JPWO2012111628A1 - 太陽光発電モジュール用接続構造体 - Google Patents

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Abstract

[課題]本発明は、薄肉化・小型化をしても耐低温衝撃性および難燃性により一層優れる太陽光発電モジュール用接続構造体を提供することを主な目的とする。[解決手段]本発明の太陽光発電モジュール用接続構造体は、太陽光発電モジュールと、前記太陽光発電モジュールに接続するためのケーブルとを、中継する太陽光発電モジュール用接続構造体であって、特定の熱可塑性樹脂組成物を含む。

Description

本発明は、太陽光発電モジュール用接続構造体に関する。
太陽の光エネルギーを電気に変換する太陽光発電モジュール(以下、単に「モジュール」という場合がある)には、その電気を有用な形で取り出すため、モジュール間のケーブルを接続するためのジャンクションボックスやコネクタ等の接続構造体が、モジュール毎に設けられている。ジャンクションボックス内には、バイパスダイオード等が配置されていて、太陽光発電モジュールの表面に部分的な影がかかったり、電池セルが故障してモジュールの出力が低下したりする場合でも、その影響を最小限に抑える工夫がなされている。この場合、バイパスダイオードは発熱するため、ジャンクションボックス全体が耐熱性を有することが求められる。かかる発熱対策には、ダイオードの数を増やしたり、金属製の放熱板をバイパスダイオードに取り付けることで熱伝導させたり、ジャンクションボックスの容積を大型化したりすることで放熱する方法が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
ジャンクションボックスやコネクタ等の接続構造体を形成する材料としては、例えば、熱可塑性樹脂が用いられる。
太陽光発電モジュールは屋外に設置されることが多く、ジャンクションボックスやコネクタ等の接続構造体を形成する熱可塑性樹脂としては、耐トラッキング性能に代表される電気絶縁特性、優れた難燃性、機械的特性、衝撃特性、耐水性、耐薬品性および寸法安定性等の従来から電気電子部品用途に求められている性能だけではなく、低温での衝撃強度も併せて要求されるようになってきている。
また太陽光発電モジュールは使用年数が長期化しつつあり、ジャンクションボックスやコネクタ等の接続構造体を形成する熱可塑性樹脂としては、耐熱エージング特性(高温の使用環境下に長時間暴露された時に性能を維持する特性)が重要となってきている。更に、ジャンクションボックスやコネクタ等の接続構造体には、意匠性や省スペース化が求められるようになってきている。
このような要求に応じて、薄肉化・小型化をしても低温衝撃性および長期耐熱性に優れる太陽光発電モジュール用接続構造体が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
国際公開第2005/117141号パンフレット 実開平5−1253号公報 特開2010−123933号公報
しかしながら、従来の太陽光発電モジュール用接続構造体を形成する材料、例えば、ポリカーボネート(以下「PC」と呼ぶことがある)や変性ポリフェニレンエーテル(以下「変性PPE」と呼ぶことがある)等の熱可塑性樹脂は、特性が充分でない場合がある。具体的には、PCは耐衝撃性が高いものの耐湿性と耐薬品性において制約があり、変性PPEは耐湿性が高いものの、耐衝撃性において十分な性能を有しているとは言い難い。
また、太陽光発電システムは世界的な普及の拡大が進行しており、それに伴って太陽光発電モジュールが使用される環境も広がり、太陽光発電モジュール用接続構造体は、従来より苛酷な条件(より高温、より低温、より高湿など)でも使用されるようになっている。太陽光発電モジュール用接続構造体は、例えば、寒冷地で使用される場合、より高い低温衝撃強度が求められている。一方で、太陽光発電モジュール用接続構造体は、薄肉化・小型化の要求がさらに強くなっており、薄肉化・小型化した場合であっても上記特性や難燃性にも優れることが要求されている。
しかしながら、従来の太陽光発電モジュール用接続構造体は、薄肉化・小型化した場合の耐低温衝撃性および難燃性が充分ではない。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、薄肉化・小型化をしても耐低温衝撃性および難燃性により一層優れる太陽光発電モジュール用接続構造体を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、太陽光発電モジュールと、前記太陽光発電モジュールに接続するためのケーブルを、中継する太陽光発電モジュール用接続構造体であって、特定の熱可塑性樹脂組成物を含む太陽光発電モジュール用接続構造体とすることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]
太陽光発電モジュールと、前記太陽光発電モジュールに接続するためのケーブルとを、中継する太陽光発電モジュール用接続構造体であって、
前記接続構造体が熱可塑性樹脂組成物を含み、
前記熱可塑性樹脂組成物が、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(B)水添ブロック共重合体および(C)難燃剤を含み、
前記熱可塑性樹脂組成物において、前記(A)および前記(B)の合計100質量部に対し、前記(A)の含有量が70〜85質量部であり、前記(B)の含有量が15〜30質量部であり、前記(C)の含有量が5〜30質量部であり、
前記熱可塑性樹脂組成物の−40℃におけるシャルピー衝撃強度が15kJ/mより大きい、太陽光発電モジュール用接続構造体。
[2]
太陽光発電モジュールと、前記太陽光発電モジュールに接続するためのケーブルとを、中継する太陽光発電モジュール用接続構造体であって、
前記接続構造体が熱可塑性樹脂組成物を含み、
前記熱可塑性樹脂組成物が、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(B)水添ブロック共重合体および(C)難燃剤を含み、
前記熱可塑性樹脂組成物において、前記(A)および前記(B)の合計100質量部に対し、前記(A)の含有量が70〜85質量部であり、前記(B)の含有量が15〜30質量部であり、前記(C)の含有量が5〜30質量部であり、
前記熱可塑性樹脂組成物が、23℃の25質量%アンモニア水溶液に24時間浸漬後に溶解しない、太陽光発電モジュール用接続構造体。
[3]
前記(C)が、下記一般式(I)または(II)で示されるリン酸エステル系化合物である、[1]または[2]に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
Figure 2012111628
Figure 2012111628
(一般式(I)、(II)中、
Q1、Q2、Q3およびQ4は、各々置換基であって各々独立に炭素数1から6のアルキル基を表し、
R1およびR2は各々置換基であってメチル基を表し、
R3およびR4は各々独立に水素原子またはメチル基を表し、
nは1以上の整数を示し、
n1およびn2は各々独立に0から2の整数を示し、
m1、m2、m3およびm4は各々独立に0から3の整数を示す。)
[4]
前記(B)が、数平均分子量15万〜50万であり、かつ前記熱可塑性樹脂組成物中に粒子状に分散し、その重量平均粒子径が0.3〜1μmである、[1]〜[3]のいずれかに記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
[5]
前記熱可塑性樹脂組成物において、前記(A)および前記(B)の合計100質量部に対し、前記(A)の含有量が75〜85質量部であり、前記(B)の含有量が15〜25質量部である、[1]〜[4]のいずれかに記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
[6]
前記熱可塑性樹脂組成物において、前記(A)および前記(B)の合計100質量部に対し、前記(C)の含有量が15〜25質量部である、[1]〜[5]のいずれかに記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
[7]
前記熱可塑性樹脂組成物の0.75〜3.0mmの厚みにおけるUL−94規格の難燃レベルがランクV−1以上である、[1]〜[6]のいずれかに記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
[8]
前記熱可塑性樹脂組成物の0.75〜3.0mmの厚みにおけるUL−94規格の難燃レベルがランクV−0である、[1]〜[7]のいずれかに記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
[9]
前記熱可塑性樹脂組成物の120℃環境下で500時間静置後の23℃におけるシャルピー衝撃強度が20kJ/m以上である、[1]〜[8]のいずれかに記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
[10]
前記熱可塑性樹脂組成物の120℃環境下で500時間静置後の23℃におけるシャルピー衝撃強度の保持率が、該静置前の熱可塑性樹脂組成物の23℃におけるシャルピー衝撃強度に対して、50%以上である、[1]〜[9]のいずれかに記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
[11]
前記熱可塑性樹脂組成物の、温度85℃、相対湿度85%の環境下で、2000時間静置後の23℃におけるシャルピー衝撃強度の保持率が、該静置前の熱可塑性樹脂組成物の23℃における衝撃強度に対して、70%以上である、[1]〜[10]のいずれかに記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
[12]
前記熱可塑性樹脂組成物の3.0mmの厚みにおけるUL−746A(ASTM D3638)に基づく比較トラッキング指数(CTI)が2以下である、[1]〜[11]のいずれかに記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
[13]
前記熱可塑性樹脂組成物の3.0mmの厚みにおけるUL−746A(ASTM D3638)に基づく比較トラッキング指数(CTI)が1以下である、[1]〜[12]のいずれかに記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
[14]
前記太陽光発電モジュール用接続構造体が、太陽光発電モジュール用コネクタである、[1]〜[13]のいずれかに記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
[15] 前記熱可塑性樹脂組成物が、太陽光発電モジュール用接続構造体を粉砕することにより得られる熱可塑性樹脂組成物を含む、[1]〜[14]のいずれかに記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
本発明により、薄肉化・小型化をしても耐低温衝撃性および難燃性により一層優れる太陽光発電モジュール用接続構造体を提供できる。
図1は、本発明に係る接続構造体の一例の簡略斜視図である。 図2は、本発明に係る接続構造体の別の一例の簡略上面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施の形態」という)について詳細に説明する。以下の本実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明はその要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。なお、図面の寸法比率は図示の比率に限定されるものではない。
≪太陽光発電モジュール用接続構造体≫
本実施の形態に係る太陽光発電モジュール用接続構造体(以下、単に「接続構造体」ともいう)は、太陽光発電モジュールと、前記太陽光発電モジュールに接続するためのケーブルとを、中継する太陽光発電モジュール用接続構造体であって、−40℃におけるシャルピー衝撃強度が15kJ/m2より大きい特定の熱可塑性樹脂組成物を含む接続構造体である。
図1は、本実施の形態に係る接続構造体の一例(接続構造体1)の簡略斜視図である。接続構造体1は、上面が開口した箱型の本体10と、前記本体10の開口を覆う蓋12と、を備える。接続構造体1は、本体10の内部に、バイパスダイオードや逆流防止用ダイオード(図示しない)等を格納する太陽光発電モジュール用ジャンクションボックス(以下、単に「ジャンクションボックス」という場合がある)として用いることができる。本体10は、太陽光発電モジュールのケーブルとの接続部102と、外部接続ケーブルとの接続部104と、を備える。接続構造体1は、太陽光発電モジュールと、外部接続ケーブル等と、を中継する。これにより、太陽光発電モジュールにおいて発生した電力を外部機器等に配電することができる。中継するケーブルは、1本または2本以上であってもよく、その中継先も限定されない。ここで、接続構造体1は、少なくとも太陽光発電モジュールを格納可能な構造体であればよく、その構造は特に限定されず、図1に示すような本体10と蓋12とが別体である構造でなくてもよい。接続構造体1の形状等は、特に限定されず、モジュールの大きさや形状や使用環境等を考慮して、適宜に選択することができる。
