JP2016110796A - 供受給電部品 - Google Patents

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浩之 河野
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和之 緒方
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Abstract

【課題】耐衝撃性と耐薬品性のバランスに優れた供受給電部品を提供すること。【解決手段】供受給電部品が、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対する、(B)ポリスチレン系樹脂0〜15質量部、(C)水添ブロック共重合体1〜25質量部である組成物からなる供受給電部品であって、(C)水添ブロック共重合体の下記(i)式で定義される分散相粒子係数が1.10〜1.55であり、かつ、平均肉厚が1.0mm〜3.0mmである部分を有する。分散相粒子係数=L/2D・・・・(i)(L:分散相粒子の平均円周長(μm)、D:分散相粒子の平均最大粒子径(μm))【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物を成形して得られる供受給電部品に関する。
近年、電気エネルギー分野において様々な用途で絶縁樹脂の採用が進んでいる。例えば太陽電池、燃料電池や蓄電池、電気自動車やLED照明、スマートメーターなど、多岐の用途で絶縁樹脂が使用されている。これらの用途に使用される樹脂に求められる特性としては絶縁性の他、優れた耐衝撃特性、耐薬品性、難燃性、機械的特性、耐水性、寸法安定性等が挙げられる。
従来の代表的な電気・電子部品用途向けの材料としては、ポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂が挙げられる。また、寸法精度に優れ非ハロゲン系難燃剤を用いたポリカーボネート(以下「PC」とも記す。)やポリフェニレンエーテル系樹脂(以下「PPE系樹脂」とも記す。)も用いられる。
これらの材料はその特徴を活かし、例えば供受給電部品のように電気の供給・受給を行うシステムの一部品として使用されている。供受給電部品の形状はさまざまであるが、代表的な形状としては雌雄対となる端子を勘合させることで電気的な接続が得られるコネクタの他、ダイオード、トランス、コンデンサ、半導体などの電子部品を収納する筐体や、これらを支持するシャーシ等があげられる。
こうした供受給電部品は防水・防塵機能を有し、収納されている電子部品を保護するとともに、該電子部品の発熱に対する耐熱強度が要求される。また成型加工の際には、薄肉化、形状の複雑化、金属部品との一体成型など、精密かつ高度な生産技術が用いられる。このような供受給電部品の一例としては、例えば、特許文献1に、耐低温衝撃性(−40℃におけるシャルピー衝撃強度)および長期耐熱性(厚み1.5mmにおける引張衝撃強度の定格温度)に優れた太陽光発電モジュール接続構造体が提案されている。
特開2010−123933号公報
上述の通り、供受給電部品として用いる樹脂成形体の生産技術は精密かつ高度なものとなっている。そのため樹脂組成物が持つ特性が実用部品において必ずしも発現されないことがある。例えば供受給電部品に求められる耐低温衝撃特性、耐薬品性が、供受給電部品を成形する際の成形条件によって制約を受けるなど、従来のように材料組成の改良だけでは解決できない問題が生じている。
具体的には、薄い成形品肉厚の場合、流動性が低いと樹脂充填圧力が不均一になり、必要な部位で耐低温衝撃特性を十分発現できず、また薬品浸漬時に極端な残留歪を生じてしまう問題がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、薄肉化、形状の複雑化した実用部品においても十分な耐低温衝撃特性、残留歪によるクラック解消(耐薬品性の向上)を達成できる供受給電部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、PPE系樹脂に特定の水添ブロック共重合体を添加した樹脂組成物を用いて、該水添ブロック共重合体の分散状態を制御することによって、高い耐低温衝撃特性を持ち、薬品浸漬時の残留歪によるクラック発生が解消された供受給電部品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対する、(B)ポリスチレン系樹脂0〜15質量部、(C)水添ブロック共重合体1〜25質量部である組成物からなる供受給電部品であって、
(C)水添ブロック共重合体の下記(i)式で定義される分散相粒子係数が1.10〜1.55であり、かつ、平均肉厚が1.0mm〜3.0mmである部分を有する、供受給電部品。
分散相粒子係数=L/2D・・・・(i)
(L:分散相粒子の平均円周長(μm)、D:分散相粒子の平均最大粒子径(μm))
[2]
前記組成物が、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、(D)難燃剤5〜20質量部をさらに含む、上記の[1]に記載の供受給電部品。
[3]
前記組成物が、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、(E)酸化チタンを0.1〜3質量部をさらに含む、上記の[1]または[2]に記載の供受給電部品。
[4]
(C)水添ブロック共重合体の前記分散相粒子係数が1.20〜1.55である、上記の[1]〜[3]のいずれかに記載の供受給電部品。
[5]
太陽電池用コネクタの構造部品である、上記の[1]〜[4]のいずれかに記載の供受給電部品。
[6]
底面とその四方を囲む壁面とを有する形状を有する太陽電池モジュール用ジャンクションボックスの構造部品である、上記の[1]〜[4]のいずれかに記載の供受給電部品。
[7]
電源アダプターの構造部品である、上記の[1]〜[4]のいずれかに記載の供受給電部品。
[8]
インバーター、またはコンバーターの構造部品である、上記の[1]〜[4]のいずれかに記載の供受給電部品。
本発明によれば、高い耐低温衝撃特性を持ち薬品浸漬時の残留歪によるクラックを大幅に低減した供受給電部品を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施の形態」という)について詳細に説明する。以下の本実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明はその要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
〈供受給電部品〉
−樹脂組成物−
本実施の形態の供受給電部品を構成する樹脂は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂および(C)水添ブロック共重合体を含み、更に任意に(B)ポリスチレン系樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物からなり、前記(A)成分の100質量部に対し、前記(B)成分の含有量が0〜15質量部であり、前記(C)成分の含有量が1〜25質量部であるが、これ以外の成分を含んでもよい。なお、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計質量は、組成物の50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%である。
