JP2008155889A - 車両の走行安定状態判定装置及びこれを用いた走行状態安定制御装置 - Google Patents

車両の走行安定状態判定装置及びこれを用いた走行状態安定制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両が安定か不安定かを判断する車両の走行安定状態判定装置と、この判定結果に基づいて、車両が安定になるように制御する装置の提供。
【解決手段】車両100の横加速度を検出する手段12と、ステアリング111の操舵角を検出する手段11と、車体スリップ角を検出する13と、該検出された横加速度と、操舵角と、車体スリップ角とに基づいて、前記車両の前記横加速度と前記操舵角との比率を示す第1の比率、及び前記スリップ角と前記横加速度との比率を示す第2の比率を算出する演算手段20と、該演算手段により算出された前記第1の比率及び前記第2の比率に基づいて、車両の走行安定状態を判定する走行状態判定手段30、とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、走行中の車両が安定状態にあるか否かを判定する走行安定状態判定装置と、走行安定状態判定装置により車両の走行状態が安定でないと判定されたときには、走行状態を安定化する制御を行う走行状態安定制御装置に関する。
従来から、車両の旋回時の運転者の操舵を支援したり、操舵時の回頭性や走行安定性を向上させるため、種々の提案がなされている。
例えば、車両の旋回限界を予測する技術として、車両の旋回により生ずる状態変化値として操舵角に対する横加速度の比を算出し、車両旋回時に、車速によらず、状態変化値が一定となるようにステアリングギア比を設定することにより、旋回限界を超える操舵を防止した技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、高速走行時の走行安定特性を向上させるため、車両が所定速度の車速で走行中に、左右いずれかの方向に操舵が行われた場合には、ホイールベースが短くなるように制御し、操舵が中立位置に戻ったときには、ホイールベースが長くなるように、リーフスプリングに取り付けたアクチュエータを作動させて制御を行う技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−124528号公報 特開平3−186411号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の内容では、操舵角に対する横加速度の比を車速に依存せず一定に設定して、運転者が旋回限界を操舵角のみで判断できることを容易にした技術しか開示されておらず、車両の走行安定性を向上させるような技術は開示されていない。
また、上述の特許文献2に記載の内容では、車速と操舵角の検出信号にのみ基づいて、車速が所定速度以上のときのみアクチュエータの作動制御を行うので、高速走行時の走行安定特性しか考慮されていない。また、車速と操舵角のみの検出信号からでは、車両の走行状態を正確には把握できない。
ところで、車両の安定性を向上させる技術として、ABS(Antilock Braake System)やVSC(Vehicle Stability Control、車両安定性制御)システム等の技術が知られているが、これらは大きな車両挙動の乱れがないと作動せず、また制動力の制御により車両の安定化を試みたものであるため、車両挙動の乱れが大きくなる前の段階を含めて、常時車両を安定化させるような制御を行うことは不可能であるという問題があった。
そこで、本発明は、車両の走行中に車両の状態量を検出し、車両が安定か不安定な状態かを判断する車両の走行安定状態判定装置と、この判定結果に基づいて、車両の状態が安定になるように制御する走行状態安定制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る車両の走行安定状態判定装置は、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、
前記車両のステアリングの操舵角を検出する操舵角検出手段と、
前記車両の車体スリップ角を検出するスリップ角検出手段と、
前記横加速度検出手段により検出された前記車両の横加速度と、前記操舵角検出手段により検出された操舵角と、前記スリップ角検出手段により検出された車体スリップ角とに基づいて、前記車両の前記横加速度と前記操舵角との比率を示す第1の比率、及び前記スリップ角と前記横加速度との比率を示す第2の比率を算出する演算手段と、
該演算手段により算出された前記第1の比率及び前記第2の比率に基づいて、車両の走行安定状態を判定する走行状態判定手段、
とを備えたことを特徴とする。これにより、車体の積載状態の変化等に関わらず、車両の走行安定状態を逐次判定することができる。
第2の発明は、第1の発明に係る走行安定状態判定装置において、前記走行状態判定手段は、所定の走行安定状態又は走行不安定状態を示す関係式であって、前記第1の比率及び前記第2の比率を変数として用いて表現された関係式と、前記演算手段により算出された前記第1の比率及び前記第2の比率と、の関係に基づいて走行安定状態を判定することを特徴とする。これにより、車両の走行安定状態を、その程度や傾向も考慮して定量的及び定性的に判定することができる。
第3の発明に係る走行状態安定制御装置は、第1又は第2の発明に係る走行安定状態判定装置を備え、
