JPWO2013145235A1 - 培養容器及び自動培養装置 - Google Patents

培養容器及び自動培養装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2013145235A1
JPWO2013145235A1 JP2014507201A JP2014507201A JPWO2013145235A1 JP WO2013145235 A1 JPWO2013145235 A1 JP WO2013145235A1 JP 2014507201 A JP2014507201 A JP 2014507201A JP 2014507201 A JP2014507201 A JP 2014507201A JP WO2013145235 A1 JPWO2013145235 A1 JP WO2013145235A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
medium
culture
flow path
supply port
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014507201A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5894260B2 (ja
Inventor
貴之 野崎
貴之 野崎
広斌 周
広斌 周
亮太 中嶌
亮太 中嶌
志津 松岡
志津 松岡
豊茂 小林
豊茂 小林
直子 千田
直子 千田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Publication of JPWO2013145235A1 publication Critical patent/JPWO2013145235A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5894260B2 publication Critical patent/JP5894260B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M41/00Means for regulation, monitoring, measurement or control, e.g. flow regulation
    • C12M41/48Automatic or computerized control
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M21/00Bioreactors or fermenters specially adapted for specific uses
    • C12M21/08Bioreactors or fermenters specially adapted for specific uses for producing artificial tissue or for ex-vivo cultivation of tissue
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M23/00Constructional details, e.g. recesses, hinges
    • C12M23/44Multiple separable units; Modules
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M25/00Means for supporting, enclosing or fixing the microorganisms, e.g. immunocoatings
    • C12M25/02Membranes; Filters
    • C12M25/04Membranes; Filters in combination with well or multiwell plates, i.e. culture inserts
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M29/00Means for introduction, extraction or recirculation of materials, e.g. pumps
    • C12M29/10Perfusion
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M37/00Means for sterilizing, maintaining sterile conditions or avoiding chemical or biological contamination

Abstract

自動培養装置に用いる閉鎖系培養容器において、送液及び送気両機能を一部のポートに持たせる。これにより培地を常に一方向へ流す。また、全量交換の培地交換工程と、培地成分分析のための排液回収工程において、古い培地が新しい培地に混入しないようにする。

