JPWO2014126098A1 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2013年2月15日に、日本に出願された特願2013−028158号、特願2013−028159号および特願2013−28160号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本発明に係る空気入りタイヤは、適用リムに装着される空気入りタイヤであって、ビードコアが埋設された左右一対のビード部にはそれぞれ、タイヤ半径方向の内側を向き、前記適用リムのリムベース部によりタイヤ半径方向の内側から支持されるベース面部と、タイヤ幅方向の外側を向き、前記適用リムのリムフランジ部によりタイヤ幅方向の外側から支持される背面部と、前記ベース面部におけるタイヤ幅方向の外側の端部と前記背面部におけるタイヤ半径方向の内側の端部とを連結するヒール部と、が備えられ、前記背面部は、この空気入りタイヤを前記適用リムに装着し、かつこの空気入りタイヤの内圧を大気圧とした無負荷の基準状態で、前記リムフランジ部においてタイヤ幅方向の内側を向く内面上に、またはこの内面よりもタイヤ幅方向の内側に配置され、前記背面部における前記ヒール部との接続部分には、前記基準状態で、タイヤ半径方向に沿って直線状に延びる平坦面部が形成されている。
さらに、背面部におけるヒール部との接続部分に、前記平坦面部が形成されているので、例えばこの接続部分が、タイヤ半径方向の内側から外側に向かうに従い漸次タイヤ幅方向の内側に向けて延びる構成に比べて、この接続部分が、リムフランジ部の内面からタイヤ幅方向に過度に離間するのを抑えることができる。これにより、ビード部が変形するときに、背面部がリムフランジ部に衝突して衝撃力が発生するのを抑制することが可能になり、この空気入りタイヤに適用リムから大きな力が作用するのを効果的に抑えることができる。
ここで背面部が、前記基準状態で、リムフランジ部の内面上に、またはこの内面よりもタイヤ幅方向の内側に配置される。したがって、例えば背面部が、前記基準状態でリムフランジ部の内面に圧接する構成に比べて、空気入りタイヤを適用リムに装着させる過程で前述のようにビード部を復元移動させるときに、背面部がリムフランジ部に突き当たることでビード部の移動が阻害されるのを抑制することができる。これにより、この空気入りタイヤを適用リムに装着させるときに、ビード部をタイヤ幅方向にスムーズに移動させて適用リムに対してビード部を高精度に位置決めすることが可能となる。さらに、ビード部のタイヤ幅方向およびタイヤ半径方向の位置を、このビード部の全周にわたって同等にし易くすることが可能になり、ユニフォミティを向上させることができる。
また、ヒール部とベース面部との連結部、およびヒール部と背面部との連結部がそれぞれ、前記断面視で凸曲線状に形成されているので、ヒール部を、ベース面部および背面部のそれぞれと段差無く滑らかに連結することができる。これにより、ビード部にハンプ部を一層円滑に乗り越えさせることが可能になり、適用リムに対してビード部をより高精度に位置決めすることができる。
図1に示すように、空気入りタイヤ10は、適用リム30に装着される。なお適用リム30とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、ETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARAD MANUAL、TRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.) YEAR BOOK等に、タイヤサイズに応じて規定されたリムをいう。
ハンプ部33は、前記断面視で、タイヤ半径方向Rの外側に向けて凸となるように形成されており、ハンプ部33の表面は、前記断面視で凸曲線状に形成されている。
連結面38は、前記断面視で凹曲線状に形成されている。連結面38は、タイヤ幅方向Hの内側Iから外側Oに向かうに従い漸次タイヤ半径方向Rの外側に向けて延びている。
連結面38は、リムフランジ部32の内面35および支持面34それぞれと段差無く滑らかに連結されている。
