JP4845950B2 - 自動培養装置 - Google Patents

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Description

本発明は、着脱可能なカートリッジ型閉鎖系培養容器を用いて細胞又は組織を培養することができる培養装置、例えば再生医療に使用可能な再生組織を製造することのできる培養装置に関する。
再生医療治療として移植等に用いる再生組織の製造は、医薬品等の製造管理及び品質管理の基準であるGMP(Good Manufacturing Practice;適正製造基準)に基づき、清潔な製造環境を提供するCPC(Cell Processing Center;細胞処理施設)において、専門の細胞培養技術を有した従事者によりSOP(Standard Operational Procedure;標準手順書)に従い製造される。GMPは、日本国内では、厚生労働省により関連する法規が既に施行されている(例えば厚生省令第179号、薬発第480号)。日本国外においても欧米の機関を中心に(例えば米国食料医薬品庁、欧州委員会)関連する法規が発布されている。
再生組織はこういった各種法規により規定された安全性、清潔性の厳密に管理された環境において、専門の細胞培養技術を有した製造従事者により製造されるため、多大な人件費、労力、運用コストが発生する。また、全ての製造工程は人手でなされるため、再生組織の製造量には限界がある。結果として再生組織を製造するための製造コストは高くなり、再生医療治療が普及する妨げとなっている。そこでこのような現状を打破するため、培養工程の一部ないし全てを自動化する自動培養装置の導入が求められている。培養工程を人手ではなく自動培養装置により実施することで省力化とコストダウンを図り、大量に生産できるようになる。加えて、人手と異なり自動培養装置による操作は常に均一になされるため、製造後に得られる再生組織の品質の一定化への寄与も期待される。ここで、自動培養装置は人手の代替として細胞を培養するが、人手による製造工程と同様にGMPを満たすことは必須と考えられる。即ち科学的根拠に基づいて自動培養装置が清潔性を維持した状態で高品質の再生組織を製造できることが示されねばならない。
清潔性を維持するためには、培養工程において細胞が直接播種、培養される培養容器の内部が生物学的に汚染されていないことを保証する必要がある。よって培養容器には事前に滅菌し、生物学的汚染の可能性を排除してから使用することが必須である。この滅菌操作により、培養工程において培養容器の中には播種された細胞のみが培養され、偶発的に混入した菌、細菌といった好ましくない生物が増殖する生物学的汚染の発生を回避できる。
ところで自動培養装置に用いられる培養容器には、開閉が容易で外界との接触面積が大きい開放系培養容器(例えば蓋を有する培養容器)と、開閉が容易ではなく外界との接触面積の小さい閉鎖系培養容器(例えばカートリッジ型培養容器(特許文献1、2及び3))へ主に分類される。開放系培養容器を用いた培養技術は既に確立しており、様々な種類のものが市販されている。研究開発段階から再生組織の製造販売段階を含め、人手での培養では一般的に用いられている。しかし培地のこぼれやすい構造であり、また生物学的汚染の原因ともなる外界との接触面積が大きいため、清潔性を維持したまま培養するには専門の培養技術が必要である。この開放系培養容器を対象とした、ロボットアームのような駆動装置や搬送ロボット等を有した自動培養装置は既に報告されている。
一方、閉鎖系培養容器は自動培養装置で用いることを想定した次世代培養容器という位置付けで、自動培養装置と共に様々な研究機関において開発が進められている。閉鎖系培養容器と自動培養装置を用いた培養技術はまだ十分に確立していないが、既に幾つかの報告はなされている(特許文献2及び4)。閉鎖系培養容器は、一般に培地が容易にこぼれない構造であり、また外界との接触面積も小さいため、開放系培養容器よりも清潔性を維持しやすいといった利点がある。閉鎖系培養容器を用いた自動培養装置の例として、カートリッジ型の閉鎖系培養容器を用い、自動培養装置とは圧着方式による継手部を介し連結して細胞播種や培地交換等を行う自動培養装置が報告されている(特許文献1及び5)。このカートリッジ型閉鎖系培養容器は弁構造を有しており、ここを介してのみ外部と培地の流入、流出といったやり取りがなされる。またカートリッジ型閉鎖系培養容器の培養槽は気体交換膜を介してO2、CO2といった培養に必要な気体のやり取りが外部となされ、開放系培養容器に比較すると気体の流入、流出の効率は低下する。また、一般的な培養容器と同様に、培養工程に用いる前に滅菌操作を行い生物学的汚染の可能性を排除することが必須である。さらに培地が漏れることなく気密性が十分に確保された状態に組み立てられたことを確認する漏れ試験の実施も必須である。
従来用いられる滅菌方法には、高温に晒し滅菌する方法がある(例えば乾熱滅菌が約180℃、高温蒸気滅菌が約120℃)。しかし一般に培養容器は細胞接着性を有するポリカーボネイト、ポリスチレン、ポリエチレンといった高分子化合物を素材とすることが多い。そのため、ここで挙げた従来法により高温に晒した場合、培養容器は変形してしまい培養に用いることができなくなってしまう。別の方法として滅菌ガス(例えばエチレンオキシダイトガス、過酸化水素ガス、オゾンガス)を用いた殺菌方法がある。高温に晒す必要はないが滅菌ガスが培養容器全体に行き渡ることが必要である。培養容器の内部まで気体の流入、流出が効率的になされる構造ならば有効であるが、そうではない場合、滅菌効率は下がる。カートリッジ型閉鎖系培養容器の場合、そのままの状態では外部から滅菌ガスに晒しても内部まで滅菌ガスが充満することは困難である。閉鎖系培養容器を対象とした他の滅菌方法として、構成する部品を全て事前に滅菌し、クリーンな環境下において組み立てる方法が報告されている(特許文献2)。しかし、組立工程は一般に複雑で、特別な機材を必要とし、結果として多大なスペースのクリーン環境が要求されることになる。これは生産コストの増加につながる。さらに組み立て後には、閉鎖系培養容器が正常に組み立てられて漏れ等の欠陥を有していないか確認する漏れ試験の実施が必要である。この漏れ試験を実施するための機材を導入するとさらに大きなスペースを必要とする。以上のように、カートリッジ型閉鎖系培養容器に対して従来法を用いて内部を十分に滅菌し、かつ漏れ試験を実施することは、経済性を考慮すると改善の必要性がある。
ところで、自動培養装置が高品質な再生組織の製造を可能とするためには、培養工程中において効率良く培地交換がなされる必要がある。培地は細胞の生育に必要な各種栄養成分を提供したり溶液中のpHを維持したりし、培養に必要な環境を与える液体である。培養工程中は細胞の状態に応じて定期的に培地を交換する。培地交換を行う際には古い培地から新しい培地へ完全に置換する必要があり、古い培地が混入すると新たに供給する培地に含まれる各種栄養成分の濃度が変化し細胞の代謝に影響を与える。結果として製造後に得られる再生組織の品質の不均一化を招きうる。これは再生組織を製造するための培養プロトコルが一様ではなくなることを意味する。よって培地交換は、古い培地から新しい培地へ、完全に効率的に置き換わることが必要である。
開放系培養容器を用いる場合、多くが蓋を有した構造であるため、培地交換の際には開放系培養容器の蓋を開け、古い培地を全て回収し、洗浄液(例えばPBS(Phosphate Buffered Salts)溶液)により複数回洗浄し、その後に新しい培地を入れる方法が一般的である。そのため、培地交換後の新しい培地に古い培地の混在する割合は大変小さくなる。しかし閉鎖系培養容器を用いる場合、蓋を有した構造ではないため、開放系培養容器とは異なる操作により培地交換しなければならない。閉鎖系培養容器は、一般的に、外部から新しい培地が供給される流路(以下、供給流路とする)と、古い培地が同時に排出される流路(以下、排出流路とする)が連結した構造である。培地交換の時には、新しい培地が供給流路から供給され、培養容器内部で新しい培地と古い培地とが混在した状態を経て、排出流路から過剰な分の液体が排出されていく連続的な培地の交換方法をとることが多い(特許文献5及び6)。排出流路から排出される液体には古い培地の占める割合が多いが、培養容器内に新しい培地と古い培地は混在している。培養容器の中が新しい培地に完全に置き換わるためには、古い培地の占める割合は流す量に応じて減るため、十分量の新しい培地を流す必要がある。つまり連続的に交換する方法により培養容器内の培地を新しい培地へ完全に置き換えることは、非効率的である。