前記走行状態判定手段により、走行状態が安定でないと判定されたときには、前記ステアリングのギア比及び/又は前記車両のホイールベースを調整することにより、前記車両を安定状態にする制御を行なう走行状態制御手段、
を備えたことを特徴とする。これにより、車両の走行状態が安定でないと判定されたときには、車両の走行状態を安定化する制御を行うことができる。
第4の発明は、第3の発明に係る走行状態安定制御装置において、
前記走行状態判定手段により、前記操舵角に対する前記横加速度の比率が大きいと判定されたときには、
前記走行状態制御手段は、前記操舵角に対するタイヤの切れ角を小さくする前記ギア比の制御、及び/又は前記車両のホイールベースを長くする制御を行うことを特徴とする。これにより、操舵角に対する横加速度の比率が大きいと判断されたときには、操舵角に対する横加速度の比率が小さくなる制御を行い、車両の走行状態を安定にする制御を行うことができる。
第5の発明は、第3又は第4の発明に係る走行状態安定制御装置において、
前記走行状態判定手段により、前記横加速度に対する前記車体スリップ角の比率が大きいと判定されたときには、
前記走行状態制御手段は、前記車両の後輪の等価コーナリングパワーを増大する制御と、前記操舵角に対するタイヤの切れ角を大きくする前記ギア比の制御、及び/又は前記ホイールベースを短くする制御を行うことを特徴とする。これにより、横加速度に対する車体スリップ角の比率が大きいと判断されたときには、後輪の等価コーナリングパワーを増幅することによりタイヤのグリップ力を増加させ、車体スリップ角を小さくする制御を行うとともに、ステアリングのギア比及び/又はホイールベースを制御して、操舵角に対する横加速度の比率を一定のままとする制御を行うことにより、車両を安定化する制御を行うことができる。
本発明によれば、走行中の車両の走行安定状態を逐次判定することができ、また、この判定結果に基づいて、逐次車両の走行状態を安定化させる制御を行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本実施例に係る車両の走行安定状態判定装置80及びこれを用いた走行状態安定制御装置90の機能ブロック図である。
本実施例に係る走行安定状態判定装置80は、走行状態検出部10と、演算手段20と、走行状態判定手段30とから構成される。本実施例に係る走行状態安定制御装置90は、上述の走行安定状態判定装置80に加えて、更に走行状態制御手段40を備えている。ここで、演算手段20、走行状態判定手段30及び走行状態制御手段40は、一体的に走行状態安定ECU(電子制御ユニット)50として構成されてよい。なお、図1において、走行安定状態判定装置80及び走行状態安定制御装置90は、車両100の外部にある様に図示されているが、拡大して図示したため便宜上そのように表されているにすぎず、実際には、車両100内に備えられてよい。
また、図1において、車両100に備えられた他の構成要素として、アクチュエータ60と、ステアリングギア比可変手段61と、ホイールベース可変手段62と、後輪等価コーナリングパワー可変手段63とを備える。また、本実施例に係る走行安定状態判定装置80及び走行状態安定制御装置90と、無線又は有線で通信可能なメインECU(電子制御ユニット)を備えてもよい。更に、必要に応じて、ディスプレイ等の表示手段31を備えてもよい。
図1において、走行状態検出部10は、車両100の走行状態を検出する検出手段であり、操舵角検出手段11と、横加速度検出手段12と、スリップ角検出手段13を含む。
操舵角検出手段11は、ステアリング111の操舵角(以下、操舵角をアルファベット文字でMAと表記する。)を検出する手段である。操舵角検出手段11は、例えばステアリング111のコンビネーションスイッチ部に設けられたステアリングセンサ11a等であってよく、操舵方向と操舵量に基づく操舵角MAを検出できる手段であればよい。例えば、磁気抵抗の変化を利用してステアリング111の回転を検出する形式であってもよい。
横加速度検出手段12は、車両100の横加速度を検出するための手段である。通常用いられる加速度センサを適用してよく、その種類や形式は問わない。横加速度だけでなく、前後の加速度を検出できるものでもよい。また、ジャイロセンサ等を併せ持った加速度センサであってもよい。
スリップ角検出手段13は、車両100の車体スリップ角を検出するための手段である。車体のスリップ角は、車両における車体前後方向軸方向と、実際の進行方向とがなす角度である。
図2は、車体のスリップ角βを示した図である。図2において、車両の実際の進行方向は、車両重心の進行方向として表されている。車体のスリップ角βは、車体の向いている方向と、車体速度のなす方向の差分によって表される角度であるので、前後方向速度をVx、横方向速度をVyとすると、β=tan―1(Vy/Vx)で表せる。しかしながら、一般に正確にVx、Vyを直接求めるのは困難であるので、種々の車体スリップ角βを推定する方法が知られており、本実施例に係るスリップ角検出手段13も、種々の車体スリップ角推定方法を適用してよい。
図1に戻ると、スリップ角検出手段13は、例えば、加速度センサ、ヨーレートセンサ及び速度センサを含み、これらの測定値に基づいて車体スリップ角βを推定検出してよい。ヨーレートセンサは、車両を上から見て、車両が水平方向に回転する速度(ヨーレート)を検出するセンサである。ヨーレートセンサは、車両100の重心のヨーレートを検出することが好ましいため、重心付近に設けられていることが望ましい。また、速度センサは、車体の前後方向速度を検出するセンサであり、車輪速度センサを利用してよい。
