JP2014000915A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サスペンション機構を備え、ステア・バイ・ワイヤ・システムを搭載した車両用操舵装置において、操作される操舵部材の操舵角と実際のタイヤ角との間で発生する誤差を減少させ、車両の旋回性能と旋回時の操舵感を向上させる。
【解決手段】サスペンション・ストロークなどの車両状態量を取得し、車両状態量の関数としてのタイヤ角補正量を記録しておき、走行中リアルタイムで取得された車両状態量とに基づいてタイヤ角補正量を算出し、このタイヤ角補正量を用いて、操舵角、アクセル操作量、ブレーキ操作量等に基づいて開ループ制御にて算出された目標タイヤ角δ_refを補正する。補正後の目標タイヤ角δ_modを用いて転舵モータMを駆動する。
【選択図】図5

Description

本発明は、操舵部材の操作に基づいて転舵輪を転舵させる車両用操舵装置に関する。
近年、ステアリングホイール等の操舵部材と転舵輪との間の機械的な連結を解き、操舵伝達系の一部を電気的な経路で構成する、いわゆるステア・バイ・ワイヤ・システムを搭載した車両用操舵装置が知られている。
この種の車両用操舵装置では、操舵部材につながった操舵機構と、転舵輪を転舵させるための転舵モータを用いて実際にタイヤを転舵するための転舵機構とが備えられている。転舵機構は、一対の転舵輪の間に、車両本体に対して左右方向に摺動可能に差し渡された転舵軸と、転舵モータとを備え、転舵軸と転舵モータとの間にボールねじ機構又はラック&ピニオン機構が介在した構成になっている。この転舵軸の位置はタイヤ角に対応しているため、転舵軸の移動量を検出する転舵軸の移動量検出装置が設けられている。
車両用操舵装置は、操舵角センサにより検出される操舵角及び車速などに基づき演算された目標タイヤ角と、転舵機構に備えられた転舵軸の移動量検出装置により検出された転舵軸の移動量から推定されるタイヤ角との差をなくすように、転舵モータをフィードバック駆動する。
特開2006-130940号公報
実際のタイヤ角と、転舵軸の移動量検出装置により検出された転舵軸の移動量から推定されるタイヤ角との間には、サスペンションの伸縮(サスペンション・アライメント特性など、一般にはロールステア特性と呼ばれる)や路面からの反力(サスペンション・ブッシュの剛性など、一般にはコンプライアンス・ステアと呼ばれる)の影響により、誤差が発生する。
したがって、車両用操舵装置により推定されたタイヤ角と実際のタイヤ角との間で発生する誤差のため、走行車両にふらつきが生じるなど、車両の旋回性能が不安定になるおそれがある。
本発明は、前述した誤差を減少させることにより、安定な旋回性能が得られる車両用操舵装置を提供しようとするものである。
本発明の車両用操舵装置は、車両用操舵装置として搭載される操舵部材及び操舵角検出手段を有する操舵機構と、転舵アクチュエータを有し前記操舵機構と機械的に非連結の転舵機構と、前記転舵機構によって操向される転舵輪に装着されたタイヤと、アクセル操作量及びブレーキ操作量を検出する操作量検出手段と、前記操舵角検出手段により検出された操舵角並びに前記操作量検出手段により検出されたアクセル操作量及びブレーキ操作量に基づいて、開ループ制御にて目標タイヤ角を演算する演算手段と、補正される前の前記目標タイヤ角を入力とし、前記転舵機構における転舵軸の移動量を検出し、この検出された移動量から推定されるタイヤ角と前記目標タイヤ角との差を減少させるように、前記転舵アクチュエータを駆動する転舵アクチュエータ駆動手段と、車両状態量を取得する車両状態量取得手段と、前記車両状態量の関数としてのタイヤ角補正量を記録した記録手段とを備え、前記車両状態量検出手段により取得された車両状態量に基づいてタイヤ角補正量を算出し、前記演算手段によって、このタイヤ角補正量を用いて前記目標タイヤ角を補正するものである。
