JP2944684B2 - 車両の移載方法 - Google Patents

車両の移載方法

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JP2944684B2
JP2944684B2 JP1256667A JP25666789A JP2944684B2 JP 2944684 B2 JP2944684 B2 JP 2944684B2 JP 1256667 A JP1256667 A JP 1256667A JP 25666789 A JP25666789 A JP 25666789A JP 2944684 B2 JP2944684 B2 JP 2944684B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両の移載方向、特に車両を吊り下げ搬送す
るオーバーヘッドコンベアと、車両を積載搬送するスラ
ットコンベアとの間で車両を移載させ方法に関する。
(従来の技術) 一般に、自動車等車両の組立ラインにおいては車両を
そのライン中を移送させる手段として、車両の車体底部
をハンガ部材等を介して支持することにより車両を吊り
下げ状態で搬送するオーバーヘッドコンベアと、該車両
をコンベア面上に積載した状態で搬送するスラットコン
ベアとを使用し、上記オーバーヘッドコンベアによる搬
送中に、車体に対する塗装作業や下回り部品の組付け作
業等を行い、また、上記スラットコンベアによる搬送中
に、車体へのシートの組付けやフロントおよびリヤガラ
スの組付け作業等を行うことがなされる。
たとえば特開昭63−265790号公報によれば、ダブルス
ラットコンベアによる塗装済みボディの搬送中に該ボデ
ィよりドアを取り外す作業を行い、次いで、このボディ
をオーバーヘッドコンベアに移載し、該オーバーヘッド
コンベアによる搬送中にフロントおよびリヤガラスの組
付けを行うことにより、車両組立てラインの自動化を図
った技術を開示されている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、車両のサスペンションシステムとして、車
体と車輪との間に介装された流体圧シリンダと、該流体
圧シリンダに接続されたガスばねとによりサスペンショ
ンダンパーを構成して、上記流体圧シリンダに対する圧
油もしくはエア(以下、圧油と略記する)の給排を制御
することによりサスペンション特性を任意に可変調整す
るいわゆるアクティブサスペンションシステムが知られ
ている。このアクティブサスペンションシステムでは、
ストラット式サスペンション装置のように振動および衝
撃緩衝用のコイルスプリングが車輪と車体との間に装架
されておらず、該システムは、流体圧シリンダに注入さ
れた圧油によってガスばねに充填されさガスを圧縮かつ
蓄圧させ、この蓄圧による流体バネ力を利用して車体を
支持し、かつ緩衝作用を発揮させるいわゆる流体蓄圧式
バネ構造とされている。したがって、流体圧シリンダに
圧油が注入されていない状態では、サスペンションダン
パーによる車体の支持力がないから、そのままでは車体
は自重で極端に沈み、車体底部とタイヤ接地面との間の
空間は極めてわずかになる。
一方、アクティブサスペンションシステムを装備する
車両の組立工程においては、サスペンションダンパーは
ガスばねにガスが充填されている状態で車体に組付けら
れるが、このガスばねに連通する流体圧シリンダへの圧
油の注入は、一連の組立工程の最終段階で行われるのが
通例であり、したがってその間はサスペンションダンパ
ーによる車体支持力(つまりサスペンション機能)を期
待することはできない。そのような車両を、組立ライン
中で、たとえばオーバーヘッドコンベアからスコットコ
ンベア上に降ろした場合、前述の記載から明らかなよう
に、スコットコンベア上で車体が自重で深く沈み、重体
底部とスラットコンベア面との上下間隙がわずかになっ
て、該車両をいままで吊り下げていたオーバーヘッドコ
ンベア側のハンガ部材を、車体底部とコンベア面との間
から抜去できない事態で生じる虞れがある。また、逆に
スラットコンベア上に載せられている車両を該スラット
コンベアからオーバーヘッドコンベアに吊り上げるため
