JPWO2012101696A1 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Abstract
Description
図11では、旋回スクロール109の旋回鏡板108およびキー溝部115を点線で示している。また、軸受部材106に設置されたシール部材121の外径が旋回鏡板108の背面117に接する包絡円を二点鎖線で示している。
クランク軸103は偏心軸部102を有する。軸受部材106は、クランク軸103の主軸部104を回転自在に支承するための主軸受部105を有する。旋回スクロール109は、偏心軸部102に回転自在に嵌め合わされた駆動軸部107を旋回鏡板108上に設け、この旋回鏡板108の駆動軸107と反対面に旋回スクロール羽根110を設けている。固定スクロール111は、旋回スクロール109の旋回スクロール羽根110と噛み合わせて複数の圧縮空間を形成する固定スクロール羽根(図示せず)を有する。また、軸受部材106の外周部122と、これに接する固定スクロール111とは複数のボルト(図示せず)で固定している。
旋回スクロール109の旋回鏡板108の背面117には、スクロール側キー部113が摺動する一対のスクロール側キー溝部115を直径線上に設けている。
軸受部材106の背面118には、軸受側キー部114が摺動する軸受側キー溝部116を直径線上に設けている。
スクロール側キー溝部115でのスクロール側キー部113の摺動方向と、軸受側キー溝部116での軸受側キー部114の摺動方向とは直交する。
軸受部材106の背面118には、旋回鏡板108をスラスト方向に支持するスラスト支持部119を設けている。スラスト支持部119には、環状溝120を設けている。環状溝120にはシール部材121を設けている。シール部材121の内側と外側とで、異なった圧力を作用させ、圧縮機の運転時に最適な力で、旋回スクロール109を固定スクロール111に付勢している。
第2の発明は、第1に記載のスクロール圧縮機において、前記スクロール側キー部及び前記主軸受側キー部が、前記リング部の外径から突き出さず、前記リング部の内径から突き出さないことを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2に記載のスクロール圧縮機において、一対の前記スクロール側キー部の側面であり、前記スクロール側キー溝部と摺動する摺動面、及び一対の前記主軸受側キー部の側面であり、前記主軸受側キー溝部と摺動する摺動面が、前記クランク軸の回転方向によって負荷を受ける負荷側摺動面と、前記クランク軸の回転方向によって負荷を受けない反負荷側摺動面とからなり、前記反負荷側摺動面の面積を前記負荷側摺動面の面積より小さくしたことを特徴とする。
第4の発明は、第3に記載のスクロール圧縮機において、前記反負荷側摺動面の前記面積を、前記負荷側摺動面の前記面積の半分以上としたことを特徴とする。
第5の発明は、第1又は第2に記載のスクロール圧縮機において、一対の前記スクロール側キー部の側面であり、前記スクロール側キー溝部と摺動する摺動面が、前記クランク軸の回転方向によって負荷を受ける負荷側摺動面と、前記クランク軸の回転方向によって負荷を受けない反負荷側摺動面とからなり、前記反負荷側摺動面を前記スクロール側キー溝部から外へ突き出し、前記負荷側摺動面を前記スクロール側キー溝部から外へ突き出さないことを特徴とする。
第6の発明は、第5に記載のスクロール圧縮機において、前記スクロール側キー溝部から外へ突き出す前記反負荷側摺動面の突き出し面積を、前記負荷側摺動面の全面積の半分以下としたことを特徴とする。
第7の発明は、第1に記載のスクロール圧縮機において、個別に成型した一対の前記スクロール側キー部及び一対の前記主軸受側キー部を、前記リング部に組立固定したことを特徴とする。
第8の発明は、第1に記載のスクロール圧縮機において、一対の前記スクロール側キー部及び/又は一対の前記主軸受側キー部の側面が、前記スクロール側キー溝部及び/又は前記主軸受側キー溝部と摺動する摺動面と、前記スクロール側キー溝部及び/又は前記主軸受側キー溝部と摺動しない非摺動面とからなり、前記摺動面と前記非摺動面とを同一形状としたことを特徴とする。
第9の発明は、第8に記載のスクロール圧縮機において、一対の前記スクロール側キー部のそれぞれの中心点を結んだ線分と、一対の前記主軸受側キー部のそれぞれの中心点を結んだ線分とが、前記リング部の中心で直交することを特徴とする。
5 モータ
7 潤滑油
11 固定スクロール
12 旋回スクロール
12a 鏡板
12c 筒部
12d スクロール側キー溝部
14 クランク軸
14a 偏心軸部