本実施の形態の接続構造体は、−40℃におけるシャルピー衝撃強度が15kJ/m2より大きい熱可塑性樹脂組成物を用いる。これにより、従来に比して薄型の接続構造体とすることができ、薄肉化・小型化でありながら耐低温衝撃性に優れる接続構造体とすることができる。その結果、例えば、接続構造体1について、意匠性の向上や省スペース化等が可能となる。接続構造体1の好ましい態様としては、接続構造体1の平均肉厚が3mm以下であることが好ましく、1mm〜2.5mmであることがより好ましい。平均肉厚を2.5mm以下の薄型とすることで、配置スペースの制約を受けず、かつ製造コストを一層低減できる。平均肉厚を1mm以上とすることで、強度、長期耐熱性、流動性、低温時の耐衝撃性をバランスよく設計でき、ダイオードの発熱に対する長期耐熱性を維持できる。
ここで、接続構造体1における平均肉厚とは、本体10および蓋12において、天面、底面、および壁面の主たる面積を有する、平面および/または曲面が持つ厚みの平均をいう。例えば、後述するコネクタでは、平均肉厚は、円筒形状や角筒形状を構成するソケット部の主たる面積を有する、平面および/または曲面が持つ厚みの平均をいう。従って、リブ、ダイオード取付け部、嵌合のためのスリット、嵌合のための爪等のような局部の肉厚は、平均肉厚には含まれない。
本実施の形態の接続構造体の好ましい態様としては、上述の接続構造体1のように、太陽光発電モジュール用ジャンクションボックスとすることが挙げられる。接続構造体をジャンクションボックスとした場合、その平均肉厚は、特に、1mm〜2.5mmとすることが好ましい。本実施の形態では、従来に比して薄型のジャンクションボックスとすることができ、薄肉化・小型化でありながら長期耐熱性や耐低温衝撃性に優れるジャンクションボックスとすることができる。従来では、上記平均肉厚のジャンクションボックスとした場合、強度、長期耐熱性、流動性、低温時の耐衝撃性等をバランスよく維持することが困難であり、特にダイオードの発熱等に対する長期耐熱性を充分に維持することができない。本実施の形態の接続構造体は、上記平均肉厚のジャンクションボックスとした場合でも、強度、長期耐熱性、流動性、低温時の耐衝撃性等をバランスよく維持でき、特に長期耐熱性を充分に維持できる。
図2は、本実施の形態に係る接続構造体の別の一例(接続構造体2)の簡略上面図である。接続構造体2は、オスの第1コネクタ20と、メスの第2コネクタ22と、を備える。このように、本実施の形態の接続構造体の別の好ましい態様として、接続構造体2のように、太陽光発電モジュール用コネクタ(以下、単に「コネクタ」という場合がある)とすることができる。接続構造体2において、第1コネクタ20は、ソケット部202と、前記ソケット部202から突出している接続端子204と、コネクタ22との接続方向に向けて形成されたロック部206と、前記ソケット部202に接続されたケーブル208と、を備えている。第2コネクタ22は、ソケット部222と、前記ソケット部222に接続されたケーブル228と、を備えている。第2コネクタ22のソケット部222には、第1コネクタ20の接続端子204と嵌合する嵌合孔224と、第1コネクタ20のロック部206と嵌合するロック受け部226と、が形成されている。第1コネクタ20の接続端子204を第2コネクタ22の嵌合孔224に挿入しつつ、第1コネクタ20のロック部206を第2コネクタ22のロック受け部226に挿入し嵌合させることで、第1コネクタ20と第2コネクタ22とを接続することができる。
接続構造体2において、第1コネクタ20および第2コネクタ22の形状は限定されず、例えば、第1コネクタ20のソケット部202や、第2コネクタ22のソケット部204が、円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。第1コネクタ20および第2コネクタ22の構造は限定されず、例えば、第1コネクタ20のソケット部202に複数の接続端子204が形成され、第2コネクタ22のソケット部222に複数の嵌合孔224が形成されていてもよい。また、第1コネクタ20と第2コネクタ22とのどちらが正極用コネクタであってもよいし、負極用コネクタであってもよい。
上述のように、接続構造体をコネクタとした場合、その平均肉厚は、特に、0.5mm〜2.5mmとすることが好ましい。本実施の形態では、従来に比して薄型のコネクタとすることができ、薄肉化・小型化でありながら長期耐熱性や耐低温衝撃性に優れるコネクタとすることができる。特に、従来では、上記平均肉厚のコネクタとした場合、低温時の耐衝撃性を充分に維持しながら、強度・長期耐熱性・流動性等をバランスよく維持することが困難であるが、本実施の形態の接続構造体は、上記平均肉厚のコネクタとした場合でも、低温時の耐衝撃性を充分に維持しながら、強度・長期耐熱性・流動性等をバランスよく維持でき、特に長期耐熱性を維持することが可能となる。
(耐低温衝撃性)
太陽光発電モジュールに用いられる接続構造体は、通常、数ヶ月間〜20年間程度、さらには30年間程度の長期の使用が見込まれている。
本実施の形態の接続構造体が屋外の低温環境で使用される場合を考慮すると、該接続構造体に含まれる熱可塑性樹脂組成物は、飛来物が衝突しても割れを生じない程度の耐低温衝撃性を有することが望まれる。かかる観点から、本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物は、−40℃におけるシャルピー衝撃強度が、15kJ/m2より大きく、17.0kJ/m2以上が好ましく、20kJ/m2以上がより好ましい。当該シャルピー衝撃強度の上限は、特に限定されないが、例えば、30kJ/m2である。
本実施の形態において、シャルピー衝撃強度は、ISO179に準拠し、ノッチ付きにて測定した値である。
−40℃におけるシャルピー衝撃強度が小さくなると、特に低温環境において割れやすくなるため、その対策として肉厚を厚くする必要がある。その結果、設計自由度、省スペース性およびコスト面等に制約を受ける。本実施の形態の接続構造体は、熱可塑性樹脂組成物の−40℃におけるシャルピー衝撃強度が前記範囲内であるため、特に低温環境において割れ難く、薄肉化することができ、設計自由度、省スペース性およびコスト面等で有利である。
−40℃におけるシャルピー衝撃強度を15kJ/m2より大きくするためには、熱可塑性樹脂組成物が後述の水添ブロック共重合体等のエラストマー成分を含んでいることが好ましく、エラストマー成分の量や組成物中での分散状態(粒子状に分散した際の重量平均分子量、以下単に「分散粒径」とも記す。)や劣化度を制御することで達成することができる。特にエラストマー成分の分散粒径が0.3μm以上であることが好ましい。エラストマー成分の分散粒径を0.3μm以上とするには、例えば、熱可塑性樹脂の溶融粘度を下げる(分子量を調整する、可塑剤を添加する等)、エラストマーを劣化させない(溶融混練時の温度を下げる、酸素濃度を下げる等)などの手段により達成することができる。
(耐熱エージング性、耐湿性)
更には、太陽光発電モジュールに用いられる接続構造体は、30年間程度、屋外使用した場合であっても、性能を保持することが望まれる。特に長期間にわたって高温の環境下や高湿の環境下に晒された後の耐衝撃強度を保持することは、太陽光発電モジュールについて実用上重要である。ただし、本実施の形態において、実際に長期間使用環境で材料の特性を判断するのは実質的に難しいため、促進試験による評価において高温環境下や高湿環境下での耐衝撃性を判断している。
例えば、本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物の120℃の環境下で500時間静置後の23℃におけるシャルピー衝撃強度の保持率は、当該静置前の前記熱可塑性樹脂組成物の23℃におけるシャルピー衝撃強度に対して、50%以上であることが好ましく、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。当該シャルピー衝撃強度の保持率の上限は、特に限定されないが、例えば、100%である。当該保持率が前記範囲内であると、本実施の形態の接続構造体は熱エージング性に優れる。
なお、当該保持率は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
また、本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物の120℃の環境下で1000時間静置後の23℃におけるシャルピー衝撃強度は、当該静置前の前記熱可塑性樹脂組成物の23℃におけるシャルピー衝撃強度に対して、30%以上の保持率であることが好ましく、より好ましくは40%以上の保持率、さらに好ましくは50%以上の保持率である。当該シャルピー衝撃強度の保持率の上限は、特に限定されないが、例えば、100%である。当該保持率が前記範囲内であると、本実施の形態の接続構造体は耐熱エージング性に特に優れる。
なお、当該保持率は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
更には、本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物の120℃の環境下で500時間静置後の23℃におけるシャルピー衝撃強度は、20kJ/m2以上であることが好ましく、25kJ/m2以上がより好ましく、30kJ/m2以上がさらに好ましい。当該シャルピー衝撃強度の上限は、特に限定されないが、例えば、60kJ/m2である。当該シャルピー衝撃強度が前記範囲内であると、本実施の形態の接続構造体は耐熱エージング性に優れる。
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物の、温度85℃、相対湿度85%の環境下で、2000時間静置後の23℃におけるシャルピー衝撃強度の保持率は、当該静置前の前記熱可塑性樹脂組成物のシャルピー衝撃強度に対して、60%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上である。当該シャルピー衝撃強度の保持率の上限は、特に限定されないが、例えば、100%である。当該保持率が前記範囲内であると、本実施の形態の接続構造体は耐湿性に優れる。
なお、当該保持率は、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
上述した耐熱エージング性や耐湿性を有する熱可塑性樹脂組成物を得る方法としては、例えば、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(B)水添ブロック共重合体および(C)難燃剤を特定量用い、後述の製造方法(スクリュー構成、難燃剤の供給位置等の制御)により得る方法を挙げることができる。特に(B)成分を樹脂組成物中に粒子状に分散させ、その重量平均粒子径(以下、単に「分散粒径」とも記す。)を0.3〜1μmとすることが好ましい。(B)成分の分散粒径を前記範囲内とするには、例えば、(A)成分の溶融粘度を下げる(分子量を調整する、可塑剤を添加する等)、(B)成分を劣化させない(溶融混練時の温度を下げる、酸素濃度を下げる等)などの手段により達成することができる。
(難燃性)
太陽電池モジュールの電池セルの性能向上による電気容量のアップ、薄肉化、小型化により、太陽光発電モジュールに用いられる接続構造体は、高度な難燃性を有することが望まれる。特に1.0mm以下の薄肉における難燃性が重要とされている。
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物のUL−94規格の難燃レベルは、0.75〜3.0mmの厚みにおいて、ランクV−1以上であることが好ましく、ランクV−0であることがより好ましい。
前記難燃レベルが前記範囲内であると、本実施の形態の接続構造体は難燃性に優れる。
なお、本実施の形態において、難燃レベルは、UL規格のUL−94に規定されている垂直燃焼試験に基づき測定することができ、ランクnotV、ランクV−2、ランクV−1、およびランクV−0の順に高くなる。当該ランクについては、後述の実施例に記載のとおりである。
0.75〜3.0mmの厚みの熱可塑性樹脂組成物においてUL−94規格の難燃レベルをランクV−1以上とするためには、熱可塑性樹脂組成物が難燃剤を含んでいることが好ましい。前述の低温衝撃特性を達成するためにエラストマー成分の分散粒径を制御することも考慮すると、熱可塑性樹脂を可塑化する効果を有する難燃剤を配合することが好ましい。エラストマー成分の組成物中での分散状態(分散粒径)を制御する観点から、熱可塑性樹脂を可塑化する効果を有する難燃剤の存在下で、熱可塑性樹脂とエラストマー成分とを溶融混練することが好ましい。
(剛性)
太陽光発電モジュールに用いられる接続構造体は、例えば、ジャンクションボックス内には、バイパスダイオード等が配置されており、内部の部品を固定することが必要な場合がある。そのため、太陽光発電モジュールに用いられる接続構造体は、前記の耐低温衝撃性の他に、優れた剛性を有することが望まれる。また、コネクタでは2つのコネクタの結合やコネクタとケーブルとの接続するためのネジ込み式やスナップフィット式等により組み立てる構造となっているものが多く、充分な締付強さを得るには剛性が必要とされる。
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物の曲げ弾性率は、1800MPa以上が好ましく、より好ましくは1800〜3000MPa、さらに好ましく2000MPa〜2500MPaである。前記曲げ弾性率が前記範囲内であると、本実施の形態の接続構造体は剛性に優れる傾向にある。
なお、本実施の形態において、曲げ弾性率は、ISO−178に準拠し、2mm/分にて測定した値である。
(耐薬品性)
