JP2022006590A - 液晶ポリエステル繊維及び液晶ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents

液晶ポリエステル繊維及び液晶ポリエステル繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より耐熱性が高められた液晶ポリエステル繊維の提供。
【解決手段】液晶ポリエステルからなる繊維であって、波長1×10-10mのX線を用いた広角X線回折法によって測定されたX線回折スペクトルにおける110面の回折ピークに基づいて、D=K・λ/βcosθ(式中、Dは結晶子サイズであり、λは測定X線波長であり、βは半値幅(ラジアン)であり、θは回折角であり、KはScherrer定数(0.9)である)により求まる結晶子サイズの最大値が、20×10-10m以上である、液晶ポリエステル繊維。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶ポリエステル繊維及び液晶ポリエステル繊維の製造方法に関する。
液晶ポリエステルは、優れた低吸湿性、耐熱性および薄肉形成性等を有するため、様々な用途で広く用いられている。近年では、このような液晶ポリエステルの特性を活かして、液晶ポリエステルを繊維化することが検討されている。
液晶ポリエステルを繊維化した液晶ポリエステル繊維は、一般的には、液晶ポリエステルをいったん溶融した後に、細孔を介して押し出しながら引き延ばすことにより成形される。この際、溶融状態の液晶ポリエステルは、低粘度であるほど細い繊維を得ることが可能であり、良好に繊維化が可能である(特許文献1)。
特開2010-43380号公報
従来の液晶ポリエステル繊維であっても、耐熱性は比較的高いものである。一方で、ハンドルヒーターや防護衣料等への用途に適用するため、液晶ポリエステル繊維は、さらなる高耐熱性が求められている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、より耐熱性が高められた液晶ポリエステル繊維及び当該液晶ポリエステル繊維の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]液晶ポリエステルからなる繊維であって、下記[結晶子サイズの測定方法]により求まる結晶子サイズの最大値が、120×10-10m以上である、液晶ポリエステル繊維。
[結晶子サイズの測定方法]
液晶ポリエステル繊維の結晶子サイズは、波長1×10-10mのX線を用いた広角X線回折法によって測定されたX線回折スペクトルにおける110面の回折ピークに基づいて、下記式(1s)で表されるScherrerの式により求まる。
D=K・λ/βcosθ ・・・(1s)
(式中、Dは結晶子サイズであり、λは測定X線波長であり、βは半値幅(ラジアン)であり、θは回折角であり、KはScherrer定数(0.9)である。)
[2]前記液晶ポリエステルが、下記式(1)で表される繰返し単位(u1)、下記式(2)で表される繰返し単位(u2)及び下記式(3)で表される繰返し単位(u3)を有し、前記の繰返し単位(u1)~(u3)のうち、2,6-ナフチレン基を含む繰返し単位の割合が、前記液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、40モル%以上である、[1]に記載の液晶ポリエステル繊維。
(1)-O-Ar-CO-
(2)-CO-Ar-CO-
(3)-X-Ar-Y-
(式中、Arは、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表す。Ar及びArは、それぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基、又はビフェニリレン基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基(-NH-)を表す。Ar、Ar又はArで表される前記基が有する水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~20のアリール基で置換されていてもよい。)
[3]前記液晶ポリエステルが、下記式(4)で表される繰返し単位(u4)、下記式(5)で表される繰返し単位(u5)、及び下記式(6)で表される繰返し単位(u6)を有する、[1]に記載の液晶ポリエステル繊維。
(4)-O-Ar-CO-
(5)-CO-Ar-CO-
(6)-X-Ar-Y-
(式中、Arは、フェニレン基を表す。Ar及びArは、それぞれ独立に、フェニレン基、又はビフェニリレン基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基(-NH-)を表す。Ar、Ar及びArで表される前記基が有する水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~20のアリール基で置換されていてもよい。)
[4]液晶ポリエステルからなる繊維であって、融点が360℃以上である、液晶ポリエステル繊維。
[5][1]~[4]のいずれか一項に記載された液晶ポリエステル繊維の製造方法であって、液晶ポリエステルを溶融紡糸法により繊維状に加工する繊維化工程と、前記繊維化工程で作製した繊維状の液晶ポリエステルを330℃以上の温度で加熱する熱処理工程とを有する、液晶ポリエステル繊維の製造方法。
本発明によれば、より耐熱性が高められた液晶ポリエステル繊維及び当該液晶ポリエステル繊維の製造方法を提供することができる。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維の製造方法に用いられる紡糸装置の一例を示す概略図である。
(液晶ポリエステル繊維)
<第一実施形態の液晶ポリエステル繊維>
第一実施形態の液晶ポリエステル繊維は、液晶ポリエステルからなる繊維である。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維は、後述の[結晶子サイズの測定方法]により求まる結晶子サイズの最大値が、120×10-10m以上である。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維は、後述の[結晶子サイズの測定方法]により求まる結晶子サイズの最大値が、120×10-10m以上であり、125×10-10m以上が好ましく、135×10-10m以上がより好ましい。
また、結晶子サイズの最大値は、通常350×10-10m以下であり、310×10-10m以下が好ましく、190×10-10m以下がより好ましい。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維の結晶子サイズの最大値が、前記の好ましい下限値以上であれば、高分子量化及び高配向化により、耐熱性がより向上する。
一方で、本実施形態の液晶ポリエステル繊維の結晶子サイズの最大値が、前記の上限値以下であれば、耐熱性を保持しやすい。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維について、結晶子サイズの最大値は、例えば、120×10-10m以上350×10-10m以下が好ましく、125×10-10m以上310×10-10m以下がより好ましく、135×10-10m以上190×10-10m以下がさらに好ましい。
[結晶子サイズの測定方法]
本実施形態の液晶ポリエステル繊維の結晶子サイズは、波長1×10-10mのX線を用いた広角X線回折法によって測定されたX線回折スペクトルにおける110面の回折ピークに基づいて、下記式(1s)で表されるScherrerの式により求まる。
D=K・λ/βcosθ ・・・(1s)
(式中、Dは結晶子サイズであり、λは測定X線波長であり、βは半値幅(ラジアン)であり、θは回折角であり、KはScherrer定数(0.9)である。)
なお、上式(1)により、結晶子サイズを決定することは従来から使用されている手法である(例えば、「X線構造解析-原子の配列を決める-」2002年4月30日第3版発行、早稲田嘉夫、松原栄一郎著、参照)。
本実施形態においては、広角X線回折法、好ましくは、大型放射光施設(SPring-8)のビームライン(ビームサイズ約1μm)を利用したX線散乱法を用いて、下記の手順(1)~(5)を行うことにより結晶子サイズを求める。
手順(1):まず、試料である液晶ポリエステル繊維に対し、波長1×10-10mのX線を、当該液晶ポリエステル繊維の径方向に1μm間隔で連続的に照射してX線回折測定を行う。液晶ポリエステル繊維にX線が入射した端部である開始点および終了点は、液晶ポリエステル繊維由来の110面の回折ピークが出現した点(開始点)および消失した点(終了点)とそれぞれ定義する。
