JP5194322B2 - 環状フェノール硫化物の金属化合物を用いた電荷制御剤及びトナー - Google Patents

環状フェノール硫化物の金属化合物を用いた電荷制御剤及びトナー Download PDF

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Description

本発明は、電子写真、静電記録などの分野で静電潜像を顕像化するための画像形成装置で用いられる電荷制御剤、および電荷制御剤を含有する負帯電性のトナーに関する。
電子写真方式による画像形成プロセスでは、セレン、セレン合金、硫化カドミウム、アモルファスシリコンなどの無機感光体や、電荷発生剤と電荷輸送剤を用いた有機感光体に静電潜像を形成し、これをトナーにより現像、紙やプラスチックフィルムに転写、定着して可視画像を得る。
感光体にはその構成により正帯電性と負帯電性が有り、露光により印字部を静電潜像として残す場合は逆符号帯電性トナーにより現像し、一方、印字部を除電して反転現像を行なう場合は同符号帯電性トナーにより現像する。トナーはバインダー樹脂と着色剤およびその他添加剤により構成されるが、望ましい摩擦帯電特性(帯電速度、帯電レベル、帯電安定性など)や経時安定性、環境安定性を付与するため、一般に電荷制御剤が使用される。この電荷制御剤によりトナーの特性は大きく影響を受ける。
従来、負帯電性用の電荷制御剤としてモノアゾ金属錯体化合物(例えば、特許文献1〜2参照)やヒドロキシ安息香酸誘導体の金属錯塩化合物(例えば、特許文献3〜4参照)、芳香族ジカルボン酸金属塩化合物(例えば、特許文献5参照)、カリックス(n)アレン化合物(例えば、特許文献6〜8参照)、環状フェノール硫化物(例えば、特許文献9〜11参照)など多くの化合物が提案されている。
しかしながら、これらの電荷制御剤の多くは、トナーの結着樹脂に対する親和性や摩擦帯電付与効果が不十分であったり、帯電の立ち上がり速度が遅いために、初期の複写画像の鮮明性に欠けたり、連続複写中における複写画像の品質が変動し易いという欠点を持つものがあった。また、環境条件に対するトナーの帯電特性の変動幅が大きく季節要因により画質が著しく変化してしまう欠点を有するものもあった。
近年、電子写真法を応用したプリンターやファクシミリが普及し、年々複写の速度が高速化しており、従来の複写機以上に瞬時に適性帯電を保持する(帯電の立ち上がりが良好な)トナーが要求されるようになってきている。すなわち休止状態から出力状態に入った時に瞬時に適性帯電を保持すること、長期間放置状態でも摩擦帯電性能が劣化しないことが従来のトナー以上に求められている。
特許第3986488号公報 特開2005−266790号公報 特開昭61−069073号公報 特許第4056738号公報 特開昭57−111541号公報 特許第2568675号公報 特許第2899038号公報 特許第3359657号公報 特開2003−295522号公報 WO2007−111346号公報 WO2007−119797号公報
本発明は、初期の複写画像の鮮明性に欠けたり、連続複写中における複写画像の品質が変動し易いという欠点の克服を目指しており、近年のプリンターの高速化に適用できる帯電の立ち上がりが良好で、温度や湿度の変化に対する帯電量の変化が少なくて環境安定性が良く、高い摩擦帯電量を有する新規な電荷制御剤を提供することを目的としている。
本発明は、また、該電荷制御剤を使用する高い帯電性能を有する新規な負帯電性トナーを提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために鋭意研究した結果得られたものであり、以下を要旨とするものである。
1.下記一般式(1)で表される環状フェノール硫化物の金属化合物を有効成分として含有することを特徴とする電荷制御剤。
Figure 0005194322
(1)
(式中、Rは炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素原子数3ないし8の環式炭化水素基、炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状の不飽和炭化水素基、または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Yは水素原子または金属原子を表し、mは4ないし9の整数を表し、nは0または1ないし2の整数を表す。但し、複数のYの内少なくとも一つは金属原子であるものとする。)
2.上記一般式(1)で表される環状フェノール硫化物の金属化合物の1種以上と着色剤および結着樹脂を含有することを特徴とするトナー。
本発明の環状フェノール硫化物の金属化合物は、環境安定性に優れた化合物であり、かつ帯電制御効果に優れた化合物である。本発明の環状フェノール硫化物の金属化合物をトナーに用いることにより、すばやい帯電の立ち上がりと高い帯電量を得ることができ、結果として鮮明な画像を得ることができる。従って、特に、高速プリンター用のトナーとして好適である。
本発明の電荷制御剤は、電荷制御特性、耐環境性、および耐久性に優れており、トナーに用いた場合に、カブリがなく、画像濃度、ドット再現性、細線再現性が良好な画像を得ることができる。
本発明の環状フェノール硫化物の金属化合物を含有したトナーは、高湿あるいは低湿環境下においても帯電特性の変動が少なく、安定した現像特性を保持できる。
本発明の環状フェノール硫化物の金属化合物を有効成分として含有する電荷制御剤は、従来の電荷制御剤より帯電の立ち上がり速度が高く、高い帯電量を有し、かつ環境安定性に優れた帯電特性を有している。さらに分散性や化合物の安定性に優れている。
本発明の環状フェノール硫化物の金属化合物を用いた電荷制御剤は、上記一般式(1)において個々の分子内におけるnは同一でも異なってもよく、nが0または1ないし2の整数である環状フェノール硫化物の金属化合物を単独で用いても、2種以上混合して用いても良い。
また、上記一般式(1)においてmが4ないし9の整数である環状フェノール硫化物の金属化合物を単独で用いても、2種以上混合して用いても良い。
一般式(1)中のRで表される炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、具体的に次のような基をあげることができる。メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、2−メチルプロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基。これらのうち炭素原子数1ないし4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基が好ましく、tert−ブチル基が特に好ましい。
一般式(1)中のRで表される炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状の不飽和炭化水素基としては、具体的に次のような基をあげることができる。ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ペンテン−4−イル基、1,3−ブタンジエニル基、エチニル基、2−プロピニル基。これらのうち炭素原子数2ないし4の不飽和炭化水素基が特に好ましい。
一般式(1)中のRで表される炭素原子数3ないし8の環式炭化水素基としては、具体的に次のような基をあげることができる。シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、2,4−シクロペンタジエン−1−イル基、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル基。これらのうち炭素原子数3ないし6の環式炭化水素基が特に好ましい。
一般式(1)中のRで表される置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基の芳香族炭化水素基としては、具体的に次のような基をあげることができる。フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、スチリル基。
一般式(1)中のRで表される、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基の置換基としては、具体的にフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、炭素原子数1ないし4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基をあげることができる。
一般式(1)のYで表される金属原子としては、あらゆる金属が可能であるが、遷移金属やアルカリ土類金属が好ましい。具体的な例としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、白金、金をあげることができる。これらのうち、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、チタン、マグネシウム、カルシウム及びジルコニウムが好ましく、特に、鉄、コバルト、ニッケル及び亜鉛が好ましい。
本発明では、一般式(1)のYが水素である重合体1モルあたり、金属が約1モル反応するように、該金属化合物(金属付与剤)を反応させて調製するのが好ましい。特に、複数のYが金属原子と水素原子の組み合わせになっているのが好ましい。
本発明の環状フェノール硫化物の金属化合物を製造するための原料である環状フェノール硫化物は、公知の方法(例えば、特許文献9〜11、特開平10−081680号公報及びWO1998−009959号公報参照)によって製造することができる。
本発明の環状フェノール硫化物の金属化合物は、原料である環状フェノール硫化物から公知の方法(例えば、特開2000−191658号公報やTetrahedron,57,p.5557(2001)参照)によって製造することができる。
本発明の環状フェノール硫化物の金属化合物を製造するための金属付与剤としては、金属のハロゲン化物、硫酸の金属塩、硝酸の金属塩、燐酸の金属塩、酢酸の金属塩、スルホン酸の金属塩、サリチル酸の金属塩などの金属塩やアセチルアセトン錯体、ビピリジン錯体、フェナントロリン錯体、エチレンジアミン錯体などの金属錯体をあげることができる。
本発明の電荷制御剤は、体積平均粒径を0.1〜20μmに調整し、使用するのが好ましく、更に好ましくは0.1〜10μmである。この粒径範囲のものを用いると、トナー表面に出現する該電荷制御剤の量が適正となり、良好な電荷制御効果が得られ、かつトナーから欠落する電荷制御剤が少なく、機内汚染などの問題が生じないので好ましい。
本発明の電荷制御剤である環状フェノール硫化物の金属化合物をトナーに含有させる方法としては、結着樹脂に着色剤などとともに添加し、混練し、粉砕する方法(粉砕トナー)、または重合性の単量体モノマーに環状フェノール硫化物の金属化合物を添加し、重合せしめてトナーを得る方法(重合トナー)のように、予めトナー粒子の内部に添加する方法(内添)と、予めトナー粒子を製造し、トナー粒子の表面に添加(外添)する方法がある。トナー粒子に内添する場合の本発明の電荷制御剤である環状フェノール硫化物の金属化合物の添加量としては、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは、0.2〜5質量部である。また、トナー粒子に外添する場合は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.01〜2質量部である。また、メカノケミカル的にトナー粒子表面に固着させるのが好ましい。
