JPWO2014021283A1 - 硬化樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アリルエステル樹脂組成物のフィルムまたはシートを半硬化した後、所望の立体形状に成形し、前記の形状を保持した状態で二次硬化する硬化樹脂成形品の製造方法、及びアリルエステル樹脂組成物のフィルムまたはシートを半硬化した後、前記半硬化したフィルムまたはシートに他のフィルムまたはシートを貼り合せた後、所望の立体形状に成形し、前記の形状を保持した状態で二次硬化することを特徴とする硬化樹脂成形品の製造方法に関する。本発明によれば、携帯電話、タブレットPCなどに利用できる、透明で、表面硬度、耐熱性に優れ、かつ立体、曲面形状を有する成形品を製造できる。

Description

本発明は硬化性樹脂組成物を用いた硬化樹脂成形品の製造方法に関する。さらに詳しく言えば、光学部材として好適な透明性と耐熱性及び表面硬度を有する立体形状の硬化樹脂成形品の製造方法に関する。
従来、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネルなどの各種表示素子用基板、構成部材である筺体、前面板、光学レンズなどに主にガラスが用いられてきたが、軽量、割れにくいなどの特徴を有するプラスチックへの代替が検討されており、その特性に応じて様々な厚みのプラスチックが提案されている。
PET(Polyethylene terephtalate)やPEN(Polyethylene naphthalate)などのポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、非晶性ポリオレフィン(非晶PO)などの熱可塑性の透明プラスチックは、軽量、割れにくい、曲げられるといった優れた性質を有する。しかし、これらのプラスチックは、透明性に優れているものの、耐熱性の点において十分ではなく、さらに表面硬度も低いため、用途によってはハードコート層を設ける必要があった。
一方、硬化性の樹脂は架橋構造を有するため、耐熱性が高く、表面硬度が優れている。特にアリルエステル基樹脂を用いた成形品は、耐熱性、透明性、光学特性、機械特性に優れており、光学レンズや透明導電性基板などの基材として有用であることが知られている(特開2001-114850号公報(特許文献1)及び特開2007-299739号公報(WO2007/117030)(特許文献2))。
近年、前記の表示装置は薄型化の要求が高まり、その素材であるフィルムまたはシートも薄肉化が求められている。アリルエステル樹脂のフィルムまたはシートの成形に関しても、光硬化や熱硬化での成形方法が知られている(特開2009-197102号公報(US2009/209718)(特許文献3))。しかし、これらの成形方法で得られるフィルムまたはシートは平板であり、曲面形状や立体形状の成形品は記載されていない。また、近年では携帯電話やスマートフォン、タブレットPCなど、様々な形状の前面板や筺体が提案されており、透明かつ耐熱性、表面硬度の高い、曲面、立体形状の材料が望まれているが、このような特性を満足できる材料はなかった。
特開2001−114850号公報 特開2007−299739号公報(WO2007/117030) 特開2009−197102号公報(US2009/209718)
本発明は、光学部材として好適な耐熱性と表面硬度に優れ、曲面形状や立体形状の成形品の製造方法を提供することを課題とするものである。
かかる課題を解決するため本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、アリルエステル樹脂組成物の半硬化品を用いて二次加工することにより目的を達成しうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[7]の事項に関する。
[1]アリルエステル樹脂組成物のフィルムまたはシートを半硬化した後、半硬化したフィルムまたはシートを所望の立体形状に成形し、前記の形状を保持した状態で二次硬化すること特徴とする硬化樹脂成形品の製造方法。
[2]アリルエステル樹脂組成物のフィルムまたはシートを半硬化した後、前記半硬化したフィルムまたはシートに他のフィルムまたはシートを貼り合せた後、所望の立体形状に成形し、前記の形状を保持した状態で二次硬化することを特徴とする硬化樹脂成形品の製造方法。
[3]前記半硬化したフィルムまたはシートのゲル分率が20〜90%である前項1または2に記載の硬化樹脂成形品の製造方法。
[4]前記アリルエステル樹脂組成物が光重合開始剤と熱重合開始剤含み、前記アリルエステル樹脂組成物の半硬化を光照射で行い、二次硬化を加熱で行う前項1〜3のいずれかに記載の硬化樹脂成形品の製造方法。
[5]前記他のフィルムまたはシートが、アリルエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィン系ポリマー、トリアセチルセルロース、ポリイミド、ポリアラミド、ポリエーテルスルホン、シロキサン系ポリマー、フッ素系ポリマー、非晶性ポリオレフィン、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂及びウレタンアクリレート樹脂から選択された樹脂のフィルムまたはシートである前項2に記載の硬化樹脂成形品の製造方法。
[6]二次硬化を金型中での加熱で行う前項1〜5のいずれかに記載の硬化樹脂成形品の製造方法。
[7]アリルエステル樹脂組成物が、一般式(2)
Figure 2014021283
(式中、R3は水素原子またはメチル基を表し、A2はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基を表す。)
で示される基を末端基として有し、かつ一般式(3)
Figure 2014021283
(式中、A3はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基を表し、Xは多価アルコールから誘導された一種以上の有機残基を表す。ただし、Xはエステル結合によって上記一般式(2)で示される基を末端基とし、上記一般式(3)で示される構造を構成単位とする分岐構造を形成することができる。)
で示される構造を構成単位として有するアリルエステルオリゴマーを含むものである前項1〜5のいずれかに記載の硬化樹脂成形品の製造方法。
本発明によれば、携帯電話、タブレットPCなどに利用できる、透明で、表面硬度、耐熱性に優れ、かつ立体、曲面形状を有する成形品を製造できる。
