JP5722329B2 - 自動培養装置 - Google Patents

自動培養装置

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Description

本発明は、カートリッジ型閉鎖系培養容器を用いて細胞又は組織を自動操作により培養する自動培養装置、例えば再生医療に使用可能な再生組織を製造することのできる自動培養装置に関する。
再生医療治療として移植等に用いる再生組織の製造は、医薬品等の製造管理及び品質管理の基準であるGMP(Good Manufacturing Practice;適正製造基準)に基づく。一般に、再生組織は清潔な製造環境を提供するCPC(Cell Processing Center;細胞処理施設)において、専門の細胞培養技術を有した製造従事者により、SOP(Standard Operational Procedure;標準手順書)に従い製造される。GMPは、日本国内において、厚生労働省の定める、例えば厚生省令第179号、薬発第480号などの法規が既に施行されている。日本国外においても、例えば米国食料医薬品庁、欧州委員会などの欧米の機関を中心に発布されている。
再生組織はこういった法規に規定される安全性、清潔性の管理された環境において、専門の細胞培養技術を有した製造従事者により製造される。そのため、多大な人件費、労力、運用コストが発生する。また、全ての製造工程は人手でなされるため、再生組織の製造量には限界がある。結果として、再生組織を製造するための製造コストは高くなり、再生医療治療の普及の妨げとなっている。そこでこのような現状を打破するため、培養工程の一部ないし全てを自動化する自動培養装置の導入が求められている。培養工程を人手ではなく自動培養装置により実施することで、省力化とコストダウンが実現し、大量生産が可能となる。加えて、自動培養装置による操作は一定しているため、製造後に得られる再生組織の品質一定化への寄与も期待される。ここで、自動培養装置は人手の代替として細胞を培養するが、人手による製造工程と同様に、GMPを満たすことが必須と考えられる。即ち、科学的根拠に基づき、自動培養装置が清潔性を維持した状態で、高品質の再生組織を再現性良く製造可能であると示されねばならない。
ところで自動培養装置に用いられる培養容器には、開閉が容易で外界との接触面積が大きい開放系培養容器、例えば蓋を有する培養容器と、開閉が容易ではなく外界との接触面積の小さい閉鎖系培養容器、例えばカートリッジ型培養容器に主に分類される。開放系培養容器を用いた培養技術は既に確立しており、研究開発段階から再生組織の製造販売段階を含め、人手での培養では一般的に用いられている。しかし、開放系培養容器は培地のこぼれやすい構造であり、生物学的汚染の原因となる外界との接触面積が大きい。清潔性を維持したまま培養するには専門の培養技術が必要となる。開放系培養容器を対象とした、ロボットアームのような駆動装置や搬送ロボット等を有する自動培養装置は既に報告されている。
一方、閉鎖系培養容器は、自動培養装置で用いることを想定した次世代培養容器という位置付けで、様々な研究機関で開発が進められている。閉鎖系培養容器と自動培養装置を用いた培養技術はまだ十分に確立していないが、既に幾つかの報告がなされている(特許文献1及び2)。一般に、閉鎖系培養容器は培地が容易にこぼれない構造であり、外界との接触面積も小さいため、開放系培養容器よりも清潔性を維持しやすいという利点がある。閉鎖系培養容器を用いた自動培養装置の例として、カートリッジ型閉鎖系培養容器を用い、自動培養装置とは圧着方式による継手部を介し連結して細胞播種や培地交換等を行う自動培養装置が報告されている(特許文献3及び4)。このカートリッジ型閉鎖系培養容器は弁構造を有し、ここを介してのみ外部と培地の流入、流出がなされる。また、カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養槽は、気体交換膜を介してO2、CO2といった培養に必要な気体のやり取りを外部と行う。なお、閉鎖系培養容器を用いた自動培養装置としては、その他、特許文献5、6に開示がされている。
特開2008−113600号公報 特開2004−089138号公報 特開2006−320304号公報 特開2006−149237号公報 特開2006−141328号公報 特開2004−208665号公報
自動培養装置は、前述の通り、GMPを満たすことが要求される。特に、培養環境における清潔性の維持が必要である。培養中に、培地を介して細胞と直接接する可能性のある流路部への菌の侵入は防ぐ必要がある。また、再生医療治療を安定して行うためには、均一な再生組織を製造しなければならない。そのための一つの条件として、培養開始時に細胞を培養表面へ均一に播種する必要がある。そのためには、細胞懸濁液を吸引する際、細胞の沈降等を原因として生じた細胞分布の不均一性を解消し、均一な状態での培養を実現しなければならない。更に、細胞懸濁液に気泡の混じった状態で播種すると、表面張力を原因として、細胞の分布が不均一となる。つまり、細胞懸濁液から気泡を除く必要がある。最後に、例えば角膜再生に用いる再生組織の製造では、培養開始時の細胞数は、皮膚等の大きな再生組織に比べて少量であるが、少量の細胞を効率よく自動培養装置で培養する必要があり、細胞バッグより細胞を効率よく全量吸引し、播種するまでに通過する流路の各部品において細胞のロスがないようにしなければならない。
閉鎖系培養容器を用いた自動培養装置に関し、上述の特許文献5では、内部に気相を有した閉鎖系培養容器を用いるため、播種時に閉鎖系培養容器を複数回傾けるだけで細胞の分布を一様にすることが可能である。この方法は、例えばカートリッジ型閉鎖系培養容器のように、液相のみからなる閉鎖系培養容器で培養する場合、傾けても液体はほとんど動かないため、細胞分布は均一にならない。また、何らかの原因で流路内に混入した空気は、特許文献5の場合は、閉鎖系培養容器の気相部分より抜くことが可能である。一方、カートリッジ型閉鎖系培養容器の場合は気相を持たないので、特に細かい気泡が混じった場合にそれらを抜くことは困難である。閉鎖系培養容器を用いた自動培養装置に関する別の文献である特許文献6では、培養容器と培地等の保管部の間に、細胞懸濁液の希釈が可能な播種ユニットを設けている。しかし宇宙での使用を目的としているため、培養を行うために必要な最低限の機能しか実現できない流路となっている。よって本文献の方法では、細胞の分布の一様化、混在した気泡の除去は困難である。
前述したように、閉鎖系培養容器を用いた細胞や組織を培養する自動培養装置において、良好な再生医療治療を行うために、均一な再生組織を製造する必要がある。そのためには、培養開始時に細胞を培養表面へ均一に播種しなければならない。また、閉鎖系培養容器の内部には気泡が存在しない状態で培養する必要がある。しかし、細胞の播種時、培地交換時、各種溶液の送液時において、気泡の混入が生じる可能性がある。混入した場合は、気泡を除去する機能が必要となる。さらに、少量しかない細胞を培養する場合には特に、細胞バッグに注入した細胞懸濁液に含まれる全ての細胞が培養表面に播種されるよう、細胞のロスのない効率良い送液、播種が必要である。
本発明の目的は、細胞を閉鎖系培養容器の培養表面へ均一に播種し、また、閉鎖系培養容器の内部には気泡が存在しない状態で培養することが可能な自動培養装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明においては、内部に培養空間を有するカートリッジ型閉鎖系培養容器を用いる自動培養装置であって、カートリッジ型閉鎖系培養容器の一方の端部近傍に連結することができ、培養空間に対して流体の供給となる第1流路と、カートリッジ型閉鎖系培養容器における反対側の端部近傍に連結することができ、培養空間に対して流体の排出となる第2流路と、第1流路、第2流路各々に接続され、カートリッジ型閉鎖系培養容器に流体を移動させるよう制御する流体移動制御機構部を備え、流体移動制御機構部は、流体である細胞懸濁液がカートリッジ型閉鎖系培養容器の内部に満ちた状態で、細胞懸濁液を第1流路に少量供給し、吸引する動作を繰り返すことにより、カートリッジ型閉鎖系培養容器内の細胞懸濁液に撹拌流を生じさせるよう制御する構成の自動培養装置を提供する。
