JP2018193471A - 樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、高い難燃性を維持しつつ、経時後の機械的強度に優れ、かつ、重量が増加しない樹脂組成物および成形品を提供することを目的とする。
<1>(A)ポリフェニレンエーテル樹脂(a1)30〜100重量%とスチレン系樹脂(a2)70〜0重量%を含む樹脂成分100重量部に対して、(B)下記式(1)で表される化合物5〜30重量部と、(C)成分0.2〜5重量部を含み、前記(C)成分は、(C1)ハイドロタルサイトおよび(C2)カルボジイミド化合物を含む、樹脂組成物;
式(1)
<2>前記式(1)は、下記式(1−1)で表される、<1>に記載の樹脂組成物;
式(1−1)
<3>前記式(1)で表される化合物が、レゾルシノールビス(ジフェニルフォスフェート)である、<1>に記載の樹脂組成物。
<4>前記(C)成分は、(C1)ハイドロタルサイト30〜70重量%と、(C2)カルボジイミド化合物70〜30重量%から構成される、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5>さらに、(D)フッ素系樹脂を、前記(A)樹脂成分100重量部に対し、0.2〜1重量部含む、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<6><1>〜<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物を成形してなる成形品。
このような構成とすることにより、高い難燃性を維持しつつ、経時の機械的強度を高く保持でき、かつ、経時の重量増加を抑制することが可能になる。
式(1)
以下、本発明の詳細について、説明する。
本発明における樹脂成分は、ポリフェニレンエーテル樹脂(a1)30〜100重量%とスチレン系樹脂(a2)70〜0重量%を含み、ポリフェニレンエーテル樹脂(a1)30〜99.5重量%とスチレン系樹脂(a2)70〜0.5重量%を含むことが好ましく、ポリフェニレンエーテル樹脂(a1)45〜99.5重量%と、スチレン系樹脂(a2)55〜0.5重量%を含むことがより好ましく、ポリフェニレンエーテル樹脂60〜99.5重量%と、スチレン系樹脂40〜0.5重量%を含むことがさらに好ましく、ポリフェニレンエーテル樹脂(a1)70〜99重量%と、スチレン系樹脂(a2)30〜1重量%を含むことが一層好ましく、ポリフェニレンエーテル樹脂(a1)70〜90重量%と、スチレン系樹脂(a2)30〜10重量%とを含むことがより一層好ましい。また、本発明における樹脂成分は、ポリフェニレンエーテル樹脂(a1)およびスチレン系樹脂(a2)以外の他の樹脂成分を含んでいてもよい。他の樹脂成分を含む場合、樹脂成分(A)の30重量%以下が好ましい。一方、本発明の樹脂組成物は、実質的に他の樹脂成分を含まない構成とすることもできる。ここで、実質的に含まないとは、樹脂成分の5重量%未満であることをいい、好ましくは3重量%未満、より好ましくは1重量%未満である。
以下、ポリフェニレンエーテル樹脂(a1)、スチレン系樹脂(a2)およびその他の樹脂について説明する。
本発明の樹脂組成物に用いられるポリフェニレンエーテル樹脂は、下記式で表される構成単位を主鎖に有する重合体であって、単独重合体または共重合体の何れであってもよい。
スチレン系樹脂としては、スチレン系単量体の重合体、スチレン系単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体およびスチレン系グラフト共重合体等が挙げられる。本発明において、スチレン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で使用されるスチレン系樹脂は、ゴム変性スチレン樹脂(a2−1)およびスチレン−オレフィンブロック共重合体(a2−2)から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、少なくともゴム変性スチレン樹脂(a2−1)を含むことがより好ましい。
また、本発明の一実施形態として、本発明における樹脂成分(A)に含まれるスチレン系樹脂の98〜100重量%がゴム変性スチレン樹脂(a2−1)およびスチレン−オレフィンブロック共重合体(a2−2)から選択される形態が挙げられる。
本発明で用いるゴム変性スチレン樹脂は、いわゆる、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)と呼ばれるものであり、例えば、ゴムの存在下で、少なくともスチレン単量体を重合して得られる。ゴム変性スチレン樹脂では、スチレン系重合体のマトリックス中に、微細なゴム状粒子がブレンドまたはグラフト重合されている。
ゴムとしては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。
スチレン系重合体としては、ポリスチレンおよびスチレンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体が挙げられ、ポリスチレンが好ましい。スチレン系重合体としては、下記式(2)で示される繰り返し単位からなる重合体、および、下記式(2)で示される繰り返し単位を50重量%以上含む、他の共重合可能なモノマーとの共重合体が挙げられる。
スチレン系以外の単量体としては、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどのビニル系単量体が挙げられる。
ゴム変性スチレン樹脂の重量平均分子量は、5,000〜100,000が好ましく、10,000〜50,000がより好ましい。
ゴム変性スチレン樹脂の市販品としては、PSジャパン社製、HT478が例示される。
