JPWO2014087917A1 - 野菜移植機 - Google Patents

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Abstract

移植後の苗の活着性を向上することを目的とし、乗用型の走行部10の後部に昇降機構30を介して植付部40が装着され、該植付部40はロータリ式またはクランク式の植付爪部70を備え、該植付爪部70の上下方向の回動により苗載台41上に載置したセル苗マット8から一株ずつ植付爪45により切り取り圃場に植え付ける野菜移植機1であって、野菜移植機1には植付時に灌水する灌水装置6が備えられ、該灌水装置6は、走行部10に搭載される灌水用タンク62と、植付部40に設けられ植付タイミングに合わせて灌水タンク62からの水を吐出する灌水ポンプ64と、該灌水ポンプ64から吐出される水を植付位置近傍に吐水する灌水ノズル65とを備える。

Description

本発明は、菜種やキャベツ等の苗を移植する移植機に関し、特に、乗用型の走行機体の後部に昇降機構を介して植付部が装着され、走行機体に灌水用のタンクを搭載し、植付部における植付位置近傍に灌水吐出ノズルを配設した灌水装置を備える野菜移植機に関する。
従来、歩行型の走行機体の前部にタンクを配置し、該タンク内の水をポンプの作動により吸い込み、開閉爪の内部に吐水するように構成した野菜移植機の灌水装置は公知となっている(特許文献1参照)。
実開平7−5312号公報
従来、縦横に複数の凹部を形成したトレイによりセル苗(またはポット苗)を栽培し、歩行型の野菜移植機の苗載台にトレイを載置し、走行しながらトレイより一つずつ野菜苗を取り出して、開閉爪内に挿入し、開閉爪を下降させ圃場面に至る途中で灌水を行い、圃場面で開閉爪を開いて植え付けるようにしていた。この場合の灌水は下降する開閉爪内に吐水しなければならないため、灌水する水の量が限られ、吐水するタイミングも正確に行わなければならない。また、葉が大きく育っていたり、吐水の向きがずれると、根鉢(土の部分)に均一に水がかからず活着不良となる場合もあった。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、圃場の植付位置に灌水することで、活着性向上し、乗用型の野菜移植機により大量に移植する場合でも確実に灌水できる野菜移植機を提供する。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、乗用型の走行部の後部に昇降機構を介して植付部が装着され、該植付部に設けた植付爪の上下方向の回動により苗載台上に載置したセル苗マットから一株ずつ植付爪により切り取り圃場に植え付ける野菜移植機であって、野菜移植機には植付時に灌水する灌水装置が備えられ、該灌水装置は、走行部に搭載される灌水用タンクと、植付部に設けられ植付タイミングに合わせて灌水タンクからの水を吐出する吐水手段とを備えるものである。
請求項2においては、前記吐水手段は灌水ポンプと灌水ノズルからなり、灌水ノズルは植付爪が回動される最下部の前方に配置されるものである。
請求項3においては、前記吐水手段は灌水ポンプと灌水ノズルからなり、灌水ノズルは植付爪が回動される最下部の後方に配置されるものである。
請求項4においては、前記灌水ノズルは前記植付爪の前下方に配設して圃場面に溝を形成する作溝器に取り付けられるものである。
請求項5においては、前記灌水タンクは、左右の前輪よりも前方のステップ下方に配置されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、請求項1のように構成したので、機械的にセル苗を移植するときに、同時に灌水ができて、活着がよくなり、機械的に移植しても枯れることを減らし、生育率を高めることができる。また、移植時に最小限必要な水量を吐出することができ、無駄な灌水がなく、一度灌水タンクに給水するだけで、広い圃場の連続移植作業ができる。
また、請求項2のように構成したので、圃場の土を湿らせてからセル苗が植え付けられ、圃場の土と根鉢との活着性が向上する。
また、請求項3のように構成したので、セル苗の植付、覆土後に灌水され、覆土された土と根鉢とその周囲の土が水で湿らされて馴染み、活着性が向上する。
また、請求項4のように構成したので、圃場に対する高さ及び吐水位置が一定となり、灌水状態が一定となって、移植後の苗の生育も略一定とすることができる。
また、請求項5のように構成したので、前方の視界を遮ることなく、機体フレームの下方の車軸前方の空間を有効に利用することができる。また、前後バランスを良好に保つことができる。
本発明の野菜移植機の全体側面図。 野菜移植機の全体平面図。 植付部の側面図一部断面図。 植付部の後面図。 灌水タンクの配置の他の実施例を示す野菜移植機の側面図。 植付部の他の実施形態を示す側面図。 セル苗マットの斜視図。 センサローラの配置を示す側面図。 植付爪の他の実施形態を示す側面図。 セル苗マットと苗分離用ガイドを示す斜視図。 灌水ポンプの他の実施形態を示す側面図。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1、図2を用いて、本発明の野菜移植機1の全体構成について説明する。なお、図中の矢印Fで示す方向を野菜移植機1の前進方向で前方とし、以下で述べる各部材の位置や方向等を基準として説明する。
野菜移植機1は、走行部10と植付部40とを有し、走行部10により走行しながら、植付部40によりセル苗80を圃場に植え付けることができるように構成される。植付部40は、走行部10の後方に配置されて、この走行部10の後部に昇降機構30を介して昇降可能に連結される。なお、走行部10と昇降機構30の基本構成は田植機と同じ構成としている。
走行部10において、機体フレーム11の前下部にフロントアクスルケース16を介して左右両側に前輪12・12が支持され、機体フレーム11の後部にリヤアクスルケース17・17を介して後輪13・13が左右両側に支持される。機体フレーム11の後上部にはエンジン14が設けられて、車体カバー23により被覆される。機体フレーム11の後上部のエンジン14の後部にミッションケース18が配置され、エンジン14からの動力を変速して前輪12および後輪13に伝えるとともに、PTO軸を介して植付部40に動力を伝達する構成としている。
走行部10には、機体フレーム11の前後中途部上に運転操作部20が設けられる。運転操作部20の前部には、ダッシュボード21が配置され、ダッシュボード21の左右中央部には、操向ハンドル24が配置される。操向ハンドル24の後方には、運転席22が配置される。運転席22の下方には、車体カバー23が配置される。車体カバー23は前後中途部やダッシュボード21の左右両側を乗降用ステップ23aとしている。運転操作部20においては、主変速レバー25や変速ペダル26やブレーキペダルを含む複数の操作具が配置される。これらの操作具によって、走行部10および植付部40に対して適宜の操作を行うことが可能とされる。
また、左右両側の後輪13・13の車軸13a・13aよりも前方には灌水用タンク62が配置される。本実施形態では、前輪12・12前方のステップ23a下方の機体フレーム11に灌水用タンク62・62が左右両側に配置される。灌水用タンク62の底部には図示しないホースの一端が連通され、ホースの他端は後述する灌水ポンプ64の吸入口と連通されている。また、灌水用タンク62・62に給水するために、車体カバー23内に給水ポンプ63が配置されてエンジン14と連動連結され、該給水ポンプ63の吐出口と灌水用タンク62の補給口との間には補給ホースが連通されている。給水ポンプ63の吸入口には給水ホースの一端が接続され、給水ホースの他端にはサクションフィルタが設けられ、サクションフィルタを池や川等に入れて、エンジン14からの動力を給水ポンプ63に伝えて作動させることにより、水を吸い上げて灌水用タンク62に給水できるようにしている。