に、車体底部とスラットコンベア面との間に上記のハン
ガ部材を差し込もうとしても、同じ理由でこの挿入が阻
害され、その結果移載を実行できない事態が生じる虞れ
がある。
そこで本発明は、車両をオーバーヘッドコンベアから
スラットコンベアに移載させても、それまで該車両を吊
り下げていたオーバーヘッドコンベア側のハンガ部材
を、車体底部とスラットコンベア面との間から障害なく
抜去でき、したがって逆にスラットコンベアからオーバ
ーヘッドコンベアに吊り下げるときは、ハンガ部材を同
じく障害なく挿入できる車両の移載方法を提供すること
を課題とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は上記の課題に対処すべく次のように構成した
ことを特徴とする。
すなわち、本願の請求項1の発明(以下、第1発明と
いう)に係る車両の移載方法は、ハンガ部材で車体底部
を支持することにより車両を吊り下げ搬送するオーバー
ヘッドコンベアと、車両を積載搬送するスラットコンベ
アとの間で、車体と車輪との間に介装された流体圧シリ
ンダと、該流体圧シリンダに接続されたガスバネとに構
成されて、サスペンション特性が可変調整される流体蓄
圧式バネ構造を有するサスペンションダンパーが予め組
付けられた車両を移載させる方法において、該車両の移
載に先立ち、上記サスペンションダンパーに圧油を充填
して該ダンパーを伸張状態に付勢することにより、スラ
ットコンベアとの間に上記ハンガ部材を挿入、抜去でき
る間隙を確保することを特徴とする。
また、請求項2の発明(以下、第2発明という)に係
る車両の移載方法は、上記第1発明において、サスペン
ションダンパーへの圧油の充填を、該スサペンションダ
ンパー用の油圧供給手段をエンジンとは別個の駆動手段
によって駆動することを特徴とする。
また、請求項3の発明(以下、第3発明という)に係
る車両の移載方法は、上記第1発明または第2発明にお
いて、サスペンションダンパーへの圧油の充填を、エン
ジン始動用のセルモータを用い、該エンジンのクランク
シャフトを介してサスペンションダンパー用の油圧供給
手段を駆動することにより行うことを特徴とする。
(作用) 上記の車両の移載方法によれば、第1発明〜第3発明
のいずれによっても、オーバーヘッドコンベアとスラッ
トコンベアとの間で移載させる車両に対し、その移載に
先立って、車両に組付けられている流体蓄圧式バネ構造
とされたサスペンションダンパーに圧油を充填して該ダ
ンパーを伸張状態に付勢することにより、スラットコン
ベアとの間に上記ハンガ部材を挿入、抜去できる間隙を
確保し、その後に上記の両コンベア間にわたって移載さ
せるので、たとえばオーバーヘッドコンベアによって吊
り下げ搬送されてきた車両をスラットコンベア上に移載
させたとき、サスペンションダンパーに充填されている
圧油が働いて車体重量を支え、車体の自重による極端な
沈みこみを阻止するから、車体底部とスコットランドベ
ア面と間に、オーバーヘッドコンベア側のハンガ部材を
車体底部から障害なく抜去可能な間隙を確保できる。ま
た逆に、スラットコンベアからオーバーヘッドコンベア
側に車両を吊り上げる場合にも、このスラットコンベア
に積載されている車両を、車体底部とスラットコンベア
面との間にハンガ部材を挿入可能な間隙を確保できる。
そして、特に第2発明によれば、サスペンションダン
パーに対する圧油の充填を、サスペンションシステムに
おける油圧ポンプのような該サスペンションダンパー用
の油圧供給手段を作動させて行うから、これを駆動する
手段としては、たとえばセルモータや小型の電動機のよ
うな簡単なもので済むと共に、別途圧油充填用のポンプ
等を装備する必要がなく、また、第3発明によれば、同
じくサスペンションダンパーへの圧油の充填を、エンジ
ン始動用のセルモータを用い、該エンジンのクランクシ
ャフトを介してサスペンションダンパー用の油圧供給手
段を駆動することにより行うから、上記油圧供給手段の
駆動手段を新たに装備する必要もない。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明の第1実施例を示し、この実施例にお
いてオーバーヘッドコンベアおよびスラットコンベアに
