JPWO2015030058A1 - 車両の組立ライン - Google Patents

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Abstract

車体下部への取付部品の組付け作業効率化を図る車両の組立ラインを提供することを目的として、各車体100の前後方向が搬送方向に直交する姿勢に支持する支持部3は、搬送方向に沿って上流側支持部30aと下流側支持部30bとを有し、上流側支持部30a及び下流側支持部30bの基台5に固着する支柱31の中心は、基台5の搬送方向に対して直行する方向に延びる基台5の中心線CLbに対して上流側と下流側との位置にあって、且つ搬送方向に延びる基台5の中心線CLaに対して互いに反対側に離れた位置に設けられると共に、搬送装置2に支持された状態の車体100の下方を組付作業空間としたことを特徴とする。

Description

本開示は、車両の組立ラインに関し、特に車両下部に部品を取付ける組立ラインに関する。
従来から、自動車等の車両を製造する際の車両組立ラインに関する技術は種々公知となっている。例えば、特許文献1が知られている。
特許文献1によると、車体を支持した状態で床面上を移動させ、車体を組立ラインに沿って搬送する複数の搬送装置を備えている。
複数の搬送装置は、各車体を、該車体の前後方向が車体の搬送方向と直交する姿勢に支持する支持部と、該支持部を上面に固定する基台とを有している。
支持部は、搬送方向に対して直交する方向に延びる基台の中心線を中心として線対称に配置される、上流側支持部及び下流側支持部を有している。
搬送装置に支持された状態の各車体の下方の空間を搬送方向に沿って連通し、該連通した部分は、各車体に対して足まわり部品の組付けの際に使用する工具の搬送用の搬送通路が形成され、各搬送装置に支持された車体の下方において、搬送通路とは独立して、足回り部品の配置用の部品空間が形成された技術が開示されている。
このようにすることで、車体の下部で、上流側支持部と下流側支持部との間に部品載置の台車を配置することができる。
更に、車体の前側部分の下方と、車体の後側部分の下方とに、搬送通路が形成され、該搬送通路に部品を取付けるための工具搬送用空間として利用できる。
そのため、車体の下側に、工具類を載置したワゴンと、取付部品を載置した台車を配置することができる。
従って、各車体に部品を組付ける際に、部品を取りに行く際の歩行の増加を抑制でき、作業の効率化が図れる。
特許4752929号公報
特許文献1によると、車体を支持する支持部は、搬送方向に対して直交する方向に延びる基台の中心線を中心として線対称に配置される。
従って、車両を支持している支持部の基台に固定される支柱が、車幅より狭くなっている。
ところが、車体の下部に組付けられる部品は、前側及び後側サスペンション、エンジン&トランスミッション、排気管および燃料タンク等の形状の大きい部品が多い。
これらの部品を上流側支持部と下流側支持部との間に搬入するためには狭く、組付け作業の効率を下げる不具合を有している。
かかる技術的課題に鑑み、本発明の少なくとも一つの実施形態は、車体下部への取付部品の組付け作業効率化を図る車両の組立ラインを提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一つの実施形態は、かかる課題を解決するため、車体を支持した状態で床面上を移動することにより、前記車体をラインに沿って搬送する搬送装置を複数備え、該搬送装置に支持される各車体の下部に部品を組付ける車両の組立ラインであって、
前記複数の搬送装置は、前記各車体の下部に当接して車体の前後方向が搬送方向に直交する姿勢に支持する支持部と、
該支持部を上面に固定する基台と、を有し、
前記支持部は、搬送方向に沿って基台の上流側と下流側とにそれぞれ設けられる上流側支持部と下流側支持部とを有し、
前記上流側支持部及び下流側支持部の前記基台に固着する支柱の中心は、前記基台の搬送方向に対して直行する方向に延びる前記基台の中心線に対して上流側と下流側との位置にあって、且つ搬送方向に延びる前記基台の中心線に対して互いに反対側に離れた位置に設けられることを特徴とする。
かかる構成によれば、基台に固定する支持部の支柱の中心位置を、基台の搬送方向に対して直行する方向に延びる基台の中心線に対して上流側と下流側との位置にあって、且つ搬送方向に延びる基台の中心線に対して互いに反対側に離れた構造としたので、車体下部の作業空間への出入口が大きくなり、形状の大きい部品を作業空間へ持込む際に、搬入が容易となり、組付け作業の効率化が図れると共に、他の部品との当接が回避でき、部品の変形等による品質維持の低下を防止できる。
