JP2007022169A - 車両制御装置およびカント状態判定方法 - Google Patents

車両制御装置およびカント状態判定方法 Download PDF

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【課題】 車両の走行路のカント状態を精度よく速やかに判定可能とする車両制御装置およびカント状態判定方法の提供。
【解決手段】 車両1は、車速Vを検出するための車輪速センサ25と、車両1の横加速度Gを検出する横Gセンサ26と、車両1の操舵状態を検出するための操舵角センサ21および操舵トルクセンサ22と、少なくとも車両1の走行レーンを示す情報を含む走行環境情報を取得するためのナビゲーションシステム28と、検出された車速V、横加速度G、操舵状態および走行環境情報と、少なくとも車両1の走行レーンに関連付けられた教師信号とに基づいて車両1の走行路のカント状態を学習すると共に、車速V、横加速度G、操舵状態および走行環境情報に基づいて学習結果を用いたニューラルネットワーク演算を行い、車両1の走行路のカント状態を判定するカント状態判定部を含む操舵ECU20とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ニューラルネットワークを利用した車両制御装置およびカント状態判定方法に関する。
従来から、車両の走行路の車幅方向における傾斜状態であるカント状態を判定する装置として、ニューラルネットワークを利用したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この装置は、車両の車速、横加速度、およびハンドルの操作状態に基づいて走行路のカント状態を学習し、学習結果を用いたニューラルネットワーク演算により、車速、車両の横加速度およびハンドルの操作状態に基づいて路面のカント状態を判定する。また、従来から、ドライバの操舵操作を妨げることなく、走行レーンの基準位置からの車両の横ずれ量や路面のカント状態に応じて適切な制御トルクを操舵アクチュエータに発生させ、それにより走行レーンの逸脱を回避する装置も知られている(例えば、特許文献2参照。)。この装置では、車速や操舵角等に基づいて算出される計算横加速度と、横加速度の実測値との偏差である横加速度偏差がカント状態を示すものとして用いられる。なお、複数の走行レーンのうち、自車両が位置する走行レーンを認識するための手段は、例えば次の特許文献3により開示されている。
特開平05−238402号公報 特開平11−073596号公報 特開平11−321377号公報
近年では、特に米国において、走行路のカントに起因して本来直進すべきはずの車両が偏向しがちになる、いわゆる車両流れを抑制することが求められている。このためには、走行路のカント状態を適正に把握することが重要となるが、上述のニューラルネットワークを用いた場合、カント状態の判定に時間を要し、車両の偏向を速やかに抑制することが困難こともあり得る。また、車両の横加速度等に基づいて走行路のカント状態を推定しても、走行路のカント状態を精度よく得ることは困難である。
そこで、本発明は、車両の走行路のカント状態を精度よく速やかに判定可能とする車両制御装置およびカント状態判定方法の提供を目的とする。
本発明による車両制御装置は、車両の走行状態を制御するための車両制御装置であって、車両の車速を検出する車速検出手段と、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、少なくとも車両の走行レーンを示す情報を含む走行環境情報を取得する環境情報取得手段と、各手段により検出された車速、横加速度、操舵状態および走行環境情報と、少なくとも車両の走行レーンに関連付けられた教師信号とに基づいて車両の走行路のカント状態を学習すると共に、車速、横加速度、操舵状態および走行環境情報に基づいて学習結果を用いたニューラルネットワーク演算を行い、車両の走行路のカント状態を判定するカント状態判定手段とを備えることを特徴とする。
この車両制御装置のカント状態判定手段は、ニューラルネットワークとして構成されており、車速、横加速度、操舵状態および少なくとも車両の走行レーン情報を含む走行環境情報と、少なくとも車両の走行レーンに関連付けられた教師信号とに基づいて車両の走行路のカント状態を誤差逆伝搬学習(バックプロパゲーション学習)する。そして、このカント状態判定手段は、車両の走行中に車速、横加速度、操舵状態および少なくとも車両の走行レーン情報を含む走行環境情報が与えられると、これらのデータに基づいて上記誤差逆伝搬学習の結果を用いたニューラルネットワーク演算を行い、走行路のカント状態の判定結果を出力する。
ここで、一般に、各種道路については走行レーンごとにカント角が概ね判明している。従って、ニューラルネットワークの学習に際して、車両の走行レーンをも考慮することにより、誤差逆伝搬学習時の学習精度を向上させることができる。そして、このように高精度な学習を実行しておくことにより、車両が何れのレーンを走行していたとしても、また、レーン変更がなされたとしても、ニューラルネットワーク演算に際して走行路のカント状態を精度よく速やかに判定することが可能となる。
