JPWO2015005153A1 - ビニルアセタール系重合体 - Google Patents

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Abstract

強度等の力学物性を維持したまま低粘度化できるビニルアセタール系重合体を提供することを目的とする。酢酸ビニルと多官能単量体との共重合体をけん化して得られるビニルアルコール系共重合体をアセタール化して得られるビニルアセタール系重合体であって;多官能単量体が、分子中に2つ以上のエチレン性二重結合を含有し、前記ビニルアルコール系共重合体が側鎖にエチレン性二重結合を含有し、ビニルアルコール単位と酢酸ビニル単位の合計に対する該エチレン性二重結合のモル比(d)が、0.05/100〜2/100であり、アセタール化度が45〜80モル%である、ビニルアセタール系重合体を提供することによって解決される。

Description

本発明は、酢酸ビニルと多官能単量体との共重合体をけん化して得られる水溶性のビニルアルコール系共重合体をアセタール化して得られるビニルアセタール系重合体に関する。
ビニルアセタール系重合体の溶融又は溶解時の取扱い性を向上させるために、ビニルアセタール系重合体を低粘度化する方法として、原料のビニルアルコール系共重合体を低重合度化する方法が一般的に用いられる。しかし、ビニルアルコール系共重合体の低重合度化に伴って、ビニルアセタール系重合体の強度等の力学物性が低下することになる。そのため、そのような低重合度のビニルアセタール系重合体が使用できる用途は、一部の用途に限定されている。
このような中、ビニルアセタール系重合体の強度等の力学物性やその他の諸物性を向上させることを目的として、ビニルアセタール系重合体の分子内に二重結合を導入し、架橋を行うことが提案されている。例えば、分子内にイソシアナート基やグリシジル基などの水酸基と反応可能な官能基とエチレン性二重結合を有する化合物を、ポリビニルアセタールの残存水酸基と反応させることで、ビニルアセタール系重合体の分子内に二重結合を導入し、架橋させることが開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。特に、特許文献2では、分子内にエポキシ基とエチレン性二重結合を有する所定の化合物と、ポリビニルアセタールを反応させることで、ポリビニルアセタールの分子量をほとんど変化させずに、低粘度化できることが記載されている。
また、ビニルアセタール系重合体の分子内に二重結合を導入し、架橋させるためのその他の方法としては、分子内にアルデヒド基やアセタール基などの官能基とエチレン性二重結合を有する化合物を用いてポリビニルアセタールとアセタール化反応させ、ビニルアセタール系重合体の分子内に二重結合を導入することが開示されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3では、得られたビニルアセタール系重合体を含む架橋性セラミックグリーンシート用組成物が、通常のポリビニルアセタールと同程度の粘度で作業性に優れ、且つ、得られるシートが架橋により高強度化されることが記載されている。
しかし、特許文献1〜3に記載された方法では、強度等の力学物性を維持したまま、十分に低粘度化できているとはいえず、また、ポリビニルアセタールの分子内へエチレン性二重結合を導入するために、通常のポリビニルアセタールの製造方法に比べ反応工程が増えるなど、製造コストが大幅に上がる場合があった。
特開2007−115827号公報 特表2009−520856号公報 特開2009−108305号公報
そのため、強度等の力学物性を維持したまま低粘度化できるビニルアセタール系重合体が求められていた。
上記課題は、酢酸ビニルと多官能単量体との共重合体をけん化して得られるビニルアルコール系共重合体をアセタール化して得られるビニルアセタール系重合体であって;多官能単量体が、分子中に2つ以上のエチレン性二重結合を含有し、前記ビニルアルコール系共重合体が側鎖にエチレン性二重結合を含有し、ビニルアルコール単位と酢酸ビニル単位の合計に対する該エチレン性二重結合のモル比(d)が、0.05/100〜2/100であり、アセタール化度が45〜80モル%である、ビニルアセタール系重合体を提供することによって解決される。
このとき、前記側鎖がビニルエーテル基を含有することが好ましい。前記側鎖がアリル基を含有することも好ましい。
本発明により、側鎖にエチレン性二重結合が導入されたビニルアセタール系重合体を提供することができる。本発明のビニルアセタール系重合体は、アルコール系溶媒等への溶解性に優れると共に、溶液粘度および溶融粘度が低く、取扱性に優れる。また、強度等の力学物性を維持したまま低粘度化することができる。従って、当該ビニルアセタール系重合体は、合わせガラス用中間膜組成物、セラミックスラリー組成物、インク組成物・塗料組成物、接着剤組成物、熱現像性感光材料組成物等の各種の用途に好適に用いられる。
実施例1で得られたポリ酢酸ビニルのH−NMRスペクトルである。 実施例1で得られたビニルアルコール系共重合体のH−NMRスペクトルである。
本発明は、酢酸ビニルと多官能単量体との共重合体をけん化して得られるビニルアルコール系共重合体をアセタール化して得られるビニルアセタール系重合体に関する。ビニルアルコール系共重合体をアセタール化して、ビニルアセタール系重合体を得るには、ビニルアルコール系共重合体は水溶性であることが好ましい。したがって、本発明のビニルアセタール系重合体は、好ましくはその側鎖にエチレン性二重結合を含有しながらも水溶性であるビニルアルコール系共重合体をアセタール化して得られる。