Description

本発明は、細胞又は組織を自動操作により培養する培養容器と自動培養装置に関する。
再生医療治療に用いる再生組織の製造は、医薬品等の製造管理及び品質管理の基準であるGMP(Good Manufacturing Practice;適正製造基準)に基づく。一般に、再生組織は清潔な製造環境を提供するCPC(Cell Processing Center;細胞処理施設)において、専門の細胞培養技術を有した製造従事者により、SOP(Standard Operational Procedure;標準手順書)に従い製造される。そのため、多大な人件費、労力、運用コストが発生する。また、全ての製造工程は人手でなされるため、再生組織の製造量には限界がある。結果として、再生組織を製造するための製造コストは高くなり、再生医療治療の普及の妨げとなっている。
このような現状を打破するため、培養工程の一部ないし全てを自動化する自動培養装置の導入が求められている。培養工程を人手ではなく自動培養装置により実施することで、省力化とコストダウンを実現し、大量生産が可能となる。加えて、自動培養装置による操作は一定であるため、製造後に得られる再生組織の品質一定化への寄与も期待される。
ここで、自動培養装置は人手による作業の代替として細胞を培養するが、人手による作業内容に対するGMPに準拠していることが必要である。また、自動培養装置に特化したGMPは現在のところ規定されていないが、臨床用途の自動培養装置に関する開発ガイドライン(非特許文献1)が経済産業省より提示されている。この開発ガイドラインへの準拠も必要である。以上より自動培養装置は、手作業に対するGMP及び自動培養装置の開発ガイドラインを鑑みて、科学的根拠に基づき、清浄な環境を維持した状態で高品質の再生組織を再現性良く製造可能であることが求められる。
これらの課題を解決する手段として、例えば、特許文献1、2、3に示すような、閉鎖系の流路を用いて培養工程を自動化する装置が開発されている。培養容器の蓋を開閉する操作が不要な閉鎖系の培養容器を用いることにより、培養工程の自動化と生物学的汚染リスクの低減が達成される。閉鎖系培養容器は、培地が外部へ容易に漏出しない構造である。また、生物学的汚染の原因となる菌等が外部から混入しない隔離された環境を実現する。よって、培養容器の蓋を開閉する開放系培養容器よりも清潔性を維持しやすいという利点がある。
加えて、再生医療治療の対象臓器が角膜上皮、食道粘膜、表皮等である場合、培養する細胞種は、角膜上皮細胞、口腔粘膜細胞、表皮細胞といった上皮系細胞となる。この場合、培養容器の構造は2層構造が望ましい。上皮系細胞は、マウス由来3T3−J2細胞等のフィーダー細胞と共に共培養し、フィーダー細胞が産出する成長因子により生育するが、上皮系細胞とフィーダー細胞を同一培養平面上で培養した場合、製造後の再生組織にフィーダー細胞が混入する。一方、2層構造の培養容器を用いて培養した場合、フィーダー細胞であるヒトとは異種のマウス由来の細胞は異なる培養表面上で培養するため、上皮系細胞へのフィーダー細胞の混入を回避することができる。これは、ヒトに対する再生医療治療において、より好ましい。自動培養装置を用いて上皮系細胞を培養する場合においても、同様に2層構造が望ましい。2層構造の閉鎖系培養容器は、特許文献1が示すように、既に開発が進められている。
特開2006−149237号公報 特開2004−208664号公報 特開2007−312668号公報
経済産業省、再生医療分野(ヒト細胞培養加工装置についての設計ガイドライン[改訂])、2009
自動培養装置は、前述の通り、手作業において要求されるGMP及び自動培養装置に関する開発ガイドラインを満たすことが要求される。特に、製造後の再生組織の品質を一定にするためには、全量の培地を交換する場合の培地交換工程において、古い培地を排出し新しい培地を供給する際、新しい培地に古い培地が混入しないことが必要である。また、培地交換時の排液である古い培地を用いた培地成分分析によるモニタリング機能を搭載する場合、正確に培地成分分析を行うには、排液である古い培地の中に、新しい培地が混入することは回避する必要がある。
また、再生医療治療に必要な再生組織の量は対象臓器毎に異なる。例えば食道粘膜再生の場合、3−5層程度に重層化した直径24mmの口腔粘膜シートである再生組織を、約8枚使用することによる再生医療治療の臨床研究が既に進められている。治療を行う前日には、製造した再生組織が移植可能な品質か検査する必要があり、検査用としてさらに約2枚が必要となる。検査用に用いる再生組織は移植前日に取り出すため、取り出した後も移植用の再生組織は無菌性を維持した培養が可能である必要がある。よって再生医療用途の自動培養装置は、移植用と検査用とで少なくとも複数枚の再生組織が製造可能であり、前日に検査用の再生組織を取り出した後も無菌性を維持可能であることが望ましい。
また、自動培養装置は前述の通り、手作業において要求されるGMP及び自動培養装置に関する開発ガイドラインを満たすことが要求される。その中の一つの要求として、自動培養装置で製造した再生組織の品質を一定にする必要がある。再生組織の品質を一定にする条件は複数存在するが、その中の一つとして、多くの場合で採用されている培地の全量を交換する培地交換工程において、古い培地を排出し新しい培地を供給する際、新しい培地に古い培地が混入しないことが必要である。古い培地は細胞が生育するために使用した培地であり、例えばグルコースが消費され、代わりに乳酸が排出されている。よって古い培地が新しい培地に混入した場合、培地交換後のグルコース量等は新しい培地における濃度と一致せず、結果として培養工程の再現性は失われる。同様に、古い培地に含まれる乳酸は培地のpHを変化させるため、培地交換後の古い培地に由来する乳酸の混入も、培養工程の再現性に影響を与える。以上より、培養工程の再現性を向上させるには、培地交換工程において古い培地と新しい培地が混入しないことが必要である。また、培養工程において培養状況を把握するため、排液である古い培地を用いた培地成分分析によるモニタリング機能の搭載が望ましいとされる。正確に培地成分分析を行うには、排液である古い培地の中に、新しい培地が混入することは回避する必要がある。前述の通り、古い培地と新しい培地とで成分組成が異なるため、培地成分分析に使用する古い培地に新しい培地が混入すると、培地成分分析の結果が古い培地のみの分析結果と異なるためである。以上より、培養工程において、古い培地と新しい培地の混入を回避する技術が必要である。
さらに、製造する再生組織を、表皮細胞、角膜上皮細胞、口腔粘膜細胞等の上皮系細胞とした場合、培養容器は2層構造である必要がある。また、自動培養装置による再生組織の培養枚数は、移植用と検査用とで、複数枚である必要がある。再生医療治療を施す臓器により必要な培養枚数は異なるが、例えば食道粘膜再生の場合、約10枚となる。また、検査用に再生組織を移植前日に取り出した後も、移植用の再生組織の入った培養容器は無菌性を維持可能である必要がある。
加えて、自動培養装置で閉鎖系培養容器を用いて培養する場合、培養に必要な培地等の送液及び5%二酸化炭素等を含む気体の送気を、閉鎖系培養容器に取り付けた流路チューブにより行うことになる。前述の食道粘膜再生のように培養容器10枚の場合、送液及び送気のために閉鎖系培養容器へ取り付ける流路チューブの総長は多大なものとなる。また、1個の培養容器あたりに取り付ける流路チューブの本数は、少なければ少ない程、流路回路が簡潔となるため好ましい。流路回路が複雑化した場合、自動培養装置の故障原因やコスト上昇の原因となるためである。
特許文献1、特許文献2の発明では、培地交換時、培養容器内に古い培地が存在した状態で新しい培地を供給し、培養容器内部で新しい培地と古い培地とが混在した状態を経て、過剰な分の液体が排出される連続的な培地の交換方法をとる。すなわち、新しい培地と古い培地とが混在した状態で、新しい培地により古い培地を培養容器から押し出す方式が採用されている。排出される液体には古い培地の占める割合が多いが、同じ培養容器内に新しい培地と古い培地は混在するため、低濃度になるものの古い培地は新しい培地に混入する。古い培地の組成は、細胞の生育段階(細胞数、分化度)により異なるため、本方法による培地交換後の培養容器内の培地の各成分の濃度も細胞生育段階により異なることになる。また、この方法で得られた古い培地を用いて培地成分分析を行い、細胞の生育状態をモニタリングする場合、回収した古い培地には新しい培地が混入しているため、モニタリング結果は正確ではなくなるという問題がある。
加えて、培養中において5%二酸化炭素を含む気体を培養空間に提供する必要があるが、特許文献1の発明では閉鎖系培養容器の一部を気体透過膜にし、閉鎖系培養容器の外部から気体を供給する。閉鎖系培養容器内へ直接気体を送気する場合に比べ、閉鎖系流路に取り付けられた流路チューブの本数は少なくなるという利点は得られるものの、直接気体を送気する場合に比べ気体透過膜からの供給効率は低いという問題がある。
特許文献3の発明は、1個の1層構造の閉鎖系培養容器により培養する自動培養装置を提示している。1層構造であるため、この培養容器を用いて上皮系細胞を培養する場合、製造後の再生組織に共培養するフィーダー細胞が混入する。また、本方法は培地等の液体を送液及び排出する流路チューブに加え、培養容器内の圧力を調整するための空気のみを送気する流路チューブを設けている。すなわち、送気を担う流路チューブを設け、培養容器内の古い培地を除いてから新しい培地を供給するので、古い培地が新しい培地に混入する事態を排除できる。また、特許文献1の発明に比べ、閉鎖系培養容器内へ直接送気するので、気体供給効率は特許文献3の発明が優れる。しかし、仮に本方法を2層構造の閉鎖系培養容器に適用する場合、1個の閉鎖系培養容器あたりに必要な流路チューブは、上層及び下層に対し、それぞれの層に対する送液及び排出を担う流路チューブに加え、送気を担う流路チューブが必要となり、合計5本が必要となる。本方法では1個の閉鎖系培養容器を自動で培養するが、例えば食道粘膜再生に対する再生医療治療では10個の閉鎖系培養容器を培養するため、流路チューブの合計本数は50本と多くなる。結果として、流路回路の構成はかなり複雑なものとなる。
さらに、培地交換時において古い培地を排出後、速やかに新しい培地を供給することが必要である。古い培地を排出した状態のまま長時間放置すると、細胞は乾燥し、死滅する。加えて、古い培地を排出してから新しい培地を供給するまでの間、培養表面上にわずかに残った培地の蒸発により、培養表面の温度が低下する可能性がある。ところで、再生医療治療用の再生組織の製造において通常使用する培養表面の素材は、ポリスチレン、ポリカーボネイト等である。近年、それらの培養表面素材に加え、温度変化のみで性能が変化する温度応答性高分子を塗布した温度応答性培養表面を用いた再生医療治療の臨床研究が進められている。温度応答性培養表面では、温度応答性高分子の相転移温度より高い37℃では疎水性を示し、細胞は通常の培養表面と同じく接着、伸展、増殖する。しかし、温度応答性高分子の相転移温度より低い温度である、例えば20℃まで下げると、親水性を示す。その結果、細胞は自発的に形態変化を生じ、培養表面から剥離する。通常使用する培養表面から細胞を剥離する場合は、タンパク質分解酵素を用いるため、細胞周囲の細胞外マトリクスや細胞間結合が侵襲され、回収後の細胞の活性は低下するという問題がある。
一方、温度応答性培養表面を使用した場合、細胞外マトリクスや細胞間結合は維持されたまま回収可能なため、回収した細胞の活性は高度に保たれ、移植後の再生組織の生着生は向上する。この温度応答性培養表面を用いた再生医療治療の臨床研究は、食道粘膜、角膜上皮、心臓といった臓器を対象に、臨床研究が既に進められている。この温度応答性培養表面を、自動培養装置の閉鎖系培養容器の培養表面に使用する場合、培地交換時に温度が低下すると、接着していた細胞が剥離してしまう。これは、再生組織の製造は失敗を意味する。よって培地交換時において、培養容器内の温度低下は避けることが必須である。そのためには、培地交換時において、古い培地を排出後に、新しい培地を速やかに供給する必要がある。また、この段階で供給する新しい培地は、冷蔵保存状態の4℃から、温度応答性培養表面の性質を維持可能な37℃まで、事前に加温されている必要がある。
以上を踏まえ、本発明の目的は、簡潔な流路回路により、培地が一方向に流れ古い培地が新しい培地に混入しないようにすると共に、培地交換時に古い培地を全て排出した後に新しい培地が速やかに供給される、培養容器及び自動培養装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明においては、次のような構成の培養容器を提供する。すなわち、細胞を保持、培養するための培養容器であって、細胞容器本体と、該細胞容器本体に前記細胞及び培地を供給する流路回路を接続するため接続ポートとを備えており、前記細胞容器本体は、対をなす少なくとも1組の第一容器と第二容器と、容器蓋部とを有し、前記第一容器及び前記第二容器は、各々、培地及び細胞を、または培地のみを収容するための容器であり、前記第一容器と前記第二容器間の隔壁の一部は、液体及び気体が相互に移動可能に構成されており、前記第一容器の上部と前記第二容器の上部との間には、相互に気体の流通を可能にするギャップが存在しており、前記接続ポートとして、前記第一容器には、前記培地の供給と、気体の供給及び排出をするための第一供給ポートと、前記培地を排出するための第一排出ポートとが接続され、前記第二容器には、前記培地の供給と、前記気体の供給及び排出をするための第二供給ポートと、前記培地を排出するための第二排出ポートとが接続され、前記第一供給ポート及び前記第二供給ポートは、前記培地を前記培養容器に対して常に一方向へ流す流路として機能することを特徴とする。
本発明によれば、細胞播種工程及び培地交換工程において、培地は常に一方向に流れるので、古い培地が新しい培地に混入せず、培養の再現性が向上する。培地交換時に古い培地を全て排出した後に新しい培地が速やかに供給される。しかも、閉鎖系培養容器に取り付けた流路チューブの一部は、送液と送気の機能を兼ねるため、全体流路回路は簡潔となる。
