JP2004208665A - 細胞培養システムおよび播種方法 - Google Patents

細胞培養システムおよび播種方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004208665A
JP2004208665A JP2003002742A JP2003002742A JP2004208665A JP 2004208665 A JP2004208665 A JP 2004208665A JP 2003002742 A JP2003002742 A JP 2003002742A JP 2003002742 A JP2003002742 A JP 2003002742A JP 2004208665 A JP2004208665 A JP 2004208665A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seeding
medium
cell culture
state
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003002742A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Ando
登 安藤
Mutsumi Nagase
睦 永瀬
Yoshihiro Mogami
善広 最上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CHIYODA ADVANCED SOLUTIONS KK
OCHIYANOMIZU JIYOSHI UNIV
National Space Development Agency of Japan
Original Assignee
CHIYODA ADVANCED SOLUTIONS KK
OCHIYANOMIZU JIYOSHI UNIV
National Space Development Agency of Japan
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CHIYODA ADVANCED SOLUTIONS KK, OCHIYANOMIZU JIYOSHI UNIV, National Space Development Agency of Japan filed Critical CHIYODA ADVANCED SOLUTIONS KK
Priority to JP2003002742A priority Critical patent/JP2004208665A/ja
Publication of JP2004208665A publication Critical patent/JP2004208665A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

【課題】播種の操作が容易で作業性に優れた細胞培養システムおよび播種方法を提供する。
【解決手段】細胞を培養するための培地が充填された細胞培養容器1と、この細胞培養容器1に新鮮な培地を供給するための培地供給管7とを備えるとともに、この培地供給管7の途中に、播種液供給源から供給される所要量の播種液を受け入れて当該播種液を培地供給管7の流路上に供給可能な播種ユニット10を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、宇宙実験施設等の閉鎖環境において動物細胞等の細胞を培養試験する際に用いて好適な細胞培養システムおよび播種方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば動物細胞等の細胞を培養試験する場合には、フラスコや試験管等の容器に培地を入れ、これに播種液(細胞と培地を混合してなる種液)をピペット等で投入して所定の培養環境下で一定期間保持することによって細胞の培養が行われる。ただし、細胞を培養する容器が密閉容器である場合には、播種液を予め培地で所定倍率に希釈してから注射器等で上記密閉容器内に注入するという方法が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、宇宙実験施設等の閉鎖環境において動物細胞等の細胞を培養試験する場合には、限られたスペースの中で効率良く個々の作業を実施する必要がある。ところが、上記従来の培養方法においては、播種の操作が手作業で行われていたために、非常に作業効率が悪く、上記閉鎖環境で細胞を培養するにあたって作業性の面で大きな課題を有していた。特に、細胞の培養に密閉容器を用いる場合には、播種の際に希釈操作が加わることとなるので、作業効率がさらに悪くなるという問題点があった。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、播種の操作が容易で作業性に優れた細胞培養システムおよび播種方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る細胞培養システムは、細胞を培養するための培地が充填された細胞培養容器と、この細胞培養容器に新鮮な培地を供給するための培地供給流路とを備えるとともに、この培地供給流路の途中に、播種液供給源から供給される所要量の播種液を受け入れて当該播種液を上記培地供給流路上に供給可能な播種ユニットを備えることを特徴とするものである。