分子中にエチレン性二重結合を2つ以上含有する多官能単量体を、酢酸ビニルとともに重合させる場合には、多官能単量体中の複数のエチレン性二重結合が反応することが避けられない。そして、この場合、当該多官能単量体単位が架橋点になるので、得られる重合体が架橋されて、溶媒に対して不溶性のものになってしまうことが多かった。しかしながら、本発明者らが検討した結果、必要量のエチレン性二重結合を含有しながらも架橋を抑制して、水溶性のビニルアルコール系共重合体を得ることができた。以下、当該ビニルアルコール系共重合体について詳細に説明する。
本発明で用いられる多官能単量体は、分子中にエチレン性二重結合を2つ以上含有するものであり、特に限定されない。しかしながら、過剰な架橋反応が進行することによってビニルアルコール系共重合体の水溶性が阻害されることがなく、必要量の二重結合を導入できるものであることが好ましい。酢酸ビニルに対する多官能単量体の配合割合、重合温度、単量体濃度、重合率、重合度など、様々な要因を考慮しながら、適切な反応性を有する多官能単量体を選択する必要がある。過剰な架橋反応を抑制する観点からは、多官能単量体に含まれるエチレン性二重結合の数が2つであることが好ましい。以下で例示する多官能単量体は、単独で、あるいは2種以上を用いることができる。
中でも、多官能単量体として、エタンジオールジビニルエーテル、プロパンジオールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル(例えば、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル)、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ポリプロピレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテルなどのジビニルエーテル化合物のようなビニルエーテル基を含有する単量体が好適なものとして挙げられる。ビニルエーテル基を含有する単量体、特に、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテルは、ビニルアルコール系共重合体の重合度や二重結合の含有量の制御が容易であり、より好適に用いられる。
また、アリル基を含有する単量体も好適である。アリル基を含有する単量体としては、ペンタジエン、ヘキサジエン、ヘプタジエン、オクタジエン、ノナジエン、デカジエン(例えば、1,9−デカジエン)等のジエン化合物、グリセリンジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテルなどのジアリルエーテル化合物、グリセリントリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルなどのトリアリルエーテル化合物、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテルなどのテトラアリルエーテル化合物のようなアリルエーテル基を含有する単量体;フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、イタコン酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリルなどカルボン酸ジアリルのようなアリルエステル基を含有する単量体;ジアリルアミン、ジアリルメチルアミンなどのジアリルアミン化合物、トリアリルアミンなどのアリルアミノ基を含有する単量体;ジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどジアリルアンモニウム塩のようなアリルアンモニウム基を含有する単量体;イソシアヌル酸トリアリル;1,3−ジアリル尿素;リン酸トリアリル;ジアリルジスルフィドなどが例示される。アリルエーテル基を含有する単量体、特に、1,9−デカジエン、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテルは、ビニルアルコール系共重合体の重合度や二重結合の含有量の制御が容易であり、より好適に用いられる。
さらに、上述した多官能単量体の他に、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸を有する単量体;N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミドを有する単量体、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンなども挙げることができる。
本発明で用いられるビニルアルコール系共重合体は、酢酸ビニルと多官能単量体とを共重合させてビニルエステル系共重合体を得てから、ビニルエステル系共重合体をけん化することにより製造される。この製造方法によれば、多官能単量体由来の成分が分子鎖中に均一に分布したビニルアルコール系共重合体が得られる。