−−(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂−−
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂とは、ポリフェニレンエーテル、または変性ポリフェニレンエーテルをいう。
ポリフェニレンエーテルは、下記一般式(1)および/または一般式(2)で表される繰り返し単位を有する単独重合体、あるいは共重合体であることが好ましい。
Figure 2016110796
Figure 2016110796
(一般式(1)および(2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は各々独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜9のアリール基またはハロゲン原子を表す。但し、R5、R6は同時に水素ではない。)
ポリフェニレンエーテルの単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテルの共重合体とは、一般式(1)および/または一般式(2)で表される繰り返し単位を主たる繰返し単位とする共重合体である。ここで「主たる繰り返し単位」とは、共重合体における繰り返し単位の50質量%以上が、その繰り返し単位であることをいうものとする。その例としては、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体、あるいは2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールおよびo−クレゾールとの共重合体等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテルとしては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが好ましい。特開昭63−301222号公報等に記載されている、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットや2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等を部分構造として含んでいるポリフェニレンエーテルは特に好ましい。
ポリフェニレンエーテルの還元粘度(単位dl/g、クロロホルム溶液、30℃測定)は、好ましくは0.25〜0.6の範囲、より好ましくは0.35〜0.55の範囲である。
なお、還元粘度は、ウベローデ粘度計を用いて、クロロホルム溶媒、30℃、0.5g/dl溶液で測定するものとする。
本実施の形態においては、ポリフェニレンエーテルの一部または全部が不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性された変性ポリフェニレンエーテルを用いることができる。この変性ポリフェニレンエーテルは、特開平2−276823号公報(米国特許5159027号、35695号)、特開昭63−108059号公報(米国特許5214109号、5216089号)、特開昭59−59724号公報等に記載されている。変性ポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンエーテルに不飽和カルボン酸やその誘導体を溶融混練して反応させることによって製造することができる。あるいは、ポリフェニレンエーテルと、不飽和カルボン酸やその誘導体とを有機溶剤中で反応させることによって製造することができる。その際、ラジカル開始剤を用いてもよい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ハロゲン化マレイン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸などの不飽和ジカルボン酸や、これら不飽和ジカルボン酸の酸無水物、エステル、アミド、イミドなどがあげられる。また、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸や、これら不飽和モノカルボン酸のエステル、アミドなどが挙げられる。
また、飽和カルボン酸であるが、変性ポリフェニレンエーテルを製造する際の反応温度でそれ自身が熱分解し不飽和カルボン酸となることで、本実施の形態で用いる誘導体となり得る化合物も用いることができる。具体的にはリンゴ酸、クエン酸などが挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
−−(B)ポリスチレン系樹脂−−
(B)ポリスチレン系樹脂とは、スチレン系化合物、またはスチレン系化合物とスチレン系化合物に共重合可能な化合物とを重合して得られる重合体をいう。その際、さらにゴム質重合体を含有してもよい。
スチレン系化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられ、特に好ましいのはスチレンである。
また、スチレン系化合物に共重合可能な化合物としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物類;無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物等が挙げられ、スチレン系化合物とともに使用される。スチレン系化合物に共重合可能な化合物の共重合量は、スチレン系化合物との合計量100質量%に対して20質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以下である。
また、ゴム質重合体としては、共役ジエン系ゴム、共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体、またはエチレン−プロピレン共重合体ゴム等が挙げられる。具体的には、ポリブタジエン、およびスチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。また、ゴム質重合体としては、耐熱性・耐衝撃性のバランスの観点で、部分的に水素添加された不飽和度80〜20%のポリブタジエン、または水素添加されておらず1,4−シス結合を90%以上含有するポリブタジエンを用いることが特に好ましい。
(B)ポリスチレン系樹脂の具体例としては、ポリスチレン、ゴム補強ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、ゴム補強スチレン−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)、その他のスチレン系共重合体等が挙げられる。流動性、耐熱性の観点で、特にポリスチレンと部分的に水素添加された不飽和度20〜80%のポリブタジエンを用いたゴム補強ポリスチレンとの組合せが好ましい。
本実施の形態において好ましい(B)ポリスチレン系樹脂はホモポリスチレンであり、アタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレンのどちらも使用できる。
本実施の形態の供受給電部品において、(B)ポリスチレン系樹脂の含有量は(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対して、0〜15質量部であり、好ましくは0〜10質量部の範囲、より好ましくは0〜5質量部の範囲である。
