JPWO2014155564A1 - 車両の操舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

前輪操舵装置14と後輪操舵装置42とを有する車両12の操舵制御装置10であって、後輪が後輪操舵装置によって前輪と同相に操舵されている状況にて操舵角MAの大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、前輪18FL、18FRに対し逆相方向へ後輪18RL、18RRを修正操舵するための後輪の目標修正舵角Δδbtが大きくなるよう演算し、目標修正舵角Δδbtに基づいて後輪操舵装置を制御することにより、車両の旋回内側へのスリップ角を増大させる。

Description

本発明は、車両の操舵制御装置に係り、更に詳細には運転者の操舵操作によらず後輪を操舵可能な後輪操舵装置を有する車両の操舵制御装置に係る。
後輪操舵装置を有する自動車等の車両においては、必要に応じて後輪が後輪操舵装置によって操舵されることにより、後輪が操舵されない場合に比して車両の旋回性能が向上するよう、操舵制御が行われる。例えば、下記の特許文献1に記載されている如く、後輪は、低車速域においては前輪に対し逆相方向へ操舵され、高車速域においては前輪と同相方向へ操舵され、これにより車速に応じて車両の旋回応答性が可変制御される。
かかる後輪操舵による操舵制御によれば、操舵角が比較的大きい範囲に亘り変化する低車速域においては、車両の旋回応答性を高くし、これにより幅寄せや車庫入れなどをし易くすることができる。また、操舵角の変化範囲が小さい高車速域においては、車両の旋回応答性を低くし、これにより車両の操縦安定性を向上させることができる。
特許第4924378号公報 特開2008−155889号公報
〔発明が解決しようとする課題〕
一般に、車両が中高速にて走行する際の車両の良好な操縦安定性を確保するためには、車両のスリップ角は0又は小さい値であることが好ましい。しかし、車両が中高速にて走行する状況であっても、操舵角の大きさが比較的大きくされる場合には、操舵角の大きさに比して旋回内側への車両のスリップ角が小さくなるため、車両の乗員は車両の回頭性が低下し車体が旋回外側へ向いているように感じてしまう。換言すれば、車両の乗員の体感にとっての車両のスリップ角の適値は、車速によって異なるだけでなく、特に車両が中高速にて走行する場合には、操舵角の大きさによっても異なる。
しかるに、車速に応じた旋回応答性を制御するために行われる後輪操舵による操舵制御によっては、車両が中高速にて走行する際における車両のスリップ角を、操舵角の大きさの如何に関係なく、車両の乗員の体感にとっての適値に制御することができない。即ち、車両が中高速にて走行する際に車両の乗員が車両の回頭性の低下を感じる虞れを低減すべく、前輪と同相方向への後輪の操舵量が小さくされると、車両の旋回応答性の低下が不十分になって車両の操縦安定性を効果的に向上させることができない。逆に、車両が中高速にて走行する際の車両の操縦安定性を効果的に向上させるべく、前輪と同相方向への後輪の操舵量が大きくされると、車両のスリップ角が小さくなるため、車両の乗員が車両の回頭性の低下を感じる虞れを効果的に低減することができない。
なお、上記特許文献2には、車両の横加速度と操舵角との比率及び車両のスリップ角と横加速度との比率に基づいて、横加速度に対するスリップ角の比率が大きいと判定される場合には、後輪の等価コーナリングパワーを増大させる操舵制御装置が記載されている。しかし、この操舵制御装置によっても、上述の問題を解消することはできない。
本発明は、後輪操舵装置を有する車両のための従来の操舵制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の主要な課題は、車両が中高速にて走行する際における車両のスリップ角を、操舵角の大きさの如何に関係なく、車両の乗員の体感にとっての適値に制御することができるよう改良された操舵制御装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
上述の主要な課題は、本発明によれば、運転者の操舵操作に応じて前輪を操舵する前輪操舵装置と、運転者の操舵操作によらず後輪を操舵可能な後輪操舵装置とを有する車両の操舵制御装置において、前輪に対し逆相方向への後輪の操舵を修正操舵として、後輪が後輪操舵装置によって前輪と同相に操舵されている状況にて運転者の操舵操作量を示す操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、修正操舵量の大きさが大きくなるよう、後輪操舵装置を制御することを特徴とする車両の操舵制御装置によって達成される。
上記の構成によれば、後輪操舵装置は、後輪が前輪と同相に操舵されている状況にて操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、修正操舵量の大きさが大きくなるよう、制御される。よって、後輪が前輪と同相に操舵されている状況にて操舵角の大きさが大きいときには、後輪の同相の操舵量を低減して車両の旋回応答性の低下量を低減することができる。従って、旋回内側への車両のスリップ角を大きくすることができるので、車両の乗員が車両の回頭性の低下を感じる虞れを効果的に低減することができる。
なお、後輪が前輪と同相に操舵されている状況であっても、操舵角の大きさが大きくないときには、修正操舵量の大きさは大きくならないので、後輪の同相の操舵量が大きく低減されることはない。従って、車両の旋回応答性が不必要に高くされることはないので、車両の良好な操縦安定性を確保することができる。
また、本発明によれば、上記の構成に於いて、操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、操舵角の大きさに対する修正操舵量の大きさの比が大きくてよい。
上記の構成によれば、操舵角の大きさが小さい状況における修正操舵量の大きさを過剰に大きくすることなく、操舵角の大きさが大きい状況における修正操舵量の大きさを大きくすることができる。従って、車操舵角の大きさが小さい状況における車両のスリップ角を過剰に大きくすることなく、操舵角の大きさが大きい状況における車両のスリップ角を大きくし、車両の乗員が車両の回頭性の低下を感じる虞れを効果的に低減することができる。
また、本発明によれば、上記の構成に於いて、修正操舵量の大きさは、車速が高いときには、車速が低いときに比して、大きくてよい。
操舵角の大きさが同一であっても、換言すれば、車両の旋回半径が同一であっても、車速が高いほど車両の旋回横加速度が高くなり、車両の乗員が車両の回頭性の低下を感じ易くなる。よって、修正操舵量の大きさは、車速が高いときには車速が低いときに比して大きくなるよう、可変設定されることが好ましい。
上記の構成によれば、車速が低い状況における修正操舵量の大きさを過剰に大きくすることなく、車速が高い状況における修正操舵量の大きさを大きくすることができる。従って、車速が低い状況における車両のスリップ角を過剰に大きくすることなく、車速が高い状況における車両のスリップ角を大きくし、車両の乗員が車両の回頭性の低下を感じる虞れを効果的に低減することができる。
また、本発明によれば、上記の構成に於いて、修正操舵量の大きさは、路面の摩擦係数が低いときには、路面の摩擦係数が高いときに比して、小さくてよい。
路面の摩擦係数が低い場合には、車両がアンダーステア状態やオーバーステア状態になり易い。車両がオーバーステア状態にある状況に於いて、後輪が大きい修正操舵量にて修正操舵されると、後輪の舵角が前輪に対し逆相方向へ変化し、後輪のコーナリングフォースが低下するため、車両のオーバーステア状態が悪化してしまう。
上記の構成によれば、路面の摩擦係数が低いときには、路面の摩擦係数が高いときに比して、修正操舵量の大きさを小さくすることができる。よって、路面の摩擦係数が低いときには、修正操舵に起因して車両がオーバーステア状態になったり、車両のオーバーステア状態が悪化したりする虞れを低減することができる。また、路面の摩擦係数が高いときには、修正操舵量の大きさが不必要に小さくされることがないので、車両の乗員が車両の回頭性の低下を感じる虞れを効果的に低減することができる。
また、本発明によれば、上記の構成に於いて、操舵角の大きさが下限基準値以下であるときには、修正操舵を行わないようになっていてよい。
操舵角は、車両の直進位置に対応する値を0として、左右の旋回方向の一方を正とし、他方の旋回方向を負とする値として、操舵角センサの如き検出装置によって検出される。しかし、操舵角の0が車両の実際の直進位置に対応しない場合がある。特にステアリングホイールの如き操舵入力装置に対する前輪の舵角の関係を変化させる舵角可変装置が設けられている場合には、操舵角の0が車両の実際の直進位置に対応しない、いわゆるニュートラルずれが生じることがある。
操舵角の大きさが0以外であるときに修正操舵が行われる場合には、ニュートラルずれが生じると、一方の旋回方向へ操舵される場合には、修正操舵量が急激に増大するのに対し、他方の旋回方向へ操舵される場合には、修正操舵量が増大しない状況が生じる。この状況が生じると、車両の旋回特性が操舵方向によって異なるようになるので、運転者が違和感を覚えることが避けられない。