【0006】
この請求項1に記載の本発明に係る細胞培養システムによれば、播種液供給源から播種ユニットに播種液を供給することにより、当該播種液を培地供給流路上に供給することができる。このため、播種ユニットによって培地供給流路上に供給された播種液を新鮮な培地で押し流して細胞培養容器内に投入することができるとともに、上記新鮮な培地で播種液を希釈することができる。
したがって、従来のようにピペット等を用いて手作業で播種操作を行う場合と比べて、作業性を大幅に向上させることができる。また、播種と希釈の両操作を同時に行うことができるので、細胞培養容器が密閉容器であっても、播種液を予め培地で希釈する必要がなく、作業効率が低下することはない。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の細胞培養システムにおいて、上記播種ユニットが、上記培地供給流路を開通状態とする第1状態と、上記培地供給流路を遮断して上記播種液供給源から播種液を受入可能な第2状態とに可逆的に切換可能な弁体を有し、この弁体には、上記第1状態にて上記培地供給流路の一部区間を構成し上記第2状態にて上記播種液が充填される穴部が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
この請求項2に記載の発明によれば、播種ユニットに、第1状態と第2状態とに可逆的に切換可能な弁体を設けて、この弁体に、第1状態にて培地供給流路の一部区間を構成し第2状態にて播種液が充填される穴部を設けたので、弁体を第1状態にすれば、培地供給流路を介して細胞培養容器内に新鮮な培地を供給することができ、弁体を第2状態に切り換えれば、弁体の穴部内に播種液を充填することができる。また、穴部内に播種液を充填した状態で、弁体を第1状態に切り換えて、培地供給流路を介して細胞培養容器内に新鮮な培地を供給するようにすれば、穴部内の播種液を新鮮な培地で押し流して細胞培養容器内に投入することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の細胞培養システムにおいて、上記穴部が、上記細胞培養容器に播種される播種液量に相当する内容積を有することを特徴とするものである。
【0010】
この請求項3に記載の発明によれば、穴部の内容積が、細胞培養容器に播種される播種液量に相当する内容積に予め設定されているので、播種液の計量操作が不要となる。また、播種液の希釈割合にバラツキが生じることを防止でき、これにより試験精度を高めることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の細胞培養システムを用いた播種方法であって、上記播種ユニットの上記弁体を上記第1状態にして、上記培地供給流路を介して上記細胞培養容器内に新鮮な培地を供給する培地供給工程と、この培地供給工程を経て上記細胞培養容器内に新鮮な培地が充填された後、上記弁体を上記第2状態に切り換えて、上記弁体の穴部内に播種液を充填する播種液充填工程と、上記穴部内に播種液が充填された上記弁体を上記第1状態に復帰させて、上記培地供給流路を介して上記細胞培養容器内に新鮮な培地を供給することにより、上記穴部内の播種液を上記新鮮な培地で押し流して上記細胞培養容器内に投入する播種液投入工程とを有することを特徴とするものである。
【0012】
この請求項4に記載の本発明に係る播種方法によれば、弁体の切換操作によって簡単に、所要量の播種液を細胞培養容器内に投入することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明に係る細胞培養システムの一実施形態を示すものであり、このシステムは、キャニスタと呼ばれるケース内に収納されている。
図1において符号1が細胞培養容器であり、この細胞培養容器1は、上面に開口を有する凹部が設けられた透明な容器本体2と、この容器本体2の上記開口を塞ぐ膜材3とを備えている。膜材3は、シリコンゴム等からなるガス交換膜によって構成され、このガス交換膜の内面側には、培地が充填される培養空間4が形成されている。
【0014】