(B)ポリスチレン系樹脂の含有量が0質量部の場合、耐熱エージング性に優れている点で好ましいが、含有量を増やすほど流動性は向上するので、供受給電部品の形状によっては、(B)ポリスチレン系樹脂を上記範囲内で含有させるのが好ましい。(B)ポリスチレン系樹脂の含有量は、耐熱性の観点で15質量部以下が好ましい。
−−(C)水添ブロック共重合体−−
(C)水添ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体、すなわち芳香族ビニル化合物重合体ブロックと共役ジエン化合物重合体ブロックからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体である。さらに、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とがランダムに重合した重合体ブロックを水素添加して得られるブロックを有していてもよい。ここで、芳香族ビニル化合物重合体ブロックとは、芳香族ビニル化合物を60質量%以上含むブロックをいう。また共役ジエン化合物重合体ブロックとは、共役ジエン化合物を60質量%以上含むブロックをいう。
水素添加による共役ジエン化合物由来の不飽和結合の水添率は60モル%以上が好ましく、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは95モル%以上である。水素添加前のブロック共重合体の構造は、芳香族ビニル化合物重合体ブロック鎖をS、ジエン化合物重合体ブロック鎖をBと表すと、S−B−S、S−B−S−B、(S−B)4−Si、S−B−S−B−S等を有する構造が挙げられる。また、ジエン化合物重合体ブロックのミクロ構造は任意に選ぶことができる。ビニル結合量(1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合との合計)は、ジエン化合物重合体の結合全体に対し、好ましくは2〜60モル%、より好ましくは8〜40モル%の範囲である。
(C)水添ブロック共重合体の数平均分子量は、好ましくは150,000〜350,000であり、より好ましくは200,000〜300,000である。(C)水添ブロック共重合体の数平均分子量が150,000以上であると、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が優れる傾向にある。(C)水添ブロック共重合体の数平均分子量に比例して、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性は向上し、350,000以下で、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性は十分であり、350,000以下で、熱可塑性樹脂組成物の溶融押出し時の負荷が低く加工流動性に優れ、熱可塑性樹脂組成物中への(C)成分の分散性にも優れる。
本実施の形態で用いられる(C)水添ブロック共重合体は、少なくとも1個の芳香族ビニル化合物重合体ブロック鎖が数平均分子量15,000以上であることが好ましく、より好ましくは20,000以上50,000以下である。さらに好ましくは全ての芳香族ビニル化合物重合体ブロック鎖の数平均分子量が15,000以上である。
なお、本実施の形態において、数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)により測定することができる。
(C)水添ブロック共重合体における芳香族ビニル化合物重合体ブロックが全共重合体に占める範囲は、芳香族ビニル化合物重合体ブロック鎖の数平均分子量が上記の範囲であれば特に制限されないが、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜50質量%の範囲である。
(C)水添ブロック共重合体は、組成や構造の異なる2種以上の水添ブロック共重合体を併用することもできる。例えば、芳香族ビニル化合物重合体ブロック含有量50質量%以上の水添ブロック共重合体と、芳香族ビニル化合物重合体ブロック含有量30%以下の水添ブロック共重合体との併用や、分子量の異なる水添ブロック共重合体を併用することができる。あるいは芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのランダム共重合体ブロックを含有するブロック共重合体を水添して得られる水添ランダムブロック共重合体と、芳香族ビニル化合物重合体ブロックと共役ジエン化合物重合体ブロックからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体とを併用することも可能である。
本発明に用いる供受給電部品において、(C)水添ブロック共重合体の含有量は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対して、1〜25質量部の範囲であり、好ましくは1〜20質量部の範囲であり、より好ましくは3〜10質量部、より一層好ましくは5〜8質量部である。(C)水添ブロック共重合体の含有量が1質量部以上で、本供受給電部品の耐衝撃強度が優れ、25質量部以下で、本供受給電部品の強度や剛性が優れる。
本発明の供受給電部品においては、(C)水添ブロック共重合体は(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂を含む連続相中に粒子状に分散した分散相として存在する。(C)水添ブロック共重合体の、下記式(i)により算出される分散相粒子係数は1.10以上1.55以下であり、好ましくは1.20以上1.55以下であり、より好ましくは1.20以上1.50以下である。該分散相粒子係数が前記範囲内であると、(C)水添ブロック共重合体の偏平が適切な大きさになり、安定した耐衝撃性が得られる。なお、分散相粒子が完全な円の場合、分散相粒子係数はπとなる。
分散相粒子係数=L/2D (i)
(L:分散相粒子の平均円周長(μm)、D:分散相粒子の平均最大粒子径(μm))
(C)水添ブロック共重合体の分散相粒子の平均円周長および平均最大粒子径は、以下のとおり求めることができる。まず、供受給電部品からガラスナイフかこれに相当する刃を用いたミクロトームを使用して薄片を切り出す。供受給電部品の形状にもよるが、薄片サイズは300μm〜100μmとするのが好ましい。観察する面に表裏なく、透過型電子顕微鏡(TEM)にて倍率2.5万倍で観察写真を撮影する。
得られた観察写真において、長径が0.3μm以上である分散相粒子の中から任意に30個を選択し、各々の分散相粒子の円周長および最大粒径を測定し、平均値を求める。
なお、供受給電部品中に、(C)水添ブロック共重合体からなる分散相粒子以外の分散相粒子が存在する場合には、(C)水添ブロック共重合体の分散相粒子係数の算出には、(C)水添ブロック共重合体からなる分散相粒子以外の分散相粒子を含めない。具体的には、例えば、(B)ポリスチレン系樹脂としてHIPSを用いた場合は、HIPSからなる分散相粒子が存在する。しかしながら、HIPSからなる分散相粒子は分散相粒子係数の算出に含めない。なお、HIPSからなる分散相粒子はサラミ型構造(例えば、「新高分子文庫34 耐衝撃性高分子材料(下) 井出文雄 著 高分子刊行会 1996年発行」の363-364ページ記載の(B)ポリスチレン系樹脂を参照)からなるので、明確に区別することができる。