前記転舵軸の移動量に対応するタイヤ角は、車両状態量に応じて誤差を含むことがある。そこで本発明では、前記車両状態量の関数としてのタイヤ角補正量を記憶している。そして走行中、車両状態量をリアルタイムで取得して、記憶した車両状態量とタイヤ角補正量との関係から、タイヤ角補正量を算出し、このタイヤ角補正量を用いて、前記演算手段において演算される目標タイヤ角を補正する。
したがって、車両状態量を考慮して補正された、実際に近いタイヤ角に基づいて転舵モータを制御することができるようになり、車両の旋回性能が安定し、安全で快適な操舵感を実現するという優れた効果を奏する。
なお、前記演算手段において目標タイヤ角を開ループにて演算し、タイヤ角補正量を用いて、演算される目標タイヤ角を補正する意味を説明する。従来の閉ループ制御では、運転者の操舵入力に対して目標とする車両挙動(タイヤ角のずれ)を演算するときに、その運転者の操舵入力に対して実際に発生した車両状態量に基づき、目標とする車両挙動とのずれが生じた場合、制御量を演算し、転舵機構を制御する。この場合、車両挙動が発生するまでの時間、及び車両状態量を検出するまでの時間などが生ずることになり、目標値達成の遅れが生じることとなる。そこで、本発明のように車両状態量に基づいて開ループ制御にて目標タイヤ角を演算することとすれば、時間遅れを最小とし速い応答で目標値を反映でき、より運転者の感覚に合った、より良い操縦性(安全性)を実現することができる。
前記車両状態量は、前記転舵輪のサスペンション・ストロークであってもよい。通常、車両にはロールステア特性(サスペンション・ストロークに対するタイヤ角の変化特性)が採用されているので、サスペンション・ストロークを測定すれば、タイヤ角補正量が分かるからである。
前記サスペンション・ストロークを取得するのに、ストロークセンサで直接測定してもよい。
前記車両状態量は、横加速度、前後加速度の中から選ばれる1つ以上であってもよい。車両に加えられるこの車両状態量を検出することにより、車体の挙動が予測できるので、サスペンション・ストロークを直接測定しなくても、サスペンション・ストロークを推定することができる。
本発明の一実施の形態にかかる車両用操舵装置1の概略構成を示す模式図である。 車輪のサスペンション機構の要部を示す模式図である。 四輪車両の一般的に採用されるロールステア特性を示すグラフである。 図4は左旋回時の各タイヤの向きを示す平面図である。 制御装置19の開ループ制御機能を説明するためのブロック図である。 ストロークセンサを用いる構成に代えて、車両の所定個所に各種加速度センサを設けた車両用操舵装置1の概略構成を示す模式図である。 各種センサで検出した各物理量に基づいてサスペンション・ストロークを推定する制御装置19の制御機能を説明するためのブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、本車両用操舵装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2と転舵輪との機械的な連結が解除された、いわゆるステア・バイ・ワイヤ・システムを構成している。転舵輪は前輪、後輪のいずれであってもよい。
操舵部材2は、車体Bに固定されたハウジング11内に収容され回転可能に支持された操舵軸9に連結されている。操舵軸9には、路面等から転舵輪に伝わる反力を算出して操舵反力として操舵部材2に与えるための反力モータ10が取り付けられている。
車両用操舵装置1には、操舵軸9に関連して、操舵部材2の操舵角を検出するための操舵角センサ13が設けられている。これらの操舵部材2、操舵軸9、操舵角センサ13などにより、操舵機構Cが構成される。
このセンサの他に、車速を検出する車速センサ14が設けられている。車速センサ14は、車内LAN(CAN)から取得される車速信号を用いて車速を検出しても良い。さらに、運転者のアクセル操作量を検出する検出回路15と、運転者のブレーキ操作量を検出する検出回路16とが設けられている。 ここで「アクセル操作量」とは、基本的にはアクセルペダルの操作によって達成されるアクセル開度をいうが、これに限定されるものではなく、広くエンジントルクを調節する量(例えば、燃料噴射量、エンジントルク、エンジン回転数)であれば、「アクセル操作量」に含まれるものとする。「ブレーキ操作量」も、基本的にはブレーキペダルの操作によって達成されるブレーキ踏み込み圧をいうが、これに限定されるものではなく、広く制動力を調節する量(例えばブレーキホース圧力)であれば、「ブレーキ操作量」に含まれるものとする。
