JPWO2015002169A1 - 車両 - Google Patents

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JPWO2015002169A1
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佐々木 薫
薫 佐々木
充昭 太田
充昭 太田
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和久 高野
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Abstract

左フロントフェンダー(227)は、左上壁部(711)、左横壁部(712)、および左ガイド部(717)を有している。左上壁部(711)は、左前輪(31)の上面(31a)の一部に対向する左上内面(711a)を形成している。左横壁部(712)は、左上内面(711a)から下方に延び、左前輪(31)の左側面(31b)の一部に対向する左横内面(712a)を形成している。左ガイド部(717)は、左横内面(712a)から左前輪(31)の左側面(31b)に向かって右方に延びる左ガイド面(717a)を形成している。

Description

本発明は、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並んで配置された2つの前輪を備える車両に関する。
左右旋回時に車両の左右方向に傾斜する車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並んで配置された2つの前輪を備えた車両が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この種の車両は、車体フレームが鉛直方向に対して傾斜した状態で旋回できる車両である。より具体的には、車体フレームは、右旋回時において車両の右方に傾斜し、左旋回時において車両の左方に傾斜する。この種の車両においては、車体フレームの傾斜量を大きく確保するために、車体フレームの左右方向に並べて配置された2つの前輪の間隔は、一般的な四輪車両のものと比較すると非常に狭い。したがって、この種の車両は、車体フレームの左右方向にコンパクトである。
米国意匠特許547242号公報
この種の車両の走行試験を行なった結果、雨天走行時や水溜まり走行時において、各前輪によって跳ね上げられた水がシートに着座した乗員の脚部などにかかるという現象が確認された。
よって本発明は、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並んで配置された2つの前輪を備える車両を小型化しつつ、当該2つの前輪によって跳ね上げられた水がシートに着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生を抑制することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明がとりうる一態様は、車両であって、
左旋回時に前記車両の左方へ傾斜し、右旋回時に前記車両の右方へ傾斜する車体フレームと、
前記車体フレームに支持されたシートと、
前記シートより前記車体フレームの前後方向の前方に、前記車体フレームの左右方向に並んで配置された左前輪および右前輪と、
前記左前輪および前記右前輪を回動させる操舵装置と、
前記左前輪とともに回動可能に設けられ、前記左前輪の上面の少なくとも一部を覆う左フロントフェンダーと、
前記右前輪とともに回動可能に設けられ、前記右前輪の上面の少なくとも一部を覆う右フロントフェンダーと、
を備えており、
前記左フロントフェンダー及び前記右フロントフェンダーは、前記左右方向に並んで配置されており、
前記左フロントフェンダーは、
前記左前輪の上面の少なくとも一部に対向する左上内面を形成する左上壁部と、
前記左上内面から前記車体フレームの上下方向の下方に延び、前記左前輪の左側面の一部に対向する左横内面を形成する左横壁部と、
前記左横内面から前記左前輪の前記左側面に向かって前記左右方向の右方に延びる左ガイド面を形成する左ガイド部と、
を有しており、
前記右フロントフェンダーは、
前記右前輪の上面の少なくとも一部に対向する右上内面を形成する右上壁部と、
前記右上内面から前記車体フレームの上下方向の下方に延び、前記右前輪の右側面の一部に対向する右横内面を形成する右横壁部と、
前記右横内面から前記右前輪の当該右側面に向かって前記左右方向の左方に延びる右ガイド面を形成する右ガイド部と、
を有している。
本願発明者らは、2つの前輪によって跳ね上げられた水がシートに着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生メカニズムを詳細に検証した。その結果、次のような現象が確認できた。
走行中に左前輪が跳ね上げた水は、左フロントフェンダーの内面に付着する。付着した水は、左フロントフェンダーの内面の下縁から左前輪の左方に水滴として落下する。落下した水滴は、左前輪の左方を後方に向かって速い速度で流れる空気によって後方へ加速され、左前輪より後方に設けられたシートに着座している乗員の脚部などにかかる。
走行中に右前輪が跳ね上げた水は、右フロントフェンダーの内面に付着する。付着した水は、右フロントフェンダーの内面の下縁から右前輪の右方に水滴として落下する。落下した水滴は、右前輪の右方を後方に向かって速い速度で流れる空気によって後方へ加速され、右前輪より後方に設けられたシートに着座している乗員の脚部などにかかる。
すなわち、上記の現象は、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並んで配置された2つの前輪を備える車両において、左前輪の左方および右前輪の右方を車体フレームの前後方向の後方に向かう速度の速い気流が発生することに起因する。換言すると、上記の現象は、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並んで配置された2つの前輪を備える車両に特有な現象であることがわかった。
そこで発明者らは、車両を小型化しつつ、車両の後方へ流れる水の量を抑制可能な構成を検討した。具体的には、走行中に車両の周囲を流れる空気の速度を詳細に解析した。その結果、左前輪の左側面および右前輪の右側面に近い位置に空気の流れる速度が遅い空間が形成されることを見出した。そして、この解析により得られた知見に基づいて、左右のフロントフェンダーの形状を工夫し、当該フロントフェンダーの内面から滴下する水を制御する構造を見出すに至った。
具体的には、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並んで配置された2つの前輪を備える車両において、左フロントフェンダーと右フロントフェンダーは、車体フレームの左右方向に並んで設けられる。左フロントフェンダーは、左前輪の上面の少なくとも一部に対向する左上内面を形成する左上壁部と、当該左上内面から車体フレームの上下方向の下方に延び、左前輪の左側面の一部に対向する左横内面を形成する左横壁部と、左横内面から左前輪の当該左側面に向かって車体フレームの左右方向の右方に延びる左ガイド面を形成する左ガイド部と、を有している。右フロントフェンダーは、右前輪の上面の少なくとも一部に対向する右上内面を形成する右上壁部と、当該右上内面から車体フレームの上下方向の下方に延び、右前輪の右側面の一部に対向する右横内面を形成する右横壁部と、右横内面から右前輪の当該右側面に向かって車体フレームの左右方向の左方に延びる右ガイド面を形成する右ガイド部と、を有している。
このような構成によれば、車両走行時において、左フロントフェンダーの左横壁部の左方、および右フロントフェンダーの右横壁部の右方に、後方に向かう速い気流が発生する。他方、左フロントフェンダーの左横壁部と左前輪の左側面の間、および右フロントフェンダーの右横壁部と右前輪の右側面の間に気流の遅い空間が形成される。
左フロントフェンダーの左上壁部の左上内面は、左前輪の上面の少なくとも一部に対向しており、左前輪が上方に跳ね上げた水を受け止める。左横壁部の左横内面は、左上内面から下方に延びて前記左前輪の左側面の一部に対向しており、左上内面が受けた水を下方へ伝えるとともに、左前輪が左方に跳ね上げた水を受け止める。左ガイド部の左ガイド面は、左横内面から左前輪の左側面に向かって右方に延び、左横内面を伝わってきた水を、左フロントフェンダーの左横壁部より左前輪の左側面に近い位置、すなわちより気流の速度が遅い位置へ導く。気流の速度が遅い空間においては、左ガイド部から滴下した水が路面に向かって落下しやすいため、左前輪により跳ね上げられた水が後方へ飛散することを抑制できる。
右フロントフェンダーの右上壁部の右上内面は、右前輪の上面の少なくとも一部に対向しており、右前輪が上方に跳ね上げた水を受け止める。右横壁部の右横内面は、右上内面から下方に延びて前記右前輪の右側面の一部に対向しており、右上内面が受けた水を下方へ伝えるとともに、右前輪が右方に跳ね上げた水を受け止める。右ガイド部の右ガイド面は、右横内面から右前輪の右側面に向かって左方に延び、右横内面を伝わってきた水を、右フロントフェンダーの右横壁部より右前輪の右側面に近い位置、すなわちより気流の速度が遅い位置へ導く。気流の速度が遅い空間においては、右ガイド部から滴下した水が路面に向かって落下しやすいため、右前輪により跳ね上げられた水が後方へ飛散することを抑制できる。
また、左フロントフェンダーの左ガイド部は、左横内面から左前輪の左側面に向かって左右方向の右方に延びる左ガイド面を有する。右フロントフェンダーの右ガイド部は、右横内面から右前輪の右側面に向かって左右方向の左方に延びる右ガイド面を有する。左フロントフェンダーと左前輪の間および右フロントフェンダーと右前輪の間の空間を利用して左ガイド部および右ガイド部を設けたので、車両を小型化できる。
したがって、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並んで配置された2つの前輪を備える車両を小型化しつつ、当該2つの前輪によって跳ね上げられた水がシートに着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生を抑制できる。
前記左ガイド部の少なくとも一部は、前記左横壁部の下部に設けられており、前記右ガイド部の少なくとも一部は、前記右横壁部の下部に設けられている、構成としてもよい。