このようなセンサを備えたときに、例えば、横加速度検出手段12で検出した横加速度をGy、ヨーレートセンサで検出したヨーレートをγ、速度センサで検出した車体速度をVbとすると、車体スリップ角βは、β=∫{(Gy/Vx)−γ}dtと表すことができる。例えば、この式に基づいて、車体スリップ角βを推定してよい。その他、種々の車体スリップ角βを求める方法が提案されているので、好適な方法を利用してよく、それに応じてスリップ角検出手段13は、必要なセンサ等を備えてよい。
このように、走行状態検出部10は、操舵角検出手段11と、横加速度検出手段12と、スリップ角検出手段13により、車両100のステアリング111の操舵角MA、横加速度Gy及び車体スリップ角βを検出する。なお、走行状態検出部10の検出手段は、車両100の走行状態を取得するのに必要なデータを検出する手段であるので、必要に応じて、他の要素を検出してもよい。操舵角検出手段11、横加速度検出手段12及びスリップ角検出手段13で検出された検出結果は、演算手段20に送られる。
演算手段20は、操舵角検出手段11で検出された車両100のステアリング111の操舵角MAと、横加速度検出手段12で検出された車両100の横加速度Gyと、スリップ角検出手段13で検出された車体スリップ角βに基づいて、第1の比率として横加速度Gyに対する操舵角MAの比率Gy/MAを、第2の比率として横加速度Gyに対する車体スリップ角βの比率β/Gyを算出する。この、第1の比率Gy/MA及び第2の比率β/Gyを用いて、走行状態を判定したり、また走行状態を安定化させる制御を行ったりするので、演算手段20において、今後の処理演算のための変数変換を行う。なお、演算手段20の具体的な演算内容については、後述する。演算手段20で算出された、走行状態を示すデータとなる第1の比率Gy/MA及び第2の比率β/Gyは、走行状態判定手段30に送られる。
走行状態判定手段30は、演算手段20で算出された第1の比率Gy/MA及び第2の比率β/Gyが、安定状態にあるか否かの判定を行う。具体的には、走行状態判定手段30は、予め設定された、第1の比率Gy/MA及び第2の比率β/Gyを変数として表現された走行安定状態又は走行不安定状態を示す関係式を記憶している。そして、この関係式と実際の走行状態を示す第1の比率Gy/MA及び第2の比率β/Gyとの関係に基づいて、安定状態の判定を行う。例えば、不安定状態を示す関係式がある不等式で領域表現されていれば、その関係式を実際の走行状態を示す値が満たすようであれば、不安定状態にあるし、満たさないようであれば安定状態にある、という方法で判断できる。また、例えば、走行状態が不安定領域にあるときでも、不安定領域のどの辺りにあり、不安定の性質と大きさがどの程度なのかという点についても判定してよい。なお、走行状態判定手段30の具体的な処理演算の内容は後述する。
今まで説明した、走行状態検出部10から走行状態判定手段30までが、走行状態判定装置80を構成する。演算手段20と走行状態判定手段30は、別々に構成されてもよいが、同一の走行状態安定ECU50内に構成されてもよい。走行状態ECU50は、演算処理を行う計算機から構成されてよい。走行状態判定装置80として単独で使用する場合には、例えば、走行状態の判定結果を、車両100内のディスプレイ等の表示手段31に表示してもよい。
走行状態判定手段30で判定された走行状態判定結果に基づいて、更に走行状態を安定化させる車両100の制御を行う場合には、走行状態判定手段30の判定結果は、走行状態制御手段40に送られる。
走行状態制御手段40は、走行状態判定手段30で判定された走行状態の安定性の判定結果に基づいて、必要に応じて、車両100の走行状態を安定化の方向に向かわせるために、アクチュエータ60の制御を行う。例えば、走行状態判定手段30の判定結果が安定状態であれば、走行状態制御手段40は特に安定化の制御を行う必要はないが、不安定状態にあるときには、アクチュエータ60を制御し、車両100の走行状態を安定化させる。走行状態の安定化制御は、走行状態判定手段30の判定結果の特性に基づいて、適切な制御を行なうようにする。例えば、第2の比率β/Gyが大きすぎ、あまり第1の比率Gy/MAが大きくない状態で不安定状態にある場合には、第2の比率β/Gyを小さくするような制御を行うようにしてよい。なお、走行状態制御手段40の具体的な演算処理内容については、後述する。
今まで説明した、走行状態検出部10から走行状態制御手段40までが、走行状態制御装置90を構成する。走行状態制御手段40は、単独に設けられてもよいが、演算手段20及び走行状態判定手段30とともに、走行状態安定ECU50内に設けられてもよい。
アクチュエータ60は、走行状態制御手段40の制御対象を駆動させ、車両100の走行状態が安定化に向かうようにする。アクチュエータ60は、例えば、ステアリングギア比可変手段61、ホイールベース可変手段62、後輪等価コーナリングパワー可変手段63を含む。
