JP2017105277A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Masao Kamiyama
真生 上山
洋司 国弘
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Abstract

【課題】走行条件によって変化する車両直進舵角と舵角中点とのずれによって生じる操舵補助用或いは運転支援用の操舵トルクの付与誤差を低減することにより、運転者の操舵ハンドルの操作を適切に補助し、或いは、運転者による車両の運転を適正に支援する。【解決手段】第1の車両直進条件を含む所定学習条件が満たされたときの角度センサのセンサ値をサンプリングし、その統計処理によって舵角中点を学習する。それと並行して、第1の車両直進条件と同条件かより緩やかな条件の第2の車両直進条件が満たされたときの角度センサのセンサ値を車両直進基準角の暫定値として取得する。そして、暫定値が舵角中点を中心に設定された所定角度範囲の内側にある場合には、暫定値を車両直進基準角として確定し、暫定値が所定角度範囲の外側にある場合には、所定角度範囲を規定する左右の限界角のうち舵角中点と暫定値との間の限界角を車両直進基準角として確定する。【選択図】図4

Description

本発明は、操舵ハンドルによって操作される操舵機構と、操舵機構に操舵トルクを付与する電動アクチュエータと、操舵ハンドルの回転角度の変化に応じて変化するセンサ値を出力する角度センサとを備え、角度センサのセンサ値に基づき電動アクチュエータから操舵機構に操舵トルクを付与することにより、運転者による操舵ハンドルの操作を補助する或いは運転者による車両の運転を支援するための操舵制御を行う車両用操舵装置に関する。
電動アクチュエータから操舵機構に操舵トルクを付与することにより、運転者による操舵ハンドルの操舵操作を補助したり、運転者による車両の運転を支援したりすることができる車両用操舵装置が研究・開発されている。電動アクチュエータを用いた操舵機構の制御には、一般的には、操舵ハンドルの回転角度の変化に応じてセンサ値が変化する角度センサが用いられる。角度センサのセンサ値は舵角中点と比較され、それらの間の差角が操舵制御の入力として用いられる。角度センサが相対角センサである場合、例えば特開2002−087303号公報に開示されたような方法で舵角中点の学習が行われる。
なお、本出願が関連する技術分野における先行技術としては、特開2002−087303号公報の他にも、特開2008−207775号公報、特開2007−062712号公報、特開2010−120504号公報等の特許文献が挙げられる。
特開2002−087303号公報 特開2008−207775号公報 特開2007−062712号公報 特開2010−120504号公報
舵角中点の学習は、所定の車両直進条件が満たされたときの角度センサのセンサ値をサンプリングし、それを統計処理することで行われる。多数のサンプリングデータの統計処理で得られる舵角中点は、平坦路かつ理想的な車両において車両が直進しているときの舵角に相当する。しかし、走行環境(路面勾配等)や車両状態(タイヤ空気圧の左右差やタイヤ荷重の左右差等)を含む車両の走行条件によっては左右のラック軸力に差が生じるため、実走行において車両を直進させることができる舵角(これを車両直進舵角という)と舵角中点とは必ずしも一致しない。真の車両直進舵角と舵角中点との間にずれがある場合、操舵制御の内容によっては、運転者に違和感を与えてしまうおそれがある。
上記の問題に関して、運転支援制御の一つである車線維持支援制御を例にとって具体的に説明する。図7の(a)は、進行方向に対して左側に傾斜した路面110を走行している車両100を進行方向の後ろ側から見た図である。図7の(b)乃至(e)は、路面110を走行している車両100を上方から見た図である。図7の(a)に示すように、左側に傾斜した路面110の上では、車両100には左方向の横力が作用する。このため、車両100を車線中央に沿って直進させたい場合には、操舵ハンドル102を中立位置に対して右側にαdeg傾ける必要がある。なお、操舵ハンドル102の中立位置(ハンドル角0degの位置)は、舵角中点を実現するハンドル位置に概ね対応する。
車線維持支援制御では、舵角中点を基準にして目標操舵角の計算が行われる。ここでいう操舵角とは、角度センサのセンサ値の舵角中点に対する差角であり、目標操舵角はその目標値である。車両100を車線中央に沿って直進させる場合、目標操舵角は0degに設定されるが、これは舵角中点に一致する。このため、図7の(b)に示すように、目標操舵角により実現される車両100の軌跡112は、路面110が傾斜している方向、すなわち、目標軌跡111に対して次第に左側にずれていくことになる。
運転者が操舵ハンドル102の操作を行わない場合、車両100は軌跡112に沿って走行していく。そして、目標軌跡111からの逸脱がある程度大きくなると、図7の(c)に示すように、車両100の目標軌跡111に対する横偏差やヨー角変化が発生する。車線維持支援制御によれば、車両100に生じた横偏差を補正するべく、目標操舵角の修正が行われる。