上記の構成によれば、操舵角の大きさが下限基準値以下であるときには、修正操舵が行われないので、ニュートラルずれが生じても、操舵角が0の位置より操舵される場合における車両の旋回特性が操舵方向によって異なる虞れを低減することができる。従って、ニュートラルずれが生じた場合にも、修正操舵に起因して運転者が違和感を覚える虞れを低減することができる。
また、本発明によれば、上記の構成に於いて、下限基準値は、車速が高いときには、車速が低いときに比して、小さくてよい。
上述の如く、車速が高いほど車両の旋回横加速度が高くなり、車両の乗員は車両の回頭性の低下を感じ易くなる。よって、車速が高いときには車速が低いときに比して、操舵角の大きさが小さくても修正操舵が行われることが好ましい。
上記の構成によれば、下限基準値は、車速が高いときには、車速が低いときに比して、下限基準値を小さくすることができる。従って、車速が高いときには車速が低いときに比して、操舵角の大きさが小さくても修正操舵を行わせることができ、これにより車両の乗員が車両の回頭性の低下を感じる虞れを効果的に低減することができる。
また、本発明によれば、上記の構成に於いて、車両は通常旋回応答性の走行モード及び高旋回応答性の走行モードの少なくとも二つの走行モードを有し、下限基準値は、走行モードが高旋回応答性の走行モードであるときには、走行モードが通常旋回応答性の走行モードであるときに比して、小さくてよい。
操舵角の大きさが車両の旋回応答性の如何に関係なく一定の下限基準値を越えているときに修正操舵が行われる場合には、車両の旋回応答性の高低によって修正操舵が開始されるときの車両の旋回横加速度が異なる。そのため、車両が通常旋回応答性の走行モード及び高旋回応答性の走行モードの少なくとも二つの走行モードを有する場合には、修正操舵が開始されるときの車両の旋回横加速度が、走行モードによって異なることが避けられない。
上記の構成によれば、走行モードが高旋回応答性の走行モードであるときには、走行モードが通常旋回応答性の走行モードであるときに比して、下限基準値を小さくすることができる。従って、修正操舵が開始されるときの車両の旋回横加速度が、走行モードによって異なる度合を低減することができ、これにより修正操舵が開始されるときの車両の旋回横加速度が、走行モードによって異なることに起因する違和感を低減することができる。
また、本発明によれば、上記の構成に於いて、操舵角の大きさが上限基準値以上であるときには、操舵角の大きさが増大しても修正操舵量の大きさを増大させないようになっていてよい。
操舵角の大きさが増大して修正操舵量の大きさが増大すると、後輪の舵角が前輪に対し逆相方向へ変化する量が大きくなる。そのため、後輪のコーナリングフォースが低下して、車両に作用する旋回ヨーモーメントが大きくなり、車両がオーバーステア状態になり易くなる。よって、操舵角の大きさの増大に伴う修正操舵量の大きさの増大には、上限が設定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、操舵角の大きさが上限基準値以上であるときには、操舵角の大きさが増大しても修正操舵量の大きさが増大しないようにすることができる。従って、操舵角の大きさが上限基準値以上に大きくなっても、修正操舵量の大きさが過大になることを防止し、これにより後輪のコーナリングフォースが低下して車両がオーバーステア状態になる虞れを効果的に低減することができる。
また、本発明によれば、上記の構成に於いて、上限基準値は、車速が高いときには、車速が低いときに比して、小さくてよい。
上記の構成によれば、車速が高いときには、車速が低いときに比して、上限基準値を小さくすることができる。よって、車速が高く、後輪のコーナリングフォースの低下により車両の走行安定性が低下する虞れが高いときには、その虞れが低いときに比して、操舵角の大きさが小さい段階で修正操舵量の大きさを増大させないようにすることができる。従って、車速が高いときには、車速が低いときに比して、後輪のコーナリングフォースの低下に起因して車両の走行安定性が低下する虞れを効果的に低減することができる。
また、本発明によれば、上記の構成に於いて、車両は通常旋回応答性の走行モード及び高旋回応答性の走行モードの少なくとも二つの走行モードを有し、上限基準値は、走行モードが高旋回応答性の走行モードであるときには、走行モードが通常旋回応答性の走行モードであるときに比して、小さくてよい。
後輪のコーナリングフォースの低下に起因して車両の走行安定性が低下する虞れを効果的に低減するためには、車両の旋回応答性が高いときには、車両の旋回応答性が低いときに比して、後輪のコーナリングフォースの低下が早期に防止されることが好ましい。
上記の構成によれば、走行モードが高旋回応答性の走行モードであるときには、走行モードが通常旋回応答性の走行モードであるときに比して、上限基準値を小さくすることができる。従って、走行モードが高旋回応答性の走行モードであるときには、走行モードが通常旋回応答性の走行モードであるときに比して、後輪のコーナリングフォースの低下の防止を早期に開始させることができる。
また、本発明によれば、上記の構成に於いて、車両は通常旋回応答性の走行モード及び高旋回応答性の走行モードの少なくとも二つの走行モードを有し、操舵角の大きさに対する修正操舵量の大きさの比は、走行モードが高旋回応答性の走行モードであるときには、走行モードが通常旋回応答性の走行モードであるときに比して、大きく、走行モードを二つの走行モードの間に移行させる際の時間は、操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、長くてよい。
高旋回応答性の走行モード時には、通常旋回応答性の走行モード時に比して、操舵角の大きさに対する修正操舵量の大きさの比が大きい場合には、高旋回応答性の走行モード時の修正操舵量の大きさも通常旋回応答性の走行モード時の値に比して大きくなる。よって、二つの走行モードの間における修正操舵量の大きさ差は、操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、大きくなる。従って、走行モードが二つの走行モードの間に移行する際の修正操舵量の大きさの急激な変化を防止するためには、操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、移行をゆっくりと行わせることが好ましい。
上記の構成によれば、操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、走行モードを二つの走行モードの間に移行させる際の時間を長くすることができる。従って、操舵角の大きさが大きいときにも、走行モードが二つの走行モードの間に移行する際の修正操舵量の大きさの変化を穏やかにすることができ、これにより修正操舵量の大きさの急激な変化に起因する車両の好ましからざる挙動の変化を防止することができる。
本発明の一つの好ましい態様によれば、低車速域に於いては、後輪が前輪に対し逆相に操舵され、高車速域に於いては、後輪が前輪に対し同相に操舵されるよう、後輪操舵装置を制御するようになっていてよい。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、後輪操舵装置による後輪の操舵制御の定常ゲイン及び微分ゲインは、車速が高いときには、車速が低いときに比して高くてよい。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、車両は操舵入力装置に対する前輪の舵角を変化させる舵角可変装置を有し、操舵制御装置は、低車速域に於いては、前輪の操舵が増速され、高車速域に於いては、前輪の操舵が減速されるよう、舵角可変装置を制御するようになっていてよい。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、舵角可変装置による前輪の操舵制御の定常ゲイン及び微分ゲインは、車速が高いときには、車速が低いときに比して高くてよい。
