JP6597010B2 - 伸縮自在シャフトの製造方法 - Google Patents
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Description
図9は、特許文献1に記載された伸縮式の中間シャフト4の構造を示している。前記中間シャフト4は、軸方向一端部(前端部であって、図9の左端部。組み付け状態で後述するアウタチューブ11側の端部)の外周面に雄スプライン部8が形成されたインナシャフト9と、内周面に前記雄スプライン部8とスプライン係合可能な雌スプライン部10が形成された円管状のアウタチューブ11とから成る。そして、前記雄スプライン部8と前記雌スプライン部10とをスプライン係合する事で、前記インナシャフト9と前記アウタチューブ11とを、伸縮自在に組み合わせている。尚、図9に示す構造の場合、前記インナシャフト9を、後側(前後方向とは、車体の前後方向を言う。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)に配置すると共に、前記アウタチューブ11を前側に配置している。従って、前記インナシャフト9の軸方向他端部(後端部であって、図9の右端部)に、前記両自在継手3a、3bのうちの後側に配置された自在継手3aが固定されている。一方、前記アウタチューブ11の軸方向一端部(前端部であって、図9の左端部)に、前記両自在継手3a、3bのうちの前側に配置された自在継手3bが固定されている。但し、インナシャフトを前側に、アウタチューブを後側に配置する構造を採用する事もできる。
前記雄軸は、外周面の少なくとも一部に雄スプライン部が形成されている。この様な雄スプライン部は、軸方向両端部に形成された1対の大径雄スプライン部と、軸方向に関して前記両大径雄スプライン部の間部分に、前記両大径雄スプライン部と軸方向に連続した状態で形成された小径雄スプライン部とから成る。又、前記小径雄スプライン部の歯先円直径(前記小径雄スプライン部を構成する凹凸部のうちの凸部の外接円の直径)は、前記両大径雄スプライン部の歯先円直径(前記両大径雄スプライン部を構成する凹凸部のうちの凸部の外接円の直径)よりも小さく、且つ、前記両大径雄スプライン部の歯底円直径(前記両大径雄スプライン部を構成する凹凸部のうちの凹部の外接円の直径)よりも大きい。尚、前記雄スプライン部とは、前記両大径雄スプライン部のうちの一方の大径雄スプライン部の軸方向一端縁から、同じく他方の大径雄スプライン部の軸方向他端縁までを言う。
前記雌軸は、内周面に雌スプライン部が形成されている。
前記コーティング層は、合成樹脂製で、前記雄スプライン部の外周面に、周方向及び軸方向に連続した状態で形成されている。
そして、前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させる事により、前記雄軸と前記雌軸とがトルク伝達可能、且つ、全長を伸縮可能な状態に組み合わせられている。
次いで、前記雄スプライン部の外周面に粗コーティング層を形成する。
そして、前記粗コーティング層にシェービング加工を施す事により、前記コーティング層を形成する。
具体的には、前記雄軸に形成した雄スプライン部を、軸方向両端部に形成した1対の大径雄スプライン部と、前記両大径雄スプライン部の間部分に、前記両大径雄スプライン部と軸方向に連続した状態で形成された小径雄スプライン部とにより構成している。又、これと共に、前記小径雄スプライン部の歯先円直径を、前記両大径雄スプライン部の歯先円直径よりも小さく、且つ、前記両大径雄スプライン部の歯底円直径よりも大きい状態で形成している。そして、この様な雄スプライン部を、合成樹脂製のコーティング層を介して、前記雌軸の雌スプライン部とスプライン係合させている。本発明の場合、この様にスプライン係合した状態で、前記コーティング層のうち、前記小径雄スプライン部の外径側に形成された部分の歯先円直径が、前記両大径雄スプライン部の外径側に形成された部分の歯先円直径よりも小さい場合には、前記小径雄スプライン部の外径側に形成された部分の外周面の一部のみが前記雌スプライン部とスプライン係合する為、当該部分の当接面積(摺接面積)が小さくなる。一方、前記コーティング層のうち、前記小径雄スプライン部の外径側に形成された部分の歯先円直径と、前記両大径雄スプライン部の外径側に形成された部分の歯先円直径とが等しい場合には、前記小径雄スプライン部の外径側に形成された部分の外周面の前面が、前記雌スプライン部とスプライン係合するが、当該部分のコーティング層の径方向に関する厚さ寸法は、前記両大径雄スプライン部の外径側に形成された部分の径方向に関する厚さ寸法よりも厚くなる為、当該部分が前記両大径雄スプライン部の外径側に形成された部分よりも弾性変形し易くなる。何れにしても、前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とのスプライン係合部の回転方向のがたつきを防止する為に、前記係合部に締め代を持たせた構造を採用した場合でも、前記雄軸のうち、前記雄スプライン部を形成した部分の径方向の合成を確保しつつ、前記雄軸の前記雌軸に対する摺動抵抗(摺動荷重)を小さく抑えると共に、前記締め代の変化に対する前記摺動抵抗(摺動荷重)の変動を鈍感にできて、前記雄軸の、前記雌軸に対する摺動を安定させる事ができる。