またいくつかの実施形態では、前記基台の搬送方向の長さは、隣接する前記支持部に載置された前記車体と車体との隙間に、前記車体の下部に装着される部品が載置される部品台車が搬入可能なスペースが確保できるように構成される。
このような構成にすることにより、車体と車体との間に部品台車を搬入可能な基台の搬送方向の長さにすることで、組立作業者の組立のための歩行数が減少すると共に、車体下部の作業空間への出入口が大きいことと相俟って、作業効率が向上する。
またいくつかの実施形態では、前記複数の搬送装置のうち前記組み立てラインの上流側にある搬送装置の前記下流側支持部と、前記組み立てラインの下流側にある搬送装置の上流側支持部が、前記搬送方向に延びる前記基台の中心線に対して互いに反対側に離れた位置に設けられるように構成される。
このような構成にすることにより、車体と車体との間において、搬送方向に延びる中心線に対し直交する方向に離間(オフセット)することとなるため、組付部品を作業空間へ持込みやすくなる。
またいくつかの実施形態では、前記支持部は、前記支柱と、該支柱の上端部に配設されて搬送方向と直交する方向に延在した支持アームと、該支持アームの上面に設けられ、前記車体を受ける複数の受座とを備え、前記支持部の上流側支持部および下流側支持部の夫々の支柱は、該支柱の上端部に前記基台の搬送方向と直交する方向に延びる中心線側に向かって夫々延在するステー部を設け、該ステー部上面に前記支持アーム及び前記受座の順に配設するように構成される。
このような構成にすることにより、上流側支持部及び下流側支持部夫々の支柱本体からステー部が車幅方向に延在し、ステー部の上面に車体を搭載する支持アーム及び受座の順に配置した構造なので、車体下部の作業スペースが広く(車幅方向)なり作業の容易性が向上する。
また、車幅の異なる機種にも対応可能となり、設備費の削減が可能となる。
またいくつかの実施形態では、少なくとも該複数の受座の一つが前記支柱の軸線の延長上に位置するように構成される。
このような構成にすることにより、複数の受座の一つを支柱の軸線上に位置させるので、車体の荷重によって発生する支柱の曲げモーメントを抑制して、支柱の変形を防止するための補強材を減少でき、コスト低減が可能となる。
またいくつかの実施形態では、前記基台は、床面に搬送方向へ施設されたレールにガイドされて移動する基台ベースと、
該基台ベースの搬送方向に対して直交する方向に移動可能とし、前記支持部が固着される免震テーブルと、該免震テーブルの振動を吸収する免震装置とを備えるように構成される。
このような構成にすることにより、基台と免震テーブルとの間に、水平および上下方向の免震部材を配設することで、地震発生時に支持部からの車両落下防止を図り、作業者の安全を確保する。
またいくつかの実施形態では、前記免震テーブルと前記基台ベースとの相対変位をロックするロック機構を備え、
該ロック機構は、前記免震テーブルと前記基台ベース間に所定以上の変位力が加わった時に、前記ロック機構を解除して、前記免震装置を作用させるように構成される。
このような構成にすることにより、組立作業時に免震テーブルが揺れると、組立作業者の足場が不安定になり、作業が実施し難くなるのを防止すると共に、地震等で免震テーブルと基台ベース間に所定以上の変位力が発生した時には、ロック機構を解除して、免震作用を発揮させることにより、車両の支持部からの落下を防止する。
またいくつかの実施形態では、前記免震テーブルは、該免震テーブルの移動可能な方向の夫々の側部と基台ベースの側部との間に配設されて水平方向の振れを吸収する水平免震部材と、
前記基台ベースの上面と前記免震テーブルの下面と間に介装されて上下方向の振れを吸収する上下免震部材とを備えるように構成される。
このような構成にすることにより、支柱側にバネ部材を配置することで、支柱からの入力を効果的に吸収すると共に、免震テーブルの中心に対しバネ部材とダンパ部材とがX字状に配置されるので、免震テーブルが水平面内で回転するのを防止できる。