前輪用の舵角可変装置及び後輪操舵装置が搭載された車両に適用された本発明による車両の操舵制御装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。 第一の実施形態における操舵制御のメインルーチンを示すフローチャートである。 図2のステップ200において実行される前輪の目標舵角δft演算ルーチンを示すフローチャートである。 図2のステップ300において実行される後輪の基本目標舵角δrbt演算ルーチンを示すフローチャートである。 図2のステップ400において実行される後輪の目標修正舵角Δδrbt演算ルーチンを示すフローチャートである。 車速Vに基づいて前輪の定常ゲインKfsを演算するためのマップである。 車速Vに基づいて前輪の微分ゲインKfdを演算するためのマップである。 車速Vに基づいて後輪の定常ゲインKrsを演算するためのマップである。 車速Vに基づいて後輪の微分ゲインKrdを演算するためのマップである。 操舵角MAに基づいて後輪の基本目標修正舵角Δδbrtを演算するためのマップである。 車速Vに基づいて車速ゲインKrvを演算するためのマップである。 路面の摩擦係数μに基づいて路面の摩擦係数μに基づく補正ゲインKrrを演算するためのマップである。 前輪用の舵角可変装置及び後輪操舵装置が搭載された車両に適用された本発明による車両の操舵制御装置の第二の実施形態を示す概略構成図である。 第二の実施形態における操舵制御のメインルーチンの要部を示すフローチャートである。 図14のステップ500において実行される前輪の目標舵角δft演算ルーチンを示すフローチャートである。 図14のステップ600において実行される後輪の基本目標舵角δrbt演算ルーチンを示すフローチャートである。 図14のステップ700において実行される後輪の目標修正舵角Δδrbt演算ルーチンを示すフローチャートである。 操舵角MAについていわゆる不感帯が設定されることなく、後輪の基本目標修正舵角Δδbrtが演算される場合(A)、及びニュートラルずれが生じた状況におけるマップの変化の一例(B)を示す図である。 第一の実施形態において、ニュートラルずれが生じた状況にて操舵角MAが0の位置より操舵が行われる場合を示す図である。 制動が行われて車速が低下する状況において、定常ゲインKfsが制動開始時の値に維持される場合(実線)及び定常ゲインKfsの増大が抑制される場合(破線)を示す説明図である。 制動が行われて車速が低下する状況において、定常ゲインKrsが制動開始時の値に維持される場合(実線)及び定常ゲインKrsの低下が抑制される場合(破線)を示す説明図である。 車両の走行モードがノーマルモードである状況において、操舵角MA及び車速Vに基づいて基本目標修正舵角Δδbrtを演算するためのマップである。 車両の走行モードがスポーツモードである状況において、操舵角MA及び車速Vに基づいて基本目標修正舵角Δδbrtを演算するためのマップである。 車両の横加速度Gyに基づいて基本目標修正舵角Δδbrtを演算するためのマップである。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。
[第一の実施形態]
図1は、前輪用の舵角可変装置及び後輪操舵装置が搭載された車両に適用された本発明による車両の操舵制御装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。
図1において、10は車両12に搭載された操舵制御装置を示しており、操舵制御装置10は前輪用の舵角可変装置14、後輪操舵装置42、及びこれらを制御する電子制御装置16を含んでいる。また、図1において、18FL及び18FRはそれぞれ車両12の左右の前輪を示し、18RL及び18RRはそれぞれ左右の後輪を示している。操舵輪である左右の前輪18FL及び18FRは、運転者によるステアリングホイール20の操作に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン型の電動式パワーステアリング装置22によりラックバー24及びタイロッド26L及び26Rを介して転舵される。
操舵入力装置であるステアリングホイール20は、アッパステアリングシャフト28、舵角可変装置14、ロアステアリングシャフト30、ユニバーサルジョイント32を介してパワーステアリング装置22のピニオンシャフト34に駆動接続されている。舵角可変装置14は、ハウジング14Aの側にてアッパステアリングシャフト28の下端に連結され、回転子14Bの側にて図には示されていない減速機構を介してロアステアリングシャフト30の上端に連結された補助転舵駆動用の電動機36を含んでいる。
かくして、舵角可変装置14は、アッパステアリングシャフト28に対し相対的にロアステアリングシャフト30を回転駆動することにより、左右の前輪18FL及び18FRをステアリングホイール20に対し相対的に補助転舵駆動する。よって、舵角可変装置14は、ステアリングギヤ比(操舵伝達比の逆数)を増減変化させるステアリングギヤ比可変装置(VGRS)として機能する。また、舵角可変装置14は、運転者の操舵操作の有無に関係なく左右の前輪の舵角を変化させることにより、ステアリングホイール20の回転位置と前輪の舵角との関係を変更する前輪用舵角可変装置としても機能する。後に詳細に説明する如く、舵角可変装置14は電子制御装置16の舵角制御部により制御される。
後輪操舵装置42は、電動式のパワーステアリング装置44を含み、パワーステアリング装置44は、左右の前輪18FL及び18FRの操舵とは独立に、タイロッド46L及び46Rを介して左右の後輪18RL及び18RRを操舵する。よって、後輪操舵装置42は、運転者の操舵操作に依存せず左右の後輪の舵角を変化させる後輪用舵角可変装置として機能し、後述の如く電子制御装置16の舵角制御部により制御される。
図示の後輪操舵装置42は、周知の構成の電動式補助ステアリング装置であり、電動機48Aと、電動機48Aの回転をリレーロッド48Bの往復運動に変換する例えばねじ式の運動変換機構48Cとを有する。リレーロッド48Bは、タイロッド46L、46R及び図には示されていないナックルアームと共働して、リレーロッド48Bの往復運動により左右の後輪18RL及び18RRを転舵駆動する転舵機構を構成している。
図には詳細に示されていないが、運動変換機構48Cは電動機48Aの回転をリレーロッド48Bの往復運動に変換するが、左右の後輪18RL及び18RRが路面より受けリレーロッド48Bに伝達された力を電動機48Aへ伝達しない。従って、後輪操舵装置42は、路面よりリレーロッド48Bに伝達された力によって電動機48Aが回転駆動されることがないよう構成されている。
図示の実施形態においては、電動式パワーステアリング装置22は、ラック同軸型の電動式パワーステアリング装置であり、電動機50と、電動機50の回転トルクをラックバー24の往復動方向の力に変換する例えばボールねじ式の変換機構52とを有する。パワーステアリング装置22は、電子制御装置16の電動式パワーステアリング装置(EPS)制御部によって制御される。電動式パワーステアリング装置22は、ハウジング54に対し相対的にラックバー24を駆動する補助操舵力を発生することにより、運転者の操舵負担を軽減するすると共に舵角可変装置14の作動を補助する操舵アシスト力発生装置として機能する。
なお、舵角可変装置14及び後輪操舵装置42は、必要に応じて運転者の操舵操作によらずそれぞれ前輪及び後輪の舵角を変化させることができる限り、任意の構成のものであってよい。また、操舵アシスト力発生装置も補助操舵力を発生することができる限り任意の構成のものであってよい。更に、操舵入力装置はステアリングホイール20であるが、操舵入力装置はジョイスティック型の操舵レバーであってもよい。
図示の実施形態においては、アッパステアリングシャフト28には、該アッパステアリングシャフトの回転角度を操舵角MAとして検出する操舵角センサ60が設けられている。ピニオンシャフト34には、操舵トルクMTを検出する操舵トルクセンサ62が設けられている。舵角可変装置14には、その相対回転角度θre、即ちアッパステアリングシャフト28に対するロアステアリングシャフト30の相対回転角度を検出する回転角度センサ64が設けられている。
操舵角MAを示す信号、操舵トルクMTを示す信号、相対回転角度θreを示す信号は、車速センサ66により検出された車速Vを示す信号と共に、電子制御装置16の舵角制御部及びEPS制御部へ入力される。なお、ロアステアリングシャフト30の回転角度が検出され、相対回転角度θreは、操舵角θとロアステアリングシャフト30の回転角度との差として求められてもよい。
電子制御装置16の各制御部は、それぞれCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータを含むものであってよい。また、操舵角センサ60、操舵トルクセンサ62、回転角度センサ64は、それぞれ車両の右旋回方向への操舵又は転舵の場合を正として操舵角MA、操舵トルクMT、相対回転角度θreを検出する。
後に詳細に説明する如く、電子制御装置16は、図2ないし図5に示されたフローチャートに従って舵角可変装置14及び後輪操舵装置42を制御することにより、前後輪の舵角を制御する操舵制御を行う。これにより、電子制御装置16は、運転者の操向要求が満たされるよう、前後輪の舵角を制御すると共に、旋回時の車両の回頭性が改善されるよう、必要に応じて後輪の舵角を修正する。
特に、電子制御装置16は、操舵角MA及び車速Vに基づいて前輪の目標舵角δft及び後輪の基本目標舵角δrbtを演算し、また、車両の回頭性を改善するための後輪の目標修正舵角Δδrbtを演算する。そして、電子制御装置16は、目標舵角δftに基づいて前輪の舵角を制御し、基本目標舵角δrbtと目標修正舵角Δδrbtとの和である目標舵角δrtに基づいて後輪の舵角を制御する。
さらに、電子制御装置16は、操舵トルクMT等に基づいて電動式パワーステアリング装置22を制御し、運転者の操舵負担を軽減すると共に、舵角可変装置14が左右前輪の舵角を目標舵角δftに制御することを補助する。
<操舵制御のメインルーチン>(図2)
次に、図2に示されたフローチャートを参照して第一の実施形態における操舵制御のメインルーチンについて説明する。なお、図2に示されたフローチャートによる制御は、図には示されていないイグニッションスイッチがオフからオンへ切り替えられたときに開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
