JPWO2013099651A1 - シートバック用フレーム構造体 - Google Patents

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Abstract

シートベルトリトラクタとシート上部にシートベルトガイドを有するシートバックの内部に設けられるフレーム構造体であって、シートバックの下部のシート幅方向一端側に位置する第1支持点から上方のシートベルトガイド設置部に向けて斜行して延びる斜行フレームと、シートバックの下部のシート幅方向他端側に位置する第2支持点から上方に向けて延び上端が斜行フレームに接続された縦フレームと、斜行フレームの下端と縦フレームの下端との間に延びる横フレームの一体化構造に構成されているシートバック用フレーム構造体が提供される。シートの前方ないし前方斜め方向に作用する荷重に対して効果的にフレーム構造体の剛性を向上できるとともに、容易にフレーム構造体を軽量化できる。

Description

本発明は、車両のシートバック用フレーム構造体に関し、とくに、シートベルトリトラクタおよびシートベルトガイドを有し、車両前方に向けて加わる荷重に対して高剛性であり、かつ軽量構造を達成可能なシートバック用フレーム構造体に関する。
車両のシートバックにおけるクッション体の内部には、シートバックに必要な強度や剛性を持たせるために、通常、シートバック用フレーム構造体が内包されている。シートバックの強度や剛性を向上するための改良は、従来から種々提案されている。
例えば、特許文献1には、補強リブが一体成形された中空状で面状の樹脂フレーム体と、第1、第2の金属フレーム体とを組み合わせて、フレーム構造体の強度、剛性を向上させるようにした構造が開示されている。特許文献2には、板状のフレーム骨格本体の両側部に、上下方向に延びる凸条補強部を形成した繊維強化樹脂製のフレーム構造体が開示されている。これらは、シートバック全体の固定強度の向上や、四角形状のシートバック用フレーム構造体の強度や剛性を向上させるようにしたものである。
一方、シートバック用フレーム構造体には、車体フレームからではなく、シートフレームにシートベルトリトラクタおよびシートベルトガイド(あるいはシートベルトアンカと呼ぶ場合もある)が取り付けられたものもある。特許文献3には、シートバックの枠状フレームへのシートベルトリトラクタの取付強度を向上するようにした構造が開示されている。
特開2006−81676号公報 特開2005−194号公報 特開平10−129416号公報 特開2000−6696号公報
シートベルトリトラクタをシートフレームに取り付けたシートバック用フレーム構造体においては、シートベルトリトラクタとシートベルトガイドは、通常、シートバックの車両幅方向のいずれか一方寄りに、特にシートベルトガイドはフレーム上部の位置に設けられる。シートベルトはシートベルトリトラクタよりシートベルトガイドを介して斜めに襷がけするよう乗員を支持するため、車両衝突時にシートバック用フレーム構造体には、慣性による乗員の前方移動により、シートベルトガイド設置部を起点とした前方あるいは前方斜めの荷重が加わることになる。そのため、シートバック用フレーム構造体は、これらの荷重による曲げ、さらには捩り変形に対する剛性を高める必要がある。
この剛性向上のために、例えば、特許文献1や2には枠状のフレーム構造体全体の強度、剛性を高める方法や、さらに特許文献4にはシートバックの後ろ側に抑止バーを設けてシートバックの前方方向への荷重に対して高い強度を発揮できるようにした構造が開示されている。しかし、これらの構造では剛性・強度を向上する上で、逆にフレーム構造体全体の重量増加や、期待したほどの軽量化の実現が困難になるおそれがある。
従来技術においては、上記のようなシートベルトガイドを介してシートバック用フレーム構造体に前方方向あるいは前方斜めにかかる荷重に特に着目してフレーム構造体の剛性向上を目指した提案は多くない。
