JPWO2014192653A1 - 伸縮軸用インナーシャフトおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

重量の増大を抑えつつ、雄スプライン部14bの外周面に合成樹脂製のコーティング層19aを形成するための仕上加工を容易に行うことができる伸縮軸用インナーシャフトの構造およびその製造方法を提供する。インナーシャフト15aの外周面に軸方向に伸長する凹溝22を、雄スプライン部14bを構成する雄スプライン溝23のうちの1本の雄スプライン溝23と軸方向に連続する状態で設ける。凹溝22のうち、雄スプライン部14bから軸方向に外れた部分により、コーティング層19aに仕上加工を施すための切削工具と、雄スプライン部14bの周方向に関する凹凸との位相合わせを図る。

Description

本発明は、自動車用ステアリング装置に使用されるステアリング装置用伸縮軸などを構成する、伸縮軸用インナーシャフトに関する。
自動車用ステアリング装置は、図9に示すように、ステアリングホイール1の動きをステアリングギヤ2に伝達するように構成される。具体的には、ステアリングホイール1の動きが、ステアリングシャフト3と、自在継手4aと、中間シャフト5と、自在継手4bとを介して、ステアリングギヤ2の入力軸6に伝達され、ステアリングギヤ2が、タイロッド7を押し引きすることにより、操舵輪に所望の舵角が付与される。なお、このステアリング装置には、電動モータ8により、運転者がステアリングホイール1に加えた力に応じた補助力をステアリングシャフト3に付与する、電動式パワーステアリング装置が組み込まれている。
このステアリング装置は、運転者の体格や運転姿勢に応じてステアリングホイール1の前後位置を調節するために、ステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3を回転自在に支持したステアリングコラム9とを伸縮させる構造を備える。具体的には、ステアリングシャフト3は、アウターシャフト10とインナーシャフト11とを、スプライン係合部により伸縮および回転力の伝達を自在に組み合わせた、いわゆるテレスコピックステアリングシャフトにより構成される。また、ステアリングコラム9は、アウターコラム12とインナーコラム13とを伸縮自在に組み合わせて構成される。
また、中間シャフト5も、衝突事故の際にステアリングホイール1が運転者側に突き上げられてしまうことを防止するために、伸縮構造を備える。図10は、従来の中間シャフトの構造の1例を示している。中間シャフト5は、前端部外周面に雄スプライン部14が設けられたインナーシャフト15と、内周面に雄スプライン部14を挿入自在な雌スプライン部16が形成された、円管状のアウターシャフト17とにより構成される。雌スプライン部16に雄スプライン部14をスプライン係合させることにより、インナーシャフト15とアウターシャフト17とが、伸縮自在に組み合わされる。インナーシャフト15とアウターシャフト17の基端部には、それぞれ自在継手4a、4bを構成する一方のヨーク18a、18bの基端部が溶接固定されている。
中間シャフト5は、通常時には、図10に示すように、インナーシャフト15の前端部にある雄スプライン部14が、アウターシャフト17の雌スプライン部16の後端寄り部分に存在する。衝突事故(一次衝突)により、車体の前部が押し潰され、ステアリングギヤ2が後方に押されると、インナーシャフト15(雄スプライン部14)がそのままの位置に止まったまま、アウターシャフト17が後方に変位して、雄スプライン部14が雌スプライン部16の奥部に入り込むように、中間シャフト5の全長が縮まる。このような構成により、ステアリングギヤ2の後方への変位に拘らず、ステアリングホイール1が後方に移動して、運転者側に向けて突き上げてしまうことを防止して、一次衝突時における運転者の保護が図られる。なお、二次衝突時に、ステアリングシャフト3がその全長を縮めることにより、ステアリングホイール1に衝突した運転者の保護が図られる。
中間シャフト5およびステアリングシャフト3などのステアリング装置用伸縮軸には、(1)操舵時に、アウターシャフトとインナーシャフトとの係合部に存在するバックラッシュに拘らず、がたつきなくトルクを伝達させる機能、および、(2)伸縮時に、小さな力で伸縮する機能が要求される。このため、特開2011−173464号公報、特開2005−042761号公報、特開2012−040949号公報などに記載されているように、インナーシャフトの雄スプライン部の外周面とアウターシャフトの雌スプライン部の内周面とのうちの少なくとも何れか一方に、滑りやすい(摩擦係数の低い)合成樹脂製のコーティング層が設けられている。
インナーシャフトの雄スプライン部の外周面にコーティング層を設ける場合、雄スプライン部の外周面に合成樹脂製の樹脂コーティングを施して樹脂層を形成した後、余剰部分を削り取って樹脂層の膜厚を均一にすると共に、表面粗さを向上させるための仕上加工が施される。仕上加工を施す際には、雄スプライン部の周方向に関する凹凸と、シェービングカッター、ブローチなどの切削工具との周方向に関する位相を正確に合わせることが重要になる。雄スプライン部と切削工具との周方向に関する位相のずれが大きくなると、コーティング層の周方向に関する厚さが不均一になってしまう可能性がある。
雄スプライン部と切削工具との周方向に関する位相合わせを図るために、図11に示すように、雄スプライン部14aの全長を長くして、雄スプライン部14aをアウターシャフト17の雌スプライン部16と係合しない部分にまで設けることが考えられる。すなわち、雄スプライン部14aの外周面のうち、先端部および中間部(基端寄り部分を除く部分)に樹脂層を形成した後、仕上加工を施す際には、雄スプライン部14aのうちで樹脂層により覆われていない基端寄り部分により、雄スプライン部14aと切削工具との周方向の位相合わせを図る。これにより、雄スプライン部14aのうちの基端寄り部分を除く部分の外周面に、膜厚が均一で、かつ、表面粗さが良好な合成樹脂製のコーティング層19を形成することができる。ただし、図11に示した構造では、雄スプライン部14aが、雌スプライン部16と係合しない部分にまで設けられるため、インナーシャフト15aの重量を徒に増大させてしまう。
特開2011−173464号公報には、雄スプライン部を構成する雄スプライン歯の先端部に、先端縁に向かうほど雄スプライン歯の歯厚および歯丈が小さくなるテーパ部を設けると共に、このような雄スプライン部を有するインナーシャフトをブローチ内に、周方向に関する相対回転を自在とした状態で押し込んで、樹脂層に仕上加工を施す技術が記載されている。この場合、テーパ部と、ブローチの内周面に形成された凹凸部との係合により、雄スプライン部が案内され、雄スプライン部の周方向に関する凹凸と、ブローチの内周面に形成した凹凸部との周方向に関する位相合わせを行うことができる。ただし、外周面に樹脂層が施された状態のテーパ部を利用して、雄スプライン部とブローチとの周方向に関する位相合わせを行うため、この位相合わせを正確に行えない可能性がある。また、テーパ部は、完成後にアウターシャフトの雌スプライン部と係合しない、本来は不要な部分であるため、テーパ部を設けた分だけ、インナーシャフトの重量を徒に増大させてしまう。
特開2011−173464号公報 特開2005−42761号公報 特開2012−40949号公報
本発明は、上述のような事情に鑑みて、重量の増大を抑えつつ、雄スプライン部の外周面を覆う合成樹脂製のコーティング層を形成するための仕上加工の際に、雄スプライン部と切削工具との周方向に関する位相合わせを容易に行うことを可能とする、伸縮軸用インナーシャフトの構造およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明の伸縮軸用インナーシャフトは、その先端部に設けられ、その中間部および基端部よりも外径が大きい結合杆部と、該結合杆部の外周面に設けられた雄スプライン部と、該雄スプライン部の外周面に形成された、ポリアミド樹脂(PA)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリアセタール(POM)などの合成樹脂製のコーティング層とを備える。
