JP2009067375A - 車両の操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】その都度の車両の走行シーンにおいて、ステアバイワイヤ式ならではの理想的な操舵反力をステアリングホイールに対し付与することのできる車両の操舵装置を提供する。
【解決手段】ステアバイワイヤ式の操舵装置では、ステアリングホイール11の操舵に伴い、反力アクチュエータ15を通じて車両の状態に応じた相応の操舵反力をステアリングホイール11に付与する。この操舵装置では特に、センサ13,14,21〜23により検出される車両状態量の時系列的なデータを入力情報として隠れマルコフモデルの推定アルゴリズムを用いてそれら車両状態量の時系列的なデータに見合う車両の状態を各々走行シーンとして推定する。そして、この推定される走行シーンを単位としてステアリングホイール11の操作量に応じた操舵反力を同ステアリングホイール11に付与する。
【選択図】図1
【解決手段】ステアバイワイヤ式の操舵装置では、ステアリングホイール11の操舵に伴い、反力アクチュエータ15を通じて車両の状態に応じた相応の操舵反力をステアリングホイール11に付与する。この操舵装置では特に、センサ13,14,21〜23により検出される車両状態量の時系列的なデータを入力情報として隠れマルコフモデルの推定アルゴリズムを用いてそれら車両状態量の時系列的なデータに見合う車両の状態を各々走行シーンとして推定する。そして、この推定される走行シーンを単位としてステアリングホイール11の操作量に応じた操舵反力を同ステアリングホイール11に付与する。
【選択図】図1
Description
本発明は車両の操舵装置に関し、特の車両のステアリングホイールと操舵輪との機械的な連結を排除したステアバイワイヤ式の操舵装置に関する。
運転者により操作されるステアリングホイールと車両の操舵輪との間の機械的な連結を排除した上で、ステアリングホイールの操舵角等をセンサにより検出し、この検出される操舵角等に基づいて操舵輪を転蛇させるようにした、いわゆるステアバイワイヤ式の操舵装置が周知である。車両の操舵装置としてこうしたステアバイワイヤ式の操舵装置を採用することで、車室内のステアリングホイールの位置や角度を自由に変更することが可能になるなど、車両設計の自由度を大きく高めることができるようになる。そして従来、この種の操舵装置としては、例えば特許文献1に記載の装置がある。
この特許文献1に記載の操舵装置にも見られるように、こうしたステアバイワイヤ式の操舵装置にあっては通常、ステアリングホイールに操舵方向と逆方向の力を付与する反力アクチュエータを設け、この反力アクチュエータを通じて、路面状態や車両の走行状態に応じた操舵反力をステアリングホイールに付与するようにしている。そして、同文献1に記載の操舵装置では特に、
・操舵アクチュエータとしての電動モータと駆動車輪とを連結するタイロッドの変位量、車両の速度、及びステアリングホイールの操舵角をパラメータとした所定の演算式から上記ステアリングホイールに付与すべき操舵反力を算出する。
・この算出した操舵反力を上記反力アクチュエータを通じてステアリングホイールに付与する。
といった手法を採用して、上記路面状態や車両の走行状態に応じたステアリングホイールの操舵感覚を再現するようにしている。これにより、ステアバイワイヤ式とはいえ、ステアリングホイールと車両の操舵輪とが機械的に連結された、いわゆるリンク式の操舵装置に近い操舵感覚が得られるようになり、ステアリングホイールを操作する運転者にとっても、その違和感等は好適に解消されるようになる。
特開平10−226346号公報
・操舵アクチュエータとしての電動モータと駆動車輪とを連結するタイロッドの変位量、車両の速度、及びステアリングホイールの操舵角をパラメータとした所定の演算式から上記ステアリングホイールに付与すべき操舵反力を算出する。
・この算出した操舵反力を上記反力アクチュエータを通じてステアリングホイールに付与する。
といった手法を採用して、上記路面状態や車両の走行状態に応じたステアリングホイールの操舵感覚を再現するようにしている。これにより、ステアバイワイヤ式とはいえ、ステアリングホイールと車両の操舵輪とが機械的に連結された、いわゆるリンク式の操舵装置に近い操舵感覚が得られるようになり、ステアリングホイールを操作する運転者にとっても、その違和感等は好適に解消されるようになる。
ところで、こうしたステアバイワイヤ式の操舵装置にあっては、ステアリングホイールの操舵感覚を上記リンク式の操舵装置の操舵感覚にいかに近づけるかといった観点がこれまでの主流の一つとはなっているものの、こうした操舵感覚の確保を厳格に追いすぎると、新たに次のような不都合も無視できないものとなる。
すなわち、ステアバイワイヤ式の操舵装置として上記特許文献1に記載の装置も含めた従来の操舵装置では、車両の走行状態はもとより、走行中の路面状態についてもその変化を正確に捉えてこれをステアリングホイールの操舵感覚に反映させようとすることから、例えば悪路での、いわゆる「ハンドルがとられる」といった現象まで再現されかねない。これは極端な例としても、そもそも狙いが上記リンク式の操舵装置におけるステアリングホイールの操舵感覚である以上、少なからずこうした傾向にて上記操舵反力の付与が行われることは避けられない。そしてこのことが、本来であれば操舵反力を自由に設定することの可能なステアバイワイヤ式の操舵装置としての新たな課題となっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、その都度の車両の走行シーンにおいて、ステアバイワイヤ式ならではの理想的な操舵反力をステアリングホイールに対し付与することのできる車両の操舵装置を提供することにある。
以下、課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、車両の操舵輪との機械的な連結が排除されたステアリングホイールにその操舵方向と逆向きの力を操舵反力として付与する反力アクチュエータを備え、ステアリングホイールの操舵に伴い、前記反力アクチュエータを通じて車両の状態に応じた相応の操舵反力を前記ステアリングホイールに対し付与する車両の操舵装置において、前記車両の状態としてその都度検出される車両状態量の時系列的な状況推移を示す情報のまとまりからそれら状況推移に見合う車両の状態を各々走行シーンとして推定し、この推定される走行シーンを単位として前記操舵されるステアリングホイールの操作量に対応した操舵反力を付与するようにしたことを要旨としている。
請求項1に記載の発明は、車両の操舵輪との機械的な連結が排除されたステアリングホイールにその操舵方向と逆向きの力を操舵反力として付与する反力アクチュエータを備え、ステアリングホイールの操舵に伴い、前記反力アクチュエータを通じて車両の状態に応じた相応の操舵反力を前記ステアリングホイールに対し付与する車両の操舵装置において、前記車両の状態としてその都度検出される車両状態量の時系列的な状況推移を示す情報のまとまりからそれら状況推移に見合う車両の状態を各々走行シーンとして推定し、この推定される走行シーンを単位として前記操舵されるステアリングホイールの操作量に対応した操舵反力を付与するようにしたことを要旨としている。