横偏差の拡大が止まるように目標操舵角が修正されることで、図7の(d)に示すように、車両100は直進するようになる。ただし、このときの車両100の軌跡112は目標軌跡111に対して左側にずれているため、目標軌跡111である車線中央に沿った走行を期待する運転者に違和感をもたらすおそれがある。
一方、運転者が操舵ハンドル102を操作しているならば、図7の(e)に示すように、車両100を目標軌跡111に沿って走行させるべく、運転者は操舵ハンドル102を中立位置よりも前述のαdegだけ右側に傾けて保舵しようとする。しかし、車線維持支援制御による目標操舵角はあくまで舵角中点である0degである。このため、運転者による舵角中点より右側への操舵は車線維持支援制御により外乱とみなされ、操舵ハンドル102を中立位置に戻すための操舵トルクが電動アクチュエータから操舵機構に付与される。その結果、運転者が操舵ハンドル102を保持するために必要な保舵トルクが増大することとなり、運転者は保舵トルクの増大に違和感を覚えるおそれがある。
以上述べたように、現在の走行条件における真の車両直進舵角が舵角中点からずれている状況において運転支援制御が行われた場合、運転者による車両の運転を適正に支援することができず、運転者に違和感を与えてしまうおそれがある。
また、車両直進舵角と舵角中点とのずれは、運転者による操舵ハンドルの操作を補助する操舵補助制御においても運転者に違和感をもたらす可能性がある。例えば、操舵補助制御の一つであるハンドル戻し制御の場合、操舵ハンドルを戻すための操舵トルクである戻しトルクの大きさは舵角中点を基準にして設定される。このため、図7の(a)に示すような傾斜した路面を車線中央に沿って走行している状況では、平坦路を走行しているよりも強い戻しトルクによって操舵ハンドルが戻される場合があり、運転者は強い戻しトルクに違和感を覚えるおそれがある。
そこで、本発明の課題は、走行条件によって変化する車両直進舵角と舵角中点とのずれによって生じる操舵補助用或いは運転支援用の操舵トルクの付与誤差を低減することにより、運転者の操舵ハンドルの操作を適切に補助し、或いは、運転者による車両の運転を適正に支援することができる車両用操舵装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る車両用操舵装置は、操舵ハンドルによって操作される操舵機構と、操舵機構に操舵トルクを付与する電動アクチュエータと、操舵ハンドルの回転角度の変化に応じて変化するセンサ値を出力する角度センサとを備え、角度センサのセンサ値に基づき電動アクチュエータから操舵機構に操舵トルクを付与することにより、運転者による操舵ハンドルの操作を補助する或いは運転者による車両の運転を支援するための操舵制御を行う車両用操舵装置において、以下を備えることを特徴とする。
すなわち、本発明に係る車両用操舵装置は、舵角中点を学習する舵角中点学習手段と、車両直進基準角を算出する車両直進基準角演算手段と、角度センサのセンサ値と車両直進基準角演算手段で算出された車両直進基準角との差角を操舵制御の入力である操舵角として算出する操舵角演算手段とを備える。ここで、舵角中点学習手段による舵角中点の学習は、第1の車両直進条件を含む所定学習条件が満たされたときの角度センサのセンサ値をサンプリングし、その統計処理によって行われる。車両直進基準角は、現在の走行条件において車両を直進させる舵角、すなわち、車両直進舵角に相当する角度であって、真の車両直進舵角であろうと推定される角度である。車両直進基準角演算手段による車両直進基準角の算出は、第1の車両直進条件と同条件かより緩やかな条件の第2の車両直進条件が満たされたときの角度センサのセンサ値を車両直進基準角の暫定値として取得し、暫定値が舵角中点を中心に設定された所定角度範囲の内側にある場合には、暫定値を車両直進基準角として確定し、暫定値が所定角度範囲の外側にある場合には、所定角度範囲を規定する左右の限界角のうち舵角中点と暫定値との間の限界角を車両直進基準角として確定することによって行われる。
上記のように構成される本発明に係る車両用操舵装置によれば、舵角中点の学習と車両直進基準角の暫定値の取得とが並行して行われる。舵角中点は、第1の車両直進条件を含む所定学習条件が満たされたときの角度センサのセンサ値をサンプリングしてそれを統計処理することによって得られたものである。このため、現在の走行条件における真の車両直進舵角(車両を直進させる舵角)とは必ずしも一致していないものの、真の車両直進舵角から大きく外れてはおらず、少なくとも理想の走行条件においては車両直進舵角と一致する信頼性の高い数値である。
一方、車両直進基準角の暫定値は、第2の車両直進条件が満たされたときの角度センサのセンサ値であり、その値には現在の走行条件が強く反映されている。しかも、第2の車両直進条件は第1の車両直進条件と同条件かより緩やかな条件に設定されているため、走行条件の変化に対する暫定値の応答性は、走行条件の変化が舵角中点の学習に反映される応答性以上である。よって、車両直進基準角の暫定値は、現在の走行条件における真の車両直進舵角に近い数値であると言える。ただし、車両直進基準角の暫定値は、第2の車両直進条件が満たされている各瞬間での瞬時値であるため、ある一瞬においては大きな誤差を含んだ数値となる可能性がある。
