JP2018128570A - 光制御パネルおよび光学結像装置ならびに光制御パネルの製造方法 - Google Patents

光制御パネルおよび光学結像装置ならびに光制御パネルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結像品質に優れた光制御パネルおよび光学結像装置ならびに光制御パネルの製造方法を提供する。【解決手段】可視光が透過可能な複数の光透過部2,2と、隣り合う光透過部2,2の間に形成された反射層3とを備えた光制御パネル1。反射層3の両面は、それぞれ隣り合う光透過部2,2の一方および他方に直接接して光透過部2を通る可視光を反射する光反射面である。光透過部2は、少なくとも一部がアリルエステル樹脂組成物の硬化物からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、光制御パネルおよび光学結像装置ならびに光制御パネルの製造方法に関する。
従来、内部に複数の帯状の光反射部を有する2つの光制御パネルを、光反射部が直交するように向かい合わせて配置した光学結像装置がある。
光学結像装置では、一方側から入射した光は光反射部で反射しつつ光制御パネルを通過し、他方側の空間に収束して立体像を映し出すことができる(例えば、特許文献1を参照)。また、前記光学結像装置では、アルミニウムや銀を成膜することで反射機能を付与したプラスチック基材が用いられていることもある(例えば、特許文献2を参照)。そのため、光学結像装置は立体表示機器、ゲーム機、遊戯機器、広告塔等に応用されている。
特許第5437436号公報 国際公開第2016/088580号
従来の光制御パネルでは、光反射部が結像品質に悪影響を与えることがあった。
本発明の一態様は、結像品質に優れた光制御パネルおよび光学結像装置ならびに光制御パネルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は以下の[1]〜[7]に関する。
[1]可視光が透過可能な複数の光透過部と、隣り合う前記光透過部の間に形成された反射層とを備え、前記反射層の両面は、それぞれ前記隣り合う光透過部の一方および他方に直接接して前記光透過部を通る可視光を反射する光反射面であり、前記光透過部は、少なくとも一部がアリルエステル樹脂組成物の硬化物からなる光制御パネル。
[2]前記アリルエステル樹脂組成物が、一般式(2)
Figure 2018128570
(式中、Rはアリル基またはメタリル基を表し、Aはジカルボン酸に由来する、脂環式構造及び芳香環構造の少なくともいずれか一方を有する1種以上の有機残基を表す。)で示される基を末端基として有し、かつ一般式(3)
Figure 2018128570
(式中、Aはジカルボン酸に由来する、脂環式構造及び芳香環構造の少なくともいずれか一方を有する一種以上の有機残基を表し、Xは多価アルコールから誘導された一種以上の有機残基を表す。ただし、Xはエステル結合によって、さらに前記一般式(2)を末端基とし、前記一般式(3)を構成単位とする分岐構造を有することができる。)で示される構造を構成単位として有するアリルエステルオリゴマーを含むものである前項1に記載の光制御パネル。
[3]前記反射層は、アルミニウム、銀及びクロムから選択される金属からなる金属膜を有する前項1または2に記載の光制御パネル。
[4]前項1〜3のうちいずれかに記載の光制御パネルを少なくとも一対有し、前記一対の光制御パネルは、厚さ方向から見て少なくとも一部が重なり、重なり領域において前記反射層が交差するように配置されている光学結像装置。
[5]少なくとも一部がアリルエステル樹脂組成物の硬化物からなり、可視光が透過可能な第1の透明基材の両面に反射層を形成して第1積層体とする工程と、前記第1積層体の一方の面に、少なくとも一部がアリルエステル樹脂組成物からなる半硬化の樹脂組成物層を形成して第2積層体とする工程と、複数の前記第2積層体を、前記半硬化の樹脂組成物層が形成された面と前記半硬化の樹脂組成物層が形成されていない面とが当接するように積層させて複層積層体とする工程と、前記半硬化の樹脂組成物層を硬化させて第2の透明基材を得る工程と、前記複層積層体を、前記第1および第2の透明基材に対して交差する面に沿って切断することにより、前記第1の透明基材から切り出された光透過部と前記第2の透明基材から切り出された光透過部との間に前記反射層が形成され、前記反射層の両面がそれぞれ前記光透過部に接して前記光透過部を通る可視光を反射する光反射面であり、前記光透過部は、少なくとも一部がアリルエステル樹脂組成物の硬化物からなる光制御パネルを得る工程と、を有する光制御パネルの製造方法。
[6]前記半硬化の樹脂組成物層のゲル分率が20〜90%である前項5に記載の光制御パネルの製造方法。
[7]前記第1積層体の第1の透明基材に用いるアリルエステル樹脂組成物と、前記第2積層体の半硬化の樹脂組成物層に用いるアリルエステル樹脂組成物とが同一である前項5または6に記載の光制御パネルの製造方法。
本発明の一態様によれば、反射層の両面がそれぞれ光透過部に接しているため、反射層の両面をいずれも光反射面として機能させることができる。そのため、反射層を薄く形成して光の損失を最小化し、結像品質を高めることができる。また、反射層の両面をいずれも光反射面として機能させることができるため、光制御パネルの構造を簡略にでき、材料コスト削減が可能となる。
また、反射層の両面をいずれも光反射面として機能させるため、反射層を薄くできる。よって、光透過部を厚く形成し、光線透過率を高めることができる。そのため、明るい立体像が得られる。さらに、反射層を薄くできるため、光透過部の多層化による立体像の高精細化が可能である。
本発明の一態様によれば、光透過部が、可視光の光線透過率が高いアリルエステル樹脂組成物の硬化物で形成されているため、全光線透過率などの光学特性が良好となる。よって、結像品質の点で優れた光学結像装置が得られる。また、アリルエステル樹脂は耐光性に優れているため、光学結像装置の耐久性を高めることができる。
実施形態の光学結像装置を模式的に示す分解斜視図である。 図1の光学結像装置を模式的に示す斜視図である。 光制御パネルを示す斜視図である。 図3の光制御パネルを拡大して示す斜視図である。 図3の光制御パネルの製造工程を示す説明図である。 前図に続く製造工程を示す説明図である。 前図に続く製造工程を示す説明図である。 前図に続く製造工程を示す説明図である。 前図に続く製造工程を示す説明図である。 光制御パネルの製造工程の比較例を示す説明図である。 前図に続く製造工程を示す説明図である。 前図に続く製造工程を示す説明図である。 前図に続く製造工程を示す説明図である。 前図に続く製造工程を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<光学結像装置>
図1は、実施形態の光学結像装置を模式的に示す分解斜視図である。図2は、光学結像装置10を模式的に示す斜視図である。
図1および図2に示すように、光学結像装置10は、向かい合う一対の光制御パネル1,1と、光制御パネル1,1の外面側にそれぞれ設けられた透明保護層6,6とを備えている。以下、2つの光制御パネル1,1をそれぞれ第1の光制御パネル1A、第2の光制御パネル1Bという。
光制御パネル1,1(1A,1B)は、接着層7を介して固定されている。光制御パネル1,1(1A,1B)と透明保護層6,6とは、接着層8,8を介して固定されている。
[光制御パネル]