(a)〜(d)は、各々本発明の方法により得ることのできる立体形状の硬化樹脂成形品の例を示す。 本発明の製造方法の一例の工程を示すフロー図である。 実施例1で得られた円筒形の硬化樹脂成形品の写真である。 実施例2で得られた円弧形の硬化樹脂成形品の写真である。 実施例3で得られた円弧形の硬化樹脂成形品の写真である。 実施例4で得られた円弧形の硬化樹脂成形品の写真である。 実施例5で得られた円弧形の硬化樹脂成形品の写真である。
図2に本発明の硬化樹脂成形品の製造方法の一例の工程を示す。本例では、アリルエステル樹脂組成物のフィルムまたはシート(1)に紫外線(UV)を照射して(工程a)、半硬化フィルムまたはシートを作成し(工程b)、このフィルムまたはシートを金型(2a,2b)を用いて所望の形状に成形し(工程c)、金型の中で加熱して二次硬化させ(工程d)、脱型して硬化樹脂成形品(3)を得、必要に応じて端部を切除する(工程e)。
本発明の硬化樹脂成形品の製造方法では、光重合開始剤と熱重合開始剤を含むアリルエステル樹脂組成物を半硬化(Bステージ化)させたフィルムまたはシートを所望の立体形状に成形し、その形状を保持した状態で、加熱により硬化させることを特徴とする。以下に詳しく説明する。
[アリルエステル樹脂]
本発明において使用する、半硬化させたアリルエステル樹脂組成物を構成するアリルエステル樹脂は熱硬化性樹脂の一種である。
一般的に、「アリルエステル樹脂」というと硬化する前のプレポリマー(オリゴマーや添加剤、反応性モノマー(「反応性希釈剤」とも言う。)、溶媒を含む)を指す場合とその硬化物を指す場合の二通りの場合があるが、本明細書中では「アリルエステル樹脂」は硬化物を示し、「アリルエステル樹脂組成物」は硬化前のプレポリマーを示すものとする。
[アリルエステル樹脂組成物]
本発明において用いられるアリルエステル樹脂組成物はアリル基またはメタリル基(以降、あわせて(メタ)アリル基と言う場合がある。(メタ)アリルアルコールも同様である。)とエステル構造を有する化合物を主な硬化成分として含有する組成物である。
(メタ)アリル基とエステル構造を有する化合物は、(1)(メタ)アリル基及び水酸基を含む化合物(表現を簡略化するため、以下では「(メタ)アリルアルコール」と総称する。)とカルボキシル基を含む化合物とのエステル化反応、(2)(メタ)アリル基及びカルボキシル基を含む化合物と水酸基を含む化合物とのエステル化反応、または(3)(メタ)アリルアルコールとジカルボン酸からなるエステル化合物と多価アルコールとのエステル交換反応により得ることができる。カルボキシル基を含む化合物がジカルボン酸とジオールとのポリエステルオリゴマーである場合には、末端のみ(メタ)アリルアルコールとのエステルとすることもできる。
(メタ)アリルアルコールとジカルボン酸からなるエステル化合物の具体例としては、一般式(1)
Figure 2014021283
(R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子またはメチル基のいずれかの基を表し、A1はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基を表す。)
で示される化合物の中から選ばれる少なくとも1種以上の化合物が挙げられる。この化合物は後述のアリルエステルオリゴマーの原料となる他、反応性希釈剤(反応性モノマー)として本発明のアリルエステル樹脂組成物に含まれていてもよい。
一般式(1)中のA1は後述の一般式(2)、一般式(3)におけるA2、A3と同様のものが好ましい。
アリルエステル樹脂組成物の主な硬化成分である(メタ)アリル基とエステル構造を有する化合物としては、アリル基及び/またはメタリル基を末端基とし、多価アルコールとジカルボン酸とから形成されたエステル構造を有するアリルエステル化合物(以下、これを「アリルエステルオリゴマー」と記載することがある。)であることが好ましい。アリルエステル樹脂組成物には上記化合物以外の成分として、後述する硬化剤、反応性希釈剤、他のモノマー、添加剤、その他ラジカル反応性の樹脂成分などを含有してもよい。
[アリルエステルオリゴマー]
本発明において用いられるアリルエステル樹脂組成物の主成分は、一般式(2)
Figure 2014021283
(式中、R3は水素原子またはメチル基を表し、A2はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基を表す。)
で示される基を末端基として有し、かつ一般式(3)
Figure 2014021283
(式中、A3はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基を表し、Xは多価アルコールから誘導された一種以上の有機残基を表す。ただし、Xはエステル結合によって上記一般式(2)で示される基を末端基とし、上記一般式(3)で示される構造を構成単位とする分岐構造を形成することができる。)
で示される構造を構成単位として有するアリルエステルオリゴマーであることが好ましい。
上記アリルエステルオリゴマーにおいて、前記一般式(2)で示される末端基の数は少なくとも2個以上であるが、前記一般式(3)のXが分岐構造を有する場合には3個以上となる。この場合、各末端基のR3も複数個存在することになるが、これらの各R3は必ずしも同じ種類でなくてもよく、ある末端はアリル基、他の末端はメタリル基という構造であっても構わない。また、全ての末端がアリル基またはメタリル基である必要はなく、硬化性を損なわない範囲で、その一部はメチル基またはエチル基などの非重合性基であってもよい。A2で示される構造についても同様に、各末端基で異なっていてもよい。例えば、ある末端のA2はベンゼン環、他方はシクロヘキサン環という構造であってもよい。
一般式(2)におけるA2はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基である。ジカルボン酸に由来する部分はA2に隣接するカルボニル構造で示されている。したがって、A2の部分はベンゼン骨格やシクロヘキサン骨格を示す。
2構造を誘導するジカルボン酸としては特に制限はないが、原料の入手しやすさの点からは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−m,m’−ジカルボン酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、p−フェニレンジ酢酸、p−カルボキシフェニル酢酸、メチルテレフタル酸、テトラクロルフタル酸が好ましく、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が特に好ましい。中でも分子内に芳香環を有さない1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を用いることが耐光性の点で好ましく、高い透明性が求められる用途には1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を用いることが好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、A2構造を誘導するジカルボン酸に加え、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水エンディック酸、無水クロレンド酸などの(反応時において)非環状のジカルボン酸を使用してもよい。