このように舵角中点と車両直進基準角の暫定値とにはそれぞれに特徴があるが、上記のように構成される本発明に係る車両用操舵装置によれば、暫定値が舵角中点を中心に設定された所定角度範囲の内側にある場合には、暫定値が車両直進基準角として確定され、暫定値が所定角度範囲の外側にある場合には、所定角度範囲を規定する左右の限界角のうち暫定値と舵角中点との間にある限界角が車両直進基準角として確定される。このことは、車両直進基準角の暫定値に対して舵角中点を基準にした信頼性の評価が行われ、その信頼性に応じて最終的な車両直進基準角の確定が行われていることを意味する。
つまり、現在の走行条件における真の車両直進舵角は学習値である舵角中点から大きく外れていないはずであり、舵角中点を中心とする所定角度範囲に収まっているはずである。よって、舵角中点を中心に設定された所定角度範囲の内側に暫定値が収まっているならば、その値は一応信頼できるとみなすことができるので、暫定値を車両直進基準角として確定することに妥当性が有る。一方、暫定値が所定角度範囲から外れているならば、その値に対する信頼性は高くはない。しかし、真の車両直進舵角が舵角中点に対して左右のどちらかの側にずれているのかを判断するための情報としては有効であるので、所定角度範囲を規定する左右の限界角のうち暫定値と舵角中点との間にある限界角を車両直進基準角とすることには妥当性が有る。
本発明に係る車両用操舵装置によれば、上記のごとく算出された車両直進基準角が操舵制御の入力である操舵角の基準として用いられるので、走行条件にあった適切な操舵トルクを電動アクチュエータに付与させることができる。これにより、運転者に違和感をもたらすことがないように、運転者の操舵ハンドルの操作を適切に補助し、或いは、運転者による車両の運転を適正に支援することができる。
本発明の実施の形態に係る車両用操舵装置の構成を示す図である。 舵角中点の演算手順を示すフローチャートである。 舵角中点の学習方法と誤差との関係を示す図である。 車両直進基準角の演算手順を示すフローチャートである。 車速に対する車両直進基準角の制限角度の設定を示す図である。 舵角中点と車両直進基準角と左右のガード角との関係を示す図である。 走行条件によって変化する車両直進舵角と舵角中点とのずれによって生じる問題点を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に示す実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、この発明が限定されるものではない。また、以下に示す実施の形態において説明する構造やステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
1.車両用操舵装置の構成
図1は、本発明の実施の形態に係る車両用操舵装置の構成を示す図である。まず、車両用操舵装置10の構造系について説明する。
車両用操舵装置10は、運転者による操作のための操舵ハンドル24と、操舵ハンドル24と転舵輪である左右の前輪25とを連結する操舵機構20とを備える。操舵機構20は、操舵ハンドル24の回転操作が入力されるステアリングコラムシャフト21、ステアリングコラムシャフト21に入力された回転操作によって生じる操作力を増大するためのギヤ機構22、ギヤ機構22から伝達される操作力を左右の前輪25に伝達するリンク機構23を備える。操舵機構20を構成する各機構21,22,23の具体的な構成に限定はない。
車両用操舵装置10は、操舵機構20に操舵トルクを付与するように構成された電動アクチュエータ26を備える。電動アクチュエータ26は、電流の供給を受けてトルクを発生させる図示略の電動モータと、電動モータのトルクを増大させて操舵機構20に伝達する図示略の減速機とを含む。図1では、車両用操舵装置10は、電動アクチュエータ26のトルクをステアリングコラムシャフト21に伝達するコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置として構成されているが、ラックアシスト型やピニオンアシスト型等、他の形式の電動パワーステアリング装置として構成されてもよい。
次に、車両用操舵装置10の制御系について説明する。
車両用操舵装置10は、操舵制御に関連する物理量を計測するための複数のセンサを備える。電動アクチュエータ26には、電動モータの回転角度を計測するためのモータ回転角センサ30が取り付けられている。電動モータと操舵ハンドル24とはステアリングコラムシャフト21及び減速機を介して連結されているので、電動モータの回転角度は、運転者によって回転操作される操舵ハンドル24の回転角度と対応する。よって、モータ回転角センサ30のセンサ値から操舵ハンドル24の舵角を求めることができる。なお、本明細書における舵角とは、操舵ハンドル24の切れ角(つまりハンドル角)が0degの位置を基準としたときの操舵ハンドル24の回転角度を意味するものとする。