このような構成によれば、より低い位置で水を左ガイド部および右ガイド部から滴下させることができる。これにより、滴下した水が後方に飛散しても、乗員の脚部などにかかりにくくできる。したがって、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並んで配置された2つの前輪を備える車両を小型化しつつ、当該2つの前輪によって跳ね上げられた水がシートに着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生をより抑制できる。
前記左ガイド部と前記右ガイド部の各々は、前記前後方向に延びる部分を有している構成としてもよい。
このような構成によれば、左ガイド部は、より広範囲において左横壁部に沿って流れる水を左前輪の左側面に近い位置に滴下させることができる。また、右ガイド部は、より広範囲において右横壁部に沿って流れる水を右前輪の右側面に近い位置に滴下させることができる。したがって、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並んで配置された2つの前輪を備える車両を小型化しつつ、当該2つの前輪によって跳ね上げられた水がシートに着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生をより抑制できる。
例えば、
前記左ガイド部は、前記左前輪の前記車輪軸より前記車体フレームの前後方向の前方と後方の少なくとも一方に延びており、
前記右ガイド部は、前記右前輪の前記車輪軸より前記車体フレームの前後方向の前方と後方の少なくとも一方に延びている、
構成としてもよい。
これに加えてあるいは代えて、前記左ガイド部と前記右ガイド部の各々は、連続的に延びる壁である構成としてもよい。なお、複数の壁が水の通過を許容しない程度の間隔をあけて配列されている場合、当該複数の壁は、上記の「連続的に延びる壁」に含まれる。
前記左上壁部の後部の少なくとも一部と前記左横壁部の後部の少なくとも一部は、前記左ガイド部より前記上下方向の下方に配置されており、
前記右上壁部の後部の少なくとも一部と前記右横壁部の後部の少なくとも一部は、前記右ガイド部より前記上下方向の下方に配置されている、
構成としてもよい。
このような構成によれば、左ガイド部から滴下して後方へ飛ばされる水を、左上壁部の後部と左横壁部の後部によって受け止めることができる。また、右ガイド部から滴下して後方へ飛ばされる水を、右上壁部の後部と右横壁部の後部によって受け止めることができる。したがって、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並んで配置された2つの前輪を備える車両を小型化しつつ、当該2つの前輪によって跳ね上げられた水がシートに着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生をより抑制できる。
前記車体フレームの直立状態および前記操舵装置により前記左前輪と前記右前輪が回動されていない状態において前記前後方向の前方から見て、前記左フロントフェンダーと前記右フロントフェンダーの各々は、非対称な形状を有している構成としてもよい。
左前輪により跳ね上げられた水は、左前輪の左側面より左方に設けられた左横壁部と左ガイド部によって後方への飛散を抑制される。左前輪の右側面より右方について同様の構造を設ける必要性が低下するため、当該箇所における左フロントフェンダーの形状に関し、小型化のための設計自由度を高めることができる。同様に、右前輪により跳ね上げられた水は、右前輪の右側面より右方に設けられた右横壁部と右ガイド部によって後方への飛散を抑制される。右前輪の左側面より左方について同様の構造を設ける必要性が低下するため、当該箇所における右フロントフェンダーの形状に関し、小型化のための設計自由度を高めることができる。したがって、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並んで配置された2つの前輪を備える車両をより小型化しつつ、当該2つの前輪によって跳ね上げられた水がシートに着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生を抑制できる。
前記右前輪および前記左前輪より前記上下方向の上方に配置され、前記車体フレームに対する前記左前輪および前記右前輪の相対位置を変更して前記車体フレームを前記左方または前記右方に傾斜させるリンク機構を備えており、
前記リンク機構は、
上クロス部材と、
前記上クロス部材より下方に配置された下クロス部材と、
前記左前輪より前記上下方向の上方に配置された左サイド部材と、
前記右前輪より前記上下方向の上方に配置された右サイド部材と、
を備えており、
前記上クロス部材、前記下クロス部材、前記左サイド部材、および前記右サイド部材は、前記上クロス部材と前記下クロス部材が相互に平行な姿勢を保ち、前記左サイド部材と前記右サイド部材が相互に平行な姿勢を保つように連結されている、
構成としてもよい。
このような構成によれば、いわゆるダブルウィッシュボーン方式のリンク機構と比較すると、リンク機構を構成する部品群を集約しやすい。したがって、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並んで配置された2つの前輪を備える車両をより小型化しつつ、当該2つの前輪によって跳ね上げられた水がシートに着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生を抑制できる。
一実施形態に係る車両の全体を左方から見た側面図である。 図1の車両の前部を示す正面図である。 図1の車両の前部を示す平面図である。 転舵時における図1の車両の前部を示す平面図である。 傾斜時における図1の車両の前部を示す正面図である。 傾斜および転舵時における図1の車両の前部を示す正面図である。 図1の車両が備える左フロントフェンダーおよび右フロントフェンダーのフロントカバーに対する位置関係を模式的に示す正面図である。 上記左フロントフェンダーおよび上記右フロントフェンダーの上記フロントカバーに対する位置関係を模式的に示す平面図である。 上記左フロントフェンダーの外観を示す正面図である。 上記左フロントフェンダーの外観を示す左側面図である。 図10における線XI−XIに沿う上記左フロントフェンダーの断面を示す正面図である。 図9における線XII−XIIに沿う上記左フロントフェンダーの断面を示す右側面図である。 図1の車両の走行時に周囲を流れる空気の速度を示す図である。
添付の図面を参照しつつ、好ましい実施形態の例について以下詳細に説明する。
添付の図面において、矢印Fは、車両の前方向を示している。矢印Bは、車両の後方向を示している。矢印Uは、車両の上方向を示している。矢印Dは、車両の下方向を示している。矢印Rは、車両の右方向を示している。矢印Lは、車両の左方向を示している。
車両は、車体フレームを鉛直方向に対して車両の左右方向に傾斜させて旋回する。そこで車両を基準とした方向に加え、車体フレームを基準とした方向が定められる。添付の図面において、矢印FFは、車体フレームの前方向を示している。矢印FBは、車体フレームの後方向を示している。矢印FUは、車体フレームの上方向を示している。矢印FDは、車体フレームの下方向を示している。矢印FRは、車体フレームの右方向を示している。矢印FLは、車体フレームの左方向を示している。
本明細書において、「車体フレームの前後方向」、「車体フレームの左右方向」、および「車体フレームの上下方向」とは、車両を運転する乗員から見て、車体フレームを基準とした前後方向、左右方向、および上下方向を意味する。「車体フレームの側方」とは、車体フレームの右方向あるいは左方向を意味している。
本明細書において、「車体フレームの前後方向に延びる」とは、車体フレームの前後方向に対して傾いて延びることを含み、車体フレームの左右方向および上下方向と比較して、車体フレームの前後方向に近い傾きで延びることを意味する。
本明細書において、「車体フレームの左右方向に延びる」とは、車体フレームの左右方向に対して傾いて延びることを含み、車体フレームの前後方向および上下方向と比較して、車体フレームの左右方向に近い傾きで延びることを意味する。
本明細書において、「車体フレームの上下方向に延びる」とは、車体フレームの上下方向に対して傾いて延びることを含み、車体フレームの前後方向および左右方向と比較して、車体フレームの上下方向に近い傾きで延びることを意味する。
本明細書において、「車体フレームの直立状態」とは、無転舵状態かつ車体フレームの上下方向が鉛直方向と一致している状態を意味する。この状態においては、車両を基準にした方向と車両フレームを基準にした方向は一致する。車体フレームを鉛直方向に対して左右方向に傾斜させて旋回しているときは、車両の左右方向と車体フレームの左右方向は一致しない。また車両の上下方向と車体フレームの上下方向も一致しない。しかしながら、車両の前後方向と車体フレームの前後方向は一致する。
図1から図12を参照しつつ、一実施形態に係る車両1について説明する。車両1は、動力源から発生する動力により駆動され、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並んで配置された2つの前輪を備える車両である。
図1は、車両1の全体を左方から見た左側面図である。車両1は、車両本体部2、左右一対の前輪3、後輪4、リンク機構5、および操舵装置7を備えている。
車両本体部2は、車体フレーム21、車体カバー22、シート24、およびパワーユニット25を含んでいる。図1において、車体フレーム21は直立状態にある。図1を参照する以降の説明は、車体フレーム21の直立状態を前提にしている。
車体フレーム21は、ヘッドパイプ211、ダウンフレーム212、リアフレーム213、を含んでいる。図1においては、車体フレーム21のうち、車体カバー22に隠れた部分は破線で示している。車体フレーム21は、シート24とパワーユニット25を支持している。パワーユニット25は、後輪4を支持している。パワーユニット25は、エンジン、電動モータ、バッテリなどの動力源や、トランスミッションなどの装置を備えている。動力源は、車両1を駆動する力を生成する。
ヘッドパイプ211は、車両1の前部に配置されている。車体フレーム21の左方から見て、ヘッドパイプ211の上部は、ヘッドパイプ211の下部より後方に配置されている。