本発明の第1の実施例に係る自動培養装置において、閉鎖系培養容器を10枚培養する時の全体流路回路図である。 第1の実施例における、閉鎖系培養容器の断面図である。 図1の全体流路回路図から、1個の閉鎖系培養容器に対して関連する流路回路のみを抽出した図である。 第1の実施例における、閉鎖系培養容器を有する自動培養装置の制御機構を示した図である。 第1の実施例における、本実施例の自動培養装置を用いて細胞の培養を実施する一連の制御フローを示した図である。 第1の実施例における、閉鎖系培養容器の上層への播種時制御用のテーブルの一例を示す図である。 第1の実施例における、1個の閉鎖系培養容器の上層への、細胞播種時の培地及び空気の流れを示した図である。 第1の実施例における、閉鎖系培養容器の下層への播種時制御用のテーブルの一例を示す図である。 第1の実施例における、1個の閉鎖系培養容器の下層への、細胞播種時の培地及び空気の流れを示した図である。 第1の実施例における、閉鎖系培養容器の上層への培地交換制御用のテーブルの一例を示す図である。 第1の実施例における、上層の培地交換時の培地及び空気の流れを示した図である。 第1の実施例における、上層の培地交換時の培地及び空気の流れを示した図である。 第1の実施例における、上層の培地交換時の培地及び空気の流れを示した図である。 第1の実施例における、上層の培地交換時の培地及び空気の流れを示した図である。 第1の実施例における、閉鎖系培養容器の下層への培地交換制御用のテーブルの一例を示す図である。 第1の実施例における、下層の培地交換時の培地及び空気の流れを示した図である。 第1の実施例における、下層の培地交換時の培地及び空気の流れを示した図である。 第1の実施例における、下層の培地交換時の培地及び空気の流れを示した図である。 第1の実施例における、下層の培地交換時の培地及び空気の流れを示した図である。 本発明の第2の実施例に係る、閉鎖系培養容器の断面図である。 本発明の第3の実施例に係る、自動培養装置の全体流路回路図である。
本発明においては、内部に培養空間を有し、第一容器及び第二容器を有した2層構造の閉鎖系培養容器であって、第一容器及び第二容器それぞれへ、細胞懸濁液または培地の供給と、空気の供給及び排出を行う第一及び第二の供給ポートと、第一容器及び第二容器それぞれから培地の排出を行う第一及び第二の排出ポートを有した構成の培養容器を提供する。閉鎖系培養容器の第一及び第二のポートは、各々流路チューブに接続されて、送液と送気の機能を兼ねる流路回路を構成する。なお、2層構造の閉鎖系培養容器は、対をなす第一容器と第二容器の上下配置された積層構造のみならず、対をなす第一容器と第二容器が並列配置された2層構造であっても良い。
また、上記の目的を達成するため、本発明においては、上記2層構造の閉鎖系培養容器を用いた自動培養装置おいて、培地が常に一方向に流れるように構成可能な流路回路と、この流路回路を制御する制御プロトコルとを採用している。すなわち、内部に培養空間を有する閉鎖系培養容器を用いた自動培養装置おいて、培養容器内の第一容器への細胞播種時は、流体移動制御機構部により細胞懸濁液を細胞バッグから流路チューブ及び第一供給ポートを経由して第一容器へ供給しつつ、第二供給ポート及び流路チューブを介して培養容器内の空気を外部へ排出する。培養容器内の第二容器への細胞播種時は、第一供給ポート及び第二供給ポートの切り替え後、流体移動制御機構部により細胞懸濁液を細胞バッグから流路チューブ及び第二供給ポートを経由して第一容器へ供給しつつ、第一供給ポート及び流路チューブを介して培養容器内の空気を外部へ排出する。尚、第一容器及び第二容器へ細胞播種を行う順番は任意である。
これにより、流路回路において培地は常に一方向に流れることになる。古い培地と新しい培地は混じり合わない。結果として、回収した古い培地に対する培地成分分析の精度も向上する。また、前述したとおり第一供給ポート及び第二供給ポートは、培地の送液及び気体の送気の機能を併せ持つ。よって、気体送気用の流路チューブを独立に設けた場合に比較し、閉鎖系培養容器に取り付けることになる流路チューブの数は減ることになる。そのため流路回路はより簡潔となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明においては、内部に培養空間を有する閉鎖系培養容器を用いる自動培養装置であって、細胞懸濁液が収容される細胞バッグと、培地が収容される培地バックと、培地を冷蔵保存する冷蔵庫と培地交換時に事前に培地を37℃に温めるヒーターと、細胞を培養する培養容器と、細胞懸濁液及び培地及び空気を送液/送気する流体移動制御機構部と、二酸化炭素等を供給源となるガスタンク及びガス濃度を調節するガス濃度調節部及び外界との気圧調整を行うフィルタと、流路の開閉を行う二方弁及び三方弁から成る。培養容器、細胞バッグ、培地バッグ、流体移動制御機構部等から構成される流路回路は恒温機の中に設置され、流路回路全体の温度が制御される。培養容器の培養環境は、制御装置により制御する。また、装置内には温度センサを設置し、内部温度をモニタリングする。加えて顕微鏡も設置し、細胞の生育状態を光学的に適宜モニタリングする。
培養容器内の第一容器の培地交換時は、流体移動制御機構部により培地を培地バッグから第一供給ポートまで送液しつつ、第二供給ポートから培養容器内の空気を外部へ排出する。第一供給ポートまで達した培地は、保存時に4℃にて冷蔵状態であったが37℃まで温めるヒーターを経由しており、よってこの時点で温度は37℃である。第一供給ポートまで達している培地は、常に37℃に維持されている恒温槽内で待機するため、培地の温度も37℃に維持される。次に、流体移動制御機構部により第一容器の古い培地を第一排出ポートから排出しつつ、第二供給ポートから培養容器内の空気を内部へ供給する。続いて、流体移動制御機構部により第一供給ポートにて待機している培地を第一容器内へ供給しつつ、第二供給ポートから培養容器内の空気を外部へ排出する。この操作は、第一排出ポートから排出した古い培地が第一容器から全量排出された直後より、開始する。第一排出ポートから排出した古い培地が排液バッグ等まで完全に送液することを完了させる必要はない。最後に、流路チューブ内にある第一排出ポートから排出した古い培地に対し、一部を排液回収バッグより回収し、残りを排液バッグへ排出する。以上により、第一容器内において、古い培地は新しい培地と混じることなく、排出することが可能となる。培地交換後の第一容器内の培地は、培地交換時に供給した新しい培地のみとなる。
培養容器内の第二容器の培地交換時は、第一容器の培地交換時に比べ、第一供給ポートと第二供給ポートの役割が入れ替わる。また、排出口は、第一容器では第一排出ポートであったのに対し、第二容器では第二排出ポートとなる。最初に、流体移動制御機構部により培地を培地バッグから第二供給ポートまで送液しつつ、第一ポートから培養容器内の空気を外部へ排出する。第二供給ポートまで達した培地の温度は、第一容器の時と同様に、この時点で37℃を維持している。次に、流体移動制御機構部により第二容器の古い培地を第二排出ポートから排出しつつ、第一供給ポートから培養容器内の空気を内部へ供給する。続いて、流体移動制御機構部により第二供給ポートにて待機している培地を第二容器内へ供給しつつ、第一供給ポートから培養容器内の空気を外部へ排出する。この操作は、第二排出ポートから排出した古い培地が第一容器から全量排出された直後より、開始する。第二排出ポートから排出した古い培地が排液バッグ等まで完全に送液することを完了させる必要はない。最後に、流路チューブ内にある第二排出ポートから排出した古い培地に対し、一部を排液回収バッグより回収し、残りを排液バッグへ排出する。以上により、第一容器内と同様に、第二容器においても古い培地は新しい培地と混じることなく、排出することが可能となる。培地交換後の第二容器内の培地は、培地交換時に供給した新しい培地のみとなる。尚、第一容器及び第二容器に愛し培地交換を行う順番は任意である。
また、第一容器及び第二容器の培地交換において、古い培地を排出完了後、第一供給ポートまたは第二供給ポートに待機している事前に37℃に維持された培地を、古い培地を第一排出ポートまたは第二排出ポートから排出直後、速やかに供給する。これにより、培養容器内の培養表面の乾燥と温度低下を回避することが可能となる。
このように、本発明に係る閉鎖系培養容器を用いた培養容器及び自動培養装置によれば、細胞播種工程及び培地交換工程において、培地は常に一方向に流れる。全量を交換する培地交換において、古い培地が新しい培地に混入しないようにするため、培養の再現性が向上する。回収した古い培地を用いた培地成分分析の分析精度が向上する。古い培地を回収後は、速やかに事前に37℃へ温めた新しい培地を供給する。閉鎖系培養容器に取り付けた流路チューブの一部は、送液と送気の機能を兼ねるため、全体流路回路は簡潔となる。
以下、本実施例に係る培養容器及び自動培養装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本明細書において、自動培養装置の流路を流れる気体、液体、気体及び液体を総称して流体と呼ぶ場合がある。
図1は、閉鎖系培養容器を10枚培養する時の全体の流路回路図を示したものである。図2は、閉鎖系培養容器の断面図を示したものである。
培養対象は、角膜上皮細胞、口腔粘膜細胞、表皮細胞等の上皮系細胞である。閉鎖系培養容器101として、上皮系細胞の培養に用いるため、上皮系細胞を培養する層と、上皮系細胞のための成長因子を産出するフィーダー細胞を培養する層から成る、2層構造の培養容器を用いる。なお、閉鎖系培養容器101の詳細は図2において説明する。
本実施例では2種類の細胞を用いるため、細胞バッグ102、103は2種類となる。また、細胞播種時において2種類の細胞が混じらないようにするため、播種するための流路回路は分ける。
図1を用いて、閉鎖系培養容器を10枚培養する時の全体流路を説明する。本実施例の自動培養装置は、複数の閉鎖系培養容器101(101a〜101j)と、これらの各閉鎖系培養容器101の供給側との間に、第二の流路回路(流路チューブ)の導入部104を介して細胞バッグ103が接続され、第一の流路回路(流路チューブ)の導入部105を介して他の細胞バッグ102が接続されている。また、これらの閉鎖系培養容器101に、第一、第二の流路回路(流路チューブ)の導入部104、105、複数の二方弁106(106a〜106f)、流体移動制御機構部108(a、b)、多分岐部109(a、b)を介して、培地バッグ111、ヒーター112、ガス供給部115(a、b)、ガス濃度調整部116(a、b)、フィルタ117(a、b)が接続されている。流体移動制御機構部108は、流体を移動させるポンプとして機能する。また、各閉鎖系培養容器101の供給側には、多分岐部109(a、b)と第二の流路回路の分岐路121、第一の流路回路の分岐路122、第一の電磁弁130(130a〜130j)、第二の電磁弁132(132a〜132j)、及び無菌脱着部118が設けられている。各閉鎖系培養容器101の排出口側は、無菌脱着部118を介して第二の流路回路の分岐路123、第一の流路回路の分岐路124が接続されており、これらの流路回路は、多分岐部109(c、d)で各々第二の流路回路の排出部、第一の流路回路の排出部となり、これらの流路回路はさらに、流体移動制御機構部108(c、d)、三方弁107(a、b)を介して、排液バッグ113、排液回収バッグ114(a、b)、及びフィルタ107に接続されている。各閉鎖系培養容器101は、回転機構110によりその位置を任意の角度にすなわち3次元的に回転可能に構成されている。
流路回路において、各二方弁106、各流体移動制御機構部108、各第一の電磁弁130、各第二の電磁弁132、各三方弁107は、予め与えられた制御プロトコルにより、所定のシーケンスに基づいて制御される。これにより、培養容器101に対して培地が常に一方向に流れるように、かつ、古い培地を排出後に新しい培地を供給する、流路回路が制御される。
すなわち、図1において、細胞バッグ103に入れた細胞は、実線で示された第二の流路回路(104、121、123及び排出部)を通過する。細胞バッグ102に入れた細胞は、破線で示された第一の流路回路(105、122、124及び排出部)を通過する。細胞播種時は、細胞バッグ102、103より、それぞれの細胞懸濁液を培養容器101まで送液する。所定のシーケンスに基づいて、送液時は、事前に所定の二方弁106、三方弁107の開閉を行う。そして流体移動制御機構部108を作動させ、流量、送液時間を制御しつつ送液する。送液された細胞懸濁液は、多分岐部109において、細胞播種を行う培養容器へ分岐する。事前に、送液対象となる培養容器に連結する流路回路に設置された二方弁106、三方弁107は開いて送液可能な状態にする。
一方、送液対象ではない培養容器に連結する流路回路に設置された二方弁106、三方弁107は、所定のシーケンスに基づいて、閉じて送液不可能な状態にする。細胞播種は、10個の培養容器に対し、1個ずつ順次実施する。全培養容器の上層及び下層へ細胞播種後、培養容器の下部に取り付けた回転機構110を作動させる。細胞播種時及び細胞培養時において培養容器101は水平状態を保持しているが、細胞播種直後、培地交換時は、培養容器101を傾ける。細胞播種時は連続的に揺動させることにより、播種後の細胞の分布を一様化する。その後、培養容器101を水平状態に戻し、その状態で培養を行う。
図2を用いて、培養容器101の基本的な構成要素を詳細に説明する。培養容器101の素材はポリカーボネイト、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの可塑性と共に剛性有するプラスチックである。本例では、容器底面の形状が正方形である場合を示している。培養容器101は、細胞容器本体200とこの細胞容器本体に第二の流路回路(流路チューブ)及び第一の流路回路(流路チューブ)を接続するための4つの接続ポートによって構成されている。細胞容器本体200は、この本体に一体に形成された複数の第二容器201と、蓋部202と、各第二容器と蓋部202との間に挿入される第一容器203とで構成されている。各容器の平面形状は例えば円形である。第二容器201と蓋部202は、各々、射出成形、切削加工等により形成される。第一容器203として、例えば、一般に培養において使用されるセルカルチャーインサート容器を、本体200の内部の各第二容器201に挿入可能な構造となっている。セルカルチャーインサート容器は市販のものでよく、BD社製、コーニング社製、グライナー社製等があり、使用可能な製品は限定されない。培養容器における第一容器203は、図2の例ではセルカルチャーインサート容器であり、この第一容器203を上層とする。また、本例では第二容器201を下層とし、この第二容器201は細胞容器本体200に一体に形成される。第一容器203であるセルカルチャーインサート容器では、細胞はセルカルチャーインサート容器の底面上にて播種、培養する。本体部の第二容器201及び蓋部202側では、細胞は第二容器201の底面上にて播種、培養する。
細胞容器本体200の蓋部202或いは細胞容器第二容器201には、Oリング等の弾性部材204が設けられる。これにより、細胞容器の外部から、気体や菌等を含む粒子は内部に混入しない。細胞容器の蓋部202の本体部200への接続は、蓋部202及び本体部200に設けられたネジ山同士を嵌合させることにより固定できるが、この方法に限定されるものではない。
培養容器の第二容器201には、培地供給と、気体すなわち空気/水蒸気等の供給及び排出をするための、接続突起構造205をその一端に有する流路(第二供給ポート)206と、培地排出をするための、接続突起構造207をその一端に有する流路(第二排出ポート)208を有する。
