JP5239439B2 - 液晶ポリエステル繊維およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は高強度および高弾性率を有し、かつ高次加工工程での加工性に優れる、欠陥およびフィブリルの少ない液晶ポリエステル繊維およびその製造方法に関するものである。
液晶ポリエステル繊維は、剛直な分子鎖が繊維軸方向に高度に配向していることから、汎用繊維に比べ著しく高い強度および弾性率を有しており、更に繊維形態で熱処理を行うことによって固相重合反応が進行し、液晶ポリエステルの重合度を高めて性能を更に向上させることができる。このとき、単位時間当たりの処理量を高めるため、繊維をパッケージ形状として固相重合を行う方法が工業的に広く用いられている。
しかしながら、固相重合反応が進行しうる融点近傍の温度域では単糸間融着が発生しやすく、パッケージからの解舒の際に繊維表面の融着部分がはがれ、融着痕やフィブリル化の起点等の欠陥が生じ易い。また、液晶ポリエステル繊維は剛直な分子鎖が繊維軸方向へ高配向する一方、繊維軸垂直方向への相互作用が低いため、このような欠陥を起点としてフィブリルが発生することもある。欠陥やフィブリルの発生は、繊維物性低下、高次加工工程での加工性悪化、および製品の品位・性能低下の原因となる。
これら問題を解決する方法として、平均粒径が約50nm以下の疎水性シリカ粒子が表面上に均一に存在している液晶ポリエステル繊維(特許文献1参照)や、繊維表面に平均粒径0.001μm〜1μmの膨潤性無機粒子を付与した液晶ポリエステル繊維(特許文献2参照)が提案されている。しかしながら、該液晶ポリエステル繊維は融着が抑制され欠陥やフィブリルの発生が少なくなるものの、その後の高次加工工程において疎水性シリカ粒子や膨潤性無機粒子等の無機粒子が脱落し、加工性が悪化するという欠点があった。
また、液晶ポリエステル繊維に対して無機粒子を付与するという技術としては、モース硬度4以下のケイ酸およびマグネシウムを主成分とする平均粒径0.01〜15μmの無機粒子を繊維表面に付与することにより耐屈曲疲労性、耐摩耗性の改善された液晶ポリエステルも提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、該液晶ポリエステル繊維は融着抑制効果が十分でないため解舒の際に欠陥やフィブリルが発生し、また、特許文献1および2同様、その後の高次加工工程において無機粒子が脱落し、加工性が悪化するという欠点があった。
一方で、液晶ポリエステル繊維に対してポリシロキサンを付与するという技術としては、ポリシロキサンを繊維に対して0.1重量%以上付着した液晶ポリエステル繊維からなる絶縁材料が提案されている(特許文献4参照)。特許文献4の目的は、液晶ポリエステル繊維表面にポリシロキサンを付与することで優れた電気抵抗性や平滑性を付加させることにある。しかしながら、該液晶ポリエステル繊維は、融着抑制効果が十分でなく、得られる繊維は欠陥やフィブリルの多いものとなる。
特開昭61−289179号公報(請求項5) 特開2006−336147号公報(請求項2) 特開2004−107826号公報(請求項1) 特開平4−024289号公報(請求項1)
本発明の課題は、パッケージ形状で固相重合を行っても単糸間融着がなく、更に高次加工工程での加工性に優れる、欠陥およびフィブリルの少ない液晶ポリエステル繊維を提供することにある。
上記課題は、液晶ポリエステルを溶融紡糸して得られた繊維に無機粒子およびポリシロキサンを、下記条件を満たすように付与した後、固相重合を行うことにより解決できる。
条件1.2.0≦2×A+B≦20
条件2.A≧0.1
条件3.B/A≧1/3
Aは液晶ポリエステル繊維重量に対する無機粒子の付着量(重量%)
Bは液晶ポリエステル繊維重量に対するポリシロキサンの付着量(重量%)
無機粒子およびポリシロキサンを付与することによりパッケージ形状で固相重合を行っても単糸間融着がなく、更にポリシロキサンが繊維表面に存在することで高次加工工程での加工性に優れる液晶ポリエステル繊維を製造することができる。このようにして得られた液晶ポリエステル繊維は、各種電気製品のコード補強材、防護手袋、プラスチックの補強材、光ファイバーのテンションメンバー等の用途に使用でき、特に織り編み工程等、繊維の高次加工工程での加工性に優れており、かつ欠陥やフィブリルが少なくモノフィラメントとして好適であるため、ハイメッシュ織物が必要とされるスクリーン紗用途等に好適に使用できる。
本発明に用いられる液晶ポリエステルとは、加熱して溶融した際に光学異方性(液晶性)を呈するポリエステルを指す。これは、液晶ポリエステルからなる試料をホットステージにのせ、窒素雰囲気下で昇温加熱し、偏光顕微鏡で試料の透過光を観察することにより認定できる。
本発明に用いられる液晶ポリエステルとしては、例えば(a)芳香族オキシカルボン酸の重合物、(b)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、脂肪族ジオールの重合物、(c)(a)と(b)の共重合物等が挙げられ、中でも芳香族のみで構成された重合物が好ましい。芳香族のみで構成された重合物は、繊維にした際に優れた強度および弾性率を発現する。また、液晶ポリエステルの重合処方は従来公知の方法を用いることができる。
ここで、芳香族オキシカルボン酸としては、例としてヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシナフトエ酸等、またはこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン置換体等が挙げられる。
また、芳香族ジカルボン酸としては、例としてテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸等、またはこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン置換体等が挙げられる。
更に、芳香族ジオールとしては、例としてヒドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシビフェニル、ナフタレンジオール等、またはこれらのアルキル、アルコキシ、ハロゲン置換体等が挙げられ、脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
本発明に用いる液晶ポリエステルは、上記モノマー以外に、液晶性を損なわない程度の範囲で更に他のモノマーを共重合させることができ、例としてアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、ポリエチレングリコール等のポリエーテル、ポリシロキサン、芳香族イミノカルボン酸、芳香族ジイミン、および芳香族ヒドロキシイミン等が挙げられる。
