JPWO2012133449A1 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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英之 大塚
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健一 佐藤
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香苗 平石
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Abstract

本発明の静電荷像現像用トナーは、植物ステロールから誘導されたワックス、電荷制御剤、着色剤および結着樹脂を含有することを特徴とする。このトナーは、短時間で加熱部材を所定の定着温度まで加熱できる電磁誘導加熱定着方式に適しており、光沢ムラや汚れのない画像を長期にわたって得ることができ、さらに低温定着にも適している。

Description

本発明は電子写真、静電記録などの分野で静電潜像を顕像化するための画像形成装置に用いられる、静電荷像現像用トナーに関する。
電子写真方式による画像形成プロセスでは、セレン、セレン合金、硫化カドミウム、アモルファスシリコンなどの無機感光体や、電荷発生剤と電荷輸送剤を用いた有機感光体に静電潜像を形成し、これをトナーにより現像し、感光体上に形成されたトナー像を、紙やプラスチックフィルムなどの転写シートに転写し、定着して可視画像を得る。
感光体には、その構成により、正帯電性のものと負帯電性のものが有る。全面が帯電された感光体を露光し、光が照射されていない部分にトナー像を形成する正規現像では、感光体とは逆極性に帯電されたトナーが使用される。一方、露光後に、光が照射された部分にトナー像を形成する反転現像では、感光体と同極性に帯電されたトナーが使用される。
トナーは、結着樹脂、着色剤、ワックス、及び必要により、その他の添加剤で構成される。特に、望ましい帯電特性(帯電速度、帯電レベル、帯電安定性など)、経時安定性、環境安定性などを付与するためには、一般に、電荷制御剤が添加される。この電荷制御剤の添加によりトナーの特性は大きく改善される。
従来公知の正摩擦帯電性電荷制御剤としては、ニグロシン染料、アジン系染料、銅フタロシアニン顔料や、4級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩を側鎖に有するポリマーなどがある。負摩擦帯電性電荷制御剤としては、モノアゾ染料の金属錯塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸の金属錯塩、銅フタロシアニン顔料、及び酸成分を含む樹脂などが知られている。
今後、カラートナーの需要が高まることが予想される。カラートナーに使用される電荷制御剤には、画像の色相に影響を与えないため、淡色、望ましくは無色であることが要求される。このような電荷制御剤のうち、負帯電性トナー用のものとしては、ヒドロキシ安息香酸誘導体の金属錯塩化合物(特許文献1参照)、芳香族ジカルボン酸金属塩化合物(特許文献2参照)、アントラニル酸誘導体の金属錯塩化合物(特許文献3参照)、有機ホウ素化合物(特許文献4参照)、ビフェノール化合物(特許文献5参照)、カリックス(n)アレン化合物(特許文献6参照)、環状フェノール硫化物(特許文献7参照)などがある。また、正帯電性トナー用電荷制御剤としては、第四級アンモニウム塩化合物(特許文献8参照)などがある。
トナー像を転写シートに定着する方法としては、加熱溶融方式が最も多く用いられている。この加熱溶融方式は接触型と非接触型の2種類に大別される。特に、接触型の加熱ロール定着方式は熱効率がよく、また高速定着も可能であることから、近年商業用複写機、プリンター等において広く用いられている。しかし、加熱ロール定着方式には、加熱ロールを所定の定着温度にまで昇温する時間(待機時間)が長いという問題がある。この問題を改善する手段として、誘導加熱方式が提案され、一部で実用化されつつある。
誘導加熱方式の代表的な例としては、電磁誘導加熱方式がある。この電磁誘導加熱方式では、加熱部材として、加熱ロールの他、無端状の加熱ベルトが一般に用いられている。加熱ベルトは薄肉の耐熱性樹脂等を基層としており、加熱ロールに比べ熱容量が小さいため、加熱ロールより短時間で加熱することができる。更に、温度差による画像の光沢ムラを防ぐ為に、加熱ベルトに対面して設けられる加圧ロールの周面に金属ロールを接触させ、熱交換によって温度差が生じるのを防ぐ方法が提案されている(特許文献9参照)。
特公昭55−042752号公報 特開昭57−111541号公報 特開昭61−141453号公報 米国特許第4767688号公報 特開昭61−003149号公報 特許第2568675号公報 特開2003−295522号公報 特開昭57−119364号公報 特開2005−062554号公報
本発明の目的は、長期にわたり光沢ムラや汚れのない定着画像を得ることができ、さらに低温定着にも適した静電荷像現像用トナーを提供することにある。
本発明の他の目的は、十分な摩擦帯電性を有し、帯電の立ち上がり速度が高く、かつ帯電量の経時安定性や環境安定性にも優れており、しかも、廃棄物規制にも問題がなく、極めて安全な電荷制御剤が配合された静電荷像現像用トナーを提供することにある。
本発明によれば、植物ステロール(plant sterol)から誘導されたワックス、着色剤および結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーが提供される。
本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、
1.前記植物ステロールがフィトステロールであること、
2.前記ワックスが植物ステロールと高級脂肪酸との反応により得られたものであること、
3.電荷制御剤を更に含有すること、
が好ましい。
また、前記電荷制御剤としては、下記の一般式(1)で表される鉄錯塩化合物(以下、鉄錯塩化合物αと呼ぶ)、下記の一般式(2)で表されるジルコニウム化合物、下記の一般式(3)で表される鉄錯塩化合物(以下、鉄錯塩化合物βと呼ぶ)、下記の一般式(4)で表される環状フェノール硫化物、或いは下記の一般式(5)で表されるロダニン化合物が好ましい。
鉄錯塩化合物α;
この鉄錯塩化合物αは、下記一般式(1)で表される。
Figure 2012133449
式中、
、Xは同一でも異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子
、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、炭素原子数1乃至4のアルキル
基、または炭素原子数1乃至4のアルキルオキシ基を表わし、
、mは0乃至3の整数を表わし、
、Rは同一でも異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子
、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1乃至18のアルキル基、炭素
原子数1乃至18のアルキルオキシ基、炭素原子数2乃至6のアルケ
ニル基、スルホンアミド基、炭素原子数1乃至18のスルホンアルキ
ル基、スルホン酸基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、ヒド
ロキシル基、アセチルアミノ基、またはベンゾイルアミノ基を表わし

、nは0乃至3の整数を表わし、
、Rは水素原子またはニトロ基を表わし、
は、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモ
ニウムイオンまたはアルキルアンモニウムイオンを表わし、
、X、R、Rが同一のベンゼン環上に複数存在する時、
複数のX、X、R、Rはそれぞれ同一でも異なってもよい。
ジルコニウム化合物;
このジルコニウム化合物は、下記の一般式(2)で表される。
Figure 2012133449
式中、
、R、R、Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子
、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシル基、
カルボキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、炭素原子数1乃
至6のアルキル基、炭素原子数5又は6のシクロアルキル基、炭素原
子数2乃至6のアルケニル基、炭素原子数1乃至6のアルキルオキシ
基、炭素原子数5又は6のシクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素
基、複素環基、縮合多環芳香族基、アリールオキシ基またはアミノ基
を表し、
とR、RとR、またはRとRとは、互いに結合して
環を形成してもよく、
は水素原子または炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、
は1乃至20の整数、
は0乃至20の整数、
rは1乃至20の整数、
sは0乃至20の整数である。
鉄錯塩化合物β;
この鉄錯塩化合物βは、下記一般式(3)で表される。
Figure 2012133449
式中、
、Xは同一でも異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子
、臭素原子、ヨウ素原子、または炭素原子数1乃至8のアルキル基を
表わし、
、mは0乃至4の整数を表わし、
10、R11は同一でも異なっていてもよく、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基、ま
たは炭素原子数1乃至8のアルキルオキシ基を表わし、
、nは0乃至5の整数を表わし、
は、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモ
ニウムイオンまたはアルキルアンモニウムイオンを表わし、
、X、R10、R11が同一のベンゼン環上に複数存在する
とき、複数のX、X、R10、R11はそれぞれ同一でも異なっ
てもよい。
環状フェノール硫化物;
この環状フェノール硫化物は、下記一般式(4)で表される。
Figure 2012133449
式中、
12は炭素原子数1乃至8のアルキル基を表し、
は4乃至9の整数であり、
は0、1または2である。
ロダニン化合物;
このロダニン化合物は、下記一般式(5)で表される。
Figure 2012133449
式中、
13は水素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基、炭素原子数
5乃至10のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基、複素環基または
縮合多環芳香族基を表し、
14は水素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基、炭素原子数
5乃至10のシクロアルキル基、炭素原子数2乃至6のアルケニル基
、炭素原子数1乃至8のアルキルオキシ基、炭素原子数5乃至10の
シクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基、縮合多環芳
香族基またはアリールオキシ基を表し、
15〜R19は同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子
、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1乃至8のア
ルキル基、炭素原子数5乃至10のシクロアルキル基、炭素原子数2
乃至6のアルケニル基、炭素原子数1乃至8のアルキルオキシ基、炭
素原子数5乃至10のシクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、
複素環基、縮合多環芳香族基またはアリールオキシ基であって、互い
に結合して環を形成していても良い。
本発明の静電荷現像用トナーは、長期にわたり光沢ムラや汚れのない定着画像を得ることができ、さらに低温定着にも適している。
特に、前述した一般式(1)〜(5)で表される化合物は、廃棄物規制にも問題がなく、極めて安全な負帯電性電荷制御剤であり、かかる電荷制御剤が配合された本発明の静電荷現像用トナーは、十分な摩擦帯電性を有し、帯電の立ち上がり速度が高く、かつ帯電量の経時安定性や環境安定性にも優れており、短時間で加熱部材を加熱できる電磁誘導加熱による定着方式にも適している。
本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも結着樹脂と、着色剤と、植物ステロールから誘導されたワックス(以下、植物ステロール型ワックスと呼ぶことがある)とを含む。
(ワックス)
本発明のトナーに使用する植物ステロール型ワックスは、既知の方法によって、植物ステロールと脂肪酸などの酸から製造することができ、例えば、ステロールと脂肪酸のエステル化反応によって、合成することができる{第4版実験化学講座7 p43〜83、日本化学会編 丸善(1992)参照}。
