JPWO2013105573A1 - ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

ディスク装置(10)は、ターンテーブル(57)、ヘッド部(53)、支持ベース(54)、装置本体(12)、ダンパ部材(32)および動吸振器(81)を備える。ターンテーブル(57)は、ディスク(11)を保持して回転軸を中心として回転させる。ヘッド部(53)は、ターンテーブル(57)により回転する前記ディスク(11)に対して情報の読み取りを行う。支持ベース(54)には、ヘッド部(53)およびターンテーブル(57)が取り付けられている。装置本体(12)には、支持ベース(54)が取り付けられている。ダンパ部材(32)は、支持ベース(54)と装置本体(12)との間に設けられている。動吸振器は、支持ベース(54)に取り付けられる弾性部材(72)および弾性部材(72)を介して支持ベース(54)に支持される補助質量(74)を有する。弾性部材(72)は、ディスク(11)の回転軸方向に直交する方向よりも当該回転軸の方向に変形しやすい。

Description

この発明は、ディスクに対して情報の記録、再生またはその両方を行うディスク装置に関し、特に、光ピックアップに伝達される振動を抑制する防振機構を備えたものに関する。
ディスク状の記録媒体(以下、単にディスクと称する。)を用いたディスク装置では、外部から光ピックアップに伝達される振動や衝撃を抑制するため、光ピックアップを含むユニット(例えば再生部ユニット)を搭載した支持ベースを、ダンパ部材によって支持している。
近年のディスク装置では、ディスクの大容量化に伴い、ディスクの回転数が増加する傾向にある。ディスクが高速回転すると、ディスクの偏重心によって、ディスクの回転軸方向と直交する方向に振動が発生する。このような振動(内部振動)は、支持ベースから光ピックアップに伝達されるため、光ピックアップの対物レンズにより収束される光ビームのトラッキングサーボ特性に影響し、信号(デジタル情報)の読み込みエラーや書込みエラーの原因となる。
また、車載用ディスク装置やノートPC(パーソナルコンピュータ)用ディスク装置などのモバイル用途で使用されるディスク装置は、外部からの振動を受けやすい状況で使用されることが多い。外部振動が支持ベースを介して光ピックアップに伝達されると、信号の読み込みエラーや書込みエラーの原因となる。なお、「ノートPC」とは、基本的に、持ち運びができることを前提としたPCである。ノートPCは、小型軽量を志向し、コンピュータ本体に液晶画面やキーボード、バッテリーなどを搭載した薄型のコンピュータである。B5判からA4判に相当するサイズのものが一般的である。
そこで、支持ベースをシリコーンゴムで作製されたダンパで支持すると共に、支持ベースの下面にバランス板部を取り付け、ダイナミックダンパを構成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−355670号公報(段落0002、0016、図4、図5)
しかしながら、従来の防振機構では、偏重心ディスクの回転に起因する内部振動を低減することはできるが、外部振動に対して支持ベースが大きく振動しやすい。特に低い周波数の振動に対して支持ベースが大きく振動しやすい。そのため、ディスク装置内部での支部ベースの移動範囲を大きく確保する必要があり、ディスク装置の小型化の妨げとなるという問題がある。ここで、「偏重心ディスク」とは、重心がディスクの中心からずれているディスクのことである。
この発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、装置の小型化を実現しつつ、外部振動および内部振動を抑制することができるディスク装置を提供することを目的とする。
この発明に係るディスク装置は、ディスクを保持して回転軸を中心として回転させるターンテーブルと、回転するディスクに対して情報の読み取りを行うヘッド部と、ヘッド部およびターンテーブルが取り付けられた支持ベースと、支持ベースが取り付けられた装置本体と、支持ベースと装置本体との間に設けられたダンパ部材と、支持ベースに取り付けられる弾性部材および弾性部材を介して支持ベースに支持される補助質量を有する動吸振器とを備える。弾性部材は、ディスクの回転軸方向に直交する方向よりも当該回転軸の方向に変形しやすいことを特徴とする。
この発明によれば、ディスク装置の大型化を抑えながら外部振動および内部振動を低減することができる。
本発明の実施の形態1のディスク装置を上方から見た斜視図である。 本発明の実施の形態1のディスク装置の再生部ユニットを上方から見た斜視図である。 本発明の実施の形態1の再生部ユニットを下方から見た斜視図である。 本発明の実施の形態1の再生部ユニットを、クランプ機構を取り除いて示す斜視図である。 本発明の実施の形態1のディスク装置のクランプ機構を示す断面図である。 本発明の実施の形態1の再生部ユニットを、クランプ機構を取り除いて示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態1の動吸振器ユニットの構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態1の動吸振器ユニットをZ方向に加振したときの錘の周波数応答特性を示す図である。 本発明の実施の形態1の再生部ユニットのZ方向周波数応答特性を示す図である。 本発明の実施の形態1の再生部ユニットのXY方向周波数応答特性を示す図である。 ディスクが共振により面外方向(Z方向)に変形する挙動を示す断面図である。 本発明の実施の形態1のディスクの回転有無による周波数応答特性を示す図である。 本発明の実施の形態1のディスク装置のZ方向加振に対する周波数応答特性を示す図である。 本発明の実施の形態1の動吸振器ユニットの他の構成例を示す側面図である。 本発明の実施の形態1の動吸振器ユニットの変形例1を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態1の動吸振器ユニットの変形例2を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1の動吸振器ユニットの変形例3を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1の動吸振器ユニットの変形例4を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態1の動吸振器ユニットの変形例4を示す斜視図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るディスク装置10を上方から見た斜視図である。図2は、ディスク装置10の再生部ユニット20を上方から見た斜視図である。図3は、再生部ユニット20を下方から見た斜視図である。図4は、再生部ユニット20を、クランプ機構を取り除いて示す斜視図である。図5は、ディスク装置10のクランプ機構を示す断面図である。図6(A)は、再生部ユニット20を、クランプ機構を取り除いて示す分解斜視図である。図6(B)は、ダンパ32で支持ベース54を固定する構成を示す断面図である。
図1に示すディスク装置10は、筺体(装置本体)12と、この筺体12の内部に収容された再生部ユニット20(図2)とを有している。再生部ユニット20は、支持ベース54、クランパ51、回路基板52、円盤型モータ52a、クランプ板58およびダンパ32を有する。また、再生部ユニット20は、光ピックアップを有するヘッド部53(図3)を有している。ヘッド部53は、ここでは、光ピックアップを用いて、ディスク11に記憶された情報を読み出す読み取りヘッドである。但し、ヘッド部53は、ディスク11に情報を書き込むものであっても良い。また、ヘッド部53は、書き込みと読み出しの両方を行うものであってもよい。
ディスク11は、CD(Compact Disc)(登録商標)、DVD(Digital Versatile Disc)(登録商標)またはBD(Blu−Ray Disc)(登録商標)を用いるが、他の種類のディスクを用いてもよい。
図3に示すように、再生部ユニット20は、支持ベース54を有している。支持ベース54は、略板状の部材である。「略板状の部材」とは、例えば板金の加工品のように金属板を曲げる加工や切断する加工などを施した部品を意味する。支持ベース54は、複数のダンパ32(ダンパ部材)により保持されている。実施の形態1では、ダンパ32は3個である。しかし、ダンパ32は3個に限られない。3個以上であっても構わない。ダンパ32の詳細については、後述する。