ダウンフレーム212は、ヘッドパイプ211に接続されている。ダウンフレーム212は、ヘッドパイプ211の後方に配置されている。ダウンフレーム212は、車体フレーム21の上下方向に延びている。
リアフレーム213は、ダウンフレーム212の後方に配置されている。リアフレーム213は、車体フレーム21の前後方向に延びている。リアフレーム213は、シート24とパワーユニット25を支持している。
車体カバー22は、フロントカバー221、左右一対のフロントフェンダー223、リアフェンダー224、およびインナーフェンダー225を含んでいる。車体カバー22は、左右一対の前輪3、車体フレーム21、リンク機構5などの車両1に搭載される車体部品の少なくとも一部を覆う車体部品である。
フロントカバー221は、シート24より前方に配置されている。フロントカバー221は、リンク機構5と操舵装置7の少なくとも一部を覆っている。
左右一対のフロントフェンダー223の少なくとも一部は、フロントカバー221の下方にそれぞれ配置されている。左右一対のフロントフェンダー223の少なくとも一部は、左右一対の前輪3の上方にそれぞれ配置されている。
リアフェンダー224の少なくとも一部は、後輪4の上方に配置されている。
インナーフェンダー225は、乗員の脚部の少なくとも一部を覆う位置に配置されている。インナーフェンダー225は、左右一対の前輪3より後方かつシート24より前方に配置されている。
左右一対の前輪3の少なくとも一部は、ヘッドパイプ211の下方に配置されている。左右一対の前輪3の少なくとも一部は、フロントカバー221の下方に配置されている。
後輪4の少なくとも一部は、シート24より下方に配置されている。後輪4の少なくとも一部は、リアフェンダー224の下方に配置されている。
図2は、車両1の前部を車体フレーム21の前方から見た正面図である。図2において、車体フレーム21は直立状態にある。図2を参照する以降の説明は、車体フレーム21の直立状態を前提にしている。図2においては、破線で示すフロントカバー221、および左右一対のフロントフェンダー223を透視した状態を示している。
左右一対の前輪3は、左前輪31と右前輪32を含んでいる。左前輪31は、車体フレーム21の一部であるヘッドパイプ211より左方に配置されている。右前輪32は、ヘッドパイプ211より右方に配置されている。左前輪31と右前輪32は、車体フレーム21の左右方向に並んで配置されている。
操舵装置7は、左緩衝機構33、右緩衝機構34、左ブラケット317、および右ブラケット327を含んでいる。
左緩衝機構33は、左外筒33aを含んでいる。左外筒33aは、左前輪31を支持している。左外筒33aは、車体フレーム21の上下方向に延びている。左外筒33aは、その下端部に左支持軸314を備えている。左前輪31は、左支持軸314に支持されている。
左緩衝機構33は、左内筒33bを含んでいる。左内筒33bは、車体フレーム21の上下方向に延びている。左内筒33bは、その一部が左外筒33aに挿入された状態で、左外筒33aの上方に配置されている。左内筒33bの上部は、左ブラケット317に固定されている。
左緩衝機構33は、いわゆるテレスコピック式の緩衝機構である。左内筒33bが左外筒33aに対して左外筒33aの延びる方向に相対移動することにより、左緩衝機構33は、当該方向に伸縮可能である。これにより、左緩衝機構33は、左内筒33bに対する左前輪31の車体フレーム21の上下方向における変位を緩衝する。
左外筒33aと左内筒33bは、車体フレーム21の前後方向に並んで配列された一対のテレスコピック要素を構成している。
右緩衝機構34は、右外筒34aを含んでいる。右外筒34aは、右前輪32を支持している。右外筒34aは、車体フレーム21の上下方向に延びている。右外筒34aは、その下端部に右支持軸324を備えている。右前輪32は、右支持軸324に支持されている。
右緩衝機構34は、右内筒34bを含んでいる。右内筒34bは、車体フレーム21の上下方向に延びている。右内筒34bは、その一部が右外筒34aに挿入された状態で、右外筒34aの上方に配置されている。右内筒34bの上部は、右ブラケット327に固定されている。
右緩衝機構34は、いわゆるテレスコピック式の緩衝機構である。右内筒34bが右外筒34aに対して右外筒34aの延びる方向に相対移動することにより、右緩衝機構34は、当該方向に伸縮可能である。これにより、右緩衝機構34は、右内筒34bに対する右前輪32の車体フレーム21の上下方向における変位を緩衝する。
右外筒34aと右内筒34bは、車体フレーム21の前後方向に並んで配列された一対のテレスコピック要素を構成している。
操舵装置7は、操舵力伝達機構6を含んでいる。操舵力伝達機構6は、ハンドルバー23とステアリングシャフト60を含んでいる。ハンドルバー23は、ステアリングシャフト60の上部に取り付けられている。ステアリングシャフト60は、その一部がヘッドパイプ211に回動可能に支持されている。ステアリングシャフト60の中間回動軸Zは、車体フレーム21の上下方向に延びている。図1に示すように、ステアリングシャフト60の上部は、その下部より後方に配置されている。したがって、ステアリングシャフト60の中間回動軸Zは、車体フレーム21の前後方向に傾斜している。ステアリングシャフト60は、乗員によるハンドルバー23の操作に応じて、中間回動軸Zを中心に回動する。
操舵力伝達機構6は、乗員がハンドルバー23を操作する操舵力を、左ブラケット317と右ブラケット327に伝達する。具体的な構成については、後に詳述する。
本実施形態に係る車両1においては、平行四節リンク(パラレログラムリンクとも呼ばれる)方式のリンク機構5を採用している。
図2に示すように、リンク機構5は、ハンドルバー23より下方に配置されている。リンク機構5は、左前輪31と右前輪32より上方に配置されている。リンク機構5は、上クロス部材51、下クロス部材52、左サイド部材53、および右サイド部材54を含んでいる。リンク機構5は、ハンドルバー23の操作に伴うステアリングシャフト60の中間回動軸Zを中心とする回動によらず、当該中間回動軸Zを中心に、車体フレーム21に対して回動しない。
上クロス部材51は、板状部材512を含んでいる。板状部材512は、ヘッドパイプ211の前方に配置されている。板状部材512は、車体フレーム21の左右方向に延びている。
上クロス部材51の中間部は、支持部Cによってヘッドパイプ211に支持されている。上クロス部材51は、支持部Cを通り車体フレーム21の前後方向に延びる中間上軸線を中心に、ヘッドパイプ211に対して回動可能である。
上クロス部材51の左端部は、支持部Dによって左サイド部材53に支持されている。上クロス部材51は、支持部Dを通り車体フレーム21の前後方向に延びる左上軸線を中心に、左サイド部材53に対して回動可能である。
上クロス部材51の右端部は、支持部Eによって右サイド部材54に支持されている。上クロス部材51は、支持部Eを通り車体フレーム21の前後方向に延びる右上軸線を中心に、右サイド部材54に対して回動可能である。
図3は、車両1の前部を車体フレーム21の上方から見た平面図である。図3において、車体フレーム21は直立状態にある。図3を参照する以降の説明は、車体フレーム21の直立状態を前提にしている。図3においては、破線で示すフロントカバー221と一対のフロントフェンダー223を透視した状態を示している。
図3に示すように、下クロス部材52は、前板状部材522aと後板状部材522bを含んでいる。前板状部材522aは、ヘッドパイプ211の前方に配置されている。後板状部材522bは、ヘッドパイプ211の後方に配置されている。前板状部材522aと後板状部材522bは、車体フレーム21の左右方向に延びている。前板状部材522aと後板状部材522bは、左連結ブロック523aと右連結ブロック523bにより連結されている。左連結ブロック523aは、ヘッドパイプ211より左方に配置されている。右連結ブロック523bは、ヘッドパイプ211より右方に配置されている。
下クロス部材52は、上クロス部材51より下方に配置されている。下クロス部材52の車体フレーム21の左右方向における長さ寸法は、上クロス部材51の車体フレーム21の左右方向における長さ寸法と同一または同等である。下クロス部材52は、上クロス部材51と平行に延びている。
下クロス部材52の中間部は、支持部Fによってヘッドパイプ211に支持されている。下クロス部材52は、支持部Fを通り車体フレーム21の前後方向に延びる中間下軸線を中心に回動可能である。
下クロス部材52の左端部は、支持部Gによって左サイド部材53に支持されている。下クロス部材52は、支持部Gを通り車体フレーム21の前後方向に延びる左下軸線を中心に回動可能である。
下クロス部材52の右端部は、支持部Hによって右サイド部材54に支持されている。下クロス部材52は、支持部Hを通り車体フレーム21の前後方向に延びる右下軸線を中心に回動可能である。
中間上軸線、右上軸線、左上軸線、中間下軸線、右下軸線、および左下軸線は、互いに平行に延びている。中間上軸線、右上軸線、左上軸線、中間下軸線、右下軸線、および左下軸線は、左前輪31と右前輪32より上方に配置されている。
図2と図3に示すように、左サイド部材53は、ヘッドパイプ211の左方に配置されている。左サイド部材53は、左前輪31より上方に配置されている。左サイド部材53は、ヘッドパイプ211が延びる方向に延びている。左サイド部材53は、ステアリングシャフト60の中間回動軸Zが延びる方向に延びている。左サイド部材53の上部は、その下部より後方に配置されている。
左サイド部材53の下部は、左ブラケット317に接続されている。左ブラケット317は、左サイド部材53に対して、左中心軸Xを中心に回動可能である。左中心軸Xは、左サイド部材53が延びる方向に延びている。図2に示すように、左中心軸Xは、車体フレーム21の上下方向において、ステアリングシャフト60の中間回動軸Zと平行に延びている。図3に示すように、左中心軸Xは、車体フレーム21の前後方向において、ステアリングシャフト60の中間回動軸Zと平行に延びている。
図2と図3に示すように、右サイド部材54は、ヘッドパイプ211の右方に配置されている。右サイド部材54は、右前輪32より上方に配置されている。右サイド部材54は、ヘッドパイプ211が延びる方向に延びている。右サイド部材54は、ステアリングシャフト60の中間回動軸Zが延びる方向に延びている。右サイド部材54の上部は、その下部より後方に配置されている。