図3および図4に示すように、光制御パネル1は、複数の光透過部2と、複数の反射層3とを備えている。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を採用することがある。X方向は複数の光透過部2の並び方向である。Y方向は光制御パネル1の第1主面1aに沿う面内においてX方向と直交する方向である。Z方向は、X方向およびY方向に直交する方向であり、光制御パネル1の厚み方向である。平面視とは、光制御パネル1の厚み方向(Z方向)から見ることをいう。
複数の光透過部2と、複数の反射層3とは、X方向に交互に配置されている。
[光透過部]
光透過部2は、XZ断面が矩形であってY方向に延在する形状とされている。複数の光透過部2は、長さ方向を揃えて幅方向(X方向)に並べられている。光透過部2は、可視光が透過可能とされた透明層である。光透過部2は、可視光が全波長範囲において透過可能であることが好ましい。
光透過部2の第1主面2aおよびその反対面である第2主面2bはXY平面に沿う面である。第1主面2aは光制御パネル1の第1主面1aに含まれる面である。第2主面2bは、光制御パネル1の第1主面1aの反対面である第2主面1bに含まれる面である。光透過部2の側面2cは、隣り合う光透過部2に対向する面であり、YZ平面に沿う面である。
光制御パネル1の反射層3の間隔は、ほぼ光透過部2の並び方向(X方向)の寸法に相当し、その寸法(例えば図4における光透過部2の幅W1)は0.2〜0.5mmが好ましい。複数の光透過部2の幅W1は、互いに等しいことが好ましい。
光透過部2の表面硬度は鉛筆硬度で2H以上が好ましい。表面硬度が鉛筆硬度で2H以上であると、作業工程上で傷がつくなどの不具合が生じにくくなる。
また、光透過部2には前述の鉛筆硬度の他にも、全光線透過率が高いこと、ヘイズ値(曇価)が低いことが望まれる。それにより光制御パネルに用いた際に、高精細な反射像が得られる。全光線透過率は好ましくは90%以上であり、さらに好ましく91%以上である。ヘイズ値は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。
高精細な画像を得る点では「アッベ数」および「平滑性」も重要な特性となる。アッベ数は屈折率の波長依存性を示す数値であり、光透過部2のアッベ数が低すぎると像が不鮮明になる可能性がある。光透過部2のアッベ数は好ましくは40以上であり、さらに好ましくは50以上である。
平滑性は特に金属膜4を製膜した面(図4における側面2c)で重要であり、平滑性が低すぎると像がぼやけたように見え、質感を損なう可能性がある。平滑性は算術平均粗さ「Ra」で表した場合に、好ましくは10nm未満、さらに好ましくは5nm未満、特に好ましいのは2nm未満である。
さらに、ハンドリング性の点で、光透過部2の比重は低い方が好ましい。
[アリルエステル樹脂]
光透過部2は、アリルエステル樹脂組成物の硬化物で形成されている。アリルエステル樹脂は熱硬化性樹脂の1種である。アリルエステル樹脂組成物の硬化物で形成された光透過部2は、透明性に優れ、表面硬度および強度も高い。
一般的に、「アリルエステル樹脂」というと硬化する前のプレポリマー(オリゴマーや添加剤、モノマーを含む)を指す場合とその硬化物を示す場合の二通りの場合があるが、本明細書中では「アリルエステル樹脂」は硬化物を示し、「アリルエステル樹脂組成物」は硬化前のプレポリマーを示すものとする。
[アリルエステル樹脂組成物]
アリルエステル樹脂組成物は、アリル基またはメタリル基(以降、あわせて(メタ)アリル基と言う場合がある。)とエステル構造を有する化合物を主な硬化成分として含有する組成物である。
(メタ)アリル基とエステル構造を有する化合物は、[1](メタ)アリル基及び水酸基を含む化合物(ここではアリルアルコールと総称する)とカルボキシル基を含む化合物とのエステル化反応、[2](メタ)アリル基及びカルボキシル基を含む化合物と水酸基を含む化合物とのエステル化反応、または[3]アリルアルコールとジカルボン酸からなるエステル化合物と多価アルコールとのエステル交換反応により得ることができる。カルボキシル基を含む化合物がジカルボン酸とジオールとのポリエステルオリゴマーである場合には、末端のみアリルアルコールとのエステルとすることもできる。
(メタ)アリルアルコールとジカルボン酸からなるエステル化合物の具体例としては、下記一般式(1)
Figure 2018128570
(R、Rは、それぞれ独立してアリル基またはメタリル基のいずれかの基を表し、Aはジカルボン酸に由来する、脂環式構造及び芳香環構造の少なくともいずれか一方を有する1種以上の有機残基を表す。)
で表される化合物の中から選ばれる少なくとも1種以上の化合物が挙げられる。この化合物は後述のアリルエステルオリゴマーの原料となるほか、反応性希釈剤(反応性モノマー)としてアリルエステル樹脂組成物に含まれてもよい。一般式(1)中のAは後述の一般式(2)、一般式(3)におけるA、Aと同様のものが好ましい。
アリルエステル樹脂組成物の主な硬化成分である(メタ)アリル基とエステル構造を有する化合物としては、アリル基及びメタリル基の少なくともいずれか一方を末端基とし、多価アルコールとジカルボン酸とから形成されたエステル構造を有するアリルエステル化合物(以下、これを「アリルエステルオリゴマー」と記載することがある。)であることが好ましい。
また、その他の成分として、後述する硬化剤、反応性モノマー、添加剤、その他ラジカル反応性の樹脂成分等を含有してもよい。
[アリルエステルオリゴマー]
アリルエステルオリゴマーとしては、下記一般式(2)で表される基を末端基として有し、かつ下記一般式(3)で表される構造を構成単位として有する化合物が好ましい。
Figure 2018128570
(式中、Rはアリル基またはメタリル基を表し、Aはジカルボン酸に由来する、脂環式構造及び芳香環構造の少なくともいずれか一方を有する1種以上の有機残基を表す。)
Figure 2018128570
(式中、Aはジカルボン酸に由来する、脂環式構造及び芳香環構造の少なくともいずれか一方を有する1種以上の有機残基を表し、Xは多価アルコールから誘導された1種以上の有機残基を表す。ただし、Xはエステル結合によって、さらに前記一般式(2)を末端基とし、前記一般式(3)を構成単位とする分岐構造を有することができる。)
アリルエステルオリゴマーにおいて、前記一般式(2)で示される末端基の数は少なくとも2個以上であるが、前記一般式(3)のXが分岐構造を有する場合には3個以上となる。この場合、各末端基のRも複数個存在することになるが、これらの各Rは必ずしも同じ種類でなくてもよく、ある末端はアリル基、他の末端はメタリル基という構造であっても構わない。
また、全てのRがアリル基またはメタリル基でなければならないということはなく、硬化性を損なわない範囲で、その一部がメチル基またはエチル基等の非重合性基であってもよい。
で示される構造についても同様に、各末端基で異なっていてもよい。例えば、ある末端のAはベンゼン環、他方はシクロヘキサン環という構造であってもよい。
一般式(2)におけるAはジカルボン酸に由来する、脂環式構造及び芳香環構造の少なくともいずれか一方を有する1種以上の有機残基である。ジカルボン酸に由来する部分はAに隣接するカルボニル構造で示されている。従って、Aの部分はベンゼン骨格やシクロヘキサン骨格を示す。