一方、自動培養装置が高品質な再生組織の製造を可能とするためには、培養工程中に細胞の培養状況を正確に把握することも併せて必要である。培養容器の中に播種した細胞は、採取した細胞の質(例えば採取時の状態、細胞を提供したドナーの性質(年齢、既往歴等))により、増殖速度や代謝といった生物学的な質が異なる。人手を介さない自動培養装置により操作の均一化は実現できるが、採取した細胞の質に依存して細胞の生育状況には違いが生じる。よって培養工程管理として、培養工程中の各時点において細胞の挙動を評価し、その結果に応じてその時点の細胞の状態に適した培養プロトコルへの修正を行わなければ、製造後に得られる再生組織の品質の一定化は困難である。また細胞の状態の測定方法は、得られた再生組織を再生医療治療に用いることを想定した場合、細胞や組織に影響を与えることのない非侵襲的な方法が良い。
培養中の細胞を非侵襲的に評価する方法としては、例えば顕微鏡観察による細胞増殖や細胞形態の経時的評価が挙げられるが、別の有力な方法として培地成分分析が知られている。培地の各種成分(例えばグルコース、乳酸、アンモニウムイオン)をモニタリングして細胞の生育状況を逐次把握することができる。細胞が正常な代謝活動を行っている場合、解糖系の代謝においてはグルコースを消費し乳酸を産出する。培養工程の経過に伴い細胞数が増えて代謝が活発になると、グルコースの消費量及び乳酸の産出量は増加していく。培地成分分析は、例えば抗体医薬の製造においてなされる場合、数百L程度の大体積で培養されている中から必要に応じて数mL程度の培地を採取し解析に用いる。分析のために採取する量に対し、培養している培地の体積は十分に大きいため、採取する操作が培養工程に与える影響はほとんどない。一方、再生医療における再生組織の製造の場合、培養に用いる培地量は数mLから数十mL程度と抗体医薬の製造に比べ小さい。ここから培地成分分析のために数mL程度の培地を採取した場合、培養に用いられる培地の体積に対し大きな割合を占める量であるため、採取した分に等しい体積の新しい培地を補充する必要が生じる。これは培地の一部が交換されたことに相当し、培養工程中に培地成分の濃度が変化するため細胞の代謝に影響を与え、結果として培養後の再生組織の均一化を妨げることになる。
特開2006−320304 特開2008−113600 特開2002−153261 特開2004−089138 特開2006−149237 特開2004−208664
上述したように、カートリッジ型閉鎖系培養容器を用いて細胞や組織を培養する培養装置においては、カートリッジ型閉鎖系培養容器における培養空間を充分に滅菌することができないといった問題があった。また、当該培養装置では、培地成分について精度良く分析できず、分析結果を利用して培養条件等の制御を行うことができないといった問題があった。さらに、当該培養装置では、新たな培地をカートリッジ型閉鎖系培養容器における培養空間に効率良く供給することができないといった問題があった。
上述した目的を達成した本発明に係る培養装置は、内部に培養空間を有するカートリッジ型閉鎖系培養容器を収納できる滅菌室と、上記滅菌室内に配設され、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器に圧着した状態で連結できる継手部と、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に供給するための気体及び/又は液体の導入装置に一方端部が連結し、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部とが連結した状態で他方端部が上記カートリッジ型閉鎖系培養容器の内部に臨む導入管と、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に供給された気体及び/又は液体を捕集する捕集装置に一方端部が連結し、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部とが連結した状態で他方端部が上記カートリッジ型閉鎖系培養容器の内部に臨む排出管とを備えるものである。
以上のように構成された培養装置によれば、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部とが連結した状態で上記導入管を介して滅菌ガスを導入することで培養空間内を滅菌することができる。また、本発明に係る培養装置によれば、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部とが離間した状態で上記導入管を介して滅菌ガスを導入することで、上記滅菌室内部(カートリッジ型閉鎖系培養容器の外側)を滅菌ガスで充填することができる。以上のように、本発明に係る培養装置においては、カートリッジ型閉鎖系培養容器を用いた細胞又は組織の培養に先立って、カートリッジ型閉鎖系培養容器における培養空間及びカートリッジ型閉鎖系培養容器の外側を確実に滅菌することができる。
また、上述した目的を達成した本発明に係る培養装置は、内部に培養空間を有するカートリッジ型閉鎖系培養容器における一方の端部近傍に連結することができ、当該カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に対する気体及び/又は液体の供給又は排出の流路となる第1流路と、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器における他方の端部近傍に連結することができ、当該カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に対する気体及び/又は液体の供給又は排出の流路となる第2流路と、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器における上記第1流路が連結する位置近傍に連結することができ、当該カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に対する気体及び/又は液体の供給又は排出の流路となる第3流路と、上記第3の流路に接続され、培養液中の成分を分析できる培地成分分析装置と、上記第1流路及び第3流路のいずれか一方をカートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間へと連通させる切替手段とを備えるものである。
以上のように構成された培養装置においては、カートリッジ型閉鎖系培養容器における培養空間に充填された培地を上記第3流路を介して成分分析装置に供することができる。本発明に係る培養装置によれば、培地成分について精度良く分析することができ、分析結果を利用して培養条件等の制御を行うことができる。