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜4を参照しつつ説明する。尚、本例は、本発明を、ステアリング装置を構成する中間シャフトに適用したものである。但し、本発明は、この様な中間シャフト以外にも、各種用途で使用される伸縮自在シャフトの構造に適用する事ができる。又、本例の中間シャフトを組み込んだステアリング装置の構造は、図8に示したステアリング装置と同様の構造を有している。但し、本例の中間シャフトは、図8に示したステアリング装置の構造に限らず、従来から知られている各種ステアリング装置の構造に適用する事ができる。以下、本発明を適用した中間シャフトを組み込む事ができるステアリング装置の構造を簡単に説明した後、本例の中間シャフト4aの構造、及び前記中間シャフト4aの製造方法に就いて説明する。
前記小径筒部12は円筒状であり、前記アウタチューブ11aのうちの、軸方向中央部から軸方向他端縁にかけての部分に設けられている。この様な小径筒部12の外周面は、軸方向の全長に亙り外径寸法が変化しない円筒面状である。又、前記小径筒部12の内周面には、円周方向に関して交互に形成された軸方向に長い、複数ずつの凹部と凸部とから成る雌スプライン部16が、全長に亙り形成されている。
前記大径筒部14は円筒状であり、軸方向他端縁が、前記連続部13の軸方向一端縁に連続している。この様な大径筒部14の内径及び外径は、前記小径筒部12の内径及び外径よりも大きい。
本例の場合、前記ヨーク部15を、前記アウタチューブ11aに一体に設ける構造を採用しているが、アウタチューブとヨーク部とを別体に設けて溶接或いは嵌合等により結合固定する構造を採用する事もできる。
又、前記第一の不完全スプライン部36は、円周方向に関して交互に形成された、複数ずつの凹部と、前記インナシャフト9aの中心軸を含む仮想平面に関する断面形状が直角三角形状の凸部とから成る。これら各凸部の外周面の外径も、軸方向一方側に向かうほど(第一の大径雄スプライン形成部27から離れるほど)小さくなる。
尚、前記小径雄スプライン部39の軸方向の長さは、前記第一の大径雄スプライン形成部27の軸方向一端縁から前記第二の大径雄スプライン形成部31の軸方向他端縁までの長さL1の1/5〜1/2の範囲である事が好ましい。例えば、前記小径雄スプライン部39の軸方向の長さを、前記第一、第二の各大径雄スプライン形成部27、31のそれぞれの軸方向長さと等しくする構成を採用できる。
又、前記第四の不完全スプライン部43は、円周方向に関して交互に形成された、複数ずつの凹部と、前記インナシャフト9aの中心軸を含む仮想平面に関する断面形状が直角三角形状の凸部とから成る。これら各凸部の外周面の外径も、軸方向他方側に向かうほど(前記第二の大径雄スプライン形成部31から離れるほど)小さくなる。この様な第四の不完全スプライン部43を構成する凹部及び凸部の軸方向一端縁は、前記第二の大径雄スプライン部41の凹部及び凸部の軸方向他端縁と連続している。好ましくは、前記第四の不完全スプライン部43の凸部と前記第二の大径雄スプライン部41の凸部とを、断面円弧状で滑らかに連続させる。尚、前記第四の不完全スプライン部43の凹部の外接円の直径は、前記第二の大径雄スプライン部41の歯底円直径と、等しい(前記第四の不完全スプライン部43の凹部の底面と、前記第二の大径雄スプライン部41の凹部の底面とは、同一円筒面上に位置している)。
前記基部46は、中央部に前記結合軸部34を挿通可能な結合孔48が形成されている。又、前記両腕部47、47の軸方向他端寄り部分には、互いの中心軸が同軸となる状態で1対の円孔49、49が形成されている。この様なヨーク45は、前記結合孔48に前記インナシャフト9aの結合軸部34を締り嵌めにより内嵌固定すると共に、溶接する事により、前記インナシャフト9aに結合固定されている。
先ず、図示しない円杆状(円柱状)の素材(軸部材)の外周面の全長に亙り、転造又はプレス成形により中間雄スプライン部57を形成して第一中間素材(図示省略)とする。尚、前記素材の外径寸法は、全長に亙り転造下径(プレス下径)に形成しておく。又、本例の場合、前記中間雄スプライン部57が、凹凸部に相当する。
