JP2015127357A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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忠幸 石井
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Abstract

【課題】実用上良好な電気特性、耐水性、耐薬品性を有し、耐熱性、機械特性に優れ、金型への難燃剤の付着等の問題が殆どなく、長期間高温環境下に曝された場合においても難燃性の低下を効果的に抑制可能な難燃性樹脂組成物を得る。【解決手段】(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、又はポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂との混合樹脂:55〜90質量部と、(B)水添ブロック共重合体:1〜30質量部と、(C)リン酸エステル系化合物:5〜30質量部と、前記(A)、前記(B)、及び前記(C)の合計100質量部に対して、(D)アルミニウム化合物:0.05〜5.0質量部と、を、含有する、難燃性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性樹脂組成物に関する。
ポリフェニレンエーテル(以下、「PPE」ともいう)系樹脂とスチレン系樹脂とをベースとする混合樹脂(以下、「m−PPE樹脂」ともいう)は、PPE樹脂と比較して成形加工性が改善されており、PPE樹脂と同様に優れた耐熱性を有し、さらには電気特性、寸法安定性、耐衝撃性、耐酸性、及び耐アルカリ性などにも優れ、吸水性が低く、低比重であるという特徴を有している。
また、前記m−PPE樹脂は、有害なハロゲン系化合物やアンチモン化合物を用いずに難燃化を図ることができるため、環境面や安全衛生面にも優れているという特徴を有している。そのため、前記m−PPE樹脂は、各種の電気・電子部品、事務機器部品、自動車部品、建材、その他各種外装材や工業用品などの用途に広範囲に利用されている。
従来、前記m−PPE樹脂の難燃化には、上述のとおり有害なハロゲン系化合物やアンチモン化合物を用いずに、一般的に、有機リン酸エステルが用いられている。
このような有機リン酸エステルとしては、例えば、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどのモノリン酸エステル、レゾルシノールやビスフェノールAなどのフェノール類と三塩化リン化合物とから得られる縮合リン酸エステルなどが挙げられる。
しかしながら、前記各種有機リン酸エステルを用いて難燃化された樹脂組成物は、耐熱性などの物性の低下、高温高湿下における吸水特性の低下、射出成形時の発煙、成形時の金型汚染(モールドデポジット、難燃剤の金型への移行)、及び付着物による成形品の不具合(外観不良)等といった各種の問題を有している。
上記のような有機リン酸エステルの中で、ビスフェノールAなどのフェノール化合物とリン化合物とから得られる縮合リン酸エステルを難燃化剤として用いた樹脂組成物は、比較的上述した問題が少ないと言われている(例えば、特許文献1乃至3参照。)。
また、近年、太陽光発電システム(例えば、特許文献4参照。)に代表されるように、製品の長寿命化が進み、使用年数が長期化しており、設置環境もますます苛酷な条件となっているため、耐熱エージング特性(高温の使用環境下に長時間暴露された時に性能を維持する特性)、高温・高湿の環境下における製品樹脂の耐性が重要な特性として要求されるようになってきている。
特開昭55−118957号公報 特開平05−186681号公報 特開平07−053876号公報 特開2010―123933号公報
しかしながら、近年、製品の長寿命化が進み、使用年数が長期化しており、さらには、設置環境も過酷な条件下であることが多く、かかる過酷な環境下に長期間曝された場合においても、難燃性の低下を効果的に抑制可能な樹脂組成物が求められている。
そこで本発明においては、実用上良好な耐熱性、機械特性、電気特性、耐水性、耐薬品性を有し、射出成形時の発煙、金型への難燃剤の付着等の問題が殆どなく、長期間高温環境下に曝された場合においても難燃性の低下を効果的に抑制できる難燃性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記従来技術の課題を解決するために鋭意検討を行ったところ、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂又はポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂との混合樹脂と、(B)水添ブロック共重合体と、(C)リン酸エステル系化合物と、(D)アルミニウム化合物とを含有する難燃性樹脂組成物が、長期間高温環境下に曝された場合においても難燃性の低下を効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
〔1〕
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、又はポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂との混合樹脂:55〜90質量部と、
(B)水添ブロック共重合体:1〜30質量部と、
(C)リン酸エステル系化合物:5〜30質量部と、
前記(A)、前記(B)、及び前記(C)の合計100質量部に対して、(D)アルミニウム化合物:0.05〜5.0質量部と、
を、含有する、難燃性樹脂組成物。
〔2〕
前記(A)が、(A−1)ポリフェニレンエーテル系樹脂70〜100質量%、及び(A−2)スチレン系樹脂0〜30質量%を含有する、前記〔1〕に記載の難燃性樹脂組成物。
〔3〕
前記(D)アルミニウム化合物が、水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、珪酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、ハイドロタルサイト、及びステアリン酸アルミニウムからなる群より選ばれる、1以上の化合物を含有する、前記〔1〕又は〔2〕に記載の難燃性樹脂組成物。
〔4〕
前記(D)アルミニウム化合物が、平均粒子径0.1〜5μmの粒子である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の難燃性樹脂組成物。
〔5〕
前記(D)アルミニウム化合物が、水酸化アルミニウム又は硫酸アルミニウムである、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の難燃性樹脂組成物。
〔6〕
前記(C)リン酸エステル系化合物が、下記一般式(I)又は一般式(II)で示される縮合リン酸エステル系化合物である、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の難燃性樹脂組成物。
(一般式(I)、(II)中、Q1、Q2、Q3、Q4は、各々置換基であって各々独立に炭素数1〜6のアルキル基を表し、R1、R2は各々置換基であってメチル基を表し、R3、R4は各々独立に水素原子又はメチル基を表す。nは1以上の整数であり、n1、n2は各々独立に0〜2の整数を示し、m1、m2、m3、m4は各々独立に0〜3の整数を示す。)