右サイド部材54の下部は、右ブラケット327に接続されている。右ブラケット327は、右サイド部材54に対して、右中心軸Yを中心に回動可能である。右中心軸Yは、右サイド部材54が延びる方向に延びている。図2に示すように、右中心軸Yは、車体フレーム21の上下方向において、ステアリングシャフト60の中間回動軸Zと平行に延びている。図3に示すように、右中心軸Yは、車体フレーム21の前後方向において、ステアリングシャフト60の中間回動軸Zと平行に延びている。
以上説明したように、上クロス部材51、下クロス部材52、左サイド部材53、および右サイド部材54は、上クロス部材51と下クロス部材52が相互に平行な姿勢を保ち、左サイド部材53と右サイド部材54が相互に平行な姿勢を保つように、車体フレーム21に支持されている。
図2と図3に示すように、操舵力伝達機構6は、前述のハンドルバー23とステアリングシャフト60に加え、中間伝達プレート61、左伝達プレート62、右伝達プレート63、中間ジョイント64、左ジョイント65、右ジョイント66、およびタイロッド67を含んでいる。
中間伝達プレート61は、ステアリングシャフト60の下部に接続されている。中間伝達プレート61は、ステアリングシャフト60に対して相対回動不能である。中間伝達プレート61は、ヘッドパイプ211に対して、ステアリングシャフト60の中間回動軸Zを中心に回動可能である。中間伝達プレート61の前部は、その後部より車体フレーム21の左右方向における幅が狭くなっている。
左伝達プレート62は、中間伝達プレート61の左方に配置されている。左伝達プレート62は、左ブラケット317の下部に接続されている。左伝達プレート62は、左ブラケット317に対して相対回動不能である。左伝達プレート62は、左サイド部材53に対して、左中心軸Xを中心に回動可能である。左伝達プレート62の前部は、その後部より車体フレーム21の左右方向における幅が狭くなっている。
右伝達プレート63は、中間伝達プレート61の右方に配置されている。右伝達プレート63は、右ブラケット327の下部に接続されている。右伝達プレート63は、右ブラケット327に対して相対回動不能である。右伝達プレート63は、右サイド部材54に対して、右中心軸Yを中心に回動可能である。右伝達プレート63の前部は、その後部より車体フレーム21の左右方向における幅が狭くなっている。
図3に示すように、中間ジョイント64は、車体フレーム21の上下方向に延びる軸部を介して中間伝達プレート61の前部に連結されている。中間伝達プレート61と中間ジョイント64は、当該軸部を中心として相対回動可能とされている。左ジョイント65は、中間ジョイント64の左方に配置されている。左ジョイント65は、車体フレームの上下方向に延びる軸部を介して左伝達プレート62の前部に連結されている。左伝達プレート62と左ジョイント65は、当該軸部を中心として相対回動可能とされている。右ジョイント66は、中間ジョイント64の右方に配置されている。右ジョイント66は、車体フレームの上下方向に延びる軸部を介して右伝達プレート63の前部に連結されている。右伝達プレート63と右ジョイント66は、当該軸部を中心として相対回動可能とされている。
中間ジョイント64の前部には、車体フレーム21の前後方向に延びる軸部が設けられている。左ジョイント65の前部には、車体フレーム21の前後方向に延びる軸部が設けられている。右ジョイント66の前部には、車体フレーム21の前後方向に延びる軸部が設けられている。タイロッド67は、車体フレーム21の左右方向に延びている。タイロッド67は、これらの軸部を介して、中間ジョイント64、左ジョイント65、および右ジョイント66に連結されている。タイロッド67と中間ジョイント64は、中間ジョイント64の前部に設けられた軸部を中心として相対回動可能とされている。タイロッド67と左ジョイント65は、左ジョイント65の前部に設けられた軸部を中心として相対回動可能とされている。タイロッド67と右ジョイント66は、右ジョイント66の前部に設けられた軸部を中心として相対回動可能とされている。
次に図3と図4を参照しつつ、車両1の操舵動作について説明する。図4は、左前輪31と右前輪32を左転舵させた状態における車両1の前部を、車体フレーム21の上方から見た平面図である。図4においては、破線で示すフロントカバー221と一対のフロントフェンダー223を透視した状態を示している。
乗員がハンドルバー23を操作すると、ステアリングシャフト60は、中間回動軸Zを中心にヘッドパイプ211に対して回動する。図4に示す左転舵の場合、ステアリングシャフト60は、矢印Tの方向に回動する。ステアリングシャフト60の回動に伴って、中間伝達プレート61は、ヘッドパイプ211に対して、中間回動軸Zを中心に矢印Tの方向へ回動する。
中間伝達プレート61の矢印Tの方向への回動に伴って、タイロッド67の中間ジョイント64は、中間伝達プレート61に対して、矢印S方向に回動する。これにより、タイロッド67は、その姿勢を維持したまま右後方へ移動する。
タイロッド67の右後方への移動に伴って、タイロッド67の左ジョイント65と右ジョイント66は、それぞれ左伝達プレート62と右伝達プレート63に対して矢印S方向に回動する。これにより、タイロッド67はその姿勢を維持したまま、左伝達プレート62と右伝達プレート63が、矢印Tの方向に回動する。
左伝達プレート62が矢印Tの方向に回動すると、左伝達プレート62に対して相対回動不能である左ブラケット317が、左サイド部材53に対して、左中心軸Xを中心に、矢印Tの方向に回動する。
右伝達プレート63が矢印Tの方向に回動すると、右伝達プレート63に対して相対回動不能である右ブラケット327が、右サイド部材54に対して、右中心軸Yを中心に、矢印Tの方向に回動する。
左ブラケット317が矢印Tの方向に回動すると、左内筒33bを介して左ブラケット317に接続されている左緩衝機構33が、左サイド部材53に対して、左中心軸Xを中心に、矢印Tの方向に回動する。左緩衝機構33が矢印Tの方向に回動すると、左支持軸314を介して左緩衝機構33に支持されている左前輪31が、左サイド部材53に対して、左中心軸Xを中心に、矢印Tの方向に回動する。
右ブラケット327が矢印Tの方向に回動すると、右内筒34bを介して右ブラケット327に接続されている右緩衝機構34が、右サイド部材54に対して、右中心軸Yを中心に、矢印Tの方向に回動する。右緩衝機構34が矢印Tの方向に回動すると、右支持軸324を介して右緩衝機構34に支持されている右前輪32が、右サイド部材54に対して、右中心軸Yを中心に、矢印Tの方向に回動する。
右転舵するように乗員がハンドルバー23を操作すると、上述した各要素は、矢印Sの方向に回動あるいは回動する。各要素の動きは左右が逆になるのみであるため、詳細な説明は省略する。
以上説明したように、操舵力伝達機構6は、乗員によるハンドルバー23の操作に応じて、操舵力を左前輪31と右前輪32に伝達する。左前輪31と右前輪32は、それぞれ左中心軸Xと右中心軸Yを中心に、乗員によるハンドルバー23の操作方向に応じた方向に回動する。
次に図2と図5を参照しつつ、車両1の傾斜動作について説明する。図5は、車体フレーム21が車両1の左方に傾斜した状態における車両1の前部を、車体フレーム21の前方から見た正面図である。図5においては、破線で示すフロントカバー221と一対のフロントフェンダー223を透視した状態を示している。
図2に示すように、車体フレーム21の直立状態においては、車体フレーム21の前方から車両1を見ると、リンク機構5は長方形状をなしている。図5に示すように、車体フレーム21の傾斜状態においては、車体フレーム21の前方から車両1を見ると、リンク機構5は平行四辺形状をなしている。リンク機構5の変形と車体フレーム21の車両1の左右方向への傾斜は連動する。リンク機構5の作動とは、リンク機構5を構成する上クロス部材51、下クロス部材52、左サイド部材53、および右サイド部材54が、それぞれの支持部C〜Hを通る回動軸線を中心に相対回動し、リンク機構5の形状が変化することを意味している。
例えば図5に示すように、乗員が車両1を左方に傾斜させると、ヘッドパイプ211が鉛直方向に対して左方に傾斜する。ヘッドパイプ211が傾斜すると、上クロス部材51は、支持部Cを通る中間上軸線を中心に、ヘッドパイプ211に対して、車両1の前方から見て反時計回りに回動する。同様に、下クロス部材52は、支持部Fを通る中間下軸線を中心に、ヘッドパイプ211に対して、車両1の前方から見て反時計回りに回動する。これにより、上クロス部材51は、下クロス部材52に対して左方に移動する。
上クロス部材51の左方への移動に伴い、上クロス部材51は、支持部Dを通る左上軸線と支持部Eを通る右上軸線を中心に、それぞれ左サイド部材53と右サイド部材54に対して、車両1の前方から見て反時計回りに回動する。同様に、下クロス部材52は、支持部Gを通る左下軸線と支持部Hを通る右下軸線を中心に、それぞれ左サイド部材53と右サイド部材54に対して、車両1の前方から見て反時計回りに回動する。これにより、左サイド部材53と右サイド部材54は、ヘッドパイプ211と平行な姿勢を保ったまま、鉛直方向に対して左方に傾斜する。
このとき下クロス部材52は、タイロッド67に対して左方に移動する。下クロス部材52の左方への移動に伴い、中間ジョイント64、左ジョイント65、および右ジョイント66の各前部に設けられた軸部がタイロッド67に対して回動する。これにより、タイロッド67は、上クロス部材51および下クロス部材52と平行な姿勢を保つ。
左サイド部材53の左方への傾斜に伴い、左サイド部材53に接続されている左ブラケット317が左方に傾斜する。左ブラケット317の左方への傾斜に伴い、左ブラケット317に接続されている左緩衝機構33が左方に傾斜する。左緩衝機構33の左方への傾斜に伴い、左緩衝機構33に支持されている左前輪31が、ヘッドパイプ211と平行な姿勢を保ったまま左方に傾斜する。
右サイド部材54の左方への傾斜に伴い、右サイド部材54に接続されている右ブラケット327が左方に傾斜する。右ブラケット327の左方への傾斜に伴い、右ブラケット327に接続されている右緩衝機構34が左方に傾斜する。右緩衝機構34の左方への傾斜に伴い、右緩衝機構34に支持されている右前輪32が、ヘッドパイプ211と平行な姿勢を保ったまま左方に傾斜する。