(C)水添ブロック共重合体からなる分散相粒子の粒子形状は平均円周長Lが好ましくは3.0μm以下であり、より好ましくは2.0μm以下である。平均円周長Lの下限値に特に制約はないが、例えば、0.5μmである。この範囲の粒子形状の(C)水添ブロック共重合体のであれば、本供受給電部品の耐衝撃性、耐薬品性が優れる。
耐薬品性に優れるメカニズムは定かではないが、水添ブロック共重合体が所定の条件を満たすことで、成形時の歪が緩和され、薬品接触による歪みの解放が低減されると考えられる。
(A)成分、(B)成分および(C)成分の含有量を上述の範囲とし、例えば後述する成形条件で成形することで(C)成分からなる分散相粒子の分散相粒子係数を上記範囲内に制御することができる。
−−(D)難燃剤−−
本実施の形態の供受給電部品を構成する樹脂は、前述した成分以外に、(D)難燃剤を含むことが好ましい。(D)難燃剤としては、特に限定されるものではなく、ハロゲン系難燃剤、無機難燃剤、シリコーン化合物、および有機リン化合物等を使用することができるが、無機難燃剤、シリコーン化合物、および有機リン化合物等からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
無機難燃剤としては、合成樹脂の難燃剤として一般的に用いられている結晶水を含有する水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物、ホウ酸亜鉛化合物、スズ酸亜鉛化合物を挙げることができる。
シリコーン化合物としては、オルガノポリシロキサンまたはオルガノポリシロキサンを含む変性物が挙げられ、常温で液状或いは固体状を問わない。オルガノポリシロキサンの骨格構造は、線状構造、分岐構造どちらでもよいが、分子中に三官能性や四官能性構造を有することによる分岐構造さらには3次元構造を含むことが好ましい。主鎖や分岐した側鎖の結合基としては、水素または炭化水素基が挙げられ、好ましくはフェニル基、メチル基、エチル基およびプロピル基であるが、その他の炭化水素基が使用されても構わない。末端結合基としては、−OHまたはアルコキシ基、または炭化水素基のいずれも使用される。
一般に難燃剤として用いられるシリコーン化合物としては、4種のシロキサン単位(M単位:R3SiO0.5、D単位:R2SiO1.0、T単位:RSiO1.5、Q単位:SiO2.0)のいずれかが重合してなるポリマーが挙げられる。本実施の形態において使用される好ましいオルガノポリシロキサンは、4種のシロキサン単位の合計量の中、式RSiO1.5で示されるシロキサン単位(T単位)を60モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは100モル%有し、使用する全シリコーン化合物において、前記Rで示される全シロキサン単位中の結合炭化水素基は少なくとも60モル%、さらに好ましくは80モル%以上がフェニル基を有するものである。これらのオルガノポリシロキサンは、結合基がアミノ基、エポキシ基、メルカプト基その他の変性基で置換された変性シリコーンも使用される。また、オルガノポリシロキサンをシリカや炭酸カルシウム等の無機充填剤に化学吸着或いは物理吸着させた変性物も使用できる。
有機リン化合物としては、リン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物などが挙げられる。リン酸エステル化合物は、難燃性を向上するのに添加されるものであり、難燃剤として一般的に用いられる有機リン酸エステルであればいずれも用いることができる。
リン酸エステル化合物の具体例としては、トリフェニルフォスフェート、トリスノニルフェニルフォスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルフォスフェート)、レゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、2,2−ビス{4−[ビス(フェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−[ビス(メチルフェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパン等が挙げられるがこれらに制限されることはない。
さらに上記以外にリン系難燃剤としては、例えばトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェートなどのリン酸エステル系難燃剤、ジフェニル−4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモベンジルホスフォネート、ジメチル−4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモベンジルホスフォネート、ジフェニル−4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモベンジルホスフォネート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロロプロピルホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、およびビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート、ハイドロキノニルジフェニルホスフェート、フェニルノニルフェニルハイドロキノニルホスフェート、フェニルジノニルフェニルホスフェートなどのモノリン酸エステル化合物、および芳香族縮合リン酸エステル化合物などが挙げられる。
これらの中、加工時のガス発生が少なく、熱安定性などに優れることから芳香族縮合リン酸エステル化合物が好適に用いられる。
これらの芳香族縮合リン酸エステル化合物は、一般に市販されており、例えば、大八化学工業(株)のCR741、CR733S、PX200、(株)ADEKAのFP600、FP700、FP800などが知られている。
特に好ましいのは、下記一般式(3)または一般式(4)で示される縮合リン酸エステルである。
Figure 2016110796
Figure 2016110796
(一般式(3)および一般式(4)中、Q1、Q2、Q3およびQ4は、各々置換基であって各々独立に炭素数1から6のアルキル基を表し、R7およびR8は各々メチル基を表し、R9およびR10は各々独立に水素原子またはメチル基を表す。nは1以上の整数であり、n1およびn2は各々独立に0から2の整数を示し、m1、m2、m3およびm4は各々独立に0から3の整数を示す。)
上記の一般式(3)および一般式(4)で示される縮合リン酸エステルは、それぞれの分子が、nは1以上の整数、好ましくは1から3の整数である。
この中で、好ましい縮合リン酸エステルは、一般式(3)におけるm1、m2、m3、m4、n1およびn2がゼロであって、R9およびR10がメチル基である縮合リン酸エステル、および一般式(3)におけるQ1、Q2、Q3、Q4、R9およびR10がメチル基であり、n1、n2がゼロでありm1、m2、m3およびm4が1から3の整数の縮合リン酸エステルであって、nの範囲は1から3、特にnが1であるリン酸エステルを50質量%以上含有するものが好ましい。
これらの芳香族縮合リン酸エステル化合物で特に好ましいのは、耐熱エージング性の観点から酸価が0.1以下(JIS K2501に準拠して得られた値)の芳香族縮合リン酸エステル化合物である。
また、ホスファゼン化合物としては、フェノキシホスファゼンおよびその架橋体が好ましく、特に好ましいのは、耐熱エージング性の観点から酸価が0.1以下(JIS K2501に準拠して得られた値)のフェノキシホスファゼン化合物である。
