JP6597010B2 - 伸縮自在シャフトの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明の対象となる伸縮自在シャフトは、例えば自動車の操舵装置を構成する中間シャフトとして使用されるものである。
自動車のステアリング装置として従来から、図8に記載する様な構造のものが知られている。前記ステアリング装置は、ステアリングホイール1が、ステアリングシャフト2の後端部に固定されている。又、これと共に、前記ステアリングシャフト2の前端部が、1対の自在継手3a、3b及び中間シャフト4を介して、ステアリングギヤユニット5を構成する入力軸6の基端部に接続されている。更に、前記ステアリングギヤユニット5に内蔵されたラックアンドピニオン機構により左右1対のタイロッド7、7を押し引きして、左右1対の操舵輪に、前記ステアリングホイール1の操作量に応じた舵角を付与する様に構成されている。
この様なステアリング装置に組み込まれる前記中間シャフト4は、例えば、走行時に自動車から入力される振動が、前記ステアリングホイール1に伝わる事を防止する(吸収する)為、或いは、前記中間シャフト4を全長を縮めた状態で組み込む為に、伸縮式のものを使用している。
図9は、特許文献1に記載された伸縮式の中間シャフト4の構造を示している。前記中間シャフト4は、軸方向一端部(前端部であって、図9の左端部。組み付け状態で後述するアウタチューブ11側の端部)の外周面に雄スプライン部8が形成されたインナシャフト9と、内周面に前記雄スプライン部8とスプライン係合可能な雌スプライン部10が形成された円管状のアウタチューブ11とから成る。そして、前記雄スプライン部8と前記雌スプライン部10とをスプライン係合する事で、前記インナシャフト9と前記アウタチューブ11とを、伸縮自在に組み合わせている。尚、図9に示す構造の場合、前記インナシャフト9を、後側(前後方向とは、車体の前後方向を言う。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)に配置すると共に、前記アウタチューブ11を前側に配置している。従って、前記インナシャフト9の軸方向他端部(後端部であって、図9の右端部)に、前記両自在継手3a、3bのうちの後側に配置された自在継手3aが固定されている。一方、前記アウタチューブ11の軸方向一端部(前端部であって、図9の左端部)に、前記両自在継手3a、3bのうちの前側に配置された自在継手3bが固定されている。但し、インナシャフトを前側に、アウタチューブを後側に配置する構造を採用する事もできる。
上述の様な構成を有する中間シャフト4の様に、前記インナシャフト9と前記アウタチューブ11とをトルク伝達可能、且つ、軸方向の伸縮(摺動)可能に組み合わせた伸縮軸は、回転方向のがたつきが小さく、且つ、伸縮時の摺動抵抗が小さい事が要求される。この為に、従来から、前記インナシャフト9の雄スプライン部8の外周面に、ポリアミド樹脂等の摩擦係数が低い合成樹脂製のコーティング層を設けると共に、前記雄スプライン部8と、前記雌スプライン部10とを締め代を持たせた状態で係合させる事が行われている。但し、この様な構造の場合でも、前記インナシャフト9の雄スプライン部8の径方向に関する剛性が全長に亙り高く、前記雄スプライン部8と前記アウタチューブ11の雌スプライン部10とのスプライン係合部の軸方向に関する寸法が長いと、摺動抵抗を十分に小さくする事ができない可能性がある。
特開2015−21596号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、雄軸の雄スプライン部と雌軸の雌スプライン部との係合部の回転方向のがたつきを小さく抑えられる構造を採用した場合にも、前記雄軸と前記雌軸との係合部の摺動抵抗を小さくする事ができる伸縮自在シャフトを実現するものである。
本発明の対象となる伸縮自在シャフトは、雄軸と、雌軸と、コーティング層とを備えている。
前記雄軸は、外周面の少なくとも一部に雄スプライン部が形成されている。この様な雄スプライン部は、軸方向両端部に形成された1対の大径雄スプライン部と、軸方向に関して前記両大径雄スプライン部の間部分に、前記両大径雄スプライン部と軸方向に連続した状態で形成された小径雄スプライン部とから成る。又、前記小径雄スプライン部の歯先円直径(前記小径雄スプライン部を構成する凹凸部のうちの凸部の外接円の直径)は、前記両大径雄スプライン部の歯先円直径(前記両大径雄スプライン部を構成する凹凸部のうちの凸部の外接円の直径)よりも小さく、且つ、前記両大径雄スプライン部の歯底円直径(前記両大径雄スプライン部を構成する凹凸部のうちの凹部の外接円の直径)よりも大きい。尚、前記雄スプライン部とは、前記両大径雄スプライン部のうちの一方の大径雄スプライン部の軸方向一端縁から、同じく他方の大径雄スプライン部の軸方向他端縁までを言う。
前記雌軸は、内周面に雌スプライン部が形成されている。
前記コーティング層は、合成樹脂製で、前記雄スプライン部の外周面に、周方向及び軸方向に連続した状態で形成されている。
そして、前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させる事により、前記雄軸と前記雌軸とがトルク伝達可能、且つ、全長を伸縮可能な状態に組み合わせられている。
本発明の伸縮自在シャフトの製造方法は、先ず、円杆状の軸部材に、前記雄スプライン部を形成して前記雄軸を得る。
次いで、前記雄スプライン部の外周面に粗コーティング層を形成する。
そして、前記粗コーティング層にシェービング加工を施す事により、前記コーティング層を形成する。
本発明の一態様では、前記軸部材の外周面のうちの少なくとも軸方向一部に、凹部と凸部とを全周に亙って交互に配置して成り、全長に亙り外径が変化しない凹凸部を形成した後、この凹凸部のうち、前記小径雄スプライン部に相当する部分に、歯先円直径を小さくする加工を施して、前記雄軸を得る構成を採用できる。
この場合、追加的に、前記粗コーティング層を形成する以前に、軸方向一端が、前記軸部材の軸方向一端面に開口した中心孔を形成する工程を有する構成を採用できる。この様な構成を採用した場合には、前記軸部材の軸方向一端面に抑え治具を固定し、前記中心孔の軸方向一端開口部を塞いだ状態で前記粗コーティング層を形成する構成を採用できる。
本発明の別の態様では、前記粗コーティング層を形成する以前に、軸方向一端が、前記軸部材の軸方向一端面に開口した中心孔を形成する工程を有する構成を採用できる。この様な構成を採用した場合には、前記軸部材の軸方向一端面に抑え治具を固定し、前記中心孔の軸方向一端開口部を塞いだ状態で前記粗コーティング層を形成する構成を採用できる。
この場合、前記軸部材を、前記軸部材のうちの前記小径雄スプライン部に相当する部分の外径が、この軸部材のうちの前記両大径雄スプライン部に相当する部分の外径よりも小さい中間軸部材に成形した後、この中間軸部材に、前記雄スプライン部を形成して前記雄軸を得る構成を採用できる。
前記中心孔を、前記シェービング加工のセンタ出し(シェービング加工に用いるシェービングカッターと前記軸部材との中心軸同士を一致させる作業)に使用する構成を採用できる。
上述の様な本発明の伸縮自在シャフトの製造方法を実施する場合には、追加的に、前記コーティング層を形成する際、前記コーティング層のうち、前記小径雄スプライン部の外径側に設けられた部分(前記小径雄スプライン部の外周面を覆った部分)の径方向に関する厚さを、前記両大径雄スプライン部の外径側に設けられた部分(前記両大径雄スプライン部の外周面を覆った部分)の径方向に関する厚さよりも厚く形成する構成を採用できる。
上述の様な本発明の伸縮自在シャフトの製造方法を実施する場合には、追加的に、前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記中間コーティング層を介してスプライン係合させた状態で、少なくともこのスプライン係合した部分を加熱した後、冷却する事により、前記コーティング層のうち、前記小径雄スプライン部の外径側に設けられた部分の歯先円直径(外接円の直径)を、前記両大径雄スプライン部の外径側に設けられた部分の歯先円直径よりも小さくする仕上げ工程(熱ならし工程)を更に備える構成を採用できる。