また、教師信号は、車両の走行レーンに応じて変化させられると好ましい。
この態様によれば、誤差逆伝搬学習時の学習精度と、ニューラルネットワーク演算に際しての演算精度および演算速度とを極めて良好に向上させることが可能となる。
更に、本発明による車両制御装置は、カント状態判定手段の判定結果に基づいて、車両が直進する際の偏向を抑制するための制御量を算出する車両偏向抑制手段を更に備えると好ましい。
この態様によれば、カント状態判定手段によって精度よく判定された走行路のカント状態から、走行路のカントに起因する車両の偏向を抑制するための制御量を精度よく算出することができるので、車両が何れのレーンを走行していたとしても、また、車両の走行中にレーン変更がなされたとしても、その都度、車両の偏向を良好に抑制することが可能となる。
また、車両偏向抑制手段は、カント状態判定手段の判定結果に基づいて、車両に設けられている操舵装置の補助操舵量を制御量として算出すると好ましい。
更に、車両偏向抑制手段は、カント状態判定手段の判定結果に基づいて、車両の各車輪位置における目標車高を制御量として算出するものであってもよい。
本発明によるカント状態判定方法は、車両の走行路のカント状態を判定するカント状態判定方法であって、車両の車速、横加速度、操舵状態、および少なくとも車両の走行レーン情報を含む走行環境情報と、少なくとも車両の走行レーンに関連付けられた教師信号とをニューラルネットワークに与えて車両の走行路のカント状態を学習させる学習ステップと、ニューラルネットワークに車両の車速、横加速度、操舵状態および走行環境情報を与えて学習結果を用いたニューラルネットワーク演算を実行させることにより車両の走行路のカント状態を判定する判定ステップとを含み、学習ステップでは、車両の走行レーンに応じて教師信号を変化させるものである。
本発明によれば、車両の走行路のカント状態を精度よく速やかに判定することが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両制御装置を備えた車両の要部を示す概略構成図である。同図に示されるように、車両1は、本実施形態では前輪である左右一対の操舵輪2L,2Rまたは図示されない後輪を駆動するための内燃機関、電気モータ、あるいはこれらを組み合わせたハイブリッド動力ユニットといった駆動源(図示省略)を有すると共に、左側の操舵輪2Lおよび右側の操舵輪2Rを操舵するための車両操舵装置10を含む。操舵輪2L,2Rは、それぞれホイールとタイヤとを含み、各操舵輪2L,2Rのホイールは、ブレーキユニットを構成するディスクロータ3を介してナックル4により支持されている。ナックル4には、ナックルアーム5が一体化または連結されており、ナックル4は、車両1の懸架装置を構成するストラットバーやロワアーム等を介して車体に対して支持されている。また、各操舵輪2Lおよび2Rのホイールの内部には、ディスクロータ3を介して各操舵輪2Lおよび2Rに制動力を付与するためのブレーキキャリパ6が配置されている。
一方、車両1の車両操舵装置10は、ドライバーによって操作される操舵ハンドル11を含む。操舵ハンドル11は、ステアリングシャフト12の一端に固定されており、ステアリングシャフト12の他端は、操舵ギヤボックス14に連結されている。操舵ギヤボックス14は、ステアリングシャフト12の端部に固定される図示されないピニオンギヤと、このピニオンギヤと噛合する操舵ロッドとしてのラック15とを含み、ステアリングシャフト12の回転運動をラック15の左右の直線運動に変換する操舵角伝達機構として機能する。また、ステアリングシャフト12には、操舵ハンドル11と操舵ギヤボックス14との間位置するように、伝達比可変機構(VGRS)16が組み込まれている。この伝達比可変機構16は、操舵ハンドル11の操舵角に対する操舵輪2Lおよび2Rの転舵角の比である伝達比を変化させる機能を有するものであり、この伝達比を変化させるための駆動源としてのDCモータを主構成要素とするアクチュエータ16aと、減速機(差動装置)16bとを含む。
そして、車両操舵装置10は、いわゆる電動パワーステアリングユニットとして構成されており、ドライバーの操作とは独立にラック15(操舵ロッド)にトルクを付与可能であってラック15の直線運動をアシストする電動アシストユニット(トルク付与手段)17を有している。本実施形態において、電動アシストユニット17は、伝達比可変機構16よりも下流側、すなわち操舵輪2L側に設けられている。
電動アシストユニット17は、ステータおよびロータを含むモータ18を有し、例えば、いわゆるボールスクリュ式のアシストユニットとして構成される。本実施形態では、モータ18のロータに、図示されないボールねじナットが固定されており、このボールネジナットと、何れも図示されないボールおよびラック15の一端側(本実施形態では、操舵輪2L側)に形成されたねじ溝とを介してモータ18からラック15にトルクが伝達されることになる。なお、電動アシストユニット17は、上述のようなラックアシスト式のものに限られず、ピニオンアシスト式あるいはコラムアシスト式のものであってもよい。