支持ベース54は、図4に示すようにターンテーブル57を有している。ターンテーブル57は、ディスク11をディスク11の中心で保持して回転する。ターンテーブル57は、円盤型モータ52aの回転軸に取り付けられている。ターンテーブル57は、円盤型モータ52aと同じ位相で回転する。円盤型モータ52aは、回路基板52に取り付けられている。回路基板52は、支持ベース54にネジ止めされている。なお、円盤型モータの代わりに、他のモータを用いてもよい。
上記のヘッド部53は、光ピックアップ53aを搭載している。ヘッド部53は、ディスク11の記録面に沿って移動可能に設けられている。ヘッド部53を案内するため、支持ベース54の基端部からターンテーブル57の近傍にかけて、送りねじ61が配設されている。支持ベース54の基端部とは、後述する回転軸R側の端部である。また、送りねじ61と平行に、ガイド軸62が並設されている。ここで、「配設」とは、所定の位置に設けることである。また、「並設」とは、並べて設けることである。
ヘッド部53は、ナット部53bと、被案内部53cとを有している。ナット部53bは、送りねじ61に、ねじ形状により取り付けられる。「ねじ形状により取り付けられる」とは、ねじの作用を用いて取り付けられることである。送りねじ61は、ナット部53bに対して回転できるように、ナット部53bに緩く嵌まっている。送りねじ61の回転により、ナット部53bが送りねじ61の軸方向に移動する。被案内部53cは、ガイド軸62に案内されて移動する。送りねじ61が後述するモータ64により回転すると、送りねじ61の軸方向にナット部53bが移動する。これにより、ヘッド部53はガイド軸62に沿って移動する。すなわち、ヘッド部53はディスク11の記録面に沿ってディスク11の半径方向に移動する。
以下では、構成の説明を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸の座標を用いて説明する。ディスク11の回転軸の方向を、Z方向とする。Z方向に直交する面(XY面)において、ヘッド部53の移動方向を、Y方向とする。これらY方向およびZ方向の両方に直交する方向を、X方向とする。また、Z方向に沿って、ヘッド部53からディスク11に向かう方向を+Z方向とし、その反対方向を−Z方向とする。なお、ディスク11の+Z方向の面(上面)はレーベル面であり、−Z方向の面(下面)は記録面である。「レーベル面」とは、記録面の反対側の面で、ディスクに記録された内容を示す表題等を記載する面である。
支持ベース54には、モータ支持部材63が取り付けられている。モータ支持部材63には、モータ64とギア列65とが設けられている。モータ64は、上記の送りねじ61を回転させる駆動源である。ギア列65は、モータ64の駆動力を送りねじ61に伝達する。また、ギア列65の抜け止めとして、カバー66が支持部材63に取り付けられている。
支持ベース54において、ヘッド部53のY方向の移動範囲に対応する部分には、情報読み取り窓54dが形成されている。情報読み取り窓54dは、支持ベース54に設けられた開口部である。また、支持ベース54の両側には、+Z方向(上方)に折り曲げられた折り曲げ片54cが形成されている。各折り曲げ片54cの基部(ターンテーブル57側と反対側の端部)には、次に説明するクランプ板58を回動可能に支持するための支持孔54eが形成されている。
図2に示すように、支持ベース54の上方(+Z方向)には、クランプ板58が設けられている。クランプ板58はクランパアームとも称する。クランプ板58は、その幅方向の両側に、−Z方向(下方)に折り曲げられた一対の折り曲げ片58bを有している。各折り曲げ片58bには、支持ベース54の支持孔54eに係合する軸部58aが形成されている。ここで「係合」とは、要素と要素とを互いにつなぎ合わせることである。これにより、クランプ板58は、回転軸Rを中心として回動可能に、支持ベース54に支持される。なお、回転軸Rは、XY面内に平行であるが、Y方向に対して傾斜している。また、「幅方向」とは、回転軸Rと平行な方向である。
クランプ板58の先端部には、ディスク11をターンテーブル57に押圧して保持するクランパ51が回動自在に支持されている。「押圧」とは、押し当てることである。「回動」とは、正方向および逆方向の両方向に回転することである。つまり、「回動自在」とは、正方向および逆方向の両方向に回転できるということである。クランプ板58の先端部とは、回転軸Rと反対側の先端部である。クランパ51は、ターンテーブル57にディスク11を押圧した状態で、これらと共に回転する。これらとは、ターンテーブル57およびディスク11である。また、支持ベース54の基端部には、クランプ板58を図1に示す矢印B方向に付勢する引張コイルバネ59(図3)が設けられている。「矢印B方向」とは、回転軸Rを軸とする回転方向である。「付勢」とは、バネがエネルギーを蓄えた状態で力を与えていることをいう。
ディスク11のクランプを解除するときには、クランプ板58は、図示しない駆動機構により、上述した回転軸Rを中心として矢印Bと反対の方向に回動する。そして、クランプ板58は、クランパ51をターンテーブル57から上方に(+Z方向)に離間させる。ここで「離間」とは、2つの要素を離すことである。つまり、物と物とのあいだを離すことである。このとき、クランプ板58が筐体12と干渉しないように、筐体12の天板には、クランプ板58が干渉しない形状の開口部13(図1)が形成されている。
図5は、実施の形態1に係るクランプ機構を示す断面図である。ディスク11のクランプ領域11aは、例えば、CDの場合には直径26mm〜33mmの領域である。クランプ領域11aは、DVDの場合には直径22mm〜33mmの領域である。クランプ領域11aは、BDの場合には直径23.5mm〜32.5mmの領域である。
ターンテーブル57の+Z側の面には、ディスク11のクランプ領域11aに当接する位置に形成されたリング状の凸部形状の当接部57aが形成されている。ここで「当接」とは、当たって接することである。クランパ51の当接部51aおよびターンテーブル57は、ディスク11のクランプ領域11aを上下方向(Z方向)から挟み込んで保持する。
次に、ディスク装置10における防振構造について説明する。
図6(A)に示すように、支持ベース54は、複数のダンパ32により支持されている。実施の形態1では、ダンパ32は3個である。しかし、ダンパ32は3個に限られない。3個以上であっても構わない。具体的には、支持ベース54の基端部の中央と、先端部の両端とに、係合部としての合計3つの切り欠き55が形成されている。支持ベース54の基端部とは、図4に示す回転軸R側の端部である。クランプ板58の先端部とは、回転軸Rと反対側の端部である。「係合部」とは、要素と要素とを互いにつなぎ合わせる部分のことである。各切り欠き55は、円形形状であり、円周の一部に切欠き部を有する。切り欠き55の内側にはダンパ32が圧入されている。
ダンパ32は、例えば、エラストマやブチルゴムなどのゴムを主原料とした弾性材料を成型したものである。また、ダンパ32は、例えば、円筒形状をしており、円筒の軸方向の両端に2つの大径部を有し、その2つの大径部の間に小径部を設けたものである。大径部および小径部とは、内径は同じで、外径の大きな部分が大径部であり、外径の小さな部分が小径部である。ダンパ32の小径部が、支持ベース54の切り欠き55に係合している。つまり、切り欠き55の円形形状の穴の中にダンパ32の小径部が入った状態である。軸方向の両端にある大径部の外径が切り欠き55の内径より大きいため、ダンパ32を支持ベース54に固定することができる。
また、筐体12の底板には、ボス31が、切り欠き55に対応した位置に配設されている。ボス31は、ダンパ32の内径に嵌合するダンパ取付部としての機能を有する。ここで、「配設」とは、所定の位置に設けることである。また、「嵌合」とは、形状が合ったもの同士をはめ合わせることにより,一方を他方の所定位置に固定することである。図6(B)に示すように、ボス31は、ダンパ32をZ方向に貫通している。ボス31の上端部(+Z方向の端部)には、ねじ33が取り付けられる。「貫通」とは、貫き通すことである。ボス31の下端部(+Z方向の端部)には、フランジが設けられている。フランジはボス31の円筒部分の外径より大きな外径を有する。ねじ33は、ボス31の上端部に設けられた雌ねじ部31aに螺合する。ねじ33は、雄ねじ部33aと、ダンパ32の上端に当接するつば部33bとを有している。「螺合」とは、ねじ作用によりはめ合わせ、結合することである。つまり、ねじ33は、雌ねじ部31aに結合される。ボス31のフランジおよびねじ33は、ダンパ32よりも外径が大きく、ダンパ32をZ方向に挟持している。ここで「挟持」とは、挟み込んで保持することである。
ターンテーブル57が取り付けられた回路基板52(図3)の下面には、動吸振器ユニット71が取り付けられている。回路基板52の下面とは、−Z側の面である。