車両の状態としてその都度検出される車両状態量の時系列的な状況推移を示す情報のまとまりからそれら状況推移に見合う車両の状態として各々推定される走行シーンには、車両の走行状態はもとより、運転者の意思や車両のおかれる環境等が経験的に反映されることとなる。したがって、このような走行シーンを単位として、操舵されるステアリングホイールの操舵量に対応した操舵反力を付与するようにした上記構成によれば、推定される走行シーンの別に、各同一の走行シーンについてはステアリングホイールの操作量に応じた同一傾向の操舵反力が付与されるようになる。すなわち、その都度の走行シーンさえ推定されれば、路面状態等が過敏に反映されることのない安定した操舵反力がステアリングホイールに対して付与されるようになるなど、ステアバイワイヤ式ならではの理想的な操舵反力の設定が可能となる。しかも、操舵装置としての同構成によれば、走行シーン別の操舵反力設定にかかる自由度も高い。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の操舵装置において、前記走行シーンの推定が、前記検出される車両状態量及び前記ステアリングホイールの操舵情報の時系列的な状況推移を入力情報とする隠れマルコフモデルの推定アルゴリズムによる状態遷移の推定として行われることを要旨としている。
車両状態量やステアリングホイールの操舵情報は、例えばセンサ等により直接検出することが可能であるが、上述した運転者の意思や車両のおかれる環境等が経験的に反映された走行シーンとなると、これを直接検出することは難しい。ただし、直接検出することの可能な情報群の時系列的な状況推移が得られれば、例えば隠れマルコフモデルの推定アルゴリズムからこうした走行シーンを推定することは可能である。しかも、この隠れマルコフモデルの推定アルゴリズムでは、上記情報群の時系列的な状況推移に基づく予めの学習により、その推定精度も高く維持される。したがって、同構成によるように、隠れマルコフモデルの推定アルゴリズムを利用して上記走行シーンを推定するようにすれば、車両の走行状態はもとより、運転者の意思や車両のおかれる環境等が経験的に反映された走行シーンについてもこれを高い精度で推定することができるようになる。ちなみにこの隠れマルコフモデルでは、上記車両状態量の時系列的な状況推移を入力情報とし、それに基づいて各々の走行シーンが出力される確率を算出し、そのうち最も確率の高い走行シーンが上記推定される走行シーンとして選択される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両の操舵装置において、前記車両の状態に応じた相応の操舵反力を前記ステアリングホイールに対し付与するに際し、前記反力アクチュエータから前記ステアリングホイールに付与すべき目標トルクの値を、前記ステアリングホイールの操舵角の値に比例するばね項と、前記ステアリングホイールの操舵角速度の値に比例する粘性項と、前記ステアリングホイールの操舵角加速度の値に比例する慣性項と、前記ステアリングホイールの操舵に伴い同ステアリングホイールに付与される操舵力に基づくトルクの絶対値が同ステアリングホイールの静摩擦トルクの値よりも小さいときには同操舵力に基づくトルクの値に比例する値に設定されるとともに同操舵力に基づくトルクの絶対値が前記静摩擦トルクの値以上のときには静摩擦トルクの値に設定される摩擦トルク項との総和から算出し、前記ばね項の比例定数であるばね係数、前記粘性項の比例定数である粘性係数、前記慣性項の比例定数である慣性係数、及び前記静摩擦トルクの値が、前記走行シーン毎に各別に設定されることを要旨としている。
従来一般に採用されているリンク式の操舵装置のステアリングホイールを操作する際に運転者が感じる操舵感は、大きくは、ばね感、粘性感、慣性感、及び摩擦感といった感覚成分に分類することができる。したがって、同構成によるように、反力アクチュエータからステアリングホイールに付与すべき目標トルクの値を、これら各感覚成分に対応したばね項、粘性項、慣性項、及び摩擦トルク項の各項の総和から算出するとともに、これら各項の係数、あるいは静摩擦トルクの値を走行シーン毎に設定するようにすれば、各走行シーンに対応した適切な操舵感を運転者に提供することができるようになる。また、所定の走行シーンの操舵感を調整しようとする際、例えば、ばね感を調整しようとする際にはばね係数を変更するといったように、感覚成分毎に個別に調整することが可能であるため、操舵感の調整も容易となる。ちなみにここでは、ステアリングホイールの静摩擦トルクと動摩擦トルクとがほぼ等しいと近似している。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両の操舵装置において、前記車両の状態に応じた相応の操舵反力を前記ステアリングホイールに対し付与するに際し、前記反力アクチュエータから前記ステアリングホイールに付与すべき目標トルクの値を、
a.前記ステアリングホイールの操舵角の値に比例するばね項。及び、
b.前記ステアリングホイールの操舵角速度の値に比例する粘性項。及び、
c.前記ステアリングホイールの操舵角加速度の値に比例する慣性項。及び、
d.前記ばね項に対応するトルク、前記粘性項に対応するトルク、前記慣性項に対応するトルク、及び前記ステアリングホイールの操舵に伴い同ステアリングホイールに付与される操舵力に基づくトルクの加算値の絶対値が同ステアリングホイールの静摩擦トルクの値よりも小さいときには同加算値に比例する値に設定されるとともに同加算値の絶対値が前記静摩擦トルクの値以上のときには静摩擦トルクの値に設定される摩擦トルク項。
の総和から算出し、前記ばね項の比例定数であるばね係数、前記粘性項の比例定数である粘性係数、前記慣性項の比例定数である慣性係数、及び前記静摩擦トルクの値が、前記走行シーン毎に各別に設定されることを要旨としている。
a.前記ステアリングホイールの操舵角の値に比例するばね項。及び、
b.前記ステアリングホイールの操舵角速度の値に比例する粘性項。及び、
c.前記ステアリングホイールの操舵角加速度の値に比例する慣性項。及び、
d.前記ばね項に対応するトルク、前記粘性項に対応するトルク、前記慣性項に対応するトルク、及び前記ステアリングホイールの操舵に伴い同ステアリングホイールに付与される操舵力に基づくトルクの加算値の絶対値が同ステアリングホイールの静摩擦トルクの値よりも小さいときには同加算値に比例する値に設定されるとともに同加算値の絶対値が前記静摩擦トルクの値以上のときには静摩擦トルクの値に設定される摩擦トルク項。
の総和から算出し、前記ばね項の比例定数であるばね係数、前記粘性項の比例定数である粘性係数、前記慣性項の比例定数である慣性係数、及び前記静摩擦トルクの値が、前記走行シーン毎に各別に設定されることを要旨としている。