また、上記の目的を達成するため、本発明においては、内部に培養空間を有するカートリッジ型閉鎖系培養容器を用いる自動培養装置であって、細胞懸濁液が収容される細胞バッグと、培地が収容される培地バックと、カートリッジ型閉鎖系培養容器と細胞バッグとの間に設置された、細胞懸濁液を一時的に溜めることのできるタンクと、タンクの上方に設置され、細胞バッグ及び培地バッグとタンクを結ぶ第1流路と、タンク内の気体を排出する第2流路と、タンクの下方に設置され、カートリッジ型閉鎖系培養容器とタンクを結ぶ第3流路と、第1流路と第2流路と第3流路それぞれを開閉することのできる弁部と、タンクへ細胞懸濁液と培地を供給し、細胞懸濁液を希釈するよう制御する流体移動制御機構部を有し、制御機構部は、タンク内の細胞懸濁液中の気泡を第2流路から排出し、タンク内の細胞懸濁液より気泡を除去するよう制御する構成の自動培養装置を提供する。
更に、上記の目的を達成するため、本発明においては、内部に培養空間を有するカートリッジ型閉鎖系培養容器を用いる自動培養装置であって、細胞懸濁液が収容される細胞バッグと、細胞バッグに接続される流路と、流路を介してカートリッジ型閉鎖系培養容器に細胞懸濁液を移動させるよう制御する流体移動制御機構部とを備え、流体移動制御機構部は、流路内を減圧状態にし、細胞バッグ内の細胞懸濁液に対して圧力変化を生じさせて、流路側へ細胞懸濁液を移動させるよう制御し、細胞懸濁液をカートリッジ型閉鎖系培養容器やタンクに送液する際に、細胞バッグ内の細胞懸濁液より少量を送液し、送液した細胞懸濁液を細胞バッグへ注入する動作を繰り返すことにより、細胞バッグ内の細胞懸濁液に撹拌流を生じさせる構成の自動培養装置を提供する。
すなわち、上述した目的を達成する本発明の好適な態様の、内部に培養空間を有するカートリッジ型閉鎖系培養容器を用いた自動培養装置おいて、培養空間に対し気体及び/又は液体、すなわち流体の供給となる流路と、培養空間に対し流体の排出となる流路を備える。また、それぞれの流路はシリンジと接続している。これらの2個のシリンジは、ポンプ等の手段により同期した状態で動く。さらに、それぞれのシリンジと弁の間には、空気の流れを一方方向に制限する逆止弁が接続している。2個のシリンジを作動させることにより、カートリッジ型閉鎖系培養容器に接続した片方の流路内を加圧状態にし、もう片方の流路内を加圧状態にし、カートリッジ型閉鎖系培養容器を満たす液体に対して両側から圧力変化を生じさせ、液体を移動させる。加圧状態と減圧状態が入れ替わるように圧力を加えることで、液体を逆方向にも移動させる。
さらに、本発明の好適な態様において、カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間内へ細胞懸濁液を播種する際には、以下の動作を実施する制御機構を有する。即ち、細胞懸濁液を播種する際にカートリッジ型閉鎖系培養容器の流体の排出を行う流路が上側に位置し、カートリッジ型閉鎖系培養容器の流体の供給を行う流路が下側に位置するように、カートリッジ型閉鎖系培養容器を立てた状態で、細胞懸濁液をカートリッジ型閉鎖系培養容器の内部に満たす。続いて、細胞懸濁液がカートリッジ型閉鎖系培養容器の内部に満ちた後は、カートリッジ型閉鎖系培養容器を水平にする。その状態で少量の細胞懸濁液をさらに供給し、等量を再吸引し、この供給と吸引の動作を複数回繰り返すことによりカートリッジ型閉鎖系培養容器内の細胞懸濁液に撹拌流を生じさせ、カートリッジ型閉鎖系培養容器を立てた状態で細胞懸濁液を注入した際に細胞の自重を原因として生じた沈降による細胞の不均一な状態を解消させる動作を行う。カートリッジ型閉鎖系培養容器内の培養空間には、細胞懸濁液が流入する際に細胞を拡散させて培養空間へ一様に細胞を播種することを促すことが可能な拡散具を設ける。
また、本発明の好適な態様の自動培養装置は、カートリッジ型閉鎖系培養容器と細胞懸濁液の収容された細胞バッグの間に、細胞懸濁液を希釈するタンクを有する。このタンクは、細胞懸濁液を培養に適した温度、例えば37℃まで加温し、その温度を維持可能な加温部となるヒーターを有する。タンクへ培地バッグより培地を供給することにより、細胞懸濁液の濃度を調整する機能を有する。タンクの上方には、細胞懸濁液の収容された細胞バッグとタンクを結ぶ第1流路と、タンク内の空気を排出する第2流路を有し、タンクの下方には、カートリッジ型閉鎖系培養容器とタンクを結ぶ流路を有する。第1流路と第2流路と第3流路に対し、それぞれの流路を閉じることのできる弁部を構成する電磁弁を有する。これらの構成により、細胞懸濁液の収容された細胞バッグから細胞懸濁液をタンクへ送液する際に、何らかの原因により混入した気泡の含まれる細胞懸濁液をタンクへ収容し、含まれていた気泡を記第2流路から排出することにより、細胞懸濁液より気泡を除去する動作を実施する制御機構を有する。
また、本発明の好適な態様の自動培養装置において、細胞懸濁液の液面に生じた細かい気泡に対しては、第1流路及び第3流路を電磁弁により閉じた状態で、第2流路より空気を吸引することでタンク内を減圧状態にし、その状態を保持し、細胞懸濁液の液面の細かい泡を除去し、その後徐々にタンク内の圧力を常圧に戻す動作を実施する制御機構を有する。
さらに、本発明の好適な態様の自動培養装置において、カートリッジ型閉鎖系培養容器へ細胞懸濁液を送液する際に、タンクに溜まっている細胞懸濁液より少量を送液し、送液した細胞懸濁液をタンクへ再注入し、この送液と注入の動作を複数回繰り返すことによりタンク内の細胞懸濁液に撹拌流を生じさせ、タンク内に細胞懸濁液を溜めていた時に細胞の自重が原因で生じた沈降による細胞の不均一な状態を解消する動作を実施する制御機構を有する。ここで用いる液体の駆動手段は、前述のカートリッジに対する手段と同じである。
最後に、本発明の好適な態様の自動培養装置において、自動培養装置が有する細胞バッグにおいては、タンクへ細胞懸濁液を送液する際に、細胞バッグ内の細胞懸濁液より少量を送液し、送液した細胞懸濁液を再注入し、この送液と注入の動作を複数回繰り返すことにより細胞バッグ内の細胞懸濁液に撹拌流を生じさせ、細胞バッグ内に細胞懸濁液を溜めていた時に細胞の自重が原因で生じた沈降による細胞の不均一な状態を解消させる動作を実施する制御機構を有する。ここで用いる液体の駆動手段は、前述のカートリッジに対する手段と同じである。
本発明に係る自動培養装置によれば、細胞の分布を均一にした状態で送液及び播種を行うことができる。また、細胞の分布の不均一性の原因となる気泡の除去を行う。これにより、均一な再生組織の製造が可能となる。
第1の実施例を示す、流路部を取り付けた自動培養装置の全体構成図である。 第1の実施例に係る、流路部を取り外した自動培養装置の全体構成を示す図である。 第1の実施例に係る、自動培養装置に設置する流路部の全体像を示す図である。 第1の実施例に係る、自動培養装置の流路部の培養に関わる部分を保持するベースセットを示す図である。 第1の実施例に係る、自動培養装置の流路部の培養に関わる部分を保持するベースセットを示す図である。 第1の実施例に係る、カートリッジ型閉鎖系培養容器の構成を示す図である。 第1の実施例の変形例に係る、カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に、細胞を拡散させる拡散具を設けた状態を示す図である。 第1の実施例に係る、カートリッジ型閉鎖系培養容器を2枚培養する時の流路の全体図である。 第1の実施例に係る、タンクからカートリッジ型閉鎖系培養容器へ送液する時の、シリンジの動きに応じた、溶液と空気の流れ(1)を示す図である。 第1の実施例に係る、タンクからカートリッジ型閉鎖系培養容器へ送液する時の、シリンジの動きに応じた、溶液と空気の流れ(2)を示す図である。 第1の実施例に係る、自動培養装置を用いて細胞の培養を実施する一連のプロトコルを示す図である。 第1の実施例に係る、流路部のタンクにおいて実施されるプロトコルの概略(1)を示す図である。 第1の実施例に係る、流路部のタンクにおいて実施されるプロトコルの概略(2)を示す図である。 第1の実施例に係る、流路部のタンクにおいて実施されるプロトコルの概略(3)を示す図である。 第1の実施例に係る、流路部のタンクにおいて実施されるプロトコルの概略(4)を示す図である。 第1の実施例に係る、流路部のタンクのヒーター付き構造の一例を示す図である。 第1の実施例に係る、流路部のカートリッジ型閉鎖系培養容器において実施されるプロトコルの概略(1)を示す図である。 第1の実施例に係る、流路部のカートリッジ型閉鎖系培養容器において実施されるプロトコルの概略(2)を示す図である。 第1の実施例に係る、流路部のカートリッジ型閉鎖系培養容器において実施されるプロトコルの概略(3)を示す図である。 第1の実施例に係る、流路部のカートリッジ型閉鎖系培養容器において実施されるプロトコルの概略(4)を示す図である。