図7は、動吸振器ユニット71の構成を示す分解斜視図である。動吸振器ユニット71は、支持ブロック75を有している。支持ブロック75は、回路基板52にねじにより固定される支持部材(固定部)としての機能を有する。支持ブロック75は、X方向に長い。支持ブロック75の長手方向の両端に、貫通孔75aが設けられている。貫通孔75aには、回路基板52への固定のためのねじを貫通させる。
支持ブロック75の上面(+Z側の面)および下面(−Z側の面)には、凹部(板バネ固定部)75b,75eが形成されている。凹部(板バネ固定部)75b,75eは、次に説明する板バネ72,73を取り付ける部分である。なお、凹部75bは、動吸振器ユニット71の動作を阻害しないように、動吸振器ユニット71と回路基板52との間に十分な隙間を確保する作用も有している。隙間は、凹部75bと回路基板52との間にZ方向に設けられている。隙間は、動吸振器ユニット71の動作時に、錘74が回路基板52に衝突しないように設けられている。支持ブロック75は、貫通孔75aの設けられた+Z方向の面を回路基板52に当てて固定される。貫通孔75aの設けられた+Z方向の面と凹部75bの面との段差を設けることで、錘74と回路基板52との間の隙間を確保している。錘74の取り付け位置方法については後述する。
支持ブロック75は、ここでは樹脂材料で形成され、動吸振器ユニット71の軽量化を図っている。ここで用いる樹脂材料は、例えばABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)である。但し、支持ブロック75をアルミ等の金属材料で形成することもできる。
支持ブロック75の上側(+Z側)および下側(−Z側)には、弾性部材(バネ部材)としての板バネ72,73が取り付けられている。板バネ72,73は、一定の厚さを有する平板形状の部材である。板バネ72,73は、支持ブロック75の凹部75b,75eにねじ止めされている。
板バネ72,73は、同一形状を有するため、板バネ72の形状について説明する。
板バネ72は、取付部72bと、延在部72cとを有している。取付部72bは、支持ブロック75の凹部75bに取り付けられる部分である。延在部72cは、取付部72bからX方向に延在する一対の部分である。一対の延在部72cは、X方向に一定の間隔をあけて、取付部72bから−Y方向に延びている。一対の延在部72cの間に、開口72aが形成されている。ここで、「延在」とは、ある方向に延びていることである。
板バネ72の取付部72bには、貫通孔72dが形成されている。貫通孔72dは、支持ブロック75に設けられた一対のねじ穴(雌ねじ)75cに螺合するねじを貫通させるための孔である。「螺合」とは、ねじ作用によりはめ合わせることである。つまり、貫通孔72dを貫通したねじは、ねじ穴75cに結合される。
板バネ72の一対の延在部72cの先端には、次に説明する錘74を保持するための錘保持部72eが形成されている。延在部72cの先端とは、延在部72cの取付部72bと反対側の端部である。錘とは、物の重さを増すために付け加えられるものである。錘保持部72eは、板バネ72の中で最もX方向の寸法が大きく形成されている。
錘保持部72eには、一対の貫通孔72fが形成されている。貫通孔72fは、錘74を固定するためのねじを貫通させる孔である。
板バネ73は、板バネ72と同一の形状を有している。すなわち、板バネ73は、開口73a、取付部73b、延在部73c、貫通孔73d、錘保持部73eおよび貫通孔73fを有している。これらは、板バネ72の開口72a、取付部72b、延在部72c、貫通孔72d、錘保持部72eおよび貫通孔72fと同様に構成されている。
板バネ72,73は、金属の板バネ材料(例えば、C5210:バネ用りん青銅)により形成することが望ましい。薄型でコンパクトな動吸振器ユニット71を構成することができるためである。
また、板バネ72,73の中央には、上記の通り開口72a,73aが設けられている。このため、板バネ72,73が動吸振器ユニット71に組み込まれた際、有効となるバネ部(有効バネ部)は一対の延在部72c,73cとなる。この有効バネ部(延在部72c,73c)のバネ定数が所望のバネ定数になるように、開口72a,73aの寸法や形状等が決定されている。
補助質量としての錘74は、直方体形状の部材である。錘74は、上下で一対となっている板バネ72,73によってZ方向の両側から挟み込まれて保持される。
錘74の上面には、一対のねじ穴(雌ねじ)74aが形成されている。これら一対のねじ穴74aには、板バネ72の貫通孔72fを貫通したねじが螺合する。また、図示は省略するが、錘74の下面にも、板バネ73の錘保持部73eへの固定のための一対の雌ねじ部が形成されている。
錘74は、鉄や真鍮のような密度の大きい材料で形成することが望ましい。密度が大きいほど、錘74を小型化できるからである。ここでは、錘74は、鉄で形成している。
ここで、動吸振器ユニット71の振動特性について説明する。板バネ72,73の有効バネ部のバネ定数の総和をKとし、錘74の質量をmとする。板バネ72,73の有効バネ部は、一対の延在部72c,73cの部分である。この場合、Z方向に対する固有振動数f0Zは、以下の式(1)で表わされる。
Figure 2013105573
図8は、上述した構成の動吸振器ユニット71において、支持ブロック75にZ方向の振動を加えたときの錘74の周波数応答特性を示す図である。図8(A)の横軸は周波数[Hz]であり、縦軸は位相[deg]である。図8(B)の横軸は周波数[Hz]であり、縦軸は利得[dB]である。図8に示した特性は、錘74の質量を5gとして、板バネ72,73の有効バネ定数の和Kを2000N/mとしたときの周波数応答特性である。式(1)より、固有振動数は100Hzとなる。また、板バネ72,73は金属(例えば、バネ用りん青銅)で形成されるため、減衰比は3%程度となり、利得は24dB程度となる。
ここで、動吸振器ユニット71の制振力(制振効果)について説明する。動吸振器ユニット71が発生する制振力Fは、錘74の振幅rと角速度ωとから、以下の式(2)であらわされる。
F=mrω … (2)
この式(2)より、動吸振器ユニット71によって発生する力は、錘74の質量mと振幅rとに比例することが分かる。従って、制振力を大きくするためには、錘74の質量m、または振幅rを大きくすれば良いことが分かる。
一方、錘74の質量を大きくするといっても、錘74が大き過ぎると小型化に不利になる。そこで、この実施の形態1では、板バネ72,73を、ゴムのような弾性体と比べて減衰比の小さい金属で形成している。板バネ72,73を減衰比の小さい金属で形成することにより、大きな振幅rを得ることができる。すなわち、小型で、大きな制振力を発生する動吸振器ユニット71を構成することができる。
また、板バネ72,73は、X方向およびY方向における剛性が、Z方向における剛性よりも非常に高い。すなわち、板バネ72,73は、Z方向の加振に対して、100Hzで固有振動数を有する振動系であるのに対して、X方向の加振およびY方向の加振に対しては、100Hzよりも十分に高い固有振動数を有する振動系となるように構成されている。
次に、再生部ユニット20で構成される振動系の振動特性について説明する。「再生部ユニット20で構成される振動系」とは、ダンパ32、支持ベース54およびこれに搭載された各要素で構成される振動系である。
支持ベース54を含むダンパ32で保持される質量を130gとする。ダンパ32で保持される質量は、支持ベース54に配設されたターンテーブル57、回路基板52、送りねじ51およびヘッド部53等の質量を含む。ダンパ32の3個のZ方向のバネ定数の合計を20000N/mとし、減衰比を20%とする。また、ダンパ32の3個のX方向のバネ定数またはY方向のバネ定数の合計を24000N/mとし、減衰比を20%とする。
ゴムダンパは、周波数によってバネ定数、減衰比が変動する周波数依存性を有しているが、低い周波数帯域では1自由度の振動系でモデル化しても大きな誤差がない。このため、1自由度の振動系のモデルを用いて振動特性を算出した。
図9および図10は、動吸振器ユニット71を取り付けない状態での再生部ユニット20のZ方向の周波数応答特性およびX方向またはY方向の周波数応答特性を示す図である。図9は、Z方向周波数応答特性を示し、図10は、X方向またはY方向の周波数応答特性を示している。図9(A)の横軸は周波数[Hz]であり、縦軸は位相[deg]である。図9(B)の横軸は周波数[Hz]であり、縦軸は利得[dB]である。図10(A)の横軸は周波数[Hz]であり、縦軸は位相[deg]である。図10(B)の横軸は周波数[Hz]であり、縦軸は利得[dB]である。Z方向の特性(図9)については、固有振動数は62Hzとなり、利得は9dBとなり、100Hzにおいて3dB程度振動を減衰させる特性となっている。X方向またはY方向の特性(図10)については、固有振動数は68Hzとなり、利得は9dBとなり、100Hzでは僅かに振動を減衰させる特性となっている。