本実施の形態に用いる供受給電部品において、(D)難燃剤の含有量は、必要な難燃性レベルにより異なるが、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対して、好ましくは5〜25質量部の範囲であり、より好ましくは5〜20質量部の範囲であり、さらに好ましくは10〜25質量部の範囲である。(D)難燃剤の含有量が、5質量部以上で難燃性が優れ、25質量部以下で難燃性が十分であり、耐熱性も維持できる。
−−(E)酸化チタン−−
本実施の形態に用いる熱可塑性樹脂組成物は、(E)酸化チタンを含有することが好ましい。(E)酸化チタンを含有することにより、低温衝撃強度と耐トラッキング性とにおいて
優れたバランスを有する熱可塑性樹脂組成物が得られる。
(E)酸化チタンの1次粒径は、分散性と製造時のハンドリング性のバランスの観点から、好ましくは0.01〜0.5μmであり、より好ましくは0.05〜0.4μmであり、さらに好ましくは0.15〜0.3μmである。
(E)酸化チタンは、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニアチタン、錫等の含水酸化物及び/又は酸化物やステアリン酸等の高級脂肪酸塩あるいは有機珪素化合物の少なくとも一種を表面処理剤として含んでいてもよい。
(E)酸化チタンは、乾式法、又は湿式法により製造することができる。また、(E)酸化チタンの結晶構造は、ルチル型、アナターゼ型のいずれでもよいが、本実施の形態において用いる熱可塑性樹脂組成物の熱安定性の観点からルチル型が好ましい。
(E)酸化チタン粒子の配合量は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、好ましくは0.1〜3質量部であり、より好ましくは0.5〜3質量部、より一層好ましくは0.5〜2.5質量部である。
(E)成分を0.1質量部以上とすることにより、耐トラッキング性が向上し、3質量部以下とすることにより低温衝撃強度を確保することができる。
−−(F)ポリオレフィン−−
本実施の形態に用いる供受給電部品を構成する樹脂は、更に(F)ポリオレフィンを含有することが好ましい。(F)ポリオレフィンを含有することにより、熱可塑性樹脂組成物の成形時の離型性が改良される。
本実施の形態に用いられる(F)ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体あるいはエチレン−アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。中でも好ましいのは、低密度ポリエチレンおよびエチレン−プロピレン共重合体である。エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体あるいはエチレン−アクリル酸エステル共重合体は、一般に非晶性もしくは低結晶性の共重合体である。これらの共重合体には、さらに性能に影響を与えない範囲でその他のモノマーが共重合されていてもよい。エチレンと、プロピレン、ブテンあるいはオクテンとの成分比率は、特に限定するものではないが、プロピレン、ブテンあるいはオクテンの成分は5〜50モル%の範囲(エチレンは50〜95モル%の範囲)が好ましい。これらのポリオレフィンは、2種以上を併用することもできる。
(F)ポリオレフィンのメルトフローレイト(MFR)は、ASTM D−1238に準じ、シリンダー温度230℃で測定した値が0.1〜50g/10分が好ましく、より好ましくは0.2〜20g/10分である。
(F)ポリオレフィンの含有量は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対して、0.5〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜3質量部、更に好ましくは1〜2質量部の範囲である。(F)ポリオレフィンの含有量が0.5質量部以上で離型効果を発揮し、5質量部以下で剥離の問題もなく機械特性に優れる。
−−(G)熱安定剤−−
本実施の形態に用いる供受給電部品を構成する樹脂は、更に(G)熱安定剤を含有することが好ましい。(G)熱安定剤を含有することにより、供受給電部品の熱劣化を抑制し、耐熱エージング性も向上する。
(G)熱安定剤は、例えば、熱可塑性樹脂組成物の製造、成形加工および使用時の熱または光暴露により生成したハイドロパーオキシラジカル等の過酸化物ラジカルを安定化したり、生成したハイドロパーオキサイド等の過酸化物を分解するための成分とすることができる。
(G)熱安定剤の例としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤や過酸化物分解剤が挙げられる。前者は、ラジカル連鎖禁止剤として、後者は系中に生成した過酸化物をさらに安定なアルコール類に分解して自動酸化を防止する。
前記熱安定剤としてのヒンダードフェノール系熱安定剤(酸化防止剤)の具体例は、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、アルキレイテッドビスフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキシスピロ〔5.5〕ウンデカン等である。
前記熱安定剤としての過酸化物分解剤の具体例は、トリスノニルフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト等のホスファイト系熱安定剤(過酸化物分解剤)またはジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール等の有機イオウ系熱安定剤(過酸化物分解剤)である。
本実施の形態においては、酸化防止剤としてのヒンダードフェノール系熱安定剤と過酸化物分解剤としてのホスファイト系や有機イオウ系熱安定剤とを併用することが効果的である。
また、他の熱安定剤として、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫化亜鉛などの金属酸化物または硫化物を上記熱安定剤と併用して用いることも可能である。
(G)熱安定剤の含有量は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対して、0.1〜3質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜1質量部、更に好ましくは0.3〜1.0質量部の範囲である。(G)熱安定剤の含有量が、0.1質量部以上で熱安定性効果を発揮し、3質量部で効果は飽和するため3質量部以下であると経済的に好ましい。
−−(H)他の添加剤−−
本実施の形態に用いる供受給電部品を構成する樹脂には、更に他の特性を付与するため、あるいは供受給電部品の耐衝撃性及び/又は耐薬品性を損なわない範囲で他の添加剤を加えることができる。他の添加剤として、例えば、紫外線吸収剤、耐光変色剤、可塑剤、酸化防止剤、各種安定剤、帯電防止剤、離型剤、染顔料、その他の樹脂等が挙げられる。また、従来公知の、他の難燃剤および難燃助剤を配合することで、難燃性をさらに向上させることもできる。他の難燃剤および難燃助剤としては、例えば、カオリンクレー、タルク等の無機ケイ素化合物等が挙げられる。そのほか、アルカリ土類金属の炭酸塩及び/又は硫酸塩、ガラス繊維、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、タルク等の無機系充填剤、その他の繊維状補強剤等を配合することで、電気絶縁性や寸法精度や耐熱性がさらに優れた供受給電部品とすることができる。また、本実施の形態に用いる供受給電部品には、更に他のポリマーやオリゴマーを添加できる。例えば、流動性改良剤としての石油樹脂、テルペン樹脂およびその水添樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂、あるいは難燃性を改善するためのシリコーン樹脂やフェノール樹脂などが挙げられる。