電動アシストユニット17から延出するラック15の端部は、タイロッド19を介して、左側の操舵輪2Lのナックルアーム5に連結される。また、操舵ギヤボックス14から操舵輪2R側に延出するラック15の端部は、タイロッド19を介して、右側の操舵輪2Rのナックルアーム5に連結される。
上述のように構成される車両操舵装置10は、図1に示されるように、本発明による車両制御装置としての操舵用電子制御ユニット(以下「操舵ECU」という)20によって制御される。すなわち、車両操舵装置10に含まれる伝達比可変機構16や電動アシストユニット17は、それぞれ操舵ECU20によって制御される。操舵ECU20は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、入出力インターフェース、データを書き換え可能な記憶装置等を備えるものである。
そして、操舵ECU20の入出力インターフェースには、操舵角センサ21、操舵トルクセンサ22、作動角センサ23、EPSトルクセンサ24、車輪速センサ25、横Gセンサ26、ヨーレートセンサ27およびナビゲーションシステム28が接続されている。操舵角センサ21は、操舵ハンドル11の操舵角θfを検知し、検知した値を示す信号を操舵ECU20に与える。操舵トルクセンサ22は、ドライバーから操舵ハンドル11に付与された操舵トルクTを検知し、検知した値を示す信号を操舵ECU20に与える。作動角センサ23は、伝達比可変機構16が作動したことによる操舵角の変化分(増加分)を検知し、検知した値を示す信号を操舵ECU20に与える。
EPSトルクセンサ24は、電動アシストユニット17によるアシストトルクを検知し、検知した値を示す信号を操舵ECU20に与える。車輪速センサ25は、操舵輪2L,2Rを含むすべての車輪に備えられている。各車輪速センサ25は、対応する車輪の回転速度を検知し、それぞれ検知した値を示す信号を操舵ECU20に与える。横Gセンサ26は、車両1に作用する横方向すなわち車幅方向における横方向加速度Gを検知し、検知した値を示す信号を操舵ECU20に与える。ヨーレートセンサ27は、車両1の鉛直軸回りの回転角速度(ヨーレート)δを検知し、検知した値を示す信号を操舵ECU20に与える。ナビゲーションシステム28は、車両1の走行中に、車両の走行環境を示す情報を取得し、取得した情報を操舵ECU20に与える。ナビゲーションシステム28により取得される情報には、少なくとも車両1が走行している走行レーンを示す情報が含まれる。操舵ECU20は、各センサ21〜27およびナビゲーションシステム28等からの信号に基づいて、伝達比可変機構16および電動アシストユニット17を制御する。なお、横加速度G、操舵角θf、操舵トルクT、およびヨーレートδは、右方向を正とし、かつ左方向を負とする。
上述の車両操舵装置10を備えた車両1では、ドライバーによって操舵ハンドル11が操作されると、操舵トルクセンサ22によって検出される操舵トルクTや車輪速センサ25の検出値から定まる車速Vに応じたアシストトルクが定められる。すなわち、操舵ECU20は、操舵ハンドル11が操作されると、予め定められたマップを用いてドライバーによる操舵トルクTと車両1の車速Vとに応じた電動アシストユニット17によるアシストトルクを定め、EPSトルクセンサ24の検出値が当該アシストトルクと一致するように電動アシストユニット17を制御する。これにより、車両1では、ドライバーの操舵負担を軽減すると共に、滑らかで応答性の高い操舵感をドライバーに与えることが可能となる。
また、車両1では、操舵ECU20により、例えば各車輪速センサ25の検出値から求められる車両1の車速Vに応じた操舵角と転舵角との伝達比が定められ、当該伝達比が実現されるように伝達比可変機構16が制御される。これにより、一対の操舵輪2Lおよび2Rの転舵角が伝達比可変機構16によって設定されることになり、低速走行時の取り回し性や、中高速走行時の操舵安定性を良好に確保することが可能となる。
ところで、上述のような車両操舵装置10を備えた車両1の走行中、路面状況やサスペンションの設定等に起因して、本来直進すべきはずの車両1が偏向しがちになることがある。例えば、車両1の走行路が車幅方向において概ね一様に傾斜するカント路である場合、直進状態における偏向(いわゆる車両流れ)が発生し易い。このような場合、ドライバーが操舵ハンドル11を介して操舵トルクを加えれば、車両は直進状態に保たれることになるが、これでは、ドライバーの操舵負担が大きくなり、快適な運転環境を提供し得なくなるおそれがある。
このため、車両1の操舵ECU20には、走行路のカント状態を判定するためのニューラルネットワークNNを含むカント状態判定部30と、ニューラルネットワークNNの学習に際して利用される減算器35と、カント状態判定部30の判定結果に基づいて車両1が直進する際の偏向を抑制するための制御量を算出する演算処理部40とが含まれている。本実施形態において、演算処理部40は、カント状態判定部30の判定結果に基づいて、車両操舵装置10の補助操舵量を制御量として算出する。