以下、本発明に係る自動培養装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本明細書において、自動培養装置の流路を流れる気体、液体、気体及び液体を総称して流体と呼ぶ場合がある。また、この流路中の流体を移動させる、シリンジとシリンジ・ポンプ(纏めて「シリンジ」と呼ぶ)などの機構、更には、カートリッジ型閉鎖系培養容器などを回転する回転機構である回転制御部を含め、流体移動制御機構部と総称する場合がある。
図1は、流路部を設置した自動培養装置の全体構成を示したものである。図2は、流路部を設置する前の自動培養装置の全体構成を示している。図3A、図3B、図3Cは、自動培養装置に設置する流路部の全体像、流路部の中で培養に関わる部分、流路部の培養に関わる部分を保持するベースセットをそれぞれ示している。ここで示している流路部は、例として、カートリッジ型閉鎖系培養容器を2個培養する場合のものである。
図4は、第1の実施例に係るカートリッジ型閉鎖系培養容器の構成を示したものである。図5は、第1の実施例の変形に係る、カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に、細胞懸濁液が流入する際に細胞を拡散させて培養空間へ一様に細胞を播種することを促すことが可能な拡散具を設けた状態を示している。図6は、カートリッジ型閉鎖系培養容器を2枚培養する時の流路の全体図を示したものである。図7A、図7Bは、図6で示した流路図を用いた溶液と空気の流れの一例として、タンクからカートリッジ型閉鎖系培養容器へ送液する時の、シリンジの動きを示したものである。図8は、本実施例の自動培養装置を用いて細胞の培養を実施する一連のプロトコルを示したものである。図9A−9Eは、流路部のタンクにおいて実施されるプロトコルの概略を示したものである。図10A−10Dは、流路部のカートリッジ型閉鎖系培養容器において実施されるプロトコルの概略を示したものである。
図1、図2を用いて第1の実施例に係る自動培養装置の基本的な構成要素を説明する。自動培養装置は、細胞培養室101、201と、培地等を保管する冷蔵庫102、202と、制御部103、203と、内部の空気を循環させる清浄空気循環部104、204から成る。細胞培養室扉105、205と冷蔵庫扉106、206を有し、これらを開くことにより自動培養装置の内部へのアクセスが可能となる。細胞培養室101、201には、培養時に、カートリッジ型閉鎖系培養容器107と培養容器ベース108が培養容器駆動部109、209に設置される。カートリッジ型閉鎖系培養容器107、培養容器ベース108、培養容器駆動部109、209は、培養中の培地交換時に、回転機構110、210とモーター111、211等からなる回転制御部により、一体で回転させて、カートリッジ型閉鎖系培養容器107、108を、ほぼ鉛直、垂直方向に立てることが可能である。流路部においては、弁部を構成する電磁弁112、モーター113、タンク114、流路ベース115、流路駆動部116、216を有し、各種溶液の送液を可能とする。
細胞培養室101、201の内部は、培養時に例えば、温度37℃、CO2濃度5%、湿度100%の状態を保持する。そのため、加温部であるヒーター117、温度センサ118、二酸化炭素供給機構119、二酸化炭素センサ120、湿度発生機構121、湿度センサ122を有する。内部の環境を一様化するために、内部の空気をファン123により循環させる。冷蔵庫102、202は、培地等を保存する保管するため、温度を4℃に保持する。培地等は培地容器等に入れられ、まとめて培地ベース124にセットされている。培養容器ベース108、流路ベース115、培地ベース124を合わせてベース125とする。また、培養容器駆動部109、209と流路駆動部116、216を合わせて駆動部126、226とする。
細胞培養室101、201と冷蔵庫102、202の間にはシール127を設け、二つの空間の間で熱の移動がないようにする。清浄空気循環部104、204では、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)等の清浄フィルタを用い、細胞培養室101、201の清浄度を維持する。また、顕微鏡128を有し、カートリッジ型閉鎖系培養容器107の内部で培養している細胞を撮影し、細胞の生育状況を評価する。さらに、培地成分分析装置を外部に連結し、培地交換時に廃液として得た古い培地を回収し、グルコース、乳酸といった細胞の生育状況を反映する培地成分の量の測定を行う。
制御部103、203は、内部の温度、二酸化炭素濃度、湿度といった情報を表示する表示部と、自動培養装置の制御に関する操作を実施するための入力部、記録装置等の外部機器とのアクセスするための通信部を有する。自動培養装置の清浄性を維持するため、培養が終了する度に、内部を滅菌または消毒する機能を有する。即ち、滅菌を施す場合には、エチレンオキシダイドガス、過酸化水素ガス、オゾンガス等による滅菌ガスにより、内部の滅菌を行う。この場合、自動培養装置の素材は使用する滅菌ガスの耐性を有するものであり、また自動培養装置の外部へ滅菌ガスが漏出することがなく安全性を確保できる。滅菌ではなく消毒により運用する場合には、エタノール等の消毒薬により、噴霧及び/或いは清拭による消毒をおこなう。内部の形状は、清拭が容易な凹凸の少ない形状が望ましい。
続いて、本実施例の自動培養装置の流路部について説明する。図3Aは、自動培養装置に設置する流路部の全体像を示している。これを、図2に示した自動培養装置内へ、設置する。図3Bは、流路部の中で培養に関わる部分を示している。図3Cは、図3Bに示した流路部の培養に関わる部分を、保持するベースを示している。図3Bと図3Cに示した部品を一体化すると、図3Aに示した状態となる。
培養に関わる部分の構成は、カートリッジ型閉鎖系培養容器301、流路302、細胞懸濁液を入れる細胞バッグ303、培地を入れる培地バッグ304、洗浄液を入れる洗浄バッグ305、廃液を入れる廃液バッグ306、タンク307から主に成る。ベースは、前述の通り、培養容器ベース308、流路ベース309、培地ベース310から成る。また、流路内部の圧力を変化させることにより各種溶液を送液する、シリンジ311、弁部を構成する電磁弁312等からなる流体移動制御機構部を有する。
流路の詳細な構成は、図6を用いて後述する。この流路部は、流路部を搬送する手段を備えたベースと共に、清浄度の高い環境下(例えばCPC内)で設置する。あらかじめ細胞単離処理等を施し、培養可能な状態にした細胞懸濁液を、安全キャビネット内にて流路部の細胞バッグ303へ注入する。安全キャビネット内は清浄度が極めて高い状態に維持されている。よって、この作業の間に流路内部が汚染されることはない。また、流路部は閉鎖系となっており、外部から菌等の侵入がない構成となっている。自動培養装置の細胞培養室に菌等がわずかながら存在していたとしても、細胞の投入から培養が終了するまで、流路部の内部は高い清浄性の維持が可能である。