上記製造方法において、酢酸ビニルに対する上記多官能単量体のモル比(p)を0.1/100〜5/100として共重合させることが好ましい。モル比(p)が0.1/100未満であると、側鎖にエチレン性二重結合が導入され難くなるおそれがある。モル比(p)は0.15/100以上がより好ましく、0.2/100以上がさらに好ましい。一方、モル比(p)が5/100を超えると、ビニルエステル系共重合体の重合度を制御するのが困難になるおそれがある。また、当該ビニルエステル系共重合体をけん化して得られたビニルアルコール系共重合体が水に溶解しないおそれがある。モル比(p)は3/100以下がより好ましく、2/100以下がさらに好ましい。
酢酸ビニルと多官能単量体との重合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法など任意の重合方法を採用することができる。また、共重合は、無溶媒またはアルコール系溶媒の存在下で行うことができる。その中でも、無溶媒の塊状重合法およびアルコール系溶媒を用いた溶液重合法が好適に採用される。アルコール系溶媒は特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどを単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。共重合の方式は特に限定されず、回分重合、半回分重合、連続重合、半連続重合のいずれでもよい。
酢酸ビニルと多官能単量体とを共重合する際の温度(共重合温度)は特に限定されない。共重合温度は、0〜200℃が好ましく、30〜140℃がより好ましい。共重合温度が0℃より低い場合、十分な重合速度が得られないことがある。共重合温度が200℃より高い場合、使用する酢酸ビニルや多官能単量体の分解が懸念される。
共重合温度の制御方法は特に限定されない。共重合温度の制御方法としては、例えば、重合速度の制御により、重合により生成する熱と、重合容器表面からの放熱とのバランスをとる方法が挙げられる。また、適当な熱媒を用いた外部ジャケットにより制御する方法も挙げられる。安全性の面からは、後者の方法が好ましい。
酢酸ビニルと多官能単量体とを共重合する際に使用される重合開始剤は、重合方法に応じて、公知の開始剤(例えば、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤など)から選択すればよい。アゾ系開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などが挙げられる。過酸化物系開始剤としては、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネートなどのパーカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシデカネートなどのパーエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド;2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテートなどが挙げられる。これらの開始剤に、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素などを組み合わせて開始剤としてもよい。レドックス系開始剤としては、例えば、上記過酸化物と、亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酒石酸、L−アスコルビン酸、ロンガリットなどの還元剤とを組み合わせた開始剤が挙げられる。共重合を高温で行った場合に、酢酸ビニルの分解に起因する着色が見られることがある。その場合、着色の防止を目的として、酒石酸のような酸化防止剤を、酢酸ビニルに対して1〜100ppm程度、重合系に添加することはなんら差し支えない。
酢酸ビニルと多官能単量体との共重合に際して、本発明の主旨を損なわない範囲で、他の単量体を共重合してもよい。当該他の単量体としては例えば、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン類;(メタ)アクリル酸およびその塩;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどの(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロール(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体などの(メタ)アクリルアミド誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類;塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸およびその塩またはそのエステル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニルなどが挙げられる。このような他の単量体の共重合量は、通常5モル%以下である。