さらに、上述した目的を達成した本発明に係る培養装置は、内部に培養空間を有するカートリッジ型閉鎖系培養容器に圧着した状態で連結できる継手部と、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部とが連結した状態で、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器における一方の端部近傍に連結することができ、当該カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に対する気体及び/又は液体の供給又は排出の流路となる第1流路と、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部とが連結した状態で、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器における他方の端部近傍に連結することができ、当該カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に対する気体及び/又は液体の供給又は排出の流路となる第2流路と、上記継手部と上記カートリッジ型閉鎖系培養容器とを接離可能に駆動するとともに、上記継手部を上記第1流路及び上記第2流路を結ぶ方向が略水平方向から略鉛直方向まで駆動することができる駆動装置とを備えるものである。なお、上記継手部は、上記第1流路及び上記第2流路を結ぶ方向が水平方向から鉛直方向に駆動することが好ましい。
以上のように構成された本発明に係る培養装置では、上記継手部と上記カートリッジ型閉鎖系培養容器とが連結した状態で、上記継手部を上記第1流路及び上記第2流路を結ぶ方向が略鉛直方向であり、上記第1流路が下方となる第1の位置とし、第1の位置で上記第1流路から洗浄液又は培養液を上記カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間内に供給するとともに、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間内に充填された洗浄液又は培養液を第1流路から排出することができる。本発明に係る培養装置によれば、新たな培地や洗浄液といった液体をカートリッジ型閉鎖系培養容器における培養空間に効率良く供給することができる。
本発明に係る培養装置によれば、カートリッジ型閉鎖系培養容器を用いて細胞や組織を培養するに先立って、カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間内部を確実に滅菌することができる。したがって、本発明に係る培養装置により、非常に高度な清潔性を要求される細胞や組織の培養に適した培養環境を提供することができる。
また、本発明に係る培養装置によれば、カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に充填されていた培地について高精度に成分分析することができる。したがって、本発明に係る培養装置により、培地の成分分析の結果に基づく培地条件等を最適に制御することができ、培養対象の細胞や組織にとって最適な培養環境を提供することができる。
さらに、本発明に係る培養装置によれば、カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に培地や洗浄液等の液体を確実に供給することができ、培地交換や洗浄といった処理を効率良く行うことができる。したがって、本発明に係る培養装置により、細胞や組織の培養プロセスをより簡易に且つ効率良く行うことができる。
以下、本発明に係る培養装置について、図面を参照して詳細に説明する。図1は自動培養装置の内部の、カートリッジ型閉鎖系培養容器を培養工程の前に滅菌し、さらに漏れ試験を実施する要素部の全体図である。図2は滅菌室内においてカートリッジ型閉鎖系培養容器と継手部が連結している様子を示す分解斜視図である。図3はカートリッジ型閉鎖系培養容器を滅菌する工程において、滅菌ガス或いは清浄空気を導入する際の第1段階と第2段階の様子を示したものである。また、第1段階は漏れ試験を行う際の様子にも相当する。図4は自動培養装置の内部の、培地交換及び培地成分分析を行う流路に関しての全体図である。図5は培地交換及び培地成分分析を行う際の継手部と各流路が連結している様子を示した分解斜視図である。図6はカートリッジ型閉鎖系培養容器が継手部及び各流路と連結した状態を用いて培地交換及び培地成分分析を行う過程を示している。図7は従来法である連続的に培地を交換する方法に関して、グルコース及び乳酸を指標として培地交換の効率と培地成分分析における精度を評価した図である。図8は本発明による段階的に培地を交換する方法に関して、グルコース及び乳酸を指標として培地交換の効率と培地成分分析における精度を評価した図である。図9は、例としてウサギ由来角膜上皮細胞を10日間にわたり培養し、グルコース及び乳酸に関して培地成分分析を行った結果である。図10は、図9と同様のサンプルに対し、10日間の培養を終えて最終的に得られた再生組織である角膜上皮細胞シートの位相差顕微鏡像及び組織学的評価結果を示したものである。図11は、培地成分分析結果を元にした、培養工程を修正する指示内容をフローチャートとして示したものである。図12は、図11のフローチャートに従い指示内容を与える情報端末の画面例を示したものである。図13はカートリッジ型閉鎖系培養容器を事前に滅菌する要素部、培地交換及び培地成分分析を行う要素部を含む、自動培養装置の全体を示した上面図である。
<<第1の実施形態>>
本発明を適用した培養装置であって、カートリッジ型閉鎖系培養容器を培養工程の前に滅菌し、さらに漏れ試験を可能とした培養装置の一例を図1〜3を用いて説明する。図1には培養装置の構成を模式的に示しており、図2には培養装置におけるカートリッジ型閉鎖系培養容器及び継手部の分解斜視図を模式的に示しており、図3には培養装置における滅菌工程を示している。
本発明に係る培養装置は、滅菌室1の内部にカートリッジ型閉鎖系培養容器2が配設されている。本例において、カートリッジ型培養容器は全体が略直方体状を呈しているが、略円筒形状等の如何なる形状であっても良い。カートリッジ型閉鎖系培養容器2において、培養空間である培養槽3は、略円筒形状とされ、円筒形状における上面及び底面が、外部から気体が透過することのできる気体透過膜4及び5により形成されている。気体透過膜4及び5は、カートリッジ型閉鎖系培養容器部材10に対して接着剤等により固着されている。気体透過膜4及び5の素材は、例えばポリカーボネイトやシリコーンポリカーボネイトである。気体透過膜4及び5は、一般的な開放系培養容器に比較すると気体の交換性は下がるものの、培養時においては外部と内部とでここを介して酸素、二酸化炭素の流入、流出がなされる。
本例において培養槽3は、略円筒形状の培養空間を有している。なお、培養空間となる培養槽の形状は略円筒形状に限定されず、略直方体形状等の如何なる形状であってもよい。また、培養槽3には、外部からの気体及び/又は液体の導入及び排出を可能とする流路6及び流路7が配設されている。これら流路6及び7は、互いに対向する位置に形成されており、カートリッジ型閉鎖系培養容器部材10における一端面に連通している。これら流路8及び9は、一方が外部からの気体及び/又は液体の導入に使用され、他方が外部からの気体及び/又は液体の流出に使用される。また、カートリッジ型閉鎖系培養容器は、流路6及び7が外部と連通する位置に培養槽3と外部とを遮断又は連通することができる弁8及び弁9がそれぞれ取り付けられている。弁8及び9には、管状の部材を貫通するための十字の切込みが入れられている。これら弁8及び9はカートリッジ型閉鎖系培養容器部材10に形成された孔11及び12に嵌合し、接着剤等の手段により固着されている。これら弁8及び9の素材は例えばシリコーン樹脂といった粘弾性部材である。なお、孔11及び12の深さと弁8及び9の高さを等しく設計している。よって、弁8及び9を孔11及び12に組み込んだ後、カートリッジ型閉鎖系培養容器部材10における一端面は凹凸のない平面となる。