手順(2):液晶ポリエステル由来の110面の回折ピークを決定する。
手順(3):決定した110面の回折ピークの半値幅(β)を求める。
手順(4):Scherrerの式を用いて結晶子サイズを求める。
手順(5):液晶ポリエステル繊維にX線が入射した開始点から終了点の全測定データに対し、手順(3)及び手順(4)により結晶子サイズを算出する。
液晶ポリエステル繊維における「液晶ポリエステル繊維の結晶子サイズの最大値」は、上記手順により得られた、結晶子サイズの最大値とする。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維は、融点が360℃以上であることが好ましく、370℃以上であることがより好ましく、380℃以上であることがさらに好ましい。
融点が前記の好ましい値以上であれば、本実施形態の液晶ポリエステル繊維をハンドルヒーターや防護衣料等のより耐熱性が求められる製品にも適用しやすくなる。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維の融点の上限値は特に限定されず、例えば、450℃以下が好ましい。
本明細書において、液晶ポリエステル繊維の融点は、示差熱量測定により室温から10℃/分の昇温条件で測定した際に観測される最も高温側の吸熱ピークの位置を融点とする。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維において、例えば、液晶ポリエステルの種類、製造方法(具体的には、熱処理温度等)によって、液晶ポリエステル繊維の結晶子サイズの最大値、及び融点を制御することができる。
液晶ポリエステルの種類による制御については、液晶ポリエステルを構成する繰り返し単位の種類又はその割合などを適宜選択すればよい。
<液晶ポリエステル>
本実施形態における液晶ポリエステル樹脂は、溶融状態で液晶性を示すポリエステル樹脂であれば、特に限定されない。本実施形態における液晶ポリエステル樹脂は、液晶ポリエステルアミド、液晶ポリエステルエーテル、液晶ポリエステルカーボネート、液晶ポリエステルイミド等であってもよい。
本実施形態における液晶ポリエステル樹脂は、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが好ましい。
本実施形態における液晶ポリエステル樹脂の典型的な例としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸と、芳香族ジカルボン酸と、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を重合(重縮合)させてなるもの;複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させてなるもの;芳香族ジカルボン酸と、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を重合させてなるもの;ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを重合させてなるものが挙げられる。
ここで、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンは、それぞれ独立に、その一部または全部に代えて、重合可能なそれらの誘導体が用いられてもよい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸のようなカルボキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、カルボキシル基をアルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基に変換してなるもの(エステル);カルボキシル基をハロホルミル基に変換してなるもの(酸ハロゲン化物);カルボキシル基をアシルオキシカルボニル基に変換してなるもの(酸無水物)等が挙げられる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシアミンのようなヒドロキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、ヒドロキシル基をアシル化してアシルオキシル基に変換してなるもの(アシル化物)等が挙げられる。
芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンのようなアミノ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、アミノ基をアシル化してアシルアミノ基に変換してなるもの(アシル化物)等が挙げられる。
液晶ポリエステル繊維の原料として用いる液晶ポリエステルは、流動開始温度が、例えば280℃以上、好ましくは280℃以上400℃以下、より好ましくは280℃以上360℃以下である。流動開始温度が高いほど、耐熱性や強度・剛性が向上しやすいが、あまり高いと、溶融温度や溶融粘度が高くなりやすく、繊維化しにくい傾向がある。
なお、流動開始温度は、フロー温度または流動温度とも呼ばれ、毛細管レオメーターを用いて、9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、内径1mmおよび長さ10mmのノズルから押し出すときに、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度であり、液晶ポリエステルの分子量の目安となるものである(小出直之編、「液晶ポリマー-合成・成形・応用-」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。
本実施形態における液晶ポリエステル樹脂は、上記の中でも、以下に示す液晶ポリエステル樹脂A又は液晶ポリエステル樹脂Bであることが好ましい。なお、得られる液晶ポリエステル繊維の強度をより向上させる観点からは、樹脂Aが好ましく、得られる液晶ポリエステルの弾性率をより向上させる観点からは、樹脂Bが好ましい。
≪液晶ポリエステルA≫
液晶ポリエステルAは、下記式(1)で表される繰返し単位(u1)(以下、「繰返し単位(u1)」ともいう)、下記式(2)で表される繰返し単位(u2)(以下、「繰返し単位(u2)」ともいう)、及び、下記式(3)で表される繰返し単位(u3)(以下、「繰返し単位(u3)」ともいう)を有し、
前記の繰返し単位(u1)~(u3)のうち、2,6-ナフチレン基を含む繰返し単位の割合が、前記液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、40モル%以上である、樹脂である。
(1)-O-Ar-CO-
(2)-CO-Ar-CO-
(3)-X-Ar-Y-
(式中、Arは、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表す。Ar及びArは、それぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基、又はビフェニリレン基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基(-NH-)を表す。Ar、Ar又はArで表される前記基が有する水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~20のアリール基で置換されていてもよい。)
・繰返し単位(u1)
繰り返し単位(u1)は、所定の芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位である。
本明細書において「由来」とは、原料モノマーが重合するために化学構造が変化し、その他の構造変化を生じないことを意味する。
上記式(1)中、Arは、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、該フェニレン基、ナフチレン基及びビフェニリレン基が有する水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~20のアリール基で置換されていてもよい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
前記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-オクチル基及びn-デシル基が挙げられる。