そこで本発明の課題は、とくにシートバック用フレーム構造体に前方あるいは前方斜めにかかる荷重に着目し、その荷重に対して効果的にフレーム構造体の剛性向上を達成できるとともに、容易にフレーム構造体を軽量化できるようにしたシートバック用フレーム構造体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るシートバック用フレーム構造体は、シートベルトリトラクタとシート上部にシートベルトガイドを有するシートバックの内部に設けられるフレーム構造体であって、シートバックの下部のシート幅方向一端側に位置する第1支持点から上方のシートベルトガイド設置部に向けて斜行して延びる斜行フレームと、シートバックの下部のシート幅方向他端側に位置する第2支持点から上方に向けて延び上端が前記斜行フレームに接続された縦フレームと、前記斜行フレームの下端と前記縦フレームの下端との間に延びる横フレームの一体化構造に構成されていることを特徴とするものからなる。本発明におけるシートバック用フレーム構造体は、シートバックの内部に設けられてシートバックにかかる荷重を受け止める役目を果たすシートバックの主剛性を担うものである。したがって、シートバックとして、通常設けられるクッション体のための枠体等を有する場合にあっても、その枠体等は本発明に係るシートバック用フレーム構造体とは別物であり、その枠体等の有無にかかわらず、本発明の要件を満たす限り本発明の範囲に含まれる。
このような本発明に係るシートベルトリトラクタとシートベルトガイドを有するシートバック用フレーム構造体においては、フレーム構造体の上部にシートベルトガイドを有するので、衝突時等の衝撃によって乗員が慣性により前方に移動しようとする際に、フレーム構造体には、シートベルトからシートベルトガイド設置部に、前方ないし前方斜め方向に荷重がかかる。フレーム構造体は、シートバックの下部のシート幅方向一端側に位置する第1支持点から上方のシートベルトガイド設置部に向けて斜行して延びる斜行フレームを有するので、この前方ないし前方斜めにかかる荷重がフレーム構造体によって効率よく受け止められ、フレーム構造体の曲げおよび捩り剛性が効果的に高められる。そして、フレーム構造体はこの斜行フレームと第2支持点から上方に向けて延びる縦フレームとを有する構造に構成されているので、フレーム構造体全体として曲げ剛性がより効率よく高められる。さらに、斜行フレームの下端と縦フレームの下端とが横フレームで接続され、フレーム構造体が全体として正面視にて略三角形形状の一体化構造に構成されているので、構造体全体としての捩り剛性が大幅に高められる。したがって、このシートバック用フレーム構造体にかかる荷重、とくにシートベルトガイド設置部から加わる荷重が従来の四角形枠体構造よりも高い剛性をもって効果的に受け止められる。加えて、四角形状の枠体構造に比べ、斜行フレームと縦フレームと横フレームの少ないフレーム部材数にて構成できるため、同時に、フレーム構造体全体の軽量化も容易に実現可能となる。
上記本発明に係るシートバック用フレーム構造体においては、上記斜行フレームは、少なくともシート前後方向に向くシート前側部位に位置する板面部とシート幅方向に側面に向く部位に位置する板面部とを備えた横断面を有する構造に構成することができる。また、縦フレームとしては少なくともシート幅方向に側面に向く部位に位置する板面部を備えた横断面を有する構造に構成することもできる。このような構造においては、斜行フレームはL字状横断面部を有するので、斜行フレーム自体の強度、剛性が高められ、縦フレームと併せて簡素な形状で高い剛性と軽量性を実現することができる。
この場合、上記横フレームとしては、シート上下方向に底面に向く部位に位置する板面部と、上記斜行フレーム下端側で上記斜行フレームのシート前後方向に向いた板面部へと接続するシート前後方向に前側部位に位置する板面部とを備えた横断面を有する構造に構成することができる。このような構造においては、一体化フレーム構造のうち、斜行フレームと横フレームの剛性だけでなく、それらの連結部の剛性がともに高められるため、特にフレーム構造体全体としての捩り剛性を一層大幅に高められる。
また、上記斜行フレームとしては、コ字状横断面を有する構造に構成することもできる。このような構造においては、上述のL字状横断面に比べてさらに斜行フレーム自体の曲げ剛性を高めることができ、シートバック用フレーム構造体の剛性をより一層高めることができる。
さらには、上記斜行フレームとして、パイプ状横断面(箱形横断面を含む)を有する構造に構成することもできる。このような構造においては、上述のコ字状横断面に比べてさらに斜行フレーム自体の捩り剛性を高めることができ、シートバック用フレーム構造体の剛性をより一層高めることができる。
また、本発明に係るシートバック用フレーム構造体においては、上記斜行フレームの少なくとも一部に、断面内にコア材を有する構造に構成することができる。斜行フレーム全体にコア材を配置すればよりフレーム構造体の剛性を高めることができるが、例えば斜行フレームの上部あるいは下部、すなわちシートベルトガイド設置部や第1支持点周辺部に部分的に配置すれば、軽量性を維持しつつ、より効果的にフレーム構造体の剛性ないし強度を高めることができる。また、コア材の材質としては、軽量な材料、例えば発泡材を使用できる。このような構造においては、コア材と、その少なくとも片面に、好ましくは両面に、斜行フレームを構成する板面部(コア材に対する表皮材)とを有する構造となるので、軽量性を維持しつつフレーム部材としての剛性を著しく高めることが可能になる。