図4に、本実施例のカートリッジ型閉鎖系培養容器の一例を示す。本例において、カートリッジ型培養容器400は全体が直方体状を呈しているが、円筒形状等の如何なる形状であっても良い。カートリッジ型閉鎖系培養容器400において、培養空間である培養槽401は円筒形状とされ、円筒形状における上面及び底面が、外部から気体が透過することのできる気体透過膜402及び403により形成されている。気体透過膜402及び403は、カートリッジ型閉鎖系培養容器部材404に対し、超音波溶着等の手段により固着されている。気体透過膜402及び403の素材は、例えばポリカーボネイトやシリコーンポリカーボネイトである。気体透過膜402及び403は、一般的な開放系培養容器に比較すると気体の交換性は下がるものの、培養時においては外部と内部とでここを介して酸素、二酸化炭素の流入、流出がなされる。また、カートリッジ型培養容器の外部に菌等の培養に望ましくないものが付着していたとしても、気体透過膜402及び403やカートリッジ型閉鎖系培養容器部材404より内部へ入り込むことはない。
カートリッジ型閉鎖系培養容器には、コネクタ部405、406が接着材等の手段により取り付けられている。そしてコネクタ部405、406には流路407、408が結合している。接続した状態で滅菌したものを用いて培養を開始し、培養終了時まで流路は常時接続されている。これにより、外部から菌等の侵入する可能性を大幅に低下させる。本例では、培養槽401が1層であるカートリッジ型閉鎖系培養容器400を示したが、培養槽401の内部に、培地等の循環を可能とする孔を有する中間膜を設置し、2層に隔ててもよい。この場合、上層と下層で別々の細胞を培養し、空間的に分離することが可能である。例えば角膜再生の場合、ヒト由来角膜上皮幹細胞の培養を上層で行い、マウス由来繊維芽細胞の培養を下層で行い、異種由来細胞を空間的に分離した培養が可能となる。
図5は、図4の容器の実施例の変形例として、カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に、細胞懸濁液が流入する際に細胞を拡散させて培養空間へ一様に細胞を播種することを促すことが可能な拡散具を設けた容器を示している。カートリッジ型培養容器500の断面図と、カートリッジ型培養容器500を上から見た図を示している。内部には細胞を拡散させるための部品が組み込まれている。カートリッジ型培養容器は、培養空間501と、コネクタ部502、503を有する。培養空間501と、コネクタ部502、503の間には、流路504、505がある。流路504、505と培養空間501の境界部分に、拡散具506、507が設置されている。拡散具506、507は、流路504,505から培養空間501へ細胞懸濁液が流入する際に、細胞懸濁液の流れを2方向に分け、細胞懸濁液に含まれる細胞が培養表面へ均一に分布する一助となる位置に設置する。また、培養表面では再生組織が製造されるが、拡散具506、507は、再生組織が移植に用いる際に必要となる大きさを維持できる程度で、培養に支障のない大きさである。拡散具の形状はこのような条件を満たせば良く、図5で示した形状は、その中の一例である。
以上の構成を用い、本実施例において、実際に細胞を培養することのできる流路の例を図6に示す。図6では、2枚のカートリッジ型閉鎖系培養容器608、609を培養する構成となっている。また、角膜再生をモデルとしており、カートリッジ型閉鎖系培養容器608、609の培養槽は上層と下層から成り、層毎に異なる細胞を培養する。
図6に示す通り、細胞バッグ601及び602、培地バッグ603、洗浄液バッグ604、廃液バッグ605、タンク606及び607及び610及び611、カートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609、シリンジ612及び613、電磁弁614−639、気体用逆止弁640−643、液体用逆止弁644及び645、エアフィルタ646及び647、培地回収容器648及び649である。弁部を構成する電磁弁614−639は、流路の開閉を制御している。電磁弁614−639を通過する流路は基本的に2本あり、電磁弁に通電していない時に片方は常に開いており、もう片方は常に閉じている。通電した時は、開閉が逆となる。
図6において、弁部である電磁弁614−639を通過している流路のうち、NC(Normally Closed)と記載されている方は、電磁弁に通電していない時は閉じられている。一方、NO(Normally Open) と記載されている方は、電磁弁に通電していない時は開いている。逆止弁640−645は、片方の方向のみに気体または液体を流す。逆方向へは流さない。エアフィルタ646及び647は、必要に応じて、流路の外部から無菌的に空気を適宜吸引、吐出する。これにより流路内の圧力を制御する。培地回収容器648及び649は、培地交換時に得られる古い培地の回収を行う。自動培養装置とは別途用意する培地成分分析装置を用い、グルコース、乳酸といった、細胞の生育状況を反映する物質の量を測定し、細胞の生育状況を判断する指標として用いる。図6に示した流路により、然るべき電磁弁の開閉を行い、シリンジの動作により流路内を適宜加圧/減圧に変化させることで、溶液の送液を行う。
例として、図6において、タンク607からカートリッジ型閉鎖系培養容器608の片方の層へ、溶液を送液する時の電磁弁の開閉と溶液及び空気の流れを、図7Aと図7Bに示す。電磁弁は、前述の通り通電時はNO側が開いており、NC側が閉じている。送液にあたり、まず電磁弁621及び622及び624及び629に通電する。すると電磁弁は、図6においてNCと記載された流路が開き、逆にNOと記載された流路が閉じる。その状態でシリンジ612及び613を矢印650の方向に作動させる。シリンジ612及び613は同期して動くことが可能であり、シリンジ612が送気している時には、シリンジ613が吸気している。逆に、シリンジ613が送気している時には、シリンジ612が吸気している。また、それぞれの動作における送気量と吸気量は等量である。2つのシリンジ612、613が、送気と吸気を繰り返すことで、連続的に送液を行う。流路内の液体に対し、片側から液体を引っ張り、反対側から液体を押し出し、2つの力を組み合わせることにより、効率良く送液を実施することが可能となる。
図7Aは、シリンジ612、613が矢印700の向きに駆動され、シリンジ612が吸気し、シリンジ613が送気している時の、溶液と空気の流れを示している。溶液と空気の進む向きは、それぞれ黒色の矢印701と白色の矢印702で示している。シリンジの周囲に配置した逆止弁640−643は、空気をある一方方向に対しては流すが、逆方向に対しては流さない。この逆止弁の作用により空気の流れが制限され、結果として図のように溶液が送液される。一方、図7Bは、逆止弁640−643の作用により、矢印703の向きに駆動され、シリンジ612が送気し、シリンジ613が吸気している時の、溶液と空気の流れを示している。図7Aと図7Bの動作を繰り返し、タンク607からカートリッジ型閉鎖系培養容器608の片方の層へ、所定量の溶液が移動し終わるまで、シリンジの送気と吸気の動きを繰り返す。他の溶液の送液についても、適切な電磁弁の開閉を行い、シリンジにより空気を送ることで、実現が可能である。
以上の構成を有する本実施例の自動培養装置を用い、細胞を培養する時の一連の培養手順について説明する。図8は、自動培養装置の動作を説明するためのフローチャートである。図1の自動培養装置全体図、図6の流路図、図9A−図9Eのタンクでの動作図、図10A−図10Eのカートリッジ型閉鎖系培養容器での動作図を用い、以下、自動培養装置の動作を説明する。尚、用いるカートリッジ型密閉系培養容器の数を増やす場合は、流路において並列にカートリッジ型密閉系培養容器を並べればよい。また、その場合の培養手順は、以下に示す操作を各カートリッジ型密閉系培養容器に対して順々に実施すればよい。
<ステップS1:スタート>