従来一般に採用されているリンク式の操舵装置のステアリングホイールを操作する際に運転者が感じる操舵感のうちの摩擦感は、同ステアリングホイールに付与されるトルクの大きさに基づいて変化する。一方、ステアバイワイヤ式の操舵装置にあっては通常、このステアリングホイールに付与されるトルクが、運転者からステアリングホイールに付与される操舵力に基づくトルク、及び反力アクチュエータからステアリングホイールに付与される操舵反力に基づくトルクの総和となる。したがって、例えば反力アクチュエータからステアリングホイールに付与すべき目標トルクの値をばね項、粘性項、慣性項、及び摩擦トルク項の各項の総和から算出するようにしたステアバイワイヤ式の操舵装置にあっては、より適切なかたちで摩擦感を実現するために、上記操舵力に基づくトルクと上記操舵反力に基づくトルクとの両方の影響が反映されるかたちで摩擦トルク項の値を設定することが望ましい。この点、同構成によるように、ばね項に対応するトルク、粘性項に対応するトルク、慣性項に対応するトルク、及び上記操舵力に基づくトルクの加算値に基づいて摩擦トルク項を設定するようにすれば、操舵力に基づくトルクをはじめ、上記操舵反力に基づくトルクの影響が摩擦トルク項に反映されるようになる。このため、各走行シーンに対応した、より適切なかたちで摩擦トルク項の値を設定することができるようになり、ひいてはより適切な操舵感を運転者に提供することができるようになる。また、同構成によっても、所定の走行シーンの操舵感を調整しようとする際に感覚成分毎に個別に調整することが可能であるため、操舵感の調整も容易となる。ちなみにここでも、ステアリングホイールの静摩擦トルクと動摩擦トルクとがほぼ等しいと近似している。
その都度の車両の走行シーンにおいて、ステアバイワイヤ式ならではの理想的な操舵反力をステアリングホイールに対し付与することができるようになる。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる車両の操舵装置の第1の実施形態について図1〜図9を参照して説明する。はじめに、図1を参照して、この実施形態にかかる操舵装置の概要について説明する。
以下、本発明にかかる車両の操舵装置の第1の実施形態について図1〜図9を参照して説明する。はじめに、図1を参照して、この実施形態にかかる操舵装置の概要について説明する。
同図1に示されるように、ステアバイワイヤ式であるこの操舵装置では、運転者によって操作されるステアリングホイール11と車両の操舵輪31との間の機械的な連結が排除されており、運転者によるステアリングホイール11の操作量がまずは操舵機構10に設けられたセンサを通じて検出される。そして、この検出された操作量や各種車両情報に基づき制御部20を通じて転舵機構30の駆動量が算出され、この算出された駆動量に基づいて操舵輪31が転舵される。
ここで、操舵機構10には、上記ステアリングホイール11にその回転軸としてのステアリングシャフト12が取り付けられるとともに、このステアリングシャフト12にその回転角、すなわちステアリングホイール11の操舵角θを検出するための角度センサ13が設けられている。また、このステアリングシャフト12には、同シャフト12に働くトルク、すなわち運転者がステアリングホイール11に付与した操舵トルクTθを検出するためのトルクセンサ14も設けられている。そして同操舵機構10には、ステアリングシャフト12にステアリングホイール11の操作方向、すなわち回転方向と逆向きのトルクを付与する反力アクチュエータ15が設けられている。そして、この操舵機構10では、ステアリングホイール11が運転者によって操作された際にこの反力アクチュエータ15からステアリングシャフト12にトルクを付与することで、ステアリングホイール11に操舵反力を与えるようにしている。
また、上記制御部20には、当該操舵装置を搭載する車両の運転状態等を検出するための各種センサが設けられている。すなわちここには、車両の速度を検出するための車速センサ21、車両のアクセルペダルの踏み込み量、いわゆるアクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ22、及び車両のブレーキペダルの踏み込み量を検出するためのブレーキストロークセンサ23が設けられている。そして、操舵機構10に設けられている上記角度センサ13、トルクセンサ14をはじめとするこれら各センサ21〜23の検出信号は、マイクロコンピュータを中心に構成されて上記反力アクチュエータ15の各種制御を司る操舵制御装置24と、転舵機構30の各種制御を司る転舵制御装置25とにそれぞれ入力される。このうち、前者の操舵制御装置24は、上記各センサ13,14,21〜23の出力に基づいて車両の走行シーンを推定し、この推定した走行シーンに基づいて操舵機構10の上記反力アクチュエータ15による操舵反力の付与態様を制御する部分である。また、後者の転舵制御装置25は、基本的に上記各センサ13,14,21〜23の出力に基づいて操舵輪31の舵角を求め、この求めた舵角に基づき以下に説明する転舵アクチュエータ32を駆動して操舵輪31を転舵する制御を実行する部分である。
そして、転舵機構30は、上記転舵制御装置25による制御のもとに操舵輪31を実際に転舵する部分であり、この転舵機構30には上記操舵機構10で検出されたステアリングシャフト12の操作量に基づき駆動力を発生する転舵アクチュエータ32が設けられている。この転舵アクチュエータ32は、タイロッド33とナックルアーム34とをそれぞれ介して操舵輪31に連結されており、同転舵アクチュエータ32によるタイロッド33のスライド駆動に基づいて操舵輪31が転舵される。
このように構成される本実施形態の操舵装置において、制御部20を構成する上記操舵制御装置24では、上記各センサ13,14,21〜23の出力に基づき、その都度の車両の走行シーンが、例えば以下の(a1)〜(a13)として便宜的に例示する走行シーンのうちのいずれにあたるかを推定する。
(a1)車両が停車している「停車シーン」。
(a2)停車している状態から加速した「低速時加速シーン」。
(a3)加速して車速が時速10キロメートルに達して直進走行している「低速直進シーン」。
(a4)時速10キロメートルで車線変更した「低速時車線変更シーン」
(a5)時速10キロメートルから減速した「低速時減速シーン」。
(a6)時速10キロメートルから加速した「中速時加速シーン」。
(a7)加速して車速が時速40キロメートルに達して直進走行している「中速直進シーン」。
(a8)時速40キロメートルから減速した「中速時減速シーン」。
(a9)時速40キロメートルから減速して車線変更した「中速時車線変更シーン」。
(a10)時速40キロメートルから加速した「高速時加速シーン」。
(a11)加速して時速が時速80キロメートルに達して直進走行している「高速直進シーン」。
(a12)時速80キロメートルから減速した「高速時減速シーン」。
(a13)時速80キロメートルから減速して車線変更した「高速時車線変更シーン」。
(a1)車両が停車している「停車シーン」。
(a2)停車している状態から加速した「低速時加速シーン」。
(a3)加速して車速が時速10キロメートルに達して直進走行している「低速直進シーン」。
(a4)時速10キロメートルで車線変更した「低速時車線変更シーン」
(a5)時速10キロメートルから減速した「低速時減速シーン」。
(a6)時速10キロメートルから加速した「中速時加速シーン」。
(a7)加速して車速が時速40キロメートルに達して直進走行している「中速直進シーン」。
(a8)時速40キロメートルから減速した「中速時減速シーン」。
(a9)時速40キロメートルから減速して車線変更した「中速時車線変更シーン」。
(a10)時速40キロメートルから加速した「高速時加速シーン」。
(a11)加速して時速が時速80キロメートルに達して直進走行している「高速直進シーン」。
(a12)時速80キロメートルから減速した「高速時減速シーン」。
