(Ra)、本数を(Na)とし、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)の直径を(Rb)、本数を(Nb)とすると(Ra)/(Rb)≧1.4および(Na)/(Nb)≧0.1を満たすことを特徴とする。直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)が糸条中に存在することで糸条の剛性が高まり工程通過性が向上する。また、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)が糸条中に存在することで固相重合後の到達強度が向上する。
本願発明者らは鋭意検討の末、このような条件を満たす組み合わせで糸条を構成することで2つの効果が得られることを見出したのである。
一つ目の効果は、固相重合後の液晶ポリエステルマルチフィラメントの解舒や加工工程におけるガイドやローラー等からの糸離れ性が飛躍的に向上することを見出した。また、これに伴いガイドやローラー等への単糸切れによる巻き付きの発生頻度が著しく低下し工程通過性が大幅に向上することに加え、単糸間の糸長バラツキが抑制できることを見出したのである。糸離れ性が良くなることにより、ガイドやローラーから走行糸が離れる際の応力が糸条全体に伝わることで単糸への応力集中が避けられるため単糸切れに伴う巻き付きが抑制されたものと推測する。また、糸離れ時に糸条全体が一体となって離れるため、糸条の収束性が乱されず単糸間の糸長バラツキが抑制されると推測する。
なお、解舒や加工工程における糸離れ不良が解消するメカニズムとしては以下のように推定する。すなわち、繊維の断面2次モーメントは直径の2乗に比例するため、(Ra)/(Rb)≧1.4とすることで直径の大きい液晶ポリエステル紡糸繊維(A)の剛性は直径の小さい液晶ポリエステル紡糸繊維(B)の約4倍以上大きくなる。このような直径の大きい液晶ポリエステル繊維がマルチフィラメント中に存在することでマルチフィラメント全体の剛性が改善されたと推測する。
この観点から、(Ra)/(Rb)の比率は大きいほど好ましいが、一方で、液晶ポリエステル紡糸繊維(A)の直径(Ra)が大きすぎると得られる液晶ポリエステルマルチフィラメントのしなやかさが低下するため、(Ra)の上限は50μm程度であり、(Ra)/(Rb)の上限としては5程度である。
また、液晶ポリエステル紡糸繊維(B)の直径(Rb)は10μm以上が好ましい。10μm以上とすることで、工程通過時の単糸の糸切れが大幅に抑制できる。単繊維の強力は直径の2乗に比例して向上するため、加工時の単糸の糸切れ抑制の観点では直径は太ければ太いほど好ましい。一方で、固相重合による強度向上の観点からは繊維の比表面積が大きいことが好ましく、この観点からは直径は細ければ細いほど好ましい。
次に、二つ目の効果としては驚くべきことに、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)のみから構成される液晶ポリエステルマルチフィラメントに対して固相重合後の到達強度の向上効果が見出されたのである。
従来、液晶ポリエステルマルチフィラメントを構成する単糸の直径が小さければ小さいほど、固相重合後の到達強度が高くなることが公知であった。しかしながら、本発明では上述の条件を満たすように直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)と直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)を混繊することで固相重合による到達強度が向上することを見出したのである。この理由の詳細は不明であるが、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)単独ではマルチフィラメント中の単繊維は密にパッキングした状態となるのに対し、直径の大きい液晶ポリエステル紡糸繊維(A)を併用することで単繊維間に空隙が発生し、固相重合時に繊維から発生するガスの拡散が促進され、固相重合が促進されると推測する。
固相重合後に得られる液晶ポリエステルマルチフィラメントの到達強度の観点から(Na)/(Nb)は0.5以下であることが好ましい。
なお、液晶ポリエステル紡糸繊維の直径(R)および本数(N)は実施例記載の方法により求められる。
本発明における液晶ポリエステル紡糸繊維(A)および液晶ポリエステル紡糸繊維(B)はいずれも液晶ポリエステル繊維の一般的な直接紡糸方法により得られる。
本発明における直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)および直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)からなる液晶ポリエステル異繊度混繊糸は直径の異なる糸を紡糸工程のみで得る方法、あるいは、別々に紡出した直径の異なる液晶ポリエステル紡糸繊維を別工程で合糸することで得ることができる。
また、本発明の液晶ポリエステル異繊度混繊糸には本発明により得られる効果を損ねない範囲でその他の直径を有する液晶ポリエステル紡糸繊維や他種ポリマーからなる繊維が含まれていても構わない。