次に、孔あけ加工により、前記第一中間素材に前記中心孔44を形成する。尚、前記中心孔44の形状、寸法は適宜変更しても良い。又、前記中心孔44を形成する工程を、前記中間雄スプライン部57を形成する工程以前に行う事もできるし、前記中心孔を形成する工程を、省略する事もできる。
この様なシェービング加工は、例えば、前記コーティング層56のうちの前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41を覆う部分の外周面に沿う内周面形状を有する筒状のシェービング用金型(シェービングカッター)の内側に、前記インナシャフト9aのうちの前記粗コーティング層60が形成された部分を挿通する事により、前記粗コーティング層60のうちの前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41を覆う部分の径方向外端寄り部分を削り取る。尚、本例の場合、この様なシェービング加工の際、前記粗コーティング層60のうちの、前記予備軸部25の軸方向一端部以外の部分、前記第一の傾斜連続部26、前記第二の傾斜連続部28、前記小径雄スプライン形成部39、前記第三の傾斜連続部30、及び前記第四の傾斜連続部32の軸方向一端部を覆う部分の径方向外端寄り部分も削り取る。
又、前記シェービング加工の際には、前記抑え治具59を取り外して、前記中心孔44をセンタ出し(シェービングカッターとインナシャフト9aとの中心軸同士を一致させる作業)に利用する事ができる。
即ち、本例の場合、前記インナシャフト9aの外周面のうち、軸方向に関して、前記第一の大径雄スプライン部37と前記第二の大径雄スプライン部41との間部分に、歯先円直径が、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の歯先円直径よりも小さい前記小径雄スプライン部39を設けている。そして、この様な第一、第二の各大径雄スプライン部37、41、及び前記小径雄スプライン部39から成る雄スプライン部を、合成樹脂製の前記コーティング層56を介して、前記アウタチューブ11aの雌スプライン部16とスプライン係合させている。この為、前記インナシャフト9aと前記アウタチューブ11aとのスプライン係合部の回転方向のがたつきを防止する為に、前記係合部に締め代を持たせた構造を採用した場合でも、前記インナシャフト9aのうち、前記雄スプライン部(前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41、前記小径雄スプライン部39)を形成した部分の径方向の合成を確保しつつ、前記インナシャフト9aの前記アウタチューブ11aに対する摺動抵抗(摺動荷重)を小さく抑えると共に、前記締め代の変化に対する摺動抵抗(摺動荷重)の変動を鈍感にでき、前記インナシャフト9aの前記アウタチューブ11aに対する摺動を安定させる事ができる。
更に、前記小径雄スプライン部39を形成している(前記小径雄スプライン部39の歯先円直径を、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の歯先円直径よりも小さくしている)分だけ、前記インナシャフト9aの軽量化を図る事ができる。
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図5を参照しつつ説明する。本例は、インナシャフト9aに対して、コーティング層を形成する方法が、前述した実施の形態の第1例の場合と異なる。尚、前記インナシャフト9aの製造方法に関しては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。以下、本例の特徴部分に就いて説明する。
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図6を参照しつつ説明する。本例の場合、インナシャフト9aに形成した粗コーティング層60aの構造が、前述した実施の形態の第1例の粗コーティング層60と異なる。
具体的には、本例の場合、前記粗コーティング層60aは、第一の大径雄スプライン形成部27の外径側に設けられた部分の外径と、第二の大径雄スプライン形成部31の外径側に設けられた部分の外径とが等しい。一方、前記小径雄スプライン形成部29の外径側に設けられた部分の外径が、第一、第二の各大径雄スプライン形成部27、31の外径側に設けられた部分の外径よりも小さい。
本発明の実施の形態の第4例に就いて、図7を参照しつつ説明する。本例の場合、インナシャフト9aを造る工程が、前述した実施の形態の第1例の場合と異なる。