ただし、モータ回転角センサ30は、相対角センサとして構成されている。相対角であるモータ回転角センサ30のセンサ値は、その変化量と操舵ハンドル24の回転角度の変化量との間に対応はあるものの、角度の基準が固定されていないために操舵ハンドル24の物理的な角度に対して一意に定まらない。このため、モータ回転角センサ30のセンサ値から操舵ハンドル24の回転角度(絶対角度)を知るためには、モータ回転角センサ30のゼロ点を検出する必要がある。従来、ゼロ点として検出されていたのは舵角中点であり、舵角中点は概ね物理的なハンドル角0degと一致している。しかし、操舵制御においてゼロ点とハンドル角0degとは必ずしも一致している必要はない。本実施の形態では、後述する車両直進基準角がゼロ点として検出され、操舵制御のための舵角の基準値として車両直進基準角が使用される。なお、本明細書においては、車両直進基準角に対するモータ回転角センサ30のセンサ値の差角を車両直進基準操舵角(単に操舵角という場合もある)と定義する。
車両用操舵装置10は、モータ回転角センサ30に加えて、車両が直進状態かどうか判定するための情報(これを車両直進状態判定情報とする)や、操舵ハンドル24が運転者に操舵されていないかどうか判定するための情報(これを非操舵判定情報とする)を得るためのセンサを備えている。車両直進状態判定情報には、ヨーレート、横加速度、各車輪の車輪速などが含まれる。ヨーレートは図示しないヨーレートセンサにより計測される。横加速度は図示しない加速度センサにより計測される。車輪速は車輪毎に設けられた図示しない車輪速センサにより計測される。非操舵判定情報には、操舵トルクや操舵角速度が含まれる。操舵トルクはステアリングコラムシャフト21に取り付けられた図示しない操舵トルクセンサにより計測される。操舵角速度はモータ回転角センサ30のセンサ値の変化量から計算される。さらに、車両用操舵装置10は、車両の走行速度を計測するための車速センサ32を備える。なお、こうした各種のセンサは車両用操舵装置10による操舵制御のための専用品である必要はなく、その他の装置との間で共用されるものであってよい。
車両用操舵装置10は、電動アクチュエータ26にモータ電流を供給する操舵制御装置40を備える。操舵制御装置40は、電動アクチュエータ26に供給するモータ電流を制御することにより、電動アクチュエータ26から操舵機構20に付与される操舵制御のための操舵トルクを制御するように構成されている。操舵制御に関連する物理量を計測する各種のセンサは、直接、或いは、車両内に構築された通信ネットワークを介して操舵制御装置40に接続されている。操舵制御装置40は、少なくとも1つのメモリと少なくとも1つのプロセッサとを有するECU(Electronic Control Unit)である。メモリには、操舵制御に用いる各種のプログラムやマップを含む各種のデータが記憶されている。プロセッサがメモリからプログラムを読みだして実行することにより、操舵制御装置40には操舵制御に関係する様々な機能が実現される。
2.操舵制御装置が備える機能
操舵制御装置40により実施される操舵制御には、運転者による操舵ハンドル24の操作を補助する操舵補助制御と、運転者による車両の運転を支援するための運転支援制御とが含まれる。操舵制御装置40により実施される操舵補助制御には、例えば、運転者が操舵ハンドル24を戻し方向に操作するのを補助するハンドル戻し制御が含まれる。操舵制御装置40により実施される運転支援制御には、例えば車線の中央付近を走行しやすいように運転者のハンドル操作を支援する車線維持支援制御が含まれる。これらの操舵補助制御や運転支援制御については、既に多くの公知文献においてその制御方法が提案されているため、本明細書ではその詳細について説明することはしない。
操舵制御装置40による操舵制御では、前述の車両直進基準操舵角、つまり、車両直進基準角に対するモータ回転角センサ30のセンサ値の差角が入力として用いられる。図1には、車両直進基準操舵角の演算に関係する操舵制御装置40の機能がブロックで描かれている。図1中にブロックで描かれているように、操舵制御装置40は、舵角中点学習部42、車両直進基準角演算部44、操舵角演算部46、及び、アクチュエータ制御部48を備える。操舵制御装置40が備えるこれらの演算部42,44,46,48は、操舵制御装置40のメモリに記憶されたプログラム或いはその一部に対応している。プログラムがメモリから読みだされてプロセッサで実行されることによって、これらの演算部42,44,46,48の機能が操舵制御装置40にて実現される。以下、各演算部42,44,46,48の機能について舵角中点学習部42から順に説明する。
舵角中点学習部42は、所定学習条件が満たされたときのモータ回転角センサ30のセンサ値をサンプリングし、その統計処理によって舵角中点を学習するように構成されている。所定学習条件は、車両が直進状態であるという車両直進条件と、操舵ハンドル24が操舵されていないという非操舵条件とからなる。車両直進条件が満たされているかどうか判定するため、舵角中点学習部42には、車両直進判定情報が入力される。舵角中点学習部42に入力される車両直進判定情報(これを車両直進判定情報1とする)には少なくともヨーレート、横加速度、及び左右前輪の車輪速の差が含まれている。また、非操舵条件が満たされているかどうか判定するため、舵角中点学習部42には、非操舵判定情報が入力される。舵角中点学習部42に入力される非操舵判定情報(これを非操舵判定情報1とする)には、少なくとも操舵トルク及び操舵角速度が含まれている。