一般式(3)で示される構造単位は、アリルエステルオリゴマー中に少なくとも1つは必要であるが、この構造が繰り返されることによりアリルエステルオリゴマー全体の分子量がある程度大きくなった方が適切な粘度が得られるので作業性が向上し、硬化物の靭性も向上するので好ましい。しかし、分子量が大きくなりすぎると硬化物の架橋点間分子量が大きくなりすぎるため、ガラス転移温度(Tg)が低下し、耐熱性が低下するおそれもある。用途に応じて適切な分子量に調整することが大切である。アリルエステルオリゴマーの重量平均分子量は500〜200,000が好ましく、1,000〜100,000がさらに好ましい。
また、一般式(3)におけるA3はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基であり、その定義及び好ましい化合物の例は一般式(2)におけるA2と同様である。
一般式(3)中のXは、多価アルコールから誘導された一種以上の有機残基を表す。多価アルコールとは2個以上の水酸基を有する化合物であり、X自体は、多価アルコールの水酸基以外の骨格部分を示す。多価アルコール中の水酸基は少なくとも2個が存在していればよいため、原料となる多価アルコールが3価以上、すなわち、水酸基が3個以上のときは、未反応の水酸基が存在していてもよい。多価アルコールの炭素数は2〜20が好ましい。
炭素数2〜20の多価アルコールの具体例のうち、2価のアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノール−Aのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノール−Aのプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールA、2,2−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパンなどが挙げられる。
また、3価以上の多価アルコールの具体例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタリスリトールなどが挙げられる。これらの多価アルコールの2種以上の混合物であってもよい。また、上述の具体例に限定されるものではない。
アリルエステルオリゴマー中の一般式(3)で示される構造単位としては、同一の構造単位が繰り返されていても、異なる構造単位が含まれていてもよい。つまり、アリルエステルオリゴマーは共重合タイプであってもよい。この場合、一つのアリルエステルオリゴマーには数種類のXが存在することになる。例えば、Xの一つがプロピレングリコール由来の残基、もう一つのXがトリメチロールプロパン由来の残基であるという構造でもよい。この場合、アリルエステルオリゴマーはトリメチロールプロパン残基の部分で枝分かれすることになる。A3も同様にいくつかの種類が存在してもよい。以下にR3がアリル基、A2及びA3がイソフタル酸由来の残基、Xがプロピレングリコールとトリメチロールプロパンの場合の構造式を示す。
Figure 2014021283
[アリルエステルオリゴマーの製造方法]
本発明に用いられるアリルエステルオリゴマーは、多価カルボン酸のアリルエステルモノマーと2〜6個の水酸基を有する多価アルコールとのエステル交換反応により製造することができる。多価カルボン酸のアリルエステルモノマーは多価カルボン酸と(メタ)アリルアルコールのエステルであり、特にジカルボン酸のアリルエステルモノマーが好ましい。具体的には、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸ジアリル、メチルテトラヒドロフタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、コハク酸ジアリル、マレイン酸ジアリルなどが挙げられる。これらアリルエステルモノマーは、必要に応じて2種以上使用することもできる。また、上述の具体例に限定されるものではない。
多価アルコールとしては前述のX構造を誘導する多価アルコールを使用する。
末端に(メタ)アリルエステル基を有するアリルエステルオリゴマーを得るためには、これらの使用比率として、2価のカルボン酸のカルボキシル基よりも、多価アルコールのヒドロキシル基を少なく用いる必要がある。
本発明で使用するエステル交換反応触媒としては、従来知られているエステル交換触媒が使用できるが、特に好ましいのはアルカリ金属、アルカリ土類金属及びそれらの酸化物、及び弱酸塩、Mn,U,Zn,Cd,Zr,Pb,Ti,Co及びSnの酸化物、水酸化物、無機酸塩、アルコラート、有機酸塩、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライドなどの有機錫化合物などを挙げることができる。中でも、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイドが好ましい。
使用量としては、触媒の活性によって異なるが、適度な速度でアリルアルコールを留出させ得るような量を使用すべきである。一般的には、多価カルボン酸のアリルエステルモノマーに対して0.0001〜1質量%、特に好ましくは0.001〜0.5質量%程度を使用することが好ましい。
この製造工程における反応温度は、特に制限はないが、好ましくは120〜230℃の範囲、より好ましくは140〜200℃の範囲である。
反応の実施の形態としては、反応の進行を促進させるため、減圧下で行うか、適当な溶媒を使用して副生するアリルアルコールを反応系外に除去しながら行う必要がある。
アリルエステルオリゴマーの具体的な製造方法は例えば特公平6−74239号公報(US4959451)に記載されている。
[硬化剤]
本発明において用いられるアリルエステル樹脂組成物には硬化剤を使用してもよい。使用できる硬化剤としては特に制限はなく、一般に重合性樹脂の硬化剤として用いられているものを用いることができる。中でも、アリル基の重合開始の点からラジカル重合開始剤を添加することが望ましい。ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物、光重合開始剤、アゾ化合物などが挙げられる。