まず、ステップ50においては、操舵角センサ64により検出された操舵角MAを示す信号等の読み込みが行われる。
ステップ200においては、図3に示されたフローチャートに従って、操舵角MA及び車速Vに基づいて前輪の目標舵角δftが演算される。
ステップ300においては、図4に示されたフローチャートに従って、操舵角MA及び車速Vに基づいて後輪の基本目標舵角δrbtが演算される。
ステップ400に於いては、図5に示されたフローチャートに従って、操舵角MA及び車速Vに基づいて車両の回頭性を改善するための後輪の目標修正舵角Δδrbtが演算される。
ステップ800に於いては、前輪の舵角が目標舵角δftになるよう、舵角可変装置14が制御される。
ステップ900においては、基本目標舵角δrbtと目標修正舵角Δδrbtとの和が後輪の目標舵角δrtとして演算されると共に、後輪の舵角が目標舵角δrtになるよう、後輪操舵装置42が制御される。
<前輪の目標舵角δft演算ルーチン>(図3)
前輪の目標舵角δft演算ルーチンのステップ110においては、車速Vに基づいて図6において実線にて示されたマップより前輪の定常ゲインKfsが演算される。この場合、定常ゲインKfsは、低車速域に於いては正の値(増速ゲイン)であり、中高車速域に於いては負の値(減速ゲイン)であるよう、演算される。また、定常ゲインKfsは、低車速域に於いては車速Vが低いほど大きくなり、中高車速域に於いては車速Vが高いほど絶対値が大きくなるよう、演算される。
ステップ120においては、前輪の定常目標舵角δfstが、ステップ110において演算された定常ゲインKfsと操舵角MAとの積Kfs*MAに演算される。
ステップ130においては、車速Vに基づいて図7において実線にて示されたマップより前輪の微分ゲインKfdが演算される。この場合、微分ゲインKfdは、車速Vが高いほど大きくなるよう、また、車速Vが高いほど車速の増大に伴う微分ゲインの増大率が大きくなるよう、演算される。
ステップ140においては、例えば操舵角MAの時間微分値として操舵角速度MAdが演算されると共に、前輪の微分目標舵角δfdtが、ステップ130において演算された微分ゲインKfdと操舵角速度MAdとの積に演算される。
ステップ150においては、前輪の目標舵角δftが、ステップ120において演算された定常目標舵角δfstとステップ140において演算された微分目標舵角δfdtとの和δfst+δfdtに演算される。
<後輪の基本目標舵角δrbt演算ルーチン>(図4)
後輪の基本目標舵角δrbt演算ルーチンのステップ310においては、車速Vに基づいて図8において実線にて示されたマップより後輪の定常ゲインKrsが演算される。この場合、定常ゲインKrsは、低車速域に於いては負の値、即ち、前輪に対し逆相のゲインであり、中高車速域においては正の値、即ち、前輪に対し同相のゲインであるよう演算される。また、定常ゲインKrsは、低車速域に於いては車速Vが低いほど絶対値が大きくなり、中高車速域に於いては車速Vが高いほど大きくなるよう、演算される。なお、定常ゲインKrsは、中車速域において0であってもよい。
ステップ320においては、後輪の定常目標舵角δrstが、ステップ310において演算された定常ゲインKrsと操舵角MAとの積Krs*MAに演算される。
ステップ330においては、車速Vに基づいて図9において実線にて示されたマップより後輪の微分ゲインKrdが演算される。この場合、微分ゲインKrdは、車速Vが高いほど大きくなるよう、また、車速Vが高いほど車速の増大に伴う微分ゲインの増大率が大きくなるよう、演算される。
ステップ340においては、例えば操舵角MAの時間微分値として操舵角速度MAdが演算されると共に、後輪の微分目標舵角δrdtが、ステップ330において演算された微分ゲインKrdと操舵角速度MAdとの積に演算される。
ステップ350においては、後輪の基本目標舵角δrbtが、ステップ320において演算された定常目標舵角δrstとステップ340において演算された微分目標舵角δrdtとの和δrst+δrdtに演算される。
なお、前輪の目標舵角δft及び後輪の基本目標舵角δrbtの演算は、本発明の要旨をなすものではない。従って、後輪の定常目標舵角δrstが、少なくとも高車速域においては前輪に対し同相の舵角であるよう演算される限り、任意の要領にて演算されてよい。また、この場合、後輪の定常目標舵角δrstは、低車速域に於いては前輪に対し逆相の舵角であるよう演算されることが好ましい。
<後輪の目標修正舵角Δδrbt演算ルーチン>(図5)
後輪の目標修正舵角Δδrbt演算ルーチンのステップ410においては、操舵角MAに基づいて図10において実線にて示されたマップより後輪の基本目標修正舵角Δδbrtが演算される。この場合、基本目標修正舵角Δδbrtは、操舵角MAの大きさが大きくなるほど前輪に対し逆相側へ大きくなるよう、また、操舵角MAの大きさが大きいほど操舵角MAの大きさの増大に伴う基本目標修正舵角Δδbrtの増大率が大きくなるよう、演算される。また、基本目標修正舵角Δδbrtは、操舵角MAの大きさが下限基準値MA1(正の定数)以下の領域においては、0に演算され、操舵角MAの大きさが上限基準値MA2(MA1よりも大きい正の定数)以上の領域においては、一定の値に演算される。
ステップ420においては、車速Vに基づいて図11において実線にて示されたマップより後輪の修正操舵用の車速ゲインKrvが演算される。この場合、車速ゲインKrvは、車速Vが高いほど大きくなるよう、また、車速Vが高いほど車速の増大に伴う車速ゲインの増大率が大きくなるよう、演算される。また、車速ゲインKrvは、車速Vが下限基準値V1(正の定数)以下の領域においては、0に演算され、車速Vが上限基準値V2(V1よりも大きい正の定数)以上の領域においては、一定の値に演算される。
ステップ430においては、路面の摩擦係数μに基づいて図12において実線にて示されたマップより路面の摩擦係数μに基づく補正ゲインKrr(1以下の正の値)が演算される。この場合、補正ゲインKrrは、路面の摩擦係数μが標準値μ0(正の定数)以上の領域においては、1に演算され、路面の摩擦係数μが標準値μ0未満の領域においては、路面の摩擦係数が低いほど小さくなるよう、演算される。
なお、路面の摩擦係数μの求め方は本発明の要旨をなすものではないので、路面の摩擦係数μはアンチスキッド制御、トラクション制御、車両の運動制御等に於いて一般的に採用されている任意の方法により検出又は推定された値であってよい。
ステップ440においては、後輪の目標修正舵角Δδbtが、ステップ420において演算された車速ゲインKrvとステップ430において演算された補正ゲインKrrとステップ410において演算された基本目標修正舵角Δδbrtとの積に演算される。
以上の説明より解る如く、ステップ300において、車速Vに応じた好ましい旋回応答性を確保するための後輪の基本目標舵角δrbtが演算され、ステップ400において、車両の良好な回頭性を確保するための後輪の目標修正舵角Δδrbtが演算される。そして、後輪の目標舵角δrtは、ステップ500において、基本目標舵角δrbtと車目標修正舵角Δδrbtとの和に演算される。
特に、微分目標舵角δrdtと共に基本目標舵角δrbtを構成する定常目標舵角δrstは、中高車速域においては、車速Vが高いほど前輪に対し同相の大きさが大きくなるよう、演算され、これにより中高速走行時の車両の良好な走行安定性が確保される。また、目標修正舵角Δδrbtは、後輪の舵角を前輪に対し逆相方向へ修正する制御量として演算され、その制御量の大きさは、車両の旋回度合が高いほど、即ち、操舵角MAの大きさが大きく車速Vが高いほど、大きくされる。
従って、車両の旋回度合が高い中高速での旋回走行状況においては、目標修正舵角Δδrbtの大きさが大きくなり、後輪の舵角を前輪に対し逆相方向へ修正する制御量が大きくなる。よって、後輪の舵角が逆相方向へ修正されない場合に比して車両のスリップ角を大きくすることができるので、車両の旋回度合が高い中高速での旋回走行状況において、車両の乗員が車両の回頭性が悪いと感じる虞れを効果的に低減することができる。
なお、車両の旋回度合が低い中高速での旋回走行状況においては、目標修正舵角Δδrbtの大きさが小さく、後輪の舵角を前輪に対し逆相方向へ修正する制御量が小さいので、車両の良好な走行安定性を確保することができる。また、この旋回走行状況においては、操舵角MAの大きさは一般に大きい値ではないので、目標修正舵角Δδrbtの大きさが小さくても、車両の乗員が車両の回頭性が悪いと感じることはない。
また、第一の実施形態によれば、図10に示されている如く、操舵角MAの大きさに対する後輪の目標修正舵角Δδrbtの大きさの比、即ち、マップの線の傾きは、操舵角MAの大きさが大きいほど大きい。
よって、例えば、操舵角の大きさに対す目標修正舵角Δδrbtの大きさの比が、操舵角の大きさに関係なく一定である場合に比して、操舵角の大きさが大きい状況における目標修正舵角Δδrbtの大きさを大きくすることができる。従って、上記比が一定である場合に比して、操舵角の大きさが大きい状況における車両のスリップ角を大きくすることができるので、車両の乗員が車両の回頭性の低下を感じる虞れを一層効果的に低減することができる。