−−樹脂組成物の製造方法−−
本実施の形態に用いる供受給電部品を構成する樹脂組成物は、上述した各成分を押出機で溶融混練することにより得ることができる。押出機としては、二軸押出機が好適である。
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂は一般に粉体として入手でき、その好ましい粒子サイズは平均粒子径1〜1000μmであり、より好ましくは10〜700μm、特に好ましくは100〜500μmである。加工時の取り扱い性の観点から(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の平均粒子径は1μm以上が好ましく、溶融混練における未溶融物の発生を抑制するためには1000μm以下が好ましい。
なお、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂の平均粒子径は、例えばレーザー粒度計により測定することができる。
二軸押出機の具体例としては、スクリュー直径58mm、バレル数13、減圧ベント口付二軸押出機が挙げられる。例えば、該二軸押出機を用いて、溶融混練する際に(A)成分、(C)成分および、任意で含有させることができる(B)成分、(E)成分を、二軸押出機の流れ方向に対して上流側のバレル1にある第1供給口より供給した後に、(D)成分を含有させる場合には(D)成分を、第1供給口より下流側にある第2(液体)供給口よりギアポンプを使って押出機のサイドに注入ノズルからフィードして押出する。
押出機のスクリュー構成は、全バレル長を100%としたとき、未溶融混合ゾーンを、バレルの上流側から45〜75%とすることが好ましく、60〜70%とすることがより好ましい。
溶融ゾーンには、位相45度のニーディングエレメント(Rと表示)、位相90度のニーディングエレメント(Nと表示)、負位相45度のニーディングエレメント(Lと表示)を使用することが好ましい。また、(D)難燃剤を含有させる場合、未溶融ゾーンには、(D)難燃剤を第2供給口よりフィードした後に位相45度のニーディングエレメント(Rと表示)を使用することが好ましい。
溶融混練ゾーンのスクリューにおいては、例えばニーディングディスクR(3〜7枚のディスクを捻れ角度15〜75度で組み合わせた、L/Dが0.5〜2.0である正ネジスクリューエレメント)、ニーディングディスクN(3〜7枚のディスクを捻れ角度90度で組み合わせた、L/Dが0.5〜2.0であるニュートラルスクリューエレメント)、ニーディングディスクL(3〜7枚のディスクを捻れ角度15〜75度で組み合わせた、L/Dが0.5〜1.0である逆ネジスクリューエレメント)、等を適宜組み合わせたスクリュー構成が好ましく、逆ネジスクリュー(L/Dが0.5〜1.0である二条の逆ネジスクリューエレメント)、SMEスクリュー(正ネジスクリューに切り欠きをつけて混練性を良くした、L/Dが0.5〜1.5であるスクリューエレメント)、ZMEスクリュー(逆ネジスクリューに切り欠きをつけて混練性を向上させた、L/Dが0.5〜1.5であるスクリューエレメント)等のスクリューエレメントを、スクリュー構成中に適宜組み入れて混練を行ってもよい。
当該溶融混練において、さらに減圧脱気を行うことが好ましい。また、溶融混練時の樹脂温度は、290〜350℃の範囲とすることが好ましい。具体的には、押出機の前段温度を150〜250℃の範囲とすることが好ましく、後段温度を250〜330℃の範囲とすることが好ましく、ダイ出口樹脂温度は特に限定されないが290〜350℃の範囲とすることが好ましい。押出機のスクリュー回転数は、150〜600rpmの範囲であることが好ましい。
このような製造方法により、上述した熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
−供受給電部品の平均肉厚−
本実施の形態の供受給電部品は、特定の樹脂組成物を成形して得られ、耐衝撃性と成形時の残留歪みの解放で生じるクラックを大幅に低減できる。本実施の形態の供受給電部品は、1.0mm〜3.0mmの平均肉厚となる部分を有し、それゆえに、分散相粒子径数を調節し、耐衝撃性と成形時の残留歪みを低減することができる。好ましくは1.0mm〜2.5mm、より好ましくは2.0mm〜2.5mmである。
なお、上記の所定の平均肉厚となる部分とは、例えば、供受給電部品が筐体部品であれば、最も面積の広い面を有する部分であり、支持・保持するシャーシ部品であれは、応力がかかり強度・剛性が求められる部分であり、コネクタであれば、雌雄の金属端子を覆う構造を有する壁面となる部分である。
〈供受給電部品の成形方法〉
本実施の形態の供受給電部品の樹脂組成物の成形方法は、供受給電部品が1.0mm〜3.0mm、好ましくは1.0mm〜2.5mm、より好ましくは2.0mm〜2.5mmの平均肉厚となる部分を有するのであれば、特に限定されないが、射出成形(インサート成形、中空成形、多色成形等を含む)、ブロー成形、圧縮成形、押出し成形、等が挙げられる。中でも、量産性の観点から射出成形が好ましい。
射出成形においては、樹脂充填のゲート位置とその数は特に限定されず、ピンゲート、サイドゲート、タブゲート、トンネルゲート、フィルムゲート等が挙げられる。その中でもピンゲートはゲートカットが容易な点で好ましい。また、ゲートの数は少ないほうが好ましく、1点ゲートはウェルドライン形成が少なくなり耐衝撃性の観点から好ましい。ホットランナーを用いることもランナー成形を省略できるため、より好ましい。
射出成形用の金型は供受給電部品を同時に複数個成形できるキャビティ構造であってもよく、例えば容器状の供受給電部品の場合、蓋とケースを同時に成形できるような形態でもよい。
可動金型の固定金型に対する抜き角度(テーパー)は離型性を確保するため1°〜5°取ることが好ましい。金型材質は特に指定はないが、JIS規格に基づくS50Cかこれ以上の耐食性・耐摩耗性を有する材質が好ましい。
金型は樹脂充填時の安定した流動を確保するため、温調機を用いて温度管理されていることが好ましい。温度調節は水、オイルなど通常使われている媒体を使い、40℃〜120℃で制御されていることが好ましい。より好ましくは50℃〜90℃である。40℃以上では樹脂流動が安定し、120℃以下では取出し後の変形を低く、サイクルを短くすることができる。
射出成形機は特に制約はなく縦型・横型・2色成形機、など適宜選定できる。シリンダー温度は供受給電部品もしくは供受給電部品に使用される樹脂組成物からなる成形体から1cm角より大きな面積を持ち2mm以上の厚みを持つ切出片を用いて測定したISO306に基づくビカット軟化点温度に対し125℃〜190℃高い温度に設定することが好ましく、より好ましくは140℃〜190℃、更に好ましくは150℃〜180℃高い温度である。
射出速度は、10mm/sec以上200mm/sec以下の範囲が好ましい。より好ましくは70mm/sec以上150mm/sec以下が好ましい。射出速度を、10mm/sec以上とすることにより末端まで流動を確保でき、200mm/sec以下とすることにより好ましい外観を確保できる。