有機過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイド、アシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシエステルなどの公知のものが使用可能であり、その具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、2,5−ジメチル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルクミルパーオキサイド、p−メチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキシド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド及び2,5−ジメチル−2,5−ジブチルパーオキシヘキシン−3などが挙げられる。
また、上記の光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。
アゾ化合物としては、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)などが挙げられる。
これらのラジカル重合開始剤は1種でもよく、2種以上を混合ないし組み合わせて用いてもよい。アリルエステル樹脂組成物のフィルムまたはシートの半硬化はUVなどの活性エネルギー線の照射によると、半硬化で止める反応制御が容易となる。また、その後の二次硬化、さらにその後の後硬化には有機過酸化物などの熱硬化型のラジカル重合開始剤が適している。したがって、2種類以上の硬化剤を組み合わせることがより好ましく、特に光重合開始剤と熱重合開始剤を組み合わせることが好ましい。
硬化剤の配合量には特に制限はないが、アリルエステル樹脂組成物中のラジカル重合成分100質量部に対し、0.1〜10質量部配合することが好ましく、0.5〜5質量部配合することがより好ましい。硬化剤の配合量が0.1質量部より少ないと充分な硬化速度が得ることが困難であり、また配合量が10質量部を超えると、最終的な硬化物がもろくなり、機械強度が低下する場合がある。
[反応性モノマー]
本発明において用いられるアリルエステル樹脂組成物には、硬化反応速度のコントロール、粘度調整(作業性の改善)、架橋密度の向上、機能付加などを目的として、反応性モノマー(反応性希釈剤)を加えることもできる。反応性モノマーとしては特に制限はなく、種々のものが使用できるが、アリルエステルオリゴマーと反応させるためにはビニル基、アリル基などのラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を有するモノマーが好ましい。例えば、不飽和脂肪酸エステル、芳香族ビニル化合物、飽和脂肪酸または芳香族カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体、架橋性多官能モノマーなどが挙げられる。中でも、架橋性多官能性モノマーを使用すれば、硬化物の架橋密度を制御することもできる。これら反応性モノマーの好ましい具体例を以下に示す。
不飽和脂肪酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、フルオロフェニル(メタ)アクリレート、クロロフェニル(メタ)アクリレート、シアノフェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート及びビフェニル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸芳香族エステル;
フルオロメチル(メタ)アクリレート及びクロロメチル(メタ)アクリレートなどのハロアルキル(メタ)アクリレート;
さらに、グリシジル(メタ)アクリレート、アルキルアミノ(メタ)アクリレート、及びα−シアノアクリル酸エステルなどが挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン及びビニルトルエンなどを挙げることができる。
飽和脂肪酸または芳香族カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及び安息香酸ビニルなどを挙げることができる。
架橋性多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエステルジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−ω−(メタ)アクリロイロキシピリエトキシ)フェニル)プロパンなどのジ(メタ)アクリレート;
フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジメタリル、テレフタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリル、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジアリル、1,4−キシレンジカルボン酸アリル及び4,4’−ジフェニルジカルボン酸ジアリルなどの芳香族カルボン酸ジアリル類;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及びジビニルベンゼンなどの二官能の架橋性モノマー;トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストーリルトリ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、トリ(メタ)アリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート及びジアリルクロレンデートなどの三官能の架橋性モノマー;さらにペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレートなどの四官能の架橋性モノマーなどが挙げられる。
上記の反応性モノマーは、1種単独で、または2種以上混合または組み合わせて用いることができる。これらの反応性モノマーの樹脂成分の使用量には特に制限はないが、アリルエステルオリゴマー100質量部に対して、1〜1000質量部であることが好ましく、2〜500質量部であることがより好ましく、5質量部〜100質量部であることが特に好ましい。反応性モノマーの使用量が1質量部未満であると、粘度低下効果が小さくいために作業性が悪化したり、反応性モノマーとして多官能性モノマーを使用した場合には架橋密度が低くなり耐熱性が不十分になったりすることがある。また、使用量が1000質量部を超えるとアリルエステル樹脂自体の優れた透明性が発現されなかったり、アリルエステル樹脂由来の機械強度が低下したりする場合がある。