なお、前記灌水用タンク62の配置は機体フレーム11の前下方に限定するものではなく、図5に示すように、運転席22の後部の機体フレーム11上(後輪13・13上方)に灌水用タンク62aを配置することもできる。また、図5の鎖線で示すように、左右の後輪13・13の外側方に灌水用タンク62b・62bを配置することも可能である。その他、灌水用タンク62は前部のダッシュボード21内にエンジン14を配置する構成の田植機では運転席22下方に配置することもでき、また、灌水用タンク62は植付部40に配置する構成とすることも可能である。そして、給水する水の量が不足する場合には、機体フレーム11の左右前部(62)と、運転席22後部(62a)と、後輪13側部(62b)のいずれか二ヶ所、或いは、三か所設けることも可能である。さらに、これら灌水用タンク62には給水ポンプ63によって給水することも可能に構成している。
前記昇降機構30は上リンク31と下リンク32と図示しない昇降シリンダからなり、上リンク31と下リンク32の前端が回動フレームと連結され、該回動フレームと機体フレーム11の間に油圧シリンダからなる昇降シリンダが介装される。当該昇降シリンダを伸縮駆動することにより植付部40を昇降可能としている。前記昇降機構30における上リンク31と下リンク32の後端に植付部側のヒッチ33が連結される。該ヒッチ33の後部に植付フレーム49が左右傾倒可能に取り付けられる。
次に、野菜移植機1により移植するセル苗マット8について説明する。
セル苗マット8は、図7に示すように、苗床(培地)として円錐台または多角錐台(本実施形態では四角錐台)状の根鉢81を縦横に連結し、または、板状のマットの底部を格子状に削って根鉢81・81・・・を形成し、各根鉢81・81・・・に播種して育苗し、数葉出現させた野菜苗82・82・・・と根鉢81・81・・・全体をセル苗マット8とする。そして、一つの野菜苗82と根鉢81を切り取ったものをセル苗(ポット苗)80とする。なお、セル苗マット8の条数(左右方向のセル苗80数)や列数(前後方向のセル苗80数)は限定するものではなく、野菜の種類や植付時期等に応じてその数は決定される。
図1から図4によりセル苗マット8を載置して植え付ける植付部40について説明する。なお、本実施例では6条植えについて説明するが条数は限定するものではない。
植付部40は、セル苗マット8を左右平行に複数(本実施形態では6条)並べて配置される苗載台41と、苗載台41から一つずつセル苗80を切り取り圃場に植え付ける植付爪部70と、エンジン14からの動力を変速して苗載台41を横送りしたり植付爪部70を駆動するように動力を伝達する植付ミッションケース47と、植付ミッションケース47から植付爪部70に動力を伝達する植付伝動ケース46と、これらを支持する植付フレーム49と、植付位置に溝を形成する作溝器50と、灌水ポンプ64と灌水ノズル65からなる吐水手段と、植付後に覆土する覆土板51と、覆土後の土を押さえる鎮圧輪52等を備える。
前記植付フレーム49は、左右水平方向に延設される支持ケース49aと、支持ケース49aから上方に立設される植付枠体49bから構成される。支持ケース49aは四角筒状に構成され、支持ケース49aの左右略中央には植付ミッションケース47が固設され、該植付ミッションケース47の前面から前方に植付入力軸が突出されている。該植付入力軸は伝動軸やジョイント等を介して走行部10のミッションケース18より後方に突出したPTO軸と連結されている。こうしてエンジン14からの動力が、ミッションケース18やPTO軸等を介して植付部40の植付ミッションケース47に伝達される。
前記植付ミッションケース47から苗載台横送り駆動軸と縦送り駆動軸と植付駆動軸が突出され、苗載台横送り駆動軸を回転駆動することにより、苗載台41を左右往復駆動し、苗載台が左右端に至ると縦送り駆動軸の駆動により苗載台41上に設けた縦送りベルト41aが駆動されて一列分のセル苗マット8が下方へ送られる。
前記支持ケース49aの後面からは、三つの植付伝動ケース46・46・46がそれぞれ左右方向に適宜の間隔をとって後方に平行に延設される。
前記支持ケース49aから後方に複数突設される植付伝動ケース46の後部の左右両側には、回転ケース44と植付爪45・45からなる植付爪部70・70が配設される。つまり、植付伝動ケース46の後部の左右両側に回転ケース44・44が回動自在に支持され、該回転ケース44は、植付条数と同数、即ち本実施例では6個備えられている。そして、それぞれの回転ケース44には、回動支点(回転ケース駆動軸44a)を挟んで長手方向両側に、2個の植付爪45・45が支持されている。回転ケース44内には偏心ギヤ列が収納され、回転ケース44の回転により植付爪45・45が揺動され、植付爪45・45の先端軌跡が側面視略縦楕円形状となるように駆動される。こうしてロータリ式の植付爪部70を構成している。
前記植付爪部70は、ロータリ式に替えてクランク式とすることも可能である。クランク式の植付爪部70は、図6に示すように、植付アーム71と植付駆動軸72と回動アーム73と、揺動アーム74からなる。植付伝動ケース46の後部側面より側方に突出した植付駆動軸72上に回動アーム73の一端が固設され、回動アーム73の他端は植付アーム71の後部に回転自在に支持される。植付アーム71の後端には揺動アーム74の一端が回転自在に支持され、揺動アーム74の他端は植付伝動ケース46の植付駆動軸72の後部に回転自在に支持される。植付アーム71の一端には植付爪45が取り付けられる。
このような構成において、植付駆動軸72を回転させると、回動アーム73が回転されて、植付爪45の先端は縦長の略長楕円の軌跡を描くように回転し、苗載台41の横移動に同期させてセル苗80を一つずつ切り取り圃場に植え付けるのである。
前記植付爪45は、強制爪(押出し式植付爪)であってもブロック爪(挟持式植付爪)であってもよく、その植付爪の種類は限定するものではない。つまり、図3に示すように、切取杆45aと押出杆45bを備え、苗載台41でセル苗80を切り取り、植付位置まで下降したときに押出杆45bを伸長させて、セル苗80を圃場面に押し出すようにする強制爪、または、図6に示すように、左右一対の板状爪45cが左右開閉可能に構成され、苗載台41でセル苗80を切り取ると同時に板状爪45c・45cでセル苗80を挟んで支持し、植付位置まで下降したときに板状爪45c・45cを開いてセル苗80を圃場面に植え付けるブロック爪とすることができる。
本実施形態では、図9に示すように、セル苗80を確実に保持できるように、強制爪にさらに支持爪45dを設ける構成としている。つまり、図9(a)の実施例の場合には、植付爪45を取り付ける爪ケース45kの前部(苗載台41側)に切取杆45aが固設され、該切取杆45aの後部下面に支持爪45dの基部が固定され、先端は押出杆45bの上面に沿うように先端側へ延出される。該支持爪45dは棒状体を側面視略クランク状に折り曲げ形成され、切取杆45aの左右中央に配置される。但し、支持爪45dは図9(b)に示すように、支持爪45dの基部側を爪ケース45kの前下部に固定し、先端側を押出杆45bの下面に沿うように先端側へ延出する構成とすることも可能である。
このような構成において、苗載台41において切取杆45aでセル苗80を切り取ると同時に支持爪45dの先端部との3点でセル苗80を支持し、植付位置まで下降したときに押出杆45bを伸長させて、セル苗80を圃場面に押し出し植え付けるのである。