本発明に用いる前記モノマー等を重合した液晶ポリエステルの好ましい例としては、(A)p−ヒドロキシ安息香酸成分と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸成分が共重合された液晶ポリエステル、(B)p−ヒドロキシ安息香酸成分と4,4´−ジヒドロキシビフェニル成分とイソフタル酸成分および/またはテレフタル酸成分が共重合された液晶ポリエステル等が挙げられ、特に好ましくは(C)p−ヒドロキシ安息香酸成分と4,4´−ジヒドロキシビフェニル成分とイソフタル酸成分とテレフタル酸成分とヒドロキノン成分が共重合された液晶ポリエステルが挙げられる。
上記(A)(B)(C)の組み合わせにより、分子鎖は適切な結晶性と非直線性、すなわち溶融紡糸可能な融点を有するようになる。したがって、ポリマーの融点と熱分解温度の間で設定される紡糸温度において良好な製糸性を有するようになり長手方向に均一な繊維が得られ、かつ適度な結晶性を有するため繊維の強度、弾性率を高めることができる。
本発明に用いる液晶ポリエステルのポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、分子量と記載)は3万以上が好ましく、5万以上がより好ましい。分子量を3万以上とすることで紡糸温度において適切な粘度を持ち製糸性高めることができ、分子量が高いほど得られる繊維の強度、伸度、弾性率は高まる。また分子量が高すぎると粘度が高くなり流動性が悪くなり、ついには流動しなくなるため分子量は25万未満が好ましく、15万未満がより好ましい。
本発明の液晶ポリエステルの融点は、溶融紡糸のし易さ、耐熱性の面から200〜380℃の範囲のものが好ましく、より好ましくは250〜350℃であり、更に好ましくは290〜340℃である。なお、融点は、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC)で行う示差熱量測定において、50℃から20℃/分の昇温条件測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm)の観測後、およそTm+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温速度で50℃まで冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm)を融点とした。
また、本発明に用いる液晶ポリエステルには、本発明の効果を損なわない範囲で他のポリマーを添加・併用することができる。添加・併用とは、ポリマー同士を混合する場合や、2成分以上の複合紡糸において一方の成分、乃至は複数の成分に他のポリマーを部分的に混合使用すること、あるいは全面的に使用することをいう。
他のポリマーとしては、例としてポリエステル、ポリオレフィンやポリスチレン等のビニル系重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、芳香族ポリケトン、脂肪族ポリケトン、半芳香族ポリエステルアミド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂等のポリマーを添加しても良く、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン6T、ナイロン9T、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート、ポリエステル99M等が好適な例として挙げられる。なお、これらのポリマーを添加・併用する場合、その融点は液晶ポリエステルの融点±30℃以内にすることが製糸性を損なわないために好ましく、また、得られる繊維の強度、弾性率を向上させるためには添加・併用する量は50重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、実質的に他のポリマーを添加・併用しないことが最も好ましい。
本発明に用いられる液晶ポリエステルには、本発明の効果を損なわない範囲内で、各種金属酸化物、カオリン、シリカ等の無機物、着色剤、艶消剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤、末端基封止剤、相溶化剤等の添加剤を少量含有していても良い。
溶融紡糸において、液晶ポリエステルの溶融押出は公知の手法を用いることができるが、重合時に生成する秩序構造をなくすためにエクストルーダー型の押出機を用いることが好ましい。押し出されたポリマーは配管を経由しギアーポンプ等公知の計量装置により計量され、異物除去のフィルターを通過した後、口金へと導かれる。このときポリマー配管から口金までの温度(紡糸温度)は液晶ポリエステルの融点以上、熱分解温度以下とすることが好ましく、液晶ポリエステルの融点+10℃以上、400℃以下とすることがより好ましく、液晶ポリエステルの融点+20℃以上、370℃以下とすることが更に好ましい。なお、ポリマー配管から口金までの温度をそれぞれ独立して調整することも可能である。この場合、口金に近い部位の温度をその上流側の温度より高くすることで吐出が安定する。
また、本発明の液晶ポリエステル繊維を得るには、吐出時の安定性、細化挙動の安定性を高めた方が良く、工業的な溶融紡糸ではエネルギーコストの低減、生産性向上のため1つの口金に多数の口金孔を穿孔するため、それぞれの孔の吐出、細化を安定させた方が良い。
これを達成するためには口金孔の孔径を小さくするとともに、ランド長(口金孔の孔径と同一の直管部の長さ)を長くすることが好ましい。ただし孔径が過度に小さいと孔の詰まりが発生しやすくなるため直径0.03mm以上、0.30mm以下が好ましく、0.05mm以上、0.25mm以下がより好ましく、0.08mm以上、0.20mm以下が更に好ましい。ランド長は過度に長いと圧力損失が高くなるため、ランド長を孔径で除した商で定義されるL/Dが0.5以上、3.0以下が好ましく、0.8以上、2.5以下がより好ましく、1.0以上、2.0以下が更に好ましい。
また均一性を維持するために1つの口金の孔数は50孔以下が好ましく、40孔以下がより好ましく、20孔以下が更に好ましい。なお、口金孔の直上に位置する導入孔は直径が口金孔径の5倍以上のストレート孔とすることが圧力損失を高めない点で好ましい。導入孔と口金孔の接続部分はテーパーとすることが異常滞留を抑制する上で好ましいが、テーパー部分の長さはランド長の2倍以下とすることが圧力損失を高めず、流線を安定させる上で好ましい。