[ラジカル反応性の樹脂成分]
本発明において用いられるアリルエステル樹脂組成物は、諸物性を改良する目的でラジカル反応性の樹脂成分を含んでいてもよい。これら樹脂成分としては不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などが挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂は、多価アルコールと不飽和多塩基酸(及び必要に応じて飽和多塩基酸)とのエステル化反応による縮合生成物を、必要に応じてスチレンなどの重合性不飽和化合物に溶解したもので、例えば「ポリエステル樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社,1988年発行,第16頁〜第18頁及び第29頁〜第37頁などに記載されている樹脂を挙げることができる。この不飽和ポリエステル樹脂は、公知の方法で製造することができる。
ビニルエステル樹脂はエポキシ(メタ)アクリレートとも呼ばれ、一般にエポキシ樹脂に代表されるエポキシ基を有する化合物と(メタ)アクリル酸などの重合性不飽和基を有するカルボキシル化合物のカルボキシル基との開環反応により生成する重合性不飽和基を有する樹脂、またはカルボキシル基を有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレートなどの分子内にエポキシ基を持つ重合性不飽和化合物のエポキシ基との開環反応により生成する重合性不飽和基を有する樹脂を指す。詳しくは「ポリエステル樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社,1988年発行,第336頁〜第357頁などに記載されており、その製造は、公知の方法により行うことができる。
ビニルエステル樹脂の原料となるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその高分子量同族体、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル及びその高分子量同族体、ビスフェノールFアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、ノボラック型ポリグリシジルエーテル類などが挙げられる。
上記のラジカル反応性の樹脂成分は、1種単独で、または2種以上混合または組み合わせて用いることができる。これらのラジカル反応性の樹脂成分の使用量には特に制限はないが、アリルエステルオリゴマー100質量部に対して、1〜1000質量部であることが好ましく、2〜500質量部であることがより好ましく、5〜100質量部であることが特に好ましい。反応性モノマーの使用量が1質量部未満であると、ラジカル反応性の樹脂成分由来の機械強度向上などの効果が小さく、作業性や成形性が悪化することがある。また、使用量が1000質量部を超えるとアリルエステル樹脂自体の耐熱性が現れない場合がある。
[添加剤]
本発明において用いられるアリルエステル樹脂組成物には、硬度、強度、成形性、耐久性、耐水性を改良する目的で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、消泡剤、レベリング剤、離型剤、撥水剤、難燃剤、低収縮剤、架橋助剤などの添加剤を必要に応じて添加することができる。
酸化防止剤としては、特に制限はなく、一般に用いられているものを用いることができる。中でも、ラジカル連鎖禁止剤であるフェノール系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤が特に好ましい。フェノール系酸化防止剤としては2,6−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)及び1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタンなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、一般に用いられているものを用いることができる。中でも、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤が好ましく、特に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましい。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
滑剤としては、特に制限はなく、一般に用いられているものを用いることができる。中でも、金属石鹸系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪族炭化水素系滑剤などが好ましく、金属石鹸系滑剤が特に好ましい。金属石鹸系滑剤としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸アルミニウムなどが挙げられる。これらは複合体として用いても良い。
消泡剤としては、ポリエーテルや界面活性剤などの有機系消泡剤やシリコーン系消泡剤などが挙げられる。
レベリング剤としては、シリコーン系レベリング剤、アクリル系レベリング剤などが挙げられる。
離型剤としては、シリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、ワックス系離型剤、ポリビニルアルコール系離型剤、ステアリン酸金属塩などが挙げられる。
撥水剤としては、シリコーン系撥水剤、フッ素系撥水剤、ワックス系撥水剤などが挙げられる。
難燃剤としては、トリメチルホスフェートなどのリン系難燃剤、水酸化アルミニウムなどの無機系難燃剤、シアヌル酸メラミンなどのノンハロゲン有機化合物系難燃剤などが挙げられる。
低収縮剤としては、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、スチレン−酢酸ビニル系ブロック共重合体などの有機高分子系低収縮剤などが挙げられる。
架橋助剤としては、イソシアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリメタリル、シアヌル酸トリアリルなどの架橋助剤などが挙げられる。
これらの添加剤は上述した具体例に制限されるものではなく、本発明の目的、または効果を阻害しない範囲であらゆるものを添加することができる。