また本発明の環状フェノール硫化物の金属化合物を有効成分とする電荷制御剤は、既知の他の負帯電性の電荷制御剤と併用することができる。併用する好ましい電荷制御剤としては、アゾ系鉄錯体または錯塩、アゾ系クロム錯体または錯塩、アゾ系マンガン錯体または錯塩、アゾ系コバルト錯体または錯塩、アゾ系ジルコニウム錯体または錯塩、カルボン酸誘導体のクロム錯体または錯塩、カルボン酸誘導体の亜鉛錯体または錯塩、カルボン酸誘導体のアルミ錯体または錯塩、カルボン酸誘導体のジルコニウム錯体または錯塩があげられる。前記カルボン酸誘導体としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸が好ましく、更に好ましいのは、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸である。更にホウ素錯体または錯塩、負帯電性樹脂型電荷制御剤などがあげられる。
本発明の電荷制御剤と他の電荷制御剤を併用する場合の添加量は、本発明の環状フェノール硫化物の金属化合物を有効成分とする電荷制御剤以外の他の電荷制御剤を結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部とするのが好ましい。
本発明に使用されるトナーの結着樹脂の種類として、結着樹脂としては、公知のものであればいずれも使用できる。スチレン系単量体、アクリレート系単量体、メタクリレート系単量体などのビニル重合体、またはこれらの単量体2種類以上からなる共重合体など、ポリエステル系重合体、ポリオール樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石油系樹脂などがあげられる。
前記ビニル重合体または共重合体を形成するスチレン系単量体、アクリレート系単量体、メタクリレート系単量体について、以下に例示するがこれらに限定されるものではない。
スチレン系単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−アミルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−へキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンなどのスチレンまたはその誘導体などがあげられる。
アクリレート系単量体としては、アクリル酸、あるいはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸またはそのエステル類などがあげられる。
メタクリレート系単量体としては、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのメタクリル酸またはそのエステル類などがあげられる。
前記ビニル重合体、または共重合体を形成する他のモノマーの例としては、以下の(1)〜(18)があげられる。(1)エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのモノオレフイン類;(2)ブタジエン、イソプレンなどのポリエン類;(3)塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;(4)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類;(5)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;(6)ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;(7)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;(8)ビニルナフタレン類;(9)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体など;(10)マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸などの不飽和二塩基酸;(11)マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物などの不飽和二塩基酸無水物;(12)マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、アルケニルコハク酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、メサコン酸モノメチルエステルなどの不飽和二塩基酸のモノエステル;(13)ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸などの不飽和二塩基酸エステル;(14)クロトン酸、ケイヒ酸などのα,β−不飽和酸;(15)クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物などのα,β−不飽和酸無水物;(16)該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物およびこれらのモノエステルなどのカルボキシル基を有するモノマー;(17)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;(18)4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルへキシル)スチレンなどのヒドロキシ基を有するモノマー。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニル重合体、または共重合体は、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンがあげられる。アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートまたは前記の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものがあげられる。
エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、または前記の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたものがあげられる。
その他、芳香族基およびエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物、またはジメタクリレート化合物もあげられる。ポリエステル型ジアクリレート類としては例えば、商品名MANDA(日本化薬株式会社製)があげられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、および以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートがあげられる。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部用いることができ、特に0.03〜5質量部用いることが好ましい。これらの架橋性モノマーのうち、トナー用樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼンが好ましい。)、芳香族基およびエーテル結合を1つ含む結合鎖で結ばれたジアクリレート化合物類があげられる。これらの中でも、スチレン系共重合体、スチレン−アクリレート系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましい。
本発明のビニル重合体または共重合体の製造に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート、1,1'−アゾビス(1−シクロへキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2',4'−ジメチル−4'−メトキシバレロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロへキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α−(tert−ブチルパーオキシ)イソプロピルべンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルへキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジエトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロへキシルスルホニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサレート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルオキシベンゾエ−ト、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキシアリルカーボネート、イソアミルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキシへキサハイドロテレフタレート、tert−ブチルパーオキシアゼレートなどがあげられる。
結着樹脂がスチレン−アクリレート系樹脂の場合、樹脂成分のテトラヒドロフラン(以後、THFと略称する)に可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以後、GPCと略称する)による分子量分布で、分子量3千〜5万(数平均分子量換算)の領域に少なくとも1つのピークが存在し、分子量10万以上の領域に少なくとも1つのピークが存在する樹脂が、定着性、オフセット性、保存性の点で好ましい。またTHF可溶分は、分子量分布10万以下の成分が50〜90%となるような結着樹脂も好ましい。更に好ましくは、分子量5千〜3万の領域に、最も好ましくは5千〜2万の領域にメインピークを有するのがよい。
結着樹脂がスチレン−アクリレート系樹脂などのビニル重合体の酸価は、0.1mgKOH/g〜100mgKOH/gであることが好ましく、0.1mgKOH/g〜70mgKOH/gが更によく、更に好ましくは0.1mgKOH/g〜50mgKOH/gがよい。
ポリエステル系重合体を構成するモノマーとしては、以下のものがあげられる。2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、またはビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどの環状エーテルが重合して得られるジオールなどがあげられる。
ポリエステル樹脂を架橋させるために3価以上のアルコールを併用することが好ましい。3価以上の多価アルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンなどがあげられる。