また、第一の実施形態によれば、図11に示されている如く、後輪の修正操舵用の車速ゲインKrvは、車速Vが高いほど大きくなると共に、車速Vが高いほど車速の増大に伴う増大率が大きくなるよう、演算される。従って、車速Vが高いほど目標修正舵角Δδrbtの大きさが大きく、車速Vが高いほど車速の増大に伴う目標修正舵角Δδrbtの大きさの増大率が大きい。
よって、車速が低い状況における目標修正舵角Δδrbtの大きさを過剰に大きくすることなく、車速が高い状況における目標修正舵角Δδrbtの大きさを大きくすることができる。従って、車速が低い状況における車両のスリップ角を過剰に大きくすることなく、車速が高い状況における車両のスリップ角を大きくし、車両の乗員が車両の回頭性の低下を感じる虞れを効果的に低減することができる。
また、前述の如く、操舵角センサ60によって検出される操舵角MAの0が車両の実際の直進位置に対応しない、いわゆるニュートラルずれが生じることがある。図18(A)は、操舵角MAについていわゆる不感帯が設定されることなく、後輪の基本目標修正舵角Δδbrtが演算される場合を示しており、図18(B)は、ニュートラルずれが生じた状況におけるマップの変化の一例を示している。
図18(B)に示された状況においては、検出される操舵角MAが0であっても、基本目標修正舵角Δδbrtが負の値になるため、後輪が車両の左旋回方向へ操舵されてしまい、車両の直進走行性が低下する。また、操舵角MAが右旋回方向へ変化するよう操舵される場合には、基本目標修正舵角Δδbrtの大きさの増大率が大きくなるため、前輪とは逆相方向への後輪の修正操舵量の増大率も大きくなる。これに対し、操舵角MAが左旋回方向へ変化するよう操舵される場合には、操舵角MAが負の値になっても基本目標修正舵角Δδbrtが負の値のままになる領域があり、その領域においては、後輪は前輪とは逆相方向へ修正操舵されず、前輪と同相の操舵量が減少する。そして、操舵角MAがさらに左旋回方向へ変化するよう操舵されると、後輪が前輪とは逆相方向への修正操舵されるようになる。よって、ニュートラルずれが生じると、車両の旋回特性が操舵方向によって大きく異なるようになってしまい、これに起因して運転者が違和感を覚えることが避けられない。
第一の実施形態によれば、図10に示されている如く、操舵角MAの大きさが下限基準値MA1以下の領域においては、後輪の基本目標修正舵角Δδbrtは0に演算され、後輪の修正操舵は行われない。よって、図19に示されている如く、ニュートラルずれが生じても、操舵角MAが0の位置より操舵が行われる場合に、後輪が前輪とは同相に操舵され、その同相の操舵量が減少する状況などが生じる虞れを低減することができる。従って、ニュートラルずれが生じても、車両の旋回特性が操舵方向によって異なる度合を低減することができ、車両の旋回特性が操舵方向によって大きく異なることに起因して運転者が違和感を覚える虞れを低減することができる。
また、前述の如く、路面の摩擦係数μが低い場合には、車両がアンダーステア状態やオーバーステア状態になり易い。特に、車両がオーバーステア状態にある状況に於いて、基本目標修正舵角Δδbrtの大きさが大きくなり、後輪が大きい修正操舵量にて修正操舵されると、後輪の舵角が前輪に対し逆相方向へ大きく変化するため、車両のオーバーステア状態が悪化してしまう。
第一の実施形態によれば、図12に示されている如く、補正ゲインKrrは、路面の摩擦係数μが標準値μ0未満の領域においては、路面の摩擦係数が低いほど小さくなるよう、演算される。よって、路面の摩擦係数が低いときには、路面の摩擦係数が高いときに比して、基本目標修正舵角Δδbrtの大きさを小さくし、これにより修正操舵量の大きさを小さくすることができる。従って、路面の摩擦係数が低いときには、修正操舵に起因して車両がオーバーステア状態になったり、車両のオーバーステア状態が悪化したりする虞れを低減することができる。なお、路面の摩擦係数が高いときには、修正操舵量の大きさが不必要に小さくされることがないので、車両の乗員が車両の回頭性の低下を感じる虞れを効果的に低減することができる。
また、前述の如く、操舵角MAの大きさが増大して基本目標修正舵角Δδbrtの大きさが増大すると、後輪の舵角が前輪に対し逆相方向へ変化する量が大きくなる。そのため、後輪のコーナリングフォースが低下して、車両に作用する旋回ヨーモーメントが大きくなり、車両がオーバーステア状態になり易くなる。
第一の実施形態によれば、図10に示されている如く、後輪の基本目標修正舵角Δδbrtは、操舵角MAの大きさが上限基準値MA2以上の領域においては、一定の値に演算され、操舵角MAの大きさが上限基準値MA2よりも大きくなっても、増大しない。従って、操舵角MAの大きさが上限基準値MA2以上に大きくなっても、修正操舵量の大きさが過大になることを防止し、これにより後輪のコーナリングフォースが低下して車両がオーバーステア状態になる虞れを効果的に低減することができる。
さらに、車速Vが比較的高い状況において制動が行われ、車速が低下すると、図6に示された前輪の定常ゲインKfsは増大変化(増速方向へ変化)し、図8に示された後輪の定常ゲインKrsは減少変化(逆相方向へ変化)する。そのため、特に車両の減速度が高い場合には、車両の旋回応答性が急に高くなって車輌が過剰にオーバーステア状態になり易い。
これに対し、車速Vが比較的高い状況において制動が行われ、車速が低下すると、図11に示された後輪の修正操舵用の車速ゲインKrvが低下する。よつて、後輪の目標修正舵角Δδrtは減少変化し、前輪とは逆相方向への後輪の修正操舵量が減少するので、車両の旋回応答性が低下する。従って、後輪の修正操舵量の減少により、上記定常ゲインKfs及びKrsの変化に起因して車両が過剰にオーバーステア状態になる虞れを低減することができる。
なお、車速Vが比較的高い状況において制動が行われ、車速が低下する場合には、図20及び図21において実線の矢印にて示されている如く、定常ゲインKfs及びKrsは、例えば制動が終了するまで制動開始時の値に維持されてもよい。あるいは、図20及び図21において破線の矢印にて示されている如く、例えば制動が終了するまで、定常ゲインKfsは制動開始時の値より穏やかに増大し、定常ゲインKrsは制動開始時の値より穏やかに減少するよう、制御されてもよい。これらの制御によれば、図20及び図21において仮想線の矢印にて示されている如く、上記制御が行われない場合に比して、車速が低下する場合における前後輪の舵角の変化を穏やかにして車両がオーバーステア状態になる虞れを低減することができる。
[第二の実施形態]
図13は、前輪用の舵角可変装置及び後輪操舵装置が搭載された車両に適用された本発明による車両の操舵制御装置の第二の実施形態を示す概略構成図である。なお、図13において、図1に示された部材と同一の部材には図1に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
この第二の実施形態においては、車両12は切替えスイッチ68を有し、車両の乗員によって切替えスイッチ68が操作されることにより、車両の走行モードがノーマルモードとスポーツモードとに切替えられるようになっている。スポーツモードにおいては、車両の旋回応答性が通常旋回応答性であるノーマルモードの場合よりも高い応答性に制御される
また、この実施形態においては、操舵制御は図14ないし図17に示されたフローチャートに従って実行される。なお、図14において、図2に示されたステップと同一のステップには図2において付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。
<操舵制御のメインルーチン>(図14)
次に、図14に示されたフローチャートを参照して第二の実施形態における操舵制御のメインルーチンについて説明する。なお、図14に示されたフローチャートによる制御は、図には示されていないイグニッションスイッチがオフからオンへ切り替えられたときに開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
ステップ50が完了すると、制御はステップ110へ進む。そして、ステップ110においては、走行モードがノーマルモードであるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには制御はステップ150へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ120へ進む。
ステップ120においては、走行モードがスポーツモードからノーマルモードへ切替えられたか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには制御はステップ200へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ130へ進む。
ステップ130においては、後述のステップ140において実行される移行処理が完了しているか否かの判別が行われる。そして、肯定判別が行われたときには、走行モードが切替えられた情報がクリアされた後、制御はステップ200へ進み、否定判別が行われたときには制御はステップ140へ進む。