本発明においては、上述のような異なる直径を有する液晶ポリエステル紡糸繊維から構成された液晶ポリエステル異繊度混繊糸を固相重合することを特徴とする。固相重合を行うことで分子量が高まり、これにより強度、弾性率、伸度が高まる。固相重合はカセ状、トウ状(例えば金属網等に載せて行う)、あるいはローラー間で連続的に糸条として処理することも可能であるが、設備が簡素化でき、生産性も向上できる点から繊維を芯材に巻き取ったパッケージ状で行うことが好ましい。
本発明においてパッケージ形状で固相重合を行う場合は、単繊維間融着を防止する目的で油剤を付与することが好ましい。融着防止用の油剤としては公知のものを用いることができる。例えば、耐熱性に優れるシリコーン系やフッ素系、リン酸系化合物、あるいは無機粒子なども利用できる。なお、不可逆的にゲル化、固化するなど、固相重合後のマルチフィラメントの単繊維間融着を起こさない、あるいは固相重合後に水による洗浄で容易に洗浄が可能なものを用いることが好ましい。安全性および洗浄性の観点からリン酸系化合物を用いることが最も好ましい。
本発明における固相重合は窒素等の不活性ガス雰囲気中や、空気のような酸素含有の活性ガス雰囲気中または減圧下で行うことが可能であるが、設備の簡素化および繊維あるいは芯材の酸化防止のため窒素雰囲気下で行うことが好ましい。この際、固相重合の雰囲気は露点が−40℃以下の低湿気体が好ましい。
固相重合温度は、固相重合に供する液晶ポリエステル紡糸繊維の吸熱ピーク温度をTm1(℃)とした場合、最高到達温度が(Tm1−60℃)以上であることが好ましい。このような融点近傍の高温とすることで固相重合が速やかに進行し、繊維の強度を向上させることができる。なお、ここで言うTm1は一般には繊維の融点であり、本発明においては実施例記載の測定方法により求められた値を指す。なお最高到達温度はTm1(℃)未満とすることが融着防止のために好ましい。また固相重合温度を時間に対し段階的にあるいは連続的に高めることは、融着を防ぐと共に固相重合の時間効率を高めることができ、より好ましい。この場合、固相重合の進行と共に液晶ポリエステル繊維の融点は上昇するため、固相重合温度は、固相重合前の液晶ポリエステル紡糸繊維のTm1+100℃程度まで高めることができる。ただしこの場合においても固相重合での最高到達温度は固相重合後の繊維のTm1−60(℃)以上Tm1(℃)未満とすることが固相重合速度を高めかつ融着を防止できる点から好ましい。
固相重合時間は、繊維の分子量すなわち強度、弾性率、伸度を十分に高くするためには最高到達温度で5時間以上とすることが好ましく、10時間以上がより好ましい。一方、強度、弾性率、伸度増加の効果は経過時間と共に飽和するため、生産性を高めるためには50時間以下とすることが好ましい。
本発明の製造法で得られた液晶ポリエステルマルチフィラメントのフィラメント数は10〜1000本が好ましく、15〜900本がより好ましく、50〜800本が最も好ましい。かかる範囲であれば、糸条のしなやかさと高い強力(強度と総繊度の積)を併せ持つ、工程通過性に優れた糸を得ることができる。
本発明の製造法で得られた液晶ポリエステルマルチフィラメントの総繊度は、生産性向上のため5〜10000dtexであることが好ましく、より好ましくは10〜10000dtexであり、さらに好ましは100〜10000dtexである。ここでいう総繊度とは、実施例記載の手法により求める値である。総繊度が上記の範囲であれば、固相重合時に糸条の内部と外部に物性差のない糸を得ることができる。
本発明の製造法で得られた液晶ポリエステルマルチフィラメントの強度は20.0cN/dtex以上である。なお、強度は22.0cN/dtex以上がより好ましく、25.0cN/dtex以上がさらに好ましい。強度の上限は特に限定されないが、本発明の製造方法により達し得る上限としては35.0cN/dtex程度である。
本発明の製造法で得られた液晶ポリエステルマルチフィラメントの伸度は1.0%以上が好ましく、2.0%以上がより好ましい。伸度が1.0%以上あることで繊維の衝撃吸収性が高まり、高次加工工程での工程通過性、取り扱い性に優れる他、衝撃吸収性が高まるため耐摩耗性も高まる。なお、伸度の上限は特に限定されないが、後述の製造方法により達し得る上限としては10.0%程度である。
本発明の製造法で得られた液晶ポリエステルマルチフィラメントの弾性率は900cN/dtex以上である。なお、弾性率は1000cN/dtex以上がより好ましく、1100cN/dtex以上がさらに好ましい。弾性率の上限は特に限定されないが、後述の製造方法により達し得る上限としては弾性率1500cN/dtex程度である。