前記植付伝動ケース46内にはベベルギヤや伝動軸が収納されており、植付伝動ケース46内のベベルギヤや伝動軸やユニットクラッチ等を介して、植付伝動ケース46の後部に左右方向に横架した回転ケース駆動軸44aに動力が伝達され、回転ケース44を回転駆動する構成としている。
前記各植付伝動ケース46・46・46の前上部に苗台レール42が左右水平方向に横接されて、苗載台41の下部が左右摺動自在に支持される。
前記支持ケース49aの上面に植付枠体49bの下部が取り付けられる。植付枠体49bの上部に左右方向に適宜間隔をあけて複数の上レール43が設けられ、苗載台41の裏面(前面)上部を左右摺動自在に支持している。苗載台41の下部は前記苗台レール42に左右方向に往復動可能に取り付けられる。苗載台41は、前記苗載台横送り駆動軸に連設される横送り機構の作動により左右往復横送り可能とされる。
前記苗載台41は表面に前後方向のリブを左右方向にセル苗マット8の幅に合わせて形成して、六条の苗マット載置部を構成している。苗マット載置部の各条には縦送りベルト41aが設けられている。該縦送りベルト41aは、前記苗載台41が左右往復横送りのストローク端に到達するごとに、図示せぬ縦送り機構により、苗載台41上のセル苗マット8を下方へ向かって縦送りするようにしている。
苗載台41の下部には、セル苗マット8において左右隣接するセル苗80の野菜苗82が植付時に絡むことを防止する苗分離用ガイド76が設けられている。苗分離用ガイド76は図3、図10に示すように、板状の部材で構成され左右方向に延設されて、苗載台41のリブ上に横架して固定される。苗分離用ガイド76は平面視において、前辺及び後辺が波状に形成され、前部が低く尖状とされ後部が高く形成され、後部の高さは野菜苗82の高さと略同程度としている。前辺に形成される前凸部76a・76a・・・は苗載台41に載置したセル苗マット8下部におけるセル苗80とセル苗80の境界の上方に位置させる。前記前凸部76aと前凸部76aの間における前凹部76bには野菜苗82が位置することとなる。前凸部76a・76a・・・の後下方は前方に凹んで後凹部76c・76c・・・が形成され、この後凹部76c・76c・・・の位置に植付爪45の先端(左右の切取杆45a・45a)が通過するように構成されている。
こうして、セル苗マット8が苗載台41に載置されて下方の苗台レール42まで滑り降ろされると、苗分離用ガイド76の前凸部76a・76a・・・がセル苗80の茎と茎の間に入り込むとともに、根鉢81の表面を押さえ付けて浮き上がらないようにする。そして、前凹部76b・76b・・・で野菜苗82の葉部を包み込むようにして隣接するセル苗80の葉部を分離し、植付爪45は後凹部76c・76c・・・を通過するようにして、植付爪45が葉部に当って傷めないようにする。この状態で、植付爪45が回動されると、左右の切取杆45a・45aが後凹部76c・76cに入り込み、セル苗80とセル苗80の境界部分を切り取って根鉢81側面を挟持し、押出杆45bの先端と支持爪45dにより根鉢81を支持しながら下降し、圃場面で一つのセル苗80(1株の苗)を放出して圃場に植え付けられる。
また、前記植付伝動ケース46の下方には前から順に、作溝器50と灌水ノズル65と覆土板51と鎮圧輪52が配置され、左右中央の植付伝動ケース46の側方にはセンサローラ54が配置される。
作溝器50はリンク機構56を介して植付伝動ケース46に支持される。リンク機構56は図3に示すように、平行リンク機構により構成され、作溝器50を平行に昇降できるようにしている。つまり、リンク機構56は前リンク56aと後リンク56bからなり、前リンク56aと後リンク56bの上部は植付伝動ケース46の下部に枢支され、下部は作溝器50の上面に枢支される。そして、前リンク56a(または後リンク56b)の上部から前上方に高さ調節レバー56cが延設されて複数個所で固定可能とし、作溝器50の高さ、つまり、作溝深さを調節可能に構成している。但し、リンク機構56は図6に示すように、前リンク56aと後リンク56bを側面視「X」字状に配置して連結する構成とすることも可能である。
作溝器50は、平面視で弾丸状として前部が尖状で徐々に後部が左右に広がり、側面視で船形状として、前上部から徐々に後下方に下がる構成として、後部には左右の側板が平行に後方へ垂直に延設され、後部は上下方向に開放されるとともに、後方も開放される構成としている。この前部の船形状部分が前方への進行とともに土中に進入させて溝を形成し、左右の側板で植付空間を確保する。そしてこの左右の側板間に灌水ノズル65が配置され、その後方の側板間を植付爪45が通過するように配設される。言い換えれば、作溝器50の後部内に植付爪45の回動軌跡の下部が配置され、回動軌跡の前方に灌水ノズル65が配置される。但し、作溝器50の構成は船形に限定するものではなく、図6に示すように、前部が平面視尖状で、作溝器50前面が側面視で徐々に前下方に低くなる培土器状に構成することもできる。
灌水ノズル65は、水を苗の植付位置9の溝内に吐水するものであり、吐水位置は、植付爪45の下死点近傍、言い換えれば、植付爪45の先端の回動軌跡の下端位置となる植付位置9の近傍に吐水するように配設される。灌水ノズル65はホースを介して灌水ポンプ64と接続され、灌水用タンク62内の水を灌水ポンプ64の駆動により吸入し、灌水ノズル65より吐出するのである。灌水ノズル65は作溝器50の前後中途部の左右中央に固定され、下後方に向けて吐出口が設けられている。
また、吐水位置は覆土直後であってもよい。つまり、図6に示すように、灌水ノズル65は作溝器50の側板後部より後方に突設した支持体53に支持されて、植付後のセル苗80近傍の覆土上に吐水するように配設される。また、吐水位置は植付と同時に植付位置9近傍であってもよい。この場合、灌水ノズル65は作溝器50の後側部に配設され、植付位置の側方に灌水される。なお、吐水量を多くする場合等には植付位置9の前または後または側方のいずれか二ヶ所または三か所に吐出する構成とすることもできる。
前記灌水用タンク62から水を吸い込んで灌水ノズル65に圧送する灌水ポンプ64は植付ミッションケース47の側部または植付伝動ケース46に取り付けられて動力が伝達され、植付爪45による植付タイミングに合わせて間欠駆動され、植付位置9近傍に吐水されるようにしている。
灌水ポンプ64は、例えば図11(a)に示すように、チューブポンプ77で構成することができる。チューブポンプ77は植付駆動軸に連動したポンプ軸77a上にロータリアーム77bの長手方向中央部が固定され、ロータリアーム77bの両端にローラ77c・77cが回転自在に支持されている。前記ポンプ軸77aを中心としたローラ77cの外側に円弧状の押圧ガイド77dが設けられ、押圧ガイド77dとローラ77cとの間にチューブ77eが配置される。チューブ77eの一端にホースを介して灌水用タンク62と接続され、チューブ77eの他端にはホースを介して灌水ノズル65が接続される。
このような構成において、植付駆動に連動してポンプ軸77aが回転されると、ローラ77cが押圧ガイド77dに沿って回転し、チューブ77e内に流れ込んだ水はローラ77cと押圧ガイド77dに挟まれた状態で灌水ノズル65側へ押し出され、灌水ノズル65から吐水する。ローラ77cが通り過ぎたチューブ77eは元の太さに復元し水を吸入する。