よって搬送され、かつ両コンベア間にわたって移載され
る車両は、アクティブサスペンションシステムを装備し
た車両であって、このアクティブサスペンションシステ
ムは第1図に示すように、車体1の前後左右のタイヤ取
付け位置に対応して装備された4基のサスペンションダ
ンパーを備え、各サスペンションダンパーはそれぞれが
油圧シリンダ2を有し、該油圧シリンダ2におけるピス
トンロッド3の上端部がストラットマウント4を介して
車体1の所定位置に支持されている。そして、上記ピス
トンロッド3の下端に一体的に設けられたピストン5が
シリンダチューブ6に摺動自在に内装されて、該シリン
ダチューブ6内が上下の油圧室7a、7bに分割されると共
に、両油圧室7a、7bとがピストン5に貫通された小径通
路8によって連通される。さらに、上記ストラットマウ
ント4を介して車体1側に支持されたピストンロッド3
に上端には、該ピストンロッド3の中心部を貫通して形
成された給排通路9を通して上記の下部側油圧室7b内に
作動油を供給するためのジョイント部材10が螺合固定さ
れている。また、上記のシリンダチューブ6には、その
外部にガスばね11が装備されている。このガスばね11
は、そのケーシング12内に内装されたフリーピストン13
により油圧室14とガス室15とに画成され、上部側となる
油圧室14が連通パイプ16によってシリンダチューブ6内
の前記した上部側油圧室7aに連通されると共に、上記ガ
スばね11の油圧室14と連通パイプ16との連通部にオリフ
ィス17が設けられている。これによって油圧シリンダ2
とガスばね11とで、前述のアクティブサスペンションシ
ステムにおけるサスペンションダンパー18が構成され
る。そして、これらサスペンションダンパー18…18は、
第2図のようにタイヤ20…20が取り付けられた状態で、
ガスばね11の緩衝作用と、オリフィス17の減衰作用と
で、サスペンションシステムとしての基本的な機能を発
揮すると共に、上記油圧シリンダ2の下部側油圧室7bへ
の作動油の給排を抑制することにより、サスペンション
特性を任意に可変調整し、これにより、車高制御、ロー
ル制御およびピッチ制御等の種々の制御を行い得るよう
になされている。
なお、上記のようなサスペンションダンパー18は前後
左右の各タイヤ用として車体1に計4基装備されるが、
後輪用のサスペンションダンパー18、18には、車高セン
サ19が装備される。この車高センサ19は、油圧シリンダ
2のシリンダストロークを、たとえばポテンションメー
タによって抵抗値に変換することで車高を検出するもの
である。また、前記ガスばね11は、例えば前輪用として
3個ずつ、後輪用として2個ずつ設けられ、各ガスばね
11は、互いに並列に前輪用およびこ後輪用の各油圧シリ
ンダ2の上部油圧室3aに連通されている。
次に、上記アクティブサスペンションシステムの油圧
回路ならびにその作動を制御する制御システムについて
説明すると、第1図に示すように、リザーバタンク21に
連通されると共に、エンジン22により駆動される油圧ポ
ンプ23が備えられ、該油圧ポンプ23の駆動によって上記
リザーバタンク21から吸入ホース24を介して取り出され
た作動油が吐出ホース26を経てアキュムレータ27に供給
されるように構成されている。そして、このアキュムレ
ータ27から、前輪側の左右サスペンションダンパー18、
18における油圧シリンダ2、2に作動油を供給する2本
の供給通路28L、28Rと、後輪側の左右サスペンションダ
ンパー18、18における油圧シリンダ2、2に作動油を供
給する1本の供給通路29とが導出されている。この場
合、前輪側では左右の油圧シリンダ2、2にそれぞれに
対応する独立の供給通路28L、28Rから直接作動油が供給
されるが、後輪側では供給通路29が後輪側端において二
股に分岐され、この分岐通路29L、29Rを経て左右のサス
ペンションダンパー18、18の油圧シリンダ2、2に供給
されるようになされている。
一方、各サスペンションダンパー18…18には、前述の
ピストロンロッド3に取り付けられたジョイント部材10
に供給ホース30を介して流量調整弁31が接続され、これ
ら流量調整弁31…31に上記の供給通路28L、28Rおよび分