本発明の製造法で得られた液晶ポリエステルマルチフィラメントは高強度、高弾性率で加工性工程における単糸切れが抑制され工程通過性および製品収率に優れる。このため、一般産業用資材、土木・建築資材、スポーツ用途、防護衣、補強資材、電気材料(特に、テンションメンバーとして好適)、音響材料、一般衣料等の分野で広く用いられる。有効な用途としては、スクリーン紗、フィルター、ロープ、ネット、魚網、荷役スリング、カテーテルコード、コンピューターリボン、プリント基板用基布、抄紙用のカンバス、エアーバッグ、飛行船、ドーム用等の基布、ライダースーツ、釣糸、各種ライン(ヨット、パラグライダー、気球、凧糸)、ブラインドコード、網戸用支持コード、自動車や航空機内各種コード、電気製品やロボットの力伝達コード等といった幅広い用途に用いることができる。このうち特に、総繊度が大きい品種が使われるロープ、ネット、漁網、荷役スリング用途および、単糸が細いことが要求されるテンションメンバー、カテーテル等の用途に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。なお実施例中の各特性値は次の方法で求めた。
A.液晶ポリエステル紡糸繊維のTm1、液晶ポリエステルポリマーの融点Tm
TA instruments社製DSC2920により示差熱量測定を行い、50℃から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピークの温度をTm1(℃)とした。なお、参考例に示した液晶ポリエステルポリマーについては、Tm1の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で50℃まで一旦冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピークをTm2とし、Tm2をもってポリマーの融点(Tm)とした。
TA instruments社製DSC2920により示差熱量測定を行い、50℃から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピークの温度をTm1(℃)とした。なお、参考例に示した液晶ポリエステルポリマーについては、Tm1の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で50℃まで一旦冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピークをTm2とし、Tm2をもってポリマーの融点(Tm)とした。
B.ポリスチレン換算の重量平均分子量(分子量)
溶媒としてペンタフルオロフェノール/クロロホルム=35/65(重量比)の混合溶媒を用い、液晶ポリエステルの濃度が0.04〜0.08重量/体積%となるように溶解させGPC測定用試料とした。なお、室温24時間の放置でも不溶物がある場合は、さらに24時間静置し、上澄み液を試料とした。これを、Waters社製GPC測定装置を用いて測定し、ポリスチレン換算により重量平均分子量(Mw)を求めた。
カラム:ShodexK−806M 2本、K−802 1本
検出器:示差屈折率検出器RI
温度 :23±2℃
流速 :0.8mL/分
注入量:200μL 。
溶媒としてペンタフルオロフェノール/クロロホルム=35/65(重量比)の混合溶媒を用い、液晶ポリエステルの濃度が0.04〜0.08重量/体積%となるように溶解させGPC測定用試料とした。なお、室温24時間の放置でも不溶物がある場合は、さらに24時間静置し、上澄み液を試料とした。これを、Waters社製GPC測定装置を用いて測定し、ポリスチレン換算により重量平均分子量(Mw)を求めた。
カラム:ShodexK−806M 2本、K−802 1本
検出器:示差屈折率検出器RI
温度 :23±2℃
流速 :0.8mL/分
注入量:200μL 。
C.液晶ポリエステル紡糸繊維の直径(R)、本数(N)
液晶ポリエステル紡糸繊維を構成する全てのフィラメントについて株式会社日立ハイテクノロジーズ社製SU1510型走査電子顕微鏡で繊維が5本以上観察できる倍率で画像を撮影し、画像処理ソフト(WINROOF)を用いて単繊維の直径を2次元的に測定した。μm単位で計測した値を少数点2位以下を四捨五入してフィラメントを構成する全ての単糸の直径を求めた。液晶ポリエステル紡糸繊維のフィラメント数が100以下の場合は、フィラメント数×n≧100を満たす最低のn回、同様の測定を繰り返し行った。
液晶ポリエステル紡糸繊維を構成する全てのフィラメントについて株式会社日立ハイテクノロジーズ社製SU1510型走査電子顕微鏡で繊維が5本以上観察できる倍率で画像を撮影し、画像処理ソフト(WINROOF)を用いて単繊維の直径を2次元的に測定した。μm単位で計測した値を少数点2位以下を四捨五入してフィラメントを構成する全ての単糸の直径を求めた。液晶ポリエステル紡糸繊維のフィラメント数が100以下の場合は、フィラメント数×n≧100を満たす最低のn回、同様の測定を繰り返し行った。
得られた単繊維の直径の値を用いて直径に対する頻度分布を示すヒストグラムを描いた。この時に描かれるピークのうち最も頻度が多い値を(R)とした。なお、ピークのうち最も頻度が多い値が複数ある場合はそれらの直径値の平均の値を求め、少数点第2位を四捨五入して少数点第1位までの値を求めた。
また、上述のヒストグラムを用いて直径(R)の±20%の範囲に含まれる頻度の合計数を測定回数のnで除した値を(N)として求めた。
D.総繊度、単繊維繊度
検尺機にて繊維を10mカセ取りし、その重量(g)を1000倍し、1水準当たり10回の測定を行い、平均値を総繊度(dtex)とした。これをフィラメント数で除した商を単繊維繊度(dtex)とした。