前記ポリエステル系重合体を形成する酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのべンゼンジカルボン酸類またはその無水物、こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類またはその無水物、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸などの不飽和二塩基酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物などの不飽和二塩基酸無水物などがあげられる。また、3価以上の多価カルボン酸成分としては、トリメリト酸、ピロメリト酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、またはこれらの無水物、部分低級アルキルエステルなどがあげられる。
結着樹脂がポリエステル系樹脂の場合は、樹脂成分のTHF可溶成分の分子量分布で、分子量3千〜5万の領域に少なくとも1つのピークが存在するのがトナーの定着性、耐オフセット性の点で好ましく、また、THF可溶分は、分子量10万以下の成分が60〜100%となるような結着樹脂も好ましい。更に好ましくは、分子量5千〜2万の領域に少なくとも1つのピークが存在するのがよい。
結着樹脂がポリエステル樹脂の場合、その酸価が、0.1mgKOH/g〜100mgKOH/gであることが好ましく、0.1mgKOH/g〜70mgKOH/gが更によく、更に好ましくは0.1mgKOH/g〜50mgKOH/gがよい。
本発明において、結着樹脂の分子量分布は、THFを溶媒としたGPCによって測定される。
本発明のトナーに使用できる結着樹脂として、前記ビニル重合体成分および/またはポリエステル系樹脂成分中に、これらの両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含む樹脂も使用することができる。ポリエステル系樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸またはその無水物などがあげられる。ビニル重合体成分を構成するモノマーとしては、カルボキシル基またはヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸若しくはメタクリル酸エステル類があげられる。
また、ポリエステル系重合体、ビニル重合体とその他の結着樹脂を併用する場合、全体の結着樹脂の酸価が0.1〜50mgKOH/gを有する樹脂を60質量%以上有するものが好ましい。
本発明において、トナー組成物の結着樹脂成分の酸価は、以下の方法により求め、基本操作はJIS K−0070に準ずる。
(1)試料は予め結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を除去して使用するか、結着樹脂および架橋された結着樹脂以外の成分の酸価および含有量を予め求めておく。試料の粉砕品0.5〜2.0gを精秤し、重合体成分の重さをWgとする。例えば、トナーから結着樹脂の酸価を測定する場合は、着色剤または磁性体などの酸価および含有量を別途測定しておき、計算により結着樹脂の酸価を求める。
(2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(体積比4/1)の混合液150(ml)を加え溶解する。
(3)0.1mol/LのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。
(4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とし、以下の式(1)で算出する。ただしfはKOH濃度のファクターである。
酸価(mgKOH/g)=[(S−B)×f×5.61]/W (1)
トナーの結着樹脂および結着樹脂を含む組成物は、トナー保存性の観点から、ガラス転移温度(Tg)として好ましくは35〜80℃、特に好ましくは40〜75℃のものが良い。Tgがこの範囲内であると、高温雰囲気下でトナーが劣化しにくく、また定着時にオフセットが発生しにくくなるとともに、定着性も良好となる。
本発明で使用できる磁性体としては、(1)マグネタイト、マグヘマイト、フェライトなどの磁性酸化鉄、および他の金属酸化物を含む酸化鉄。または(2)鉄、コバルト、ニッケルのような金属、あるいは、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金。(3)およびこれらの混合物などが用いられる。
磁性体として具体的に例示すると、Fe34、γ−Fe23、ZnFe24、Y3Fe512、CdFe24、Gd3Fe512、CuFe24、PbFe12O、NiFe24、NdFe2O、BaFe1219、MgFe24、MnFe24、LaFeO3、鉄粉、コバルト粉、ニッケル粉などがあげられる、上述した磁性体を単独で或いは2種以上の組合せで使用する。特に好適な磁性体は、四三酸化鉄またはγ−三二酸化鉄の微粉末である。
また、異種元素を含有するマグネタイト、マグヘマイト、フェライトなどの磁性酸化鉄、またはその混合物も使用できる。異種元素を例示すると、リチウム、ベリリウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、ゲルマニウム、ジルコニウム、錫、イオウ、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウムなどがあげられる。好ましい異種元素としては、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、またはジルコニウムから選択される。異種元素は、酸化鉄結晶格子の中に取り込まれていてもよいし、酸化物として酸化鉄中に取り込まれていてもよいし、または表面に酸化物あるいは水酸化物として存在していてもよいが、酸化物として含有されているのが好ましい。
前記の異種元素は、磁性体生成時にそれぞれの異種元素の塩を混在させpH調整により、粒子中に取り込むことができる。また、磁性体粒子生成後にpH調整、あるいは各々の元素の塩を添加しpH調整することにより、粒子表面に析出することができる。
前記磁性体の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、磁性体10〜200質量部、好ましくは20〜150質量部使用するのがよい。これらの磁性体は個数平均粒径は0.1〜2μmが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5μmが好ましい。個数平均径は透過電子顕微鏡により拡大撮影した写真をデジタイザーなどで測定することにより求めることができる。
また、磁性体の磁気特性としては、10Kエルステッド印加での磁気特性がそれぞれ、抗磁力20〜150エルステッド、飽和磁化50〜200emu/g、残留磁化2〜20emu/gのものが好ましい。
前記磁性体は、着色剤としても使用することができる。本発明で使用できる着色剤としては黒色トナーの場合、黒色または青色の染料または顔料粒子があげられる。黒色または青色の顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーなどがある。黒色または青色の染料としてはアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料などもあげられる。
カラー用トナーとして使用する場合には、着色剤として、次のものがあげられる。マゼンダ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基性染料、レーキ染料、ナフトール染料、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、顔料系のマゼンダ着色剤としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、184、202、206、207、209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35、メチルバイオレットレーキ、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザイリンレーキ、ブリリアントカーミンレーキ3Bなどがあげられる。
前記顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
染料系マゼンタ着色剤としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.デイスパースレッド9、C.I.ソルべントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.デイスパースパイオレット1などの油溶染料、C.I.べーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレツト1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料があげられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン、塩基染料レーキ化合物が利用できる。具体的にあげると、顔料系のシアン着色剤としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45またはフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料である。C.I.ピグメントグリーン7、12、36、37、38などのグリーン色を呈する着色剤をブレンドして使用することも可能である。
フタロシアニン染料の代表例としてはC.I.ソルベントブルー25、55、70、C.I.ダイレクトブルー25、86、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキなどがあげられる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物が用いられる。具体的には、イエロー用顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、83、97、180、185、C.I.バットイエロー1、3、20、C.I.ソルベントイエロー162、キノリンイエロー、タートラジンレーキなどがあげられる。
前記の着色剤の使用量は結着樹脂100量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。
本発明のトナーは、キャリアと混合して2成分現像剤として使用してもよい。本発明に使用するキャリアは、通常のフェライト、マグネタイトなどのキャリアも樹脂コートキャリアも使用することができる。
