JPH11148853A - 車両荷重測定用センシング素子の取り付け構造 - Google Patents

車両荷重測定用センシング素子の取り付け構造

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JPH11148853A
JPH11148853A JP31691297A JP31691297A JPH11148853A JP H11148853 A JPH11148853 A JP H11148853A JP 31691297 A JP31691297 A JP 31691297A JP 31691297 A JP31691297 A JP 31691297A JP H11148853 A JPH11148853 A JP H11148853A
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JP31691297A
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Masaya Tsuchie
雅也 土江
Naoya Takahashi
直哉 高橋
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Original Assignee
Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の荷重がかかる被荷重箇所にセンシング
素子を取り付けるに当たって、温度変化の影響によるセ
ンシング素子の測定荷重の変動を低減することができる
車両荷重測定用センシング素子の取り付け構造を提供す
ること。 【解決手段】 スライドプレート3の各取付穴3cに、
ケースアッシー9の内部に収容、固定されたセンシング
素子7を取り付けるに当たり、ケースアッシー9を、機
械構造用の炭素鋼からなるスライドプレート3よりも熱
膨張係数が大きいステンレスにより形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラック等の車両
に設けられる荷重測定用の歪ゲージ式等のセンシング素
子の取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の荷重測定は、主としてトラック等
の大型車両を対象とし、例えば過積載による横転等の交
通事故や、車両、路面の劣化の促進を防ぐ目的で行われ
ている。
【0003】在来の車両の荷重測定は、俗に看貫(かん
かん)と呼ばれる台秤に測定対象の車両を載せて行って
いたが、施設が大がかりで広い設置スペースを必要とす
るため、設置できる台秤の台数が制限され多くの車両を
測定することができない他、設置コストが嵩んでしま
う。
【0004】そこで、近年では、車両の荷重がかかる被
荷重箇所に、例えば歪式ゲージセンサ等の荷重測定用の
センシング素子を取り付けて、このセンシング素子の出
力を基に車両の荷重を直に測定する荷重測定装置が用い
られている。
【0005】前記センシング素子は一般に、磁性を有す
る平板状の基板に2つのコイルを交差して巻回すること
で形成されており、一方のコイルに励磁用電流を流すこ
とで基板に発生する磁界により、他方のコイルに誘導電
流が流れ、基板に荷重がかかって基板が歪むと、基板の
磁界の向きに変化が生じて他方のコイルに流れる誘導電
流の周波数が、基板にかかる荷重に対応して変化し、こ
の結果、基板にかかる荷重に対応した周波数の重量信号
が、他方のコイルの両端間に発生するように構成されて
いる。
【0006】そして、上述したセンシング素子の被荷重
箇所への取り付けは、基板が平板状であること、及び、
コイルの周囲に配線引き回し用のスペースが必要となる
こと、及び、被荷重箇所側の加工が容易になる等の理由
から、センシング素子を被荷重箇所に直接取り付けるの
ではなく、センシング素子を中間部材であるケースアッ
シーを介して被荷重箇所に取り付けるようにしていた。
【0007】詳しくは、筒形、例えば、円筒形のケース
アッシー内にセンシング素子を収容して基板とケースア
ッシーの内壁との間を固定し、被荷重箇所には、センシ
ング素子の基板に応じた断面形状ではなく、ケースアッ
シーの外形に応じた断面形状の取付穴を形成して、セン
シング素子が内部に収容されたケースアッシーを被荷重
箇所の取付穴に挿入して取り付けるようにしていた。
【0008】尚、ケースアッシーは、センシング素子を