流路(第二供給ポート)206の第二容器201への開口位置は、流路(第一排出ポート)208の第一容器203への開口位置よりも高い位置にある。
すなわち、流路(第二供給ポート)206の培養容器本体の第二容器201における開口位置は、容器内に導入する培養液の量によって変えるべきであるが、導入された培養液面よりも上部であればよい。流路(第二排出ポート)208の培養容器の第二容器201における開口位置は、細胞容器本体部の第二容器201から培地を排出するために使用するため、細胞容器の第二容器201の底面と流路208の内径最下部が、同じ高さとなるように設置することが望ましい。そうすることで、培養液の排出効率を向上させることが可能となる。図1に示した培養容器を回転機構110により適宜傾けつつ培地を排出することで、排出効率はより向上する。
培養容器蓋部202には、セルカルチャーインサート容器(第一容器)203に対し、培地供給と、気体すなわち空気/水蒸気等の供給及び排出をするための、接続突起構造209をその一端に有する流路(第一供給ポート)210と、培地排出をするための、接続突起構造211をその一端に有する流路(第一排出ポート)212を有する。流路(第一供給ポート)210の第一容器203における開口位置は、流路(第一排出ポート)212の第一容器203における開口位置よりも高い位置にある。
すなわち、流路(第一供給ポート)210の第一容器203における開口位置は、容器内に導入する培養液の量によって変えるべきであるが、導入された培養液面よりも上部であればよい。流路(第一排出ポート)212の第一容器203の底面における開口位置は、セルカルチャーインサート容器から培地の排出に使用するため、セルカルチャーインサート容器203の底面と流路(第一排出ポート)212が、近接していることが望ましい。但し近接しすぎると、再生組織の製造において、細胞の増殖に従い流路212が接触し、細胞の増殖に対し支障を及ぼす。口腔粘膜細胞の場合、再生組織まで培養すると約数百μmの高さまで細胞は増殖する。よって、流路212は約500μmまでセルカルチャーインサート容器203の底面まで近接可能である。近接が可能となる距離は、培養対象となる細胞の種類に合わせ、決定すればよい。培養液の排出時は、上層の培地交換時と同様に、培養容器を図1における回転機構110により適宜傾けつつ培地を排出することで、排出効率を向上させることが可能である。
なお、第一容器203の底面220には多孔性膜やポアメンブレンが設けられており、該部分を介して第一容器203と第二容器201間で液体及び気体が相互に移動可能になっている。また、第一容器203の上部と第二容器201の上部との間には、相互に気体の流通を可能にするギャップ222が存在する。なお、図面では便宜上第一容器203の側壁にギャップ222を表示しているが、第一容器203と第二容器201とが上部空間で相互に連通するものであれば、その位置や形状に制限はない。
このように、細胞を保持、培養するための培養容器101は、培地及び細胞、または培地のみを収容する第二容器201と、この第二容器内部201において、培地及び細胞、または培地のみを収容する第一容器203と、当該第二容器を少なくとも封止する蓋部材202を有する培養容器であり、この培養容器の外面に流路回路と接続可能な第一の供給ポート210、第二の供給ポート206、第一の排出ポート212、第二の排出ポート208を備え、この第一容器203への培地の排出または供給、あるいは第二容器201からの培地の排出または供給をする場合に、送液を制御する手段により、第一、第二の供給ポートへの連通状態、第一、第二の排出ポートへの連通状態が切り替えられる。後で述べるように、第一供給ポート210及び第二供給ポート206は、培地を培養容器101に対して常に一方向へ流し、気体は双方向に流す機能を有している。
培養容器の蓋部202に設置した流路210及び流路212は、細胞観察に支障がないように配置する。細胞観察に支障がないとは、例えば細胞培養容器内を顕微鏡観察する際に、顕微鏡光軸を阻害しない形状を備え、また顕微鏡光軸を阻害しない位置に配置することを意味する。第一、第二の供給ポート(210、206)、第一、第二の排出ポート(212、208)は、流路の突起構造サイズに適合した内径を有する、シリコン等の弾性体からなる流路チューブ213が接続可能である。これにより、自動培養装置が有する流路回路に対し接続することができる。培養時において、培養容器内には培地214が入っている。上層には上皮系細胞215を播種し、下層にはフィーダー細胞216が播種されている。但し、用途においては別の細胞を播種したり、細胞を播種しないまま培養したりすることもある。細胞を播種しないまま培養する例として、上層に上皮系細胞を播種し、下層には細胞を播種せず培地のみとし培養することで、フィーダー細胞なしに培養可能であることが報告されている。
図1に戻り、閉鎖系培養容器を培養する時の全体の流れを説明する。
培養期間中、培地交換時を所定の日時に実施する。上皮系細胞の場合、1−3日程度に1回の頻度で一般に実施する。培地交換は、10個の培養容器に対し、1個ずつ順次実施する。最初に、冷蔵庫内に4℃にて保管されている培地バッグ111を流体移動制御機構部108により培養容器の直前まで送液する。この時、培地バッグ111から送液された直後は4℃である培地を、ヒーター112により37℃まで温める。培養容器の周囲は、37℃に維持された恒温機の中であるため、ヒーター112により温めた培地は37℃を保持する。続いて、培養容器内の培地を培養容器から排出する。流体移動制御機構部108により、排液バッグ113へ排出する。その時、培地成分分析に必要な排液の一部は、排液回収バッグ114において回収する。本実施例では、培養容器101の上層及び下層を分けた状態で回収することが可能となっている。また培養容器から古い培地を排出する際には、回転機構110により培養容器を傾け、培養容器101内の排出口側から古い培地が排出されやすくなるようにする。続いて、事前に培地バッグ111より培養容器の直前まで送液し、37℃に保持された状態の新しい培地を、培養容器へ供給する。
細胞播種、培地交換時以外の培養中は、流路回路が設置されている恒温機内の温度を37℃に維持する。これにより、培養容器内の温度も37℃に維持する。また、必要に応じCO2等をガス供給部115から供給する。濃度はガス濃度調整部116にて行う。例えば、培養容器内部へ、CO2が5%含まれた気体を適宜送気する。培養対象の細胞種、使用している培地の種類に応じて気体組成と送気スケジュールは決定する。加えて、流路回路外部から気体を取り込んだり、流路回路内部の気圧を調整したりする場合は、フィルタ117を介して行う。フィルタは、例えば0.22μm以上の粒子を通さない品質のものを使用する。
流路回路において培養容器の前後には、無菌脱着部118を取り付ける。培養中は、流路チューブと同様に送液が可能である。前日検査等で培養容器を1個のみ取り外し、残りの培養容器は無菌性を維持したまま培養を継続する際、無菌脱着部より培養容器を取り外す。無菌脱着部により取り外した後の流路回路は、培養容器が取り外した場所に残された無菌脱着部により、流路チューブは閉じた状態を維持する。これにより、前日検査のため培養容器を取り外しても、残された培養容器に対して培養を継続可能となる。
図3は、図1の全体流路回路図から、1個の閉鎖系培養容器101に対して、関連する第一の流路回路(105、122、124)及び第二の流路回路(104、121、123)のみを抽出して示したものである。
図1では、多分岐部109により、第一の流路回路及び第二の流路回路が、各々、10個の培養容器へ流路は分岐している。図3では、多分岐部109a,109bから1個の培養容器101へ流路がつながった場合を示している。
図3を用い細胞懸濁液/培地と空気の流れる向きを説明すると、第一の供給ポート210、第二供給ポート206において、細胞懸濁液/培地は、培養容器の外側から内側への方向のみに流れる。空気は双方的に流れる。一方、第一排出ポート212、第二排出ポート208においては、細胞懸濁液/培地は、培養容器の内側から外側への方向のみに流れる。流路を構成する部品は、図1同様に示している。即ち、細胞バッグ102及び培地バッグ111が、第二の流路回路(104)、電磁弁106c、106e、流体移動制御機構部108b、第二の流路回路(121)、第二の電磁弁130yを介して閉鎖系培養容器101の流路(第二供給ポート)206に接続されている。また、細胞バッグ103及び培地バッグ111が、第一の流路回路(105)、電磁弁106b、106d、流体移動制御機構部108a、第一の流路回路(122)、第一の電磁弁132xを介して閉鎖系培養容器101の流路(第一の供給ポート)210に接続されている。一方、閉鎖系培養容器101の流路(第二排出ポート)208は、第二の流路回路(123)、流体移動制御機構部108d、三方弁107bを介して排液バッグ113、排液回収バッグ114bに接続されている。また、閉鎖系培養容器101の流路(第一排出ポート)212は、第一の流路回路(124)、流体移動制御機構部108c、三方弁107aを介して排液バッグ113、排液回収バッグ114aに接続されている。
図4は、閉鎖系培養容器を有する自動培養装置の制御機構を示したブロック図である。制御装置402により制御される各構成要素が、恒温機403の内部に配置された培養容器401に接続される全体の構成を示す図である。なお、恒温槽403中に配置されるものは、各実施例で説明する閉鎖系培養容器101等の培養容器、或いは自動培養装置内に設置された当該培養容器であることは言うまでもない。
図4において、制御装置402には、恒温機403の温度を制御するための温度調節部404と、培養容器内のガス濃度を制御するための、ガス供給部405を有するガス濃度調節部406と、培養容器内の培養液を自動で交換するための、各流路回路構成要素に接続された流路チューブを有する流体移動制御407と、それぞれの構成要素の動作を制御することを目的とした細胞観察用の顕微鏡408が接続されている。
制御装置402と表示画面410は、CPU(Central Processing Unit;中央処理部)から成る処理部、記憶部や、ディスプレイ装置、キーボードから成る入出力部等を備えた通常のコンピュータの、処理部及び記憶部とディスプレイ装置の表示部にそれぞれ対応している。制御装置402は、データベース412に保持された情報に基づいて、記憶部で記憶された各種プログラム(制御プロトコルを実行するプログラムを含む)を、処理部としてのCPU上で動作させる。処理部は、培養容器の上層への細胞播種制御ユニット、培養容器の下層への細胞播種制御ユニット、培養容器の上層への培地交換制御ユニット、培養容器の下層への培地交換制御ユニットとしての機能を備えている。これにより、処理部は、入出力部や、温度調整部404、ガス供給部405、流体移動制御機構部407、顕微鏡408、細胞・培地・排液・排液回収バッグ409、ガス濃度調整部411、及びデータベース412からの情報により、恒温機403中の培養環境を制御し、培養容器401中での所定の培養工程を実施する。
データベース412には、第一の流路回路及び第二の流路回路に設けられた二方弁106、三方弁107、流体移動制御機構部108、第一の電磁弁130、第二の電磁弁132等について、各々のオン、オフのタイミングやオン状態の時間に関する情報を与えるテーブルが格納されている。このテーブルの情報に基づき、細胞・培地・排液・排液回収の各バッグと、第二の流路回路及び第一の流路回路と、培養容器の第一、第二の供給ポートとの連通状態、第一、第二の排出ポートとの連通状態が、培養手順に従い、順次切り替えられる。これにより、第一の流路回路及び第二の流路回路と第一の供給ポート210、第二供給ポート206間における、細胞懸濁液/培地と空気の流れる向きやそのタイミングが制御される。すなわち、細胞懸濁液/培地は、培養容器の第一、第二の供給ポートに対して、外側から内側への方向のみに流れ、空気は双方的に流れる。一方、第一排出ポート212、第二排出ポート208に関しては、細胞懸濁液/培地、及び空気が、培養容器の内側から外側への方向のみに流れる。
ガス濃度調節部411は、培養容器401に直接接続されている必要はない。温度調節部404、ガス濃度調節部411が恒温機403に接続された構成でも構わない。この構成の場合、細胞培養容器401へは容器外から気体を供給する必要があるため、細胞培養容器401の蓋部の一部に、ポリカーボネイトやポリスチレン、ポリメチルペンテン等のガス透過性を有した透明な薄膜を溶着し、細胞培養容器401内部のガス交換を可能とすることで、細胞培養を可能とすることができる。
図5は、本実施例の自動培養装置を用いて細胞の培養を実施する一連の制御フローを示したものである。
本実施例の自動培養装置を用い、細胞を培養する時の一連の培養手順の概要について説明する。図5は、自動培養装置の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、自動培養装置を起動させ(ステップS1)、スケジュール決定する(ステップS2)。さらに、適切な二方弁及び三方弁の開閉を行った後、流体移動制御機構部を作動させ、培養容器へ播種を行い(ステップS3)、培養容器で細胞の培養(ステップS4)、及び、顕微鏡による観察を行う(ステップS5)。細胞が正常な状態か判定し(ステップS6)、正常であれば培養容器の培地交換を行う(ステップS7)。その後、検査用組織の回収(ステップS8、S9)、及び、移植直前の培養及び培地交換を行う(ステップS10)を行う。さらに、移植用組織の回収(ステップS11)を行い、一連の処理を終了する(ステップS12)。
次に、培養容器で細胞の培養(ステップS4)、培地交換(ステップS7)、及び、移植直前の培養及び培地交換(ステップS10)に関し、自動培養装置の制御プロトコルを説明する。
まず、制御装置402の処理部の培養容器の上層への細胞播種制御ユニットを用いて行われる、閉鎖系培養容器の上層への播種について説明する。
図6は、データベース412に保持された、閉鎖系培養容器の上層への播種時制御用のテーブル600の一例を示す図である。図中、黒丸印が電磁弁の開(オン)及びポンプの動作状態、×印が電磁弁の閉(オフ)及びポンプの停止状態を示している(以下、同じ)。テーブル600で与えられる所定のシーケンスに従い、制御装置402により、10個の閉鎖系培養容器101(101a〜101j)の各々の上層への播種のために、二方弁106、三方弁107、流体移動制御機構部(チューブポンプ)108、第一の電磁弁130、第二の電磁弁132等が制御される。例えば、培養容器101aの上層に対する播種のために、流体の流速を4ml/秒とし、30秒かけて各弁やポンプを順次制御し培養容器101aの上層に2mlの細胞懸濁液を供給する。それに続いて、培養容器101bの上層に対する播種のために、同様に30秒かけて各弁やポンプを順次制御する一連の処理がなされ、培養容器101bの上層に2mlの細胞懸濁液を供給する。以下、同様にして、処理され、最後に、培養容器101jの上層への播種のための処理がなされる。なお、ここで示した流速等の数値はあくまでも一例であることは言うまでもない。
