JP5470930B2 - 液晶ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents

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本発明は、強度、弾性率、耐摩耗性に優れ、単繊維繊度が小さく、特にモノフィラメントである液晶ポリエステル繊維の製造方法に関するものである。
液晶ポリエステルは剛直な分子鎖からなるポリマーであり、溶融紡糸においてはその分子鎖を繊維軸方向に高度に配向させ、さらに高温下で熱処理することにより固相重合するため、溶融紡糸で得られる繊維の中では最も高い強度、弾性率が得られる(非特許文献1参照)。液晶ポリエステル繊維はさらに低吸湿特性を有するため、水産資材用のロープやネット類などに用途を持っていた。また近年では、スクリーン印刷用の紗織物、セールクロス、各種電気製品のコード補強材、防護手袋、プラスチックの補強材、光ファイバーのテンションメンバー、膜体の基布などの比較的繊度の低い液晶ポリエステルの需要が伸びている。
しかし、液晶ポリエステル繊維は剛直な分子鎖が繊維軸方向へ高度に配向しているため、繊維軸垂直方向に弱く、フィブリル化しやすく耐摩耗性に劣るという欠点も持つ。また、液晶ポリエステル繊維は繊維軸方向に高度に配向し緻密な結晶を生じるが、その結晶部分と非晶部分の構造差が大きく相互作用が低いため、外力が与えられることにより結晶部分と非晶部分との間でズレが生じ、その構造欠陥を破壊の開始点としてフィブリル化が進行する。このため繊維の高次加工工程での毛羽発生による工程通過性悪化、毛羽混入による製品の品位・性能低下が発生することから、液晶ポリエステル繊維の耐摩耗性向上が求められている。中でもフィルター、スクリーン印刷用紗においては、高性能化のために開口部の欠点減少が要求されている。開口部の欠点は、製織工程での摩擦により繊維が削られフィブリル化し、そのフィブリルが開口部を塞ぐことに起因しているため、液晶ポリエステル繊維の耐摩耗性向上が強く求められている。
この耐摩耗性を改善するために、芯成分が液晶ポリエステル、鞘成分がポリフェニレンスルフィドからなる芯鞘型複合繊維(特許文献1参照)や、島成分が液晶ポリエステル、海成分が屈曲性熱可塑性ポリマーからなる海島型複合繊維が提案されている(特許文献2参照)。これらの技術では屈曲性ポリマーが繊維表面を形成することで耐摩耗性の向上は達成できるものの、液晶ポリエステル以外の成分の分率が多いため繊維の強度が劣る、液晶ポリエステルの高強度化に必要な繊維の固相重合において低融点の繊維表面が融着し、欠陥となりフィブリル化が起こるという問題があった。さらに、芯鞘複合紡糸は、単成分紡糸に比べ芯鞘それぞれの吐出量が少なく、細繊度化のために吐出量を少なくした場合、ポリマーの滞留時間の増加に伴うゲル化や熱分解により溶融粘度が変化して、繊維長手方向の太さ斑や複合異常などの繊維長手方向の均一性を損なうという問題がある。
また、液晶ポリエステルと屈曲性熱可塑性樹脂からなる複合繊維を屈曲性熱可塑性樹脂の融点+20℃以上の温度で熱処理することで耐摩耗性を高める技術が提案されている(特許文献3、4参照)。しかし、この技術では屈曲性熱可塑性樹脂を非晶状態とすることで耐摩耗性を向上させているため、得られた繊維は耐熱性に劣るという問題があった。また、複合紡糸であるため前述のとおり長手方向の均一性を損なうという問題がある。
また、液晶ポリエステル繊維を融点よりも低い温度で加熱硬化(固相重合)させた後、該繊維を220〜500℃の温度、通常、硬化温度の50℃の範囲内にて10%〜400%延伸し、強度および弾性率を増加させる技術が提案されている(特許文献5参照)。しかしながら、この技術は結晶化度を維持できる温度で延伸を行うことで分子鎖の配向をさらに高め、強度および弾性率を増加させることを目的としており、結晶化度が高く分子鎖の配向が高い繊維構造のため耐摩耗性は向上できない。
液晶ポリエステル繊維に対して、融点以上の温度で熱処理を施すことによって耐摩耗性を向上させる技術が開示されている(特許文献6、7参照)。これらの技術は、パッケージの状態で固相重合し、解舒し、融着防止剤を除去し、融点以上の高温で熱処理することが記載されており、確かに液晶ポリエステル繊維の耐摩耗性を向上させることが可能であるが、これらの工程では処理された繊維をその都度、巻き取っており、巻き取り設備費用や運転要員の労務費などのコストアップが避けられなかった。また、解舒した後で熱処理する前の液晶ポリエステル繊維は耐摩耗性に劣るため、熱処理前の巻き取り工程においてフィブリル化を避けることができなかった。
以上のことから、従来技術では高強度、高弾性率、高耐熱性を維持しつつ、耐摩耗性が高くフィブリル欠点のない液晶ポリエステル繊維を、低コスト、高収率で製造する技術はこれまで提案されていなかった。
特開平1−229815号公報(第1頁) 特開2003−239137号公報(第1頁) 特開2007−119976号公報(第1頁) 特開2007−119977号公報(第1頁) 特開昭50−43223号公報(第2頁) 特開2008−240230(第5頁) 特開2008−240228号公報(第1頁)
技術情報協会編、「液晶ポリマーの改質と最新応用技術」(2006)(第235頁〜第256頁)
本発明の課題は、高強度、高弾性率、高耐熱性を維持しつつ、フィブリル欠点がなく、製織性、織物品位に問題のない耐摩耗性を有する液晶ポリエステル繊維、特に単繊維繊度が小さい液晶ポリエステルモノフィラメントを、低コスト、高収率で製造する方法を提供することにある。
本発明は、液晶ポリエステル繊維をパッケージとなし、固相重合し、該パッケージから固相重合した液晶ポリエステル繊維を解舒しつつ一旦巻き取ることなく引き続いて熱処理する液晶ポリエステル繊維の製造方法であって、該熱処理の温度を固相重合後の液晶ポリエステル繊維の吸熱ピーク温度(Tm1)+60℃以上とするとともに、熱処理前後の該繊維の速度をそれぞれ第1ローラーおよび第2ローラーにより規制することを特徴とする液晶ポリエステル繊維の製造方法により達成することができる。
本発明により、高強度、高弾性率、高耐熱性を維持しつつ、耐摩耗性が高くフィブリル欠点のない液晶ポリエステル繊維を、低コスト、高収率で製造することができる。
以下、本発明の液晶ポリエステル繊維の製造方法について詳細に説明する。
本発明で用いられる液晶ポリエステルとは、溶融時に異方性溶融相(液晶性)を形成し得るポリエステルである。この特性は例えば、液晶ポリエステルからなる試料をホットステージにのせ、窒素雰囲気下で昇温加熱し、試料の透過光を偏光下で観察することにより確認できる。