51 主軸受部材
51a 主軸受側キー溝部
57 オルダムリング
57a リング部
57b スクロール側キー部
57c 主軸受側キー部
57bxw、57cxw 負荷側摺動面
57bxu、57cxu 反負荷側摺動面
図1は、本発明の実施の形態1におけるスクロール圧縮機の断面図である。図2(a)は、実施の形態1におけるスクロール圧縮機のオルダムリングを固定スクロール側から見た平面図である。図2(b)は、実施の形態1におけるスクロール圧縮機の主軸受部材を固定スクロール側から見た平面図である。図2(c)は、実施の形態1におけるスクロール圧縮機の旋回スクロールを鏡板の背面側から見た平面図である。
図3は、オルダムリングと主軸受部材とを組み合わせて固定スクロール側から見た平面図であり、旋回スクロールの鏡板およびキー溝部を点線で示している。また、主軸受部材に設置されたシール部材が鏡板の背面に接する包絡円を二点鎖線で示している。
スクロール圧縮機1は、本体ケーシング3内に圧縮機構部4及び圧縮機構部4を駆動するモータ5を内蔵し、圧縮機構部4を含む各摺動部の潤滑に供する液を貯留する貯液部6を備えている。モータ5は、図示しないモータ駆動回路部によって駆動する。取り扱う流体は冷媒であり、各摺動部の潤滑や圧縮機構部4の摺動部のシールに供する液には、潤滑油7などの液を採用している。また、潤滑油7は冷媒に対して相溶性のあるものが好ましい。しかし、本発明はこれらに限られることはない。基本的には、冷媒を吸入、圧縮、及び吐出する圧縮機構部4と、この圧縮機構部4を駆動するモータ5と、圧縮機構部4を含む各摺動部の潤滑に供する液を貯留する貯液部6とを本体ケーシング3に内蔵し、モータ5をモータ駆動回路部により駆動するスクロール圧縮機1であればよく、本実施の形態に限定されるものではない。
圧縮機構部4は、旋回スクロール12を固定スクロール11に対し旋回運動をさせることで、圧縮空間10が移動して容積が変化し、冷媒は、圧縮空間10に吸入され、圧縮された後に、圧縮空間10から吐出する。
圧縮空間10は、固定スクロール11の渦巻状のラップ11bと旋回スクロール12の渦巻状のラップ12bを噛み合わせて形成される。旋回スクロール12は、クランク軸14の回転によって旋回運動する。クランク軸14はモータ5により回転する。
外部サイクルから帰還する冷媒は、サブケーシング80に設けた吸入口8から吸入され、本体ケーシング3に設けた吐出口9から外部サイクルに吐出される。
鏡板12aの背面にはシール部材24を配置している。シール部材24の内側は高圧領域21、シール部材24の外側は背圧室22となる。すなわち、高圧領域21と背圧室22とは、シール部材24によって区画される。
旋回スクロール12の内部には、高圧領域21から背圧室22につながる背圧室給油経路25と、背圧室22から圧縮空間10につながる圧縮室給油経路26を備えている。
背圧室給油経路25の一開口端がシール部材24を往来することにより、高圧領域21に供給された潤滑油7の一部は、偏心転がり軸受43を潤滑した後、背圧室22に供給される。潤滑油7の一部を背圧室22に供給することで、旋回スクロール12に対して背圧を与える。圧縮室給油経路26により背圧室22に供給された潤滑油7は圧縮空間10に供給され、固定スクロール11と旋回スクロール12との間のシールおよび潤滑を図る。また、高圧領域21に供給された潤滑油7の別の一部は、主転がり軸受42を潤滑した後、モータ5側に流出し、貯液部6に回収される。
蓋体52の内側には、ポンプ室53が形成される。ポンプ室53は、貯液部6に通じる吸上げ通路54を設けている。副転がり軸受41は、端部壁3aにて支持され、クランク軸14のポンプ13に連結している端部を軸受する。
モータ5は、固定子5aと回転子5bとによってクランク軸14を回転駆動する。固定子5aは、本体ケーシング3の内周に焼き嵌めなどで固定されている。回転子5bは、クランク軸14の中間部に固定している。
圧縮機構部4は、サブケーシング80の吸入口8と、本体ケーシング3の吐出口9との間に位置する。吐出口9は、モータ5と端部壁3aとの間に設けている。圧縮機構部4は、吸入口16と吐出口31とを有する。吸入口16は、サブケーシング80の吸入口8と連通している。吐出口31にはリード弁31aを設けている。吐出口31と端部壁80aとの間には吐出室62を設けている。リード弁31aが開くと、吐出口31と吐出室62とは連通する。吐出室62は、連絡通路63によってモータ5周辺の空間に通じている。吐出口9は、モータ5周辺の空間と通じている。連絡通路63は、固定スクロール11と本体ケーシング3との間、及び主軸受部材51と本体ケーシング3との間に形成している。