この培養空間4は、断面が矩形の細長い線状の空間とされ、その一端側に培地の注入口1Aが設けられる一方、他端側に排出口1Bが設けられている。また、ガス交換膜の外面側には、飽和水蒸気を含んだ空気が環流されており、その環流空気と培養空間4内の培地との間でガス交換が行われるようになっている。
また、培養空間4に面する凹部壁面は、培養細胞の偏在を防止すべく平滑面とされ、その材質としては、培養細胞が接着あるいは忌避しないもの(例えば石英ガラス)が選定されている。さらに、この細胞培養容器1は、オートクレーブ減菌を行うのに十分な耐熱性および耐圧性を備えている。
【0015】
この細胞培養容器1の近傍には、培養空間4に照明用のレーザ光を照射する平面レーザ5が設置されるとともに、この平面レーザ5のレーザ光が照射された所定領域の画像を撮影するCCD(Charge Coupled Device)カメラ6が設置されている。このCCDカメラ6で捉えた画像は制御装置(図示省略)に送信される。制御装置は、受信した画像中の細胞数を計数することにより培養空間4における細胞密度を導出する処理を実行する。なお、容器本体2は、前述したように、透明な材質により形成されているので、その内部に設けられた培養空間4をCCDカメラ6や目視により外部から観察することができる。
【0016】
細胞培養容器1の注入口1Aには、新鮮な培地を注入するための培地供給管(培地供給流路)7の一端が接続され、この培地供給管7の他端には、新鮮な培地を貯留するための新鮮培地容器8が設けられている。また、培地供給管7の途中には、新鮮培地容器8内の培地を細胞培養容器1に移送するための培地移送ポンプ9が設けられている。
【0017】
培地移送ポンプ9の吐出側には、播種液供給源(図示省略)から供給される所要量の播種液を受け入れて当該播種液を培地供給管7内に供給可能な播種ユニット10が設けられ、この播種ユニット10と細胞培養容器1との間にはバルブ14が設けられている。播種ユニット10は、培地移送ポンプ9から細胞培養容器1に至る流路(第1流路)と播種液供給源から廃培地容器18に至る流路(第2流路)のいずれか一方を開通状態とする流路切換弁であって、各々の流路に対応する4つのポートが設けられた本体11と、それらポートの中から連通させるポートの組み合わせを選択的に切換可能な弁体12とを備えて構成されている。すなわち、弁体12は、その連通孔(穴部)13を介して上記第1流路を開通状態とする第1状態(図1の状態)と、連通孔13を介して上記第2流路を開通状態とする第2状態(図2の状態)とに可逆的に回動変換可能な状態で本体11内に組み込まれている。
【0018】
なお、連通孔13は、細胞培養容器1に播種される播種液量(培養空間4の容積×希釈割合)に相当する内容積を有している。このため、例えば弁体12を上記第2状態にして連通孔13内に播種液を充填してから、弁体12を上記第1状態に変換して培地移送ポンプ9を作動させるようにすれば、培地の流れを利用して適量の播種液を細胞培養容器1内に投入することができる。
【0019】
一方、細胞培養容器1の排出口1Bには、途中で第1分岐路17aと第2分岐路17bとに2分岐する培地排出管17が接続され、各分岐路の途中にはそれぞれバルブ15、16が設けられている。第1分岐路17aには、培養細胞をサンプリングするためのサンプリングユニット20がアキュムレータ25を介して接続される一方、第2分岐路17bには、不要となった培地等を回収するための廃培地容器18が接続されている。
【0020】
サンプリングユニット20は、採取した培養細胞を封入するための複数(図示例では9)のサンプリング容器21と、パージ空気を受けるパージ用容器22と、アキュムレータ25から送られる培養細胞の受入先となるサンプリング容器21を切換操作するための駆動モータ23とを備えている。各サンプリング容器21には、サンプリングした培養細胞を化学固定するための試薬(例えば塩化第二水銀など)が予め充填されている。
【0021】
アキュムレータ25は、PFA(パーフルオロアルコキシ)など酸素透過性のある素材のチューブであって、細胞培養容器1の排出口1Bから押し出された培地に含まれる培養細胞を一定期間チューブ内に滞留させて定常状態で維持するためのものである。例えば培養細胞がゾウリムシである場合には、一定期間定常状態(飢餓状態)で維持することによって、オートガミー能を有するゾウリムシにオートガミーを誘導することが可能になる。このアキュムレータ25内の培養細胞は、空気注入ポンプ19から供給される空気の圧力によって、サンプリングユニット20へと送液されるようになっている。なお、そのときの空気圧は、アキュムレータ25内に培養細胞が残留することを防止し得る圧力に予め設定されている。
【0022】
また、当該システムが収納されるキャニスタ内には、細胞培養容器1近傍の温度や湿度等を計測する各種センサが設けられるとともに、それらセンサやCCDカメラ6等からの出力に基づいて各種機器(培地移送ポンプ9、サンプリングユニット20、空気注入ポンプ19、バルブ14、15、16、ヒータなど)を制御する制御装置が設けられている。