(a13)時速80キロメートルから減速して車線変更した「高速時車線変更シーン」。
また、この操舵制御装置24では、この走行シーンの推定処理と共に、反力アクチュエータ15からステアリングシャフト12に付与すべき目標トルクの値を算出する目標トルク算出処理を併せて実行する。図2に、この操舵制御装置24を通じて実行されるこれら処理の概要を機能ブロック図として示す。
同図2に示されるように、操舵制御装置24では、上記走行シーンの推定処理に際し、各センサ13,14,21〜23により検出される車両状態量から隠れマルコフモデル(HMM)の推定アルゴリズムにより現在の車両の走行シーンが上記走行シーン(a1)〜(a13)のうちのいずれの走行シーンにあるかを推定する。そして、こうして走行シーンが推定されると、次に目標トルク算出処理を通じて、この推定される走行シーンに対応した目標トルクを算出するための演算式を選定するとともに、この選出した演算式と上記角度センサ13により検出される操舵角θと上記トルクセンサ14により検出される操舵トルクTθとに基づいて目標トルクの値を算出する。この算出された目標トルクの値は反力アクチュエータ15の制御部に伝達され、該制御部ではこの目標トルクの値に基づいて反力アクチュエータ15によりステアリングホイール11に付与する反力(トルク)の大きさを決定する。なお、この反力アクチュエータ15の制御部では、角度センサ13及びトルクセンサ14のそれぞれの出力に基づいて、ステアリングホイール11の過度の回転を抑制する制御、いわゆるフェールセーフ制御も併せて実行している。
ここで、図3を参照して、上記走行シーンを推定するための手法として用いられる上記HMMの推定アルゴリズムについてその概要を説明する。このHMMの推定アルゴリズムは、音声認識等の分野で広く用いられている時系列的なデータのパターン認識手法である。すなわちここでは、予め設定されたモデル間の遷移確率、及び各モデルから観測データが出力される確率(符号出力確率)などを用いて、入力されたデータから各モデルで出力される尤度(出力確率)を算出し、モデル間の出力確率の比較に基づいてパターン認識を行う。本実施形態にかかる操舵装置では、このようなHMMの推定アルゴリズムを車両の走行シーンを推定するための方法として用いるにあたり、図3に示されるように、上記各走行シーン(a1)〜(a13)に対応したモデルM1〜M13に対し、モデルMiからモデルMjへ遷移する確率をaij、モデルMiから車両状態量Yが観測される符号出力確率をbi(Y)と設定した(但し、i,j=1〜13)。ちなみに、このHMMでは、その事前準備として、各モデルM1〜M13から出力される車両状態量Yを予め実験等により測定した上で、その実験結果から上記遷移確率aij及び符号出力確率bi(Y)を、例えばバウムウェルチのアルゴリズムを用いて学習している。このHMMの推定アルゴリズムでは、こうして学習を終えたモデルM1〜M13に対し上記観測データとして上記センサ13,14,21〜23の出力に基づいた車両状態量Yの時系列的なデータを入力することで、各モデルM1〜M13の出力確率が算出され、その中で最も出力確率の高いモデルに対応する走行シーンが上記推定される走行シーンとして出力される。なお、このHMMの推定アルゴリズムでは、最も出力確率の高い走行シーンを求めるためのアルゴリズムとして、例えばビタービのアルゴリズムを用いるようにしている。
次に、図4及び図5を参照して、この隠れマルコフモデルの推定アルゴリズムにより車両の走行シーンが推定される様子について説明する。なお、図4は、車両が中速で直進している状態から低速で直進している状態に変化した際の各種車両状態量の推移の例を、また図5は、車両が中速で直進している状態から低速で車線変更している状態に変化した際の各種車両状態量の推移の例をそれぞれ示している。そして、この隠れマルコフモデルの推定アルゴリズムでは、推定される走行シーンの初期のシーンとして、「中速直進シーン」が選ばれているとする。
例えばいま、車両の走行シーンが「中速直進シーン」であると推定されているときに、上記車両状態量の時系列的なデータとして、この例では、操舵制御装置24の演算周期に対応して図4に示す時刻t0〜t5の6個の時系列的なデータが得られたとする。すなわち、
・車速は、時刻t0で所定速度SPD1であったが、時刻t1から徐々に小さくなり、時刻t4で所定速度SPD2に達し、時刻t4以降は所定速度SPD2に維持されている(図4(a))。
・アクセル開度は、時刻t0で所定開度ACCP1であったが、時刻t1から徐々に小さくなり、時刻t2で「0」となる。その後、時刻t4から徐々に大きくなり、時刻t5で所定開度ACCP2に達する(図4(b))。
・ブレーキペダルの踏み込み量は、時刻t0及びt1では観測されていなかったが、時刻t2から徐々に大きくなり、時刻t3で最大値に達するが、その後徐々に減少して、時刻t4で「0」に達する(図4(c))。
・操舵角及び操舵トルクは共に観測されなかった(図4(d))。
・車速は、時刻t0で所定速度SPD1であったが、時刻t1から徐々に小さくなり、時刻t4で所定速度SPD2に達し、時刻t4以降は所定速度SPD2に維持されている(図4(a))。
・アクセル開度は、時刻t0で所定開度ACCP1であったが、時刻t1から徐々に小さくなり、時刻t2で「0」となる。その後、時刻t4から徐々に大きくなり、時刻t5で所定開度ACCP2に達する(図4(b))。
・ブレーキペダルの踏み込み量は、時刻t0及びt1では観測されていなかったが、時刻t2から徐々に大きくなり、時刻t3で最大値に達するが、その後徐々に減少して、時刻t4で「0」に達する(図4(c))。
・操舵角及び操舵トルクは共に観測されなかった(図4(d))。
そして、隠れマルコフモデルの推定アルゴリズムでは、この時系列的なデータを各モデルM1〜M13に入力することで各モデルM1〜M13の出力確率が算出される。この例では、車両状態量の時系列的なデータに操舵角や操舵トルクの変化がないため、例えば「中速直進シーン」→「中速時減速シーン」→「低速直進シーン」と遷移したときの出力確率が最も高いと算出され、これによって上記推定される走行シーンとして「低速直進シーン」が選定される。
一方、同じく車両の走行シーンが「中速直進シーン」であると推定されているときに、上記車両状態量の時系列的なデータとして、同様に図5に示す時刻t0〜t5の6個の時系列的なデータが得られたとする。すなわち、
・車速,アクセル開度,及びブレーキペダルの踏み込み量は、先の図4(a)〜(c)に示されるデータと同様(図5(a),(b),(c))。
・操舵角は、時刻t2から徐々に大きくなり、時刻t4で所定角度θ1に達する(図5(d))。
・操舵トルクは、同じく時刻t2から徐々に大きくなり、時刻t4で所定トルクTθ1に達する(図5(e))。
・車速,アクセル開度,及びブレーキペダルの踏み込み量は、先の図4(a)〜(c)に示されるデータと同様(図5(a),(b),(c))。
・操舵角は、時刻t2から徐々に大きくなり、時刻t4で所定角度θ1に達する(図5(d))。
・操舵トルクは、同じく時刻t2から徐々に大きくなり、時刻t4で所定トルクTθ1に達する(図5(e))。