ステップ140においては、図6ないし図11に示されたマップを制御サイクルごとに破線から実線へ漸次変化させることにより、各制御量を漸次変化させるスポーツモードからノーマルモードへの移行処理が行われる。特に、図10に示されたマップにおいては、操舵角MAの大きさが大きいほど走行モードの移行に伴う基本目標修正舵角Δδbrtの変化量が大きくなる。よって、破線から実線へのマップの変化は、操舵角MAの大きさが大きいほど長い時間をかけて行われる。
ステップ200ないし400は、上述の第一の実施形態の場合と同様に実行され、ステップ400が完了すると、制御はステップ800へ進む。
ステップ150ないし170においては、それぞれステップ120ないし140に対応する制御が行われる。即ち、ステップ150においては、走行モードがノーマルモードからスポーツモードへ切替えられたか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには制御はステップ500へ進み、肯定判別が行われたときには制御はステップ160へ進む。
なお、ステップ140の移行処理によりマップが変化されている過程にあるときには、ゲインKfs、Kfd、Krs及びKrd、後輪の基本目標修正舵角Δδbrt、車速ゲインKrv、補正ゲインKrrは、それぞれ変化の途上にあるマップより演算される。
ステップ160においては、後述のステップ170において実行される移行処理が完了しているか否かの判別が行われる。そして、肯定判別が行われたときには、走行モードが切替えられた情報がクリアされた後、制御はステップ500へ進み、否定判別が行われたときには制御はステップ170へ進む。
ステップ170においては、図6ないし図11に示されたマップを制御サイクルごとに実線から破線へ漸次変化させることにより、各制御量を漸次変化させるノーマルモードからスポーツモードへの移行処理が行われる。特に、図10に示されたマップについては、実線から破線へのマップの変化は、ステップ140の場合と同様に、操舵角MAの大きさが大きいほど長い時間をかけて行われる。
ステップ500ないし700は、それぞれ図3ないし図5に示されたフローチャートに対応する図15ないし図17に示されたフローチャートに従って実行され、ステップ700が完了すると、制御はステップ800へ進む。
<前輪の目標舵角δft演算ルーチン>(図15)
ステップ510においては、車速Vに基づいて図6において破線にて示されたマップより前輪の定常ゲインKfsが演算され、ステップ530においては、車速Vに基づいて図7において破線にて示されたマップより前輪の微分ゲインKfdが演算される。なお、ステップ170の移行処理によりマップが変化されている過程にあるときには、定常ゲインKfs及び微分ゲインKfdは変化の途上にあるマップより演算される。
他のステップ、即ち、ステップ520、540及び550は、それぞれステップ220、240及び250と同様に実行される。
<後輪の基本目標舵角δrbt演算ルーチン>(図16)
ステップ610においては、車速Vに基づいて図8において破線にて示されたマップより後輪の定常ゲインKrsが演算され、ステップ630においては、車速Vに基づいて図9において破線にて示されたマップより後輪の微分ゲインKrdが演算される。
なお、ステップ170の移行処理によりマップが変化されている過程にあるときには、定常ゲインKrs及び微分ゲインKrdは、変化の途上にあるマップより演算される。また、他のステップ、即ち、ステップ620、640及び650は、それぞれステップ320、340及び350と同様に実行される。
<後輪の目標修正舵角Δδrbt演算ルーチン>(図17)
ステップ710においては、操舵角MAに基づいて図10において破線にて示されたマップより後輪の基本目標修正舵角Δδbrtが演算され、ステップ720においては、車速Vに基づいて図11において破線にて示されたマップより後輪の修正操舵用の車速ゲインKrvが演算される。
図10に示されている如く、破線にて示されたマップより後輪の基本目標修正舵角Δδbrtを演算するための操舵角MAの下限値MA1′及び上限値M2′は、実線にて示されたマップの下限値MA1及び上限値M2よりもそれぞれ小さい。また、破線にて示されたマップの基本目標修正舵角Δδbrtの大きさは、実線にて示されたマップの基本目標修正舵角Δδbrtの大きさよりも大きく、その差は操舵角MAの大きさが大きくなるほど大きい。
ステップ730においては、路面の摩擦係数μに基づいて図12において破線にて示されたマップより路面の摩擦係数μに基づく補正ゲインKrrが演算される。この場合、補正ゲインKrrは、路面の摩擦係数μが標準値μ0以上の領域においては、1に演算され、路面の摩擦係数μが標準値μ0未満の領域においては、実線の場合の値よりも小さく、かつ、路面の摩擦係数が低いほど小さくなるよう、演算される。
なお、ステップ170の移行処理によりマップが変化されている過程にあるときには、基本目標修正舵角Δδbrt、車速ゲインKrv及び補正ゲインKrrは、変化の途上にあるマップより演算される。また、他のステップ、即ち、ステップ740は、ステップ440と同様に実行される。
かくして、第二の実施形態によれば、切替えスイッチ68の操作により、車両の走行モードがノーマルモードに設定されているときには、ステップ110において肯定判別が行われ、ステップ200〜400においてノーマルモード時の操舵制御が実行される。これに対し、車両の走行モードがスポーツモードに設定されているときには、ステップ110において否定判別が行われ、ステップ500〜700においてスポーツモード時の操舵制御が実行される。
従って、走行モードがノーマルモード及びスポーツモードの何れの場合にも、車両の旋回度合が高い中高速での旋回走行状況において、後輪の舵角を前輪に対し逆相方向へ修正することができる。よって、後輪の舵角が逆相方向へ修正されない場合に比して車両のスリップ角を大きくすることができ、これにより車両の乗員が車両の回頭性が悪いと感じる虞れを効果的に低減することができる。
前述の如く、操舵角の大きさが車両の旋回応答性の如何に関係なく一定の下限基準値を越えているときに修正操舵が行われる場合には、車両の旋回応答性の高低によって修正操舵が開始されるときの車両の旋回横加速度が異なる。そのため、走行モードが通常旋回応答性のノーマルモードであるか、高旋回応答性のスポーツモードであるかによって、修正操舵が開始されるときの車両の旋回横加速度が異なることが避けられない。
第二の実施形態によれば、後輪の基本目標修正舵角Δδbrtは、走行モードがノーマルモードであるときには、実線にて示されたマップより演算され、走行モードがスポーツモードであるときには、破線にて示されたマップより演算される。そして、破線にて示されたマップの操舵角MAの下限値MA1′は、実線にて示されたマップの下限値MA1よりも小さい。
よって、修正操舵が開始されるときの車両の旋回横加速度が、走行モードによって異なる度合を低減することができる。従って、修正操舵が開始されるときの車両の旋回横加速度が、走行モードによって大きく異なること及びこれに起因して車両の乗員が違和感を覚える虞れを低減することができる。
また、上述の如く、破線にて示されたマップの基本目標修正舵角Δδbrtの大きさは、実線にて示されたマップの基本目標修正舵角Δδbrtの大きさよりも大きく、その差は操舵角MAの大きさが大きくなるほど大きい。よって、走行モードが二つの走行モードの間に移行する際の修正操舵量の大きさの急激な変化を防止するためには、操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、移行をゆっくりと行わせることが好ましい。
第二の実施形態によれば、ステップ140における図10の破線から実線へのマップの変化及びステップ170における図10の実線から破線へのマップの変化は、操舵角MAの大きさが大きいほど長い時間をかけて行われる。従って、操舵角の大きさが大きいときにも、走行モードが移行する際の修正操舵量の大きさの変化を穏やかにすることができ、これにより後輪の目標修正舵角Δδrtの急激な変化及びこれに起因する車両の好ましからざる挙動の変化を防止することができる。
また、前述の如く、操舵角の大きさが増大して修正操舵量の大きさが増大すると、後輪の舵角が前輪に対し逆相方向へ変化する量が大きくなので、後輪のコーナリングフォースが低下する。後輪のコーナリングフォースの低下に起因して車両がオーバーステア状態になる虞れを効果的に低減するためには、旋回応答性が高いときには、車両の旋回応答性が低いときに比して、後輪のコーナリングフォースの低下が早期に防止されることが好ましい。
第二の実施形態によれば、図10に示されたマップの上限値MA2′は上限値M2よりも小さい。よって、走行モードがスポーツモードであるときには、走行モードがノーマルモードであるときに比して、後輪のコーナリングフォースの低下の防止を早期に開始させることができる。従って、上限値MA2′が上限値MA2と同一又はそれよりも大きい場合に比して、後輪のコーナリングフォースの低下に起因して車両がオーバーステア状態になる虞れを効果的に低減することができる。