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、車体下部への取付部品の組付け作業効率化を図る車両の組立ラインを提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる車両の組立ライン概略構成図を示す。 ライン接続部の斜視図を示す。 ライン接続部の側面概略図を示す。 本発明の第1実施形態である搬送装置の概略斜視図を示す。 (A)は本発明の搬送装置の免震構造概略構成の平面視、(B)は(A)の側面視を示す。 部品台車から車体下部へ部品搬送説明図を示す。 本発明の一実施形態である車両の組立ラインにおける作業状況例を示す。 本発明の第2実施形態である搬送装置の概略図を示す。
以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて説明する。
但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、その相対配置などはとくに特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態である車両の組立ライン概略構成図を示し、特に車体の下部に部品を組付ける組立ラインである。
また、図1に示すように、本実施形態における、車体100下部に部品を組付ける車両の組立ライン1は、車体100を支持する多数の搬送装置2と、該多数の搬送装置2をラインに沿って搬送することによって構成される組立ライン1の上流側に位置する第1組立ライン11と、第1組立ライン11と平行に配設され、組立ライン1の下流側に位置する第2組立ライン12と、第1組立ライン11の下流側端部と、第2組立ライン12の上流側端部と、を連結するライン接続部13と、で構成されている。
そして、第1組立ライン11、ライン接続部13及び第2組立ライン12は、平面視が略U字状に配設されている。
車両の組立ライン1は、床面F上に施設された第1組立ライン11の搬送装置2を搬送する第1搬送レール110と、第2組立ライン12の搬送装置2を搬送する第2搬送レール120[図5(B)参照]に沿って複数の搬送装置2・・・2に車体100が載置されて、搬送方向に連続的に且つ、隙間なく搬送されるようになっている。
この状態において、作業者は、各車体100の下方で、立ち姿勢(図7参照)で組立作業を行い、車体100毎に順次組み立ていく。
また、第1搬送レール110と第2搬送レール120には、搬送装置2を移送させるため自らは駆動しない搬送従動輪122が多数配設されている。
更に、第1搬送レール110と第2搬送レール120の側部には、搬送装置2の側部に当接して、該搬送装置2を搬送方向に搬送する搬送駆動部121が複数配設されている。
搬送駆動部121は、搬送装置2の側部に当接する搬送駆動輪121bと、搬送駆動輪121bを搬送装置2の搬送方向に回転させる搬送モータ121aとで構成されている。
搬送従動輪122は、搬送装置2の搬送に際し安定した移送ができるように、搬送装置2の移送に同調して回転する支持部材である。
図2及び、図3に基づいて、ライン接続部13について説明する。
図2は、ライン接続部13の斜視図を示し、図3は、ライン接続部13の側面該略図を示す。
ライン接続部13は、第1組立ライン11の下流側端部からライン接続部13側に延長した第1延長部110bの下側に配設され、第1組立ライン11から搬送装置2を受取る受部14と、第1組立ライン11側から第2組立ライン12側に移送する移送部15と、搬送装置2が第2組立ライン12の上流側端部の更に上流側の第2延長部120bに移送されると、搬送装置2が第2延長部120bを介して第2組立ライン12側へ渡される渡し部16とで構成されている。
受部14は、第1組立ライン11の下流側端部のライン接続部13側に延長した第1延長部110bの重力方向下側に配置され、搬送装置2が延長部119bに到達すると上昇して、搬送装置2を第1延長部110bより上方へシリンダ14aにてリフトアップして、第1組立ライン11から受取る。
また、受部14には、搬送装置2を移送させるため、モータ14cによって回転駆動する駆動輪14bが取付けられている。
尚、14dは、従動輪で、自らは駆動しないが、搬送装置2を安定して移送するために支えながら回転する。
受部14が搬送装置2を第1延長部110bよりリフトアップすると、駆動輪14bが回転して、搬送装置2を移送部15側へと移送する。
移送部15には、受部14と同様に駆動輪14b及び従動輪14dが多数配設されていて、搬送装置2を渡し部16側に移送する。
渡し部16は、第2組立ライン12の上流側端部の更に上流側へ延長した第2延長部120bの上方に配設されている。
搬送装置2が渡し部16到着すると、該渡し部16は、図3に示すように、シリンダ16aによって、移送部15の下流側端部を回転支点にして、下方へ向けて緩やかに傾斜して、第2延長部120bに載置される。