本発明の製造方法に用いる液晶ポリエステルの製造方法は、公知の製造方法に準じて製造でき、例えばp−ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸などのヒドロキシカルボン酸およびハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶ポリエステルを製造する方法が好適に用いられる。さらにハイドロキノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物の合計使用量とナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸の合計使用量は、実質的に等モルである。無水酢酸の使用量は、p−ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸、ハイドロキノン等のフェノール性水酸基の合計の1.12当量以下であることが好ましく、1.10当量以下であることがより好ましく、下限については1.0当量以上であることが好ましい。
本発明の製造方法において用いられる液晶ポリエステルの融点は、溶融紡糸可能な温度範囲を広くするため好ましくは200〜380℃であり、より好ましくは250〜350℃であり、さらに好ましくは280〜330℃である。なお液晶ポリエステルの融点は実施例記載の方法で測定される値を指す。
本発明の製造方法に用いる液晶ポリエステルの溶融粘度は、0.5〜200Pa・sが好ましく、特に1〜100Pa・sが好ましく、紡糸性の点から10〜50Pa・sがより好ましい。なお、この溶融粘度は、融点(Tm2)+10℃の条件で、ずり速度1,000(1/s)の条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。
本発明の製造方法に用いる液晶ポリエステルの溶融紡糸前に測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、分子量と記載)は、3.0万以上が好ましく、5.0万以上がより好ましい。分子量を3.0万以上とすることで紡糸温度において適切な粘度を持ち製糸性を高めることができ、分子量が高いほど得られる繊維の強度、伸度、弾性率は高まる。また分子量が高すぎると粘度が高くなり流動性が悪くなり、ついには流動しなくなるため分子量は25.0万未満が好ましく、15.0万未満がより好ましい。
また本発明の製造方法において用いられる液晶ポリエステルには、その性質を大きく変化させない範囲で、他のポリマーや添加剤、充填剤を含むこともできる。ポリマーとしては、ポリエステル、ポリオレフィンやポリスチレンなどのビニル系重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、芳香族ポリケトン、脂肪族ポリケトン、半芳香族ポリエステルアミド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂などのポリマーを添加しても良く、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン6T、ナイロン9T、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレートなどが好適な例として挙げられる。なおこれらのポリマーを添加する場合、その融点は液晶ポリエステルの融点±30℃以内にすることが製糸性を損なわないために好ましい。
さらに本発明の効果を損なわない範囲内で、各種金属酸化物、カオリン、シリカなどの無機物や、着色剤、艶消剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤、末端基封止剤、相溶化剤等の各種添加剤を少量含有しても良い。
本発明の製造方法に用いる液晶ポリエステル繊維の好適な製造方法は溶融紡糸であり、本発明の液晶ポリエステル繊維の製造に際しては公知の溶融紡糸方法を用いることができる。
次に、溶融紡糸された液晶ポリエステル繊維は、パッケージとなし、固相重合する。固相重合に際して液晶ポリエステル繊維は、設備が簡素化でき、生産性も向上できる点からパッケージ状で行う。パッケージの形態はパーン、チーズ、コーン、鍔付きボビンなどいずれでもよいが、パッケージ形成時に繊維の損傷の懸念がないよう巻き取り時に表面がローラーなどと接触しないパーンや鍔付きボビンのパッケージ形態が好ましい。
パッケージの巻き密度は融着防止のために重要であり、巻き密度が0.01g/cc以上、0.50g/cc未満の繊維パッケージとしてボビン上に形成し、これを固相重合することが好ましい。ここで巻密度とは、パッケージ外寸法と心材となるボビンの寸法から求められるパッケージの占有体積Vf(cc)と繊維の重量Wf(g)からWf/Vfにより計算される値である。なお占有体積Vfはパッケージの外形寸法を実測するか、写真を撮影し写真上で外形寸法を測定し、パッケージが回転対称であることを仮定し計算することで求められる値であり、Wfは繊度と巻取長から計算される値、もしくは巻取前後での重量差により実測される値である。巻密度が0.50g/cc未満の場合、パッケージにおける繊維間の密着力が弱まり融着が抑制でき、0.35g/cc以下がより好ましく、巻密度は過度に小さいとパッケージが巻き崩れるため0.01g/cc以上が好ましく、0.03g/cc以上とすることがより好ましい。このような条件を採用しても取扱いの可能な繊度は1dtex以上である。
このような巻密度が小さいパッケージは、溶融紡糸における巻き取りで形成することが設備生産性、生産効率化が向上するために望ましく、一方、溶融紡糸で巻き取ったパッケージを巻き返して形成する場合には、巻き張力を小さくすることができ、容易に巻密度をより小さくできるため好ましい。巻き返しにおいては巻き張力を小さくするほど巻き密度は小さくできるので、巻き張力は0.15cN/dtex以下が好ましく、0.10cN/dtex以下がより好ましく、0.05cN/dtex以下がさらに好ましい。巻き密度を低くするためにはパッケージ形状を整え巻き取り張力を安定化させるために通常用いられるコンタクトローラ等を用いず、繊維パッケージ表面を非接触の状態で巻き取ることや、溶融紡糸で巻き取られたパッケージから調速ローラーを介せず直接、速度制御された巻取機で巻き取ることが有効である。これらの場合、パッケージ形状を整えるためにはトラバースガイドと繊維の接点から繊維パッケージまでの距離(フリーレングス)を10mm以内とする方法が好ましく用いられる。さらに、巻き返し速度を800m/分以下、特に500m/分以下とすることが巻き密度を低くするために有効である。一方、巻き返し速度は生産性のためには高い方が有利であり、50m/分以上、特に100m/分以上とすることが好ましい。