継手部13は弾性シール14と直方体状の継手部材15とからなる。弾性シール14の素材は、例えばシリコーン樹脂といった粘弾性部材であり、継手部材15の一端面へ接着剤等の手段により固着されている。また、弾性シール14には、カートリッジ型閉鎖系培養容器2の弁8及び9に対向する位置において、リング状の微細突起16及び17が形成されている。カートリッジ型閉鎖系培養容器2と継手部13を連結する際には、弁8及び9とリング状微細突起16及び17との間で特に強く圧着されることになる。また、カートリッジ型閉鎖系培養容器2と継手部13を連結した状態において、弁8及び9とリング状微細突起16及び17による圧着面の位置は、カートリッジ型閉鎖系培養容器部材10の一端面から内部に入り込んだ場所となる。よって、カートリッジ型閉鎖系培養容器部材10の一端面と、弾性シール14のリング状微細突起16及び17を除いた面とは、効率よく強く圧着されることになり、結果として気体や液体の漏れの発生を抑えることが可能となる。
継手部13には、導入管18及び排出管19が貫通する孔が形成されている。導入管18は、一方の端部が導入装置20と接続されている。導入管18の中途部には、ポンプ21が配設されている。導入装置20は、滅菌ガス(例えばエチレンオキシダイトガス、過酸化水素ガス、オゾンガス)、清浄空気(例えばHEPAフィルターに通した、直径0.5μm以上の粒子存在数が3500個/m以下、直径5μm以上の粒子存在数が1個/m未満である清浄空気)、滅菌水(例えば事前にオートクレーブにより滅菌した、イオン交換膜により不純物の除去された清浄な水)を導入することのできる装置である。また、排出管19は、一方の端部が捕集装置22と接続されている。排出管19の中途部には、ポンプ23が配設されている。捕集装置22は、排出管19を介して排出された気体や液体を捕集することができ、特に気体の捕集においてその体積を測定することができる。導入管18及び排出管19は、カートリッジ型閉鎖系培養容器2と継手部13が連結した状態において、それぞれ継手部材15、弾性シール14、カートリッジ型閉鎖系培養容器の弁8及び9を貫通し、先端が流路6及び7にまで到達する。
また、継手部13には、アーム24を介して動作軸25に連結している。ここを基準として継手部13は回転及び垂直方向へ駆動することができる。したがって、カートリッジ型閉鎖系培養容器2と継手部13は連結したり、連結を解除したりすることが可能となる。
なお、本例の培養装置において、培養槽3は単一の空間として構成されているが、例えば開放系培養容器の一種であるセルカルチャーインサートのように、培養槽3を2層構造としてもよい。この場合、例えば角膜上皮細胞や口腔粘膜細胞のように、培養時に栄養分を提供する役割を担うフィーダー細胞と共培養により培養する細胞種において、空間的に分離したまま培養することが可能となる。こういった細胞を対象とする場合は2層構造が好ましく、その際にはもう1つの槽のための流路、弁、導入管、排出管等を準備することが必要となる。
以上のように構成された培養装置において、カートリッジ型閉鎖系培養容器2を滅菌する処理について説明する。なお、図3において斜線部領域は、滅菌ガスが導入されて充満している部分を示している。図3(A)に示すように、先ず、カートリッジ型閉鎖系培養容器2と継手部13とを連結した状態で、導入装置20から導入管18を通って滅菌ガスを培養槽3内に導入する。滅菌ガスは、培養槽3の体積、流路6及び7の体積の合計よりも過剰量(例えば体積比で2倍)を供給する。これにより、カートリッジ型閉鎖系培養容器における培養槽3、流路6及び7内部にほぼ完全に滅菌ガスを充填することができる。また、過剰な滅菌ガスは流路7から排出管23を通過して捕集容器22にて回収される。このように、カートリッジ型閉鎖系培養容器における培養槽3、流路6及び7内部にほぼ完全に滅菌ガスを充填した状態を所定時間維持した後、動作軸25を基準として継手部13をカートリッジ型閉鎖系培養容器2から離間させる。次に、カートリッジ型閉鎖系培養容器2と継手部13とを離間した状態で再び導入装置20から導入管18を通って滅菌ガスを供給することによって、図3(B)に示すように、滅菌室1内に滅菌ガスを充填することができる。すなわち、この工程により、カートリッジ型閉鎖系培養容器2の外部に滅菌ガスを充填することができる。以上の2段階の滅菌ガスの導入によって、培養槽3、流路6及び7の内部並びにカートリッジ型閉鎖系培養容器2の外部であって滅菌室1の内部に滅菌ガスを充填し、所定時間この状態を維持することで滅菌処理が終了する。
次に、滅菌ガスを除去する際には、図3(A)に示したようなカートリッジ型閉鎖系培養容器2と継手部13とを連結した状態にし、導入装置20から導入管18を通って培養槽3内に清浄空気を導入する。そして、図3(B)に示したようなカートリッジ型閉鎖系培養容器2と継手部13とを離間した状態にして同様に清浄空気を導入する。洗浄空気の導入を複数回繰り返すことによって、培養槽3、流路6及び7の内部並びにカートリッジ型閉鎖系培養容器2の外部であって滅菌室1の内部に充填された滅菌ガスを除去することができる。
その後、漏れ試験を行う。漏れ試験では、図3(A)に示したようなカートリッジ型閉鎖系培養容器2と継手部13とを連結した状態にし、滅菌ガスや洗浄空気と同様にして滅菌水を導入する。カートリッジ型閉鎖系培養容器2の内部に滅菌水が満ちた状態で外部への漏れが生じていないか視確認を行う。漏れ試験によりカートリッジ型閉鎖系培養容器の性能に問題がないことが確認された場合、30〜100℃の高温に暖められた清浄空気を導入することで滅菌水を排出管19から排出し、カートリッジ型閉鎖系培養容器2の内外に滅菌水が残留しないよう状態になるまで風乾させる。
以上の工程によって、カートリッジ型閉鎖系培養容器2及び滅菌室1の内部を滅菌処理するとともに培養槽3内からの気体や液体の漏れのない気密性を確認することができるため、培養装置を培養工程に用いることができると判断する。なお、漏れ試験によりカートリッジ型閉鎖系培養容器から漏れが生じて性能に問題があることが判明した場合、問題のあったカートリッジ型閉鎖系培養容器を廃棄し、新しいものを用意し滅菌工程より再度実施し直すことが望ましい。
本培養装置によれば、上述した滅菌処理によって、カートリッジ型閉鎖系培養容器2の外周部や培養槽3の内部に付着すると想定される真菌や細菌といった生物学的汚染の原因となる生物を確実に除去することができる。以上により、閉鎖系構造のため通常用いられる滅菌方法では滅菌ガスが内部まで入りにくいカートリッジ型閉鎖系培養容器に対し、全体を効率的に滅菌できる。
<<第2の実施形態>>
本発明を適用した培養装置であって、培地交換及び培地成分分析を可能とした培養装置の一例を図4〜6を用いて説明する。図4にはカートリッジ型閉鎖系培養容器周辺の構成を模式的に示しており、図5には培養装置における継手部の分解斜視図を模式的に示しており、図6には培養装置における培地交換工程を示している。なお、本例に示す培養装置において、上述した第1の実施形態において説明した培養装置と同じ構成については同じ符号を付すことによって詳細な説明は省略する場合もある。
本例に示す培養装置は、図4及び5に示すように、第1流路30、第2流路31及び第3流路32を有している。第2流路31の先端部は、カートリッジ型閉鎖系培養容器2及び継手部13が連結した状態で流路6の内部に臨んでいる。第1流路30及び第3流路32は、流路切替部33を介して連結され、カートリッジ型閉鎖系培養容器2及び継手部13が連結した状態で流路7の内部に臨んでいる。
第1流路30、第2流路31及び第3流路32の中途部には、それぞれ供給ポンプ34、35及び36が連結されている。これら供給ポンプ34、35及び36は、それぞれ第1流路30、第2流路31及び第3流路32の中を気体や液体をどちらの方向へも流すことができる。また、第1流路30の起端部は、流路切替部37を介して培地タンク38、洗浄液タンク39、清浄空気タンク40及び排液タンク41へ連結している。清浄空気タンク40は外部よりHEPA(high-efficiency particulate air)フィルターを通して外部から通過した清浄な空気を供給できるタンクであり、必要に応じて温度を30〜100℃程度へ熱することができる。また、この清浄空気は直径0.5μm以上の粒子存在数が3500個/m以下、直径5μm以上の粒子存在数が1個/m未満程度の清浄さを有している。一方、第2流路31は、流路切替部42を介して清浄空気タンク43及び排液タンク44へ連結している。清浄空気タンク43は、清浄空気タンク40と同様に、30〜100℃程度へ暖めた清浄な空気を供給することができる。また、第3流路32は、培地成分分析装置45へ連結している。
