JPH083666B2 - トナ−組成物 - Google Patents

トナ−組成物

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JPH083666B2
JPH083666B2 JP61048439A JP4843986A JPH083666B2 JP H083666 B2 JPH083666 B2 JP H083666B2 JP 61048439 A JP61048439 A JP 61048439A JP 4843986 A JP4843986 A JP 4843986A JP H083666 B2 JPH083666 B2 JP H083666B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電子写真、静電記録等における電気的潜像
や電気信号を可視化する負帯電用トナー組成物に関し、
特に負帯電性、現像性、転写性に優れたカラートナー組
成物に関する。
従来の技術 現像剤(トナー)に電荷を付与する方法としては、摩
擦、接触帯電法、イオン照射法、導電性を利用した静電
誘導法、電荷注入法等各種のものが知られているが、最
も利用し易く、又、広く用いられているのが、摩擦、接
触帯電法である。この場合、トナーに電荷を付与するた
め、トナーと逆極性に帯電するキャリア粒子をトナーと
混合する二成分現像剤のほか、帯電ブレードや帯電ロー
ル等とトナーの摩擦帯電を利用したり、トナー相互の摩
擦帯電を利用する一成分現像剤も知られている。
この様な接触帯電、摩擦帯電でトナーを帯電する場
合、トナー側、或いは、キャリア、ブレード等の電荷付
与材料側に、電子供与性の物質や、電子吸引性の物質を
添加することにより、帯電制御が行われる。摩擦帯電現
像は、複雑であり、その機構は必ずしも明らかではない
が、一般に、電子供与性物質は、正に、電子吸引性物質
は負に帯電する。
従来、トナーの帯電制御を行うために、トナー中、或
いは、トナー表面に、染顔料、界面活性剤、無機粉末等
の添加剤を添加混合したり、結着樹脂として、−COOH、
−CN、ハロゲン、例えば−Cl、−NO2、−NH2等の官能基
を有する樹脂状物を用いることが行われている。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来用いられている上記の添加剤ある
いは結着樹脂を用いても、トナー帯電性の経時安定性、
環境安定性の制御には、充分成功しておらず、満足でき
るレベルには達していない。
特にカラー・トナーの場合には、帯電制御に用いる物
質による色調の変化及び透明性に低下をきたす場合があ
るため、帯電制御のために使用できる物質が限られるう
え、着色剤として用いられる染顔料がトナーの帯電性に
悪影響を及ぼす場合も多く、その帯電制御は黒色トナー
の場合以上に困難である。
また、近年、細線や網点画像等の再現性の良い高品位
のコピー画像を得る為に、トナー粒径を小さくすること
が行われており、特に、3色もしくは4色のトナーを重
ね合わせて減色彩色法によりカラー画像を得ようとする
場合には、トナー粒径を小さくすることにより、トナー
層の積重ねによる像の過度の盛り上がりや、過度の光沢
が生じることが防止でき、高品位のカラー画像が得やす
いという利点がある。しかし、その場合、トナー粒径が
小さいため、通常の粒径のトナーと同様の着色力を得る
ためには、染顔料の含有量を増加させねばならず、その
結果トナーの帯電制御は更に困難なものとなるという問
題点がある。
したがって、本発明の目的は、帯電立ち上がりの速
く、適切な負帯電量と電荷分布を持ち、環境安定性、経
時安定性に優れ、且つ、透明性の良好な所望の色調を有
するカラートナー組成物を提供することにある。更に、
他の目的は、常に、鮮明でかつ、高品位のカラー画像を
得ることができる負帯電用トナー組成物を提供すること
にある。
問題点を解決するための手段 本発明の上記目的は、テトラフェニルほう素アニオン
又はその誘導体アニオンと金属カチオンから成る下記一