また低張力巻き取りにおいても安定したパッケージを形成するため、ならびに端面部の融着を回避し安定したパッケージを形成するためパッケージは両端にテーパーがついたテーパーエンドの形状とすることが好ましい。この際、テーパー角は75°以下が好ましく、60°以下がより好ましい。またパッケージを大きくし生産効率を高めるためにはテーパー角は15°以上が好ましく、30°以上がより好ましい。なお本発明で言うテーパー角とは以下の式1で定義される。
式1 θ=tan-1(2d/(l1−l2))
θ:テーパー角(°)、d:巻厚(mm)、l1:最内層のストローク長(mm)、
l2:最外層のストローク長(mm)
さらに固相重合時の融着防止のため、パッケージのワインド数を2.0以上20.0以下とすることが好ましい。ここで言うワインド数とはトラバースが半往復する間にスピンドルが回転する回転数であり、トラバース半往復の時間(分)とスピンドル回転数(rpm)の積で定義される。ワインド数を20.0以下とすることにより下層の繊維との接触面積を小さくできるので、融着防止に有利となり、ワインド数を2.0以上とすることにより、端面での綾落ち、パッケージの膨らみが軽減でき、端面部の融着防止に有効である。このようなワインド数の規定は、前記した低張力、コンタクトロールなしの条件下で特に有効である。ワインド数のより好ましい範囲は、5.0以上15.0以下である。
該繊維パッケージを形成するためにボビンを用いることは有効であり、用いられるボビンは円筒形状のものであればいかなるものでも良く、繊維パッケージとして巻き取る際に巻取機に取り付けこれを回転させることで繊維を巻き取り、パッケージを形成する。固相重合に際しては繊維パッケージをボビンと一体で処理することもできるが、繊維パッケージからボビンのみを抜き取って処理することもできる。ボビンに巻いたまま処理する場合、該ボビンは固相重合温度に耐える必要があり、アルミや真鍮、鉄、ステンレスなどの金属製であることが好ましい。またこの場合、ボビンには多数の穴の空いていることが、重合反応副生物を速やかに除去でき固相重合を効率的に行えるため好ましい。また繊維パッケージからボビンを抜き取って処理する場合には、ボビン外層に外皮を装着しておくことが好ましい。また、いずれの場合にもボビンの外層にはクッション材を巻き付け、その上に液晶ポリエステル繊維を巻き取っていくことが好ましい。クッション材の材質は、有機繊維または金属繊維からなるフェルトが好ましく、厚みは0.1mm以上、20mm以下が好ましい。前述の外皮を該クッション材で代用することもできる。
該繊維パッケージの繊維重量は、生産性を考慮すると0.01kg以上、10kg以下が好ましい範囲である。
固相重合時の融着を防ぐため、繊維表面に融着防止剤を付着させることは好ましい実施形態である。これら成分の付着は溶融紡糸から巻き取りまでの間に行っても良いが、付着効率を高めるためには巻き返しの際に行う、あるいは溶融紡糸で少量を付着させ、巻き返しの際にさらに追加することが好ましい。
融着防止剤の付着方法はガイド給油でも良いが、総繊度の細い繊維に均一に付着させるためには金属製あるいはセラミック製のキスロール(オイリングロール)による付着が好ましい。融着防止剤の成分としては固相重合での高温熱処理で揮発させないため耐熱性が高い方が良く、塩やタルク、スメクタイトなどの無機物質、フッ素系化合物、シロキサン系化合物(ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなど)およびこれらの混合物などが好ましい。中でもシロキサン系化合物は固相重合での融着防止効果に加え、易滑性にも効果を示すため特に好ましい。
これらの成分は固体付着や液状での直接塗布でも構わないが付着量を適正化しつつ均一塗布するためにはエマルジョン塗布が好ましく、安全性の点から水エマルジョンが特に好ましい。したがって成分としては水溶性あるいは水エマルジョンを形成しやすいことが望ましく、ジメチルポリシロキサンの水エマルジョンを主体とし、これに塩や水膨潤性のスメクタイトを添加した融着防止剤が最も好ましい。
繊維への融着防止剤の付着量は融着抑制のためには0.5重量%以上が好ましく、1.0重量%以上がより好ましい。一方、多すぎると繊維がべたつきハンドリングを悪化させる他、後工程で工程通過性を悪化させるため8.0重量%以下が好ましく、6.0重量%以下がより好ましく、4.0重量%以下が特に好ましい。
固相重合を行う場合、18dtex以下、特に10dtex以下の単繊維繊度の際に顕著となる融着を、融着防止剤を付着させる以外に上記したようなパッケージの形成方法などを組み合わせて防止することも重要となる。
パッケージに巻かれた液晶ポリエステル繊維は、繊維の強度、弾性率を向上させるために固相重合する。固相重合は窒素等の不活性ガス雰囲気中や、空気のような酸素含有の活性ガス雰囲気中または減圧下で行うことが可能であるが、設備の簡素化および繊維あるいは付着物の酸化防止のため窒素雰囲気下で行うことが好ましい。この際、固相重合の雰囲気は露点が−40℃以下の低湿気体が好ましい。
固相重合温度は、固相重合に供する液晶ポリエステル繊維の吸熱ピーク(融点)をTm1(℃)とした場合、最高到達温度がTm1−60℃以上であることが好ましい。このような融点近傍の高温とすることで固相重合が速やかに進行し、繊維の強度を向上させることができる。また最高到達温度はTm1(℃)未満とすることが融着防止のために好ましい。また固相重合の進行と共に液晶ポリエステル繊維の融点は上昇するため、固相重合温度は、固相重合に供する液晶ポリエステル繊維の融点+100℃程度まで高めることができる。なお固相重合温度を時間に対し段階的にあるいは連続的に高めることは、融着を防ぐと共に固相重合の時間効率を高めることができ、より好ましい。
固相重合時間は、繊維の強度、弾性率、融点を十分に高くするためには最高到達温度で5時間以上とすることが好ましく、10時間以上がより好ましい。上限は特に制限されないが強度、弾性率、融点増加の効果は経過時間と共に飽和するため100時間程度で十分であり、生産性を高めるためには短時間が好ましく、50時間程度で十分である。