前記アリール基の例としては、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、1-ナフチル基および2-ナフチル基が挙げられる。
繰り返し単位(u1)としては、上記の中でも、Arがp-フェニレン基であるもの(p-ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位)、及びArが2,6-ナフチレン基であるもの(6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に由来する繰返し単位)が好ましく、Arが2,6-ナフチレン基であるもの(6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に由来する繰返し単位)がより好ましい。
・繰返し単位(u2)
繰り返し単位(u2)は、所定の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。
Arは、フェニレン基、ナフチレン基、又はビフェニリレン基を表し、該フェニレン基、ナフチレン基及びビフェニリレン基が有する水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~20のアリール基で置換されていてもよい。該ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基及び炭素数6~20のアリール基としては、Arで表される前記基の水素原子と置換されていてもよい、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基及び炭素数6~20のアリール基と同様のものが挙げられる。
繰り返し単位(u2)としては、上記の中でも、Arがp-フェニレン基であるもの(テレフタル酸に由来する繰返し単位)、Arがm-フェニレン基であるもの(イソフタル酸に由来する繰返し単位)、Arが2,6-ナフチレン基であるもの(2,6-ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位)、及びArがジフェニルエ-テル-4,4’-ジイル基であるもの(ジフェニルエ-テル-4,4’-ジカルボン酸に由来する繰返し単位)が好ましく、Arがp-フェニレン基であるもの(テレフタル酸に由来する繰返し単位)、Arが2,6-ナフチレン基であるもの(2,6-ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位)がより好ましい。
・繰返し単位(u3)
繰り返し単位(u3)は、所定の芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシルアミン又は芳香族ジアミンに由来する繰返し単位である。
Arは、フェニレン基、ナフチレン基、又はビフェニリレン基を表し、該フェニレン基、ナフチレン基及びビフェニリレン基が有する水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~20のアリール基で置換されていてもよい。該ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基及び炭素数6~20のアリール基としては、Arで表される前記基の水素原子と置換されていてもよい、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基及び炭素数6~20のアリール基と同様のものが挙げられる。
X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基(-NH-)であり、いずれも酸素原子であることが好ましい。
繰り返し単位(u3)としては、Arがp-フェニレン基であるもの(ヒドロキノン、p-アミノフェノール又はp-フェニレンジアミンに由来する繰返し単位)、及びArが4,4’-ビフェニリレン基であるもの(4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4-アミノ-4’-ヒドロキシビフェニル又は4,4’-ジアミノビフェニルに由来する繰返し単位)が好ましく、Arがp-フェニレン基であり、X及びYが酸素原子であるもの(ヒドロキノンに由来する繰返し単位)がより好ましい。
本実施形態における液晶ポリエステルAにおいて、繰返し単位(u1)~(u3)のうち、2,6-ナフチレン基を含む繰返し単位の割合が、前記液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、40モル%以上であり、65モル%以上であることが好ましく、68モル%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。
一方で、2,6-ナフチレン基を含む繰返し単位の割合が、前記液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、85モル%以下であることが好ましく、82モル%以下であることがより好ましく、80モル%以下であることがさらに好ましい。
液晶ポリエステルAにおける2,6-ナフチレン基を含む繰返し単位の割合が、前記の好ましい範囲内であれば、強度及び電気特性(低誘電正接)がより向上する。
本実施形態における液晶ポリエステルAは、2,6-ナフチレン基を含む繰返し単位の割合が、前記液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、例えば、40モル%以上85モル%以下であることが好ましく、65モル%以上82モル%以下であることがより好ましく、68モル%以上80モル%以下であることがさらに好ましく、70%以上80モル%以下であることが特に好ましい。
本実施形態における液晶ポリエステルAにおいて、繰返し単位(u1)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましく、45%以上であることがさらに好ましい。
一方で、繰返し単位(u1)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましく、65%以下であることがさらに好ましい。
例えば、液晶ポリエステルAにおける繰返し単位(u1)の含有量は、30モル%以上80モル%以下であることが好ましく、40モル%以上70モル%以下であることがより好ましく、45%以上65%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態における液晶ポリエステルAにおいて、繰返し単位(u2)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、10モル%以上であることが好ましく、15モル%以上であることがより好ましく、17.5%以上であることがさらに好ましい。
一方で、繰返し単位(u2)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、35モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、27.5%以下であることがさらに好ましい。
例えば、液晶ポリエステルAにおける繰返し単位(u2)の含有量は、10モル%以上35モル%以下であることが好ましく、15モル%以上30モル%以下であることがより好ましく、17.5%以上27.5%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態における液晶ポリエステルAにおいて、繰返し単位(u3)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、10モル%以上であることが好ましく、15モル%以上であることがより好ましく、17.5%以上であることがさらに好ましい。
一方で、繰返し単位(u3)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、35モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、27.5%以下であることがさらに好ましい。
例えば、液晶ポリエステルAにおける繰返し単位(u3)の含有量は、10モル%以上35モル%以下であることが好ましく、15モル%以上30モル%以下であることがより好ましく、17.5%以上27.5%以下であることがさらに好ましい。
このような所定の繰返し単位組成を有する液晶ポリエステルは、耐熱性と繊維化とのバランスに優れている。繰返し単位(u1)の含有量が多いほど、溶融流動性や耐熱性や強度・剛性が向上しやすいが、あまり多いと、溶融温度や溶融粘度が高くなりやすく、繊維化に必要な温度が高くなりやすい。