特に、スチレン系樹脂として、スチレン−オレフィンブロック共重合体(a2−2)を用いない場合、ゴム変性スチレン樹脂(a2−1)の配合量は、樹脂成分(A)の10〜50重量%が好ましく、20〜45重量%がさらに好ましい。一方、後述するスチレン−オレフィンブロック共重合体(a2−2)と併用する場合、ゴム変性スチレン樹脂(a2−1)の配合量は、樹脂成分(A)の1〜25重量%が好ましく、4〜10重量%がより好ましい。
本発明で用いるスチレン−オレフィンブロック共重合体は、分子中に、好ましくは分子の少なくとも一方の末端に、より好ましくは分子の両末端に、スチレン由来の構成単位を主成分とする領域(スチレンブロック)を有し、さらに、オレフィン由来の構成単位を主成分とする領域(オレフィンブロック)を有するものである。ここで、スチレン由来の構成単位を主成分とするとは、前記スチレンブロックの90重量%以上が、スチレン由来の構成単位からなることを言う。オレフィンブロックについても同様である。
本発明で用いるスチレン−オレフィンブロック共重合体は、スチレンブロックおよびオレフィンブロック以外の他の領域を含んでいてもよいが、前記他の領域は、通常、スチレン−オレフィンブロック共重合体の5重量%以下である。
上記オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等が例示される。スチレン−オレフィンブロック共重合体に含まれるオレフィンは、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
スチレン−オレフィンブロック共重合体の具体例としては、スチレン−エチレン・プロピレン共重合体(SEP)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、ポリスチレン−ビニル−ポリイソプレンが結合したトリブロック共重合体(PS−VPI)等が挙げられる。
また、本発明で用いるスチレン−オレフィンブロック共重合体(a2−2)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
特に、スチレン系樹脂として、ゴム変性スチレン樹脂(a2−1)を用いない場合、スチレン−オレフィンブロック共重合体(a2−2)の配合量は、樹脂成分(A)の0.5〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。
一方、スチレン系樹脂として、ゴム変性スチレン樹脂(a2−1)と併用する場合、スチレン系樹脂として、ゴム変性スチレン樹脂(a2−1)の配合量は、樹脂成分(A)の0.5〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上述のとおり、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリフェニレンエーテル樹脂(a1)、スチレン系樹脂(a2)以外のその他の樹脂を、樹脂成分の一部として用いてもよい。その他の樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、2種以上を組み合わせて使用することもできる。これらの配合量は、樹脂成分の5重量%以下であることが好ましい。
尚、本発明の樹脂組成物は、樹脂成分を70重量%以上含むことが好ましく、75重量%以上含むことがより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、式(1)で表される化合物を含む。このような難燃剤は、分子中のリン原子の割合が高く、高い難燃性を達成する。
式(1)
式(1)で表される化合物は、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、(C1)ハイドロタルサイトおよび(C2)カルボジイミド化合物を含む。このような成分を含むことにより、(B)式(1)で表される化合物の加水分解を抑制し、長期間に渡って機械的強度を高く保持することができる。特に、(C1)ハイドロタルサイトおよび(C2)カルボジイミド化合物を併用することにより、湿熱下に2000時間置いたときの、引張強さ保持率を高く維持し、かつ、重量増加を効果的に抑制できる。
本発明では、(C)成分は、(C1)ハイドロタルサイト30〜70重量%と、(C2)カルボジイミド化合物70〜30重量%から構成されることがより好ましく、(C1)ハイドロタルサイト40〜60重量%と、(C2)カルボジイミド化合物60〜40重量%から構成されることがさらに好ましく、(C1)ハイドロタルサイト45〜55重量%と、(C2)カルボジイミド化合物55〜45重量%から構成されることが一層好ましい。このような範囲とすることにより、より高い機械的強度を達成できるとともに、メルトボリュームフローレート(MVR)を高くすることができる。
(C2)カルボジイミド化合物は、カルボジイミド基に結合する基は特に制限されず、脂肪族基、脂環族基、芳香族基、またはこれらの有機基が結合した基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、1,4−キシリレン基等)等が挙げられる。本発明において好適に使用されるカルボジイミド化合物の例としては、カルボジイミド基に脂肪族基が連結した脂肪族カルボジイミド化合物、カルボジイミド基に脂環族基が連結した脂環族カルボジイミド化合物およびカルボジイミド基に芳香族基または芳香族基を含む基が連結した芳香族カルボジイミド化合物等が挙げられる。カルボジイミド化合物の詳細としては、特開2016−056314号公報の段落0033〜0039の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。市販品としては、日精紡ケミカル社製、カルボジライトHMV−15CA、カルボジライトLA−1、ラインケミー社製、スタバクゾール(登録商標)IPowder、スタバクゾールP400などが例示される。