〔7〕
前記難燃性樹脂組成物の1.5mm厚みの射出成形体を、150℃、500時間の条件で熱エージングした後の、UL規格のUL−94に規定する難燃性が、V−1以上である、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の難燃性樹脂組成物。
〔8〕
前記難燃性樹脂組成物の1.5mm厚みの射出成形体を、150℃、500時間の条件で熱エージングした後の、UL規格のUL−94に規定する難燃性が、V−0である、前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載の難燃性樹脂組成物。
〔9〕
前記〔1〕乃至〔8〕のいずれか一に記載の難燃性樹脂組成物を含む太陽光発電モジュール用接続構造体。
〔10〕
太陽光発電モジュール用ジャンクションボックスである、前記〔9〕に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
〔11〕
太陽光発電モジュール用コネクターである、前記〔9〕に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
本発明によれば、実用上良好な電気特性、耐水性、耐薬品性を有し、耐熱性、機械特性に優れ、金型への難燃剤の付着等の問題が殆どなく、長期間高温環境下に曝された場合においても難燃性の低下を効果的に抑制可能な難燃性樹脂組成物が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施することができる。
〔難燃性樹脂組成物〕
本実施形態の難燃性樹脂組成物は、
(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、又はポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂との混合樹脂:55〜90質量部と、
(B)水添ブロック共重合体:1〜30質量部と、
(C)リン酸エステル系化合物:5〜30質量部と、
前記(A)、前記(B)、及び前記(C)の合計100質量部に対して、(D)アルミニウム化合物:0.05〜5.0質量部と、
を、含有する。
((A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、又はポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂との混合樹脂)
本実施形態の難燃性樹脂組成物は、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、又はポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂との混合樹脂((A)成分、(A)と記載する場合がある。)を含有する。
以下、(A)成分としての(A−1)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(A−2)スチレン系樹脂について、説明する。
<(A−1)ポリフェニレンエーテル系樹脂>
本実施形態において使用する(A−1)ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下、(A−1)と記載する場合がある。)としては、下記一般式(V)の構造単位からなる、ホモ重合体、及び当該構造単位を有する共重合体(以下、単に「ポリフェニレンエーテル」という場合もある。)のいずれも用いることができる。
(前記一般式(V)中、Oは酸素原子であり、R11〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン基、第一級もしくは第二級の低級アルキル基(ここで、「低級アルキル」とはC1〜C8のアルキル基をいう。)、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、及びハロ炭化水素オキシ基(但し、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔てている。)からなる群より選ばれるいずれかを表わす。)
ポリフェニレンエーテル系樹脂のホモ重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテル系樹脂の共重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類との共重合体(例えば、特公昭52−17880号公報に記載されているような2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体や、2−メチル−6−ブチルフェノールとの共重合体)が挙げられる。
これらの中でもポリフェニレンエーテルとしては、機械物性のバランスや生産性の観点から、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、又はこれらの混合物が好ましい。
本実施形態で用いるポリフェニレンエーテル系樹脂の製造方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、米国特許第3306874号明細書、同第3306875号明細書、同第3257357号明細書及び同第3257358号明細書、特開昭50−51197号公報、特公昭52−17880号公報、及び特開昭63−152628号公報等に記載された公知の製造方法等が挙げられる。
前記(A−1)ポリフェニレンエーテル系樹脂の還元粘度(0.5g/dlクロロホルム溶液、30℃、ウベローデ型粘度管で測定)は、成形流動性と物性バランスの観点から、0.30dl/g〜0.65dl/gの範囲であることが好ましい。より好ましくは0.40dl/g〜0.60dl/gの範囲であり、さらに好ましくは0.45dl/g〜0.55dl/gの範囲である。
還元粘度0.30dl/g以上であれば、耐衝撃強度や耐薬品性に優れる。また、還元粘度0.65dl/g以下であれば、成形流動性に優れる。
本実施形態においては、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテル系樹脂をブレンドしたものであっても、好ましく使用することができる。
また、本実施形態で使用する(A−1)ポリフェニレンエーテル系樹脂は、全部又は一部が変性された変性ポリフェニレンエーテルを含んでいてもよい。
ここでいう変性ポリフェニレンエーテルとは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合又は三重結合を有するとともに、少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基及びグリシジル基からなる群より選ばれるいずれかを有する、変性化合物で変性されたポリフェニレンエーテルを言う。変性化合物は1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記変性ポリフェニレンエーテルの製造方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ラジカル開始剤の存在下又は不存在下で、(1)100℃以上、ポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の範囲の温度でポリフェニレンエーテルを溶融させることなく変性化合物と反応させる方法、(2)ポリフェニレンエーテルのガラス転移温度以上360℃以下の範囲の温度で変性化合物と溶融混練し反応させる方法、(3)ポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の温度で、ポリフェニレンエーテルと変性化合物を溶液中で反応させる方法等が挙げられ、これらいずれの方法でもよいが、生産性の観点から、(1)又は(2)の方法が好ましい。