本例の培養装置においては、継手部材15には、培地交換及び培地成分分析を行う際に継手部13を垂直方向に立てた場合に下側となる位置に流路切替部33が組み込まれている。流路切替部33は入力ポート50、円盤状弁51及び出力ポート52により構成されている。入力ポート50には流路結合部53が2ヶ所にあり、一方は第1流路30、他方は第3流路32と連結している。円盤状弁51には流路選択用流路54が1つだけ形成されている。なお、円盤状弁51は、外部からの遠隔操作により円周方向に回転することが可能である。出力ポート52には、円盤状弁51が回転動作したときの流路選択用流路54の移動領域をカバーする大きさの流路55と、流路55と連結したチューブ状の流路56とが形成されている。チューブ状の流路56は、流路切替部33が継手部13に組み込まれた際に継手部材15及び弾性シール14を貫通する長さを有している。よって、カートリッジ型閉鎖系培養容器2と継手部13が連結している時には、出力ポート52におけるチューブ状流路56の先端部はカートリッジ型閉鎖系培養容器の内部の流路7まで到達する。流路切替部33によれば、円盤状弁51が回転動作することによって、2ヶ所の流路結合部53に結合した第1流路30及び第3流路32のいずれか一方を、流路選択用流路54を介して出力ポート52におけるチューブ状流路56に連結することができる。
したがって、流路切替部33よって第1流路或いは第3流路と、カートリッジ型閉鎖系培養容器2との間で、培地等が流れることを可能とする。なお、継手部材15には、流路切替部33を組み込むための孔57が形成されている。
以上のように構成された本例の培養装置において、培地交換及び培地の成分分析を行う際には、図6に示すように、滅菌工程と同様にカートリッジ型閉鎖系培養容器2と継手部13とを連結した状態でなされる。またその時、カートリッジ型閉鎖系培養容器2及び継手部13は鉛直方向に立てられた状態に固定される。
なお、図6(A)、(B)、(C)及び(D)において、カートリッジ型閉鎖系培養容器2、継手部13及び各流路は同じ位置に静置されている。また図中において矢印の示す方向は、培地等の流れる向きを示している。まず図6(A)に示すように、培地交換及び培地成分分析において、古い培地の回収として、カートリッジ型閉鎖系培養容器2の培養槽3内部へ第2流路31より清浄空気を送気しつつ、第3流路32から古い培地を全て吸引する。この古い培地は培地分析装置45にて回収され、培地成分分析が培地成分分析装置45にて行われる。続いて図6(B)に示すように、カートリッジ型閉鎖系培養容器2内の洗浄工程として、カートリッジ型閉鎖系培養容器2の内部へ第1流路30より洗浄液を送液しつつ、第2流路31より清浄空気を吸気し、カートリッジ型閉鎖系培養容器2内(すなわち、培養槽3、流路6及び7)に洗浄液が満ちるまで継続する。その後、図6(C)に示すように、カートリッジ型閉鎖系培養容器2の内部へ第2流路31より清浄空気を送気しつつ第1流路30から洗浄液を全て回収し排液タンクへ送液する。図6(B)及び(C)から成る洗浄過程は、必要に応じて複数回繰り返すことが好ましい。最後に図6(D)に示すように、カートリッジ型閉鎖系培養容器2へ新しい培地を供給する工程として、カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養槽3の内部へ第1流路30より新しい培地を送液しつつ第2流路31より清浄空気を吸気し、カートリッジ型閉鎖系培養容器2の培養槽3内に新しい培地を満ちるまで継続する。新しい培地が満たされたカートリッジ型閉鎖系培養容器2は、培養室にて静置し細胞を培養するため、カートリッジ型閉鎖系培養容器2を水平方向へ戻して継手部13より取り外し、培養を行う培養部へ運びそのまま静置して細胞の培養を行う。その間、培地交換及び培地成分分析に用いた流路の洗浄として、第1流路30と第2流路31を別に用意した洗浄用流路で直接連結し(図示しない)、第1流路30より洗浄液を送液しつつ第2流路31より清浄空気を吸気し、続いて第1流路30より30〜100℃に暖めた清浄空気を送気して洗浄液等を排出して内部を風乾する。同様に第2流路31と第3流路32を洗浄用流路で直接連結し(図示しない)、第3流路32より洗浄液を送液しつつ第2流路31より清浄空気を吸気し、続いて第3流路32より30〜100℃に暖めた清浄空気を送気して洗浄液等を排出して内部を風乾する。
以上で説明した本例の培養装置は、古い培地の除去と新たな培地の供給とを非連続で行うことができるため、回収した古い培地を用いて培地成分分析を行う際に、新たな培地の影響を受けずより正確な値を測定することができる。一方、従来技術のように、閉鎖系培養容器において培地交換と同時に培地成分分析を目的とし、新しい培地と古い培地を連続的に置き換えると、古い培地は新しい培地と混じった状態で培養容器の外部へ排出流路から排出される。この場合、排出流路から回収した液体を用いて培地成分分析を行ったとしても、新しい培地が混入しているため古い培地のみが有する本来の濃度とは異なる濃度を測定することとなる。さらにその濃度は培地交換における新しい培地注入が進行するにつれて変化する。これは培地成分分析による解析精度が下がることを意味する。
また、本例の培養装置は、古い培地のほぼ全量を培地成分分析に用いることができる。したがって、本例の培養装置においては、培地成分分析装置45において様々な種類の培地成分に対して分析することができるため、例えば再生医療のための再生組織の製造を目的とした細胞又は組織培養に特に好ましいと言える。
図7は、古い培地の回収と新たな培地の供給とを非連続で行う方法の比較対照として、連続的に培地交換を行う従来法に関して、グルコース及び乳酸の濃度を指標として培地交換の効率と培地成分分析による精度を評価した図である。実験に用いたカートリッジ型閉鎖系培養容器の内容積は2mLである。カートリッジ型閉鎖系培養容器の内部にはあらかじめ溶液A(乳酸30mM、グルコース0mM)を満たしておく。カートリッジ型閉鎖系培養容器に連結した導入流路より、連続的な培地交換として、溶液B(乳酸0mM、グルコース25mM)を連続的に注入し、カートリッジ型閉鎖系培養容器の反対側に連結した排出流路より排出される液体を0.5mL単位で回収した。溶液Bは合計4mL注入した。その後、回収した全てのフラクションに対して培地成分分析を行い、グルコース及び乳酸の濃度を測定した。この実験はカートリッジ型閉鎖系培養容器による自動培養装置による培地交換の工程を模擬しており、溶液Aは古い培地、溶液Bは新しい培地を想定している。乳酸はそれぞれ溶液Aには30mM、溶液Bには0mMの濃度で含まれているため、培地交換により乳酸の濃度が0mMになった時、乳酸を指標としてカートリッジ型閉鎖系培養容器の中の液体は全て溶液Bに置き換わったとすることができる。同様に、グルコースはそれぞれ溶液Aには0mM、溶液Bには25mMの濃度で含まれているため、培地交換によりグルコースの濃度が25mMになった時、グルコースを指標としてカートリッジ型閉鎖系培養容器の中の液体は全て溶液Bに置き換わったとすることができる。乳酸については溶液A、グルコースについては溶液Bに含まれる濃度をコントロールとしてそれぞれ基準とし、各フラクションに含まれる量を相対濃度として算出してグラフ化した。尚、グラフのx軸の数字は、回収された液体の総量を示している。例えばx=2.0にプロットされた点の場合、排出管より1.5mLまで回収し終えた後に排出された0.5mL分のフラクションを解析した結果を示している。グラフより、最初に排出管より回収された0mLから0.5mLまでのフラクションにおいては、溶液Aの乳酸の濃度からのずれは1.9%とずれは小さかったが、1.5mLから2.0mLまでに回収したフラクションについては75.7%もの大きなずれが生じていた。グルコースを指標とした場合、1.5mLから2.0mLまでに回収したフラクションについては79.3%のずれが生じていた。以上より、連続的に培地交換を行う従来法では、排出管から回収される液体が、古い培地を想定した溶液Aの本来有している濃度とは75%以上のずれが生じており、培地成分分析を行う場合の精度は低下していることが分かった。またグラフより、2.5mLから3.0mLまでに回収したフラクションについて、溶液Aのみに含まれている乳酸は5.7%が残存し、また、溶液Bのみに含まれているグルコースについては4.3%のずれが生じていた。乳酸は、3.0mLから3.5mLまでに回収したフラクションにおいても、1.8%が残存していた。以上より、連続的に培地交換を行う従来法では、内容積の1.5倍以上の体積を導入管より注入しても、古い培地を想定した溶液Aは残存し、かつ溶液Bには完全に置き換わってはいなく、培地交換としての効率は低下していることが分かった。