酢酸ビニルと多官能単量体との共重合は、得られる共重合体の重合度を調節することなどを目的として、本発明の主旨を損なわない範囲で、連鎖移動剤の存在下で行ってもよい。連鎖移動剤としては、例えば、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒド類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;2−ヒドロキシエタンチオールなどのメルカプタン類;トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。なかでもアルデヒド類およびケトン類が好適に用いられる。連鎖移動剤の添加量は、添加する連鎖移動剤の連鎖移動定数、ならびに目的とするビニルアルコール系共重合体の重合度に応じて決定すればよいが、一般に、酢酸ビニルに対して0.1〜10質量%程度が望ましい。
また、酢酸ビニルの重合率が20〜90%であることが好ましい。酢酸ビニルの重合率が20%未満であると単位時間当たりに製造できるビニルエステル系共重合体の量が減少することによる生産効率の低下のおそれがあるとともに、酢酸ビニルを回収するためのコストが増加するおそれがある。生産効率とコストの観点から、酢酸ビニルの重合率は30%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましい。一方、酢酸ビニルの重合率が90%を超えると、架橋反応が過剰に進行して、得られるビニルアルコール系共重合体の水溶性が低下するおそれがある。架橋反応の抑制の観点から、酢酸ビニルの重合率は80%以下であることがより好ましく、70%以下であることがさらに好ましい。なお、重合率の測定は、得られた重合体溶液を120℃で2時間真空乾燥することにより、重合体の固形分を算出する。
酢酸ビニルと多官能単量体とを共重合することによって得られたビニルエステル系共重合体のけん化方法は特に限定されず、公知のけん化方法を採用できる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシドなどの塩基性触媒やp−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を用いた、加アルコール分解反応または加水分解反応が挙げられる。この反応に使用しうる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;アセトンメチルエチルケトンなどのケトン類:ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。これらの溶媒は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、メタノールまたはメタノール/酢酸メチル混合溶液を溶媒とし、水酸化ナトリウムを触媒としてけん化することが簡便であり好ましい。
本発明で用いられるビニルアルコール系共重合体のけん化度は60〜99.9モル%が好ましい。けん化度が60モル%未満では、ビニルアルコール系共重合体が水に不溶となる場合がある。けん化度は65モル%以上がより好ましい。一方、けん化度が99.9モル%を超えると、工業的製造が難しいだけでなく、ビニルアルコール系共重合体水溶液の粘度安定性が悪くなり取り扱いが困難な場合がある。けん化度は98モル%以下がより好ましい。
なお、けん化度は、JIS K6726に記載されているけん化度の測定方法により測定した値とする。このとき、ビニルアルコール単位、酢酸ビニル単位及びエチレン性二重結合を含む単量体単位以外の単位は、仮にビニルアルコール系共重合体に含まれていたとしても少量であるので、これらの単位を無視して、けん化度の算定を行う。
本発明で用いられるビニルアルコール系共重合体の粘度平均重合度Pηは100〜8000が好ましい。粘度平均重合度Pηが100未満では、工業的生産が難しくなるおそれがある。粘度平均重合度Pηは200以上であることがより好ましい。一方、粘度平均重合度Pηが8000を超えると、工業的生産が難しいだけでなく、ビニルアルコール系共重合体水溶液の粘度が非常に高くなり取り扱いが困難な場合がある。粘度平均重合度Pηは5000以下であることがより好ましく、2500以下であることがさらに好ましい。
粘度平均重合度Pηは、JIS K6726に準じて測定される。具体的には、ビニルアルコール系共重合体を再度けん化して、残存する酢酸基を完全にけん化する。再けん化したビニルアルコール系共重合体を精製し、乾燥させた後、乾燥させた試料1gを水100mlに加えて加熱溶解し、30℃まで冷却する。得られた水溶液を粘度計に量り採り、30℃の水中における極限粘度[η](単位:L/g)を測定し、測定した極限粘度[η]から以下の式(1)により算出できる。
Figure 2015005153
本発明で用いられるビニルアルコール系共重合体のサイズ排除クロマトグラフィーから求められる重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnは、2〜5が好ましく、2〜4がより好ましい。Mw/Mnが2未満では工業的生産が難しくなるおそれがある。また、Mw/Mnが5を越える場合は、ビニルアセタール系重合体を製造する際に、アセタール化反応速度が低下する傾向にある。
本発明で用いられるビニルアルコール系共重合体は水溶性であることが好ましく、その側鎖にエチレン性二重結合を含有する。そして、ビニルアルコール単位と酢酸ビニル単位の合計に対する該エチレン性二重結合のモル比(d)が0.05/100〜2/100である。モル比(d)が0.05/100未満であると、得られるビニルアセタール系重合体の強度等の力学物性が十分でなくなる。モル比(d)は0.07/100以上であることが好ましく、0.1/100以上であることがより好ましい。一方、モル比(d)が2/100を超えると、ビニルエステル系共重合体の重合度の制御が非常に困難になって、得られるビニルアルコール系共重合体が水に不溶になり、アセタール化が困難になり易い。エチレン性二重結合のモル比(d)は1.5/100以下であることが好ましく、1/100以下であることがより好ましい。