図2は、操舵ECU20のカント状態判定部30を示す機能ブロック図である。同図に示されるように、カント状態判定部30は、平均演算器31−1,31−2,31−3,31−4,31−5および31−6を含む。平均演算器31−1〜31−6は、それぞれ車輪速センサ25、横Gセンサ26、操舵角センサ21、操舵トルクセンサ22、ヨーレートセンサ27、ナビゲーションシステム28に対応しており、それぞれ、対応するセンサ等からの車速V、横加速度G、操舵角θf、操舵トルクT、ヨーレートδおよび走行レーン情報Lの平均値VAV,GAV,θfAV,TAV,δAV,LAVを算出する。そして、平均演算器31−1〜31−6は、それぞれ算出した平均値VAV,GAV,θfAV,TAV,δAV,LAVをニューラルネットワークNNの入力層32を構成する入力ユニット32−1,32−2,32−3,32−4,32−5,32−6のうちの対応するものに入力データID〜IDとして与える。
ニューラルネットワークNNは、入力ユニット32−1〜32−6により構成される入力層32と、中間ユニット33−1〜33−mにより構成される中間層33と、単一の出力ユニットにより構成される出力層34とを含む。出力層34は、図2に示されるように、減算器35および演算処理部40に接続されている。そして、入力データIDi(i=1〜6)と、各入力層の出力値Xi(i=1〜6)と、各中間ユニット33−1〜33−mの出力値Yj(j=1〜m)および出力層34の出力値Zとは、それぞれ次の(1)〜(3)式により定義される。
Figure 2007022169
(1)〜(3)式における結合係数ω0i,ω1ij,ω2jおよび閾値θ0i,θ1j,θ2はニューラルネットワークNNの学習結果を表す定数であり、関数f(x)はステップ状関数、シグモイド関数等の関数である。これらの結合係数ω0i,ω1ij,ω2j、閾値θ0i,θ1j,θ2および関数f(x)は、操舵ECU20の記憶装置に記憶される。カント状態判定部30は、走行路のカント状態を学習する学習モード、および、学習モードで得た学習結果を用いて走行路のカント状態を判定する判定モードのもとで動作する。
学習モードにおいては、車両1を平坦路やカント路で走行させ、カント状態判定部30のニューラルネットワークNNに路面状態を学習させながら、学習結果を結合係数ω0i,ω1ij,ω2jおよび閾値θ0i,θ1j,θ2として記憶装置に記憶させる。平坦路における学習に際しては、車両1を平坦路で走行させながら、車速V、横加速度G、操舵角θf、操舵トルクTおよびヨーレートδの平均値VAV,GAV,θfAV,TAV,δAVをニューラルネットワークNNの入力層32に与えると共に、教師信号として、平坦路を示す値を減算器35に与える。そして、図2に示されるように、教師信号に示される値とと出力層34からの出力値Zとの偏差ΔeをニューラルネットワークNNにフィードバックし、偏差Δeが最小になるように、バックプロパゲーション法を用いて各結合係数ω0i,ω1ij,ω2jおよび各閾値θ0i,θ1j,θ2を順次更新・記憶させる。
一方、カント路に関しては、複数車線道路では走行レーンごとに路面のカント状態が異なっていることを踏まえて、次のような手順でニューラルネットワークNNの学習が実行される。ここでは、図3に例示される3車線道路にて車両1を走行させて路面のカント状態を学習させる例について説明する。図3に示されるように、3車線道路の右レーンのカント角=θr(例えばθr=+2°)であり、中央レーンのカント角=θc(例えばθc=+1°)であり、左レーンのカント角=θl(例えばθl=−1°)であるものとする。ただし、カント角は、路面が右下がりである場合を正とする。
この場合、車両1を3車線道路の各レーンを走行させ、カント状態判定部30のニューラルネットワークNNに路面状態を学習させながら、学習結果を結合係数ω0i,ω1ij,ω2jおよび閾値θ0i,θ1j,θ2として記憶装置に記憶させていく。車両1を右レーンで走行させた場合、車速V、横加速度G、操舵角θf、操舵トルクT、ヨーレートδおよび走行レーン情報Lの平均値VAV,GAV,θfAV,TAV,δAV,LAVをニューラルネットワークNNの入力層32に与える。この際、走行レーン情報Lとしては、右レーンを示す値が連続的に入力層32に与えられることになる。また、教師信号としては、右レーンのカント角θrを示す値が減算器35に与えられる。そして、教師信号に示される値と出力層34からの出力値Zとの偏差ΔeをニューラルネットワークNNにフィードバックし、偏差Δeが最小になるように、バックプロパゲーション法を用いて各結合係数ω0i,ω1ij,ω2jおよび各閾値θ0i,θ1j,θ2を順次更新・記憶させる。