【0023】
次に、上記細胞培養システムを用いた本発明に係る播種方法の一実施形態について、図3および図4に基づいて説明する。
先ず、制御装置が、図3(a)に示すように、播種ユニット10の弁体12を第1状態、バルブ14、15を開状態、バルブ16を閉状態として、培地移送ポンプ9を作動させる。その結果、図3(b)に示すように、新鮮培地容器8内の新鮮な培地が培地供給管(培地供給流路)7を介して細胞培養容器1内に送り込まれて、細胞培養容器1内が新鮮な培地で満たされる(培地供給工程)。また、排出口1Bより溢れた培地は廃培地容器18へと導かれる。
【0024】
次いで、制御装置が、培地移送ポンプ9の作動を停止させ、図3(c)に示すように、播種ユニット10の弁体12を第2状態に変換する。この状態で、図4(a)に示すように、播種液供給源から播種液の供給が行われて、弁体12の連通孔(穴部)13内に播種液が充填される(播種液充填工程)。その際に連通孔13から溢れた播種液は、上記第2流路を通って廃培地容器18へと導かれる。次いで、制御装置が、図4(b)に示すように、播種ユニット10の弁体12を第1状態に復帰させて、培地移送ポンプ9を作動させる。これにより、図4(c)に示すように、新鮮培地容器8内の新鮮な培地が細胞培養容器1内に送り込まれ、この培地の流れに連通孔13内の播種液が押し流されて、細胞培養容器1内に所要量(連通孔13の内容積に相当する量)の播種液が投入される。
【0025】
その後、制御装置が、培地移送ポンプ9の作動を停止させ、バルブ14、15を閉状態に変換する。これにより、播種操作が完了となる。
このように、上記播種方法によれば、弁体12の切換操作によって簡単に、所要量の播種液を細胞培養容器1内に投入することができる。
【0026】
次に、上記播種操作に続いて行われる培養細胞の希釈・サンプリング操作について具体的に説明する。
制御装置では、CCDカメラ6から入力した画像に基づいて培養空間4における細胞密度を計測する処理が随時行われ、その計測値が所定値以上となった際に、この希釈・サンプリング操作が開始される。
【0027】
先ず、制御装置が、図1に示すように、播種ユニット10の弁体12を第1状態、バルブ14、16を開状態、バルブ15を閉状態として、培地移送ポンプ9を作動させる。これにより、新鮮培地容器8内の新鮮な培地が注入口1Aより細胞培養容器1内に順次送り込まれる。この際に、培地の流れが層流(すなわちレイノルズ数が所定値以下)となるように、注入口1Aより細胞培養容器1内に新鮮な培地が注入されて、その注入量に相当する培地が細胞培養容器1の排出口1Bから順次押し出されるので、上記注入量に応じた量の培地(培養細胞を含む希釈前の培地)が新鮮な培地に交換されることとなる。例えば、希釈割合を1/N(ただし、N>1)とする場合には、新鮮な培地の注入により、培養空間4の(N−1)/Nに相当する培地(培養細胞を含む希釈前の培地)が新鮮な培地に交換されたところで、制御装置が、培地移送ポンプ9の作動を停止させ、バルブ14を閉状態に変換する。これにより、培養空間4内の培養細胞が1/Nに希釈される。
【0028】
一方、排出口1Bから押し出された培地(培養細胞を含む希釈前の培地)は、先ず始めにアキュムレータ25に流入し、その流入量がサンプリングの必要量に達したところで、バルブ15、16の切換操作によって、廃培地容器18へと流入する。
アキュムレータ25内の培地は、そのままの状態で一定期間維持された後(例えば、培養細胞がゾウリムシである場合には、一定期間定常状態で維持されてオートガミーの誘導が行われた後)、制御装置が空気注入ポンプ19を作動させることにより、空気圧でサンプリングユニット20へと送液されて、サンプリング容器21のいずれかに収納される。サンプリング容器21に収納された培養細胞は、予め容器内に充填されていた試薬によって化学固定され、その状態で所定期間保存される。これにより、希釈・サンプリング操作が完了となる。
【0029】
次に、上記構成からなる細胞培養システムを用いて、「単細胞生物であるゾウリムシのクローン寿命の変動を測定する試験」を宇宙実験施設等で行う場合の手順について簡単に説明する。ここでは、ゾウリムシのオートガミー未熟期(自家接合した細胞が次の自家接合能力を獲得するまでの期間)の変動に基づいてクローン寿命の変動を測定する場合を例にとって説明する。
【0030】
先ず、予めオートガミーが誘導されて定常期にある細胞のみを含む播種液を、前述した播種操作によって、細胞培養容器1内に所要量投入する。ここでは、新鮮な培地が充填された培養空間4に、その2のn乗分の1(例えば1/8)に相当する播種液を投入することによって、細胞を2のn乗分の1に希釈する。