これらの車載センサないし回路13〜16の各検出信号は、マイクロコンピュータを含む電子制御ユニットで構成される制御装置19に入力されるようになっている。制御装置19には駆動回路20A、駆動回路20Bが接続されており、駆動回路20Bに指令信号を送ることにより反力モータ10を回転駆動するとともに、駆動回路20Aに指令信号を送ることにより後述する転舵モータMを回転駆動する。
一方、車体Bには、転舵軸6を車両本体に対して左右方向に摺動可能に保持するためのハウジング5が設けられている。転舵軸6は、ハウジング5に支持された転舵アクチュエータ4によって、車幅方向の直線運動を行う。
転舵アクチュエータ4は、ブラシレスモータなどの転舵モータMを含んでいる。この転舵モータMの駆動力(出力軸の回転力)は、転舵軸6に関連して設けられた運動変換機構(ボールねじ装置やピニオンラック装置)により、転舵軸6の軸方向の直線運動に変換される。この転舵軸6の直線運動は、転舵軸6の両端に連結されたタイロッド7に伝達され、ナックルアーム8の回動を引き起こす。これにより、ナックルアーム8に支持された転舵輪の操向が達成される。なお“23”は転舵輪の近くに設けられた後述するストロークセンサを示す。
これらの転舵軸6、転舵アクチュエータ4、タイロッド7、ナックルアーム8などにより、転舵輪を転舵するための転舵機構Aが構成される。
制御装置19は、ハウジング5に対する転舵軸6の移動量を検出する機能を有する。例えば、転舵モータMの回転角を時間的に積算し、かつ運動変換機構のギア比を考慮して転舵軸6の移動量を算出し、算出された転舵軸6の移動量に基づいて、転舵輪の転舵角、ひいてはタイヤ角を推定する。ただしタイヤ角推定処理は、転舵モータMの回転角の時間積算方式に限定されるものではなく、たとえばエンコーダなどをハウジング5に設置して転舵軸6の移動量を直接測定するものであってもよい。
なお車両が直進しているときの転舵輪の位置に対応する転舵軸6の位置が、操舵中立位置として設定される。
制御装置19はさらに、操舵角センサ13により検出された操舵角、検出回路15により検出されたアクセル操作量、検出回路16により検出されたブレーキ操作量と、車速センサ14により検出された車速とに基づいて目標タイヤ角δ_refを演算し、転舵軸6の移動量から推定されるタイヤ角δとの差を減少させるように、駆動回路20Aに指令信号を送り転舵モータMを回転駆動することにより、転舵制御動作を行う。
ところで実際のタイヤ角と、転舵軸6の移動量から推定されるタイヤ角との間には、主にサスペンションの伸縮(サスペンション・アライメント特性など、一般にはロールステア特性と呼ばれる)や路面からの反力(サスペンション・ブッシュの剛性など、一般にはコンプライアンス・ステアと呼ばれる)の影響により、誤差が発生する。そこで、制御装置19は、サスペンションの伸縮量を測定し、この伸縮量に基づいて、目標タイヤ角δ_refを補正することとしている。
図2は、車輪のサスペンション機構の要部を示す模式図である。同図は、車体とロアアームとの間に装着されるショックアブソーバ21と、それに懸架されるコイルばね22とを示している。さらにショックアブソーバ21の伸縮方向に沿った相対距離(サスペンション・ストローク)を測定するためのストロークセンサ23が、ショックアブソーバ21の伸縮部分に取り付けられている。このストロークセンサ23の構成は限定されないが、伸縮部分の両対向部を橋渡す剛直なバー又はワイヤー23bと、伸縮部分の両対向部の一方に取り付けられバー又はワイヤーの移動量を計測するポテンショメータ又エンコーダ23aで構成されたものであってもよい。