図7は、1個の閉鎖系培養容器に対し、テーブル600に従い形成される流路回路と、それによる細胞播種時の培地及び空気の流れを示したものである。ここでは、わかり易くするために、図3で示した1個の閉鎖系培養容器101aに対する流路回路図を用い、細胞播種時の送液制御プロトコルを示している。本図では細胞播種を上層、下層の順に実施しているが、その順番は任意である。
細胞バッグ102が、第一の流路回路(105)、電磁弁106b、流体移動制御機構部108a、第一の流路回路(122)、第二の電磁弁132aを介して閉鎖系培養容器101の流路(第一供給ポート)210に接続され、上層の第一容器203に対して細胞播種が実施される。この時、下層の第二容器201は、その流路(第二供給ポート)206が第二の流路回路(121)、第一の電磁弁130b、流体移動制御機構部108b、第二の流路回路(104)、電磁弁106aを介してフィルタ117aに接続される。第一容器203の上部と第二容器201の上部との間には、相互に気体の流通を可能にするギャップ222が存在するので、第一容器203内の気体は第二の流路回路及びフィルタ117aを介して排気される。
すなわち、図7に示すように、細胞バッグ102から流路210を経由してセルカルチャーインサート容器内へ送液する。この時同時に、流路(第二供給ポート)206より培養容器内の空気を培養容器外へ排出する。空気は、最終的にフィルタ117aより流路外へ排出する。この時、事前に培地及び空気が流れる流路上の二方弁はあらかじめ開いた状態にする。それ以外のものは閉じた状態にする。その状態で、流体移動制御機構部108b、108aを作動させることで送液及び送気を実施する。所定量を送液し終えたら終了する。このようにして、細胞バッグ102から第一容器203に対する細胞播種は、スムーズに実行される。
他の閉鎖系培養容器101b〜101jに対しても、同様にして、電磁弁106、流体移動制御機構部108、第一の電磁弁130、第二の電磁弁132を順次、開閉制御し、各々の閉鎖系培養容器の上層に対して、第一の流路回路、第二の流路回路を形成し、細胞播種を実施する。
次に、処理部の培養容器の下層への細胞播種制御ユニットを用いて行われる、閉鎖系培養容器の下層への播種について説明する。
図8は、閉鎖系培養容器101の下層への播種時制御用のテーブル800の一例を示す図である。テーブル800で与えられる所定のシーケンスに従い、制御装置402により、10個の閉鎖系培養容器101(101a〜101j)の各々の下層への播種のために、二方弁106、三方弁107、流体移動制御機構部108、第一の電磁弁130、第二の電磁弁132が制御される。例えば、培養容器101aの下層に対する播種のために、流体の流速を4ml/秒とし、各弁やポンプを順次制御し45秒かけて培養容器101aの下層に3mlの細胞懸濁液を供給する。次の培養容器101bにも、同様に各弁やポンプを順次制御し、45秒かけて一連の処理を行い3mlの細胞懸濁液を供給する。以下、同様にして、処理され、最後に、培養容器101jの下層への播種のための処理がなされる。
図9は、1個の閉鎖系培養容器に対し、テーブル800に従い形成される流路回路と、それによる細胞播種時の培地及び空気の流れを示したものである。ここでは、わかり易くするために、図3で示した1個の閉鎖系培養容器101aに対する流路回路図を用い、細胞播種時の送液制御プロトコルを示している。
第二の胞バッグ103が、第二の流路回路(104)、電磁弁106c、流体移動制御機構部108b、第二の流路回路(121)、第一の電磁弁130bを介して閉鎖系培養容器101の流路(第二供給ポート)206に接続され、下層の第二容器201に対して細胞播種が実施される。この時、上層の第一容器203は、その流路(第一供給ポート)210が第一の流路回路(122)、第二の電磁弁132a、流体移動制御機構部108a、第一の流路回路(105)、電磁弁106fを介してフィルタ117bに接続される。第一容器203の上部と第二容器201の上部との間には、相互に気体の流通を可能にするギャップ222が存在するので、第二容器203内の気体は第一の流路回路及びフィルタ117bを介して排気される。
すなわち、図9に示すように、細胞バッグ103から流路(第二供給ポート)206を経由して培養容器本体部の第二容器201内へ送液する。この時同時に、流路(第一供給ポート)210より培養容器内の空気を培養容器外へ排出する。空気は、最終的にフィルタ117bより流路外へ排出する。この時、事前に培地及び空気が流れる流路上の二方弁はあらかじめ開いた状態にする。それ以外のものは閉じた状態にする。その状態で、流体移動制御機構部108b、108aを作動させることで送液及び送気を実施する。所定量を送液し終えたら終了する。このようにして、第二の細胞バッグ103から第二容器201に対する細胞播種は、スムーズに実行される。
他の閉鎖系培養容器101b〜101jに対しても、同様にして、電磁弁106、流体移動制御機構部108、第一の電磁弁130、第二の電磁弁132を順次、開閉制御し、各々の閉鎖系培養容器の下層に対して、第一の流路回路、第二の流路回路を形成し、細胞播種を実施する。
次に、第1の実施例における、制御部の培養容器の上層への培地交換制御ユニットを用いて行われる、閉鎖系培養容器101の上層への培地交換について説明する。
図10は、閉鎖系培養容器の上層への培地交換制御用のテーブル1000の一例を示す図である。
このテーブル1000で与えられる所定のシーケンスに従い、制御装置402により、10個の閉鎖系培養容器101(101a〜101j)の各々の上層の培地交換のために、二方弁106、三方弁107、流体移動制御機構部108、第一の電磁弁130、第二の電磁弁132が制御される。
図11A〜図11Dは、1個の閉鎖系培養容器101に対し、テーブル1000に従い形成される流路回路と、それによる上層の培地交換時の培地及び空気の流れを示したものである。
培地交換の対象は、上層であるセルカルチャーインサート容器と、下層である培養容器本体部の第二容器である。基本的には培地交換において、両方の培地を交換する。しかし装置使用者の設定により、片方のみの培地を交換することも可能である。また、両方の培地を交換する場合において、上層と下層を交換する順番は任意である。
まず、上層を交換する制御プロトコルについて説明する。培地バッグ111が、第一の流路回路(105)、電磁弁106d、流体移動制御機構部108a、第一の流路回路(122)、第二の電磁弁132aを介して閉鎖系培養容器101の流路(第一供給ポート)210に接続され、さらに上層の第二容器203に接続される。他方、下層の第一容器201は、その流路(第二供給ポート)206が第二の流路回路(121)、第一の電磁弁130b、流体移動制御機構部108b、第二の流路回路(104)、電磁弁106aを介してフィルタ117aに接続される。第一容器203の上部と第二容器201の上部との間には、相互に気体の流通を可能にするギャップ222が存在するので、第二容器203内の気体は第一の流路回路及びフィルタ117bを介して排気される。
すなわち、図11Aに示すように、培地バッグ111からセルカルチャーインサート容器内の流路(第一供給ポート)210の接続突起構造209まで送液する。この時、同時に、流路206より培養容器内の空気を培養容器外へ排出する。空気は、最終的にフィルタ117aより流路外へ排出する。この時、事前に培地及び空気が流れる流路上の二方弁はあらかじめ開いた状態にする。それ以外のものは閉じた状態にする。その状態で、流体移動制御機構部108b、108aを作動させることで送液及び送気を実施する。また、培地バッグ111は冷蔵庫内に設置するため、培地バッグから送液した直後の培地は4℃であるが、ヒーター112により37℃まで加温し、培養容器等が設置された恒温機内にて37℃にて維持する。
培地バッグ111から第一の流路回路122を経て容器101の流路(第一供給ポート)210の接続突起構造209まで培地を送液した状態で、送液を一旦停止する。すなわち、テーブル1000に従い、第一の流路回路の供給側の各電磁弁を閉じ、ポンプを停止させることで、第一の流路回路内の培地の先端は、接続突起構造209付近に維持される。なお、この停止位置は、用途によって、適宜変更すれば良い。
この状態で、次に、図11Bに示すように、セルカルチャーインサート容器内の培養に用いた古い培地を、流路(第一排出ポート)212から排出する。この場合、下層の第一容器201は、その流路206が第一の流路回路(121)、第一の電磁弁130b、流体移動制御機構部108b、第一の流路回路(104)、電磁弁106aを介してフィルタ117aに接続されている。他方、閉鎖系培養容器101の流路(第一排出ポート)212は、第二の流路回路(124)、流体移動制御機構部108c、三方弁107aを介して排液バッグ113、排液回収バッグ114aに接続される。
これにより、第一の流路回路(104)流入した空気が第二供給ポート206から培養容器101内へ供給される。空気は、最終的にフィルタ117aから流路206内へ供給する。この時、事前に培地及び空気が流れる流路上の二方弁及び三方弁は、テーブル1000に従い、あらかじめ開いた状態にする。すなわち、閉鎖系培養容器101の流路(第一排出ポート)212が、第一の流路回路(124)、流体移動制御機構部108c、三方弁107aを介して排液バッグ113、排液回収バッグ114aに接続されている。それ以外のものは閉じた状態にする。その状態で、流体移動制御機構部108b、108dを作動させることで培養容器101から排液バッグ113、排液回収バッグ11aAへの排液、及びフィルタ117aから培養容器101への送気を実施する。排液は、上層の第一容器203にある古い培地が全量、上層から排出された時点で終了する。古い配置は最終的に排液バッグ113または排液回収バッグ114aへ排出されるが、培養容器101内の全量に対し排液を完了する必要はない。
培養容器101からの古い培地の排出に続いて、図11Cに示すように、培地バッグ111からセルカルチャーインサート容器内の接続突起構造209まで送液し、37℃にて待機させていた新しい培地を、上層の第一容器203へ供給する。すなわち、図11Aで述べたように、培地バッグ111から容器101の流路(第一供給ポート)210の接続突起構造209まで供給されこの状態で待機していた培地を、上層の第一容器203に送液する。この第一容器203への培地の送液と同時に、流路206より培養容器内の空気を培養容器外へ排出する。空気は、最終的にフィルタ117aより流路外へ排出する。この時、事前に培地及び空気が流れる流路上の二方弁は、テーブル1000に従い、あらかじめ開いた状態にする。それ以外のものは閉じた状態にする。その状態で、流体移動制御機構部108b、108aを作動させることで送液及び送気を実施する。
最後に、図11Dに示すように、流路(第一排出ポート)212と排液バッグ113または排液回収バッグ114bの間に残存している古い培地を、排液バッグ113または排液回収バッグ114bへ排出する。この時同時に、流路(第一供給ポート)210より空気を培養容器101内へ供給する。空気は、最終的にフィルタ117aから流路内へ供給する。この時、事前に培地及び空気が流れる流路上の二方弁及び三方弁はテーブル1000に従い、あらかじめ開いた状態にする。それ以外のものは閉じた状態にする。その状態で、流体移動制御機構部108b、108dを作動させることで排液及び送気を実施する。排液は、上層にある古い培地が全量、排液バッグ113または排液回収バッグ114bへ排出された時点で終了する。
次に、制御部の培養容器の下層への培地交換制御ユニットを用いて行われる、閉鎖系培養容器の下層への培地交換について説明する。
図12は、第1の実施例における、閉鎖系培養容器の下層への培地交換制御用のテーブル1200の一例を示す図である。
このテーブル1200で与えられる所定のシーケンスに従い、制御装置402により、10個の閉鎖系培養容器101(101a〜101j)の各々の下層の培地交換のために、二方弁106、三方弁107、流体移動制御機構部108、第一の電磁弁130、第二の電磁弁132が、制御される。
図13A〜図13Dは、1個の閉鎖系培養容器101に対し、テーブル1200に従い形成される流路回路と、それによる下層の培地交換時の培地及び空気の流れを示したものである。
まず、図13Aに示すように、培地バッグ111から第二の流路回路104、121を介して培養容器101の本体部の第二容器201内の流路(第二供給ポート)206の接続突起構造205まで送液する。そして、この状態で、送液を一旦停止する。すなわち、テーブル1200に従い、第二の流路回路の供給側の各電磁弁を閉じ、ポンプを停止させることで、第二の流路回路内の培地の先端は、接続突起構造205付近に維持される。なお、この停止位置は、用途によって、適宜変更すれば良い。この時同時に、培養容器101内の空気を流路(第一供給ポート)210から第一の流路回路122を介して培養容器外へ排出する。空気は、最終的にフィルタ117bより流路外へ排出する。この時、テーブル1200に基づき、事前に培地及び空気が流れる流路上の二方弁は、あらかじめ開いた状態にする。それ以外のものは閉じた状態にする。その状態で、流体移動制御機構部108b、108aを作動させることで送液及び送気を実施する。また、培地バッグは冷蔵庫内に設置するため、培地バッグから送液した直後の培地は4℃であるが、ヒーター112により37℃まで加温し、培養容器等が設置された恒温機内にて37℃にて維持する。
次に、図13Bに示すように、培養容器101の本体部の第二容器201内の培養に用いた古い培地を、流路(第二排出ポート)208から第二の流路回路123を介して排液バッグ113または排液回収バッグ114aへ排出する。この時同時に、第一の流路回路122を介して流路(第一供給ポート)210から空気を培養容器101内へ供給する。空気は、最終的にフィルタ117bから流路内へ供給する。この時、テーブル1200に基づき、事前に培地及び空気が流れる流路上の二方弁及び三方弁はあらかじめ開いた状態にする。それ以外のものは閉じた状態にする。その状態で、流体移動制御機構部108a、108dを作動させることで排液及び送気を実施する。排液は、下層にある古い培地が全量、下層から排出された時点で終了する。古い配置は最終的に排液バッグ113または排液回収バッグ114aへ排出されるが、全量に対し完了する必要はない。
続いて、図13Cに示すように、予め、培地バッグ111から37℃にて培養容器本体部の第二容器201内の流路(第二供給ポート)206の接続突起構造205まで送液し該部分に待機させていた新しい培地を、下層201へ供給する。この時同時に、流路(第一供給ポート)210より培養容器内の空気を第一の流路回路123を介して培養容器外へ排出する。空気は、最終的にフィルタ117bより流路外へ排出する。この時、事前に培地及び空気が流れる流路上の二方弁はあらかじめ開いた状態にする。それ以外のものは閉じた状態にする。その状態で、流体移動制御機構部108b、108aを作動させることで送液及び送気を実施する。