本発明において使用される植物ステロール型ワックスの融点は、定着性と耐オフセット性とを適度に付与するという観点から、50〜140℃が好ましく、特に70〜120℃が好ましく、70〜90℃が最も好ましい。上記範囲よりも温度が低いと、耐ブロッキング性が低下する傾向があり、上記範囲よりも温度が高いと、耐オフセット効果が発現しにくくなる。
尚、本発明において、ワックスの融点とは、DSCにおいて測定されるワックスの吸熱ピークの最大ピークのピークトップの温度である。
ワックスまたはトナーのDSC測定では、一般に高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計が使用され、ASTM D3418−82に準じて測定が行われる。融点の算出に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させて前履歴を取った後、10℃/minの速度で昇温させた時に測定される。
上記の植物ステロール型ワックスの原料である植物ステロールとしては、公知のフィトステロールを用いることができ、好ましくは、β−シトステロール、カンペステロール、スティグマステロール、ブラシカステロールを用いることができる。
また、上記の植物ステロールと反応させる脂肪酸としては、特に制限はないが、上記のような融点を有する植物ステロール型ワックスを得るという観点から、炭素原子数8乃至30の脂肪酸が好ましく、特に炭素原子数8乃至30の飽和脂肪酸を用いることが好ましく、炭素原子数が8乃至20の飽和脂肪酸、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸などが最も好ましい。
上記のような植物ステロール及び脂肪酸は、それぞれ単独あるいは2種以上の組み合わせで使用することができ、例えば、植物ステロール或いは脂肪酸の少なくとも何れかを複数種用いて得られる植物ステロール型ワックスの混合物を、ワックスとして使用することもできる。
本発明のトナーにおいて、このような植物ステロール型ワックスの含有量は、一般に結着樹脂100質量部当り、好ましくは0.2〜20質量部、更に好ましくは0.5〜10質量部である。
また、本発明のトナーにおいては、上記の植物ステロール型ワックス以外に、それ自体公知の他のワックスを併用することができ、これにより、ワックスの可塑化作用(定着性向上をもたらす)と離型作用(耐オフセット性の向上をもたらす)を更に高めることができる。
このような他のワックスとしては、以下のものを例示することができる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;
酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合体;
キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうなどの植物系ワックス;
みつろう、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス;
オゾケライト、セレシン、ペテロラタムなどの鉱物系ワックス;
モンタン酸エステルワックス、カスターワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス;
酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの;
また、上記以外にも下記の化合物や重合体を、他のワックスとして、植物ステロール型ワックスと併用することができる。
パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に直鎖のアルキル基を有する直鎖アルキルカルボン酸類などの飽和直鎖脂肪酸;
プランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸;
ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウピルアルコール、セリルアルコール、メシリルアルコール、あるいは長鎖アルキルアルコールなどの飽和アルコール;
ソルビトールなどの多価アルコール;
リノール酸アミド、オレフィン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド;
メチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド;
エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N'−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N'−ジオレイルセパシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド;
m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N'−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド;
ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩;
脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリレートなどのビニル系モノマーを用いてグラフト化させた変性ワックス;
ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化合物;
植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物;
化学構造によっても異なるが、一般に、低融点のワックスが高い可塑化作用を示し、高融点のワックスが高い離型作用を示す。従って、上記の中でも、用いる植物ステロール型ワックスとの融点差が10〜100℃の範囲にあるものを、その目的に応じて、単独あるいは2種以上の組み合わせで使用することができる。但し、その使用量は、上記植物ステロール型ワックスによってもたらされるトナーの光沢性などが損なわれない程度の少量とするのがよい。
なお、上述した各種のワックスは、一般に、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法または溶液晶析法を用いて、分子量分布をシャープにし且つ低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、その他の不純物を除去してトナー添加剤として使用される。
(電荷制御剤)
本発明のトナーには、その摩擦帯電性を高めるために、正摩擦帯電性電荷制御剤や負摩擦帯電性電荷制御剤が適宜配合される。
これらの電荷制御剤の使用量は、その種類によっても異なるが、一般に、結着樹脂100質量部当り0.05乃至20質量部、特に0.1乃至10質量部の範囲とするのがよい。
正摩擦帯電性電荷制御剤の例としては、ニグロシン染料、アジン系染料、銅フタロシアニン顔料、4級アンモニウム塩、又は4級アンモニウム塩を側鎖に有するポリマーなどを挙げることができ、第四級アンモニウム塩化合物が好ましい。このような正摩擦帯電性電荷制御剤は、適宜、1種単独或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、負摩擦帯電性電荷制御剤としては、モノアゾ染料の金属錯塩、ヒドロキシ安息香酸誘導体の金属錯塩化合物、芳香族ジカルボン酸金属塩化合物、アントラニル酸誘導体の金属錯塩化合物、有機ホウ素化合物、ビフェノール化合物、カリックス(n)アレン化合物、環状フェノール硫化物、ロダニン化合物、チアゾリジンジオン誘導体、バルビツール酸誘導体、ヒダントイン誘導体、イソフタル酸誘導体、銅フタロシアニン顔料、酸成分を含む樹脂などが挙げられ、モノアゾ染料の金属錯塩、ヒドロキシ安息香酸誘導体の金属錯塩化合物、環状フェノール硫化物、ロダニン化合物、チアゾリジンジオン誘導体、バルビツール酸誘導体、ヒダントイン誘導体、イソフタル酸誘導体などが好ましい。
特に、これらの中でも、以下に述べる構造を有する鉄錯塩化合物α、ジルコニウム化合物、鉄錯塩化合物β、環状フェノール硫化物及びロダニン化合物が、前述した植物ステロール型ワックスを含む分散系で優れた負摩擦帯電性を発揮する上で最適である。
鉄錯塩化合物α;
この鉄錯塩化合物αは、先にも述べたように、下記一般式(1)で表される。
Figure 2012133449
この一般式(1)において、mは基Xの数を示し、mは基Xの数を示し、それぞれ、0乃至3の整数である。
また、nは基Rの数を示し、nは基Rの数を示し、それぞれ、0乃至3の整数である。
<X、X
一般式(1)中のX、Xは同一でも異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、炭素原子数1乃至4のアルキル基、又は炭素原子数1乃至4のアルキルオキシ基を表わす。
上記の炭素原子数1乃至4のアルキル基は、直鎖状でもよいし、分岐状でもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基及びtert−ブチル基を挙げることができる。
炭素原子数1乃至4のアルキルオキシ基は、直鎖状でもよいし、分岐状でもよく、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基及びtert−ブチルオキシ基を挙げることができる。
<R、R
、Rは同一でも異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1乃至18のアルキル基、炭素原子数1乃至18のアルキルオキシ基、炭素原子数2乃至6のアルケニル基、スルホンアミド基、炭素原子数1乃至18のスルホンアルキル基、スルホン酸基、カルボキシル基、カルボキシエステル基、ヒドロキシル基、アセチルアミノ基、またはベンゾイルアミノ基を表わす。
炭素原子数1乃至18のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基及びn−オクタデシル基を挙げることができる。
炭素原子数1乃至18のアルキルオキシ基も直鎖状、分岐状の何れでもよく、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基及びn−オクタデシルオキシ基を挙げることができる。
炭素原子数2乃至6のアルケニル基も、直鎖状、分岐状の何れでもよく、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基および2−ブテニル基を挙げることができる。
スルホンアルキル基が有する炭素原子数1乃至18のアルキル基も直鎖状、分岐状の何れでもよく、上記で例示した炭素原子数1乃至18のアルキル基と同じものを例示することができる。
<R、R
、Rは、水素原子またはニトロ基を示す。
<A
前記式(1)中のAは、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンまたはアルキルアンモニウムイオンであり、1種単独でも、2種以上の組み合わせでもよい。
該アルキルアンモニウムイオンは、窒素原子に結合している水素原子が1乃至4個のアルキル基で置換されたものであり、これらのアルキル基は同一でも異なっていてもよい。このようなアルキル基としては、R、Rで表される炭素原子数1乃至18のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
ジルコニウム化合物;
このジルコニウム化合物は、先に述べたとおり、下記一般式(2)で表される。
前記式(2);
Figure 2012133449
この一般式(2)において、mはジルコニウム原子の数を示し、1乃至20の整数である。nは酸素原子の数を表し、0乃至20の整数である。sは水酸基の数を表し、0乃至20の整数である。rはカルボキシル残基の数を示し、1乃至20の整数である。
<R〜R
一般式(2)中のR〜Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数5又は6のシクロアルキル基、炭素原子数2乃至6のアルケニル基、炭素原子数1乃至6のアルキルオキシ基、炭素原子数5又は6のシクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基、縮合多環芳香族基、アリールオキシ基またはアミノ基を表す。
上記の炭素原子数1乃至6のアルキル基は、直鎖状でもよいし、分岐状でもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基及びn−ヘキシル基を挙げることができる。
上記の炭素原子数5又は6のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基を挙げることができる。
上記の炭素原子数2乃至6のアルケニル基は、直鎖状でもよいし、分岐状でもよく、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基及び2−ブテニル基を挙げることができる。