般式 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
リールアルキル基又はアリール基を示し、Mは金属カチ
オンを示す。) で示される塩を帯電制御剤として用い、かつ、着色成分
として、有機有彩色色材を用いることによって達成され
る。
次に、本発明の負帯電用トナー組成物について説明す
る。
本発明負帯電用トナー組成物に用いられる有機有彩色
色材としては、C.I.ピグメント・イエロー1、同3、同
74、同97、同98等のアセト酢酸アリールアミド系モノア
ゾ黄色顔料(ファストエロー系)、C.I.ピグメント・イ
エロー12、同13、同14等のアセト酢酸アリールアミド系
ジスアゾ黄色顔料、C.I.ソルベント・イエロー19、同7
7、同79、C.I.ディスパース・イエロー164等の黄色染
料、C.I.ピグメント・レッド48、同49:1、同53:1、同5
7、同57:1、同81、同122、同5等の赤色もしくは紅色顔
料、C.I.ソルベント・レッド49、同52、同58、同8等の
赤色系顔料、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の銅フタロ
シアニン及びその誘導体等の青色系染顔料、C.I.ピグメ
ント・グリーン7、同36(フタロシアニン・グリーン)
等の緑色顔料などの有機染顔料を用いることができる。
これら染顔料は、単独で用いても、2種以上混合して
用いてもよい。また、これら染顔料の表面を、界面活性
剤、シランカップリング剤等のカップリング剤又は高分
子材料で処理してもよい。また、本発明において、有機
有彩色色材は、高分子染料あるいは高分子グラフト顔料
であってもよい。
トナー組成物中の有機有彩色色材は、トナー結着樹
脂、有機有彩色色材等のトナー構成材料の比重、有機有
彩色色材の着色力、トナー粒子の粒度分布等に依存し、
更には、現像トナー量、トナー粒子層の厚さの影響も受
けるので、一概に決定しがたいが、現像トナー粒子の層
厚がほぼ一層か二層程度に制御されたとして、例えば、
平均粒度d50が約10μmのトナー組成物の場合、有機有
彩色色材の含有量は2重量%から10重量%程度が適当と
なる。トナー粒子の平均粒度がより大きな場合は、当
然、有機有彩色色材濃度は、より低く、逆にトナー粒子
の平均粒径が小さい場合は、有機有彩色色材濃度はより
高く調整される。
本発明に用いられる帯電制御剤に於いて、上記一般式
におけるRは、水素原子、塩素原子、弗素原子等のハロ
ゲン原子、メチル基、ブチル基等のアルキル基、ベンジ
ル基等のアリールアルキル基、フェニル基、トリル基等
のアリール基から選ばれる。一方、金属カチオンMは、
Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+等のアルカリ金属カチオン類、
Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+等のアルカリ土類金属カ
チオン類、Cu+、Zn2+、Ca2+等の遷移金属カチオン類、
その他、多価金属カチオン類等から選択することができ
る。
本発明に用いられる帯電制御剤は、無色もしくは、単
色であり、トナー組成物の色特性に影響を与えず、か
つ、金属塩構造をもつため、常温で固体であり、かつ、
その多くは、熱的に安定であり、トナー製造中に分解し
て、その帯電制御性がそこなわれたり、低温で融解し
て、トナーの保存性、経時安定性をそこねたりしない。
また、トナー熱定着時の定着性に悪影響を及ぼさず、ト
ナー組成物の発色性をそこなわない等トナー組成物に最
適の帯電制御剤である。この帯電制御剤は、それ単独で
十分に帯電制御効果を持つが、無色もしくは淡色の公知
の帯電制御剤と併用してもよい。
本発明における帯電制御剤は、現像剤中、約0.01重量
%から約5重量%、好ましくは、約0.1重量%から約3
重量%、添加することにより極めて良好に、トナーの負
帯電性を改善できる。本発明の帯電制御剤は、トナー内
部に分散もしくは溶解させるだけでなく、トナー表面層
のみに、選択的に添加したり、トナー外部に添加混合し
てもよい。また、本発明においての帯電制御剤をトナー