上記の左前輪31と右前輪32の傾斜動作に係る説明は、鉛直方向を基準としている。しかしながら、車両1の傾斜動作時(リンク機構5の作動時)においては、車体フレーム21の上下方向と鉛直上下方向は一致しない。車体フレーム21の上下方向を基準とした場合、リンク機構5の作動時において、左前輪31と右前輪32は、車体フレーム21に対する相対位置が変化している。換言すると、リンク機構5は、左前輪31と右前輪32の車体フレーム21に対する相対位置を、車体フレーム21の上下方向に変更することにより、車体フレーム21を鉛直方向に対して傾斜させる。
乗員が車両1を右方に傾斜させると、各要素は右方に傾斜する。各要素の動きは左右が逆になるのみであるため、詳細な説明は省略する。
図6は、車両1を傾斜させ、かつ転舵させた状態における車両前部の正面図である。車両1が左方に傾斜した状態で左方に転舵した状態を示している。操舵動作により左前輪31と右前輪32が左方に回動され、傾斜動作により左前輪31と右前輪32が車体フレーム21とともに左方に傾斜している。すなわち、この状態においては、リンク機構5は平行四辺形状を呈しており、タイロッド67は、車体フレーム21の直立状態における位置から左後方に移動している。
次に、車両1が備える一対のフロントフェンダー223について詳細に説明する。図2から図4に示すように、車両1は、車体フレーム21の左右方向に並んで配置された左フロントフェンダー227と右フロントフェンダー228を備えている。左フロントフェンダー227と右フロントフェンダー228は、合成樹脂などによって成形されている。
左フロントフェンダー227は、左前輪31とともに回動可能に設けられている。左フロントフェンダー227は、左前輪31の上面31aの少なくとも一部を覆っている。ここで「左前輪31の上面31a」とは、左支持軸314より車体フレーム21の上下方向の上方に位置する左前輪31の外周面を意味する。
右フロントフェンダー228は、右前輪32とともに回動可能に設けられている。右フロントフェンダー228は、右前輪32の上面32aの少なくとも一部を覆っている。ここで「右前輪32の上面32a」とは、右支持軸324より車体フレーム21の上下方向の上方に位置する右前輪32の外周面を意味する。
図7と図8は、左フロントフェンダー227と右フロントフェンダー228のフロントカバー221に対する位置関係を模式的に示している。図7は、車両1の前部を車体フレーム21の前後方向の前方から見た正面図である。図7においては、破線で示すフロントカバー221を透視した状態を示している。図8は、車両1の前部を車体フレーム21の上下方向の上方から見た平面図である。図8においては、破線で示すフロントカバー221、および当該フロントカバー221の下方に位置する左フロントフェンダー227の一部と右フロントフェンダー228の一部を透視した状態を示している。図7と図8においては、車体フレーム21は直立状態にあり、操舵装置7により左前輪31および右前輪32が回動されていない状態を示している。ここで「左前輪31および右前輪32が回動されていない状態」とは、図8に示した左前輪31の前端と後端を通る直線CLの向き、および右前輪32の前端と後端を通る直線CRの向きが車体フレーム21の前後方向と一致している状態を意味する。言い換えれば、「左前輪31および右前輪32が回動されていない状態」とは、車両が直進しているときの左前輪31および右前輪32の状態である。但し、この状態は、車両が動いているか停止しているかを限定していない。この状態は、車両が動いている場合も停止している場合も含む。図7と図8を参照する以降の説明は、この状態を前提にしている。
次に、図9から図12を参照しつつ、左フロントフェンダー227と右フロントフェンダー228の具体的な形状について説明する。
図9は、図7と図8に示した状態において、左前輪31と左フロントフェンダー227を車体フレーム21の前後方向の前方から見た外観を示している。すなわち、図9においては、図示しない車体フレーム21は直立状態にあり、操舵装置7により左前輪31が回動されていない状態を示している。図9を参照する以降の説明は、この状態を前提にしている。右前輪32および右フロントフェンダー228は、左前輪31および左フロントフェンダー227と左右対称の構成を有している。対応する参照番号のみ括弧内に図示し、構造そのものの図示は省略する。
図10は、図7と図8に示した状態において、左前輪31と左フロントフェンダー227を車体フレーム21の左右方向の左方から見た外観を示している。すなわち、図10においては、図示しない車体フレーム21は直立状態にあり、操舵装置7により左前輪31が回動されていない状態を示している。図10を参照する以降の説明は、この状態を前提にしている。右前輪32および右フロントフェンダー228は、左前輪31および左フロントフェンダー227と左右対称の構成を有している。対応する参照番号のみ括弧内に図示し、構造そのものの図示は省略する。
図11は、左前輪31と左フロントフェンダー227を車体フレーム21の前後方向の前方から見た正面図であり、図10における線XI−XIに沿って左フロントフェンダー227のみを断面で示している。右前輪32および右フロントフェンダー228は、左前輪31および左フロントフェンダー227と左右対称の構成を有している。対応する参照番号のみ括弧内に図示し、構造そのものの図示は省略する。
図12は、図9における線XII−XIIに沿う左フロントフェンダー227の断面図である。右フロントフェンダー228は、左フロントフェンダー227と左右対称の構成を有している。対応する参照番号のみ括弧内に図示し、構造そのものの図示は省略する。
左フロントフェンダー227は、左取付部713を備えている。左取付部713は、左ブラケット317に固定される。これにより、左フロントフェンダー227は、操舵装置7による転舵に伴って左ブラケット317および左前輪31とともに回動される。また、左緩衝機構33の伸縮に伴い、左フロントフェンダー227と左前輪31との相対位置が変化する。
左フロントフェンダー227は、左上壁部711を有している。図11に示すように、左上壁部711は、左上内面711aを形成している。左上内面711aは、左前輪31の上面31aの一部に対向している。
左フロントフェンダー227は、左横壁部712を有している。図11に示すように、左横壁部712は、左横内面712aを形成している。左横内面712aは、左上内面711aから車体フレーム21の上下方向の下方に延びている。左横内面712aは、左前輪31の左側面31bに対向している。図10に示すように、左前輪31は、ホイール部311とその外周に装着されたタイヤ部312を含んでいる。「左前輪31の左側面31b」とは、ホイール部311とタイヤ部312を問わず、車体フレーム21の左右方向の左方に面している左前輪31の面を意味している。
左フロントフェンダー227は、左ガイド部717を有している。図11に示すように、左ガイド部717は、左ガイド面717aを形成している。左ガイド面717aは、左横内面712aから左前輪31の左側面31bに向かって車体フレーム21の左右方向の右方に延びている。
右フロントフェンダー228は、右取付部813を備えている。右取付部813は、右ブラケット327に固定される。これにより、右フロントフェンダー228は、操舵装置7による転舵に伴って右ブラケット327および右前輪32とともに回動される。また、右緩衝機構34の伸縮に伴い、右フロントフェンダー228と右前輪32との相対位置が変化する。
右フロントフェンダー228は、右上壁部811を有している。図11に示すように、右上壁部811は、右上内面811aを形成している。右上内面811aは、右前輪32の上面32aの一部に対向している。
右フロントフェンダー228は、右横壁部812を有している。図11に示すように、右横壁部812は、右横内面812aを形成している。右横内面812aは、右上内面811aから車体フレーム21の上下方向の下方に延びている。右横内面812aは、右前輪32の右側面32bに対向している。図10に示すように、右前輪32は、ホイール部321とその外周に装着されたタイヤ部322を含んでいる。「右前輪32の右側面32b」とは、ホイール部321とタイヤ部322を問わず、車体フレーム21の左右方向の右方に面している右前輪32の面を意味している。
右フロントフェンダー228は、右ガイド部817を有している。図11に示すように、右ガイド部817は、右ガイド面817aを形成している。右ガイド面817aは、右横内面812aから右前輪32の右側面32bに向かって車体フレーム21の左右方向の左方に延びている。
本願発明者らは、2つの前輪によって跳ね上げられた水がシートに着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生メカニズムを詳細に検証した。その結果、次のような現象が確認できた。
走行中に左前輪が跳ね上げた水は、左フロントフェンダーの内面に付着する。付着した水は、左フロントフェンダーの内面の下縁から左前輪の左方に水滴として落下する。落下した水滴は、左前輪の左方を後方に向かって速い速度で流れる空気によって後方へ加速され、左前輪より後方に設けられたシートに着座している乗員の脚部などにかかる。
走行中に右前輪が跳ね上げた水は、右フロントフェンダーの内面に付着する。付着した水は、右フロントフェンダーの内面の下縁から右前輪の右方に水滴として落下する。落下した水滴は、右前輪の右方を後方に向かって速い速度で流れる空気によって後方へ加速され、右前輪より後方に設けられたシートに着座している乗員の脚部などにかかる。
すなわち、上記の現象は、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並んで配置された2つの前輪を備える車両において、左前輪の左方および右前輪の右方を車体フレームの前後方向の後方に向かう速度の速い気流が発生することに起因する。換言すると、上記の現象は、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並んで配置された2つの前輪を備える車両に特有な現象であることがわかった。
そこで発明者らは、車両を小型化しつつ、車両の後方へ流れる水の量を抑制可能な構成を検討した。具体的には、走行中に車両の周囲を流れる空気の速度を詳細に解析した。図13は、その結果を示している。図13の(a)は、車体フレーム21の上下方向における乗員の腰の高さほどの位置において車両1の周囲を流れる空気の速度を示している。図13の(b)は、車両1の下部(2つの前輪3および後輪4の各前端より下方)の周囲を流れる空気の速度を示している。色の濃い場所ほど気流の速度が相対的に遅いことを表している。図中の符号25aは、パワーユニット25に含まれるエンジンを示している。図中の符号229は、乗員が足を載せるための足載せ部を示している。