液晶ポリエステルAにおける繰返し単位(u2)の含有量と繰返し単位(u3)の含有量とは、実質的に等しいことが好ましい。繰返し単位(u2)の含有量と繰返し単位(u3)の含有量との割合は、[繰返し単位(u2)の含有量]/[繰返し単位(u3)の含有量](モル/モル)で表して、例えば0.9/1~1/0.9、好ましくは0.95/1~1/0.95、より好ましくは0.98/1~1/0.98である。
液晶ポリエステルAは、繰返し単位(u1)~(u3)を、それぞれ独立に、2種以上有してもよい。また、液晶ポリエステルAは、繰返し単位(u1)~(u3)以外の繰返し単位を有してもよいが、その含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、例えば10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
耐熱性が高い液晶ポリエステルAの具体例としては、
(i)全繰返し単位の合計量に対して、Arが2,6-ナフチレン基である繰返し単位(u1)(すなわち、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に由来する繰返し単位)を、好ましくは40モル%以上70モル%以下、より好ましくは45モル%以上65モル%以下、さらに好ましくは50モル%以上60モル%以下有し、
(ii)Arが2,6-ナフチレン基である繰返し単位(u2)(すなわち、2,6-ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位)を、好ましくは10モル%以上30モル%以下、より好ましくは12.5モル%以上27.5モル%以下、さらに好ましくは15モル%以上25モル%以下有し、
(iii)Arが1,4-フェニレン基である繰返し単位(u2)(すなわち、テレフタル酸に由来する繰返し単位)を、好ましくは1モル%以上15モル%以下、より好ましくは2モル%以上10モル%以下、さらに好ましくは3モル%以上7モル%以下有し、
(iv)Arが1,4-フェニレン基である繰返し単位(u3)(すなわち、ヒドロキノンに由来する繰返し単位)を、好ましくは12.5モル%以上30モル%以下、より好ましくは17.5モル%以上30モル%以下、さらに好ましくは20モル%以上25モル%以下有する、樹脂が挙げられる。なお、該樹脂において、繰返し単位(u1)~(u3)の合計量は、100モル%を超えない。
≪液晶ポリエステルB≫
液晶ポリエステルBは、下記式(4)で表される繰返し単位(u4)(以下、「繰返し単位(u4)」ともいう)、下記式(5)で表される繰返し単位(u5)(以下、「繰返し単位(u5)」ともいう)、及び下記式(6)で表される繰返し単位(u6)(以下、「繰返し単位(u6)」ともいう)を有する樹脂である。
(4)-O-Ar-CO-
(5)-CO-Ar-CO-
(6)-X-Ar-Y-
(式中、Arは、フェニレン基を表す。Ar及びArは、それぞれ独立に、フェニレン基、又はビフェニリレン基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基(-NH-)を表す。Ar、Ar及びArで表される前記基が有する水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~20のアリール基で置換されていてもよい。)
・繰返し単位(u4)
繰返し単位(u4)は、モノヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位である。
上記式(4)中、Arは、フェニレン基であり、該フェニレン基が有する水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~20のアリール基で置換されていてもよい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
前記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-オクチル基及びn-デシル基が挙げられる。
前記アリール基の例としては、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、1-ナフチル基および2-ナフチル基が挙げられる。
繰り返し単位(u4)としては、上記の中でも、Arがp-フェニレン基であるもの(p-ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
・繰返し単位(u5)
繰返し単位(u5)は、所定の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。
Arは、フェニレン基、又はビフェニリレン基を表し、該フェニレン基及びビフェニリレン基が有する水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~20のアリール基で置換されていてもよい。該ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基及び炭素数6~20のアリール基としては、Arで表される前記基の水素原子と置換されていてもよいハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基及び炭素数6~20のアリール基と同様のものが挙げられる。
繰り返し単位(u5)としては、上記の中でも、Arがp-フェニレン基であるもの(テレフタル酸に由来する繰返し単位)、Arがm-フェニレン基であるもの(イソフタル酸に由来する繰返し単位)、及びArがジフェニルエ-テル-4,4’-ジイル基であるもの(ジフェニルエ-テル-4,4’-ジカルボン酸に由来する繰返し単位)が好ましく、Arがp-フェニレン基であるもの(テレフタル酸に由来する繰返し単位)、Arがm-フェニレン基であるもの(イソフタル酸に由来する繰返し単位)がより好ましい。
・繰返し単位(u6)
繰返し単位(u6)は、所定の芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシルアミン又は芳香族ジアミンに由来する繰返し単位である。
Arは、フェニレン基又はビフェニリレン基を表し、該フェニレン基及びビフェニリレン基が有する水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~20のアリール基で置換されていてもよい。該ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基及び炭素数6~20のアリール基としては、Arで表される前記基の水素原子と置換されていてもよいハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基及び炭素数6~20のアリール基と同様のものが挙げられる。
X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基(-NH-)であり、いずれも酸素原子であることが好ましい。
繰り返し単位(u6)としては、上記の中でも、Arがp-フェニレン基であるもの(ヒドロキノン、p-アミノフェノール又はp-フェニレンジアミンに由来する繰返し単位)、及びArが4,4’-ビフェニリレン基であるもの(4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4-アミノ-4’-ヒドロキシビフェニル又は4,4’-ジアミノビフェニルに由来する繰返し単位)が好ましく、Arが4,4’-ビフェニリレン基であり、X及びYが酸素原子であるもの(4,4’-ジヒドロキシビフェニルに由来する繰返し単位)がより好ましい。
繰返し単位(u4)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。
一方で、繰返し単位(u4)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましく、65%以下であることがさらに好ましい。
例えば、液晶ポリエステルBにおける繰返し単位(u4)の含有量は、30モル%以上80モル%以下であることが好ましく、40モル%以上70モル%以下であることがより好ましく、50%以上65%以下であることがさらに好ましい。
繰返し単位(u5)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、7モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、15%以上であることがさらに好ましい。