被荷重箇所に直接取り付ける場合と荷重の伝達条件を同
じにするため、普通、被荷重箇所と同種の材料により形
成され、例えば、例えば後輪2軸のアクスルケース間に
架設されるリーフスプリングを受けるスライドプレート
が被荷重箇所である場合には、スライドプレートと同種
の機械構造用炭素鋼をケースアッシーの材料として用い
ていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように、ケースアッシーを被荷重箇所と同種の材料に
より形成すると、一般にセンシング素子の基板が熱膨張
係数の低い材料で形成されることから、エンジンの放射
熱や排気熱等により被荷重箇所の近辺の温度が上昇した
際に、ケースアッシーが被荷重箇所と共に膨張してケー
スアッシーの内部空間が広がり、ケースアッシーの内周
壁とセンシング素子の基板との密着度が下がってしま
う。
【0010】そのため従来は、被荷重箇所の近辺の温度
が上昇すると、被荷重箇所にかかる車両の荷重がケース
アッシーからセンシング素子の基板に十分に伝わらなく
なり、これによって、センシング素子により測定される
車両の荷重の精度が低下してしまうという、温度環境の
変化によってセンシング素子による荷重の測定精度に変
動が生じてしまう不具合があった。
【0011】本発明は前記事情に鑑みなされたもので、
本発明の目的は、車両の荷重がかかる被荷重箇所にセン
シング素子を取り付けるに当たって、温度変化の影響に
よるセンシング素子の測定荷重の変動を低減することが
できる車両荷重測定用センシング素子の取り付け構造を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に記載した本発明の車両荷重測定用センシング
素子の取り付け構造は、車両の荷重がかかる被荷重箇所
に、筒状のケース部材の内部に収容した荷重測定用のセ
ンシング素子を取り付けるための構造であって、前記ケ
ース部材を、少なくとも前記被荷重箇所を構成する被荷
重部材よりも熱膨張係数の大きい材料で形成したことを
特徴とする。
【0013】また、請求項2に記載した本発明の車両荷
重測定用センシング素子の取り付け構造は、前記センシ
ング素子が磁性を有する平板状の基板にコイルを巻回し
て形成されており、前記ケース部材が、前記基板よりも
熱膨張係数の大きい材料で形成されているものとした。
【0014】請求項1に記載した本発明の車両荷重測定
用センシング素子の取り付け構造によれば、温度上昇に
伴う膨張の度合いは、車両の荷重がかかる被荷重箇所を
構成する被荷重部材の方が、この被荷重部材よりも熱膨
張係数の大きい材料で形成されているケース部材よりも
鈍くなる。
【0015】従って、センシング素子が収容されたケー
スアッシーを被荷重箇所に挿入して取り付けた状態で、
被荷重箇所の近辺の温度が上昇すると、被荷重部材が膨
張するのと同じ度合いの分はケース部材の外方に向かっ
て膨張できるものの、それ以上は、ケース部材の挿入さ
れた被荷重部材部分への圧接により、ケース部材の外方
に向けては膨張できなくなり、その結果、ケース部材の
膨張のうち一部はケース部材の内方に向かうものとな
る。
【0016】よって、被荷重箇所の近辺温度が上昇して
も、ケース部材の内方に向かうケース部材の一部の膨張
により、ケースアッシーの内周壁とセンシング素子との
密着度を必要なレベルに維持し、被荷重箇所にかかる車
両の荷重がケースアッシーからセンシング素子に十分に
伝わる状態を保持し続けて、温度変化の影響によるセン
シング素子の測定荷重の変動を低減することが可能とな
る。
【0017】また、請求項2に記載した本発明の車両荷
重測定用センシング素子の取り付け構造によれば、温度
上昇に伴う膨張の度合いは、センシング素子の基板の方
が、この基板よりも熱膨張係数の大きい材料で形成され
ているケース部材よりも鈍くなる。
【0018】従って、ケース部材をセンシング素子の基
板よりも熱膨張係数の小さい材料で形成する場合に比べ
て、被荷重箇所の近辺温度の上昇に伴う基板の膨張が、
ケース部材の内方に向かって一部膨張するケース部材か
らの反力となって基板にかかり、車両の荷重以外の要因
でセンシング素子により測定される荷重に変動が生じて
しまうのを極力避けることが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態による車
両荷重測定用センシング素子の取り付け構造を図面に基
づいて説明する。