太陽電池モジュールは屋外に設置されることが多く、設置場所によっては家畜、野生動物の糞尿に晒されることがある。そのため、太陽光発電モジュールに用いられる接続構造体は、高温、高湿環境下における、電気特性、難燃性だけではなく、例えば、アンモニアに対する耐性を有することが望まれる。また、ジャンクションボックスではダイオードの固定やジャンクションボックスのシーリング、太陽電池モジュールとジャンクションボックスとの固定の際に、接着剤等を用いることがある。また、防錆剤や潤滑油等に用いられる、オイル類、シリコーン類と接触することがある。そのため、太陽光発電モジュールに用いられる接続構造体は、各種の薬品に対する耐性も求められている。
本実施の形態の接続構造体は、後述の熱可塑性樹脂組成物を含むため、耐薬品性に優れる傾向にある。
(熱可塑性樹脂組成物) 本実施の形態の接続構造体は、通常、射出成形により製造されるため、形成材料として熱可塑性樹脂組成物を用いる。本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(B)水添ブロック共重合体および(C)難燃剤を含む。また、当該熱可塑性樹脂組成物において、前記(A)および前記(B)の合計100質量部に対し、前記(A)の含有量が70〜85質量部であり、前記(B)の含有量が15〜30質量部であり、前記(C)の含有量が5〜30質量部である。さらに、当該熱可塑性樹脂組成物の−40℃におけるシャルピー衝撃強度が15kJ/mより大きい。
また、太陽光発電モジュール用接続構造体の実用特性の観点から、耐熱性や剛性の高い熱可塑性樹脂組成物であることが好ましい。前述の通り当該熱可塑性樹脂組成物は1800MPa以上の曲げ弾性率を有することが好ましく、かつ耐熱性の観点からガラス転移温度が100℃以上であることが好ましい。当該熱可塑性樹脂組成物は水添ブロック共重合体等のエラストマー成分や難燃剤を含み、これらの成分を含有する熱可塑性樹脂組成物であっても、剛性や耐熱性が維持されることが好ましい。剛性を維持する方法としては、例えば、エラストマー成分の配合量を上記特定の範囲に制御する方法が挙げられ、耐熱性を維持する方法としては、ポリフェニレンエーテルと難燃剤との配合比率を上記特定の範囲に制御する方法が挙げられる。
さらに、本実施の形態の太陽光発電モジュール用接続構造体としては、強度、電気特性、長期耐熱性などに優れていることが好ましい。これらの観点から当該熱可塑性樹脂組成物としては、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を含む。このような成分を含む熱可塑性樹脂組成物は、強度、電気特性および長期耐熱性が良好となる傾向にある。
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物は、3.0mmの厚みにおけるUL−746A(ASTM D3638)に基づく比較トラッキング指数(CTI)が2以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。CTIが前記範囲内の熱可塑性樹脂組成物を用いることにより、電気特性に優れる接続構造体が得られる。CTIが前記範囲内の熱可塑性樹脂組成物を得る方法としては、例えば、熱可塑性樹脂組成物を構成する各成分の配合比率を上記特定の範囲に制御する方法が挙げられる。
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物は、成分(A)〜(C)を前記範囲で含み、23℃の25質量%アンモニア水溶液に24時間浸漬後に溶解しない熱可塑性樹脂組成物であってもよい。このような熱可塑性樹脂組成物を用いることにより、アンモニア等の耐薬品性に優れる接続構造体が得られる。このような耐薬品性を有する熱可塑性樹脂組成物を得る方法としては、例えば、熱可塑性樹脂組成物を構成する各成分の配合比率を上記特定の範囲に制御する方法が挙げられる。
以下、本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物を構成する各成分について詳細に説明する。
[(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂]
本実施の形態で用いられる(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂は、下記一般式(III)および/または一般式(IV)で表される繰り返し単位を有する単独重合体、あるいは共重合体を含む。
Figure 2012111628
Figure 2012111628
(一般式(III)および(IV)中、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は各々独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜9のアリール基またはハロゲン原子を表す。但し、R15およびR16は同時に水素ではない。)
ポリフェニレンエーテルの単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−14−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテルポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテル共重合体とは、一般式(III)および/または一般式(IV)で表される繰り返し単位を主たる繰返し単位とする共重合体である。その例としては、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体、あるいは2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールおよびo−クレゾールとの共重合体等が挙げられる。ポリフェニレンエーテルの中で、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが好ましい。特開昭63−301222号公報等に記載されている、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットや2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等を部分構造として含んでいるポリフェニレンエーテルは特に好ましい。
ポリフェニレンエーテルの還元粘度(単位dl/g、クロロホルム溶液、30℃測定)は、好ましくは0.25〜0.6の範囲、より好ましくは0.35〜0.55の範囲である。
本実施の形態においては、ポリフェニレンエーテルの一部または全部が不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性された変性ポリフェニレンエーテルを用いることができる。この変性ポリフェニレンエーテルは、特開平2−276823号公報(米国特許第5159027号明細書、米国特許第35695号明細書)、特開昭63−108059号公報(米国特許第5214109号明細書、米国特許第5216089号明細書)、特開昭59−59724号公報等に記載されている。変性ポリフェニレンエーテルは、例えばラジカル開始剤の存在下または非存在下において、ポリフェニレンエーテルに不飽和カルボン酸やその誘導体を溶融混練して反応させることによって製造される。あるいは、ポリフェニレンエーテルと、不飽和カルボン酸やその誘導体とをラジカル開始剤存在下または非存在下で有機溶剤に溶かし、溶液下で反応させることによって製造される。
不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ハロゲン化マレイン酸、シス−4−シクロヘキセン1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸などや、これらジカルボン酸の酸無水物、エステル、アミド、イミドなど、さらにはアクリル酸、メタクリル酸などや、これらモノカルボン酸のエステル、アミドなどが挙げられる。また、飽和カルボン酸であるが、変性ポリフェニレンエーテルを製造する際の反応温度でそれ自身が熱分解し、本実施の形態で用いる誘導体となり得る化合物も用いることができる。具体的にはリンゴ酸、クエン酸などが挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
通常、ジャンクションボックスはソーラーパネルの裏側等のような屋外に設置されることが多く、高温・多湿環境下であってもジャンクションボックスの物性が低下しないことが望まれる。かかる観点から、本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物としては、耐加水分解性に優れ、高温・多湿環境下での衝撃強度低下が少ない、変性ポリフェニレンエーテルを含む樹脂組成物がより好ましい。
ポリフェニレンエーテルは一般に粉体として入手でき、その好ましい粒子サイズは平均粒子径1〜1000μmであり、より好ましくは10〜700μm、特に好ましくは100〜500μmである。加工時の取り扱い性の観点から1μm以上が好ましく、溶融混練り未溶融物の発生を抑制するためには1000μm以下が好ましい。当該平均粒子径は、例えば100μm以下の場合はレーザー粒度計、それ以上の場合は振動篩により測定される。
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂にはスチレン系樹脂を含むことが可能である。スチレン系樹脂とは、スチレン系化合物、またはスチレン系化合物とスチレン系化合物に共重合可能な化合物とをゴム質重合体存在下または非存在下に重合して得られる重合体をいう。スチレン系化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられ、特に好ましいのはスチレンである。また、スチレン系化合物と共重合可能な化合物としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物類;無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられ、スチレン系化合物とともに使用される。共重合可能な化合物の使用量は、スチレン系化合物との合計量に対して20質量%以下が好ましく、さらに好ましくは15質量%以下である。
また、ゴム質重合体としては共役ジエン系ゴムあるいは共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体あるいはエチレン−プロピレン共重合体ゴム等が挙げられる。具体的にはポリブタジエンおよびスチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。また、ゴム質重合体としては、部分的に水素添加された不飽和度80〜20%のポリブタジエン、または1,4−シス結合を90%以上含有するポリブタジエンを用いることが特に好ましい。該スチレン系樹脂の具体例としては、ポリスチレンおよびゴム補強ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)およびアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、その他のスチレン系共重合体等が挙げられる。特にポリスチレンおよび部分的に水素添加された不飽和度80〜20%のポリブタジエンを用いたゴム補強ポリスチレンの組合せが好ましい。
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物において、好ましいスチレン系樹脂はホモポリスチレンであり、アタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレンのどちらも使用できる。ゴム変性ポリスチレンは、熱可塑性樹脂組成物の耐熱エージング性が劣るため添加しないことが好ましい。
スチレン系樹脂の含有量は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部において、0〜20質量部の範囲、好ましくは0〜10質量部の範囲である。
ここで、スチレン系樹脂は、ポリフェニレンエーテルの一部を置き換える形で用いられ、スチレン系樹脂の含有量分だけポリフェニレンエーテルは減じられることになる。
スチレン系樹脂の含有量が増えると熱可塑性樹脂組成物の流動性は向上し、スチレン系樹脂の含有量が、20質量部以下であると、熱可塑性樹脂組成物は耐熱性および難燃性に優れ、スチレン系樹脂が無添加の場合は特に熱可塑性樹脂組成物は耐熱性および耐熱エージング性に優れる。
二軸押出機を用いて本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物を製造するに際して、スチレン系樹脂は、前記ポリフェニレンエーテルと同じ上流側の供給口から同時供給することも可能であるが、押出機バレルの上流側から少なくとも40%以降のバレル(後段のバレル)から供給することが好ましい。スチレン系樹脂を後段のバレルから供給することにより、得られる熱可塑性樹脂組成物は耐熱エージング性に優れる。詳細は後述する製造方法において説明する。
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物において、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の含有量は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂および(B)水添ブロック共重合体の合計100質量部に対し、70〜85質量部の範囲であり、好ましくは、75〜85質量部である。(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の含有量が前記下限値以上であると、熱可塑性樹脂組成物の難燃性や耐熱温度が向上して、熱可塑性樹脂組成物の耐熱エージング特性が優れる。また、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の含有量が前記上限値以下であると、必然的に水添ブロック共重合体が適当量含まれるため、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が維持される。