特に、本発明の伸縮軸用インナーシャフトにおいては、前記雄スプライン部の外周面全体が、軸方向にわたって、前記コーティング層により覆われている。該コーティング層の仕上加工の際に、シェービングカッター、ブローチなどの切削工具の周方向の位置決め(前記雄スプライン部と該切削工具との周方向に関する位相合わせ)を図るための位置決め手段(位置決め凹部または位置決め凸部)が、少なくともその一部が前記雄スプライン部から軸方向に外れた部分に位置する状態で、伸縮軸用インナーシャフトの外周面のうち、周方向に関して1箇所以上に設けられている。
好ましくは、前記位置決め手段を、該伸縮軸用インナーシャフトの中心軸と平行で軸方向に伸長する凹溝により構成する。この場合、前記凹溝の少なくとも一部を、前記雄スプライン部と軸方向に隣接する部分に位置させることができる。あるいは、前記凹溝を、前記雄スプライン部を構成し、軸方向に伸長する雄スプライン溝と軸方向に連続した状態で設けることができる。この場合、前記凹溝の軸方向長さが、前記雄スプライン溝の軸方向長さよりも長くなるように、該凹溝を設けることができる。また、前記凹溝の溝底の幅を、前記雄スプライン部を構成する雄スプライン溝の歯底の幅よりも小さくすることが好ましい。この場合、前記雄スプライン部を、軸方向に伸長する複数の雄スプライン歯および雄スプライン溝が周方向に交互に連続させて構成し、前記凹溝を、該複数の雄スプライン溝のうちの1以上の雄スプライン溝の溝底と、該1以上の雄スプライン溝から軸方向に外れた部分とに連続して形成して、前記コーティング層が、前記凹溝のうち前記雄スプライン溝の溝底に形成された部分を埋めた状態で、前記雄スプライン歯および雄スプライン溝の外形に沿った形状となるようにすることが好ましい。さらに、該伸縮軸用インナーシャフトが、前記基端部にヨークが設けられた、ステアリング装置用の中間シャフトなどのような構造を有する場合、特に、凹溝が周方向に180°位相をずらせた2箇所位置に形成されている場合には、前記凹溝が該ヨークと位相を一致するように形成されていることが好ましい。
また、本発明の伸縮式インナーシャフトにおいて、前記位置決め手段の周方向に関する個数(前記凹溝の本数)は、前記雄スプライン部を構成する雄スプライン溝の総数の2以上の約数とすることが好ましい。
本発明の伸縮軸用インナーシャフトの製造方法は、金属製の素材の先端部に、中間部および基端部よりも外径が大きい結合杆部を形成し、該結合杆部の外周面に雄スプライン部を設ける。そして、該雄スプライン部の外周面にその全体を覆うように合成樹脂の樹脂コーティングを、流動浸漬法、合成樹脂を射出する手段などにより施して、該雄スプライン部の外周面に樹脂層を形成する。その後、該樹脂層に、切削工具を用いた、余剰部分を削り取るためのシェービング加工、ブローチ加工などの切削加工による仕上加工を施して、該雄スプライン部の外周面に合成樹脂製のコーティング層を形成する。
特に、本発明の伸縮軸用インナーシャフトの製造方法においては、前記素材の外周面のうち周方向に関して1箇所以上に、少なくともその一部が前記雄スプライン部から軸方向に外れた部分に位置するように、位置決め手段(位置決め凹部または位置決め凸部)を形成する。そして、前記仕上加工を施す際に、該位置決め手段により、シェービングカッター、ブローチなどの切削工具の周方向の位置決め(前記雄スプライン部と該切削工具との周方向に関する位相合わせ)を図る。なお、前記素材を、棒状材料、円柱状材料、および、円筒状材料から選択し、前記雄スプライン部を、前記結合杆部に塑性加工を施すことにより形成することが好ましい。
本発明の伸縮軸用インナーシャフトおよびその製造方法によれば、重量の増大を抑えつつ、雄スプライン部の外周面に合成樹脂製のコーティング層を形成するための仕上加工の際に、雄スプライン部と切削工具との周方向に関する位相合わせを容易に行うことができる。すなわち、仕上加工の際に、切削工具の周方向に関する位置決め(雄スプライン部と切削工具との位相合わせ)を、伸縮軸用インナーシャフトの外周面に形成した位置決め手段のうち、樹脂層により覆われていない、雄スプライン部から軸方向に外れた部分に位置する部分を利用して行うことができるため、切削工具の位置決めを容易に行うことが可能である。また、雄スプライン部を、伸縮軸を構成するアウターシャフトの雌スプライン部と係合しない部分には形成する必要がないため、伸縮軸用インナーシャフトの重量が徒に増大してしまうことを防止できる。
図1(A)は、本発明の実施の形態の第1例を示す要部拡大側面図であり、図1(B)は、図1(A)のa−a断面図であり、図1(C)は、図1(A)のb−b断面図である。 図2は、凹溝の形状の別の2例を示す、図1(C)と同様の図である。 図3(A)〜図3(C)は、本発明の実施の形態の第2例を示す、図1(A)〜図1(C)と同様の図である。 図4(A)および図4(B)は、本発明の実施の形態の第2例を中間シャフトのインナーシャフトに適用した場合における、凹溝の形成位置の2例を示す側面図である。 図5(A)は、本発明の実施の形態の第3例を示す、図1(B)と同様の図であり、図5(B)は、第3例についての図1(C)と同様の図である。 図6は、本発明の実施の形態の第4例を示す、図1(B)と同様の図である。 図7(A)は、本発明の実施の形態の第5例を示す要部拡大側面図であり、図7(B)は、本発明の実施の形態の第6例を示す要部拡大側面図である。 図8(A)は、本発明の実施の形態の第7例を示す要部拡大側面図であり、図8(B)は、図8(A)のc−c断面図である。 図9は、従来のステアリング装置の1例の示す部分切断側面図である。 図10は、図9のステアリング装置から中間シャフトを取り出して示す部分切断側面図である。 図11は、インナーシャフトの雄スプライン部と切削工具との周方向に関する位相合わせを図るための従来構造の1例を説明するための要部拡大側面図である。
[実施の形態の第1例]
図1(A)〜図2(B)は、本発明の実施の形態の第1例を示している。なお、本例の特徴は、重量の増大を抑えつつ、雄スプライン部14bの外周面を覆った合成樹脂製の樹脂層に仕上加工を施す際に、雄スプライン部14bと仕上加工に使用する切削工具との位相合わせを容易に行うための構造およびその製造方法にある。その他の部分の構成および作用は、従来構造と同様である。
本例のインナーシャフト15bの先端部(図1の左端部)は、基端部および中間部よりも外径の大きい結合杆部20により構成され、結合杆部20の外周面に雄スプライン部14bが設けられている。雄スプライン部14bは、それぞれがインナーシャフト15bの中心軸に平行で、結合杆部20の軸方向にわたって伸長する複数の雄スプライン歯21を、周方向に等ピッチで配置することにより構成される。なお、これらの雄スプライン歯21の歯厚および歯丈は、軸方向端縁に形成した面取り部を除き、軸方向にわたって一定となっている。また、周方向に隣り合う雄スプライン歯21同士の間部分には、それぞれ雄スプライン溝23が設けられている。すなわち、雄スプライン部14bは、軸方向に伸長する複数の雄スプライン歯21および雄スプライン溝23が周方向に交互に連続することにより構成されている。雄スプライン部14bの外周面全体には、軸方向にわたって、ポリアミド樹脂(PA)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリアセタール樹脂(POM)などの滑りやすい(摩擦係数の低い)合成樹脂製で、膜厚が10μm〜1000μm程度で一定、かつ、表面粗さRaが0.05μm〜15μm程度のコーティング層19aが形成されている。コーティング層19aは、雄スプライン歯21および雄スプライン溝23の外形に沿った形状となっており、雄スプライン歯部25および雄スプライン溝部26により構成される。