図3は、四輪車両に採用される一般的なロールステア特性(サスペンション・ストロークに対するタイヤ角の変化)を示すグラフである。横軸はタイヤ角、縦軸はストローク量を示す。図4は左旋回時の各タイヤ3の向きを示す平面図である。図4(a)はタイヤ角の変化のみを描いた図であり、図4(b)はロールステア特性によりタイヤ角が微調整された状態を示す。
車両の旋回によって、前輪の旋回外輪のサスペンション・ストロークは縮み側に変化するが、これを図3の前輪のグラフに適用すれば、サスペンション・ストロークの縮みに応じてタイヤ角は外向きに変化することが分かる。このときのタイヤ角の変化を図4(b)の外向き矢印で示す。後輪の旋回外輪のサスペンション・ストロークも縮み側に変化し、これを図3の後輪のグラフに適用すれば、タイヤ角は内向きに変化することがわかる。このときのタイヤ角の変化を図4(b)の内向き矢印で示す。後輪の旋回内輪のサスペンション・ストロークは伸び側に変化し、これを図3の後輪のグラフに適用すれば、タイヤ角は外向きに変化する。このときのタイヤ角の変化を図4(b)の外向き矢印で示す。
したがって、図3のようなロールステア特性の設定を採用することによって、車両旋回時の安定性を確保することができることが分かる。
本発明の実施形態では、ロールステア特性を不揮発性メモリ27に記録するとともに、図2に示したストロークセンサ23を用いて、各車輪のストローク量を測定し、その測定結果に応じて、転舵輪の目標タイヤ角δ_refを補正する。
図5は、制御装置19の制御機能を説明するためのブロック図である。制御装置19は、(1)操舵角、アクセル操作量、ブレーキ操作量、車速に基づいて目標タイヤ角δ_refを演算する目標タイヤ角演算部24と、(2)ストロークセンサ23で測定されたサスペンション・ストローク量をロールステア特性を用いてタイヤ角の変化に換算し、これを用いて目標タイヤ角δ_refを補正して補正後の目標タイヤ角δ_modを算出するタイヤ角補正演算部25と、(3)タイヤ角補正演算部25によって算出された補正後の目標タイヤ角δ_modを、前述した転舵軸6の移動量に対応するタイヤ角δとの差分に基づいてフィードバック補正して、駆動回路20Aに転舵モータMの駆動信号を送る転舵モータ駆動部26と、(4)ロールステア特性を記録した不揮発性メモリ27とを有している。
前記目標タイヤ角演算部24は、操舵角、アクセル操作量、ブレーキ操作量、車速に基づいて目標タイヤ角δ_refを開ループ演算するものである。この目標タイヤ角に対して、開ループにて車両運動を制御する。この他、発生した車両運動量をフィードバックして用いる閉ループでの車両運動制御手法(ヨーレート・フィードバック制御等)も存在するが、本発明では、車両運動発生前の検出値(操舵角、アクセル操作量、ブレーキ操作量、車速)を用いる点で開ループ制御となる。ただし、タイヤ角相当のステアリングラックの位置制御部は、目標タイヤ角とラック位置検出値の偏差をなくすように閉ループ制御を行っている。
この制御装置19の制御処理によれば、操舵角、アクセル操作量、ブレーキ操作量、車速に基づいて、開ループにて目標タイヤ角δ_refを演算する。一方、ストロークセンサ23によって転舵輪のサスペンション・ストローク量が測定され、その測定値を、不揮発性メモリ27に記録したロールステア特性(図3)に適用することによって、目標タイヤ角δ_refの補正量をタイヤ角補正演算部25で算出する。この場合、目標タイヤ角演算部24から出力される目標タイヤ角δ_refの符号は、操舵中立位置を基準として、操舵部材2を右に回した場合を「+」、左に回した場合を「−」とする。タイヤ角補正演算部25で使用されるタイヤ角補正量も、右側のタイヤが外向く場合を「+」、左側のタイヤが外向く場合を「−」とする。たとえば図3を参照してストロークが50mm縮んだ場合、前輪であれば、タイヤ角を0.5度外向きに補正する必要があるため、+0.5度というタイヤ角補正量が算出される。
このようなタイヤ角補正演算部25での演算により、補正後の目標タイヤ角δ_modが出力される。