ステアリングギア比可変手段61は、ステアリング111の操舵角に対する前輪のタイヤ(ホイール)の切れ角を変更するための手段である。ステアリングギア比可変手段61は、例えば、ステアリングギアボックスのギア比を変化させることにより、ステアリング111の操舵角に対するタイヤの切れ角の比を変更してよく、ギア比を変更する方法や手段については、任意のものを適用してよい。
ホイールベース可変手段62は、車両100のホイールベース、即ち前輪と後輪163の距離を変える手段である。ホイールベース可変手段62は、例えば、前輪と後輪163を接続しているフレームの一部にジョイント部分を設け、そのジョイント部分が上下して前輪と後輪163の距離を変化させ、それに合わせて車体等も必要な変化を行うように構成してもよい。また、油圧等を利用して、車輪を前後に移動させるように構成してもよく、ホイールベースを変更できれば、その方法や手段は問わない。
後輪等価コーナリングパワー可変手段63は、後輪163の等価コーナリングパワーを変化させる手段である。等価コーナリングパワーは、単位スリップ角当たりのタイヤに発生する横力を意味し、タイヤのグリップ能力を示している。後輪等価コーナリングパワー可変手段63は、例えば、後輪163のタイヤの空気圧を調整して、等価コーナリングパワーを制御してよく、走行中に空気圧を小さくすると、後輪等価コーナリングパワーは増大する。従って、この場合は、例えば後輪163のタイヤの空気圧を調整するために必要な、コンプレッサ、減圧弁、増圧弁等を備えたタイヤ空気圧調整手段が後輪等価コーナリングパワー可変手段となる。他に、後輪等価コーナリングパワーを可変調整できる手段があれば、それらを適用してもよく、後輪等価コーナリングパワー可変手段63の形式や種類は問わない。
アクチュエータ60は、本実施例に係る走行状態制御装置90においては、3種類のアクチュエータ60(ステアリングギア比可変手段61、ホイールベース可変手段62、後輪等価コーナリングパワー可変手段63)を例に挙げて説明したが、横加速度Gyの操舵角MAに対する比率Gy/MA及びスリップ角βの横加速度Gyに対する比率β/Gyを調整することができるアクチュエータ60であれば、他のアクチュエータ60を適宜利用してもよい。
メインECU70は、車両100の全体の制御を行うECUであり、車両100の各ECUと有線又は無線で通信を行う。走行状態安定ECU50とも有線又は無線で通信を行い、走行状態安定ECUに必要な指令を送る。メインECU70は、プログラム等で演算処理を行う計算機等で構成されてよい。
次に、図3を用いて、本実施例に係る走行安定状態判定装置80及び走行状態安定制御装置90の構成要素である走行状態安定ECU50で実行される、走行安定状態判定及び走行状態安定制御のための演算処理の内容について説明する。走行状態安定ECU50は、図1で説明したように、演算手段20と、走行状態判定手段30とから構成され、必要に応じて、更に走行状態制御手段40を含む。
図3は、本実施例に係る走行状態安定ECU50で行う演算処理内容を説明するための図である。図3において、横軸は操舵角MAに対する横加速度Gyの比率Gy/MA[(m/s)/deg]、縦軸は横加速度Gyに対する車体スリップ角βの比率β/Gy[rad/(m/s)]を示している。
演算手段20は、まず、操舵角検出手段11で検出された車両100のステアリング111の操舵角MAと、横加速度検出手段12で検出された車両100の横加速度Gyと、スリップ角検出手段13で検出された車体スリップ角βに基づいて、第1の比率として横加速度Gyに対する操舵角MAの比率Gy/MAを、第2の比率として横加速度Gyに対する車体スリップ角βの比率β/Gyを算出する。演算手段20の次に処理を行う走行状態判定手段30は、これらの第1の比率及び第2の比率を座標として、これらの値に基づいて走行状態が安定であるか否かの判定を行う。よって、演算手段20では、これらの第1の比率及び第2の比率をまず算出し、走行状態検出部10で検出された走行状態データを、図3のグラフ上にプロットできる状態にする必要がある。図3において、黒●でプロットされた点が複数示されているが、これらが、種々の走行状態において、走行状態検出部10で検出された値に基づいて、演算手段20で算出された走行状態を示すデータである。
なお、第1の比率及び第2の比率は、図3のグラフにおいては、各々、操舵角MAに対する横加速度Gyの比率Gy/MA、及び横加速度Gyに対する車体スリップ角βの比率β/Gyで表されているが、両者の比で表現できればよいので、双方逆の比とし、横加速度Gyに対する操舵角MAの比率MA/Gy[deg/(m/s)]、及び車体スリップ角βに対する横加速度Gyの比率Gy/β[(m/s)/rad]と表現してもよい。但し、この場合は図3のグラフ上の数値や特性は異なったものとなる。なお、これ以降は、操舵角MAに対する横加速度Gyの比率Gy/MAを第1の比率とし、横加速度Gyに対する車体スリップ角βの比率β/Gyを第2の比率とした例について説明するが、これらの説明は、第1の比率をMA/Gyとし、第2の比率をGy/βとして比率関係を反対にした変数で処理する場合にも、応用して適用可能である。
次に、走行状態判定手段30で行われる演算処理内容の説明を行う。
走行状態判定手段30は、演算手段20で算出された、第1の比率である横加速度Gyと操舵角MAとの比率Gy/MA又はMA/Gyと、第2の比率である車体スリップ角βと横加速度Gyとの比率β/Gy又はGy/βとに基づいて、現在の車両100の走行状態が安定か否かの状態判定を行う。また、走行状態判定手段30は、予め設定された所定の安定状態を示す関係式を記憶しており、この所定の関係式と、演算手段20で算出された実際の車両の走行状態との関係に基づいて、実際の走行状態が安定か否かの判定を行う。