本例の場合、インナーシャフト15bの外周面のうち、1本の雄スプライン溝23と周方向に関する位相が一致する部分で、インナーシャフト15bの先端縁から雄スプライン部14bから軸方向に外れた中間部に掛かる範囲にわたって、位置決め手段(位置決め凹部)に相当する、凹溝22が設けられている。すなわち、凹溝22は、インナーシャフト15bの中心軸に平行で軸方向に、かつ、雄スプライン溝23よりも長く伸長する。本例の場合、図1(B)および図1(C)に示すように、凹溝22の断面形状を台形状としている。ただし、凹溝22の断面形状は、図2(A)に示すような矩形状、あるいは、図2(B)に示すような三角形状とすることもできる。なお、何れの断面形状を採用する場合でも、耐破断性を十分に確保する観点から、凹溝22の溝底の周方向における幅(W22)は、雄スプライン溝23の歯底の周方向における幅(W23)よりも小さくすることが好ましい。本例では、1本の凹溝22が、1本の雄スプライン溝23の溝底と、この雄スプライン溝23から軸方向に外れた部分とに連続して形成されている。なお、コーティング層19aが、凹溝22のうち雄スプライン溝23の溝底に形成された部分を埋めるため、コーティング層19aの雄スプライン歯部25および雄スプライン溝部26は、凹溝22がなかった場合の雄スプライン歯21および雄スプライン溝23の外形に沿った形状となっている。
本例のインナーシャフト15bを製造する場合、まず、炭素鋼などの金属製で円柱状の素材の中間部および基端部に切削加工を施して、この素材の先端部を、中間部および基端部よりも外径が大きい結合杆部20により構成する。なお、金属製の素材としては、伸縮軸の用途などに応じて、円柱状材料のほか、棒状材料、円筒状材料も用いることができる。結合杆部20の外周面に、冷間鍛造、ホブ加工、転造加工などの塑性加工を用いたスプライン加工を施して、複数(図示の例では18本)の雄スプライン溝23および複数の雄スプライン歯21を形成することにより、雄スプライン部14bを設ける。さらに、インナーシャフト15bの外周面のうち、1本の雄スプライン溝23と周方向に関する位相が一致する部分で、インナーシャフト15bの先端縁から、雄スプライン部14bから軸方向に外れた中間部に掛かる範囲に、軸方向に伸長する凹溝22を設ける。凹溝22を、雄スプライン溝23を形成する際に、冷間鍛造、ホブ加工、転造加工などの塑性加工により同時に形成することが好ましい。ただし、凹溝22を、雄スプライン部14bを設けた後、切削加工などにより形成することもできる。
何れにしても、インナーシャフト15bの外周面に凹溝22を設けた後、雄スプライン部14bの外周面に、滑りやすい(摩擦係数の低い)合成樹脂製の樹脂コーティングを、流動浸漬法や合成樹脂を射出する方法などにより、当該部分に樹脂層を形成する。このようにして得られた中間素材を、樹脂層にシェービング加工、ブローチ加工などの切削加工による仕上加工を施すための加工装置のホルダに保持する。この際、切削加工に用いる切削工具の周方向の位置決めに、凹溝22を利用する、すなわち、凹溝22をホルダの一部に係合させたり、あるいは、凹溝22を目視またはセンサにより検知したりすることにより、雄スプライン部14bの周方向に関する凹凸と、シェービングカッター、ブローチなどの切削工具との周方向の位相合わせを図った上で、この中間素材を加工装置のホルダに保持する。そして、シェービングカッター、ブローチなどの切削工具を用いて、樹脂層に仕上加工を施して余剰部分を削り取ることにより、雄スプライン部14bの外周面全体に、雄スプライン部25および雄スプライン部26により構成されるコーティング層19aを形成して、インナーシャフト15bを得る。コーティング層19aは、凹溝22の底面を覆う部分を除いて膜厚が均一であり、かつ、表面粗さが良好である。
本例のインナーシャフト15bによれば、重量の増大を抑えつつ、雄スプライン部14bと、仕上加工のための切削工具との周方向に関する位相合わせを容易に行うことができると共に、雄スプライン部14bの外周面に、膜厚が均一で、かつ、表面粗さが良好な合成樹脂製のコーティング層19aを容易に形成することができる。すなわち、雄スプライン部14bの外周面を覆う樹脂層に余剰部分を削り取る仕上加工を施す際に、雄スプライン部14bと切削工具との周方向に関する位相合わせを、凹溝22のうち雄スプライン部14bから軸方向に外れた部分を利用することによって容易に行うことができる。また、本例の場合、凹溝22を、インナーシャフト15bの外周面のうち、雄スプライン部14bから軸方向に外れた部分にまで設けている。したがって、雄スプライン部14bと切削工具との周方向に関する位相合わせを行うために、雄スプライン部14bを、アウターシャフトの雌スプライン部と係合しない部分にまで形成する必要がない。このため、インナーシャフト15bの重量が徒に増大することを防止することができる。さらに、凹溝22を形成したことにより、インナーシャフト15bの重量の低減を図ることもできる。
なお、本例において、位置決め手段として、凹溝22に代えて、伸縮軸用インナーシャフト15bの雄スプライン部14bと切削工具との周方向に関する位相合わせを行うための位置決め凸部を、少なくともその一部が雄スプライン部14bから軸方向に外れた部分に位置する状態で、伸縮軸用インナーシャフト15bの外周面に設けることもできる。この場合、位置決め凸部を、雄スプライン部14bを構成する雄スプライン歯21と軸方向に連続した状態で設けることができる。
[実施の形態の第2例]
図3(A)〜図4(B)は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合、インナーシャフト15cの先端部および中間部の外周面のうち、径方向反対側2箇所位置に凹溝22を、径方向反対側2箇所位置に存在する雄スプライン溝23と軸方向に連続する状態で設けている。また、本例の場合、凹溝22の本数を、雄スプライン溝23の総数(図示の例では18個)の2以上の約数である、2本としている。このため、インナーシャフト15cの先端部の形状を、周方向に関して対称にできるため、凹溝22を加工する際に、曲がりなどの変形が生じることを防止できる。
なお、本例においても、凹溝22の溝底の周方向における幅(W22)は、雄スプライン部14bを構成する雄スプライン溝23の歯底の周方向における幅(W23)よりも小さくすることが好ましい(W22<W23)。本例のように2本の凹溝22を180°位相をずらして互いに対向するように配置し、凹溝22の幅(W22)を、雄スプライン溝23の歯底の幅(W23)よりも小さくすることにより(W22<W23)、伸縮軸が使用により応力を継続的あるいは繰り返し受けて疲労した場合や、伸縮軸に衝撃的に大きなトルクが入力された場合でも、インナーシャフト15cが軸方向に破断することなく、最初に、インナーシャフト15cの内部で、凹溝22の存在する軸方向範囲内で、2本の凹溝22の間に径方向に亀裂が発生する。このような亀裂の生じた状態で、伸縮軸を使用するとがたつきなどの異常が発生し、このような伸縮軸を備えたステアリング装置の使用者が異常を容易に感知することができる。また、インナーシャフト15cが軸方向に破断するわけではないため、このような場合でも、伸縮時によるトルク伝達は確実に行われる。