また、灌水ポンプ64は、例えば図11(b)に示すように、プランジャポンプ78で構成することができる。プランジャポンプ78は、植付駆動軸に連動したポンプ軸となるクランク軸78aにコネクティングロッド78bを介してプランジャ78cと連結され、プランジャ78cはポンプケース78dに摺動自在に挿入されている。ポンプケース78dのヘッド側には、吸入バルブ78eと吐出バルブ78fが配設され、吸入バルブ78eにはホースを介して灌水用タンク62と接続され、吐出バルブ78fにはホースを介して灌水ノズル65と接続される。
このような構成において、植付駆動に連動してクランク軸78aが回転されると、プランジャ78cがクランク軸78a側へ摺動することによって吸入バルブ78eが開かれ、吐出バルブ78fが閉じて、水がポンプケース78d内に流入する。更に、クランク軸78aが回動してプランジャ78cがヘッド側へ摺動すると、吸入バルブ78eが閉じて吐出バルブ78fが開かれて、ポンプケース78d内の水が灌水ノズル65側へ押し出されて吐出される。
また、灌水ポンプ64は、例えば図11(c)に示すように、カスケードポンプ79で構成することができる。カスケードポンプ79はケーシング79b内に円板状の羽根車79cが回転自在に支持され、羽根車79cの中心がエンジン14から伝達された動力により駆動されるポンプ軸79aに固定されている。ケーシング79bの外周には吸入口79dと吐出口79eが設けられ、吸入口79dと吐出口79eの間のケーシング79bと羽根車79cとの間には隔壁79fが設けられている。吸入口79dにはホースを介して灌水用タンク62と接続され、吐出口79eにはホース及び切換弁79gを介して灌水ノズル65と接続されている。該切換弁79gには余水ホースが接続され、灌水ノズル65から吐水しないときには灌水タンク62に戻すようにしている。
このような構成において、植付作業時には常時ポンプ軸79aへ動力が伝達されて羽根車79cが回転すると、渦流が発生し、吸入口79dから水を吸い込み吐出口79eから吐出される。そして、切換弁79gは植付タイミングに合わせて開閉させて灌水ノズル65より所定量吐水する。この場合、吐出側に図示しない蓄圧室を設けることで、安定した吐水量を確保することができる。なお、灌水ポンプ64はギヤポンプやベーンポンプ等で構成することもできる。また、灌水ポンプ64の代わりに前記エンジン14により駆動される給水ポンプ63を利用して灌水ノズル65へ水を圧送する構成とすることもできる。この場合、給水ポンプ63の吐出部には灌水用タンク62と灌水ノズル65へ吐水方向を切り換える切換弁が設けられる。
覆土板51は、前記作溝器50の後部両側に取り付けられる。左右の覆土板51は平面視で左右中央方向に傾斜するように取り付けられて、前進とともに植付後のセル苗80の根鉢81へ土を寄せるようにする。
鎮圧輪52は、植付伝動ケース46の後端から後下方に突出された支持杆57の先端に回動自在に支持されている。鎮圧輪52は、円錐台状に構成され、植付位置の後方の左右両側に配置される。前記支持杆57と植付伝動ケース46の後部との間には付勢部材58が介装され、鎮圧輪52を下方へ押し付ける構成としている。付勢部材58はロッドとロッドに外嵌したスプリングにより構成しているが、ねじりバネ等で付勢することも可能であり限定するものではない。鎮圧輪52の圃場面と接する外周面は撥水性を有する合成樹脂で構成し、土が付着し難いようにしている。こうして、前進とともに、覆土板51で苗の根基に寄せられた土の表面を鎮圧輪52で押さえつけることで、活着しやすくしている。
センサローラ54は、図4、図8に示すように、支持アーム59の先端に回転自在に支持されて、左右中央の作溝器50の側方または前方に配置される。支持アーム59の中途部は支持ケース49a(または植付伝動ケース46)に上下回転自在に支持され、支持アーム59の他端は前上方に延設されて、センサワイヤ61と連結されている。センサワイヤ61の他端は走行部10に設けた図示しない昇降油圧装置と連結されている。
昇降油圧装置は植付部40を昇降する昇降シリンダを昇降制御するものであり、植付部4を設定高さ、つまり、植付深さが設定深さとなるように、昇降シリンダを昇降制御する。例えば、圃場が固く作溝器50が浮き上がり上昇すると、センサローラ54は下降し、センサワイヤ61は伸ばされて、昇降油圧装置は昇降シリンダを伸長させて植付部40を下降させ、設定深さまで下降させる。逆に、圃場が柔らかく作溝器50が沈み下降すると、センサローラ54は上昇し、センサワイヤ61は引っ張られて、昇降油圧装置は昇降シリンダを縮小させて植付部40を上昇させ、設定深さまで上昇させる。こうして設定深さを維持し、植付姿勢を安定させることを可能としている。
以上のように、乗用型の走行部10の後部に昇降機構30を介して植付部40が装着され、該植付部40はロータリ式またはクランク式の植付爪部70を備え、該植付爪部70の上下方向の回動により苗載台41上に載置したセル苗マット8から一株ずつ植付爪45により切り取り圃場に直接セル苗80を植え付けるので、移植にかかる時間を短縮して植付効率を高めることができる。そして、セル苗80は作溝器50内で放出されるので、未耕地の場合であっても周囲の雑草や土塊等の影響を受けて植付姿勢が乱れることがなく植え付けられる。
また、野菜移植機1には植付時に灌水する灌水装置6が備えられ、該灌水装置6は、野菜移植機1に搭載される灌水用タンク62と、植付部40に設けられ植付タイミングに合わせて灌水タンク62からの水を吐出する灌水ポンプ64と、該灌水ポンプ64から吐出される水を植付位置近傍に吐水する吐水手段とを備えるので、機械的にセル苗を移植するときに、同時に灌水ができて、活着がよくなり、機械的に移植しても枯れることを減らし、生育率を高めることができる。また、移植時に最小限必要な水量を吐出することができ、無駄な灌水がなく、一度灌水タンクに給水するだけで、広い圃場の連続移植作業ができる。
前記吐水手段となる灌水ノズル65は植付爪45が回動される最下部の前方に配置した場合には、圃場の土を湿らせてからセル苗80が植え付けられ、圃場の土と根鉢81との活着性が向上する。
また、前記吐水手段となる灌水ノズル65は植付爪45が回動される最下部の後方に配置した場合には、セル苗80の植付、覆土後に灌水され、覆土された土と根鉢81とその周囲の土が水で湿らされて馴染み、活着性が向上する。
また、前記灌水ノズル65は前記植付爪45の前下方に配設して圃場面に溝を形成する作溝器50に取り付けられるので、圃場に対する高さ及び吐水位置が一定となり、灌水状態が一定となって、移植後の苗の生育も略一定とすることができる。
また、前記灌水タンク62は左右の前輪12・12のより前方のステップ23a下方に配置されるので、前方の視界を遮ることなく、機体フレーム11の下方の空間を有効に利用することができる。また、前後バランスを良好に保つことができる。
本発明は、野菜や花卉等のセル苗を、走行部の後部に装着した植付部の苗載台に載置して、回転するロータリ式またはクランク式の植付爪で切り取り移植する移植機に適用することができる。
1 野菜移植機
6 灌水装置
8 セル苗マット
10 走行部
30 昇降機構
40 植付部
41 苗載台
45 植付爪
62 灌水用タンク
64 灌水ポンプ
65 灌水ノズル

本発明は、菜種やキャベツ等の苗を移植する移植機に関し、特に、乗用型の走行機体の後部に昇降機構を介して植付部が装着され、走行機体に灌水用のタンクを搭載し、植付部における植付位置近傍に灌水吐出ノズルを配設した灌水装置を備える野菜移植機に関する。
従来、歩行型の走行機体の前部にタンクを配置し、該タンク内の水をポンプの作動により吸い込み、開閉爪の内部に吐水するように構成した野菜移植機の灌水装置は公知となっている(特許文献1参照)。
実開平7−5312号公報