また、車両1を中央レーンで走行させた場合、車速V、横加速度G、操舵角θf、操舵トルクT、ヨーレートδおよび走行レーン情報Lの平均値VAV,GAV,θfAV,TAV,δAV,LAVをニューラルネットワークNNの入力層32に与える。この際、走行レーン情報Lとしては、中央レーンを示す値が連続的に入力層32に与えられることになる。また、教師信号としては、中央レーンのカント角θcを示す値が減算器35に与えられる。そして、教師信号に示される値と出力層34からの出力値Zとの偏差ΔeをニューラルネットワークNNにフィードバックし、偏差Δeが最小になるように、バックプロパゲーション法を用いて各結合係数ω0i,ω1ij,ω2jおよび各閾値θ0i,θ1j,θ2を順次更新・記憶させる。
更に、車両1を左レーンで走行させた場合、車速V、横加速度G、操舵角θf、操舵トルクT、ヨーレートδおよび走行レーン情報Lの平均値VAV,GAV,θfAV,TAV,δAV,LAVをニューラルネットワークNNの入力層32に与える。この際、走行レーン情報Lとしては、左レーンを示す値が連続的に入力層32に与えられることになる。また、教師信号としては、左レーンのカント角θlを示す値が減算器35に与えられる。そして、教師信号に示される値と出力層34からの出力値Zとの偏差ΔeをニューラルネットワークNNにフィードバックし、偏差Δeが最小になるように、バックプロパゲーション法を用いて各結合係数ω0i,ω1ij,ω2jおよび各閾値θ0i,θ1j,θ2を順次更新・記憶させる。
このように、本実施形態では、走行路のカント状態の学習に際し、車両1が走行する走行レーンに応じて教師信号が変化させられる。すなわち、各種道路については走行レーンごとにカント角が概ね判明しているのが一般的であるので、ニューラルネットワークNNの学習に際して、車両1の走行レーンをも考慮することにより、誤差逆伝搬学習時の学習精度を極めて良好に向上させることが可能となる。なお、上述のようなカント路に関する学習は、2車線道路や1車線道路、更には、3車線を越える多車線道路についても同様に実行される。
次に、車両1の走行中に実行される判定モードにおけるカント状態判定部30および演算処理部40の動作について説明する。図4は、判定モードにおけるカント状態判定部30および演算処理部40の動作を説明するためのフローチャートである。図4に示されるルーチンは、車両1の走行中に所定時間おきに繰り返し実行されるものである。このルーチンの実行タイミングになると、車輪速センサ25、横Gセンサ26、操舵角センサ21、操舵トルクセンサ22、ヨーレートセンサ27およびナビゲーションシステム28により、車速V、横加速度G、操舵角θf、操舵トルクT、ヨーレートδおよび走行レーン情報Lが取得される(S10)。そして、引き続いて、カント状態判定部30によりニューラルネットワーク演算処理(S12)が実行される。
図5は、S12におけるニューラルネットワーク演算処理の手順を説明するためのフローチャートである。ニューラルネットワーク演算処理に際しては、同図に示されるように、まず、時系列データV〜Vn−1,G〜Gn−1,θf〜θfn−1,T〜Tn−1,δ〜δn−1,L〜Ln−1が更新される(S120)。これらの時系列データV〜Vn−1,G〜Gn−1,θf〜θfn−1,T〜Tn−1,δ〜δn−1,L〜Ln−1は、上述のS10にて取得される車速V、横加速度G、操舵角θf、操舵トルクT、ヨーレートδおよび走行レーン情報Lの現在から過去に遡った各n個のサンプリングデータである。そして、S120の更新処理においては、最も古いn番目のデータが消去されると共に、それ以外のデータが順次シフトされ、S10にて新たに取得された車速V、横加速度G、操舵角θf、操舵トルクT、ヨーレートδおよび走行レーン情報Lが最新のデータV,G,θf,T,δ,Lとして記憶される。
S120の更新処理の後、次の(4)〜(9)式に従って時系列データV〜Vn−1,G〜Gn−1,θf〜θfn−1,T〜Tn−1,δ〜δn−1,L〜Ln−1の各平均値VAV,GAV,θfAV,TAV,δAV,LAVが算出され、各平均値VAV,GAV,θfAV,TAV,δAV,LAVが、ニューラルネットワークNNの入力層32に対する入力データID〜IDとされる(S122)。なお、これらS120およびS122の処理は、主として図2に示される平均演算器31−1〜31−6により実行される機能に対応している。
[数2]
ID=VAV=(V+V+……+Vn−1)/n…(4)
[数3]
ID=GAV=(G+G+……+Gn−1)/n…(5)
[数4]
ID=θfAV=(θf+θf+……+θfn−1)/n…(6)
[数5]
ID=TAV=(T+T+……+Tn−1)/n…(7)
[数6]
ID=δAV=(δ+δ+……+δn−1)/n…(8)
[数7]
ID=LAV=(L+L+……+Ln−1)/n…(9)
次いで、入力データID〜IDと、操舵ECU20の記憶装置に記憶されている結合係数ω0iおよび閾値θ0iとを用いて上記(1)式の演算が実行され、ニューラルネットワークNNの入力層32の出力値Xi(i=1〜6)が算出される(S124)。また、入力層32の出力値Xiと、操舵ECU20の記憶装置に記憶されている結合係数ω1iおよび閾値θ1iとを用いて上記(2)式の演算が実行され、ニューラルネットワークNNの中間層33の出力値Yj(j=1〜m)が算出される(S126)。そして、中間層33の出力値Yjと、操舵ECU20の記憶装置に記憶されている結合係数ω2iおよび閾値θ2とを用いて上記(3)式の演算が実行され、それにより算出されたニューラルネットワークNNの出力層34の出力値Zが演算処理部40に出力されることになる(S128)。