図3において、グラフ内右上の領域が、車両100の走行状態が不安定な領域であり、グラフ内左下の領域が、車両100の走行状態が安定な領域である。例えば、閾値としてβ/Gy=0.08及び(β/Gy)・(Gy/MA)=5.0×10−3の関係式を設定する場合、β/Gy≧0.08又は(β/Gy)・(Gy/MA)≧5.0×10−3の関係式を満たす領域が走行不安定な状態を示している。図3において、黒●でプロットされた点のうちβ/Gy=0.08及び(β/Gy)・(Gy/MA)=5.0×10−3のラインより下にある点は安定状態にあり、β/Gy=0.08又は(β/Gy)・(Gy/MA)=5.0×10−3のラインより上にある点は不安定状態にあることを意味する。
まず、β/Gy≧0・08を不安定状態として関係式を設定している理由について説明する。第2の比率であるβ/Gyは、横加速度Gyに対する車体スリップ角βを示しており、車両100の挙動としては、車体スリップ角βの割合が大きい程、車両のスリップが起き易い状態を示している。即ち、横加速度に対して、車体スリップ角βの比率が大き過ぎる状態は、同一の横加速度Gyに対して、より車両100のスリップが起き易い状態であることを意味するから、不安定状態にあると考えられる。よって、図3の例においては、β/Gyが所定値以上の場合を不安定状態として表現している。
次に、(β/Gy)・(Gy/MA)≧5.0×10−3を不安定状態として関係式を設定している理由について説明する。左辺の(β/Gy)・(Gy/MA)は、約分すればβ/MAとなり、ステアリング111の操舵角MAに対する車体スリップ角βの比率を示している。つまり、操舵角MAに対して、車体スリップ角βの割合が大き過ぎるということは、操舵角がある程度以上を超えると、車両100が大きなスリップを起こしてしまう可能性が高いということを意味するので、β/MAが所定値以上の場合を、不安定状態をして関係式を設定しているのである。なお、図3において、(β/Gy)・(Gy/MA)≧5.0×10−3の関係式以外に、(β/Gy)・(Gy/MA)=3.0×10−3〜7.0×10−3のように、(β/Gy)・(Gy/MA)に対して平行に、等高線のように関係式を設定している。これらは、車両の種類や特性に応じて、種々の閾値を有する関係式を設定し得ることを意味している。例えば、状況に応じて設定関係式を変更するように構成してもよい。
このように、図3の例においては、車体スリップ角βの横加速度Gyに対する比率β/Gyと、車体スリップ角βの操舵角MAに対する比率β/MAを関係式の設定基準としており、双方とも車体スリップ角βが大きくなった状態を不安定状態として規定している。しかしながら、これらの関係式の設定は、車両の種類や特性等に応じて変更可能であるから、例えば、第1比率のGy/MAの値で関係式を設定したり、定数ではなく、第1比率と第2比率を用いた方程式で表現して設定してもよい。
また、図3においては、不安定状態を関係式で設定する例について説明したが、例えば、安定状態を示す関係式は、β/Gy<0・08かつ(β/Gy)・(Gy/MA)<5.0×10−3のように表現すればよく、この領域内に第1比率Gy/MA及び第2比率β/Gyがあれば安定状態にあると判定してもよい。
なお、走行状態判定手段30を、走行安定状態判定装置80に適用する場合は、図1で説明したように、判定結果を表示手段31に表示するようにしてよい。その際、安定状態にあるか不安定状態にあるかのみを表示してもよいし、段階を分けて安定度又は不安程度を表示するようにしてもよい。また、図3のようにグラフ表示し、視覚的に安全状態が分かるように表示してもよい。
次に、走行状態制御手段40で実行される演算処理内容の説明を行う。
走行状態制御手段40は、走行状態判定手段30で判定された判定結果に基づき、車両100の走行状態を安定化させる制御を行う。具体的には、実際の走行状態を示す検出結果が、図3のグラフにおいて、上部の不安定領域にあったときには、下部の安定領域に移動させるような制御を行う。
例えば、一例として、検出値の第2の比率β/Gyが、0.08以上であったときには、プロット点を左、即ち第1の比率Gy/MAを減少させる方向にいくら平行移動させたとしても、β/Gyを減少させ、縦の座標移動を行わなければ、安定状態の領域に到達することはできない。このような場合には、走行状態制御手段40は、第2の比率β/Gyを減少させるため、後輪163の等価コーナリングパワーを増大させる制御を行う。後輪163の等価コーナリングパワーを増加させると、タイヤのグリップ力が増し、第2比率である車体スリップ角βの横加速度Gyに対する比率β/Gyも減少するが、第1比率である横加速度Gyの操舵角MAに対する比率Gy/MAも減少してしまう。従って、プロット点は、図3のグラフ中の左下の方向に移動することになる。これでも、車両100を安定状態にすることは可能であるので、安定化制御としては問題無いが、単にβ/Gyのみを減少させて、縦軸方向にのみプロット点を移動させたい場合には、更に以下の制御を行う。