中に添加混合する場合、結着樹脂と共に溶融混合、エマ
ルジョン混合、溶液混合等の方法で機械的に混合するほ
か、本発明における帯電制御剤の存在下で、結着樹脂用
単量体を重合し、結着樹脂中に本発明の帯電制御剤或い
はトナー中の他の添加剤との間に化学結合が生じてもよ
い。
本発明に用いる事のできる結着樹脂状物としては、従
来周知のものを使用することができる。例えばスチレ
ン、クロルスチレン、ビニルスチレン等のスチレン類:
エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモ
ノオレフイン:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息
香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル:アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フエ
ニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレ
ン脂肪族モノカルボン酸のエステル:ビニルメチルエー
テル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等
のビニルエーテル:ビニルメチルケトン、ビニルヘキシ
ルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケト
ン等の単独重合体あるいは共重合体を例示することがで
き、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、ス
チレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタ
クリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリ
ル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン
−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピ
レンを挙げることができる。
更に天然及び合成ワックス類、ポリエステル、ポリア
ミド、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタ
ン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、石油樹脂等を用
いることができる。これら結着樹脂成分は無色もしくは
淡色であり、かつ、透明性に優れていることが、カラー
・トナーの色再現性上好ましい。
また、フェライト等の磁性体、導電性調整剤、酸化ス
ズ、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属
酸化物、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防
止剤、離型剤等を必要に応じて添加することができる。
更に、トナー粒子表面に、トナーの粉体流動性や帯電
性を改善したり、感光体やキャリヤ粒子表面へのトナー
のフィルミングを防止したり、感光体上の残留トナーの
クリーニング性を向上させたりする目的で、各種外添剤
を付着もしくは固着させることができる。これら外添剤
としては、ステアリン酸等の高級脂肪酸及びその金属
塩、エステル、アミド等の誘導体、カーボンブラック、
酸化すず、ふっ化黒鉛、炭化けい素、窒化ほう素、シリ
カ、アルミナ、二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機微粉
末、ふっ素系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂
等の樹脂粉末、多環芳香族化合物、ワックス状物質等、
公知のものならばどれでも用いる事ができる。
本発明の負帯電用トナー組成物の製造方法としては、
混練粉砕法、スプレイドライ法、直接重合法等公知であ