上記の炭素原子数1乃至6のアルキルオキシ基は、直鎖状でもよいし、分岐状でもよく、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基及びn−ヘキシルオキシ基を挙げることができる。
上記の炭素原子数5又は6のシクロアルキルオキシ基としては、シクロペンチルオキシ基およびシクロヘキシルオキシ基を挙げることができる。
上記のR〜Rで表される基は、互いに結合して環を形成してもよい。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、又はシクロアルキルオキシ基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基として、以下のものを例示する。
重水素原子;
トリフルオロメチル基;
シアノ基;
ニトロ基;
ハロゲン原子、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等;
炭素原子数1乃至8のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基等;
炭素原子数1乃至8のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基等;
アルケニル基、例えば、アリル基等;
アラルキル基、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等;
アリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、トリルオキシ基等;
アリールアルコキシ基、例えば、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等;
芳香族炭化水素基又は縮合多環芳香族基、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基等;
複素環基、例えば、ピリジル基、フラニル基、ピラニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピロリジニル基、イミダゾリル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、チオラニル基、チアニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基等;
アリールビニル基、例えば、スチリル基、ナフチルビニル基等;
アシル基、例えば、アセチル基、ベンゾイル基等;
ジアルキルアミノ基、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等;
芳香族炭化水素基もしくは縮合多環芳香族基で置換されたジ置換アミノ基、例えば、ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基等;
ジアラルキルアミノ基、例えば、ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基等;
複素環基で置換されたジ置換アミノ基、例えば、ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基、ジピペリジニルアミノ基等;
ジアルケニルアミノ基、例えば、ジアリルアミノ基等;
アルキル基、芳香族炭化水素基、縮合多環芳香族基、アラルキル基、複素環基またはアルケニル基から選択される置換基で置換されたジ置換アミノ基;
これらの置換基は、さらに他の置換基を有していても良く、互いに結合して環を形成してもよい。
〜Rで表される芳香族炭化水素基又は縮合多環芳香族基としては、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、インデニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基などを挙げることができる。
〜Rで表される複素環基としては、ピリジル基、フラニル基、ピラニル基、チエニル基、ピロリジニル基、イミダゾリル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、チオラニル基、チアニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノキサリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルボリニル基等を挙げることができる。
〜Rで表されるアリールオキシ基としては、フェノキシ基、トリルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ターフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、フェナントリルオキシ基、フルオレニルオキシ基、インデニルオキシ基、ピレニルオキシ基、ペリレニルオキシ基などを挙げることができる。
これらの基は、互いに結合して環を形成してもよい。
上記の芳香族炭化水素基、複素環基、縮合多環芳香族基、又はアリールオキシ基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、R〜Rで表されるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、又はシクロアルキルオキシ基が更に有する置換基と同じ例に加えて、以下の置換基を挙げることができる。
炭素原子数5乃至10のシクロアルキル基、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基;
炭素原子数2乃至6のアルケニル基、例えば、ビニル基、2−ブテニル基、1−ヘキセニル基;
炭素原子数5乃至10のシクロアルキルオキシ基、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基;
アリールオキシ基、例えば、ビフェニリルオキシ基、ターフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、フェナントリルオキシ基、フルオレニルオキシ基、インデニルオキシ基、ピレニルオキシ基、ペリレニルオキシ基;
これらの基は、互いに結合して環を形成してもよい。
〜Rで表されるアミノ基は、更に他の置換基を有していてもよい。置換基を有するアミノ基としては、以下の例を挙げることができる。
ジアルキルアミノ基、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等;
芳香族炭化水素基もしくは縮合多環芳香族基で置換されたジ置換アミノ基、例えば、ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基等;
ジアラルキルアミノ基、例えば、ジベンジルアミノ基、ジフェネチルアミノ基等;
複素環基で置換されたジ置換アミノ基、例えば、ジピリジルアミノ基、ジチエニルアミノ基、ジピペリジニルアミノ基等;
ジアルケニルアミノ基、例えば、ジアリルアミノ基等;
アルキル基、芳香族炭化水素基、縮合多環芳香族基、アラルキル基、複素環基またはアルケニル基から選択される置換基で置換されたジ置換アミノ基;
<R
上記式(2)中のRは水素原子または炭素原子数1乃至6のアルキル基を表す。
で表される炭素原子数1乃至6のアルキル基としては、R〜Rで表される炭素原子数1乃至6のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
で表される基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、R〜Rで表されるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、又はシクロアルキルオキシ基が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していても良い。
鉄錯塩化合物β;
この鉄錯塩化合物βは、先にも述べたように、下記一般式(3)で表される。
Figure 2012133449
この一般式(3)において、mは基Xの数を示し、mは基Xの数を示し、それぞれ0乃至4の整数である。nは基R10の数を示し、nは基R11の数を示し、それぞれ0乃至5の整数である。
<X、X
一般式(3)中のX、Xは同一でも異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、または炭素原子数1乃至8のアルキル基を表わす。
上記炭素原子数1乃至8のアルキル基は、直鎖状でもよいし、分岐状でもよく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基及びイソオクチル基などを挙げることができる。
<R10、R11
前記式(3)中のR10、R11は同一でも異なっていてもよく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基、または炭素原子数1乃至8のアルキルオキシ基を表わす。
上記の炭素原子数1乃至8のアルキル基としては、X、Xで表される炭素原子数1乃至8のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数1乃至8のアルキルオキシ基は、直鎖状でもよいし、分岐状でもよく、メチルオキシ基、エチルオキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基などを挙げることができる。
<B
前記式(3)中のBは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン又はアルキルアンモニウムイオンであり、1種単独でも、2種以上の組み合わせでもよい。
該アルキルアンモニウムイオンは、窒素原子に結合している水素原子が1乃至4個のアルキル基で置換されたアンモニウムイオンであり、これらのアルキル基は同一でも異なっていてもよい。このようなアルキル基としては、前記式(1)中のR、Rで表される炭素原子数1乃至18のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
環状フェノール硫化物;
この環状フェノール硫化物は、先にも述べたように、下記一般式(4)で表される。
Figure 2012133449
この一般式(4)において、mは環を構成する基本単位の数を表し、4乃至9の整数である。nはSに結合する酸素原子の数を表し、0、1または2である。
<R12
一般式(4)中のR12は炭素原子数1乃至8のアルキル基を表す。
該アルキル基としては、前記式(3)中のX、Xで表される炭素原子数1乃至8のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
ロダニン化合物;
このロダニン化合物は、先にも述べたように、下記一般式(5)で表される。
Figure 2012133449
<R13
この一般式(5)において、R13は水素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基、炭素原子数5乃至10のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基、複素環基または縮合多環芳香族基を表す。
上記の炭素原子数1乃至8のアルキル基としては、前記式(3)中のX、Xで表される炭素原子数1乃至8のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5乃至10のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基などを挙げることができる。
上記の芳香族炭化水素基、又は縮合多環芳香族基としては、前記式(2)のR〜Rで表される芳香族炭化水素基、又は縮合多環芳香族基と同じ例を挙げることができる。
上記の複素環基としては、前記式(2)のR〜Rで表される複素環基と同じ例を挙げることができる。
上記の芳香族炭化水素基、複素環基又は縮合多環芳香族基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記式(2)のR〜Rで表される芳香族炭化水素基、複素環基、縮合多環芳香族基、又はアリールオキシ基が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していてもよい。
<R14〜R19
一般式(5)中のR14は水素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基、炭素原子数5乃至10のシクロアルキル基、炭素原子数2乃至6のアルケニル基、炭素原子数1乃至8のアルキルオキシ基、炭素原子数5乃至10のシクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基、縮合多環芳香族基、又はアリールオキシ基を表す。