最後に、図13Dに示すように、流路(第二排出ポート)208と排液バッグ113または排液回収バッグ114aの間に残存している古い培地を、排液バッグ113または排液回収バッグ114aへ排出する。この時同時に、流路206より空気を培養容器内へ供給する。空気は、最終的にフィルタ117bから流路内へ供給する。この時、テーブル1200に基づき、事前に培地及び空気が流れる流路上の二方弁及び三方弁はあらかじめ開いた状態にする。それ以外のものは閉じた状態にする。その状態で、流体移動制御機構部108a、108dを作動させることで排液及び送気を実施する。排液は、下層にある古い培地が全量、排液バッグ113または排液回収バッグ114aへ排出された時点で終了する。
本実施例によれば、細胞播種工程及び培地交換工程において、培地は常に一方向に流れるので古い培地が新しい培地に混入せず、培養の再現性が向上する。培地交換時に古い培地を全て排出した後に新しい培地が速やかに供給される。しかも、閉鎖系培養容器に取り付けた流路チューブの一部は、送液と送気の機能を兼ねるため、全体流路回路は簡潔となる。
以上述べた本実施例の自動培養装置おける一連の処理の詳細を、図5の制御フローを参照しながら、まとめて説明する。尚、使用する培養容器の数を増やす場合は、流路の多分岐部において、並列に培養容器を並べればよい。またその場合の培養手順は、以下に示すS1〜S12の操作を各培養容器に対して順々に実施すればよい。
<ステップS1:スタート>
まず、図5に示すように、自動培養装置を起動させる。操作者が制御装置にある操作部のスタートスイッチを押すことにより起動する。尚、この時点で流路回路等は事前に自動培養装置へ設置されている。制御部のディスプレイの操作画面において、自動培養装置の内部環境として適切な値であることを確認する。例えば、恒温機の温度が37℃であることを確認する。これらの数値は限定的なものでなく、例えば温度は、0℃から45℃の範囲より選択可能である。また装置の内部は、事前の適切な操作により、滅菌ガスによる滅菌或いはエタノールによる消毒が施され、清浄な状態となっている。また、培養に用いる流路部に対しても事前に滅菌を施してある。
<ステップS2:スケジュール決定>
培養する細胞の種類と量に合わせ、自動培養装置により実施する自動培養スケジュールを決定する。細胞播種、培地交換、顕微鏡観察、排液回収、検査用組織回収、移植用組織回収等の操作を行う日時、頻度、液量等の条件を、制御部の操作部より入力する。
<ステップS3:細胞播種>
適切な二方弁及び三方弁の開閉を行った後、
流体移動制御機構部を作動させ、細胞バッグより細胞懸濁液を吸引する。細胞懸濁液は、食道粘膜再生の例では口腔粘膜細胞を培養するため、KCM培地(keratinocyte culture medium)に懸濁した口腔粘膜細胞と、同じくKCM培地に懸濁した3T3−J2細胞である。流体移動制御機構部を駆動させることにより、エアフィルタを介して流路外へ流路内の空気を排出しつつ、細胞懸濁液を吸引する。そして培養容器へ播種する。細胞播種は、各培養容器のそれぞれの上層及び下層へ、順次実施する。播種後、回転機構により培養容器を複数回揺動させることにより、培養表面上の細胞分布が均一となるようにする。
<ステップS4:細胞の培養>
培養容器を水平に静置した状態で所定時間、培養する。例として口腔粘膜細胞の場合、静置期間は播種後5日間程度とする。培養中は、恒温機により培養容器の周囲環境を37℃に維持する。また、必要に応じ培養容器の内部へ所定成分の気体を送気する。口腔粘膜細胞の培養の場合、CO2濃度は5%、湿度は100%に維持する。自動培養装置内部の空気はファンにより常に攪拌し、温度分布が常に一様となるようにする。
<ステップS5:顕微鏡による観察>
自動培養装置内に設置した顕微鏡を用い、細胞画像を取得する。自動培養装置内に設置した光源を適宜発光させ、顕微鏡により細胞に焦点を合わせ、撮像する。必要に応じ、培養表面に定点を任意に定め、撮影する。取得した細胞画像はデータベースに保存し、自動培養装置の外部に設置したディスプレイ上で必要に応じ閲覧できるようにする。顕微鏡観察により得た細胞の生育状態に関する情報から判断し、培地交換の頻度、時期の調整を行う。例えば細胞の接着が不十分な場合、S6の培地交換は実施せず、S4の細胞の培養を継続する。
<ステップS6:培地交換>
培地交換は、一般に数日に一度の頻度で実施する。細胞の生育状況に応じ、頻度は調整を行う。適切な電磁弁の開閉を行った後、流体移動制御機構部を作動させ、流体移動制御機構部を駆動させることにより培地バッグより培地を吸引する。同時に、フィルタを介して流路外へ流路内の空気を排出する。培地バッグから送液された直後の培地は4℃であるが、ヒーター及び恒温機内の気相により、培地の温度は37℃を維持した状態で次の工程に進む。
続いて、培養容器から古い培地を排出する。この時、回転機構により培養容器を傾け、古い培地の全量が排出されるようにする。排出後、速やかに、37℃に維持されている新しい培地を培養容器内へ供給する。これにより、培養表面上の細胞の乾燥と、培養表面の温度低下を回避する。
培養容器から排出した古い培地は、一部を排液回収バッグへ、残りを排液バッグへ送液する。回収した古い培地は、別途用意する培地成分分析装置により培地成分分析を用い、細胞の生育状況を評価する。例えば、細胞が生育時に用いるグルコースと排出する乳酸の量を測定し、細胞の生育状態を把握する。また、マイコプラズマ試験等を実施し、培地が汚染されていないか判定する。汚染があった場合には培養を直ちに終了し、自動培養装置の設置場所が汚染されないよう、細胞を適切な操作により無菌的に破棄する。
<ステップS7:検査用組織の回収>
移植予定日の前日に、培養中の培養容器のうち1枚を検査用に回収する。あらかじめ流路内に組み込まれた無菌脱着部を用い、培養容器を無菌的に取り外す。そして回収した培養容器において、中の細胞の状態が移植に適した質を有するか検査を行う。例えば口腔粘膜細胞による再生組織の場合、組織学的評価により3層程度の重層化した構造を有するか、免疫組織化学染色評価により口腔粘膜幹細胞が再生組織の基底層に存在するか、口腔粘膜細胞特異的タンパク質を発現しているか等の評価を行う。
<ステップS8:移植直前の培養及び培地交換>
ステップS4と同じ操作による培養を行う。そしてステップS9を実施する直前に、ステップS6と同じ操作による培地交換を行う。
<ステップS9:移植用組織の回収>
ステップS7による評価の結果、移植に適した再生組織が培養できていると判断がついた場合、移植用として組織を回収して再生医療治療に用いる。S7と同様に、無菌脱着部を用い培養容器を取り外す。その後、再生医療治療を行う手術室へ、無菌性と生物学的な質を維持した状態で搬送し、治療に用いる。
<ステップS10:終了>
培養に用いた流路部を取り外す。続いて、装置の内部へ適切な操作により、滅菌ガスによる滅菌或いはエタノールによる消毒を施し、清浄な状態にする。自動培養装置の各種ソフトを終了させ、自動培養装置の作動を終了させる。
以上、本発明の実施の形態の一例を図面に従い説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものでないこと明らかである。例えば実施例において、流体を移動させる流体移動制御機構部としてペリスタルティック・ポンプを想定しているが、シリンジ・ポンプ等の他の駆動機構を用いても良いことは言うまでもない。
以上のように構成された自動培養装置の好適な実施形態によれば、細胞播種工程及び培地交換工程において、培地は常に一方向に流れる。全量を交換する培地交換において、古い培地が新しい培地に混入しないようにするため、培養の再現性が向上する。回収した古い培地を用いた培地成分分析の分析精度が向上する。古い培地を回収後は、速やかに事前に37℃へ温めた新しい培地を供給する。閉鎖系培養容器に取り付けた流路チューブの一部は、送液と送気の機能を兼ねるため、全体流路回路は簡潔となる。
次に、本発明の第2の実施例を説明する。図14は、本発明の第2の実施例に係る、閉鎖系培養容器の断面図である。
本例では、閉鎖系培養容器101が、細胞容器本体200に一体的に形成された複数の第一容器203及び複数の第二容器201と、蓋部202A、202Bとで構成されている。第一容器203と第二容器201は対をなし、各容器の平面形状は例えば半円形や方形である。一対の第一容器203と第二容器201とは、水平方向に並んで配置され、第一容器203と第二容器201間には隔壁220が設けられている。第一容器203と第二容器201、及び蓋部202は、各々、射出成形、切削加工等により形成される。この隔壁220には多孔性膜やポアメンブレンが設けられており、該部分を介して第一容器203と第二容器201間で液体及び気体が相互に移動可能になっている。また、第一容器203の上部と第二容器201の上部との間には、相互に気体の流通を可能にするギャップ222が存在する。上皮系細胞215、フィーダー細胞216は各容器の底面上にて播種、培養する。
このように、細胞を保持、培養するための培養容器101は、培地及び細胞、または培地のみを収容する第二容器201と、培地及び細胞、または培地のみを収容する第一容器203と、当該第二容器を少なくとも封止する蓋部材202を有し、対をなす第一容器203と第二容器201とが、水平方向に並んで配置された培養容器である。そして、この培養容器の外面に流路回路と接続可能な第一の供給ポート210、第二の供給ポート206、第一の排出ポート212、第二の排出ポート208を備え、この第一容器203への培地の排出または供給、あるいは第二容器201からの培地の排出または供給をする場合に、送液を制御する手段により、第一、第二の供給ポートへの連通状態、第一、第二の排出ポートへの連通状態が切り替えられる。すなわち、第一容器203に対して第一の供給ポート210と第一の排出ポート212が設けられ、第二容器201に対して第二の供給ポート206と第二の排出ポート208が設けられている。細胞容器本体200の蓋部202或いは細胞容器第二容器201、203には、Oリング等の弾性部材204が設けられる。
流路(第一供給ポート)210の第一容器203における位置は、容器内に導入する培養液の量によって変えるべきであるが、導入された培養液面よりも上部であればよい。流路(第一排出ポート)212の第一容器203の底面における位置は、容器から培地の排出に使用するため、第一容器203の底面と流路(第一排出ポート)212が、近接していることが望ましい。流路(第一排出ポート)212の容器202の底面における位置は、セ容器から培地の排出に使用するため、容器202の底面と流路(第一排出ポート)212が、近接していることが望ましい。流路(第二供給ポート)206の培養容器本体の第二容器201における位置は、容器内に導入する培養液の量によって変えるべきであるが、導入された培養液面よりも上部であればよい。流路(第二排出ポート)208の培養容器の第二容器201における位置は、細胞容器本体部の第二容器201から培地を排出するために使用するため、細胞容器の第二容器201の底面と流路208の内径最下部が、同じ高さとなるように設置することが望ましい。
この実施例でも、実施例1と同様に、第一の供給ポート210、第二供給ポート206において、細胞懸濁液/培地は、培養容器の外側から内側への方向のみに流れる。空気は双方的に流れる。一方、第一排出ポート212、第二排出ポート208においては、細胞懸濁液/培地、及び空気は、培養容器の内側から外側への方向のみに流れる
本実施例の閉鎖系培養容器101を実施例1の培養容器に置き換え、実施例1の自動培養装置に組み込んで使用することで、実施例1と同様な効果が得られる。すなわち、細胞播種工程及び培地交換工程において、培地は常に一方向に流れるので、古い培地が新しい培地に混入せず、培養の再現性が向上する。しかも、閉鎖系培養容器に取り付けた流路チューブの一部は、送液と送気の機能を兼ねるため、全体流路回路は簡潔となる。
次に、本発明の第3の実施例を説明する。図15は、本発明の第3の実施例に係る、自動培養装置の全体流路回路図である。本実施例は、閉鎖系培養容器101として実施例1に示したものと同じ構成の閉鎖系培養容器を1個のみを用いて、自動培養装置を構成したものである。培養容器101の外面に流路回路と接続可能な第一の供給ポート210、第二の供給ポート206、第一の排出ポート212、第二の排出ポート208を備え、この第一容器203への培地の排出または供給、あるいは第二容器201からの培地の排出または供給をする場合に、送液を制御する手段により、第一、第二の供給ポートへの連通状態、第一、第二の排出ポートへの連通状態が切り替えられる。この実施例でも、実施例1と同様に、第一の供給ポート210、第二供給ポート206において、細胞懸濁液/培地は、培養容器101の外側から内側への方向のみに流れる。空気は双方的に流れる。一方、第一排出ポート212、第二排出ポート208においては、細胞懸濁液/培地及び空気は、培養容器の内側から外側への方向のみに流れる。
本実施例の閉鎖系培養容器101を実施例1の培養容器に置き換え、実施例1の自動培養装置に組み込んで使用することで、実施例1と同様な効果が得られる。特に、1個の培養容器101のみを使用したい用途に適している。
以上、各実施例で述べたとおり、本発明は、培養容器を用いて細胞又は組織を自動操作により培養する自動培養装置、特に再生医療に使用可能な再生組織を製造することのできる自動培養装置として有用である。
101…培養容器
102…細胞バッグ
103…細胞バッグ
104…第二の流路回路(導入部)
105…第一の流路回路(導入部)
106…二方弁
107…三方弁
108…流体移動制御機構部
109…多分岐部
110…回転機構
111…培地バッグ
112…ヒーター
113…排液バッグ
114…排液回収バッグ
115…ガス供給部
116…ガス濃度調整部
117…フィルタ
118…無菌脱着部
121…第二の流路回路(分岐路)
122…第一の流路回路(分岐路)
123…第二の流路回路(分岐路)
124…第一の流路回路(分岐路)
130…第一の電磁弁
132…第二の電磁弁
200…細胞容器本体
201…第二容器
202…細胞容器蓋部
203…第一容器(セルカルチャーインサート容器)
204…弾性部材
205、207、209、211、213…接続突起構造
206…流路(第二供給ポート)
208…流路(第二排出ポート)
210…流路(第一供給ポート)
212…流路(第一排出ポート)
214…培地
215…上皮系細胞
216…フィーダー細胞
401…培養容器
402…制御装置
403…恒温機
404…温度調節部
405…ガス供給部
406…ガス濃度調節部
407…流体移動制御
408…顕微鏡
409…細胞・培地・排液・排液回収バッグ
410…表示画面
411…ガス濃度調整部
412…データベース
600…テーブル。