【0020】図1は本実施形態の取り付け構造が採用さ
れるセンシング素子の配設先の車両箇所を示す分解斜視
図であり、図1中引用符号1で示す、トラック等の大型
車両の後輪2軸の各アクスルケースの上部には、スライ
ドプレート3が各々取着されており、これら各アクスル
ケース1,1のスライドプレート3,3により、不図示
の荷台との間でショックアブソーバとして働く円弧状ば
ね製のリーフスプリング5の両端部が、スライド可能に
支持されている。
【0021】従って、上述した構成の車両においては、
車両の積載重量の変化に伴ってリーフスプリング5の湾
曲度が変わった際に、リーフスプリング5の各端部が対
応する各スライドプレート3,3上をスライド、つま
り、摺動して、各アクスルケース1,1に対する支持箇
所を変化させるため、車両の積載重量の変化に伴うリー
フスプリング5の湾曲度の変化と、それによるリーフス
プリング5の両端間の直線寸法の変動とが、各スライド
プレート3,3により吸収される。
【0022】そして、本実施形態による取り付け構造
は、上述した各スライドプレート3,3に対してセンシ
ング素子を取り付ける際に採用される。
【0023】図2は図1の各スライドプレート3,3内
に各々収容されるセンシング素子の斜視図であり、図2
中引用符号7で示すセンシング素子は、板状部材7a
と、センシング部としてのコイル7c,7dとを備えて
いる。
【0024】前記板状部材7a(基板に相当)は、本実
施形態では、鉄を磁気焼き鈍しした扁平な板材により平
面視略正方形状に形成されており、板状部材7aの略中
央部には、板状部材7aの各辺方向に各々間隔をおいて
4つの通孔7bが貫設されている。
【0025】前記コイル7cは、板状部材7aの2つの
対角線上のうち一方の対角線上に位置する2つの通孔7
b,7bに亘って巻回されて、その両端が各通孔7b,
7bからそれぞれ引き出されており、もう1つのコイル
7dは、コイル7cと共に交差コイルを構成するよう
に、板状部材7aの他方の対角線上に位置する2つの通
孔7b,7bに亘って巻回されて、その両端が各通孔7
b,7bからそれぞれ引き出されている。
【0026】上述したセンシング素子7は、コイル7c
に励磁用電流を流すことで板状部材7aに発生する磁界
により、コイル7dに誘導電流が流れ、板状部材7aに
荷重がかかって板状部材7aが歪むと、板状部材7aの
磁界の向きに変化が生じてコイル7dに流れる誘導電流
の周波数が、板状部材7aにかかる荷重に対応して変化
し、この結果、板状部材7a基板にかかる荷重に対応し
た周波数の重量信号が、コイル7dの両端間に発生する
ように構成されている。
【0027】図3(a),(b)は、前記センシング素
子7を内部に収容した状態のケースアッシーの断面図及
び側面図であり、図3(a),(b)中引用符号9で示
すケースアッシーは、本実施形態では、ステンレス鋼
(例えばSUS304)からなり、両端が開放された略
円筒状を呈しており、ケースアッシー9(ケース部材に
相当)の内径は、図3(a)に示すように、センシング
素子7の板状部材7aの一辺の寸法と略合致する寸法で
形成されている。
【0028】そして、ケースアッシー9の内部であって
一方の開口端寄りの部分には、配線基板11が嵌着され
る。
【0029】前記配線基板11は、リジットな硬質材料
により、図4に平面図で示すように、ケースアッシー9
の内径に対応する外形で薄肉の円板状に形成されてい
て、この配線基板11であって、センシング素子7の板
状部材7aの厚みよりも若干大きい寸法の間隔をおいた
2つの配線基板11部分には、この間隔方向と直交する
方向に間隔をおいて2つの通孔11a,11aが各々貫
設されており、配線基板11の一方の面であって、各通
孔11aの周縁の面部分には、導電パターン11bが各
々形成されている。
【0030】このように構成された配線基板11は、図
3(b)に示すように、導電パターン11bが形成され
た面を外方に向けた状態で、図3(a)に示すように、
ケースアッシー9の一方の開口端寄りの内部部分に嵌着
される。
【0031】そして、ケースアッシー9は、配線基板1
1が一方の開口端寄りの内部部分に嵌着された状態で、
センシング素子7をケースアッシー9の他方の開口端か
ら内部に挿入することで、センシング素子7の全体がケ
ースアッシー9の外方にはみ出さないように収容され、
板状部材7aの対向する一対の辺がケースアッシー9の
内周面9aに圧接することで、ケースアッシー9の内部