この場合には、追加的に、前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記中間コーティング層を介してスプライン係合させた状態で、少なくともこのスプライン係合した部分を加熱する工程を、高周波加熱により行う構成を採用できる。
上述の様な本発明の伸縮自在シャフトの製造方法を実施する場合には、追加的に、前記雄スプライン部の外周面を、溶融した合成樹脂の中に浸漬する事により、当該部分に、前記粗コーティング層を形成する構成を採用できる。
上述した様な構成を有する本発明の対象となる伸縮自在シャフトによれば、雄軸の雄スプライン部と雌軸の雌スプライン部との係合部の回転方向のがたつきを小さく抑えられる構造を採用した場合にも、前記雄軸と前記雌軸との摺動抵抗を小さく抑えられる伸縮自在シャフトの構造を実現できる。
具体的には、前記雄軸に形成した雄スプライン部を、軸方向両端部に形成した1対の大径雄スプライン部と、前記両大径雄スプライン部の間部分に、前記両大径雄スプライン部と軸方向に連続した状態で形成された小径雄スプライン部とにより構成している。又、これと共に、前記小径雄スプライン部の歯先円直径を、前記両大径雄スプライン部の歯先円直径よりも小さく、且つ、前記両大径雄スプライン部の歯底円直径よりも大きい状態で形成している。そして、この様な雄スプライン部を、合成樹脂製のコーティング層を介して、前記雌軸の雌スプライン部とスプライン係合させている。本発明の場合、この様にスプライン係合した状態で、前記コーティング層のうち、前記小径雄スプライン部の外径側に形成された部分の歯先円直径が、前記両大径雄スプライン部の外径側に形成された部分の歯先円直径よりも小さい場合には、前記小径雄スプライン部の外径側に形成された部分の外周面の一部のみが前記雌スプライン部とスプライン係合する為、当該部分の当接面積(摺接面積)が小さくなる。一方、前記コーティング層のうち、前記小径雄スプライン部の外径側に形成された部分の歯先円直径と、前記両大径雄スプライン部の外径側に形成された部分の歯先円直径とが等しい場合には、前記小径雄スプライン部の外径側に形成された部分の外周面の前面が、前記雌スプライン部とスプライン係合するが、当該部分のコーティング層の径方向に関する厚さ寸法は、前記両大径雄スプライン部の外径側に形成された部分の径方向に関する厚さ寸法よりも厚くなる為、当該部分が前記両大径雄スプライン部の外径側に形成された部分よりも弾性変形し易くなる。何れにしても、前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とのスプライン係合部の回転方向のがたつきを防止する為に、前記係合部に締め代を持たせた構造を採用した場合でも、前記雄軸のうち、前記雄スプライン部を形成した部分の径方向の合成を確保しつつ、前記雄軸の前記雌軸に対する摺動抵抗(摺動荷重)を小さく抑えると共に、前記締め代の変化に対する前記摺動抵抗(摺動荷重)の変動を鈍感にできて、前記雄軸の、前記雌軸に対する摺動を安定させる事ができる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、両端部に十字軸式自在継手を装着した中間シャフトを示す、部分切断側面図。 同じく、図1のX部に相当する拡大図。 同じく、中間シャフトを構成する雄軸の製造工程を説明する為の図。 同じく、図3のA−A乃至K−K断面に相当する断面図(a)乃至(k)。 本発明の実施の形態の第2例を示す、中間シャフトを構成する雄軸の製造工程を説明する為の図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図3と同様の図。 本発明の実施の形態の第4例を示す、図3と同様の図。 従来から知られているステアリング装置の1例を示す部分切断側面図。 中間シャフトを取り出して示す部分切断側面図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜4を参照しつつ説明する。尚、本例は、本発明を、ステアリング装置を構成する中間シャフトに適用したものである。但し、本発明は、この様な中間シャフト以外にも、各種用途で使用される伸縮自在シャフトの構造に適用する事ができる。又、本例の中間シャフトを組み込んだステアリング装置の構造は、図8に示したステアリング装置と同様の構造を有している。但し、本例の中間シャフトは、図8に示したステアリング装置の構造に限らず、従来から知られている各種ステアリング装置の構造に適用する事ができる。以下、本発明を適用した中間シャフトを組み込む事ができるステアリング装置の構造を簡単に説明した後、本例の中間シャフト4aの構造、及び前記中間シャフト4aの製造方法に就いて説明する。
本例の中間シャフト4aを組み込んだステアリング装置は、ステアリングホイール1(図8参照)が、ステアリングシャフト2の後端部に固定されている。又、これと共に、前記ステアリングシャフト2の前端部が、1対の自在継手3c、3d(図1参照)及び前記中間シャフト4aを介して、ステアリングギヤユニット5を構成する入力軸6の基端部に接続されている。更に、前記ステアリングギヤユニット5に内蔵したラックアンドピニオン機構により左右1対のタイロッド7、7を押し引きして、左右1対の操舵輪に、前記ステアリングホイール1の操作量に応じた舵角を付与する様に構成されている。
前記中間シャフト4aは、雄軸に相当するインナシャフト9aの軸方向一端部(図1の右端部であって、組み付け状態に於いて、アウタチューブ11a側となる端部)と、雌軸に相当するアウタチューブ11aの軸方向他端部(図1の左端部であって、組み付け状態に於いて、前記インナシャフト9a側となる端部)とをスプライン係合させる事により、トルク伝達可能、且つ全長を伸縮可能に組み合わせている。以下、前記中間シャフト4aの具体的な構造に就いて説明する。
前記アウタチューブ11aは、軸方向他方側から順に、小径筒部12と、連続部13と、大径筒部14と、ヨーク部15とを備えている。
前記小径筒部12は円筒状であり、前記アウタチューブ11aのうちの、軸方向中央部から軸方向他端縁にかけての部分に設けられている。この様な小径筒部12の外周面は、軸方向の全長に亙り外径寸法が変化しない円筒面状である。又、前記小径筒部12の内周面には、円周方向に関して交互に形成された軸方向に長い、複数ずつの凹部と凸部とから成る雌スプライン部16が、全長に亙り形成されている。
前記連続部13は、外径寸法及び内径寸法が軸方向一方側(図1の右側)に向かうほど大きくなる部分円錐筒状であり、軸方向他端縁が、前記小径筒部12の軸方向一端縁に連続している。
前記大径筒部14は円筒状であり、軸方向他端縁が、前記連続部13の軸方向一端縁に連続している。この様な大径筒部14の内径及び外径は、前記小径筒部12の内径及び外径よりも大きい。
前記ヨーク部15は、前記自在継手3cを構成するものであり、前記大径筒部14の軸方向一端縁のうちで、前記大径筒部14に関する直径方向反対側となる2箇所位置から軸方向一方側に延出する状態で設けられた1対の腕部17、17から成る。この様な両腕部17、17の軸方向一端寄り部分には、互いの中心軸が同軸となる状態で1対の円孔18、18が形成されている。尚、図1に示す組み立て状態に於いて、前記両円孔18、18の内側には、それぞれ有底円筒状の軸受カップ19、19が内嵌固定されている。これと共に、前記両軸受カップ19、19の内側に、それぞれ複数本のニードル20、20を介して、十字軸21を構成する4本の軸部22、22のうちの1対の軸部22、22の端部が回動自在に支持されている。