るならば、いずれの方法を用いてもよい。本発明の負帯
電用トナー組成物の粒度としては、コールターカウンタ
ー法で測定した平均粒径d50が、1〜20μm、好ましく
は、d50が5〜15μmになる様調整されることが望まし
い。
本発明の負帯電用トナー組成物により、電気的潜像や
その他電気的信号を可視画像化する方法としては、公知
の現像方法がすべて適用可能であり、通常の二成分現像
法、マイクロトーニング法等のみならず、キャリアを用
いない一成分現像法にも適用できる。
作用 本発明に用いられる上記一般式で示されるテトラフェ
ニルほう素及び誘導体アニオンと金属カチオンから成る
塩は、それ自体優れた負帯電制御効果を有するが、しか
し、それのみならず、本発明の如く、有機有彩色色材と
共に用いると、カーボン、チタン白、カドミウムイエロ
ー等の無機顔料と組み合わせて用いる場合よりも、その
帯電制御性は良好である。その理由は不明であるが、本
発明に用いられる帯電制御剤の(i)ほう素の電子受容
性、(ii)中和塩型の構造、(iii)フェニル基の共鳴
効果によるほう素アニオンの安定化等の効果によるトナ
ー表面及び、トナー中における電子及び/又はイオンの
交換、移動の促進効果が、有機有彩色色材に一般的にみ
られる極性基、共鳴構造、塩構造、キレート構造等との
相乗作用により、更にその効果を強く発現するものと思
われる。
更に、本発明に用いられる帯電制御剤を有機有彩色色
剤と組み合わせて使用する場合、有機有彩色色剤の含有
量の変化に対するトナーの負帯電量の変化が、他の帯電
制御剤を用いる場合に比べ、極めて小さく、また、本発
明の帯電制御剤を含有する場合には、色材濃度の高い粒
径の小さいトナーを用いても、トナーの電荷分布は良好
であり、逆極性トナーは、ほとんど見られなかった。そ
の理由を明白に説明することは困難ではあるが、先にも
述べた様に、本発明の構成より成るトナーに於る電子及
び/又はイオンの交換、移動が極めて素早く行われるた
めに、トナー表面を均一に素早く帯電させることがで
き、トナー内部の色材濃度の影響が緩和されるものと考
えられる。
実施例 以下、本発明の実施例を記載するが、本発明は勿論こ
れら実施例のみに限定されるものではない。なお、例
中、部と表示されているものは、特にことわりのない限
り、重量部を意味する。
実施例1 ○スチレン/n−ブチルメタクリレート 100部 共重合体 (Tg:60℃、Mn:7,000、Mw:42,000) ○マゼンタ顔料 4部 (ブリリアント・カーミン6B: C.I.ピグメント・レッド57) ○テトラフェニルほう素ナトリウム 1部 上記の成分を、溶融混練した。冷却後、凝塊を粉砕
し、分級して、平均粒径d50:12μmのマゼンタトナーを
得た。
比較例1a ○スチレン/n−ブチルメタクリレート 100部 共重合体(実施例1と同様) ○マゼンタ顔料(実施例1と同様) 4部 上記の成分を、実施例1と同様に処理して、平均粒径
d50:12μmのマゼンタトナーを得た。
比較例1b ○スチレン/n−ブチルメタクリレート 100部 共重合体(実施例1と同様) ○マゼンタ顔料(実施例1と同様) 4部 ○白色帯電制御剤(オリエント化学製 2部 E-84) 上記の成分を、実施例1と同様に処理して、平均粒径
d50:12μmのマゼンタトナーを得た。
実施例2 ○スチレン/n−ブチルメタクリレート 100部 共重合体(実施例1と同様) ○マゼンタ顔料(実施例1と同様) 7部 ○テトラフェニルほう素ナトリウム 1部 上記の成分を、実施例1と同様に処理して、平均粒径
d50:7μmのマゼンタトナーを得た。
比較例2a ○スチレン/n−ブチルメタクリレート 100部 共重合体(実施例1と同様) ○マゼンタ顔料(実施例1と同様) 7部 上記の成分を、実施例1と同様に処理して、平均粒径
d50:7μmのマゼンタトナーを得た。
比較例2b ○スチレン/n−ブチルメタクリレート 100部 共重合体(実施例1と同様) ○マゼンタ顔料(実施例1と同様) 7部 ○白色帯電制御剤(比較例1bと同じ) 2部 上記の成分を、実施例1と同様に処理して、平均粒径
d50:7μmのマゼンタトナーを得た。