次いで、一定期間細胞を培養し、図5に示すように、培養した細胞の密度がほぼ希釈前の水準に達して(すなわち、細胞分裂がn回行われて)増殖が定常期に入ったことが細胞密度の計測結果により確認されたら、培養を開始してからの経過時間(培養時間)を記録するとともに、前述した手順で希釈・サンプリング操作を行う。ここでは、細胞培養容器1内の培養細胞が2のn乗分の1に希釈されるように、新鮮な培地を細胞培養容器1内に注入する。
その後、上記と同様に、CCDカメラ6による細胞密度の計測結果に基づいて、上記希釈・サンプリング操作を所定回数(ここでは合計9回)繰り返す。
【0031】
以上の操作が完了したら、サンプリングユニット20の各サンプリング容器21内で化学固定された細胞を取り出して、各々の大核を顕微鏡下で観察し、その形態変化に基づいてオートガミーの出現頻度を求める。これにより、オートガミーの出現頻度の推移を分裂齢および培養時間の関数として導き出すことができ、これに基づいて、ゾウリムシのクローン寿命の変動を測定することができる。
【0032】
以上のように、上記構成からなる細胞培養システムによれば、培地供給管7の途中に、播種液供給源から供給される所要量の播種液を受け入れて当該播種液を培地供給管7内に供給可能な播種ユニット10を設け、この播種ユニット10に、培地供給管7を開通状態とする第1状態と、培地供給管7を遮断して播種液供給源から播種液を受入可能な第2状態とに可逆的に切換可能な弁体12を設けて、この弁体12に、上記第1状態にて培地供給管7の一部区間を構成し上記第2状態にて播種液が充填される連通孔13を設けたので、弁体12を上記第1状態にすれば、培地供給管7を介して細胞培養容器1内に新鮮な培地を供給することができ、弁体12を上記第2状態に切り換えれば、弁体12の連通孔13内に播種液を充填することができる。また、連通孔13内に播種液を充填した状態で、弁体12を上記第1状態に切り換えて、培地供給管7を介して細胞培養容器1内に新鮮な培地を供給するようにすれば、連通孔13内の播種液を新鮮な培地で押し流して細胞培養容器1内に投入することができる。
【0033】
したがって、従来のようにピペット等を用いて手作業で播種操作を行う場合と比べて、作業性を大幅に向上させることができる。また、播種と希釈の両操作を同時に行うことができるので、細胞培養容器1が密閉容器であっても、播種液を予め培地で希釈する必要がなく、作業効率が低下することがない。
さらに、連通孔13の内容積が、細胞培養容器1に播種される播種液量に相当する内容積に予め設定されているので、播種液の計量操作が不要となる。また、播種液の希釈割合にバラツキが生じることを防止でき、培養試験の精度を高めることができる。
【0034】
なお、上記実施形態においては、播種ユニット10の弁体12の切換制御を制御装置が行う構成としたが、これに限られるものではなく、例えば、当該細胞培養システムの利用者がハンドル操作等によって弁体12の切換を行うような構成であってもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る細胞培養システムによれば、播種ユニットによって培地供給流路上に供給された播種液を新鮮な培地で押し流して細胞培養容器内に投入することができるとともに、上記新鮮な培地で播種液を希釈することができる。
したがって、従来のようにピペット等を用いて手作業で播種操作を行う場合と比べて、作業性を大幅に向上させることができる。また、播種と希釈の両操作を同時に行うことができるので、細胞培養容器が密閉容器であっても、播種液を予め培地で希釈する必要がなく、作業効率が低下することはない。
【0036】
請求項2に記載の発明によれば、弁体を第1状態にすれば、培地供給流路を介して細胞培養容器内に新鮮な培地を供給することができ、弁体を第2状態に切り換えれば、弁体の穴部内に播種液を充填することができる。また、穴部内に播種液を充填した状態で、弁体を第1状態に切り換えて、培地供給流路を介して細胞培養容器内に新鮮な培地を供給するようにすれば、穴部内の播種液を新鮮な培地で押し流して細胞培養容器内に投入することができる。
【0037】
請求項3に記載の発明によれば、播種液の計量操作が不要となる。また、播種液の希釈割合にバラツキが生じることを防止でき、これにより培養試験の精度を高めることができる。
請求項4に記載の本発明に係る播種方法によれば、弁体の切換操作によって簡単に、所要量の播種液を細胞培養容器内に投入することができる。
したがって、宇宙実験施設等の閉鎖環境で動物細胞等の細胞を培養試験する場合において、本発明に係る細胞培養システムおよび播種方法を好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る細胞培養システムの一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の播種ユニットの弁体を第2状態に変換したときの状態を示す図である。