樹脂コートキャリアは、キャリアコア粒子とキャリアコア粒子表面を被覆(コート)する樹脂である被覆材からなり、該被覆材に使用する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリレート系樹脂、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体などのアクリレート系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素含有樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が好ましく、他にはアイオモノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂などのキャリアの被覆(コート)材として使用できる樹脂であればよく、これらの樹脂単独、あるいは、複数用いることができる。
また、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型のキャリアコアも用いることができる。
樹脂コートキャリアにおいて、キャリアコアの表面を少なくとも樹脂被覆剤で被覆する方法としては、樹脂を溶剤中に溶解若しくは懸濁せしめて塗布したキャリアコアに付着せしめる方法、あるいは単に粉体状態で混合する方法が適用できる。樹脂コートキャリアに対して樹脂被覆材の割合は、適宜決定すればよいが、樹脂コートキャリアに対し好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%がよい。
2種以上の混合物の被覆(コート)剤で磁性体を被覆する使用例としては、(1)酸化チタン微粉体100質量部に対してジメチルジクロロシランとジメチルシリコンオイル(質量比1:5)の混合物12質量部で処理したもの、(2)シリカ微粉体100質量部に対してジメチルジクロロシランとジメチルシリコンオイル(質量比1:5)の混合物20質量部で処理したものがあげられる。
前記の樹脂中では、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、含フッ素樹脂とスチレン系共重合体との混合物、またはシリコーン樹脂が好ましく用いられ、特にシリコーン樹脂が好ましい。
含フッ素樹脂とスチレン系共重合体との混合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンとスチレン−メタクリ酸メチル共重合体との混合物、ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メタクリル酸メチル共重合体との混合物、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合(共重合体質量比10:90〜90:10)とスチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体(共重合質量比10:90〜90:10)とスチレン−アクリル酸−2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体質量比20〜60:5〜30:10:50)との混合物があげられる。
シリコーン樹脂としては、含窒素シリコーン樹脂、含窒素シランカップリング剤とシリコーン樹脂とが反応することにより生成された変性シリコーン樹脂があげられる。
キャリアコアの磁性材料としては、フェライト、鉄過剰型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄などの酸化物や、鉄、コバルト、ニッケルのような金属、またはこれらの合金を用いることができる。またこれらの磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムがあげられる。好ましいものとして、銅、亜鉛、および鉄成分を主成分とする銅−亜鉛−鉄系フェライト、マンガン、マグネシウムおよび鉄成分を主成分とするマンガン−マグネシウム−鉄系フェライトがあげられる。
キャリアの抵抗値は、キャリアの表面の凹凸度合い、被覆する樹脂の量を調整して106〜1010Ω・cmにするのがよい。キャリアの粒径は4〜200μmのものが使用できるが、好ましくは、10〜150μm、より好ましくは20〜100μmである。特に、樹脂コートキャリアは、50%粒径が20〜70μmであることが好ましい。
2成分系現像剤ではキャリア100質量部に対して、本発明のトナー1〜200質量部で使用することが好ましく、より好ましくは、キャリア100質量部に対して、トナー2〜50質量部で使用するのがよい。
本発明のトナーは更に、ワックスを含有していてもよい。本発明に用いられるワックスは次のようなものがある。例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス。酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物。またはそれらのブロック共重合体。キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうなどの植物系ワックス。みつろう、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス。オゾケライト、セレシン、ペテロラタムなどの鉱物系ワックス、モンタン酸エステルワックス、カスターワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類。脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものがあげられる。
ワックスの例としては、更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に直鎖のアルキル基を有する直鎖アルキルカルボン酸類などの飽和直鎖脂肪酸。プランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸。ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウピルアルコール、セリルアルコール、メシリルアルコール、あるいは長鎖アルキルアルコールなどの飽和アルコール。ソルビトールなどの多価アルコール。リノール酸アミド、オレフィン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド。メチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド。エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N'−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N'−ジオレイルセパシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類。m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N'−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド。ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩。脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリレートなどのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス。ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化合物。植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物があげられる。
好ましく用いられるワックスとしては、オレフィンを高圧下でラジカル重合したポリオレフィン。高分子量ポリオレフィン重合時に得られる低分子量副生成物を精製したポリオレフィン。低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒などの触媒を用いて重合したポリオレフィン。放射線、電磁波または光を利用して重合したポリオレフィン。高分子量ポリオレフィンを熱分解して得られる低分子量ポリオレフィン。パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス。ジントール法、ヒドロコール法、アーゲ法などにより合成される合成炭化水素ワックス。炭素数1個の化合物をモノマーとする合成ワックス、水酸基またはカルボキシル基などの官能基を有する炭化水素系ワックス。炭化水素系ワックスと官能基を有する炭化水素系ワックスとの混合物。これらのワックスを母体としてスチレン、マレイン酸エステル、アクリレート、メタクリレート、無水マレイン酸などのビニルモノマーでグラフト変性したワックスがあげられる。
また、これらのワックスを、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法または溶液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものや、低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、その他の不純物を除去したものが好ましく用いられる。
本発明に使用するワックスは、定着性と耐オフセット性のバランスを取るために融点が70〜140℃であることが好ましく、更には70〜120℃であることが好ましい。この範囲の融点のものを用いると、耐ブロッキング性が良好で、耐オフセット効果が発現しやすいという利点がある。
また、2種以上の異なる種類のワックスを併用することにより、ワックスの作用である可塑化作用と離型作用を同時に発現させることができる。
可塑化作用を有するワックスの種類としては、例えば融点の低いワックス、または分子の構造上に分岐のあるものや極性基を有する構造のものであり、離型作用を有するワックスとしては、融点の高いワックス、分子の構造では、直鎖構造のものや、官能基を有さない無極性のものがあげられる。使用例としては、2種以上の異なるワックスの融点の差が10℃〜100℃のものの組み合わせや、ポリオレフィンとグラフト変性ポリオレフィンの組み合わせなどがあげられる。
2種のワックスを選択する場合は、同様構造のワックスの場合は、相対的に、融点の低いワックスが可塑化作用を発揮し、融点の高いワックスが離型作用を発揮する。この時、融点の差が10〜100℃の場合に、機能分離が効果的に発現する。この場合、少なくとも一方のワックスの融点が好ましくは70〜120℃がよく、更に好ましくは、70〜100℃であり、機能分離効果を発揮しやすくなる傾向がある。
また、ワックスは、分子構造が相対的に、枝分かれ構造のものや極性基を有するものや主成分とは異なる成分で変性されたものが可塑化作用を発揮し、より直鎖構造のものや官能基を有さない無極性のものや未変性のストレートなものが離型作用を発揮する。好ましい組み合わせとしては、エチレンを主成分とするポリエチレンホモポリマーまたはコポリマーとエチレン以外のオレフィンを主成分とするポリオレフィンホモポリマーまたはコポリマーの組み合わせ;ポリオレフィンとグラフト変成ポリオレフィンの組み合わせ;アルコールワックス、脂肪酸ワックスまたはエステルワックスと炭化水素系ワックスの組み合わせ;フイシャートロプシュワックスまたはポリオレフィンワックスとパラフィンワックスまたはマイクロクリスタルワックスの組み合わせ;フィッシャートロプシュワックスとポルリオレフィンワックスの組み合わせ;パラフィンワックスとマイクロクリスタルワックスの組み合わせ;カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックスまたはモンタンワックスと炭化水素系ワックスの組み合わせがあげられる。