[半硬化アリルエステル樹脂組成物のフィルムまたはシートの製造方法]
本発明に用いるアリルエステル樹脂の半硬化フィルムまたはシートは、アリルアステル樹脂組成物を他のフィルムまたはシート、平板などの基材上に展伸し、樹脂組成物を加熱あるいは活性エネルギー線を照射して、ゲル化して得られるものである。加熱または活性エネルギー線の照射時には基板状の樹脂組成物をカバーフィルムまたはシートで被覆しても良い。
本発明において「半硬化」の状態とは、樹脂組成物に含まれるモノマーあるいはアリルエステルオリゴマーの一部が架橋反応することで三次元網目構造が形成され、該網目構造の中に未反応の反応成分が保持され、かつ塑性変形が可能な状態を言う。半硬化の程度としては、半硬化フィルムまたはシートのゲル分率が、通常20〜90%の範囲にあり、好ましくは30〜85%であり、さらに好ましくは40〜80である。半硬化フィルムまたはシートのゲル分率が、上記範囲内にあれば、フィルムまたはシートの形状を保持できるので、二次硬化のために形状を変形させても良好な厚み精度を得ることができる。アリルエステル樹脂組成物が光重合開始剤を含有する場合、ゲル分率は、紫外線などの活性エネルギー線の照射量を変えることにより調整することができる。アリルエステル樹脂組成物が熱重合開始剤のみを含有するときは加熱温度、加熱時間を適宜調整して所望のゲル分率(半硬化状態)とすることができる。
ゲル分率は樹脂組成物を溶媒に溶かしたときに不溶分として残る成分の質量分率で表される。
Figure 2014021283
溶媒としては樹脂組成物各成分(無機物は除く)を溶解する溶媒を用いる。具体的にはアセトン、トルエン、キシレンなど溶媒が好ましい。不溶分はソックスレー抽出法やろ過法、金網袋、ティーバッグを用いた方法など測定することができる。
前記基材としては、活性エネルギー線を照射しても急激な劣化を生じないものであれば特に制限はない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、金属やガラスなどのフィルムやシートを用いることができる。前記カバーフィルム、シートを使用する場合には基材と同じ材質、形状、サイズのものが好ましい。これは基材とカバーフィルム、シート間での収縮やひずみの差を小さくするためである。なお、活性エネルギー線を照射する場合カバーフィルムまたはシートは当該活性エネルギー線が透過する材質を用いる必要がある。
前記基材及びカバーフィルムまたはシートは、半硬化フィルムまたはシートを基材から剥がし易くする目的で、剥離剤を塗布して形成した剥離層を設けて剥離シートとして用いることができ、半硬化フィルムまたはシートの片面、または両面に設けることができる。前記剥離シートは、例えば、剥離シート上に樹脂組成物を硬化後に所定の厚さとなるように展伸(塗布)し、塗布した樹脂組成物側からエネルギー線を照射して樹脂組成物をゲル化させて半硬化フィルムまたはシートを形成して、さらに剥離シートを重ねることで、剥離シートが両面に設けられた半硬化フィルムまたはシートを得ることができる。
剥離剤としては、アルキド系樹脂、シリコーン系樹脂などを含む剥離剤を用いることができる。剥離層は、剥離剤を基材の表面上に塗布することにより設けられる。基材上にアリルエステル樹脂組成物を展伸させる方法としては、特に制限なく、例えばロールコーター、スプレー、スピンコートなどの各種塗布方法により行うことができる。樹脂組成物の塗布量は、樹脂組成物の硬化後の厚さが後述する所望の厚さとなるように適宜選択すればよい。
活性エネルギー線としては、電離放射線、すなわち、紫外線または電子線などが挙げられる。電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含む光線を用いればよい。紫外線量としては、用いるアリルエステル樹脂組成物やフィルムシートの厚みに応じて適宜選択すればよく、通常10〜1000mJ/cm2程度であり、10〜700が好ましく、100〜500mJ/cm2がさらに好ましい。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯などが用いられる。
電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂組成物やフィルムの厚みに応じて適宜選定すればよく、通常加速電圧70〜300kV程度であることが好ましい。また、照射線量は、樹脂組成物がゲル化する程度の量が好ましく、通常5〜300gGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜50kGy(1〜5Mrad)の範囲で選定される。電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
また、半硬化は加熱によっても行うことができる。この場合、硬化剤として熱重合開始剤を含むことが望ましい。加熱による半硬化は熱重合開始剤の分解温度を勘案し、比較的低温、短時間で実施する。温度が高すぎると反応熱により、温度が上昇し、反応が半硬化の状態で止まらず、塑性変形できない状態まで反応が進行してしまうおそれがある。半硬化を加熱のみで行う場合には分解温度の異なる熱重合開始剤を併用するとよい。
前述のようにして得られる半硬化フィルムシートの厚みは、用途に応じて適宜選択すればよく、通常0.05〜3.0mm程度であり、0.1〜1.0mmが好ましい。
[成形品及びその製造方法]
次に本発明の成形品について説明する。本成形品は、半硬化アリルエステル樹脂組成物のフィルムまたはシートを、金型などを用いて所望の立体形状に成形し、その形状を保持した状態で二次硬化させることで得ることができる。二次硬化は加熱により行うことが好ましい。二次硬化は硬化反応がほぼ完了するまで行う。目安としてはゲル分率が90%以上である。この状態では金型から分離しても塑性変形せず、その形状を保持することができる。
二次硬化の加熱温度は使用したラジカル重合開始剤の種類によるが、通常は100℃〜200℃、好ましくは120〜180℃である。100℃以下では硬化が十分に進まず、また、200℃を超えると着色しやすくなる。
半硬化アリルエステル樹脂組成物のフィルムまたはシートを所望の立体形状に成形し、かつ加熱して二次硬化する方法としては、圧縮成形、真空成形、自由吹き込み成形、圧空成形、マッチドモールド成形方法などを挙げることができきる。この成形条件と金型の形状により二次硬化品の形状が決定される。直方体、円柱、角柱、棒状、半球状、二次曲面、三次曲面などの単純な形状以外に、図1(a)(板状のシートの両側端部を同一幅で垂直に曲げた形状)、(b)(曲面を有するシート)、(c)(タブレットPCのカバーなどに用いる形状)、(d)(シャーレや容器のカバーの形状)に示すような複雑な形状にすることも可能である。ほぼ完全に硬化するまで金型の中で所望形状に保持でき、成形形状の寸法精度の観点からは圧縮成形が望ましい。