【図3】播種操作の手順を説明する図である。
【図4】図3の続きの手順を説明する図である。
【図5】細胞密度の推移を培養時間の関数として示したグラフである。
【符号の説明】
1 培養細胞容器
7 培地供給管(培地供給流路)
10 播種ユニット
12 弁体
13 連通孔(穴部)

Claims (4)

  1. 細胞を培養するための培地が充填された細胞培養容器と、この細胞培養容器に新鮮な培地を供給するための培地供給流路とを備えるとともに、この培地供給流路の途中に、播種液供給源から供給される所要量の播種液を受け入れて当該播種液を上記培地供給流路上に供給可能な播種ユニットを備えることを特徴とする細胞培養システム。
  2. 上記播種ユニットは、上記培地供給流路を開通状態とする第1状態と、上記培地供給流路を遮断して上記播種液供給源から播種液を受入可能な第2状態とに可逆的に切換可能な弁体を有し、この弁体には、上記第1状態にて上記培地供給流路の一部区間を構成し上記第2状態にて上記播種液が充填される穴部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養システム。
  3. 上記穴部は、上記細胞培養容器に播種される播種液量に相当する内容積を有することを特徴とする請求項2に記載の細胞培養システム。
  4. 請求項2または3に記載の細胞培養システムを用いた播種方法であって、
    上記播種ユニットの上記弁体を上記第1状態にして、上記培地供給流路を介して上記細胞培養容器内に新鮮な培地を供給する培地供給工程と、
    この培地供給工程を経て上記細胞培養容器内に新鮮な培地が充填された後、上記弁体を上記第2状態に切り換えて、上記弁体の穴部内に播種液を充填する播種液充填工程と、
    上記穴部内に播種液が充填された上記弁体を上記第1状態に復帰させて、上記培地供給流路を介して上記細胞培養容器内に新鮮な培地を供給することにより、上記穴部内の播種液を上記新鮮な培地で押し流して上記細胞培養容器内に投入する播種液投入工程とを有することを特徴とする播種方法。
JP2003002742A 2003-01-09 2003-01-09 細胞培養システムおよび播種方法 Pending JP2004208665A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003002742A JP2004208665A (ja) 2003-01-09 2003-01-09 細胞培養システムおよび播種方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003002742A JP2004208665A (ja) 2003-01-09 2003-01-09 細胞培養システムおよび播種方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004208665A true JP2004208665A (ja) 2004-07-29

Family

ID=32820389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003002742A Pending JP2004208665A (ja) 2003-01-09 2003-01-09 細胞培養システムおよび播種方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004208665A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102304470A (zh) * 2011-08-13 2012-01-04 王敬华 一种多通道自动化细菌快速接种仪及其使用方法
WO2012020458A1 (ja) 2010-08-12 2012-02-16 株式会社日立製作所 自動培養装置
JP2015109877A (ja) * 2015-03-25 2015-06-18 株式会社日立製作所 自動培養装置
CN105154329A (zh) * 2010-08-12 2015-12-16 株式会社日立制作所 自动培养装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012020458A1 (ja) 2010-08-12 2012-02-16 株式会社日立製作所 自動培養装置
CN103068962A (zh) * 2010-08-12 2013-04-24 株式会社日立制作所 自动培养装置
JP5722329B2 (ja) * 2010-08-12 2015-05-20 株式会社日立製作所 自動培養装置