岐通路29L、29Rが連通されている。これら流量調整弁31
はソレノイド32によるバブルの切換えによって、供給通
路28L、28Rおよび分岐通路29L、29Rによって運ばれてき
た作動油をそれぞれの油圧シリンダ2…2に供給し、ま
た逆に油圧シリンダ2…2内の作動油を該流量調整弁31
を介し、前記リザーバタンク21にリターンさせるように
作動する。すなわち、各流量調整弁31…31とリザーバタ
ンク21とは排出通路33L、33R、34とで結ばれている。こ
の場合にも、後輪側の左右サスペンションダンパー18、
18では、それぞれの流量調整弁31、31から導出された排
出通路34L、34Rが1本の排出通路34に合流された状態
で、リザーバタンク21に接続されている。なお、各流量
調整弁31…31には各油圧シリンダ2における下部油圧室
7b内の圧力を検出する圧力センサ35が備えられている。
また、アキュムレータ27には、吐出ホース26が接続され
る上流側に、油圧ポンプ23から送られてくる作動油をリ
ザーバタンク21にそのまま流すためのリリーフバルブ36
が設けられている。
さらに、セルモータ37と、エンジン22のクランクシャ
フト(図示せず)とが、セルモータ37の出力軸に取り付
けられたプーリー38と、クランクシャフトに取り付けら
れたプーリー39とに巻き掛けたエンドレスベルト40によ
って連動連結されると共に、同じくクランクシャフトに
取り付けたプーリー41と、前述の油圧ポンプ23のポンプ
軸に取り付けたプーリー42とにエンドレスベルト43を巻
き掛けることで、エンジン22と油圧ポンプ23とが連動連
結され、これによってエンジン22の回転力が油圧ポンプ
23に入力されるように構成されている。また、油圧ポン
プ23には、パワーステアリング用の油圧モータ44が同軸
に連結されていて、該油圧モータ44はアクティブサスペ
ンションシステムにおける上記油圧モータ23がエンジン
回転力で駆動されるときに、同時駆動される。そして、
パワーステアリング用油圧モータ44はその駆動によって
リザーバタンク21から作動油を取り出し、これをパワー
ステアリング装置47に吐出ホース45を経て供給し、一方
パワーステアリング装置47から排出される作動油をリタ
ーン通路46からリザーバタンク21にリターンさせるよう
になされている。
第2図および第3図は車両搬送を司るコンベア構成を
示し、車両を吊り下げ状態で搬送するオーバーヘッドコ
ンベア50と、車両を積載状態で搬送するスラットコンベ
ア60とが、両コンベア間にわたる車両移載ステーション
において、上下に重なって対向配置されている。
オーベーヘッドコンベア50は、車両の搬送経路に沿っ
て配設されたガイドレール51と、該ガイドレール51に係
合する一対のガイドローラ52、52に懸吊された状態で走
行する支持台53と、該支持台53の両側部に、左右遠近方
向に回動自由に吊り下げ支持された左右一対のハンガ部
材54、54を備え、これらハンガ部材54、54が車体1の底
部、たとえば第2図に(イ)で示すように、車体左右の
サイドシル部1a、1aにそれぞれ係合可能とされている。
すなわち、第2図に示すようにオーバーヘッドコンベ
ア50からスラットコンベア60に車両が移載されるステー
ションでは、上記支持台53の両側方に上記ガイドレール
51に沿って平行に左右一対のカムレール55、55が配置さ
れ、これに対応して上記ハンガ部材54、54の上部側面に
はカムレール55、55にそれぞれ係合するカム従動ローラ
56、56が軸支され、支持台53の移動に伴って、カム従動
ローラ56、56がカムレール55、55に係合した状態から、
さらに支持台53が矢印X方向に移動するに伴い、各カム
従動ローラ56、56がカムレール55、55におけるカム面55
a、55a(第2図において一方のみ図示)にガイドされて
上方に移動し、これによって前述のハンガ部材54、54が
第3図の実線状態と鎖線状態とにわたって回動され、該
ハンガ部材54、54が左右のサイドシル部1a、1aに係脱で
きるように構成されている。
一方、前述のスラットコンベア60は、一対のローラ部
材61、61(第2図において一方のみ図示)間に架け渡さ
れたエンドレスコンベア部材62を備え、該エンドレスコ