一方、図8は本発明による、古い培地の回収と新たな培地の供給とを非連続(段階的)で行う方法に関して、図7と同様にグルコース及び乳酸の濃度を指標として、培地交換の効率と培地成分分析による精度を評価した図である。図7に示した実験同様、用いたカートリッジ型閉鎖系培養容器の内容積は2mLである。カートリッジ型閉鎖系培養容器の内部にはあらかじめ溶液A(乳酸30mM、グルコース0mM)を満たしておく。カートリッジ型閉鎖系培養容器に連結した導入流路より、連続的な培地交換として、最初に内部の液体を全て回収した。続いて洗浄液(乳酸0mM、グルコース0mM)を注入してカートリッジ型閉鎖系培養容器を満たし、その後内部の液体を全て回収した。この操作を再度繰り返した。続いて溶液B(乳酸0mM、グルコース25mM)を注入してカートリッジ型閉鎖系培養容器を満たし、その後内部の液体を全て回収した。以上のように得られたそれぞれのフラクションに対し、培地成分分析を行った。図7に示した実験と同様に乳酸については溶液A、グルコースについては溶液Bに含まれる濃度をそれぞれコントロールとして基準とし、各フラクションに含まれる量を相対濃度として算出し、それをグラフ化した。x軸に関しても同様である。グラフより、最初に回収された0mLから2.0mLまでのフラクションは溶液Aの乳酸の濃度からのずれが1.5%とずれは小さかった。グルコースに関しては0.0%であった。以上より、本発明による段階的に培地交換を行う方法では、排出管から回収される液体は、古い培地を想定した溶液Aの本来有している濃度と数%程度のずれしか生じておらず、さらに回収できた量は2.0mLであった。前述の図7で示したように連続的に培地を交換する方法では、0mLから0.5mLまでのフラクションのみ溶液Aが本来有する濃度との差異は大きくなかったという結果と比較すると、本方法では4倍にあたる2.0mLのフラクションが精度よく回収できている。回収できる量が多ければ培地成分分析において複数回の解析を行ったりグルコースや乳酸以外の培地成分に関してさらに解析を行ったりすることができ、結果として精度よく培地成分分析を行うことができる。また、2回の洗浄が終わった後の最後に回収した6.0mLから8.0mLまでのフラクションについては、溶液Bの持つ濃度からのずれはグルコースに関しては2.4%、乳酸に関しては0.0%であった。以上より、段階的に培地交換を行う方法では古い培地を想定した溶液Aはほとんど残存していなく、溶液Bにはほぼ完全に置き換わっていた。即ち、培地交換としての効率は向上していた。
また、本例の培養装置を実際に使用し、ウサギ由来角膜上皮細胞を1.0×10cells/cmの密度で播種し10日間にわたり培養して評価を行った結果を図9及び10に示した。図9は、培養工程中に1日毎に培地成分分析としてグルコース及び乳酸の濃度を測定した結果をグラフにしたものである。図10は、図9のサンプルにおいて、培養が終了した10日目の細胞の位相差顕微鏡像とHE染色による組織学的評価結果を示した写真である。図9及び10に示した実験において、サンプルAは、最終的に良好な再生組織が得られたものである。サンプルBは、最終的に良好な再生組織が得られなかったものである。サンプルAは培養日数の増加に伴いグルコースの量は減っており、つまり培養日数が増えるにつれて全体としての代謝量が増え、グルコースの消費量は増加した。またサンプルAの乳酸の量は増えており、グルコース同様、培養日数が増えるにつれて全体としての代謝量が増え、乳酸の産出量は増加した。また、サンプルAについては、図10に示したように、最終的に得られた再生組織の位相差顕微鏡像から細胞は十分に密集した状態になるまで増殖しており、組織学的評価結果によれば組織は3層程度にまで重層化していることがわかる。一方、サンプルBについてはサンプルAに比べると、グルコース、乳酸の量は共にあまり減らなかった。また図10に示したように、サンプルBについては最終的に得られた再生組織の位相差顕微鏡像から細胞は十分に密集した状態になるまで増殖しておらず、組織学的評価結果により組織は0〜1層程度であった。サンプルAは最終的に良好な再生組織が得られたデータとしてのモデルである。一方、サンプルBは最終的に良好な再生組織が得られなかったデータとしてのモデルである。図9において、点線部は培養8日目を示している。サンプルBはこの時点において、最終的に良好な再生組織が得られたサンプルAのデータと比較すると、グルコースの消費量は少なく、乳酸の産出量も少なかった。実際に図10が示すように、培養が終了した時点においてサンプルBの細胞密度は小さく、また得られた再生組織の厚さは薄く、良好な再生組織は得られなかった。以上の結果から、本例の培養装置を使用して細胞培養することにより、培養工程の途中の時点において培地成分分析を高精度に行うことができ、その結果を最終的に良好な再生組織が得られたデータと比較することにより、培養途中のサンプルが最終的に良好な再生組織として得られるか判定が可能であることが証明された。
ところで、以上のように本例の培養装置においては培地成分分析を非常に正確に行うことができ、培養中の細胞や組織の状態を分析結果に基づいて判定できることが明らかになったため、第3流路32より回収した古い培地を培地成分分析装置45にて分析した結果を用い、培養プロトコルの修正を行うための指示を製造従事者に出力することができる。この処理フローを図11に示し、当該処理フローに従って出力される培養プロトコルの修正を行うための指示についてのサンプル画面を図12に示す。
処理を行う成分分析装置45は、第3流路32で回収した古い培地についてグルコース及び乳酸の量を測定する。成分分析装置45はその測定結果と、過去に良好な再生組織が最終的に得られたデータを比較する。グルコースの消費量或いは乳酸の産出量が明らかに少ない場合、細胞の代謝が低く、また細胞の増殖数が少ないと考えられる。よって細胞の生育状況がより良くなるようにするため、成長因子(例えばEGF、インシュリン、サイトカイン、BMP、TGF−β、IGF、PDGF、VEGF、HGF)の添加、高濃度血清を含む培地への交換(例えば通常培地が血清濃度を5%としているならば、血清濃度を10%にした培地への交換)、培地交換頻度の増加(例えば通常は2日に1回交換していたのを1日に2回交換する)といった培養プロトコルの修正の指示を製造従事者に出す。過去に良好な再生組織が最終的に得られたデータと比較し、グルコースの消費量或いは乳酸の産出量が明らかに多い場合、細胞の代謝が活発で、細胞の増殖数が多いと考えられる。再生医療治療を施す予定の患者への手術を行う日付を変更することができる場合は、再生組織として回収する日時を早め、さらに再生医療治療を施す予定の患者への手術を行う日付を変更する指示を製造従事者に出す。また、再生医療治療を施す予定の患者への手術を行う日付を変更することができない場合、細胞の代謝を抑え細胞の増殖速度が低下するようにするため、成長因子の含量が通常培地よりも少ない、或いは除去した培地への交換、低濃度血清を含む培地への交換(例えば通常培地が血清濃度を5%としているならば、血清1%の培地への交換)、培地交換頻度の低下(例えば通常は2日に1回交換していたのを3日に1回交換する)といった培養プロトコルの修正の指示を製造従事者に出す。過去に良好な再生組織が最終的に得られたデータと比較し、グルコースの消費量及び乳酸の産出量が同程度である場合、培養プロトコルは変更せずにそのままの条件で培養を継続する指示を製造従事者に出す。得られた指示に従い、培地組成の変更といった培養プロトコルの修正を製造従事者は行う。