また、一般式(5)中のR15〜R19は相互に同一でも異なってもよく、水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1乃至8のアルキル基、炭素原子数5乃至10のシクロアルキル基、炭素原子数2乃至6のアルケニル基、炭素原子数1乃至8のアルキルオキシ基、炭素原子数5乃至10のシクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基、縮合多環芳香族基またはアリールオキシ基であって、互いに結合して環を形成していても良い。
上記の炭素原子数1乃至8のアルキル基としては、前記式(3)中のX、Xで表される炭素原子数1乃至8のアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5乃至10のシクロアルキル基としては、R13で表される炭素原子数5乃至10のシクロアルキル基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数2乃至6のアルケニル基は、直鎖状でもよいし、分岐状でもよく、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基などを挙げることができる。
上記のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基は、単結合、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
上記の炭素原子数1乃至8のアルキルオキシ基としては、前記式(3)中のR10、R11で表される炭素原子数1乃至8のアルキルオキシ基と同じ例を挙げることができる。
上記の炭素原子数5乃至10のシクロアルキルオキシ基としては、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、1−アダマンチルオキシ基、2−アダマンチルオキシ基などを挙げることができる。
上記のアルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基は、単結合、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
上記の芳香族炭化水素基、又は縮合多環芳香族基としては、前記式(2)のR〜Rで表される芳香族炭化水素基、又は縮合多環芳香族基と同じ例を挙げることができる。
上記の複素環基としては、前記式(2)のR〜Rで表される複素環基と同じ例を挙げることができる。
上記の芳香族炭化水素基、複素環基又は縮合多環芳香族基は、単結合、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
上記の芳香族炭化水素基、複素環基又は縮合多環芳香族基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、式(2)のR〜Rで表される芳香族炭化水素基、複素環基、縮合多環芳香族基、又はアリールオキシ基が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していてもよく、単結合、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
14〜R19で表されるアリールオキシ基としては、式(2)のR〜Rで表されるアリールオキシ基と同じ例を挙げることができる。R14〜R19は、単結合、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
該アリールオキシ基は、更に他の置換基を有していてもよい。該置換基としては、式(2)のR〜Rで表される芳香族炭化水素基、複素環基、縮合多環芳香族基、又はアリールオキシ基が更に有する置換基と同じ例を挙げることができる。これらの置換基は、さらに他の置換基を有していてもよく、単結合、酸素原子または硫黄原子を介して互いに結合して環を形成してもよい。
(結着樹脂)
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、公知のものであればいずれも使用できる。具体的には、スチレン系単量体、アクリレート系単量体、メタクリレート系単量体などのビニル重合体、またはこれらの単量体2種類以上からなるビニル系共重合体、ポリエステル系重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。
<ビニル重合体、ビニル系共重合体>
前記ビニル重合体またはビニル系共重合体を形成するスチレン系単量体、アクリレート系単量体、メタクリレート系単量体について以下に例示するが、これらに限定されるものではない。
スチレン系単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−アミルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−へキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンなどのスチレンまたはその誘導体などが挙げられる。
アクリレート系単量体としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸またはそのエステル類などが挙げられる。
メタクリレート系単量体としては、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのメタクリル酸またはそのエステル類などが挙げられる。
前記ビニル重合体、又はビニル系共重合体を形成する他のモノマーの例としては、以下の(1)〜(18)が挙げられる。
(1)モノオレフイン類、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン;
(2)ポリエン類、例えば、ブタジエン、イソプレン;
(3)ハロゲン化ビニル類、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル;
(4)ビニルエステル類、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル;
(5)ビニルエーテル類、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル;
(6)ビニルケトン類、例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン;
(7)N−ビニル化合物、例えば、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン;
(8)ビニルナフタレン類;
(9)(メタ)アクリル酸誘導体、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド;
(10)不飽和二塩基酸、例えば、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸;
(11)不飽和二塩基酸無水物、例えば、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物;
(12)不飽和二塩基酸のモノエステル、例えば、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、アルケニルコハク酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、メサコン酸モノメチルエステル;
(13)不飽和二塩基酸エステル、例えば、ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸;
(14)α,β−不飽和酸、例えば、クロトン酸、ケイヒ酸;
(15)α,β−不飽和酸無水物、例えば、クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物;
(16)カルボキシル基を有するモノマー、例えば、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物およびこれらのモノエステル;
(17)(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート;
(18)ヒドロキシ基を有するモノマー、例えば、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルへキシル)スチレン
前記ビニル重合体又はビニル系共重合体は、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよい。該架橋剤としては、それ自体公知のもの、例えば、芳香族ジビニル化合物、エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジ(メタ)アクリレート化合物類、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジ(メタ)アクリレート化合物、ポリエステル型ジアクリレート類、及び多官能の架橋剤を挙げることができる。
芳香族ジビニル化合物としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられる。
アルキル鎖で結ばれたジ(メタ)アクリレート化合物類としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジ(メタ)アクリレート化合物類としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#400ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール#600(メタ)ジアクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリエステル型ジアクリレート類としては、商品名MANDA(日本化薬株式会社製)が挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
これらの架橋剤は、前記ビニル重合体または共重合体を形成するモノマー成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、特に好ましくは0.03〜5質量部用いることができる。これらの架橋性モノマーのうち、トナー用樹脂に対する定着性及び耐オフセット性の点から、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を1つ含む結合鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が好適に用いられる。これらの架橋剤を、スチレン系共重合体又はスチレン−アクリレート系共重合体となるようなモノマーと組み合わせることが好ましい。
結着樹脂としてスチレン−アクリレート系樹脂を用いる場合、スチレン−アクリレート系樹脂のテトラヒドロフラン(THF)に可溶の成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された数平均分子量分布において、数平均分子量3千〜5万の領域に少なくとも1つのピークが存在し、数平均分子量10万以上の領域に少なくとも1つのピークが存在することが、定着性、オフセット性、保存性の点で好ましい。また、THFに可溶の成分のうち、数平均分子量10万以下の成分が50〜90%となるようなスチレン−アクリレート系樹脂も好ましい。数平均分子量分布において、数平均分子量5千〜3万の領域にメインピークを有するスチレン−アクリレート系樹脂が更に好ましく、5千〜2万の領域にメインピークを有するスチレン−アクリレート系樹脂が最も好ましい。
スチレン−アクリレート系樹脂などのビニル重合体の酸価は、0.1〜100mgKOH/gが好ましく、0.1〜70mgKOH/gが更に好ましく、0.1〜50mgKOH/gが特に好ましい。
<ポリエステル系重合体>
ポリエステル系重合体を構成するモノマーとしては、以下のものが挙げられる。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、またはビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどの環状エーテルが重合して得られるジオールなどが挙げられる。
ポリエステル樹脂を架橋させるために3価以上のアルコールを併用することが好ましい。3価以上の多価アルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンなどが挙げられる。
前記ポリエステル系重合体を形成する酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのべンゼンジカルボン酸類またはその無水物、こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類またはその無水物、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸などの不飽和二塩基酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物などの不飽和二塩基酸無水物などがあげられる。また、3価以上の多価カルボン酸成分としては、トリメリト酸、ピロメリト酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、またはこれらの無水物、部分低級アルキルエステルなどが挙げられる。