左右一対のビード部11にはそれぞれ、ベース面部12と、背面部13と、ヒール部14と、が備えられている。ベース面部12は、タイヤ半径方向Rの内側を向いている。ベース面部12は、リムベース部31によりタイヤ半径方向Rの内側から支持される。背面部13は、タイヤ幅方向Hの外側Oを向いている。背面部13は、リムフランジ部32によりタイヤ幅方向Hの外側Oから支持される。
なお、第2傾斜面19の傾斜角度θ2は、例えば17度以上かつ23度以下などとされていてもよい。さらに、この傾斜角度θ2は20度程度であってもよい。
背面部13において平坦面部20にタイヤ半径方向Rの外側から連なる部分には、前記断面視でタイヤ半径方向Rの内側から外側に向かうに従い漸次タイヤ幅方向Hの外側Oに向かう凹曲線状に延びる凹曲面部21が形成されている。凹曲面部21は、曲線部37上に配置されている。
また、図1に示すような基準状態でも、左右一対のビード部11同士の間隔は、前述の基準間隔となっている。
さらに、背面部13におけるヒール部14との接続部分に、前記平坦面部20が形成されている。したがって、例えばこの接続部分が、タイヤ半径方向Rの内側から外側に向かうに従い漸次タイヤ幅方向Hの内側Iに向けて延びる構成に比べて、この接続部分が、リムフランジ部32の内面35からタイヤ幅方向Hに過度に離間するのを抑えることができる。これにより、ビード部11が変形するときに、背面部13がリムフランジ部32に衝突して衝撃力が発生するのを抑制することが可能になり、この空気入りタイヤ10に適用リム30から大きな力が作用するのを効果的に抑えることができる。
また、ヒール部14とベース面部12との連結部15、およびヒール部14と背面部13との連結部16がそれぞれ、前記断面視で凸曲線状に形成されているので、ヒール部14を、ベース面部12および背面部13のそれぞれと段差無く滑らかに連結することができる。これにより、ビード部11にハンプ部33を一層円滑に乗り越えさせることが可能になり、適用リム30に対してビード部11をより高精度に位置決めすることができる。
例えば、前記実施形態では、背面部13が、前記基準状態で、リムフランジ部32の内面35に沿うようにこの内面35上に配置されるが、これに限られない。例えば、背面部のうち、平坦面部がリムフランジ部の内面上に配置され、凹曲面部がリムフランジ部の内面よりもタイヤ幅方向の内側に配置されてもよい。さらに例えば、背面部が、リムフランジ部の内面に沿うようにこの内面のタイヤ幅方向の内側に配置され、背面部とリムフランジ部の内面とが、タイヤ幅方向に間隔をあけた状態で互いに平行に延びていてもよい。
さらに前記実施形態では、背面部13におけるヒール部14との接続部分に、前記平坦面部20が形成されているが、平坦面部20はなくてもよい。
さらに前記実施形態では、ヒール部14とベース面部12との連結部15、およびヒール部14と背面部13との連結部16はそれぞれ、前記断面視で凸曲線状に形成されているが、これに限られない。
さらにまた、前記実施形態では、ヒール部14が、前記断面視で、タイヤ幅方向Hの内側Iから外側Oに向かうに従い漸次タイヤ半径方向Rの外側に向けて延びる直線状または凹曲線状に形成されているが、これに限られない。
この検証試験では、比較例と、実施例1〜4と、の5つの空気入りタイヤを準備した。
比較例に係る空気入りタイヤでは、図1および図2に示す空気入りタイヤに対し、ベース面部、背面部およびヒール部を異ならせた。比較例に係る空気入りタイヤでは、ヒール部を前記断面視で凸曲面状に膨出させた。また第1傾斜面を、ベース面部においてビードコアに対応する部分のタイヤ幅方向の全長にわたって配設せず、第1傾斜面のタイヤ幅方向の内側の端部を、ビードコアのタイヤ幅方向の中央部とタイヤ幅方向に同等の位置に配置した。さらに前記基準状態で、背面部をリムフランジ部の内面に圧接させた。
実施例2に係る空気入りタイヤとしては、比較例に係る空気入りタイヤのヒール部を、図1および図2に示す空気入りタイヤのヒール部に置換したタイヤを採用した。
実施例3に係る空気入りタイヤとしては、比較例に係る空気入りタイヤのベース面部を、図1および図2に示す空気入りタイヤのベース面部に置換したタイヤを採用した。