本発明で用いられるビニルアルコール系共重合体は、その側鎖にビニルエーテル基を含有することが好ましい。また、側鎖がアリル基またはアリルエーテル基を含有することも好ましい。これらの構造は、酢酸ビニルに含まれるビニルエステル基よりも適度に反応性が低いので、架橋反応を抑制しながら二重結合の一方だけが反応する単量体の割合を多くすることができる。これによって、二重結合の含有量が制御された水溶性のビニルアルコール系共重合体を得ることができる。また、このような側鎖を含有するビニルアルコール系共重合体は、必要量の二重結合を有していながらも水溶性を有するので、ビニルアセタール系重合体を工業的な規模で経済的に安定に製造する点で好ましい。
エチレン性二重結合の導入量は、ビニルアルコール系共重合体の重水又は重ジメチルスルホキシド溶媒中でのH−NMRスペクトル、または、けん化前のビニルエステル系共重合体の重クロロホルム溶媒中でのH−NMRスペクトルから測定する。エチレン性二重結合の導入量は、多官能単量体のビニルエステル系単量体に対する混合比や重合率で制御する。
架橋反応を抑制しつつビニルアルコール系共重合体に必要量の二重結合を導入し、かつ生産効率も維持する観点から、ビニルアルコール単位と酢酸ビニル単位の合計に対するエチレン性二重結合のモル比(d)と酢酸ビニルに対する多官能単量体のモル比(p)の比(d/p)が0.2以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましい。比(d/p)が0.2未満であると、酢酸ビニルと多官能単量体とが架橋した生成物の割合が多くなり、ビニルアルコール系共重合体の水溶性が阻害されるおそれがある。酢酸ビニルに対する多官能単量体の配合割合や重合条件によって比(d/p)を高くすることができるが、生産効率を考慮すれば、比(d/p)は0.8以下であることが好ましい。
本明細書において、ビニルアルコール系共重合体が水溶性であるとは、温度90℃の4質量%のビニルアルコール系共重合体の水溶液を調製した場合に、ビニルアルコール系共重合体が水に完全に溶解する場合をいう。
本発明のビニルアセタール系重合体は、上述のようにして得られたビニルアルコール系共重合体を従来公知の方法に従ってアセタール化することにより得られる。この際のアセタール化度は45モル%以上であり、80モル%以下である。アセタール化度をこの範囲とすることで、ビニルアセタール系重合体は、柔軟で耐水性に優れた皮膜を形成でき、アルコール系溶媒等の広範囲の極性を有する溶媒への溶解性等を向上させることができる。ビニルアセタール系重合体のアセタール化度は、55モル%以上であることがより好ましく、60モル%であることがさらに好ましい。また、ビニルアセタール系重合体のアセタール化度は、使用する溶剤に対する溶解性に応じて適宜選択することができる。ビニルアセタール系重合体のアセタール化度を調整するには、使用するビニルアルコール系共重合体に対するアルデヒドの添加量、アルデヒドと酸触媒を添加した後の反応時間等を適宜調整すればよい。
ここで、ビニルアセタール系重合体のアセタール化度とは、ビニルアセタール系重合体を構成する全単量体単位に対する、アセタール化されたビニルアルコール単位の割合を表す。アセタール化度は、例えば、JIS K6728(1977年)の方法に準拠して測定できる。
ビニルアルコール系共重合体をアセタール化する方法としては、例えば、(1)ビニルアルコール系共重合体を水に加熱溶解して5〜30質量%の濃度の水溶液を調製し、これを5℃〜50℃まで冷却した後、所定量のアルデヒドを加えて−10℃〜30℃まで冷却し、酸を添加することにより水溶液のpHを1以下にしてアセタール化を開始する方法、(2)ビニルアルコール系共重合体を水に加熱溶解して5〜30質量%の濃度の水溶液を調製し、これを5℃〜50℃まで冷却し、酸を添加することにより水溶液のpHを1以下にした後−10℃〜30℃まで冷却し、所定量のアルデヒドを加えてアセタール化を開始する方法等が挙げられる。
アセタール化に用いるアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒドを含む)、アセトアルデヒド(パラアセトアルデヒドを含む)、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、ピバルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド、ドデシルアルデヒド等の脂肪族アルデヒド;シクロペンタンアルデヒド、メチルシクロペンタンアルデヒド、ジメチルシクロペンタンアルデヒド、シクロヘキサンアルデヒド、メチルシクロヘキサンアルデヒド、ジメチルシクロヘキサンアルデヒド、シクロヘキサンアセトアルデヒド等の脂環族アルデヒド;シクロペンテンアルデヒド、シクロヘキセンアルデヒド等の環式不飽和アルデヒド;ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、ジメチルベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド、クミンアルデヒド、ナフチルアルデヒド、アントラアルデヒド、シンナムアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレインアルデヒド、7−オクテン−1−アール等の芳香族又は不飽和結合含有アルデヒド;フルフラール、メチルフルフラール等の複素環アルデヒド等が挙げられる。