射出圧力は射出速度とシリンダー温度、金型温度を所定の設定にした後、金型のキャビティを溶融樹脂で満たしていくが、充填量がキャビティ容積の97%〜99%の範囲となるだけの充填圧力を求めこれを基準射出圧力とし、当該基準射出圧力を超えてプラス50MPaまでの範囲にすることが好ましい。より好ましくは、当該基準射出圧力を超えてプラス30MPaまで、更に好ましくはプラス10MPaまでである。これらの範囲におさめることで、寸法、外観および耐衝撃性と耐薬品性に優れる成形品をえることができる。
保圧力は基準射出圧力よりも高いことが好ましい。具体的には、基準射出圧力よりも30MPa〜100MPa高いことが好ましく、基準射出圧力よりも40〜90MPa高いことがより好ましく、基準射出圧力よりも50〜80MPa高いことが更に好ましい。この範囲に収めることで分散相粒子径数を調整でき、ヒケの発生やバリの発生を抑えることができる。
その他の射出成形条件であるスクリュー回転数、保圧速度、保圧時間、計量時の背圧、サックバック、冷却時間は、技術常識に従って適宜設定することが可能である。
〈供受給電部品の用途〉
本実施の形態の供受給電部品は、自動車、電気・電子、住設、エネルギー産業における電気・電力供給部品、およびこうした部品を収納あるいは保持するための筐体や躯体あるいはシート状成形体として好適に用いることができる。中でも、本実施の形態の供受給電部品は、太陽電池用コネクタ、太陽電池用ジャンクションボックスなどの太陽電池モジュール用絶縁部品(構造部品)もしくは電源アダプター部品やインバーター/コンバーター部品、パワーコンディショナー部品、ディストリビューター部品として用いられる。なお、太陽電池モジュール用ジャンクションボックスの構造部品としては、底面とその四方を囲む壁面とを有する形状を有するものとすることができる。
本実施の形態の供受給電部品は電気の供給・受給を行うシステムの一部品であり、その中で絶縁構造部として構成される。そのため構造部品形状はさまざまであるが、代表的な形状としてはコネクタの他、ダイオード、トランス、コンデンサ、各種集積回路などの電子部品を収納する筐体や、これらを支持・保持するシャーシ等がある。
こうした部品は防水・防塵機能を有し、電子部品を保護するとともに、電子部品の発熱に対する耐熱強度が必要である。
特に小型・薄肉化が進む当該用途においては、落下衝撃や、屋外使用時の飛来物、内部部品の発熱に対する耐熱性が求められる。また機能の高度化・集約化により、金属部品との一体成型、圧入、接着等が生産工程として増えてきている。
例えば、供受給電部品の薄肉化を検討する場合、樹脂組成物の特性を評価する測定規格に基づいた物性値は高くても、供受給電部品の形状によっては部品の衝撃強度が必ずしも樹脂組成物の特性を発現できないことがある。また、複雑形状品では外観と製品性能を成形条件でバランスさせるのが難しい。例えば薄肉部位とそうでない部位からなる偏肉部が点在する樹脂成形体の場合、ソリやヒケを生じやすく、その解消のために、充填圧を高めにしたり、金型温度を低く設定したりする対策がとられるため、樹脂成形体に生じる残留歪みは大きくなり、わずかな外部からの応力や薬品接触で内部歪みの解放によるクラック発生を容易にさせるといった、初期の製品設計では把握できない不具合を内在させることもある。
ソリ、ヒケの発生を許容し、充填圧力を下げた場合には内部歪みは小さくできるが、樹脂の充填量が十分とならず、供受給電部品として求められる衝撃強度や耐熱剛性が不足することになり、薄肉になるほど耐熱性・耐衝撃性の向上が求められる供受給電部品としては十分な解決策とはなり難い。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。各実施例および各比較例で用いた成分は以下のとおりである。
[(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂]
(PPE)
ポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル:旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「ザイロン S201A」
[(B)ポリスチレン系樹脂]
(GPPS)
ホモポリスチレン:PSジャパン(株)製、商品名「PSJ−ポリスチレン 685」
(HIPS)
ハイインパクトポリスチレン:PSジャパン(株)製、商品名「PSJ−ポリスチレンH9302」
[(C)水添ブロック共重合体]
(SEBR)
数平均分子量約250,000、スチレン重合体ブロック約33質量%、ブタジエンユニットの水素添加率98%以上の水添ブロック共重合体:Kraton Polymers LLC製、商品名「クレイトン G1651」
なお、本実施例において、数平均分子量は、ゲル・パーミッション・クロマトグラフ(GPC)により測定し、スチレン重合体ブロック量は、四酸化オスミウム分解法により測定し、ブタジエンユニットの水素添加率は、赤外線分光分析または核磁気共鳴分析により測定した。
[(D)難燃剤]
ビスフェノールA系縮合リン酸エステル:大八化学(株)製、商品名「CR−741」
[(E)酸化チタン]
表面処理剤としてAl2O3含有する粒径が0.2μmのルチル型酸化チタン
[(F)ポリオレフィン]
(LDPE)
低密度ポリエチレン:旭化成ケミカルズ(株)製、商品名「サンテックLD M2004」
[(G)熱安定剤]
1/1の質量比率でブレンドした酸化亜鉛/硫化亜鉛
[実施例および比較例]
各実施例および比較例の供受給電用絶縁成形体は、表4〜7に記載される樹脂組成物、条件及び製品肉厚の組み合わせにしたがって、上記の成分を表1に示した比で配合して製造した樹脂組成物A〜Dを、表2に示した条件で、表3に示す製品肉厚となるように射出成形して作製した。
[実施例1]
[樹脂組成物の製造]
表1に示した上記の成分を配合して樹脂組成物Aを以下の製造条件にて作製した。
スクリュー直径58mm、バレル数13、減圧ベント口付二軸押出機(TEM58SS:東芝機械社製)を用いて、各成分を溶融混練した。溶融混練する際に(A)PPE、(B)PS及び/もしくはHIPS、(C)水添ブロック共重合体、(E)酸化チタン、(F)LDPE、(G)安定剤を、押出機の流れ方向に対して上流側のバレル1にある第1供給口より供給した。その後、(D)難燃剤を、第1供給口より下流側にある第2(液体)供給口よりギアポンプを使って押出機のサイドに注入ノズルからフィードして、ストランドを押出した。押出されたストランドを冷却裁断して樹脂組成物ペレットを得た。
押出機のスクリュー構成は未溶融混合ゾーンを全バレル長の70%をとした。溶融ゾーンには、位相45度のニーディングエレメント(Rと表示)、位相90度のニーディングエレメント(Nと表示)、負位相45度のニーディングエレメント(Lと表示)を使用した。更に未溶融ゾーンには(D)難燃剤を第2供給口よりフィードした後に位相45度のニーディングエレメント(Rと表示)を使用した。
真空脱気ゾーンをバレル11に設け、−900hPaで減圧脱気した。(D)難燃剤を供給する第2供給口をバレル5に設けた。バレル設定温度をバレル1:水冷、バレル2:100℃、バレル3〜6:200℃、バレル7:250℃、バレル8:270℃、バレル9〜13:280℃、ダイス:290℃としてスクリュー回転数350rpm、吐出量400kg/hrの条件で押出をした。
[供受給電用絶縁成形体の評価方法]