舵角中点学習部42による舵角中点学習は、詳しくは図2に示すフローチャートにしたがって行われる。操舵制御装置40のメモリには、このフローチャートに対応するプログラムが記憶されている。そのプログラムがプロセッサにより所定の制御周期で繰り返し実行されることにより、特許請求の範囲に記載されている“舵角中点学習手段”としての機能が操舵制御装置40において実現される。
図2に示すフローチャートにおいて、ステップS11では、舵角中点の学習が可能かを所定学習条件が満たされたかどうかによって判定することが行われる。この判定を行うため、本プログラムが実行される毎に最新の車両直進判定情報1及び非操舵判定情報1が取り込まれる。そして、ヨーレートの絶対値、横加速度の絶対値、左右前輪の車輪速の差の絶対値のどれもが各閾値以下であって、それらが変化しない状態が所定時間続いたとき、車両直進条件が満たされたと判断される。また、操舵トルクと操舵角速度のどれもが各閾値以下であって、変化しない状態が所定時間続いたとき、非操舵条件が満たされたと判断される。そして、車両直進条件と非操舵条件がともに満たされた場合、舵角中点の学習は可能との判定がなされる。
ステップS11において舵角中点の学習は可能との判定がなされた場合、ステップS12において舵角中点の更新が行われる。この処理のため、本プログラムが実行される毎にモータ回転角センサ30のセンサ値、つまり、モータ回転角センサ30により計測される最新の相対角が取り込まれる。舵角中点の更新は次の計算式にしたがって行われる。この計算式において、更新前の舵角中点とは現在メモリに記憶されている舵角中点の学習値、相対角とは今回のプログラム実行時に取り込んだモータ回転角センサ30のセンサ値、総サンプル数とは学習を開始してから現在までにサンプリングしたモータ回転角センサ30のセンサ値の総数である。
舵角中点=更新前の舵角中点+(相対角−更新前の舵角中点)/総サンプル数
舵角中点の学習方法としては、上記の計算式による学習方法(これを学習方法1とする)以外にも様々な方法が存在する。例えば、直近の所定回数のセンサ値を単に平均するだけの学習方法(これを学習方法2とする)や、次の計算式による学習方法(これを学習方法3とする)が従来用いられている。学習方法3の計算式において、なまし回数は予め定められた固定値である。
舵角中点=更新前の舵角中点+(相対角−更新前の舵角中点)/なまし回数
ここで、図3は舵角中点の学習方法と誤差との関係を示す図である。学習方法1によれば、総サンプル数が増えるにしたがって誤差は減少していき、舵角中点の精度は高まっていく。学習方法2の場合、全てのデータの重みは同じであるため舵角中点の誤差は収束しないが、サンプル数を増やせば精度は良くはなり誤差を小さくすることができる。ただし、サンプル数を増やすほど、初期値の確定が遅れることになる。学習方法3の場合、相対的に直近のセンサ値が舵角中点の学習値に反映されやすい。学習方法3による最終的な誤差は、学習方法2においてなまし回数分のサンプルを平均したときの誤差となる。よって、学習方法3においても、なまし回数を増やせば増やすほど誤差を小さくして舵角中点の精度を高めることができる。本実施の形態では学習方法1を採用しているが、学習方法2や学習方法3によって舵角中点を学習してもよい。
再び図2に戻ってフローチャートの説明を続ける。ステップS11において舵角中点の学習は可能との判定がなされなかった場合、ステップS12の処理はスキップされる。つまり、舵角中点の更新は行われず、前回の舵角中点の学習値がそのまま維持される。なお、操舵制御装置40の電源がオフにされた場合、舵角中点の学習値は、消去されることなくメモリに保持され続ける。そして、次回電源がオンにされたとき、学習値はメモリから読み出されて舵角中点の初期値として使用される。
図1に戻り、次に、車両直進基準角演算部44について説明する。車両直進基準角演算部44は、車両直進条件が満たされたときのモータ回転角センサ30のセンサ値に基づいて車両直進基準角を算出するように構成されている。車両直進条件が満たされているかどうか判定するため、車両直進基準角演算部44には、車両直進判定情報が入力される。車両直進基準角演算部44に入力される車両直進判定情報(これを車両直進判定情報2とする)は、車両直進判定情報1と同内容の情報でもよいし、一部が異なる情報でもよい。ここでは、ヨーレート、横加速度、及び左右前輪の車輪速の差のうちの少なくとも1つ(好ましくはそれらの全て)が車両直進判定情報2に含まれているとする。また、車両直進基準角演算部44には、車速センサ32により計測された車速が入力される。さらに、車両直進基準角演算部44には、非操舵判定情報が入力されてもよい。車両直進基準角演算部44に入力される非操舵判定情報(これを非操舵判定情報2とする)には、操舵トルクや操舵角速度が含まれてよい。