[(B)水添ブロック共重合体]
本実施の形態に用いる(B)水添ブロック共重合体は、スチレンと共役ジエン化合物とのブロック共重合体すなわちポリスチレンブロックと共役ジエン化合物重合体ブロックとからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体である。
水素添加による共役ジエン化合物由来の不飽和結合の水添率は60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、更に好ましくは95%以上である。水素添加前のブロック共重合体の構造は、スチレンブロック鎖をS、ジエン化合物ブロック鎖をBと表すと、S−B−S、S−B−S−B、(S−B−)4−Si、S−B−S−B−S等を有する。また、ジエン化合物重合体ブロックのミクロ構造は任意に選ぶことができる。通常、ビニル結合量(1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合との合計)は、ジエン化合物重合体の結合全体に対し2〜60%、好ましくは8〜40%の範囲である。
(B)水添ブロック共重合体の数平均分子量は、好ましくは15万〜50万であり、より好ましくは15万〜35万であり、さらに好ましくは20万〜30万である。
(B)水添ブロック共重合体の数平均分子量が高いと熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性は向上し、(B)水添ブロック共重合体の数平均分子量が20万以上であると、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性がより優れる。(B)水添ブロック共重合体の数平均分子量が、50万以下であると、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性は充分であり、かつ熱可塑性樹脂組成物の溶融押出し時の負荷が低く加工流動性に優れ、(B)水添ブロック共重合体の熱可塑性樹脂組成物中への分散性にも優れる。(B)水添ブロック共重合体の数平均分子量を前記範囲内に制御する方法としては、例えば、触媒量、反応時間、温度を制御する方法が挙げられる。
本実施の形態で用いられる(B)水添ブロック共重合体は、少なくとも1個のスチレン重合体ブロック鎖が数平均分子量15,000以上であることが好ましい。より好ましくは20,000以上、さらに好ましくは30000以上、80,000以下である。特に好ましくは全てのスチレン重合体ブロック鎖の数平均分子量が15,000以上である。
なお、本実施の形態において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算の分子量を基準として算出された値である。
(B)水添ブロック共重合体のスチレン重合体ブロックが全共重合体に占める範囲は、スチレン重合体ブロック鎖の数平均分子量が上記の範囲であれば特に制限されないが、一般には10〜70質量%、より好ましくは20〜50質量%の範囲である。
(B)水添ブロック共重合体は、組成や構造の異なる2種以上を併用することもできる。例えば、結合スチレン重合体ブロック含有量50%以上の水添ブロック共重合体と結合スチレン重合体ブロック含有量30%以下の水添ブロック共重合体との併用や分子量の異なる水添ブロック共重合体の併用、あるいはスチレンと共役ジエンとのランダム共重合体ブロックを含有するブロック共重合体を水添して得られる水添ランダムブロック共重合体を併用することも可能である。
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物において、(B)水添ブロック共重合体の含有量は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂および(B)水添ブロック共重合体の合計100質量部に対して、15〜30質量部の範囲であり、15〜25質量部であることが好ましい。(B)水添ブロック共重合体の含有量が、15質量部以上であると、熱可塑性樹脂組成物の衝撃強度が優れ、30質量部以下であると、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が高く、且つ曲げ弾性率や曲げ強度などの剛性が優れる。30質量部を超えると、ポリフェニレンエーテル系樹脂と水添ブロック共重合体との相溶性が低下し、最終的に得られる成形体が層状に剥離を起こす場合がある。
(B)水添ブロック共重合体は、熱可塑性樹脂組成物中に粒子状に分散し、その重量平均粒子径が0.3〜1μmであることが好ましく、より好ましくは重量平均粒子径が0.4〜0.7μmである。当該重量平均粒子径が前記範囲内であると、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性および耐熱エージング性が優れる傾向にある。
なお、本実施の形態において、重量平均粒子径は、後述の実施例に記載の方法により測定した値である。
(B)水添ブロック共重合体の重量平均粒子径は、(B)水添ブロック共重合体の分子量やスチレンブロックの含有量、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の溶融粘度、溶融混練時の混練温度や酸素濃度、あるいは各成分の配合方法などによって調整することができる。通常(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂中に分散する(B)水添ブロック共重合体の重量平均粒子径は0.3μmよりも小さくなることが多いが、以下に例示するいくつかの手段(1)〜(7)を講じることによって、(B)水添ブロック共重合体の重量平均粒子径を0.3〜1μmとすることができる。
(1)数平均分子量が15万以上の水添ブロック共重合体を用いること。
(2)粘度の低い(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を用いる、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の可塑剤を配合する等により(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の溶融粘度を下げること。
(3)後述の(C)難燃剤として、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を可塑化する効果を有するリン酸エステル化合物を用いること。
(4)製造方法に記載のあるスクリュー構成とすること。
(5)前記リン酸エステル化合物を押出機の混練ゾーンよりも上流の位置で添加すること。
(6)(B)水添ブロック共重合体を溶融混練する際の混練温度を下げる。例えば、押出機の上流側から少なくとも30%までを50〜250℃とし、更に上流側から少なくとも30%以降のバレル温度を250〜320℃、好ましくは260〜300℃の範囲とすること。
(7)溶融混練時の酸素濃度を下げること。例えば、押出機の上流に設ける第1原料供給口における酸素濃度を15容量%以下とすること。
本実施の形態に用いる(B)水添ブロック共重合体は、数平均分子量が15万〜50万であり、且つ前記熱可塑性樹脂組成物中に粒子状に分散し、その重量平均粒子径が0.3〜1μmであることが好ましい。このような特性の水添ブロック共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性および耐熱エージング性が優れる傾向にある。
[(C)難燃剤]
本実施の形態で用いられる(C)難燃剤とは、無機難燃剤、シリコーン化合物、および有機リン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
無機難燃剤としては、例えば、合成樹脂の難燃剤として一般的に用いられている結晶水を含有する水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物、ホウ酸亜鉛化合物、スズ酸亜鉛化合物を挙げることができる。
シリコーン化合物としては、例えば、オルガノポリシロキサンまたはオルガノポリシロキサンを含む変性物が挙げられ、常温で液状或いは固体状を問わない。オルガノポリシロキサンの骨格構造は、線状構造、分岐構造どちらでもよいが、分子中に三官能性や四官能性構造を有することによる分岐構造さらには3次元構造を含むことが好ましい。主鎖や分岐した側鎖の結合基は、水素または炭化水素基であり、好ましくはフェニル基、メチル基、エチル基およびプロピル基であるが、その他の炭化水素基が使用されても構わない。末端結合基は、−OHまたはアルコキシ基、または炭化水素基のいずれも使用される。
一般に難燃剤として用いられるシリコーン化合物は、4種のシロキサン単位(M単位:R3SiO0.5、D単位:R2SiO1.0、T単位:RSiO1.5、Q単位:SiO2.0)のいずれかが重合してなるポリマーであることが好ましい。本実施の形態において使用される好ましいオルガノポリシロキサンは、4種のシロキサン単位の合計量の中、式RSiO1.5で示されるシロキサン単位(T単位)を60モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは100モル%有し、使用する全シリコーン化合物において、前記Rで示される全シロキサン単位中の結合炭化水素基は少なくとも60モル%、さらに好ましくは80モル%以上がフェニル基を有するものである。これらのオルガノポリシロキサンは、結合基がアミノ基、エポキシ基、メルカプト基その他の変性基で置換された変性シリコーンも使用される。また、オルガノポリシロキサンをシリカや炭酸カルシウム等の無機充填剤に化学吸着或いは物理吸着させた変性物も使用できる。
有機リン化合物としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物などが挙げられる。リン酸エステルは、難燃性を向上させるために添加されるものであり、難燃剤として一般的に用いられる有機リン酸エステルであればいずれも用いることができる。
リン酸エステル化合物の具体例としては、トリフェニルフォスフェート、トリスノニルフェニルフォスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルフォスフェート)、レゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、2,2−ビス{4−[ビス(フェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−[ビス(メチルフェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパン等が挙げられるがこれらに制限されることはない。さらに上記以外にリン系難燃剤としては、例えばトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェートなどのリン酸エステル系難燃剤、ジフェニル−4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモベンジルホスフォネート、ジメチル−4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモベンジルホスフォネート、ジフェニル−4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモベンジルホスフォネート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、ビス(2、3−ジブロモプロピル)−2、3−ジクロロプロピルホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、およびビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェートハイドロキノニルジフェニルホスフェート、フェニルノニルフェニルハイドロキノニルホスフェート、フェニルジノニルフェニルホスフェートなどのモノリン酸エステル化合物、および芳香族縮合リン酸エステル化合物などが挙げられる。
これらの中、加工時のガス発生が少なく、熱安定性などに優れることから芳香族縮合リン酸エステル化合物が好適に用いられる。
これらの芳香族縮合リン酸エステル化合物は、一般に市販されており、例えば、大八化学工業(株)のCR741、CR733S、PX200、PX202、(株)ADEKAのFP600、FP700、FP800などが知られている。
本実施の形態に用いる難燃剤として、好ましいのは、下記一般式(I)または下記一般式(II)で示されるリン酸エステル系化合物(縮合リン酸エステル)である。特に好ましいのは、下記一般式(I)で示されるリン酸エステル系化合物(縮合リン酸エステル)である。
Figure 2012111628
Figure 2012111628
(一般式(I)および(II)中、Q1、Q2、Q3およびQ4は、各々置換基であって各々独立に炭素数1から6のアルキル基を表し、R1およびR2は各々メチル基を表し、R3およびR4は各々独立に水素原子またはメチル基を表し、nは1以上の整数であり、n1およびn2は各々独立に0から2の整数を示し、m1、m2、m3およびm4は各々独立に0から3の整数を示す。)