このようにすることで、車体100の姿勢は、第1組立ライン11から第2組立ライン12に平行移動するようにして、第1組立ライン11と第2組立ライン12を流れる車体の姿勢(車体前後方向)を維持した状態で平行移動できる。
また、第1搬送レール110と第2搬送レール120には、搬送装置2を移送させるために搬送従動輪122が多数配設されている。
更に、第1搬送レール110と第2搬送レール120の側部には、搬送装置2の側部に当接して、該搬送装置2を搬送方向に搬送する搬送駆動部121が配設されている。
搬送駆動部121は、搬送装置2の側部に当接する搬送駆動輪121bと、搬送駆動輪121bを搬送装置2の搬送方向に回転させる搬送モータ121aとで構成されている。
搬送従動輪122は、搬送装置2の搬送に際し安定した移送ができるように、搬送装置2の移送に同調して回転する支持部材である。
上述の通り、ライン接続部13は、第1組立ライン11を搬送されてきた車体100を平行移動させて、第2組立ライン12の上流側端部に連結するようになっている。
即ち、第1組立ライン11を搬送されてきた車体100は、車体100の前後方向が搬送方向と直交する姿勢で搬送され、該車体100の前側が第2組立ライン12側を向いた状態を維持されている。
ライン接続部13にて平行移動(車体100の向きを変えない状態)させて第2組立ラインに連結させる。
従って、第1組立ライン11を搬送されている車体100は、該車体100の後部が第1組立ライン11の外側に位置し、第2組立ライン12を搬送されている時は、車体の前部が第2組立ライン12の外側に位置することになる。
本実施形態では、車体に組付けられる部品は、車体の前側にはエンジン、変速機、フロントサスペンション等が主に搭載され、車体の後側には燃料タンク、リヤサスペンション等が組付けられる場合が多い。
従って、第1組立ライン搬送時に、燃料タンク、リヤサスペンション等を先に組付け、第2組立ライン側において、燃料タンク、リヤサスペンション等より重量の重いエンジン、変速機、フロントサスペンション等を組付けることで、支持台上における車体前後の重量バランス差を小さくして、搬送時の車体の安定性を向上させることができるためである。
また第1及び第2組立ラインを近接化してラインスペースを縮小化するとともに外部よりの部品の搬入距離を最小限として作業効率を上げる目的もある。
尚、車体100の前後方向は特に規定する必要なく、組付け時の部品の大きさ、重量等を考慮して第1組立ライン11を搬送される車体100の向きはきめるとよい。
図4及び図5(A)、(B)に基づいて、搬送装置2の構造について説明する。
搬送装置2は、第1搬送レール110(第2搬送レール120)上を搬送される基台5と、基台5の上面に下部を固着され、上部に車体100を載置する支持部3と、を備えている。
基台5は、床面F上に設置された第1搬送レール110(第2搬送レール120)上に設けられた搬送従動輪122の上面上を搬送される基台ベース51と、上面に支持部3が固着される免震テーブル52と、基台ベース51と免震テーブル52との間に免震装置6を備えている。
図5(A)、(B)に基づいて、免震装置6の構造について説明する。
免震装置6は基台ベース51と免震テーブル52との間に介装されて、上下方向(重力方向)振れ(振動)を吸収する複数の上下免震部材である上下免震ゴム63と、免震テーブル52の搬送方向と直交方向の両方の壁面52a、52aと、基台ベース51の搬送方向と直交方向の両方の壁面51a、51a間に配置された水平免震部材を構成するバネ部材であるコイルスプリング61、61と、液体封入式のピストンとシリンダにより振動を減衰させるダンパ62、62を備えている。
また、基台ベース51と免震テーブル52との間には、基台ベース51に固着され、免震テーブル52側に突出したストッパ部材56が免震テーブル52の各コーナ部に対応して配設されている。
ストッパ部材56は、上下免震ゴム63が免震テーブル52からの荷重を受けて、圧縮した際に、免震テーブル52の水平度を確保するためである。
本実施形態の場合、上下免震部材63は、免震ゴムで製造されている。
又は、粘性液体封入ダンパ構造にしてもよい。粘性液体封入ダンパ構造については、エンジンマウント用、又は、車体100とサスペンション間に介装された一般的な構造で、特に指定するものではない。
コイルスプリング61とダンパ62は水平方向に併設されている。
コイルスプリング61、61は、支持部3の支柱31が免震テーブル52に固定されている側に配置されている。