また、本例のインナーシャフト15cをステアリング装置のうちの中間シャフト5に適用する場合、すなわち、インナーシャフト15cの基端部にヨーク18aが設けられている場合には、凹溝22の周方向の形成位置は任意ではあるが、図4(A)に示すように、凹溝22をヨーク18aとの位相を90°異ならせて形成するよりも、図4(B)に示すように、凹溝22をヨーク18aの位相と一致するように形成することが好ましい。中間シャフト5にトルクが入力されると、回転方向にトルクが加わるほか、中間シャフト5にはヨーク18aの形成方向(図4および図10の上下方向)に中間シャフト5を揺動湾曲させる方向のモーメントが加わる。図4(A)に示すような凹溝22の配置では、凹溝22が上述したトルクとモーメントの両方の影響を受けやすく、インナーシャフト15cに、凹溝22を基点とする亀裂が生じやすい傾向となる。図4(b)に示すような凹溝22の配置では、凹溝22は、上述したモーメントの影響は受けにくく、トルクの影響のみを受けるため、亀裂などに起因する不具合を回避でき、インナーシャフト15cの強度設計が容易となる。したがって、凹溝22とヨーク18aの位相が一致するように凹溝22を形成することが好ましい。なお、この点は、実施の形態の第1例のように凹溝22を周方向1箇所に設ける場合にも適用可能である。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
図5(A)および図5(B)は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合、インナーシャフト15dの先端部および中間部の外周面のうち、周方向3箇所位置に、互いに等間隔に、雄スプライン部14bを構成する雄スプライン溝23と軸方向にそれぞれ連続する、凹溝22を設けている。すなわち、本例の場合も、凹溝22の本数は、雄スプライン溝の総数(18個)の約数(3本)としている。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第2例と同様である。
[実施の形態の第4例]
図6は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合、凹溝22aを、インナーシャフト15eの外周面のうち、雄スプライン部14bと軸方向に隣接する部分の周方向3箇所位置に、互いに等間隔に形成している。また、凹溝22aを、雄スプライン部14bを構成する雄スプライン溝23と周方向に関する位相をずらした(図示の例の場合には、1/4ピッチ分だけずらした)状態で形成している。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第3例と同様である。
[実施の形態の第5例および第6例]
図7(A)は、本発明の実施の形態の第5例を、図7(B)は、本発明の実施の形態の第6例を、それぞれ示している。図7(A)に示す第5例の場合、凹溝22bを、インナーシャフト15fの外周面のうち、先端縁から基端寄り部分に掛けての部分に形成している。すなわち、凹溝22bの軸方向長さを、実施の形態の第1例および第2例の凹溝22よりも長くしている。一方、図7(B)に示す第6例の場合、凹溝22cを、インナーシャフト15gの外周面のうち、雄スプライン部14bから軸方向に外れた、中間部から基端部に掛けての部分に形成している。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第1例〜第3例と同様である。
[実施の形態の第7例]
図8(A)および図8(B)は、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例の場合、インナーシャフト15hの外周面のうち、雄スプライン部14bから軸方向に外れた中間部に、位置決め凹部に相当する、半球面状の凹部24を設けている。なお、凹部24の形状に関しては、雄スプライン部14bと切削工具との周方向に関する位置決めを図ることができれば、半球面状に限定されることなく任意である。また、凹部24の周方向に関する個数も、図示の例のように1個でもよく、複数、好ましくは、雄スプライン溝23(図1参照)の総数の2以上の約数とすることもできる。さらに、図示の例では、凹部24は軸方向1箇所に設けているが、軸方向に離間した2箇所以上に設けることもできる。本例でも、半球面状の凹部24に代替して、半球面状の凸部を設けることもできる。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第1例および第2例と同様である。
本発明は、自動車用ステアリング装置を構成するステアリングシャフトや中間シャフトなどの伸縮軸を構成する伸縮軸用インナーシャフトに広く適用することが可能である。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤ
3 ステアリングシャフト
4a、4b 自在継手
5 中間シャフト
6 入力軸
7 タイロッド
8 電動モータ
9 ステアリングコラム
10 アウターシャフト
11 インナーシャフト
12 アウターコラム
13 インナーコラム
14、14a、14b 雄スプライン部
15、15a〜15h インナーシャフト
16 雌スプライン部
17 アウターシャフト
18a、18b ヨーク
19、19a コーティング層
20 結合杆部
21 雄スプライン歯
22、22a〜22c 凹溝
23 雄スプライン溝
24 凹部
25 雄スプライン歯部
26 雄スプライン溝部
本発明は、自動車用ステアリング装置に使用されるステアリング装置用伸縮軸などを構成する、伸縮軸用インナーシャフトに関する。
自動車用ステアリング装置は、図9に示すように、ステアリングホイール1の動きをステアリングギヤ2に伝達するように構成される。具体的には、ステアリングホイール1の動きが、ステアリングシャフト3と、自在継手4aと、中間シャフト5と、自在継手4bとを介して、ステアリングギヤ2の入力軸6に伝達され、ステアリングギヤ2が、タイロッド7を押し引きすることにより、操舵輪に所望の舵角が付与される。なお、このステアリング装置には、電動モータ8により、運転者がステアリングホイール1に加えた力に応じた補助力をステアリングシャフト3に付与する、電動式パワーステアリング装置が組み込まれている。
このステアリング装置は、運転者の体格や運転姿勢に応じてステアリングホイール1の前後位置を調節するために、ステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3を回転自在に支持したステアリングコラム9とを伸縮させる構造を備える。具体的には、ステアリングシャフト3は、アウターシャフト10とインナーシャフト11とを、スプライン係合部により伸縮および回転力の伝達を自在に組み合わせた、いわゆるテレスコピックステアリングシャフトにより構成される。また、ステアリングコラム9は、アウターコラム12とインナーコラム13とを伸縮自在に組み合わせて構成される。
また、中間シャフト5も、衝突事故の際にステアリングホイール1が運転者側に突き上げられてしまうことを防止するために、伸縮構造を備える。図10は、従来の中間シャフトの構造の1例を示している。中間シャフト5は、前端部外周面に雄スプライン部14が設けられたインナーシャフト15と、内周面に雄スプライン部14を挿入自在な雌スプライン部16が形成された、円管状のアウターシャフト17とにより構成される。雌スプライン部16に雄スプライン部14をスプライン係合させることにより、インナーシャフト15とアウターシャフト17とが、伸縮自在に組み合わされる。インナーシャフト15とアウターシャフト17の基端部には、それぞれ自在継手4a、4bを構成する一方のヨーク18a、18bの基端部が溶接固定されている。
中間シャフト5は、通常時には、図10に示すように、インナーシャフト15の前端部にある雄スプライン部14が、アウターシャフト17の雌スプライン部16の後端寄り部分に存在する。衝突事故(一次衝突)により、車体の前部が押し潰され、ステアリングギヤ2が後方に押されると、インナーシャフト15(雄スプライン部14)がそのままの位置に止まったまま、アウターシャフト17が後方に変位して、雄スプライン部14が雌スプライン部16の奥部に入り込むように、中間シャフト5の全長が縮まる。このような構成により、ステアリングギヤ2の後方への変位に拘らず、ステアリングホイール1が後方に移動して、運転者側に向けて突き上げてしまうことを防止して、一次衝突時における運転者の保護が図られる。なお、二次衝突時に、ステアリングシャフト3がその全長を縮めることにより、ステアリングホイール1に衝突した運転者の保護が図られる。