まず、図8に示すように、自動培養装置を起動させる。操作者が図1の制御部103にある操作部の、図示を省略したスタートスイッチを押すことにより起動する。尚、この時点でCO2ボンベ、流路部、培地、細胞溶液が自動培養装置へ設置されている。制御部103の図示を省略したディスプレイの操作画面において、自動培養装置の内部環境が適切な値であることを確認する。例えば、先に述べたように、温度37℃、CO2濃度5%、湿度100%である。これらの数値は限定的なものでなく、例えば温度は、零℃から45℃の範囲から選択可能である。また、装置の内部は、事前の適切な操作により、滅菌ガスによる滅菌或いはエタノールによる消毒が施され、清潔な状態となっている。また、培養に用いる流路部に対しても事前に滅菌を施してある。
<ステップS2:スケジュール決定>
培養する細胞の種類と量に合わせ、自動培養装置により実施する自動培養スケジュールを決定する。細胞播種、培地交換、顕微鏡観察、検査用組織回収、移植用組織回収等の操作を行う日時、頻度、液量等の条件を、制御部103の操作部より入力する。
<ステップS3:細胞バッグからの細胞懸濁液の吸引>
図8のステップS3−S7は、細胞播種の作業となる。適切な電磁弁の開閉を行った後、シリンジ612及び613を作動させ、細胞バッグ601及び602より、細胞懸濁液を吸引する。細胞懸濁液は、角膜再生の例では、KCM培地(keratinocyte culture medium)に懸濁した角膜上皮細胞と、同じくKCM培地に懸濁した3T3細胞である。シリンジ612及び613を駆動させることにより、エアフィルタ647を介して流路外へ流路内の空気を排出し、生じた減圧状態を利用して、細胞懸濁液を吸引する。細胞懸濁液は、安全キャビネットにおいて細胞バッグ601及び602へ注入してから自動培養装置を作動させるまでに時間を要するため、細胞バッグ601及び602内の下部へ細胞の自重を原因に沈降している。よって、不均一となった細胞懸濁液を均一にしてから吸引するために、以下の操作を行う。
即ち、細胞バッグ601及び602からの全量の細胞懸濁液を吸引する前に、電磁弁614−639を切り替え、減圧状態を生じさせることによる少量の細胞懸濁液の吸引と、電磁弁614−639を切り替え、加圧状態を生じさせることによる同量の細胞懸濁液の注入の2動作を繰り返す。これにより、細胞バッグ601及び602の内部に撹拌流を生じさせる。十分な回数の吸引と注入を繰り返し、細胞の沈降が解消され分布が一様になった段階で、細胞バッグ601及び602内の全量の細胞懸濁液を吸引し、それぞれタンク606及び607へ送液する。この作業を実施することにより、細胞バッグ601及び602から、均一な細胞分布の状態で吸引することが可能となる。結果として、細胞バッグ601及び602内に沈降していた細胞は溶液内に再浮遊するため、細胞をロスすることなく全量を吸引できる。本作業は、特に角膜再生にように小さな再生組織を製造する際に、採取した細胞が少量でありロスを極力回避する必要がある場合に有効である。
<ステップS4:タンクからの細胞懸濁液の送液>
細胞バッグ601及び602より送られた細胞懸濁液は、タンク606及び607へ一旦収容される。図9A−図9Dに、タンク606及び607において実施されるプロトコルの概略を示した。まず、細胞バッグ601及び602は温度が例えば4℃である冷蔵庫102に収容されている。また、培地交換時に用いる培地、洗浄液も4℃で冷蔵庫に保存されている。特に培地交換において、S10−S14で実施する培地交換において、培地は事前に37℃へ温める必要があり、使用するタンク606及び607は全作業において共通である。細胞を播種する際には細胞懸濁液の温度は37℃に温める必要がある。
そこで、後で説明するように、タンク606及び607の周辺部に取り付けたヒーターにより、細胞懸濁液の温度を37℃まで温める。タンクに収容してからヒーターを用いて温める機構であるため、例えば流路に入った状態でヒートブロックにより37℃に温める場合に比較し、効率よく温度を上昇させることが可能となる。また、一旦タンク606及び607に細胞懸濁液を収容することにより、細胞バッグ601及び502やフィルタ646及び647等より、何らかの原因で細胞懸濁液内に混入した空気を抜くことが可能となる。
図9Aに示す細胞懸濁液900の注入を行い、及び図9Bに示したように所定量を移動させた状態において、混入した空気の気泡901を含む細胞懸濁液は、タンク606及び607に到達すると、タンク606及び607の下部に溜まり、空気の気泡901は流路を介して除去される。更に、液面に細かい気泡902が生じている場合には、図6に示したシリンジ612及び613を駆動させることにより、タンク606及び607内を減圧し、細胞懸濁液900の液面に存在する細かい気泡902を消去する。減圧状態に保持する時間は極力短い時間とし、液面の気泡902は消失するが、溶存していた気体が液外へ放出される量が少ないことを条件とする。これにより、カートリッジ型閉鎖系培養容器608、609へ、気泡のない状態で各種溶液を送液することが可能となる。
仮にカートリッジ型閉鎖系培養容器608、609内に気泡が存在している場合、気泡の液面の表面張力により細胞が集まり、細胞分布の不均一化の原因となる。また、気泡が存在することにより、気泡に接した細胞は乾いてしまう。このように、気泡の除去は重要である。
タンク606及び607では、必要に応じて細胞懸濁液の希釈を行う。細胞懸濁液をタンク606及び607へ入れた後、培地バッグ603より所定量の培地を吸引してタンク606及び607へ送液することで、希釈を行う。培地は、角膜再生の例では、KCM培地(keratinocyte culture medium)である。希釈した細胞懸濁液を、複数のカートリッジ型閉鎖系培養容器へ播種し培養することが可能である。さらに、カートリッジ型閉鎖系培養容器毎に濃度を変えて播種することが可能である。この場合、カートリッジ型閉鎖系培養容器毎に濃度が異なるので、細胞が増殖して移植可能な再生組織となる時間も異なる。これにより、再生組織の移植を行う時に、生育状態の異なるものの中から、移植に最適な状態のものを選択して用いることが可能となる。
必要に応じて希釈を行った後、細胞バッグ601及び602において実施したように、タンク606及び607内に撹拌流を生じさせ、細胞の分布を均一化する。即ち、タンク606及び607からの全量の細胞懸濁液を吸引する前に、少量の細胞懸濁液の吸引と、電磁弁の切り替え陽圧を生じさせることによる同量の細胞懸濁液の注入の2動作を繰り返す。これによりタンク606及び607の内部に撹拌流を生じさせる。例えば、シリンジ612が吸引することで減圧状態が生じ、溶液は引っ張られる。同時に、シリンジ613が等量の空気を吐出しており、加圧状態が生じて、溶液は押し出される。溶液は、ある方向から引っ張られ、反対の方向から押し出され、2つが同時に作用した状態で溶液は動くことになる。シリンジを1つのみしか使用しない場合に比べ、本実施例のように、2つ使用することにより効率よく溶液を動かすことが可能となる。
十分な回数の吸引と注入を繰り返し、細胞の沈降が解消され分布が一様になった段階で、タンク606及び607内の全量の細胞懸濁液を吸引し、カートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609へ、それぞれ送液する。この作業を実施することにより、タンク606及び607から、均一な細胞分布の状態で吸引することが可能となる。結果として、沈降していた細胞は溶液内に再浮遊するため、細胞をロスすることなく全量を吸引できる。また、均一な細胞懸濁液をカートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609へ送液できるため、カートリッジ型閉鎖系培養容器へ均一に細胞を播種する一助となる。
<カートリッジおよびタンク内の細胞懸濁液の同時攪拌>