実施例1及び2、比較例1a、1b、2a及び2bのトナー
を、平均粒径約100μmの鉄粉キャリアと混合し、それ
らについて、ブローオフ・トライボ法による平均帯電
量、チャージスペクトログラフ法による電荷分布等の帯
電性測定を、常温常湿、高温高湿(35℃、RH80%)、低
温低湿(10℃、RH20%)それぞれの環境下で行った。結
果を、第1表に示す。なお、キャリア/トナー重量比
は、トナー平均粒径が12μmである。実施例1及び比較
例1a及び1bでは、100/3、トナー平均粒径が、7μmで
ある実施例2及び、比較例2a及び2bでは、100/1.75とし
た。
(第1表の説明) 1)高速撹拌タイプのミキサーで、1分間混合した後に
測定した値を示す。
2)高速撹拌タイプのミキサーで、5秒間混合した後に
測定したブローオフ帯電量について、1分間混合した後
に測定した値を基準として示す。
○:75%以上、△:75〜50%、 ×:50%以下 3)1分間混合したトナー組成物のチャージスペクトロ
グラフ法(電子写真学会誌、22、85(1983)参照。)に
よる測定結果を示す。
○:2%以下、△:2〜10%、 ×:10%以上 注)現像剤のブローオフ帯電量は、混合に用いるミキサ
ーのタイプにより異なり、例えば、低速撹拌タイプの場
合、ほぼ飽和に達したと考えられる帯電量が得られるま
で10分以上、場合によっては数時間の混合時間を要する
ことがあるが、表中の値はほぼ飽和に達したと考えられ
る。第1表に示す如く、本発明のトナー組成物を用いた
場合(実施例1及び2)には、帯電制御剤を含まないも
の(比較例1a及び2a)に比して負帯電量の環境安定性、
帯電の立ち上がり、電荷分布のシャープさが大幅に改善
され、極めて良好な負帯電性を呈するようになった。
又、本発明の負帯電用トナー組成物においては、顔料
含有量を増加し、平均粒径を小さくしても、その帯電性
に劣化は生じなかった。しかしながら、市販の帯電制御
剤を用いたものについては、トナー粒子の平均粒径を12
μmにした場合(比較例1b)、帯電性は本発明の負帯電
用トナー組成物に比してそれほど大きく劣りはしないも
のの、顔料含有量を増加し、平均粒径を7μmにした場
合(比較例2b)には、帯電立ち上がり速度は低下し、逆
極性トナー量が顕著に増加した。また負帯電量の環境安
定性も劣っていた。
更に、実施例1のマゼンタトナーに、疎水性シリカ微
粉末0.7重量%、脂肪酸金属塩0.8重量%を添加混合し、
平均粒径約70μmのフェライトキャリアと組合せカラー
現像剤とし、複写機FX-2300 (富士ゼロックス(株)
製)で5,000枚の連続複写テストを行ったが、かぶりの
ない極めて鮮明なマゼンタ色画像が安定に得られた。
同様に、実施例2のトナーに、疎水性シリカ微粉末1.
2重量%、脂肪酸金属塩1.4重量%を添加混合し、実施例
1と同様にカラー現像剤とし、FX-2300 改造機で、5,0
00枚の連続複写テストを行ったが、実施例1と同様、か
ぶりのない極めて鮮明なマゼンタ画像が得られた。
実施例3 実施例1のマゼンタ顔料4部を、それぞれシアン顔料
(β型銅フタロシアニン、C.I.ピグメント・ブルー15:
3)4部、イエロー顔料(ジスアゾイエロー、C.I.ピグ
メント・イエロー12)4部に置換し、同様の方法で、平
均粒度d50:12μmのシアントナー、イエロートナーを得
た。
これらのトナーについて、夫々実施例1と同様の方法
で、帯電性評価を行ったが、シアン顔料を用いた場合、
高温高湿及び低温低湿の環境下でそれぞれ−13μC/g、
および17μC/g、イエロー顔料を用いた場合−12μC/g、
及び−15μC/gであり、環境に対して安定であった。ま
た、帯電の立上り、逆極性トナー料にも問題がなかっ
た。
実施例4 実施例1のマゼンタトナーに疎水性シリカ微粉末1.0
重量%を外添混合し、下記構成の一成分現像装置を組み
込んだ、改造FX-2300 複写機(富士ゼロックス(株)
製)で、5.000枚の連続複写テストを行ったが、実施例
1と同様、極めて良好な画像を得た。
実施例5 実施例1のマゼンタ顔料4部を、イエロー顔料(C.I.