本発明ではパッケージ状で固相重合した液晶ポリエステル繊維は解舒しつつ一旦巻き取ることなく引き続いて熱処理する。一旦巻き取ることなく熱処理することにより、巻き取り設備費用や運転要員の労務費などのコストアップを抑制することができる。また、固相重合直後で熱処理する前の耐摩耗性に劣る液晶ポリエステル繊維が、トラバースガイドに代表される巻き取りに関係する複数のガイド類と接触する機会を低減し、フィブリルなどの欠陥の発生を防ぐことができる。
本発明では固相重合パッケージから液晶ポリエステル繊維を解舒する際には、解舒による固相重合パッケージの崩れを防ぎ、さらに軽微な融着を剥がす際のフィブリル化を抑制するために該パッケージを回転させながら、回転軸と垂直方向(繊維周回方向)に糸を解舒する、いわゆる横取りによる解舒が好ましい。さらに固相重合パッケージの回転は、パッケージを、ベアリングをもつ回転軸にセットしてフリー回転により解舒する方法や、解舒張力を直接または間接に検知しつつ回転数にフィードバックする積極駆動により解舒する方法が、パッケージからの糸離れ張力を低減させ、フィブリル化を抑制できる点で好ましい。
本発明において固相重合前に融着防止剤を付着させた場合には、固相重合した該液晶ポリエステル繊維を解舒しつつ、該熱処理前に融着防止剤を除去することが好ましい。本発明でいう除去とは、繊維に付着している融着防止剤の付着量を減少せしめることを指す。固相重合での融着抑制に対しては融着防止剤の付着量が多いほど効果が高いものの、固相重合以降の工程や製織工程では融着防止剤が多すぎるとガイド、筬への堆積による工程通過性の悪化、堆積物の製品への混入による欠点生成などを招くため融着防止剤の付着量は必要最低限まで低下させることが好ましい。このため固相重合前に付着させた融着防止剤を固相重合後に除去することで融着抑制と工程通過性向上、製品欠点の減少を達成することができる。
除去方法は走行する繊維に布、紙、多孔質体などを押し当て拭き取る方法なども採用できるが、繊維に力学的な負荷を与えず除去効率を高められる点で融着防止剤が溶解または分散できる液体に繊維を接触させることが好ましい。液体との接触方法は繊維に連続的に液体を吹きかける、キスロールを用いて液体と接触させるなどの方法でも良いが、液体で満たされた浴内に繊維を走行させる方法が使用する液体量を低減でき、液体の周囲への飛散を防ぎ、かつ液体との接触時間を長くできる点で好ましい。このとき繊維は浴内を1回通過させるのみでも良いが、フリーローラー、ターンローラー、ネルソンローラーなどを用いて繊維が浴内を複数回通過できるようにすることが浴サイズを小さくでき、使用する液体量を低減できると共に接触時間を長くできる点で好ましい。また液体への界面活性剤の添加、液体の気泡あるいは超音波振動、液流の付与、液体中に浸されている繊維への振動の付与、液体中での繊維と他の物体との接触などは融着防止剤の液体への溶解あるいは分散速度を高める上で特に好ましい。なお、走行させつつ融着防止剤を除去する前に、パッケージの状態で液体を作用させる、すなわちパッケージに液体をかける、パッケージを液体が入った浴に浸漬させるなどの手法は融着防止剤の除去効率を高められる点で好ましく、さらにパッケージを液体が入った浴に浸漬させ超音波洗浄する手法は、融着防止剤の除去効率をより高められる点でさらに好ましい。
除去に用いる液体は水の他、各種有機溶剤が使用でき、例としてクロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタン、1,2−ジクロルエチレン、1,1,2,2−テトラクロルエタン、トリクロルエチレン、二硫化炭素、アセトン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソペンチルアルコール、エチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、オルト-ジクロルベンゼン、キシレン(オルト)、キシレン(メタ)、キシレン(パラ)、クレゾール(オルト)、クレゾール(メタ)、クレゾール(パラ)、クロルベンゼン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソペンチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ペンチル、酢酸メチル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、1,4−ジオキサン、ジクロルメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、スチレン、テトラクロルエチレン、テトラヒドロフラン、1,1,1−トリクロルエタン、トルエン、ノルマルヘキサン、1−ブタノール、2−ブタノール、プロパノール、エタノール、メタノール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノン、メチルブチルケトン、工業ガソリン1〜5号、コールタールナフサ(ソルベントナフサ)1〜3号、石油エーテル、石油ナフサ(軽質、重質)、石油ベンジン(試薬)、テレビン油、ミネラルスピリットおよびこれらの混合物が挙げられるが、引火の可能性を無くし、環境負荷を低減するために水とすることが好ましい。
また、界面活性剤は融着防止剤の種類に応じて適宜使用でき、例えばアニオン系界面活性剤として脂肪酸塩、アルファスルホ脂肪酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキル硫酸トリエタノールアミン、アルキルリン酸エステル、ノニオン系界面活性剤として脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタンアルキルエステル、カチオン系界面活性剤として高級アミンハロゲン酸塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルピリジニウムクロリド、両性イオン系界面活性剤としてアルキルカルボキシベタインおよびこれらの混合体が好適に使用できる。
液体の温度は高い方が除去効率を高められるため、液体の沸点−80℃以上が好ましく、液体の沸点−60℃以上がより好ましく、液体の沸点−40℃以上がさらに好ましい。ただし温度が高すぎる場合には液体の蒸発が著しくなるため液体の沸点−10℃以下が好ましく、沸点−20℃以下がより好ましい。
液体との接触時間は長い方が除去効率を高められるため、0.01秒以上が好ましく、0.1秒以上がより好ましく、0.5秒以上がさらに好ましい。上限は定められるものではないが、設備を小さくするためには30秒以下程度となる。