尚、前記十字軸21を構成する4本の軸部22、22のうちの、前記ヨーク部15の両円孔18、18内に支持された軸部22、22以外の1対の軸部22(一方の軸部は図示省略)の端部は、前記ステアリングシャフト2の前端部に支持固定されたヨーク23を構成する1対の腕部24(一方の腕部は図示省略)に形成された円孔(図示省略)の内側に、軸受カップ及びニードル(図示省略)を介して回動自在に支持されている。
本例の場合、前記ヨーク部15を、前記アウタチューブ11aに一体に設ける構造を採用しているが、アウタチューブとヨーク部とを別体に設けて溶接或いは嵌合等により結合固定する構造を採用する事もできる。
前記インナシャフト9aは、軸方向一方側(図1、2の右側)から順に、予備軸部25と、第一の傾斜連続部26と、第一の大径雄スプライン形成部27と、第二の傾斜連続部28と、小径雄スプライン形成部29と、第三の傾斜連続部30と、第二の大径雄スプライン形成部31と、第四の傾斜連続部32と、小径軸部33と、結合軸部34とを備えている。
前記予備軸部25は、前記インナシャフト9aの軸方向一端部に設けられている。この様な予備軸部25の外周面は、軸方向一端縁に形成された面取り部を除いて、軸方向の全長に亙り変化しない円筒面状に形成されている。
前記第一の傾斜連続部26は、前記予備軸部25の軸方向他方側に隣接した位置に、前記予備軸部25と前記第一の大径雄スプライン形成部27とを連続する状態で形成されている。この様な第一の傾斜連続部26の外周面は、軸方向一方側に形成された第一の部分円錐面部35と、軸方向他方側に形成された第一の不完全スプライン部36とから成る。前記第一の部分円錐面部35は、外径が、軸方向一方側に向かうほど(前記第一の大径雄スプライン形成部27から離れるほど)小さくなる。尚、この様な第一の部分円錐面部35の軸方向一端縁の外径は、前記第一、第二の各大径雄スプライン形成部27、31の外周面に形成された第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の歯底円直径(前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の各凹部の外接円直径)よりも小さい。
又、前記第一の不完全スプライン部36は、円周方向に関して交互に形成された、複数ずつの凹部と、前記インナシャフト9aの中心軸を含む仮想平面に関する断面形状が直角三角形状の凸部とから成る。これら各凸部の外周面の外径も、軸方向一方側に向かうほど(第一の大径雄スプライン形成部27から離れるほど)小さくなる。
前記第一の大径雄スプライン形成部27は、前記第一の傾斜連続部26の軸方向他方側に隣接した部分に設けられており、外周面に、円周方向に関して交互に形成された軸方向に長い、複数ずつの凹部と凸部とから成る第一の大径雄スプライン部37が、全長に亙り形成されている。この様な第一の大径雄スプライン部37は、雄スプライン部を構成するものであり、凹部及び凸部の軸方向一端縁が、それぞれ前記第一の不完全スプライン部36の凹部及び凸部の軸方向他端縁に連続している。好ましくは、前記第一の大径雄スプライン部37の凸部と前記第一の不完全スプライン部36の凸部とを、断面円弧形で滑らかに連続させる。尚、前記第一の不完全スプライン部36の凹部の外接円の直径は、前記第一の大径雄スプライン部37の歯底円直径と等しい(前記第一の不完全スプライン部36の凹部の底面と、前記第一の大径雄スプライン部37の凹部の底面とは同一円筒面上に位置している。)。
前記第二の傾斜連続部28は、前記第一の大径雄スプライン形成部27(前記第一の大径雄スプライン部37)の軸方向他方側に隣接した位置に、前記第一の大径雄スプライン形成部27と前記小径雄スプライン形成部29とを連続する状態で形成されている。この様な第二の傾斜連続部28の外周面には、第二の不完全スプライン部38が形成されている。前記第二の不完全スプライン部38は、円周方向に関して交互に形成された、複数ずつの凹部と、前記インナシャフト9aの中心軸を含む仮想平面に関する断面形状が直角三角形状の凸部とから成る。これら各凸部の外周面の外径も、軸方向他方側に向かうほど(前記第一の大径雄スプライン形成部27から離れるほど)小さくなる。この様な第二の不完全スプライン部38を構成する凹部及び凸部の軸方向一端縁は、それぞれ前記第一の大径雄スプライン部37の凹部及び凸部の軸方向他端縁と連続している。好ましくは、前記第二の不完全スプライン部38の凸部と、前記第一の大径雄スプライン部37の凸部とを、断面円弧状で滑らかに連続させる。又、前記第二の不完全スプライン部38を構成する凹部の外接円の直径は、前記第一の大径雄スプライン部37の歯底円直径と等しい(前記第二の不完全スプライン部38の凹部の底面と、前記第一の大径雄スプライン部37の凹部の底面とは同一円筒面上に位置している)。
前記小径雄スプライン形成部29は、前記第二の傾斜連続部28の軸方向他方側に隣接した位置に形成されている。この様な小径雄スプライン形成部29の外周面には、円周方向に関して交互に形成された軸方向に長い、複数ずつの凹部と凸部とから成る小径雄スプライン部39が、全長に亙り形成されている。この様な小径雄スプライン部39は、雄スプライン部を構成するものであり、凹部及び凸部の軸方向一端縁が、それぞれ前記第二の不完全スプライン部38の凹部及び凸部の軸方向他端縁に連続している。尚、好ましくは、前記小径雄スプライン部39の凸部と、前記第二の不完全スプライン部38の凸部とを、断面円弧状で滑らかに連続させる。又、前記小径雄スプライン部39の歯底円直径は、前記第二の不完全スプライン部38の凹部の外接円の直径と、等しい(前記小径雄スプライン部39の凹部の底面と、前記第二の不完全スプライン部38の凹部の底面とは、同一円筒面上に位置している)。
又、前記小径雄スプライン部39の歯先円直径(前記小径雄スプライン部39の凸部の外接円直径)D39a(図4参照)は、前記第一の大径雄スプライン部37の歯先円直径(前記第一の大径雄スプライン部37の凸部の外接円直径)D37aよりも小さく、前記第一の大径雄スプライン部37の歯底円直径(前記第一の大径雄スプライン部37の凹部の外接円直径)D37bよりも大きい(D37b<D39a<D37a)。一方、前記小径雄スプライン部39の歯底円直径(前記小径雄スプライン部39の凹部の外接円直径)D39bは、前記第一の大径雄スプライン部37の歯底円直径D37bと等しい(D39b=D37b)。
尚、前記小径雄スプライン部39の軸方向の長さは、前記第一の大径雄スプライン形成部27の軸方向一端縁から前記第二の大径雄スプライン形成部31の軸方向他端縁までの長さLの1/5〜1/2の範囲である事が好ましい。例えば、前記小径雄スプライン部39の軸方向の長さを、前記第一、第二の各大径雄スプライン形成部27、31のそれぞれの軸方向長さと等しくする構成を採用できる。
前記第三の傾斜連続部30は、前記小径雄スプライン形成部29の軸方向他方側に隣接した位置に、前記小径雄スプライン形成部29と前記第二の大径雄スプライン形成部31とを連続する状態で形成されている。この様な第三の傾斜連続部30の外周面には、第三の不完全スプライン部40が形成されている。前記第三の不完全スプライン部40は、円周方向に関して交互に形成された、複数ずつの凹部と、前記インナシャフト9aの中心軸を含む仮想平面に関する断面形状が直角三角形状の凸部とから成る。これら各凸部の外周面の外径は、軸方向一方側に向かうほど(第二の大径雄スプライン形成部31から離れるほど)小さくなる。この様な第三の不完全スプライン部40を構成する凹部及び凸部の軸方向一端縁は、それぞれ前記小径雄スプライン部39の凹部及び凸部の軸方向他端縁に連続している。好ましくは、前記第三の不完全スプライン部40の凸部と、前記小径雄スプライン部39の凸部とを、断面円弧状で滑らかに連続させる。尚、前記第三の不完全スプライン部40の凹部の外接円の直径は、前記小径雄スプライン部39の歯底円直径と、等しい(前記第三の不完全スプライン部40の凹部の底面と、前記小径雄スプライン部39の凹部の底面とは、同一円筒面上に位置している)。