中間シャフト5およびステアリングシャフト3などのステアリング装置用伸縮軸には、(1)操舵時に、アウターシャフトとインナーシャフトとの係合部に存在するバックラッシュに拘らず、がたつきなくトルクを伝達させる機能、および、(2)伸縮時に、小さな力で伸縮する機能が要求される。このため、特開2011−173464号公報、特開2005−042761号公報、特開2012−040949号公報などに記載されているように、インナーシャフトの雄スプライン部の外周面とアウターシャフトの雌スプライン部の内周面とのうちの少なくとも何れか一方に、滑りやすい(摩擦係数の低い)合成樹脂製のコーティング層が設けられている。
インナーシャフトの雄スプライン部の外周面にコーティング層を設ける場合、雄スプライン部の外周面に合成樹脂製の樹脂コーティングを施して樹脂層を形成した後、余剰部分を削り取って樹脂層の膜厚を均一にすると共に、表面粗さを向上させるための仕上加工が施される。仕上加工を施す際には、雄スプライン部の周方向に関する凹凸と、シェービングカッター、ブローチなどの切削工具との周方向に関する位相を正確に合わせることが重要になる。雄スプライン部と切削工具との周方向に関する位相のずれが大きくなると、コーティング層の周方向に関する厚さが不均一になってしまう可能性がある。
雄スプライン部と切削工具との周方向に関する位相合わせを図るために、図11に示すように、雄スプライン部14aの全長を長くして、雄スプライン部14aをアウターシャフト17の雌スプライン部16と係合しない部分にまで設けることが考えられる。すなわち、雄スプライン部14aの外周面のうち、先端部および中間部(基端寄り部分を除く部分)に樹脂層を形成した後、仕上加工を施す際には、雄スプライン部14aのうちで樹脂層により覆われていない基端寄り部分により、雄スプライン部14aと切削工具との周方向の位相合わせを図る。これにより、雄スプライン部14aのうちの基端寄り部分を除く部分の外周面に、膜厚が均一で、かつ、表面粗さが良好な合成樹脂製のコーティング層19を形成することができる。ただし、図11に示した構造では、雄スプライン部14aが、雌スプライン部16と係合しない部分にまで設けられるため、インナーシャフト15aの重量を徒に増大させてしまう。
特開2011−173464号公報には、雄スプライン部を構成する雄スプライン歯の先端部に、先端縁に向かうほど雄スプライン歯の歯厚および歯丈が小さくなるテーパ部を設けると共に、このような雄スプライン部を有するインナーシャフトをブローチ内に、周方向に関する相対回転を自在とした状態で押し込んで、樹脂層に仕上加工を施す技術が記載されている。この場合、テーパ部と、ブローチの内周面に形成された凹凸部との係合により、雄スプライン部が案内され、雄スプライン部の周方向に関する凹凸と、ブローチの内周面に形成した凹凸部との周方向に関する位相合わせを行うことができる。ただし、外周面に樹脂層が施された状態のテーパ部を利用して、雄スプライン部とブローチとの周方向に関する位相合わせを行うため、この位相合わせを正確に行えない可能性がある。また、テーパ部は、完成後にアウターシャフトの雌スプライン部と係合しない、本来は不要な部分であるため、テーパ部を設けた分だけ、インナーシャフトの重量を徒に増大させてしまう。
特開2011−173464号公報 特開2005−42761号公報 特開2012−40949号公報
本発明は、上述のような事情に鑑みて、重量の増大を抑えつつ、雄スプライン部の外周面を覆う合成樹脂製のコーティング層を形成するための仕上加工の際に、雄スプライン部と切削工具との周方向に関する位相合わせを容易に行うことを可能とする、伸縮軸用インナーシャフトの構造およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明の伸縮軸用インナーシャフトは、その先端部に設けられ、その中間部および基端部よりも外径が大きい結合杆部と、該結合杆部の外周面に設けられた雄スプライン部と、該雄スプライン部の外周面に形成された、ポリアミド樹脂(PA)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリアセタール(POM)などの合成樹脂製のコーティング層とを備える。
特に、本発明の伸縮軸用インナーシャフトにおいては、前記雄スプライン部の外周面全体が、軸方向にわたって、前記コーティング層により覆われている。該コーティング層の仕上加工の際に、シェービングカッター、ブローチなどの切削工具の周方向の位置決め(前記雄スプライン部の周方向に関する凹凸と該切削工具との周方向に関する位相合わせ)を図るための位置決め手段が、少なくともその一部が前記雄スプライン部から軸方向に外れた部分に位置する状態で、伸縮軸用インナーシャフトの外周面のうち、周方向に関して1箇所以上に設けられている。なお、前記仕上加工とは、前記雄スプライン部の外周面に合成樹脂製の樹脂コーティングを施して樹脂層を形成した後で、切削工具を用いて余剰部分を削り取るものである。
前記位置決め手段を、該伸縮軸用インナーシャフトの中心軸と平行で軸方向に伸長する凹溝により構成する。この場合、前記凹溝の少なくとも一部を、前記雄スプライン部と軸方向に隣接する部分に位置させることができる。そして、前記凹溝を、前記雄スプライン部を構成し、軸方向に伸長する雄スプライン溝と軸方向に連続した状態で設ける。この場合、前記凹溝の軸方向長さが、前記雄スプライン溝の軸方向長さよりも長くなるように、該凹溝を設けることができる。また、前記凹溝の溝底の幅を、前記雄スプライン部を構成する雄スプライン溝の歯底の幅よりも小さくすることが好ましい。この場合、前記雄スプライン部を、軸方向に伸長する複数の雄スプライン歯および雄スプライン溝が周方向に交互に連続させて構成し、前記凹溝を、該複数の雄スプライン溝のうちの1以上の雄スプライン溝の溝底と、該1以上の雄スプライン溝から軸方向に外れた部分とに連続して形成して、前記コーティング層が、前記凹溝のうち前記雄スプライン溝の溝底に形成された部分を埋めた状態で、前記雄スプライン歯および雄スプライン溝の外形に沿った形状となるようにする。さらに、該伸縮軸用インナーシャフトが、前記基端部に1対の腕部を備える二股状のヨークが設けられた、ステアリング装置用の中間シャフトなどのような構造を有する場合、特に、凹溝が周方向に180°位相をずらせた2箇所位置に形成されている場合には、前記凹溝が前記腕部と周方向に関する位相を一致するように形成されていることが好ましい。
また、本発明の伸縮式インナーシャフトにおいて、前記位置決め手段の周方向に関する個数(前記凹溝の本数)は、前記雄スプライン部を構成する雄スプライン溝の総数の2以上の約数とすることが好ましい。
本発明の伸縮軸用インナーシャフトの製造方法は、金属製の素材の先端部に、中間部および基端部よりも外径が大きい結合杆部を形成し、該結合杆部の外周面に雄スプライン部を設ける。そして、該雄スプライン部の外周面にその全体を覆うように合成樹脂の樹脂コーティングを、流動浸漬法、合成樹脂を射出する手段などにより施して、該雄スプライン部の外周面に樹脂層を形成する。その後、該樹脂層に、切削工具を用いた、余剰部分を削り取るためのシェービング加工、ブローチ加工などの切削加工による仕上加工を施して、該雄スプライン部の外周面に合成樹脂製のコーティング層を形成する。