次に、変性ポリフェニレンエーテルを製造するために用いる、前記分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合又は三重結合を有するとともに、少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基及びグリシジル基からなる群より選ばれるいずれかを有する変性化合物(以下、単に変性化合物と記載する場合がある。)について説明する。
前記分子内に炭素−炭素二重結合を有し、カルボン酸基又は酸無水物基を同時に有する変性化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、及びこれらの酸無水物などが挙げられる。
特に、ポリフェニレンエーテル系樹脂との反応性の観点から、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、フマル酸、無水マレイン酸がより好ましい。
また、これら不飽和ジカルボン酸の2個のカルボキシル基のうちの1個又は2個がエステルになっている化合物も使用可能である。
前記分子内に炭素−炭素二重結合を有し、グリシジル基を同時に有する変性化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、エポキシ化天然油脂等が挙げられる。これらの中で、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレートが好ましい。
分子内に炭素−炭素二重結合を有し、水酸基を同時に有する変性化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アリルアルコール、4−ペンテン−1−オール、1,4−ペンタジエン−3−オールなどの、一般式Cn2n-1OH、Cn2n-3OH(nは正の整数)の不飽和アルコール、一般式Cn2n-5OH、Cn2n-7OH(nは正の整数)等の不飽和アルコールが挙げられる。
上述した変性化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性ポリフェニレンエーテルを製造する際の変性化合物の添加量は0.1質量部以上であればポリフェニレンエーテルの変性による効果が発現しやすく、10質量部以下であれば変性による副作用が発現しにくいため変性の効率の観点から、ポリフェニレンエーテル100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.3〜5質量部がより好ましく、0.5〜3質量部がさらに好ましい。
ラジカル開始剤を用いて変性ポリフェニレンエーテルを製造する際の、ラジカル開始剤の添加量は、0.001質量部以上であれば変性効率に優れる。また1質量部以下であれば該変性ポリフェニレンエーテルの低分子量化が起こりにくいため、変性率と物性バランスの観点からポリフェニレンエーテル100質量部に対して0.001〜1質量部が好ましく、0.01〜0.5質量部がより好ましく、0.05〜0.3質量部がさらに好ましい。
また、変性ポリフェニレンエーテルへの変性化合物の付加率は、変性ポリフェニレンエーテルを100質量%に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましく、0.1〜1質量%がさらに好ましい。
変性ポリフェニレンエーテル中には、未反応の変性化合物及び/又は変性化合物の重合体が5質量%未満の量、好ましくは3質量%以下の量、より好ましくは1質量%以下の量であれば残存していてもよい。
<(A−2)スチレン系樹脂>
本実施形態の難燃性樹脂組成物は、(A−2)スチレン系樹脂(以下、(A−2)と記載する場合がある。)を含有する。
(A−2)スチレン系樹脂とは、スチレン系化合物、さらには必要に応じてスチレン系化合物と共重合可能な化合物を、ゴム質重合体存在下又は非存在下で重合して得られる重合体である。
(A−2)スチレン系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ホモポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−ゴム質重合体−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等が挙げられる。
前記スチレン系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられ、スチレンが好ましい。
前記スチレン系化合物と共重合可能な化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物類;無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられる。
前記スチレン系化合物と共重合可能な化合物の使用量は、物性バランスの観点から、前記スチレン系化合物との合計量100質量%に対して20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
前記ゴム質重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、共役ジエン系ゴム、共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体、エチレン−プロピレン共重合体系ゴム等が挙げられる。
具体的には、ポリブタジエン及びスチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。
また、不飽和ゴム質重合体を用いる場合に、部分的に水素添加された不飽和度80〜20%のポリブタジエン、または1,4−シス結合を90%以上含有するポリブタジエンを用いることが好ましい。
(A−2)スチレン系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリスチレン、ゴム補強ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、ゴム補強スチレン−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)、その他のスチレン系共重合体等が挙げられる。
(A−2)スチレン系樹脂としては、ポリフェニレンエーテル系樹脂との相溶性の観点から、ポリスチレン及びゴム補強ポリスチレンが好ましい。
本実施形態の難燃性樹脂組成物において、十分な難燃性を発現するために、(A−1)ポリフェニレンエーテル系樹脂、及び(A−2)スチレン系樹脂の質量比は、両者の合計、すなわち(A−1)+(A−2)=(A)成分を100質量%としたときに、(A−1)ポリフェニレンエーテル系樹脂70〜100質量%、(A−2)スチレン系樹脂30〜0質量%の範囲内とすることが好ましい。