この検討結果より、発明者らは、左前輪31の左側面31bおよび右前輪32の右側面32bに近い位置に空気の流れる速度が遅い空間が形成されることを見出した。そして、この解析により得られた知見に基づいて、左右のフロントフェンダー223の形状を工夫し、当該フロントフェンダーの内面から滴下する水を制御する構造を見出すに至った。
具体的には、傾斜可能な車体フレーム21と、その車体フレーム21の左右方向に並んで配置された2つの前輪3を備える車両1において、左フロントフェンダー227と右フロントフェンダー228は、車体フレーム21の左右方向に並んで設けられる。左フロントフェンダー227は、左前輪31の上面31aの一部に対向する左上内面711aを形成する左上壁部711と、左上内面711aから車体フレーム21の上下方向の下方に延び、左前輪31の左側面31bの一部に対向する左横内面712aを形成する左横壁部712と、左横内面712aから左前輪31の左側面31bに向かって車体フレーム21の左右方向の右方に延びる左ガイド面717aを形成する左ガイド部717と、を有している。右フロントフェンダー228は、右前輪32の上面32aの一部に対向する右上内面811aを形成する右上壁部811と、右上内面811aから車体フレーム21の上下方向の下方に延び、右前輪32の右側面32bの一部に対向する右横内面812aを形成する右横壁部812と、右横内面812aから右前輪32の右側面32bに向かって車体フレーム21の左右方向の左方に延びる右ガイド面817aを形成する右ガイド部817と、を有している。
このような構成によれば、車両1の走行時において、左フロントフェンダー227の左横壁部712の左方、および右フロントフェンダー228の右横壁部812の右方に、後方に向かう速い気流が発生する。他方、左フロントフェンダー227の左横壁部712と左前輪31の左側面31bの間、および右フロントフェンダー228の右横壁部812と右前輪32の右側面32bの間に気流の遅い空間が形成される。
左フロントフェンダー227の左上壁部711の左上内面711aは、左前輪31の上面31aの一部に対向しており、左前輪31が上方に跳ね上げた水を受け止める。左横壁部712の左横内面712aは、左上内面711aから下方に延びて左前輪31の左側面31bの一部に対向しており、左上内面711aが受けた水を下方へ伝えるとともに、左前輪31が左方に跳ね上げた水を受け止める。左ガイド部717の左ガイド面717aは、左横内面712aから左前輪31の左側面31bに向かって右方に延び、左横内面712aを伝わってきた水を、左フロントフェンダー227の左横壁部712より左前輪31の左側面31bに近い位置、すなわちより気流の速度が遅い位置へ導く。気流の速度が遅い空間においては、左ガイド部717から滴下した水が路面に向かって落下しやすいため、左前輪31により跳ね上げられた水が後方へ飛散することを抑制できる。
右フロントフェンダー228の右上壁部811の右上内面811aは、右前輪32の上面32aの一部に対向しており、右前輪32が上方に跳ね上げた水を受け止める。右横壁部812の右横内面812aは、右上内面811aから下方に延びて右前輪32の右側面32bの一部に対向しており、右上内面811aが受けた水を下方へ伝えるとともに、右前輪32が右方に跳ね上げた水を受け止める。右ガイド部817の右ガイド面817aは、右横内面812aから右前輪32の右側面32bに向かって左方に延び、右横内面812aを伝わってきた水を、右フロントフェンダー228の右横壁部812より右前輪32の右側面32bに近い位置、すなわちより気流の速度が遅い位置へ導く。気流の速度が遅い空間においては、右ガイド部817から滴下した水が路面に向かって落下しやすいため、右前輪32により跳ね上げられた水が後方へ飛散することを抑制できる。
また、左フロントフェンダー227の左ガイド部717は、左横内面712aから左前輪31の左側面31bに向かって車体フレーム21の左右方向の右方に延びる左ガイド面717aを有する。右フロントフェンダー228の右ガイド部817は、右横内面812aから右前輪32の右側面32bに向かって車体フレーム21の左右方向の左方に延びる右ガイド面817aを有する。左フロントフェンダー227と左前輪31の間および右フロントフェンダー228と右前輪32の間の空間を利用して左ガイド部717および右ガイド部817を設けたので、車両1を小型化できる。
したがって、傾斜可能な車体フレーム21と、その車体フレーム21の左右方向に並んで配置された2つの前輪3を備える車両1を小型化しつつ、当該2つの前輪3によって跳ね上げられた水がシートに着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生を抑制できる。
本実施形態においては、左ガイド部717の一部は、左横壁部712の下部に設けられている。ここで「左横壁部712の下部」とは、左横壁部712の上端より下端に近い領域を意味する。また、右ガイド部817の一部は、右横壁部812の下部に設けられている。ここで「右横壁部812の下部」とは、右横壁部812の上端より下端に近い領域を意味する。
このような構成によれば、より低い位置で水を左ガイド部717および右ガイド部817から滴下させることができる。これにより、滴下した水が後方に飛散しても、乗員の脚部などにかかりにくくできる。したがって、傾斜可能な車体フレーム21と、その車体フレーム21の左右方向に並んで配置された2つの前輪3を備える車両1を小型化しつつ、当該2つの前輪3によって跳ね上げられた水がシート24に着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生をより抑制できる。
図12に示すように、本実施形態においては、左ガイド部717は、連続的に延びる壁として形成されている。左ガイド部717は、左前輪31の左支持軸314(車輪軸の一例)より車体フレーム21の前後方向の前方と後方の双方に延びている。右ガイド部817は、連続的に延びる壁として形成されている。右ガイド部817は、右前輪32の右支持軸324(車輪軸の一例)より車体フレーム21の前後方向の前方と後方の双方に延びている。
このような構成によれば、左ガイド部717は、より広範囲において左横壁部712に沿って流れる水を左前輪31の左側面31bに近い位置に滴下させることができる。また、右ガイド部817は、より広範囲において右横壁部812に沿って流れる水を右前輪32の右側面32bに近い位置に滴下させることができる。したがって、傾斜可能な車体フレーム21と、その車体フレーム21の左右方向に並んで配置された2つの前輪3を備える車両1を小型化しつつ、当該2つの前輪3によって跳ね上げられた水がシート24に着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生をより抑制できる。
図12に示すように、左上壁部711の後部711bの一部と左横壁部712の後部712bの一部は、左ガイド部717より車体フレーム21の上下方向の下方に配置されている。ここで「左上壁部711の後部711b」とは、左上壁部711の前端より後端に近い領域を意味する。「左横壁部712の後部712b」とは、左横壁部712の前端より後端に近い領域を意味する。
図12に示すように、右上壁部811の後部811bの一部と右横壁部812の後部812bの一部は、右ガイド部817より車体フレーム21の上下方向の下方に配置されている。ここで「右上壁部811の後部811b」とは、右上壁部811の前端より後端に近い領域を意味する。「右横壁部812の後部812b」とは、右横壁部812の前端より後端に近い領域を意味する。
このような構成によれば、左ガイド部717から滴下して後方へ飛ばされる水を、左上壁部711の後部711bと左横壁部712の後部712bによって受け止めることができる。また、右ガイド部817から滴下して後方へ飛ばされる水を、右上壁部811の後部811bと右横壁部812の後部812bによって受け止めることができる。したがって、傾斜可能な車体フレーム21と、その車体フレーム21の左右方向に並んで配置された2つの前輪3を備える車両1を小型化しつつ、当該2つの前輪3によって跳ね上げられた水がシート24に着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生をより抑制できる。
図11における線C1は、左前輪31の車体フレーム21の左右方向における中心を示している。図9からも明らかなように、この線C1を対称軸とみなした場合、車体フレーム21の直立状態および操舵装置7の無転舵状態において車体フレーム21の前後方向の前方から見て、左フロントフェンダー227は、非対称な形状を有している。
図11における線C2は、右前輪32の車体フレーム21の左右方向における中心を示している。図9からも明らかなように、この線C2を対称軸とみなした場合、車体フレーム21の直立状態および操舵装置7の無転舵状態において車体フレーム21の前後方向の前方から見て、右フロントフェンダー228は、非対称な形状を有している。
左前輪31により跳ね上げられた水は、左前輪31の左側面31bより左方に設けられた左横壁部712と左ガイド部717によって後方への飛散を抑制される。左前輪31の右側面31cより右方には同様の構造を設ける必要性が低いため、当該箇所における左フロントフェンダー227の形状に関し、小型化のための設計自由度を高めることができる。同様に、右前輪32により跳ね上げられた水は、右前輪32の右側面32bより右方に設けられた右横壁部812と右ガイド部817によって後方への飛散を抑制される。右前輪32の左側面32cより左方には同様の構造を設ける必要性が低いため、当該箇所における右フロントフェンダー228の形状に関し、小型化のための設計自由度を高めることができる。したがって、傾斜可能な車体フレーム21と、その車体フレーム21の左右方向に並んで配置された2つの前輪3を備える車両1をより小型化しつつ、当該2つの前輪3によって跳ね上げられた水がシート24に着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生を抑制できる。