モータ5はモータ駆動回路部によって駆動され、クランク軸14を回転する。クランク軸14は、圧縮機構部4を旋回運動させるとともに、ポンプ13を駆動する。ポンプ13は、貯液部6の潤滑油7を圧縮機構部4に供給する。潤滑油7は、圧縮機構部4を潤滑し、圧縮機構部4でのシールを行う。
冷凍サイクルからの帰還冷媒は、サブケーシング80の吸入口8、及び固定スクロール11に設けた吸入口16から圧縮空間10に吸入され、圧縮された後に、吐出口31から吐出室62に吐出される。吐出室62に吐出された冷媒は、連絡通路63を通じてモータ5周辺の空間に入り、モータ5を冷却して吐出口9から吐出される。吐出室62に吐出された冷媒は、吐出口9から吐出されるまでの過程で、衝突や絞り作用によって潤滑油7を分離する。副転がり軸受41は、冷媒に混じっている潤滑油7によって潤滑される。
図2(b)に示すように、主軸受部材51の背面には、主軸受側キー部57cが摺動する主軸受側キー溝部51aを設けている。主軸受側キー部57cは、主軸受側キー溝部51aに摺動自在に嵌め込まれる。
図2(c)に示すように、旋回スクロール12の鏡板12aの背面には、スクロール側キー部57bが摺動するスクロール側キー溝部12dを設けている。スクロール側キー部57bは、スクロール側キー溝部12dに摺動自在に嵌め込まれる。
一対のスクロール側キー部57bは、リング部57aの直径線X上から互いにずらした位置に配置している。そして、一対のスクロール側キー部57bの間Laは、スクロール側キー溝部12dの幅Ma以上又はスクロール側キー部57bの幅Na以上としている。
また、一対の主軸受側キー部57cは、リング部57aの直径線Y上から互いにずらした位置に配置している。そして、一対の主軸受側キー部57cの間Lbは、主軸受側キー溝部51aの幅Mbの幅以上又は主軸受側キー部57cの幅Nb以上としている。
スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cは、リング部57aの外径から突き出さず、リング部57aの内径からも突き出さないように配置されている。従って、主軸受部材51の主軸受側キー溝部51a近傍に主軸受側キー部57cとの干渉を避けるための逃がし部を設ける必要がなくなる。また、オルダムリング57の素材を製作する金型のキー部近傍の形状が単純になるため金型寿命が延び、リング部57a内外周面の加工に旋盤が使用できることから、生産性が向上し、よって、スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cの根元部の強度が高まり信頼性が向上する。
この場合には、例えば、リング部57aには凹部を、スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cには凸部を設ける。そして、リング部57aの凹部に、スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cの凸部を、圧入もしくは焼き嵌めなどの方法で組立固定する。
スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cをリング部57aと別部品で構成することにより、リング部57aには軽く安価な材料を採用することで軽量化かつ低コスト化が可能となる。また、スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cには、スクロール側キー溝部12dや主軸受側キー溝部51aとの相性が良く、摺動性の良い材料を採用することで信頼性が向上する。
図4は、本発明の実施の形態2のオルダムリングの平面図である。なお、オルダムリング以外の構成は実施の形態1と同一構成なので説明を省略する。
また、一対の主軸受側キー部57cの側面は、主軸受側キー溝部51aと摺動する摺動面57cxと、主軸受側キー溝部51aと摺動しない非摺動面57cyとからなる。
本実施の形態は、摺動面57bx、57cxと非摺動面57by、57cyとを同一形状としたものであり、4つの側面の縦横の長さおよびコーナー部のR形状を全て同一形状したものである。
これによって、スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cの4つの側面の加工が容易となり生産性が向上する。
個別に成型した一対のスクロール側キー部57b及び一対の主軸受側キー部57cを、リング部57aに組立固定する場合には、4つの側面の形状が同一で方向性がないことから、組立におけるミスをなくすとともに生産性が向上する。
図5は、本発明の実施の形態3のオルダムリングの平面図である。なお、オルダムリング以外の構成は第1の実施の形態と同一構成なので説明を省略する。