さらに、図12に示されている如く、補正ゲインKrrは、路面の摩擦係数μが標準値μ0未満の領域においては、実線の場合の値よりも小さく、かつ、路面の摩擦係数が低いほど小さくなるよう、演算される。よって、路面の摩擦係数が低いほど後輪の目標修正舵角Δδrtの低減補正量を大きくすることができるので、このことによっても、後輪のコーナリングフォースの低下に起因して車両がオーバーステア状態になる虞れを効果的に低減することができる。
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば、上述の第一及び第二実施形態に於いては、図10の下限基準値MA1、MA1′及び上限基準値MA2、M2′は正の定数であるが、車速Vが高いときには車速が低いときに比して小さくなるよう、車速に応じて可変設定されてもよい。
特に、下限基準値が、上述の如く可変設定される場合には、車速が高いときには車速が低いときに比して、操舵角の大きさが小さくても修正操舵を行わせることができ、これにより車両の乗員が車両の回頭性の低下を感じる虞れを効果的に低減することができる。また、上限基準値が、上述の如く可変設定される場合には、車速が高く、後輪のコーナリングフォースの低下により車両の走行安定性が低下する虞れが高いときには、操舵角の大きさが小さい段階で修正操舵量の大きさを増大させないようにすることができる。
また、上述の第一及び第二の実施形態に於いては、後輪の目標修正舵角Δδrbtは車速ゲインKrvと補正ゲインKrrと基本目標修正舵角Δδbrtとの積に演算され、基本目標修正舵角Δδbrtは図10に示されたマップより演算される。
しかし、基本目標修正舵角Δδbrtは、車両の走行モードがノーマルモードであるときには、操舵角MA及び車速Vに基づいて図22に示されたマップより演算されてもよい。同様に、基本目標修正舵角Δδbrtは、車両の走行モードがスポーツモードであるときには、操舵角MA及び車速Vに基づいて図23に示されたマップより演算されてもよい。そして、それらの場合には、後輪の目標修正舵角Δδrbtは補正ゲインKrrと基本目標修正舵角Δδbrtとの積に演算されてよい。
また、基本目標修正舵角Δδbrtは、車両の走行モードがノーマルモードであるときには、車両の横加速度Gyに基づいて図24において実線にて示されたマップより演算されてもよい。同様に、基本目標修正舵角Δδbrtは、車両の走行モードがスポーツモードであるときには、車両の横加速度Gyに基づいて図24において破線にて示されたマップより演算されてもよい。そして、それらの場合にも、後輪の目標修正舵角Δδrbtは補正ゲインKrrと基本目標修正舵角Δδbrtとの積に演算されてよい。
なお、これらの場合に於いて、車両の横加速度Gyは横加速度センサにより検出される実横加速度Gyであってもよく、また、例えば操舵角MA及び車速Vに基づいて推定される横加速度Gyhであってもよい。特に、車両の横加速度Gyが実横加速度Gyである場合には、外乱による変動が排除されるよう、横加速度センサにより検出された値がローパスフィルタ処理されることが好ましい。
上述の第一及び第二の実施形態に於いては、車両はステアリングギヤ比可変装置として機能する舵角可変装置14を有しているが、本発明は舵角可変装置を有しない車両に適用されてもよい。また、本発明は、前輪がステアバイワイヤ式の操舵装置により操舵される車両に適用されてもよい。
また、上述の第一及び第二の実施形態に於いては、路面の摩擦係数μに基づいて図12に示されたマップより路面の摩擦係数μに基づく補正ゲインKrrが演算される。そして、後輪の目標修正舵角Δδrbtは、車速ゲインKrvと補正ゲインKrrと基本目標修正舵角Δδbrtとの積に演算される。しかし、路面の摩擦係数μに基づく補正ゲインKrrは省略されてもよい。
ただし、その場合には、車両のオーバーステア状態又はその虞れを判定し、車両がオーバーステア状態にある又はその虞れがあるときには、後輪の目標修正舵角Δδrbtが低減されることが好ましい。
上述の主要な課題は、本発明によれば、運転者の操舵操作に応じて前輪を操舵する前輪操舵装置と、運転者の操舵操作によらず後輪を操舵可能な後輪操舵装置と、後輪操舵装置を制御する電子制御装置とを有し、電子制御装置は、前輪に対し逆相方向への後輪の操舵を修正操舵として、後輪が後輪操舵装置によって前輪と同相に操舵されている状況にて運転者の操舵操作量を示す操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、修正操舵量の大きさ大きくする車両の操舵制御装置において、車両は通常旋回応答性の走行モード及び高旋回応答性の走行モードの少なくとも二つの走行モードを有し、電子制御装置は、操舵角の大きさが下限基準値以下であるときには、修正操舵を行わず、下限基準値は、走行モードが高旋回応答性の走行モードであるときには、走行モードが通常旋回応答性の走行モードであるときに比して、小さいことを特徴とする車両の操舵制御装置によって達成される。
なお、後輪が前輪と同相に操舵されている状況であっても、操舵角の大きさが大きくないときには、修正操舵量の大きさは大きくならないので、後輪の同相の操舵量が大きく低減されることはない。従って、車両の旋回応答性が不必要に高くされることはないので、車両の良好な操縦安定性を確保することができる。
操舵角は、車両の直進位置に対応する値を0として、左右の旋回方向の一方を正とし、他方の旋回方向を負とする値として、操舵角センサの如き検出装置によって検出される。しかし、操舵角の0が車両の実際の直進位置に対応しない場合がある。特にステアリングホイールの如き操舵入力装置に対する前輪の舵角の関係を変化させる舵角可変装置が設けられている場合には、操舵角の0が車両の実際の直進位置に対応しない、いわゆるニュートラルずれが生じることがある。
操舵角の大きさが0以外であるときに修正操舵が行われる場合には、ニュートラルずれが生じると、一方の旋回方向へ操舵される場合には、修正操舵量が急激に増大するのに対し、他方の旋回方向へ操舵される場合には、修正操舵量が増大しない状況が生じる。この状況が生じると、車両の旋回特性が操舵方向によって異なるようになるので、運転者が違和感を覚えることが避けられない。
上記の構成によれば、操舵角の大きさが下限基準値以下であるときには、修正操舵が行われないので、ニュートラルずれが生じても、操舵角が0の位置より操舵される場合における車両の旋回特性が操舵方向によって異なる虞れを低減することができる。従って、ニュートラルずれが生じた場合にも、修正操舵に起因して運転者が違和感を覚える虞れを低減することができる。
操舵角の大きさが車両の旋回応答性の如何に関係なく一定の下限基準値を越えているときに修正操舵が行われる場合には、車両の旋回応答性の高低によって修正操舵が開始されるときの車両の旋回横加速度が異なる。そのため、車両が通常旋回応答性の走行モード及び高旋回応答性の走行モードの少なくとも二つの走行モードを有する場合には、修正操舵が開始されるときの車両の旋回横加速度が、走行モードによって異なることが避けられない。
上記の構成によれば、走行モードが高旋回応答性の走行モードであるときには、走行モードが通常旋回応答性の走行モードであるときに比して、下限基準値を小さくすることができる。従って、修正操舵が開始されるときの車両の旋回横加速度が、走行モードによって異なる度合を低減することができ、これにより修正操舵が開始されるときの車両の旋回横加速度が、走行モードによって異なることに起因する違和感を低減することができる。
また、上述の主要な課題は、本発明によれば、運転者の操舵操作に応じて前輪を操舵する前輪操舵装置と、運転者の操舵操作によらず後輪を操舵可能な後輪操舵装置と、後輪操舵装置を制御する電子制御装置とを有し、電子制御装置は、前輪に対し逆相方向への後輪の操舵を修正操舵として、後輪が後輪操舵装置によって前輪と同相に操舵されている状況にて運転者の操舵操作量を示す操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、修正操舵量の大きさを大きくする車両の操舵制御装置において、車両は通常旋回応答性の走行モード及び高旋回応答性の走行モードの少なくとも二つの走行モードを有し、操舵角の大きさが上限基準値以上であるときには、操舵角の大きさが増大しても修正操舵量の大きさを増大させず、上限基準値は、走行モードが高旋回応答性の走行モードであるときには、走行モードが通常旋回応答性の走行モードであるときに比して、小さいことを特徴とする車両の操舵制御装置によって達成される。
上記の構成によれば、後輪操舵装置は、後輪が前輪と同相に操舵されている状況にて操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、修正操舵量の大きさが大きくなるよう、制御される。よって、後輪が前輪と同相に操舵されている状況にて操舵角の大きさが大きいときには、後輪の同相の操舵量を低減して車両の旋回応答性の低下量を低減することができる。従って、旋回内側への車両のスリップ角を大きくすることができるので、車両の乗員が車両の回頭性の低下を感じる虞れを効果的に低減することができる。