特に難燃性に優れた難燃性樹脂組成物を得るためには、(A)100質量%に対し、(A−1)ポリフェニレンエーテル系樹脂80〜100質量%、(A−2)スチレン系樹脂20〜0質量%の範囲が好ましく、(A−1)ポリフェニレンエーテル系樹脂90〜100質量%、(A−2)スチレン系樹脂10〜0質量%の範囲がより好ましい。
((B)水添ブロック共重合体)
本実施形態の難燃性樹脂組成物は、(B)水添ブロック共重合体((B)成分、(B)と記載する場合がある。)を含有する。
本実施形態で用いる(B)水添ブロック共重合体とは、芳香族ビニル化合物と共役ジエン系化合物とのブロック共重合体、例えば、スチレンと共役ジエン化合物とのブロック共重合体、すなわちポリスチレンブロックと共役ジエン化合物重合体ブロックからなるブロック共重合体を、水素添加して得られる水添ブロック共重合体である。
水素添加による共役ジエン化合物由来の不飽和結合の水添率は耐熱安定性の観点から60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは95%以上である。
水素添加前のブロック共重合体の構造としては、当該ブロック共重合体がスチレンと共役ジエン化合物とのブロック共重合体である場合、スチレンブロック鎖をS、ジエン化合物ブロック鎖をBと表すと、S−B−S、S−B−S−B、(S−B−)4−Si、S−B−S−B−S等が挙げられる。
また、ジエン化合物重合体ブロックのミクロ構造は、任意に選択することができる。
共役ジエン化合物重合体ブロックのビニル結合量(1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合との合計)は、ジエン化合物重合体の結合量全体(1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合と1,4−共役結合との合計)に対し、2〜60%が好ましく、より好ましくは8〜40%の範囲である。
(B)水添ブロック共重合体の数平均分子量は、100,000〜400,000であることが好ましく、より好ましくは150,000〜350,000であり、さらに好ましくは200,000〜300,000である。
(B)水添ブロック共重合体の数平均分子量が100,000以上であると耐衝撃性に優れる難燃性樹脂組成物が得られる。
数平均分子量に比例して耐衝撃性が向上し、400,000以下であると溶融押出し時の負荷が低く加工流動性に優れ、難燃性組成物中への分散性にも優れる。
(B)水添ブロック共重合体は、当該(B)水添ブロック共重合体が、スチレン重合体ブロック鎖を有する場合、ポリフェニレンエーテルとの相溶性の観点から、少なくとも1個のスチレン重合体ブロック鎖が数平均分子量15,000以上100,000以下であることが好ましい。より好ましくは20,000以上50,000以下である。さらに好ましくは全てのスチレン重合体ブロック鎖の数平均分子量が15,000以上である。
(B)水添ブロック共重合体は、当該(B)水添ブロック共重合体がスチレン重合体ブロック鎖を有する場合、(B)水添ブロック共重合体中のスチレン重合体ブロックが占める割合は、スチレン重合体ブロック鎖の数平均分子量が上記の範囲であれば特に限定されるものではないが、耐衝撃性の観点から、10〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜50質量%の範囲であり、さらに好ましくは30〜40質量%の範囲である。
(B)水添ブロック共重合体としては、組成や構造の異なる2種以上の水添ブロック共重合体を併用することもできる。
例えば、結合スチレン重合体ブロック含有量50%以上の水添ブロック共重合体と結合スチレン重合体ブロック含有量30%以下の水添ブロック共重合体との併用や、分子量の異なる水添ブロック共重合体の併用、あるいはスチレンと共役ジエンのランダム共重合体ブロックを含有するブロック共重合体を水添して得られる水添ランダムブロック共重合体を併用することもできる。
本実施形態の難燃性樹脂組成物において、(B)水添ブロック共重合体の含有量は、上述した(A)成分55〜90質量部に対して、1〜30質量部の範囲である。好ましくは2〜25質量部であり、より好ましくは5〜20質量部である。
(B)水添ブロック共重合体の含有量が、上述した(A)成分55〜90質量部に対して1質量部以上であると優れた衝撃強度が得られ、30質量部以下であると(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂との相溶性に優れ、耐衝撃性が高く、かつ曲げ弾性率や曲げ強度などの剛性が優れたものとなる。
(B)水添ブロック共重合体は、本実施形態の難燃性樹脂組成物中に、粒子状に分散しており、その平均粒子径は0.1〜3μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜2.0μmであり、さらに好ましくは0.3〜1.0μmである。
(B)水添ブロック共重合体の平均粒子径が0.1μm〜3.0μmの範囲であると、耐衝撃性が優れる。
なお、上記平均粒子径とは、後述するように、重量平均粒子径であるものとする。
本実施形態の難燃性樹脂組成物中に分散した(B)水添ブロック共重合体の平均粒子径の測定方法としては、先ず、ISO−15103に準じて引張試験片を作製し、次に当該引張試験片から超薄切片を作製し、当該超薄切片を四酸化ルテニウムで染色後、透過型電子顕微鏡写真を撮影し、当該写真を用いてその重量平均粒子径を算出する方法を適用できる。
具体的には、本実施形態の難燃性樹脂組成物を用いて成形した試験片から超薄切片を作製し、当該超薄切片を四酸化ルテニウムで染色後、透過型電子顕微鏡写真を撮影する。
25,000倍の透過型電子顕微鏡写真を用いて、難燃性樹脂組成物の試験片中に分散した各(B)水添ブロック共重合体の粒子径を測定し、以下のとおり重量平均粒子径を算出する。
この際、分散粒子の形状は不規則であるため、それぞれの分散粒子径は相当の円を想定記入し、その直径を読み取ることで代用する。
具体例として、25,000倍の前記写真において、直径1mm以上の分散粒子を数えることとし、読み取りレンジは、1−2mm、2−3mm、3−5mm、5−7mm、7−10mm、10−14mm、14−18mm、18−22mmとする。
読み取りレンジ毎の中心径(Di)は、それぞれ0.06μm、0.10μm、0.16μm、0.24μm、0.34μm、0.48μm、0.64μm、0.80μmに相当する。
読み取りレンジの各中心径(Di)と、個数(Ni)とから、下記式により重量平均粒子径を算出することができる。
重量平均粒子径(μm)=Σ[(Di) 4×(Ni)]/Σ[(Di) 3×(Ni)]
((C)リン酸エステル化合物)
本実施形態の難燃性樹脂組成物は、(C)リン酸エステル化合物((C)成分、(C)と記載する場合がある。)を含有する。
(C)リン酸エステル系化合物は、本実施形態の難燃性樹脂組成物の難燃性を向上するために添加されるものであり、難燃剤として一般的に用いられるリン酸エステルであれば、いずれも用いることができる。
(C)リン酸エステル系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリフェニルホスフェート、トリスノニルフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート]、2,2−ビス{4−[ビス(フェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−[ビス(メチルフェノキシ)ホスホリルオキシ]フェニル}プロパン等が挙げられる。