液体との接触長は、速度にもよるが前記した処理時間が確保できる長さとするべきであり、30cm以上が好ましく、50cm以上がより好ましく、1m以上がさらに好ましい。上限は定められるものではないが、設備を小さくするためには20m以下程度となる。
除去される融着防止剤の好ましい成分は、前記した固相重合前に付着させる融着防止剤の成分と同様であり、ジメチルポリシロキサンを主体とし、これに水溶性の塩や水膨潤性のスメクタイトを添加した混合物が最も好ましい。また除去に用いる液体は水が好ましいが、ジメチルポリシロキサンは元来親油性であるにも関わらず、固相重合後の除去においては水に良く分散することは驚くべきことである。この理由は定かでないが、固相重合での高温、長時間の加熱によりジメチルポリシロキサンが分解し、低分子となることで分散性が向上したものと推測される。
除去工程における融着防止剤の除去率は高次加工工程通過性の向上のために10%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましい。除去率の上限は特に定められないが、ポリシロキサン系化合物など易滑性が高い成分を融着防止剤として用いた場合には、そのまま仕上げ油剤としての機能ももつため、90%程度で十分である。
本発明では、固相重合したパッケージを解舒しつつ一旦巻き取ることなく引き続いて行う熱処理では、該熱処理の温度を固相重合後の液晶ポリエステル繊維の示差熱量測定において、50℃から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)+60℃以上とすることが重要である。Tm1は繊維の融点であるが、液晶ポリエステル繊維に融点+60℃以上の高温で熱処理を施すことで耐摩耗性は大きく向上し、単繊維繊度が18dtex以下と小さい場合にその効果は顕著となる。一般的な結晶性高分子の場合には、結晶融解が起こる温度を超えて熱処理を実施した場合には、無秩序状態となった高分子鎖がバラバラに運動して流動するため、形態を保つことができない。しかし本発明で好適に用いられる液晶ポリエステルの場合は、結晶融解温度以上の状態でも分子配向を保つ液晶状態となり、このため完全な無秩序状態とはならず、このような高温での熱処理が可能となる。熱処理温度は、高いほど熱効率が高まるためヒーター長を短くすることが可能になり、生産コストを低く抑えることができるため好適である。一方熱処理温度の上限は、特に限定されないが、繊維表面が酸化分解することや、あまりに高温であるとヒーターの汚れや糸切れが発生することがある。また高温になるとその維持に多量のエネルギーが必要になるから、省エネルギーの観点からも生産性向上のためには、上限を600℃程度に設定することが好ましい。これらの観点から熱処理温度の範囲は、Tm1+70℃以上600℃以下であると好ましく、Tm1+80℃以上570℃以下であると更に好ましく、Tm1+100℃以上550℃以下であると最も好ましい。
加熱手段としては雰囲気の加熱、レーザーや赤外線を用いた輻射加熱などがあるがブロックまたはプレートヒーターを用いたスリットヒーターによる加熱は雰囲気加熱、輻射加熱の両方の効果を併せ持ち、処理の安定性が高まるため好ましい。
処理時間は、短すぎると耐摩耗性が向上しないため0.01秒以上が好ましく、0.1秒以上がより好ましい。処理時間が長いと分子鎖の配向が緩和し強度、弾性率が低下するため、5.0秒以下が好ましく、より好ましくは2.0秒以下である。
連続処理する際の繊維の張力は過度に高いと熱による溶断が発生しやすく、また過度の張力がかかった状態で熱処理を行う場合、結晶化度の低下が小さく耐摩耗性の向上効果が低くなるため、できるだけ低張力にすることが好ましい。この点において熱延伸とは明らかに異なる。しかしながら、張力が低いと繊維の走行が不安定となり処理が不均一になることから、0.001cN/dtex以上1.0cN/dtex以下が好ましく、0.01cN/dtex以上0.5cN/dtex以下がより好ましく、0.1cN/dtex以上0.3cN/dtex以下がさらに好ましい。
第1ローラー速度は解舒速度にほぼ等しいが、高速であるほど生産性が高まるため10m/分以上が好ましく、より好ましくは50m/分以上、さらに好ましくは150m/分以上、特に好ましくは200m/分以上である。処理速度の上限は繊維の走行安定性から1000m/分程度である。第2ローラー速度は、第1ローラー速度にほぼ等しいが、上記した張力範囲であることが重要であり、およそ第1ローラー速度の0.98倍以上1.08倍以下であることが好ましく、0.99倍以上1.05倍以下であることがより好ましい。
処理長は加熱方法にもよるが、ブロック、プレートヒーターを用いた非接触加熱の場合には繊維の温度を高い状態で保ち、均一な処理を行うためには長い方が好ましく、100mm以上が好ましく、200mm以上がより好ましく、500mm以上がさらに好ましい。一方処理長は、ヒーター内での糸揺れを防止するほか、省スペースで生産性を高める観点から、3000mm以下が好ましく、2000mm以下がより好ましく、1000mm以下がさらに好ましい。
また、本発明の熱処理では、熱処理前後の該繊維の速度をそれぞれ第1ローラーおよび第2ローラーにより規制することが重要である。本発明では熱処理を該繊維の融点以上で行うため、処理張力は極めて低くなる。したがって、熱処理張力の変動を極小化するために熱処理前後の該繊維の速度を規制することは極めて重要になるのである。熱処理工程前の変動要因としては、固相重合パッケージから該繊維を解舒する際の巻き形態や軽微な融着に伴うもの、あるいは融着防止剤の除去工程を通過する際には除去手段による張力変動があり、さらには糸道ガイドでの擦過抵抗による張力変動などの要因が存在する。一方、熱処理工程後の変動要因としては、該繊維を最終的に巻き取る際の巻き取り張力変動、仕上げ油剤を付与する際の抵抗、あるいは糸道ガイドでの擦過抵抗などが存在する。熱処理前でも後でも、該液晶ポリエステル繊維の弾性率は通常の合成繊維に比較して極めて高いため、単純なパッケージからの解舒やパッケージへの巻き取りの際の綾振り操作のみでも予想外に高い張力変動が起こるため、本発明においては速度規制は極めて重要なのである。