前記第二の大径雄スプライン形成部31は、前記第三の傾斜連続部30の軸方向他方側に隣接した部分に設けられており、外周面に、円周方向に関して交互に形成された軸方向に長い、複数ずつの凹部と凸部とから成る第二の大径雄スプライン部41が、全長に亙り形成されている。この様な第二の大径雄スプライン部41も、雄スプライン部を構成するものであり、凸部及び凹部の軸方向一端縁が、それぞれ前記第三の不完全スプライン部40の凸部及び凹部の軸方向他端縁に連続している。好ましくは、第二の大径雄スプライン部41の凸部と、前記第三の不完全スプライン部40の凸部とを、断面円弧状で滑らかに連続させる。尚、前記第二の大径雄スプライン部41の歯底円直径は、前記第三の不完全スプライン部40の凹部の外接円の直径と、等しい(前記第二の大径雄スプライン部41の凹部の底面と、前記第三の不完全スプライン部40の凹部の底面とは同一円筒面上に位置している)。
以上の様な構成を有する前記第二の大径雄スプライン部41の歯先円直径(前記第二の大径雄スプライン部41の凸部の外接円直径)D41aは、前記第一の大径雄スプライン部37の歯先円直径D37aと等しい(D41a=D37a)。又、前記第二の大径雄スプライン部41の歯底円直径D41bは、前記第一の大径雄スプライン部37の歯底円直径D37bと等しい(D41b=D37b)。従って、前記小径雄スプライン部39の歯先円直径D39aは、前記第二の大径雄スプライン部41の歯先円直径D41aよりも小さく、前記第二の大径雄スプライン部41の歯底円直径D41bよりも大きい(D41b<D39a<D41a)。又、前記第二の大径雄スプライン部41の歯底円直径D41bは、前記小径雄スプライン部39の歯底円直径D39bと等しい(D39b=D41b)。
前記第四の傾斜連続部32は、前記第二の大径雄スプライン形成部31(前記第二の大径雄スプライン部41)の軸方向他方側に隣接した位置に、前記第二の大径雄スプライン形成部31と前記小径軸部33とを連続する状態で形成されている。この様な第四の傾斜連続部32の外周面は、軸方向他方側に形成された第四の部分円錐面部42と、軸方向一方側に形成された第四の不完全スプライン部43とから成る。前記第四の部分円錐面部42は、外径が、軸方向他方側に向かうほど(前記第二の大径雄スプライン形成部31から離れるほど)小さくなる。尚、この様な第四の部分円錐面部42の軸方向他端縁の外径は、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の各歯底円直径よりも小さい。
又、前記第四の不完全スプライン部43は、円周方向に関して交互に形成された、複数ずつの凹部と、前記インナシャフト9aの中心軸を含む仮想平面に関する断面形状が直角三角形状の凸部とから成る。これら各凸部の外周面の外径も、軸方向他方側に向かうほど(前記第二の大径雄スプライン形成部31から離れるほど)小さくなる。この様な第四の不完全スプライン部43を構成する凹部及び凸部の軸方向一端縁は、前記第二の大径雄スプライン部41の凹部及び凸部の軸方向他端縁と連続している。好ましくは、前記第四の不完全スプライン部43の凸部と前記第二の大径雄スプライン部41の凸部とを、断面円弧状で滑らかに連続させる。尚、前記第四の不完全スプライン部43の凹部の外接円の直径は、前記第二の大径雄スプライン部41の歯底円直径と、等しい(前記第四の不完全スプライン部43の凹部の底面と、前記第二の大径雄スプライン部41の凹部の底面とは、同一円筒面上に位置している)。
前記小径軸部33は、前記インナシャフト9aのうち、前記第四の傾斜連続部32の軸方向他方側に隣接した位置から、軸方向他端寄り部分にかけて形成されている。この様な小径軸部33の軸方向一端縁は、前記第四の傾斜連続部32(前記第四の部分円錐面部42)の軸方向他端縁に連続している。そして、前記小径軸部33の外径は、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の各歯底円直径よりも小さい。
前記結合軸部34は、前記インナシャフト9aのうち、前記小径軸部33の軸方向他方側に隣接した位置から、軸方向他端縁にかけて形成されている。又、前記結合軸部34の外径は、前記小径軸部33の軸方向他端部の外径よりも僅かに小さい。又、この様な結合軸部34の軸方向一端縁は、前記小径軸部33の軸方向他端縁に連続している。
又、本例の場合、前記インナシャフト9aのうち、前記予備軸部25の軸方向一端縁から、前記第一の大径雄スプライン形成部27の軸方向一端寄り部分と整合する位置にかけて、軸方向一端が前記インナシャフト9a(予備軸部25)の軸方向一端面に開口した状態で中心孔44が形成されている。尚、前記中心孔44の軸方向の長さに関しては、本例の場合よりも長く形成する事もできる。具体的には、中心孔44の軸方向他端(奥端)の位置を、例えば、前記第四の傾斜連続部32の軸方向一端縁と軸方向他端縁との間部分に位置させる構造を採用する事もできる。この様な構造を採用すれば、前記インナシャフト9aのうちの、前記アウタチューブ11aとスプライン係合する部分の径方向に関する剛性を適度に小さくする事ができる。この結果、前記インナシャフト9aの前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41と前記アウタチューブ11aの雌スプライン部16との係合部の回転方向のがたつきを防止する為に、前記係合部に締め代を持たせた構造を採用した場合でも、前記締め代の変化に対する摺動抵抗(摺動荷重)の変動を鈍感にでき、前記インナシャフト9aの、前記アウタチューブ11aに対する摺動を安定させる事ができる。
又、前記インナシャフト9aの結合軸部34には、前記両自在継手3c、3dのうちの、前側(図1の左側)に配置された自在継手3dを構成するヨーク45が結合固定されている。前記ヨーク45は、略円板状の基部46と、前記基部46の外周面のうち、前記基部46に関する直径方向反対側となる2箇所位置から軸方向他方側に延出する状態で設けられた1対の腕部47、47とから成る。
前記基部46は、中央部に前記結合軸部34を挿通可能な結合孔48が形成されている。又、前記両腕部47、47の軸方向他端寄り部分には、互いの中心軸が同軸となる状態で1対の円孔49、49が形成されている。この様なヨーク45は、前記結合孔48に前記インナシャフト9aの結合軸部34を締り嵌めにより内嵌固定すると共に、溶接する事により、前記インナシャフト9aに結合固定されている。
又、図1に示す組み立て状態に於いて、前記両腕部47、47の両円孔49、49の内側には、それぞれ有底円筒状の軸受カップ50、50が内嵌固定されている。これと共に、これら両軸受カップ50、50の内側に、それぞれ複数本のニードル51、51を介して、十字軸52を構成する4本の軸部53、53のうちの1対の軸部53、53の端部が回動自在に支持されている。
尚、前記十字軸52を構成する4本の軸部53、53のうちの、前記ヨーク45の両円孔49、49内に支持された軸部53、53以外の1対の軸部53(一方の軸部53は図示省略)の端部は、前記入力軸6の基端部に支持固定されたヨーク54を構成する1対の腕部55(一方の腕部55は図示省略)に形成された円孔(図示省略)の内側に、軸受カップ(図示省略)及びニードル(図示省略)を介して回動自在に支持されている。
又、前記インナシャフト9aの外周面のうち、前記予備軸部25の軸方向一端縁から、前記第四の傾斜連続部32の軸方向他端縁にかけての部分には、滑りやすい(前記アウタチューブ11aを構成する金属材料に対する摩擦係数の低い)合成樹脂製のコーティング層56{図3(d)参照}が、円周方向且つ軸方向に連続した状態で設けられている。本例の場合、前記コーティング層56のうち、前記予備軸部25を覆う部分の外周面を円筒面状としている。一方、前記コーティング層56のうち、前記各第一、第二の大径雄スプライン部37、41、及び前記小径雄スプライン部39を覆う部分の外周面の形状は、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41、及び前記小径雄スプライン部39の外周面の形状に沿う様な凹凸面状に形成されている。