さらに上記以外に、(C)リン酸エステル系化合物としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェートなどのリン酸エステル系難燃剤;ジフェニル−4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモベンジルホスフォネート、ジメチル−4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモベンジルホスフォネート、ジフェニル−4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモベンジルホスフォネート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、ビス(2、3−ジブロモプロピル)−2、3−ジクロロプロピルホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、及びビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェートハイドロキノニルジフェニルホスフェート、フェニルノニルフェニルハイドロキノニルホスフェート、フェニルジノニルフェニルホスフェートなどのモノリン酸エステル化合物;芳香族縮合リン酸エステル化合物などが挙げられる。
これらの中で、加工時のガス発生が少なく、熱安定性などに優れることから、芳香族縮合リン酸エステル化合物が好ましい。
前記芳香族縮合リン酸エステル化合物は、一般に市販されており、以下に限定されるものではないが、例えば、大八化学工業(株)のCR741、CR733S、PX200、(株)ADEKAのFP600、FP700、FP800などが挙げられる。
本実施形態において用いる(C)リン酸エステル系化合物は、下記一般式(I)又は下記一般式(II)で示される縮合リン酸エステル系化合物であることが好ましい。
(一般式(I)、(II)中、Q1、Q2、Q3、Q4は、各々置換基であって各々独立に炭素数1〜6のアルキル基を表し、R1、R2は各々メチル基を表し、R3、R4は各々独立に水素原子又はメチル基を表す。nは1以上の整数であり、n1、n2は各々独立に0〜2の整数を示し、m1、m2、m3、m4は各々独立に0〜3の整数を示す。)
上記一般式(I)及び(II)で示される縮合リン酸エステル系化合物は、それぞれの分子において、nは1以上の整数、好ましくは1〜3の整数である。
上記一般式(I)及び(II)で示される縮合リン酸エステル系化合物において、上記一般式(I)におけるm1、m2、m3、m4、n1、及びn2が0であって、R3及びR4がメチル基である縮合リン酸エステル系化合物が好ましいものとして挙げられる。また、上記一般式(I)におけるQ1、Q2、Q3、Q4、R3、及びR4がメチル基であり、n1、及びn2が0であり、m1、m2、m3、及びm4が1〜3の整数の縮合リン酸エステル系化合物であって、nの範囲が1〜3の整数、特にnが1であるリン酸エステルを50質量%以上含有するものが好ましいものとして挙げられる。
これらの縮合リン酸エステル系化合物で、酸価が0.1以下(JIS K2501に準拠して得られた値)の縮合リン酸エステル系化合物がより好ましいものとして挙げられる。
(C)リン酸エステル系化合物の含有量は、必要な難燃性レベルにより異なるが、上述した(A)成分:55〜90質量部、(B)成分:1〜30質量部としたとき、5〜30質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜25質量部の範囲であり、さらに好ましくは15〜20質量部の範囲である。
(C)リン酸エステル系化合物を5質量部以上とすることにより優れた難燃性が得られ、30質量部以下とすることにより優れた耐熱性が得られる。
((D)アルミニウム化合物)
本実施形態の難燃性樹脂組成物は、(D)アルミニウム化合物((D)成分、(D)と記載する場合がある。)を含有する。
(D)アルミニウム化合物を含有することにより、難燃性樹脂組成物の熱安定性を向上させる効果が得られる。
(D)アルミニウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、珪酸アルミニウム、硝酸アルミニウム等の無機アルミニウム化合物、酢酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム等のカルボン酸塩、天然ハイドロタルサイト、合成ハイドロタルサイト等のハイドロタルサイト類化合物が挙げられる。
中でも、水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、珪酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、ハイドロタルサイト、ステアリン酸アルミニウムが好ましく用いられ、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウムがより好ましい。
本実施形態の難燃性樹脂組成物は、(D)アルミニウム化合物を含有することにより、当該難燃性樹脂組成物の成形体が高温環境下に長時間曝された後にも性能を維持することができる。特に難燃性の低下を抑制する効果が得られる。
本実施形態の難燃性樹脂組成物は、(D)アルミニウム化合物の含有量が、上述した(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、(B)水添ブロック共重合体、及び前記(C)リン酸エステル系化合物の合計100質量部に対し、0.05〜5.0質量部である。(D)アルミニウム化合物の含有量は0.1〜3.0質量部が好ましく、0.5〜2.0質量部がより好ましい。
(D)アルミニウム化合物の含有量を0.05質量部以上とすることにより、熱安定性の向上効果が得られ、5.0質量部以下とすることにより成形体において優れた外観特性が得られ、モールドディポジット(MD)の問題を効果的に抑制できる。
本実施形態の難燃性樹脂組成物に含まれる(D)アルミニウム化合物は、原料の状態で、平均粒子径0.1〜20.0μmの粒子であることが好ましく、より好ましくは平均粒子径0.3〜10.0μmの粒子、さらに好ましくは平均粒子径0.5〜5.0μmの粒子である。
(D)アルミニウム化合物が、平均粒子径0.1μm以上の粒子であることにより、凝集を防止でき、溶融混練時に分散不良の問題が発生しにくくなる。また、(D)アルミニウム化合物が平均粒子径20.0μm以下の粒子であることにより、本実施形態の難燃性樹脂組成物において、優れた熱安定性の向上効果が得られ、特に、耐衝撃強度の低下を効果的に防止できる。
前記(D)アルミニウム化合物の平均粒子径(d50%)は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した体積基準の粒子径に基づいている。また、分散媒として3%イソプロパノール水溶液を用いて測定される値である。具体的には、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場製作所(株)製)を用いて測定試料を規定の透過率(95%〜70%)になるように入れて測定することにより求めることができる。なお、分散媒中への試料の分散は、超音波を1分間照射することにより行う。