具体的には、本例の場合、円杆状(円柱状)の素材(軸部材)のうち、少なくとも第一、第二の各大径雄スプライン部37、41、及び小径雄スプライン部39に相当する部分を、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の転造下径(プレス下径)に加工する。
次に、前記転造下径に加工した部分のうち、前記小径雄スプライン部39に相当する部分の外周面に、例えば切削加工を施す事により、外径が、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41に相当する部分の外径よりも小さい、小径円杆部61を形成する。尚、前記転造下径に加工した部分のうち、前記小径円杆部61の軸方向両側に隣接した部分(前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41に相当する部分)を大径円杆部62、62とする。又、前記切削加工の際、中心孔44、前記予備軸部25、前記第一の傾斜連続部26、前記第四の傾斜連続部32、前記小径軸部33、及び前記結合軸部34も形成して、図7(a)に示す様な中間素材63とする。
次に、前記中間素材63の両大径円杆部62、62及び前記小径円杆部61に、転造又はプレス成形を施す事により、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41、第二の傾斜連続部28、第三の傾斜連続部30、及び前記小径雄スプライン部39を形成して、前記インナシャフト9aを得る。前記インナシャフト9aに、コーティング層56を形成する方法は、前述した実施の形態の第1例と同様である。その他の部分の構成及び作用・効果に就いても、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
又、本発明を実施する場合には、小径雄スプライン部を、軸方向に離隔した複数箇所に設ける事もできる。
又、本発明を実施する場合には、前述した実施の形態の各例の第一乃至第四傾斜連続部26、28、30、32を省略する事もできる。即ち、例えば、大径雄スプライン部と小径雄スプライン部とを、雄軸の中心軸に直交する様な段部により連続させた構造とする事もできる。
更に、本発明を実施する場合には、前述した実施の形態の各例の構造を適宜組み合わせて実施する事もできる。
2 ステアリングシャフト
3a、3b、3c、3d 自在継手
4、4a 中間シャフト
5 ステアリングギヤユニット
6 入力軸
7 タイロッド
8 雄スプライン部
9、9a、9b インナシャフト
10 雌スプライン部
11、11a アウタチューブ
12 小径筒部
13 連続部
14 大径筒部
15 ヨーク部
16 雌スプライン部
17 腕部
18 円孔
19 軸受カップ
20 ニードル
21 十字軸
22 軸部
23 ヨーク
24 腕部
25 予備軸部
26 第一の傾斜連続部
27 第一の大径雄スプライン形成部
28 第二の傾斜連続部
29 小径雄スプライン形成部
30 第三の傾斜連続部
31 第二のスプライン形成部
32 第四の傾斜連続部
33 小径軸部
34 結合軸部
35 第一の部分円錐面部
36 第一の不完全スプライン部
37 第一の大径雄スプライン部
38 第二の不完全スプライン部
39 小径雄スプライン部
40 第三の不完全スプライン部
41 第二の大径雄スプライン部
42 第四の部分円錐面部
43 第四の不完全スプライン部
44 中心孔
45 ヨーク
46 基部
47 腕部
48 結合孔
49 円孔
50 軸受カップ
51 ニードル
52 十字軸
53 軸部
54 ヨーク
55 腕部
56、56a コーティング層
57 中間雄スプライン部
58 第二中間素材
59 抑え治具
60、60a 粗コーティング層
61 小径円杆部
62 大径円杆部
63 中間素材
Claims (9)
- 外周面の少なくとも一部に雄スプライン部が形成され、前記雄スプライン部は、軸方向両端部に形成された1対の大径雄スプライン部と、軸方向に関して前記両大径雄スプライン部の間部分に、前記両大径雄スプライン部と軸方向に連続した状態で形成された小径雄スプライン部とから成り、前記小径雄スプライン部の歯先円直径が、前記両大径雄スプライン部の歯先円直径よりも小さく、且つ、前記両大径雄スプライン部の歯底円直径よりも大きい雄軸と、
内周面の少なくとも一部に雌スプライン部が形成された雌軸と、
前記雄スプライン部の外周面に、周方向及び軸方向に連続した状態で形成されたコーティング層とを備えており、
前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させる事により、前記雄軸と前記雌軸とがトルク伝達可能、且つ、全長を伸縮可能な状態に組み合わせられている、伸縮自在シャフトの製造方法であって、