速度規制の方法は、それぞれのローラーで滑りが発生せずに繊維の速度とそれぞれのローラーが同速度となるようにすれば良く、モーターにより駆動しているローラーに、表面が硬質ゴムなどの金属に比べ柔らかい物質で覆われ、自由回転することが出来るローラーを接触させ、その間に繊維を通し、繊維の速度規制をするニップローラー方式や、自由回転するローラーの代わりに、ベルトで繊維を駆動ローラーに押さえつけるベルトニップ方式、またはエプロンベルト方式、さらには自由回転する金属製(一般的には梨地)の小径ローラーをモーター駆動するローラーの回転軸に対して、繊維走行方向にわずかに斜行するように設置し、1対のローラーに繊維を数周回巻き付け、少しずつ異なる糸道とするようにして駆動ローラーとの接触面積を多くして速度規制するネルソン方式など公知の速度規制方法を採用することが好ましい。ネルソン方式の場合の周回数は、多いほど駆動ローラーとの接触面積が多くなることからスリップする確率が少なくなり、多いほど好ましく、4周回以上することが好ましく、6周回以上がより好ましい。速度規制をする目的では上限を特に設けないが、周回数を多くするためにはローラー軸方向への長さが必要になることから、現実的には10周回程度である。
本発明では熱処理後に、易滑性や帯電防止性の向上のため仕上げ油剤等を塗布することは好ましい実施形態である。油剤種としては公知の成分が使用でき、例えば炭素数1〜20の一価もしくは多価アルコールのアルキレンオキサイドのブロックまたはランダム付加共重合体であるポリエーテル化合物もしくはその末端水酸基をアルキル基、脂肪酸等で封鎖したポリエーテル化合物やオレイルラウレート、オレイルオレート等の一価アルコールと一塩基性脂肪族カルボン酸のエステル、ジオクチルセバケート、ジオレイルアジペート等の一価アルコールと多価塩基性脂肪族カルボン酸のエステル、ジラウリルフタレート、トリオレイルトリメリテート等の一価アルコールと芳香族カルボン酸のエステル、エチレングリコールジオレート、トリメチロールプロパントリカプリレート、グリセリントリオレート、ビスフェノールジオレート等の多価アルコールと一塩基性脂肪族カルボン酸のエステル、またはこれらのエステルの誘導体としてラウリル(EO)nオクタノエート等のアルキレンオキサイド付加エステル、30℃で測定した粘度がレッドウッド秒で30秒以上の鉱物油例えばパラフィン類などの単独、あるいは混合使用を挙げることができる。
本発明の液晶ポリエステル繊維の油剤付着量は、残存する融着防止剤あるいはその変性物と、仕上げ油剤の合計量とで、4.0重量%以下であることが好ましく、3.0重量%以下がより好ましく、2.0重量%以下がさらに好ましい。また高次工程通過性の観点から、付着量は0.1重量%以上が好ましく、0.5重量%以上がより好ましい。
本発明の製造方法で得られる液晶ポリエステル繊維は単繊維繊度が18.0dtex以下であることが好ましい。単繊維繊度を18.0dtex以下と細くすることで、繊維のしなやかさが向上し繊維の加工性が向上する、表面積が増加するため接着剤などの薬液との密着性が高まると言う繊維としての長所を有することに加え、モノフィラメントからなる紗とする場合は厚みを薄くできる、織密度を高くできるという利点を持つ。単繊維繊度はより好ましくは10.0dtex以下、さらに好ましくは7.0dtex以下である。なおフィラメント数については、フィラメント間の処理の均一性を高めるために50以下が好ましく、20以下がより好ましい。特にフィラメント数が1であるモノフィラメントは均一な処理が可能となり本発明が特に好適に用いることができる。
本発明の製造方法で得られる液晶ポリエステル繊維の強度は14.0cN/dtex以上が好ましく、18.0cN/dtex以上がより好ましく、20.0cN/dtex以上がさらに好ましい。また弾性率は600cN/dtexが好ましく、700cN/dtex以上がより好ましく、800cN/dtex以上がさらに好ましい。強度、弾性率が高いことにより熱処理後の繊維においても高い強度、弾性率を維持することができる。
本発明で得られる液晶ポリエステル繊維は、その強度は12.0cN/dtex以上となることが好ましく、14.0cN/dtex以上がより好ましく、16.0cN/dtex以上がさらに好ましく、18.0cN/dtex以上が特に好ましい。また弾性率は500cN/dtex以上となることが好ましく、600cN/dtex以上がより好ましく、700cN/dtex以上がさらに好ましい。強度、弾性率の上限は特に限定されないが、本発明で達し得る上限としては強度30.0cN/dtex程度、弾性率1200cN/dtex程度である。熱処理後においても高強度、高弾性率であることで工程中での断糸などによるトラブルが軽減される。
また本発明の製造方法で得られる液晶ポリエステル繊維は、伸度が2.0%以上となることが好ましい。伸度が2.0%以上あることで繊維の衝撃吸収性が高まり、高次加工工程での工程通過性、取扱性に優れる。繊維の複屈折率(△n)は0.250以上0.450以下となることが好ましく、0.300以上0.400以下がより好ましい。△nがこの範囲であれば繊維軸方向の分子配向は十分に高く、高い強度、弾性率が得られる。
さらに本発明で得られる繊維は、セラミック素材との擦過に対する強さの指標となる耐摩耗性が6回以上となることが好ましく、10回以上がより好ましく、15回以上がさらに好ましく、20回以上が特に好ましく、30回以上が最も好ましい。本発明で言う耐摩耗性とは実施例記載の手法により測定された値を指す。耐摩耗性が6回以上であることで液晶ポリエステル繊維の高次加工工程でのフィブリル化が抑制でき、工程通過性が向上できる他、ガイド類へのフィブリルの堆積が減ずることから洗浄、交換周期を長くできる。
本発明で得られる繊維は幅広いフィラメント数とすることができる。フィラメント数の上限は特にないが、繊維製品の薄物化、軽量化のためにはフィラメント数50以下が好ましく、20以下がより好ましい。本発明が特に適しているのはフィラメント数が1であるモノフィラメントである。モノフィラメントからなるフィルターや印刷用スクリーン紗の高性能化には織密度増加、オープニングエリアの増加が特に求められており、このためには細繊度化ならびに製織性確保のための高強度化が特に強く求められている。しかし、細繊度化、高強度化だけであれば細繊度化した液晶ポリエステル繊維を固相重合すれば得ることができるが、従来技術では細繊度化に伴う固重での融着増加により欠陥が発生するため長手方向の均一性、工程通過性に劣るものであった。本発明に得られる繊維は融着防止剤により融着による欠陥を軽減すると共に、その後の除去と熱処理により工程通過性も向上できるのである。特に、熱処理時にヒーター前後で速度規制することにより、長手方向の均一性がより向上し、本発明で得られたモノフィラメントからなる印刷用スクリーン紗では、オープニングエリアの均一性が向上し、該スクリーン紗を用いることでオープニングエリア減少や閉塞などによる印刷欠点の少ない高精細なスクリーン印刷を行うことが出来るのである。