結着樹脂としてポリエステル系樹脂を用いる場合、ポリエステル系樹脂のTHFに可溶の成分の分子量分布において、数平均分子量3千〜5万の領域に少なくとも1つのピークが存在することが、トナーの定着性及び耐オフセット性の点で好ましい。また、THFに可溶の成分のうち、分子量10万以下の成分が60〜100%となるようなポリエステル系樹脂も好ましい。分子量分布において、分子量5千〜2万の領域に少なくとも1つのピークを有するポリエステル系樹脂が、更に好ましい。
ポリエステル系樹脂の分子量分布は、THFを溶媒としたGPCによって測定される。
用いられるポリエステル樹脂の酸価は、0.1〜100mgKOH/gが好ましく、0.1〜70mgKOH/gが更に好ましく、0.1〜50mgKOH/gが最も好ましい。
また、水酸基価は、30mgKOH/g以下であることが好ましく、10〜25mgKOH/gが更に好ましい。
非晶性のポリエステル樹脂と結晶性のポリエステル樹脂を混合して用いてもよい。この場合、それぞれの相溶性を考慮に入れて材料を選択するのが好ましい。
非晶性のポリエステル樹脂としては、多価カルボン酸成分、好ましくは芳香族多価カルボン酸と多価アルコール成分とから合成されるものが用いられる。
結晶性のポリエステル樹脂としては、2価カルボン酸成分、好ましくは脂肪族ジカルボン酸と2価アルコール成分とから合成されるものが用いられる。
本発明のトナーに使用できる結着樹脂として、前記ビニル重合体成分及び/又はポリエステル系樹脂成分中に、これらの両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含む樹脂も使用することができる。ポリエステル系樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸、及びその無水物が挙げられる。ビニル重合体成分を構成するモノマーのうちポリエステル系樹脂成分と反応しうるものとしては、カルボキシル基またはヒドロキシ基を有するものや、(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
また、ポリエステル系重合体及び/又はビニル重合体とその他の結着樹脂を併用する場合、その他の結着樹脂としては、酸価が0.1〜50mgKOH/gの樹脂を全体の60質量%以上有するものが好ましい。
本発明において、トナーの結着樹脂成分の酸価を求める際、基本操作はJIS K−0070に準ずる。具体的には、酸価は、以下の方法により求められる。
(1)試料として、予め結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を除去したトナーを用意する。結着樹脂及び架橋された結着樹脂以外の成分を除去しないトナーを試料として用いることもできるが、その場合は、結着樹脂及び架橋された結着樹脂以外の成分の酸価及び含有量を予め求めておくのがよい。例えば、トナーに含まれている結着樹脂の酸価を測定する場合は、着色剤又は磁性体などの酸価および含有量を別途測定しておき、計算により結着樹脂の酸価を求める。
(2)試料を粉砕し、0.5〜2.0gを精秤する。重合体成分の重さをWgとする。
(3)300mlのビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(体積比4/1)の混合液150mlを加え溶解する。
(4)0.1mol/LのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。トルエン/エタノール(体積比4/1)の混合液150mlのみの場合についても、同じように滴定を行い、ブランク時のKOH溶液の使用量を測定する。
(5)酸価を、以下の式により算出する。
酸価(mgKOH/g)=[(S−B)×f×5.61]/W
式中、
Sは、KOH溶液の使用量(ml)を表し、
Bは、ブランクを測定した時のKOH溶液の使用量(ml)を表し、
fは、KOH濃度のファクターを表し、
Wは、重合体成分の重さ(g)を表す。
結着樹脂および結着樹脂を含む組成物のガラス転移温度(Tg)は、トナー保存性の観点から、35〜80℃が好ましく、40〜75℃が特に好ましい。Tgが上記範囲より低いと、高温雰囲気下でトナーが劣化しやすくなり、また定着時にオフセットが発生しやすくなる。Tgが上記範囲を超えると、定着性が低下する傾向にある。
本発明の重合トナーにおいて、軟化点が80から140℃の範囲内である結着樹脂が好適に用いられる。結着樹脂の軟化点が80℃未満であると、定着後及び保管時の、トナー及びトナーの画像の安定性が悪化する場合がある。一方、軟化点が140℃を超えると、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
(磁性体)
本発明で使用できる磁性体としては、(1)マグネタイト、マグヘマイト、フェライトなどの磁性酸化鉄、及びさらに他の金属酸化物を含むこれらの酸化鉄、(2)鉄、コバルト、ニッケルなどの金属、あるいは、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムなどの金属との合金、及び(3)(1)の酸化鉄と(2)金属或いは合金との混合物などが用いられる。尚、(1)酸化鉄と(2)金属或いは合金は、1種単独で、或いは2種以上の組み合わせで使用する。
上記(1)〜(3)の磁性体として、具体的には、Fe34、γ−Fe23、ZnFe24、Y3Fe512、CdFe24、Gd3Fe512、CuFe24、PbFe12O、NiFe24、NdFe2O、BaFe1219、MgFe24、MnFe24、LaFeO3、鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉などが挙げられる。特に好適な磁性体は、四三酸化鉄またはγ−三二酸化鉄の微粉末である。
(1)の酸化鉄として、異種元素を含有するマグネタイト、マグヘマイト、フェライトなどの磁性酸化鉄、またはその混合物も使用できる。異種元素としては、リチウム、ベリリウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、ゲルマニウム、ジルコニウム、錫、イオウ、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウムなどが挙げられる。好ましい異種元素としては、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、またはジルコニウムが挙げられる。異種元素は、酸化鉄結晶格子の中に取り込まれていてもよく、酸化物の形で酸化鉄中に取り込まれていてもよく、酸化鉄表面に酸化物あるいは水酸化物の形態で存在してもよいが、酸化物として取り込まれているのが好ましい。
前記の異種元素は、磁性体生成時にそれぞれの異種元素の塩を混在させpH調整することにより、粒子中に取り込むことができる。また、磁性体粒子生成後にpH調整し、あるいは各々の元素の塩を添加しpH調整することにより、粒子表面に析出することができる。
前記磁性体は、結着樹脂100質量部に対して、10〜200質量部、好ましくは20〜150質量部の範囲で使用するのがよい。これらの磁性体の個数平均粒径は、0.1〜2μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。個数平均径は透過電子顕微鏡により拡大撮影した写真をデジタイザーなどで測定することにより求めることができる。
本発明に用いられる磁性体としては、10Kエルステッド印加で、抗磁力20〜150エルステッド、飽和磁化50〜200emu/g、残留磁化2〜20emu/gの磁気特性を有するものが好ましい。
(着色剤)
前記磁性体が黒色又は青色を呈する場合には、該磁性体は着色剤としても使用することができる。具体的には、黒色又は青色の染料又は顔料粒子が黒色トナーに使用される。黒色又は青色の顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーなどがある。黒色又は青色の染料としては、アゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料などがある。
着色剤の使用量は、結着樹脂100量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。
着色剤として、前記磁性体をカラー用トナーに使用する場合には、次の例が挙げられる。
マゼンダ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基性染料、レーキ染料、ナフトール染料、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、顔料系のマゼンダ着色剤としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,163,202,206,207,209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35などが挙げられる。
前記顔料系のマゼンダ着色剤は単独で使用しても構わないが、下記の染料系のマゼンダ着色剤と併用することが、その鮮明度を向上させてフルカラー画像の画質を向上できるという観点から、より好ましい。
染料系マゼンタ着色剤としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121、C.I,デイスパースレッド9、C.I.ソルべントバイオレット8,13,14,21,27、C.I.デイスパースパイオレット1などの油溶染料、C.I.べーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレツト1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28などの塩基性染料が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン、塩基染料レーキ化合物が利用できる。具体的には、顔料系のシアン着色剤として、C.I.ピグメントブルー2,3,15,16,17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45またはフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料を挙げることができる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物が用いられる。具体的には、イエロー用顔料として、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,65,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20などが挙げられる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダンスレンブリリアントオレンジGKなどが挙げられる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどが挙げられる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGなどが挙げられる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などが挙げられる。
(その他の添加剤)
本発明のトナーには、流動性向上剤を添加してもよい。流動性向上剤は、トナー表面に添加されることにより、トナーの流動性を改善(流動しやすくなる)する。流動性向上剤としては、カーボンブラック、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末などのフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカなどの微粉末シリカ、微粉未酸化チタン、微粉未アルミナ、それらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤若しくはシリコーンオイルにより表面処理を施した、処理シリカ,処理酸化チタン,処理アルミナ;が挙げられる。なかでも、微粉末シリカ、微粉未酸化チタン、微粉未アルミナが好ましく、これらをシランカップリング剤やシリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ、処理酸化チタン,処理アルミナが更に好ましい。流動性向上剤の粒径は、平均一次粒径として0.001〜2μmが好ましく、0.002〜0.2μmが特に好ましい。
微粉末シリカとしては、ケイ素ハロゲン化含物の気相酸化により生成された微粉体、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものが好ましい。
ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体としては、例えば、以下の商品名で市販されているものがある。AEROSIL(日本アエロジル株式会社製、以下同じ)−130、−300、−380、−TT600、−MOX170、−MOX80、−COK84:Ca−O−SiL(CABOT株式会社製、以下同じ)−M−5、−MS−7、−MS−75、−HS−5、−EH−5、Wacker HDK(WACKER−CHEMIEGMBH株式会社製、以下同じ)−N20 V15、−N20E、−T30、−T40:D−CFineSi1ica(ダウコーニング株式会社製):Franso1(Fransi1株式会社製)。
該シリカ微粉体を疎水化処理した処理シリカ微粉体がより好ましい。疎水化度が30〜80%の値を示すように疎水化処理した処理シリカ微粉体が特に好ましい。疎水化度は、メタノール滴定試験によって測定される。疎水化処理は、シリカ微粉体と反応するか又は物理吸着する有機ケイ素化合物などをもって、化学的又は物理的処理によって行われる。疎水化処理の方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する方法が好ましい。
流動性向上剤の個数平均粒径は、5〜100nmが好ましく、5〜50nmが更に好ましい。BET比表面積は、30m2/g以上が好ましく、60〜400m2/gがより好ましい。流動性向上剤が表面処理された微粉体であるとき、該微粉体のBET比表面積は、20m2/g以上が好ましく、40〜300m2/gがより好ましい。BET比表面積とは、BET法で測定した窒素吸着による比表面積を意味する。
これらの微粉体の適用量は、トナー粒子100質量部に対して、0.03〜8質量部が好ましい。
本発明のトナーには、他の添加剤として、感光体及びキャリアーの保護;クリーニング性の向上;熱特性や電気特性、物理特性の調整;抵抗調整;軟化点調整;定着率向上などを目的として、各種金属石けん;フッ素系界面活性剤;フタル酸ジオクチル;導電性付与剤として酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化アンチモンなど;酸化チタン、酸化アルミニウム、アルミナなどの無機微粉体;などを必要に応じて添加することができる。これらの無機微粉体は必要に応じて疎水化してもよい。また、ポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデンなどの滑剤、酸化セシウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウムなどの研磨剤、ケーキング防止剤を用いてもよく、更に、トナー粒子と逆極性の白色微粒子および黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
これらの添加剤を、帯電量コントロールなどの目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物などの処理剤、または種々の処理剤で処理することも好ましい。
(本発明のトナー)
本発明のトナーは、熱的に安定であり、即ち、電子写真プロセス時に熱的変化を受けることがなく、安定した帯電特性を保持することが可能である。また、どのような結着樹脂にも均一に分散することから、フレッシュトナーの帯電分布が非常に均一である。そのため、本発明のトナーにおいては、未転写トナーや回収トナー(廃トナー)と、フレッシュトナーとを較べても、飽和摩擦帯電量及び帯電分布に変化はほとんど認められない。しかし、本発明の静電荷像現像用トナーから出る廃トナーを再利用する場合は、結着樹脂として脂肪族ジオールを含むポリエステル樹脂を選択して、或いは、結着樹脂として金属架橋されたスチレン−アクリレート共重合体を選択し、これに多量のポリオレフィンを加えて、トナーを製造することにより、フレッシュトナーと廃トナーの差を更に小さくすることができる。
(トナーの製造方法)
本発明のトナーは、既知の方法によって製造することができるが、粉砕法が好ましい。粉砕法とは、結着樹脂、電荷制御剤、着色剤などの上述したトナー構成材料をボールミルなどの混合機により十分混合し、その混合物を熱ロールニーダ等の加熱混練装置により良く混練し、冷却固化し、粉砕後、分級してトナーを得る方法である。
また、前記混合物を溶媒に溶解させ噴霧により微粒化、乾燥、分級して得る方法によっても、製造できる。更に、結着樹脂を構成すべき単量体に所定の材料を混合して乳化し、又は懸濁液とした後に、重合させてトナーを得る方法(重合法)でも製造できる。コア材およびシェル材から成るいわゆるマイクロカプセルトナーにおいて、コア材又は/及びシェル材に所定の材料を含有させる方法によっても製造できる。必要に応じ、所望の添加剤とトナー粒子とをヘンシェルミキサーなどの混合機により十分に混合することにより、本発明のトナーを製造することができる。
前記粉砕法による本発明のトナーの製造法を更に詳しく説明する。初めに結着樹脂と着色剤、電荷制御剤、その他必要な添加剤を均一に混合する。混合には既知の攪拌機、例えばヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ボールミルなどを用いて混合することができる。得られた混合物を、密閉式のニーダー、又は1軸若しくは2軸の押出機を用いて、熱溶融混練する。混練物を冷却後に、クラッシャーやハンマーミルを用いて粗粉砕し、更にジェットミル、高速ローター回転式ミルなどの粉砕機で微粉砕する。更に風力分級機、例えばコアンダ効果を利用した慣性分級方式のエルボジェット、サイクロン(遠心)分級方式のミクロプレックス、DSセパレーターなどを使用して、所定の粒度にまで分級を行う。更に外添剤などをトナー表面に処理する場合は、トナーと外添剤を高速攪拌機、例えばヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどで攪拌混合する。
また、本発明のトナーは、重合法によっても製造できる。重合法には、懸濁重合法と乳化重合法がある。
懸濁重合法においては、重合性単量体、着色剤、重合開始剤、電荷制御剤、及び必要に応じて用いられる架橋剤、分散安定剤などのその他の添加剤を、均一に溶解または分散させて、単量体組成物を調製した後、この単量体組成物を、分散安定剤を含有する連続相(たとえば水相)中に適当な攪拌機または分散機、例えばホモミキサー、ホモジナイザー、アトマイザー、マイクロフルイダイザー、一液流体ノズル、気液流体ノズル、電気乳化機などを用いて分散せしめる。重合性単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度、温度、時間を調整し、造粒するのが好ましい。分散と同時に、40〜90℃で重合反応を行い、所望の粒径を有するトナー粒子を得ることができる。得られたトナー粒子を洗浄し、ろ別した後、乾燥する。トナー粒子の製造後の外添処理としては、前記の方法が使用できる。
乳化重合法で製造したトナー粒子は、懸濁重合法で得られた粒子と比べ、均一性には優れるものの平均粒子径が0.1〜1.0μmと極めて小さい。そのため、場合によっては乳化粒子を核として重合性単量体を後添加して粒子を成長させる、いわゆるシード重合が必要である。または、乳化粒子を適当な平均粒径にまで合一、融着させる方法で製造してもよい。
これらの重合法による製造は、粉砕工程を経ないためトナー粒子に脆性を付与させる必要がなく、更に従来の粉砕法では使用することが困難であった低軟化点物質を多量に使用できることから材料の選択幅を広げることができる。更に、トナー粒子表面に疎水性の材料である離型剤や着色剤が露出しにくいため、トナー担持部材、感光体、転写ローラーや定着器への汚染を少なくすることができる。
本発明のトナーを重合法によって製造すると、画像再現性、転写性、色再現性などの特性を更に向上させることができる。また、微小ドットに対応するためにトナーの粒径を小径化し、比較的容易に粒度分布がシャープなトナーを得ることができる。
前記重合法で得られるトナーは、特別な処理をしない粉砕法によるトナーに較べ、トナー粒子の凹凸の度合いが小さい傾向にあり、更に、不定形であるために静電潜像担持体とトナーとの接触面積が増加することにより、トナー付着力が高くなる。その結果、機内汚染が少なく、より高画像濃度、より高品位な画像を得られやすい。
また、粉砕法によるトナーにおいても、トナー粒子を、水中に分散させ加熱する湯浴法、熱気流中を通過させる熱処理法、または機械的エネルギーを付与して処理する機械的衝撃法などによりトナー表面の凹凸の度合いを小さくできる。凹凸の度合いを小さくするための装置としては、乾式メカノケミカル法を応用したメカノフージョンシステム(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ジェットミル、ローターとライナーを有する混合装置であるハイブリダイザー(奈良機械製作所株式会社製)、高速撹拌羽を有する混合機であるヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
前記トナー粒子の凹凸の度合いを示す値の一つとして、平均円形度(C)という指標がある。平均円形度(C)とは、下記式により円形度(Ci)を求め、更に下記式で示すように、測定された全粒子の円形度の総和を、測定された全粒子数(m)で除した値を意味する。
円形度(Ci) = a / b

式中、
aは、粒子と同じ投影面積を持つ円の周囲長を表し、
bは、粒子の投影像の周囲長を表す。

平均円形度(C) = ΣCi/m
i=1
式中、
mは、測定された全粒子数を表す。
前記円形度(Ci)は、フロー式粒子像分析装置(例えば、東亜医用電子株式会社製FPIA−1000)を用いて測定する。具体的には、ノニオン界面活性剤約0.1mgが溶解した水溶液10mlにトナー約5mgを分散させて分散液を調整し、超音波(20kHz、50W)を該分散液に5分間照射して分散液濃度を5000〜20000個/μLとし、前記フロー式粒子像測定装置を用い、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定する。
前記平均円形度(C)の値は、0.955乃至0.995が好ましい。平均円形度(C)の値が0.960乃至0.985のとき、転写残トナーの増加を招きにくくなり、再転写を起こしにくい傾向となるため、より好ましい。
本発明のトナーを粉砕法により製造する場合、該トナーの粒子径は、体積基準の平均粒径で2〜15μmであることが好ましく、3〜12μmであることがより好ましい。トナーの粒子径は、ミクロンサイザー(例えば、セイシン企業株式会社製)などのレーザー式粒度分布測定機を使用して測定される。平均粒径が上記範囲を超えると、解像度や鮮鋭性が鈍くなる傾向にあり、また、上記範囲より小さいと、解像性は良好となるものの、トナー製造時の歩留まりの悪化によるコスト高の問題や機内でのトナー飛散、皮膚浸透などの健康への障害が生じる傾向がある。
一方、本発明のトナーを重合法で製造する場合、トナーの体積平均粒径は3〜9μmであることが好ましく、4〜8.5μmであることがより好ましく、5〜8μmであることが特に好ましい。体積平均粒径が上記範囲より小さいと、トナーの流動性が低下し、各粒子の帯電性が低下しやすくなる。また、帯電分布が広がるため、背景へのかぶりや現像器からのトナーこぼれ等が生じやすくなる。更に、クリーニング性が格段に困難となる場合がある。体積平均粒径が上記範囲より大きいと、解像度が低下するため、十分な画質が得られなくなり、近年の高画質要求を満たすことが困難となる場合がある。
また、重合法により製造された本発明のトナーにおいては、その体積平均粒度分布指標(GSDv)が1.15〜1.30であることが好ましく、1.15〜1.25であることがより好ましい。体積平均粒度分布指標は、以下のようにして求められる。即ち、後述の方法によりトナーの粒度分布を測定する。得られた粒度分布を特定の粒度範囲(チャンネル)ごとに分割する。該粒度範囲において、体積に応じて小径側から累積分布を描く。累積16%となる粒径を体積D16%、累積50%となる粒径を体積D50%、累積84%となる粒径を体積D84%と定義する。(D84%/D16%)1/2より算出される値を、体積平均粒度分布指標(GSDv)とする。
本発明において、トナーの粒度分布は、例えばコールターカウンター(コールター株式会社製TA−II)により測定される。本発明のトナーの粒度分布は、2μm以下の粒子含有量が個数基準で10〜90%のものが好ましく、また、12.7μm以上の粒子の含有量が体積基準で0〜30%のものが好ましい。
更に、本発明のトナーとしては、粒径均一性の高い(体積平均粒径/個数平均粒径が1.00〜1.30)ものが望ましい。
本発明のトナーのBET比表面積は、1.2〜5.0m2/gが好ましく、1.5〜3.0m2/gがより好ましい。BET比表面積の測定は、例えばBET比表面積測定装置(例えば、株式会社島津製作所製、FlowSorb II2300)を使用し、50℃で30分間トナー表面の吸着ガスを脱離後、液体窒素により急冷して窒素ガスを再吸着し、更に再度50℃に昇温し、このときの脱ガス量から求めた値と定義する。脱吸着ガスとしては、窒素を使用する。