口金孔より吐出されたポリマーは保温、冷却領域を通過させ固化させた後、一定速度で回転するローラー(ゴデットローラー)により引き取られる。保温領域は過度に長いと製糸性が悪くなるため口金面から200mmまでとすることが好ましく、100mmまでとすることがより好ましい。保温領域は加熱手段を用いて雰囲気温度を高めることも可能であり、その温度範囲は100℃以上、500℃以下が好ましく、200℃以上、400℃以下がより好ましい。冷却は不活性ガス、空気、水蒸気等を用いることができるが、平行あるいは環状の空気流を用いることが環境負荷を低くする点から好ましい。
引き取り速度は生産性、単糸繊度の低減のため50m/分以上が好ましく、300m/分以上がより好ましく、500m/分以上が更に好ましい。本発明に用いる液晶ポリエステルは紡糸温度において好適な曳糸性を有することから引き取り速度を高速にできる。上限は特に制限されないが、本発明に用いる液晶ポリエステルにおいては曳糸性の点から2000m/分程度となる。
引き取り速度を吐出線速度で除した商で定義される紡糸ドラフトは1以上500以下とすることが好ましく、5以上200以下とすることがより好ましく、12以上100以下とすることが更に好ましい。本発明に用いる液晶ポリエステルは好適な曳糸性を有することからドラフトを高くでき、細繊度化に有利である。
巻き取りは公知の巻き取り機を用いパーン、チーズ、コーン等の形状のパッケージとすることができるが、巻き取り時にパッケージ表面にローラーが接触しないパーン巻きとすることが好ましい。
このようにして得られた液晶ポリエステル繊維は、更に強度および弾性率を向上させるために固相重合を行う必要がある。固相重合はパッケージ形状、カセ形状、トウ形状(例えば、金属網等にのせて行う)、あるいはローラー間で連続的に糸条として処理することも可能であるが、設備が簡素化でき、生産性も向上できる点からパッケージ形状で行うことが好ましい。パッケージ形状で固相重合を行う場合、単繊維繊度を細くした際に顕著となる融着を防止する技術が重要となる。
本発明の特徴は、液晶ポリエステル繊維の表面に無機粒子およびポリシロキサンを固相重合前に付着させることである。付着させるものが無機粒子のみである場合、融着が抑制され欠陥やフィブリルの発生が少なくなるものの、その後の高次加工工程通過時に無機粒子が脱落し加工性が悪化してしまう。また、本発明者等は鋭意検討の結果、通常、電気絶縁性や平滑性を向上させるために繊維に付与するポリシロキサンに融着抑制効果があることを発見したが、ポリシロキサンのみを付着させた場合は、パッケージの巻き張力によってポリシロキサンが流動して単糸同士が接触してしまうため融着抑制効果が低く、得られる繊維は欠陥やフィブリルの多いものとなってしまう。ところが、無機粒子およびポリシロキサンの両者を繊維表面に付与した場合、繊維表面がポリシロキサンで被われ、固相重合の熱を受けても流動性をある程度維持するため繊維表面の摩擦係数が低くなり、高次加工工程の糸道ガイド上での走行摩擦が低くなるとともに、無機粒子が適度な強さで繊維に固定されているため脱落し難くなる。更に、ポリシロキサンは融着抑制にも効果的であり、無機粒子のみ付着させた場合と比較して融着抑制効果が高くなる。これは、無機粒子が存在することでできた空間や無機粒子では入り込めないような微小な隙間にポリシロキサンが入り込み、固相重合温度においてもポリシロキサンが無機粒子の作った空間に保持されるため、単糸同士の接触を妨げて融着抑制に作用するためであると考えられる。
本発明で用いられる無機粒子とは、公知の無機粒子であり、例として膨潤性無機粒子、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、シリカやアルミナ等の金属酸化物、炭酸カルシウムや炭酸バリウム等の炭酸塩化合物、硫酸カルシウムや硫酸バリウム等の硫酸塩化合物の他、カーボンブラック等が挙げられる。中でも、取扱いが容易であり環境負荷が低いことから水分散が可能である無機粒子が好ましく、水に分散したときに粒子は鱗片状に劈開して沈殿することなく均一な溶液となる膨潤性無機粒子がより好ましい。
本発明で用いられる膨潤性無機粒子には、入手が容易であることから膨潤性層状ケイ酸塩鉱物を用いるのが好ましい。膨潤性層状ケイ酸塩鉱物とは、陽イオン交換能を有し、更に層間に水を取り込んで膨潤する特異な性質を示す層状ケイ酸塩鉱物であり、スメクタイトや膨潤性雲母等を挙げることができる。なお、層状ケイ酸塩鉱物とは、粘土を構成する代表する代表的な鉱物であって、2:1型層状ケイ酸塩鉱物にあっては、2層のシリカ四面体ケイ酸塩層がマグネシウム八面体層またはアルミニウム八面体層を間に挟んだサンドイッチ型の3層構造が数〜数10層積層した構造を有する。例えば、スメクタイトとしては、ヘラクライト、サポナイト、スチブンサイト、バイデライト、モンモリロナイト、ノントロナイト、ベントナイト等、またはこれらの置換体、誘導体、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。また、膨潤性雲母としては、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四ケイ素フッ素雲母、Li型四ケイ素雲母等、またはこれらの置換体、誘導体、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。これら膨潤性ケイ酸塩鉱物は天然品、合成品、および加工処理品のいずれであっても使用可能であるが、中でも粒子径が小さく品質の安定性が高い合成スメクタイトがより好ましい。
液晶ポリエステル繊維への無機粒子の付着方法は、繊維同士の融着を防止するために繊維に均一に付着させる方法が好ましい。例えば、本発明における無機粒子を水等の溶媒に分散させた溶液を、オイリングローラーまたは給油ガイドを用いて繊維に付着させる方法が挙げられる。無機粒子を分散させる溶媒としては、取扱いが容易であることや環境負荷が小さいことから水が好ましい。例として、無機粒子にスメクタイト等の膨潤性無機粒子を用いた場合、水に分散させると粒子は鱗片状に劈開して沈殿することなく均一な溶液となり、これをオイリングローラーまたは給油ガイドを用いて繊維に付着させると鱗片状の粒子が繊維表面を均一に被覆し融着を防止する上で好適である。
本発明で用いられるポリシロキサンとは、下式1で表される繰り返し単位からなり、R、Rは水素原子、−CH、−CHCH等のアルキル基または−C等のアリール基を示す。nは、2〜10000の整数である。
Figure 0005239439
本発明に用いるポリシロキサンは、繊維に平滑性や融着抑制効果等を与える表面処理剤で、付与することで高次加工工程での加工性を向上させることができる。