本発明で得られる液晶ポリエステル繊維は高強度・高弾性率の特徴を保持しながら、従来の液晶ポリエステル繊維に比べ耐摩耗性が改善されたものであり、一般産業用資材、土木・建築資材、スポーツ用途、防護衣、ゴム補強資材、電気材料(特に、テンションメンバーとして)、音響材料、一般衣料等の分野で広く用いられる。有効な用途としては、スクリーン紗、コンピューターリボン、プリント基板用基布、抄紙用のカンバス、エアーバッグ、飛行船、ドーム用等の基布、ライダースーツ、釣糸、各種ライン(ヨット、パラグライダー、気球、凧糸)、ブラインドコード、網戸用支持コード、自動車や航空機内各種コード、電気製品やロボットの力伝達コード等が挙げられ、特に有効な用途として工業資材用織物等に用いるモノフィラメントが挙げられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、本発明の各種特性の評価は次の方法で行った。
(1)単繊維繊度
検尺機にて繊維を10mカセ取りし、その重量(g)を1000倍し、1水準当たり10回測定してその平均値を繊度(dtex)とした。これをフィラメント数で除した商を単繊維繊度(dtex)とした。
(2)強度、伸度、弾性率
JIS L1013:1999記載の方法に準じて、試料長100mm、引張速度50mm/分の条件で、オリエンテック社製テンシロンUCT−100を用い1水準当たり10回の測定を行い、平均値を強力(cN)、強度(cN/dtex)、伸度(%)、弾性率(cN/dtex)とした。
(3)Tm1、Tm2
TA instruments社製DSC2920により示差熱量測定を行い、50℃から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピークの温度をTm1(℃)とした。
なお、参考例に示した液晶ポリエステルポリマーについてはTm1の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で50℃まで一旦冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピークをTm2とし、Tm2をもってポリマーの融点とした。
(4)耐摩耗性
直径4mmのセラミック棒ガイド(湯浅糸道工業(株)製棒ガイド:材質YM−99C、硬度Hv1800)に接触角90°でかけた繊維の両端をストローク装置(東洋精機製作所社製糸摩擦抱合力試験機)に把持し、棒ガイドに棒ガイドに0.88cN/dtexの応力を付与しつつ(繊維に0.62cN/dtexの応力がかかる方向に付与する)、ストローク長30mm、ストローク速度100回/分で繊維を擦過させ、ストローク回数1回毎に停止して、棒ガイド上の白粉または繊維表面のフィブリルの発生が確認されたストローク回数を測定し、5回の測定の平均値として求めた。
(5)融着防止剤の付着量、除去率
100mg以上の繊維を採取し、60℃にて10分間乾燥させた後の重量を測定し(W0)、繊維重量に対し100倍以上の溶媒または分散媒に繊維を浸漬させ、室温にて20分超音波洗浄し、洗浄後の繊維を水洗し、60℃にて10分間乾燥させた後の重量を測定し(W1)、次式により融着防止剤付着量を算出した。溶媒または分散媒は融着防止剤を溶液またはエマルジョンとして塗布した場合にはその溶媒または分散媒とし、それ以外の場合は水とした。また水を分散媒として用いる場合には界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを繊維重量に対し2.0重量%水に添加した。
(融着防止剤付着量(重量%))=(W0−W1)×100/W1
また除去率は固相重合後、除去工程前の繊維の融着防止剤付着量(A0)ならびに除去後(油剤等を追加した場合にはその後)の繊維の融着防止剤付着量(A1)を測定し、時式より算出した。
(除去率(%))=(A0−A1)×100/A0
(6)スカム発生
直径4mmのセラミック棒ガイド(湯浅糸道工業(株)製棒ガイド:材質YM−99C、硬度1800)に接触角90°で繊維を当てながら5万mの繊維を200m/分で走行させ、ガイドへの付着物の堆積状況から工程通過性を評価した。評価基準を下記する。
○:目視にてスカムの堆積が認められない
△:目視にてスカムの堆積が認められる
(7)フィブリル数
パッケージの表層から糸一層分程度を除去し、パッケージ表面に見られるフィブリルをすべてカウントする。さらに糸一層分を除去しフィブリル数をカウントすることを4回繰り返し、合計5回のフィブリル数を5回のパッケージ表面(m)の面積の和で割り返すことで、フィブリル数(個/m)とした。
実施例1
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル327重量部、ハイドロキノン89重量部、テレフタル酸292重量部、イソフタル酸157重量部および無水酢酸1433重量部(フェノール性水酸基合計の1.08当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら室温から145℃まで30分で昇温した後、145℃で2時間反応させた。その後、330℃まで4時間で昇温した。
重合温度を330℃に保持し、1.5時間で133Paに減圧し、更に20分間反応を続け、トルクが15kgcmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を0.1MPaに加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
得られた液晶ポリエステルは、融点Tm2は318℃、分子量9.1万及び溶融粘度16Pa・sであった。
この液晶ポリエステルを用い、160℃、12時間の真空乾燥を行った後、大阪精機工作株式会社製φ15mm単軸エクストルーダーにて(ヒーター温度290〜340℃)溶融押し出しし、ギアーポンプで計量しつつ紡糸パックにポリマーを供給した。このときのエクストルーダー出から紡糸パックまでの紡糸温度は345℃とした。紡糸パックでは金属不織布フィルター(渡辺義一製作所社製LFW−10)を用いてポリマーを濾過し、孔径0.13mm、ランド長0.26mmの孔を5個有する口金より吐出量3.0g
/分(単孔あたり0.6g/分)でポリマーを吐出した。
吐出したポリマーは40mmの保温領域を通過させた後、環状冷却風により糸条の外側から冷却し固化させ、ポリエーテル系紡糸油剤を付与し、5フィラメントをともに1200m/分の第1ゴデットロールに引き取った。このときの紡糸ドラフトは32である。これを同じ速度である第2ゴデットロールを介した後、5フィラメント中の4本はサクションガンにて吸引し、残り1本を、ダンサーアームを介しパーンワインダー(巻取パッケージに接触するコンタクトロール無し)を用いてパーンの形状に巻き取った。約100分の巻取時間中、糸切れは発生せず製糸性は良好であった。得られた繊維の物性は、繊度5.0dtex、強度5.9cN/dtex、伸度1.2%、弾性率514cN/dtexであった。