本発明のトナーの見かけ比重(かさ密度)は、例えばパウダーテスター(例えば、ホソカワミクロン株式会社製)を用いて測定される。本発明のトナーが非磁性トナーの場合、見かけ比重は0.2〜0.6g/cm3が好ましい。また、本発明のトナーが磁性トナーの場合、磁性粉の種類や含有量にもよるが、見かけ比重は0.2〜2.0g/cm3が好ましい。
本発明のトナーが非磁性トナーの場合、該トナーの真比重は0.9〜1.2g/cm3が好ましく、磁性トナーの場合は、磁性粉の種類や含有量にもよるが、0.9〜4.0g/cm3が好ましい。トナーの真比重は、次のようにして算出される。トナー1.000gを精秤し、これを10mmΦの錠剤成型器に入れ、真空下で200kgf/cm2の圧力をかけながら圧縮成型する。この円柱状の成型物の高さをマイクロメーターで測定する。測定値から、真比重を算出する。
トナーの流動性は、例えば、安息角測定装置(例えば、筒井理化株式会社製)による流動安息角と静止安息角により定義する。本発明のトナーの流動安息角は、5度〜45度が好ましい。また、静止安息角は、10〜50度が好ましい。
本発明のトナーが粉砕法により製造されたトナーの場合、該トナーの形状係数(SF−1)の平均値は、100〜400が好ましく、形状係数2(SF−2)の平均値は、100〜350が好ましい。
トナーの形状係数を示すSF−1、SF−2は、以下のようにして得られる。例えばCCDカメラを備えた光学顕微鏡(例えば、オリンパス株式会社製BH−2)を用いて、トナー粒子群を1000倍に拡大し、且つ一視野に30個程度となるようにした画像を得る。得られた画像から、画像解析装置(例えば、ニレコ株式会社製ルーゼックスFS)を用いて、粒子一つ一つについて、粒子の最大長、投影面積及び周囲長の値を得る。トナー粒子約1000個について、これらの値を得るまで、上記の画像取得及び解析作業を繰り返し行う。得られた値から、形状係数を算出する。形状係数(SF−1)と形状係数2(SF−2)は以下の式によって算出する。

SF−1={(ML2×π)/4A}×100
式中、
MLは粒子の最大長を表し、
Aは一粒子の投影面積を表す。

SF−2={PM2/4Aπ}×100
式中、
PMは粒子の周囲長を表し、
Aは一粒子の投影面積を表す。
SF−1の値は、粒子の歪みを表す。粒子が球に近いほど、SF−1の値は100に近く、また、細長いものであるほど、SF−1の値は大きくなる。
SF−2の値は、粒子の凹凸を表す。粒子が球に近いほど、SF−2の値は100に近く、粒子の形が複雑であるほど、SF−2の値は大きくなる。
本発明のトナーが非磁性トナーの場合、該トナーの体積抵抗率は、1×1012〜1×1016Ω・cmが好ましく、また磁性トナーの場合は、磁性粉の種類や含有量にもよるが、1×108〜1×1016Ω・cmが好ましい。トナーの体積抵抗率は、以下のようにして算出される。即ち、トナー粒子を圧縮成型し直径50mm、厚み2mmの円盤状の試験片を作製する。該試験片を固体用電極(例えば、安藤電気株式会社製SE−70)にセットし、高絶縁抵抗計(例えば、ヒューレットパッカ−ド株式会社製4339A)を用いて、直流電圧100Vを連続印加する。1時間連続で印加した後の抵抗値を、体積抵抗率と定義する。
本発明のトナーが非磁性トナーの場合、該トナーの誘電正接は、1.0×10-3〜15.0×10-3が好ましく、また磁性トナーの場合は、磁性粉の種類や含有量にもよるが、2×10-3〜30×10-3が好ましい。トナーの誘電正接は、以下のようにして算出される。即ち、トナー粒子を圧縮成型し、直径50mm、厚み2mmの円盤状の試験片を作製する。該試験片を固体用電極にセットし、LCRメーター(例えば、ヒューレットパッカ−ド株式会社製4284A)を用いて、測定周波数1KHz、ピークトゥーピーク電圧0.1KVの条件下における、誘電正接値(Tanδ)を測定する。
本発明のトナーのアイゾット衝撃値は、0.1〜30kg・cm/cmが望ましい。トナーのアイゾット衝撃値は、以下のようにして測定される。即ち、トナー粒子を熱溶融して板状の試験片を作製する。該試験片について、JIS規格K−7110(硬質プラスチックの衝撃試験法)に準じ、アイゾット衝撃値が測定される。
本発明のトナーのメルトインデクス(MI値)は、10〜150g/10minが好ましい。トナーのメルトインデクス(MI値)は、JIS規格K−7210(A法)に準じて測定される。測定条件は、測定温度を125℃、加重を10kgとする。
本発明のトナーの溶融開始温度は、80〜180℃が望ましい。また、4mm降下温度は、90〜220℃が好ましい。
トナーの溶融開始温度は、以下のようにして測定される。即ち、トナー粒子を圧縮成型し直径10mm、厚み20mmの円柱状の試験片を作製する。該試験片を熱溶融特性測定装置、例えばフローテスター(例えば、株式会社島津製作所製CFT−500C)にセットし、荷重20kgf/cm2の条件の下、ピストンが降下し始める時の温度を測定する。溶融が開始されるときにピストンが落下を開始するという考えに基づき、該温度を溶融開始温度と定義する。
また、同様の測定方法により、ピストンが4mm降下したときの温度を測定する。該温度を4mm降下温度と定義する。
本発明のトナーのガラス転移温度(Tg)は、35〜80℃が好ましく、40〜75℃が更に好ましい。トナーのTgが上記範囲を下回ると、耐オフセット性や保存安定性が低下する傾向にある。トナーのTgが上記範囲を超えると、画像の定着強度が低下する傾向にある。
トナーのガラス転移温度は、示差熱分析(DSC)装置を用いて、以下のようにして測定される。即ち、トナーを一定温度で昇温後、急冷し、再昇温したときに現れる相変化のピーク値より、ガラス転移温度(Tg)は求められる。
DSC測定によって観測される、本発明のトナーの吸熱ピークにおいては、70〜120℃の域に最大ピークのピークトップ温度があることが好ましい。
本発明のトナーの溶融粘度は、1000〜50000ポイズが好ましく、1500〜38000ポイズがより好ましい。トナー溶融粘度は、以下のようにして測定される。即ち、トナー粒子を圧縮成型し直径10mm、厚み20mmの円柱状の試験片を作製する。該試験片を、熱溶融特性測定装置、例えばフローテスター(株式会社島津製作所製CFT−500C)にセットする。荷重20kgf/cm2の条件下で、溶融粘度を測定する。
本発明のトナーの溶媒溶解残分は、THF不溶分が0〜30質量%、酢酸エチル不溶分が0〜40質量%、及びクロロホルム不溶分が0〜30質量%であることが好ましい。溶媒溶解残分は、以下のようにして測定される。即ち、トナー1gずつを、THF、酢酸エチル及びクロロホルムの各溶剤100mlに均一に溶解又は分散させる。この溶液又は分散液を圧ろ過する。ろ液を乾燥させた後、定量する。この値から、トナー中の有機溶剤への不溶解物の割合を算出する。
本発明のトナーは、1成分現像方式に使用することができる。1成分現像方式とは、画像形成方法の1つであり、薄膜化させたトナーを潜像担持体に供給して潜像を現像する方式である。トナーの薄膜化は、通常、トナー搬送部材、トナー層厚規制部材およびトナー補給補助部材を備える装置であって、該補給補助部材とトナー搬送部材が当接し、且つ、トナー層厚規制部材とトナー搬送部材も当接している装置を用いて行われる。
本発明のトナーは、また、2成分現像方式に使用することもできる。以下、2成分現像方式への適用について具体的に説明する。2成分現像方式では、トナーとキャリア(帯電付与材およびトナー搬送材としての役割を持つもの)を使用する。2成分現像方式は、以下のようにして行われる。現像剤(トナーおよびキャリア)を攪拌部材によって攪拌し、所定の量の電荷を発生させ、マグネットローラーなどによって現像部位まで搬送する。磁力により、マグネットローラー表面に現像剤が保持され、現像剤規制板などにより適当な高さに層規制された磁気ブラシが形成される。現像剤は現像ローラーの回転に伴って、ローラー上を移動し、静電荷潜像保持体と接触または一定の間隔で非接触状態で対向させ、潜像を現像可視化する。非接触状態での現像の場合は、通常、現像剤と潜像保持体の間に直流電界を生じさせる事によりトナーが一定間隔の空間を飛翔する駆動力を得ることができるが、より鮮明な画像に現像するために、交流を重畳させる方式にも適用することができる。
(キャリア)
2成分現像方式に使用される上記キャリアとしては、フェライト、マグネタイトなどの一般的なキャリアに加えて、樹脂コートキャリアも使用することができる。
キャリア100質量部に対して、本発明のトナーを1〜200質量部の量で使用することが好ましく、2〜50質量部の量で使用するのがより好ましい。
樹脂コートキャリアは、キャリアコア粒子と被覆材とからなる。被覆材とは、キャリアコア粒子表面を被覆(コート)する樹脂である。該被覆材用の樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリレート系樹脂;アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体などのアクリレート系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素含有樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリビニルブチラール;アミノアクリレート樹脂;が好ましい。これらの他に、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂など、キャリアの被覆材として使用できる樹脂であれば、用いることができる。これらの樹脂は、1種単独で、或いは2種以上の組みあわせで用いることができる。
キャリアコアとして、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型のキャリアコアも用いることができる。
樹脂コートキャリアにおいて、キャリアコアの表面を少なくとも樹脂被覆剤で被覆する方法としては、樹脂を溶剤中に溶解若しくは懸濁せしめて塗布し、樹脂をキャリアコアに付着せしめる方法、あるいはキャリアコア粒子と被覆材用樹脂とを粉体状態で混合する方法が適用できる。樹脂コートキャリアに対する樹脂被覆材の割合は、適宜決定すればよいが、0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。
2種以上の混合物の被覆(コート)剤で磁性体(キャリア)を被覆する例としては、(1)酸化チタン微粉体100質量部に対してジメチルジクロロシランとジメチルシリコンオイル(質量比1:5)の混合物12質量部で処理する、(2)シリカ微粉体100質量部に対してジメチルジクロロシランとジメチルシリコンオイル(質量比1:5)の混合物20質量部で処理する、等が挙げられる。
前記被覆材用の樹脂のうち、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、含フッ素樹脂とスチレン系共重合体との混合物、又はシリコーン樹脂が好ましく、シリコーン樹脂が特に好ましい。
含フッ素樹脂とスチレン系共重合体との混合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンとスチレン−メタクリ酸メチル共重合体との混合物、ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メタクリル酸メチル共重合体との混合物、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合(共重合体質量比10:90〜90:10)とスチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体(共重合質量比10:90〜90:10)とスチレン−アクリル酸−2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体質量比20〜60:5〜30:10:50)との混合物が挙げられる。
シリコーン樹脂としては、含窒素シリコーン樹脂、及び含窒素シランカップリング剤とシリコーン樹脂とが反応することにより生成される変性シリコーン樹脂が挙げられる。
キャリアコアの磁性材料としては、フェライト、鉄過剰型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄などの酸化物や、鉄、コバルト、ニッケルなどの金属、またはこれらの合金を用いることができる。これらの磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムが挙げられる。好ましいものとして、銅、亜鉛、および鉄成分を主成分とする銅−亜鉛−鉄系フェライト;マンガン、マグネシウムおよび鉄成分を主成分とするマンガン−マグネシウム−鉄系フェライト;が挙げられる。
キャリアの抵抗値は、106〜1010Ω・cmがよい。抵抗値は、キャリアの表面の凹凸度合い、又は被覆する樹脂の量を調整することによって、調製することができる。キャリアの粒径は4〜200μmが好ましく、10〜150μmがより好ましく、20〜100μmが最も好ましい。特に、樹脂コートキャリアの場合、50%粒径が20〜70μmであることが好ましい。