検尺機にて繊維を10mカセ取りし、その重量(g)を1000倍し、1水準当たり10回の測定を行い、平均値を総繊度(dtex)とした。これをフィラメント数で除した商を単繊維繊度(dtex)とした。
E.強度、伸度、弾性率
JIS L 1013(2010)8.5.1標準時試験に示される定速伸長条件で測定した。オリエンテック社製テンシロンUCT−100を用い、掴み間隔は25cm、引張り速度は50mm/分で測定を行った。1水準当たり10回の測定を行い、平均値を強力(cN)、強度(cN/dtex)、伸度(%)、弾性率(cN/dtex)とした。なお、弾性率とは初期引張抵抗度のことである。
JIS L 1013(2010)8.5.1標準時試験に示される定速伸長条件で測定した。オリエンテック社製テンシロンUCT−100を用い、掴み間隔は25cm、引張り速度は50mm/分で測定を行った。1水準当たり10回の測定を行い、平均値を強力(cN)、強度(cN/dtex)、伸度(%)、弾性率(cN/dtex)とした。なお、弾性率とは初期引張抵抗度のことである。
F.油分付着率
100±10mgの繊維を採取し、60℃にて10分間乾燥させた後の重量を測定し(W0)、繊維重量に対し100倍以上の水にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを繊維重量に対し2.0重量%添加した溶液に繊維を浸漬させ、室温にて20分超音波洗浄し、洗浄後の繊維を水洗し、60℃にて10分間乾燥させた後の重量(W1)を測定し、次式により油分付着率を算出した。
100±10mgの繊維を採取し、60℃にて10分間乾燥させた後の重量を測定し(W0)、繊維重量に対し100倍以上の水にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを繊維重量に対し2.0重量%添加した溶液に繊維を浸漬させ、室温にて20分超音波洗浄し、洗浄後の繊維を水洗し、60℃にて10分間乾燥させた後の重量(W1)を測定し、次式により油分付着率を算出した。
(油分付着率(重量%))=(W0−W1)×100/W1 。
G.工程通過性
固相重合後の液晶ポリエステルマルチフィラメントのパッケージをフリーロールクリール(軸およびベアリングを有し、外層部は自由に回転できる。ブレーキおよび駆動源なし。)にはめ、ここから糸を横方向(繊維周回方向)に引き出し、湯浅糸道工業株式会社製ベアリングローラーガイドB605050を糸道が為す角度が90°となるように糸を通し、セパレートローラー付きの直径100mmの金属鏡面仕上げのローラーに3ターン通し、ローラーを400m/分に昇速した。なお、クリールはフリーロールであるため、このローラーにより繊維に張力を付与することで、固相重合後パッケージからの解舒を行い、繊維を走行させることになる。つづいてローラーから出た繊維をET型ワインダー(神津製作所社製)にて10分間400m/分で巻き取りを行い、パッケージを形成した。同試験を10回繰り返し、各回における単糸切れによるローラー巻きつきの発生有無を確認し、単糸切れ抑制効果を以下の指標で評価した。評価設備の概略は図1の通りである。
固相重合後の液晶ポリエステルマルチフィラメントのパッケージをフリーロールクリール(軸およびベアリングを有し、外層部は自由に回転できる。ブレーキおよび駆動源なし。)にはめ、ここから糸を横方向(繊維周回方向)に引き出し、湯浅糸道工業株式会社製ベアリングローラーガイドB605050を糸道が為す角度が90°となるように糸を通し、セパレートローラー付きの直径100mmの金属鏡面仕上げのローラーに3ターン通し、ローラーを400m/分に昇速した。なお、クリールはフリーロールであるため、このローラーにより繊維に張力を付与することで、固相重合後パッケージからの解舒を行い、繊維を走行させることになる。つづいてローラーから出た繊維をET型ワインダー(神津製作所社製)にて10分間400m/分で巻き取りを行い、パッケージを形成した。同試験を10回繰り返し、各回における単糸切れによるローラー巻きつきの発生有無を確認し、単糸切れ抑制効果を以下の指標で評価した。評価設備の概略は図1の通りである。
単糸切れ抑制効果:良好(0回)、やや良い(1〜2回)、不良(3回以上)
また、各巻取り後の10本のパッケージの端面部糸条のループ(糸長バラツキ)の発生有無を確認し、以下の評価を行った。
また、各巻取り後の10本のパッケージの端面部糸条のループ(糸長バラツキ)の発生有無を確認し、以下の評価を行った。
糸長バラツキ抑制効果:良好(0本)、やや良い(1〜2本)、不良(3回以上)
参考例1
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870g(6.30モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル327g(1.890モル)、ハイドロキノン89g(0.810モル)、テレフタル酸292g(1.755モル)、イソフタル酸157g(0.945モル)および無水酢酸1460g(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら室温から145℃まで30分で昇温した後、145℃で2時間反応させた。その後、335℃まで4時間で昇温した。