前述のような各板面部を有する構造においては、上記斜行フレームまたは/および上記横フレーム(上記斜行フレームまたは上記横フレームのいずれか、またはそれらの両方)は、補強リブを有する構造に構成することができる。このような構造においては、各フレームに補強リブが配置されることによって、各フレーム自体の強度、剛性が構造的に大幅に高められることになり、ひいては、シートバック用フレーム構造体全体の剛性が大幅に高められることになる。
本発明に係るシートバック用フレーム構造体は、さらに、上記斜行フレームと上記縦フレームとの間に延びる補強フレームを有する構造に構成することができる。また、さらに、上記斜行フレームと上記横フレームとの間に延びる補強フレームを有する構造に構成することもできる。また、さらに、上記横フレームと上記縦フレームとの間に延びる補強フレームを有する構造に構成することもできる。このような補強フレームを有することにより、シートバック用フレーム構造体の特定の部位の剛性が、さらには全体としての剛性が、構造的に大幅に高められる。補強フレームはフレーム構造体全体の軽量性が損なわれないように適宜配設されればよい。
また、本発明に係るシートバック用フレーム構造体においては、軽量化の要請に応えるために、少なくとも一部が樹脂で構成されている構造、好ましくは全体が樹脂で構成されている構造を採用できる。本発明では、斜行フレームと縦フレームと横フレームの一体化構造にて少ないフレーム部材数で効率よく剛性が高められているので、構成材料に金属ではなく樹脂を用いても、十分に高い剛性を確保することが可能になり、かつ、樹脂の使用によって全体の軽量化を促進できる。
とくに、本発明に係るシートバック用フレーム構造体においては、少なくとも一部が繊維強化樹脂で構成されていることが望ましい。繊維強化樹脂の採用により、シートバック用フレーム構造体全体の望ましい軽量化と高剛性化の両方を容易に達成できるようになる。中でも、フレーム構造体の曲げおよび捩り剛性への寄与が大きい斜行フレームの少なくとも一部が繊維強化樹脂で構成されていることが好ましい。
また、繊維強化樹脂の採用する場合、フレーム部材の少なくとも一部を繊維強化樹脂で構成する構造はもちろんのこと、いずれかのフレーム部材の少なくとも一部の表面に、一方向に配列された強化繊維を有する繊維強化樹脂製テープが貼設されている構造を採用することも可能である。繊維強化樹脂製テープを貼設する場合には、例えば各フレームの延設方向に強化繊維の繊維方向を一致させるように配置すれば、各フレームの曲げ剛性を効果的に高めることができる。または、延設方向に角度を有して配置した場合には各フレームの捩り剛性を高めることができる。これらの構造では、上記の方法を複数組み合わせることも可能である。要求仕様に応じて、これらのうち任意の構造を採用できる。
なお、いずれかの部位に繊維強化樹脂の採用する場合、強化繊維の種類は特に限定されず、例えば炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の他、これら強化繊維の組み合わせも採用可能である。また、マトリックス樹脂としても特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、これらの組み合わせのいずれも採用可能である。
さらに、本発明に係るシートバック用フレーム構造体は、シートベルトリトラクタとシート上部にシートベルトガイドを有するシートバックの内部に設けられるフレーム構造体であれば特に限定されないが、例えば、可倒式のシートバックの内部に設けられるものに適用できる。
このように、本発明に係るシートバック用フレーム構造体によれば、上部のシートベルトガイド設置部に対し斜行フレームを有する構成により、とくにフレーム構造体に前方ないし前方斜め方向に作用する荷重に対して効果的にフレーム構造体の剛性を向上でき、その斜行フレームと縦フレームと横フレームの一体化構成とすることにより、フレーム構造体全体としての剛性を高めることができるとともに、フレーム部材数が少なくて済むことにより、また、とくに構成材料に樹脂や繊維強化樹脂を使用できることにより、容易にフレーム構造体の軽量化をはかることができる。