一方で、繰返し単位(u5)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、35モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、25%以下であることがさらに好ましい。
例えば、液晶ポリエステルBにおける繰返し単位(u5)の含有量は、7モル%以上35モル%以下であることが好ましく、10モル%以上30モル%以下であることがより好ましく、15%以上25%以下であることがさらに好ましい。
繰返し単位(u6)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、7モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、15%以上であることがさらに好ましい。
一方で、繰返し単位(u6)の含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、35モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、25%以下であることがさらに好ましい。
例えば、液晶ポリエステルBにおける繰返し単位(u6)の含有量は、7モル%以上35モル%以下であることが好ましく、10モル%以上30モル%以下であることがより好ましく、15%以上25%以下であることがさらに好ましい。
このような所定の繰返し単位組成を有する液晶ポリエステルは、耐熱性と繊維化とのバランスに優れている。繰返し単位(u4)の含有量が多いほど、溶融流動性や耐熱性や強度・剛性が向上しやすいが、あまり多いと、溶融温度や溶融粘度が高くなりやすく、繊維化に必要な温度が高くなりやすい。
液晶ポリエステルBにおける繰返し単位(u5)の含有量と繰返し単位(u6)の含有量とは、実質的に等しいことが好ましい。繰返し単位(u5)の含有量と繰返し単位(u6)の含有量との割合は、[繰返し単位(u5)の含有量]/[繰返し単位(u6)の含有量](モル/モル)で表して、例えば0.9/1~1/0.9、好ましくは0.95/1~1/0.95、より好ましくは0.98/1~1/0.98である。
液晶ポリエステルBは、繰返し単位(u4)~(u6)を、それぞれ独立に、2種以上有してもよい。また、液晶ポリエステルAは、繰返し単位(u4)~(u6)以外の繰返し単位を有してもよいが、その含有量は、全繰返し単位の合計量に対して、例えば10モル%以下、好ましくは5モル%以下である。
耐熱性が高い液晶ポリエステルBの具体例としては、
(i)全繰返し単位の合計量に対して、Arがp-フェニレン基である繰返し単位(u4)(すなわち、p-ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位)を、好ましくは40モル%以上80モル%以下、より好ましくは45モル%以上75モル%以下、さらに好ましくは50モル%以上70モル%以下有し、
(ii)Arがp-フェニレン基である繰返し単位(u5)(すなわち、テレフタル酸に由来する繰返し単位)を、好ましくは1モル%以上30モル%以下、より好ましくは5モル%以上25モル%以下、さらに好ましくは10モル%以上20モル%以下有し、
(iii)Arがm-フェニレン基である繰返し単位(u5)(すなわち、イソフタル酸に由来する繰返し単位)を、好ましくは1モル%以上15モル%以下、より好ましくは2モル%以上10モル%以下、さらに好ましくは3モル%以上7モル%以下有し、
(iv)Arが4,4’-ビフェニリレン基であり、X及びYが酸素原子である繰返し単位(u6)(すなわち、4,4’-ジヒドロキシビフェニルに由来する繰返し単位)を、好ましくは5モル%以上35モル%以下、より好ましくは10モル%以上30モル%以下、さらに好ましくは15モル%以上25モル%以下有する、樹脂が挙げられる。なお、該樹脂において、繰返し単位(u4)~(u6)の合計量は、100モル%を超えない。
本実施形態における液晶ポリエステル樹脂は、それを構成する繰返し単位に対応する原料モノマーを溶融重合させ、得られた重合物を固相重合させることにより、それぞれ製造することが好ましい。これにより、耐熱性や強度・剛性が高い高分子量の液晶ポリエステル樹脂を操作性良く製造することができる。
溶融重合は、触媒の存在下に行ってもよい。この触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属化合物や、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、1-メチルイミダゾールなどの含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。
本実施形態における液晶ポリエステル樹脂は、押出機を用いて溶融混練した後、ペレット状に成形することが好ましい。
押出機としては、シリンダーと、シリンダー内に配置された1本以上のスクリューと、シリンダーに設けられた1箇所以上の供給口と、を有するものが好ましく用いられる。さらに、押出機としては、シリンダーに設けられた1箇所以上のベント部を有するものがより好ましい。また、供給口の下流側には(複数の供給口が設けられている場合には、各供給口の下流側にそれぞれ)、ニーディング部を備えた押出機を用いることが好ましい。ここでニーディング部とは、スクリューの一部に設けられて溶融混練を効率的に行うための部分をいう。該ニーディング部としては、ニーディングディスク(順ニーディングディスク、ニュートラルニーディングディスク、逆ニーディングディスク)、ミキシングスクリュー等を挙げることができる。
押出機は、1箇所以上のベント部を有する箇所に減圧設備が接続されていることが好ましい。液晶ポリエステルの溶融混練時に減圧設備を用いて押出機のシリンダー内を脱気することで、液晶ポリエステルから残存する低分子量成分を除去することができる。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した液晶ポリエステル以外の任意成分を含んでいてもよい。該任意成分としては、耐光剤、カーボンブラック、酸化チタン、着色剤(顔料、染料)、帯電防止剤、酸化防止剤等が挙げられる。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維における液晶ポリエステルの含有量は、液晶ポリエステル繊維全量に対して、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、100質量%、すなわち、液晶ポリエステル繊維が液晶ポリエステルのみからなることがさらに好ましい。
以上説明した第一実施形態の液晶ポリエステル繊維は、結晶子サイズの最大値が、120×10-10m以上であるため、従来の液晶ポリエステル繊維に比べて耐熱性が高い。これは、結晶子サイズの最大値が、120×10-10m以上である場合、液晶ポリエステル繊維中の液晶ポリエステルが高分子量化及び高配向化されていることに由来すると推測される。
<第二実施形態の液晶ポリエステル繊維>
第二実施形態の液晶ポリエステル繊維は、液晶ポリエステルからなる繊維である。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維は、融点が360℃以上であり、370℃以上であることが好ましく、380℃以上であることがより好ましい。
融点が前記の好ましい値以上であれば、本実施形態の液晶ポリエステル繊維をハンドルヒーターや防護衣料等のより耐熱性が求められる製品にも適用しやすくなる。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維の融点の上限値は特に限定されず、例えば、450℃以下が好ましい。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維について、上述した[結晶子サイズの測定方法]により求まる結晶子サイズの最大値は、120×10-10m以上が好ましく、125×10-10m以上がより好ましく、135×10-10m以上がさらに好ましい。
また、結晶子サイズの最大値は、通常350×10-10m以下であり、310×10-10m以下が好ましく、190×10-10m以下がより好ましい。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維の結晶子サイズの最大値が、前記の好ましい下限値以上であれば、高分子量化及び高配向化により、耐熱性がより向上する。