上記一般式(I)および(II)で示される縮合リン酸エステルは、それぞれの分子において、nは1以上の整数、好ましくは1から3の整数である。
上記一般式(I)および(II)で示される縮合リン酸エステルにおいて、好ましい縮合リン酸エステルは、式(I)におけるm1、m2、m3、m4、n1およびn2がゼロであって、R3およびR4がメチル基である縮合リン酸エステル、または式(I)におけるQ1、Q2、Q3、Q4、R3およびR4がメチル基であり、n1およびn2がゼロでありm1、m2、m3およびm4が1から3の整数の縮合リン酸エステルであって、nの範囲が1から3の整数、特にnが1であるリン酸エステルを50質量%以上含有するものが好ましい。また、一般式(I)および(II)で示されるリン酸エステル系化合物が、nが異なる化合物の混合物である場合、該混合物全体のnの平均値は1以上である。
これらの芳香族縮合リン酸エステル化合物で特に好ましいのは、酸価が0.1以下(JIS K2501に準拠して得られた値)の芳香族縮合リン酸エステル化合物である。
また、ホスファゼン化合物としては、フェノキシホスファゼンおよびその架橋体が好ましく、特に好ましいのは、酸価が0.1以下(JIS K2501に準拠して得られた値)のフェノキシホスファゼン化合物である。
(C)難燃剤の含有量は、必要な難燃性レベルにより異なるが、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂および(B)水添ブロック共重合体の合計100質量部に対して、5〜30質量部の範囲であり、好ましくは15〜25質量部の範囲である。(C)難燃剤の含有量が、5質量部以上であると、熱可塑性樹脂組成物の難燃性が優れ、30質量部以下であると、熱可塑性樹脂組成物の難燃性が充分であり、30質量部を超えると熱可塑性樹脂組成物の耐熱性を低下させる場合がある。
[ポリオレフィン]
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物において、上述した水添ブロック共重合体の一部をポリオレフィンに置き換えることができる。この場合、熱可塑性樹脂組成物における(B)成分の含有量は、上述した水添ブロック共重合体とポリオレフィンとの合計含有量とする。上述した水添ブロック共重合体の一部をポリオレフィンに置き換えることにより、熱可塑性樹脂組成物の成形時の離型性が改良される。
本実施の形態に用いられるポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体あるいはエチレン−アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。中でも好ましいのは、低密度ポリエチレンおよびエチレン−プロピレン共重合体である。エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体あるいはエチレン−アクリル酸エステル共重合体は、一般に非晶性もしくは低結晶性の共重合体である。これらの共重合体には、さらに性能に影響を与えない範囲でその他のモノマーが共重合されていてもよい。エチレンとプロピレン、ブテンあるいはオクテンとの成分比率は、特に規定するものではないが、プロピレン、ブテンあるいはオクテンの成分は5〜50モル%の範囲が一般的である。これらのポリオレフィンは、2種以上を併用することもできる。
ポリオレフィンのMFRは、ASTM D−1238準じ、シリンダー温度230℃で測定した値が0.1〜50g/10分が好ましく、より好ましくは0.2〜20g/10分である。
ポリオレフィンの添加量は、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂および前記水添ブロック共重合体の合計100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ましく、更に好ましくは0.1〜6質量部、より好ましくは0.5〜2質量部の範囲である。ポリオレフィンの添加量が、0.05質量部以上であると、離型効果を発揮し、10質量部以下であると、剥離の問題もなく機械特性に優れる。
[熱安定剤]
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物には、熱安定剤を添加することが好ましい。熱安定剤の添加により熱可塑性樹脂組成物の熱劣化を抑制し、耐衝撃性だけでなく、耐熱エージング性も向上する。
熱安定剤は、熱可塑性樹脂組成物の製造、成形加工および使用時の熱または光暴露により生成したハイドロパーオキシラジカル等の過酸化物ラジカルを安定化したり、生成したハイドロパーオキサイド等の過酸化物を分解するための成分である。その例は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤やホスファイト系過酸化物分解剤である。前者は、ラジカル連鎖禁止剤として、後者は系中に生成した過酸化物をさらに安定なアルコール類に分解して自動酸化を防止する。
前記熱安定剤としてのヒンダードフェノール系熱安定剤(酸化防止剤)の具体例は、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、アルキレイテッドビスフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキシスピロ〔5・5〕ウンデカン等である。
前記熱安定剤としての過酸化物分解剤の具体例は、トリスノニルフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト等のホスファイト系熱安定剤(過酸化物分解剤)またはジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3'−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール等の有機イオウ系熱安定剤(過酸化物分解剤)である。
本実施の形態においては、酸化防止剤としてのヒンダードフェノール系熱安定剤と過酸化物分解剤としてのホスファイト系や有機イオウ系熱安定剤とを併用することが効果的である。
また、他の熱安定剤として、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫化亜鉛などの金属酸化物または硫化物を上記熱安定剤と併用して用いることも可能である。
熱安定剤の合計添加量は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂および(B)水添ブロック共重合体の合計100質量部に対して、0.1〜3質量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜2質量部、より好ましくは0.3〜2質量部の範囲で用いられる。熱安定剤の合計添加量が、0.1質量部以上で熱安定性効果を発揮し、3質量部で熱安定性効果は飽和する。そのため、熱安定剤の合計添加量を3質量部以下とすることが経済的に好ましい。
[紫外線吸収剤、光安定剤]
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物には、紫外線吸収剤および/または光安定剤を添加することが好ましい。これらの添加剤により熱可塑性樹脂組成物の耐光性を向上できるだけでなく、熱可塑性樹脂組成物の耐熱エージング性も向上する。
本実施の形態で用いられる紫外線吸収剤は、一般に市販されているものを使用でき、好ましいのはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である。具体例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス{4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール}、6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−t−オクチル−6’−t−ブチル−4’−メチル−2,2’−メチレンビスフェノール等が挙げられる。
本実施の形態で用いられる光安定剤は、一般に市販されているものを使用でき、好ましいのはヒンダードアミン系光安定剤である。具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ペピリジル)セバケート、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ペピリジル)セバケート、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルペピリジンとの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ペピリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ペピリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンと2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ペピリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2,3,4−テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ペピリジル)−ブタンテトラカルボキシレート、1,4−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ペピリジル)−2,3−ブタンジオン、トリス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ペピリジル)トリメリテート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ペピリジル―n−オクトエート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ペピリジルステアレート、4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルペピリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ペピリジニル)セバケート、2−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ペピリジル)等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤、光安定剤単独または2種以上を併用することができる。
本実施の形態においては、光安定剤と紫外線吸収剤とを併用することにより、熱可塑性樹脂組成物の耐光変色性が一段と向上し、更にまた熱可塑性樹脂組成物の耐熱エージング性が改善される。
光安定剤と紫外線吸収剤との質量比率(光安定剤/紫外線吸収剤)は、好ましくは1/99〜99/1の範囲、より好ましくは95/5〜95/5、さらに好ましくは50/50〜90/10である。また、紫外線吸収剤および光安定剤の合計添加量は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂および(B)水添ブロック共重合体の合計100質量部に対して、0.05〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部の範囲である。紫外線吸収剤および光安定剤の合計添加量が、0.05質量部以上で耐光性効果を発揮し、5質量部で耐光性効果は飽和する。そのため、紫外線吸収剤および光安定剤の合計添加量を5質量部以下とすることが経済的に好ましい。
[その他の添加剤]
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物には、更にエポキシ化合物を併用添加できる。それによって、熱可塑性樹脂組成物の耐光変色性が一段と向上し、更にまた熱可塑性樹脂組成物の耐熱エージング性が改善される。エポキシ化合物としては、エポキシ基を有する化合物であればよいが、好ましいのはオキシラン酸素を3%以上有するエポキシ化油脂やエポキシ化脂肪酸エステルなどの一般に熱可塑性合成樹脂の可塑剤として用いられる脂肪族エポキシ化合物であり、より好ましくはエポキシ化油脂であり、特に好ましいエポキシ化合物はオキシラン酸素を6%以上有するエポキシ化大豆油である。エポキシ化合物の添加量は、熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは0.01〜3質量部、より好ましくは0.1〜2質量部の範囲である。
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物には、更に他の特性を付与するため、あるいは本発明の効果を損なわない範囲で一般的に使用される他のプラスチック添加剤、例えばポリテトラフロロエチレンなどの燃焼時の滴下防止剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、染顔料、プラスチック用各種無機充填剤、あるいはその他の樹脂を添加することができる。
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物には、更に他のポリマーやオリゴマーを添加できる。例えば、流動性改良剤としての石油樹脂、テルペン樹脂およびその水添樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂、あるいは難燃性を改善するためのシリコーン樹脂やフェノール樹脂などが上げられる。
[熱可塑性樹脂組成物の製造方法]