本発明に用いるポリシロキサンとしては、繊維への均一付着が容易であることから、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン、ポリメチルハイドロジェンシロキサン、あるいはこれらの変性物等のオイル状のポリシロキサンが好ましく、中でも固相重合の熱によって架橋反応が起こり難い非反応性ポリシロキサンがより好ましい。なお、非反応性ポリシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン、あるいはこれらのポリエーテル変性物、メチルスチリル変性物、アルキル変性物、高級脂肪酸エステル変性物、親水性特殊変性物、フッ素変性物、高級脂肪酸含有物等が挙げられる。また、粘度(25℃)は1〜30,000cStが好ましく、10〜10,000cStがより好ましい。1cSt以上とすることにより、引火点が高く取扱いが容易となり、30,000cSt以下とすることにより繊維への均一付与が容易となる。更に、耐熱性を向上するために有機酸金属塩や芳香族アミン化合物などの公知の耐熱性向上剤を配合していても良い。
液晶ポリエステル繊維へのポリシロキサンの付着方法は、繊維に均一に付着させるのが好ましい。例えば、ポリシロキサンが液体である場合、ノニオン系、アニオン系およびカチオン系乳化剤を使用してポリシロキサンを水中でエマルジョン化したものを、オイリングローラーまたは給油ガイドを用いて繊維に付着させる方法が挙げられる。このとき用いるポリシロキサンとしては、エマルジョン化が容易であり、反応性が低く平滑性に優れるポリジメチルシロキサンが好ましい。
無機粒子およびポリシロキサンの付着はそれぞれ別々に行っても良いが、付着量制御や簡便性の点から、同浴にて付着させる方法が好ましい。例えば、乳化剤を使用してポリシロキサンを水中でエマルジョン化させたものに、水分散が可能である無機粒子を分散させた溶液を繊維にオイリングローラーまたは給油ガイドを用いて付着させる方法が挙げられる。また、溶液中には、エマルジョンおよび分散の妨げにならない範囲内で、通常の紡糸油剤に用いるような界面活性剤や固相重合反応を促進させるための各種添加剤が含まれていても何等差し支えない。
本発明における液晶ポリエステル繊維への無機粒子およびポリシロキサンの付着は、固相重合前に行う必要がある。例えば、ポリマーがノズルから吐出してから繊維が巻き取られる間に付着させる方法は簡便性の面で好ましく、巻き取った繊維を目的とする固相重合形状に巻き返しおよび加工する間に繊維に付着させる方法は付着量制御が容易となるため好ましい。また、無機粒子およびポリシロキサンを付着させる前後に、無機粒子およびポリシロキサンの付着の妨げにならない範囲内で、通常の紡糸油剤に用いるような界面活性剤や固相重合反応を促進させるための各種添加剤を付着させても良い。
本発明の液晶ポリエステル繊維重量に対する無機粒子の付着量(A重量%)およびポリシロキサンの付着量(B重量%)は、下記条件1〜3を満たす
条件1.2.0≦2×A+B≦20
条件2.A≧0.1
条件3.B/A≧1/3
上記、条件1において、高い融着抑制効果を得るためには2.0以上製造コストを抑えるためには20以下にする。10以下がより好ましい。また、無機粒子の融着抑制効果を得るためには、無機粒子付着量を0.1重量%以上とす(条件2)。更に、条件3を満たすことで、無機粒子を被覆できるだけのポリシロキサンを繊維表面に存在させることができるため、高次加工工程において欠陥やフィブリルが発生し難くなり、また無機粒子の脱落がなくガイド等にスカムが堆積し難くなるため加工性に優れた繊維となる。
なお、本発明における付着物の付着量は、実施例に記載した付着物の付着量測定方法により測定できる。また、付着物の成分は、超音波洗浄後の洗浄液について濾過を行い、固体である無機粒子と液体であるポリシロキサンを分離した後に濾紙上の無機粒子残渣を洗浄後に水へと分散させ、それぞれの溶液および/または乾燥し水分を蒸発させたものについて次の項目から目的に応じて選び、あるいはこれらを組み合わせて実施することにより同定できる。
(1)蛍光X線分析(元素分析)
(2)X線回折(粉末法あるいは定方位法)
(3)NMR
(4)赤外線吸収スペクトル測定
(5)示差熱分析
(6)SEM観察
例えば、本発明の無機粒子が合成スメクタイトである場合、蛍光X線分析を行うことにより主成分であるケイ素およびマグネシウムに起因したピークが見られ、X線回折で脱水状態および通常の温湿度下における(001)底面反射の大きさを測定することにより、乾燥状態において1.0nm、温度20℃相対湿度65%の条件下で24時間放置した状態において1.2〜1.6nmの底面間隔を有することが確認できる。また、SEMによって、粒子形状が層状であることが確認できる。本発明のポリシロキサンについては、赤外線吸収スペクトルを測定することにより、1095cm−1付近にSi−O−Si結合に起因したシャープなピークを確認することができる。
更に、固相重合時の融着を防ぐため、巻密度を0.15g/cm以下とすることは好ましい実施形態であり、0.10g/cm以下とすることがより好ましい。ここで巻密度とは、パッケージ外寸法と心材となるボビンの寸法から求められるパッケージの占有体積(Vf)と繊維の重量(Wf)からWf/Vfにより計算される値である。巻密度が小さいほどパッケージにおける繊維間の密着力が弱まり融着が抑制できる。巻密度は過度に小さいとパッケージが巻き崩れるため0.03g/cm以上とすることが好ましい。
このような巻密度が小さいパッケージは溶融紡糸における巻き取りで形成しても良いが、溶融紡糸で巻き取ったパッケージを巻き返して形成する方が、巻密度をより小さくできるため好ましい。巻き返しにおいては巻き張力を小さくするほど巻き密度は小さくできるので、巻き張力は0.10cN/dtex以下が好ましく、0.05cN/dtex以下がより好ましい。また低張力巻き取りにおいても安定したパッケージを形成するためには巻き形状は両端にテーパーがついたテーパーエンド巻取とすることが好ましい。更に巻き取りにおいてはトラバース幅を時間に対し周期的に揺動させることで、取扱い、解舒性に優れるパッケージが得られる。
固相重合は窒素等の不活性ガス雰囲気中や、空気のような酸素含有の活性ガス雰囲気中または減圧下で行うことが可能であるが、設備の簡素化および繊維あるいは付着物の酸化防止のため窒素雰囲気下で行うことが好ましい。この際、固相重合の雰囲気は露点が−40℃以下の低湿気体が好ましい。
固相重合温度は、固相重合に供する液晶ポリエステル繊維の融点−60℃以上であることが好ましい。このような融点近傍の高温とすることで固相重合が速やかに進行する。また固相重合の進行と共に液晶ポリエステル繊維の融点は上昇するため、固相重合温度は、固相重合に供する液晶ポリエステル繊維の融点+100℃程度まで高めることができる。
