JPWO2013015055A1 - 芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、高純度の芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートを得る方法として、芳香族ジオールと(メタ)アクリル酸無水物とを反応させて、芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートと副生成物である芳香族ジオールジ(メタ)アクリレートとを含有する反応液を調製する工程、前記反応溶液中の未反応芳香族ジオールを水洗浄により除去して粗結晶を調製する工程、前記粗結晶を溶媒で溶解させて溶解液を調製する工程、及び前記溶解液を貧溶媒と接触させることにより前記溶解液中の前記芳香族ジオールジ(メタ)アクリレートを除去する工程を含む、高純度の芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートを得る方法が報告されている(特許文献2)。
さらに、芳香族ジオールを、疎水性溶剤中強酸触媒存在下(メタ)アクリル酸と加熱還流させ、溜出水を除去し、除去水の量が芳香族ジオールのモル数の40〜100%に達したとき終了する芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの製造方法が報告されている(特許文献3)。
(2)前記強酸は反応系内で液体である、(1)の芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの製造方法、
(3)前記強酸が、p−トルエンスルホン酸、硫酸、またはメタンスルホン酸から選択される(2)の芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの製造方法、
(4)芳香族ジオールと(メタ)アクリル酸とをエステル化反応させる際のモル比が、芳香族ジオール1.0モルに対し、(メタ)アクリル酸が3.0〜4.0モルである、請求項(1)〜(3)のいずれかに記載の芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの製造方法、
(5)仕込みの芳香族ジオールに対する、芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの生成率が40〜70モル%になった時点でエステル化反応を終了させる、(1)〜(4)のいずれかに記載の芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの製造方法、
(6)前記加熱減圧は、前記エステル化反応と、反応系内の水分とエステル化物との加水分解反応が平衡状態となった後に開始する、(1)〜(5)のいずれかに記載の芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの製造方法、
(7)空気を吹き込みながらエステル化反応させる(1)〜(6)のいずれかに記載の芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの製造方法である。
本発明による芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの製造方法は、芳香族ジオールおよび(メタ)アクリル酸を、強酸の存在下に、無溶剤又は非プロトン性有機溶剤の存在下で100℃から140℃で反応を行い、更に反応系内の水分を加熱減圧により除去しながらエステル化反応させることを特徴とする。
また、疎水性溶剤での洗浄を先に行った場合は、反応溶液と疎水性溶剤を接触させて、芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートおよび未反応の芳香族ジオールを含む粗結晶を生成させて、この粗結晶を水で洗浄することで、芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの結晶を得る。
1H−NMR測定により、芳香族ジオール、芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレート、及び芳香族ジオールジ(メタ)アクリレートの合計を100モル%として、各成分を算出した。
(色相)
反応終了時点での着色具合を目視で観察した。
○:僅かに着色、×:かなり着色
(濁度)
反応終了時点の反応液をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートにより4質量倍に希釈して目視で観察した。
○:透明、×:濁り
4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの合成
冷却器、温度計、攪拌羽を取り付けた1Lセパラブルフラスコにヒドロキノン100質量部、メタクリル酸235質量部、p−トルエンスルホン酸4質量部を仕込み、空気を吹き込みながら120℃で反応を開始した。反応が平衡に達し、生成物の組成が一定になったところで、系内の水分が0.2質量%以下を維持するように、−80kPaで減圧留去しながら反応を継続した。4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの割合がヒドロキノンを仕込んだモル数の49.9%になったところで系内を常圧に戻し、冷却してエステル化反応を終了した。組成比、色相、濁度は表1に示すとおりである。
4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの合成
冷却器、温度計、攪拌羽を取り付けた1Lセパラブルフラスコにヒドロキノン100質量部、メタクリル酸235質量部、オルガノ(株)製強酸性イオン交換樹脂アンバーリスト15.DRY10質量部を仕込み、120℃で反応を開始した。反応が平衡に達し、生成物の組成が一定になったところで、系内の水分が0.2質量%以下を維持するように、−80kPaで減圧留去しながら反応を継続した。4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの割合がヒドロキノンを仕込んだモル数の56.8%になったところで系内を常圧に戻し、冷却してエステル化反応を終了した。組成比、色相、濁度は表1に示すとおりである。
4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの合成
冷却器、温度計、攪拌羽を取り付けた1Lセパラブルフラスコにヒドロキノン100質量部、メタクリル酸86質量部、p−トルエンスルホン酸4質量部を仕込み、125℃で反応を開始した。反応が平衡に達し、生成物の組成が一定になったところで−80kPaで減圧留去しながら反応を継続した。4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの割合がヒドロキノンを仕込んだモル数の34.4%になったところで系内を常圧に戻し、冷却してエステル化反応を終了した。組成比、色相、濁度は表1に示すとおりである。
4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの合成