本発明の一実施態様に係るシートバック用フレーム構造体の概略斜視図である。 本発明の別の実施態様に係るシートバック用フレーム構造体の概略斜視図である。 本発明のさらに別の実施態様に係るシートバック用フレーム構造体の概略斜視図である。 図1のA−A‘線に沿う斜行フレームの横断面図(A)およびその変形例に係る斜行フレームの横断面図(B)である。 図2のB−B‘線に沿う斜行フレームの横断面図(A)およびその変形例に係る斜行フレームの横断面図(B)である。 図3のC−C‘線に沿う斜行フレームの横断面図である。 本発明のさらに別の実施態様に係るシートバック用フレーム構造体の概略斜視図であって、図1における背面側の方向から見た概略斜視図である。 本発明のさらに別の実施態様に係るシートバック用フレーム構造体の概略斜視図である。 本発明のさらに別の実施態様に係るシートバック用フレーム構造体の概略斜視図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係るシートバック用フレーム構造体を示している。図1に示すシートバック用フレーム構造体1は、シートベルトリトラクタ2を有するシートバック3(あるいはシートバック用クッション体)の内部に設けられるフレーム構造体として構成されている。このシートベルトリトラクタ2によりシートフレーム上部に設置されたシートベルトガイド5を介してシートベルト10の巻取りおよび巻出しが行われ乗員が支持される構造となっている。このシートバック用フレーム構造体1は、シートバック3の下部のシート幅方向X−Xの一端側に位置する第1支持点4から上方のシートベルトガイド5の設置部に向けて斜行して延びる斜行フレーム6と、シートバック3の下部のシート幅方向X−Xの他端側に位置する第2支持点7から上方に向けて延び上端が斜行フレーム6に接続された縦フレーム8と、斜行フレーム6の下端と縦フレーム8の下端との間に延び両下端部を接続している横フレーム9とで正面視にて略三角形形状の一体化構造に構成されている。第1支持点4には図示しないシートバック3のリクライニング機構が取付けられており、シートバックが第1支持点4と第2支持点7を結ぶシートバック回転軸11を中心に可倒式に傾斜角を変更および固定できるように構成されている。また、第2支持点7は回転軸11周りの回転移動のみ可能なようにフレーム構造体を支持している。上記シートバック用フレーム構造体1は、少なくともその一部が、好ましくはその全体が繊維強化樹脂、例えば炭素繊維強化樹脂からなり、全体が一体成形体として構成されている。
また、本実施態様では、図4(A)にも示すように、斜行フレーム6は、シート前後方向に向くシート前側部位に位置する板面部6aとシート幅方向に側面に向く部位に位置する板面部6bとを備えたL字状横断面を有する構造に構成され、また縦フレーム8はシート幅方向に側面に向く板面部8aにより構成されている。そして、横フレーム9は、シート上下方向に底面に向く部位に位置する板面部9aと、板面部9aに部分的に接続し、さらに上記斜行フレーム6の下端側で斜行フレーム6のシート前後方向に向いた板面部6aと接続するシート前後方向に前側部位に位置する板面部9bとを備えた横断面を有する構造に構成されている。このように板面部9bにより斜行フレーム6と横フレーム9の連結部の剛性が高められることでリクライニング機構が配置された第1支持点4周りの剛性をより高めることができる。さらに上記のような斜行フレーム6の構造においては、例えば図4(B)に示すように、断面内に発泡材等の軽量材料からなるコア材40を有する構造とし、軽量性を維持しつつ剛性をさらに高める構造とすることもできる。このようなコア材40は斜行フレーム6の全体に配置してもよいが、部分的に配置してもよい。部分的に配置する場合には、斜行フレーム6下部の第1支持点4周辺部に配置するとより効果的に剛性および強度が高められる。または、斜行フレーム6上部のシートベルトガイド5の設置部周辺に配置すれば、シートベルトガイド設置部の取り付け剛性および強度をより効果的に高めることができる。