特に、本発明の伸縮軸用インナーシャフトの製造方法においては、前記素材の外周面のうち周方向に関して1箇所以上に、前記雄スプライン部を構成し、軸方向に伸長する雄スプライン溝と軸方向に連続した状態で設けられた軸方向に伸長する凹溝である、位置決め手段を形成する。そして、前記仕上加工を施す際に、該位置決め手段に加工装置のホルダの一部を係合させることで、または、この位置決め手段を目視若しくはセンサにより検知することで、シェービングカッター、ブローチなどの切削工具の周方向の位置決め(前記雄スプライン部と該切削工具との周方向に関する位相合わせ)を図る。或いは、前記位置決め手段を、前記雄スプライン部を構成する複数の雄スプライン溝のうちの1以上の雄スプライン溝の溝底と、該1以上の雄スプライン溝から軸方向に外れた部分とに連続して形成され、その溝底の幅が、前記雄スプライン部を構成する雄スプライン溝の歯底の幅よりも小さい、軸方向に伸長する凹溝とすることもできる。この場合には、前記コーティング層を、前記凹溝のうち前記雄スプライン溝の溝底に形成された部分を埋めた状態で、前記雄スプライン歯および雄スプライン溝の外形に沿った形状とする。なお、前記素材を、棒状材料、円柱状材料、および、円筒状材料から選択し、前記雄スプライン部を、前記結合杆部に塑性加工を施すことにより形成することが好ましい。
本発明の伸縮軸用インナーシャフトおよびその製造方法によれば、重量の増大を抑えつつ、雄スプライン部の外周面に合成樹脂製のコーティング層を形成するための仕上加工の際に、雄スプライン部と切削工具との周方向に関する位相合わせを容易に行うことができる。すなわち、仕上加工の際に、切削工具の周方向に関する位置決め(雄スプライン部と切削工具との位相合わせ)を、伸縮軸用インナーシャフトの外周面に形成した位置決め手段のうち、樹脂層により覆われていない、雄スプライン部から軸方向に外れた部分に位置する部分を利用して行うことができるため、切削工具の位置決めを容易に行うことが可能である。また、雄スプライン部を、伸縮軸を構成するアウターシャフトの雌スプライン部と係合しない部分には形成する必要がないため、伸縮軸用インナーシャフトの重量が徒に増大してしまうことを防止できる。
図1(A)は、本発明の実施の形態の第1例を示す要部拡大側面図であり、図1(B)は、図1(A)のa−a断面図であり、図1(C)は、図1(A)のb−b断面図である。 図2は、凹溝の形状の別の2例を示す、図1(C)と同様の図である。 図3(A)〜図3(C)は、本発明の実施の形態の第2例を示す、図1(A)〜図1(C)と同様の図である。 図4(A)および図4(B)は、本発明の実施の形態の第2例を中間シャフトのインナーシャフトに適用した場合における、凹溝の形成位置の2例を示す側面図である。 図5(A)は、本発明の実施の形態の第3例を示す、図1(B)と同様の図であり、図5(B)は、第3例についての図1(C)と同様の図である。 図6は、本発明の実施の形態の第4例を示す、図1(B)と同様の図である。 図7(A)は、本発明の実施の形態の第5例を示す要部拡大側面図であり、図7(B)は、本発明に関連する参考例の第1例を示す要部拡大側面図である。 図8(A)は、本発明に関連する参考例の第2例を示す要部拡大側面図であり、図8(B)は、図8(A)のc−c断面図である。 図9は、従来のステアリング装置の1例の示す部分切断側面図である。 図10は、図9のステアリング装置から中間シャフトを取り出して示す部分切断側面図である。 図11は、インナーシャフトの雄スプライン部と切削工具との周方向に関する位相合わせを図るための従来構造の1例を説明するための要部拡大側面図である。
[実施の形態の第1例]
図1(A)〜図2(B)は、本発明の実施の形態の第1例を示している。なお、本例の特徴は、重量の増大を抑えつつ、雄スプライン部14bの外周面を覆った合成樹脂製の樹脂層に仕上加工を施す際に、雄スプライン部14bと仕上加工に使用する切削工具との位相合わせを容易に行うための構造およびその製造方法にある。その他の部分の構成および作用は、従来構造と同様である。
本例のインナーシャフト15bの先端部(図1の左端部)は、基端部および中間部よりも外径の大きい結合杆部20により構成され、結合杆部20の外周面に雄スプライン部14bが設けられている。雄スプライン部14bは、それぞれがインナーシャフト15bの中心軸に平行で、結合杆部20の軸方向にわたって伸長する複数の雄スプライン歯21を、周方向に等ピッチで配置することにより構成される。なお、これらの雄スプライン歯21の歯厚および歯丈は、軸方向端縁に形成した面取り部を除き、軸方向にわたって一定となっている。また、周方向に隣り合う雄スプライン歯21同士の間部分には、それぞれ雄スプライン溝23が設けられている。すなわち、雄スプライン部14bは、軸方向に伸長する複数の雄スプライン歯21および雄スプライン溝23が周方向に交互に連続することにより構成されている。雄スプライン部14bの外周面全体には、軸方向にわたって、ポリアミド樹脂(PA)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリアセタール樹脂(POM)などの滑りやすい(摩擦係数の低い)合成樹脂製で、膜厚が10μm〜1000μm程度で一定、かつ、表面粗さRaが0.05μm〜15μm程度のコーティング層19aが形成されている。コーティング層19aは、雄スプライン歯21および雄スプライン溝23の外形に沿った形状となっており、雄スプライン歯部25および雄スプライン溝部26により構成される。
本例の場合、インナーシャフト15bの外周面のうち、1本の雄スプライン溝23と周方向に関する位相が一致する部分で、インナーシャフト15bの先端縁から雄スプライン部14bから軸方向に外れた中間部に掛かる範囲にわたって、位置決め手段(位置決め凹部)に相当する、凹溝22が設けられている。すなわち、凹溝22は、インナーシャフト15bの中心軸に平行で軸方向に、かつ、雄スプライン溝23よりも長く伸長する。本例の場合、図1(B)および図1(C)に示すように、凹溝22の断面形状を台形状としている。ただし、凹溝22の断面形状は、図2(A)に示すような矩形状、あるいは、図2(B)に示すような三角形状とすることもできる。なお、何れの断面形状を採用する場合でも、耐破断性を十分に確保する観点から、凹溝22の溝底の周方向における幅(W22)は、雄スプライン溝23の歯底の周方向における幅(W23)よりも小さくすることが好ましい。本例では、1本の凹溝22が、1本の雄スプライン溝23の溝底と、この雄スプライン溝23から軸方向に外れた部分とに連続して形成されている。なお、コーティング層19aが、凹溝22のうち雄スプライン溝23の溝底に形成された部分を埋めるため、コーティング層19aの雄スプライン歯部25および雄スプライン溝部26は、凹溝22がなかった場合の雄スプライン歯21および雄スプライン溝23の外形に沿った形状となっている。
本例のインナーシャフト15bを製造する場合、まず、炭素鋼などの金属製で円柱状の素材の中間部および基端部に切削加工を施して、この素材の先端部を、中間部および基端部よりも外径が大きい結合杆部20により構成する。なお、金属製の素材としては、伸縮軸の用途などに応じて、円柱状材料のほか、棒状材料、円筒状材料も用いることができる。結合杆部20の外周面に、冷間鍛造、ホブ加工、転造加工などの塑性加工を用いたスプライン加工を施して、複数(図示の例では18本)の雄スプライン溝23および複数の雄スプライン歯21を形成することにより、雄スプライン部14bを設ける。さらに、インナーシャフト15bの外周面のうち、1本の雄スプライン溝23と周方向に関する位相が一致する部分で、インナーシャフト15bの先端縁から、雄スプライン部14bから軸方向に外れた中間部に掛かる範囲に、軸方向に伸長する凹溝22を設ける。凹溝22を、雄スプライン溝23を形成する際に、冷間鍛造、ホブ加工、転造加工などの塑性加工により同時に形成することが好ましい。ただし、凹溝22を、雄スプライン部14bを設けた後、切削加工などにより形成することもできる。