従って、図5(A)に示すように、コイルスプリング61、61とダンパ62、62は、免震テーブル52の平面視における中心に対しX字状に配置された状態になる。
更に、基台ベース51の搬送方向と直交する方向の両側面には、免震テーブル52の搬送方向と直交する方向の側面が嵌入して、搬送方向と直交する方向に摺動をガイドするガイド溝54が配設されている。
また、免震テーブル52の上面と、第1組立ライン11、第2組立ライン12及び、ライン接続部13の外側部分を囲むように配設された作業踏み台8との上面は、略同一の高さとなっており、搬送装置2との隙間は、組立ラインが移動するのに支障の無い程度に設けられている。
また、基台ベース51と免震テーブル52間には、ガイド溝54に沿って免震テーブル52が基台ベース51に対して相対的に変位しないように、ロック機構60が配設されている。
ロック機構60は、一端64aが基台ベース51に固着され、他端64bが免震テーブル52側に延在し、後述するシャアピン66が嵌入する嵌入孔(図示省略)を有した側面視が略Z型を成す板状の第1ステー64と、一方65aが免震テーブル52側に固着され、他方65bが他端64bと面接触すると共に、前記嵌入孔と対向した位置に設けられた嵌入孔を有する第2ステー65と、嵌入孔に嵌入するシャアピン66とを備えている。
ロック機構60は、免震テーブル52が搬送方向と直交する方向、即ち免震方向に所定以上の変位力が作用した際にシャアピン66が切断されて、免震テーブル52がガイド溝54方向への変位を許容するようになっている。
これは、作業者が免震テーブル52上において作業する際に、足元がぐらつくと、安定した作業がし難いため、ロック機構60によって固定するものである。
一方、所定以上の変位力が作用した場合には、免震装置6によって、車体100の揺れ量を軽減させて、支持部3に載置されている車体100が不安定にならないようにして、安全を図っている。
このような構造にすることで、搬送方向と直交する方向の振動を吸収し易くすると共に、支持部3の支柱31が固着されている側にコイルスプリング61を配置することで、支柱31からの入力を効果的に吸収すると共に、免震テーブル52の中心に対しバネ部材とダンパ部材とがX字状に配置されるので、免震テーブル52が水平面内で回転するのを防止でき、車体100の不必要な動きを防止できる。
図4及び図5に基づいて、支持部3の形状について説明する。
支持部3は、免震テーブル52の上面に、搬送方向に沿って上流側支持部30aと、下流側支持部30bとで一対を成して配設されている。
一対の上流側支持部30a及び下流側支持部30b夫々には、免震テーブル52の上面に上方(重力方向上方)へ起立した支柱31と、該支柱31の上端部に固着され、車体100の搬送方向に対し直交した方向に延在した支持アームである車体載置部材32と、該車体載置部材32上面に、車体100に当接する複数の受座33が配設されている。
支柱31は、その中心31Pが、基台5(免震テーブル52)の搬送方向と直交する方向に延びる中心線CLbに対して均等に離間BL=BL(例えば、車体100のサイドフレームと略同じ幅2BL)すると共に、基台5(免震テーブル52)の搬送方向に延びる中心線CLaに対し直交する方向に離間(オフセット)TL=TL(車両前後方向)して配設されている。中心線CLbと中心線CLaとの交点Pに対して点対称の位置に配設されている。また、支柱31は、略正4角形の断面形状からなり、その断面中心位置として31Pを有している。
本実施形態において、支柱31の高さは、作業員が手を上げて、車体100の下面に取付部品の組付け作業が可能な程度となっている。
支柱31の上方端部には、搬送方向に直交する方向に延在した車体載置部材32が固定されている。
更に、車体載置部材32の上面には、複数の受座33が固着されている。
受座33は、樹脂材で形成されており、車体100の塗料に損傷を与えにくいようにした軟質材にて成型されている。
そして、少なくとも複数の受座33の一つは、支柱31の軸線の延長上に位置するように配置されている。
更に、支持部3は、上流側支持部30aと下流側支持部30bとで車体100の下部両側部のサイドフレーム部で且つ、前輪タイヤハウスと後輪タイヤハウスとの間を支持するようになっている。
このようにすることで、複数の受座33の一つを支柱31の軸線上に位置させることにより、車体100の荷重によって発生する支柱31の曲げモーメントを抑制して、支柱31の変形を防止するための補強材を減少でき、コスト低減が可能となる。