なお、タイヤ角補正演算部25は、2つの転舵輪に対してそれぞれ目標タイヤ角δ_refの補正量を出力するので、目標タイヤ角δ_refの補正量は2つになるが、取り扱いやすくするために、各タイヤ角の補正量の例えば平均をとって、この平均値を目標タイヤ角δ_refの補正量として算出し、転舵モータ駆動部26に供給することが好ましい。
補正後の目標タイヤ角δ_modは、転舵モータ駆動部26に供給される。転舵モータ駆動部26において、転舵モータMの回転角が時間的に積算されてモータの回転量が算出され、モータの回転量に基づいて転舵軸6の移動量が算出され、実際のタイヤ角δが算出される。転舵モータ駆動部26は、タイヤ角δが補正後の目標タイヤ角δ_modに近づくように閉ループ制御する。
以上に説明した制御動作により、目標タイヤ角δ_refをサスペンションの伸縮に基づいて補正し、実際のタイヤ角が目標タイヤ角δ_refに近づくように転舵モータを駆動することができるので、安定した車両の旋回性能を実現することができる。
このように、サスペンションの伸縮に基づいて補正する対象が、目標タイヤ角δ_refであるところに、本発明の実施形態の一つの特徴がある。
車両運動量をフィードバックする閉ループでの車両運動制御手法では、外乱に対するロバスト性は高くなるため、例えば路面摩擦の変化等による制御効果の低下は少なくなり、走行環境に応じたパラメータチューニングが容易になるが、車両運動量をフィードバックする点で応答性が低下し、運転者感覚との一体感が損なわれるおそれがある。
本発明の実施形態では、操舵角、アクセル操作量、ブレーキ操作量、車速に基づいて演算された目標タイヤ角δ_refをサスペンションの伸縮に基づいて補正し、開ループにて車両運動を制御する手法を採用することで、応答性を向上させ、運転者感覚に合ったシステム構成が可能となる。
また、本発明の実施形態では次のような効果もある。本発明の目標タイヤ角補正部を有さない車両運動制御を複数の車両に実装する場合、車種ごとにサスペンション・アライメントの変化が異なるため、同様の効果を得るために、目標タイヤ角演算部の基本パラメータ(操舵角、アクセル操作量、ブレーキ操作量、車速に基づいて目標タイヤ角を演算するのに用いられる各種パラメータ)をそれぞれチューニングする必要があり、そのために多くの工数が必要となる。
しかし、本発明のタイヤ角補正演算部を有する車両運動制御を複数の車種に実装する場合、1つの車種(開発車両)で制御効果をチューニングすればよく、基本制御パラメータはそのまま用いて、車種ごとのサスペンションの伸縮に基づいて補正するためのパラメータ(サスペンション・アライメントの設計値)を設定すれば少なくともアライメント変化による車両運動への影響を考慮できるため、チューニング工数を少なくできる。すなわち、1つの車種で確認した基本制御パラメータをある程度の割合で他の車種へ適用できる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。前述した実施形態では、ストロークセンサ23を用いて、各転舵輪のストローク量を測定し、その測定結果に応じてタイヤ角を補正した。しかしストロークセンサ23を用いなくても、車両に加えられる前後加速度及び横加速度を測定して、各加速度の測定値を車両運動モデルに適用して、車両変位(ロール角変化、ピッチ角変化)を算出し、サスペンション・ストロークを推定することもできる。
このため、図2に示したストロークセンサ23を用いる構成に代えて、図6に示すように、車両の所定個所に、車両の前後方向にかかる加速度を検出するセンサである前後加速度センサ32、車両の横方向にかかる加速度を検出するセンサである横加速度センサをそれぞれ設ける。各加速度センサは、例えばセンサ素子の可動部と固定部との間に発生する静電容量の変化を検出することにより、車両の各方向にかかる加速度を検出するものであってもよい。各加速度センサの検出信号は、たとえばスイッチング・ハブを介して車内LAN(CAN)に接続しておけば、制御装置19内のコンピュータで読み取ることができる。