ここで、ディスク11の回転による振動について説明する。図11は、ディスク11が共振現象によって面外方向(Z方向)に変形する挙動を示すディスク11の断面図である。一般に、ディスク11はポリカーボネート樹脂にアルミニウムの反射膜を蒸着させたものである。このため、アルミニウムの反射膜は、ディスク11の材料をポリカーボネート単体と考えても差し支えない程度の薄さである。また、ディスク11は円板形状を有している。そして、ディスク11は、再生部ユニット20内ではクランパ51とターンテーブル57によってクランプ領域11aを挟持されている。この状態で再生部ユニット20にX方向、Y方向およびZ方向の任意の方向の振動が加えられたとき、読み込みエラーおよび書込みエラーに影響を与える最も低い共振周波数は、図11に示すようにディスク11がクランプ領域11aを支点として、面外方向(Z方向)に変形する挙動を示す周波数である。
但し、この共振周波数は、ディスク11の回転数によって異なる。図12に、ディスク11の回転数による周波数応答特性の変化を示す。図12の横軸は周波数[Hz]であり、縦軸は利得[dB]である。これはディスク11を回転させたときまたは無回転のときに、再生部ユニット20のダンパ32を取り除いた状態でZ方向に加振させたときのディスク11の内周部での周波数応答を表わしたグラフである。粗い破線は、無回転のときの特性を示している。細かい破線は、ディスクを36Hzで回転させたときの特性を示している。実線は、ディスクを72Hzで回転させたときの特性を示している。なお、「無回転」とは、ディスク11が回転していない状態のことである。
図12から、ディスク11が無回転の場合は95Hzでディスク11が共振することが分かる。ディスクを36Hzで回転させたときは100Hzでディスク11が共振することが分かる。ディスクを72Hzで回転させたときには110Hzでディスク11が共振することが分かる。
但し、これはクランプ領域11aでディスク11を挟持したときの現象であって、クランプ領域11aより外周側を挟持した場合には、共振周波数がより高い周波数へシフトする。
ディスク11の回転数の72Hzは、BDを2倍速で回転させるときの回転数とほぼ同じである。AVCREC(登録商標)など、より早い回転数でディスク11を回転させる規格もあり、一般の使用状況でも、共振周波数がより高くなる傾向がある。なお、AVCRECとは、Blu−ray−Discのアプリケーションフォーマット「BDAV」を応用し、DVD等にデジタルハイビジョン映像を記録するための規格である。
また、ディスク11は円板形状のため、最も低い周波数で発生する共振現象はZ方向に加振されたときであり、X方向に加振された場合またはY方向に加振された場合はこの現象は現れない。
図13は、支持ベース54を含む再生部ユニット20、ダンパ32および動吸振器ユニット71で構成された振動系のZ方向の周波数応答特性を示す図である。図13の横軸は周波数[Hz]であり、縦軸は利得[dB]である。図13から、動吸振器71の制振効果によって、ディスクの共振周波数と同じ周波数である所望の周波数の外部振動が抑制されていることが分かる。図13では、約100Hzの外部振動が抑制されている。
すなわち、ディスク11の共振が発生する周波数に、動吸振器71の共振周波数を設定することによって、外部からの振動に対して、ディスク11が面外方向(Z方向)に変形する現象を抑制することができる。また、ディスク11の共振が発生する周波数の近傍に、動吸振器71の共振周波数を設定することによっても、外部からの振動に対して、ディスク11が面外方向(Z方向)に変形する現象を抑制することができる。「動吸振器ユニット71の共振周波数」とは、制振効果を発揮する周波数である。
ここで、動吸振器71の共振周波数の近傍について説明する。動吸振器ユニット71の構成部品にはそれぞれ製造ばらつきや組立ばらつきが発生する。これらのばらつきにより、動吸振器ユニット71の共振周波数はばらつく。明細書内で示す周波数は、製造ばらつきや組立ばらつきによる共振周波数のばらつきを含むものである。また、図13では、反共振の影響により抑制されている約100Hzよりも少し高い周波数(ここでは110Hzの近傍)に利得の増加が発生している。強制振動における系の反共振とは,励振振動数の微小な変化によって,この点での応答が増加するような状態をいう。製造ばらつきや組立ばらつきによる動吸振器ユニット71の共振周波数のばらつきにより、動吸振器ユニット71の共振周波数がディスク11の共振周波数よりも低くなる場合が考えられる。この場合には、抑制されている周波数(ディスク11の共振周波数よりも低い周波数)より少し高い周波数で反共振が発生する。つまり、ディスク11の共振周波数と反共振の周波数とが一致する可能性があり、ディスク11の振動を増幅し、動吸振器ユニット71の動作は逆効果となる。このようなことを想定して、従来から設計者は、意図的に動吸振器の共振周波数を、抑制したい周波数より少し高い周波数に設定している。このように、動吸振器71の共振周波数の近傍とは、設計者が反共振の影響を考慮して意図的に共振周波数をずらす範囲を含むものである。つまり、動吸振器71の共振周波数の近傍とは、反共振の影響を考慮して意図的に共振周波数をずらす範囲である。
以上をまとめると、Z方向に制振効果を発揮する動吸振器ユニット71と、支持ベース54に伝達される振動を減衰させるダンパ32を含む振動系との組み合わせにより、以下のような振動抑制効果が得られる。ここで、「振動抑制効果」とは、振動を抑制する効果である。
すなわち、動吸振器ユニット71は、ディスク11が最高回転数で回転中にディスク11が面外方向に変形する共振周波数に対して制振効果を有する。また、動吸振器ユニット71は、ディスク11が最高回転数で回転中にディスク11が面外方向に変形する共振周波数の近傍の周波数に対して制振効果を有する。図12の例では、95Hz、100Hzおよび110Hzの周波数に対して制振効果を有する。また、図12の例では、95Hz、100Hzおよび110Hzの近傍の周波数に対して制振効果を有する。ダンパ32および支持ベース54を含む再生部ユニット20のZ方向、X方向およびY方向の共振周波数は、ディスク11が面外方向に変形する共振周波数より低い周波数である。実施の形態1では、再生部ユニット20のZ方向の共振周波数は62Hzであり、X方向およびY方向の共振周波数68Hzである。ディスク11が面外方向に変形する共振周波数は、約100Hzである。そのため、ディスク11の共振を生じるような振動を効果的に抑制することができる。
また、動吸振器ユニット71を用いずに100Hz及び100Hzの近傍での振動抑制効果を発揮するためには、ダンパ32を柔らかくする必要がある。その場合には、偏重心ディスク11の高速回転により発生する内部振動に対して、支持ベース54がZ方向に大きく振れることになる。これに対し、この実施の形態1では、動吸振器ユニット71が、ディスク11が面外方向に変形する共振周波数で制振機能を発揮するため、十分に硬いダンパ32を用いることができる。また、この実施の形態1では、動吸振器ユニット71が、ディスク11が面外方向に変形する共振周波数の近傍で制振機能を発揮するため、十分に硬いダンパ32を用いることができる。
このように十分に硬いダンパ32を用いることにより、偏重心ディスク11の高速回転により発生する内部振動に対して、支持ベース54のZ方向の振れを抑制することができる。さらに、外部振動、特に低い周波数の振動に対する支持ベース54の振れを抑制することができる。その結果、ディスク装置10の内部における支持ベース54の移動距離を短くすることができ、ディスク装置10の小型化が可能となる。
また、図10および図12に示したように、ダンパ32および支持ベース54を含む再生部ユニット20で構成される振動系のZ方向、X方向およびY方向の周波数応答特性は、ディスク11の面外方向の変形を生じる共振周波数(実施の形態1では約100Hz)以下で、減衰領域に達している。「減衰領域」とは、利得が減少する領域である。
言い換えると、ダンパ32および支持ベース54を含む再生部ユニット20で構成される振動系のZ方向、X方向およびY方向の周波数応答特性は、ディスク11の面外方向の変形を生じる共振周波数において、ある程度の振動を抑制する効果を発揮するものである。このように、ダンパ32および支持ベース54を含む再生部ユニット20で構成される振動系が振動抑制効果を有するため、動吸振器701を小型に構成することができる。小型に構成するとは、例えば錘74を軽くすることである。小型に構成するとは、例えば錘74を小さくすることである。また、光ピックアップが影響を受けやすい数百Hzの振動を抑制する効果を発揮することができる。