また、基台5の搬送方向の長さは、搬送方向上流側の搬送装置2の下流側支持部30bの支柱31と、隣接する下流側の搬送装置2の上流側支持部30aの支柱31との隙間W1(図6参照)が生じるようになっている。
隙間W1は、車体100の下部に部品を取付ける際に、作業者が組付部品7aを取に行く歩数及び時間を短縮するため、組付部品7aを載置させた部品台車7を搬入、搬出可能な寸法になっている。さらに、搬送方向上流側の搬送装置2の下流側支持部30bの支柱31と、隣接する下流側の搬送装置2の上流側支持部30aの支柱31も、基台5(免震テーブル52)の搬送方向に延びる中心線CLaに対し直交する方向に離間(オフセット)することとなるため、作業者が組付部品7aを取りやすくなる。
また、既述の通り、基台5の免震テーブル52の上面と、組立ライン外周部の作業踏み台8の上面とが略同一高さに設置されているので、部品台車7の搬入、搬出が容易に可能となっている。
このように、組立ラインの搬送装置構造とすることで、基台5の免震テーブル52に固着した上流側支持部30aと下流側支持部30b夫々の支柱31を、搬送方向に延びる基台5の中心線CLaに対し、互いに離間する方向に離間TL(オフセット)し、且つ搬送方向と直交する方向に延びる中心線CLbに対して均等に離間BL=BLして配置したので、図6に示す通り、部品台車7から車体100の下方の組付作業空間に取付部品を運び込む際に、支柱間の距離W2がオフセットされていない場合(搬送方向と直交する方向に延びる基台5の中心線CLbに対し線対称に配置)に比べ広くなるので、長尺部品又は、大きい形状の部品等が容易になると共に、部品を他の部材に衝突させることが防止でき、品質確保が容易になる。
また、支持部3の支柱31の高さは、作業員が手を上げて、車体100の下面に取付部品の取付ができる程度となっている。
更に、部品台車7に載置された組付部品7aは、搬送方向に隙間なく連続して搬送される基台5上を組立中の車体100と共に搬送されるので、何等かの都合で、組付タイミングのズレが生じても、組付部品7aが車体100と離れることがなく、組立作業の効率化が維持できる。
従って、図7に示すように、車体100の下方の作業エリアに出入りする際の容易性及び、作業エリアでの作業の自由度が増し、作業の効率化が図れる。
また、組立ライン全体がU字状に施設されると共に、車体100が第1組立ライン11を搬送されるときは、車体前側がU字状の内側を向いて搬送され、第2ラインを搬送される流れるときには車体前側がU字状の外側を向いて搬送される。
更に、第1組立ライン11から第2組立ライン12に連結するライン接続部13は、第1組立ライン11を搬送された姿勢を維持しながら第2組立ライン12側に移送される構造になっている。
そのため、車体100に部品を組付ける際に、組付部品はラインの外側に置いて、車体前側及び後側への取付作業が可能となる。
更に、組立ライン間を極力狭くすることが可能となり、ライン全体の施設スペースをコンパクトにすることができる。
また、組立ライン1の外側部分に組付部品を準備しておくことができるので、組付部品の供給系路の自由度が上がり、組立作業の効率化が図れる。
更に、組立ライン間(U字状の内側空間)での作業が不要となるので、当該部に渡る手段(設備)が不要となり、設備費の抑制が可能となる。
(第2実施形態)
本実施形態は、第1実施形態に対し支持部の構造が異なる以外は同じである。
従って、同一部品は同一符号を付して説明を省略し、支持部について説明する。
図8は、組立ライン1の搬送方向に対して、直交する方向を示した図である。
図8に示すように、搬送装置4は、第1搬送レール110(第2搬送レール120)上の搬送従動輪122上を搬送される基台5と、基台5の上面に下部を固着され、上部に車体100を載置する支持部40と、を備えている。
基台5は第1実施形態と同じなので、説明は省略する。
支持部40は、免震テーブル52の上面に、搬送方向に沿って上流側支持部40aと、下流側支持部40bとで対を成して順に配設されている。
一対の上流側支持部40a及び下流側支持部40b夫々には、免震テーブル52の上面に上方(重力方向上方)へ起立した支柱41と、車体100の搬送方向に対し直交した方向に延在した車体載置部材42と、該車体載置部材42上面に、車体100に当接する複数の受座33が配設されている。
また、上流側支持部40a及び、下流側支持部40bの支柱41は、支柱本体41aと、該支柱本体41aの上端部に、搬送方向と直交する中心線CLb側に向かって(車幅方向)延在するステー部41bと、を備えている。