車両直進基準角演算部44による車両直進基準角の演算は、詳しくは図4に示すフローチャートにしたがって行われる。操舵制御装置40のメモリには、このフローチャートに対応するプログラムが記憶されている。そのプログラムがプロセッサにより所定の制御周期で繰り返し実行されることにより、特許請求の範囲に記載されている“車両直進基準角演算手段”としての機能が操舵制御装置40において実現される。
図4に示すフローチャートのステップS21では、車両が直進状態かどうかを車両直進条件が満たされたかどうかによって判定することが行われる。この判定を行うため、本プログラムが実行される毎に最新の車両直進判定情報2が取り込まれる。そして、車両直進判定情報2に含まれる物理量(すなわち、ヨーレート、横加速度、左右前輪の車輪速の差のうちの少なくとも1つ)の絶対値のどれもが各閾値以下であって、それらが変化しない状態が所定時間続いたとき、車両直進条件が満たされたと判断される。
ステップS21の判定に用いられる所定時間(これを判定時間2という)は、ステップS11の車両直進条件の判定に用いられる所定時間(これを判定時間1という)と同じ時間に設定してもよいが、判定時間が短いほど車両直進条件は満たされやすくなり、路面や車両の変化に対する車両直進基準角の変化の応答性は向上する。ゆえに、判定時間1は、舵角中点の学習の信頼性を担保するためにある程度長い時間とされているが、判定時間2は、路面や車両の変化に十分応答可能な短い時間とされている。つまり、ステップS21で判定される車両直進条件(これを第2の車両直進条件という)は、ステップS11で判定される車両直進条件(これを第1の車両直進条件という)よりも緩やかな条件とされている。このため、ステップS21の判定では、大Rでの旋回も直進とみなされる。
ステップS21において車両は直進状態であるとの判定がなされた場合、ステップS22において車両直進基準角の暫定値の更新が行われる。この処理のため、本プログラムが実行される毎にモータ回転角センサ30のセンサ値、つまり、モータ回転角センサ30により計測される最新の相対角が取り込まれ、ステップS21の条件が満たされたときの相対角が車両直進基準角の暫定値として一時記憶される。ただし、後述するように、車両直進基準角の暫定値は2段階に計算される。以下、ステップS22において更新される第1段階の暫定値を暫定値1とし、後述するステップS24或いはS25において演算される第2段階の暫定値を暫定値2とする。
ステップS21において車両は直進状態であるとの判定がなされなかった場合、ステップS22の処理はスキップされる。つまり、車両直進基準角の暫定値1の更新は行われず、前回の暫定値1がそのまま維持される。なお、ステップS21では車両直進条件のみ判定しているが、非操舵判定情報2に基づいて非操舵条件も判定し、車両直進条件と非操舵条件がともに満たされることをステップS22の処理を実行する条件としてもよい。
ステップS23では、暫定値1の制御周期あたりの変化量が所定の制限値未満かどうか判定される。具体的には、ステップS22で更新された暫定値1、或いは、更新されなかった前回の暫定値1と、メモリに一時記憶されている前回の暫定値2との差の絶対値が計算される。そして、その差と所定の変化量制限値とが比較される。変化量制限値は、車両直進基準角の変化が運転者に違和感を生じさせることのない範囲の限界値である。
ステップS23の判定の結果が肯定であった場合、つまり、暫定値1をそのまま車両直進基準角として用いたとしても運転者に違和感を生じさせるおそれがない場合、ステップS24において下記の計算式にしたがって暫定値2が計算される。すなわち、暫定値1がそのまま暫定値2に置き換えられる。
暫定値2=暫定値1
一方、ステップS23の判定の結果が否定であった場合、つまり、暫定値1をそのまま車両直進基準角として用いたときには運転者に違和感を生じさせるおそれがある場合、ステップS25において下記の計算式にしたがって暫定値2が計算される。すなわち、暫定値1が前回の暫定値2よりも大きい場合は、前回の暫定値2に変化量制限値を加算して得られる値が今回の暫定値2として算出される。暫定値1が前回の暫定値2よりも小さい場合は、前回の暫定値2から変化量制限値を減算して得られる値が今回の暫定値2として算出される。このように暫定値1から暫定値2への修正を行うことで、走行条件の変化に合わせて車両直進基準角を変化させつつ、車両直進基準角の急変によって運転者に違和感が生じるのを防止することができる。
暫定値2=前回の暫定値2+変化量制限値 (暫定値1>前回の暫定値2)
暫定値2=前回の暫定値2−変化量制限値 (暫定値1<前回の暫定値2)
ステップS22で得られる暫定値1は車両直進条件が満たされたときのモータ回転角センサ30のセンサ値であり、それを修正して得られる暫定値2にも現在の走行条件が強く反映されている。しかし、センサ値そのものである暫定値1に比較すれば変化量制限値による制限は行われているものの、瞬間的には大きな誤差を含んだ数値となる可能性がある。そこで、操舵制御装置40は、舵角中点学習部42で学習されている舵角中点を基準にして、暫定値2に対する信頼性の評価を行う。舵角中点は、理想的状態の車両においては操舵ハンドル24の見た目のハンドル角が0degとなる角度であるが、組み付けのばらつき等によってハンドル角が0degとなる角度との間には多少のずれが生じる場合がある。ただし、そのずれは車両ごとに概ね一定であることから、舵角中点は車両ごとに不変の角度基準であると言える。