得られた樹脂組成物より以下の方法で製造した供受給電用絶縁成形体の特性評価を、以下の方法および条件で行った。結果を表4に示す。
(供受給電用絶縁成形体作成)
得られた樹脂組成物Aペレットを100℃で2時間乾燥した後、東芝機械(株)製EC100SA型射出成形機にて下記形状の供受給電用絶縁成形体(A及びB)を成形した。この成形体は一例であって、この形状に限定されるものではない。
(供受給電用絶縁成形体A)
供受給電用絶縁成形体Aは、長手方向が100mm、短手が90mmの長方形の平面部を有し、その四方の端面から4mmの高さで垂直な外周壁を有した蓋状成形品であり、長方形の平面部の肉厚は2.0mmである(表3の製品肉厚の肉厚(I)である)。
供受給電用絶縁成形体Bとの勘合のため爪形状のスナップフィットが長辺に1か所、短辺に2か所全部で6か所配置されている。
射出成形条件は、表2の条件Aであり、具体的には、成形機のシリンダー温度がノズルを含む2番目のバレル温度までを300℃とし、3番目以降は順次10℃ずつ下げる温度を設定した。金型温度は温調機の設定で70℃とした。
射出速度は100mm/sとし、この時の金型のキャビティを溶融樹脂で満たすのにわずか少ない量だけ充填できる基準射出圧力は60MPaであった。射出圧力を70MPaとし、保圧力を100MPaとした。保圧速度は10mm/s、射出時間を15秒、冷却時間を10秒とした。可塑化条件は背圧5MPa、スクリュー回転数を100RPMとした。成形サイクルは40秒とした。
本成形体は射出成形によって得られる。樹脂を充填するゲートは長方形の平面部の中心にダイレクトピンゲートであり、その径は1.3mmφである。
(供受給電用絶縁成形体B)
供受給電用絶縁成形体Bはケース状成形体であり、長手方向が100mm、短手が90mmの長方形でその四方の端面から20mmの高さで垂直な外周壁を有している。ケースの肉厚は2.0mmであり(表3の製品肉厚の肉厚(I)である)、蓋状の供受給電用絶縁成形体Aと爪形状のスナップフィットで勘合する。
射出速度は100mm/s、射出圧力を70MPaとし、射出時間を15秒、冷却時間を10秒とした。保圧速度は10mm/s、保圧力は100MPaとした。可塑化条件は背圧5MPa、スクリュー回転数を100RPMとした。成形サイクルは40秒とした。
樹脂を充填するゲートは長方形平面部の中心にあるダイレクトピンゲートであり、その径は1.3mmφである。なお、射出成形条件は、表2の条件Aを用いた。
(低温衝撃強度の測定)
供受給電部品Aと供受給電部品Bをスナップフィットで勘合させた組み立て部品(ジャンクションボックス)を−35℃の恒温槽に5時間放置し、デュポン式ダート試験機にて低温衝撃強度を測定した。試験には2kgの直径10φのストライカーを使用し、150mmの高さから落下させた。落下場所は長手方向の片端部から25mm、短手方向の方端部から45mmの位置とした。強度判定には供受給電部品Aに発生したクラックを目視にて以下の基準で判断した。
○:クラックなし
△:片側クラック
×:貫通クラック有り
(分散相粒子係数の測定)
供受給電部品に分散した(C)水添ブロック共重合体の分散相粒子係数を以下のとおり測定した。
供受給電部品Aの外周壁部を切出し、さらに超薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡写真を撮影した。25000倍の写真を用いて(C)水添ブロック共重合体の各粒子径を測定し、長径が0.3μm以上となる任意の分散相粒子30個を選択し、各々の分散相粒子の円周長および最大粒径を測定し、平均値を求めた。
分散相粒子係数=L/2D・・・・(i)
(L:分散相粒子の平均円周長(μm),D:分散相粒子の平均最大粒子径(μm))
(耐薬品性評価)
供受給電部品Aを用い、これをシクロヘキサン(特級)液に1分間浸漬させ、イソプロピルアルコールで洗浄した後、クラック発生の有無を目視で確認した。耐薬品性の評価基準は以下の通りである。
○:目視にてクラックの発生なし。
△:目視にて5mm未満のミクロクラックの発生を確認。
×:目視にて5mm以上のミクロクラックの発生を確認。
[実施例2〜60、比較例1〜16]
実施例2〜60、比較例1〜16は、表4〜7に記載の、樹脂組成物(表1)、射出成形条件(表2)及び製品肉厚(表3)の組み合わせにしたがって、実施例1と同様に、それぞれ供受給電部品Aと供受給電部品Bを作製し、特性を評価した。結果を表4〜7に示す。
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以上より、本実施例によれば、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂と(B)ポリスチレン系樹脂と(C)水添ブロック共重合体との含有量を適切な範囲とする熱可塑性樹脂組成物を用いて、この組成物の特性を活かす成形条件範囲で成形することで耐衝撃性と耐薬品性のバランスに優れた供受給電部品を提供することができる。
本発明の供受給電部品は、産業用機器である事務機、計測器の外装、シャーシ、内部パーツ部品、家電関連機器などの電源アダプター、記録媒体やそのドライブ、センサー機器、端子台、エネルギー・環境分野における二次電池、燃料電池や太陽電池、太陽熱発電、地熱発電、風力発電、スマートメーター等に使用される電気電子機器、送電設備、ケーブル端末および自動車部品、特にハイブリッド自動車・電気自動車用部品において安定した絶縁性ならびに耐衝撃性、剛性、難燃性と耐薬品性のバランスが求められる材料として好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. (A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対する、(B)ポリスチレン系樹脂0〜15質量部、(C)水添ブロック共重合体1〜25質量部である組成物からなる供受給電部品であって、
    (C)水添ブロック共重合体の下記(i)式で定義される分散相粒子係数が1.10〜1.55であり、かつ、平均肉厚が1.0mm〜3.0mmである部分を有する、供受給電部品。
    分散相粒子係数=L/2D・・・・(i)
    (L:分散相粒子の平均円周長(μm)、D:分散相粒子の平均最大粒子径(μm))
  2. 前記組成物が、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、(D)難燃剤5〜20質量部をさらに含む、請求項1に記載の供受給電部品。
  3. 前記組成物が、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、(E)酸化チタンを0.1〜3質量部をさらに含む、請求項1または2に記載の供受給電部品。
  4. (C)水添ブロック共重合体の前記分散相粒子係数が1.20〜1.55である、請求項1〜3のいずれかに記載の供受給電部品。
  5. 太陽電池用コネクタの構造部品である、請求項1〜4のいずれかに記載の供受給電部品。
  6. 底面とその四方を囲む壁面とを有する形状を有する太陽電池モジュール用ジャンクションボックスの構造部品である、請求項1〜4のいずれかに記載の供受給電部品。
  7. 電源アダプターの構造部品である、請求項1〜4のいずれかに記載の供受給電部品。
  8. インバーター、またはコンバーターの構造部品である、請求項1〜4のいずれかに記載の供受給電部品。
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