また、動吸振器ユニット71は、回路基板52に取り付けられている。動吸振器ユニット71は、円盤型モータ52aの直下に配置されている。円盤型モータ52aの直下とは、円盤型モータ52aの回転軸の延長上の位置である。このように、動吸振器ユニット71をディスク11に振動を伝達する部品の直下に配置することにより、ディスク11に伝達される振動を効率的に抑制することができる。
なお、動吸振器ユニット71は、再生部ユニット20の重心の位置に取り付けてもよい。このようにすれば、外部振動に対して、効率よく動吸振器ユニット71の制振力を作用させることができ、効果的な振動抑制効果を得ることができる。
また、上述したようにダンパ32を十分に硬いダンパとすることにより、外部振動に対して支持ベース54が大きく振れなくなる。このことから、支持ベース54のどの場所に取り付けても振動の抑制効果を得ることができる。
また、板バネ72,73は、金属(板金)で構成されているが、金属は一般的に減衰比が低く、利得を高くすることが容易である。なお、板バネ72,73をプラスチックなどの樹脂材料で構成することも可能である。しかし、例えば車載環境で使用する場合には、動作温度範囲が家庭用に比べて広い。このため、動吸振器ユニット71の振動特性を一定に保つ上で、動吸振器ユニット71の板バネ72,73は金属で構成することが望ましい。
また、板バネ72,73のように摺動部分の少ないバネ構成にすることによって、安価で利得の高い振動系を構成することが可能となる。ここで摺動とは、他の部材と接触してこすれながら移動することである。摺動部分とは、他の部材と接触してこすれながら動く部分である。
ここで、動吸振器ユニット71には、錘74がZ方向に必要以上の振幅で振動することを防止する移動規制部材76を設けることが望ましい。図14は、動吸振器ユニット71に移動規制部材76を設けた構成例を示す模式図である。移動規制部材76は、動吸振器ユニット71の錘74の下面(−Z側の面)に対向する当て面76aを有する。また、移動規制部材76の上端部は回路基板52に固定されている。また、移動規制部材76の当て面76aは、錘74が下方(−Z方向)に大きく振動した場合に当接する部分である。
移動規制部材76を設けることによって、動吸振器ユニット71が大きく振幅することによる動吸振器ユニット71の構成部品の破損を防ぐことができる。また、動吸振器ユニット71との衝突による回路基板52や支持ベース54の破損を防ぐことができる。移動規制部材76を設けるとは、当て面76aを設けることである。
移動規制部材76は、樹脂材料のような弾性体で構成することが望ましい。移動規制部材76を金属で構成した場合、金属部品と金属部品との衝突によって不要な振動が発生し、読み込み不良または書込み不良を引き起こす可能性があるためである。
また、ここでは、上述したように、ダンパ32および支持ベース54を含む再生部ユニット20のX方向およびY方向の共振周波数(68Hz)が、Z方向の共振周波数(62Hz)より高くなるように設定している。これは、ダンパ32の形状を、例えば図6(B)に示すような形状(例えば、軸方向に小径部を大径部で挟み込んだ形状)とし、その径や厚みを調整することによって実現することができる。振動に対して裕度のあるX方向およびY方向においてダンパ32の共振周波数を高くする。これにより、内部振動によるX方向およびY方向の振動を抑えることができる。また、支部ベース54の振れ量を小さく抑えることができる。また、従来よりも小型のディスク装置を実現することができる。つまり、X方向およびY方向の振動は、光ピックアップが影響を受けやすい数百Hzで十分減衰していればよい。ここで、数百Hzとは、例えば200Hzである。このため、Z方向の共振周波数より高くしても読み込み性能および書き込み性能に影響はない。Z方向に対してダンパ32のX方向およびY方向の共振周波数を高くすることで、内部振動によるX方向およびY方向の振動を抑えることができる。また、支部ベース54の振れ量を小さく抑えられる。そして、従来よりも小型のディスク装置を実現することができる。
また、ダンパ32としては、ゴム系のダンパを使用することで、安価なディスク装置を構成することができる。ゴム系とは、ゴムを主成分とする意味である。但し、車載用のディスク装置の場合には、ダンパ32として、シリコーンゴム系のダンパを使用することが望ましい。シリコーンゴムは温度特性に優れており、動作温度範囲の広い車載用途の場合には、安定した振動特性が得られる点で有利なためである。「動作温度範囲」とは、製品が動作できる環境温度の範囲である。
なお、上記の説明では、動吸振器ユニット71が制振効果を発揮する周波数を100Hzと説明した。しかし、この周波数は、ディスク装置10においてディスク11の読み込み動作または書込み動作を行っているときのディスク11の回転速度でディスク11が面外方向に変形する挙動を示す共振周波数であればよい。
なお、ディスク装置の中には、CD、DVD、またはBDを含む複数のディスクを再生できるディスク装置がある。このようなディスク装置は、複数のディスクの内、最高回転数のディスク11の共振周波数に、動吸振器ユニット71の共振周波数を設定することが望ましい。ここで、ディスク11の共振周波数とは、ディスク11が面外方向に変形する挙動を示す際の共振周波数である。このように動吸振器ユニット71の共振周波数を設定することで、他の回転速度でのディスク11の共振周波数に対する動吸振器ユニット71の反共振の影響を回避することが可能となる。
ここで、ディスク11の回転速度について説明する。ディスクの回転方式には、大きく分けて2つの回転方式がある。1つは回転速度一定方式のCAV(Constant Angular Velocity)である。もう1つは光ピックアップ53aに対するディスク11の記録面の移動速度を一定に保つ方式で、線速度一定方式のCLV(Constant Linear Velocity)である。ここでは、CLVを例に挙げてディスク11の回転数について説明する。各ディスクの線速度は、CDが1.2m/s〜1.4m/sと規格で定義され、DVDが3.49m/sと規格で定義され、BDが4.917m/sと規格で定義されている。また、CLV方式で最高の回転速度となるのは、最内周を再生する時である。従って、ディスクの最内周における直径を48mmとして、1倍速とした場合には、各ディスクの最高回転速度は、CDが9.3Hzとなり、DVDが23.2Hzとなり、BDが33.2Hzとなる。
以上説明したように、この実施の形態1によれば、動吸振器ユニット71は、Z方向に制振効果を発揮する。動吸振器ユニット71の制振効果は、ディスク11の回転中に当該ディスク11が面外方向(Z方向)に変形する際の振動周波数で発揮される。また、動吸振器ユニット71の制振効果は、ディスク11の回転中に当該ディスク11が面外方向(Z方向)に変形する際の振動周波数の近傍で発揮される。また、ダンパ32および支持ベース54を含む振動系のZ方向の周波数応答特性、X方向の周波数応答特性およびY方向の周波数応答特性は、ディスク11の面外方向の変形を生じる共振周波数以下で減衰領域に達する。そのため、ディスク11の回転中にディスク11が面外方向に変形することを防止することができる。さらに、支持ベース54の大きな振れが抑制されるため、ディスク装置10を小型化することができる。
特に、動吸振器ユニット71は、100HzでZ方向に制振効果を発揮する。また、動吸振器ユニット71は、100Hzの近傍でZ方向に制振効果を発揮する。さらに、ダンパ32および支持ベース54を含む振動系のZ方向およびX方向の周波数応答特性およびY方向の周波数応答特性は、100Hz以下で減衰領域に達する。これらの特徴により、動吸振器ユニット71は、ディスク11の面外方向の変形を防止し、支持ベース4の大きな振れを抑制することができる。
また、動吸振器ユニット71をモータの近傍に配設するという特徴により、ディスク11に伝達される振動を効率的に抑制することができる。モータとは、ターンテーブル57を回転させるモータである。例えば、モータとは、円盤型モータ52aである。モータの近傍とは、例えば回転軸上である。
さらに、動吸振器ユニット71は、ディスク11の回転軸の方向(Z方向)に直交する方向(X方向およびY方向)よりも、当該回転軸の方向(Z方向)に変形しやすい板バネ72,73(弾性部材)を備えている。この特徴により、動吸振器ユニット71は、振動を抑制したい方向(Z方向)に、効果的に制振効果を発揮することができる。
変形例1.