例えば、Gy/MA減少分の補正を行うために、ステアリング111の操舵角MAに対するタイヤの切れ角を大きくするか、又はホイールベースを短くする制御を行う。ステアリング111の操舵角MAに対するタイヤの切れ角を大きくする、即ち、ステアリング111のギア比をクイックにすれば、同じステアリング111の操舵角MAに対して、タイヤの切れ角が大きくなるので、横加速度Gyは大きくなり、第1比率のGy/MAは増加し、減少分を補正できる。また、車両100のホイールベースを短くすれば、同じ操舵角に対して車両100は旋回し易くなり、横加速度Gyは増加し、Gy/MAは増加するので、同様に減少分を補正できる。このように、後輪163の等価コーナリングパワーを増大させるとともに、ステアリング111のギア比をクイックにするか、又はホイールベースを短くすることにより、プロット点を縦方向にのみ下げ、不安定状態から安定状態へと走行状態を移行することができる。
次に、図3において、第2の比率のβ/Gyは閾値以下であったが、(β/Gy)・(Gy/MA)が閾値以上であったために、不安定状態であった場合の安定化制御の例について説明する。
この場合は、上述の例とは異なり、プロット点から第1の比率Gy/MAを減少させて平行移動させれば、安定状態領域に含まれることになる。従って、例えば、ステアリング111の操舵角に対するタイヤの切れ角を小さくする、即ち、ステアリング111のギア比をスローにするか、又は車両100のホイールベースを長くすればよい。ステアリング111のギア比をスローにすれば、同じ操舵角に対してタイヤは切れ角が少なくなり、旋回量が減少するので、横加速度Gyは減少し、Gy/MAも減少することになる。同様に、ホイールベースを長くすれば、同じ操舵角に対して車両100は旋回し難くなるので、横加速度Gyは減少し、Gy/MAは減少することになる。
このように、走行状態判定手段30により、車両100の走行状態が不安定であると判定されたときには、走行状態制御手段40は、第2の比率β/Gy又は第1の比率Gy/MAを変化させて、走行状態を安定状態に移行させる制御を行うことにより、車両100の走行状態を安定状態にすることができる。
なお、図3においては、第2の比率β/Gy又は第1の比率Gy/MAの一方を変化させて安定化制御を行う例を説明したが、両者を組み合わせて、自由に制御を行ってもよい。例えば、プロット点の位置と、関係式の距離を算出し、最短距離で安全状態に移動させるような制御を行ってもよい。
また、図3においては、グラフを用いて説明を行ったが、実際に走行状態安定ECU50が演算処理を行う際には、総て数式と数値で処理可能な内容であることは言うまでもない。
このように、車両が不安定状態にあるときには、例え実際にスリップが起こっていなくても、車両の緒元を逐次制御して、常に車両100が安定状態になるような制御を行うことにより、大きな挙動変化が無いと作動しないABS(アンチロック・ブレーキ・システム)やVSC(車両安定性制御)システムの問題点を解消することができる。また、車両100は、積載状態が異なると、同じ車両でも車両挙動が不安定になる特性が異なってくるが、本実施例に係る車両安定状態判定装置80及び車両状態安定制御装置90は、常に車両の実際の走行状態を示す値を検出し、これに基づいて車両の諸元を最適化させる制御を行うことから、車両の状態に関わらず、常にきめ細かい安定化制御を行うことが可能となる。
次に、図4を用いて、本実施例に係る車両の走行安定状態判定装置80及び走行状態安定制御装置90の処理フローについて説明する。図4は、本実施例に係る車両の走行安定状態判定装置80及び走行状態安定制御装置90の処理フロー図である。なお、図1及び図3で説明した構成要素には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
ステップ100では、車両状態検出部10により、車両100の走行状態量を取得する。具体的には、操舵角検出手段11によりステアリング111の操舵角MA、横加速度検出手段12により横加速度Gy、スリップ角検出手段13により車体スリップ角βを検出する。
ステップ110では、演算手段20により第1の比率Gy/MA及び第2の比率β/Gyを算出し、走行状態判定手段30により、それらの算出した値が、安定状態にあるか否かを判定する。安定状態にある、即ち図3における下部の安定状態領域にあると判定されたときには、ステップ100に戻り、車両100の走行状態量の取得を繰り返す。
一方、不安定状態にある、即ち図3における上部の不安定状態領域にあると判定されたときには、ステップ120に進む。
ステップ120では、走行状態判定手段30により、第2比率β/Gyが所定値以上、即ち閾値以上であるか否かが判断される。これは、図3で説明した例を挙げれば、β/Gy≧0・08であるか否かが判断されていることを意味する。β/Gyが所定値以上であれば、ステップ130に進む。
ステップ130では、走行状態制御手段40により、後輪等価コーナリングパワーを増大するとともに、ステアリングギア比をクイックにするか、又はホイールベースを短くする制御を行う。図3において説明したように、これにより、β/Gyを下げ、走行状態を安定状態にすることが可能となる。なお、後輪等価コーナリングパワーを増大する制御は、例えば、後輪等価コーナリングパワー可変手段63によりタイヤの空気圧を減少する制御であってよい。また、ステアリングギア比をクイックにする制御は、ステアリングギア可変手段61により、ギア比を変化させることにより実現してよい。ホイールベースを短くする制御は、ホイールベース可変手段62を作動させ、前輪と後輪163を接続するフレームの一部にジョイント手段を設け、そこで車体とともに折り曲げるようにしてホイールベースを短くしてよい。