構造を誘導するジカルボン酸としては特に制限はないが、原料の入手しやすさの点からは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−m,m’−ジカルボン酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、p−フェニレンジ酢酸、p−カルボキシフェニル酢酸、メチルテレフタル酸、テトラクロルフタル酸が好ましく、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が特に好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水エンディック酸、無水クロレンド酸等の(反応時において)非環状のジカルボン酸を使用してもよい。
一般式(3)で示される構造単位は、アリルエステルオリゴマー中に少なくとも1つは必要であるが、この構造が繰り返されることによりアリルエステルオリゴマー全体の分子量がある程度大きくなった方が適切な粘度が得られるので作業性が向上し、硬化物の靭性も向上するので好ましい。しかし、分子量が大きくなりすぎると架橋点間分子量が大きくなりすぎるため、Tgが低下し、耐熱性が低下するおそれもある。用途に応じて適切な分子量に調整することが大切である。
アリルエステルオリゴマーの重量平均分子量は500〜200,000が好ましく、1,000〜100,000がさらに好ましい。
また、一般式(3)におけるAはジカルボン酸に由来する、脂環式構造及び芳香環構造の少なくともいずれか一方を有する1種以上の有機残基であり、その定義及び好ましい化合物の例は一般式(2)におけるAと同様である。
一般式(3)中のXは、多価アルコールから誘導された1種以上の有機残基を表す。
多価アルコールとは2個以上の水酸基を有する化合物であり、X自体は、多価アルコールの水酸基以外の骨格部分を示す。
また、多価アルコール中の水酸基は少なくとも2個が結合していればよいため、原料となる多価アルコールが3価以上、すなわち、水酸基が3個以上のときは、未反応の水酸基が残っていてもよい。
多価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、イソシアヌル酸のエチレンオキシド3モル付加体、ペンタエリスリトール、トリシクロデカンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのエチレンオキシド3モル付加体、D−ソルビトール及び水素化ビスフェノールA等が挙げられる。これらの化合物の製造方法としては特に制限はないが、例えば特公平6−74239号公報に挙げられる方法で製造することができる。
アリルエステルオリゴマー中の一般式(3)で示される構造単位としては、同一の構造単位が繰り返されていてもよいが、異なる構造単位が含まれていてもよい。つまり、アリルエステルオリゴマーは共重合タイプであってもよい。この場合、1つのアリルエステルオリゴマーには数種類のXが存在することになる。例えば、Xの1つがプロピレングリコール由来の残基、もう1つのXがトリメチロールプロパン由来の残基であるというような構造でもよい。この場合、アリルエステルオリゴマーはトリメチロールプロパン残基の部分で枝分かれすることになる。Aも同様にいくつかの種類が存在してもよい。以下にRがアリル基、A,Aがイソフタル酸由来の残基、Xがプロピレングリコールとトリメチロールプロパンの場合の構造式を示す。
Figure 2018128570
[硬化剤]
アリルエステル樹脂組成物には硬化剤を使用してもよい。使用できる硬化剤としては特に制限はなく、一般に重合性樹脂の硬化剤として用いられているものを用いることができる。中でも、アリル基の重合開始の点からラジカル重合開始剤を添加することが望ましい。ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物、光重合開始剤、アゾ化合物等が挙げられる。
有機過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイド、アシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシエステル等の公知のものが使用可能であり、その具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、2,5−ジメチル2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルクミルパーオキサイド、p−メチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキシド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート及び2,5−ジメチル−2,5−ジブチルパーオキシヘキシン−3等が挙げられる。
また、上記の光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらのラジカル重合開始剤は1種を単独で、または2種以上を混合または組み合わせて用いてもよい。
これらの硬化剤の配合量には特に制限はないが、アリルエステル樹脂組成物100質量部に対し、0.1〜10質量部配合することが好ましく、0.5〜5質量部配合することがより好ましい。硬化剤の配合量が0.1質量部より少ないと充分な硬化速度が得ることが困難であり、また配合量が10質量部を超えると、最終的な硬化物がもろくなり、機械強度が低下する場合がある。
[反応性モノマー]
アリルエステル樹脂組成物には、硬化反応速度のコントロール、粘度調整(作業性の改善)、架橋密度の向上、機能付加等を目的として、反応性モノマー(反応性希釈剤)を加えることもできる。
これらの反応性モノマーとしては特に制限はなく、種々のものが使用できるが、アリルエステルオリゴマーと反応させるためにはビニル基、アリル基等のラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を有するモノマーが好ましい。例えば、不飽和脂肪酸エステル、芳香族ビニル化合物、飽和脂肪酸または芳香族カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体、架橋性多官能モノマー等が挙げられる。中でも、架橋性多官能性モノマーを使用すれば、硬化物の架橋密度を制御することもできる。これら反応性モノマーの好ましい具体例を以下に示す。
不飽和脂肪酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、フルオロフェニル(メタ)アクリレート、クロロフェニル(メタ)アクリレート、シアノフェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート及びビフェニル(メタ)アクリレート等のアクリル酸芳香族エステル;
フルオロメチル(メタ)アクリレート及びクロロメチル(メタ)アクリレート等のハロアルキル(メタ)アクリレート;
さらに、グリシジル(メタ)アクリレート、アルキルアミノ(メタ)アクリレート、及びα−シアノアクリル酸エステル等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン及びビニルトルエン等を挙げることができる。
飽和脂肪酸または芳香族カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及び安息香酸ビニル等を挙げることができる。