にセンシング素子7が固定されるように構成されてい
る。
【0032】尚、ケースアッシー9の他方の開口端側の
端面であって、ケースアッシー9の周方向に180゜位
相をずらした2つの端面箇所には、図3(b)に示すよ
うに、凹溝からなる位置決めマーク9bが各々形成され
ており、これにより、ケースアッシー9は、2つの位置
決めマーク9bを結ぶ線上にセンシング素子7の板状部
材7aを位置させることで、ケースアッシー9の周方向
におけるセンシング素子7のケースアッシー9に対する
位置決めを行えるように構成されている。
【0033】また、ケースアッシー9の外周面であっ
て、ケースアッシー9の周方向に180゜位相をずら
し、且つ、各位置決めマーク9bからケースアッシー9
の周方向に90°位相をずらした2つの外周面箇所に
は、ケースアッシー9の両端間に亘って凹溝9cが各々
形成されており、これら凹溝9c,9cによりケースア
ッシー9は、各位置決めマーク9b,9bが接近する方
向への弾性変形が容易となるように構成されている。
【0034】そして、配線基板11が嵌着されたケース
アッシー9の内部に固定されたセンシング素子7の各コ
イル7c,7dの一方の端部は、板状部材7aの一側面
側に各々引き出され、各コイル7c,7dの他方の端部
は、板状部材7aの他側面側に各々引き出されて、板状
部材7aの両側に各2本ずつ、ケースアッシー9の他方
の開口端から内部に挿入されたリード線13,13と共
に、図3(a)に示すように、配線基板11の各通孔1
1aを挿通して対応する導電パターン11bに半田付け
されている。
【0035】従って、コイル7c,7dに対する電気的
接続は、図3(b)に示すように、板状部材7aの両側
を通ってケースアッシー9の他方の開口端から外部に延
出される、2本ずつ合計4本のリード線13を介して行
うことができる。
【0036】図5は、内部にセンシング素子7を収容、
固定したケースアッシー9が取り付けられる前記スライ
ドプレート3の一部截断側面図であり、スライドプレー
ト3(被荷重箇所及び被荷重部材に相当)は、本実施形
態では、機械構造用の炭素鋼からなり、若干扁平な扇状
を呈していて、スライドプレート3の内面3aは、アク
スルケース1の外径に対応する内径で形成されている。
【0037】そして、スライドプレート3の内面3aで
あってその周方向における略中央寄り部分には凹部3b
が形成されており、この凹部3bの周方向における両側
の内面3a部分には、センシング素子7の取付穴3cが
各々形成されている。
【0038】前記各取付穴3cは、ケースアッシー9の
外径と略合致する寸法で各々形成されており、配線基板
11が嵌着され、且つ、内部にセンシング素子7が収
容、固定されたケースアッシー9を、他方の開口端側か
ら突き当たるまで挿入することで、図6に図5の截断部
分の拡大部分断面図で示すように、ケースアッシー9の
全体が内面3aからスライドプレート3の外方にはみ出
さないように収容されるように構成されている。
【0039】そして、取付穴3cに収容されたケースア
ッシー9は、その外周面が取付穴3cの内周面に圧接す
ることで、ケースアッシー9の周方向への移動が規制さ
れ、且つ、取付穴3cからの抜落が防止されるように、
取付穴3cの内部に位置決め保持される。
【0040】次に、上述のように構成された本実施形態
の取り付け構造の作用について説明する。
【0041】スライドプレート3の材料である炭素鋼
と、センシング素子7の板状部材7aの材料である鉄
と、ケースアッシー9の材料であるステンレス鋼との熱
膨張係数は、実際に使用する材料の細かい仕様によって
前後するが、一般に、炭素鋼は12.4μm/m゜C、
鉄は11.2μm/m゜C、ステンレス鋼は17.2μ
m/m゜Cで、ステンレス鋼が一番高く、その次に炭素
鋼が高く、鉄が一番低いという関係にある。
【0042】従って、温度上昇に伴う膨張の度合いは、
ケースアッシー9が最も大きく、その次にスライドプレ
ート3が大きく、センシング素子7の板状部材7aが一
番小さい。
【0043】このため、アクスルケース1付近の温度が
車両のエンジンの放射熱や排気熱等により上昇すると、
ケースアッシー9が膨張してその外径が大きくなる度合
いよりも、スライドプレート3が膨張して取付穴3cの
内径が大きくなる度合いの方が鈍いので、取付穴3cの
内径が大きくなる度合いを上回って外径が大きくなろう
とする分のケースアッシー9の膨張は、ケースアッシー
9の外周面が圧接している取付穴3cの内周面により規