((Z)その他の成分)
本実施形態の難燃性樹脂組成物は、上述した(A)〜(D)成分の他、所定のその他の成分を含有することができる。
当該その他の成分としては、例えば、オイルが挙げられる。
前記オイルとは、30℃において液状の無機又は有機の油脂を言う。
当該オイルは、合成油、鉱物油、動物油、植物油等いずれであってもよい。
具体的には、大豆油・アマニ油等の植物油、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、芳香族系オイル、ベンジルトルエン等に代表される熱媒用オイルが挙げられ、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、芳香族系オイルが好ましく、パラフィン系オイルがより好ましい。
これらオイルは、一般に芳香族環、ナフテン環及びパラフィン鎖の三成分が組み合わさった混合物であって、パラフィン鎖の炭素数が50%以上を占めるものがパラフィン系オイルと呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナフテン系オイル、芳香族炭素数が30%より多いものが芳香族系オイルと呼ばれる。
なお、前記パラフィン系オイルは、詳細には、芳香環含有化合物、ナフテン環含有化合物及びパラフィン系化合物の三者を含む数平均分子量100〜10000の範囲の炭化水素系化合物の混合物であり、パラフィン系化合物の含有量が50質量%以上のものである。
より詳細には、パラフィン系化合物が50〜90質量%,ナフテン環含有化合物が10〜40質量%、芳香環含有化合物が5質量%以下の量で組み合わさった数平均分子量は100〜2000の間のものであり、好ましくは200〜1500の間のものである。
前記パラフィン系オイルは市販されており、以下に限定されるものではないが、例えば、ダイアナプロセスオイルPW−380(出光石油化学(株)製)[動粘度381.6cst(40℃)、平均分子量746、ナフテン環炭素数=27%,パラフィン環炭素数73%]等が挙げられる。
本実施形態の難燃性樹脂組成物に対するオイルの添加方法については特に限定されるものではない。例えば、難燃性樹脂組成物の溶融混練時に液体状態で添加してもよく、上述した(B)水添ブロック共重合体にあらかじめ配合しておいてもよい。特に、(B)水添ブロック共重合体にオイルをあらかじめ混合する方法が好ましい。
この時の好ましいオイルの量は、上述した(B)水添ブロック共重合体100質量部に対して、70質量部未満である。より好ましくは60質量部未満である。
上記その他の成分としては、無機フィラーも挙げられる。
無機フィラーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、石膏繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、ボロンウィスカ繊維、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ウォラストナイト、ゾノトライト、アパタイト、ガラスビーズ、フレーク状ガラス、酸化チタン、着色用カーボンブラック等の繊維状、粒状、板状、あるいは針状の無機質強化材が挙げられる。
これら無機フィラーは、1種のみを単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの無機フィラーの中で、タルク、ウォラストナイト、ガラス繊維が好ましい。
また、無機フィラーはシランカップリング剤等の表面処理剤を用いて公知の方法で表面処理した物を用いてもよい。
本実施形態の難燃性樹脂組成物における無機フィラーの好ましい含有量は、難燃性樹脂組成物を100質量%としたとき、5〜100質量%である。より好ましくは10〜60質量%であり、さらに好ましくは15〜40質量%である。
また、本実施形態の難燃性樹脂組成物は、上述した成分(C)以外の難燃剤をさらに含んでもよい。
当該(C)以外の難燃剤としても、実質的にハロゲンを含まない無機又は有機の難燃剤が好ましい。
当該(C)以外の難燃剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水酸化マグネシウム等の公知の無機難燃剤;ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メレム、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メロン等のリン酸系含窒素化合物;特開平11−181429号公報に記載されているようなホスファゼン系化合物;メロンやメレムのような環状窒素化合物;シリコーンオイル類、赤燐、ホウ酸亜鉛やその他公知の難燃剤が挙げられる。
また、本実施形態の難燃性樹脂組成物は、滴下防止剤として知られるテトラフルオロエチレン等に代表されるフッ素系ポリマーを含有してもよい。
当該フッ素系ポリマーの含有量は、滴下防止の効果と燃焼時間の観点から、難燃性樹脂組成物中、2質量%未満であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の難燃性樹脂組成物においては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブチレン共重合体、エチレン−オクテン共重合体等のオレフィン系熱可塑性エラストマーをさらに添加することができる。これにより、金型からの離型性の向上を図ることができる、
前記オレフィン系熱可塑性エラストマーは、特に、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体と併用することが好ましい。
前記オレフィン系熱可塑性エラストマーの量は、相溶性の観点から、本実施形態の難燃性樹脂組成物を100質量%としたとき、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%であり、さらに好ましくは1.0〜3.0質量%である。
本実施形態の難燃性樹脂組成物においては、上述した成分のほかに、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて付加的成分を任意の段階で添加してもよい。
付加的成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、可塑剤(低分子量ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、帯電防止剤、核剤、流動性改良剤、充填剤、補強剤、各種過酸化物、展着剤、銅系熱安定剤、ヒンダードフェノール系酸化劣化防止剤に代表される有機系熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、及び光安定剤等が挙げられる。
これらの成分の具体的な好ましい添加量は、難燃性樹脂組成物中に、それぞれ10質量%以下とし、より好ましくは5質量%未満であり、さらに好ましくは3質量%以下である。
〔難燃性樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態の難燃性樹脂組成物は、上述した(A)〜(D)成分、及び必要に応じて上述した(Z)その他の成分、付加的成分を、所定の加工機械を用いて混合することにより製造することができる。