還流冷却器、水分離器、温度計及び撹拌羽を取り付けた1Lセパラブルフラスコに、ヒドロキノン100質量部、メタクリル酸86質量部、p−トルエンスルホン酸4質量部、トルエン100質量部を仕込み、還流させて反応を行った。120℃でトルエンと水の共沸混合物の留出が始まり、水分離器で分離した水を系外へ除去しながら、120℃で5時間反応させた。4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの割合がヒドロキノンを仕込んだモル数の37.0%になったところで系内を常圧に戻し、冷却してエステル化反応を終了した。組成比、色相、濁度は表1に示すとおりである。
4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの合成
還流冷却器、水分離器、温度計及び撹拌羽を取り付けた1Lセパラブルフラスコに、ヒドロキノン100質量部、メタクリル酸86質量部、オルガノ(株)製強酸性イオン交換樹脂アンバーリスト15.DRY10質量部、トルエン100質量部を仕込み、還流させて反応を行った。120℃でトルエンと水の共沸混合物の留出が始まり、水分離器で分離した水を系外へ除去しながら、120℃で16時間反応させた。4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの割合がヒドロキノンを仕込んだモル数の51.3%になったところで、冷却してエステル化反応を終了した。組成比、色相、濁度は表1に示すとおりである。疎水性溶剤のトルエンを使用した場合、ヒドロキノンジメタクリレートの割合が多くなり、精製工程で大量の洗浄溶剤を必要とすることから経済的ではない。
4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの合成
冷却器、温度計、攪拌羽を取り付けた1Lセパラブルフラスコにヒドロキノン100質量部、メタクリル酸86質量部、p−トルエンスルホン酸4質量部を仕込み、145℃で1.5時間反応したところ、反応生成物の割合が一定になったため、−80kPaで減圧蒸留して系内の水分を除去した。再び、常圧下、145℃で1.5時間反応したところ、反応生成物の割合が一定になったため、−80kPaで減圧蒸留して系内の水分を除去した。この時、系内の水分は0.5〜1.0%質量%で推移した。この操作を繰り返し行い、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの割合がヒドロキノンを仕込んだモル数の35.1%になったところでエステル化反応を終了した。組成比、色相、濁度は表1に示すとおりである。
4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの精製
実施例1で得た反応液をトリエチルアミンで中和して、メチルシクロヘキサンでの洗浄を繰り返し行い、p−フェニレンジメタクリレートのモル分率が0.1%になったところで、メチルシクロヘキサンでの洗浄を終了した。ここで、p−フェニレンジメタクリレートが除去された粗結晶が得られた。次に、水によるこの粗結晶の洗浄を繰り返し行い、未反応の芳香族ジオールのモル分率が0.2%になったところで、水洗浄を終了した。引き続き脱液、乾燥することで52.6質量部(収率:32.5%)の白色結晶を得た。
ヒドロキノン:4−ヒドロキシフェニルメタクリレート:p−フェニレンジメタクリレートのモル分率は、0.2:99.7:0.1であった。
冷却器、温度計、攪拌羽を取り付けた1Lセパラブルフラスコに、得られた白色結晶100質量部、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート300質量部、アゾビスイソブチロニトリル4.0質量部を仕込み、70℃で6時間反応し、ポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液を0.1μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過を行った。ガラス板に50μmのアプリケーターで塗布し、110℃のホットプレートで90秒、乾燥して膜厚3μmの塗膜を得た。更に230℃のオーブンで0、1、2、3時間加熱処理したときの波長400nmでの透過率を紫外可視分光光度計でそれぞれ測定した。結果を図1に示す。着色のないヒドロキシフェニルメタクリレートを原料に使用したポリマーは、加熱しても透過率の変化が少なく良好である。
比較例1で得られた反応液を参考例1と同様に処理して精製を行い、褐色粉末を得た。得られた褐色粉末を用いて参考例1と同様に重合を行い、ポリマー溶液を得た。引き続き、得られたポリマー溶液を0.1μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過を試みたが、目詰まりのため濾過が出来なかった。これは、濁度が高いためと考えられる。
比較例3で得られた反応液を参考例1と同様に処理して精製を行い、褐色粉末を得た。得られた褐色粉末を用いて参考例1と同様に重合を行い、ポリマー溶液を得た。引き続き、得られたポリマー溶液を用いて参考例1と同様に塗膜の透過率を測定した。結果を図1に示す。着色のあるヒドロキシフェニルメタクリレートを原料に使用したポリマーは、加熱すると透過率の変化が大きく、透明性を必要とする用途への適用が出来ない。
Claims (7)
- 芳香族ジオールおよび(メタ)アクリル酸を、強酸の存在下にエステル化反応させて芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートを製造する方法であって、該方法が無溶剤又は非プロトン性有機溶剤の存在下で100から140℃で行われ、反応系内の水分を加熱減圧により除去しながらエステル化反応させる工程を含む、芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの製造方法。
- 前記強酸は反応系内で液体である、請求項1に記載の芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの製造方法。
- 前記強酸が、p−トルエンスルホン酸、硫酸、またはメタンスルホン酸から選択される請求項2に記載の芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの製造方法。
- 芳香族ジオールと(メタ)アクリル酸とをエステル化反応させる際のモル比が、芳香族ジオール1.0モルに対し、(メタ)アクリル酸が3.0〜4.0モルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの製造方法。
- 仕込みの芳香族ジオールに対する、芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの生成率が40〜70モル%になった時点でエステル化反応を終了させる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの製造方法。
- 前記加熱減圧は、前記エステル化反応と、反応系内の水分とエステル化物との加水分解反応が平衡状態となった後に開始する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの製造方法。
- 空気を吹き込みながらエステル化反応させる請求項1〜6のいずれか一項に記載の芳香族ジオールモノ(メタ)アクリレートの製造方法。
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