なお固相重合温度を時間に対し段階的にあるいは連続的に高めることは、融着を防ぐと共に固相重合の時間効率を高めることができ、より好ましい。このとき、固相重合は目的性能により数分から数十時間行われるが、優れた強度および弾性率を有した繊維を得るためには最高到達温度で5時間以上が好ましく、10時間以上がより好ましい。また、固相重合反応は経過時間と共に飽和するため100時間程度で十分である。
固相重合後のパッケージはそのまま製品として供することもできるが、製品運搬効率を高めるために固相重合後のパッケージを再度巻き返して巻き密度を高めることが好ましい。固相重合後の巻き返しにおいては、解舒による固相重合パッケージの崩れを防ぎ、更に軽微な融着を剥がす際のフィブリル化を抑制するために固相重合パッケージを回転させながら、回転軸と垂直方向(繊維周回方向)に糸を解舒する、いわゆる横取りにより解舒することが好ましく、更に固相重合パッケージの回転は自由回転ではなく積極駆動により回転させることが好ましい。
固相重合後の液晶ポリエステル繊維に対して無機粒子やポリシロキサン等の付着物が過度に付着した場合、それらを除去するため洗浄を行っても良い。洗浄方法としては、例として、繊維がパッケージから解舒されてから巻き取られるまでの間に、水等の溶媒に接触させる方法や布帛でふき取る方法等が挙げられる。洗浄において溶媒を使用する場合、取扱いが容易であることや環境負荷が小さいことから水を溶媒として用いるのが好ましい。また、洗浄効率を高めるために、溶媒を揺動・バブリングさせる方法や超音波振動させる方法がより好ましい。更に、溶媒への接触時間は、洗浄効率を高めるために0.3秒以上が好ましく、0.5秒以上がより好ましい。このようにして洗浄した繊維は、高次加工工程において簡単に脱落してしまうような付着物が除去され、加工性が更に向上する。
また、本発明における液晶ポリエステル繊維は、目的に応じて各種仕上げ油剤を付与しても良い。
本発明の液晶ポリエステル繊維の製造方法は、マルチフィラメントおよびモノフィラメントの両者に適用可能である。特に、欠点やフィブリルによる繊維物性低下、高次加工工程での加工性悪化が顕著であるモノフィラメントに好適である。
本発明の液晶ポリエステル繊維の固相重合後のポリスチレン換算分子量は、25万以上150万以下が好ましい。25万以上の高い分子量を有することで高い強度、伸度、弾性率を有し織物性能が向上する他、特に細繊度化した際には衝撃吸収性が高まり高次工程での糸切れを抑制でき、耐摩耗性も向上する。また融点も高いため優れた耐熱性を有する。分子量は高いほどこれらの特性は向上するため、30万以上が好ましく、35万以上がより好ましい。分子量の上限は特に限定されないが、本発明で達し得る上限としては150万程度である。なお本発明で言う分子量とは実施例記載の方法により求められた値とする。
本発明の液晶ポリエステル繊維の固相重合後の単糸繊度は、18.0dtex以下が好ましい。単繊維繊度を18.0dtex以下と細くすることで、繊維のしなやかさが向上し繊維の加工性が向上する、表面積が増加するため接着剤等の薬液との密着性が高まると言った特性を有することに加え、モノフィラメントからなる紗とする場合は厚みを薄くでき、更に織密度を高くできるという利点を持つ。単繊維繊度は好ましくは10.0dtex以下であり、より好ましくは7.0dtex以下である。
また、本発明の液晶ポリエステル繊維の固相重合後の繊度変動率は、30%以下が好ましく、より好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下である。本発明で言う繊度変動率とは実施例記載の手法により測定された値を指す。繊度変動率が30%以下であることで長手方向の均一性が高まり、繊維の強力(強度と繊度の積)変動も小さくなるため、繊維製品の欠陥が減少する他、モノフィラメントの場合には直径変動が小さくなるため、紗とした際のオープニング(開口部の面積)の均一性が高まり紗の性能が向上できる。
本発明の液晶ポリエステル繊維の固相重合後の強度は、10.0cN/dtex以上であり、12.0cN/dtex以上が好ましく、15.0cN/dtex以上がより好ましい。強度の上限は特に限定されないが、本発明で達し得る上限としては30.0cN/dtex程度である。なお、本発明で言う強度は実施例に記載した強伸度・弾性率測定での引張強さを指す。
本発明の液晶ポリエステル繊維の固相重合後の伸度は、1.0%以上であり、2.0%以上が好ましい。伸度が1.0%以上あることで繊維の衝撃吸収性が高まり、高次加工工程での工程通過性、取扱い性に優れる。伸度の上限は特に限定されないが、本発明で達し得る上限としては5.0%程度である。なお、本発明で言う強度は実施例に記載した強伸度・弾性率測定での破断伸度を指す。
また、本発明の液晶ポリエステル繊維の固相重合後の弾性率は、500cN/dtex以上であり、600cN/dtex以上が好ましく、700cN/dtex以上がより好ましい。弾性率の上限は特に限定されないが、本発明で達しえる上限としては弾性率1200cN/dtex程度である。なお、本発明で言う弾性率とは実施例に記載した強伸度・弾性率測定での初期引張抵抗度を指す。
本発明の液晶ポリエステル繊維は、マルチフィラメント、モノフィラメント、ステープルファイバー、カットファイバー等任意の形状でよい。また、織物、編物、不織布、組み紐等の繊維構造物として利用することができる。特に、高強度、高弾性率でかつ欠点やフィブリルが少なく高次加工での加工性に優れる繊維であるため、モノフィラメントとして好適である。例として、本発明におけるモノフィラメントを、従来のポリエチレンテレフタレート繊維等を使用したスクリーン紗に適用した場合、付着物が脱落し難いため製織性に優れ、欠点が少なく、かつ優れた強度、弾性率および寸法安定性を有するスクリーン紗を得ることができる。
上記用途以外に、本発明の液晶ポリエステル繊維は、一般産業用資材、土木・建築資材、スポーツ用途、防護衣、ゴム補強資材、電気材料(特に、テンションメンバーとして)、音響材料、一般衣料等の分野で広く用いられる。有効な用途としては、スクリーン紗、フィルター、ロープ、ネット、魚網、コンピューターリボン、プリント基板用基布、抄紙用のカンバス、エアーバッグ、飛行船、ドーム用等の基布、ライダースーツ、釣糸、各種ライン(ヨット、パラグライダー、気球、凧糸)、ブラインドコード、網戸用支持コード、自動車や航空機内各種コード、電気製品やロボットの力伝達コード等が挙げられ、特にモノフィラメントからなる工業資材用織物、中でもフィルターや印刷用スクリーン紗が挙げられる。