上述のように、結合係数ω0i,ω1ij,ω2jおよび閾値θ0i,θ1j,θ2は、上記学習モードにおいて走行路のカント状態を車速V、横加速度G、操舵角θf、操舵トルクT、ヨーレートδおよび走行レーン情報Lに基づいて学習した結果を示すものである。従って、ニューラルネットワーク演算の出力値Zは、例えば車両1が3車線道路の右レーンを走行している場合、走行路面のカント角がθrであることを示すものとなり、車両1が3車線道路の中央レーンを走行している場合、走行路面のカント角がθcであることを示すものとなり、車両1が3車線道路の左レーンを走行している場合、走行路面のカント角がθlであることを示すものとなる。この際、本実施形態では、上述のように高精度な学習が予め実行されていることから、車両1が何れのレーンを走行していたとしても、また、レーン変更がなされたとしても、ニューラルネットワーク演算に際して走行路のカント状態を精度よく速やかに判定することが可能となる。
S12のニューラルネットワーク演算処理が終了すると、演算処理部40は、カント状態判定部30のニューラルネットワークNNの出力値Zに基づいて、車両1が直進する際の偏向を抑制するための制御量の算出を開始する。この場合、演算処理部40は、まず、操舵ECU20の記憶装置に格納されている図6および図7に例示されるようなマップを用いて、車速Vに対応した所定の係数K,Kを定める(S14)。更に、演算処理部40は、図6および図7に例示されるマップと同様に操舵ECU20の記憶装置に格納されているマップ(図8参照)を用いて、カント状態判定部30の出力値Zに対応した補正値Azを定める(S16)。演算処理部40は、係数K,Kおよび補正値Azを定めると、演算処理部40は、S10にて取得された操舵角θfおよびヨーレートδと、係数K1,K2および補正値Azとを用いて次の(10)式の演算を実行し、車両1が直進する際の偏向を抑制するために必要とされる補助操舵量である目標補助操舵角θ*を算出する(S18)。
[数8]
θ*=K・θf+K・δ+Az…(10)
目標補助操舵角θ*を算出すると、演算処理部40は、当該目標補助操舵角θ*を示す制御信号を生成して伝達比可変機構16に与える(S20)。当該制御信号を受け取ると、伝達比可変機構16のアクチュエータ16aは、目標補助操舵角θ*の絶対値に対応した角度だけラック15を右または左に変位させるべく作動する。これにより、車両1がカント路を走行している場合、伝達比可変機構16によって各操舵輪2Lおよび2Rがカントによる影響を打ち消すように、すなわち、操舵トルクを低減させるように補助操舵されるので、車両1は、ドライバーの補正操舵無しでも良好に直進するようになる。このように、本実施形態によれば、カント状態判定部30によって精度よく判定された走行路のカント状態から、走行路のカントに起因する車両1の偏向を抑制するための補正操舵量を精度よく算出することができるので、車両1が何れのレーンを走行していたとしても、また、レーン変更がなされたとしても、その都度、車両1の偏向を良好に抑制することが可能となる。
なお、本実施形態では、ナビゲーションシステム28を用いて車両1の走行レーン情報を取得しているが、これに限られるものではない。すなわち、車両1の走行レーン情報は、車両1の前部に設けられたレーダユニットや撮像ユニットを用いて取得してもよい。また、カント状態判定部30のニューラルネットワークNNに対して、走行レーン情報以外の環境情報を入力するようにしてもよい。この場合、ナビゲーションシステム等を用いて、例えば直線が500m以上続く旨あるいは直線が2km以上続く旨等の車両1周辺の走行路情報を取得し、カント状態判定部30のニューラルネットワークNNに入力するとよい。カント状態判定部30のニューラルネットワークNNにこのような環境情報を入力することにより、誤差逆伝搬学習時の学習精度と、ニューラルネットワーク演算に際しての演算精度および演算速度とをより一層向上させることが可能となる。更に、上述のような補助操舵は、伝達比可変機構16の代わりに、電動アシストユニット17や各操舵輪を独立操舵するためのアクチュエータを用いて実行してもよく、後輪操舵装置が設けられている場合には、当該後輪操舵装置を用いて実行してもよい。
〔第2実施形態〕
以下、図9および図10を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る車両制御装置について説明する。なお、上述の第1実施形態に関連して説明されたものと同一の要素には同一の参照符号が付され、重複する説明は省略される。
図9は、本発明の第2実施形態に係る車両制御装置が適用された車両を説明するための制御ブロック図である。同図に示されるように、本実施形態に係る車両1Aは、車高調整可能に構成されており、右前輪FR、左前輪FL、右後輪RRおよび左後輪LRごとに、図示されないショックアブソーバの減衰力を変化させるためのFRサスペンションコントロールアクチュエータ51FR、FLサスペンションコントロールアクチュエータ51FL、RRサスペンションコントロールアクチュエータ51RR、およびRLサスペンションコントロールアクチュエータ51RLを備えている。