そして、隠れマルコフモデルの推定アルゴリズムでは、この時系列的なデータを各モデルM1〜M13に入力することで各モデルM1〜M13の出力確率を算出する。この例では、車速,アクセル開度,及びブレーキペダルの踏み込み量については先の図4に示されるデータと同様であるが、操舵角や操舵トルクに変化があるため、例えば「中速直進シーン」→「中速時減速シーン」→「中速時車線変更シーン」と遷移したときの出力確率が最も高いと算出され、これによって上記推定される走行シーンとして「中速時車線変更シーン」が選定される。
そして図6は、こうしたHMMの推定アルゴリズムにより車両の走行シーンを推定する走行シーン推定処理についてその処理手順を示したものであり、次に、この図6に基づいて上記走行シーンの推定のための具体的手順を説明する。なお、この図6に示す処理は、実際には所定の演算周期をもって繰り返し実行される。
同図6に示されるように、この走行シーン推定処理では、上記各センサ13,14,21〜23により車速やアクセルペダル踏み込み量といった車両状態量を検出するとともに(ステップS100)、操舵制御装置24内のメモリに記憶されている所定時間前までの車両状態量を読み込む(ステップS101)。すなわち、これらステップS100及びS101の処理を通じて、車両状態量についての所定時間前から現在までの時系列的なデータを求める。そして、この車両状態量の時系列的なデータを上記各走行シーン(a1)〜(a13)のうちの所定の走行シーンに対応したモデルへ入力し(ステップS102)、同モデルの出力確率を算出する(ステップS103)。このステップS103の処理の後に、走行シーン(a1)〜(a13)に対応する全てのモデルの出力確率を算出したか否かを判断する(ステップS104)。このとき、未だ出力確率を算出していないモデルがある場合には(ステップS104:NO)、その処理を実行していない走行シーンに対応したモデルについて再びステップS102及びS103の各処理を実行する。こうして全ての走行シーンに対応したモデルについてステップS102及びS103の処理が完了して上記各走行シーンa1〜a13に対応する全てのモデルの出力確率が算出されると(ステップS104:YES)、各走行シーンに対応したモデルのうち、最も出力確率の高いモデルに対応した走行シーンを選定する(ステップS105)。そして、この選定された走行シーンを上記推定される走行シーンとして操舵制御装置24内のメモリに記憶するとともに(ステップS106)、次回以降の処理のために、今回の処理で求められた上記車両状態量を同じく制御装置24内のメモリに記憶し(ステップS107)、この一連の処理を一旦終了する。そして、操舵制御装置24では前述のように、この推定される走行シーンに基づいて目標トルク算出処理を実行する。
この目標トルク算出処理では、従来一般のリンク式の操舵装置のステアリングホイールを操作する際に運転者の感じる操舵感が、大きくは、ばね感、粘性感、慣性感、及び摩擦感といった感覚成分に分類されることに鑑みて、目標トルクを以下の(b1)〜(b4)の各項の総和から算出するようにしている。
(b1)ステアリングホイール11の操舵角θの値に比例するばね項。
(b2)ステアリングホイール11の操舵角速度ωの値に比例する粘性項。
(b3)ステアリングホイール11の操舵角加速度γの値に比例する慣性項。
(b4)図7に示すように、操舵トルクTθの絶対値がステアリングホイール11の静摩擦トルクTfmaxの値よりも小さいときには操舵トルクTθの値に比例する値に設定され、操舵トルクTθの絶対値が静摩擦トルクTfmaxの値以上のときには「Tfmax」あるいは「−Tfmax」の値に設定される摩擦トルク項。
(b1)ステアリングホイール11の操舵角θの値に比例するばね項。
(b2)ステアリングホイール11の操舵角速度ωの値に比例する粘性項。
(b3)ステアリングホイール11の操舵角加速度γの値に比例する慣性項。
(b4)図7に示すように、操舵トルクTθの絶対値がステアリングホイール11の静摩擦トルクTfmaxの値よりも小さいときには操舵トルクTθの値に比例する値に設定され、操舵トルクTθの絶対値が静摩擦トルクTfmaxの値以上のときには「Tfmax」あるいは「−Tfmax」の値に設定される摩擦トルク項。
すなわち、目標トルクをこれらばね項、粘性項、慣性項、及び摩擦項の総和から算出することで、運転者に付与する操舵感を実現するようにしている。ちなみに本実施形態では、ステアリングホイール11の静摩擦トルクTfmaxと動摩擦トルクとがほぼ等しいと近似して上記摩擦トルク項を算出するようにしている。そして、ばね項の比例定数であるばね係数K、粘性項の比例定数である粘性係数C、慣性項の比例定数である慣性係数J、及び摩擦トルク項の上記静摩擦トルクTfmaxを上記各走行シーン(a1)〜(a13)毎に設定することで、これら各走行シーン(a1)〜(a13)に対応した適切な操舵感を実現するようにしている。
以下、図8を参照して、こうした目標トルク算出処理の具体的な処理手順を説明する。なお、この図8に示される処理も実際には所定の演算周期をもって繰り返し実行される。
同図8に示されるように、この目標トルク算出処理ではまず、上記走行シーン推定処理で求められた上記推定される走行シーンを示す情報を上記操舵制御装置24内のメモリから読み込む(ステップS200)。そして、このステップS200に続く処理として、この推定される走行シーンを示す情報に基づき、ばね係数K、粘性係数C、慣性係数J、及び静摩擦トルクTfmaxをマップ演算する(ステップS201)。ここで本実施形態では、操舵制御装置24内のメモリに、走行シーン(a1)〜(a13)と上記各係数K,C,J及び静摩擦トルクTfmaxとの関係が図9に例示するようなマップとして記憶されており、このステップS201の処理では、上記推定される走行シーンを示す情報に基づき、同走行シーンに対応した各係数K,C,J及び静摩擦トルクTfmaxの各値がマップ演算される。続いて、上記角度センサ13及びトルクセンサ14から操舵角θ及び操舵トルクTθを検出し(ステップS202)、その後、ステップS203の処理として、検出された操舵角θ及び同処理の演算周期tから次式(1)及び(2)に基づき、操舵角速度ω、及び操舵角加速度γを求める。
同図8に示されるように、この目標トルク算出処理ではまず、上記走行シーン推定処理で求められた上記推定される走行シーンを示す情報を上記操舵制御装置24内のメモリから読み込む(ステップS200)。そして、このステップS200に続く処理として、この推定される走行シーンを示す情報に基づき、ばね係数K、粘性係数C、慣性係数J、及び静摩擦トルクTfmaxをマップ演算する(ステップS201)。ここで本実施形態では、操舵制御装置24内のメモリに、走行シーン(a1)〜(a13)と上記各係数K,C,J及び静摩擦トルクTfmaxとの関係が図9に例示するようなマップとして記憶されており、このステップS201の処理では、上記推定される走行シーンを示す情報に基づき、同走行シーンに対応した各係数K,C,J及び静摩擦トルクTfmaxの各値がマップ演算される。続いて、上記角度センサ13及びトルクセンサ14から操舵角θ及び操舵トルクTθを検出し(ステップS202)、その後、ステップS203の処理として、検出された操舵角θ及び同処理の演算周期tから次式(1)及び(2)に基づき、操舵角速度ω、及び操舵角加速度γを求める。
ω←(θi−θi−1)/t ・・・(1)
γ←(θi−2θi−1+θi−2)/t2 ・・・(2)
ただし、(i):今回の値