参考例1
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870g(6.30モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル327g(1.890モル)、ハイドロキノン89g(0.810モル)、テレフタル酸292g(1.755モル)、イソフタル酸157g(0.945モル)および無水酢酸1460g(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら室温から145℃まで30分で昇温した後、145℃で2時間反応させた。その後、335℃まで4時間で昇温した。
重合温度を335℃に保持し、1.5時間で133Paに減圧し、更に40分間反応を続け、トルクが28kgcmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
得られた液晶ポリエステルの組成、融点、分子量は表1に記載の通りである。
参考例2〜6
参考例1の液晶ポリエステルを用い、160℃、12時間の真空乾燥を行った後、大阪精機工作株式会社製φ15mm単軸エクストルーダーにて溶融押し出しし、ギアーポンプで計量しつつ紡糸パックにポリマーを供給した。この時のエクストルーダー出から紡糸パックまでの紡糸温度は345℃とした。紡糸パックでは金属不織布フィルターを用いてポリマーを濾過し、孔径0.13μm、ランド長0.26mmの孔を70個有する口金より表2記載の吐出量でポリマーを吐出した。吐出したポリマーは40mmの保温領域を通過させた後、環状冷却風により糸条の外側から冷却し固化させ、その後、脂肪酸エステル化合物を主成分とする紡糸油剤を付与し全フィラメントを表2記載の引き取り速度とした第1ゴデットロールに引き取った。これを同じ速度である第2ゴデットロールを介した後、ダンサーアームを介しパーンワインダー(神津製作所社製EFT型テークアップワインダー、巻取パッケージに接触するコンタクトロール無し)にてパーンの形状に巻き取った。得られた液晶ポリエステル紡糸繊維の融点(Tm1)、総繊度、フィラメント数、単繊維繊度、単糸直径、強度、伸度、弾性率は表2記載の通りであった。
参考例1の液晶ポリエステルを用い、160℃、12時間の真空乾燥を行った後、大阪精機工作株式会社製φ15mm単軸エクストルーダーにて溶融押し出しし、ギアーポンプで計量しつつ紡糸パックにポリマーを供給した。この時のエクストルーダー出から紡糸パックまでの紡糸温度は345℃とした。紡糸パックでは金属不織布フィルターを用いてポリマーを濾過し、孔径0.13μm、ランド長0.26mmの孔を70個有する口金より表2記載の吐出量でポリマーを吐出した。吐出したポリマーは40mmの保温領域を通過させた後、環状冷却風により糸条の外側から冷却し固化させ、その後、脂肪酸エステル化合物を主成分とする紡糸油剤を付与し全フィラメントを表2記載の引き取り速度とした第1ゴデットロールに引き取った。これを同じ速度である第2ゴデットロールを介した後、ダンサーアームを介しパーンワインダー(神津製作所社製EFT型テークアップワインダー、巻取パッケージに接触するコンタクトロール無し)にてパーンの形状に巻き取った。得られた液晶ポリエステル紡糸繊維の融点(Tm1)、総繊度、フィラメント数、単繊維繊度、単糸直径、強度、伸度、弾性率は表2記載の通りであった。
比較例1
直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)を用いずに、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)として参考例3で得られた液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、実施例1と同様にして合糸、巻き返し、固相重合を行い液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)を用いずに、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)として参考例3で得られた液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、実施例1と同様にして合糸、巻き返し、固相重合を行い液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
得られた固相重合後の液晶ポリエステルマルチフィラメントの総繊度、強度、伸度、弾性率は表3に示す通りであり、固相重合前の紡糸繊維と比べて強度、伸度、弾性率が向上しており、固相重合が進んでいることが確認できた。
得られた液晶ポリエステルマルチフィラメントの工程通過性の評価を行った結果は表3に示す通り単糸切れ抑制効果および糸長バラツキ抑制効果は不良、であった。
このため、加工工程においても同様に単糸切れおよび糸長バラツキの発生による単糸への応力集中が発生し工程通過性および製品収率が低いことが予想される。
比較例2