また、車両1Aは、右前輪FR、左前輪FL、右後輪RRおよび左後輪LRごとに、FR車高センサ52FR、FL車高センサ52FL、RR車高センサ52RR、およびRL車高センサ52RLを備えている。更に、車両1Aには、前輪側ソレノイドエアバルブ、後輪側ソレノイドエアバルブ、排気ソレノイドエアバルブといったバルブ群53や、圧縮機およびモータを含むコンプレッサASSY54等が設けられている。これらの機器は、図9に示されるように、サスペンションECU50によりそれぞれ制御される。
サスペンションECU50も、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、入出力インターフェース、データを書き換え可能な記憶装置等を備えるものである。サスペンションECU50の入出力インターフェースには、操舵角センサ21、操舵トルクセンサ22、車輪速センサ25、横Gセンサ26、ヨーレートセンサ27およびナビゲーションシステム28が接続されている。そして、本実施形態では、サスペンションECU50に上述のカント状態判定部30および演算処理部40が組み込まれている。
車両制御装置としてのサスペンションECU50(カント状態判定部30および演算処理部40)は、図10に示されるルーチンを実行し、ニューラルネットワーク演算によって走行路のカント状態を判定すると共に、判定結果に応じて各車輪FR,FL,RR,RLに対応する位置の車高HFR,HFL,HRR,HRLを調整する。
すなわち、図10のルーチンの実行タイミングになると、車輪速センサ25、横Gセンサ26、操舵角センサ21、操舵トルクセンサ22、ヨーレートセンサ27およびナビゲーションシステム28により、車速V、横加速度G、操舵角θf、操舵トルクT、ヨーレートδおよび走行レーン情報Lが取得されると共に、各車高センサ52FR〜RLにより各車輪FR〜RLに対応した位置の車高HFR,HFL,HRR,HRLが取得される(S30)。引き続いて、カント状態判定部30により第1実施形態と同様の手順によりニューラルネットワーク演算処理(S32)が実行され、ニューラルネットワークNNの出力値Zが演算処理部40に与えられる。
S32のニューラルネットワーク演算処理が終了すると、演算処理部40は、カント状態判定部30のニューラルネットワークNNの出力値Zに基づいて、車両1Aが直進する際の偏向を抑制するための制御量の算出を開始する。この場合、演算処理部40は、まず、操舵ECU20の記憶装置に格納されているマップを用いて、車速Vに対応した所定の係数K,Kを定める(S34)。更に、演算処理部40は、同様に記憶装置に格納されている他のマップを用いて、カント状態判定部30の出力値Zに対応した補正値Azを定める(S36)。演算処理部40は、係数K,Kおよび補正値Azを定めると、右前輪FR、右後輪RR、左前輪FLおよび左後輪RLの目標車高HFR*,HRR*,HFL*およびHRL*を次の(11)〜(14)式に従って定める(S38)。
[数9]
HFR*=K・θf+K・δ+Az…(11)
[数10]
HRR*=K・θf+K・δ+Az…(12)
[数11]
HFL*=−HFR*…(13)
[数12]
HRL*=−HRR*…(14)
そして、演算処理部40は、目標車高HFR*,HFL*,HRR*,HRL*から、S30にて取得された車高HFR,HFL,HRR,HRLをそれぞれ減算した偏差HFR*−HFR,HFL*−HFL,HRR*−HRR,HRL*−HRLを示す制御信号を各アクチュエータ51FR,51FL,51RR,51RLに与える(S40)。各アクチュエータ51FR,51FL,51RR,51RLは、それぞれに対応する偏差HFR*−HFR,HFL*−HFL,HRR*−HRR,HRL*−HRLに応じた量だけ車輪FR,FL,RR,RLの位置の車高を変位させる。これにより、車輪FR,FL,RR,RLの位置における車高は、それぞれ目標車高HFR*,HFL*,HRR*,HRL*に設定される。
この結果、車両1Aがカント路を走行している場合、各アクチュエータ51FR〜51RLの作用により、路面に対して逆向きのカントをつけるように車両1Aの車高が調整されることになるので、車両1Aは、ドライバーの補正操舵無しでも良好に直進するようになる。このように、本実施形態によっても、カント状態判定部30によって精度よく判定された走行路のカント状態から、走行路のカントに起因する車両1Aの偏向を抑制するための各車輪位置における目標車高を精度よく算出することができるので、車両1Aが何れのレーンを走行していたとしても、また、レーン変更がなされたとしても、その都度、車両1Aの偏向を良好に抑制することが可能となる。
なお、本実施形態においても、車両1Aの走行レーン情報は、車両1の前部に設けられたレーダユニットや撮像ユニットを用いて取得してもよい。また、カント状態判定部30のニューラルネットワークNNに対して、走行レーン情報以外の環境情報を入力するようにしてもよい。