架橋性多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、オリゴエステルジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−ω−(メタ)アクリロイロキシピリエトキシ)フェニル)プロパン等のジ(メタ)アクリレート;
フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジメタリル、テレフタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリル、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジアリル、1,4−キシレンジカルボン酸アリル及び4,4’−ジフェニルジカルボン酸ジアリル等の芳香族カルボン酸ジアリル類;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及びジビニルベンゼン等の二官能の架橋性モノマー;トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストーリルトリ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、トリ(メタ)アリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート及びジアリルクロレンデート等の三官能の架橋性モノマー;
さらにペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート等の四官能以上の架橋性基を有するモノマーが挙げられる。
上記の反応性モノマーは、1種単独で、または2種以上を混合または組み合わせて用いることができる。これらの反応性モノマーの樹脂成分の使用量には特に制限はないが、アリルエステルオリゴマー100質量部に対して、1〜1000質量部であることが好ましく、2〜500質量部であることがより好ましく、5〜100質量部であることが特に好ましい。反応性モノマーの使用量が1質量部未満であると、粘度低下効果が小さく、作業性が悪化したり、また、反応性モノマーとして単官能性モノマーを使用した場合には、架橋密度が低くなり硬度が不十分になることがあるため好ましくない。また、使用量が1000質量部を超えるとアリルエステル樹脂自体の優れた透明性や機械強度が低下する場合があり好ましくない。
[ラジカル反応性の樹脂組成物]
アリルエステル樹脂組成物は、諸物性を改良する目的でラジカル反応性の樹脂成分を含んでいてもよい。これら樹脂成分としては不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等が挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂は、多価アルコールと不飽和多塩基酸(及び必要に応じて飽和多塩基酸)とのエステル化反応による縮合生成物を、必要に応じてスチレン等の重合性不飽和化合物に溶解したもので、例えば「ポリエステル樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社,1988年発行,第16頁〜第18頁及び第29頁〜第37頁などに記載されている樹脂を挙げることができる。この不飽和ポリエステル樹脂は、公知の方法で製造することができる。
ビニルエステル樹脂はエポキシ(メタ)アクリレートとも呼ばれ、一般にエポキシ樹脂に代表されるエポキシ基を有する化合物と(メタ)アクリル酸などの重合性不飽和基を有するカルボキシル化合物のカルボキシル基との開環反応により生成する重合性不飽和基を有する樹脂、またはカルボキシル基を有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレート等の分子内にエポキシ基を持つ重合性不飽和化合物のエポキシ基との開環反応により生成する重合性不飽和基を有する樹脂を指す。詳しくは「ポリエステル樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社,1988年発行,第336頁〜第357頁などに記載されており、その製造は、公知の方法により行うことができる。
ビニルエステル樹脂の原料となるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその高分子量同族体、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル及びその高分子量同族体、ビスフェノールFアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、ノボラック型ポリグリシジルエーテル類等が挙げられる。
上記のラジカル反応性の樹脂成分は、1種単独で、または2種以上を混合または組み合わせて用いることができる。
これらのラジカル反応性の樹脂成分の使用量には特に制限はないが、アリルエステルオリゴマー100質量部に対して、1〜1000質量部であることが好ましく、2〜500質量部であることがより好ましく、5〜100質量部であることが特に好ましい。
反応性モノマーの使用量が1質量部未満であると、ラジカル反応性の樹脂成分由来の機械強度向上などの効果が小さく、作業性が悪化したり、成形性が悪化したりするため好ましくない。また、使用量が1000質量部を超えるとアリルエステル樹脂自体の耐熱性が現れない場合があり好ましくない。
[添加剤]
アリルエステル樹脂組成物には、硬度、強度、成形性、耐久性、耐水性を改良する目的で、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、離型剤、滑剤、撥水剤、難燃剤、低収縮剤、架橋助剤などの添加剤を必要に応じて添加することができる。
酸化防止剤としては、特に制限はなく、一般に用いられているものを用いることができる。中でも、ラジカル連鎖禁止剤であるフェノール系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤が特に好ましい。フェノール系酸化防止剤としては2,6−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2‘−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)及び1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン等が挙げられる。
滑剤としては、特に制限はなく、一般に用いられているものを用いることができる。中でも、金属石鹸系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪族炭化水素系滑剤などが好ましく、金属石鹸系滑剤が特に好ましい。金属石鹸系滑剤としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。これらは複合体として用いられても良い。
紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、一般に用いられているものを用いることができる。中でも、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤が好ましく、特に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましい。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2−(2−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