従来、縦横に複数の凹部を形成したトレイによりセル苗(またはポット苗)を栽培し、歩行型の野菜移植機の苗載台にトレイを載置し、走行しながらトレイより一つずつ野菜苗を取り出して、開閉爪内に挿入し、開閉爪を下降させ圃場面に至る途中で灌水を行い、圃場面で開閉爪を開いて植え付けるようにしていた。この場合の灌水は下降する開閉爪内に吐水しなければならないため、灌水する水の量が限られ、吐水するタイミングも正確に行わなければならない。また、葉が大きく育っていたり、吐水の向きがずれると、根鉢(土の部分)に均一に水がかからず活着不良となる場合もあった。
本発明は、以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、圃場の植付位置に灌水することで、活着性向上し、乗用型の野菜移植機により大量に移植する場合でも確実に灌水できる野菜移植機を提供する。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、乗用型の走行部の後部に昇降機構を介して植付部が装着され、該植付部に設けた植付爪の上下方向の回動により苗載台上に載置したセル苗マットから一株ずつ植付爪により切り取り圃場に植え付ける野菜移植機であって、野菜移植機には植付時に灌水する灌水装置が備えられ、該灌水装置は、灌水用タンクと、植付部に設けられ植付タイミングに合わせて灌水タンクからの水を吐出する吐水手段とを備え、前記吐水手段は灌水ポンプと灌水ノズルからなり、前記灌水ノズルは前記植付爪の前方に配設するとともに、圃場面に溝を形成する作溝器に取り付けられ、作溝器の側板間に配置されるものである。
請求項2においては、前記植付爪の回動軌跡下部は作溝器の側板間に配置されるものである。
請求項3においては、乗用型の走行部の後部に昇降機構を介して植付部が装着され、該植付部に設けた植付爪の上下方向の回動により苗載台上に載置したセル苗マットから一株ずつ植付爪により切り取り圃場に植え付ける野菜移植機であって、野菜移植機には植付時に灌水する灌水装置が備えられ、該灌水装置は、灌水用タンクと、植付部に設けられ植付タイミングに合わせて灌水タンクからの水を吐出する吐水手段とを備え、前記吐水手段は灌水ポンプと灌水ノズルからなり、前記灌水ノズルは圃場面に溝を形成する作溝器の後方の植付爪が回動される最下部の後方に配置され、前記灌水ノズルからは植付後の覆土上に吐水するものである。
請求項4においては、前記灌水ノズルは前記作溝器より後方に突設した支持体に取り付けられるものである。
請求項5においては、前記灌水タンクは、機体フレームの左右両側に配置され、左右の前輪よりも前方のステップ下方に配置されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、請求項1、2のように構成したので、機械的にセル苗を移植するときに、同時に灌水ができて、活着がよくなり、機械的に移植しても枯れることを減らし、生育率を高めることができる。また、移植時に最小限必要な水量を吐出することができ、無駄な灌水がなく、一度灌水タンクに給水するだけで、広い圃場の連続移植作業ができる。
また、請求項3、4のように構成したので、圃場に対する高さ及び吐水位置が一定となり、灌水状態が一定となって、移植後の苗の生育も略一定とすることができる。また、セル苗の植付、覆土後に灌水され、覆土された土と根鉢とその周囲の土が水で湿らされて馴染み、活着性が向上する。
また、請求項5のように構成したので、前方の視界を遮ることなく、機体フレームの下方の車軸前方の空間を有効に利用することができる。また、前後バランスを良好に保つことができる。
本発明の野菜移植機の全体側面図。 野菜移植機の全体平面図。 植付部の側面図一部断面図。 植付部の後面図。 灌水タンクの配置の他の実施例を示す野菜移植機の側面図。 植付部の他の実施形態を示す側面図。 セル苗マットの斜視図。 センサローラの配置を示す側面図。 植付爪の他の実施形態を示す側面図。 セル苗マットと苗分離用ガイドを示す斜視図。 灌水ポンプの他の実施形態を示す側面図。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1、図2を用いて、本発明の野菜移植機1の全体構成について説明する。なお、図中の矢印Fで示す方向を野菜移植機1の前進方向で前方とし、以下で述べる各部材の位置や方向等を基準として説明する。
野菜移植機1は、走行部10と植付部40とを有し、走行部10により走行しながら、植付部40によりセル苗80を圃場に植え付けることができるように構成される。植付部40は、走行部10の後方に配置されて、この走行部10の後部に昇降機構30を介して昇降可能に連結される。なお、走行部10と昇降機構30の基本構成は田植機と同じ構成としている。
走行部10において、機体フレーム11の前下部にフロントアクスルケース16を介して左右両側に前輪12・12が支持され、機体フレーム11の後部にリヤアクスルケース17・17を介して後輪13・13が左右両側に支持される。機体フレーム11の後上部にはエンジン14が設けられて、車体カバー23により被覆される。機体フレーム11の後上部のエンジン14の後部にミッションケース18が配置され、エンジン14からの動力を変速して前輪12および後輪13に伝えるとともに、PTO軸を介して植付部40に動力を伝達する構成としている。
走行部10には、機体フレーム11の前後中途部上に運転操作部20が設けられる。運転操作部20の前部には、ダッシュボード21が配置され、ダッシュボード21の左右中央部には、操向ハンドル24が配置される。操向ハンドル24の後方には、運転席22が配置される。運転席22の下方には、車体カバー23が配置される。車体カバー23は前後中途部やダッシュボード21の左右両側を乗降用ステップ23aとしている。運転操作部20においては、主変速レバー25や変速ペダル26やブレーキペダルを含む複数の操作具が配置される。これらの操作具によって、走行部10および植付部40に対して適宜の操作を行うことが可能とされる。
また、左右両側の後輪13・13の車軸13a・13aよりも前方には灌水用タンク62が配置される。本実施形態では、前輪12・12前方のステップ23a下方の機体フレーム11に灌水用タンク62・62が左右両側に配置される。灌水用タンク62の底部には図示しないホースの一端が連通され、ホースの他端は後述する灌水ポンプ64の吸入口と連通されている。また、灌水用タンク62・62に給水するために、車体カバー23内に給水ポンプ63が配置されてエンジン14と連動連結され、該給水ポンプ63の吐出口と灌水用タンク62の補給口との間には補給ホースが連通されている。給水ポンプ63の吸入口には給水ホースの一端が接続され、給水ホースの他端にはサクションフィルタが設けられ、サクションフィルタを池や川等に入れて、エンジン14からの動力を給水ポンプ63に伝えて作動させることにより、水を吸い上げて灌水用タンク62に給水できるようにしている。
なお、前記灌水用タンク62の配置は機体フレーム11の前下方に限定するものではなく、図5に示すように、運転席22の後部の機体フレーム11上(後輪13・13上方)に灌水用タンク62aを配置することもできる。また、図5の鎖線で示すように、左右の後輪13・13の外側方に灌水用タンク62b・62bを配置することも可能である。その他、灌水用タンク62は前部のダッシュボード21内にエンジン14を配置する構成の田植機では運転席22下方に配置することもでき、また、灌水用タンク62は植付部40に配置する構成とすることも可能である。そして、給水する水の量が不足する場合には、機体フレーム11の左右前部(62)と、運転席22後部(62a)と、後輪13側部(62b)のいずれか二ヶ所、或いは、三か所設けることも可能である。さらに、これら灌水用タンク62には給水ポンプ63によって給水することも可能に構成している。