次に、具体的実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれにより何等限定されるものではない。なお、実施例で挙げられている物性の測定方法を以下に示す。
A.繊度、単繊維繊度
検尺機にて繊維を100mカセ取りし、その重量(g)を100倍し、1水準当たり10回の測定を行い平均値を繊度(dtex)とした。これをフィラメント数で除した商を単繊維繊度(dtex)とした。
B.強伸度、弾性率
試料長100mm、引張速度50mm/分としたこと以外はJIS L1013に準じ、オリエンテック社製テンシロンUCT−100を用いて測定した。
C.解舒性
解舒速度200m/分にて100分間解舒し、ほぼ抵抗無く解舒できたものを○、軽い融着があり局所的に抵抗があったが解舒できたものを△、融着に起因する糸切れが発生したものを×とした。
D.付着物の付着量
検尺機にて繊維を100mカセ取りして重量を測定した後、カセを100mlの水に浸して超音波洗浄機を用いて1時間洗浄を行った。その後、超音波洗浄後の重量を測定し、洗浄前重量と洗浄後重量の差を洗浄前重量で除した商を付着物の付着量とした。
E.付着物成分の分析
繊維を100,000m採取して超音波洗浄し、超音波洗浄後の洗浄液について濾過を行い、固体と液体を分離した。その後、濾紙上の残渣を洗浄して水へと分散させ、それぞれの溶液を80℃で24時間乾燥して水分を蒸発させたものについて、理学電機(株)製蛍光X線分析装置(型番:3270)を用いて蛍光X線分析、理学電機(株)製X線回折装置(型番:RINT2100)を用いてX線回折、サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製FT−IR(型番:Nicolet6700)を用いて赤外線吸収スペクトル測定を行った。
F.工程通過性評価(加工性評価)
試料を張力2cN/dtex、速度200m/分でφ6mmのセラミックガイドに90°当てた後に巻取機で巻取り、100分間通過させてセラミックガイドへの付着物やフィブリルの堆積を確認した。このとき、付着物やフィブリルの堆積物が見られなかったものを○、付着物やフィブリルの堆積物は見られたが100分糸切れなく通過したものを△、付着物やフィブリルの堆積物の影響で糸切れが起こったものを×とした。また、巻き上がったパッケージ内のスカムおよびフィブリル混入による欠点個数から品位を評価し、パッケージ内に3個以下を良好(○)、4個以上を不良(×)とした。
参考例1
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル327重量部、イソフタル酸157重量部、テレフタル酸292重量部、ヒドロキノン89重量部および無水酢酸1433重量部(フェノール性水酸基合計の1.08当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら室温から145℃まで30分で昇温した後、145℃で2時間反応させた。その後、330℃まで4時間で昇温した。
重合温度を330℃に保持し、1.5時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に20分間反応を続け、所定トルクに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶ポリエステル(参考例1)はp−ヒドロキシ安息香酸単位が全体の54mol%、4,4’−ジヒドロキシビフェニル単位が16mol%、イソフタル酸単位が8mol%、テレフタル酸単位が15mol%、ヒドロキノン単位が7mol%からなり、融点は318℃であり、高化式フローテスターを用いて温度328℃、剪断速度1000/秒で測定した溶融粘度が16Pa・秒であった。また、分子量は91000であった。なお、分子量の測定方法は、溶媒としてペンタフルオロフェノール/クロロホルム=35/65(重量比)の混合溶媒を用い、液晶ポリエステルの濃度が0.04〜0.08重量/体積%となるように溶解させGPC測定用試料とし、これをWaters社製GPC測定装置を用いて測定し、ポリスチレン換算により分子量を求めた。
カラム:ShodexK−806M 2本、K−802 1本
検出器:示差屈折率検出器RI(2414型)
温度 :23±2℃
流速 :0.8mL/分
注入量:200μL
参考例2
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器に p−ヒドロキシ安息香酸907重量部と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸457重量部および無水酢酸946重量部(フェノ−ル性水酸基合計の1.03モル当量)を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら室温から145℃まで30分で昇温した後、145℃で2時間反応させた。その後、325℃まで4時間で昇温した。
重合温度を325℃に保持し、1.5時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に20分間反応を続け、所定トルクに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズした。
この液晶ポリエステル(参考例2)は、p−ヒドロキシ安息香酸単位が全体の73mol%、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸単位が27mol%からなり、融点は283℃であり、高化式フローテスターを用い、温度293℃、剪断速度1000/秒で測定した溶融粘度が32Pa・秒であった。また、分子量は230000であった。
Figure 0005239439
実施例1
参考例1の液晶ポリエステルを用い、160℃、12時間の真空乾燥を行った後、大阪精機工作株式会社製φ15mm単軸エクストルーダーにて(ヒーター温度290〜340℃)溶融押し出しし、ギアーポンプで計量しつつ紡糸パックにポリマーを供給した。このときのエクストルーダー出から紡糸パックまでの紡糸温度は345℃とした。紡糸パックでは金属不織布フィルター(渡辺義一製作所社製WLF−10)を用いてポリマーを濾過し、孔径0.13mm、ランド長0.26mmの孔を5個有する口金より吐出量5.0g/分(単孔あたり1.0g/分)でポリマーを吐出した。
吐出したポリマーは40mmの保温領域を通過させた後、環状冷却風により糸条の外側から冷却し固化させ、5フィラメントともに1000m/分の第1ゴデットロールに引き取った。このときの紡糸ドラフトは16である。これを同じ速度である第2ゴデットロールを介した後、5フィラメント中の4本はサクションガンにて吸引し、残り1本を、ダンサーアームを介しスピンドルトラバース型のパーンワインダー(巻取パッケージに接触するコンタクトロール無し)を用いてパーンの形状に巻き取った。約100分の巻取時間中、糸切れは発生せず製糸性は良好であった。