本実施の形態の太陽光発電モジュール用接続構造体に用いられる熱可塑性樹脂組成物は、原料成分を押出機で溶融混練することにより得られることが好ましい。溶融混練の条件は、用いる樹脂種によって適宜調整可能であるが、本実施の形態に用いられる熱可塑性樹脂組成物を得るのに好ましい製造方法について、以下詳述する。
用いる押出機は、異方向回転または同方向回転の二軸押出機が好適である。
以下、本実施の形態の太陽光発電モジュール用接続構造体に用いられる熱可塑性樹脂組成物を得るための好ましい製造方法について詳述する。
(1)スクリュー構成
押出機、例えば二軸押出機を用いて原料成分を溶融混練することにより熱可塑性樹脂組成物を得る際、前記押出機の構成が、上流側から順に、熱可塑性樹脂を溶融させない未溶融混練ゾーン(搬送ゾーン)、および溶融混練ゾーン(ニーディングゾーン)を設けた構成であることが好ましい。
前記未溶融混練ゾーンは、前記押出機のバレル全長を100%としたときに、少なくとも約45%であることが好ましく、45〜75%であることがより好ましく、50〜75%であることがさらに好ましい。
前記未溶融混練ゾーンのスクリュー構成は、順送り(正ネジ)スクリューエレメントおよび順送り(位相45度以下)ニーディングディスクエレメント(Rと表示)から構成されることが好ましい。
前記未溶融混練ゾーンの後の溶融混練ゾーンのスクリュー構成は、直交(位相90度)ニーディングディスクエレメント(Nと表示)、逆送り(負位相45度以下)ニーディングディスクエレメント(Lと表示)、および逆送り(逆ネジ)スクリューエレメント(Lsと表示)からなる群より選択される少なくとも1種のエレメントを含むスクリュー構成であることが好ましく、さらに順送り(位相45度以下)ニーディングディスクエレメントを含むスクリュー構成であることがより好ましい。また、溶融混練ゾーンのスクリュー構成は、順送り(位相45度以下)ニーディングディスクエレメントを含めて少なくとも2種以上のエレメントを組み合わせたスクリュー構成とすることが特に好ましい。
このようなスクリュー構成にすることにより耐熱エージング性に著しく優れた熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
なお、未溶融混練ゾーンおよび溶融混練ゾーンにおいて、各エレメントは1個単独で用いてもよく、2個以上を併用してもよい。
更に、溶融混練ゾーンの後には溶融した樹脂から揮発成分や分解物を除去するための真空脱気ゾーンを設けることが好ましい。真空脱気ゾーンのスクリューには二条の正ネジスクリューなどの送りスクリューエレメントを用いてシェアが掛かりにくいスクリュー構成とすることが好ましい。
(2)混練条件
押出機のスクリュー回転数は、各原料成分の混練性と得られる熱可塑性樹脂組成物の耐熱エージング性の観点から、150〜600rpmにすることが好ましく、より好ましく200〜500rpm、更に好ましくは300〜450rpmである。
押出機のバレル温度は、上流側から少なくとも30%までを50〜250℃とし、更に上流側から少なくとも30%以降、好ましくは50%以降、より好ましくは75%以降のバレル温度を250〜320℃、好ましくは260〜300℃の範囲とすることが好ましい。バレル設定温度を上記の設定温度とした場合に、各原料成分、特に水添ブロック共重合体などのエラストマー成分の熱劣化を抑えることができ、かつ充分に混練されることから、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐熱エージング性や耐低温衝撃性が優れる。
押出機の上流に設ける第1原料供給口における酸素濃度は、10容量%以下とすることが好ましく、さらに好ましくは5容量%以下である。また、各原料成分の供給装置は、低酸素濃度の不活性ガス雰囲気下で供給可能な装置が好ましい。押出機バレルの途中から副原材料を供給する場合も同様である。酸素濃度を10容量%以下に保持した場合に、各原料成分、特に水添ブロック共重合体などのエラストマー成分の熱劣化を抑えることができ、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐熱エージング性に優れ、5容量%以下に保持した場合には、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐熱エージング性が著しく優れる。
押出機のダイ出口から押出される熱可塑性樹脂組成物の温度(以下「樹脂温度」とも記す。)は360℃以下であることが好ましい。樹脂温度を360℃以下にすることによって、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性の低下および耐熱エージング性の低下を抑制でき、樹脂温度を、好ましくは300〜350℃、より好ましくは310〜340℃にする。樹脂温度を300℃未満にすることにより、更に熱可塑性樹脂組成物の耐熱エージング性は向上すると推定されるが現実的には困難である。
樹脂温度を360℃以下にするためには、熱可塑性樹脂組成物の量比や種類に応じて、未溶融混練ゾーンと溶融ゾーンとの長さ、スクリュー構成、バレル設定温度、スクリュー回転数を調整する。
(3)各原料成分の供給方法
熱可塑性樹脂や水添ブロック共重合体などのエラストマー成分は、上流の第1供給口から、場合によってはその一部を途中の供給口から押出機内に供給し、難燃剤は、最上部の第1供給口および/または押出機途中の第2または第3供給口から押出機内に供給することが好ましい。難燃剤は、前記未溶融混練ゾーンより供給することがより好ましい。原料成分として、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(B)水添ブロック共重合体および(C)難燃剤を用いる場合には、前記押出機の未溶融混練ゾーンにおいて、(C)難燃剤の供給位置が(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の供給口より下流側であることが特に好ましい。このような方法で供給することにより、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の溶融粘度が制御でき、(B)水添ブロック共重合体の重量平均粒子径を好ましい範囲に制御することができることから、耐低温衝撃性および難燃性に優れた熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。したがって、本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物は、前記押出機の未溶融混練ゾーンにおいて、(C)難燃剤を(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の供給口より下流側に供給して溶融混練することにより得られる熱可塑性樹脂組成物であることが好ましい。
また、(C)難燃剤が液体の場合、(C)難燃剤の供給位置が(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の供給口より下流側であることが好ましいが、(C)難燃剤が固体の場合、(C)難燃剤の供給位置が(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の供給口と同じであってもよい。
特に、(C)難燃剤を配合する場合は、その供給方法や供給位置が重要である。好ましい供給手段としては、(1)難燃剤を熱可塑性樹脂とともに第1原料供給口から供給する方法、(2)熱可塑性樹脂を押出機の上流側にある第1原料供給口から供給後、第1原料供給口より下流側の未溶融混練ゾーンに設けた第2原料供給口から供給する方法などが挙げられる。特に、液体の難燃剤を第2原料供給口より供給する場合は、第2原料供給口の下流側に順送り(位相45度以下)ニーディングディスクエレメント(Rと表示)を設け、熱可塑性樹脂と液体の難燃剤とを混合することが好ましい。
液体の難燃剤をサイドフィードする方法としては、ギアポンプ、プランジャーポンプ等を使って、押出機のサイドに注入ノズルからフィードする方法が挙げられる。
上記のような製造方法によって得られる熱可塑性樹脂組成物は耐低温衝撃性と難燃性とに優れており、これを用いることにより得られる太陽光発電モジュール用接続構造体が、薄肉化・小型化という市場の要求に応えることができる。
[熱可塑性樹脂組成物粉砕品等]
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物は、成分(A)〜(C)を前記範囲で含み、上述した特性を満たしていれば、太陽光発電モジュール用接続構造体を粉砕することにより得られる熱可塑性樹脂組成物(以下「熱可塑性樹脂組成物粉砕品」とも記す。)を含んでいてもよい。
本実施の形態の太陽光発電モジュール用接続構造体に用いる熱可塑性樹脂組成物は、熱安定性、耐湿性等に優れる特性をもっていることから、該接続構造体を粉砕して得られる熱可塑性樹脂組成物粉砕品を用いた場合においても、太陽光発電モジュール用接続構造体としての必要な性能を保持することができる。
このため接続構造体や接続構造体を成型する際に発生するランナー等の不要となった熱可塑性樹脂組成物を、粉砕機などを用いて粉砕した熱可塑性樹脂組成物粉砕品が後述の実施例に記載の評価方法により測定した各特性値が上述した特定の範囲を満たしている場合、前記樹脂組成物粉砕品を太陽光発電モジュール用接続構造体として好適に用いることができる。
熱可塑性樹脂組成物粉砕品を用いて得られる接続構造体は、成形条件により性能が変わるが、通常350℃以下で成形した接続構造体を用いることが好ましい。
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物において、熱可塑性樹脂組成物粉砕品の含有量は接続構造体の要求性能および熱可塑性樹脂組成物粉砕品の性能により任意の比率で用いることができる。例えば、未成形の熱可塑性樹脂組成物ペレット100重量部に対して、熱可塑性樹脂組成物粉砕品100重量部以下とすることが好ましく、より好ましくは50重量部以下、さらに好ましくは25重量部以下である。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
実施例および比較例で用いた各成分は以下のものである。
[(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂]
(PPE)
ポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル:旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「ザイロン S201A」
(PS)
ホモポリスチレン:PSジャパン(株)製、商品名「PSJ−ポリスチレン 685」
(HIPS)
ハイインパクトポリスチレン:PSジャパン(株)製、商品名「PSJ−ポリスチレン H9302」
[(B)水添ブロック共重合体]
以下のスチレン−ブタジエンブロック共重合体(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンの結合構造)を水素添加して得られた水添ブロック共重合体(ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンの結合構造)を用いた。
(SEBS−1)
数平均分子量約250,000、スチレン重合体ブロック約33質量%、ブタジエンユニットの水素添加率98%以上の水添ブロック共重合体:Kraton Polymers LLC製、商品名「クレイトン G1651」
(SEBS−2)
数平均分子量約80,000、スチレン重合体ブロック約60質量%、ブタジエンユニットの水素添加率98%以上の水添ブロック共重合体:クラレ(株)製、商品名「セプトン 8104」
(SEBS−3)
数平均分子量約80,000、スチレン重合体ブロック約30質量%、ブタジエンユニットの水素添加率98%以上の水添ブロック共重合体:Kraton Polymers LLC製、登録商標「クレイトン G1650」
なお、本実施例において、(B)成分の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算の分子量を基準として算出した。
[(C)難燃剤]
以下のリン酸エステル難燃剤を用いた。
(FR−1)
ビスフェノールA系縮合リン酸エステル:大八化学(株)製、商品名「CR−741」
以下の化学式にて、n=1のものが主成分(液体クロマトグラフィー分析による面積比で約85%)のリン化合物。
Figure 2012111628
(FR−2)
ビフェール系縮合リン酸エステル:(株)ADEKA製、商品名「アデカスタブ FP−800」
以下の化学式にて、N=1のものが主成分(液体クロマトグラフィー分析による面積比で約85%)のリン化合物。
Figure 2012111628
(FR−3)
レゾルシノール系縮合リン酸エステル:大八化学(株)製、商品名「CR−733S」
以下の化学式が主成分(液体クロマトグラフィー分析による面積比で約70%)のリン化合物。
Figure 2012111628
[(B’)ポリオレフィン]
(LDPE)
低密度ポリエチレン:旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「サンテックLD M2004」
(EP)
エチレン−αオレフィン共重合体:三井化学(株)製、商品名「タフマー P−0680J」
[(D)熱安定剤]
(STB−1)
酸化亜鉛/硫化亜鉛を1/1の比率でブレンドした混合物
(STB−2)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤:豊通ケミプラス(株)製、商品名「IRGANOX 565」