これらのうち、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド及びベンズアルデヒドからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、ブチルアルデヒドが特に好ましい。このようなアルデヒドを用いることで、ビニルアルコール系共重合体のアセタール化をより効率よく行うことができる。
また、アセタール化に用いるアルデヒドとして、本発明の効果を損なわない範囲で、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等を官能基として有するアルデヒドを使用してもよい。
アセタール化に用いる酸としては、特に限定されないが、例えば、酢酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。これらの中でも塩酸、硫酸、硝酸が好ましく、塩酸、硝酸がより好ましく、これらを2種以上併用してもよい。また、アセタール化の反応に要する時間としては、通常1時間〜10時間程度であり、反応は攪拌下に行うことが好ましい。また、上述した温度条件でアセタールを行った場合に、ビニルアセタール系重合体のアセタール化度が上昇しない場合には、50℃〜80℃程度の高い温度で反応を継続してもよい。
アセタール化後に得られる粒状の反応生成物を濾別してこれを水で十分に洗浄し、アルカリ等の中和剤を添加し、洗浄、乾燥することにより、目的とするビニルアセタール系重合体が得られる。中和剤として用いられるアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
本発明のビニルアセタール系重合体は、分子中に2つ以上のエチレン性二重結合を有する多官能体とビニルアルコールとの共重合体のアセタール化物であり、側鎖に有するエチレン性二重結合の量がビニルアルコール単位およびその誘導体に対して0.05〜2モル%であり、アセタール化度が45〜80モル%である。ここで、ビニルアルコール単位の誘導体単位とは、ビニルアルコール系共重合体の製造工程でけん化されずに残った酢酸ビニル単位またはビニルアルコール単位がアセタール化されたアセタール単位をいう。エチレン性二重結合の量は0.07モル%以上であることが好ましく、0.1モル%以上であることがより好ましい。エチレン性二重結合の量が0.05モル%未満となると、十分な強度等の力学物性を得ることができなくなる。また、1.5モル%以下であることが好ましく、1モル%以下であることがより好ましい。エチレン性二重結合の量が2モル%を超える場合、ビニルアセタール系重合体の製造に用いられるビニルアルコール系共重合体が水に不溶になり易く、製造することが困難となる。前記エチレン性二重結合の量は、ビニルアセタール系重合体の重ジメチルスルホキシド溶媒中でのH−NMRのスペクトル、アセタール化前のビニルアルコール系共重合体の重水又は重ジメチルスルホキシド溶媒中でのH−NMRスペクトル、または、けん化前のビニルエステル系共重合体の重クロロホルム溶媒中でのH−NMRスペクトルから測定する。基本的に、ビニルアセタール系重合体、ビニルアルコール系重合体、ビニルエステル系重合体の各段階で測定したエチレン性二重結合の量は一致する。
このようにして製造された本発明のビニルアセタール系重合体は、アルコール系溶媒等への溶解性に優れると共に、溶液粘度が低く抑えられ、取扱性に優れる。従って、本発明のビニルアセタール系重合体は、合わせガラス用中間膜組成物、セラミック用スラリー組成物、インク組成物・塗料組成物、接着剤組成物、熱現像性感光材料組成物等の各種の用途に好適に用いられる。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。以下の実施例及び比較例において、特に断りがない場合、部及び%はそれぞれ質量部及び質量%を示す。
<ビニルアルコール系共重合体の評価>
各実施例及び比較例で得られたビニルアルコール系共重合体について、以下の方法で評価を行った。
(エチレン性二重結合の導入量の測定)
ビニルアルコール系共重合体0.3mgを重ジメチルスルホキシド3mlに溶解して、核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製、LAMBDA500)を用いてH−NMRの測定を実施した。得られたスペクトルから、ビニルアルコール単位と酢酸ビニル単位の合計に対するエチレン性二重結合の導入量(モル比(d))を算出した。
(粘度平均重合度の測定)
ビニルアルコール系共重合体の粘度平均重合度PηをJIS K6726に準じて測定した。具体的には、ビニルアルコール系共重合体を再度けん化することで、残存する酢酸基を完全にけん化した。再けん化したビニルアルコール系共重合体を精製し、乾燥させた後、乾燥させた試料1gを水100mlに加えて加熱溶解し、30℃まで冷却した。得られた水溶液を粘度計に量り採り、30℃の水中における極限粘度[η](単位:L/g)を測定した。粘度平均重合度Pηは、測定した極限粘度[η]から、以下の式(2)により算出した。