この紡糸繊維の固相重合前の繊維物性は、繊度10.0dtex、強度5.5cN/dtex、伸度1.1%、弾性率494cN/dtexであった。
この紡糸繊維パッケージから繊維を縦方向(繊維周回方向に対し垂直方向)に解舒し、調速ローラーを介さず、速度を一定とした巻取機(神津製作所社製ET−68S調速巻取機)にて200m/分で巻き返しを行った。このとき、巻き返し工程途中において、合成スメクタイト(コープケミカル社製「ルーセンタイトSWN」)を0.5重量%分散させた溶液を繊維に対して2.0重量%となるよう給油ガイドを用いて繊維に付着させた後、ポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製「SH200−350cs」、粘度350cSt)〔以下PDMS〕1.0重量%水系エマルジョンを繊維に対して4.0重量%となるよう給油ガイドを用いて繊維に付着させた。いずれの給油に際しても油剤の飛散やリターンは無く、給油ガイド吐出量の全量が繊維に付着した。なお、巻き返しの心材にはステンレス製の穴あきボビンにケブラーフェルト(目付280g/m、厚み1.5mm)を巻いたものを用い、巻き返し時の張力を0.05cN/dtex、巻き密度を0.08g/cmとし、巻き量は2万mとした。更にパッケージ形状はテーパー角20°のテーパーエンド巻きとし、テーパー幅調整機構の改造によりトラバース幅を常に揺動させるようにし、コンタクトロールを用いず、またトラバースガイドと繊維の接点を繊維パッケージから5mmとした。
これを密閉型オーブンを用い、室温から240℃までは約30分で昇温し、240℃にて3時間保持した後、4℃/時間で295℃まで昇温し、更に295℃で15時間保持する条件にて固相重合を行った。なお雰囲気は除湿窒素を流量25NL/分にて供給し、庫内が加圧にならないよう排気口より排気させた。
こうして得られた固相重合パッケージをインバーターモーターにより回転できる送り出し装置に取り付け、繊維を横方向(繊維周回方向)に200m/分で送り出しつつ解舒を行い巻取機にて巻き取ったところ、ほぼ抵抗無く解舒でき糸切れは発生しなかった。なお、繊維物性は表2に記載の通りである。固相重合後の繊維の分子量は420000である。測定法は液晶ポリエステルポリマーと同様である。
また、付着物成分の分析を行ったところ、固体成分については、蛍光X線分析においてケイ素およびマグネシウムに起因したピークが見られ、X線回折において(001)底面反射を測定し、乾燥状態での底面間隔が1.0nm、温度20℃相対湿度65%で24時間放置した後の底面間隔が1.4nmであることを確認した。また、液体成分については、赤外線吸収スペクトル測定において、1095cm−1付近にSi−O−Si結合に起因したシャープなピークを確認した。
この液晶ポリエステル繊維を用いて工程通過性評価を行ったところ、付着物やフィブリルの堆積はなく、工程通過性(加工性)は良好であった。また、パッケージ内の欠点個数も1個と品位も良好であった。
実施例2
溶融紡糸での吐出量を1.2g/分(単孔あたり0.24g/分)とし、付着させる溶液を合成スメクタイト0.2重量%分散液およびPDMS0.4重量%水系エマルジョンとすること以外は実施例1と同様の方法で固相重合パッケージを得た。
こうして得られた固相重合パッケージについて、実施例1と同様の方法で解舒を行い巻取機にて巻き取ったところ、ほぼ抵抗無く解舒でき糸切れは発生しなかった。
この液晶ポリエステル繊維を用いて工程通過性評価を行ったところ、付着物やフィブリルの堆積はなく、工程通過性(加工性)は良好であった。また、パッケージ内の欠点個数も1個と品位も良好であった。
実施例3
孔径0.13mm、ランド長0.26mmの孔を24個有する口金より吐出量5.76g/分(単孔あたり0.24g/分)でポリマーを吐出し、24本を1糸条とするマルチフィラメントとし、付着させる溶液を合成スメクタイト1.0重量%分散液およびPDMS2.0重量%水系エマルジョンとすること以外は実施例1と同様の方法で固相重合パッケージを得た。
こうして得られた固相重合パッケージについて、実施例1と同様の方法で解舒を行い巻取機にて巻き取ったところ、ほぼ抵抗無く解舒でき糸切れは発生しなかった。
この液晶ポリエステル繊維を用いて工程通過性評価を行ったところ、付着物やフィブリルの堆積はなく、工程通過性(加工性)は良好であった。また、パッケージ内の欠点個数も0個と品位も良好であった。
実施例4
繊維に付着させる無機粒子をコロイダルシリカ(吉村油化学社製コロイダルシリカ「エマロックスNF−20」)とすること以外は実施例1と同様の方法で固相重合パッケージを得た。
こうして得られた固相重合パッケージについて、実施例1と同様の方法で解舒を行い巻取機にて巻き取ったところ、軽い融着があり局所的に抵抗があったが、糸切れはなく解舒可能であった。
この液晶ポリエステル繊維を用いて工程通過性評価を行ったところ、付着物やフィブリルの堆積はなく、工程通過性(加工性)は良好であった。また、パッケージ内の欠点個数も2個と品位も良好であった。
実施例5
参考例2の液晶ポリエステルを用い、紡糸温度を315℃とすること以外は実施例1と同様の方法で溶融紡糸を行った。
この紡糸繊維の固相重合前の繊維物性は、繊度10.0dtex、強度8.1cN/dtex、伸度1.7%、弾性率553cN/dtexであった。
これを実施例1と同様の方法で巻き返し、室温から240℃までは約30分で昇温し、240℃にて3時間保持した後、4℃/分で265℃まで昇温し、更に265℃で15時間保持する条件とすること以外は実施例1と同様の方法で固相重合を行った。固相重合後の繊維の分子量は650000である。測定法は液晶ポリエステルポリマーと同様である。
こうして得られた固相重合パッケージについて、実施例1と同様の方法で解舒を行い巻取機にて巻き取ったところ、ほぼ抵抗無く解舒でき糸切れは発生しなかった。
この液晶ポリエステル繊維を用いて工程通過性評価を行ったところ、付着物やフィブリルの堆積はなく、工程通過性(加工性)は良好であった。また、パッケージ内の欠点個数も1個と品位も良好であった。
実施例6
固相重合前の無機粒子およびポリシロキサン付着工程において、合成スメクタイトを0.1重量%分散させた溶液を繊維に対して0.1重量%となるよう給油ガイドを用いて繊維に付着させた後、PDMS0.5重量%水系エマルジョンを繊維に対して1.8重量%となるよう給油ガイドを用いて繊維に付着させたこと以外は実施例1と同様の方法で固相重合を行った。