一方で、本実施形態の液晶ポリエステル繊維の結晶子サイズの最大値が、前記の上限値以下であれば、耐熱性を保持しやすい。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維について、結晶子サイズの最大値は、例えば、120×10-10m以上350×10-10m以下が好ましく、125×10-10m以上310×10-10m以下がより好ましく、135×10-10m以上190×10-10m以下がさらに好ましい。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維において、例えば、液晶ポリエステルの種類、製造方法によって、液晶ポリエステル繊維の融点、及び結晶子サイズの最大値を制御することができる。
液晶ポリエステルの種類による制御については、液晶ポリエステルを構成する繰り返し単位の種類又はその割合などを適宜選択すればよい。
<液晶ポリエステル>
本実施形態における液晶ポリエステル樹脂は、溶融状態で液晶性を示すポリエステル樹脂であれば、特に限定されず、第一実施形態の液晶ポリエステル繊維の原料として説明した液晶ポリエステルと同様のものが挙げられる。
液晶ポリエステル繊維の原料として用いる液晶ポリエステルは、流動開始温度が、例えば280℃以上、好ましくは280℃以上400℃以下、より好ましくは280℃以上360℃以下である。流動開始温度が高いほど、耐熱性や強度・剛性が向上しやすいが、あまり高いと、溶融温度や溶融粘度が高くなりやすく、繊維化しにくい傾向がある。
本実施形態における液晶ポリエステル樹脂は、上述した液晶ポリエステル樹脂A又は液晶ポリエステル樹脂Bであることが好ましい。なお、得られる液晶ポリエステル繊維の強度をより向上させる観点からは、樹脂Aが好ましく、得られる液晶ポリエステルの弾性率をより向上させる観点からは、樹脂Bが好ましい。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した液晶ポリエステル以外の任意成分を含んでいてもよい。該任意成分としては、耐光剤、カーボンブラック、酸化チタン、着色剤(顔料、染料)、帯電防止剤、酸化防止剤等が挙げられる。
本実施形態の液晶ポリエステル繊維における液晶ポリエステルの含有量は、液晶ポリエステル繊維全量に対して、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、100質量%、すなわち、液晶ポリエステル繊維が液晶ポリエステルのみからなることがさらに好ましい。
以上説明した第二実施形態の液晶ポリエステル繊維は、融点が360℃以上であるため、従来の液晶ポリエステル繊維に比べて耐熱性が高い。
(液晶ポリエステル繊維の製造方法)
本実施形態の液晶ポリエステル繊維の製造方法は、液晶ポリエステルを溶融紡糸法により繊維状に加工する繊維化工程と、前記繊維化工程で作製した繊維状の液晶ポリエステルを330℃以上の温度で加熱する熱処理工程とを有する。
[繊維化工程]
繊維化工程は、上述した液晶ポリエステルを溶融紡糸法により繊維状に加工する工程である。なお、該液晶ポリエステルは、液晶ポリエステル単一であってもよく、液晶ポリエステルと任意成分として、耐光剤、カーボンブラック、酸化チタン、着色剤(顔料、染料)、帯電防止剤、酸化防止剤等とを含む液晶ポリエステル組成物であってもよい。
図1は、本実施形態の液晶ポリエステル繊維の製造方法に用いられる紡糸装置の一例を示す概略図である。
紡糸装置1は、押出機11と、ギヤポンプ12と、ノズル部13と、引取ローラー14と、巻取部15と、樹脂流路16と、を備えている。
紡糸装置1は、樹脂流路16の途中に設けられたステンレス製などのフィルターや、ノズル部13と引取ローラー14との間に設けられた収束剤や油剤などを付与する付与装置を備えていてもよい。
押出機11とノズル部13とが、樹脂流路16で接続されている。ギヤポンプ12は、樹脂流路16の途中に設けられている。引取ローラー14は、ノズル部13の下方に設けられている。
繊維化工程として、具体的には、液晶ポリエステルを、該液晶ポリエステルの流動開始温度以上で溶融させる溶融操作と、溶融状態の液晶ポリエステルを繊維化する繊維化操作と、繊維化した液晶ポリエステルを巻き取る巻取操作とを有する。
・溶融操作
溶融操作では、押出機11を用いて液晶ポリエステルを流動開始温度以上に加熱して、溶融させる。
押出機11は、液晶ポリエステルを流動開始温度以上で溶融させることができる限り特に限定されず、単軸押出機であっても、二軸押出機であってもよい。
押出機11での液晶ポリエステルの溶融温度および溶融時間は、溶融時に液晶ポリエステルが分解しない範囲で調整することが好ましい。
・繊維化操作
繊維化操作では、溶融状態の液晶ポリエステルをギヤポンプ12によってノズル部13に圧送し、ノズル部13から押し出して液晶ポリエステルの単繊維Pを得る。
ノズル部13は複数のノズルを有する。ノズルの孔径は、0.05mm以上0.20mm以下であることが好ましく、0.07mm以上0.15mm以下であることがより好ましい。ノズルの孔径が0.20mm以下であると、ノズルから押し出される液晶ポリエステルに強いせん断応力が掛かりやすい。その結果、液晶ポリエステル繊維における液晶ポリエステルの配向度が高くなりやすい。一方、ノズルの孔径が0.05mm以上であるとノズルに液晶ポリエステルが詰まるおそれが少ない。
ノズル部13での液晶ポリエステルの吐出量は、溶融紡糸時に液晶ポリエステル繊維の糸切れが発生しない範囲で調整することが好ましい。液晶ポリエステルの吐出量は、例えば1~40g/分であり、10~30g/分であると好ましい。
ノズル部13におけるせん断速度は、10000s-1以上100000s-1以下であることが好ましく、30000s-1以上80000s-1以下であることがより好ましい。
せん断速度が10000s-1以上であると、ノズルから押し出される液晶ポリエステルに強いせん断応力が掛かりやすい。その結果、液晶ポリエステル繊維における液晶ポリエステルの配向度が高くなりやすい。
一方、せん断速度が100000s-1以下であると溶融紡糸時に液晶ポリエステル繊維の糸切れが発生するおそれが少ない。
ノズル部13におけるノズルの孔数は、特に制限されるものではなく、使用する溶融紡糸装置の種類や、必要とする生産量に応じて適宜選択すればよい。
・巻取操作
巻取操作は、複数の液晶ポリエステルの単繊維Pを引取ローラー14で引き取り、巻取部15によってSUS製のボビンなどに巻き取ることにより、複数の単繊維から構成される繊維状の液晶ポリエステルを得る。この繊維状の液晶ポリエステルは、いわゆるマルチフィラメントと呼ばれる繊維である。
巻取部15における繊維状の液晶ポリエステルの巻取速度は、200m/分以上1500m/分以下であることが好ましく、400m/分以上1200m/分以下であることが好ましい。
繊維状の液晶ポリエステルの巻取速度が200m/分以上であると、繊維状の液晶ポリエステル中の液晶ポリエステルが長手方向に引き伸ばされやすい。その結果、液晶ポリエステルの配向度が高くなりやすい。
一方、繊維状の液晶ポリエステルの巻取速度が1500m/分以下であると、繊維状の液晶ポリエステルが破断するおそれが少ない。
本実施形態の巻取工程後に得られる繊維状の液晶ポリエステルは、「アズスパン(as-spun)繊維」と呼ばれる。該繊維状の液晶ポリエステルの強度は、液晶ポリエステル以外のポリエステルからなる有機繊維の強度より高い傾向がある。
[熱処理工程]
熱処理工程は、上記繊維化工程で作製した繊維状の液晶ポリエステルを330℃以上の温度で加熱する工程である。
熱処理工程として、具体的には、ボビンなどに巻き取った繊維状の液晶ポリエステルを、オーブンなどを用いて加熱する。これにより、液晶ポリエステルを高分子量化させて、耐熱性及び強度が向上した液晶ポリエステル繊維が得られる。
本実施形態の熱処理工程における熱処理温度は、330℃以上であり、340℃以上であることが好ましく、350℃以上であることがより好ましく、360℃以上であることがさらに好ましい。
一方で、本実施形態の熱処理工程における熱処理温度は、400℃以下が好ましく、380℃以下がより好ましい。
熱処理工程における熱処理温度が前記の好ましい値以上であれば、液晶ポリエステル繊維中の液晶ポリエステルの高分子量化及び高配向化が進行しやすく、製造される液晶ポリエステル繊維の耐熱性がより向上する。
また、熱処理工程における熱処理温度が前記の好ましい値以下であれば、液晶ポリエステル繊維中の液晶ポリエステルが熱分解するおそれが少ない。
熱処理工程における熱処理温度は、例えば、330℃以上400℃以下であることが好ましく、340℃以上400℃以下であることがより好ましく、350℃以上400℃以下であることがさらに好ましく、360℃以上380℃以下であることが特に好ましい。