本実施形態の難燃性樹脂組成物を製造するための具体的な加工機械としては、以下に限定されるものではないが、例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等が挙げられるが、中でも二軸押出機が好ましく、上流側供給口と1カ所以上の下流側供給口を備えた二軸押出機がより好ましい。
本実施形態の難燃性樹脂組成物を得るための溶融混練温度は特に限定されるものではないが、混練状態等を考慮して通常240〜360℃の中から好適な難燃性樹脂組成物が得られる条件を任意に選ぶことができる。
このようにして得られる難燃性樹脂組成物は、従来公知の種々の方法、例えば、射出成形や押出成形により、各種成形体に加工できる。
〔難燃性樹脂組成物の特性〕
本実施形態の難燃性樹脂組成物の成形体は、難燃性に優れており、具体的には、1.5mm厚みの射出成形体は、150℃、500時間の条件でエージングした後の、UL規格のUL−94に規定する難燃性がV−1以上であることが好ましく、V−0であることがより好ましい。
本実施形態の難燃性樹脂組成物においては、上述したように、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、又はポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂との混合樹脂55〜90質量部と、(B)水添ブロック共重合体1〜30質量部と、(C)リン酸エステル系化合物5〜30質量部と、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分の合計100質量部に対して、(D)アルミニウム化合物0.05〜5.0質量部を含有したことにより、実用上良好な耐熱性、機械特性が得られ、金型への難燃剤の付着等の問題が殆どなく、長期間高温環境下に曝された場合においても難燃性の低下を効果的に抑制可能である。
〔用途〕
本実施形態の難燃性樹脂組成物は、特に耐熱性、難燃性、電気特性が重要な用途に使用でき、電気・電子部品及び自動車用電気電子部品に好適に使用可能である。
前記電気部品は、産業用機器である事務機、計測器、シャーシ、電気機器の内部パーツ部品、家電関連機器等の電源アダプター、記録媒体やそのドライブ、センサー機器、端子台、エネルギー・環境分野における二次電池、燃料電池や太陽電池、太陽熱発電、地熱発電、風力発電、スマートメーター等に使用される電気電子部品、送電設備を構成する電気部品、ケーブル端末、自動車部品、特に、太陽光発電用モジュールコネクター及び太陽電池用ジャンクションボックス等の太陽光発電モジュール用接続構造体、ハイブリッド自動車・電気自動車用部品として利用できる。
以下、実施例により本発明の実施の形態をさらに詳しく説明する。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例に用いた測定方法、原材料を以下に示す。
〔測定方法〕
(1)難燃性(耐熱安定性:UL−94、熱エージング0hr)
実施例及び比較例の樹脂組成物を用いて、東芝機械(株)製IS−100GN型射出成形機(シリンダー温度を320℃、金型温度を80℃に設定)にて、燃焼試験用試験片を成形した。
UL規格のUL−94に規定されている垂直燃焼試験に基づき、1.5mm厚みの射出成形試験片を用いて燃焼試験を行った。
試験片5本について、接炎を各2回、合計10回行い、消炎時間の平均秒数及び最大秒数を測定し、以下のとおりランク付けした。
(ランク)
5本一組の試験で、合計10回の燃焼時間を測定して、いずれの燃焼時間も10秒以内であり、10回の燃焼時間の合計が50秒以内であり、且つ、滴下物が綿着火をおこさなかったものが「V−0」、いずれの燃焼時間も30秒以内であり、10回の燃焼時間の合計が250秒以内であり、且つ、滴下物が綿着火をおこさなかったものが「V−1」、いずれの燃焼時間も30秒以内であり、10回の燃焼時間の合計が250秒以内であり、且つ、滴下物が綿着火をおこしたものが「V−2」、この評価基準以下のものを「notV」とした。
(2)耐熱安定性:UL−94 熱エージング500hr
UL規格のUL−94に規定されている垂直燃焼試験に基づき、1.5mm厚みの射出成形試験片を用い、150℃に設定した空気循環オーブン内で500時間の熱エージングを実施した後、室温23℃、湿度50%の状態に24時間放置し、その後、上記と同様に燃焼試験を行った。
試験片5本について、接炎を各2回、合計10回行い、消炎時間の平均秒数及び最大秒数を測定し、上記と同様にランク付けした。
(3)シャルピー衝撃強度
実施例及び比較例の樹脂組成物ペレットを100℃で2時間乾燥した。
乾燥後の樹脂組成物ペレットから、東芝機械(株)製IS−100GN型射出成形機(シリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設定)を用いて、ISO−15103に準じて試験片を成形した。
上記試験片をISO−179に準拠し、中央にノッチ(切り欠き)を付けて、ノッチ付きシャルピー衝撃試験片を成形した。
当該ノッチ付きシャルピー衝撃試験片について、耐衝撃性評価として、ISO−179に準拠し、23℃におけるシャルピー衝撃強度を測定した。
(4)DTUL(荷重たわみ温度)
実施例及び比較例の樹脂組成物ペレットを100℃で2時間乾燥した。
乾燥後の樹脂組成物ペレットから、東芝機械(株)製IS−100GN型射出成形機(シリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設定)を用いて、ISO−15103に準じて試験片を成形した。
上記試験片を用い、耐熱性評価として、DTUL(荷重たわみ温度)を、ISO−75に準拠し、1.8MPa下、フラットワイズにて測定した。
(5)モールドデポジット(MD)
実施例及び比較例の樹脂組成物ペレットを80℃で2時間乾燥した後、東芝機械(株)製IS−100GN型射出成形機(シリンダー温度を310℃、金型温度を80℃に設定)にて、前記のUL94の試験片(厚み1.5mm)を成形する際、金型表面をふき取った後、完全充填に約1cmほどショートする圧力で30ショット連続成形を実施した。
その後、金型の成形片キャビティー末端部に生じた固形付着物の量を目視で有無を確認し、以下の基準で評価した。
ほとんど付着物が見られない場合は○、付着物が明らかに見られる場合は×、それらの中間として付着物が少し見られる場合は△とした。
(6)外観
実施例及び比較例の樹脂組成物ペレットを100℃で2時間乾燥した。
乾燥後の樹脂組成物ペレットから、東芝機械(株)製IS−100GN型射出成形機(シリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設定)を用いて、ISO−15103に準じて試験片を成形し、試験片の表面の状態を目視観察し、以下の基準で評価した。
試験片表面に外観不良がほとんど発生しないものを○(良い)、外観不良が少し発生するのを△(普通)、外観不良の発生量の多いものを×(悪い)の3段階で評価した。
〔原材料〕
[(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹脂]
(A−1)ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下、PPE)
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)[商品名:S201A 旭化成ケミカルズ(株)製]