ステー部41bの上面に車体載置部材42が載置されている。
支持部40は、上流側支持部40aと下流側支持部40bとで車体100の下部両側部のサイドフレーム部で且つ、前輪タイヤハウスと後輪タイヤハウスとの間を支持するようになっている。
このようにすることで、上流側支持部40a及び下流側支持部40b夫々の支柱本体41aからステー部41bが車幅方向に延在し、ステー部41bの上面に車体載置部材42を配置した構造なので、車体下部の作業スペースが広くなり作業の容易性が向上する。
また、車幅の異なる機種にも対応可能となり、設備費の削減が可能となる。
車両の組立ラインに関し、特に車両下部に取付ける車両の組立ラインに利用できる。

Claims (8)

  1. 車体を支持した状態で床面上を移動することにより、前記車体をラインに沿って搬送する搬送装置を複数備え、該搬送装置に支持される各車体の下部に部品を組付ける車両の組立ラインであって、
    前記複数の搬送装置は、前記各車体の下部に当接して車体の前後方向が搬送方向に直交する姿勢に支持する支持部と、
    該支持部を上面に固定する基台と、を有し、
    前記支持部は、搬送方向に沿って基台の上流側と下流側とにそれぞれ設けられる上流側支持部と下流側支持部とを有し、
    前記上流側支持部及び下流側支持部の前記基台に固着する支柱の中心は、前記基台の搬送方向に対して直行する方向に延びる前記基台の中心線に対して上流側と下流側との位置にあって、且つ搬送方向に延びる前記基台の中心線に対して互いに反対側に離れた位置に設けられることを特徴とする車両の組立ライン。
  2. 前記基台の搬送方向の長さは、隣接する前記支持部に載置された前記車体と車体との隙間に、前記車体の下部に装着される部品が載置される部品台車が搬入可能なスペースが確保できるようになっていることを特徴とする請求項1記載の車両の組立ライン。
  3. 前記複数の搬送装置のうち前記組み立てラインの上流側にある搬送装置の前記下流側支持部と、前記組み立てラインの下流側にある搬送装置の上流側支持部が、
    前記搬送方向に延びる前記基台の中心線に対して互いに反対側に離れた位置に設けられることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の車両の組立ライン。
  4. 前記支持部は、前記支柱と、該支柱の上端部に配設されて搬送方向と直交する方向に延在した支持アームと、該支持アームの上面に設けられ、前記車体を受ける複数の受座とを備え、
    前記支持部の上流側支持部および下流側支持部の夫々の支柱は、該支柱の上端部に前記基台の搬送方向と直交する方向に延びる中心線側に向かって夫々延在するステー部を設け、該ステー部上面に前記支持アーム及び前記受座の順に配設したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両の組立ライン。
  5. 少なくとも該複数の受座の一つが前記支柱の軸線の延長上に位置するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の車両の組立ライン。
  6. 前記基台は、床面に搬送方向へ施設されたレールにガイドされて移動する基台ベースと、
    該基台ベースの搬送方向に対して直交する方向に移動可能とし、前記支持部が固着される免震テーブルと、該免震テーブルの振動を吸収する免震装置とを備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両の組立ライン。
  7. 前記免震テーブルと前記基台ベースとの相対変位をロックするロック機構を備え、
    該ロック機構は、前記免震テーブルと前記基台ベース間に所定以上の変位力が加わった時に、前記ロック機構を解除して、前記免震装置が作用するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の車両の組立ライン。
  8. 前記免震テーブルは、該免震テーブルの移動可能な方向の夫々の側部と基台ベースの側部との間に配設されて水平方向の振れを吸収する水平免震部材と、
    前記基台の上面と前記免震テーブルの下面と間に介装されて上下方向の振れを吸収する上下免震部材とを備えたことを特徴とする請求項7に記載の車両の組立ライン。

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