ンベア部材62によって各タイヤ20…20を介し重体重量が
受支されると共に、上記ローラ部材61が図示しない適宜
の駆動手段によって回転駆動され、これによってコンベ
ア部材62が所定方向に移動する。
なお、スラットコンベア60は第3図に示すように、左
右の各タイヤごとにそれぞれの対向位置に配設されたダ
ブルスラットコンベアに構成され、このスラットコンベ
ア60、60と上記オーバーヘッドコンベア50とが同期して
同一方向に駆動される。
次に、オーバーヘッドコンベア50とスラットコンベア
60とにわたる車両の移動動作を説明する。
車両はその車体1のサイドシル部1a、1aをオーバーヘ
ッドコンベア50のハンガ部材54、54によって懸架された
状態で吊り下げ搬送され、その搬送過程で、該搬送ライ
ンに沿って設けられた各ステーションにおいて前述のエ
ンジン22関係の搭載、第1図のサスペンションダンパー
18およびアクティブサスペンションシステムにおける油
圧回路の装備、タイヤ20…20の取付け、さらにはバッテ
リの搭載等が施され、これらの組立工程を経た車両が第
2図の(イ)の地点にまで吊り下げ搬送されてくる。こ
の(イ)地点は、オーバーヘッドコンベア50からスラッ
トコンベア60に車両を移載させる直前の地点であるが、
ここでは上記サスペンションダンパー18の油圧シリンダ
2に対する作動油の充填ステーションが設けられる。
すなわち、サスペンションダンパー18は、車体1への
組付け状態で、ガスばね11にガスが充填されていても、
油圧シリンダ2に作動油が充填されていなければ、車体
1をスラットコンベア60上で支持するサスペンション機
能を発揮することはできない。また、組立ラインを搬送
中の車両ではエンジン22を作動させることはできないか
ら、第1図のアクティブサスペンションシステムにおけ
るサスペンションダンパー18…18に作動油を供給するこ
とができない。そこで、車両移載直前の作動油充填ステ
ーションでは、エンジン22に代わる簡易な駆動手段を用
いてアクティブサスペンションシステムにおける油圧ポ
ンプ23を駆動し、かつ該システムの油圧回路を利用して
作動油を各サスペンションダンパー18…18の油圧シリン
ダ2に充填させる。この簡易な駆動手段とは、この実施
例の場合は前述のセルモータ37であって、該セルモータ
37をバッテリによって駆動し、その回転力でプーリー3
8、エンドレスベルト40、プーリー39を経てエンジン22
のクランクシャフトを回転させ、かつ該クランクシャフ
トの回転をプーリー41、エンドレスベルト43、プーリー
42を介することによって、油圧ポンプ23に入力させ、該
油圧ポンプ23を駆動させる。
これによって、油圧ポンプ23はリザーバタンク21から
作動油を取り出してアキュムレータ27に供給し、該アキ
ュムレータ26から前輪側の左右サスペンションダンパー
18、18に対し供給通路28L、28Rを通して作動油が供給さ
れ、後輪側の左右サスペンションダンパー18、18に対し
ては供給通路29および29L、29Rを通して作動油が供給さ
れる。そのため、前後左右の各サスペンションダンパー
18…18では、供給されてきた作動油がそれぞれ流量調整
弁31からジョイント部材10を経てピストンロッド3内の
給排通路9に流入し、かつ油圧シリンダ2の下部油圧室
7bに流入して、該油圧シリンダ2を伸長させる。また、
下部油圧室7bに流入した作動油は他方では、油圧シリン
ダ2を伸長させる際の油圧力によってピストン5に設け
られた小径通路8を通り上部油圧室7aにも流入すると共
に、連通パイプ16およびオリフィス17を経てガスばね11
の油圧室14にも流入し、該油圧室14の圧力上昇によりフ
リーピストン13を介しガス室15のガスを圧縮する。その
結果、各サスペンションダンパー18…18は、油圧シリン
ダ2が収縮作動された場合、充填されている作動油によ
ってガスばね11のガスを圧縮かつ蓄圧させることがで
き、これにより一定のサスペンション機能を発揮できる
ようになる。なお、作動油の充填は、油圧シリンダ2を
リバウンド状態に相当する最大ストロークエンドまで伸
長させるまで行われ、該伸長後にセルモータ37の駆動、
つまりは油圧モータ23の駆動を停止させる。