直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)として参考例2で得られた液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)を用いずに、実施例1と同様にして合糸、巻き返し、固相重合を行い液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)として参考例2で得られた液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)を用いずに、実施例1と同様にして合糸、巻き返し、固相重合を行い液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
得られた固相重合後の液晶ポリエステルマルチフィラメントの総繊度、強度、伸度、弾性率は表3に示す通りであり、固相重合前の紡糸繊維と比べて強度、伸度、弾性率が向上しており、固相重合が進んでいることが確認できた。
得られた液晶ポリエステルマルチフィラメントの工程通過性の評価を行った結果は表3に示す通り単糸切れ抑制効果および糸長バラツキ抑制効果は良好であったが強度は低かった。
実施例1
直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)として参考例2で得られた液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)として参考例3で得られた液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、後述の条件において合糸、巻き返し、固相重合を行い液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
合糸工程においては表3記載の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)の本数(Na)および液晶ポリエステル紡糸繊維(B)の本数(Nb)となるように液晶ポリエステル紡糸繊維(A)、(B)を合糸した。液晶ポリエステル紡糸繊維(A)、(B)のパッケージからの糸条の解舒は縦方向(繊維周回方向に対し垂直方向)に行い、φ5mmの金属梨地のスネールガイドで全糸条を収束させ、速度200m/分で回転する直径100mmの金属鏡面仕上げのローラーおよびセパレートローラーに3ターン通し、200m/分でET型ワインダー(神津製作所社製)にて巻き取りを行い液晶ポリエステル異繊度混繊糸のパッケージを得た。
直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)として参考例2で得られた液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)として参考例3で得られた液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、後述の条件において合糸、巻き返し、固相重合を行い液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
合糸工程においては表3記載の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)の本数(Na)および液晶ポリエステル紡糸繊維(B)の本数(Nb)となるように液晶ポリエステル紡糸繊維(A)、(B)を合糸した。液晶ポリエステル紡糸繊維(A)、(B)のパッケージからの糸条の解舒は縦方向(繊維周回方向に対し垂直方向)に行い、φ5mmの金属梨地のスネールガイドで全糸条を収束させ、速度200m/分で回転する直径100mmの金属鏡面仕上げのローラーおよびセパレートローラーに3ターン通し、200m/分でET型ワインダー(神津製作所社製)にて巻き取りを行い液晶ポリエステル異繊度混繊糸のパッケージを得た。
巻き返し工程においては液晶ポリエステル異繊度混繊糸の巻き返しを神津製作所社製SSP−MV型リワインダー(接触長(最内層の巻きストローク)200mm、ワインド数8.7、テーパー角45°)を用いて行った。異繊度混繊糸のパッケージからの糸条の解舒は、縦方向(繊維周回方向に対し垂直方向)に行い、調速ローラーは用いず、オイリングローラー(梨地仕上げのステンレスロール)を用いてリン酸系化合物として下記化学式(1)で示されるリン酸系化合物を2.0重量%含有する水溶液を油剤として給油を行った。
巻き返しの芯材にはステンレス製の穴あきボビンにケブラーフェルト(目付280g/m2、厚み1.5mm)を巻いたものを用い、面圧は100gfとした。巻き返し後の繊維への油分付着率は5.0重量%であった。
固相重合工程においては巻き返したパッケージからステンレスの穴あきボビンを外し、ケブラーフェルトに繊維を巻き取ったパッケージの状態として固相重合を行なった。固相重合は、密閉型オーブンを用い、室温から240℃までは約30分で昇温し、240℃にて3時間保持した後、4℃/時間で290℃まで昇温し、10時間保持する条件にて固相重合を行った。なお、雰囲気は除湿窒素を流量20NL/分にて供給し、庫内が加圧にならないように排気口より排気させた。