次に、本実施の形態の動吸振器ユニット71の変形例1について説明する。変形例1の動吸振器ユニットを、動吸振器ユニット91とする。この動吸振器ユニット91を、変形例1における動吸振器ユニットとする。図15は、動吸振器ユニット91を示す分解斜視図である。動吸振器ユニット91は、支持ブロック95を有している。支持ブロック95は、回路基板52(図3)に、ねじにより固定される。支持ブロック95は、錘94を保持する板バネ92,93,96,97を支持する支持部材(固定部)としての機能を有する。支持ブロック95は、X方向に長い。支持ブロック95は、X方向の長手方向の両端に、貫通孔95aを有する。貫通孔95aは、支持ブロック95を回路基板52に固定するためのねじを通すための孔である。
支持ブロック95の上面(+Z側の面)および下面(−Z側の面)には、次に説明する板バネ92,93,96,97を取り付けるための凹部(板バネ固定部)95b,95eが形成されている。なお、凹部95bは、動吸振器ユニット91の動作を阻害しないように、動吸振器ユニット91と回路基板52との間に十分な隙間を確保する作用も有している。隙間は、凹部95bと回路基板52との間のZ軸方向に設けられている。隙間は、動吸振器ユニット91の動作時に錘94が回路基板52に衝突しないように設けられている。
支持ブロック95は、ここでは樹脂材料で形成されている。ここで用いる樹脂材料は、例えばABS樹脂である。これにより、動吸振器ユニット91の軽量化を図っている。但し、支持ブロック95をアルミニウム等の金属材料で形成することもできる。
支持ブロック95の上側(+Z側)および下側(−Z側)には、弾性部材(バネ部材)としての板バネ92,93,96,97が取り付けられている。板バネ92,93,96,97は、一定の厚さを有する平板状の部材である。板バネ92,93,96,97は、支持ブロック95の凹部95b,95eにねじ止めされている。
板バネ92,93,96,97は、同一形状を有するため、板バネ92の形状について説明する。
板バネ92は、取付部92bと、一対の延在部92cとを有している。取付部92bは、支持ブロック95の凹部95bに取り付けられる。一対の延在部92cは、この取付部92bからY方向に延びている。一対の延在部92cは、X方向に一定の間隔をあけて取付部92bからY方向に延びている。一対の延在部92cの間に、開口92aが形成されている。
板バネ92の取付部92bには、貫通孔92dが形成されている。貫通孔92dは、支持ブロック95に形成された一対のねじ穴(雌ねじ)95cに螺合するねじを通すための孔である。
板バネ92の一対の延在部92cの先端には、錘保持部92eが形成されている。延在部92cの先端とは、取付部92bとは反対側の端部である。錘保持部92eは、次に説明する錘94を保持するための部分である。錘保持部92eは、板バネ92の中で最もX方向の寸法が大きく形成されている。
錘保持部92eには、一対の貫通孔92fが形成されている。貫通孔92fは、錘94を固定するためのねじを貫通させる孔である。
板バネ93,96,97は、板バネ92と同一の形状を有している。すなわち、板バネ93,96,97は、開口93a,96a,97a、取付部93b,96b,97b、延在部93c,96c,97c、貫通孔93d,96d,97d、錘保持部93e,96e,97eおよび貫通孔93f,96f,97fを有している。これらは、板バネ92の開口92a、取付部92b、延在部92c、貫通孔92d、錘保持部92eおよび貫通孔92fと同様に構成されている。
板バネ92,93,96,97は、金属の板バネ材料(例えば、C5210:バネ用りん青銅)により形成することが望ましい。薄型でコンパクトな動吸振器ユニット91を構成することができるためである。
また、板バネ92,93,96,97の中央には、上記のとおり、開口92a,93a,96a,97aが設けられている。延在部92c,93c,96c,97cは、板バネ92,93,96,97が動吸振器ユニット91に組み込まれた際に、有効なバネ部(有効バネ部)となる部分である。この有効バネ部(延在部92c,93c,96c,97c)のバネ定数が所望のバネ定数になるように、開口92a,93a,96a,97aの寸法、形状等が決定されている。
錘94は、直方体形状の部材である。錘94は、補助質量としての機能を有する。板バネ92および板バネ97は、重ねられて、錘94の上側(+Z側)に取り付けられる。板バネ93および板バネ96は、重ねられて、錘94の下側(−Z側)に取り付けられる。錘94は、板バネ92,97および板バネ93,96よってZ方向の両側から挟み込まれて保持される。
錘94の上面には、一対のねじ穴(雌ねじ)94aが形成されている。これら一対のねじ穴94aには、板バネ92,97の貫通孔92f,97fを貫通したねじが螺合する。また、図示は省略するが、錘94の下面にも、一対の雌ねじ部が形成されている。これら一対の雌ねじ部には、板バネ93,96の貫通孔93f,96fを貫通したねじが螺合する。板バネ92,97および板バネ93,96は、錘保持部93eに固定される。
錘94は、鉄や真鍮のような密度の大きい材料で形成することが望ましい。密度が大きいほど、錘94を小型化できるからである。ここでは、錘94は、鉄で形成している。
ここで、動吸振器ユニット91の振動特性について説明する。板バネ92,93,96,97の有効バネ部(延在部92c,93c,96c,97c)のバネ定数の総和をKとし、錘94の質量をmとする。Z方向に対する固有振動数f0Zは、上述の式(1)で表わされる。
動吸振器ユニット91は、2枚重ねの板バネ92,97と2枚重ねの板バネ93,96とを有している。「2枚重ねの板バネ」とは、2枚の板バネを重ねて1つの板バネとしたものである。動吸振器ユニット91に振動が加わり、板バネ92,93,96,97が振動するときに、板バネ92と板バネ97との間に摩擦が発生する。また、板バネ93と板バネ96との間に摩擦が発生する。この摩擦は、動吸振器ユニット91の減衰比を増加させる機能を持つ。すなわち、図7の構成と同じバネ定数の総和としたとき、動吸振器ユニット91は、動吸振器ユニット71よりも大きな減衰比を有する。
図13は、動吸振器ユニット71を有する再生部ユニット20の周波数応答を示す図である。図13に示すように、動吸振器ユニット71の制振作用によって100Hzで減衰効果が得られる。しかし、動吸振器ユニット71の制振作用が大きすぎるため、100Hzよりも少し高い周波数(ここでは110Hz)で、利得が大きくなる現象が現れている。この現象は、反共振の影響により現れる。動吸振器ユニット71を動作させる周波数での制振効果が大きいほど反共振の影響は大きくなる。ここで、変形例1の動吸振器ユニット91は、板バネ92,97,93,96を重ねて使用している。つまり、板バネ92と板バネ97とを重ねて使用している。同様に、板バネ93と板バネ96を重ねて使用している。これにより、動吸振器ユニット91は、動吸振器ユニット71に比べて、再生部ユニット20に対する100Hzでの制振効果は減少する。しかし、動吸振器ユニット91は、この反共振の影響による利得の増加を減少することが可能となる。
さらに、減衰効果は板バネの枚数を増やすほど大きくなる。ここでは、板バネを4個として、2個の板バネを重ねて1対の板バネとして、2組の1対の板バネを用いる構成を示した。しかし、板バネを3個として、1組の1対の板バネと1個の板バネとを用いる構成でもよい。さらには必要に応じて板バネの枚数を増やすことで、動吸振器ユニット91の減衰を大きくすることが可能になる。さらに板バネ92,97と板バネ93,96とはそれぞれ同形状で構成されるため、摩擦面を十分に確保することが可能となる。そして、十分な減衰力を得ることが可能となる。
ここでは、板バネを重ねて動吸振器ユニットを構成することで、動吸振器ユニットの所望の周波数での利得を減少させ、反共振による利得の上昇の影響を軽減する例を示した。しかし、たとえばゴムのような弾性体をバネとして構成する動吸振器ユニットに比べると、板バネを重ねた動吸振器の減衰比は低くなる。したがって、十分な減衰効果を保ちつつ反共振の影響を軽減することができるので、小型な動吸振器ユニットの製作が可能となる。
ここでは、2個の板バネを一対として、2組の一対の板バネで錘94を挟む構成としている。しかし、錘94の+Z側に3個の板バネを配置して、−Z側に1個の板バネを配置する構成としても同様の効果を得ることが可能である。
変形例2.