本実施の形態は、一対のスクロール側キー部57bのそれぞれの中心点を結んだ線分と、一対の主軸受側キー部57cのそれぞれの中心点を結んだ線分とが、リング部57aの中心で直交するように、スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cをリング部57aに配置している。
これによって、スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cは、リング部57aの中心に対して対称な配置となり、オルダムリング57の表面、裏面が同一形状かつ円周方向も180度対称な形状となるため、組立ミスをなくすとともに生産性が向上する。
図6(a)は、実施の形態4におけるスクロール圧縮機のオルダムリングを固定スクロール側から見た平面図である。図6(b)は、実施の形態4におけるスクロール圧縮機の主軸受部材を固定スクロール側から見た平面図である。図6(c)は、実施の形態4におけるスクロール圧縮機の旋回スクロールを鏡板の背面側から見た平面図である。
図7は、オルダムリングと主軸受部材とを組み合わせて固定スクロール側から見た平面図であり、旋回スクロールの鏡板およびキー溝部を点線で示している。また、主軸受部材に設置されたシール部材が鏡板の背面に接する包絡円を二点鎖線で示している。なお、オルダムリング以外の構成は第1の実施の形態と同一構成なので説明を省略する。
図6(b)に示すように、主軸受部材51の背面には、主軸受側キー部57cが摺動する主軸受側キー溝部51aを設けている。主軸受側キー部57cは、主軸受側キー溝部51aに摺動自在に嵌め込まれる。
図6(c)に示すように、旋回スクロール12の鏡板12aの背面には、スクロール側キー部57bが摺動するスクロール側キー溝部12dを設けている。スクロール側キー部57bは、スクロール側キー溝部12dに摺動自在に嵌め込まれる。
一対のスクロール側キー部57bは、リング部57aの直径線X上から互いにずらした位置に配置している。そして、一対のスクロール側キー部57bの間Laは、スクロール側キー溝部12dの幅Ma以上又はスクロール側キー部57bの幅Na以上としている。
また、一対の主軸受側キー部57cは、リング部57aの直径線Y上から互いにずらした位置に配置している。そして、一対の主軸受側キー部57cの間Lbは、主軸受側キー溝部51aの幅Mbの幅以上又は主軸受側キー部57cの幅Nb以上としている。
スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cは、リング部57aの外径から突き出さず、リング部57aの内径からも突き出さないように配置されている。従って、主軸受部材51の主軸受側キー溝部51a近傍に主軸受側キー部57cとの干渉を避けるための逃がし部を設ける必要がなくなる。また、オルダムリング57の素材を製作する金型のキー部近傍の形状が単純になるため金型寿命が延び、リング部57a内外周面の加工に旋盤が使用できることから、生産性が向上し、よって、スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cの根元部の強度が高まり信頼性が向上する。
また、一対の主軸受側キー部57cの側面であり、主軸受側キー溝部51aと摺動する摺動面は、クランク軸14の回転方向によって負荷を受ける負荷側摺動面57cxwと、クランク軸14の回転方向によって負荷を受けない反負荷側摺動面57cxuとからなる。
ここで、クランク軸14は、図6(b)の矢印の方向、主軸受部材51を固定スクロール11側から見たときに反時計回りに回転する。
本実施の形態では、反負荷側摺動面57bxu、57cxuの面積を、負荷側摺動面57bxw、57cxwの面積より小さくしている。
本実施の形態によれば、反負荷側摺動面57bxu、57cxuの面積を負荷側摺動面57bxw、57cxwの面積より小さくしたことで、オルダムリング57のリング部57aの幅Oを小さくすることができ、またオルダムリング57の外径を小さくすることができる。
また、本実施の形態では、反負荷側摺動面57bxu、57cxuの面積を、負荷側摺動面57bxw、57cxwの面積の半分以上としている。
この場合には、例えば、リング部57aには凹部を、スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cには凸部を設ける。そして、リング部57aの凹部に、スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cの凸部を、圧入もしくは焼き嵌めなどの方法で組立固定する。
スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cをリング部57aと別部品で構成することにより、リング部57aには軽く安価な材料を採用することで軽量化かつ低コスト化が可能となる。また、スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cには、スクロール側キー溝部12dや主軸受側キー溝部51aとの相性が良く、摺動性の良い材料を採用することで信頼性が向上する。
図8(a)は、実施の形態5におけるスクロール圧縮機のオルダムリングを固定スクロール側から見た平面図である。図8(b)は、実施の形態5におけるスクロール圧縮機の主軸受部材を固定スクロール側から見た平面図である。図8(c)は、実施の形態5におけるスクロール圧縮機の旋回スクロールを鏡板の背面側から見た平面図である。
図9は、本実施の形態におけるオルダムリングと旋回スクロールとを組み合わせた状態を固定スクロール側から見た要部断面図である。
図8(b)に示すように、主軸受部材51の背面には、主軸受側キー部57cが摺動する主軸受側キー溝部51aを設けている。主軸受側キー部57cは、主軸受側キー溝部51aに摺動自在に嵌め込まれる。
図8(c)に示すように、旋回スクロール12の鏡板12aの背面には、スクロール側キー部57bが摺動するスクロール側キー溝部12dを設けている。スクロール側キー部57bは、スクロール側キー溝部12dに摺動自在に嵌め込まれる。
一対のスクロール側キー部57bは、リング部57aの直径線X上から互いにずらした位置に配置している。そして、一対のスクロール側キー部57bの間Laは、スクロール側キー溝部12dの幅Ma以上又はスクロール側キー部57bの幅Na以上としている。
また、一対の主軸受側キー部57cは、リング部57aの直径線Y上から互いにずらした位置に配置している。そして、一対の主軸受側キー部57cの間Lbは、主軸受側キー溝部51aの幅Mbの幅以上又は主軸受側キー部57cの幅Nb以上としている。
スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cは、リング部57aの外径から突き出さず、リング部57aの内径からも突き出さないように配置されている。従って、主軸受部材51の主軸受側キー溝部51a近傍に主軸受側キー部57cとの干渉を避けるための逃がし部を設ける必要がなくなる。また、オルダムリング57の素材を製作する金型のキー部近傍の形状が単純になるため金型寿命が延び、リング部57a内外周面の加工に旋盤が使用できることから、生産性が向上し、よって、スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cの根元部の強度が高まり信頼性が向上する。
ここで、クランク軸14は、図8(b)の矢印の方向、主軸受部材51を固定スクロール11側から見たときに反時計回りに回転する。
本実施の形態では、反負荷側摺動面57bxuをスクロール側キー溝部12dから外へ突き出し、負荷側摺動面57bxwをスクロール側キー溝部12dから外へ突き出さないように構成している。
ここで、スクロール側キー溝部12dから外へ突き出す反負荷側摺動面57bxuの突き出し面積を、負荷側摺動面57bxwの全面積の半分以下としている。
図9(b)の状態で、一方のスクロール側キー部57bの反負荷側摺動面57bxuが、スクロール側キー溝部12dから外へ突き出し、図9(d)の状態で、他方のスクロール側キー部57bの反負荷側摺動面57bxuが、スクロール側キー溝部12dから外へ突き出している。
また本実施の形態によれば、反負荷側摺動面57bxuの突き出し面積を、負荷側摺動面57bxwの全面積の半分以下で突き出すことにより、反負荷側摺動面57bxuの面積を負荷側摺動面57bxwの面積の半分以上確保することで、起動直後、過渡期、停止時などの不安定な運転状態においても、スクロール側キー部57bの隙間で生じるがたつきが抑えられ、安定して運転することが可能となり、信頼性が向上する。
この場合には、例えば、リング部57aには凹部を、スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cには凸部を設ける。そして、リング部57aの凹部に、スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cの凸部を、圧入もしくは焼き嵌めなどの方法で組立固定する。
スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cをリング部57aと別部品で構成することにより、リング部57aには軽く安価な材料を採用することで軽量化かつ低コスト化が可能となる。また、スクロール側キー部57b及び主軸受側キー部57cには、スクロール側キー溝部12dや主軸受側キー溝部51aとの相性が良く、摺動性の良い材料を採用することで信頼性が向上する。
なお、オルダムリング57のリング部57aは、2つの円弧を直線部でつないだ長円のリング状であってもよい。
Claims (9)
- 圧縮機構部を、
偏心軸部を有するクランク軸と、
前記クランク軸を回転自在に支承する主軸受部材と、
前記偏心軸部に回転自在に嵌め合いされた旋回スクロールと、
前記旋回スクロールと噛み合わせて圧縮空間を形成する固定スクロールと、
前記旋回スクロールの自転を阻止するオルダムリングとで構成し、
前記オルダムリングを、
リング状に形成されたリング部と、
前記リング部の一方の面に設けた一対のスクロール側キー部と、
前記リング部の他方の面に設けた一対の主軸受側キー部と、
で構成し、
前記旋回スクロールには、前記スクロール側キー部が摺動するスクロール側キー溝部を設け、
前記主軸受部材には、前記主軸受側キー部が摺動する主軸受側キー溝部を設け、
前記スクロール側キー溝部での前記スクロール側キー部の摺動方向と、前記主軸受側キー溝部での前記主軸受側キー部の摺動方向とが直交するスクロール圧縮機であって、
一対の前記スクロール側キー部の間が、前記スクロール側キー溝部の幅以上となるように、一対の前記スクロール側キー部を、前記リング部の直径線上から互いにずらした位置に配置し、
一対の前記主軸受側キー部の間が、前記主軸受側キー溝部の幅以上となるように、一対の前記主軸受側キー部を、前記リング部の直径線上から互いにずらした位置に配置した
ことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 前記スクロール側キー部及び前記主軸受側キー部が、前記リング部の外径から突き出さず、前記リング部の内径から突き出さないことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機
- 一対の前記スクロール側キー部の側面であり、前記スクロール側キー溝部と摺動する摺動面、及び一対の前記主軸受側キー部の側面であり、前記主軸受側キー溝部と摺動する摺動面が、
前記クランク軸の回転方向によって負荷を受ける負荷側摺動面と、
前記クランク軸の回転方向によって負荷を受けない反負荷側摺動面とからなり、
前記反負荷側摺動面の面積を前記負荷側摺動面の面積より小さくしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクロール圧縮機。 - 前記反負荷側摺動面の前記面積を、前記負荷側摺動面の前記面積の半分以上としたことを特徴とする請求項3に記載のスクロール圧縮機。
- 一対の前記スクロール側キー部の側面であり、前記スクロール側キー溝部と摺動する摺動面が、
前記クランク軸の回転方向によって負荷を受ける負荷側摺動面と、
前記クランク軸の回転方向によって負荷を受けない反負荷側摺動面とからなり、
前記反負荷側摺動面を前記スクロール側キー溝部から外へ突き出し、前記負荷側摺動面を前記スクロール側キー溝部から外へ突き出さないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクロール圧縮機。 - 前記スクロール側キー溝部から外へ突き出す前記反負荷側摺動面の突き出し面積を、前記負荷側摺動面の全面積の半分以下としたことを特徴とする請求項5に記載のスクロール圧縮機。
- 個別に成型した一対の前記スクロール側キー部及び一対の前記主軸受側キー部を、前記リング部に組立固定したことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
- 一対の前記スクロール側キー部及び/又は一対の前記主軸受側キー部の側面が、前記スクロール側キー溝部及び/又は前記主軸受側キー溝部と摺動する摺動面と、前記スクロール側キー溝部及び/又は前記主軸受側キー溝部と摺動しない非摺動面とからなり、前記摺動面と前記非摺動面とを同一形状としたことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
- 一対の前記スクロール側キー部のそれぞれの中心点を結んだ線分と、一対の前記主軸受側キー部のそれぞれの中心点を結んだ線分とが、前記リング部の中心で直交することを特徴とする請求項8に記載のスクロール圧縮機。
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