いずれの場合においてもトナーのDSC測定において観測される吸熱ピークにおいて70〜110℃の領域に最大ピークのピークトップ温度があることが好ましく、更に好ましくは70〜110℃の領域に最大ピークを有しているのがよい。このことより、トナー保存性と定着性のバランスをとりやすくなる。
本発明のトナーにおいては、これらのワックスの総含有量は、結着樹脂100質量部に対し、好ましくは0.2〜20質量部が用いられ、更に好ましくは0.5〜10質量部で用いられるのが効果的である。
本発明では、ワックスの融点は、DSCにおいて測定されるワックスの吸熱ピークの最大ピークのピークトップの温度をもってワックスの融点とする。
本発明においてワックスまたはトナーのDSC測定では、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
本発明のトナーには、流動性向上剤を添加してもよい。流動性向上剤は、トナー表面に添加することにより、トナーの流動性を改善(流動しやすくなる)するものである。例えば、カーボンブラック、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末などのフッ素系樹脂粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカなどの微粉末シリカ、微粉未酸化チタン、微粉未アルミナ、それらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤若しくはシリコーンオイルにより表面処理を施した、処理シリカ,処理酸化チタン,処理アルミナがあげられる。なかでも、微粉末シリカ、微粉未酸化チタン、微粉未アルミナが好ましく、また、これらをシランカップリング剤やシリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカが更に好ましい。流動性向上剤の粒径は、平均一次粒径として0.001〜2μmであることが好ましく、0.002〜0.2μmであるものが特に好ましい。
好ましい微粉末シリカは、ケイ素ハロゲン化含物の気相酸化により生成された微粉体であり、いわゆる乾式法シリカまたはヒュームドシリカと称されるものである。
ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の様な商品名で市販されているものがある。AEROSIL(日本アエロジル株式会社製、以下同じ)−130、−300、−380、−TT600、−MOX170、−MOX80、−COK84:Ca−O−SiL(CABOT株式会社製、以下同じ)−M−5、−MS−7、−MS−75、−HS−5、−EH−5、Wacker HDK(WACKER−CHEMIEGMBH株式会社製、以下同じ)−N20 V15、−N20E、−T30、−T40:D−CFineSi1ica(ダウコーニング株式会社製):Franso1(Fransi1株式会社製)。
更には、ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体を疎水化処理した処理シリカ微粉体がより好ましい。処理シリカ微粉体において、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が好ましくは30〜80%の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが特に好ましい。疎水化は、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物などで化学的あるいは物理的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する方法がよい。
有機ケイ素化合物としては、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルビニルクロロシラン、ジビニルクロロシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、へキサメチルジシラン、トリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルフェニルジクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ブロモメチルジメチルクロロシラン、α−クロルエチルトリクロロシラン、β−クロロエチルトリクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、へキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2ないし12個のシロキサン単位を有し、未端に位置する単位にそれぞれSiに結合した水酸基を0〜1個含有するジメチルポリシロキサンなどがある。更に、ジメチルシリコーンオイルなどのシリコーンオイルがあげられる。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
流動性向上剤は、個数平均粒径が5〜100nmになるものがよく、更に好ましくは5〜50nmがよい。BET法で測定した窒素吸着による比表面積が好ましくは30m2/g以上、より好ましくは60〜400m2/gのものが好ましく、表面処理された微粉体としては、20m2/g以上が好ましく、特に40〜300m2/gが好ましい。これらの微粉体の好ましい適用量は、トナー粒子100質量部に対して、好ましくは0.03〜8質量部である。
本発明のトナーには、他の添加剤として、感光体・キャリアーの保護、クリーニング性の向上、熱特性・電気特性・物理特性の調整、抵抗調整、軟化点調整、定着率向上などを目的として、各種金属石けん、フッ素系界面活性剤、フタル酸ジオクチルや、導電性付与剤として酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化アンチモンなどや、酸化チタン、酸化アルミニウム、アルミナなどの無機微粉体などを必要に応じて添加することができる。また、これらの無機微粉体は必要に応じて疎水化してもよい。また、ポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデンなどの滑剤、酸化セシウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウムなどの研磨剤、ケーキング防止剤、更に、トナー粒子と逆極性の白色微粒子および黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
これらの添加剤は、帯電量コントロールなどの目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物などの処理剤、または種々の処理剤で処理することも好ましい。
本発明の電荷制御剤を、前記のような添加剤およびトナーと一緒に、ヘンシェルミキサー、ボールミル、ナウターミキサー、V型ミキサー、W型ミキサー、スーパーミキサーなどの混合機により充分に混合攪拌し、トナー粒子表面に均一に外添処理することにより目的とする静電荷現像用トナーを得ることもできる。
本発明のトナーは熱的にも安定であり電子写真プロセス時に熱的変化を受けることがなく、安定した帯電特性を保持することが可能である。また、どのような結着樹脂にも均一に分散することから、フレッシュトナーの帯電分布が非常に均一である。そのため、本発明のトナーは未転写、回収トナー(廃トナー)においても、フレッシュトナーと較べて飽和摩擦帯電量、帯電分布とも変化はほとんど認められない。本発明の静電荷像現像用トナーから出る廃トナーを再利用する場合は、脂肪族ジオールを含むポリエステル樹脂を結着樹脂に選択したり、金属架橋されたスチレン−アクリレート共重合体を結着樹脂とし、これに多量のポリオレフィンを加えた方法でトナーを製造することによってフレッシュトナーと廃トナーの隔差を更に小さくすることができる。
本発明のトナーを製造する方法としては、既知の製造法によって製造することができる。製造方法について例示すると、結着樹脂、電荷制御剤、着色剤などの上述したトナー構成材料をボールミルなどの混合機により十分混合する。その混合物を熱ロールニーダなどの加熱混練装置により良く混練し、冷却固化し、粉砕後、分級して得る方法(粉砕法)が好ましい。
また前記混合物を溶媒に溶解させ噴霧により微粒化、乾燥、分級して得る方法でも製造できる。更に、結着樹脂を構成している単量体に所定の材料を混合して乳化または懸濁液とした後に、重合させてトナーを得る重合法によるトナー製造法、コア材およびシェル材から成るいわゆるマイクロカプセルトナーにおいて、コア材あるいはシェル材、あるいはこれらの両方に所定の材料を含有させる方法によっても製造できる。更に必要に応じ所望の添加剤とトナー粒子とをヘンシェルミキサーなどの混合機により十分に混合することにより、本発明のトナーを製造することができる。
前記粉砕法による本発明のトナーの製造法を更に詳しく説明すると、初めに結着樹脂と着色剤、電荷制御剤、その他必要な添加剤を均一に混合する。混合には既知の攪拌機、例えばヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ボールミルなどを用いて混合することができる。得られた混合物を、密閉式のニーダー、あるいは1軸または2軸の押出機を用いて、熱溶融混練する。混練物を冷却後に、クラッシャーやハンマーミルを用いて粗粉砕し、更にジェットミル、高速ローター回転式ミルなどの粉砕機で微粉砕する。更に風力分級機、例えばコアンダ効果を利用した慣性分級方式のエルボジェット、サイクロン(遠心)分級方式のミクロプレックス、DSセパレーターなどを使用し、所定の粒度にまで分級を行う。更に外添剤などをトナー表面に処理する場合は、トナーと外添剤を高速攪拌機、例えばヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどで攪拌混合する。
また、本発明のトナーは、懸濁重合法または乳化重合法によっても製造できる。懸濁重合法においては、重合性単量体、着色剤、重合開始剤、電荷制御剤、更に必要に応じて架橋剤、その他の添加剤を、均一に溶解または分散させて、単量体組成物を調製した後、この単量体組成物と分散安定剤を含有する連続相、たとえば水相中に適当な攪拌機または分散機、例えばホモミキサー、ホモジナイザー、アトマイザー、マイクロフルイダイザー、一液流体ノズル、気液流体ノズル、電気乳化機などを用いて分散せしめる。好ましくは、重合性単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度、温度、時間を調整し、造粒する。同時に重合反応を40〜90℃で行い、所望の粒径を有するトナー粒子を得ることができる。得られたトナー粒子を洗浄し、ろ別した後、乾燥する。トナー粒子の製造後の外添処理は前記記載の方法が使用できる。
乳化重合法で製造すると、上述の懸濁重合法より得られた粒子と比べ、均一性には優れるものの平均粒子径が0.1〜1.0μmと極めて小さいため、場合によっては乳化粒子を核として重合性単量体を後添加して粒子を成長させる、いわゆるシード重合や、乳化粒子を適当な平均粒径にまで合一、融着させる方法で製造することもできる。