具体的には、前記コーティング層56のうち、前記第一の大径雄スプライン部37の各凸部を覆う部分の外接円直径D56aと、前記第二の大径雄スプライン部41の各凸部を覆う部分の外接円直径D56bと、前記小径雄スプライン部39の各凸部を覆う部分の外接円直径D56cとは、等しい(D56a=D56b=D56c)。更に、前記コーティング層56のうち、前記第一の大径雄スプライン部37の各凹部を覆う部分の外接円直径D56dと、前記第二の大径雄スプライン部41の各凹部を覆う部分の外接円直径D56eと、前記小径雄スプライン部39の各凹部を覆う部分の外接円直径D56fとは、等しい(D56d=D56e=D56f)。
又、前記コーティング層56のうち、前記第一の大径雄スプライン部37の各凸部を覆う部分の径方向に関する厚さ寸法H56aと、前記第二の大径雄スプライン部41の各凸部を覆う部分の径方向に関する厚さ寸法H56bとは、等しい(H56a=H56b)。又、前記小径雄スプライン部39の各凸部を覆う部分の径方向に関する厚さ寸法H56cは、前記厚さ寸法H56a、H56bよりも大きい(H56a=H56b<H56c)。更に、前記コーティング層56のうち、前記第一の大径雄スプライン部37の各凹部を覆う部分の径方向に関する厚さ寸法H56dと、前記第二の大径雄スプライン部41の各凹部を覆う部分の径方向に関する厚さ寸法H56eと、前記小径雄スプライン部39の各凹部を覆う部分の径方向に関する厚さ寸法H56fとは、等しい(H56d=H56e=H56f)。尚、前記コーティング層56の軸方向他端縁の位置は、本例の場合よりも軸方向他方側にまで(例えば、前記小径軸部33が形成されている部分まで)延長させる事もできる。
又、本例の場合、前記第一の大径雄スプライン部37の軸方向一端縁と、前記第二の大径雄スプライン部41の軸方向他端縁との距離Lを、前述の図9に示した従来構造のインナシャフト9の雄スプライン部8の軸方向長さ(前記雄スプライン部8の軸方向両端縁同士の間の距離)Lと同じだけ確保している。
以上の様な構成を有するインナシャフト9aは、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41を、前記アウタチューブ11aの雌スプライン部16に前記コーティング層56を介してスプライン係合させる事により、前記アウタチューブ11aに組み付けられている。この様に組み付けられた状態で、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41と前記雌スプライン部16との係合部には、所定量の締め代が設けられている。又、前記雌スプライン部16と、前記小径雄スプライン部39との係合部も、所定量の締め代が設けられている。
次に、本例の中間シャフト4aを構成するインナシャフト9aの製造方法及び前記インナシャフト9aに前記コーティング層56を形成する方法に就いて、図3、4を参照しつつ説明する。
先ず、図示しない円杆状(円柱状)の素材(軸部材)の外周面の全長に亙り、転造又はプレス成形により中間雄スプライン部57を形成して第一中間素材(図示省略)とする。尚、前記素材の外径寸法は、全長に亙り転造下径(プレス下径)に形成しておく。又、本例の場合、前記中間雄スプライン部57が、凹凸部に相当する。
次に、孔あけ加工により、前記第一中間素材に前記中心孔44を形成する。尚、前記中心孔44の形状、寸法は適宜変更しても良い。又、前記中心孔44を形成する工程を、前記中間雄スプライン部57を形成する工程以前に行う事もできるし、前記中心孔を形成する工程を、省略する事もできる。
次に、前記中心孔44が形成された前記第一中間素材の外周面のうち、前記予備軸部25、前記第一の傾斜連続部26、前記第四の傾斜連続部32、前記小径軸部33、及び前記結合軸部34に相当する部分に切削加工を施して、外周面の形状(外径)を整える事によりこれら各部分25、26、32、33、34を形成して図3(a)に示す様な第二中間素材58とする。
次に、前記第二中間素材58の外周面のうち、前記第二の傾斜連続部28、前記小径雄スプライン形成部29、及び前記第三の傾斜連続部30に相当する部分に切削加工を施して、外周面の形状(外径)を整える事によりこれら各部分28、29、30を形成して図3(b)に示す様な前記インナシャフト9aとする。この様な切削加工により、前記中間雄スプライン部57のうち、前記小径雄スプライン形成部29に相当する部分の外周面に、前記小径雄スプライン部39を形成する。そして、前記中間雄スプライン部57の軸方向両端部を、前記両第一、第二の各大径雄スプライン部37、41とする。尚、前記中間雄スプライン部57のうち、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41に相当する部分には、切削加工を施さない為、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の凹凸形状は、前記中間雄スプライン部57の凹凸形状と同じである。尚、上述の様な切削加工により、前記インナシャフト9aにバリが生じる事がある為、その場合には、上述の工程の後、前記インナシャフト9aを洗浄し、更に、ショットブラスト等により前記バリを除去する。
次に、前記インナシャフト9aの軸方向一端面(図3の右端面)に、例えば磁石製で直方体状の抑え治具59を、前記中心孔44の軸方向一端開口部を塞ぐ様に固定する。尚、前記抑え治具59の構造は、前記中心孔44の軸方向一端開口部を塞ぐ事ができる構造であれば、円柱状や多角柱状等の各種構造を採用できる。又、前記中心孔44を省略している場合には、前記工程は省略できる。
次に、上述の様に抑え治具59が固定された前記インナシャフト9aを、溶融した合成樹脂(図示省略)の中に、軸方向一方側から所定の長さだけ浸漬(ディッピング)する事により、図3(c)に示す様な粗コーティング層60を形成する。具体的には、本例の場合、前記インナシャフト9aのうち、前記予備軸部25の軸方向一端縁から前記第四の傾斜連続部32の軸方向他端縁にかけての部分を、前記溶融した合成樹脂の中に浸漬し、冷却固化させる事により、当該部分に、粗コーティング層60を形成する。この様にして形成された粗コーティング層60は、軸方向及び周方向に連続した状態で形成されている。尚、前記粗コーティング層60を形成する方法は、例えば、流動浸漬法、静電塗装法等を採用する事ができる。
本例の場合、前記粗コーティング層60は、前記第一、第二の各大径雄スプライン形成部27、31の外径側に設けられた部分の外径(外周面の断面形状)と、前記小径雄スプライン部39の外径側に設けられた部分の外径(外周面の断面形状)とが等しく(又は、ほぼ等しく)なる状態で形成されている。従って、前記粗コーティング層60のうち、前記第一の各大径雄スプライン形成部27の各凸部の外径側に設けられた部分の径方向に関する厚さ寸法H60aと、前記第二の各大径雄スプライン形成部31の各凸部の外径側に設けられた部分の径方向に関する厚さ寸法H60bとは、等しい(H60a=H60b)。又、前記小径雄スプライン部39の各凸部の外径側に設けられた部分の径方向に関する厚さ寸法H60cは、前記各厚さ寸法H60a、H60bよりも大きい(H60a=H60b<H60c)。
最後に、前記粗コーティング層60に、シェービング加工を施す事により前記コーティング層56を形成する。
この様なシェービング加工は、例えば、前記コーティング層56のうちの前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41を覆う部分の外周面に沿う内周面形状を有する筒状のシェービング用金型(シェービングカッター)の内側に、前記インナシャフト9aのうちの前記粗コーティング層60が形成された部分を挿通する事により、前記粗コーティング層60のうちの前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41を覆う部分の径方向外端寄り部分を削り取る。尚、本例の場合、この様なシェービング加工の際、前記粗コーティング層60のうちの、前記予備軸部25の軸方向一端部以外の部分、前記第一の傾斜連続部26、前記第二の傾斜連続部28、前記小径雄スプライン形成部39、前記第三の傾斜連続部30、及び前記第四の傾斜連続部32の軸方向一端部を覆う部分の径方向外端寄り部分も削り取る。