こうして得られた固相重合パッケージについて、実施例1と同様の方法で解舒を行い巻取機にて巻き取ったところ、ほぼ抵抗無く解舒でき糸切れは発生しなかった。
この液晶ポリエステル繊維を用いて工程通過性評価を行ったところ、付着物やフィブリルの堆積はなく、工程通過性(加工性)は良好であった。また、パッケージ内の欠点個数も1個と品位も良好であった。
実施例7
固相重合前の無機粒子およびポリシロキサン付着工程において、合成スメクタイトを0.1重量%分散させた溶液を繊維に対して0.1重量%となるよう給油ガイドを用いて繊維に付着させた後、PDMS4.0重量%水系エマルジョンを繊維に対して19.8重量%となるよう給油ガイドを用いて繊維に付着させたこと以外は実施例1と同様の方法で固相重合を行った。
こうして得られた固相重合パッケージについて、実施例1と同様の方法で解舒を行い巻取機にて巻き取ったところ、ほぼ抵抗無く解舒でき糸切れは発生しなかった。
この液晶ポリエステル繊維を用いて工程通過性評価を行ったところ、付着物やフィブリルの堆積はなく、工程通過性(加工性)は良好であった。また、パッケージ内の欠点個数も0個と品位も良好であった。
実施例8
固相重合前の無機粒子およびポリシロキサン付着工程において、合成スメクタイトを0.5重量%分散させた溶液を繊維に対して0.9重量%となるよう給油ガイドを用いて繊維に付着させた後、PDMS0.2重量%水系エマルジョンを繊維に対して0.3重量%となるよう給油ガイドを用いて繊維に付着させたこと以外は実施例1と同様の方法で固相重合を行った。
こうして得られた固相重合パッケージについて、実施例1と同様の方法で解舒を行い巻取機にて巻き取ったところ、ほぼ抵抗無く解舒でき糸切れは発生しなかった。
この液晶ポリエステル繊維を用いて工程通過性評価を行ったところ、付着物やフィブリルの堆積はなく、工程通過性(加工性)は良好であった。また、パッケージ内の欠点個数も2個と品位も良好であった。
実施例9
固相重合前の無機粒子およびポリシロキサン付着工程において、合成スメクタイトを1.0重量%分散させた溶液を繊維に対して8.5重量%となるよう給油ガイドを用いて繊維に付着させた後、PDMS0.5重量%水系エマルジョンを繊維に対して1.9重量%となるよう給油ガイドを用いて繊維に付着させたこと以外は実施例1と同様の方法で固相重合を行った。
こうして得られた固相重合パッケージについて、実施例1と同様の方法で解舒を行い巻取機にて巻き取ったところ、ほぼ抵抗無く解舒でき糸切れは発生しなかった。
この液晶ポリエステル繊維を用いて工程通過性評価を行ったところ、付着物やフィブリルの堆積はなく、工程通過性(加工性)は良好であった。また、パッケージ内の欠点個数も0個と品位も良好であった。
実施例10
固相重合前の無機粒子およびポリシロキサン付着工程において、合成スメクタイトを0.5重量%分散させた溶液を繊維に対して0.9重量%となるよう給油ガイドを用いて繊維に付着させた後、PDMS0.1重量%水系エマルジョンを繊維に対して0.2重量%となるよう給油ガイドを用いて繊維に付着させたこと以外は実施例1と同様の方法で固相重合を行った。
こうして得られた固相重合パッケージについて、実施例1と同様の方法で解舒を行い巻取機にて巻き取ったところ、ほぼ抵抗無く解舒でき糸切れは発生しなかった。
この液晶ポリエステル繊維を用いて工程通過性評価を行ったところ、付着物やフィブリルの堆積物は見られたが100分間糸切れはなかった。また、パッケージ内の欠点個数も3個と品位も良好であった。
実施例11
固相重合前の無機粒子およびポリシロキサン付着工程において、合成スメクタイトを0.2重量%分散させた溶液を繊維に対して0.5重量%となるよう給油ガイドを用いて繊維に付着させた後、PDMS0.2重量%水系エマルジョンを繊維に対して0.5重量%となるよう給油ガイドを用いて繊維に付着させたこと以外は実施例1と同様の方法で固相重合を行った。
こうして得られた固相重合パッケージについて、実施例1と同様の方法で解舒を行い巻取機にて巻き取ったところ、軽い融着があり局所的に抵抗があったが、糸切れはなく解舒可能であった。
この液晶ポリエステル繊維を用いて工程通過性評価を行ったところ、付着物やフィブリルの堆積物は見られたが100分間糸切れはなかった。また、パッケージ内の欠点個数も3個と品位も良好であった。
比較例1
固相重合前に、合成スメクタイトを1.0重量%分散させた溶液を繊維に対して3.0重量%となるよう給油ガイドを用いて繊維に付着させ、ポリシロキサンを付着させないこと以外は実施例1と同様の方法で固相重合パッケージを得た。
こうして得られた固相重合パッケージについて、実施例1と同様の方法で解舒を行い巻取機にて巻き取ったところ、軽い融着があり局所的に抵抗があったが、糸切れはなく解舒可能であった。
この液晶ポリエステル繊維を用いて工程通過性評価を行ったところ、無機粒子と見られる粉状の付着物が堆積し、糸切れが発生した。また、パッケージ内の欠点個数は5個であり、品位は劣悪であった。
比較例2
固相重合前に、PDMS2.0重量%水系エマルジョンを繊維に対して5.0重量%となるよう給油ガイドを用いて繊維に付着させ、無機粒子を付着させないこと以外は実施例1と同様の方法で固相重合パッケージを得た。
こうして得られた固相重合パッケージについて、実施例1と同様の方法で解舒を行い巻取機にて巻き取ったところ糸切れが発生し、送り出し速度を50m/分としても融着に起因する糸切れが発生した。
この液晶ポリエステル繊維については、工程通過性評価を行うことはできなかった。
Figure 0005239439
Figure 0005239439

Claims (4)

  1. 液晶ポリエステルを溶融紡糸して得られた繊維に無機粒子およびポリシロキサンを、下記条件を満たすように付着させた後、固相重合を行うことを特徴とする液晶ポリエステル繊維の製造方法。
    条件1.2.0≦2×A+B≦20
    条件2.A≧0.1
    条件3.B/A≧1/3
    Aは液晶ポリエステル繊維重量に対する無機粒子の付着量(重量%)
    Bは液晶ポリエステル繊維重量に対するポリシロキサンの付着量(重量%)
  2. 無機粒子が膨潤性無機粒子であることを特徴とする請求項1記載の液晶ポリエステル繊維の製造方法。
  3. 液晶ポリエステル繊維がモノフィラメントであることを特徴とする請求項1または2記載の液晶ポリエステル繊維の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法により得られた、強度10cN/dtex以上、伸度1.0%以上、弾性率500cN/dtex以上を有することを特徴とした液晶ポリエステル繊維。
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