これらの重合法による製造は、粉砕工程を経ないためトナー粒子に脆性を付与させる必要がなく、更に従来の粉砕法では使用することが困難であった低軟化点物質を多量に使用できることから材料の選択幅を広げることができる。トナー粒子表面に疎水性の材料である離型剤や着色剤が露出しにくく、このためトナー担持部材、感光体、転写ローラーや定着器への汚染を少なくすることができる。
本発明のトナーを重合法によって製造することによって、画像再現性、転写性、色再現性などの特性を更に向上させることができ、微小ドットに対応するためにトナーの粒径を小径化し、比較的容易に粒度分布がシャープなトナーを得ることができる。
本発明のトナーを重合方法で製造する際に使用する重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体あるいは多官能性重合性単量体を使用することができる。
単官能性重合性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−フェニルスチレンなどのスチレン系重合性単量体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートメチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートなどのアクリレート系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、ジエチルフォスフェートメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートなどのメタクリレート系重合性単量体;不飽和脂肪族モノカルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンなどのビニルケトン類があげられる。
本発明のトナーを重合方法で製造する際に使用する水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2'−アゾビス(N、N'−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2'−アゾビス(2−アミノジプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2'−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄または過酸化水素があげられる。
重合開始剤は重合性単量体100質量部に対して0.5〜20質量部の添加量が好ましく、単独または併用してもよい。重合トナーを製造する際に使用する分散剤としては、例えば無機系酸化物としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナなどがあげられる。有機系化合物としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンなどが使用されている。これらの分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜2.0質量部を使用することが好ましい。
これら分散剤は市販のものをそのまま使用してもよいが細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒体中で高速撹拌下において該無機化合物を生成させることもできる。
前記重合法で得られるトナーは、特別な処理をしない粉砕法によるトナーに較べ、トナー粒子の凹凸の度合いが小さい傾向にあり、不定形であるために静電潜像担持体とトナーとの接触面積が増加することにより、トナー付着力が高くなり、結果として機内汚染が少なく、より高画像濃度、より高品位な画像を得られやすい。
また、粉砕法によるトナーにおいても、トナー粒子を、水中に分散させ加熱する湯浴法、熱気流中を通過させる熱処理法、または機械的エネルギーを付与して処理する機械的衝撃法などによりトナー表面の凹凸の度合いを小さくする方法があげられる。凹凸の度合いを小さくするために有効な装置としては、乾式メカノケミカル法を応用したメカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ジェットミル、ローターとライナーを有する混合装置であるハイブリダイザー(奈良機械製作所株式会社製)、高速撹拌羽を有する混合機であるヘンシェルミキサーなどがあげられる。
前記トナー粒子の凹凸の度合いを示す値の一つとして、平均円形度で表現することができる。平均円形度(C)とは、次に示す計算式(2)により円形度(Ci)を求め、更に計算式(3)で示すように測定された全粒子の円形度の総和を測定された全粒子数(m)で除した値を意味する。
Figure 0005194322
Figure 0005194322
前記円形度(Ci)は、フロー式粒子像分析装置(例えば、東亜医用電子株式会社製FPIA−1000)を用いて測定する。測定方法としては、ノニオン界面活性剤約0.1mgを溶解している水10mlにトナー約5mgを分散させた分散液を調製し、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5000〜20000個/μLとして、前記フロー式粒子像測定装置を用い、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定する。
前記平均円形度の値は、0.955ないし0.990が好ましく、更に好ましくは、0.960ないし0.985にトナー粒子を調整すると、転写残トナーの増加を招くという現象が小さく、再転写を起こしにくい傾向にある。
本発明のトナーの場合、画像性とトナーの生産性の面から、例えばミクロンサイザー(例えば、セイシン企業株式会社製)などのレーザー式粒度分布測定機を使用した測定において、トナーの粒子径が体積基準の平均粒径で2〜15μmであるのが好ましい。より好ましくは3〜12μmである。この範囲の平均粒径のものを用いると、解像度や鮮鋭性が良好で、トナー製造時の歩留まりも良好で、かつ機内でのトナー飛散や皮膚浸透などの問題が生じないので好ましい。
トナーの粒度分布は、本発明のトナーの場合、例えばコールターカウンター(コールター株式会社製TA−II)による粒度測定により、2μm以下の粒子含有量が個数基準で10〜90%のものが望ましく、12.7μm以上の粒子の含有量が体積基準で0〜30%のものが望ましい。
本発明の静電荷現像用トナーの場合、トナーの比表面積は、脱吸着ガスを窒素としたBET比表面積測定において、1.2〜5.0m2/gが好ましい。より好ましくは1.5〜3.0m2/gである。比表面積の測定は、例えばBET比表面積測定装置(例えば、株式会社島津製作所製、FlowSorbII2300)を使用し、50℃で30分間トナー表面の吸着ガスを脱離後、液体窒素により急冷して窒素ガスを再吸着し、更に再度50℃に昇温し、このときの脱ガス量から求めた値と定義する。
本発明のトナーの場合、見かけ比重(かさ密度)は、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて測定した。非磁性トナーの場合は0.2〜0.6g/cm3が好ましく、磁性トナーの場合は磁性粉の種類や含有量にもよるが0.2〜2.0g/cm3が好ましい。
本発明のトナーの場合、非磁性トナーの場合の真比重は0.9〜1.2g/cm3が好ましく、磁性トナーの場合は磁性粉の種類や含有量にもよるが0.9〜4.0g/cm3が望ましい。トナーの真比重は、次のようにして算出される。トナー1.000gを精秤し、これを10mmΦの錠剤成型器に入れ、真空下で200kgf/cm2の圧力をかけながら圧縮成型する。この円柱状の成型物の高さをマイクロメーターで測定し、これより真比重を算出する。
トナーの流動性は、例えば、安息角測定装置(例えば、筒井理化株式会社製)による流動安息角と静止安息角により定義する。流動安息角は本発明の電荷制御剤を使用した静電荷現像用トナーの場合、5度〜45度のものが望ましい。また静止安息角は10〜50度のものが望ましい。
本発明のトナーは、粉砕型トナーの場合の形状係数(SF−1)の平均値が100〜400が好ましく、形状係数2(SF−2)の平均値が100〜350が好ましい。
本発明において、トナーの形状係数を示すSF−1、SF−2とは、例えばCCDカメラを備えた光学顕微鏡(例えば、オリンパス株式会社製BH−2)を用い、1000倍に拡大したトナー粒子群を一視野に30個程度となるようサンプリングし、得られた画像を画像解析装置(例えば、ニレコ株式会社製ルーゼックスFS)に転送し、同作業をトナー粒子に対し約1000個となるまで繰り返し行い形状係数を算出した。形状係数(SF−1)と形状係数2(SF−2)は以下の計算式によって算出する。
SF−1=((ML2×π)/4A)×100
(式中、MLは粒子の最大長、Aは一粒子の投影面積を示す。)
SF−2=(PM2/4Aπ)×100
(式中、PMは粒子の周囲長、Aは一粒子の投影面積を示す。)。
SF−1は粒子の歪みを表し、粒子が球に近いものほど100に近く、細長いものであるほど数値が大きくなる。またSF−2は粒子の凹凸を表し、粒子が球に近いものほど100に近く、粒子の形が複雑であるほど数値が大きくなる
本発明のトナーは、トナーの体積抵抗率として、非磁性トナーの場合は1×1012〜1化稀有R1016Ω・cmが望ましく、また磁性トナーの場合は磁性粉の種類や含有量にもよるが、1×108〜1×1016Ω・cmのものが望ましい。この場合のトナー体積抵抗率は、トナー粒子を圧縮成型し直径50mm、厚み2mmの円盤状の試験片を作製し、これを固体用電極(例えば、安藤電気株式会社製SE−70)にセットし、高絶縁抵抗計(例えば、ヒューレットパッカッ−ド株式会社製4339A)を用いて、直流電圧100Vを連続印加した時の1時間経過後の値と定義する。
本発明のトナーは、トナーの誘電正接として、非磁性トナーの場合は1.0×10-3〜15.0×10-3が望ましく、また磁性トナーの場合は磁性粉の種類や含有量にもよるが、2×10-3〜30×10-3のものが望ましい。この場合のトナー体積抵抗率は、トナー粒子を圧縮成型し、直径50mm、厚み2mmの円盤状の試験片を作製し、これを固体用電極にセットし、LCRメーター(例えば、ヒューレットパッカッ−ド株式会社製4284A)を用いて、測定周波数1KHz、ピークトゥーピーク電圧0.1KVで測定した時に得られる誘電正接値(Tanδ)と定義する。
本発明のトナーは、トナーのアイゾット衝撃値として0.1〜30kg・cm/cmが望ましい。この場合のトナーのアイゾット衝撃値とは、トナー粒子を熱溶融し板状の試験片を作製し、これをJIS規格K−7110(硬質プラスチックの衝撃試験法)に準じて測定する。
本発明のトナーは、トナーのメルトインデクス(MI値)として10〜150g/10minが望ましい。この場合のトナーのメルトインデクス(MI値)とは、JIS規格K−7210(A法)に準じて測定するものである。この場合、測定温度が125℃、加重を10kgとする。