以上の作動油の充填がなされた車両は、第2図の
(イ)のステーションからスラツトコンベア60の直上位
置まで搬送されたのち、該スラットコンベア60の第2図
(ロ)の位置に降ろされる。これによって、いままで車
体重量を支えていたオーバーヘッドコンベア50のハンガ
部材54、54の支持力がなくなり、スラットコンベア50上
で車体1が自重で沈み、それに伴って各サスペンション
ダンパー18…18の油圧シリンダ2が車体重量の作用によ
って縮む。しかし、該シリンダ2には前述にように既に
作動油が充填されているから、サスペンション機能が働
いて車体1の過剰な沈みこみが阻止され、第2図(ロ)
および第3図に示すように、車体1のサイドシル部1a、
1aと、スラットコンベア60との間には、オーバーヘッド
コンベア50側のハンガ部材54、54を障害なく挿抜できる
余裕ある間隙Lが確保されることになって、ハンガ部材
54、54をスムースに抜き出すことができることになる。
その後、車体1から脱去されたハンガ部材54、54は支
持台53の連続的な走行によって第2図に鎖線で示すよう
に、ガイドレール51に沿って上方に持ち上げられ、他方
車両はスラットコンベア60に積載された状態で搬送され
る。また、該スラットコンベア60による積載搬送中、再
びオーバーヘッドコンベア50に車両を移載させる必要が
あるときは、オーバーヘッドコンベア50のハンガ部材5
4、54を車体1とスラットコンベア60との間に挿入さ
せ、かつ車体1のサイドシル部1a、1aに該ハンガ部材5
4、54を係合させればよく、その場合も、車体サイドシ
ル部1a、1aとスラットコンベア60との間に前述の間隙L
が確保できているから、ハンガ部材54、54の差し込みを
障害なく行える。
このように、車両の移載に先立ち、油圧シリンダ2に
作動油を充填させるから、前述のようにオーバーヘッド
コンベア50からスラットコンベア60に車両を降ろして
も、サスペンションダンパー18においては、車体1を支
持するに足る流体バネ力を生起させて、車体1の過剰な
沈みこみを防止する。このため、オーバーヘッドコンベ
ア50とスラットコンベア60の間における車両の移載が円
滑に行えることになる。
加えて、サスペンションダンパー18に作動油を充填す
るために油圧ポンプ23を駆動する手段として、セルモー
タ37を使用するから、該充填のために特別の設備を車両
組立ラインに備える必要がなくなる。
第4図および第5図は本発明に係る第2実施例を示
し、この実施例はアクティブサスペンションシステムの
油圧回路における油圧ポンプ23を駆動する方法として、
小型の電動機71を使用し、これによって回転される油圧
ポンプ23の働きで、第1図のリザーバタンク21から作動
油を取り出し、前後左右のサスペンションダンパー18…
18の各油圧シリンダ2に作動油を供給かつ充填させるも
のである。
すなわち、第2図の(イ)における作動油充填ステー
ションには、オーバーヘッドコンベア50による搬送ライ
ンの外側部に給電設備72が備えられると共に、該給電設
備72に給電線73によって接続された電動機71が装備さ
れ、かつ該電動機71に油圧ポンプ23との連結を行うチャ
ック手段74が取り付けられている。そして、この作動油
充填ステーションに、第1図に示すエンジン22関係、サ
スペンションダンパー18、アクティブサスペンションシ
ステムの油圧回路、その他が組付けられた車両が吊り下
げ搬送されてきた際、油圧ポンプ23のポンプ軸と電動機
71の出力軸とを連結する状態で、油圧ポンプ23に電動機
71をチャック手段74で連結させ、次に該電動機71を起動
させて油圧ポンプ23を駆動する。これによって油圧ポン
プ23は第1実施例の場合の同様にして、前後左右のサス
ペンションダンパー18…18の各油圧シリンダ2に作動油
を充填させ、サスペンションダンパー18…18が一定のサ
スペンション機能を発揮できるようにさせる。なお、電
動機71が作動油の充填後に油圧ポンプ23から取り外され
ることは勿論である。
したがって、この実施例においても、オーバーヘッド
コンベア50からスラットコンベア60に車両を移載させて
も、サスペンションダンパー18のサスペンション作用が
働いて車体1の過剰な沈みこみを防止するので、第3図