何れにしても、インナーシャフト15bの外周面に凹溝22を設けた後、雄スプライン部14bの外周面に、滑りやすい(摩擦係数の低い)合成樹脂製の樹脂コーティングを、流動浸漬法や合成樹脂を射出する方法などにより、当該部分に樹脂層を形成する。このようにして得られた中間素材を、樹脂層にシェービング加工、ブローチ加工などの切削加工による仕上加工を施すための加工装置のホルダに保持する。この際、切削加工に用いる切削工具の周方向の位置決めに、凹溝22を利用する、すなわち、凹溝22をホルダの一部に係合させたり、あるいは、凹溝22を目視またはセンサにより検知したりすることにより、雄スプライン部14bの周方向に関する凹凸と、シェービングカッター、ブローチなどの切削工具との周方向の位相合わせを図った上で、この中間素材を加工装置のホルダに保持する。そして、シェービングカッター、ブローチなどの切削工具を用いて、樹脂層に仕上加工を施して余剰部分を削り取ることにより、雄スプライン部14bの外周面全体に、雄スプライン部25および雄スプライン部26により構成されるコーティング層19aを形成して、インナーシャフト15bを得る。コーティング層19aは、凹溝22の底面を覆う部分を除いて膜厚が均一であり、かつ、表面粗さが良好である。
本例のインナーシャフト15bによれば、重量の増大を抑えつつ、雄スプライン部14bと、仕上加工のための切削工具との周方向に関する位相合わせを容易に行うことができると共に、雄スプライン部14bの外周面に、膜厚が均一で、かつ、表面粗さが良好な合成樹脂製のコーティング層19aを容易に形成することができる。すなわち、雄スプライン部14bの外周面を覆う樹脂層に余剰部分を削り取る仕上加工を施す際に、雄スプライン部14bと切削工具との周方向に関する位相合わせを、凹溝22のうち雄スプライン部14bから軸方向に外れた部分を利用することによって容易に行うことができる。また、本例の場合、凹溝22を、インナーシャフト15bの外周面のうち、雄スプライン部14bから軸方向に外れた部分にまで設けている。したがって、雄スプライン部14bと切削工具との周方向に関する位相合わせを行うために、雄スプライン部14bを、アウターシャフトの雌スプライン部と係合しない部分にまで形成する必要がない。このため、インナーシャフト15bの重量が徒に増大することを防止することができる。さらに、凹溝22を形成したことにより、インナーシャフト15bの重量の低減を図ることもできる。
なお、本例において、位置決め手段として、凹溝22に代えて、伸縮軸用インナーシャフト15bの雄スプライン部14bと切削工具との周方向に関する位相合わせを行うための位置決め凸部を、少なくともその一部が雄スプライン部14bから軸方向に外れた部分に位置する状態で、伸縮軸用インナーシャフト15bの外周面に設けることもできる。この場合、位置決め凸部を、雄スプライン部14bを構成する雄スプライン歯21と軸方向に連続した状態で設けることができる。
[実施の形態の第2例]
図3(A)〜図4(B)は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合、インナーシャフト15cの先端部および中間部の外周面のうち、径方向反対側2箇所位置に凹溝22を、径方向反対側2箇所位置に存在する雄スプライン溝23と軸方向に連続する状態で設けている。また、本例の場合、凹溝22の本数を、雄スプライン溝23の総数(図示の例では18個)の2以上の約数である、2本としている。このため、インナーシャフト15cの先端部の形状を、周方向に関して対称にできるため、凹溝22を加工する際に、曲がりなどの変形が生じることを防止できる。
なお、本例においても、凹溝22の溝底の周方向における幅(W22)は、雄スプライン部14bを構成する雄スプライン溝23の歯底の周方向における幅(W23)よりも小さくすることが好ましい(W22<W23)。本例のように2本の凹溝22を180°位相をずらして互いに対向するように配置し、凹溝22の幅(W22)を、雄スプライン溝23の歯底の幅(W23)よりも小さくすることにより(W22<W23)、伸縮軸が使用により応力を継続的あるいは繰り返し受けて疲労した場合や、伸縮軸に衝撃的に大きなトルクが入力された場合でも、インナーシャフト15cが軸方向に破断することなく、最初に、インナーシャフト15cの内部で、凹溝22の存在する軸方向範囲内で、2本の凹溝22の間に径方向に亀裂が発生する。このような亀裂の生じた状態で、伸縮軸を使用するとがたつきなどの異常が発生し、このような伸縮軸を備えたステアリング装置の使用者が異常を容易に感知することができる。また、インナーシャフト15cが軸方向に破断するわけではないため、このような場合でも、伸縮時によるトルク伝達は確実に行われる。
また、本例のインナーシャフト15cをステアリング装置のうちの中間シャフト5に適用する場合、すなわち、インナーシャフト15cの基端部に1対の腕部27を備える二股状のヨーク18aが設けられている場合には、凹溝22の周方向の形成位置は任意ではあるが、図4(A)に示すように、凹溝22を腕部27との位相を90°異ならせて形成するよりも、図4(B)に示すように、凹溝22を腕部27の位相と一致するように形成することが好ましい。中間シャフト5にトルクが入力されると、回転方向にトルクが加わるほか、中間シャフト5には腕部27の形成方向(図4および図10の上下方向)に中間シャフト5を揺動湾曲させる方向のモーメントが加わる。図4(A)に示すような凹溝22の配置では、凹溝22が上述したトルクとモーメントの両方の影響を受けやすく、インナーシャフト15cに、凹溝22を基点とする亀裂が生じやすい傾向となる。図4(b)に示すような凹溝22の配置では、凹溝22は、上述したモーメントの影響は受けにくく、トルクの影響のみを受けるため、亀裂などに起因する不具合を回避でき、インナーシャフト15cの強度設計が容易となる。したがって、凹溝22と腕部27の位相が一致するように凹溝22を形成することが好ましい。なお、この点も、実施の形態の第1例のように凹溝22を周方向1箇所に設ける場合にも適用可能である。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
図5(A)および図5(B)は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合、インナーシャフト15dの先端部および中間部の外周面のうち、周方向3箇所位置に、互いに等間隔に、雄スプライン部14bを構成する雄スプライン溝23と軸方向にそれぞれ連続する、凹溝22を設けている。すなわち、本例の場合も、凹溝22の本数は、雄スプライン溝の総数(18個)の約数(3本)としている。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第2例と同様である。
[実施の形態の第4例]
図6は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合、凹溝22aを、インナーシャフト15eの外周面のうち、雄スプライン部14bと軸方向に隣接する部分の周方向3箇所位置に、互いに等間隔に形成している。また、凹溝22aを、雄スプライン部14bを構成する雄スプライン溝23と周方向に関する位相をずらした(図示の例の場合には、1/4ピッチ分だけずらした)状態で形成している。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第3例と同様である。
[実施の形態の第5例および参考例の第1例
図7(A)は、本発明の実施の形態の第5例を、図7(B)は、本発明に関連する参考例の第1例を、それぞれ示している。図7(A)に示す第5例の場合、凹溝22bを、インナーシャフト15fの外周面のうち、先端縁から基端寄り部分に掛けての部分に形成している。すなわち、凹溝22bの軸方向長さを、実施の形態の第1例および第2例の凹溝22よりも長くしている。一方、図7(B)に示す参考例の第1例の場合、凹溝22cを、インナーシャフト15gの外周面のうち、雄スプライン部14bから軸方向に外れた、中間部から基端部に掛けての部分に形成している。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第1例〜第3例と同様である。