制されて、ケースアッシー9の外方ではなく内方に向か
う。
【0044】よって、スライドプレート3が膨張して取
付穴3cの内径が大きくなる度合いと同じ度合いでケー
スアッシー9がその外方に向かって膨張し、これによ
り、ケースアッシー9の内径が大きくなるのと、取付穴
3cの内径が大きくなる度合いを上回って外径が大きく
なろうとする分の、ケースアッシー9の内方に向かう膨
張によって、ケースアッシー9の内径が小さくなるのと
が完全に、或は、ほぼつり合って、ケースアッシー9の
内径が、温度上昇前の寸法のまま維持されるか、或は、
殆ど変わらない寸法に維持される。
【0045】その結果、ケースアッシー9内のセンシン
グ素子7は、板状部材7aの対向する一対の辺がケース
アッシー9の内周面9aに圧接した状態に保持される。
【0046】また、アクスルケース1付近の温度が車両
のエンジンの放射熱や排気熱等により上昇すると、ケー
スアッシー9が膨張してその外径が大きくなる度合いよ
りも、センシング素子7の板状部材7aの外形が大きく
なる度合いの方が鈍いので、温度上昇前の内径のまま、
或は、殆ど変わらない内径に維持されるケースアッシー
9の内周面9aに対する、板状部材7aの対向する一対
の辺の圧接の圧力変動は、ケースアッシー9を板状部材
7aと変わらない熱膨張係数の材料で形成する場合に比
べて小さくなる。
【0047】よって、板状部材7aがケースアッシー9
の内周面9aから受ける反力の変動は殆どなく、よっ
て、リーフスプリング5やスライドプレート3、並び
に、ケースアッシー9を介してかかる車両の荷重に変動
がないにも拘わらず、アクスルケース1付近の温度上昇
による板状部材7aの膨張が原因で、ケースアッシー9
の内周面9aから受ける力が変動することはない。
【0048】このように本実施形態によれば、スライド
プレート3の各取付穴3cに、ケースアッシー9の内部
に収容、固定されたセンシング素子7を取り付けるに当
たり、ケースアッシー9を、機械構造用の炭素鋼からな
るスライドプレート3よりも熱膨張係数が大きいステン
レス鋼により形成した。
【0049】このため、アクスルケース1付近の温度上
昇によりケースアッシー9が膨張しても、ケースアッシ
ー9の内周面9aに対するセンシング素子7の板状部材
7aの圧接状態を維持して、車両の荷重が板状部材7a
に確実に伝わる状態を保持し続け、アクスルケース1付
近の温度変化の影響によるコイル7dの重量信号の周波
数変動を低減させることができる。
【0050】尚、ケースアッシー9を黄銅によって形成
しても、本実施形態と同様の効果を得ることができる
が、ステンレス鋼よりも黄銅の方が剛性が低いため、セ
ンシング素子7の組み付けやスライドプレート3の取付
穴3cに対する組み付け作業等を考慮すると、本実施形
態のようにステンレス鋼で構成する方が有利である。
【0051】また、ケースアッシー9は、スライドプレ
ート3よりも熱膨張係数が大きい材料であれば、センシ
ング素子7の板状部材7aよりも熱膨張係数が小さい材
料により形成してもよい。
【0052】しかし、本実施形態のように、板状部材7
aの材料である鉄よりも熱膨張係数が大きいステンレス
鋼によってケースアッシー9を形成すれば、アクスルケ
ース1付近の温度上昇に伴う板状部材7aの膨張によっ
て、ケースアッシー9の内周面9aから板状部材7aが
受ける力に変動が生じ、車両の荷重に変動がないにも拘
わらず、コイル7dの重量信号の周波数が変動して、セ
ンシング素子7による車両の荷重測定の精度が低下して
しまうのを防止できるので、有利である。
【0053】さらに、本実施形態では、ケース部材を略
円筒状のケースアッシー9としたが、ケース部材の形状
は略円筒状でなくてもよく、例えば、断面多角形状の筒
体によりケース部材を構成してもよいのは勿論のことで
ある。
【0054】そして、本実施形態では、アクスルケース
1に取着されてリーフスプリング5を支持するスライド
プレート3にセンシング素子7を取り付ける際を例に取
って説明したが、本発明の取り付け構造は、リーフスプ
リングを荷台フレームに連結する際に用いるシャックル
のピンや、トラニオンシャフト等、車両の荷重がかかる
箇所を対象としてセンシング素子を取り付ける際に広く
適用可能であることは言うまでもない。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載した
本発明の車両荷重測定用センシング素子の取り付け構造