上記の構成によれば、操舵角の大きさが上限基準値以上であるときには、操舵角の大きさが増大しても修正操舵量の大きさが増大しないようにすることができる。従って、操舵角の大きさが上限基準値以上に大きくなっても、修正操舵量の大きさが過大になることを防止し、これにより後輪のコーナリングフォースが低下して車両がオーバーステア状態になる虞れを効果的に低減することができる。
後輪のコーナリングフォースの低下に起因して車両の走行安定性が低下する虞れを効果的に低減するためには、車両の旋回応答性が高いときには、車両の旋回応答性が低いときに比して、後輪のコーナリングフォースの低下が早期に防止されることが好ましい。
上記の構成によれば、走行モードが高旋回応答性の走行モードであるときには、走行モードが通常旋回応答性の走行モードであるときに比して、上限基準値を小さくすることができる。従って、走行モードが高旋回応答性の走行モードであるときには、走行モードが通常旋回応答性の走行モードであるときに比して、後輪のコーナリングフォースの低下の防止を早期に開始させることができる。
また、上述の主要な課題は、本発明によれば、運転者の操舵操作に応じて前輪を操舵する前輪操舵装置と、運転者の操舵操作によらず後輪を操舵可能な後輪操舵装置と、後輪操舵装置を制御する電子制御装置とを有し、電子制御装置は、前輪に対し逆相方向への後輪の操舵を修正操舵として、後輪が後輪操舵装置によって前輪と同相に操舵されている状況にて運転者の操舵操作量を示す操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、修正操舵量の大きさを大きくする車両の操舵制御装置において、車両は通常旋回応答性の走行モード及び高旋回応答性の走行モードの少なくとも二つの走行モードを有し、舵角の大きさに対する修正操舵量の大きさの比は、走行モードが高旋回応答性の走行モードであるときには、走行モードが通常旋回応答性の走行モードであるときに比して、大きく、走行モードを二つの走行モードの間に移行させる際の時間は、操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、長いことを特徴とする車両の操舵制御装置によって達成される。
上記の構成によれば、後輪操舵装置は、後輪が前輪と同相に操舵されている状況にて操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、修正操舵量の大きさが大きくなるよう、制御される。よって、後輪が前輪と同相に操舵されている状況にて操舵角の大きさが大きいときには、後輪の同相の操舵量を低減して車両の旋回応答性の低下量を低減することができる。従って、旋回内側への車両のスリップ角を大きくすることができるので、車両の乗員が車両の回頭性の低下を感じる虞れを効果的に低減することができる。
高旋回応答性の走行モード時には、通常旋回応答性の走行モード時に比して、操舵角の大きさに対する修正操舵量の大きさの比が大きい場合には、高旋回応答性の走行モード時の修正操舵量の大きさも通常旋回応答性の走行モード時の値に比して大きくなる。よって、二つの走行モードの間における修正操舵量の大きさ差は、操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、大きくなる。従って、走行モードが二つの走行モードの間に移行する際の修正操舵量の大きさの急激な変化を防止するためには、操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、移行をゆっくりと行わせることが好ましい。
以上の説明より解る如く、ステップ300において、車速Vに応じた好ましい旋回応答性を確保するための後輪の基本目標舵角δrbtが演算され、ステップ400において、車両の良好な回頭性を確保するための後輪の目標修正舵角Δδrbtが演算される。そして、後輪の目標舵角δrtは、ステップ500において、基本目標舵角δrbtと目標修正舵角Δδrbtとの和に演算される。
他のステップ、即ち、ステップ520、540及び550は、それぞれステップ20、40及び50と同様に実行される。
図10に示されている如く、破線にて示されたマップより後輪の基本目標修正舵角Δδbrtを演算するための操舵角MAの下限値MA1′及び上限値M2′は、実線にて示されたマップの下限値MA1及び上限値M2よりもそれぞれ小さい。また、破線にて示されたマップの基本目標修正舵角Δδbrtの大きさは、実線にて示されたマップの基本目標修正舵角Δδbrtの大きさよりも大きく、その差は操舵角MAの大きさが大きくなるほど大きい。
また、前述の如く、操舵角の大きさが増大して修正操舵量の大きさが増大すると、後輪の舵角が前輪に対し逆相方向へ変化する量が大きくなので、後輪のコーナリングフォースが低下する。後輪のコーナリングフォースの低下に起因して車両がオーバーステア状態になる虞れを効果的に低減するためには、旋回応答性が高いときには、車両の旋回応答性が低いときに比して、後輪のコーナリングフォースの低下が早期に防止されることが好ましい。
第二の実施形態によれば、図10に示されたマップの上限値MA2′は上限値M2よりも小さい。よって、走行モードがスポーツモードであるときには、走行モードがノーマルモードであるときに比して、後輪のコーナリングフォースの低下の防止を早期に開始させることができる。従って、上限値MA2′が上限値MA2と同一又はそれよりも大きい場合に比して、後輪のコーナリングフォースの低下に起因して車両がオーバーステア状態になる虞れを効果的に低減することができる。
例えば、上述の第一及び第二実施形態に於いては、図10の下限基準値MA1、MA1′及び上限基準値MA2、M2′は正の定数であるが、車速Vが高いときには車速が低いときに比して小さくなるよう、車速に応じて可変設定されてもよい。

Claims (11)

  1. 運転者の操舵操作に応じて前輪を操舵する前輪操舵装置と、運転者の操舵操作によらず後輪を操舵可能な後輪操舵装置とを有する車両の操舵制御装置において、前輪に対し逆相方向への後輪の操舵を修正操舵として、後輪が前記後輪操舵装置によって前輪と同相に操舵されている状況にて運転者の操舵操作量を示す操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、修正操舵量の大きさが大きくなるよう、前記後輪操舵装置を制御することを特徴とする車両の操舵制御装置。
  2. 操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、操舵角の大きさに対する修正操舵量の大きさの比が大きいことを特徴とする請求項1に記載の車両の操舵制御装置。
  3. 修正操舵量の大きさは、車速が高いときには、車速が低いときに比して、大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の操舵制御装置。
  4. 修正操舵量の大きさは、路面の摩擦係数が低いときには、路面の摩擦係数が高いときに比して、小さいことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一つに記載の車両の操舵制御装置。
  5. 操舵角の大きさが下限基準値以下であるときには、修正操舵を行わないことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一つに記載の車両の操舵制御装置。
  6. 前記下限基準値は、車速が高いときには、車速が低いときに比して、小さいことを特徴とする請求項5に記載の車両の操舵制御装置。
  7. 車両は通常旋回応答性の走行モード及び高旋回応答性の走行モードの少なくとも二つの走行モードを有し、前記下限基準値は、走行モードが前記高旋回応答性の走行モードであるときには、走行モードが前記通常旋回応答性の走行モードであるときに比して、小さいことを特徴とする請求項5又は6に記載の車両の操舵制御装置。
  8. 操舵角の大きさが上限基準値以上であるときには、操舵角の大きさが増大しても修正操舵量の大きさを増大させないことを特徴とする請求項1ないし7の何れか一つに記載の車両の操舵制御装置。
  9. 前記上限基準値は、車速が高いときには、車速が低いときに比して、小さいことを特徴とする請求項8に記載の車両の操舵制御装置。
  10. 車両は通常旋回応答性の走行モード及び高旋回応答性の走行モードの少なくとも二つの走行モードを有し、前記上限基準値は、走行モードが前記高旋回応答性の走行モードであるときには、走行モードが前記通常旋回応答性の走行モードであるときに比して、小さいことを特徴とする請求項8又は9に記載の車両の操舵制御装置。
  11. 車両は通常旋回応答性の走行モード及び高旋回応答性の走行モードの少なくとも二つの走行モードを有し、操舵角の大きさに対する修正操舵量の大きさの比は、走行モードが前記高旋回応答性の走行モードであるときには、走行モードが前記通常旋回応答性の走行モードであるときに比して、大きく、走行モードを前記二つの走行モードの間に移行させる際の時間は、操舵角の大きさが大きいときには、操舵角の大きさが小さいときに比して、長いことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一つに記載の車両の操舵制御装置。
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