図7は、サスペンション・ストロークを推定するための制御装置19の機能を説明するためのブロック図である。制御装置19は、各加速度に基づいて発生する車両変位が生じるまでの時間遅れを考慮するため、各加速度センサ32,33で検出した前後加速度、横加速度を入力とし、慣性質量、サス剛性、ダンパ粘性等や車両諸元(ホイールベースやトレッド等)パラメータを持つロール・ピッチ運動モデル30を採用している。さらに制御装置19は、車速、操舵角 、アクセル操作量、ブレーキ操作量、前後加速度、横加速度を車両運動モデル30に適用して算出したロール角、ピッチ角を用いてサスペンション・ストロークを推定するサスペンション・ストローク推定部35を備えている。
サスペンション・ストローク推定部は、車両重心点と前車軸との距離Lf、車両重心点と後車軸との距離Lr、ピッチ角αを用いて、Lftanαによりピッチに基づく前サスペンション・ストロークを、Lrtanαによりピッチに基づく後サスペンション・ストロークを算出することができる。また、左右車輪間の距離Lwとロール角βを用いて、(Lw/2)tanβによりロールに基づくサスペンション・ストロークを算出することができる。正味のサスペンション・ストロークは、これらのピッチに基づくサスペンション・ストロークと、ロールに基づくサスペンション・ストロークとの和になる。
このように各加速度センサを車両に搭載していることを条件に、各加速度の測定値に基づいてサスペンション・ストロークを推定することができる。このため、車輪に装着されたショックアブソーバ21にストロークセンサ23を取り付ける必要もなく、ストロークセンサ23からの信号線を配線する必要もなくなる。
以上で本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更を施すことができる。たとえば、本発明が適用される車両は、前輪で操舵する車両のみならず、後輪で操舵するフォークリフトなどの作業車両、前輪及び後輪の四輪で操舵する4WS車両であってもよい。
1…車両用操舵装置、2…操舵部材、3…タイヤ、4…転舵アクチュエータ 、6…転舵軸、13…操舵角センサ、14…車速センサ、15…アクセル操作量検出、16…ブレーキ操作量検出、19…制御装置、23…ストロークセンサ、24…目標タイヤ角演算部、25…タイヤ角補正演算部、26…転舵モータ駆動部、27…不揮発性メモリ、32…前後加速度センサ、33…横加速度センサ 、A…転舵機構、C…操舵機構、M…転舵モータ

Claims (4)

  1. 車両用操舵装置として搭載される操舵部材及び操舵角検出手段を有する操舵機構と、
    転舵アクチュエータを有し前記操舵機構と機械的に非連結の転舵機構と、
    前記転舵機構によって操向される転舵輪に装着されたタイヤと、
    アクセル操作量及びブレーキ操作量を検出する操作量検出手段と、
    前記操舵角検出手段により検出された操舵角並びに前記操作量検出手段により検出されたアクセル操作量及びブレーキ操作量に基づいて、開ループ制御にて目標タイヤ角を演算する演算手段と、
    補正される前の前記目標タイヤ角を入力とし、前記転舵機構における転舵軸の移動量を検出し、この検出された移動量から推定されるタイヤ角と前記目標タイヤ角との差を減少させるように、前記転舵アクチュエータを駆動する転舵アクチュエータ駆動手段と、
    車両状態量を取得する車両状態量取得手段と、
    前記車両状態量の関数としてのタイヤ角補正量を記録した記録手段とを備え、
    前記車両状態量検出手段により取得された車両状態量に基づいてタイヤ角補正量を算出し、前記演算手段によって、このタイヤ角補正量を用いて前記目標タイヤ角を補正する、車両用操舵装置。
  2. 前記車両状態量は、前記転舵輪のサスペンション・ストロークである、請求項1に記載の車両用操舵装置。
  3. 前記サスペンション・ストロークを直接測定するストロークセンサを有する、請求項2に記載の車両用操舵装置。
  4. 前記車両状態量は、横加速度及び前後加速度である、請求項1に記載の車両用操舵装置。
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