本実施形態の熱処理工程における熱処理時間は、0.5時間以上50時間以下であることが好ましく、1時間以上20時間以下がより好ましい。
熱処理時の雰囲気としては、窒素やアルゴンなどの不活性気体雰囲気または13.3kPa(100mmHg)以下の真空度の真空が好ましい。ただし、液晶ポリエステルは加水分解を受けやすい傾向があるので、除湿された不活性ガスであることが好ましい。例えば、不活性ガスの露点は、-20℃以下が好ましく、-50℃以下がより好ましい。
以上説明した本実施形態の液晶ポリエステル繊維の製造方法は、繊維状の液晶ポリエステルを330℃以上の温度で加熱する熱処理工程を有する。本実施形態の液晶ポリエステル繊維の製造方法は、原料である液晶ポリエステルの融点以上の高い温度で処理する工程を有するため、液晶ポリエステル繊維中の液晶ポリエステルを高分子量化及び高配向化させることができる。そのため、実施形態の液晶ポリエステル繊維の製造方法によれば、耐熱性が向上した液晶ポリエステル繊維を製造することができる。
・他の実施形態
熱処理工程では、ノズル部13から吐出された繊維状の液晶ポリエステルをそのまま加熱炉中に通過させることにより繊維状の液晶ポリエステルを熱処理することにより、液晶ポリエステル繊維を製造してもよい。また、熱処理工程は、巻取工程後、ボビンなどから繊維状の液晶ポリエステルを引き出して、熱処理してもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[液晶ポリエステルの流動開始温度の測定]
液晶ポリエステル繊維の原料として用いた液晶ポリエステルの流動開始温度は、流動特性評価装置(島津製作所社製;商品名「フローテスターCFT-500型」を用いて測定した。
試料約2gを内径1mm、長さ10mmのダイスを取り付けた毛細管型レオメーターに充填し、9.8MPa(100kgf/cm2)の荷重下において昇温速度4℃/分で液晶ポリエステルをノズルから押し出すときに、溶融粘度が4800Pa・s(48000ポアズ)を示す温度を流動開始温度とした。その結果を、「流動開始温度(℃)」として、表1に示す。
[液晶ポリエステルの製造例1(樹脂A1の製造例)]
(1)溶融重合
撹拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸1034.99g(5.5モル)、ヒドロキノン272.52g(2.475モル、0.225モル過剰仕込み)、2,6-ナフタレンジカルボン酸378.33g(1.75モル)、テレフタル酸83.07g(0.5モル)、無水酢酸1226.87g(12.0モル)および触媒として1-メチルイミダゾール0.17gを添加し、室温で15分間にわたって撹拌した後、撹拌しながら昇温した。内温が140℃となったところで、140℃を保持したまま1時間にわたって撹拌した。
次いで、副生酢酸や未反応の無水酢酸を留去しながら、140℃から310℃まで3時間30分かけて昇温し、310℃で3時間保温した。得られた内容物を取り出し、これを室温まで冷却した。得られた固形物を、粉砕機で粒径約0.1~1mmに粉砕して、プレポリマーの粉末を得た。プレポリマーの流動開始温度は、265℃であった。
(2)固相重合
プレポリマーの粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温した後、250℃から285℃まで7時間かけて昇温し、さらに285℃で5時間保温して、固相重合させた。固相重合後の粉末を冷却して、液晶ポリエステルの粉末を得た。得られた液晶ポリエステル(樹脂A1)の流動開始温度を測定した結果、310℃であった。
原料モノマーの仕込み量から算出される樹脂A1の各構成単位の割合は、全繰返し単位の合計量に対して、Arが2,6-ナフチレン基である繰返し単位(u1)(すなわち、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に由来する繰返し単位)が55モル%、Arが2,6-ナフチレン基である繰返し単位(u2)(すなわち、2,6-ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位)が22.5モル%、Arが1,4-フェニレン基である繰返し単位(u2)(すなわち、テレフタル酸に由来する繰返し単位)が5モル%、Arが1,4-フェニレン基である繰返し単位(u3)(すなわち、ヒドロキノンに由来する繰返し単位)が17.5モル%であった。
また、樹脂A1の2,6-ナフチレン基を含む繰返し単位の割合は、全繰返し単位の合計量に対して、77.5モル%であった。
[液晶ポリエステルの製造例2(樹脂B1の製造例)]
(1)溶融重合
撹拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に、p―ヒドロキシ安息香酸を911g(6.6モル)、4,4’-ジヒドロキシビフェニルを409g(2.2モル)、イソフタル酸を91g(0.55モル)、テレフタル酸を274g(1.65モル)、無水酢酸を1235g(12.1モル)加え、これらを撹拌した。次に、撹拌後の混合物中に1-メチルイミダゾールを0.17g添加し、反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で15分かけて140℃まで昇温し、140℃の温度を保持して1時間還流させた。
次いで、副生酢酸や未反応の無水酢酸を留去しながら、140℃から320℃まで2時間50分かけて昇温し、トルクの上昇が認められる時点を反応終了として内容物を取り出し、これを室温まで冷却した。得られた固形物を、粉砕機で粒径約0.1~1mmに粉砕して、プレポリマーの粉末を得た。プレポリマーの流動開始温度は、250℃であった。
(2)固相重合
プレポリマーの粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温した後、250℃から265℃まで2.5時間かけて昇温し、さらに265℃で5時間保温して、固相重合させた。固相重合後の粉末を冷却して、液晶ポリエステルの粉末を得た。得られた液晶ポリエステル(樹脂B1)の流動開始温度を測定した結果、307℃であった。
原料モノマーの仕込み量から算出される樹脂B1の各構成単位の割合は、全繰返し単位の合計量に対して、Arがp-フェニレン基である繰返し単位(u4)(すなわち、p-ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位)が60モル%、Arがp-フェニレン基である繰返し単位(u5)(すなわち、テレフタル酸に由来する繰返し単位)が15モル%、Arがm-フェニレン基である繰返し単位(u5)(すなわち、イソフタル酸に由来する繰返し単位)が5モル%、Arが4,4’-ビフェニリレン基であり、X及びYが酸素原子である繰返し単位(u6)(すなわち、4,4’-ジヒドロキシビフェニルに由来する繰返し単位)が20モル%であった。
[実施例1]
液晶ポリエステルの製造例2で得られた液晶ポリエステル(樹脂B1)を、二軸押出機(池貝社製;商品名「PCM-30」)を用いて、340℃で溶融混練してペレット状に造粒加工した。該ペレット状の液晶ポリエステル(ペレット状の樹脂B1)の流動開始温度を測定した結果、300℃であった。
・繊維化工程
次いで、ペレット状の液晶ポリエステルを溶融し、マルチフィラメント紡糸装置(中部化学機械製作所社製;商品名「ポリマーメイトV」)を用い、溶融させた液晶ポリエステルを、フィルター(ステンレス製)により濾過した後、紡糸温度345℃、吐出量11g/min、巻取速度380m/minの条件にて孔径0.15mm、孔数24個のノズルから吐出し、溶融紡糸して得られた繊維を穴あき金属ボビンに巻き取り、繊維状の液晶ポリエステルを得た。
・熱処理工程
次いで、穴あき金属ボビンに巻き取った状態の繊維状の液晶ポリエステルを、窒素雰囲気下で、熱処理温度360℃で処理し、実施例1の液晶ポリエステル繊維を得た。
走査型電子顕微鏡で測定した、実施例1の液晶ポリエステル繊維の繊維径は20μmであった。
[実施例2]
液晶ポリエステルの製造例1で得られた液晶ポリエステル(樹脂A1)を、二軸押出機(池貝社製;商品名「PCM-30」)を用いて、340℃で溶融混練してペレット状に造粒加工した。該ペレット状の液晶ポリエステル(ペレット状の樹脂A1)の流動開始温度を測定した結果、303℃であった。
・繊維化工程