ステップ130を終了した後は、ステップ100に戻り、車両100の走行状態量の取得を繰り返す。
ステップ120に戻り、β/Gyが所定値以上でない、即ち、β/Gyが所定値未満でかつ不安定状態のときには、ステップ140に進む。
ステップ140では、走行状態制御手段40により、ステアリング111のギア比をスローにするか、又は車両100のホイールベースを長くする制御が実行される。図3において説明したように、これにより、第1の比率Gy/MAが減少する制御を行うことができる。ステアリングギア比をスローにする制御は、ステップ130と同様に、ステアリングギア可変手段61により実行され、ホイールベースを長くする制御は、ホイールベース可変手段62により実行される。
ステップ140の処理実行後は、ステップ100に戻り、車両の走行状態量の取得を繰り返す。
以上のような処理フローの実行により、本実施例に係る車両の走行安定状態判定装置80及び走行状態安定制御装置90の処理が実現される。
図5は、本実施例に係る走行安定状態判定装置80及び走行状態安定制御装置90を、車両100に適用した場合の、車両100内の構成要素の配置構成の一例を示した図である。図1と同様の構成要素には同一の参照符号を付している。
図5において、主要構成要素は、操作系及びその検出機構15と、車両挙動検出機構及び判断装置55、アクチュエータ可変機構65とから構成される。
操作系及びその検出機構15は、運転者の車両100の操作に関する入力と、それらの検出機構から構成される。例えば、ステアリング111と操舵角検出手段11の他、アクセル、ブレーキ、クラッチ及びこれらの検出機構を含んでよい。図1乃至図4の説明においては、操舵角検出手段11で検出された操舵角MAを用いて走行安定状態の判定及び安定化制御を行う例について説明したが、他のアクセルやブレーキ等の操作入力についても、走行状態を示すデータとして使用可能であれば、これらも利用してよい。
なお、操作系及びその検出機構15で検出された操作系の検出結果は、車両挙動検出機構及び判断装置55に送られる。
車両挙動検出機構及び判断装置55は、車両の挙動を検出するとともに、これと操作系及びその検出機構15から送られてきた検出結果に基づいて、走行状態が安定しているか否か、及び走行状態の安定化のために必要な制御内容の判断を行う。
車両挙動検出機構及び判断装置55は、車両の横加速度及び/又は前後加速度を検出する横加速度検出手段12、車輪速度を検出する車輪速センサ13aの他、ジャイロセンサ、GPS(Global Positioning System)等を含んでよい。例えば、ジャイロセンサでヨーレート等の水平面上の左右の動きを検出し、GPSを用いて、ジャイロセンサの較正をリアルタイムでかけ続け、ドリフトを防ぐようにしてもよい。
車両挙動検出機構及び判断装置55は、これらの検出データに基づいて、車両100の横加速度Gy及び車体スリップ角βを算出する。なお、より正確な演算処理を行いたければ、例えば前輪と後輪163のスリップ角を各々算出し、これらに基づいて走行状態を判断してもよい。
車両挙動検出機構及び判断装置55は、車両100の重心付近に設けられてよい。横加速度Gyやヨーレートγの検出は、車両100の重心付近にある方が、重心を基準として検出できるので、検出データとして好ましいからである。
車両挙動検出機構及び判断装置55は、判断装置としてECUで構成され、図1及び図3で説明した、走行状態安定ECU50と同様の動作を行ってよい。車両挙動検出機構及び判断装置55は、必要と判断した安定化制御を実行するため、アクチュエータ可変機構65を駆動する。
アクチュエータ可変機構65は、ステアリングギア比可変手段61、ホイールベース可変手段62及び/又は後輪等価コーナリングパワー可変手段63を含んでよい。
ステアリングギア比可変手段61は、ステアリングギアの比を変更し、ステアリング111の操舵角に対して前輪のタイヤの切れ角を変更するものであればよく、例えば、ステアリングシャフトに連結して設けられてよい。
ホイールベース可変手段62は、例えば、前輪と後輪163を連結するフレームの略中央にジョイントが設けられ、これが上下して車両間の距離を変更できるものであってもよい。また、図6に示したような、リーフスプリングを備えたホイールベース可変手段62であってもよい。
図6は、ホイールベース可変手段62の別の態様の一例を示した図である。図6において、後輪163は、車軸部材621に固定されている。また、フレーム622には、固定部材623が固定して設けられ、可動部材625、626が回動可能に接続されて設けられている。可動部材625と可動部材626との間には、リーフスプリング620が接続されて設けられ、リーフスプリング620には、車軸部材621が固定されている。また、固定部材623と可動部材624には、油圧シリンダ624が設けられている。
このような構成において、油圧シリンダ624を駆動すると、可動部材625、626は前後方向に回動し、それに伴ってリーフスプリング620を介して車軸部材621も前後方向に移動し、ホイールベースの長さを調整できる。ホイールベース可変手段62は、例えば、図6に示したような態様によりホイールベースを調整してもよく、他にもホイールベースの長さを調整できる機構であれば、種々適用してよい。