参考例の第2例
図8(A)および図8(B)は、本発明に関連する参考例の第2例を示している。本参考例の場合、インナーシャフト15hの外周面のうち、雄スプライン部14bから軸方向に外れた中間部に、位置決め凹部に相当する、半球面状の凹部24を設けている。なお、凹部24の形状に関しては、雄スプライン部14bと切削工具との周方向に関する位置決めを図ることができれば、半球面状に限定されることなく任意である。また、凹部24の周方向に関する個数も、図示の例のように1個でもよく、複数、好ましくは、雄スプライン溝23(図1参照)の総数の2以上の約数とすることもできる。さらに、図示の例では、凹部24は軸方向1箇所に設けているが、軸方向に離間した2箇所以上に設けることもできる。本参考例でも、半球面状の凹部24に代替して、半球面状の凸部を設けることもできる。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第1例および第2例と同様である。
本発明は、自動車用ステアリング装置を構成するステアリングシャフトや中間シャフトなどの伸縮軸を構成する伸縮軸用インナーシャフトに広く適用することが可能である。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤ
3 ステアリングシャフト
4a、4b 自在継手
5 中間シャフト
6 入力軸
7 タイロッド
8 電動モータ
9 ステアリングコラム
10 アウターシャフト
11 インナーシャフト
12 アウターコラム
13 インナーコラム
14、14a、14b 雄スプライン部
15、15a〜15h インナーシャフト
16 雌スプライン部
17 アウターシャフト
18a、18b ヨーク
19、19a コーティング層
20 結合杆部
21 雄スプライン歯
22、22a〜22c 凹溝
23 雄スプライン溝
24 凹部
25 雄スプライン歯部
26 雄スプライン溝部
縮軸用インナーシャフトの製造方法においては、例えば、前記素材の外周面のうち周方向に関して1箇所以上に、前記雄スプライン部を構成し、軸方向に伸長する雄スプライン溝と軸方向に連続した状態で設けられた軸方向に伸長する凹溝である、位置決め手段を形成する。そして、前記仕上加工を施す際に、該位置決め手段に加工装置のホルダの一部を係合させることで、または、この位置決め手段を目視若しくはセンサにより検知することで、シェービングカッター、ブローチなどの切削工具の周方向の位置決め(前記雄スプライン部と該切削工具との周方向に関する位相合わせ)を図る。或いは、本発明の伸縮軸用インナーシャフトの製造方法のように、前記位置決め手段を、前記雄スプライン部を構成する複数の雄スプライン溝のうちの1以上の雄スプライン溝の溝底と、該1以上の雄スプライン溝から軸方向に外れた部分とに連続して形成され、その溝底の幅が、前記雄スプライン部を構成する雄スプライン溝の歯底の幅よりも小さい、軸方向に伸長する凹溝とすることもできる。この場合には、前記コーティング層を、前記凹溝のうち前記雄スプライン溝の溝底に形成された部分を埋めた状態で、前記雄スプライン歯および雄スプライン溝の外形に沿った形状とする。なお、前記素材を、棒状材料、円柱状材料、および、円筒状材料から選択し、前記雄スプライン部を、前記結合杆部に塑性加工を施すことにより形成することが好ましい。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤ
3 ステアリングシャフト
4a、4b 自在継手
5 中間シャフト
6 入力軸
7 タイロッド
8 電動モータ
9 ステアリングコラム
10 アウターシャフト
11 インナーシャフト
12 アウターコラム
13 インナーコラム
14、14a、14b 雄スプライン部
15、15a〜15h インナーシャフト
16 雌スプライン部
17 アウターシャフト
18a、18b ヨーク
19、19a コーティング層
20 結合杆部
21 雄スプライン歯
22、22a〜22c 凹溝
23 雄スプライン溝
24 凹部
25 雄スプライン歯部
26 雄スプライン溝部
27 腕部

Claims (11)

  1. 先端部に設けられ、中間部および基端部よりも外径が大きい結合杆部と、
    該結合杆部の外周面に設けられた雄スプライン部と、
    該雄スプライン部の外周面にその全体を覆うように形成された合成樹脂製のコーティング層と、
    少なくとも一部が前記雄スプライン部から軸方向に外れた部分に位置する状態で、外周面のうち周方向に関して1箇所以上に設けられ、前記コーティング層を形成するための切削工具を用いた仕上加工の際に、該切削工具の周方向の位置決めを図るための位置決め手段と、
    を備える、伸縮軸用インナーシャフト。
  2. 前記位置決め手段が、軸方向に伸長する凹溝である、請求項1に記載した伸縮軸用インナーシャフト。
  3. 前記凹溝の少なくとも一部が、前記雄スプライン部と軸方向に隣接する部分に位置している、請求項2に記載した伸縮軸用インナーシャフト。
  4. 前記凹溝が、前記雄スプライン部を構成し、軸方向に伸長する雄スプライン溝と軸方向に連続した状態で設けられている、請求項3に記載した伸縮軸用インナーシャフト。
  5. 前記凹溝の軸方向長さが、前記雄スプライン溝の軸方向長さよりも長くなっている、請求項4に記載した伸縮軸用インナーシャフト。
  6. 前記凹溝の溝底の幅は、前記雄スプライン部を構成する雄スプライン溝の歯底の幅よりも小さい、請求項2に記載した伸縮軸用インナーシャフト。
  7. 前記雄スプライン部は、軸方向に伸長する複数の雄スプライン歯および雄スプライン溝が周方向に交互に連続することにより構成されており、前記凹溝は該複数の雄スプライン溝のうちの1以上の雄スプライン溝の溝底と、該1以上の雄スプライン溝から軸方向に外れた部分とに連続して形成され、前記コーティング層は、前記凹溝のうち前記雄スプライン溝の溝底に形成された部分を埋めた状態で、前記雄スプライン歯および雄スプライン溝の外形に沿った形状となっている、請求項6に記載した伸縮軸用インナーシャフト。
  8. 前記基端部にヨークが設けられ、前記凹溝が該ヨークと位相を一致するように形成されている、請求項2に記載した伸縮軸用インナーシャフト。
  9. 前記位置決め手段の周方向に関する個数が、前記雄スプライン部を構成する雄スプライン溝の総数の2以上の約数である、請求項1に記載した伸縮軸用インナーシャフト。
  10. 金属製の素材の先端部に、中間部および基端部よりも外径が大きい結合杆部を形成し、
    該結合杆部の外周面に雄スプライン部を形成し、
    該素材の外周面のうち周方向に関して1箇所以上に、少なくともその一部が前記雄スプライン部から軸方向に外れた部分に位置するように、位置決め手段を形成し、
    該雄スプライン部の外周面にその全体を覆うように合成樹脂の樹脂コーティングを施して樹脂層を形成し、
    前記位置決め手段により、切削工具の周方向の位置決めを行い、
    該切削工具を用いて、前記樹脂層に、余剰部分を削り取る仕上加工を施して、前記雄スプライン部の外周面に合成樹脂製のコーティング層を形成する、
    伸縮軸用インナーシャフトの製造方法。
  11. 前記素材として、棒状材料、円柱状材料、および、円筒状材料のうちの何れかを用い、かつ、前記雄スプライン部を、前記結合杆部に塑性加工を施すことにより形成する、請求項10に記載の伸縮軸用インナーシャフトの製造方法。
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