図10の(a)に示すように、車体フレーム21の左右方向の左方から見て、左横壁部712は、左前輪31の左支持軸314を通る地面G1に垂直な仮想線715と重なる部分D1を隙間なく覆っている。換言すると、部分D1には開口や隙間などが形成されていない。図10の(a)における領域A1の拡大図としての図10の(b)に示すように、左横壁部712における部分D1の下端部D1aは、車体フレーム21の左右方向の左方から見て、左前輪31のホイール部311と重なる位置に配置されている。
図10の(a)に示すように、車体フレーム21の左右方向の右方から見て、右横壁部812は、右前輪32の右支持軸324を通る地面G1に垂直な仮想線815と重なる部分D2を隙間なく覆っている。換言すると、部分D2には開口や隙間などが形成されていない。図10の(a)における領域A2の拡大図としての図10の(b)に示すように、右横壁部812における部分D2の下端部D2aは、車体フレーム21の左右方向の右方から見て、右前輪32のホイール部321と重なる位置に配置されている。
このような構成によれば、左前輪31により跳ね上げられ、左上内面711aおよび左横内面712aにより受け止められた水が、開口や隙間を通じて左横壁部712の外方へ流れ出して後方に飛散することがない。同様に、右前輪32により跳ね上げられ、右上内面811aおよび右横内面812aにより受け止められた水が、開口や隙間を通じて右横壁部812の外方へ流れ出して後方に飛散することがない。したがって、傾斜可能な車体フレーム21と、その車体フレーム21の左右方向に並んで配置された2つの前輪3を備える車両1を小型化しつつ、当該2つの前輪3によって跳ね上げられた水がシート24に着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生をより抑制できる。
図9と図10の(a)に示すように、左フロントフェンダー227は、その外面に稜線227a、227bを有している。稜線227a、227bは、左フロントフェンダー227の前端部より左横壁部712の外面に沿って車体フレーム21の前後方向の後方へ延びている。
図9と図10の(a)に示すように、右フロントフェンダー228は、その外面に稜線228a、228bを有している。稜線228a、228bは、右フロントフェンダー228の前端部より右横壁部812の外面に沿って車体フレーム21の前後方向の後方へ延びている。
左前輪31により跳ね上げられた水の一部は、左フロントフェンダー227の前端部より左横壁部712の外面に回り込む場合がある。しかしながら、上記の構成によれば、そのような水は稜線227a、227bによって整流され、左上壁部711の後部711bと左横壁部712の後部712bへと導かれる。これにより、左上内面711aや左横内面712aが受け止めきれなかった水の後方への飛散が抑制される。同様に、右前輪32により跳ね上げられた水の一部は、右フロントフェンダー228の前端部より右横壁部812の外面に回り込む場合がある。しかしながら、上記の構成によれば、そのような水は稜線228a、228bによって整流され、右上壁部811の後部811bと右横壁部812の後部812bへと導かれる。これにより、右上内面811aや右横内面812aが受け止めきれなかった水の後方への飛散が抑制される。したがって、傾斜可能な車体フレーム21と、その車体フレーム21の左右方向に並んで配置された2つの前輪3を備える車両1を小型化しつつ、当該2つの前輪3によって跳ね上げられた水がシート24に着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生をより抑制できる。
上記の実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは明らかである。
上記の実施形態においては、左フロントフェンダー227の左上壁部711は、左前輪31の上面31aの一部に対向する左上内面711aを形成している。しかしながら、左上壁部711は、左上内面711aが左前輪31の上面31aの全体に対向するような形状とされてもよい。
上記の実施形態においては、右フロントフェンダー228の右上壁部811は、右前輪32の上面32aの一部に対向する右上内面811aを形成している。しかしながら、右上壁部811は、右上内面811aが右前輪32の上面32aの全体に対向するような形状とされてもよい。
上記の実施形態においては、左フロントフェンダー227の左ガイド部717の一部は、左横壁部712の下部に設けられている。しかしながら、左横内面712aから左前輪31の左側面31bに向かって延びる左ガイド面717aを形成できれば、左ガイド部717の少なくとも一部は、左横壁部712の上部に形成されてもよい。
上記の実施形態においては、右フロントフェンダー228の右ガイド部817の一部は、右横壁部812の下部に設けられている。しかしながら、右横内面812aから右前輪32の右側面32bに向かって延びる右ガイド面817aを形成できれば、右ガイド部817の少なくとも一部は、右横壁部812の上部に形成されてもよい。
上記の実施形態においては、左ガイド部717は、車体フレーム21の前後方向に延びる部分を有している。しかしながら、左横内面712aから左前輪31の左側面31bに向かって延びる左ガイド面717aを形成できれば、左ガイド部717は、車体フレーム21の上下方向に延びる部分を有するように形成されてもよい。
上記の実施形態においては、右ガイド部817は、車体フレーム21の前後方向に延びる部分を有している。しかしながら、右横内面812aから右前輪32の右側面32bに向かって延びる右ガイド面817aを形成できれば、右ガイド部817は、車体フレーム21の上下方向に延びる部分を有するように形成されてもよい。
本実施形態においては、左ガイド部717は、左前輪31の左支持軸314より車体フレーム21の前後方向の前方と後方の双方に延びている。しかしながら、左ガイド部717は、左前輪31の左支持軸314より車体フレーム21の前後方向の前方と後方のいずれかに延びるように形成されてもよい。
本実施形態においては、右ガイド部817は、右前輪32の右支持軸324より車体フレーム21の前後方向の前方と後方の双方に延びている。しかしながら、右ガイド部817は、右前輪32の右支持軸324より車体フレーム21の前後方向の前方と後方のいずれかに延びるように形成されてもよい。
上記の実施形態においては、左ガイド部717と右ガイド部817の各々は、車体フレーム21の前後方向に連続的に延びる壁として形成されている。ここで「連続的に延びる壁」とは、複数の壁が水の通過を許容しない程度の間隔をあけて配列されている構成を含む意味である。しかしながら、左ガイド部717と右ガイド部817の各々は、水の通過を許容するような間隔をあけて配列された複数の部分により構成されてもよい。左ガイド部717と右ガイド部817の各々が車体フレームの上下方向に延びる部分を有する構成の場合、左ガイド部717と右ガイド部817の各々は、当該上下方向について、水の通過を許容するような間隔をあけて配列された複数の部分により構成されてもよい。
上記の実施形態においては、左フロントフェンダー227の左壁部712は、開口や隙間が形成されることなく、左前輪31の左側面31bの一部に対向している。しかしながら、左上内面711aおよび左横内面712aにより受け止められた水が左横壁部712の外方へ流れ出すことを防止できる位置に左ガイド部717が設けられていれば、左壁部712に開口や隙間が形成される構成としてもよい。
上記の実施形態においては、右フロントフェンダー228の右壁部812は、開口や隙間が形成されることなく、右前輪32の右側面32bの一部に対向している。しかしながら、右上内面811aおよび右横内面812aにより受け止められた水が右横壁部812の外方へ流れ出すことを防止できる位置に右ガイド部817が設けられていれば、右壁部812に開口や隙間が形成される構成としてもよい。
上記の実施形態においては、左フロントフェンダー227が左ブラケット317に固定されており、左緩衝機構33の伸縮に伴い、左フロントフェンダー227と左前輪31との相対位置が変化する。しかしながら、左フロントフェンダー227は、左緩衝機構33の左外筒33aに固定されてもよい。この場合、左フロントフェンダー227は、左緩衝機構33の伸縮に伴い左前輪31とともに変位する。換言すると、左フロントフェンダー227と左前輪31との相対位置が変化しない。
上記の実施形態においては、右フロントフェンダー228が右ブラケット327に固定されており、右緩衝機構34の伸縮に伴い、右フロントフェンダー228と右前輪32との相対位置が変化する。しかしながら、右フロントフェンダー228は、右緩衝機構34の右外筒34aに固定されてもよい。この場合、右フロントフェンダー228は、右緩衝機構34の伸縮に伴い右前輪32とともに変位する。換言すると、右フロントフェンダー228と右前輪32との相対位置が変化しない。
上記の実施形態においては、左フロントフェンダー227の形状と右フロントフェンダー228の形状とが左右対称である。しかしながら、前述の機能を有する左上内面711a、左横内面712a、左ガイド面717a、右上内面811a、右横内面812a、および右ガイド面817aを形成できれば、左フロントフェンダー227の形状と右フロントフェンダー228の形状とが左右非対称とされてもよい。
上記の実施形態においては、左緩衝機構33と右緩衝機構34は、それぞれ一対のテレスコピック機構を備えている。しかしながら、車両1の仕様に応じて、左緩衝機構33と右緩衝機構34がそれぞれ備えるテレスコピック機構の数は、1つであってもよい。
上記の実施形態においては、車両1は、1つの後輪4を備えている。しかしながら、後輪の数は、複数でもよい。
上記の実施形態においては、後輪4の車体フレーム21の左右方向における中央は、車体フレーム21の左右方向における左前輪31と右前輪32の間隔の中央と一致している。このような構成が好ましいものの、後輪4の車体フレーム21の左右方向における中央は、車体フレーム21の左右方向における左前輪31と右前輪32の間隔の中央と一致していなくてもよい。
上記の実施形態においては、リンク機構5は、上クロス部材51と下クロス部材52を備えている。しかしながら、リンク機構5は、上クロス部材51と下クロス部材52以外のクロス部材を備えていてもよい。「上クロス部材」と「下クロス部材」は、相対的な上下関係に基づいて命名しているに過ぎない。上クロス部材は、リンク機構5における最上位のクロス部材を意味していない。上クロス部材は、それより下方の別のクロス部材より上方にあるクロス部材を意味する。下クロス部材は、リンク機構5における最下位のクロス部材を意味していない。下クロス部材は、それより上方の別のクロス部材より下方にあるクロス部材を意味する。上クロス部材51と下クロス部材52の少なくとも一方は、右クロス部材と左クロス部材の2つの部品で構成されていてもよい。このように、上クロス部材51と下クロス部材52は、リンク機能を有する範囲で、複数のクロス部材で構成してもよい。