に示すような間隙Lを車体1とスラットコンベア60との
間に確保でき、オーバーヘッドコンベア50側のハンガ部
材54、54をスムースに抜去できることになると共に、そ
の後のスラットコンベア60による車両積載搬送状態から
再びオーバーヘッドコンベア50に車両を移載させる場合
にも、上記ハンガ部材54、54を車体1とスラットコンベ
ア60との間にスムースに挿入できて、これらの移載が良
好に行えることになる。
さらに、この実施例においても、油圧ポンプ23を駆動
させる手段は、小型の電動機71であるから、サスペンシ
ョンダンパー18に作動油を充填するための設備は簡単な
もので済む。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように本発明によれば、オー
バーヘッドコンベアとスラットコンベアとの間で車両を
移載させる場合に、その移載に先立ってサスペンション
ダンパーに油圧を充填させておくから、オーバーヘッド
コンベアからスラットコンベアに車両を降ろした場合
も、スラットコンベアからオーバーヘッドコンベアに車
両を吊り上げる際も、スラットコンベア上では、サスペ
ンションダンパーに充填させている油圧の働きで車体の
自重による沈みこみが阻止されることになって、車体底
部とコンベア面との間にオーバーヘッドコンベアのハン
ガ部材を障害なく挿抜可能な間隔が維持される。このた
めオーバーヘッドコンベアとスラットコンベアとにわた
る車両の移載が円滑に実行できる。しかも、サスペンシ
ョンダンパーに対する圧油の充填は、たとえば車両に装
備されているセルモータ、あるいは小型電動機のような
サブ原動機で油圧ポンプを駆動して行えるため、極めて
簡単な設備で本発明方法を具現できることになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を具現する第1実施例に係るアクテ
ィブサスペンションシステムの概略構成図、第2図は車
両の移載ステーションにおけるオーバーヘッドコンベア
およびスラットコンベアの配設状態の全体側面図、第3
図は第2図のIII−III線矢視切断拡大図、第4図は本発
明に係る第2実施例を示す車両の正面図、第5図は第4
図の要部平面図である。 1……車体、2……油圧シリンダ、11……ガスばね、18
……サスペンションダンパー、23……油圧供給手段(油
圧ポンプ)、37……駆動手段(セルモータ)、50……オ
ーバーヘッドコンベア、54……ハンガ部材、60……スラ
ットコンベア、71……駆動手段(電動機)。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハンガ部材で車体底部を支持することによ
    り車両を吊り下げ搬送するオーバーヘッドコンベアと、
    車両を積載搬送するスラットコンベアとの間で、車体と
    車輪との間に介装された流体圧シリンダと、該流体圧シ
    リンダに接続されたガスバネとに構成されて、サスペン
    ション特性が可変調整される流体蓄圧式バネ構造を有す
    るサスペンションダンパーが予め組付けられた車両を移
    載させる方法であって、該車両の移載に先立ち、上記サ
    スペンションダンパーに圧油を充填して該ダンパーを伸
    張状態に付勢することにより、スラットコンベアとの間
    に上記ハンガ部材を挿入、抜去できる隙間を確保するこ
    とを特徴とする車両の移載方法。
  2. 【請求項2】サスペンションダンパーへの圧油の充填
    を、該サスペンションダンパー用の油圧供給手段をエン
    ジンとは別個の駆動手段によって駆動することを特徴と
    する請求項1に記載の車両の移載方法。
  3. 【請求項3】サスペンションダンパーへの圧油の充填
    を、エンジン始動用のセルモータを用い、該エンジンの
    クランクシャフトを介してサスペンションダンパー用の
    油圧供給手段を駆動することにより行うことを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載の車両の移載方法。
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