具体的に図12に示すサンプル画面は図9に示した実験において、培養8日目に行った培地成分分析の結果としてグルコース及び乳酸の測定結果が得られた時のものとしている。サンプル画面の上段には、この事例において8日目までに得られたグルコース及び乳酸の経時変化の値がグラフ上に培養中データの名称で示されている。8日目のデータは最新のデータであるためグラフ上で強調されている。さらに、過去に培養し最終的に良好な再生組織が得られた際の全データが、比較対照のため同じグラフ上に参考データの名称で示されている。グラフの下部には、培養8日目のデータに関し、過去に培養し最終的に良好な再生組織が得られた際の同じ培養日数の時のデータに対する、この事例における測定結果の相対値が示されている。サンプル画面の下段には、過去に培養し最終的に良好な再生組織が得られた際のデータと比較した結果を踏まえ、製造従事者へ培養プロトコルを修正するための指示内容が示されている。製造従事者は測定により得られたデータと指示された内容を参考にして、必要に応じて培養プロトコルの修正を実施する。
以上のように、本例の培養装置によれば、同じように細胞を精製、播種し培養しても細胞ソースの質の違いを原因として、細胞の増殖傾向や分化の度合い等の細胞の生育状態は様々に異なるような場合でも適切な培養条件を設定することができ非常に高品質な細胞や組織を製造することができる。例えば、角膜上皮細胞を角膜輪部より採取、培養し、再生組織として角膜上皮細胞シートを製造する場合、細胞ソースとして採取した角膜上皮細胞に含有される角膜上皮幹細胞の割合、細胞生存率、細胞数といった項目において採取した細胞ソースに差異が生じる。細胞ソースの状態を評価する様々な項目に対して全てを同じ条件にして播種することは非常に困難である。一部の項目に関し同じ条件にしても培養工程中に徐々に差異が生じ、最終的に得られる再生組織の質には違いが生じる。本例の培養装置によれば、培養工程中に細胞の状態を逐次把握することができ、最終的にどういった再生組織が得られるか予測を行いつつある時点における細胞に対して適切な培養プロトコルに修正を施すことができるため、最終的に良好で均一な再生組織が得られることとなる。
なお、成分分析装置45としては、培地に含まれるグルコース及び乳酸の量を測定するものに限定されず、グルタミン酸やアンモニアの量を測定するものであっても良い。また、本例の培養装置は、成分分析のみならず細胞数、溶存酸素濃度、溶存二酸化炭素濃度等を測定する分析装置を適用しても良い。
<<第3の実施形態>>
上述した第1の実施形態及び第2の実施形態を合わせて、本発明を適用した自動培養装置の全体の概略構成を図13に示す。自動培養装置は外部からカートリッジ型閉鎖系培養容器2を投入するための培養容器投入部60、カートリッジ型閉鎖系培養容器2を滅菌するための滅菌室1、培地交換を行うための培地交換室61、細胞培養を行うための培養室62を有している。
滅菌室1は外部にある導入装置20、捕集装置22と連結しており、外部から投入されたカートリッジ型閉鎖系培養容器2は培養工程に用いる前に滅菌及び漏れ試験が実施される(第1の実施形態を参照)。その後、細胞は細胞投入部63より培地の中で単一状態になった細胞懸濁液として投入される。細胞懸濁液を扱うためのピペットマニュピレータ64が装置内に配されており、チップ保管部65にて外部から投入され保管されているチップを先端に取り付けた状態で、細胞懸濁液を細胞投入部63から吸引する。一方、滅菌工程を終えた後のカートリッジ型閉鎖系培養容器2は、ハンドリングマニュピレータ66により培地交換室61へ運ばれる。ここで、事前にピペットマニュピレータ64により回収された細胞懸濁液はカートリッジ型閉鎖系培養容器2の内部へ播種され、その後、培養室62へ運ばれる。培養室62にはターンテーブル67があり、この上にはカートリッジ型閉鎖系培養容器2が培養時に静置されるベース68がある。本実施例においてベースは3個あり、1回の培養で同時に3枚のカートリッジ型閉鎖系培養容2を培養することが可能である。また培養室62全体は培養に適した環境(例えば温度37℃、湿度99.9%)に維持されている。培地交換が必要な時には培養室62へハンドリングマニュピレータ66により運ばれ、培地交換及び培地成分分析が同時になされる(第2の実施形態を参照)。培地交換に必要な培地タンク38、洗浄液タンク39、清浄空気タンク40及び排液タンク41並びに、培地成分分析に必要な培地成分分析装置45は自動培養装置の外部に配置されている。
本発明の一実施例を示すもので、カートリッジ型閉鎖系培養容器を滅菌する操作を行う要素部の全体構成図。 本発明の一実施例を示すもので、カートリッジ型閉鎖系培養容器を滅菌する操作を行う要素部において、カートリッジ型閉鎖系培養容器と継手部に関する分解斜視図。 本発明の一実施例を示すもので、カートリッジ型閉鎖系培養容器を滅菌し漏れ試験を行う工程において、滅菌ガス、清浄空気或いは滅菌水を導入する際の第1段階と第2段階の様子を示した図。 本発明の一実施例を示すもので、自動培養装置の内部の、培地交換及び培地成分分析を行う流路に関しての全体図。 本発明の一実施例を示すもので、培地交換及び培地成分分析を行う際に継手部と各流路が連結している様子を示す分解斜視図。 本発明の一実施例を示すもので、カートリッジ型閉鎖系培養容器が継手部及び各流路と連結した状態において、培地交換及び培地成分分析の過程を示した図。 本発明の一実施例を示すもので、カートリッジ型閉鎖系培養容器に対し連続的に培地を交換した際に回収した溶液のグルコース及び乳酸の含有率を評価した図。 本発明の一実施例を示すもので、カートリッジ型閉鎖系培養容器に対し段階的に培地を交換した際に回収した溶液のグルコース及び乳酸の含有率を評価した図。 本発明の一実施例を示すもので、培養が終了した角膜上皮細胞に対し、グルコース及び乳酸の経時的な含有量の変化を評価した図。 本発明の一実施例を示すもので、培養が終了した角膜上皮細胞に対し、最終的に得られた再生組織の位相差顕微鏡像と、組織学的評価結果を示した図。 本発明の一実施例を示すもので、培養工程中に細胞の生育状況を評価し、その評価結果に基づき培養プロトコルを修正するためのフローチャートを示した図。 本発明の一実施例を示すもので、培養プロトコルを修正するためのフローチャートに従い指示内容を製造従事者へ与える情報端末の画面例を示した図。 本発明の一実施例を示すもので、カートリッジ型閉鎖系培養容器を用いた自動培養装置の全体を示した上面図。
符号の説明
1・・・滅菌室、2・・・カートリッジ型閉鎖系培養容器、3・・・培養槽、4及び5・・・気体透過膜、6及び7・・・流路、8及び9・・・弁、10・・・カートリッジ型閉鎖系培養容器部材、13・・・継手部、14・・・弾性シール、15・・・継手部材、16及び17・・・リング状微細突起、18・・・導入管、19・・・排出管、25・・・動作軸、30・・・第1流路、31・・・第2流路、32・・・第3流路、33・・・流路切替部、50・・・入力ポート、51・・・円盤状弁、52・・・出力ポート、53・・・流路結合部、54・・・流路選択用流路、30・・・培養容器投入部、61・・・培地交換室、62・・・培養室、63・・・細胞投入部、64・・・ピペットマニュピレータ、65・・・チップ保管部、66・・・ハンドリングマニュピレータ、67・・・ターンテーブル、68・・・ベース

Claims (12)

  1. 内部に培養空間を有するカートリッジ型閉鎖系培養容器を収納できる滅菌室と、
    上記滅菌室内に配設され、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器に圧着した状態で連結できる継手部と、