しかし、これらの添加剤は上述した具体例に制限されるものではなく、本発明の目的、または効果を阻害しない範囲であらゆるものを添加することができる。
[アリルエステル樹脂組成物の硬化物]
アリルエステル樹脂組成物を、例えば光照射及び加熱の少なくともいずれか一方により硬化させることによって、透明性、耐熱性に優れたフィルムあるいはシートを得ることができる。
なお、フィルムは、通常、膜厚が250μm未満のものを指し、シートは厚みが250μm以上のものを指す。
樹脂組成物からフィルムあるいはシートを作製するにあたっては、一定の表面硬度が得られれば、どのような硬化方法を選択してもよい。一定以上の表面硬度を得るには、樹脂組成物をフィルム形状に塗工した後、光硬化及び熱硬化手法、もしくは熱硬化手法のみをとるのが好ましい。
樹脂組成物を硬化させる際の条件等には特に制限はないが、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムなどの透明プラスチックフィルム、金属シート、もしくはガラス板上に塗工し流延させた後、光硬化及び熱硬化、もしくは熱硬化を実施するのが好適である。
光硬化の場合、紫外線照射法が一般的であり、例えば紫外線ランプを使用して紫外線を発生させて照射することができる。紫外線ランプには、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、パルス型キセノンランプ、キセノン/水銀混合ランプ、低圧殺菌ランプ、無電極ランプ、LEDランプ等があり、いずれも使用することができる。これらの紫外線ランプの中でも、メタルハライドランプもしくは高圧水銀ランプが好ましい。照射条件はそれぞれのランプ条件によって異なるが、照射露光量が20〜5000mJ/cm程度が好ましい。また、紫外線ランプには楕円型、放物線型、拡散型等の反射板を取り付け、冷却対策として熱線カットフィルター等を装着するのが好ましい。また、硬化促進のために、予め30〜80℃に加温し、これに紫外線を照射してもよい。
熱硬化の場合、加熱方法は特に限定されないが、熱風オーブン、遠赤外線オーブン等の均一性に優れた加熱方法がよい。硬化温度は約100〜200℃、好ましくは120〜180℃である。硬化時間は、硬化方法により異なるが、熱風オーブンであれば0.5分〜5時間、遠赤外線オーブンであれば0.5〜60分間が好ましい。
また、光重合開始剤を用いた紫外線硬化や、有機過酸化物やアゾ化合物を用いた熱硬化は、ラジカル反応であるため酸素による反応阻害を受けやすい。硬化反応時の酸素阻害を防止するため、硬化性組成物は、透明プラスチックフィルム、金属シート、もしくはガラス板等のベースシート、ベースフィルム上へ塗工、流延後、光硬化を実施する前に、硬化性組成物上へ透明カバーフィルムを施し、流延された硬化性組成物表面の酸素濃度を1%以下にすることが好ましい。透明カバーフィルムは、表面に空孔がなく、酸素透過率の小さいもので、かつ紫外線硬化や熱硬化時に発生する熱に耐えられるものを使用する必要がある。例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)、アセテート樹脂、アクリル樹脂、フッ化ビニル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、シクロオレフィンポリマー(ノルボルネン樹脂)等のフィルムであり、これらを単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用できる。
ただし、硬化後の硬化物との剥離が可能でなければならないため、これらのベースシート、ベースフィルム、透明カバーフィルムの表面にシリコーン樹脂塗布、フッ素樹脂塗布等の易剥離処理が施されていてもよい。
アリルエステル樹脂組成物は液状であることから、公知の塗布装置を用いて所定の形状や形態となるように塗布、塗工等を行うことができる。塗布方式としては、グラビアコート、ロールコート、リバースコート、ナイフコート、ダイコート、リップコート、ドクターコート、エクストルージョンコート、スライドコート、ワイヤーバーコート、カーテンコート、スピナーコート等が挙げられる。なお、塗布、塗工、成形時のアリルエステル樹脂組成物の好ましい粘度範囲としては常温で100〜100,000mPa・sの範囲である。
[反射層]
反射層3は、例えば金属膜4からなる。金属膜4を構成する金属の種類に特に限定はないが、可視光の反射率が高いものが望ましい。
反射像の元映像の色調を正確に反映するためには、金属膜4を構成する金属は、無彩色(例えば銀色)の金属であることが望ましい。使用できる金属としては、アルミニウム、銀、金、チタン、ニッケル、銅,錫、インジウム、クロム、これらの合金が挙げられる。これらの中でもアルミニウム、銀、クロムが好ましい。
金属膜4は、隣り合う光透過部2,2の間に、光透過部2の側面2cに沿って光透過部2の長さ方向に延在する帯状に形成されている。例えば、金属膜4Aは、第1の光透過部2Aと第2の光透過部2Bとの間に形成されている。
金属膜4は、光透過部2の側面2cの全体を覆う形状であることが好ましい。金属膜4は、例えば光透過部2の主面2a,2bに対して垂直に形成されている。
反射層3(金属膜4)の両面は、光透過部2を通る可視光が反射する光反射面4a,4aである。光反射面4a,4aは、それぞれ隣り合う光透過部2,2の一方および他方の側面2c,2cに接している。
光制御パネル1,1(1A,1B)は、平面視において少なくとも一部が重なり、重なり領域において反射層3,3(3A,3B)が交差するように配置される。図1に示す光制御パネル1A,1Bは、平面視において全域が重なるように配置され、反射層3A,3Bは直交している。
光制御パネル1の厚さは、そのサイズ(例えばX方向およびY方向の寸法)に応じて適宜調整すればよいが、例えば、0.5〜10mmが好ましい。
[透明保護層]
透明保護層6,6は、フィルム状またはシート状に形成され、可視光(例えば波長380nm〜750nm)が透過可能とされている。透明保護層6は、可視光が全波長範囲において透過可能であることが好ましい。図1および図2では、透明保護層6,6は、それぞれ第1の光制御パネル1Aの上面側および第2の光制御パネル1Bの下面側に設けられている。第1の光制御パネル1Aの上面側の透明保護層6を第1の透明保護層6Aといい、第2の光制御パネル1Bの下面側の透明保護層6を第2の透明保護層6Bという。透明保護層は、透明保護部ともいう。
透明保護層6は、例えばアリルエステル樹脂組成物の硬化物からなる。透明保護層6の構成材料はガラスなどでもよい。
透明保護層6の厚さは、0.05〜1mm(好ましくは0.1〜0.5mm)が好適である。透明保護層6の厚さを0.05mm以上とすることによって、透明保護層6の強度を高めることができる。透明保護層6の厚さを1mm以下とすることによって、透明保護層6の透明度を高めることができる。
透明保護層6(透明保護部)の表面硬度は鉛筆硬度で2H以上が好ましい。表面硬度が鉛筆硬度で2H以上であると、光学結合装置表面に傷がつくなどの不具合が生じにくくなる。
また、透明保護層6には前述の鉛筆硬度の他にも、全光線透過率が高いこと、ヘイズ値(曇価)が低いことが望まれる。それにより光制御パネル表面に用いる際に、高精細な反射像が得られる。全光線透過率は好ましくは90%以上であり、さらに好ましく91%以上である。ヘイズ値は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。