図1に示したような本実施態様に係るシートバック用フレーム構造体1においては、上部のシートベルトガイド5の設置部からフレーム構造体1に前方ないし前方斜めに荷重Fがかかる場合、第1支持点4では回転軸11まわりの回転移動がリクライニング機構により拘束されるため、フレーム構造体に車両前方方向の曲げ変形と同時に捩り変形も生じる。この荷重Fは、第1支持点4から上方のシートベルトガイド5の設置部に向けて斜行して延びる斜行フレーム6によって効率よく受け止められ、フレーム構造体1の剛性が効果的に高められる。また、斜行フレーム6、縦フレーム8および横フレーム9の一体成形体としてフレーム構造体が構成されているので、フレーム構造体1全体としての剛性が、少ないフレーム部材数にて、効率よく高められ、かつ、その少ないフレーム部材数の構成により、同時にフレーム構造体1の軽量化が達成されている。とくに、フレーム構造体1全体が繊維強化樹脂で構成されていれば、フレーム構造体1全体の強度、剛性が高く確保されつつ、フレーム構造体1全体の軽量化が達成される。
このような本発明に係るシートバック用フレーム構造体は、さらに、以下のような種々の形態を採り得る。例えば図2に示す実施態様では、シートバック用フレーム構造体21は、図1に示した形態と同様に、斜行フレーム22と縦フレーム23と横フレーム24の一体成形体として構成されているが、本実施態様では、図5(A)に示すように、斜行フレーム22は、コ字状横断面を有する構造に構成されており、斜行フレーム22自体の強度、剛性が構造的に高められている。そして、横フレーム24は、シート前後方向に前側部位に位置する板面部24bが斜行フレームの板面部22aに斜行フレーム下端で接続するとともに縦フレーム23の下端部に接続するよう構成されており、フレーム構造体の一体性が増し、全体の剛性がより高められている。さらに上記のような斜行フレーム22の構造においては、例えば図5(B)に示すように、コ字状横断面内に発泡材等の軽量材料からなるコア材50を有する構造とし、軽量性を維持しつつ剛性をさらに高める構造とすることもできる。このようなコア材50は斜行フレーム22の全体に配置してもよいし、部分的に配置する構造を採用することもできる。
また、図3に示す実施態様では、シートバック用フレーム構造体31は、図1に示した形態と同様に、斜行フレーム32と縦フレーム33と横フレーム34の一体成形体として構成されているが、本実施態様では、図6にも示すように、斜行フレーム32は、パイプ状横断面(特に、図示例では箱形横断面)を有する構造に構成されており、斜行フレーム32自体の強度、剛性が構造的に高められている。そして、横フレーム34としても、シート上下方向に底面に向く部位に位置する板面部34aと、板面部34aに部分的に接続し、かつ、部分的に、斜行フレーム32の下端側で斜行フレーム32のシート前後方向に向いた板面部32aへと接続するシート前後方向に前側部位に位置する板面部34bとを備えた横断面を有する構造に構成されており、一体化フレーム構造のうち、とくに斜行フレーム32と横フレーム34の剛性およびそれらの連結部の剛性がともに高められている。さらに図示は省略するが、上記のような斜行フレーム32の構造においても、パイプ状フレームの一部あるいは全体に発泡材等の軽量材料からなるコア材を配し、軽量性を維持しつつ剛性をさらに高める構造とすることもできる。
また、図7は図1における背面側の方向から見た概略斜視図を示しているが、図7に示す実施態様では、シートバック用フレーム構造体71は、図1に示した形態と同様に、斜行フレーム72と縦フレーム73と横フレーム74の一体成形体として構成されているが、本実施態様では、斜行フレーム72には、板面部72a、72b間を接続しジグザグ状に延びる補強リブ75が一体に設けられており、かつ、横フレーム74にも、板面部74a、74b間を接続する補強リブ76が一体に設けられている。このように補強リブ75、76が一体に設けられることにより、斜行フレーム72、横フレーム74の剛性、さらにはシートバック用フレーム構造体71全体の剛性、特に捩り剛性が大幅に高められる。
また、図8に示す実施態様では、シートバック用フレーム構造体81は、図1に示した形態と同様に、斜行フレーム82と縦フレーム83と横フレーム84の一体成形体として構成されているが、本実施態様では、斜行フレーム82と縦フレーム83との間に両フレーム間にわたって延びる補強フレーム85が設けられており、縦フレーム83と横フレーム84との間に両フレーム間にわたって延びる補強フレーム86が設けられている。また、斜行フレーム82と横フレーム84との間に延びる横フレーム84の前側板面部87は、両フレーム間にわたって延びる補強フレームの機能も果たしている。このように適宜補強フレームを設けることにより、斜行フレーム82をより補強できることは勿論のこと、フレーム構造体81全体としての剛性を一層高めることができる。