(i−1):前回の値
(i−2):前々回の値
また、ステップS202の処理で検出された操舵トルクTθ、及びステップS201で演算された静摩擦トルクTfmaxから先の図7のグラフに基づき摩擦トルク項Tfの値を設定する(ステップS204)。そして、こうして求められた各係数K,C,J及び摩擦トルク項Tf、並びに操舵角θ、操舵角速度ω、操舵角加速度γから次式(3)に基づいて目標トルクToを算出する(ステップS205)。
γ←(θi−2θi−1+θi−2)/t2 ・・・(2)
ただし、(i):今回の値
(i−1):前回の値
(i−2):前々回の値
また、ステップS202の処理で検出された操舵トルクTθ、及びステップS201で演算された静摩擦トルクTfmaxから先の図7のグラフに基づき摩擦トルク項Tfの値を設定する(ステップS204)。そして、こうして求められた各係数K,C,J及び摩擦トルク項Tf、並びに操舵角θ、操舵角速度ω、操舵角加速度γから次式(3)に基づいて目標トルクToを算出する(ステップS205)。
To←Jγ+Cω+Kθ+Tf ・・・(3)
すなわち、この目標トルク算出処理では、上記推定される走行シーンを単位としてステアリングホイール11の操作量に対応した目標トルクToを算出するようにしている。そして、この算出した目標トルクToに基づいて上記反力アクチュエータ15により付与される操舵力を制御することとしているため、上記推定される走行シーンの別に、各同一の走行シーンについてはステアリングホイール11の操作量に応じた同一傾向の操舵反力がステアリングホイール11に付与されるようになる。
すなわち、この目標トルク算出処理では、上記推定される走行シーンを単位としてステアリングホイール11の操作量に対応した目標トルクToを算出するようにしている。そして、この算出した目標トルクToに基づいて上記反力アクチュエータ15により付与される操舵力を制御することとしているため、上記推定される走行シーンの別に、各同一の走行シーンについてはステアリングホイール11の操作量に応じた同一傾向の操舵反力がステアリングホイール11に付与されるようになる。
以上説明したように、本実施形態かかる車両の操舵装置によれば、以下のような効果が得られるようになる。
(1)走行シーン推定処理を通じてセンサ13,14,21〜23により検出される車速、アクセル開度、及びブレーキペダルの踏み込み量といった車両状態量の時系列的なデータから同時系列的なデータの推移に見合う車両の状態を各々走行シーンとして推定するようにした。また、目標トルク算出処理を通じてこの推定される走行シーンを単位としてステアリングホイール11の操舵量に対応した目標トルクToを算出し、この目標トルクToに基づいて反力アクチュエータ15を駆動制御するようにした。これにより、運転者の意思や車両のおかれる環境等が経験的に反映された走行シーンが車両状態量の時系列的データから推定され、この推定される走行シーンの別に、各同一の走行シーンについてはステアリングホイール11の操作量に応じた同一傾向の操舵反力が付与されるようになる。すなわち、路面状態等が過敏に反映されることのない安定した操舵反力がステアリングホイール11に対して付与されるようになるなど、ステアバイワイヤ式ならではの理想的な操舵反力が設定されるようになる。
(1)走行シーン推定処理を通じてセンサ13,14,21〜23により検出される車速、アクセル開度、及びブレーキペダルの踏み込み量といった車両状態量の時系列的なデータから同時系列的なデータの推移に見合う車両の状態を各々走行シーンとして推定するようにした。また、目標トルク算出処理を通じてこの推定される走行シーンを単位としてステアリングホイール11の操舵量に対応した目標トルクToを算出し、この目標トルクToに基づいて反力アクチュエータ15を駆動制御するようにした。これにより、運転者の意思や車両のおかれる環境等が経験的に反映された走行シーンが車両状態量の時系列的データから推定され、この推定される走行シーンの別に、各同一の走行シーンについてはステアリングホイール11の操作量に応じた同一傾向の操舵反力が付与されるようになる。すなわち、路面状態等が過敏に反映されることのない安定した操舵反力がステアリングホイール11に対して付与されるようになるなど、ステアバイワイヤ式ならではの理想的な操舵反力が設定されるようになる。
(2)車両の走行シーンの推定を、センサ13,14,21〜23により検出される車速、アクセル開度、及びブレーキペダルの踏み込み量といった車両状態量の時系列的なデータを入力情報とする隠れマルコフモデル(HMM)の推定アルゴリズムによる状態遷移の推定として行うようにした。これにより、高い精度で車両の走行シーンを推定することができるようになる。
(3)反力アクチュエータ15からステアリングシャフト12に付与すべき目標トルクの値を、ばね項、粘性項、慣性項、及び摩擦項の総和から算出するとともに、これら各項の比例定数であるばね係数K、粘性係数C、慣性係数Jや静摩擦トルクTfmaxを走行シーン毎に各別に設定するようにした。これにより、各走行シーンに対応した適切な操舵感を運転者に提供することができるようになる。また、所定の走行シーンの操舵感を調整しようとする際には各項に対応した操舵感の別に調整を行えばよく、操舵感の調整も容易となる。
(第2の実施形態)
続いて、本発明にかかる車両の操舵装置の第2の実施形態について、図10及び図11を参照して説明する。
(第2の実施形態)
続いて、本発明にかかる車両の操舵装置の第2の実施形態について、図10及び図11を参照して説明する。
従来一般に採用されているリンク式の操舵装置のステアリングホイールを操作する際に運転者が感じる操舵感のうちの摩擦感は、ステアリングホイールに付与されるトルクの大きさに基づいて変化する。一方、上記第1の実施形態にかかる車両の操舵装置では、ステアリングホイール11に付与されるトルクが、大きくは、運転者からステアリングホイール11に直接付与される操舵力に基づくトルク、及び反力アクチュエータ15からステアリングホイール11に付与される操舵反力に基づくトルクの総和となる。したがって、第1の実施形態にかかる車両の操舵装置のように、操舵力に基づくトルクとしてトルクセンサ14により検出される操舵トルクTθを採用し、この操舵トルクTθのみに基づいて摩擦トルク項Tfの値を設定するといった手法は、上記操舵力に基づくトルクが上記操舵反力に基づくトルクよりも十分に大きいような場合には有効ではある。ただし、車両の走行シーンによっては、例えば上記操舵反力に基づくトルクが上記操舵力に基づくトルクよりも大きくなる場合もあり得る。そして、このような場合に上記操舵トルクTθの値のみに基づいて摩擦トルク項Tfを設定したとすると、摩擦トルク項Tfの値を走行シーンに応じた適切な値に設定することができず、ひいては各走行シーンに応じた適切な摩擦感を運転者に提供することができないおそれがある。したがって、各走行シーンに応じた適切な摩擦感を運転者に提供するためには、上記操舵力に基づくトルクと上記操舵反力に基づくトルクとの両方の影響が反映されるかたちで摩擦トルク項Tfの値を設定することが望ましい。