高精細な画像を得る点では「アッベ数」および「平滑性」も重要な特性となる。アッベ数は屈折率の波長依存性を示す数値であり、透明保護層6のアッベ数が低すぎると像が不鮮明になる可能性がある。透明保護層6のアッベ数は好ましくは40以上であり、さらに好ましくは50以上である。
平滑性も重要である。平滑性が低すぎると像がぼやけたように見え、質感を損なう可能性がある。平滑性は算術平均粗さ「Ra」で表した場合に、好ましくは10nm未満、さらに好ましくは5nm未満、特に好ましいのは2nm未満である。
接着層7,8は、例えば透明な粘着剤、接着剤等からなる。粘着剤としてはゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系等が挙げられる。接着剤としてはフェノール樹脂、酢酸ビニル系、クロロプレンゴム系等の溶剤系、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、シリコーンゴム系等の硬化反応タイプ、スチレンブタジエンゴム系等の熱溶融タイプが挙げられる。
接着層7,8は、光硬化性(例えば紫外線硬化性)の樹脂からなる接着剤であることが好ましい。
図2に示すように、光学結像装置10では、光学結像装置10の一方側(図2における下方側)からの光L1,L2は、第2の透明保護層6Bを透過して第2の光制御パネル1Bに入射し、反射層3Bの光反射面4aで反射する。反射層3Bの光反射面4aからの反射光RB1,RB2は第1の光制御パネル1Aに入射し、反射層3Aの光反射面4aで反射する。反射層3Aの光反射面4aからの反射光RA1,RA2は、第1の透明保護層6Aを透過し、光学結像装置10の他方側(図2における上方側)に、立体像20を表示する。
<光学結像装置の製造方法>
次に、光学結像装置10を製造する方法の一例を説明する。
[透明基材の作製]
図5に示すように、アリルエステル樹脂組成物を、例えば光照射、加熱等により硬化させることによって、アリルエステル樹脂からなるシート状の透明基材12(第1の透明基材)を作製する。
[第1積層体の作製]
図6に示すように、透明基材12の両面に、それぞれ金属膜14を形成する。透明基材12の両面にそれぞれ金属膜14を形成した積層体を第1積層体16という。金属膜14の構成材料としては、前述の金属膜4を構成する金属が用いられる。
透明基材12の表面に金属膜14を形成する方法は特に限定されないが、転写法、ドライコーティング法、ウェットコーティング法が挙げられる。転写法としては金属箔を接着剤により透明基材12に貼り付ける方法がある。ドライコーティング法としては真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームスパッタリング法等が挙げられる。ウェットコーティング法としては湿式めっき法等が挙げられる。透明基材12の表面に均一に薄く金属膜14を形成するには真空蒸着法やスパッタリング法などの乾式の方法が好ましい。金属膜14は、透明基材12の一方の面に形成した後、他方の面に形成してもよいし、透明基材12の両面に同時に形成してもよい。
[第2積層体の作製]
第1積層体16の一方の表面に、アリルエステル樹脂組成物を塗布することにより接着層15(樹脂組成物層)を形成する。第1積層体16の一方の面に接着層15を形成した積層体を第2積層体17という。
接着層15は、加熱あるいは、紫外線等の光を照射することによって「半硬化」の状態とする。本実施形態において「半硬化」の状態とは、樹脂組成物に含まれるモノマーあるいはアリルエステルオリゴマーの一部が架橋反応することで三次元網目構造が形成され、該網目構造の中に未反応の反応成分が保持され、かつ塑性変形が可能な状態を言う。半硬化の程度としては、例えば、ゲル分率が、通常20〜90%の範囲にあり、好ましくは30〜85%であり、さらに好ましくは40〜80%である。ゲル分率が上記範囲内にあれば、フィルムまたはシートの形状を保持できるので、積層の際にも良好な厚み精度を維持することができる。アリルエステル樹脂組成物が光重合開始剤を含有する場合、ゲル分率は、紫外線などの活性エネルギー線の照射量を変えることにより調整することができる。
ゲル分率は、次に示すように、樹脂組成物を溶媒に溶かしたときに不溶解成分として残る成分の質量分率で表される。
ゲル分率(%)=100×{(不溶解成分質量)/(当初の樹脂組成物質量)}
溶媒としては樹脂組成物の各成分(無機物は除く)を溶解する溶媒を用いる。具体的にはアセトン、トルエン、キシレンなどが溶媒として好ましい。不溶解成分の質量は、ソックスレー抽出法により測定することができる。不溶解成分の質量は、ろ過法、金網袋、ティーバッグを用いた方法など測定することができる。
第2積層体17の接着層15の構成材料として用いられるアリルエステル樹脂組成物は、第1積層体16の透明基材12の構成材料として用いられるアリルエステル樹脂組成物と同一であることが好ましい。接着層15の構成材料としてのアリルエステル樹脂組成物と、透明基材12の構成材料としてのアリルエステル樹脂組成物とが同一であるとは、例えば、これら2つのアリルエステル樹脂組成物の組成が同じであることをいう。
これによって、図4に示すように、複数の光透過部2のうち第1の光透過部2Aと第2の光透過部2Bとを均質化できる。よって、光制御パネル1の光学特性が良好となる。
[複層積層体の作製]
図7に示すように、複数の第2積層体17を、接着層15が形成された面と、接着層15が形成されていない面とが当接するように積層させる。例えば、図7に示す第2積層体17は、いずれも下面側に接着層15が位置している。そのため、第2積層体17の接着層15は、下方側に隣り合う第2積層体17の金属膜14に当接するように重ねられる。複数の第2積層体17を有する積層体を複層積層体18という。なお、最下段については第1積層体16を用いている。複層積層体18を作製する際には、プレス機等により第2積層体17を加圧、加熱してもよい。
複数の第2積層体17を積層するにあたっては、接着層15の厚さを透明基材12の厚さと同じにするのが好ましい。例えば、第2積層体17の一部に、スペーサなどの構造を設けることによって、隣り合う第2積層体17,17の透明基材12,12間の距離を規定することができる。
[接着層の本硬化]
接着層15は、例えば加熱、光硬化等により本硬化させる。接着層15は、複数の第2積層体17を積層させる際に加熱により本硬化させるのが好ましい。本実施形態において「本硬化」の状態とは、ゲル分率が90%を超える状態をいう。接着層15は、本硬化により第2の透明基材となる。
[光制御パネルの作製]
図8および図9に示すように、複層積層体18を、切断箇所19において、透明基材12に対して交差する面(例えば透明基材12に対して垂直な面)に沿って切断し、一部を板状に切り出すことによって、図3に示す光制御パネル1を得る。複層積層体18の透明基材12は、光制御パネル1の光透過部2(例えば第1の光透過部2A)となる。接着層15は光透過部2(例えば第2の光透過部2B)となる。
金属膜14は金属膜4(反射層3)となる。
切断加工には鋸盤法、マルチワイヤーソー法、コンターマシン法、シャーリング法、旋盤法、ルータ加工、ガス切断法、レーザー切断法、プラズマ切断法、ウォータージェット切断法等の加工方法を採用することができる。
[光制御パネルの設置]