前述のとおり、タンク606及び607と、カートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609において、細胞を播種する前に、少量の細胞懸濁液の吸引と、電磁弁の切り替え陽圧を生じさせることによる同量の細胞懸濁液の注入の2動作を繰り返し、内部に攪拌流を生じさせて細胞の分布を一様化させるが、タンク606及び607と、カートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609の操作を同時に行ってもよい。例えば、カートリッジ型閉鎖系培養容器608に播種する際、カートリッジ型閉鎖系培養容器609へ播種する予定の細胞懸濁液は、タンク606または607内に既に入っている。この状態で、適切な弁の開閉を行うことにより、カートリッジ型閉鎖系培養容器608とタンク606または607内の両方の細胞懸濁液に対して、少量の細胞懸濁液の吸引と、電磁弁の切り替え陽圧を生じさせることによる同量の細胞懸濁液の注入の2動作を繰り返す。同時に実施することにより、個々に実施した場合に比べ、作業工程を減らすことが可能となる。
上述のように、タンク606及び607では、培地交換に際して、培地の加熱を行う。図9Eは、培地を加熱するための機能として、タンクの周囲にヒーター903および温度センサ904を取り付けた構成を示す図である。細胞の培養は一般に37℃でなされる。一方、使用前の培地は先に説明したように冷蔵庫において保管されている。そこで、培地交換を実施する前にあらかじめ培地を37℃に温める必要があり、本実施例においては、タンク606、607において実施する。ヒーター903によりタンクを加熱し、温度センサ904により測定した温度が37℃一定となるよう、ヒーター903を制御する。タンク904を温め、培地が37℃となるのに十分な時間が経過した後に、過熱した培地を用いて培地交換を実施する。
<ステップS5:カートリッジ型閉鎖系培養容器への播種>
続いて、図8の処理プロトコルにおいて、タンク606及び607より送液した細胞懸濁液をカートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609へ播種する。
図10A−図10Dに、カートリッジ型閉鎖系培養容器1000において実施されるプロトコルの概略を示した。最初に、図10Aに示すように、カートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609に対応する容器1000を立てた状態で送液する。図1に示した回転機構110、210とモーター111、211を用いることにより、カートリッジ型閉鎖系培養容器1000を回転させて垂直に立てる。立てたカートリッジ型閉鎖系培養容器1000の下方に取り付けられた流路1001から、タンクより送液された細胞懸濁液は注入される。一方、立てたカートリッジ型閉鎖系培養容器1000の上方に取り付けられた流路1002より、カートリッジ型閉鎖系培養容器1000に存在していた空気は押し出されていく。
これにより、図10Bに示すように、カートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609に対応する容器1000に細胞懸濁液を満たすことができる。細かい気泡は、S4において前述したように、タンク606及び607内で減圧操作を実施しているため、存在しない。この時点において、カートリッジ型閉鎖系培養容器1000を立てた状態で細胞懸濁液を注入したために、細胞の自重により細胞は沈降し、培養表面に対して細胞は不均一な分布を示している。
続いて、図10Cに示すように、カートリッジ型閉鎖系培養容器1000を水平にする。そして、図10Dに示す通り、細胞バッグ及びタンクにおいて実施したように、カートリッジ型閉鎖系培養容器内1000に撹拌流を生じさせ、細胞の分布を均一化する。即ち、少量の細胞懸濁液の吸引と、電磁弁の切り替え陽圧を生じさせることによる同量の細胞懸濁液の注入の二つの動作を繰り返す。これによりカートリッジ型閉鎖系培養容器1000の内部に撹拌流を生じさせる。十分な回数の吸引と注入を繰り返し、細胞の分布を均一にする。その後、カートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609に対応する容器1000を静置する。
<ステップS6:流路の洗浄液による洗浄>
図8のプロトコル処理に戻り、洗浄液バッグ604より所定量の洗浄液を用いて流路を洗浄する。洗浄液は、角膜再生の例では、純水やPBS(phosphate buffered saline)溶液を用いる。前者の場合、洗浄後に流路内に液滴が残存したとしても、水分が揮発した後に何も残存しないため、洗浄液には純水が望ましい。一方、PBS溶液も慣習的に洗浄液として用いられる。この場合、洗浄後に流路内に液滴が残存した場合、水分が揮発した後に塩が析出する。その後に培地交換等を実施した場合、残存していた塩が培地に溶けて培地の組成を変化させる。そういった理由により、PBS溶液の使用はあまり望ましくはない。
洗浄に際して、まず洗浄液を洗浄液バッグ604より吸引し、タンク606及び607へ送液する。液量は、タンク606及び607全体を洗浄するため、タンクの容量と等量であることが望ましい。その後、カートリッジ型閉鎖系培養容器の直前まで送液する。カートリッジ型閉鎖系培養容器の直前の電磁弁624及び625及び626及び627から、カートリッジ型閉鎖系培養容器を迂回し、カートリッジ型閉鎖系培養容器の直後にある電磁弁628及び629及び630及び631まで洗浄液を送液する。その後、全量をタンク610及び611へ移動させる。続いて、タンク610及び611より廃液バッグ605へ洗浄液を移動させる。同様の操作を、全てのタンク、全ての流路に対して実施する。以上のように流路を洗浄することにより、生物学的汚染が発生する確率を低下させる効果が期待できる。
<ステップS7:流路の風乾>
続いて、流路を洗浄後、流路を風乾する。図1に示したヒーター117を用いて流路全体を温め、余分な液体が残存しないようにする。また、流路内に空気を流す。これにより、続く操作で培地交換等を行う際、残存した液体が原因で、培地の濃度が変化することを回避できる。
<ステップS8:細胞の培養>
カートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609を水平に静置した状態で所定時間、培養する。例として角膜上皮細胞の場合、静置期間は播種後5日間程度とする。培養中は、ヒーター117により内部温度を37℃に維持する。CO2濃度は5%、湿度は100%に維持する。それぞれの値は、温度センサ118、CO2センサ119、湿度センサ120によりモニタリングする。また、ファン123により自動培養装置内部の空気は常に攪拌し、温度、CO2、湿度の分布が常に一様になるようにする。
<ステップS9:顕微鏡による観察>
自動培養装置内に設置した顕微鏡128を用い、細胞の画像を取得する。自動培養装置内に設置した光源を適宜発光させ、顕微鏡により細胞に焦点を合わせ、撮像する。必要に応じ、培養表面に定点を任意に定め、撮影する。取得した細胞画像はデータベースに保存し、自動培養装置の外部に設置したディスプレイ上で必要に応じ閲覧できるようにする。顕微鏡観察により得た細胞の生育状態に関する情報から判断し、培地交換の頻度、時期の調整を行う。例えば細胞の接着が不十分な場合、S10〜S14の培地交換は実施せず、S8の細胞の培養を継続する。
<ステップS10:培地バッグからの培地の吸引>
ステップS10−S14は、カートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609内の培地を交換する一連の操作である。培地交換は、一般に数日に一度の頻度で実施する。細胞の生育状況に応じ、頻度は調整を行う。
適切な電磁弁の開閉を行った後、シリンジ612及び613を作動させ、培地バッグ603より培地を吸引する。シリンジを駆動させることにより、エアフィルタ647を介して流路外へ流路内の空気を排出し、生じた減圧状態を利用して培地を吸引する。その後タンク606及び607へ培地を送液する。培地は、冷蔵庫102において4℃に冷やされているため、タンク606及び607においてヒーターを用いて37℃に温める。
<ステップS11:カートリッジ型閉鎖系培養容器内の培地の交換>