そこで、本実施形態にかかる操舵装置では、ばね項Kθ、粘性項Cω、慣性項Jγ、及び摩擦トルク項Tfの各項の総和から目標トルクToを算出するようにした場合には、上記操舵反力に基づくトルクとして摩擦トルク項Tfに影響を及ぼす因子は、これら各項のうちの摩擦トルク項Tfを除く各項に対応するトルクの総和となることに着目している。すなわち、本実施形態にかかる操舵装置では、これらばね項Kθ、粘性項Cω、及び慣性項Jγの総和に上記操舵力に基づくトルクとしての操舵トルクTθを加算した値Taに基づいて摩擦トルク項Tfを求めるようにしている。なお、この第2の実施形態も操舵装置としての基本構造は先の図1に示した構造に準ずるものであり、先の図7に対応する図として、摩擦トルク項Tfと上記加算値Taとの関係を示すグラフを図10に示す。
同図10に示されるように、本実施形態では、摩擦トルク項Tfを、
・上記加算値Taの絶対値がステアリングホイール11の静摩擦トルクTfmaxの値よりも小さいときには同加算値Taの値に比例する値に設定する。
・同加算値Taの絶対値が静摩擦トルクTfmaxの値以上のときには「Tfmax」あるいは「−Tfmax」の値に設定する。
といった態様で設定するようにしている。ちなみに本実施形態でも、ステアリングホイール11の静摩擦トルクTfmaxと動摩擦トルクとがほぼ等しいと近似して上記摩擦トルク項Tfを算出する。そして、本実施形態にかかる車両の操舵装置では、上記操舵制御装置24を通じて上記加算値Taから摩擦トルク項Tfを算出し、この算出した摩擦トルク項Tfをはじめ、上記ばね項Kθ、粘性項Cω、及び慣性項Jγに基づき上記目標トルクToを設定する。図11は、先の図8に対応する図として、目標トルク算出処理のフローチャートを示したものである。なお、この図11において、先の図8に示した処理と同一の処理にはそれぞれ同一の符号を付すことにより重複する説明を割愛し、以下では、その両者の相違点を中心に説明する。
・上記加算値Taの絶対値がステアリングホイール11の静摩擦トルクTfmaxの値よりも小さいときには同加算値Taの値に比例する値に設定する。
・同加算値Taの絶対値が静摩擦トルクTfmaxの値以上のときには「Tfmax」あるいは「−Tfmax」の値に設定する。
といった態様で設定するようにしている。ちなみに本実施形態でも、ステアリングホイール11の静摩擦トルクTfmaxと動摩擦トルクとがほぼ等しいと近似して上記摩擦トルク項Tfを算出する。そして、本実施形態にかかる車両の操舵装置では、上記操舵制御装置24を通じて上記加算値Taから摩擦トルク項Tfを算出し、この算出した摩擦トルク項Tfをはじめ、上記ばね項Kθ、粘性項Cω、及び慣性項Jγに基づき上記目標トルクToを設定する。図11は、先の図8に対応する図として、目標トルク算出処理のフローチャートを示したものである。なお、この図11において、先の図8に示した処理と同一の処理にはそれぞれ同一の符号を付すことにより重複する説明を割愛し、以下では、その両者の相違点を中心に説明する。
同図11に示されるように、この目標トルク算出処理では、上記ステップS200〜S203の各処理が実行された後、ステップ303〜S305の各処理が実行される。具体的には、まず、ステップS203に続く処理として、ステップS200〜S203の各処理を通じて求められた各係数K,C,J及び操舵トルクTθ、並びに操舵角θ、操舵角速度ω、操舵角加速度γの各値から、次式(4)に基づいてこれらの加算値Taを算出する(ステップS303)。
Ta←Jγ+Cω+Kθ+Tθ ・・・(4)
そして、この算出された加算値Ta、及びステップS201でマップ演算された静摩擦トルクTfmaxから先の図10のグラフに基づき摩擦トルク項Tfの値を設定し(ステップS304)、この設定された摩擦トルク項Tf等から上記式(3)に基づいて目標トルクToを算出する(ステップS305)。
そして、この算出された加算値Ta、及びステップS201でマップ演算された静摩擦トルクTfmaxから先の図10のグラフに基づき摩擦トルク項Tfの値を設定し(ステップS304)、この設定された摩擦トルク項Tf等から上記式(3)に基づいて目標トルクToを算出する(ステップS305)。
車両の操舵装置としてのこのような構成によれば、車両の状態がどのような走行シーンにあったとしても、摩擦トルク項Tfの値を走行シーンに応じた適切な値に設定することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、先の第1の実施形態による前記(1)〜(3)のそれぞれ効果に加えて以下の効果が得られるようになる。
(4)ばね項Kθ、粘性項Cω、及び慣性項Jγ、並びに操舵トルクTθの加算値Taに基づき摩擦トルク項Tfを設定するようにした。これにより、車両の状態がどのような走行シーンにあったとしても、摩擦トルク項Tfの値を走行シーンに応じた適切な値に設定することができるようになり、ひいては各走行シーンに応じた適切な摩擦感を運転者に提供することができるようになる。
(4)ばね項Kθ、粘性項Cω、及び慣性項Jγ、並びに操舵トルクTθの加算値Taに基づき摩擦トルク項Tfを設定するようにした。これにより、車両の状態がどのような走行シーンにあったとしても、摩擦トルク項Tfの値を走行シーンに応じた適切な値に設定することができるようになり、ひいては各走行シーンに応じた適切な摩擦感を運転者に提供することができるようになる。
(他の実施の形態)
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記各実施形態では、車両の走行シーンを上記(a1)〜(a13)の各シーンに分類するようにしたが、例えば低速走行を主目的とする車両にあっては、車速によってシーンを分ける必要はない。すなわち、このような低速走行を主目的とする車両にあっては、走行シーンを、低速走行に対応した停車シーン、直進シーン、加速シーン、減速シーン、及び車線変更シーンに分類すればよい。
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記各実施形態では、車両の走行シーンを上記(a1)〜(a13)の各シーンに分類するようにしたが、例えば低速走行を主目的とする車両にあっては、車速によってシーンを分ける必要はない。すなわち、このような低速走行を主目的とする車両にあっては、走行シーンを、低速走行に対応した停車シーン、直進シーン、加速シーン、減速シーン、及び車線変更シーンに分類すればよい。
・上記(a1)〜(a13)の各シーンで要求される操舵反力は、例えば車両が走行している道路が一般道路であるのか、あるいは高速道路であるのかといった車両の走行環境によっても異なったものとなる。このため、上記(a1)〜(a13)の各シーンに対し、さらに以下のような(c1)〜(c4)のシーンを各別に設定してもよい。
(c1)車両が一般道路を走行している状況である一般道路走行シーン。
(c2)車両が高速道路を走行している状況である高速道路走行シーン。
(c3)車両が車庫入れのための走行をしている状況である車庫入れ走行シーン。
(c4)車両が坂道を走行している状況である坂道走行シーン。
(c1)車両が一般道路を走行している状況である一般道路走行シーン。
(c2)車両が高速道路を走行している状況である高速道路走行シーン。
(c3)車両が車庫入れのための走行をしている状況である車庫入れ走行シーン。
(c4)車両が坂道を走行している状況である坂道走行シーン。
なお、走行シーンをこのようなシーンに分類した場合であっても、前述のように、例えば低速走行のみを主目的とする車両にあっては、車速によってシーンを分類する必要がないことは言うまでもない。