によれば、車両の荷重がかかる被荷重箇所に、筒状のケ
ース部材の内部に収容した荷重測定用のセンシング素子
を取り付けるための構造であって、前記ケース部材を、
少なくとも前記被荷重箇所を構成する被荷重部材よりも
熱膨張係数の大きい材料で形成する構成とした。
【0056】このため、温度上昇に伴う膨張の度合い
は、車両の荷重がかかる被荷重箇所を構成する被荷重部
材の方が、この被荷重部材よりも熱膨張係数の大きい材
料で形成されているケース部材よりも鈍くなる。
【0057】従って、センシング素子が収容されたケー
スアッシーを被荷重箇所に挿入して取り付けた状態で、
被荷重箇所の近辺の温度が上昇すると、被荷重部材が膨
張するのと同じ度合いの分はケース部材の外方に向かっ
て膨張できるものの、それ以上は、ケース部材の挿入さ
れた被荷重部材部分への圧接により、ケース部材の外方
に向けては膨張できなくなり、その結果、ケース部材の
膨張のうち一部はケース部材の内方に向かうものとな
る。
【0058】よって、被荷重箇所の近辺温度が上昇して
も、ケース部材の内方に向かうケース部材の一部の膨張
により、ケースアッシーの内周壁とセンシング素子との
密着度を必要なレベルに維持し、被荷重箇所にかかる車
両の荷重がケースアッシーからセンシング素子に十分に
伝わる状態を保持し続けて、温度変化の影響によるセン
シング素子の測定荷重の変動を低減することができる。
【0059】また、請求項2に記載した本発明の車両荷
重測定用センシング素子の取り付け構造によれば、前記
センシング素子が磁性を有する平板状の基板にコイルを
巻回して形成されており、前記ケース部材が、前記基板
よりも熱膨張係数の大きい材料で形成されている構成と
した。
【0060】このため、温度上昇に伴う膨張の度合い
は、センシング素子の基板の方が、この基板よりも熱膨
張係数の大きい材料で形成されているケース部材よりも
鈍くなる。
【0061】従って、ケース部材をセンシング素子の基
板よりも熱膨張係数の小さい材料で形成する場合に比べ
て、被荷重箇所の近辺温度の上昇に伴う基板の膨張が、
ケース部材の内方に向かって一部膨張するケース部材か
らの反力となって基板にかかり、車両の荷重以外の要因
でセンシング素子により測定される荷重に変動が生じて
しまうのを極力避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の取り付け構造が採用されるセンシング
素子の配設先の車両箇所を示す分解斜視図である。
【図2】図1の各スライドプレート内に各々収容される
センシング素子の斜視図である。
【図3】図3(a)は図2のセンシング素子を内部に収
容した状態のケースアッシーを示す断面図、図3(b)
は同側面図である。
【図4】図3(a)の配線基板の平面図である。
【図5】内部にセンシング素子を収容、固定した図3の
ケースアッシーが取り付けられる図1のスライドプレー
トの一部截断側面図である。
【図6】図5の截断部分を示すスライドプレートの拡大
部分断面図である。
【符号の説明】
3 スライドプレート(被荷重箇所、被荷重部材) 7 センシング素子 7a 板状部材(基板) 7c,7d コイル 9 ケースアッシー(ケース部材)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の荷重がかかる被荷重箇所に、筒状
    のケース部材の内部に収容した荷重測定用のセンシング
    素子を挿入して取り付けるための構造であって、 前記ケース部材を、少なくとも前記被荷重箇所を構成す
    る被荷重部材よりも熱膨張係数の大きい材料で形成し
    た、 ことを特徴とする車両荷重測定用センシング素子の取り
    付け構造。
  2. 【請求項2】 前記センシング素子は磁性を有する平板
    状の基板にコイルを巻回して形成されており、前記ケー
    ス部材は、前記基板よりも熱膨張係数の大きい材料で形
    成されている請求項1記載の車両荷重測定用センシング
    素子の取り付け構造。
JP31691297A 1997-11-18 1997-11-18 車両荷重測定用センシング素子の取り付け構造 Withdrawn JPH11148853A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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