二次硬化の後、完全に硬化させるために成形品をさらに加熱(アフターキュア)してもよい。このときの温度は二次硬化の温度よりも高く設定することが望ましい。
また、最終成形品が円筒などの二次曲面などの場合には半硬化アリルエステル樹脂組成物に他のフィルム、シート材料を二次加工で積層することもできる。
成形品を構成する他のフィルムシート材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィン系ポリマー(例えば、日本ゼオン株式会社製ZEONEX(登録商標))、トリアセチルセルロース、ポリイミド(例えば、三菱ガス化学株式会社製ネオプリム(登録商標)L)、ポリアラミド(例えば東レ株式会社製ミクトロン(登録商標))、ポリエーテルスルホン(例えば、住友化学株式会社製スミカエクセル(登録商標)PES)、シロキサン系ポリマー(例えば、新日鐵化学株式会社製シルプラス(登録商標))、フッ素系ポリマー(例えば、住友3M株式会社製ダイニオン(登録商標)PTFE)、非晶性ポリオレフィン(例えば、三井化学株式会社製アペル(登録商標))、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタンアクリレート樹脂などが挙げられる。成形品の用途によっては透明な材料を用いることも必要である。
また、本発明の成形品の機能性付与のために、ハードコート層、ガスバリアコート層、反射防止膜層、導電性膜層をつけてもよい。
半硬化アリルエステル樹脂組成物フィルムシートと他のフィルムを積層させるには接着層を介在させずに、直接二次加工の加熱処理で貼り合せることもできる。
本発明の立体形状の成形品は、光学材料として好適であり、液晶、有機ELディスプレイ、タッチパネルなどの表示装置部材や照明部材など、特に携帯ウインドウ、タプレットPCウインドウ、タッチパネル用カバー、タッチパネル基板、透明プリント基板、3D用眼鏡等に好適に用いることができる。
以下、合成例及び実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載により限定されるものではない。
[ゲル分率]
実施例に記載の半硬化または硬化フィルムのゲル分率は以下の方法により測定した。
半硬化または硬化フィルムをアセトン中で4時間環流し、可溶成分を抽出後、固形物をろ別した。得られた固形物を100℃で2時間乾燥させ、以下の計算式でゲル分率を計算した。
Figure 2014021283
式中、W0は抽出前のフィルムの質量、W1は抽出乾燥後の固形物の質量を表す。
合成例1:アリルエステルオリゴマー(1)の合成
蒸留装置の付いた2リットルの三つ口フラスコに、テレフタル酸ジアリル1625g、プロピレングリコール167g、ジブチル錫オキサイド0.813gを仕込み、窒素気流下、180℃で反応した。エステル交換反応で生成してくるアリルアルコールを留去しながら加熱を続けた。留去されたアリルアルコールが約170gになったところで反応系内を徐々に、約4時間かけて6.6kPaまで減圧し、アリルアルコールの留出速度を速めた。留出液が殆ど出なくなったところで、反応系内を0.5kPaに減圧し、さらに1時間反応させた後、反応物を冷却した。以下、これにより得られた反応生成物を「アリルエステルオリゴマー(1)」とする。
Figure 2014021283
合成例2:アリルエステルオリゴマー(2)の合成
蒸留装置の付いた2リットルの三つ口フラスコに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル1625g、トリメチロールプロパン167g、ジブチル錫オキサイド0.813gを仕込み、合成例1と同様に反応した。以下、この反応により得られた反応生成物を「アリルエステルオリゴマー(2)」とする。
Figure 2014021283
実施例1
合成例1で製造したアリルエステルオリゴマー(1)70質量部とトリメチロールプロパントリアクリレート30質量部、パーヘキサ(登録商標)HC(日油株式会社製)1質量部、IRGACURE(登録商標)184(BASF社製)0.5質量部を均一となるまで混合し、アリルエステル樹脂組成物(1)を調製した。次いで当該樹脂組成物を硬化後の厚さが200μmとなるように厚さ100μmのPETフィルム上にアプリケーターを用いて塗布した。塗布面に厚さ100μmのPETフィルムを被せた後、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製アイグランデージ、メタルハライドランプ)を用いて200mW/cm2、800mJ/cm2の条件で紫外線を照射して、樹脂組成物をゲル化(半硬化)させて半硬化フィルムを得た。半硬化フィルムのゲル分率は76%であった。
得られた半硬化フィルムを3cm×7cmのサイズに加工した後、片面のPETフィルムを剥がし、その面をSUS製の棒(直径3cm、SUS304製)に接するように巻きつけ、ポリイミドテープで固定した。それを160℃に保った強制対流式オーブンに入れ、1時間かけて二次硬化させた後、SUS製の棒から剥がし、硬化物を得た。次いで180℃で1時間アニールすることで、図3に写真で示す立体形状(円筒形)に成形した透明な硬化物を得た。この硬化物のゲル分率は99%であった。
実施例2
合成例2で製造したアリルエステルオリゴマー(2)80質量部とトリメチロールプロパントリアクリレート20質量部、パーヘキシル(登録商標)I(日油株式会社製)1質量部、DAROCURE(登録商標) TPO(BASF社製)0.5質量部を均一となるまで混合し、アリルエステル樹脂組成物(2)を調製した。次いで当該樹脂組成物を硬化後の厚さが200μmとなるように厚さ100μmのPETフィルム上にアプリケーターを用いて塗布した。塗布面に厚さ100μmのPETフィルムを被せた後、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製アイグランデージ、メタルハライドランプ)を用いて200mW/cm2、50mJ/cm2の条件で紫外線を照射して、樹脂組成物をゲル化(半硬化)させて半硬化フィルムを得た。半硬化フィルムのゲル分率は48%であった。
得られた半硬化フィルムを2cm×4cmのサイズに加工した後、片面のPETフィルムを剥がし、その面をSUS製の棒(直径3cm、SUS304製)に接するように巻きつけ、ポリイミドテープで固定した。それを160℃に保った強制対流式オーブンに入れ、1時間かけて二次硬化させた後、SUS製の棒から剥がし、硬化物を得た。次いで180℃で1時間アニールすることで、図4に写真で示す立体形状(円弧状)に成形した透明な硬化物を得た。この硬化物のゲル分率は99%であった。