(A−2)スチレン系樹脂
ハイインパクトポリスチレン(以下、HIPS)[商品名:PSJポリスチレン H9302、PSジャパン(株)製]
[(B)水添ブロック共重合体]
以下のスチレン−ブタジエンブロック共重合体(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンの結合構造)を水素添加して得られた水添ブロック共重合体(ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレンの結合構造)を用いた。
数平均分子量約250,000、スチレン重合体ブロック約33質量%、ブタジエンユニットの水素添加率98%以上の水添ブロック共重合体:Kraton Polymers LLC製、商品名「クレイトン G1651」
[(C)リン酸エステル系化合物]
ビスフェノールA系縮合リン酸エステル「商品名:CR−741 大八化学(株)製」 以下の化学式にて、n=1のものが主成分(液体クロマトグラフィー分析による面積比で約85%)、酸価=0.01のリン化合物。
[(D)アルミニウム化合物]
(AL−1)水酸化アルミニウム 平均粒子径0.75μm「商品名:ハイジライトH−43M 昭和電工(株)製」
(AL−2)水酸化アルミニウム 平均粒子径3.5μm「商品名:B703 日本軽金属(株)製」
(AL−3)水酸化アルミニウム 平均粒子径18μm 「商品名:ハイジライトH−31 昭和電工(株)製」
(AL−4)水酸化酸化アルミニウム 平均粒子径1.8μm「商品名:APYRAL AOH30 Nabaitec(株)製」
(AL−5)硫酸アルミニウム 平均粒子径4.5μm「商品名:タイエース K20 大明化学工業(株)製」
(AL−6)ハイドロタルサイト 平均粒子径0.4μm「商品名:DHT−4A 協和化学工業(株)製」
(AL−7)ステアリン酸アルミニウム 平均粒子径20μm「商品名 ステアリン酸アルミニウム 和光純薬工業(株)製」
[添加剤]
水酸化マグネシウム 平均粒子径3.0μm「商品名:APYMAG 80 Nabaitec(株)製」
水酸化カルシウム 平均粒子径1.5μm「商品名:カルテックLT 鈴木工業(株)製」
硫酸ナトリウム 平均粒子径20μm「商品名:硫酸ナトリウム 和光純薬工業(株)製」
メラミンシアヌレート 平均粒子径1.8μm「商品名:MC6000 日産化学工業(株)製」
[(E)熱安定剤]
(E−1)ヒンダードフェノール系酸化防止剤「商品名:IRGANOX 565 BASFジャパン(株)製」
(E−2)ホスファイト系酸化防止剤「商品名:IRGFOS 168 BASFジャパン(株)製」
〔実施例1〜12〕、〔比較例1〜8〕
二軸押出機[ZSK−26MC:コペリオン社製(ドイツ)]を用い、シリンダー温度を上流側320℃〜下流側280℃に設定した。
下記表1に示す配合割合に従い、上流供給口より(A)成分、(B)成分、(D)成分、及びその他成分を供給した。
次いで、下流の圧入ノズルから(C)成分を供給して溶融混練した。
なお、このときのスクリュー回転数は300回転/分とし、吐出量は15kg/hとした。
また、シリンダーブロックに開口部(ベント)を設け、減圧吸引することにより残存揮発の除去を行った。この時の減圧度(圧力)は0.09MPaであった。
ダイから押し出されたストランドを冷却し、カッターにて連続切断して約3mm長さ×3mm径の樹脂組成物ペレットを得た。
得られた樹脂組成物ペレットを用いて、上述の各種評価を実施した。
評価結果を、下記表1に、各成分の配合割合とともに示した。
本発明の難燃性樹脂組成物は、太陽光発電モジュールのシャンクションボックスやコネクター、電気・電子分野のコネクター、ブレーカー、マグネットスイッチ等の部品、リレーブロックに代表される自動車分野の電装部品等の部品材料として産業上の利用可能性を有している。

Claims (11)

  1. (A)ポリフェニレンエーテル系樹脂、又はポリフェニレンエーテル系樹脂とスチレン系樹脂との混合樹脂:55〜90質量部と、
    (B)水添ブロック共重合体:1〜30質量部と、
    (C)リン酸エステル系化合物:5〜30質量部と、
    前記(A)、前記(B)、及び前記(C)の合計100質量部に対して、(D)アルミニウム化合物:0.05〜5.0質量部と、
    を、含有する、難燃性樹脂組成物。
  2. 前記(A)が、(A−1)ポリフェニレンエーテル系樹脂70〜100質量%、及び(A−2)スチレン系樹脂0〜30質量%を含有する、請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記(D)アルミニウム化合物が、
    水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、珪酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、ハイドロタルサイト、及びステアリン酸アルミニウムからなる群より選ばれる、1以上の化合物を含有する、請求項1又は2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 前記(D)アルミニウム化合物が、
    平均粒子径0.1〜5μmの粒子である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 前記(D)アルミニウム化合物が、
    水酸化アルミニウム、又は硫酸アルミニウムである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 前記(C)リン酸エステル系化合物が、
    下記一般式(I)又は一般式(II)で示される縮合リン酸エステル系化合物である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物。
    (一般式(I)、(II)中、Q1、Q2、Q3、Q4は、各々置換基であって各々独立に炭素数1〜6のアルキル基を表し、R1、R2は各々置換基であってメチル基を表し、R3、R4は各々独立に水素原子又はメチル基を表す。nは1以上の整数であり、n1、n2は各々独立に0〜2の整数を示し、m1、m2、m3、m4は各々独立に0〜3の整数を示す。)
  7. 前記難燃性樹脂組成物の1.5mm厚みの射出成形体を、150℃、500時間の条件で熱エージングした後の、UL規格のUL−94に規定する難燃性が、V−1以上である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物。
  8. 前記難燃性樹脂組成物の1.5mm厚みの射出成形体を、150℃、500時間の条件で熱エージングした後の、UL規格のUL−94に規定する難燃性が、V−0である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物を含む太陽光発電モジュール用接続構造体。
  10. 太陽光発電モジュール用ジャンクションボックスである、請求項9に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
  11. 太陽光発電モジュール用コネクターである、請求項9に記載の太陽光発電モジュール用接続構造体。
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