本発明のトナーは、トナーの溶融開始温度として80〜180℃が望ましく、4mm降下温度が90〜220℃であることが望ましい。この場合のトナー溶融開始温度は、トナー粒子を圧縮成型し直径10mm、厚み20mmの円柱状の試験片を作製し、これを熱溶融特性測定装置、例えばフローテスター(例えば、株式会社島津製作所製CFT−500C)にセットし、荷重20kgf/cm2で測定した時の溶融が始まりピストンが降下し始める値と定義する。また同様の測定で、ピストンが4mm降下したときの温度を4mm降下温度と定義する。
本発明のトナーは、トナーのガラス転移温度(Tg)として35〜80℃が望ましく、より望ましくは40〜75℃である。この場合のトナーのガラス転移温度は、示差熱分析(以後、DSCと略称する)装置を用いて測定し、一定温度で昇温後、急冷し、再昇温したときに現れる相変化のピーク値より求めるものと定義する。Tgが上記範囲内にあると、耐オフセット性や保存安定性が良好で、定着強度も良好となるので好ましい。
本発明のトナーのDSC測定において観測される吸熱ピークにおいて70〜120℃の領域に最大ピークのピークトップ温度があることが好ましい。
本発明のトナーは、トナーの溶融粘度として1000〜50000ポイズが望ましく、より好ましくは1500〜38000ポイズである。この場合のトナー溶融粘度は、トナー粒子を圧縮成型し直径10mm、厚み20mmの円柱状の試験片を作製し、これを熱溶融特性測定装置、例えばフローテスター(株式会社島津製作所製CFT−500C)にセットし、荷重20kgf/cm2で測定した時の値と定義する。
本発明のトナーの溶媒溶解残分は、THF不溶分として0〜30質量%、酢酸エチル不溶分として0〜40質量%およびクロロホルム不溶分として0〜30質量%のものが好ましい。ここで規定する溶媒溶解残分は、トナー1gをTHF、酢酸エチルおよびクロロホルムの各溶剤100mlに均一に溶解/または分散させ、この溶液/または分散液を圧ろ過し、ろ液を乾燥させ定量し、この値からトナー中の有機溶剤への不溶解物の割合を算出した値とする。
本発明のトナーは画像形成方法の1つである1成分現像方式に使用することができる。1成分現像方式とは、薄膜化させたトナーを潜像担持体に供給して潜像を現像する方式である。トナーの薄膜化は、通常、トナー搬送部材、トナー層厚規制部材およびトナー補給補助部材を備え、かつ該補給補助部材とトナー搬送部材並びにトナー層厚規制部材とトナー搬送部材とがそれぞれ当接している装置を用いて行われる。
本発明のトナーを2成分現像法について適用する場合について具体的に説明する。2成分現像方式とは、トナーとキャリア(帯電付与材およびトナー搬送材としての役割を持つもの)を使用する方式であり、キャリアは上述した磁性材やガラスビーズが使用される。現像剤(トナーおよびキャリア)は、攪拌部材によって攪拌される事により、所定の電荷量を発生させ、マグネットローラーなどによって現像部位にまで搬送される。マグネットローラー上では磁力により、ローラー表面に現像剤が保持され、現像剤規制板などにより適当な高さに層規制された磁気ブラシを形成する。現像剤は現像ローラーの回転に伴って、ローラー上を移動し、静電荷潜像保持体と接触または一定の間隔で非接触状態で対向させ、潜像を現像可視化する。非接触状態での現像の場合は、通常、現像剤と潜像保持体の間に直流電界を生じさせる事によりトナーが一定間隔の空間を飛翔する駆動力を得ることができるが、より鮮明な画像に現像するために、交流を重畳させる方式にも適用することができる。
また、更に本発明の電荷制御剤は静電粉体塗装用塗料における電荷制御剤(電荷増強剤)としても好適である。すなわち、この電荷増強剤を用いた静電塗装用塗料は、耐環境性、保存安定性、特に熱安定性と耐久性に優れ、塗着効率が100%に達し、塗膜欠陥のない厚膜を形成することができる。
以下、実施例をもって本発明を説明するが、これらは本発明をなんら制限するものではない。実施例において、「部」は全て「質量部」を表す。
攪拌機、冷却管、温度計およびガス導入管を備えた1L4つ口フラスコに、4−tert−ブチルフェノール120.2g(0.8モル)、単体硫黄51.3g(1.6モル)および水酸化ナトリウム16.0g(0.4モル)を入れ、ここにジフェニルエーテル360.5gを加えて窒素気流中攪拌しながら、130℃に保ち、反応で生成する水および硫化水素を除去しながら1時間反応させ、続いて170℃に昇温し1時間、反応で生成する水および硫化水素を除去しながら反応させ、さらに230℃に昇温し18時間、反応で生成する水および硫化水素を除去しながら反応させた。この反応混合物を室温にまで冷却し、3モル/Lの硫酸水溶液80mlを加えて加水分解した後、イソプロピルアルコール/水(88/12、v/v)の混合溶媒200mlを加えて粗結晶を析出させた。粗結晶をろ過によって取り出し、得られた粗結晶をイソプロピルアルコール/水(88/12、v/v)の混合溶媒200mlで1回、水240mlで2回、さらにイソプロピルアルコール/水(88/12、v/v)の混合溶媒200mlで1回洗浄した。120℃で一晩、減圧乾燥して粗製物113.2gを得た。
得られた粗製物の組成比などは高速液体クロマトグラフ(以後、HPLCと略称する)測定によって分析した。HPLC測定条件は以下のとおりである。装置:株式会社島津製作所製LC−6A、カラム:野村化学株式会社製Develosil ODS−HG−5(内径4.6、カラム長250mm)、カラム温度:40℃、移動相:THF/アセトニトリル/水/トリフルオロ酢酸=450/400/150/2(v/v/v/v)、流速:1.0ml/分、注入量:1μL、サンプル濃度:1000ppm。
HPLCによる分析の結果、前記粗製物は一般式(1)においてRがtert−ブチルであり、mが4であり、nが0であり、Yの全てが水素原子である環状4量体がピーク面積比96.1%、一般式(1)においてRがtert−ブチルであり、mが8であり、nが0であり、Yの全てが水素原子である環状8量体がピーク面積比3.6%を示す混合物であることが分かった。
粗製物100gをTHF200mlに分散させ、室温で一晩撹拌した。結晶をろ過によって取り出した後、THF90mlで洗浄した。結晶を120℃で一晩、減圧乾燥して精製品83.6gを得た。精製品を前記HPLC測定条件によって分析したところ、一般式(1)においてRがtert−ブチルであり、mが4であり、nが0であり、Yの全てが水素原子である環状4量体がピーク面積比99.1%であった。
500ml4つ口フラスコに前記精製品8.65g(0.012モル) を加え、ホウ酸6.18g(0.1モル)と水酸化カリウム2.81g(0.05モル)を水1Lに溶かして調製したホウ酸緩衝液(pH8.5〜8.6)300mlを加えた後、50℃に加温した。前記ホウ酸緩衝液(pH8.5〜8.6)100mlに懸濁させた塩化亜鉛1.64g(0.012モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後のpHは6であった。50℃に加温しながら5時間撹拌した後、室温まで冷却した。反応生成物を減圧ろ過によって取り出し、水50mlで3回洗浄した後、120℃で減圧乾燥して、一般式(1)においてRがtert−ブチルであり、mが4であり、nが0であり、Yが亜鉛である本発明の化合物を白色の粉体として9.17g得た。
500ml4つ口フラスコに実施例1で得られた前記精製品8.65g(0.012モル)を加え、前記ホウ酸緩衝液(pH8.5〜8.6)300mlを加えた後、50℃に加温した。前記ホウ酸緩衝液(pH8.5〜8.6)100mlに懸濁させた酢酸コバルト四水和物2.99g(0.012モル)を10分で滴下した。濃いピンク色の酢酸コバルトは滴下すると反応液が水色に変化した。滴下終了後のpHは7.5であった。50℃に加温しながら4時間撹拌した後、室温まで冷却した。反応生成物を減圧ろ過によって取り出し、水50mlで3回洗浄した後、120℃で減圧乾燥して、一般式(1)においてRがtert−ブチルであり、mが4であり、nが0であり、Yがコバルトである本発明の化合物を茶色がかった黄色粉体として9.29g得た。
攪拌機、冷却管、温度計を備えた500mlの4つ口フラスコに、一般式(1)においてRがtert−ブチルであり、mが4であり、nが0であり、Yの全てが水素原子である環状フェノール硫化物56.2g(0.078モル)、酢酸224.8g(4倍wt/wt)、タングステン酸ナトリウム・2水和物5.15g(0.0156モル)、酢酸ナトリウム・3水和物5.31g(0.039モル)を入れ、攪拌しながら60℃まで昇温した。攪拌しながら35%過酸化水素水121.2g(1.248モル)を約1.5時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、60℃で15時間攪拌した後、さらに70℃で15時間撹拌した。続いて、攪拌しながら36%塩酸15.8g(0.156モル)を80℃で滴下した後、さらに80℃で1時間攪拌した。室温まで冷却して白色固体を析出させた。白色固体を減圧ろ過よって取り出し、水80mlで3回洗浄した後、真空乾燥(80℃、24時間)して、一般式(1)においてRがtert−ブチルであり、mが4であり、nが2であり、Yの全てが水素原子である酸化型の環状4量体58.3g(収率88%)を得た。
得られた酸化型の環状4量体の分析はHPLC測定によって行った。HPLC測定条件は以下のとおりである。装置:株式会社島津製作所製LC−6A、カラム:野村化学株式会社製Develosil ODS−HG−5(内径4.6、カラム長250mm)、カラム温度:40℃、移動相:THF/アセトニトリル/水/トリフルオロ酢酸=350/350/300/2(v/v/v/v)、流速:1.0ml/分、注入量:1μL、サンプル濃度:1000ppm。
HPLCによる分析の結果、一般式(1)においてRがtert−ブチルであり、mが4であり、nが2であり、Yの全てが水素原子である酸化型の環状4量体がピーク面積比99.3%であった。
500ml4つ口フラスコに前記した酸化型の環状4量体8.49g(0.01モル) と水370gを加えた後、50℃に加温した。10%(w/v)NaOH水溶液7.98g(0.02モル)を滴下した。得られたクリーム色の懸濁液に、38%(w/v)塩化第二鉄水溶液4.28g(0.01モル)を2.5時間かけて滴下した。反応液は紫色の懸濁液(pH=3)となった。50℃に加温しながら3時間撹拌した後、室温まで冷却した。反応生成物を減圧ろ過によって取り出し、水50mlで3回洗浄した後、120℃で減圧乾燥して、一般式(1)においてRがtert−ブチルであり、mが4であり、nが2であり、Yが鉄である本発明の化合物を茶褐色の粉体として8.97g得た。
500ml4つ口フラスコに実施例3で得られた前記した酸化型の環状4量体8.49g(0.01モル) を加え、前記ホウ酸緩衝液(pH8.5〜8.6)300mlを加えた後、50℃に加温した。前記ホウ酸緩衝液(pH8.5〜8.6)100mlに溶かした塩化カルシウム二水和物1.47g(0.01モル)を2時間かけて滴下した。滴下終了後のpHは7.5〜8であった。50℃に加温しながら1.5時間撹拌した後、室温まで冷却した。反応生成物を減圧ろ過によって取り出し、水50mlで3回洗浄した後、120℃で減圧乾燥して、一般式(1)においてRがtert−ブチルであり、mが4であり、nが2であり、Yがカルシウムである本発明の化合物を白色粉体として9.12g得た。