図1および図2に示すように、光制御パネル1,1(1A,1B)は、平面視において少なくとも一部が重なり、重なり領域において反射層3,3(3A,3B)が交差するように向い合せて配置される。図1および図2に示す光制御パネル1A,1Bは、平面視において全域が重なるように配置され、反射層3A,3Bは直交している。
光制御パネル1,1(1A,1B)のうち一方の表面に、接着剤等を塗布することにより接着層7を形成する。接着層7によって光制御パネル1,1(1A,1B)を接着させる。
[透明保護層の設置]
光制御パネル1,1(1A,1B)の外面、または透明保護層6の表面に、接着剤等を塗布することにより接着層8,8を形成する。接着層8,8によって光制御パネル1,1(1A,1B)と透明保護層6(6A,6B)とを接着する。
以上の工程により、図1および図2に示す光学結像装置10を得る。
光制御パネル1は、反射層3(金属膜4)の両面がそれぞれ光透過部2に接しているため、反射層3の両面をいずれも光反射面4aとして機能させることができる。そのため、反射層3を薄く形成して光の損失を抑制し、結像品質を高めることができる。
光制御パネル1は、反射層3の両面をいずれも光反射面4aとして機能させることができるため、光制御パネル1の構造を簡略にでき、材料コスト削減が可能となる。これに対し、第1積層体16を、光透過部として使用できない薄い接着剤層によって接着した複層積層体を用いて得た光制御パネルは、隣り合う光透過部の間に2つの金属膜が形成されるため構造が複雑であり、材料コストの点で不利となる。
また、光制御パネル1は、反射層3の両面をいずれも光反射面4aとして機能させるため、反射層3を薄く形成できる。よって、光透過部2を厚く形成し、光線透過率を高めることができる。そのため、明るい立体像20が得られる。さらに、反射層3を薄くできるため、光透過部2の多層化による立体像20の高精細化が可能である。
光制御パネル1は、光透過部2が、可視光の光線透過率が高いアリルエステル樹脂組成物の硬化物で形成されているため、全光線透過率などの光学特性が良好となる。よって、結像品質の点で優れた光学結像装置10が得られる。また、アリルエステル樹脂は耐光性に優れているため、光学結像装置10の耐久性を高めることができる。また、複層積層体18の切断の際に切断工具への樹脂付着が起こりにくいため、製造が容易となる。
光学結像装置10では、光透過部2を構成するアリルエステル樹脂は耐熱性に優れているため、透明保護層6と光制御パネル2との接着に熱溶融タイプまたは熱硬化タイプの接着剤を用いる場合でも、加熱により光透過部2が劣化するのを防ぐことができる。
また、光透過部2がアリルエステル樹脂組成物の硬化物で形成されているため、透明保護層6にアリルエステル樹脂組成物の硬化物を用いる場合、光透過部2と透明保護層6との屈折率差を小さくできる。そのため、全光線透過率などの光学特性が良好となる。よって、結像品質の点で優れた光学結像装置10が得られる。
前述の製造方法によれば、アリルエステル樹脂組成物からなる未硬化の接着層15を用いて第2積層体17どうしを接着し、接着層15によって光透過部2を形成すため、反射層3の両面が光透過部2に接した構造を容易に実現できる。よって、結像品質に優れた光制御パネル1を容易に作製できる。
また、接着層15の硬化は、複数の第2積層体17を積層させる際に行うことができるため、製造工程が簡単となり、製造を容易にできる。
比較のため、図10〜図14に、特許文献2に記載の光制御パネル30の製造工程を示す。
図10に示すように、アリルエステル樹脂からなるシート状の透明基材12を作製する。
図11に示すように、透明基材12の両面に、それぞれ金属膜14を形成する。金属膜14を形成した透明基材12の一方の表面に接着層25を形成する。
図12に示すように、金属膜14を有する複数の透明基材12を接着層25によって接着することによって、透明基材12と反射層23とが交互に積層されたブロック状の積層体21を得る。反射層23は、金属膜14,14と、金属膜14,14の間に設けられた接着層25とを有する。
図13および図14に示すように、積層体21を、切断箇所22において、透明基材12に対して交差する面(例えば透明基材12に対して垂直な面)に沿って切断し、一部を板状に切り出すことによって、光制御パネル30を得る。積層体21の透明基材12は、光制御パネル30の光透過部2となる。反射層23は反射層33となる。金属膜14および接着層25はそれぞれ金属膜4、接着層35となる。
図14に示すように、光制御パネル30では、光透過部2の間の反射層33には2つの金属膜4と接着剤層35が必要になっている。
実施形態の光制御パネルおよび光学結像装置ならびにその製造方法は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
図4に示す光制御パネル1では、光透過部2は全体がアリルエステル樹脂組成物の硬化物からなるが、光透過部は、少なくとも一部がアリルエステル樹脂組成物の硬化物で構成されていればよい。
「アリル基及びメタリル基の少なくともいずれか一方」は、アリル基及びメタリル基のいずれか一方または両方を意味する。「光照射及び加熱の少なくともいずれか一方」は、光照射及び加熱のいずれか一方または両方を意味する。「脂環式構造及び芳香環構造の少なくともいずれか一方」は、脂環式構造及び芳香環構造のいずれか一方または両方を意味する。
実施形態の光制御パネルは、少なくとも1つの反射層の両面が、隣り合う光透過部の一方および他方に直接接して前記光透過部を通る可視光を反射する光反射面であればよい。
以下、合成例、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載により限定されるものではない。
実施例及び参考例に記載のフィルム、シートの全光線透過率、鉛筆硬度等は、以下の方法により測定した。
[全光線透過率]
全光線透過率は、日本電色工業社製ヘーズメーターNDH5000を使用し、JIS K−7361−1に準拠して測定した。
[Haze]
Haze値は、日本電色工業社製ヘーズメーターNDH5000を使用し、JIS K−7136に準拠して測定した。
[鉛筆硬度]
鉛筆硬度は安田精機工業社製電動鉛筆引っかき硬度試験機No.553−Mを使用し、JIS K5600−5−4に準拠し測定した。
[ゲル分率]
実施例に記載の半硬化または本硬化状態のゲル分率は以下の方法により測定した。
半硬化または本硬化状態のフィルムをアセトン中で4時間環流し、可溶成分を抽出後、固形物をろ別した。得られた固形物を100℃に加熱した熱風オーブンで2時間乾燥させ、以下の計算式でゲル分率を計算した。
ゲル分率(%)=(W/W)×100
(式中、Wは抽出前のフィルムの質量を表す。Wは抽出乾燥後の固形物の質量を表す。)
合成例1:
蒸留装置の付いた2リットルの三つ口フラスコに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル1625g、トリメチロールプロパン247g、ジオクチル錫オキサイド4.1gを仕込み、窒素気流下、180℃で生成するアリルアルコールを系外に留去しながら加熱した。留去したアリルアルコールが約260gになったところで、反応系内を徐々に、4時間かけて6.6kPaまで減圧し、アリルアルコールの留出速度を速めた。留出がほとんどなくなったところで、圧力を0.5kPaとし、1時間反応させた後、室温まで冷却しアリルエステルオリゴマーAを得た。
実施例1(透明基材A):