Claims (15)

  1. 細胞を保持、培養するための培養容器であって、
    細胞容器本体と、該細胞容器本体に前記細胞及び培地を供給する流路回路を接続するため接続ポートとを備えており、
    前記細胞容器本体は、対をなす少なくとも1組の第一容器と第二容器と、容器蓋部とを有し、
    前記第一容器及び前記第二容器は、各々、培地及び細胞を、または培地のみを収容するための容器であり、前記第一容器と前記第二容器間の隔壁の一部は、液体及び気体が相互に移動可能に構成されており、
    前記第一容器の上部と前記第二容器の上部との間には、相互に気体の流通を可能にするギャップが存在しており、
    前記接続ポートとして、
    前記第一容器には、前記培地の供給と、気体の供給及び排出をするための第一供給ポートと、前記培地を排出するための第一排出ポートとが接続され、
    前記第二容器には、前記培地の供給と、前記気体の供給及び排出をするための第二供給ポートと、前記培地を排出するための第二排出ポートとが接続され、
    前記第一供給ポート及び前記第二供給ポートは、前記培地を前記培養容器に対して常に一方向へ流す流路として機能する
    ことを特徴とする培養容器。
  2. 請求項1において、
    前記第一供給ポート及び前記第二供給ポートは、前記培地を前記培養容器の外側から内側への方向のみに流す流路、及び、前記気体を双方的に流す流路として機能し、
    前記第一排出ポート及び前記第二排出ポートは、前記培地を前記培養容器の内側から外側への方向のみに流す流路として機能し、前記気体は流さない
    ことを特徴とする培養容器。
  3. 請求項2において、
    前記第一供給ポートの前記第一容器における開口位置は、前記第一排出ポートの前記第一容器における開口位置よりも高い位置にあり、
    前記第一供給ポートの前記第二容器への開口位置は、前記第一排出ポートの前記第一容器への開口位置よりも高い位置にある
    ことを特徴とする培養容器。
  4. 請求項3において、
    前記培養容器は、細胞容器本体と、該細胞容器本体に第二の流路回路及び第一の流路回路を接続するための前記第一、前記第二供給ポート、及び、前記第一、第二排出ポートを備えており、
    前記細胞容器本体は、該細胞容器本体に一体に形成された複数の前記第二容器と、前記蓋部と、前記各第二容器と前記蓋部との間に挿入される複数の前記第一容器とを備えている
    ことを特徴とする培養容器。
  5. 請求項4において、
    前記第一排出ポートの前記第一容器における開口位置は、前記第一容器の底面付近に位置し、
    前記第二排出ポートの前記第二容器における開口位置は、前記第二容器の底面と前記第二排出ポートの内径最下部が、同じ高さとなる位置にある
    ことを特徴とする培養容器。
  6. 請求項5において、
    前記培養容器を略水平に保持する状態と、傾けた状態の何れかを取るよう制御する回転制御部を含むこと
    を特徴とする培養容器。
  7. 培養容器内への細胞播種と培地交換を行い、前記培養容器内において細胞を培養する自動培養装置であって、
    少なくとも1つの閉鎖系培養容器と、
    前記閉鎖系培養容器の供給側に1つの細胞バッグ、培地バッグ、第一のフィルタ、及び排液回収バッグを接続する第一の流路回路と、
    前記閉鎖系培養容器の供給側に他の細胞バッグ、培地バッグ、第二のフィルタ及び排液回収バッグを接続する第二の流路回路と、
    前記第一の流路回路及び前記第二の流路回路に設けられた流体移動制御機構部及び電磁弁とを備え、
    前記閉鎖系培養容器は、
    細胞容器本体と、該細胞容器本体に前記第一の流路回路及び前記第二の流路回路を接続するため接続ポートとを備えており、
    前記細胞容器本体は、対をなす少なくとも1組の第一容器と第二容器と、容器蓋部とを有し、
    前記第一容器及び前記第二容器は、各々、培地及び細胞を、または培地のみを収容するための容器であり、前記第一容器と前記第二容器間の隔壁の一部は、液体及び気体が相互に移動可能に構成されており、
    前記第一容器の上部と前記第二容器の上部との間には、相互に気体の流通を可能にするギャップが存在しており、
    前記第一容器には、前記培地の供給と、気体の供給及び排出をするための第一供給ポートと、前記培地を排出するための第一排出ポートとに、前記第一の流路回路が接続され、
    前記第二容器には、前記培地の供給と、前記気体の供給及び排出をするための第二供給ポートと、前記培地を排出するための第二排出ポートとに、前記第二の流路回路が接続され、
    前記培地が、前記第一の流路回路、前記第二の流路回路、前記第一供給ポート及び前記第二供給ポートを介して、前記培養容器に対して常に一方向に供給される
    ことを特徴とする自動培養装置。
  8. 請求項7において、
    前記第一供給ポート及び前記第二供給ポートは、前記培地を、前記第一の流路回路及び前記第二の流路回路を経由して、前記培養容器の外側から内側への方向のみに流す流路、及び、前記気体を双方的に流す流路として機能し、
    前記第一排出ポート及び前記第二排出ポートは、前記第一の流路回路及び前記第二の流路回路を経由して、前記培地を前記培養容器の内側から外側への方向のみに流す流路として機能し、前記気体は流さない
    ことを特徴とする自動培養装置。
  9. 請求項8において、
    前記第一の流路回路及び前記第二の流路回路に設けられた前記流体移動制御機構部及び前記電磁弁を備え制御する制御装置を備えており、
    前記制御装置は、データベースに保持された情報に基づいて、前記培地及び前記気体が前記第一の流路回路及び前記第二の流路回路を流れる時期及び流れの方向を制御する
    ことを特徴とする自動培養装置。
  10. 請求項9において、
    前記制御装置は、
    前記培地バッグから前記第一の流路回路を経て前記培養容器の第一供給ポートまで培地を送液した状態で、送液を一旦停止し、
    この状態で、前記培養容器の古い培地を前記第一排出ポートから排出し、
    さらに、前記第一の流路回路を経て流入した空気を前記第二供給ポートから前記培養容器内へ供給し、該空気を前記第一の流路回路及びフィルタを経て排気し、
    さらに、前記培養容器の第一供給ポートまで培地された状態で待機していた前記培地を、前記第一容器に送液する
    ことを特徴とする自動培養装置。
  11. 培養容器内への細胞播種と培地交換を行い、培養容器内において細胞を培養する自動培養装置であって、
    細胞懸濁液が収容される細胞バッグと、
    培地が収容される培地バックと、
    培地を冷蔵保存する冷蔵庫と
    培地を37℃に温めるヒーターと、
    細胞を培養する培養容器と、
    細胞懸濁液及び培地及び空気を送液/送気する流体移動制御機構部と
    前記培養容器、細胞バッグ、培地バッグ、流体移動制御機構部からなる流路回路が設置される細胞培養用恒温槽と、
    前記培養容器の培養環境を制御する制御装置を備え、
    前記培養容器は、培地及び細胞を、または培地のみを収容する第一容器と、
    当該第一容器内部に、培地及び細胞を、または培地のみを収容する第二容器と、
    当該第一容器を少なくとも封止する蓋部材を有する培養容器において、
    前記第一容器には、前記培地の供給と、気体の供給及び排出をするための第一供給ポートと、前記培地を排出するための第一排出ポートとが接続され、
    前記第二容器には、前記培地の供給と、前記気体の供給及び排出をするための第二供給ポートと、前記培地を排出するための第二排出ポートとが接続され、
    前記制御装置は、
    当該第一容器への培地の排出または供給、あるいは前記第二容器からの培地の排液または供給をする場合に、前記第一供給ポート、前記第二供給ポートと、前記第一排出ポート、前記第二排出ポートを切り替え、送液を制御する
    ことを特徴とする自動培養装置。
  12. 請求項11において、
    前記細胞播種あるいは前記培地交換において、前記培地は前記第一供給ポート及び前記第二供給ポートの少なくとも一方から前記培養容器内へ供給され、
    前記第一排出ポート及び前記第二排出ポートの少なくとも一方から前記培養容器外へ排出されることにより、前記培地は一方向のみに送液される
    ことを特徴とする自動培養装置。
  13. 請求項11において、
    前記第一排出ポート及び前記第二排出ポートは、
    前記第一容器及び前記第二容器の底面に近接し、
    前記培養容器を略水平に保持する状態と、傾けた状態の何れかを取るよう制御する回転制御部を含み、
    該回転制御部により、前記第一容器及び前記第二容器の培地の排出において、全量または所定量を排出する
    ことを特徴とする自動培養装置。
  14. 請求項13において、
    細胞播種時は、前記細胞バッグ内の細胞懸濁液を送液/送気機構により、前記第一供給ポート及び前記第二供給ポートの何れか一方から前記培養容器の前記第一容器または前記第二容器へ供給し、
    同時に、前記細胞懸濁液を供給していない前記第一供給ポート若しくは前記第二供給ポートから前記培養容器外へ気体を排出する
    ことを特徴とする自動培養装置。
  15. 請求項13において、
    前記培地交換時は、前記培地バッグ内の培地を前記流体移動制御機構部により、前記培養容器の第一容器または第二容器の前記第一供給ポートまたは第二供給ポートまで送液しつつ、送液されていない他の前記第一供給ポートまたは前記第二供給ポートから空気を排出し、
    続いて培地交換を行う前記一容器または前記第二容器から、前記第一排出ポートまたは前記第二排出ポートより古い培地を排出しつつ、
    送液されていない前記第一供給ポートまたは前記第二供給ポートから空気を排出し、
    最後に送液された前記第一供給ポートまたは前記第二供給ポートから前記培地を前記第一容器または前記第二容器へ供給しつつ、送液されていない前記第一供給ポートまたは前記第二供給ポートから空気を排出する
    ことを特徴とする自動培養装置。
JP2014507201A 2012-03-29 2012-03-29 培養容器及び自動培養装置 Active JP5894260B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2012/058458 WO2013145235A1 (ja) 2012-03-29 2012-03-29 培養容器及び自動培養装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2013145235A1 true JPWO2013145235A1 (ja) 2015-08-03
JP5894260B2 JP5894260B2 (ja) 2016-03-23