CN103068962B (zh) * 2010-08-12 2015-08-05 株式会社日立制作所 自动培养装置
CN105154329A (zh) * 2010-08-12 2015-12-16 株式会社日立制作所 自动培养装置
CN102304470A (zh) * 2011-08-13 2012-01-04 王敬华 一种多通道自动化细菌快速接种仪及其使用方法
JP2015109877A (ja) * 2015-03-25 2015-06-18 株式会社日立製作所 自動培養装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7003086B2 (ja) 細胞培養装置相互接続および流体装置相互接続のためのシステムおよび方法
US5073504A (en) Apparatus and method for immunohistochemical staining
JP5172716B2 (ja) 試薬カートリッジ
US4358470A (en) Process and apparatus for the treatment of samples with a succession of liquids
KR101419952B1 (ko) 세포 배양 방법 및 그 방법을 이용한 자동 배양 장치
US6271027B1 (en) Cell and tissue culture device with enhanced culture fluid flow
EP1746154B1 (en) Culture chamber, culture apparatus and liquid supplying method for cell or tissue cultivation
US20100300563A1 (en) Modular device and method for moving fluids to and from a sample delivery element
RU2017110274A (ru) Картридж для очистки нуклеиновой кислоты
JP2016519296A5 (ja)
JP2017521061A (ja) 配列決定デバイス
US7384409B2 (en) Disposable cassette
WO2019185927A1 (en) Microfluidic chip
ES2348178T3 (es) Dispositivo modular destinado al analisis de un fluido biologico, en particular sanguíneo.
JP2004208663A (ja) 細胞培養システム
JP2004208665A (ja) 細胞培養システムおよび播種方法
US11441114B2 (en) Liquid feed device, and cell culture device and method using same
JP5101819B2 (ja) 細胞培養装置
JP2004208664A (ja) 細胞培養システムおよび培養細胞の希釈・サンプリング方法
US20200102528A1 (en) In vitro fertilization system and components associated therewith
JP7075478B2 (ja) 液状試料の処理装置
CN101858844A (zh) 用于检测细胞迁移的琼脂糖凝胶微流动腔装置
CN209537481U (zh) 膜芯片杂交仪
JP2003057246A (ja) 被処理物の処理装置
CN106198158A (zh) 一种微孔滤膜制片染色检测自动负压控制方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051027

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20051027

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20051028

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051207

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20051207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20051208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080909

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090120