・上記各実施形態では、反力アクチュエータ15からステアリングシャフト12に付与すべき目標トルクの値をばね項、粘性項、慣性項、及び摩擦項の総和から算出するようにしたが、例えば車両が高速で直進走行しているシーンでは、操舵角加速度γの値に比例する慣性項の絶対値は非常に小さくなるため、慣性項を無視して目標トルクを算出してもよい。すなわち、各走行シーンに応じた上記各項の影響の度合を考慮した適宜の演算式により上記目標トルクを算出してもよい。
・上記各実施形態では、HMMの入力情報として車速、アクセル開度、及びブレーキペダル踏み込み量からなる車両状態量の時系列的なデータを用いるようにしたが、これら車両状態量に加え、車両の前後方向の加速度や横方向の加速度等の車両状態量の時系列的なデータをHMMの入力情報とすることで、より精度の高い走行シーンの推定が可能となる。
(付記)
次に、上記各実施形態及びその変形例から把握できる技術的思想について追記する。
(付記)
次に、上記各実施形態及びその変形例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ)請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両の操舵装置において、前記走行シーンには、車両が停車している状況である停車シーン、車両が直進している状況である直進シーン、車両が加速している状況である加速シーン、車両が減速している状況である減速シーン、及び車両が車線変更の準備をしている状況である車線変更シーンの少なくとも2つ以上のシーンが含まれることを特徴とする車両の操舵装置。ステアリングホイールの操舵感が変化する走行シーンとしては、例えば車両が停車している状況である停車シーン、車両が直進している状況である直進シーン、車両が加速している状況である加速シーン、車両が減速している状況である減速シーン、及び車両が車線変更の準備をしている状況である車線変更シーンといった走行シーンがある。このため、同構成によるように、これら各シーンで異なった操舵反力をステアリングホイールに付与するようにすれば、理想的な操舵反力を実現することができるようになる。
(ロ)付記イに記載の車両の操舵装置において、前記シーンの各々には、車両が一般道路を走行している状況である一般道路走行シーン、車両が高速道路を走行している状況である高速道路走行シーン、車両が車庫入れのための走行をしている状況である車庫入れ走行シーン、及び車両が坂道を走行している状況である坂道走行シーンのそれぞれのシーンに応じた各別のシーンが設定されていることを特徴とする車両の操舵装置。前述のように、車両の走行シーンを、車両が直進している状況である直進シーン、車両が加速している状況である加速シーン等に分類したとしても、これら各シーンで要求される操舵反力は、例えば車両が走行している道路が一般道路であるのか、あるいは高速道路であるのかといった車両の走行環境によっても異なったものとなる。この点、同構成によるように、一般道、高速道路、車庫入れ、及び坂道といった車両の走行環境に応じて各別に操舵反力を設定できるようにすれば、より理想的な操舵反力を実現することができるようになる。
(ハ)付記イ又はロに記載の車両の操舵装置において、前記シーンの各々には、車速に応じた走行シーンが各別に設定されていることを特徴とする車両の操舵装置。上記各シーンで要求される操舵反力は、車両の速度によっても異なる。この点、同構成によるように、車速に応じて操舵反力を設定できるようにすれば、更に理想的な操舵反力を実現することができるようになる。
10…操舵機構、11…ステアリングホイール、12…ステアリングシャフト、13…角度センサ、14…トルクセンサ、15…反力アクチュエータ、20…制御部、21…車速センサ、22…アクセル開度センサ、23…ブレーキストロークセンサ、24…操舵制御装置、25…転舵制御装置、30…転舵機構、31…操舵輪、32…転舵アクチュエータ、33…タイロッド、34…ナックルアーム。
Claims (4)
- 車両の操舵輪との機械的な連結が排除されたステアリングホイールにその操舵方向と逆向きの力を操舵反力として付与する反力アクチュエータを備え、ステアリングホイールの操舵に伴い、前記反力アクチュエータを通じて車両の状態に応じた相応の操舵反力を前記ステアリングホイールに対し付与する車両の操舵装置において、
前記車両の状態としてその都度検出される車両状態量の時系列的な状況推移を示す情報のまとまりからそれら状況推移に見合う車両の状態を各々走行シーンとして推定し、この推定される走行シーンを単位として前記操舵されるステアリングホイールの操作量に対応した操舵反力を付与するようにした
ことを特徴とする車両の操舵装置。 - 前記走行シーンの推定が、前記検出される車両状態量及び前記ステアリングホイールの操舵情報の時系列的な状況推移を入力情報とする隠れマルコフモデルの推定アルゴリズムによる状態遷移の推定として行われる
請求項1に記載の車両の操舵装置。 - 前記車両の状態に応じた相応の操舵反力を前記ステアリングホイールに対し付与するに際し、前記反力アクチュエータから前記ステアリングホイールに付与すべき目標トルクの値を、前記ステアリングホイールの操舵角の値に比例するばね項と、前記ステアリングホイールの操舵角速度の値に比例する粘性項と、前記ステアリングホイールの操舵角加速度の値に比例する慣性項と、前記ステアリングホイールの操舵に伴い同ステアリングホイールに付与される操舵力に基づくトルクの絶対値が同ステアリングホイールの静摩擦トルクの値よりも小さいときには同操舵力に基づくトルクの値に比例する値に設定されるとともに同操舵力に基づくトルクの絶対値が前記静摩擦トルクの値以上のときには静摩擦トルクの値に設定される摩擦トルク項との総和から算出し、前記ばね項の比例定数であるばね係数、前記粘性項の比例定数である粘性係数、前記慣性項の比例定数である慣性係数、及び前記静摩擦トルクの値が、前記走行シーン毎に各別に設定される
請求項1又は2に記載の車両の操舵装置。 - 前記車両の状態に応じた相応の操舵反力を前記ステアリングホイールに対し付与するに際し、前記反力アクチュエータから前記ステアリングホイールに付与すべき目標トルクの値を、
a.前記ステアリングホイールの操舵角の値に比例するばね項。及び、
b.前記ステアリングホイールの操舵角速度の値に比例する粘性項。及び、
c.前記ステアリングホイールの操舵角加速度の値に比例する慣性項。及び、
d.前記ばね項に対応するトルク、前記粘性項に対応するトルク、前記慣性項に対応するトルク、及び前記ステアリングホイールの操舵に伴い同ステアリングホイールに付与される操舵力に基づくトルクの加算値の絶対値が同ステアリングホイールの静摩擦トルクの値よりも小さいときには同加算値に比例する値に設定されるとともに同加算値の絶対値が前記静摩擦トルクの値以上のときには静摩擦トルクの値に設定される摩擦トルク項。
の総和から算出し、前記ばね項の比例定数であるばね係数、前記粘性項の比例定数である粘性係数、前記慣性項の比例定数である慣性係数、及び前記静摩擦トルクの値が、前記走行シーン毎に各別に設定される
請求項1又は2に記載の車両の操舵装置。
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