前記昇降機構30は上リンク31と下リンク32と図示しない昇降シリンダからなり、上リンク31と下リンク32の前端が回動フレームと連結され、該回動フレームと機体フレーム11の間に油圧シリンダからなる昇降シリンダが介装される。当該昇降シリンダを伸縮駆動することにより植付部40を昇降可能としている。前記昇降機構30における上リンク31と下リンク32の後端に植付部側のヒッチ33が連結される。該ヒッチ33の後部に植付フレーム49が左右傾倒可能に取り付けられる。
次に、野菜移植機1により移植するセル苗マット8について説明する。
セル苗マット8は、図7に示すように、苗床(培地)として円錐台または多角錐台(本実施形態では四角錐台)状の根鉢81を縦横に連結し、または、板状のマットの底部を格子状に削って根鉢81・81・・・を形成し、各根鉢81・81・・・に播種して育苗し、数葉出現させた野菜苗82・82・・・と根鉢81・81・・・全体をセル苗マット8とする。そして、一つの野菜苗82と根鉢81を切り取ったものをセル苗(ポット苗)80とする。なお、セル苗マット8の条数(左右方向のセル苗80数)や列数(前後方向のセル苗80数)は限定するものではなく、野菜の種類や植付時期等に応じてその数は決定される。
図1から図4によりセル苗マット8を載置して植え付ける植付部40について説明する。なお、本実施例では6条植えについて説明するが条数は限定するものではない。
植付部40は、セル苗マット8を左右平行に複数(本実施形態では6条)並べて配置される苗載台41と、苗載台41から一つずつセル苗80を切り取り圃場に植え付ける植付爪部70と、エンジン14からの動力を変速して苗載台41を横送りしたり植付爪部70を駆動するように動力を伝達する植付ミッションケース47と、植付ミッションケース47から植付爪部70に動力を伝達する植付伝動ケース46と、これらを支持する植付フレーム49と、植付位置に溝を形成する作溝器50と、灌水ポンプ64と灌水ノズル65からなる吐水手段と、植付後に覆土する覆土板51と、覆土後の土を押さえる鎮圧輪52等を備える。
前記植付フレーム49は、左右水平方向に延設される支持ケース49aと、支持ケース49aから上方に立設される植付枠体49bから構成される。支持ケース49aは四角筒状に構成され、支持ケース49aの左右略中央には植付ミッションケース47が固設され、該植付ミッションケース47の前面から前方に植付入力軸が突出されている。該植付入力軸は伝動軸やジョイント等を介して走行部10のミッションケース18より後方に突出したPTO軸と連結されている。こうしてエンジン14からの動力が、ミッションケース18やPTO軸等を介して植付部40の植付ミッションケース47に伝達される。
前記植付ミッションケース47から苗載台横送り駆動軸と縦送り駆動軸と植付駆動軸が突出され、苗載台横送り駆動軸を回転駆動することにより、苗載台41を左右往復駆動し、苗載台が左右端に至ると縦送り駆動軸の駆動により苗載台41上に設けた縦送りベルト41aが駆動されて一列分のセル苗マット8が下方へ送られる。
前記支持ケース49aの後面からは、三つの植付伝動ケース46・46・46がそれぞれ左右方向に適宜の間隔をとって後方に平行に延設される。
前記支持ケース49aから後方に複数突設される植付伝動ケース46の後部の左右両側には、回転ケース44と植付爪45・45からなる植付爪部70・70が配設される。つまり、植付伝動ケース46の後部の左右両側に回転ケース44・44が回動自在に支持され、該回転ケース44は、植付条数と同数、即ち本実施例では6個備えられている。そして、それぞれの回転ケース44には、回動支点(回転ケース駆動軸44a)を挟んで長手方向両側に、2個の植付爪45・45が支持されている。回転ケース44内には偏心ギヤ列が収納され、回転ケース44の回転により植付爪45・45が揺動され、植付爪45・45の先端軌跡が側面視略縦楕円形状となるように駆動される。こうしてロータリ式の植付爪部70を構成している。
前記植付爪部70は、ロータリ式に替えてクランク式とすることも可能である。クランク式の植付爪部70は、図6に示すように、植付アーム71と植付駆動軸72と回動アーム73と、揺動アーム74からなる。植付伝動ケース46の後部側面より側方に突出した植付駆動軸72上に回動アーム73の一端が固設され、回動アーム73の他端は植付アーム71の後部に回転自在に支持される。植付アーム71の後端には揺動アーム74の一端が回転自在に支持され、揺動アーム74の他端は植付伝動ケース46の植付駆動軸72の後部に回転自在に支持される。植付アーム71の一端には植付爪45が取り付けられる。
このような構成において、植付駆動軸72を回転させると、回動アーム73が回転されて、植付爪45の先端は縦長の略長楕円の軌跡を描くように回転し、苗載台41の横移動に同期させてセル苗80を一つずつ切り取り圃場に植え付けるのである。
前記植付爪45は、強制爪(押出し式植付爪)であってもブロック爪(挟持式植付爪)であってもよく、その植付爪の種類は限定するものではない。つまり、図3に示すように、切取杆45aと押出杆45bを備え、苗載台41でセル苗80を切り取り、植付位置まで下降したときに押出杆45bを伸長させて、セル苗80を圃場面に押し出すようにする強制爪、または、図6に示すように、左右一対の板状爪45cが左右開閉可能に構成され、苗載台41でセル苗80を切り取ると同時に板状爪45c・45cでセル苗80を挟んで支持し、植付位置まで下降したときに板状爪45c・45cを開いてセル苗80を圃場面に植え付けるブロック爪とすることができる。
本実施形態では、図9に示すように、セル苗80を確実に保持できるように、強制爪にさらに支持爪45dを設ける構成としている。つまり、図9(a)の実施例の場合には、植付爪45を取り付ける爪ケース45kの前部(苗載台41側)に切取杆45aが固設され、該切取杆45aの後部下面に支持爪45dの基部が固定され、先端は押出杆45bの上面に沿うように先端側へ延出される。該支持爪45dは棒状体を側面視略クランク状に折り曲げ形成され、切取杆45aの左右中央に配置される。但し、支持爪45dは図9(b)に示すように、支持爪45dの基部側を爪ケース45kの前下部に固定し、先端側を押出杆45bの下面に沿うように先端側へ延出する構成とすることも可能である。
このような構成において、苗載台41において切取杆45aでセル苗80を切り取ると同時に支持爪45dの先端部との3点でセル苗80を支持し、植付位置まで下降したときに押出杆45bを伸長させて、セル苗80を圃場面に押し出し植え付けるのである。
前記植付伝動ケース46内にはベベルギヤや伝動軸が収納されており、植付伝動ケース46内のベベルギヤや伝動軸やユニットクラッチ等を介して、植付伝動ケース46の後部に左右方向に横架した回転ケース駆動軸44aに動力が伝達され、回転ケース44を回転駆動する構成としている。
前記各植付伝動ケース46・46・46の前上部に苗台レール42が左右水平方向に横接されて、苗載台41の下部が左右摺動自在に支持される。
前記支持ケース49aの上面に植付枠体49bの下部が取り付けられる。植付枠体49bの上部に左右方向に適宜間隔をあけて複数の上レール43が設けられ、苗載台41の裏面(前面)上部を左右摺動自在に支持している。苗載台41の下部は前記苗台レール42に左右方向に往復動可能に取り付けられる。苗載台41は、前記苗載台横送り駆動軸に連設される横送り機構の作動により左右往復横送り可能とされる。