ステップS26では、舵角中点を基準とするガード角の演算が行われる。現在の走行条件における真の車両直進舵角は学習値である舵角中点から大きく外れていないはずであり、舵角中点を中心とする所定角度範囲に収まっているはずである。ガード角はその所定角度範囲の左右の限界角に相当する。ここでは、舵角中点から左右のガード角までの角度を制限角度という。操舵制御装置40は、メモリに記憶されたマップにおいて、車速に関連付けて制限角度を設定している。操舵角に対する軸力やヨーレートの出方は車速によって変わるため、軸力やヨーレートに対する車両直進基準角の変化の影響度を車速によらず一定にするためである。
ここで、図5は車速に対する車両直進基準角の制限角度の設定を示す図である。点線で描かれている曲線は、ヨーレートによる制限角度と車速との関係を示す曲線であり、これは定常ヨーレートゲインの逆数に対応している。実線で描かれている曲線は、横変位による制限角度と車速との関係を示す曲線である。ヨーレートによる制限角度と横変位による制限角のうち、より小さい方の制限角度に基づいて左右のガード角が設定される。なお、車速が0km/hのときは、車両直進基準角を強制的に舵角中点と一致させるべく制限角度は0degとされる。
再び図4に戻ってフローチャートの説明を続ける。ステップS27では、ステップS24或いはステップS25で算出された暫定値2とステップS26で設定されたガード角とに基づいて、車両直進基準角の最終値の確定が行われる。
ここで、図6は舵角中点と車両直進基準角と左右のガード角との関係を示す図である。図6の(a)と(b)のそれぞれにおいて、斜線が引かれた角度範囲が前述の所定角度範囲、すなわち、車速によって変化する制限角度の範囲である。舵角中点より制限角度だけ操舵ハンドル24を右回転させたときの舵角がガード角Rであり、舵角中点より制限角度だけ操舵ハンドル24を左回転させたときの舵角がガード角Lである。図6の(a)に示すように、所定角度範囲の内側に暫定値2が収まっている場合、暫定値2が車両直進基準角として確定される。一方、図6の(b)に示すように、暫定値2が所定角度範囲から外れている場合、車両直進基準角をガード値で制限することが行われる。図6の(b)に示す場合であれば、暫定値2は舵角中点よりも右回転側に位置しているので、左右のガード角R,Lのうち舵角中点と暫定値2との間のガード角Rが車両直進基準角として確定される。
ところで、制限角度は車速によって変化するので、暫定値2に変化がなかったとしても、一時的な車速の急変化によって制限角度が狭まった結果として暫定値2が所定角度範囲から外れる場合がある。このような場合、車両直進基準角が所定角度範囲から外れることによって過渡的な影響がでるが、その影響度の大きさが許容されない大きさであれば、上述のとおり車両直進基準角をガード角で制限する必要がある。しかし、過渡的な影響度の大きさが許容される大きさであるならば、あえて車両直進基準角は変えないようにしてもよい。影響度が許容できる大きさかどうかは、暫定値2が所定角度範囲からどれだけ外れているかによって判断することができる。また、車両直進基準角をガード角で制限する場合であっても、車速の急変化が一時的なものであるならば、車速が戻ったときに復帰できるよう、ガード前の車両直進基準角自体はメモリに保持し続けることが好ましい。車速の急変化が一時的かどうかは、車速の急変化が生じた原因から判断することができる。例えば、車速の急変化が車間距離制御のような車両支援制御の介入によるものであれば、すぐに車速が戻るかどうか車両支援制御のプログラムから予測することができる。また、車速の急変化が道路勾配の影響によるものであり、ナビシステムやインフラからの情報によってそれを知ることができる場合にも、すぐに車速が戻るかどうかそれらの情報から予測することができる。
図1に戻り、操舵角演算部46及びアクチュエータ制御部48について説明する。操舵角演算部46は、アクチュエータ制御部48による操舵制御の入力である車両直進基準操舵角を演算するように構成されている。操舵角演算部46には、モータ回転角センサ30のセンサ値、つまり、モータ回転角センサ30により計測される相対角と、車両直進基準角演算部44で算出された車両直進基準角とが取り込まれる。操舵角演算部46は、モータ回転角センサ30により計測された相対角の車両直進基準角に対する差角を計算し、車両直進基準操舵角として算出する。操舵角演算部46は、特許請求の範囲に記載されている“操舵角演算手段”に相当する。アクチュエータ制御部48は、操舵角演算部46から入力される車両直進基準操舵角に基づいて様々な操舵制御を実行し、電動アクチュエータ26に対してモータ電流を供給するように構成されている。
操舵制御装置40によれば、上記のごとく算出された車両直進基準角が操舵制御の入力である車両直進基準操舵角の基準として用いられるので、走行条件にあった適切な操舵トルクを電動アクチュエータ26に付与させることができる。これにより、運転者に違和感をもたらすことがないように、運転者の操舵ハンドル24の操作を適切に補助し、或いは、運転者による車両の運転を適正に支援することができる。
3.その他実施の形態.