本発明の第1実施形態に係る車両制御装置が適用された車両の要部を示す概略構成図である。 図1の車両に設けられた操舵ECUのカント状態判定部を示す機能ブロック図である。 3車線道路における路面のカント状態を説明するための模式図である。 図1の車両に設けられた操舵ECUのカント状態判定部および演算処理部の動作を説明するためのフローチャートである。 図1の車両に設けられた操舵ECUによるニューラルネットワーク演算処理の手順を説明するためのフローチャートである。 車両の車速と、車両直進時の偏向を抑制するための制御量を算出する際に用いられる係数との相関を例示する特性図である。 車両の車速と、車両直進時の偏向を抑制するための制御量を算出する際に用いられる係数との相関を例示する特性図である。 ニューラルネットワーク演算による出力値に対する補正値を説明するための特性図である。 本発明の第2実施形態に係る車両制御装置が適用された車両の制御ブロック図である。 図9の車両に設けられたサスペンションECUのカント状態判定部および演算処理部の動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1,1A 車両、2L,2R 操舵輪、3 ディスクロータ、4 ナックル、5 ナックルアーム、6 ブレーキキャリパ、10 車両操舵装置、11 操舵ハンドル、12 ステアリングシャフト、14 操舵ギヤボックス、15 ラック、16 伝達比可変機構、16a アクチュエータ、17 電動アシストユニット、18 モータ、19 タイロッド、20 操舵ECU、21 操舵角センサ、22 操舵トルクセンサ、23 作動角センサ、24 EPSトルクセンサ、25 車輪速センサ、26 横Gセンサ、27 ヨーレートセンサ、28 ナビゲーションシステム、30 カント状態判定部、31、平均演算器、32 入力層、33 中間層、34 出力層、35 減算器、40 演算処理部、50 サスペンションECU、51FR、51FL,51RR,51RL サスペンションコントロールアクチュエータ、52FR,52FL,52RR,52RL 車高センサ、53 バルブ群、54 コンプレッサASSY。

Claims (6)

  1. 車両の走行状態を制御するための車両制御装置であって、
    前記車両の車速を検出する車速検出手段と、
    前記車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    前記車両の操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、
    少なくとも前記車両の走行レーンを示す情報を含む走行環境情報を取得する環境情報取得手段と、
    前記各手段により検出された車速、横加速度、操舵状態および走行環境情報と、少なくとも前記車両の走行レーンに関連付けられた教師信号とに基づいて前記車両の走行路のカント状態を学習すると共に、車速、横加速度、操舵状態および走行環境情報に基づいて学習結果を用いたニューラルネットワーク演算を行い、前記車両の走行路のカント状態を判定するカント状態判定手段とを備えることを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記教師信号は、前記車両の走行レーンに応じて変化させられることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記カント状態判定手段の判定結果に基づいて、前記車両が直進する際の偏向を抑制するための制御量を算出する車両偏向抑制手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の車両制御装置。
  4. 前記車両偏向抑制手段は、前記カント状態判定手段の判定結果に基づいて、前記車両に設けられている操舵装置の補助操舵量を前記制御量として算出することを特徴とする請求項3に記載の車両制御装置。
  5. 前記車両偏向抑制手段は、前記カント状態判定手段の判定結果に基づいて、前記車両の各車輪位置における目標車高を前記制御量として算出することを特徴とする請求項3に記載の車両制御装置。
  6. 車両の走行路のカント状態を判定するカント状態判定方法であって、
    前記車両の車速、横加速度、操舵状態、および少なくとも前記車両の走行レーン情報を含む走行環境情報と、少なくとも前記車両の走行レーンに関連付けられた教師信号とをニューラルネットワークに与えて前記車両の走行路のカント状態を学習させる学習ステップと、
    前記ニューラルネットワークに前記車両の車速、横加速度、操舵状態および走行環境情報を与えて学習結果を用いたニューラルネットワーク演算を実行させることにより前記車両の走行路のカント状態を判定する判定ステップとを含み、
    学習ステップでは、前記車両の走行レーンに応じて教師信号を変化させることを特徴とするカント状態判定方法。
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