この紡糸繊維パッケージから繊維を縦方向(繊維周回方向に対し垂直方向)に解舒し、調速ローラーを介さず、速度を一定とした巻取機(神津製作所社製SSP−MV8P型プレシジョンワインダー)にて巻き返しを行った。このときポリジメチルシロキサン(PDMS、東レ・ダウコーニング社製SH200)が5.0重量%の水エマルジョンを融着防止剤とし、巻取機前で梨地仕上げのステンレスロールを用いてこの融着防止剤を繊維に付与した。なお融着防止剤付着量は3.0重量%であった。また、巻き返しの心材にはステンレス製の穴あきボビンにケブラーフェルト(目付280g/m、厚み1.5mm)を巻いたものを用い、巻き返し時の張力は0.05cN/dtexとし、巻き量は2万mとした。さらにパッケージ形態はテーパー角45°のテーパーエンド巻きとした。このようにして巻き上がったパッケージの巻密度は0.08g/cmであった。
これを密閉型オーブンにて、室温から240℃までは約30分で昇温し、240℃にて3時間保持した後、4℃/時間で295℃まで昇温し、さらに295℃で15時間保持する条件にて固相重合を行った。なお雰囲気は除湿窒素を流量25NL/分にて供給し、庫内が加圧にならないよう排気口より排気させた。得られた繊維の融点Tm1は335℃であった。
次に、固相重合パッケージをフリー回転する装置に取り付け、繊維を横方向(繊維周回方向)に解舒しつつ、浴長100cm(接触長100cm)の40℃の洗浄液を張った水槽に解舒した繊維を通過させて融着防止剤を除去し、圧空により水切りをした後、200m/分のネルソン方式の第1ローラーに6周回させ、連続して、スリット幅5.6mm、長さ1000mmのスリットヒーターを用い、ヒーターと接触させずに繊維を走行させながら、480℃(Tm1+145℃)にて熱処理を行った後、ヒーター出口から10mmの位置で、ノズル直径1mmφのセラミック製給油ガイドより、脂肪酸エステルを主体とする油剤成分を1重量%含む水エマルジョンを0.1cc/分の流量で繊維の下側から供給、接触させて、強制冷却を行った。洗浄液は、非イオン・アニオン系の界面活性剤(三洋化成社製グランアップUS−30)を0.1重量%含有した水とした。その後、201m/分のネルソン方式の第2ローラーに6周糸を周回させた後に、巻取機(神津製作所社製ET型調速巻取機)にて巻き取った。油剤付着量は1.1重量%、融着防止剤の除去率は61%、また、繊度5.0dtex、強度15.8cN/dtex、伸度2.7%、弾性率876cN/dtexであった。
得られた繊維の製造条件および評価結果を表1に示す。得られた繊維の耐摩耗性評価を行ったところ、非常に優れた性質を示した。
比較例1
実施例1と同様に固相重合まで行い、その後、得られた固相重合パッケージをフリー回転する装置に取り付け、繊維を横方向(繊維周回方向)に解舒しつつ、200m/分のネルソン方式のロールに6周糸を周回させた後に、巻取機(神津製作所社製ET型調速巻取機)にて巻き取った。さらに巻き取られた繊維を同様に横方向に解舒しつつ、実施例1と同様に40℃の水槽を通過させ、200m/分のネルソン方式の第1ローラーに6周回させた後、連続して480℃にて熱処理を行った後、強制冷却を行い、201m/分のネルソン方式の第2ローラーに6周糸を周回させた後に、巻取機(神津製作所社製ET型調速巻取機)にて巻き取った。得られた繊維の特性を表1に示す。
実施例2
実施例1と同様に固相重合まで行い、その後、得られた固相重合パッケージをフリー回転する装置に取り付け、繊維を横方向(繊維周回方向)に解舒しつつ、実施例1の洗浄工程を経ることなく200m/分のネルソン方式の第1ローラーに6周回させた後、連続して、実施例1と同様の熱処理、強制冷却を行った。その後、201m/分のネルソン方式の第2ローラーに6周糸を周回させた後に、巻取機(神津製作所社製ET型調速巻取機)にて巻き取った。得られた繊維の特性を表1に示す。
比較例2
実施例1で第1ローラーを用いることなく、40℃の水槽、熱処理ヒーター、強制冷却装置を通過させ、201m/分のネルソン方式の第2ローラーに6周糸を周回させた後に、巻取機(神津製作所社製ET型調速巻取機)にて巻き取った。しかしながら、数分で糸切れが発生した。
比較例3
熱処理、強制冷却装置を通過させるまでは実施例1と同様に液晶ポリエステル繊維を処理し、第2ローラーを用いることなく巻取機(神津製作所社製ET型調速巻取機)にて巻き取った。しかしながら、数分で糸切れが発生した。
比較例4
熱処理温度を385℃(Tm1+50℃)とした以外は実施例1と同様にして液晶ポリエステル繊維を得た。得られた繊維の特性を表1に示す。
実施例3
熱処理温度を415℃(Tm1+80℃)とした以外は実施例1と同様にして液晶ポリエステル繊維を得た。得られた繊維の特性を表1に示す。
実施例4
紡糸巻き取り後の融着防止剤の付与を行わなかった以外は実施例1と同様にして固相重合を行った。その後、実施例1と同様にして解舒、融着防止剤の除去、熱処理を行ったが、第1ローラー速度を200m/分ではパッケージの融着のため糸切れが発生した。第1ロ−ラー速度を50m/分まで低下させたところ解舒での糸切れは発生せず、さらに熱処理温度を460℃まで低くして熱処理し、50m/分の第2ローラーに周回させた後に、巻取機にて巻き取った。得られた繊維の特性を表1に示す。
Figure 0005470930

Claims (2)

  1. 液晶ポリエステル繊維をパッケージとなし、固相重合し、該パッケージから固相重合した液晶ポリエステル繊維を解舒しつつ一旦巻き取ることなく引き続いて熱処理する液晶ポリエステル繊維の製造方法であって、該熱処理の温度を固相重合後の液晶ポリエステル繊維の吸熱ピーク温度(Tm1)+60℃以上とするとともに、熱処理前後の該繊維の速度をそれぞれ第1ローラーおよび第2ローラーにより規制することを特徴とする液晶ポリエステル繊維の製造方法。
  2. 固相重合前に液晶ポリエステル繊維に融着防止剤を付着させるとともに、該パッケージから固相重合した液晶ポリエステル繊維を解舒しつつ、該第1ローラーの前で該融着防止剤を除去することを特徴とする請求項1に記載の液晶ポリエステル繊維の製造方法。
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