次いで、ペレット状の液晶ポリエステルを溶融し、マルチフィラメント紡糸装置(中部化学機械製作所社製;商品名「ポリマーメイトV」)を用い、溶融させた液晶ポリエステルを、フィルター(ステンレス製)により濾過した後、紡糸温度345℃、吐出量11g/min、巻取速度380m/minの条件にて孔径0.15mm、孔数24個のノズルから吐出し、溶融紡糸して得られた繊維を穴あき金属ボビンに巻き取り、繊維状の液晶ポリエステルを得た。
・熱処理工程
次いで、穴あき金属ボビンに巻き取った状態の繊維状の液晶ポリエステルを、窒素雰囲気下で、熱処理温度360℃で処理し、実施例2の液晶ポリエステル繊維を得た。
走査型電子顕微鏡で測定した、実施例2の液晶ポリエステル繊維の繊維径は20μmであった。
[実施例3]
熱処理工程における熱処理温度を360℃から330℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例3の液晶ポリエステル繊維を得た。
走査型電子顕微鏡で測定した、実施例3の液晶ポリエステル繊維の繊維径は20μmであった。
[実施例4]
熱処理工程における熱処理温度を360℃から330℃に変更したこと以外は、実施例2と同様の方法により、実施例4の液晶ポリエステル繊維を得た。
走査型電子顕微鏡で測定した、実施例4の液晶ポリエステル繊維の繊維径は20μmであった。
[比較例1]
液晶ポリエステルの製造例2で得られた液晶ポリエステル(樹脂B1)を、二軸押出機(池貝社製;商品名「PCM-30」)を用いて、340℃で溶融混練してペレット状に造粒加工した。
・繊維化工程
次いで、ペレット状の液晶ポリエステルを溶融し、マルチフィラメント紡糸装置(中部化学機械製作所社製;商品名「ポリマーメイトV」)を用い、溶融させた液晶ポリエステルをフィルター(ステンレス製)により濾過した後、紡糸温度345℃、吐出量11g/min、巻取速度380m/minの条件にて孔径0.15mm、孔数24個のノズルから吐出し、溶融紡糸して得られた繊維を穴あき金属ボビンに巻き取り、比較例1の液晶ポリエステル繊維を得た。
走査型電子顕微鏡で測定した、比較例1の液晶ポリエステル繊維の繊維径は20μmであった。
[比較例2]
液晶ポリエステルの製造例1で得られた液晶ポリエステル(樹脂A1)を、二軸押出機(池貝社製;商品名「PCM-30」)を用いて、340℃で溶融混練してペレット状に造粒加工した。
・繊維化工程
次いで、ペレット状の液晶ポリエステルを溶融し、マルチフィラメント紡糸装置(中部化学機械製作所社製;商品名「ポリマーメイトV」)を用い、溶融させた液晶ポリエステルをフィルター(ステンレス製)により濾過した後、紡糸温度345℃、吐出量11g/min、巻取速度380m/minの条件にて孔径0.15mm、孔数24個のノズルから吐出し、溶融紡糸して得られた繊維を穴あき金属ボビンに巻き取り、比較例2の液晶ポリエステル繊維を得た。
走査型電子顕微鏡で測定した、比較例2の液晶ポリエステル繊維の繊維径は20μmであった。
[液晶ポリエステル繊維の結晶子サイズの最大値の測定]
各例の液晶ポリエステル繊維におけるX線回折法による結晶子サイズの測定を、大型放射光施設SPring-8のビームラインBL03XU(FSBL第2ハッチ、ビームサイズ1μm、検出器Pilatus)を用いて行った。
手順(1):試料である各例の液晶ポリエステル繊維に対し、波長1×10-10mのX線を、当該液晶ポリエステル繊維の径方向に1μm間隔(距離0~18μm)で連続的に照射した。
手順(2):液晶ポリエステル由来の110面の回折ピークを決定した。
手順(3):決定した110面の回折ピークの半値幅(β)を求めた。
手順(4):次いで、下式(1s)で表されるScherrerの式より、結晶子サイズを求めた。
D=K・λ/βcosθ ・・・(1s)
式中、Dは結晶子サイズであり、λは測定X線波長であり、βは半値幅(ラジアン)であり、θは回折角であり、KはScherrer定数(0.9)である。
手順(5):次いで、当該液晶ポリエステル繊維の径方向の結晶子サイズ分布を算出し、その最大値を求めた。その結果を「結晶子サイズの最大値(10-10m)」として、表1に示す。
[液晶ポリエステル繊維の融点の測定]
各例の液晶ポリエステル繊維の融点は、示差走査熱量計(島津製作所製、DSC-50)を用いて測定した。室温から10℃/分の昇温条件で測定した際に観測される最も高温側の吸熱ピークの位置を、液晶ポリエステル繊維の融点とした。その結果を「融点(℃)」として、表1に示す。
Figure 2022006590000001
表1に示す通り、液晶ポリエステル繊維の結晶子サイズの最大値が、120×10-10m以上である実施例1~4の液晶ポリエステル繊維は、該結晶子サイズの最大値が、120×10-10m未満である比較例1及び2の液晶ポリエステル繊維に比べ、融点が高く、より耐熱性に優れることが確認できた。また、その中でも、液晶ポリエステル繊維の結晶子サイズの最大値が、140×10-10及び180×10-10mである実施例1及び2の液晶ポリエステル繊維は特に融点が高く、より耐熱性に優れることが確認できた。なお、実施例2の液晶ポリエステル繊維の融点は400℃超であり、測定限界以上の温度の融点であった。
1 紡糸装置
11 押出機
12 ギヤポンプ
13 ノズル部
14 引取ローラー
15 巻取部
16 樹脂流路
P 液晶ポリエステルの単繊維

Claims (5)

  1. 液晶ポリエステルからなる繊維であって、
    下記[結晶子サイズの測定方法]により求まる結晶子サイズの最大値が、120×10-10m以上である、液晶ポリエステル繊維。
    [結晶子サイズの測定方法]
    液晶ポリエステル繊維の結晶子サイズは、波長1×10-10mのX線を用いた広角X線回折法によって測定されたX線回折スペクトルにおける110面の回折ピークに基づいて、下記式(1s)で表されるScherrerの式により求まる。
    D=K・λ/βcosθ ・・・(1s)
    (式中、Dは結晶子サイズであり、λは測定X線波長であり、βは半値幅(ラジアン)であり、θは回折角であり、KはScherrer定数(0.9)である。)
  2. 前記液晶ポリエステルが、下記式(1)で表される繰返し単位(u1)、下記式(2)で表される繰返し単位(u2)及び下記式(3)で表される繰返し単位(u3)を有し、
    前記の繰返し単位(u1)~(u3)のうち、2,6-ナフチレン基を含む繰返し単位の割合が、前記液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、40モル%以上である、請求項1に記載の液晶ポリエステル繊維。
    (1)-O-Ar-CO-
    (2)-CO-Ar-CO-
    (3)-X-Ar-Y-
    (式中、Arは、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表す。Ar及びArは、それぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基(-NH-)を表す。Ar、Ar又はArで表される前記基が有する水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~20のアリール基で置換されていてもよい。)
  3. 前記液晶ポリエステルが、下記式(4)で表される繰返し単位(u4)、下記式(5)で表される繰返し単位(u5)及び下記式(6)で表される繰返し単位(u6)を有する、請求項1に記載の液晶ポリエステル繊維。
    (4)-O-Ar-CO-
    (5)-CO-Ar-CO-
    (6)-X-Ar-Y-
    (式中、Arは、フェニレン基を表す。Ar及びArは、それぞれ独立に、フェニレン基、又はビフェニリレン基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基(-NH-)を表す。Ar、Ar及びArで表される前記基が有する水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~10のアルキル基又は炭素数6~20のアリール基で置換されていてもよい。)
  4. 液晶ポリエステルからなる繊維であって、
    融点が360℃以上である、液晶ポリエステル繊維。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載された液晶ポリエステル繊維の製造方法であって、
    液晶ポリエステルを溶融紡糸法により繊維状に加工する繊維化工程と、
    前記繊維化工程で作製した繊維状の液晶ポリエステルを330℃以上の温度で加熱する熱処理工程とを有する、液晶ポリエステル繊維の製造方法。
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