前記苗載台41は表面に前後方向のリブを左右方向にセル苗マット8の幅に合わせて形成して、六条の苗マット載置部を構成している。苗マット載置部の各条には縦送りベルト41aが設けられている。該縦送りベルト41aは、前記苗載台41が左右往復横送りのストローク端に到達するごとに、図示せぬ縦送り機構により、苗載台41上のセル苗マット8を下方へ向かって縦送りするようにしている。
苗載台41の下部には、セル苗マット8において左右隣接するセル苗80の野菜苗82が植付時に絡むことを防止する苗分離用ガイド76が設けられている。苗分離用ガイド76は図3、図10に示すように、板状の部材で構成され左右方向に延設されて、苗載台41のリブ上に横架して固定される。苗分離用ガイド76は平面視において、前辺及び後辺が波状に形成され、前部が低く尖状とされ後部が高く形成され、後部の高さは野菜苗82の高さと略同程度としている。前辺に形成される前凸部76a・76a・・・は苗載台41に載置したセル苗マット8下部におけるセル苗80とセル苗80の境界の上方に位置させる。前記前凸部76aと前凸部76aの間における前凹部76bには野菜苗82が位置することとなる。前凸部76a・76a・・・の後下方は前方に凹んで後凹部76c・76c・・・が形成され、この後凹部76c・76c・・・の位置に植付爪45の先端(左右の切取杆45a・45a)が通過するように構成されている。
こうして、セル苗マット8が苗載台41に載置されて下方の苗台レール42まで滑り降ろされると、苗分離用ガイド76の前凸部76a・76a・・・がセル苗80の茎と茎の間に入り込むとともに、根鉢81の表面を押さえ付けて浮き上がらないようにする。そして、前凹部76b・76b・・・で野菜苗82の葉部を包み込むようにして隣接するセル苗80の葉部を分離し、植付爪45は後凹部76c・76c・・・を通過するようにして、植付爪45が葉部に当って傷めないようにする。この状態で、植付爪45が回動されると、左右の切取杆45a・45aが後凹部76c・76cに入り込み、セル苗80とセル苗80の境界部分を切り取って根鉢81側面を挟持し、押出杆45bの先端と支持爪45dにより根鉢81を支持しながら下降し、圃場面で一つのセル苗80(1株の苗)を放出して圃場に植え付けられる。
また、前記植付伝動ケース46の下方には前から順に、作溝器50と灌水ノズル65と覆土板51と鎮圧輪52が配置され、左右中央の植付伝動ケース46の側方にはセンサローラ54が配置される。
作溝器50はリンク機構56を介して植付伝動ケース46に支持される。リンク機構56は図3に示すように、平行リンク機構により構成され、作溝器50を平行に昇降できるようにしている。つまり、リンク機構56は前リンク56aと後リンク56bからなり、前リンク56aと後リンク56bの上部は植付伝動ケース46の下部に枢支され、下部は作溝器50の上面に枢支される。そして、前リンク56a(または後リンク56b)の上部から前上方に高さ調節レバー56cが延設されて複数個所で固定可能とし、作溝器50の高さ、つまり、作溝深さを調節可能に構成している。但し、リンク機構56は図6に示すように、前リンク56aと後リンク56bを側面視「X」字状に配置して連結する構成とすることも可能である。
作溝器50は、平面視で弾丸状として前部が尖状で徐々に後部が左右に広がり、側面視で船形状として、前上部から徐々に後下方に下がる構成として、後部には左右の側板が平行に後方へ垂直に延設され、後部は上下方向に開放されるとともに、後方も開放される構成としている。この前部の船形状部分が前方への進行とともに土中に進入させて溝を形成し、左右の側板で植付空間を確保する。そしてこの左右の側板間に灌水ノズル65が配置され、その後方の側板間を植付爪45が通過するように配設される。言い換えれば、作溝器50の後部内に植付爪45の回動軌跡の下部が配置され、回動軌跡の前方に灌水ノズル65が配置される。但し、作溝器50の構成は船形に限定するものではなく、図6に示すように、前部が平面視尖状で、作溝器50前面が側面視で徐々に前下方に低くなる培土器状に構成することもできる。
灌水ノズル65は、水を苗の植付位置9の溝内に吐水するものであり、吐水位置は、植付爪45の下死点近傍、言い換えれば、植付爪45の先端の回動軌跡の下端位置となる植付位置9の近傍に吐水するように配設される。灌水ノズル65はホースを介して灌水ポンプ64と接続され、灌水用タンク62内の水を灌水ポンプ64の駆動により吸入し、灌水ノズル65より吐出するのである。灌水ノズル65は作溝器50の前後中途部の左右中央に固定され、下後方に向けて吐出口が設けられている。
また、吐水位置は覆土直後であってもよい。つまり、図6に示すように、灌水ノズル65は作溝器50の側板後部より後方に突設した支持体53に支持されて、植付後のセル苗80近傍の覆土上に吐水するように配設される。また、吐水位置は植付と同時に植付位置9近傍であってもよい。この場合、灌水ノズル65は作溝器50の後側部に配設され、植付位置の側方に灌水される。なお、吐水量を多くする場合等には植付位置9の前または後または側方のいずれか二ヶ所または三か所に吐出する構成とすることもできる。
前記灌水用タンク62から水を吸い込んで灌水ノズル65に圧送する灌水ポンプ64は植付ミッションケース47の側部または植付伝動ケース46に取り付けられて動力が伝達され、植付爪45による植付タイミングに合わせて間欠駆動され、植付位置9近傍に吐水されるようにしている。
灌水ポンプ64は、例えば図11(a)に示すように、チューブポンプ77で構成することができる。チューブポンプ77は植付駆動軸に連動したポンプ軸77a上にロータリアーム77bの長手方向中央部が固定され、ロータリアーム77bの両端にローラ77c・77cが回転自在に支持されている。前記ポンプ軸77aを中心としたローラ77cの外側に円弧状の押圧ガイド77dが設けられ、押圧ガイド77dとローラ77cとの間にチューブ77eが配置される。チューブ77eの一端にホースを介して灌水用タンク62と接続され、チューブ77eの他端にはホースを介して灌水ノズル65が接続される。
このような構成において、植付駆動に連動してポンプ軸77aが回転されると、ローラ77cが押圧ガイド77dに沿って回転し、チューブ77e内に流れ込んだ水はローラ77cと押圧ガイド77dに挟まれた状態で灌水ノズル65側へ押し出され、灌水ノズル65から吐水する。ローラ77cが通り過ぎたチューブ77eは元の太さに復元し水を吸入する。
また、灌水ポンプ64は、例えば図11(b)に示すように、プランジャポンプ78で構成することができる。プランジャポンプ78は、植付駆動軸に連動したポンプ軸となるクランク軸78aにコネクティングロッド78bを介してプランジャ78cと連結され、プランジャ78cはポンプケース78dに摺動自在に挿入されている。ポンプケース78dのヘッド側には、吸入バルブ78eと吐出バルブ78fが配設され、吸入バルブ78eにはホースを介して灌水用タンク62と接続され、吐出バルブ78fにはホースを介して灌水ノズル65と接続される。
このような構成において、植付駆動に連動してクランク軸78aが回転されると、プランジャ78cがクランク軸78a側へ摺動することによって吸入バルブ78eが開かれ、吐出バルブ78fが閉じて、水がポンプケース78d内に流入する。更に、クランク軸78aが回動してプランジャ78cがヘッド側へ摺動すると、吸入バルブ78eが閉じて吐出バルブ78fが開かれて、ポンプケース78d内の水が灌水ノズル65側へ押し出されて吐出される。