合成例1で作製したアリルエステルオリゴマーA100質量部に対し、トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成株式会社製、「M−309」)10質量部、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASFジャパン株式会社製、「イルガキュア(登録商標)TPO」)0.5質量部、パーヘキシル(登録商標)I(日油株式会社)を1質量部加え十分撹拌しアリルエステル樹脂組成物Bを得た。この組成物BをPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に、硬化後の厚さが0.3mmとなるように塗布した。塗工液表面をPET製カバーフィルムで覆い、紫外線照射装置(メタルハライドランプ)を用いて200mW/cm、800mJ/cmの条件で紫外線を照射した後、150℃に設定した加熱炉に10分間投入した。加熱炉から取り出し、ベースフィルム及びカバーフィルムを剥がし、厚さ0.3mmの透明基材Aを得た。この透明基材Aの鉛筆硬度は2Hであり、ゲル分率は99%であった。
(第1積層体C)
透明基材Aの両面に真空蒸着法によりアルミニウムを蒸着し、表面抵抗値1.1Ω/□を有するアルミニウム膜を有する厚さ0.3mmの第1積層体Cを得た。この第1積層体Cのアルミニウム蒸着面の、波長380〜780nmの領域の平均反射率は91%であった。
(第2積層体D)
第1積層体Cの表面にアリルエステル樹脂組成物Bを硬化後の厚さが0.3mmとなるように塗布した。塗工液表面をPET製カバーフィルムで覆い、紫外線照射装置(メタルハライドランプ)を用いて200mW/cm、800mJ/cmの条件で紫外線を照射し、アリルエステル樹脂組成物Bを半硬化させ、カバーフィルムを剥がし第2積層体Dを得た。半硬化のアリルエステル樹脂組成物Bのゲル分率は76%であった。
(光制御パネル)
第2積層体Dを10cm×10cmの大きさに炭酸ガスレーザーによってシート状に切断加工した。得られたシートを174枚重ね、その最下段に第一積層体C1枚を重ねて貼り合わせて複層積層体を作製し、これを150℃に加熱した熱風オーブンで5時間加熱することにより積層品を作製した。この積層品を、ダイヤモンドワイヤーソーを用いて1mmの厚みとなるように切断をし、0.3mm間隔で金属膜を有する約10cm×約10cm光制御パネルを得た。
この光制御パネルを二枚作製し、片面にデクセリアルズ株式会社製UV硬化型樹脂SVR1120塗布した。積層面が直交するようにして固定し、紫外線照射装置(メタルハライドランプ)を用いて200mW/cm、5000mJ/cmの条件で紫外線を照射し、光学結像装置とした。
得られた光学結像装置の両面に透明基材Aのシートを、デクセリアルズ株式会社製UV硬化型樹脂SVR1120を用いて貼合し、光学結像装置Aを得た。
参考例1:
実施例1で得られた第1積層体Cを10cm×10cmの大きさに炭酸ガスレーザーによってシート状に切断加工した。アロンアルファ株式会社製接着剤EX4000(10μm)を用いて、得られたシートを350枚重ねて貼り合わせ、積層品を作製した。この積層品を、ダイヤモンドワイヤーソーを用いて1mmの厚みとなるように切断をし、0.3mm間隔で金属膜層を有する約10cm×約10cm光制御パネルを得た。
この光制御パネル二枚を片面にデクセリアルズ株式会社製UV硬化型樹脂SVR1120塗布した。積層面が直交するようにして固定し、紫外線照射装置(メタルハライドランプ)を用いて200mW/cm、5000mJ/cmの条件で紫外線を照射し、光学結像装置とした。
得られた光学結像装置の両面に製造例1の透明基材Aを、デクセリアルズ株式会社製UV硬化型樹脂SVR1120を用いて貼合し、光学結像装置Bを得た。
光学結像装置Aおよび光学結像装置Bの測定結果を表1に示す。鉛筆硬度は光学結像装置の透明保護層表面(図1および図2に示す符号6の表面)の測定値である。
Figure 2018128570
1 光制御パネル
2 光透過部
3 反射層
4 金属膜
4a 光反射面
6 透明保護層
10 光学結像装置
15 接着層(樹脂組成物層)
16 第1積層体
17 第2積層体
18 複層積層体
21 積層体
22 切断箇所
25 接着剤層
30 光制御パネル
33 反射層
35 接着剤層

Claims (7)

  1. 可視光が透過可能な複数の光透過部と、隣り合う前記光透過部の間に形成された反射層とを備え、
    前記反射層の両面は、それぞれ前記隣り合う光透過部の一方および他方に直接接して前記光透過部を通る可視光を反射する光反射面であり、
    前記光透過部は、少なくとも一部がアリルエステル樹脂組成物の硬化物からなる光制御パネル。
  2. 前記アリルエステル樹脂組成物が、一般式(2)
    Figure 2018128570
    (式中、Rはアリル基またはメタリル基を表し、Aはジカルボン酸に由来する、脂環式構造及び芳香環構造の少なくともいずれか一方を有する1種以上の有機残基を表す。)で示される基を末端基として有し、かつ一般式(3)
    Figure 2018128570
    (式中、Aはジカルボン酸に由来する、脂環式構造及び芳香環構造の少なくともいずれか一方を有する一種以上の有機残基を表し、Xは多価アルコールから誘導された一種以上の有機残基を表す。ただし、Xはエステル結合によって、さらに前記一般式(2)を末端基とし、前記一般式(3)を構成単位とする分岐構造を有することができる。)で示される構造を構成単位として有するアリルエステルオリゴマーを含むものである請求項1に記載の光制御パネル。
  3. 前記反射層は、アルミニウム、銀及びクロムから選択される金属からなる金属膜を有する請求項1または2に記載の光制御パネル。
  4. 請求項1〜3のうちいずれかに記載の光制御パネルを少なくとも一対有し、
    前記一対の光制御パネルは、厚さ方向から見て少なくとも一部が重なり、重なり領域において前記反射層が交差するように配置されている光学結像装置。
  5. 少なくとも一部がアリルエステル樹脂組成物の硬化物からなり、可視光が透過可能な第1の透明基材の両面に反射層を形成して第1積層体とする工程と、
    前記第1積層体の一方の面に、少なくとも一部がアリルエステル樹脂組成物からなる半硬化の樹脂組成物層を形成して第2積層体とする工程と、
    複数の前記第2積層体を、前記半硬化の樹脂組成物層が形成された面と前記半硬化の樹脂組成物層が形成されていない面とが当接するように積層させて複層積層体とする工程と、
    前記半硬化の樹脂組成物層を硬化させて第2の透明基材を得る工程と、
    前記複層積層体を、前記第1および第2の透明基材に対して交差する面に沿って切断することにより、前記第1の透明基材から切り出された光透過部と前記第2の透明基材から切り出された光透過部との間に前記反射層が形成され、前記反射層の両面がそれぞれ前記光透過部に接して前記光透過部を通る可視光を反射する光反射面であり、前記光透過部は、少なくとも一部がアリルエステル樹脂組成物の硬化物からなる光制御パネルを得る工程と、を有する光制御パネルの製造方法。
  6. 前記半硬化の樹脂組成物層のゲル分率が20〜90%である請求項5に記載の光制御パネルの製造方法。
  7. 前記第1積層体の第1の透明基材に用いるアリルエステル樹脂組成物と、前記第2積層体の半硬化の樹脂組成物層に用いるアリルエステル樹脂組成物とが同一である請求項5または6に記載の光制御パネルの製造方法。
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