(STB−3)
ホスファイト系酸化防止剤:ADEKA(株)製、商品名「アデカスタブ PEP36」
[(E)紫外線吸収剤、光安定剤]
(BTA)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:城北化学(株)製、商品名「JF−77P」
(HALS)
ヒンダードアミン系光安定剤:城北化学(株)製、商品名「JF−90」
[ポリカーボネート系樹脂]
ポリカーボネート樹脂:サビックイノベーティブプラスチック(株)製、商品名「レキサンEXL9330」
実施例および比較例で得られた樹脂組成物の特性評価は、以下の方法および条件で行った。
(試験片の作成)
実施例および比較例で得られた樹脂組成物ペレットを100℃で2時間乾燥した。乾燥後の樹脂組成物ペレットから、東芝機械(株)製IS−100GN型射出成形機(シリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設定)を用いて、ISO−15103に準じて試験片を作成した。
(1)シャルピー衝撃強度
ISO−179に準拠し、上記試験片の中央にノッチ(切り欠き)を付けて、ノッチ付きシャルピー衝撃試験片を作成した。該ノッチ付きシャルピー衝撃試験片について、耐衝撃性評価として、ISO−179に準拠し、23℃および−40℃におけるシャルピー衝撃強度を測定した。
(2)耐熱エージング特性
ISO−179に準拠し、上記試験片の中央にノッチ(切り欠き)を付けて、ノッチ付きシャルピー衝撃試験片を作成した。該ノッチ付きシャルピー衝撃試験片について、120℃に設定した空気循環オーブン内で500時間および1000時間の熱エージングを実施した後、室温23℃、湿度50%の状態に24時間放置後、ISO−179に準拠し、23℃におけるシャルピー衝撃強度を測定して、耐衝撃性の変化の程度(熱エージング前のシャルピー衝撃強度に対する保持率)を算出した。
(3)曲げ弾性率
上記試験片を用い、ISO−178に準拠し、曲げ弾性率を、2mm/分にて測定した。
(4)ビカット軟化温度
上記試験片を用い、耐熱性評価として、ISO−306に準拠し、ビカット軟化温度(以下、「VSP」とも記す。)を10N下にて測定した。
(5)難燃性
実施例および比較例で得られた樹脂組成物を、東芝機械(株)製IS−100GN型射出成形機(シリンダー温度を300℃、金型温度を80℃に設定)にて成形することにより、燃焼試験用試験片を作成した。UL規格のUL−94に規定されている垂直燃焼試験に基づき、0.75mmおよび2.5mm厚みの前記試験片を用いて燃焼試験を行った。試験片5本について、接炎を各2回、合計10回行い、消炎時間の平均秒数および最大秒数を測定し、以下のとおりランク付けした。該ランクについて難燃性の高いものから順にV−0、V−1、V−2、notVとした。
(ランク)
5本一組の試験で、合計10回の燃焼時間を測定して、いずれの燃焼時間も10秒以内であり、10回の燃焼時間の合計が50秒以内(平均燃焼時間5.0秒以内)であり、且つ、滴下物が綿着火をおこさなかったものが「V−0」、いずれの燃焼時間も30秒以内であり、10回の燃焼時間の合計が250秒以内(平均燃焼時間25.0秒以内)であり、且つ、滴下物が綿着火をおこさなかったものが「V−1」、いずれの燃焼時間も30秒以内であり、10回の燃焼時間の合計が250秒以内(平均燃焼時間25.0秒以内)であり、且つ、滴下物が綿着火をおこしたものが「V−2」、この評価基準以下のものを「notV」とした。
(6)耐高温高湿試験
ISO−179に準拠し、上記試験片の中央にノッチ(切り欠き)を付けて、ノッチ付きシャルピー衝撃試験片を作成した。該ノッチ付きシャルピー衝撃試験片について、85℃、相対湿度85%に設定した高温高湿槽内で2000時間の熱エージングを実施した後、室温23℃、湿度50%の状態に24時間放置後、ISO−179に準拠し、23℃におけるシャルピー衝撃強度を測定して、耐衝撃性の変化の程度(エージング前のシャルピー衝撃強度に対する保持率)を算出した。
(7)電気特性(CTI)
UL 746A(ASTM D3638)に準拠し、日立化成工業(株)製、耐トラッキング試験機 HAT−500−3型の装置を用いて、耐トラッキング試験を行った。なお試験片は65mm×90mm×3.0mm(厚み3.0mm)とし、射出成形機(東芝機械製:IS100GN)を用いて、実施例および比較例で得られた樹脂組成物を成形して得た。該試験片を用いて以下のとおり耐トラッキング試験を行った。
試験片をHAT−500−3型の装置にセットし、試験片表面に接触させた二本の電極によって100〜600Vの電圧を25V刻みにて印加し、その電極間に0.1%塩化アンモニウム水溶液を30秒毎に滴下した。そして、試験片に0.1A以上の電流が0.5秒間以上通電(絶縁破壊)するまでの塩化アンモニウム水溶液の滴下回数を測定した。
5回の耐トラッキング試験を行い、塩化アンモニウム水溶液の滴下回数の平均値が50滴未満となる電圧を測定した。得られた電圧により、以下のとおり比較トラッキング指数(CTI)0〜5のクラスに分類し、電気特性を評価した。
(クラス)
0V以上〜100V未満 :クラス5
100V以上〜175V未満 :クラス4
175V以上〜250V未満 :クラス3
250V以上〜400V未満 :クラス2
400V以上〜600V未満 :クラス1
600V以上 :クラス0
(8)耐アンモニア性試験
上記試験片の作成にしたがって、ISO−527に準じた引っ張り試験片を作成した。該試験片を23℃の25質量%アンモニア水溶液に24時間浸漬後、試験片を取り出して試験片表面の溶解状態を目視観察して耐アンモニア性の優劣を以下の基準で判定した。
(基準)
試験片が全く溶解しなかった:A(優)
試験片が僅かに溶解した :B(良)
試験片が著しく溶解した :C(不良)
(9)剥離性試験
上記試験片の作成にしたがって、ISO−527に準じた引っ張り試験片を作成した。該試験片を室温23℃、湿度50%の状態に24時間放置後、試験片の折り曲げ試験(試験片を曲げる戻すを繰り返す)を実施して破断させ、破断面の層状剥離の程度を目視観察して、以下の基準で判定した。
(基準)
破断面に層状の剥離が全く発生しなかった :A(優)
破断面に層状の剥離が僅かに発生した :B(良)
破断面に層状の剥離が著しく発生した :C(不良)
(10)重量平均粒子径の測定
実施例および比較例で得られた樹脂組成物中に分散した(B)水添ブロック共重合体の粒子径を以下のとおり測定した。
上記シャルピー衝撃試験片から超薄切片を作成し、該超薄切片について、四酸化ルテニウムで染色後、透過型電子顕微鏡写真を撮影した。25,000倍の前記写真を用いて、樹脂組成物中に分散した各(B)水添ブロック共重合体の粒子径を測定した。該測定値から、以下のとおり(B)水添ブロック共重合体の重量平均粒子径を算出した。この際、分散粒子の形状は不規則であるため、それぞれの分散粒子径は面積が相当の円を想定記入し、その直径を読み取ることで代用した。
25,000倍の前記写真において、直径1mm以上の分散粒子を数えることとし、読み取りレンジは、1−2mm、2−3mm、3−5mm、5−7mm、7−10mm、10−14mm、14−18mm、18−22mmとした。読み取りレンジ毎の中心径(Di)は、それぞれ0.06μm、0.10μm、0.16μm、0.24μm、0.34μm、0.48μm、0.64μm、0.80μmに相当する。
読み取りレンジの各中心径(Di)および個数(Ni)から、下式により重量平均粒子径を算出した。
重量平均粒子径(μm)=Σ[(Di)4×(Ni)]/Σ[(Di)3×(Ni)]
(11)耐熱温度(DTUL)
ISO−15103に準じて作成した上記試験片を用い、耐熱性評価として、ISO−75−2に準拠し、1.80Pa下にてフラットワイズでの試験により耐熱温度(DTUL)を測定した。
(12)粉砕品の評価方法
実施例で得られた樹脂組成物ペレットを100℃で2時間乾燥した。乾燥後の樹脂組成物ペレットから、東芝機械(株)製IS−100GN型射出成形機(シリンダー温度を280℃〜360℃、金型温度を80℃に設定)を用いて、ISO−15103に準じて試験片を作成した。
作成した試験片を、ホーライ(株)製3HPMBC型粉砕機を用いて、2〜10mmに粉砕して樹脂組成物粉砕品を得た。
得られた樹脂組成物粉砕品を100℃で2時間乾燥した。乾燥後の樹脂脂組成物粉砕品から、東芝機械(株)製IS−100GN型射出成形機(シリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設定)を用いて、ISO−15103に準じて試験片を作成して、該試験片を用いて上記各試験方法により評価した。
[実施例1]
スクリュー直径58mm、バレル数13、減圧ベント口付二軸押出機(TEM58SS:東芝機械社製)を用いて、各成分を溶融混練し、押出されたストランドを冷却裁断して樹脂組成物ペレットを得た。なお、前記溶融混練する際の各成分の供給方法は以下のとおりとした。まず、(A)成分として、PPEを85質量部、(B)成分として、SEBS−1を15.0質量部、(D)成分として、STB−1を0.5質量部、(B’)成分として、LDPEを1.0質量部、押出機の流れ方向に対して上流側のバレル1にある第1供給口より供給した後に、(C)成分として、FR−1を20質量部、第1供給口より下流側のバレル5にある第2(液体)供給口よりギアポンプを使って押出機のサイドに注入ノズルから供給した。
次に、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表2に示す。
なお、上記二軸押出機のスクリュー構成等は、以下のとおりとした。
上記二軸押出機の構成は、上流側から順に、熱可塑性樹脂を溶融させない未溶融混練ゾーン(前段)、および溶融混練ゾーン(後段)を設けた構成とした。また、前記未溶融混練ゾーンは、前記押出機のバレル全長を100%としたときに、70%とした。前記溶融混練ゾーンのスクリュー構成は、上流側から順に、順送り(位相45度)ニーディングディスクエレメント(Rと表示)を2個、直交(位相90度)ニーディングディスクエレメント(Nと表示)を1個、逆送り(負位相45度)ニーディングディスクエレメント(Lと表示)を1個とした。前記未溶融混練ゾーンのスクリュー構成は、上流側から順に、順送りスクリューエレメント、順送り(位相45度)ニーディングディスクエレメント(Rと表示)を2個とした。また、未溶融混練ゾーンにおいて、(C)成分であるFR−1を第2供給口よりフィードし、当該(C)成分のフィード後に、順送り(位相45度)ニーディングディスクエレメント(Rと表示)を配置した。
真空脱気ゾーンをバレル11に設け、−900hPaで減圧脱気、(C)成分であるFR−1(リン酸エステル)を供給する第2供給口をバレル5に設け、バレル設定温度をバレル1:水冷、バレル2:100℃、バレル3〜6:200℃、バレル7:250℃、バレル8:270℃、バレル9〜13:280℃、ダイス:290℃として、スクリュー回転数350rpm、吐出量(押出レート)400kg/hrの条件で押出をした。
[実施例2〜10および比較例1〜5]
表1または表3に示す配合組成とした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表2または表4に示す。
[比較例6]
(C)成分を使用しないこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表4に示す。
[実施例11]
(C)成分として、FR−1に変えてFR−2とし、FR−2を第1供給口より他成分と一緒に供給した以外は、実施例2と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表6に示す。
[実施例12]
(C)成分として、FR−1に変えてFR−3とした以外は、実施例2と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表6に示す。
[実施例13]
表5に示す配合組成とした以外は、実施例2と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表6に示す。
[実施例14]
(B)成分であるSEBS−1と(B’)成分であるLDPEとの配合量を表5に示す量にした以外は、実施例13と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表6に示す。
[実施例15]
(B)成分として、表5に示す割合でSEBS−1の一部をSEBS−2に置換えた以外は、実施例13と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表6に示す。
[実施例16]
(B)成分として、表5に示す割合でSEBS−1の一部をSEBS−3に置換えた以外は、実施例13と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表6に示す。
[実施例17]
(B’)成分として、LDPEに変えてEPとした以外は、実施例13と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った評価結果を表6に示す。
[実施例18]
(D)成分として、表5に示す割合でSTB−1に変えてSTB−2およびSTB−3を使用した以外は、実施例13と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表6に示す。
[実施例19]
(E)成分として、表5に示す割合でBTAおよびHALSを追加した以外は、実施例13と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表6に示す。なお、(E)成分は第1供給口より供給した。