Figure 2015005153
(けん化度の測定)
ビニルアルコール系共重合体について、JIS K6726に記載されている、けん化度の測定方法により測定した。
<ビニルアセタール系重合体の評価>
各実施例及び比較例で得られたビニルアセタール系重合体について、以下の方法で評価を行った。
(アセタール化度の測定)
ビニルアセタール系重合体のアセタール化度をJIS K6728に記載された方法に準拠して分析した。
(溶解性の評価及び溶液粘度の測定)
ビニルアセタール系重合体について、5質量%のエタノール/水(95質量%/5質量%)溶液を調製し、各ビニルアセタール系重合体の溶解性を目視により観察した。完全に溶解したものを「○」、完全には溶解しなかったものを「×」と評価した。結果を表2に示す。また、ビニルアセタール系重合体が完全に溶解した場合には、得られた溶液を20℃恒温槽中に2時間以上放置して、ブルックフィールド型粘度計を用いて、溶液の粘度(mPa・s)を測定した。
(力学特性の評価)
以下の各実施例及び比較例で得られたビニルアセタール系重合体のそれぞれについて、10質量%のエタノール/水(95質量%/5質量%)溶液を用いてキャスト製膜法により、50℃、で、15時間真空乾燥させて、厚さ100μmのフィルムを作製した。JIS K7162に準拠して、引張試験を行った。より具体的には、厚さ100μmのフィルムをダンベル形状に切り出し、これを引張り試験機(株式会社島津製作所製、オートグラフAG−IS)を用いて、引張速度50mm/minで引張り試験を行った際の試験中に加わった最大の引張応力を測定した。各実施例及び比較例について、5つの試験片を準備して、それぞれ最大の引張応力を測定し、それらの平均値を引張強さとして求めた。
[実施例1]
(側鎖にエチレン性二重結合を有するビニルアルコール系共重合体PVA−1の合成)
撹拌機、窒素導入口、添加剤導入口および開始剤添加口を備えた6Lの反応槽に酢酸ビニル1200g、メタノール1800g、多官能単量体として1,4−ブタンジオールジビニルエーテル19.8gを仕込み、60℃に昇温した後、30分間窒素バブリングを行うことにより系中を窒素置換した。反応槽内の温度を60℃に調整し、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)2.5gを加えて重合を開始した。重合中は重合温度を60℃に維持した。3時間後に酢酸ビニルの重合率が58%に達したところで冷却して重合を停止した。次いで、減圧下にて未反応の酢酸ビニルを除去し、ポリ酢酸ビニル(以下、PVAcと略記することがある)のメタノール溶液を得た。こうして得られたPVAcを良溶媒としてアセトン、貧溶媒としてヘキサンを用いた再沈殿精製を5回行い、真空乾燥により乾燥させた。その後、得られたPVAcを重クロロホルムへ溶解してH−NMRの測定を実施した。測定結果を図1に示す。得られた図1のスペクトルから、ビニルアルコール単位と酢酸ビニル単位の合計に対するエチレン性二重結合の導入量は0.5モル%と算出された。得られたPVAcのメタノール溶液にメタノールを添加することで、溶液の濃度を30質量%に調製し、アルカリモル比(NaOHのモル数/PVAc中のビニルエステル単位のモル数)が0.006となるようにNaOHメタノール溶液(10%濃度)を添加してけん化した。得られたビニルアルコール系共重合体をメタノールで洗浄した。
以上の操作により粘度平均重合度1070、けん化度79.6モル%のビニルアルコール系共重合体を得た。得られたビニルアルコール系共重合体を90℃の水に溶解させて4質量%の水溶液を調製したところ、完全に溶解した。また、得られたビニルアルコール系共重合体を重ジメチルスルホキシドへ溶解してH−NMRの測定を実施した。測定結果を図2に示す。得られた図2のスペクトルから、ビニルアルコール単位と酢酸ビニル単位の合計に対するエチレン性二重結合の導入量は0.5モル%と算出された。
(側鎖にエチレン性二重結合を有するビニルアセタール系重合体の合成)
480gのPVA−1を、5,520mLの水中に投入し、撹拌しながら溶液の温度を90℃まで昇温して溶解させた後、30℃まで冷却した。この水溶液に20%濃度の塩酸水溶液400gを添加した。その後、水溶液を14℃まで冷却し、ブチルアルデヒド267gを10分間かけて滴下して反応を開始させた。14℃で40分間反応を行った後、約0.6℃/分の昇温速度で65℃まで昇温し、65℃で300分間維持した。その後、反応溶液を室温まで冷却し、析出した粒状物を濾別してこれを水で十分に洗浄した。得られた生成物を0.3%水酸化ナトリウム溶液に投入し、70℃に加温して中和した。この生成物を引き続き、水で洗浄してアルカリ性化合物を除去した後、生成物を乾燥し、ビニルアセタール系重合体(VAP−1)を得た。
得られたビニルアセタール系重合体VAP−1のアセタール化度を測定したところ、70.2モル%であった。また、得られたビニルアセタール系重合体の5質量%のエタノール/水(95質量%/5質量%)溶液の粘度は表2に示す値であった。また、上記5質量%のエタノール/水(95質量%/5質量%)溶液を用いてキャスト製膜法により厚さ100μmのフィルムを作製し、このフィルムについて引張り強さを測定した。結果を表2に示す。
[実施例2〜7]