上記(C)成分、さらには、(C1)および(C2)は、それぞれ、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、さらに、(D)フッ素系樹脂を、前記(A)樹脂成分100重量部に対し、0.2〜1重量部含むことが好ましい。(D)フッ素系樹脂を用いることにより、燃焼時のドリップを改善する効果があり、より高度な難燃性を得ることができる。
本発明で用いるフッ素系樹脂の詳細は、特開2013−067763号公報の段落0070〜0077の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明で用いるフッ素系樹脂は、市販品でもよく、三菱レイヨン社製「メタブレン(登録商標)A−3750」、GEスペシャリティケミカル社製「ブレンデックス(登録商標)449」、PIC社製「Poly TS AD001」等が挙げられる。
本発明では、(D)フッ素系樹脂は、1種のみ用いてもよく、2種以上も用いてもよい。2種以上用いる場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
さらに、本発明の樹脂組成物は、(E)強化剤を含んでいてもよい。(E)強化剤を配合することにより、得られる成形品の機械的強度をより向上させることができる。
(E)強化剤は、有機系強化剤および無機系強化剤の少なくとも1種、例えば、ガラス繊維、ガラスフレーク、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、炭素繊維等を配合してもよい。
本発明の樹脂組成物に、強化剤を配合する場合、樹脂成分100重量部に対し、5〜100重量部の範囲で配合することが好ましい。(E)強化剤は、1種のみ配合してもよいし、2種以上配合してもよい。
しかしながら、本発明では、強化剤を実質的に配合しない構成とすることもできる。実質的に配合しないとは、例えば、樹脂組成物の1重量%以下であることをいう。
本発明の樹脂組成物は、上述の成分以外の他の成分を含んでいてもよい。
具体的には、本発明の樹脂組成物は、熱安定剤、上記以外の難燃剤、染料、顔料、離型剤、酸化防止剤、増核剤、上記以外の他の耐衝撃改良剤、可塑剤、流動性改良剤等を含んでいてもよい。これらの成分を含有する場合、その含有量は、合計で、樹脂組成物の0.01〜5重量%の範囲とすることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、UL94規格(Underwriters Laboratories Inc.)に準拠した燃焼試験において、0.75mm厚の試験片としたときの評価がV−1以上を満たすことが好ましく、V−0を満たすことがより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ISO−15103に準じて、ISO3167:93A型試験片を成形し、85℃、相対湿度85%の雰囲気下に2000時間保持した後の引張強さ保持率が、90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、100%以上であることがさらに好ましく、105%以上であることが一層好ましい。上限値については、長期間の高温アニール効果による硬化のため100%を超えることはあるが、例えば、110%以下であっても、各種用途に好ましく用いることができる。引張強さ保持率は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
本発明の樹脂組成物は、85℃、相対湿度85%の雰囲気下に2000時間保持した後の重量増加率が3.0%以下であることが好ましく、2.0%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましく、0.9%以下であることが一層好ましい。下限値は0%であってもよいが、例えば、0.1%以上、さらには、0.3%以上であっても、各種用途に好ましく用いることができる。重量変化率は、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
本発明の樹脂組成物は、MVRが8.0〜15.0cm3/10分であることが好ましく、8.0〜13.0cm3/10分であることがより好ましい。MVRは、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
本発明は、また、本発明の樹脂組成物を成形してなる成形品を開示する。成形品の形態としては、フィルム、筐体等が例示される。
本発明の成形品の製造方法は、特に限定されるものでなく、熱可塑性樹脂組成物について一般に用いられている成形法、例えば、射出成形、中空成形、押し出し成形、シート成形、熱成形、回転成形、積層成形等の成形法が適用できる。特に、本発明の樹脂組成物をフィルムまたは積層体に成形する場合、単数または複数台の単軸もしくは二軸の押出機で、樹脂組成物を層状に溶融押出し、フィードブロックとTダイによりフィルムを得る方法や、マルチマニホールドダイを使用し積層体を得る方法が挙げられる。
本発明の成形品は、電気・電子産業、宇宙・航空機産業等の分野において、広く用いることができ、太陽光発電モジュール、リチウム電池や鉛蓄電池の電槽に特に好ましく用いられる。
(A1)ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE):ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリキシレノールシンガポール社製「PX100L」、クロロホルム中で測定した30℃の固有粘度0.47dL/g