実施例4に係る空気入りタイヤとしては、比較例に係る空気入りタイヤの背面部を、図1および図2に示す空気入りタイヤの背面部に置換したタイヤを採用した。
RFVについては、市販(例えば国際計測器株式会社製)の高速ユニフォミティーマシンにより、JATMA YEAR BOOK、ETRTO STANDARAD MANUAL、TRA YEAR BOOK等に、タイヤサイズに応じて規定されたリムに組んで、同様に規定された内圧、荷重にて計測することにより評価した。
ビード部とリムベース部との間のシール性については、規定のリムに組んで、規定の内圧にして、CTスキャン測定機により、タイヤとリムとの間のすきまを計測することにより評価した。
リム組み容易性および乗り心地性については、官能試験により評価した。
結果を表1に示す。
11 ビード部
12 ベース面部
13 背面部
14 ヒール部
15、16 連結部
17 ビードコア
18 第1傾斜面
19 第2傾斜面
20 平坦面部
30 適用リム
31 リムベース部
32 リムフランジ部
35 内面
H タイヤ幅方向
I 内側
O 外側
R タイヤ半径方向
L 仮想基準線
θ1、θ2 傾斜角度
Claims (3)
- 適用リムに装着される空気入りタイヤであって、
ビードコアが埋設された左右一対のビード部にはそれぞれ、
タイヤ半径方向の内側を向き、前記適用リムのリムベース部によりタイヤ半径方向の内側から支持されるベース面部と、
タイヤ幅方向の外側を向き、前記適用リムのリムフランジ部によりタイヤ幅方向の外側から支持される背面部と、
前記ベース面部におけるタイヤ幅方向の外側の端部と前記背面部におけるタイヤ半径方向の内側の端部とを連結するヒール部と、が備えられ、
前記背面部は、この空気入りタイヤを前記適用リムに装着し、かつこの空気入りタイヤの内圧を大気圧とした無負荷の基準状態で、前記リムフランジ部においてタイヤ幅方向の内側を向く内面上に、またはこの内面よりもタイヤ幅方向の内側に配置され、
前記背面部における前記ヒール部との接続部分には、前記基準状態で、タイヤ半径方向に沿って直線状に延びる平坦面部が形成され、
前記ベース面部には、
タイヤ幅方向およびタイヤ半径方向の両方向に沿う断面視で、タイヤ幅方向に沿って延びる仮想基準線に対して傾斜し、タイヤ幅方向の外側から内側に向かうに従いタイヤ半径方向の内側に向けて直線状に延びる第1傾斜面と、
前記第1傾斜面にタイヤ幅方向の内側から連なり、前記断面視で、前記仮想基準線に対して傾斜するとともに、前記仮想基準線に対してなす傾斜角度が、前記第1傾斜面が前記仮想基準線に対してなす傾斜角度よりも大きい第2傾斜面と、が形成され、
前記第1傾斜面は、前記ベース面部のうち、前記ビードコアに対応する部分に、この部分のタイヤ幅方向の全長にわたって配設され、
前記ヒール部は、タイヤ幅方向およびタイヤ半径方向の両方向に沿う断面視で、タイヤ幅方向の内側から外側に向かうに従い漸次タイヤ半径方向の外側に向けて延びる直線状または凹曲線状に形成され、
前記ヒール部と前記ベース面部との連結部、および前記ヒール部と前記背面部との連結部はそれぞれ、前記断面視で凸曲線状に形成され、
前記ビードコアは、前記ヒール部に対してタイヤ幅方向の内側に配置されている空気入りタイヤ。 - 前記断面視において、前記第1傾斜面が前記仮想基準線に対してなす傾斜角度は、6.5度以上かつ12度以下などとされていてもよく、
前記断面視において、前記第2傾斜面が前記仮想基準線に対してなす傾斜角度は、前記第1傾斜面の傾斜角度よりも大きく、前記第2傾斜面の傾斜角度は、17度以上かつ23度以下などとされていてもよい請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 前記ビードコアの前記ヒール部から前記ベース面部までのタイヤ半径方向距離および、前記ビードコアの前記ヒール部から前記背面部までのタイヤ幅方向距離とが、同一、あるいは前記距離の内で短い方が長い方の距離の90%以上である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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