ピグメント・イエロー97)6部に置換した以外は同様の
方法で、平均粒径:12μmのイエロー・トナーを得た。
このトナーを、実施例1と同様の方法で、帯電性評価
を行ったところ、ブローオフ帯電量は、常温常湿で−17
μC/g、高温高湿で−15μC/g、低温低湿で−19μC/gで
あり、環境に対して安定であった。また、帯電の立ち上
がり、逆極トナー量にも問題はなかった。
更に、実施例1と同様にして、複写機FX-2300Rで5,00
0枚の連続複写テストを行ったが、かぶりのない極めて
鮮明なイエロー色の画像が安定に得られた。
実施例6 ○スチレン/n−ブチルメタクリレート 100部 共重合体(実施例1と同様) ○シアン染料:銅テトラー 6部 (オクタデシルスルホンアミド) フタロシアニン ○テトラフェニルほう素ナトリウム 1.5部 上記の成分を、実施例1と同様に処理して、平均粒径
d50:12μmのシアントナーを得た。
このトナーを、実施例1と同様の方法で、帯電性評価
を行ったが、ブローオフ帯電量は常温常湿で−18μC/
g、高温高湿で−14μC/g、低温低湿で−18μC/gであ
り、環境に対し、安定であった。また、帯電の立ち上が
り、逆極トナー量にも問題はなかった。
更に、実施例1と同様にして複写機FX-2300 で5,000
枚連続複写テストを行ったが、かぶりのない極めて鮮明
なシアン色の画像が安定に得られた。
実施例7 ○スチレン/ブチルアリクレート/ 100部 無水マレイン酸共重合体 (Tg:65℃、Mn:8,000、Mw:35,000) ○マゼンタ顔料 6部 (C.I.ピグメント・レッド122) ○テトラフェニルほう素ナトリウム 1部 上記の成分を、実施例1と同様に処理して、平均粒径d5
0:12μmのマゼンタトナーを得た。このトナーと、鉄粉
にメチルメタクリレート系樹脂コートをほどこしたキャ
リアとを用い、実施例1と同様の方法で帯電性を評価し
たところ、高温高湿及び低温低湿の環境下で、それぞれ
−14μC/g及び−17μC/gであり、環境に対して安定であ
った。また、帯電の立上り、逆極性トナー量にも問題は
なかった。
実施例8 実施例1のテトラフェニルほう素ナトリウム1部を、
それぞれ a)テトラフェニルほう素カリウム 1部 b)テトラ(p−フルオロフェニル) 1部 ほう素ナトリウム c)テトラ(p−クロロフェニル) 1部 ほう素カリウム に置換した以外は、同様の方法で平均粒径d50:12μmの
マゼンタトナーを得た。
これらのトナーについて、実施例1と同様の方法で、
帯電性評価を行ったところ、帯電量は第2表に示す如く
すべての環境に対し、安定であり、帯電立ち上がり、逆
極トナー量にも問題はなかった。
実施例9 ○部分架橋ポリエステル 100部 (Tg:64℃、溶剤可溶分の数平均分子量:1,500 重量平均分子量:35,000、酸価:18) ○シアン顔料(β型銅フタロシアニン、 3部 (C.I.ピグメント・ブルー15:3) ○テトラフェニルほう素カリウム 1部 上記の成分を、実施例1と同様の方法で処理して、シ
アン・トナーを得た。このトナーについて、実施例1と
同様の方法で、帯電性を評価したところ、そのブローオ
フ帯電量は、常温常湿で−23μC/g、高温高湿で−20μC
/g、低温低湿で−25μC/gであり、環境に対し安定であ
った。また、帯電の立ち上がり、逆極トナー量にも問題
はなかった。
更に、実施例1と同様にして複写機FX-2300 で5,000
枚連続複写テストを行ったところ、かぶりのない鮮明な
シアン色の画像が安定に得られた。
実施例10 ○スチレン/ブチルアクリレート/ 100部 共重合体 (Tg:60℃、Mn:7,500、Mw:50,000) ○ローダミン系マゼンタ染料 7部 (C.I.ソルベント レッド 49) ○テトラフェニルほう素カリウム 1部 上記の成分を実施例1と同様に処理して、平均粒径d5
0:12μmのマゼンタ・トナーを得た。このトナーと、ア
ンコート・フェライトキャリアとを用い、実施例1と同