Family

ID=49258600

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014507201A Active JP5894260B2 (ja) 2012-03-29 2012-03-29 培養容器及び自動培養装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20150072401A1 (ja)
EP (1) EP2832847B1 (ja)
JP (1) JP5894260B2 (ja)
WO (1) WO2013145235A1 (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101422345B1 (ko) * 2012-10-19 2014-07-22 한국생명공학연구원 이중구조 세포배양용기
WO2015056302A1 (ja) 2013-10-15 2015-04-23 株式会社日立製作所 細胞培養装置
JP2015100309A (ja) * 2013-11-25 2015-06-04 東京エレクトロン株式会社 自動培養システム及び細胞管理システム
JP6444619B2 (ja) * 2014-05-30 2018-12-26 オリンパス株式会社 培地交換システム
WO2016013070A1 (ja) * 2014-07-23 2016-01-28 株式会社日立製作所 送液装置、及び細胞培養装置
US20170145365A1 (en) * 2014-07-29 2017-05-25 Hitachi, Ltd. Cell culturing device and closed-system culture vessel
JPWO2016157322A1 (ja) * 2015-03-27 2017-06-22 株式会社日立製作所 閉鎖系培養容器、輸送方法、及び自動培養装置
US10975345B2 (en) 2015-05-25 2021-04-13 Nipro Corporation Culturing device
CN104893975B (zh) * 2015-05-28 2016-06-01 深圳富利鑫健康产业发展有限公司 一种双室选择透过性细胞培养装置及其应用
CN116286352A (zh) * 2016-06-29 2023-06-23 东北大学 细胞培养系统
CA3036691A1 (en) * 2016-09-14 2018-03-22 Vbc Holdings Llc Systems, apparatus and methods for controlling a movement of a cell culture to optimize cell growth
JP6813765B2 (ja) 2016-10-20 2021-01-13 高砂電気工業株式会社 灌流培養装置及び灌流培養方法
WO2019131626A1 (ja) * 2017-12-28 2019-07-04 オリンパス株式会社 細胞培養制御方法、細胞培養制御装置、細胞培養装置および細胞培養システム
JP7030849B2 (ja) * 2018-01-15 2022-03-07 富士フイルム株式会社 細胞培養装置及び細胞培養方法
US11414639B2 (en) * 2018-02-09 2022-08-16 Global Life Sciences Solutions Usa Llc Bioprocessing vessel
US11932842B2 (en) 2018-02-09 2024-03-19 Global Life Sciences Solutions Usa Llc Bioprocessing apparatus
US11371007B2 (en) 2018-02-09 2022-06-28 Global Life Sciences Solutions Usa Llc System and method for fluid flow management in a bioprocessing system
US11920119B2 (en) 2018-02-09 2024-03-05 Global Life Sciences Solutions Usa Llc Systems and methods for bioprocessing
EP3805360A4 (en) * 2018-05-29 2022-02-09 Hitachi High-Tech Corporation CELL RECOGNITION DEVICE AND CELL RECOGNITION METHOD
US10775395B2 (en) * 2018-10-18 2020-09-15 Arctoris Limited System and method of performing a biological experiment with adaptive cybernetic control of procedural conditions
EP3992277A4 (en) * 2019-06-28 2023-10-04 I Peace, Inc. CELL CULTURE CONTAINER AND CELL CULTURE APPARATUS
JP7339138B2 (ja) * 2019-12-02 2023-09-05 株式会社日立製作所 細胞培養装置
US11732232B2 (en) * 2020-08-14 2023-08-22 Korea Research Institute Of Bioscience And Biotechnology Biomimetic cell culture apparatus and cell culture system comprising the same

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005059091A1 (ja) * 2003-12-18 2005-06-30 Hitachi Medical Corporation 細胞培養装置
WO2006095480A1 (ja) * 2005-03-08 2006-09-14 The Foundation For The Promotion Of Industrial Science 細胞培養チャンバー
JP2007166983A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Olympus Corp 培養容器用蓋及び生体試料培養システム
JP2011092212A (ja) * 2011-02-14 2011-05-12 Hitachi Ltd 細胞培養装置の制御方法
WO2012008368A1 (ja) * 2010-07-16 2012-01-19 株式会社日立製作所 細胞培養容器、および細胞培養装置
WO2012020458A1 (ja) * 2010-08-12 2012-02-16 株式会社日立製作所 自動培養装置

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1113686C (zh) * 2001-06-04 2003-07-09 易荣大 三维运动式旋混装置
US20040091397A1 (en) * 2002-11-07 2004-05-13 Corning Incorporated Multiwell insert device that enables label free detection of cells and other objects
JP2004208664A (ja) 2003-01-09 2004-07-29 Ochiyanomizu Jiyoshi Univ 細胞培養システムおよび培養細胞の希釈・サンプリング方法
JP4563782B2 (ja) 2004-11-26 2010-10-13 株式会社日立製作所 培養装置
JP2006174828A (ja) * 2004-11-29 2006-07-06 Olympus Corp 生体試料培養観察システム、インキュベータボックス、供給手段、および培養容器
FR2881434B1 (fr) * 2005-02-02 2007-05-11 Coletica Sa Dispositif de support de culture de cellules
DK1893738T3 (en) * 2005-06-10 2019-01-28 Nunc As CULTURAL ACTION CARRIER, CULTURE ACTION AND CULTURAL ACTION SYSTEM
JP4928831B2 (ja) 2006-05-25 2012-05-09 株式会社カネカ 自動培養装置
KR100946643B1 (ko) * 2007-11-30 2010-03-09 코아스템(주) 세포배양장치 및 이를 구비한 대용량 자동화 세포배양기
US8852925B2 (en) * 2007-12-17 2014-10-07 The Charlotte-Mecklenburg Hospital Authority Bioreactor for cell growth and associated methods
US20130029412A1 (en) * 2010-04-15 2013-01-31 Christian Reis Cell culture system
KR101802908B1 (ko) * 2011-03-30 2017-11-29 도레이 카부시키가이샤 막분취 배양기, 막분취 배양 키트, 이것을 사용한 줄기 세포 분취 방법, 및 분리막

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005059091A1 (ja) * 2003-12-18 2005-06-30 Hitachi Medical Corporation 細胞培養装置
WO2006095480A1 (ja) * 2005-03-08 2006-09-14 The Foundation For The Promotion Of Industrial Science 細胞培養チャンバー
JP2007166983A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Olympus Corp 培養容器用蓋及び生体試料培養システム
WO2012008368A1 (ja) * 2010-07-16 2012-01-19 株式会社日立製作所 細胞培養容器、および細胞培養装置
WO2012020458A1 (ja) * 2010-08-12 2012-02-16 株式会社日立製作所 自動培養装置
JP2011092212A (ja) * 2011-02-14 2011-05-12 Hitachi Ltd 細胞培養装置の制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5894260B2 (ja) 2016-03-23
US20150072401A1 (en) 2015-03-12
EP2832847A1 (en) 2015-02-04
EP2832847A4 (en) 2015-12-02
WO2013145235A1 (ja) 2013-10-03
EP2832847B1 (en) 2019-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5894260B2 (ja) 培養容器及び自動培養装置
JP5866006B2 (ja) 培養容器及び自動培養装置
JP5891310B2 (ja) 細胞培養容器およびそれを用いた細胞培養装置
JP5722329B2 (ja) 自動培養装置
JP6022674B2 (ja) 細胞培養装置、及び培養容器
WO2016157322A1 (ja) 閉鎖系培養容器、輸送方法、及び自動培養装置
JP5960256B2 (ja) 培養容器及び自動培養装置
JP6279597B2 (ja) 細胞培養装置
JP6097817B2 (ja) 細胞培養装置
JPWO2007083465A1 (ja) 細胞培養方法及びその方法を用いた自動培養装置
JP2015163076A (ja) 細胞培養容器
JP4845950B2 (ja) 自動培養装置
JP5886455B2 (ja) 自動培養装置
JPWO2016016950A1 (ja) 細胞培養装置、及び閉鎖系培養容器
WO2016140213A1 (ja) 中空糸モジュールを用いた細胞培養方法
JP6514952B2 (ja) 自動培養装置
JP6745357B2 (ja) 細胞培養方法、培養容器及び細胞培養装置
US20220340847A1 (en) Cell culture system
CN117729947A (zh) 用于制备压缩水凝胶皮肤移植物的组织培养容器以及相关方法和系统

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150929

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5894260

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150