又、前記シェービング加工の際には、前記抑え治具59を取り外して、前記中心孔44をセンタ出し(シェービングカッターとインナシャフト9aとの中心軸同士を一致させる作業)に利用する事ができる。
以上の様な構成を有する本例の中間シャフト4aによれば、前記インナシャフト9aの第一、第二の各大径雄スプライン部37、41と、前記アウタチューブ11aの雌スプライン部16との係合部の回転方向のがたつきを小さく抑えられる構造を採用した場合にも、前記インナシャフト9aと前記アウタチューブ11aとの摺動抵抗を小さく抑える事ができる。
即ち、本例の場合、前記インナシャフト9aの外周面のうち、軸方向に関して、前記第一の大径雄スプライン部37と前記第二の大径雄スプライン部41との間部分に、歯先円直径が、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の歯先円直径よりも小さい前記小径雄スプライン部39を設けている。そして、この様な第一、第二の各大径雄スプライン部37、41、及び前記小径雄スプライン部39から成る雄スプライン部を、合成樹脂製の前記コーティング層56を介して、前記アウタチューブ11aの雌スプライン部16とスプライン係合させている。この為、前記インナシャフト9aと前記アウタチューブ11aとのスプライン係合部の回転方向のがたつきを防止する為に、前記係合部に締め代を持たせた構造を採用した場合でも、前記インナシャフト9aのうち、前記雄スプライン部(前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41、前記小径雄スプライン部39)を形成した部分の径方向の合成を確保しつつ、前記インナシャフト9aの前記アウタチューブ11aに対する摺動抵抗(摺動荷重)を小さく抑えると共に、前記締め代の変化に対する摺動抵抗(摺動荷重)の変動を鈍感にでき、前記インナシャフト9aの前記アウタチューブ11aに対する摺動を安定させる事ができる。
即ち、本例の場合、前記コーティング層56のうち、前記小径雄スプライン部39の各凸部の外径側に設けられた部分の径方向に関する厚さ寸法H56cを、同じく前記両第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の各凸部の外径側に設けられた部分の径方向に関する厚さ寸法H56a、H56bよりも大きくしている。この為、前記雌スプライン部16とスプライン係合する前記コーティング層56のうち、前記小径雄スプライン部39の外径側に設けられた部分を、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の外径側に設けられた部分よりも弾性変形させ易くできる。この結果、前記小径雄スプライン部39が形成されていない場合と比べて、前記小径雄スプライン部39と前記雌スプライン部16とのスプライン係合部(摺接部分)の摺動抵抗、延いては、前記インナシャフト9aと前記アウタチューブ11aとの摺動抵抗を小さく抑えると共に、前記締め代の変化に対する前記摺動抵抗の変動を鈍感にする事ができる。尚、本例の場合、上述の様な構成を、前記小径雄スプライン部39の歯先円直径D39aのみを、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の歯先円直径D37a、D41aよりも小さくする事で実現している(前記各雄スプライン部37、41、39の歯底円直径D37b、D41b、D39bは等しくしている。)。この為、前記インナシャフト9aのうち、前記各雄スプライン部37、41、39が形成された部分の合成が徒に低下するのを防止できる。
又、本例の場合、前記第一の大径雄スプライン部37の軸方向一端縁と前記第二の大径雄スプライン部41の軸方向他端縁の距離Lを、前記従来構造のインナシャフト9の雄スプライン部8の軸方向長さLと同じだけ確保している。この為、前記摺動抵抗を小さく抑えつつ、前記インナシャフト9aと前記アウタチューブ11aとの中心軸同士が不一致になる(前記インナシャフト9aと前記アウタチューブ11aとが触れ回る)のを防止する事ができる。尚、前記インナシャフト9aと前記アウタチューブ11aとは、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の様に、軸方向に離隔した2箇所位置で係合している為、前記インナシャフト9aと前記アウタチューブ11aとの摺動が不安定になる事を防止すると共に、捩じり方向のがたつきも防止できる。
以上の様に、本例の構造によれば、前記中間シャフト4aを構成するインナシャフト9aと前記アウタチューブ11aとの摺動抵抗を小さくしたり、摺動時の前記両部材9a、11aのがたつきを防止する事ができる為、前記中間シャフト4aを車両に組み込む作業の作業効率を向上する事ができる。
又、本例の場合、上述の様な理由により前記インナシャフト9aの第一、第二の各大径雄スプライン部37、41と前記アウタチューブ11aの雌スプライン部16との摺動抵抗を小さくできる為、前記インナシャフト9aの誤差を許容できる範囲(寸法公差)を大きく確保した場合でも、前記寸法公差の影響で、前記摺動抵抗が徒に大きくなる事を防止できる。従って、前記インナシャフト9a及び前記アウタチューブ11aの、製造コストの低減を図れる。
更に、前記小径雄スプライン部39を形成している(前記小径雄スプライン部39の歯先円直径を、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の歯先円直径よりも小さくしている)分だけ、前記インナシャフト9aの軽量化を図る事ができる。
又、本例の場合、前記インナシャフト9aの軸方向一端部に、前記予備軸部25を設けている。この為、前述した様な方法により前記インナシャフト9aに前記粗コーティング層60を形成する際に、前記予備軸部25の外周面の全周に亙り、前記粗コーティング層60を連続した状態で形成できる。この為、前記粗コーティング層60を形成した後、前記インナシャフト9aの軸方向一端面から前記抑え治具59を取り外す際に、前記抑え治具59に引っ張られて前記粗コーティング層60の軸方向一端縁がめくれ、前記第一の大径雄スプライン部37が露出してしまう事の防止を図れる。更に、使用時に前記インナシャフト9aと前記アウタチューブ11aとが摺動する際にも、前記コーティング層56の軸方向一端縁がめくれてしまう事を防止できる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図5を参照しつつ説明する。本例は、インナシャフト9aに対して、コーティング層を形成する方法が、前述した実施の形態の第1例の場合と異なる。尚、前記インナシャフト9aの製造方法に関しては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。以下、本例の特徴部分に就いて説明する。
本例の場合も、前記インナシャフト9aに対して、前述した実施の形態の第1例と同様の方法で、粗コーティング層60{図3(c)参照}を形成する。そして、前記粗コーティング層60にシェービング加工を施す事により、コーティング層56を形成する。