様な方法で、帯電性を評価したところ、高温高湿及び低
温低湿の環境下で、それぞれ−12μC/g及び−15μC/gで
あり、環境に対して安定であった。また、帯電の立上
り、逆極性トナー量にも問題はなかった。
実施例11 ○スチレン/ブチルアクリレート/ 25部 共重合体 (Tg:65℃、Mn:5,000、Mw:18,000) ○スチレン/ブチルアクリレート/ 25部 共重合体 (Tg:65℃、Mn:20,000、Mw:61,000) ○スチレン/ブチルアクリレート/ 50部 共重合体 (Tg:65℃、架橋ゲル分率:90%) ○低分子量ポリプロピレン・ワックス 5部 ○シアン顔料 3部 (C.I.ソルベント・ブルー15:3) ○イエロー顔料 3部 (C.I.ソルベント・イエロー12) ○白色顔料(酸化チタン) 4部 ○テトラフェニルほう素カリウム 1部 上記の成分を実施例1と同様に処理して、平均粒径d50:
12μmの緑色トナーを得た。このトナーに更に、疎水性
シリカ微粉末0.7重量%、メチルメタクリレート系樹脂
粉0.6重量部を添加混合し、変性シリコーン樹脂でコー
トした鉄粉キャリアと、組み合わせ、カラートナー組成
物を得た。このトナー組成物の帯電性の評価を実施例1
と同様な方法で行ったところ、ブローオフ帯電量は、常
温常湿で−22μC/g、高温高湿で−18μC/g、低温低湿で
−23μC/gであり、環境に対し安定であった。また、帯
電の立ち上がり、逆極性トナー量にも問題はなかった。
更に、このトナー組成物を用い、複写機FX-2830 で1
0,000枚の連続複写テストを行ったが、かぶりのない極
めて鮮明な緑色画像が安定に得られた。
実施例12 実施例1のテトラフェニルほう素ナトリウム1部を、
テトラp−トリルホウ素ナトリウム 1部に置換した以外は、同様の方法で平均粒径d50:12μ
mのマゼンタ・トナーを得た。
このトナーを、未被覆のアンコート・フェライト・キ
ャリアと用い、他は実施例1と同様にして、帯電性評価
を行ったところ、ブローオフ帯電量は、常温常湿で−18
μC/g、高温高湿で−15μC/g、低温低湿で−17μC/gで
あり、環境に対して安定であった。また、帯電の立上
り、逆極性トナー量にも問題はなかった。
実施例13 実施例のテトラフェニルほう素ナトリウム1部を、テ
トラフェニルホウ素カルシウム 1.5部に置換した以外は、同様の方法で平均粒径d50:12
μmのマゼンタ・トナーを得た。
このトナーと、キャリアとして変性シリコーン樹脂で
コートしたフェライトとを用い、他は実施例1と同様に
して、帯電性評価を行ったところ、ブローオフ帯電量
は、常温常湿で−20μC/g、高温高湿で−18μC/g、低温
低湿で−19μC/gであり、環境に対して安定であった。
また、帯電の立上り、逆極性トナー量にも問題はなかっ
た。
発明の効果 本発明における上記一般式で表される化合物は、無色
若しくは単色であり、又常温で固体であり、それ自体優
れた負帯電制御効果を有するが、本発明においてはそれ
を有機有彩色色剤と共に用いることにより、帯電の立ち
上がりが速く、適切な負帯電量と電荷分布を持ち、環境
安定性、経時安定性に優れ、かつ透明性の良好な所望の
色調を有する負帯電用トナー組成物を得ることができ
る。又、本発明の負帯電用トナー組成物は、トナー粒径
を小さくしても充分な帯電制御が行われるため、それを
用いて高品位のコピー画像を形成させることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機有彩色色材および帯電制御剤として、
    下記一般式(I)で表わされる化合物を含有することを
    特徴とする負帯電用トナー組成物。 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
    リールアルキル基またはアリール基を示し、Mは金属カ
    チオンを示す。)
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