円杆状の軸部材の外周面のうちの少なくとも軸方向一部に、凹部と凸部とを全周に亙って交互に配置して成り、全長に亙り外径が変化しない凹凸部を形成した後、前記凹凸部のうち、前記小径雄スプライン部に相当する部分に、歯先円直径を小さくする加工を施して、前記雄スプライン部を形成する事により、前記雄軸を得た後、
前記雄スプライン部の外周面に粗コーティング層を形成し、
前記粗コーティング層にシェービング加工を施す事により前記コーティング層を形成する、伸縮自在シャフトの製造方法。 - 前記粗コーティング層を形成する以前に、軸方向一端が、前記軸部材の軸方向一端面に開口した中心孔を形成し、
前記軸部材の軸方向一端面に抑え治具を固定して、前記中心孔の軸方向一端開口部を塞いだ状態で前記粗コーティング層を形成する、請求項1に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。 - 外周面の少なくとも一部に雄スプライン部が形成され、前記雄スプライン部は、軸方向両端部に形成された1対の大径雄スプライン部と、軸方向に関して前記両大径雄スプライン部の間部分に、前記両大径雄スプライン部と軸方向に連続した状態で形成された小径雄スプライン部とから成り、前記小径雄スプライン部の歯先円直径が、前記両大径雄スプライン部の歯先円直径よりも小さく、且つ、前記両大径雄スプライン部の歯底円直径よりも大きい雄軸と、
内周面の少なくとも一部に雌スプライン部が形成された雌軸と、
前記雄スプライン部の外周面に、周方向及び軸方向に連続した状態で形成されたコーティング層とを備えており、
前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させる事により、前記雄軸と前記雌軸とがトルク伝達可能、且つ、全長を伸縮可能な状態に組み合わせられている、伸縮自在シャフトの製造方法であって、
円杆状の軸部材に、前記雄スプライン部を形成し、かつ、軸方向一端が、前記軸部材の軸方向一端面に開口した中心孔を形成して前記雄軸を得た後、
前記軸部材の軸方向一端面に抑え治具を固定して、前記中心孔の軸方向一端開口部を塞いだ状態で、前記雄スプライン部の外周面に粗コーティング層を形成し、
前記粗コーティング層にシェービング加工を施す事により前記コーティング層を形成する、伸縮自在シャフトの製造方法。 - 前記軸部材を、前記軸部材のうちの前記小径雄スプライン部に相当する部分の外径が、前記軸部材のうちの前記両大径雄スプライン部に相当する部分の外径よりも小さい中間軸部材に成形した後、前記中間軸部材に、前記雄スプライン部を形成して前記雄軸を得る、請求項3に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。
- 前記中心孔を、前記シェービング加工のセンタ出しに使用する、請求項2〜4のうちの何れか1項に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。
- 前記コーティング層を形成する際、前記コーティング層のうち、前記小径雄スプライン部の外径側に設けられた部分の径方向に関する厚さを、前記両大径雄スプライン部の外径側に設けられた部分の径方向に関する厚さよりも厚く形成する、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。
- 前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させた状態で、少なくとも前記スプライン係合した部分を加熱した後、冷却する事により、前記コーティング層のうち、前記小径雄スプライン部の外径側に設けられた部分の歯先円直径を、前記両大径雄スプライン部の外径側に設けられた部分の歯先円直径よりも小さくする仕上げ工程を更に備える、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。
- 前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させた状態で、少なくとも前記スプライン係合した部分を加熱する工程を、高周波加熱により行う、請求項7に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。
- 前記雄スプライン部の外周面を、溶融した合成樹脂の中に浸漬する事により、当該部分に前記粗コーティング層を形成する、請求項1〜8のうちの何れか1項に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。
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