得られた固相重合後の液晶ポリエステルマルチフィラメントの総繊度、強度、伸度、弾性率は表3示す通りであり、固相重合前の紡糸繊維と比べて強度、伸度、弾性率が向上しており、固相重合が進んでいることが確認できた。
得られた液晶ポリエステルマルチフィラメントの工程通過性の評価を行った結果は表3に示す通り単糸切れ抑制効果および糸長バラツキ抑制効果は良好であった。
上記結果のとおり、直径が20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)の存在によりローラーやガイドからの糸離れが良好となり単糸切れが抑制され、かつ単糸間の収束性が保たれたまま工程を通過し、糸長バラツキが抑制されていることがわかる。このため、加工工程においても同様に単糸切れが抑制され、糸長バラツキの抑制により単糸への応力集中が抑制されるため工程通過性および製品収率に優れることが期待できる。
実施例2
直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)と、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)の合糸本数を表3のとおり変更した以外は実施例1と同様にして合糸、巻き返し、固相重合を行い液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)と、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)の合糸本数を表3のとおり変更した以外は実施例1と同様にして合糸、巻き返し、固相重合を行い液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
得られた固相重合後の液晶ポリエステルマルチフィラメントの総繊度、強度、伸度、弾性率は表3に示す通りであり、固相重合前の紡糸繊維と比べて強度、伸度、弾性率が向上しており、固相重合が進んでいることが確認できた。
得られた液晶ポリエステルマルチフィラメントの工程通過性の評価を行った結果は表3に示す通り単糸切れ抑制効果および糸長バラツキ抑制効果は良好であった。
上記結果のとおり、直径が20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)の存在によりローラーやガイドからの糸離れが良好となり単糸切れが抑制され、かつ単糸間の収束性が保たれたまま工程を通過し、糸長バラツキが抑制されていることがわかる。このため、加工工程においても同様に単糸切れが抑制され、糸長バラツキの抑制により単糸への応力集中が抑制されるため工程通過性および製品収率に優れることが期待できる。
実施例3
直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)として参考例2で得られた液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)として参考例4で得られた液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、表3記載の合糸本数を全て合わせて実施例1と同様にして合糸、巻き返し、固相重合を行い液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)として参考例2で得られた液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)として参考例4で得られた液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、表3記載の合糸本数を全て合わせて実施例1と同様にして合糸、巻き返し、固相重合を行い液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
得られた固相重合後の液晶ポリエステルマルチフィラメントの総繊度、強度、伸度、弾性率は表3に示す通りであり、固相重合前の紡糸繊維と比べて強度、伸度、弾性率が向上しており、固相重合が進んでいることが確認できた。
得られた液晶ポリエステルマルチフィラメントの工程通過性の評価を行った結果は表3に示す通り単糸切れ抑制効果および糸長バラツキ抑制効果はやや良い、であった。
上記結果のとおり、直径が20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)の存在によりローラーやガイドからの糸離れが良好となり単糸切れが抑制され、かつ単糸間の収束性が保たれたまま工程を通過し、糸長バラツキが抑制されていることがわかる。このため、加工工程においても同様に単糸切れが抑制され、糸長バラツキの抑制により単糸への応力集中が抑制されるため工程通過性および製品収率に優れることが期待できる。
なお、実施例1対比単糸切れ抑制効果および糸長バラツキ抑制効果が低下した理由としては実施例1対比(Rb)が小さく、糸条全体の剛性が低下し糸離れ性が低下し糸長バラツキが生じたことに加え、単糸の強力が低いためわずかな糸長バラツキに起因して工程張力の集中が起き、単糸切れが発生したものと推測する。
実施例4