そして、この様なコーティング層56が設けられた前記インナシャフト9aの第一、第二の各大径雄スプライン部37、41、及び小径雄スプライン部39と、アウタチューブ11a(図2参照)の雌スプライン部16とを、前記コーティング層56を介してスプライン係合させた状態で、少なくとも前記スプライン係合した部分を、高周波加熱により加熱する。すると、前記コーティング層56を構成する合成樹脂が、前記インナシャフト9aの外周面と前記アウタチューブ11aの内周面との間で膨張する。この際、前記コーティング層56のうち、前記小径雄スプライン部39の外径側に設けられた部分の体積は、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の外径側に設けられた部分の体積よりも大きい為、前記小径雄スプライン部39の外径側に設けられた部分の方が、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の外径側に設けられた部分よりも大きく膨張する。この為、前記コーティング層56のうち、前記小径雄スプライン部39の外径側に設けられた部分を構成する樹脂の一部が、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の外径側に移動する。この様に前記樹脂が移動すると、前記コーティング層56のうちの前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の外径側に設けられた部分の外周面と、前記雌スプライン部16との密着性が向上する。
その後、前記加熱を止めて冷却すると、図5(b)に示す様なコーティング層56aが形成される。この様なコーティング層56aは、前記第一の大径雄スプライン部37の各凸部を覆う部分の外接円直径D56aと、前記第二の大径雄スプライン部41の各凸部を覆う部分の外接円直径D56bとが、等しい(D56a=D56b)。一方、前記小径雄スプライン部39の各凸部を覆う部分の外接円直径D56cは、前記各外接円直径D56a、D56aよりも小さい(D56c<D56a=D56b)。又、前記コーティング層56aのうち、前記第一の大径雄スプライン部37の各凹部を覆う部分の外接円直径と、前記第二の大径雄スプライン部41の各凹部を覆う部分の外接円直径と、前記小径雄スプライン部39の各凸部を覆う部分の外接円直径とは、等しい。
又、前記コーティング層56aのうち、前記第一の大径雄スプライン部37の各凸部を覆う部分の径方向に関する厚さ寸法H56aと、前記第二の大径雄スプライン部41の各凸部を覆う部分の径方向に関する厚さ寸法H56bとは、等しい(H56a=H56b)。又、前記小径雄スプライン部39の各凸部を覆う部分の径方向に関する厚さ寸法H56cは、前記厚さH56a、H56bよりも大きい(H56a=H56b<H56c)。
本例の場合、前記コーティング層56aのうち、前記小径雄スプライン部39の各凸部を覆う部分の先端面が、前記小径雄スプライン部39の全長に亙り、前記アウタチューブ11aの雌スプライン部16の歯底面と当接していない。言い換えれば、前記コーティング層56aのうち、前記小径雄スプライン部39の各凸部を覆う部分の先端面(歯先面)と、前記雌スプライン部16の歯底面との間に、径方向の隙間が介在した状態となる。この為、前記小径雄スプライン部39が形成されていない場合と比べて、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41と前記雌スプライン部16とのスプライン係合部(摺接部分)の当接面積を小さく抑えられる。この結果、前記インナシャフト9aと前記アウタチューブ11aとの摺動抵抗を小さく抑える事ができる。又、前記径方向の隙間をグリース溜りとして利用する事ができる。
又、前述の様に、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41、及び前記小径雄スプライン部39とアウタチューブ11aの雌スプライン部16とを、前記コーティング層56を介してスプライン係合させた状態で、加熱した後、冷却する、仕上げ工程(熱ならし工程)により前記コーティング層56aを形成している(形状を整えている)為、前記雌スプライン部16に対する、前記コーティング層56aのうちの前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の外径側に設けられた部分の外周面の形状精度を高くする事ができる。その他の部分の構成及び作用・効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図6を参照しつつ説明する。本例の場合、インナシャフト9aに形成した粗コーティング層60aの構造が、前述した実施の形態の第1例の粗コーティング層60と異なる。
具体的には、本例の場合、前記粗コーティング層60aは、第一の大径雄スプライン形成部27の外径側に設けられた部分の外径と、第二の大径雄スプライン形成部31の外径側に設けられた部分の外径とが等しい。一方、前記小径雄スプライン形成部29の外径側に設けられた部分の外径が、第一、第二の各大径雄スプライン形成部27、31の外径側に設けられた部分の外径よりも小さい。
又、前記粗コーティング層60aのうち、前記第一の各大径雄スプライン部37の各凸部(各凹部)の外径側に設けられた部分の径方向に関する厚さ寸法と、前記第二の各大径雄スプライン部41の各凸部(各凹部)の外径側に設けられた部分の径方向に関する厚さ寸法と、前記小径雄スプライン部39の各凸部(各凹部)の外径側に設けられた部分の径方向に関する厚さ寸法とは、等しい。尚、前記粗コーティング層60aの厚さ寸法は、上述の各部分毎に適宜設定する事ができる。
又、本例の場合、上述の様な粗コーティング層60aが設けられた前記インナシャフト9aに、前述した実施の形態の第1例と同様のシェービング加工を施す事によりコーティング層56を形成する。この様にして形成された前記コーティング層56の構造は、前述した実施の形態の第1例のコーティング層と同様である。尚、前記粗コーティング層60aのうち、前記小径雄スプライン部39の各凸部(各凹部)の外径側に設けられた部分の外径の大きさによっては、前記シェービング加工の際、当該部分に、シェービング用金型(シェービングカッター)の内周面が、当接しない場合もある。その他の部分の構成及び作用・効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第4例]
本発明の実施の形態の第4例に就いて、図7を参照しつつ説明する。本例の場合、インナシャフト9aを造る工程が、前述した実施の形態の第1例の場合と異なる。
具体的には、本例の場合、円杆状(円柱状)の素材(軸部材)のうち、少なくとも第一、第二の各大径雄スプライン部37、41、及び小径雄スプライン部39に相当する部分を、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41の転造下径(プレス下径)に加工する。
次に、前記転造下径に加工した部分のうち、前記小径雄スプライン部39に相当する部分の外周面に、例えば切削加工を施す事により、外径が、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41に相当する部分の外径よりも小さい、小径円杆部61を形成する。尚、前記転造下径に加工した部分のうち、前記小径円杆部61の軸方向両側に隣接した部分(前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41に相当する部分)を大径円杆部62、62とする。又、前記切削加工の際、中心孔44、前記予備軸部25、前記第一の傾斜連続部26、前記第四の傾斜連続部32、前記小径軸部33、及び前記結合軸部34も形成して、図7(a)に示す様な中間素材63とする。
次に、前記中間素材63の両大径円杆部62、62及び前記小径円杆部61に、転造又はプレス成形を施す事により、前記第一、第二の各大径雄スプライン部37、41、第二の傾斜連続部28、第三の傾斜連続部30、及び前記小径雄スプライン部39を形成して、前記インナシャフト9aを得る。前記インナシャフト9aに、コーティング層56を形成する方法は、前述した実施の形態の第1例と同様である。その他の部分の構成及び作用・効果に就いても、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
前述した実施の形態の各例では、本発明をステアリング装置を構成する中間シャフトに適用した例に就いて説明した。但し、本発明は、この様な中間シャフト以外にも、各種用途で使用される伸縮自在シャフトの構造に適用する事ができる。