上記の実施形態においては、リンク機構5は、平行四節リンクを構成している。平行四節リンクは、いわゆるダブルウィッシュボーン方式のリンク機構と比較すると、リンク機構5を構成する部品群をフロントカバー221内に集約しやすく、車体フレーム21の左右方向における左前輪31と右前輪32の間隔を狭めやすい。したがって、傾斜可能な車体フレーム21と、その車体フレーム21の左右方向に並んで配置された2つの前輪3を備える車両1をより小型化しつつ、当該2つの前輪3によって跳ね上げられた水がシート24に着座した乗員の脚部などにかかる現象の発生を抑制できる。しかしながら、リンク機構5は、ダブルウィッシュボーン方式の構成を採用してもよい。
本明細書で用いられた用語および表現は、説明のために用いられたものであって、限定的に解釈するために用いられたものではない。本明細書に示され、かつ述べられた特徴事項のいかなる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されねばならない。
本明細書で用いられている「平行」という語は、±40°の範囲で傾斜するが、部材としては交わらない2つの直線も含む意味である。本明細書において方向や部材に関して用いられている「沿う」という語は、±40°の範囲で傾斜する場合も含む意味である。本明細書で用いられている「方向に延びる」という語は、当該方向に対して±40°の範囲で傾斜する場合も含む意味である。
本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。本明細書は、本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。本明細書において記載と図示の少なくとも一方がなされた好ましい実施形態は、当該実施形態に本発明が限定されることを意図するものではないという了解に基づいている。
本発明は、本明細書に開示された実施形態例に基づいて当業者によって認識されうる、均等な要素、修正、削除、組み合わせ(例えば、各種実施形態に跨る特徴の組み合わせ)、改良、変更を含むあらゆる実施形態も包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。そのような実施形態は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、本明細書において、「好ましくは」、「よい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」「よいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。
本出願の記載の一部を構成するものとして、2013年7月1日に提出された日本国特許出願2013−138484の内容、および2013年7月1日に提出された日本国特許出願2013−138485の内容を援用する。すなわち、以下に列挙する構成もまた、本出願の記載の一部を構成する。
(1):
車体フレームと、
前記車体フレームに対して回転可能に支持される操舵装置と、
車両の車幅方向中央より左側に配置されるとともに、前記操舵装置の回転動作に伴って動く第1前輪と、
車両の車幅方向中央より右側に配置されるとともに、前記操舵装置の回転動作に伴って動く第2前輪と、
前記第1前輪の上方に配置され、前記操舵装置の回転動作に伴って回動する前記第1前輪とともに回動する第1フロントフェンダーと、
前記第2前輪の上方に配置され、前記操舵装置の回転動作に伴って回動する前記第2前輪とともに回動する第2フロントフェンダーと、
を備え、
前記第1フロントフェンダーは、第1上部と、前記第1上部の左端部より下方に向かって延びるとともに、車両側面視で前記第1前輪の一部と重なる連続的な面を含む第1側部と、を有し、
前記第2フロントフェンダーは、第2上部と、前記第2上部の右端部より下方に向かって延びるとともに、車両側面視で前記第2前輪の一部と重なる連続的な面を含む第2側部と、を有する、
鞍乗型車両。
(2):
前記第1側部は、前記第1前輪の左側に向けて張り出すように形成され、
前記第2側部は、前記第2前輪の右側に向けて張り出すように形成されている、
(1)に記載の鞍乗型車両。
(3):
前記第1側部は、車両側面視で、前記第1前輪の第1車輪軸と交差し地面に垂直な仮想線と重なる部分を少なくとも隙間なく覆うように形成され、
前記第2側部は、車両側面視で、前記第2前輪の第2車輪軸と交差し地面に垂直な仮想線と重なる部分を少なくとも隙間なく覆うように形成されている、
(1)または(2)に記載の鞍乗型車両。
(4):
前記第1側部は、車両側面視において、前記第1前輪の上端部と重なるように形成され、
前記第2側部は、車両側面視において、前記第2前輪の上端部と重なるように形成されている、(1)から(3)のいずれかに記載の鞍乗型車両。
(5):
車両の無負荷状態において、前記第1フロントフェンダーの内壁面の最も高い部位は、車両正面視において、前記第1前輪の車幅方向の中心より左側に配置され、
車両の無負荷状態において、前記第2フロントフェンダーの内壁面の最も高い部位は、車両正面視において、前記第2前輪の車幅方向の中心より右側に配置される、(1)から(4)のいずれかに記載の鞍乗型車両。
(6):
前記第1側部の下端部には、前記第1前輪に向かって突出する第1リブが設けられ、
前記第2側部の下端部には、前記第2前輪に向かって突出する第2リブが設けられている、(1)から(5)のいずれかに記載の鞍乗型車両。
(7):
前記第1フロントフェンダーおよび前記第2フロントフェンダーは、車両正面視および車両上面視の少なくとも一方において、車両前部を覆う車体カバーの外縁線より外方に位置して連続的な面で構成された部分を有する、(1)から(6)のいずれかに記載の鞍乗型車両。

Claims (8)

  1. 車両であって、
    左旋回時に前記車両の左方へ傾斜し、右旋回時に前記車両の右方へ傾斜する車体フレームと、
    前記車体フレームに支持されたシートと、
    前記シートより前記車体フレームの前後方向の前方に、前記車体フレームの左右方向に並んで配置された左前輪および右前輪と、
    前記左前輪および前記右前輪を回動させる操舵装置と、
    前記左前輪とともに回動可能に設けられ、前記左前輪の上面の少なくとも一部を覆う左フロントフェンダーと、
    前記右前輪とともに回動可能に設けられ、前記右前輪の上面の少なくとも一部を覆う右フロントフェンダーと、
    を備えており、
    前記左フロントフェンダー及び前記右フロントフェンダーは、前記左右方向に並んで配置されており、
    前記左フロントフェンダーは、
    前記左前輪の上面の少なくとも一部に対向する左上内面を形成する左上壁部と、
    前記左上内面から前記上下方向の下方に延び、前記左前輪の左側面の一部に対向する左横内面を形成する左横壁部と、
    前記左横内面から前記左前輪の前記左側面に向かって前記左右方向の右方に延びる左ガイド面を形成する左ガイド部と、
    を有しており、
    前記右フロントフェンダーは、
    前記右前輪の上面の少なくとも一部に対向する右上内面を形成する右上壁部と、
    前記右上内面から前記上下方向の下方に延び、前記右前輪の右側面の一部に対向する右横内面を形成する右横壁部と、
    前記右横内面から前記右前輪の当該右側面に向かって前記左右方向の左方に延びる右ガイド面を形成する右ガイド部と、
    を有している、車両。
  2. 前記左ガイド部の少なくとも一部は、前記左横壁部の下部に設けられており、
    前記右ガイド部の少なくとも一部は、前記右横壁部の下部に設けられている、
    請求項1に記載の車両。
  3. 前記左ガイド部と前記右ガイド部の各々は、前記前後方向に延びる部分を有している、
    請求項1または2に記載の車両。
  4. 前記左ガイド部は、前記左前輪の車輪軸より前記前後方向の前方と後方の少なくとも一方に延びており、
    前記右ガイド部は、前記右前輪の車輪軸より前記前後方向の前方と後方の少なくとも一方に延びている、
    請求項3に記載の車両。
  5. 前記左ガイド部と前記右ガイド部の各々は、連続的に延びる壁である、
    請求項3または4に記載の車両。
  6. 前記左上壁部の後部の少なくとも一部と前記左横壁部の後部の少なくとも一部は、前記左ガイド部より前記上下方向の下方に配置されており、
    前記右上壁部の後部の少なくとも一部と前記右横壁部の後部の少なくとも一部は、前記右ガイド部より前記上下方向の下方に配置されている、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の車両。
  7. 前記車体フレームの直立状態および前記操舵装置により前記左前輪と前記右前輪が回動されていない状態において前記前後方向の前方から見て、前記左フロントフェンダーと前記右フロントフェンダーの各々は、非対称な形状を有している、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の車両。
  8. 前記右前輪および前記左前輪より前記上下方向の上方に配置され、前記車体フレームに対する前記左前輪および前記右前輪の相対位置を変更して前記車体フレームを前記左方または前記右方に傾斜させるリンク機構を備えており、
    前記リンク機構は、
    上クロス部材と、
    前記上クロス部材より下方に配置された下クロス部材と、
    前記左前輪より前記上下方向の上方に配置された左サイド部材と、
    前記右前輪より前記上下方向の上方に配置された右サイド部材と、
    を備えており、
    前記上クロス部材、前記下クロス部材、前記左サイド部材、および前記右サイド部材は、前記上クロス部材と前記下クロス部材が相互に平行な姿勢を保ち、前記左サイド部材と前記右サイド部材が相互に平行な姿勢を保つように連結されている、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の車両。
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