また、灌水ポンプ64は、例えば図11(c)に示すように、カスケードポンプ79で構成することができる。カスケードポンプ79はケーシング79b内に円板状の羽根車79cが回転自在に支持され、羽根車79cの中心がエンジン14から伝達された動力により駆動されるポンプ軸79aに固定されている。ケーシング79bの外周には吸入口79dと吐出口79eが設けられ、吸入口79dと吐出口79eの間のケーシング79bと羽根車79cとの間には隔壁79fが設けられている。吸入口79dにはホースを介して灌水用タンク62と接続され、吐出口79eにはホース及び切換弁79gを介して灌水ノズル65と接続されている。該切換弁79gには余水ホースが接続され、灌水ノズル65から吐水しないときには灌水タンク62に戻すようにしている。
このような構成において、植付作業時には常時ポンプ軸79aへ動力が伝達されて羽根車79cが回転すると、渦流が発生し、吸入口79dから水を吸い込み吐出口79eから吐出される。そして、切換弁79gは植付タイミングに合わせて開閉させて灌水ノズル65より所定量吐水する。この場合、吐出側に図示しない蓄圧室を設けることで、安定した吐水量を確保することができる。なお、灌水ポンプ64はギヤポンプやベーンポンプ等で構成することもできる。また、灌水ポンプ64の代わりに前記エンジン14により駆動される給水ポンプ63を利用して灌水ノズル65へ水を圧送する構成とすることもできる。この場合、給水ポンプ63の吐出部には灌水用タンク62と灌水ノズル65へ吐水方向を切り換える切換弁が設けられる。
覆土板51は、前記作溝器50の後部両側に取り付けられる。左右の覆土板51は平面視で左右中央方向に傾斜するように取り付けられて、前進とともに植付後のセル苗80の根鉢81へ土を寄せるようにする。
鎮圧輪52は、植付伝動ケース46の後端から後下方に突出された支持杆57の先端に回動自在に支持されている。鎮圧輪52は、円錐台状に構成され、植付位置の後方の左右両側に配置される。前記支持杆57と植付伝動ケース46の後部との間には付勢部材58が介装され、鎮圧輪52を下方へ押し付ける構成としている。付勢部材58はロッドとロッドに外嵌したスプリングにより構成しているが、ねじりバネ等で付勢することも可能であり限定するものではない。鎮圧輪52の圃場面と接する外周面は撥水性を有する合成樹脂で構成し、土が付着し難いようにしている。こうして、前進とともに、覆土板51で苗の根基に寄せられた土の表面を鎮圧輪52で押さえつけることで、活着しやすくしている。
センサローラ54は、図4、図8に示すように、支持アーム59の先端に回転自在に支持されて、左右中央の作溝器50の側方または前方に配置される。支持アーム59の中途部は支持ケース49a(または植付伝動ケース46)に上下回転自在に支持され、支持アーム59の他端は前上方に延設されて、センサワイヤ61と連結されている。センサワイヤ61の他端は走行部10に設けた図示しない昇降油圧装置と連結されている。
昇降油圧装置は植付部40を昇降する昇降シリンダを昇降制御するものであり、植付部4を設定高さ、つまり、植付深さが設定深さとなるように、昇降シリンダを昇降制御する。例えば、圃場が固く作溝器50が浮き上がり上昇すると、センサローラ54は下降し、センサワイヤ61は伸ばされて、昇降油圧装置は昇降シリンダを伸長させて植付部40を下降させ、設定深さまで下降させる。逆に、圃場が柔らかく作溝器50が沈み下降すると、センサローラ54は上昇し、センサワイヤ61は引っ張られて、昇降油圧装置は昇降シリンダを縮小させて植付部40を上昇させ、設定深さまで上昇させる。こうして設定深さを維持し、植付姿勢を安定させることを可能としている。
以上のように、乗用型の走行部10の後部に昇降機構30を介して植付部40が装着され、該植付部40はロータリ式またはクランク式の植付爪部70を備え、該植付爪部70の上下方向の回動により苗載台41上に載置したセル苗マット8から一株ずつ植付爪45により切り取り圃場に直接セル苗80を植え付けるので、移植にかかる時間を短縮して植付効率を高めることができる。そして、セル苗80は作溝器50内で放出されるので、未耕地の場合であっても周囲の雑草や土塊等の影響を受けて植付姿勢が乱れることがなく植え付けられる。
また、野菜移植機1には植付時に灌水する灌水装置6が備えられ、該灌水装置6は、野菜移植機1に搭載される灌水用タンク62と、植付部40に設けられ植付タイミングに合わせて灌水タンク62からの水を吐出する灌水ポンプ64と、該灌水ポンプ64から吐出される水を植付位置近傍に吐水する吐水手段とを備えるので、機械的にセル苗を移植するときに、同時に灌水ができて、活着がよくなり、機械的に移植しても枯れることを減らし、生育率を高めることができる。また、移植時に最小限必要な水量を吐出することができ、無駄な灌水がなく、一度灌水タンクに給水するだけで、広い圃場の連続移植作業ができる。
前記吐水手段となる灌水ノズル65は植付爪45が回動される最下部の前方に配置した場合には、圃場の土を湿らせてからセル苗80が植え付けられ、圃場の土と根鉢81との活着性が向上する。
また、前記吐水手段となる灌水ノズル65は植付爪45が回動される最下部の後方に配置した場合には、セル苗80の植付、覆土後に灌水され、覆土された土と根鉢81とその周囲の土が水で湿らされて馴染み、活着性が向上する。
また、前記灌水ノズル65は前記植付爪45の前下方に配設して圃場面に溝を形成する作溝器50に取り付けられるので、圃場に対する高さ及び吐水位置が一定となり、灌水状態が一定となって、移植後の苗の生育も略一定とすることができる。
また、前記灌水タンク62は左右の前輪12・12のより前方のステップ23a下方に配置されるので、前方の視界を遮ることなく、機体フレーム11の下方の空間を有効に利用することができる。また、前後バランスを良好に保つことができる。
本発明は、野菜や花卉等のセル苗を、走行部の後部に装着した植付部の苗載台に載置して、回転するロータリ式またはクランク式の植付爪で切り取り移植する移植機に適用することができる。
1 野菜移植機
6 灌水装置
8 セル苗マット
10 走行部
30 昇降機構
40 植付部
41 苗載台
45 植付爪
62 灌水用タンク
64 灌水ポンプ
65 灌水ノズル

Claims (5)

  1. 乗用型の走行部の後部に昇降機構を介して植付部が装着され、該植付部に設けた植付爪の上下方向の回動により苗載台上に載置したセル苗マットから一株ずつ植付爪により切り取り圃場に植え付ける野菜移植機であって、野菜移植機には植付時に灌水する灌水装置が備えられ、該灌水装置は、灌水用タンクと、植付部に設けられ植付タイミングに合わせて灌水タンクからの水を吐出する吐水手段とを備えることを特徴とする野菜移植機。
  2. 前記吐水手段は灌水ポンプと灌水ノズルからなり、灌水ノズルは植付爪が回動される最下部の前方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の野菜移植機。
  3. 前記吐水手段は灌水ポンプと灌水ノズルからなり、灌水ノズルは植付爪が回動される最下部の後方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の野菜移植機。
  4. 前記灌水ノズルは前記植付爪の前下方に配設して圃場面に溝を形成する作溝器に取り付けられることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の野菜移植機。
  5. 前記灌水タンクは、左右の前輪よりも前方のステップ下方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の野菜移植機。

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