    上記カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に供給するための気体及び/又は液体の導入装置に一方端部が連結し、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部とを連結又は離間させることで他方端部が上記カートリッジ型閉鎖系培養容器の内部に対して挿入又は離間する導入管と、
    上記カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に供給された気体及び/又は液体を捕集する捕集装置に一方端部が連結し、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部とを連結又は離間させることで他方端部が上記カートリッジ型閉鎖系培養容器の内部に対して挿入又は離間する排出管と
    上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部との連結又は離間動作を制御し、上記導入装置による少なくとも滅菌ガスの放出動作を制御し、上記捕集装置による上記滅菌ガスの捕集動作を制御する制御手段とを備え、
    上記制御手段は、
    上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部とを連結させ、連結させた状態で、上記導入装置から上記導入管を介して上記培養空間に上記滅菌ガスを放出させ、上記培養空間に対して過剰に放出された上記滅菌ガスを上記排出管を介して上記捕集装置により捕集するよう制御し、
    上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部とを離間させ、離間させた状態で、上記導入装置から上記導入管を介して上記滅菌室に上記滅菌ガスを放出させるよう制御することを特徴とする培養装置。
  2. 上記継手部は、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と圧着できることを特徴とする請求項1記載の培養装置。
  3. 上記導入装置は、上記導入管を介して滅菌ガス、清浄空気及び滅菌水を個別に供給するものであることを特徴とする請求項1記載の培養装置。
  4. 上記継手部と上記カートリッジ型閉鎖系培養容器とを接離可能に駆動する駆動装置を更に備えることを特徴とする請求項1記載の培養装置。
  5. 上記制御手段は、上記滅菌室の体積、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器における培養空間の体積及び上記導入管並びに上記排出管における管内の体積に基づいて上記導入装置からの気体及び/又は液体の供給量を制御することを特徴とする請求項1記載の培養装置。
  6. 上記捕集装置は、捕集した気体及び/又は液体の体積を測定し、測定値を上記制御手段に出力し、
    上記制御手段は、上記滅菌室の体積、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器における培養空間の体積及び上記導入管並びに上記排出管における管内の体積に加えて、上記捕集装置にて捕集した気体及び/又は液体の体積値を用いて上記導入装置からの気体及び/又は液体の供給量を制御することを特徴とする請求項5記載の培養装置。
  7. 上記カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に供給する洗浄空気の温度を制御する温度制御装置を更に備えることを特徴とする請求項3記載の培養装置。
  8. 上記滅菌室の体積よりも多い体積の上記滅菌ガスが、上記滅菌室に対して放出されることを特徴とする請求項1記載の培養装置。
  9. 内部に培養空間を有するカートリッジ型閉鎖系培養容器に圧着した状態で連結できる継手部と、
    上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部とが連結した状態で、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器における一方の端部近傍に連結することができ、当該カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に対する気体及び/又は液体の供給又は排出の流路となる第1流路と、
    上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部とが連結した状態で、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器における他方の端部近傍に連結することができ、当該カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に対する気体及び/又は液体の供給又は排出の流路となる第2流路と、
    上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部との連結又は離間動作を制御するとともに、上記継手部を上記第1流路及び上記第2流路を結ぶ方向が略水平方向から略鉛直方向まで駆動制御し、上記第1流路及び上記第2流路を介した気体及び/又は液体の供給又は排出動作を制御する制御手段とを備え、
    上記制御手段は、
    上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部とを連結させ、連結させた状態で、上記第1流路又は上記第2流路を介して上記培養空間に滅菌ガスを放出させ、上記培養空間に対して過剰に放出された上記滅菌ガスを上記第1流路又は上記第2流路を介して排出するよう制御し、
    上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部とを離間させ、離間させた状態で、上記第1流路又は上記第2流路を介して上記滅菌ガスを放出させるよう制御し、
    上記制御手段は、
    上記カートリッジ型閉鎖系培養容器と上記継手部とを連結させ、連結させた状態で、上記継手部を上記第1流路及び上記第2流路を結ぶ方向が略鉛直方向であり、上記第1流路が下方となる第1の位置とし、第1の位置で上記第1流路から洗浄液又は培養液を上記カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間内に供給するとともに、上記カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間内に充填された洗浄液又は培養液を第1流路から排出することができる培養装置。
  10. 上記カートリッジ型閉鎖系培養容器における上記第1流路が連結する位置近傍に連結することができ、当該カートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間に対する気体及び/又は液体の供給又は排出の流路となる第3流路と、
    上記第3の流路に接続され、培養液中の成分を分析できる培地成分分析装置と、
    上記第1流路及び第3流路のいずれか一方をカートリッジ型閉鎖系培養容器の培養空間へと連通させる切替手段とを更に備えることを特徴とする請求項記載の培養装置。
  11. 上記継手部と上記カートリッジ型閉鎖系培養容器とが離間した状態で、上記第1流路及び上記第2流路を連結する洗浄用流路を更に備え、
    上記第1流路及び上記第2流路を上記洗浄用流路で連結した状態で洗浄液及び洗浄空気を供給することを特徴とする請求項記載の培養装置。
  12. 上記培養空間の体積よりも多い体積の上記滅菌ガスが、上記培養空間に対して放出されることを特徴とする請求項1又は9記載の培養装置。
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