次に、本実施の形態の動吸振器ユニット71の変形例2について説明する。変形例2は、上述した変形例1の動吸振器ユニット91の板バネの構成に関する。図16は、変形例2における動吸振器ユニットの板バネ102を示す斜視図である。また、必要に応じて、変形例1の図15を参照する。ここでは動吸振器ユニット91の支持ブロック95の上側(+Z側)に取り付けられる板バネについて説明する。支持ブロック95の下側(−Z側)には同形状の板バネが配置される。
板バネ102は、取付部102bと、一対の延在部102cとを有している。取付部102bは、支持ブロック95の凹部95bに取り付けられる。一対の延在部102cは、取付部102bからY方向に延びている。一対の延在部102cはX方向に一定の間隔をあけて配置されている。一対の延在部102cの間には、開口102aが形成されている。
板バネ102の取付部102bには、貫通孔102dが形成されている。貫通孔102dは、支持ブロック95に形成された一対のねじ穴(雌ねじ)95cに螺合するねじを通すための孔である。
板バネ102の一対の延在部102cの先端には、錘保持部102eが形成されている。延在部102cの先端とは、取付部102bと反対側の端部である。錘保持部102eは、錘94を保持するための部分である。錘保持部102eは、板バネ102の中で最もX方向の寸法が大きく形成されている。
錘保持部102eには、一対の貫通孔102fが形成されている。貫通孔102fは、錘94を固定するためのねじを貫通させる孔である。
板バネ102の−Z側には、粘弾性体103が取り付けられている。粘弾性体103は、XY平面において板バネ92と同一の形状を有している。しかし、粘弾性体103の厚みは、板バネ102と比較して薄い。粘弾性体103は、ゲルやゴムのような高分子材料で形成される。板バネ102と粘弾性体103とは、板バネユニットを構成している。
すなわち、上述した変形例1では、板バネ92,97が重ね合わされ、板バネ93,96が重ね合わされていたが、この変形例2では、板バネ102と粘弾性体103とが重ね合わされている。このように板バネ102と粘弾性体103とを重ねて使用することにより、変形例1と同様、反共振の影響による利得の増加を減少することができる。
以上の構成によれば、例えば図13に示した周波数応答特性において、動吸振器ユニット91は、100Hzで減衰効果を発揮すると共に、この100Hzよりも少し高い周波数(ここでは110Hz)で発生する反共振の影響も抑えることができる。図13は、動吸振器ユニット71を含む再生部ユニットの周波数応答を示している。ここで、「反共振の影響も抑えることができる」とは、反共振の影響による利得の増加を減少することである。
また、この変形例2では、粘弾性体103が、支持ブロック95に当接する構成となっている。このため、動吸振器ユニット91が動作する際の騒音を軽減する効果を得ることができる。
変形例3.
次に、本実施の形態の動吸振器ユニット71の変形例3について説明する。変形例3は、上述した変形例1の動吸振器ユニット91の板バネの構成に関する。図17は、変形例3における動吸振器ユニットの板バネ112を示す斜視図である。また、必要に応じて、変形例1の図15を参照する。ここでは、動吸振器ユニット91の支持ブロック95の上側(+Z側)に組み込まれる板バネについて説明する。支持ブロック95の下側(−Z側)には同形状の板バネが配置されている。
板バネ112は、取付部112bと、一対の延在部112cとを有している。取付部112bは、支持ブロック95の凹部95bに取り付けられる。一対の延在部112cは、取付部112bからY方向に延びている。一対の延在部112cは、X方向に一定の間隔をあけて配置されている。一対の延在部112cの間には、開口112aが形成されている。
板バネ112の一対の延在部112cの先端には、錘保持部112eが形成されている。延在部112cの先端とは、取付部112bとは反対側の端部である。錘保持部112eは、錘94を保持するための部分である。錘保持部112eは、板バネ112の中で最もX方向の寸法が大きく形成されている。
錘保持部112eには、一対の貫通孔112fが形成されている。貫通孔112fは、錘94を固定するためのねじを通す孔である。
板バネ112の−Z側には粘弾性体113が、取り付けられている。粘弾性体113の−Z側には板バネ114が配置されている。粘弾性体113の厚みは、板バネ112と比較して薄い。粘弾性体113は、ゲルやゴムのような高分子材料で形成されている。板バネ114は、板バネ112と同一形状である。
動吸振器ユニット91を組み立てると、板バネ112が粘弾性体113に当接する構成となる。また、粘弾性体113が板バネ114に当接する構成となる。そして、板バネ114が支持ブロック95に当接する構成となる。板バネ112と粘弾性体113と板バネ114とは、板バネユニットを構成している。
以上の構成によれば、例えば図13に示した周波数応答特性において、動吸振器ユニット91は、100Hzで減衰効果を発揮すると共に、この100Hzよりも少し高い周波数(ここでは110Hz)で発生する反共振の影響も抑えることができる。図13は、動吸振器ユニット71を含む再生部ユニットの周波数応答を示している。ここで、「反共振の影響も抑えることができる」とは、反共振の影響による利得の増加を減少することである。
さらに、板バネ112および板バネ114がそれぞれ粘弾性体113に当接しているので、少ない構成で高い減衰効果を有することが可能となる。
上記の変形例2では、板バネ102と粘弾性体103が一体に構成され、変形例3では、板バネ112,114と粘弾性体113とが一体に構成されている。しかしながら、板バネと粘弾性体とが一体に構成されていなくても、組み立てることで板バネと粘弾性体が接していれば、同様の効果を得ることができる。
変形例4.
次に、本実施の形態の動吸振器ユニット71の変形例4について説明する。図18および図19は、変形例4における動吸振器ユニット81を示す斜視図および分解斜視図である。
動吸振器ユニット81は、支持ブロック85を有する。支持ブロック85は、支持部材である。支持ブロック85は、ZX断面がコの字形状である。また、支持ブロック85は、Y方向に幅を有する。支持ブロック85は、上側(+Z側、すなわち回路基板52側)に位置する上板85aと、そのX方向両側の端部から下方に延びる側板85bとを有する。ここで、「コの字形状」とは、対向する一対の板形状の部分を有し、その一対の板形状の同一方向の1つの端部を別の板形状の部分でつなぎ、一対の板形状の部分の当該端部と対向する端部の部分は開放された形状である。支持ブロック85の上板85aは、同一方向の1つの端部をつなぐ別の板形状の部分に該当する。また、側板85bは、対向する一対の板形状の部分に該当する。
支持ブロック85の下側(−Z側)を覆うように、カバー部材86が固定されている。カバー部材86は、支持部材としての機能を有する。また、カバー部材86は、移動を規制する部材としての機能を有する。つまり、カバー部材86は、錘84のZ方向の移動を規制する部材である。カバー部材86は、支持ブロック85に例えばねじ止めにより固定されている。支持ブロック85の上板85aとカバー部材86との間には、Z方向に延びる一対の案内部材としてのシャフト83a,83bが取り付けられている。シャフト83a,83bは、例えば、上板85aとカバー部材86に形成された円形の凹部85c(図19)に嵌合している。
シャフト83a,83bには、補助重量としての錘84が摺動可能に取り付けられている。錘84は、シャフト83a,83bをそれぞれ挿通させる一対の挿通孔84aを有している。これにより、錘84は、Z方向に移動可能に支持されている。ここで、「挿通」とは、孔などにさし通すことである。
さらに、支持ブロック85の上板85aと錘84との間には、弾性部材としてのコイルバネ82が設けられている。コイルバネ82の両端の内の一端は、支持ブロック85の上板85aに固定され、他端は錘84に固定されている。コイルバネ82は、そのばね力(弾性力)が錘84の重心位置に作用するように配置されている。コイルバネ82は、Z方向にばね力を生じる。ここで「ばね力」とは、ばねがエネルギーを蓄えた状態で発揮する力をいう。つまり、「ばね力」とは、ばねの弾性力の意味である。
支持ブロック85の上板85aには、一対の貫通孔87が形成されている。一対の貫通孔87は、支持ブロック85を回路基板52に固定するためのねじを通すための孔である。これにより、動吸振器ユニット81は、円盤型モータ52aが取り付けられた回路基板52(図3)に固定される。