また、図9に示す実施態様では、シートバック用フレーム構造体91は、図1に示した形態と同様に、斜行フレーム92と縦フレーム93と横フレーム94の一体成形体として構成されているが、フレーム構造体91の少なくとも一部の表面に、本実施態様では、とくに斜行フレーム92と縦フレーム93の表面に、一方向に配列された強化繊維を有する繊維強化樹脂製テープ95、96が貼設されている。繊維強化樹脂製テープ95、96の貼設により、構造体の外部から、対象とする部位のみを効率よく容易に補強することが可能である。図示した構造に加えて、横フレーム94の表面にも繊維強化樹脂製テープを貼設してもよい。
このように、本発明においては、斜行フレームや横フレームの構造、補強リブや補強フレームの形態、さらには各部の補強形態等について、各種の形態を採り得る。
本発明は、上部にシートベルトガイドを有するあらゆるシートバック用フレーム構造体に適用可能である。
1、21、31、71、81、91 シートバック用フレーム構造体
2 シートベルトリトラクタ
3 シートバック
4 第1支持点
5 シートベルトガイド
6、22、32、72、82、92 斜行フレーム
7 第2支持点
8、23、33、73、83、93 縦フレーム
9、24、34、74、84、94 横フレーム
10 シートベルト
11 回転軸
40、50 コア材
75、76 補強リブ
85、86 補強フレーム
95、96 繊維強化樹脂製テープ

Claims (16)

  1. シートベルトリトラクタとシート上部にシートベルトガイドを有するシートバックの内部に設けられるフレーム構造体であって、シートバックの下部のシート幅方向一端側に位置する第1支持点から上方のシートベルトガイド設置部に向けて斜行して延びる斜行フレームと、シートバックの下部のシート幅方向他端側に位置する第2支持点から上方に向けて延び上端が前記斜行フレームに接続された縦フレームと、前記斜行フレームの下端と前記縦フレームの下端との間に延びる横フレームの一体化構造に構成されていることを特徴とするシートバック用フレーム構造体。
  2. 前記斜行フレームは、少なくともシート前後方向に向くシート前側部位に位置する板面部とシート幅方向に側面に向く部位に位置する板面部とを備えた横断面を有する、請求項1に記載のシートバック用フレーム構造体。
  3. 前記縦フレームが少なくともシート幅方向に側面に向く部位に位置する板面部を備えた横断面を有する、請求項1または2に記載のシートバック用フレーム構造体。
  4. 前記横フレームは、シート上下方向に底面に向く部位に位置する板面部と、前記斜行フレーム下端側で前記斜行フレームのシート前後方向に向いた板面部に接続するシート前後方向に前側部位に位置する板面部とを備えた横断面を有する、請求項2または3に記載のシートバック用フレーム構造体。
  5. 前記斜行フレームは、コ字状横断面を有する、請求項1〜4のいずれかに記載のシートバック用フレーム構造体。
  6. 前記斜行フレームは、パイプ状横断面を有する、請求項1〜5のいずれかに記載のシートバック用フレーム構造体。
  7. 前記斜行フレームの少なくとも一部に、断面内にコア材を有する、請求項1〜6のいずれかに記載のシートバック用フレーム構造体。
  8. 前記斜行フレームまたは/および前記横フレームは、補強リブを有する、請求項1〜7のいずれかに記載のシートバック用フレーム構造体。
  9. さらに、前記斜行フレームと前記縦フレームとの間に延びる補強フレームを有する、請求項1〜8のいずれかに記載のシートバック用フレーム構造体。
  10. さらに、前記斜行フレームと前記横フレームとの間に延びる補強フレームを有する、請求項1〜9のいずれかに記載のシートバック用フレーム構造体。
  11. さらに、前記横フレームと前記縦フレームとの間に延びる補強フレームを有する、請求項1〜10のいずれかに記載のシートバック用フレーム構造体。
  12. 少なくとも一部が樹脂で構成されている、請求項1〜11のいずれかに記載のシートバック用フレーム構造体。
  13. 少なくとも一部が繊維強化樹脂で構成されている、請求項1〜12のいずれかに記載のシートバック用フレーム構造体。
  14. 斜行フレームの少なくとも一部が繊維強化樹脂で構成されている、請求項13に記載のシートバック用フレーム構造体。
  15. 少なくとも一部の表面に、一方向に配列された強化繊維を有する繊維強化樹脂製テープが貼設されている、請求項1〜14のいずれかに記載のシートバック用フレーム構造体。
  16. 可倒式のシートバックの内部に設けられる、請求項1〜15のいずれかに記載のシートバック用フレーム構造体。
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