タンク606及び607から培地をカートリッジ型閉鎖系培養容器へ送液する。カートリッジ型閉鎖系培養容器を立てた状態で、立てたカートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609の下方に取り付けられた流路から、タンクタンク606及び607より送液された培地を注入する。一方、立てたカートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609の上方に取り付けられた流路より、カートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609に存在していた古い培地は押し出されていく。これにより、カートリッジ型閉鎖系培養容器に新しい培地を満たすことができる。カートリッジ型閉鎖系培養容器に新しい培地が満ちた段階で、カートリッジ型閉鎖系培養容器の近くにある電磁弁628及び629及び630及び631を閉じる。そして古い培地を全量タンクへ移動する。
<ステップS12:古い培地の回収>
タンク610及び611へ移動した古い培地は、廃液バッグ605へ移動させる。移動時に、電磁弁638及び639を作動させ、古い培地の一部を回収容器648及び649へ移動させる。古い培地の排出部には逆止弁644及び645を設置し、一方方向のみに溶液が流れるようにする。これにより、外部から菌が入り、流路内部が汚染されないようにしている。回収した古い培地は、別途用意する培地成分分析を用い、培地の成分を分析する。例えば、細胞が生育時に用いるグルコースと排出する乳酸の量を測定し、細胞の生育状態を把握する。また、マイコプラズマ試験等を実施し、培地が汚染されていないか判定する。汚染があった場合には培養を直ちに終了し、自動培養装置の設置場所が汚染されないよう、細胞を適切な操作により無菌的に破棄する。
<ステップS13:流路の洗浄>
ステップS6と同じ方法により、洗浄液バッグ604より所定量の洗浄液を用いて流路を洗浄する。まず洗浄液を吸引し、タンク606及び607へ送液する。液量は、タンク全体を洗浄するため、タンクの容量と等量であることが望ましい。その後、カートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609の直前まで送液する。カートリッジ型閉鎖系培養容器の直前の電磁弁624及び625及び626及び627から、カートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609を迂回し、カートリッジ型閉鎖系培養容器の直後にある電磁弁628及び629及び630及び631まで洗浄液を送液する。その後、全量をタンク610及び611に移動させる。続いて、タンク610及び611より廃液バッグ605へ洗浄液を移動させる。同様の操作を、全てのタンク、全ての流路に対して実施する。
<ステップS14:流路の風乾>
ステップS7と同じ方法により、流路を洗浄後、流路を風乾する。ヒーターを用いて流路全体を温め、余分な液体が残存しないようにする。
<ステップS15:検査用組織の回収>
移植予定日の前日に、カートリッジ型閉鎖系培養容器608及び609のうち1枚を検査用に回収する。カートリッジ型閉鎖系培養容器から出ている流路を切断し、カートリッジ型閉鎖系培養容器を取り外す。流路上の近接した2カ所でクリップを用いて流路を塞ぐ。そしてクリップで止めた2カ所の間の流路を切断する。回収したカートリッジ型閉鎖系培養容器において、中の細胞の状態が移植に適した質を有するか検査を行う。例えば角膜再生の場合、得られた細胞が、組織学的評価により3層程度の重層化した構造を有するか、免疫組織化学染色評価により角膜上皮幹細胞が基底層に存在するか等の評価を行う。
<ステップS16:移植直前の培養及び培地交換>
ステップS8と同じ操作による培養を行う。そしてステップS17を実施する直前に、ステップS10〜S14と同じ操作による培地交換を行う。
<ステップS17:移植用組織の回収>
ステップS15による評価の結果、移植に適した再生組織が培養できていると判断がついた場合、移植用として組織を回収して再生医療治療に用いる。S15と同様に、カートリッジ型閉鎖系培養容器から出ている流路を切断し、カートリッジ型閉鎖系培養容器を取り外す。流路上の近接した2カ所でクリップを用いて流路を塞ぐ。そしてクリップで止めた2カ所の間の流路を切断する。その後、カートリッジ型閉鎖系培養容器を回収し、再生医療治療を行う手術室へ、無菌性と生物学的な質を維持した状態で搬送し、治療に用いる。
<ステップS18:終了>
培養に用いた流路部を取り外す。続いて、装置の内部を、適切な操作により、滅菌ガスによる滅菌或いはエタノールによる消毒を施し、清潔な状態にする。自動培養装置の各種ソフトを終了させ、自動培養装置の作動を終了させる。
以上、本発明の実施の形態の一例を図面に従い説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものでないこと明らかである。例えば、実施例において流体を移動させる流体移動制御機構部として、シリンジ・ポンプを例示して説明したが、シリンジ・ポンプに変え、ペリスタルティック・ポンプなどの他の駆動機構を用いても良いことは言うまでもない。
以上のように構成された自動培養装置の好適な実施形態によれば、均一な再生組織を製造するために、培養開始時に細胞をカートリッジ型閉鎖系培養容器の培養表面へ均一に播種することができる。また、細胞バッグ及びタンクから細胞が均一に分布している細胞懸濁液を送液することができ、結果として細胞のロスが生じることなしに、細胞を培養表面へ播種できる。加えて、細胞の不均一性の原因となる気泡の除去を行うことが可能である。
本発明は、カートリッジ型閉鎖系培養容器を用いて細胞又は組織を自動操作により培養する自動培養装置、特に再生医療に使用可能な再生組織を製造することのできる自動培養装置として有用である。
101、201…細胞培養室
102、202…冷蔵庫
103、203…制御部
104、204…清浄空気循環部
105、205…細胞培養室扉
106、206…冷蔵庫扉
107…カートリッジ型閉鎖系培養容器
108、308…培養容器ベース
109、209…培養容器駆動部
110、210…回転機構
111、113、211…モーター
112、312、614−639…電磁弁
114、307、606、606、610、611…タンク
115…流路ベース
116、216…流路駆動部
117、901…ヒーター
118、902…温度センサ
119…二酸化炭素供給機構
120…二酸化炭素センサ
121…湿度発生機構
122…湿度センサ
123…ファン
124、310…培地ベース
125…ベース
126、226…駆動部
127…シール
128…顕微鏡
301、400、500、608、609…カートリッジ型閉鎖系培養容器
302、407、408…流路
303、601、602…細胞バッグ
304,603…培地バッグ
305,604…洗浄液バッグ
306,605…廃液バッグ
309…流路ベース
311、612、613…シリンジ
401…培養槽
402、403…気体透過膜
404…カートリッジ型閉鎖系培養容器部材
405、406、…コネクタ部
501…培養空間部
502、503…コネクタ部
504、505…流路
506、507…拡散具
640−643…気体用逆止弁
644、645…液体用逆止弁
646、647…エアフィルタ
648、649…培地回収容器
900…空気の気泡
902…温度センサ。

Claims (17)

  1. 内部に培養空間を有するカートリッジ型閉鎖系培養容器を用いる自動培養装置であって、
    前記カートリッジ型閉鎖系培養容器の一方の端部近傍に連結することができ、前記培養空間に対して流体の供給となる第1流路と、
    前記カートリッジ型閉鎖系培養容器における反対側の端部近傍に連結することができ、前記培養空間に対して前記流体の排出となる第2流路と、
    前記第1流路、前記第2流路各々に接続され、前記カートリッジ型閉鎖系培養容器に前記流体を移動させるよう制御する流体移動制御機構部を備え、