以下、実施例をもって本発明を説明するが、これらは本発明をなんら制限するものではない。実施例において、「部」は全て「質量部」を表す。
[実施例1]
(非磁性トナー1の製造)
原料として、スチレン−アクリレート系共重合体樹脂(三井化学株式会社製、商品名CPR−100、酸価0.1mgKOH/g)、下記構造式のロダニン化合物(電荷制御剤No.1)、カーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名MA−100)、およびβ−シトステロール、カンペステロール並びにスティグマステロールの2:1:1(w/w/w)の混合物とパルミチン酸とから合成されるワックス(以下、BCSPワックスと呼ぶ)を用いた。以下の組成;
スチレン−アクリレート系共重合体樹脂 91部
電荷制御剤No.1 1部
カーボンブラック 5部
BCSPワックス 3部
に従って、原料を130℃の加熱混合装置(2軸押出混練機)によって溶融混合した。冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、分級して体積平均粒径9±0.5μmの非磁性トナー1を得た。
尚、使用されたBCSPワックスの融点は、89℃であった。
Figure 2012133449
(非磁性トナー1の評価)
得られたトナーとノンコート系のフェライトキャリア(パウダーテック株式会社製F−150)とを混合振とうして、トナーを負に帯電させた。このときの混合割合は、4対100質量部(トナー:キャリア)とした。帯電後、ブローオフ粉体帯電量測定装置で帯電量を測定した。結果は表1に示した。
また、得られたトナーについて、高温高湿下(30℃、85%RH)での環境安定性を評価した。環境安定性は、高温高湿下における飽和帯電量と、通常雰囲気下(温度25℃、湿度50%)での飽和帯電量とを比較し、通常雰囲気下の飽和帯電量に対する高温高湿下の飽和帯電量の低下率(以下、飽和帯電量低下率と呼ぶ)を求め、以下の4段階で評価した。結果は表1に示した。
◎:安定(飽和帯電量低下率が5%未満)
○:やや安定(飽和帯電量低下率が5%以上、10%未満)
△:やや不安定、(飽和帯電量低下率が10%以上、15%未満)
×:不安定(飽和帯電量低下率が15%以上)
[比較例1]
(比較非磁性トナー1の製造と評価)
BCSPワックスを低分子量ポリプロピレン(三洋化成株式会社製、商品名ビスコール550P)(以下、低分子量ポリプロピレンと呼ぶ)に代えたほかは、実施例1と同様にして、比較非磁性トナー1を調製した。実施例1と同様にして、帯電量を測定し、且つ、環境安定性を評価した。結果は表1に示した。
尚、使用された低分子量ポリプロピレンの融点は、152℃であった。
[実施例2]
(非磁性トナー2の製造)
電荷制御剤No.1を下記構造式の鉄錯塩化合物(電荷制御剤No.2)に代えたほかは、実施例1と同様にして、非磁性トナー2を調製した。実施例1と同様にして、帯電量を測定、且つ、環境安定性を評価した。結果は表1に示した。
Figure 2012133449
式中、
は水素イオン、ナトリウムイオンおよびアンモニウムイオン
の混合カチオンを表す。
[比較例2]
(比較非磁性トナー2の製造と評価)
BCSPワックスを低分子量ポリプロピレンに代えたほかは、実施例2と同様にして、比較非磁性トナー2を調製した。実施例2と同様にして、帯電量を測定し、且つ、環境安定性を評価した。結果は表1に示した。
[実施例3]
(非磁性トナー3の製造)
電荷制御剤No.1を下記構造式のジルコニウム化合物(電荷制御剤No.3)に代えたほかは、実施例1と同様にして、非磁性トナー3を調製した。実施例1と同様にして、帯電量を測定し、且つ、環境安定性を評価した。結果は表1に示した。
Figure 2012133449
[比較例3]
(比較非磁性トナー3の製造と評価)
BCSPワックスを低分子量ポリプロピレンに代えたほかは、実施例3と同様にして、比較非磁性トナー3を調製した。実施例3と同様にして、帯電量を測定し、且つ、環境安定性を評価した。結果は表1に示した。
[実施例4]
(非磁性トナー4の製造)
電荷制御剤No.1を下記構造式の鉄錯塩化合物(電荷制御剤No.4)に代えたほかは、実施例1と同様にして、非磁性トナー4を調製した。実施例1と同様にして、帯電量を測定し、且つ、環境安定性を評価した。結果は表1に示した。
Figure 2012133449
[比較例4]
(比較非磁性トナー4の製造と評価)
BCSPワックスを低分子量ポリプロピレンに代えたほかは、実施例4と同様にして、比較非磁性トナー4を調製した。実施例4と同様にして、帯電量を測定し、且つ、環境安定性を評価した。結果は表1に示した。
[実施例5]
(非磁性トナー5の製造)
電荷制御剤No.1を下記構造式の環状フェノール硫化物(電荷制御剤No.5)に代えたほかは、実施例1と同様にして、非磁性トナー5を調製した。実施例1と同様にして、帯電量を測定し、環境安定性を評価した。結果は表1に示した。
Figure 2012133449
[比較例5]
(比較非磁性トナー5の製造と評価)
BCSPワックスを低分子量ポリプロピレンに代えたほかは、実施例5と同様にして、比較非磁性トナー5を調製した。実施例5と同様にして、帯電量を測定し、環境安定性を評価した。結果は表1に示した。
Figure 2012133449
表1の結果から、植物ステロール型ワックスを用いた本発明のトナーは、優れた帯電性能を示し、そして高温高湿度における環境安定性が向上することが分かった。
本発明によれば、長期にわたり画像の光沢ムラ、及び画像上の汚れの発生などによる画質の低下を抑制し、さらに低温定着にも適した静電荷現像用トナーを提供することができる。
また、十分な摩擦帯電性を有し、帯電の立ち上がり速度が高く、かつ経時安定性や環境安定性に特に優れ、しかも、廃棄物規制にも問題のない安全な静電荷像現像用トナーを提供することができる。

Claims (9)

  1. 植物ステロールから誘導されたワックス、着色剤および結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナー。
  2. 前記植物ステロールがフィトステロールである、請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記ワックスが植物ステロールと高級脂肪酸との反応により得られたものである、請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 電荷制御剤を更に含有する、請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 電荷制御剤が下記一般式(1);
    Figure 2012133449
    式中、
    、Xは同一でも異なっていてもよく、フッ素原子、塩
    素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、炭素原子数1乃至
    4のアルキル基、または炭素原子数1乃至4のアルキルオキシ
    基を表わし、
    、mは0乃至3の整数を表わし、
    、Rは同一でも異なっていてもよく、フッ素原子、塩
    素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1乃至18のアル
    キル基、炭素原子数1乃至18のアルキルオキシ基、炭素原子
    数2乃至6のアルケニル基、スルホンアミド基、炭素原子数1
    乃至18のスルホンアルキル基、スルホン酸基、カルボキシル
    基、カルボキシエステル基、ヒドロキシル基、アセチルアミノ
    基、またはベンゾイルアミノ基を表わし、
    、nは0乃至3の整数を表わし、
    、Rは水素原子またはニトロ基を表わし、
    は、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、
    アンモニウムイオンまたはアルキルアンモニウムイオンを表わ
    し、
    、X、R、Rが同一のベンゼン環上に複数存在す
    る時、複数のX、X、R、Rはそれぞれ同一でも異な
    ってもよい、
    で表される鉄錯塩化合物である、請求項4記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 電荷制御剤が下記一般式(2);
    Figure 2012133449
    式中、
    、R、R、Rは同一でも異なっていてもよく、水
    素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ヒド
    ロキシル基、カルボキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ
    基、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数5又は6の
    シクロアルキル基、炭素原子数2乃至6のアルケニル基、炭素
    原子数1乃至6のアルキルオキシ基、炭素原子数5又は6のシ
    クロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基、縮合多
    環芳香族基、アリールオキシ基またはアミノ基を表し、
    とR、RとR、またはRとRとは、互いに結
    合して環を形成してもよく、
    は水素原子または炭素原子数1乃至6のアルキル基を表
    し、
    は1乃至20の整数、
    は0乃至20の整数、
    rは1乃至20の整数、
    sは0乃至20の整数である、
    で表されるジルコニウム化合物である、請求項4記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 電荷制御剤が下記一般式(3);
    Figure 2012133449
    式中、
    、Xは同一でも異なっていてもよく、フッ素原子、塩
    素原子、臭素原子、ヨウ素原子、または炭素原子数1乃至8の
    アルキル基を表わし、
    、mは0乃至4の整数を表わし、
    10、R11は同一でも異なっていてもよく、フッ素原子
    、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1乃至8のア
    ルキル基、または炭素原子数1乃至8のアルキルオキシ基を表
    わし、
    、nは0乃至5の整数を表わし、
    は、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、
    アンモニウムイオンまたはアルキルアンモニウムイオンを表わ
    し、
    、X、R10、R11が同一のベンゼン環上に複数存
    在するとき、複数のX、X、R10、R11はそれぞれ同
    一でも異なってもよい、
    で表される鉄錯塩化合物である、請求項4記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 電荷制御剤が下記一般式(4);
    Figure 2012133449
    式中、
    12は炭素原子数1乃至8のアルキル基を表し、
    は4乃至9の整数であり、
    は0、1または2である、
    で表される環状フェノール硫化物である、請求項4記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 電荷制御剤が下記一般式(5);
    Figure 2012133449
    式中、
    13は水素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基、炭素
    原子数5乃至10のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基、複
    素環基または縮合多環芳香族基を表し、
    14は水素原子、炭素原子数1乃至8のアルキル基、炭素
    原子数5乃至10のシクロアルキル基、炭素原子数2乃至6の
    アルケニル基、炭素原子数1乃至8のアルキルオキシ基、炭素
    原子数5乃至10のシクロアルキルオキシ基、芳香族炭化水素
    基、複素環基、縮合多環芳香族基またはアリールオキシ基を表
    し、
    15〜R19は同一でも異なってもよく、水素原子、重水
    素原子、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、炭素原子数
    1乃至8のアルキル基、炭素原子数5乃至10のシクロアルキ
    ル基、炭素原子数2乃至6のアルケニル基、炭素原子数1乃至
    8のアルキルオキシ基、炭素原子数5乃至10のシクロアルキ
    ルオキシ基、芳香族炭化水素基、複素環基、縮合多環芳香族基
    またはアリールオキシ基であって、互いに結合して環を形成し
    ていても良い、
    で表されるロダニン化合物である、請求項4記載の静電荷像現像用トナー。
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