次に、動吸振器ユニット81の振動特性について説明する。Z方向の共振周波数は、コイルバネ82のバネ定数により設定されている。コイルバネ82のバネ定数は、ディスク11が最高回転数で回転中にディスク11が面外方向に変形する共振周波数で制振効果を発揮するように設定される。
また、錘84がシャフト83a,83bに摺動可能に支持されているため、X方向およびY方向の共振現象は無視できる。但し、板バネ72,73を用いた動吸振器ユニット71と比較すると、錘84とシャフト83a,83bとの摺動摩擦のため、利得は小さくなる。
このように構成されているため、Z方向に制振効果を発揮する動吸振器ユニット81と、支持ベース54に伝達される振動を減衰させるダンパ32を含む振動系との組み合わせにより、以下のような振動を抑制する効果が得られる。
すなわち、動吸振器ユニット81は、ディスク11が最高回転数で回転中にディスク11が面外方向(Z方向)に変形する共振周波数に対して制振効果を有する。また、動吸振器ユニット81は、ディスク11が最高回転数で回転中にディスク11が面外方向(Z方向)に変形する共振周波数の近傍の周波数に対して制振効果を有する。ダンパ32および支持ベース54を含む再生部ユニット20のZ方向、X方向およびY方向の共振周波数は、ディスク11が面外方向に変形する当該共振周波数より低い周波数である。そのため、ディスク11の共振を生じるような振動を効果的に抑制することができる。
また、上述したように、再生部ユニット20は、十分硬いダンパ32を用いることができる。このため、偏重心ディスク11の高速回転により発生する内部振動に対して、支持ベース54の大きな振れを生じさせず、振動を抑制することができる。さらに、再生部ユニット20は、外部振動に対する支持ベース54の振れの振幅を抑制することができる。再生部ユニット20は、特に低い周波数の外部振動を抑制することができる。その結果、ディスク装置10の内部における支持ベース54の移動距離を短くすることができ、ディスク装置10の小型化を実現できる。
さらに、錘84は、シャフト83a,83bにより移動可能に支持されている。そして、錘84のZ方向の両側には支持ブロック85の上板85aとカバー部材86とが配置されている。そのため、図14に示したような移動規制部材76(当て面)を設けた場合と同様に、外部からの衝撃振動により錘84が大きく変位しても、錘84はディスク装置10内の他の部品に衝突しない。
但し、錘84がシャフト83a,83bに沿って摺動するときの摺動摩擦のため、実施の形態1で説明した動吸振器ユニット71よりも利得が小さくなる。そのため、動吸振器ユニット71と同等の制振効果を発揮させるためには、シャフト83a,83bの周囲にグリスなどを塗って限り摺動摩擦を小さくし、また、錘84を重くすることが望ましい。
このように、動吸振器ユニット81は、錘84(補助質量)をディスク11の回転軸方向(Z方向)に移動可能に案内するシャフト83a,83b(案内部材)を有している。また、コイルバネ82(付勢手段)は、錘84をディスク11の回転軸方向(Z方向)にバネ力を有する。これらの特徴により、動吸振器ユニット81は、振動を抑制したい方向(ここではZ方向)に、効果的に制振効果を発揮することができる。
本発明は、例えば、カーナビゲーションシステムやカーオーディオに用いられる、車載用のディスク装置に適用したときに、特に大きな効果が期待される。
例えば、カーナビゲーションシステムやカーオーディオを、車両のセンターコンソールに取り付ける場合には、DINという規格があり、1DINが「幅180mm×高さ50mm」と定められている。車載用のディスク装置は、この規格内に収まることが要求されるため、寸法上の制約が大きい。そのため、小さい装置構成で、所望の振動抑制効果を発揮することができる本発明のディスク装置は特に有用である。
但し、本発明が、車載用以外のディスク装置にも適用できることは言うまでもない。
なお、以上のように本発明の実施の形態および変形例について説明したが、本発明はこれらの実施の形態および変形例に限るものではない。
10 ディスク装置、 11 ディスク、 11a クランプ領域、 12 筐体(装置本体)、 20 再生部ユニット、 31 ボス(ダンパ取付部)、 32 ダンパ(ダンパ部材)、 33 ねじ、 51 クランパ、 52 回路基板、 52a 円盤型モータ、 53 ヘッド部、 53a 光ピックアップ、 54 支持ベース、 54e 支持孔、 55 切り欠き、 57 ターンテーブル、 58 クランプ板、 61 送りねじ、 62 ガイド軸、 64 モータ、 71 動吸振器ユニット(動吸振器)、 72 板バネ(弾性部材)、 72c 延在部(有効バネ部)、 73 板バネ(弾性部材)、 73c 延在部(有効バネ部)、 74 錘(補助質量)、 75 支持ブロック(支持部材)、 76 移動規制部材、 81 動吸振器ユニット(動吸振器)、 82 圧縮コイルバネ(弾性部材)、 83a,83b シャフト、 84 錘(補助質量)、 85 支持ブロック(支持部材)、 86 カバー部材(移動規制部材)、 91 動吸振器ユニット(動吸振器)、 92,93,96,97 板バネ(弾性部材)、 94 錘(補助質量)、 95 支持ブロック(支持部材)、 102 板バネ(弾性部材)、 103 粘弾性体、 112,114 板バネ(弾性部材)、 113 粘弾性体。
この発明に係るディスク装置は、ディスクを保持して回転軸を中心として回転させるターンテーブルと、回転するディスクに対して情報の読み取りを行うヘッド部と、ヘッド部およびターンテーブルが取り付けられた支持ベースと、支持ベースが取り付けられた装置本体と、支持ベースと装置本体との間に設けられたダンパ部材と、支持ベースに取り付けられる弾性部材および弾性部材を介して支持ベースに支持される補助質量を有する動吸振器とを備える。弾性部材は、ディスクの回転軸方向に直交する方向よりも当該回転軸の方向に変形しやすいものである。動吸振器は、ディスクの回転中にディスクが回転軸方向に変形する際の共振周波数に基づいて、回転軸方向の振動を制振する共振周波数が設定された周波数応答特性を有する。

Claims (10)

  1. ディスクを保持して回転軸を中心として回転させるターンテーブルと、
    前記ターンテーブルにより回転する前記ディスクに対して情報の読み取りを行うヘッド部と、
    前記ヘッド部および前記ターンテーブルが取り付けられた支持ベースと、
    前記支持ベースが取り付けられた装置本体と、
    前記支持ベースと前記装置本体との間に設けられたダンパ部材と、
    前記支持ベースに取り付けられる弾性部材および前記弾性部材を介して前記支持ベースに支持される補助質量を有する動吸振器と
    を備え、
    前記弾性部材は、前記ディスクの回転軸方向に直交する方向よりも当該回転軸の方向に変形しやすいこと
    を特徴とするディスク装置。
  2. 前記動吸振器は、前記ディスクの回転中に前記ディスクが前記回転軸の方向に変形する際に生じる共振周波数で前記回転軸方向の振動を制振することを特徴とする請求項1に記載のディスク装置。
  3. 前記動吸振器の制振する共振周波数は、前記ディスクが最高回転数で回転しているときに生じる共振周波数であることを特徴とする請求項2に記載のディスク装置。
  4. 前記ダンパ部材および前記支持ベースを含む振動系の周波数応答特性は、前記ディスクの回転軸の方向および当該回転軸に直交する方向において前記共振周波数以下で減衰領域に達することを特徴とする請求項1から3のいずれ1項に記載のディスク装置。
  5. 前記減衰領域は、100Hz以下、110Hz以下または200Hz以下のいずれかの周波数であることを特徴とする請求項4に記載のディスク装置。
  6. 前記弾性部材は、前記回転軸方向を厚み方向とする板バネであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のディスク装置。
  7. 前記板バネは、前記補助質量を前記回転軸方向から挟んで保持することを特徴とする請求項6に記載のディスク装置。
  8. 少なくとも前記板バネの1つを、前記回転軸方向に2枚以上重ねることを特徴とする請求項6または7に記載のディスク装置。
  9. 前記弾性部材は、板バネおよび粘弾性体を有する板バネユニットであり、
    前記板バネユニットは、前記板バネの少なくとも片面に粘弾性体を有するか、2枚の前記板バネの間に前記粘弾性体を挟むこと
    を特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のディスク装置。
  10. 前記板バネユニットは、前記補助質量を前記回転軸方向から挟んで保持することを特徴とする請求項9に記載のディスク装置。
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