実施例3
実施例2の紫外線照射時間を調整して200mJ/cm2の紫外線を照射し、半硬化フィルムを得た。この半硬化フィルムのゲル分率は67%であった。
得られた半硬化フィルムを実施例2と同様にして図5に写真で示す立体形状(円弧状)に成形した透明な硬化物を得た。この硬化物のゲル分率は99%であった。
実施例4
アリルエステル樹脂組成物(2)を硬化後の厚さが500μmとなるように厚さが100μmのPETフィルム上にアプリケーターを用いて塗布した。さらに塗布面に厚さが100μmのPETフィルムを被せた後、前記紫外線照射装置を用いて300mW/cm2、800mJ/cm2の条件で紫外線を照射して、樹脂組成物をゲル化(半硬化)させて半硬化フィルムを得た。半硬化フィルムのゲル分率は79%であった。
得られた半硬化フィルムを10cm×5.5cmのサイズに加工した後、両面のPETフィルムを付けたままSUS製の湾曲板(直径50cm、長さ30cm、幅30cm、SUS304製、厚み2mm)に接するようにポリイミドテープで固定した。それを160℃に保った強制対流式オーブンに入れ、1時間かけて二次硬化させた後、SUS製の湾曲板から剥がし、硬化物を得た。次いで両面のPETフィルムを剥がした後、180℃で10分間アニールすることで、図6に写真で示す立体形状に成形した透明な硬化物を得た。この硬化物のゲル分率は99%であった。
実施例5
実施例4と同様な方法で得た半硬化フィルムを10cm×5.5cmのサイズに加工した後、両面のPETフィルムを付けたままガラス製の円柱(直径10.5cm、長さ30cm、パイレックス(登録商標)製耐熱ガラス、厚み1.5mm)に巻きつけるようにポリイミドテープで固定した。それを160℃に保った強制対流式オーブンに入れ、1時間かけて二次硬化させた後、ガラス製の円柱から剥がし、硬化物を得た。次いで両面のPETフィルムを剥がした後、180℃で10分間アニールすることで、図7に写真で示す立体形状に成形した透明な硬化物を得た。この硬化物のゲル分率は99%であった。
比較例1
実施例2のアリルエステル樹脂組成物(2)を硬化後の厚さが200μmとなるように厚さ100μmのPETフィルム上にアプリケーターを用いて塗布した。塗布面に厚さ100μmのPETフィルムを被せた後、紫外線照射を行うことなく2cm×4cmのサイズに加工した後、片面のPETフィルムを剥がし、その面をSUS製の棒(直径3cm、SUS304製)に接するように巻きつけ、ポリイミドテープで固定した。このときのアリルエステル樹脂組成物(2)のゲル分率は0%、粘度は約1200mPa・sであり、SUS棒に巻き付ける際に流動して円筒形状を保持できなかった。それを160℃に保った強制対流式オーブンに入れ、1時間かけて硬化させた後、SUS製の棒から剥がし、硬化物を得た。次いで180℃で1時間アニールすることで、成形体を得たが、厚さが不均一であり、PETフィルムからのはみ出しなどがみられ形状も所定のものとならなかった。なお、この硬化物のゲル分率は99%であった。
比較例2
実施例2の紫外線照射時間を調整して2000mJ/cm2の紫外線を照射した後、160℃で10分間加熱し、ほぼ硬化したフィルムを得た。この硬化フィルムのゲル分率は95%であった。得られた硬化フィルムを2cm×4cmのサイズに加工した後、片面のPETフィルムを剥がし、その面をSUS製の棒(直径3cm、SUS304製)に接するように巻きつけようとしたが、割れてしまい、二次硬化工程を実施することができず、円筒状の成形体は得ることができなかった。
実施例1〜5及び比較例1〜2の結果をまとめて表1に示す。
Figure 2014021283
1 樹脂組成物のフィルムまたはシート
2(2a,2b) 金型
3 硬化樹脂成形品

Claims (7)

  1. アリルエステル樹脂組成物のフィルムまたはシートを半硬化した後、半硬化したフィルムまたはシートを所望の立体形状に成形し、前記の形状を保持した状態で二次硬化すること特徴とする硬化樹脂成形品の製造方法。
  2. アリルエステル樹脂組成物のフィルムまたはシートを半硬化した後、前記半硬化したフィルムまたはシートに他のフィルムまたはシートを貼り合せた後、所望の立体形状に成形し、前記の形状を保持した状態で二次硬化することを特徴とする硬化樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記半硬化したフィルムまたはシートのゲル分率が20〜90%である請求項1または2に記載の硬化樹脂成形品の製造方法。
  4. 前記アリルエステル樹脂組成物が光重合開始剤と熱重合開始剤含み、前記アリルエステル樹脂組成物の半硬化を光照射で行い、二次硬化を加熱で行う請求項1〜3のいずれかに記載の硬化樹脂成形品の製造方法。
  5. 前記他のフィルムまたはシートが、アリルエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィン系ポリマー、トリアセチルセルロース、ポリイミド、ポリアラミド、ポリエーテルスルホン、シロキサン系ポリマー、フッ素系ポリマー、非晶性ポリオレフィン、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂及びウレタンアクリレート樹脂から選択された樹脂のフィルムまたはシートである請求項2に記載の硬化樹脂成形品の製造方法。
  6. 二次硬化を金型中での加熱で行う請求項1〜5のいずれかに記載の硬化樹脂成形品の製造方法。
  7. アリルエステル樹脂組成物が、一般式(2)
    Figure 2014021283
    (式中、R3は水素原子またはメチル基を表し、A2はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基を表す。)
    で示される基を末端基として有し、かつ一般式(3)
    Figure 2014021283
    (式中、A3はジカルボン酸に由来する脂環式構造及び/または芳香環構造を有する一種以上の有機残基を表し、Xは多価アルコールから誘導された一種以上の有機残基を表す。ただし、Xはエステル結合によって上記一般式(2)で示される基を末端基とし、上記一般式(3)で示される構造を構成単位とする分岐構造を形成することができる。)
    で示される構造を構成単位として有するアリルエステルオリゴマーを含むものである請求項1〜6のいずれかに記載の硬化樹脂成形品の製造方法。
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