スチレン−アクリレート系共重合体樹脂(三井化学株式会社製CPR−100)94部、実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物1部、カーボンブラック(三菱化学株式会社製MA−100)5部を110℃の加熱混合装置によって溶融混合し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して体積基準の平均粒径10±0.5μmの黒色トナーを得た。このトナー4部、ノンコート系のフェライトキャリア(パウダーテック株式会社製F−150)100部の割合で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後、ブローオフ粉体帯電量測定装置で温度25℃、湿度50%の雰囲気下で帯電立ち上がり性を示す時定数、飽和帯電量の測定を行った。結果は表1にまとめて示した。
[比較例A]
比較のために、実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物を、実施例1で得られた前記した環状4量体(一般式(1)においてRがtert−ブチルであり、mが4であり、nが0であり、Yの全てが水素原子である環状4量体)に代えて、実施例5と同様の方法でトナーを作製した後、時定数、飽和帯電量を測定した。結果は表1にまとめて示した。
[比較例B]
比較のために、実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物を、実施例3で得られた前記した酸化型の環状4量体(一般式(1)においてRがtert−ブチルであり、mが4であり、nが2であり、Yの全てが水素原子である酸化型の環状4量体)に代えて、実施例5と同様の方法でトナーを作製した後、時定数、飽和帯電量を測定した。結果は表1にまとめて示した。
実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物を、実施例2で合成した環状フェノール硫化物のコバルト化合物に代えて、実施例5と同様の方法でトナーを作製した後、時定数、飽和帯電量を測定した。結果は表1にまとめて示した。
実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物を、実施例3で合成した酸化型の環状フェノール硫化物の鉄化合物に代えて、実施例5と同様の方法でトナーを作製した後、時定数、飽和帯電量を測定した。結果は表1にまとめて示した。
実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物を、実施例4で合成した酸化型の環状フェノール硫化物のカルシウム化合物に代えて、実施例5と同様の方法でトナーを作製した後、時定数、飽和帯電量を測定した。結果は表1にまとめて示した。
[比較例1]
比較のために、実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物を、サリチル酸の亜鉛錯体に代えて、実施例5と同様の方法でトナーを作製した後、時定数、飽和帯電量を測定した。結果は表1にまとめて示した。
[比較例2]
比較のために、実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物を、サリチル酸のアルミニウム錯体に代えて、実施例5と同様の方法でトナーを作製した後、時定数、飽和帯電量を測定した。結果は表1にまとめて示した。
[比較例3]
比較のために、実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物を、カリックスアレーンに代えて、実施例5と同様の方法でトナーを作製した後、時定数、飽和帯電量を測定した。結果は表1にまとめて示した。
スチレン−アクリレート系共重合体樹脂(三井化学株式会社製CPR−100)94部、実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物1部、カーボンブラック(三菱化学株式会社製MA−100)5部を110℃の加熱混合装置によって溶融混合し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。更にジェットミルで微粉砕した後、分級して体積基準の平均粒径10±0.5μmの黒色トナーを得た。このトナー4部、シリコンコート系のフェライトキャリア(パウダーテック株式会社製F96−150)100部の割合で混合して振とうし、トナーを負に帯電させた後、ブローオフ粉体帯電量測定装置で温度25℃、湿度50%の雰囲気下で帯電立ち上がり性を示す時定数、飽和帯電量の測定を行った。結果は表1にまとめて示した。
[比較例C]
比較のために、実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物を、実施例1で得られた前記した環状4量体(一般式(1)においてRがtert−ブチルであり、mが4であり、nが0であり、Yの全てが水素原子である環状4量体)に代えて、実施例9と同様の方法でトナーを作製した後、時定数、飽和帯電量を測定した。結果は表1にまとめて示した。
[比較例D]
比較のために、実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物を、実施例3で得られた前記した酸化型の環状4量体(一般式(1)においてRがtert−ブチルであり、mが4であり、nが2であり、Yの全てが水素原子である酸化型の環状4量体)に代えて、実施例9と同様の方法でトナーを作製した後、時定数、飽和帯電量を測定した。結果は表1にまとめて示した。
実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物を、実施例2で合成した環状フェノール硫化物のコバルト化合物に代えて、実施例9と同様の方法でトナーを作製した後、時定数、飽和帯電量を測定した。結果は表1にまとめて示した。
実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物を、実施例3で合成した酸化型の環状フェノール硫化物の鉄化合物に代えて、実施例9と同様の方法でトナーを作製した後、時定数、飽和帯電量を測定した。結果は表1にまとめて示した。
実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物を、実施例4で合成した酸化型の環状フェノール硫化物のカルシウム化合物に代えて、実施例9と同様の方法でトナーを作製した後、時定数、飽和帯電量を測定した。結果は表1にまとめて示した。
[比較例4]
比較のために、実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物を、サリチル酸の亜鉛錯体に代えて、実施例9と同様の方法でトナーを作製した後、時定数、飽和帯電量を測定した。結果は表1にまとめて示した。
[比較例5]
比較のために、実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物を、サリチル酸のアルミニウム錯体に代えて、実施例9と同様の方法でトナーを作製した後、時定数、飽和帯電量を測定した。
結果は表1にまとめて示した。
[比較例6]
比較のために、実施例1で合成した環状フェノール硫化物の亜鉛化合物を、カリックスアレーンに代えて、実施例9と同様の方法でトナーを作製した後、時定数、飽和帯電量を測定した。
結果は表1にまとめて示した。
表1
Figure 0005194322
以上のように、本発明の環状フェノール硫化物の金属化合物は優れた帯電性能を有しており、該化合物を含有する電荷制御剤は優れた帯電付与効果を有し、さらに当該電荷制御剤を含有する負帯電性トナーは高い帯電性能を有することがわかった。
特に、表1に示した比較例A、B、C及びD(これらはいずれも式中のYが全て水素原子である化合物を用いたもの)と実施例5、7、9及び11(これらはいずれも式中のYの一部が金属原子となっている化合物を用いたもの)の性能をそれぞれ比較すると、Yの一部を金属原子とすることによって、飽和帯電量が大きくなり、かつ時定数は小さくなっており(時定数が小さいほど帯電の立ち上がりが良好)、本発明の電荷制御剤は、近年のプリンターの高速化に一層適したものであることがわかる。
本発明の環状フェノール硫化物の金属化合物は優れた帯電性能を有しており、該化合物を有する電荷制御剤は、従来の電荷制御剤より高い帯電性能を有している。また、近年のプリンターの高速化に適用できる新規なトナーを提供することができる。さらに、本発明の環状フェノール硫化物の金属化合物の中には無色(白色)のものもあり、カラートナー用としても有用である。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0005194322
    (1)
    (式中、Rは炭素原子数1ないし6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素原子数3ないし8の環式炭化水素基、炭素原子数2ないし6の直鎖状もしくは分岐状の不飽和炭化水素基、または置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、Yは水素原子または金属原子を表し、mは4ないし9の整数を表し、nは0または1ないし2の整数を表す。但し、複数のYの内少なくとも一つは金属原子であるものとする。)で表される環状フェノール硫化物の金属化合物を有効成分として含有することを特徴とする電荷制御剤。
  2. 一般式(1)で表される環状フェノール硫化物の金属化合物であって、mが4である請求項1記載の電荷制御剤。
  3. 一般式(1)で表される環状フェノール硫化物の金属化合物であって、mが6である請求項1記載の電荷制御剤。
  4. 一般式(1)で表される環状フェノール硫化物の金属化合物であって、mが8である請求項1記載の電荷制御剤。
  5. 一般式(1)で表される環状フェノール硫化物の金属化合物であって、nが0である請求項2ないし4のいずれか1項記載の電荷制御剤。
  6. 一般式(1)で表される環状フェノール硫化物の金属化合物であって、nが2である請求項2ないし4のいずれか1項記載の電荷制御剤。
  7. 請求項1記載の一般式(1)で表される環状フェノール硫化物の金属化合物の1種以上と着色剤および結着樹脂を含有することを特徴とするトナー。
  8. 請求項1記載の一般式(1)で表される環状フェノール硫化物の金属化合物であって、mが4である環状フェノール硫化物の金属化合物の1種以上と着色剤および結着樹脂を含有することを特徴とするトナー。
  9. 請求項1記載の一般式(1)で表される環状フェノール硫化物の金属化合物であって、mが6である環状フェノール硫化物の金属化合物の1種以上と着色剤および結着樹脂を含有することを特徴とするトナー。
  10. 請求項1記載の一般式(1)で表される環状フェノール硫化物の金属化合物であって、mが8である環状フェノール硫化物の金属化合物の1種以上と着色剤および結着樹脂を含有することを特徴とするトナー。
  11. 請求項1記載の一般式(1)で表される環状フェノール硫化物の金属化合物であって、nが0である環状フェノール硫化物の金属化合物の1種以上と着色剤および結着樹脂を含有することを特徴とするトナー。
  12. 請求項1記載の一般式(1)で表される環状フェノール硫化物の金属化合物であって、nが2である環状フェノール硫化物の金属化合物の1種以上と着色剤および結着樹脂を含有することを特徴とするトナー。
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