[実施例20]
(A)成分として、表5に示す割合でPPEの一部をPSに置き換えた以外は、実施例13と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表6に示す。
[比較例7]
(B)成分であるSEBS−1と(B’)成分であるLDPEとの配合量を表7に示す量にした以外は、実施例13と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表8に示す。
[比較例8]
(B)成分として、SEBS−1の一部とSEBS−3との配合量を表7に示す量にした以外は、実施例16と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表8に示す。
[比較例9]
(A)成分であるPPEとPSとの配合量を表7に示す量にした以外は、実施例13と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表8に示す。
[比較例10〜12]
表7に示す配合組成とした以外は、実施例2と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表8に示す。
[比較例13]
サビックイノベーティブプラスチック(株)製、商品名「レキサンEXL9330」について、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表8に示す。
[実施例21]
第1供給口の酸素濃度を8%に変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表10に示す。
[実施例22]
押出機のスクリュー構成等について、未溶融混練ゾーンを全バレル長の50%をとし、バレル設定温度をバレル1:水冷、バレル2:100℃、バレル3〜4:200℃バレル5:250℃、バレル6:270℃、バレル7〜13:280℃、ダイス:290℃とした以外は、実施例2と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表10に示す。
[実施例23]
スクリュー回転数を500rpmとした以外は、実施例22と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表10に示す。
[比較例14および15]
第1供給口の酸素濃度を表11に示す濃度に変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表12に示す。
[比較例16]
(C)成分であるFR−1の添加位置をPPE溶融後のバレル12とした以外は、実施例2と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表12に示す。
[比較例17]
(C)成分であるFR−1の添加位置をPPE溶融後のバレル12とした以外は、実施例22と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表12に示す。
[比較例18]
二軸押出機におけるスクリュー構成等について以下のとおり変更した以外は、実施例2と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表12に示す。
(二軸押出機におけるスクリュー構成等)
上記二軸押出機の構成は、上流側から順に、熱可塑性樹脂を溶融させない未溶融混練ゾーン(前段)、および溶融混練ゾーン(後段)を設けた構成とした。また、前記未溶融混練ゾーンは、前記押出機のバレル全長を100%としたときに、35%とした。前記溶融混練ゾーンのスクリュー構成は、順送り(位相45度)ニーディングディスクエレメント(Rと表示)を2個、直交(位相90度)ニーディングディスクエレメント(Nと表示)を1個、逆送り(負位相45度)ニーディングディスクエレメント(Lと表示)を1個とした。前記未溶融混練ゾーンのスクリュー構成は、順送りスクリューエレメントを用いた。前記溶融混練ゾーンの前半のスクリュー構成は、上流側から順に、順送り(位相45度)ニーディングディスクエレメント(Rと表示)を1個、直交(位相90度)ニーディングディスクエレメント(Nと表示)を1個、逆送り(負位相45度)ニーディングディスクエレメント(Lと表示)を1個とし、前記溶融混練ゾーンの後半のスクリュー構成は、順送り(位相45度)ニーディングディスクエレメント(Rと表示)を2個、直交(位相90度)ニーディングディスクエレメント(Nと表示)を1個、逆送り(負位相45度)ニーディングディスクエレメント(Lと表示)を1個とした。また、溶融混練ゾーンにおいて、(C)成分であるFR−1を第2供給口よりフィードし、該(C)成分をフィードした後に、前記溶融混練ゾーンの後半のスクリュー構成(順送り(位相45度)ニーディングディスクエレメント(Rと表示)を2個、直交(位相90度)ニーディングディスクエレメント(Nと表示)を1個、逆送り(負位相45度)ニーディングディスクエレメント(Lと表示)を1個)を配置した。
真空脱気ゾーンをバレル11に設け、−900hPaで減圧脱気、(C)成分であるFR−1(リン酸エステル)を供給する第2供給口をバレル9に設け、バレル設定温度をバレル1:水冷、バレル2:200℃、バレル3:250℃、バレル4〜13:280℃、ダイス:290℃としてスクリュー回転数350rpm、吐出量400kg/hrの条件で押出をした。
[比較例19]
スクリュー回転数を250rpmとした以外は、実施例22と同様にして樹脂組成物ペレットの製造を試みたが、押出ができず樹脂組成物ペレットが得られなかった。
[比較例20]
スクリュー回転数を650rpmとした以外は、実施例22と同様にして樹脂組成物ペレットを製造し、得られた樹脂組成物ペレットについて、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表12に示す。
[実施例24及び25並びに比較例21]
実施例2と同様にして製造した樹脂組成物ペレットを用い、シリンダー温度を表13に示す温度に設定した成形機にて粉砕用の試験片を作成した。次に粉砕用の試験片を粉砕して、樹脂組成物粉砕品を得た。得られた樹脂組成物粉砕品について、上記評価法にて評価を行った。評価結果を表13に示す。
Figure 2012111628
Figure 2012111628
Figure 2012111628
Figure 2012111628
Figure 2012111628
Figure 2012111628
Figure 2012111628
Figure 2012111628
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Figure 2012111628
Figure 2012111628
Figure 2012111628
Figure 2012111628
本出願は、2011年2月14日出願の日本特許出願(特願2011−028870号)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1 接続構造体
10 本体
12 蓋
102 太陽光発電モジュールの電線との接続部
104 外部接続ケーブルとの接続部
2 接続構造体
20 第1コネクタ
22 第2コネクタ
202、222 ソケット部
204 接続端子
206 ロック部
208、228 ケーブル
224 嵌合孔
226 ロック受け部

Claims (15)

  1. 太陽光発電モジュールと、前記太陽光発電モジュールに接続するためのケーブルとを、中継する太陽光発電モジュール用接続構造体であって、
    前記接続構造体が熱可塑性樹脂組成物を含み、
    前記熱可塑性樹脂組成物が、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(B)水添ブロック共重合体および(C)難燃剤を含み、
    前記熱可塑性樹脂組成物において、前記(A)および前記(B)の合計100質量部に対し、前記(A)の含有量が70〜85質量部であり、前記(B)の含有量が15〜30質量部であり、前記(C)の含有量が5〜30質量部であり、
    前記熱可塑性樹脂組成物の−40℃におけるシャルピー衝撃強度が15kJ/mより大きい、太陽光発電モジュール用接続構造体。
  2. 太陽光発電モジュールと、前記太陽光発電モジュールに接続するためのケーブルとを、中継する太陽光発電モジュール用接続構造体であって、
    前記接続構造体が熱可塑性樹脂組成物を含み、
    前記熱可塑性樹脂組成物が、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(B)水添ブロック共重合体および(C)難燃剤を含み、
    前記熱可塑性樹脂組成物において、前記(A)および前記(B)の合計100質量部に対し、前記(A)の含有量が70〜85質量部であり、前記(B)の含有量が15〜30質量部であり、前記(C)の含有量が5〜30質量部であり、
    前記熱可塑性樹脂組成物が、23℃の25質量%アンモニア水溶液に24時間浸漬後に溶解しない、太陽光発電モジュール用接続構造体。
  3. 前記(C)が、下記一般式(I)または(II)で示されるリン酸エステル系化合物である、請求項1または2に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
    Figure 2012111628
    Figure 2012111628
    (一般式(I)、(II)中、
    Q1、Q2、Q3およびQ4は、各々置換基であって各々独立に炭素数1から6のアルキル基を表し、
    R1およびR2は各々置換基であってメチル基を表し、
    R3およびR4は各々独立に水素原子またはメチル基を表し、
    nは1以上の整数を示し、
    n1およびn2は各々独立に0から2の整数を示し、
    m1、m2、m3およびm4は各々独立に0から3の整数を示す。)
  4. 前記(B)が、数平均分子量15万〜50万であり、かつ前記熱可塑性樹脂組成物中に粒子状に分散し、その重量平均粒子径が0.3〜1μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
  5. 前記熱可塑性樹脂組成物において、前記(A)および前記(B)の合計100質量部に対し、前記(A)の含有量が75〜85質量部であり、前記(B)の含有量が15〜25質量部である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
  6. 前記熱可塑性樹脂組成物において、前記(A)および前記(B)の合計100質量部に対し、前記(C)の含有量が15〜25質量部である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
  7. 前記熱可塑性樹脂組成物の0.75〜3.0mmの厚みにおけるUL−94規格の難燃レベルがランクV−1以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
  8. 前記熱可塑性樹脂組成物の0.75〜3.0mmの厚みにおけるUL−94規格の難燃レベルがランクV−0である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
  9. 前記熱可塑性樹脂組成物の120℃環境下で500時間静置後の23℃におけるシャルピー衝撃強度が20kJ/m以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
  10. 前記熱可塑性樹脂組成物の120℃環境下で500時間静置後の23℃におけるシャルピー衝撃強度の保持率が、該静置前の熱可塑性樹脂組成物の23℃におけるシャルピー衝撃強度に対して、50%以上である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
  11. 前記熱可塑性樹脂組成物の、温度85℃、相対湿度85%の環境下で、2000時間静置後の23℃におけるシャルピー衝撃強度の保持率が、該静置前の熱可塑性樹脂組成物の23℃における衝撃強度に対して、70%以上である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
  12. 前記熱可塑性樹脂組成物の3.0mmの厚みにおけるUL−746A(ASTM D3638)に基づく比較トラッキング指数(CTI)が2以下である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
  13. 前記熱可塑性樹脂組成物の3.0mmの厚みにおけるUL−746A(ASTM D3638)に基づく比較トラッキング指数(CTI)が1以下である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
  14. 前記太陽光発電モジュール用接続構造体が、太陽光発電モジュール用コネクタである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
  15. 前記熱可塑性樹脂組成物が、太陽光発電モジュール用接続構造体を粉砕することにより得られる熱可塑性樹脂組成物を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
JP2012557957A 2011-02-14 2012-02-13 太陽光発電モジュール用接続構造体 Pending JPWO2012111628A1 (ja)

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