又、本発明を実施する場合には、小径雄スプライン部を、軸方向に離隔した複数箇所に設ける事もできる。
又、本発明を実施する場合には、前述した実施の形態の各例の第一乃至第四傾斜連続部26、28、30、32を省略する事もできる。即ち、例えば、大径雄スプライン部と小径雄スプライン部とを、雄軸の中心軸に直交する様な段部により連続させた構造とする事もできる。
更に、本発明を実施する場合には、前述した実施の形態の各例の構造を適宜組み合わせて実施する事もできる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3a、3b、3c、3d 自在継手
4、4a 中間シャフト
5 ステアリングギヤユニット
6 入力軸
7 タイロッド
8 雄スプライン部
9、9a、9b インナシャフト
10 雌スプライン部
11、11a アウタチューブ
12 小径筒部
13 連続部
14 大径筒部
15 ヨーク部
16 雌スプライン部
17 腕部
18 円孔
19 軸受カップ
20 ニードル
21 十字軸
22 軸部
23 ヨーク
24 腕部
25 予備軸部
26 第一の傾斜連続部
27 第一の大径雄スプライン形成部
28 第二の傾斜連続部
29 小径雄スプライン形成部
30 第三の傾斜連続部
31 第二のスプライン形成部
32 第四の傾斜連続部
33 小径軸部
34 結合軸部
35 第一の部分円錐面部
36 第一の不完全スプライン部
37 第一の大径雄スプライン部
38 第二の不完全スプライン部
39 小径雄スプライン部
40 第三の不完全スプライン部
41 第二の大径雄スプライン部
42 第四の部分円錐面部
43 第四の不完全スプライン部
44 中心孔
45 ヨーク
46 基部
47 腕部
48 結合孔
49 円孔
50 軸受カップ
51 ニードル
52 十字軸
53 軸部
54 ヨーク
55 腕部
56、56a コーティング層
57 中間雄スプライン部
58 第二中間素材
59 抑え治具
60、60a 粗コーティング層
61 小径円杆部
62 大径円杆部
63 中間素材

Claims (9)

  1. 外周面の少なくとも一部に雄スプライン部が形成され、前記雄スプライン部は、軸方向両端部に形成された1対の大径雄スプライン部と、軸方向に関して前記両大径雄スプライン部の間部分に、前記両大径雄スプライン部と軸方向に連続した状態で形成された小径雄スプライン部とから成り、前記小径雄スプライン部の歯先円直径が、前記両大径雄スプライン部の歯先円直径よりも小さく、且つ、前記両大径雄スプライン部の歯底円直径よりも大きい雄軸と、
    内周面の少なくとも一部に雌スプライン部が形成された雌軸と、
    前記雄スプライン部の外周面に、周方向及び軸方向に連続した状態で形成されたコーティング層とを備えており、
    前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させる事により、前記雄軸と前記雌軸とがトルク伝達可能、且つ、全長を伸縮可能な状態に組み合わせられている、伸縮自在シャフトの製造方法であって、
    円杆状の軸部材の外周面のうちの少なくとも軸方向一部に、凹部と凸部とを全周に亙って交互に配置して成り、全長に亙り外径が変化しない凹凸部を形成した後、前記凹凸部のうち、前記小径雄スプライン部に相当する部分に、歯先円直径を小さくする加工を施して、前記雄スプライン部を形成する事により、前記雄軸を得た後、
    前記雄スプライン部の外周面に粗コーティング層を形成し、
    前記粗コーティング層にシェービング加工を施す事により前記コーティング層を形成する、伸縮自在シャフトの製造方法。
  2. 前記粗コーティング層を形成する以前に、軸方向一端が、前記軸部材の軸方向一端面に開口した中心孔を形成し、
    前記軸部材の軸方向一端面に抑え治具を固定して、前記中心孔の軸方向一端開口部を塞いだ状態で前記粗コーティング層を形成する、請求項に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。
  3. 外周面の少なくとも一部に雄スプライン部が形成され、前記雄スプライン部は、軸方向両端部に形成された1対の大径雄スプライン部と、軸方向に関して前記両大径雄スプライン部の間部分に、前記両大径雄スプライン部と軸方向に連続した状態で形成された小径雄スプライン部とから成り、前記小径雄スプライン部の歯先円直径が、前記両大径雄スプライン部の歯先円直径よりも小さく、且つ、前記両大径雄スプライン部の歯底円直径よりも大きい雄軸と、
    内周面の少なくとも一部に雌スプライン部が形成された雌軸と、
    前記雄スプライン部の外周面に、周方向及び軸方向に連続した状態で形成されたコーティング層とを備えており、
    前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させる事により、前記雄軸と前記雌軸とがトルク伝達可能、且つ、全長を伸縮可能な状態に組み合わせられている、伸縮自在シャフトの製造方法であって、
    円杆状の軸部材に、前記雄スプライン部を形成し、かつ、軸方向一端が、前記軸部材の軸方向一端面に開口した中心孔を形成して前記雄軸を得た後、
    前記軸部材の軸方向一端面に抑え治具を固定して、前記中心孔の軸方向一端開口部を塞いだ状態で、前記雄スプライン部の外周面に粗コーティング層を形成し、
    前記粗コーティング層にシェービング加工を施す事により前記コーティング層を形成する、伸縮自在シャフトの製造方法。
  4. 前記軸部材を、前記軸部材のうちの前記小径雄スプライン部に相当する部分の外径が、前記軸部材のうちの前記両大径雄スプライン部に相当する部分の外径よりも小さい中間軸部材に成形した後、前記中間軸部材に、前記雄スプライン部を形成して前記雄軸を得る、請求項に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。
  5. 前記中心孔を、前記シェービング加工のセンタ出しに使用する、請求項2〜4のうちの何れか1項に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。
  6. 前記コーティング層を形成する際、前記コーティング層のうち、前記小径雄スプライン部の外径側に設けられた部分の径方向に関する厚さを、前記両大径雄スプライン部の外径側に設けられた部分の径方向に関する厚さよりも厚く形成する、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。
  7. 前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させた状態で、少なくとも前記スプライン係合した部分を加熱した後、冷却する事により、前記コーティング層のうち、前記小径雄スプライン部の外径側に設けられた部分の歯先円直径を、前記両大径雄スプライン部の外径側に設けられた部分の歯先円直径よりも小さくする仕上げ工程を更に備える、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。
  8. 前記雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させた状態で、少なくとも前記スプライン係合した部分を加熱する工程を、高周波加熱により行う、請求項に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。
  9. 記雄スプライン部の外周面を、溶融した合成樹脂の中に浸漬する事により、当該部分に前記粗コーティング層を形成する、請求項1〜8のうちの何れか1項に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。
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