図5に戻り、後輪等価コーナリングパワー可変手段63は、後輪163の等価コーナリングパワーを増大させたり減少させたりして調整する手段である。例えば、後輪163のタイヤの空気圧を減少させると等価コーナリングパワーは増大し、増加させると等価コーナリングパワーは減少するので、後輪等価コーナリングパワー可変手段63は、コンプレッサ、増圧弁及び減圧弁等の空気圧調整手段を備えた、タイヤ空気圧調整システムであってよい。この場合は、例えば、コンプレッサで生成された圧縮空気を供給する配管が後輪163のタイヤにエアシールを介して設けられ、タイヤ空気圧を圧力センサで測定し、タイヤプレッシャーコンピュータ等により増圧弁及び減圧弁を開閉制御し、空気圧を調整するタイヤ空気圧調整システムとして構成されてよい。
このように、後輪等価コーナリングパワー可変手段63は、後輪163のタイヤ空気圧を調整することにより等価コーナリングパワーを制御できるが、他の種類のアクチュエータにより実現してもよく、等価コーナリングパワーを調整できる手段であれば、種類や形式を問わず好適に適用可能である。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
本実施例に係る車両の走行安定状態判定装置80及びこれを用いた走行状態安定制御装置90の機能ブロック図である。 車体のスリップ角βを示した図である。 本実施例に係る走行状態安定ECU50で行う演算処理内容の説明図である。 本実施例に係る車両の走行安定状態判定装置80及び走行状態安定制御装置90の処理フロー図である。 本実施例に係る走行安定状態判定装置80及び走行状態安定制御装置90を、車両100に適用した場合の、車両100内の構成要素の配置構成の一例を示した図である。 ホイールベース可変手段62の別の態様の一例を示した図である。
符号の説明
10 走行状態検出部
11 操舵角検出手段
11a 操舵角センサ
12 横加速度検出手段
13 スリップ角検出手段
13a 車輪速センサ
15 操作系及びその検出機構
20 演算手段
30 走行状態判定手段
31 表示手段
40 走行状態制御手段
50 走行状態安定ECU
55 車両挙動検出機構及び判断装置
60 アクチュエータ
61 ステアリングギア比可変手段
62 ホイールベース可変手段
63 後輪等価コーナリングパワー可変手段
65 アクチュエータ可変機構
70 メインECU
80 走行安定状態判定装置
90 走行状態安定制御装置
100 車両
111 ステアリング
163 後輪
620 リーフスプリング
621 車軸部材
622 フレーム
623 固定部材
624 油圧シリンダ
625、626 可動部材

Claims (5)

  1. 車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    前記車両のステアリングの操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記車両の車体スリップ角を検出するスリップ角検出手段と、
    前記横加速度検出手段により検出された前記車両の横加速度と、前記操舵角検出手段により検出された操舵角と、前記スリップ角検出手段により検出された車体スリップ角とに基づいて、前記車両の前記横加速度と前記操舵角との比率を示す第1の比率、及び前記スリップ角と前記横加速度との比率を示す第2の比率を算出する演算手段と、
    該演算手段により算出された前記第1の比率及び前記第2の比率に基づいて、車両の走行安定状態を判定する走行状態判定手段、
    とを備えたことを特徴とする車両の走行安定状態判定装置。
  2. 前記走行状態判定手段は、所定の走行安定状態又は走行不安定状態を示す関係式であって、前記第1の比率及び前記第2の比率を変数として用いて表現された関係式と、前記演算手段により算出された前記第1の比率及び前記第2の比率と、の関係に基づいて走行安定状態を判定することを特徴とする請求項1に記載の走行安定状態判定装置。
  3. 請求項1又は2に記載の走行安定状態判定装置を備え、
    前記走行状態判定手段により、走行状態が安定でないと判定されたときには、前記ステアリングのギア比及び/又は前記車両のホイールベースを調整することにより、前記車両を安定状態にする制御を行なう走行状態制御手段、
    を備えたことを特徴とする走行状態安定制御装置。
  4. 前記走行状態判定手段により、前記操舵角に対する前記横加速度の比率が大きいと判定されたときには、
    前記走行状態制御手段は、前記操舵角に対するタイヤの切れ角を小さくする前記ギア比の制御、及び/又は前記車両のホイールベースを長くする制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の走行状態安定制御装置。
  5. 前記走行状態判定手段により、前記横加速度に対する前記車体スリップ角の比率が大きいと判定されたときには、
    前記走行状態制御手段は、前記車両の後輪の等価コーナリングパワーを増大する制御と、前記操舵角に対するタイヤの切れ角を大きくする前記ギア比の制御、及び/又は前記ホイールベースを短くする制御を行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の走行状態安定制御装置。
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