    前記流体移動制御機構部は、
    前記流体である細胞懸濁液が前記カートリッジ型閉鎖系培養容器の内部に満ちた状態で、
    前記細胞懸濁液を前記第1流路に少量供給し、吸引する動作を繰り返すことにより、前記カートリッジ型閉鎖系培養容器内の前記細胞懸濁液に撹拌流を生じさせるよう制御する、
    ことを特徴とする自動培養装置。
  2. 請求項1に記載の自動培養装置であって、
    前記流体移動制御機構部は、
    前記第2流路が上側に位置し、前記第1流路が下側に位置するように、前記カートリッジ型閉鎖系培養容器を略垂直に立てた状態と、
    前記カートリッジ型閉鎖系培養容器を略水平に保持する状態の何れかを取るよう制御する回転制御部を含む、
    ことを特徴とする自動培養装置。
  3. 請求項2に記載の自動培養装置であって、
    前記流体移動制御機構部は、
    前記培養空間内へ細胞懸濁液を播種する際に、前記回転制御部により、前記カートリッジ型閉鎖系培養容器を略垂直に立てた状態で、前記細胞懸濁液を前記カートリッジ型閉鎖系培養容器の内部に満たし、
    前記細胞懸濁液が前記カートリッジ型閉鎖系培養容器の内部に満ちた後は、前記回転制御部により、前記カートリッジ型閉鎖系培養容器を略水平に保持するよう制御し、
    前記カートリッジ型閉鎖系培養容器を略水平に保持した状態で、前記細胞懸濁液を前記第1流路に少量供給し、吸引する動作を繰り返す、
    ことを特徴とする自動培養装置。
  4. 請求項1に記載の自動培養装置であって、
    前記流体移動制御機構部は、
    前記第1流路を介して接続した第1シリンジと、前記第1シリンジと同期した状態で動く、前記第2流路を介して接続した第2シリンジと、
    前記第1流路と前記第1シリンジの間、及び前記第2流路と前記第2シリンジの間に設置された、流れを一方方向に制限することが可能な逆止弁を含む、
    ことを特徴とする自動培養装置。
  5. 請求項4に記載の自動培養装置であって、
    前記流体移動制御機構部は、
    前記第1シリンジ及び前記第2シリンジを作動させ、
    前記第1シリンジにより前記第1流路内を減圧状態にし、前記第2シリンジにより前記第2流路内を加圧状態にし、前記カートリッジ型閉鎖系培養容器を満たす前記細胞懸濁液に対して両側から圧力変化を生じさせて、前記第1流路側へ前記細胞懸濁液を移動させ、
    前記第1シリンジにより前記第1流路内を加圧状態に、前記第2シリンジにより前記第2流路内を減圧状態にし、前記カートリッジ型閉鎖系培養容器を満たす前記細胞懸濁液に対して両側から圧力変化を生じさせて、前記第2流路側へ前記細胞懸濁液を移動させる、
    ことを特徴とする自動培養装置。
  6. 請求項1に記載の自動培養装置であって、
    前記カートリッジ型閉鎖系培養容器は、
    その内部に、前記細胞懸濁液が前記第1流路或いは前記第2流路を介して培養空間へ流入する際に、前記細胞懸濁液中の細胞を拡散させ、前記培養空間に一様に播種する拡散具を備える、
    ことを特徴とする自動培養装置。
  7. 内部に培養空間を有するカートリッジ型閉鎖系培養容器を用いる自動培養装置であって、
    細胞懸濁液が収容される細胞バッグと、
    前記細胞バッグに接続される流路と、
    前記流路を介して、前記カートリッジ型閉鎖系培養容器に前記細胞懸濁液を移動させるよう制御する流体移動制御機構部と、
    前記流体移動制御機構部は、
    前記流路内を減圧状態にし、前記細胞バッグ内の前記細胞懸濁液に対して圧力変化を生じさせて、前記流路側へ前記細胞懸濁液を移動させるよう制御し、
    前記細胞懸濁液を送液する際に、前記細胞バッグ内の前記細胞懸濁液より少量を送液し、
    送液した前記細胞懸濁液を前記細胞バッグへ注入する動作を繰り返すことにより、前記細胞バッグ内の前記細胞懸濁液に撹拌流を生じさせる、
    ことを特徴とする自動培養装置
  8. 請求項7に記載の自動培養装置であって、
    前記流体移動制御機構部は、前記流路を介して接続されたシリンジを含む、
    ことを特徴とする自動培養装置
  9. 請求7に記載の自動培養装置であって、
    前記流路と前記流体移動制御機構部との間に設置され、前記細胞懸濁液の流れを一方方向に制限することが可能な逆止弁と、前記流路内の気体を排出するフィルタとを備え、
    前記流体移動制御機構部は、
    前記フィルタを介して前記流路内の前記気体を排出することにより、前記流路内を減圧状態にする、
    ことを特徴とする自動培養装置
  10. 培養空間を有する培養容器を用いる自動培養装置であって、
    細胞懸濁液が収容される収容部と、
    前記収容部に接続される第1流路と、
    前記第1流路を介して、前記細胞懸濁液が前記収容部から前記培養容器へ移動することを制御する流体移動制御機構部と、を備え、
    前記流体移動制御機構部は、
    前記第1流路内から前記培養容器内へ供給された前記細胞懸濁液の少なくとも一部を前記第1流路内へ流入させる動作を実行し、前記収容部内の前記細胞懸濁液に撹拌流を生じさせる、
    ことを特徴とする自動培養装置
  11. 請求項10に記載の自動培養装置であって、
    前記細胞懸濁液を前記培養容器の内部に満たした状態で、
    前記第1流路を介して前記細胞懸濁液を前記培養容器へ供給させる動作及び前記培養容器内から前記第1流路内へ流入させる動作を、複数回実行する、
    ことを特徴とする自動培養装置
  12. 請求項10または11に記載の自動培養装置であって、
    前記培養容器に接続される第2流路を備え、
    前記流体移動制御機構部は、
    前記培養容器内に圧力変化を生じさせて、前記培養容器内の前記細胞懸濁液を前記第2流路側へ移動させる、
    ことを特徴とする自動培養装置
  13. 請求項12に記載の自動培養装置であって、
    前記培養容器内に、前記細胞懸濁液が前記第1流路或いは前記第2流路を介して培養空間へ流入する際に、前記細胞懸濁液中の細胞を拡散させ、前記培養空間に一様に播種する拡散具を備える、
    ことを特徴とする自動培養装置
  14. 請求項10に記載の自動培養装置であって、
    前記収容部と前記培養容器との間に設置され、前記細胞懸濁液を溜めるタンクと、
    前記タンクを加温させる加温部を備える、
    ことを特徴とする自動培養装置
  15. 請求項14に記載の自動培養装置であって、
    前記流体移動制御機構部は、
    前記培養容器へ供給された前記胞懸濁液を前記タンクへ注入する動作を繰り返すことにより、前記タンク内の前記細胞懸濁液に撹拌流を生じさせる、
    ことを特徴とする自動培養装置
  16. 培養空間を有する培養容器を用いる自動培養装置であって、
    細胞懸濁液が収容される収容部と、
    前記収容部に接続される流路と、
    前記流路を介して、前記細胞懸濁液が前記収容部から前記培養容器へ移動することを制御する流体移動制御機構部と、を備え、
    前記流体移動制御機構部は、
    前記収容部内から前記流路内へ移動した前記細胞懸濁液の少なくとも一部を前記収容部内へ注入させる動作を実行し、前記収容部内の前記細胞懸濁液に撹拌流を生じさせる、
    ことを特徴とする自動培養装置
  17. 培養空間を有する培養容器を用いる自動培養装置であって、
    細胞懸濁液が収容されるボトルと、
    前記ボトルに接続される流路と、
    前記流路を介して、前記細胞懸濁液が前記ボトルから前記培養容器へ移動することを制御するポンプと、
    を備え、
    前記ポンプは、
    前記ボトル内から前記流路内へ移動した前記細胞懸濁液を前記ボトル内へ注入させる動作を実行し、前記ボトル内の前記細胞懸濁液に撹拌流を生じさせる、
    ことを特徴とする自動培養装置
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