(A2)ゴム変性スチレン樹脂:ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、PSジャパン社製「HT478」、重量平均分子量(Mw)200,000、MFR3.2g/10分
<<(C1)ハイドロタルサイト>>
ハイドロタルサイト:DHT−4A−2、協和化学工業社製
<<(C2)カルボジイミド化合物>>
カルボジライトHMV−15CA、日精紡ケミカル社製
スタバクゾール(登録商標)IPowder、ラインケミー社製
<<比較用安定剤>>
エポキシ系安定剤:アデカサイザーEP−17、ADEKA社製
フェノール系安定剤:アデカスタブAO−330、ADEKA社製
(D)フッ素系樹脂:滴下防止剤、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、メタブレン Aー3750、三菱レイヨン社製
その他の安定剤:本荘ケミカル社製、酸化亜鉛2種
離型剤:酸化型ポリエチレンワックス(PE WAX)、サンワックス151P、三洋化成社製
下記表1に示す割合(重量基準)で各成分を混合し、二軸押出機(東芝機械社製:TEM18SS)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数350rpmで溶融混練を行い、樹脂組成物(ペレット)を得た。
得られた樹脂組成物(ペレット)を用いて、下記評価を行った。結果を表1に示した。
上記で得られた樹脂組成物(ペレット)を80℃で2時間乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製「EC75SX」)にて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で、ISO−15103に準じて、ISO3167:93A型試験片(以下、「ISO試験片という」)を作製し、ISO527規格に準じて、引張強さを測定した。
上記で得られたISO試験片を、85℃、相対湿度85%に設定した高温恒湿槽にて、2000時間まで、エージングを実施した後、室温23℃、相対湿度50%の状態に24時間保持し、その後、上記と同様の方法で引張強さを測定した。また、85℃、相対湿度85%に設定した高温恒湿槽に入れる直前(0時間)の引張強さを同様に測定し、以下の通り引張強さ保持率を測定した。
引張強さ保持率(単位:%)=[(各時間における引張強さ)/(0時間における引張強さ)]×100
上記で得られた樹脂組成物(ペレット)を80℃で2時間乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製、「EC75SX」)にて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で100mm×100mm×3mmの試験片を作製し、85℃、相対湿度85%の環境下に、2000時間保持した。保持前後の重量を測定し、以下の式に従って重量増加率を測定した。
重量増加率(%)=[(保持後の重量−保持前の重量)/保持前の重量]×100
上記で得られた樹脂組成物(ペレット)を80℃で2時間乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製、「EC75SX」)にて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で127mm×12.7mm×0.75mmの試験片を作製し、UL94規格に準拠して測定を行った。V−0が最も難燃性に優れており、V−1、V−2と順に劣る。
上記得られたISO試験片を、ISO−179に準拠し、中央にノッチ(切り欠き)を付けて、ノッチ付シャルピー衝撃試験片を成形した。
得られたノッチ付シャルピー衝撃試験片について、耐衝撃性評価として、ISO−179に準拠し、23℃におけるシャルピー衝撃強さを測定した。
上記で得られたISO試験片について、耐熱性評価として、DTUL(荷重たわみ温度)を、ISO−75に準拠し、1.8MPa下、フラットワイズにて測定した。
上記で得られた樹脂組成物(ペレット)を80℃で4時間乾燥した後、メルトボリュームフローレートを、ISO−1133に準拠し、測定温度300℃、測定荷重2.16kgにて測定した。
上記(1)〜(6)を踏まえ、総合的に評価した。Aが最もよく、B、Cの順になる。
これに対し、(C1)ハイドロタルサイトを配合しない場合(比較例1)、安定剤を配合しない場合(比較例2)、または安定剤を配合しても、(C1)ハイドロタルサイトおよび(C2)カルボジイミド化合物以外の安定剤を配合した場合(比較例3および4)、いずれも、経時の引張強度保持率、および重量保持率が劣ってしまった。
特に、保持前の0時間における引張強さには、全ての実施例および比較例について、大差がないことから、本発明の効果が、顕著かつ予想外の効果であることがわかる。
Claims (6)
- 前記式(1)で表される化合物が、レゾルシノールビス(ジフェニルフォスフェート)である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記(C)成分は、(C1)ハイドロタルサイト30〜70重量%と、(C2)カルボジイミド化合物70〜30重量%から構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- さらに、(D)フッ素系樹脂を、前記(A)樹脂成分100重量部に対し、0.2〜1重量部含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形してなる成形品。
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