使用する多官能単量体の種類及び仕込み量、酢酸ビニルとメタノールの仕込み量を表1に示すようにした以外は実施例1と同様にしてビニルアルコール系共重合体PVA−2〜PVA−7を得た。ビニルアルコール系共重合体PVA−2〜PVA−7の評価結果を表1および表2に示す。また、PVA−1の代わりに、表2に示すPVAを使用した以外は、実施例1と同様にしてビニルアセタール系重合体VAP−2〜VAP−7を得た。ビニルアセタール系重合体VAP−2〜VAP−7の評価結果を表2に示す。また、VAP−6のビニルアルコール単位およびその誘導体(酢酸ビニル単位およびアセタール単位)の合計量に対するエチレン性二重結合の量を、ビニルアルコール系重合体と同様にしてH−NMRで測定したところ、0.2mol%であり、原料のビニルアルコール系重合体におけるエチレン性二重結合の量と差異はなかった。
[実施例8]
ブチルアルデヒドの添加量を減らした以外は、実施例7と同様にして、ビニルアセタール系重合体VAP−8を得た。ビニルアセタール系重合体VAP−8の評価結果を表2に示す。
[実施例9]
ブチルアルデヒドの添加量を増やした以外は、実施例7と同様にして、ビニルアセタール系重合体VAP−9を得た。ビニルアセタール系重合体VAP−9の評価結果を表2に示す。
[実施例10]
使用する多官能単量体の種類及び仕込み量を、表1に示すようにした以外は実施例1と同様にしてビニルアルコール系共重合体PVA−8を得た。PVA−1の代わりに、ビニルアルコール系共重合体PVA−8を用いた以外は、実施例1と同様にして、ビニルアセタール系重合体VAP−10を得た。ビニルアセタール系重合体VAP−10の評価結果を表2に示す。
[比較例1及び2]
多官能単量体を使用せず、酢酸ビニルとメタノールの仕込み量を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にして、ビニルアルコール系共重合体PVA−C1及びPVA−C2を得た。ビニルアルコール系共重合体PVA−C1及びPVA−C2の評価結果を表1および表2に示す。PVA−1の代わりに、ビニルアルコール系共重合体PVA−C1、PVA−C2をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして、ビニルアセタール系重合体VAP−C1、VAP−C2を得た。ビニルアセタール系重合体VAP−C1及びVAP−C2の評価結果を表2に示す。
[比較例3]
多官能単量体の仕込み量を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、ビニルアルコール系共重合体PVA−C3を得た。ビニルアルコール系共重合体PVA−C3の評価結果を表1および表2に示す。PVA−1の代わりに、ビニルアルコール系共重合体PVA−C3を用いた以外は実施例1と同様にして、ビニルアセタール系重合体VAP−C3を得た。ビニルアセタール系重合体VAP−C3の評価結果を表2に示す。
[比較例4]
多官能単量体の代わりにアセトアルデヒドを表1に示す仕込み量で使用し、酢酸ビニルとメタノールの仕込み量を表1に示すようにした以外は実施例1と同様にして、ビニルアルコール系共重合体PVA−C4を得た。ビニルアルコール系共重合体PVA−C4の評価結果を表1および表2に示す。PVA−1の代わりに、ビニルアルコール系共重合体PVA−C4を用いた以外は実施例1と同様にして、ビニルアセタール系重合体VAP−C4得た。ビニルアセタール系重合体VAP−C4の評価結果を表2に示す。
Figure 2015005153
Figure 2015005153

Claims (6)

  1. 酢酸ビニルと多官能単量体との共重合体をけん化して得られるビニルアルコール系共重合体をアセタール化して得られるビニルアセタール系重合体であり、
    多官能単量体が、分子中に2つ以上のエチレン性二重結合を含有し、
    ビニルアルコール系共重合体が側鎖にエチレン性二重結合を含有し、ビニルアルコール単位と酢酸ビニル単位の合計に対する該エチレン性二重結合のモル比(d)が、0.05/100〜2/100であり、アセタール化度が45〜80モル%であるビニルアセタール系重合体。
  2. 前記側鎖がビニルエーテル基を含有する請求項1に記載のビニルアセタール系重合体。
  3. 前記側鎖がアリル基を含有する請求項1又は2に記載のビニルアセタール系重合体。
  4. 酢酸ビニルと多官能単量体とを共重合してビニルエステル系共重合体を得る工程、
    該ビニルエステル系共重合体をけん化してビニルアルコール系共重合体を得る工程、及び
    該ビニルアルコール系共重合体をアセタール化する工程を含む、
    請求項1〜3のいずれかに記載のビニルアセタール系重合体を製造する方法。
  5. 前記酢酸ビニルと多官能単量体とを共重合する際の酢酸ビニルに対する多官能単量体のモル比(p)が0.1/100〜5/100である、請求項4に記載のビニルアセタール系重合体を製造する方法。
  6. 前記ビニルアルコール系重合体におけるビニルアルコール単位と酢酸ビニル単位の合計に対するエチレン性二重結合のモル比(d)と前記ビニルエステル系共重合体の酢酸ビニルに対する多官能単量体のモル比(p)との比(d/p)が0.2〜0.8である、請求項5に記載のビニルアセタール系重合体を製造する方法。
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