運転者が操舵ハンドル24を操作するときの操舵角速度に応じて、車両直進基準角の変化速度を可変にしてもよい。運転者が操舵ハンドル24を完全に保舵している場合、電動アクチュエータ26から付与される操舵トルクの変化は、それ自体が運転者にとって違和感となるおそれがある。よって、操舵角速度が小さい場合には、車両直進基準角の変化速度を抑えることが好ましい。また、運転者が操舵ハンドル24を速く操舵している場合には、車両直進基準角に大きな誤差が含まれているおそれがある。よって、操舵角速度がある一定以上の大きさの場合は、車両直進基準角を変化させないようにしてもよい。
上述の実施の形態ではモータ回転角センサ30が操舵制御に用いられているが、電動パワーステアリング装置のシステム内にはモータ回転角センサ30以外にも様々な相対角センサが備えられる。例えば、レゾルバタイプのトルクセンサやラックストロークセンサも相対角センサであり、そのセンサ値の変化量は操舵ハンドル24の回転角度の変化量に対応している。これらの相対角センサのセンサ値に基づいて舵角中点の学習と車両直進基準角の演算を行うようにしてもよい。
さらに、本発明は、絶対角を検出する舵角センサが操舵制御に用いられている車両用操舵装置にも適用することができる。絶対角センサであってもゼロ点の補正は必要であり、ゼロ点の補正のための舵角中点の学習が行われる。そして、ゼロ点である舵角中点に変えて車両直進基準角を絶対角度の基準として用いることで、走行条件によって変化する車両直進舵角と舵角中点とのずれによって生じる操舵補助用或いは運転支援用の操舵トルクの付与誤差を低減することができる。
上述の実施の形態では舵角中点に変えて車両直進基準角を操舵角の基準値としているが、操舵制御の内容に合わせて舵角中点と車両直進基準角との間で操舵角の基準値を切り替えてもよい。
10 車両用操舵装置
20 操舵機構
21 ステアリングコラムシャフト
22 ギヤ機構
23 リンク機構
24 操舵ハンドル
25 前輪
26 電動アクチュエータ
30 モータ回転角センサ(角度センサ)
32 車速センサ
40 操舵制御装置
42 舵角中点学習部
44 車両直進基準角演算部
46 操舵角演算部
48 アクチュエータ制御部

Claims (1)

  1. 操舵ハンドルによって操作される操舵機構と、前記操舵機構に操舵トルクを付与する電動アクチュエータと、前記操舵ハンドルの回転角度の変化に応じて変化するセンサ値を出力する角度センサとを備え、前記角度センサのセンサ値に基づき前記電動アクチュエータから前記操舵機構に操舵トルクを付与することにより、運転者による前記操舵ハンドルの操作を補助する或いは運転者による車両の運転を支援するための操舵制御を行う車両用操舵装置において、
    第1の車両直進条件を含む所定学習条件が満たされたときの前記角度センサのセンサ値をサンプリングし、その統計処理によって舵角中点を学習する舵角中点学習手段と、
    現在の走行条件において前記車両を直進させる舵角に相当する車両直進基準角を算出する手段であって、前記第1の車両直進条件と同条件かより緩やかな条件の第2の車両直進条件が満たされたときの前記角度センサのセンサ値を前記車両直進基準角の暫定値として取得し、前記暫定値が前記舵角中点を中心に設定された所定角度範囲の内側にある場合には、前記暫定値を前記車両直進基準角として確定し、前記暫定値が前記所定角度範囲の外側にある場合には、前記所定角度範囲を規定する左右の限界角のうち前記舵角中点と前記暫定値との間の限界角を前記車両直進基準角として確定するように構成された車両直進基準角演算手段と、
    前記角度センサのセンサ値と前記車両直進基準角演算手段で算出された前記車両直進基準角との差角を前記操舵制御の入力である操舵角として算出する操舵角演算手段と、
    を備えることを特徴とする車両用操舵装置。
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