直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)として参考例5で得られた液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)として参考例4で得られた液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、表3記載の合糸本数を全て合わせて実施例1と同様にして合糸、巻き返し、固相重合を行い液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)として参考例5で得られた液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)として参考例4で得られた液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、表3記載の合糸本数を全て合わせて実施例1と同様にして合糸、巻き返し、固相重合を行い液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
得られた固相重合後の液晶ポリエステルマルチフィラメントの総繊度、強度、伸度、弾性率は表3に示す通りであり、固相重合前の紡糸繊維と比べて強度、伸度、弾性率が向上しており、固相重合が進んでいることが確認できた。
得られた液晶ポリエステルマルチフィラメントの工程通過性の評価を行った結果は表3に示す通り単糸切れ抑制効果および糸長バラツキ抑制効果はやや良い、であった。
上記結果のとおり、直径が20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)の存在によりローラーやガイドからの糸離れが良好となり単糸切れが抑制され、かつ単糸間の収束性が保たれたまま工程を通過し、糸長バラツキが抑制されていることがわかる。このため、加工工程においても同様に単糸切れが抑制され、糸長バラツキの抑制により単糸への応力集中が抑制されるため工程通過性および製品収率に優れることが期待できる。
なお、実施例1対比単糸切れ抑制効果および糸長バラツキ抑制効果が低下した理由としては実施例1対比(Rb)が小さく、糸条全体の剛性が低下し糸離れ性が低下し糸長バラツキが生じたことに加え、単糸の強力が低いためわずかな糸長バラツキに起因して工程張力の集中が起き、単糸切れが発生したものと推測する。
比較例3、4
直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)として表3記載の液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、表3記載の合糸本数を全て合わせて実施例1と同様にして合糸、巻き返し、固相重合を行い液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)として表3記載の液晶ポリエステル紡糸繊維を用い、表3記載の合糸本数を全て合わせて実施例1と同様にして合糸、巻き返し、固相重合を行い液晶ポリエステルマルチフィラメントを得た。
得られた固相重合後の液晶ポリエステルマルチフィラメントの総繊度、強度、伸度、弾性率は表3に示す通りであり、固相重合前の紡糸繊維と比べて強度、伸度、弾性率が向上しており、固相重合が進んでいることが確認できた。
得られた液晶ポリエステルマルチフィラメントの工程通過性の評価を行った結果は表3に示す通り単糸切れ抑制効果および糸長バラツキ抑制効果は不良、であった。
このため、加工工程においても同様に単糸切れおよび糸長バラツキの発生による単糸への応力集中が発生し工程通過性および製品収率が低いことが予想される。
1:フリーロールクリール
2:ベアリングローラーガイド
3:金属鏡面仕上げのローラー
4:セパレートローラー
5:ET型ワインダー
2:ベアリングローラーガイド
3:金属鏡面仕上げのローラー
4:セパレートローラー
5:ET型ワインダー
Claims (1)
- 直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)と直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)とから構成される液晶ポリエステル異繊度混繊糸を、固相重合する液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法において、直径20μm以上の液晶ポリエステル紡糸繊維(A)の直径を(Ra)、本数を(Na)とし、直径20μm未満の液晶ポリエステル紡糸繊維(B)の直径を(Rb)、本数を(Nb)として、
(Ra)/(Rb)≧1.4
(Na)/(Nb)≧0.1
を満たすことを特徴とする液晶ポリエステルマルチフィラメントの製造方法。
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-
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- 2015-07-31 JP JP2015152071A patent/JP2017031525A/ja active Pending
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