JP3244881B2 - 密閉型圧縮機の油ポンプ - Google Patents

密閉型圧縮機の油ポンプ

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JP3244881B2
JP3244881B2 JP21427693A JP21427693A JP3244881B2 JP 3244881 B2 JP3244881 B2 JP 3244881B2 JP 21427693 A JP21427693 A JP 21427693A JP 21427693 A JP21427693 A JP 21427693A JP 3244881 B2 JP3244881 B2 JP 3244881B2
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徹三 鵜飼
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は密閉型圧縮機に組み込ま
れて圧縮機の摺動部に潤滑油を供給する油ポンプに関す
る。
【0002】
【従来の技術】スクロール圧縮機やロータリ圧縮機など
の密閉型圧縮機は、密閉ハウジングの内部に圧縮機構と
電動機が上下に分けて配置されるとともに、電動機の回
転軸が圧縮機構に連結され、電動機により回転軸が回転
され回転軸により圧縮機構が駆動される構成をなしてい
る。
【0003】一般にこれらの密閉型圧縮機では、回転軸
の下端部に組み込まれ、密閉ハウジングの内底部に貯溜
された潤滑油を吸い込んで回転軸の内部に形成された給
油孔を通して圧縮機構の摺動部に給油する油ポンプを備
えている。
【0004】従来、この密閉型圧縮機に装備される油ポ
ンプは、図4および図5に示される構成をなしている。
【0005】図中1は密閉ハウジングである。2は密閉
ハウジング1の内底部に配置されたシリンダで、これは
下面部が開放されたシリンダ室3を有している。このシ
リンダ2はこれと一体に形成されたステー4によって密
閉ハウジング1に固定されている。シリンダ室3の下面
開放部はシリンダ2に取り付けられたスラストプレート
5およびカバープレート6により閉塞されている。
【0006】7は回転軸で、この回転軸7の下端部はシ
リンダ2に挿通され、シリンダ室3に位置する下端には
偏心軸8が形成されている。9はシリンダ室3の内部に
配置された円環状のロータで、これは偏心軸8の外周部
に回転自在に嵌合され外周面がシリンダ室3の内周面に
接触してシリンダ室3を三日月形に制限するものであ
る。
【0007】ロータ9の外周部には直径方向に延びるブ
レード10が一体に形成され、これはシリンダ室3の内
周面に直径方向に沿って形成されたスロット11に摺動
自在に挿入されている。このブレード10はシリンダ室
3を給油室3aと排油室3bとに仕切るとともに、ロー
タ9の自転を阻止している。
【0008】カバープレート6にはシリンダ室3の給油
室3aの下側に位置して吸い込み孔12が形成され、こ
れは密閉ハウジング1の内底部に連通している。スラス
トプレート5には吸い込み孔12およびシリンダ室3の
給油室3aに連通する吸い込み口13が形成されてい
る。
【0009】また、カバープレート6には吐出孔14が
形成され、スラストプレート5には吐出孔14およびシ
リンダ室3の排油室3bに連通する吐出口15と、吐出
孔14および回転軸4の給油孔17に連通する連通孔1
6が夫々形成されている。
【0010】給油孔17は回転軸4の内部にその下端か
ら上端にわたって軸方向に沿って形成されている。密閉
ハウジング1の内底部には潤滑油OILが溜められてい
る。
【0011】このように構成された油ポンプは、電動機
により回転される回転軸7とともに偏心軸8が図示矢印
方向に偏心回転される。ロータ9は偏心回転する偏心軸
8に押されて、外周面がシリンダ2のシリンダ室3の内
周面に一線で摺接しながら公転旋回運動する。ロータ9
の回転に伴いシリンダ室3における給油室3aと排油室
3bの夫々の容積が相対的に増減して変化してゆく。
【0012】給油室3aの容積が増大してゆくのに伴
い、密閉ハウジング1の内底部に溜められている潤滑油
OILが、カバープレート6の吸い込み孔12およびス
ラストプレート5の吸い込み口13を通ってシリンダ室
3の給油室3aに順次吸い込まれる。また、シリンダ室
3の排油室3bの容積が減少ゆくのに伴い、排油室3b
にある潤滑油OILが加圧されてスラストプレート5の
吐出口15から吐出される。
【0013】吐出された潤滑油OILはカバープレート
6の吐出孔14およびスラストプレート5の連通孔16
を経て回転軸7の下端から給油孔17に送り込まれ、給
油孔17を通って回転軸7の上端から流れ出て圧縮機構
における各摺動部に供給されて潤滑を行う。その後、潤
滑油OILは密閉ハウジング1の内部を流れ落ちて再び
底部に溜まる。
【0014】ところで、この種の油ポンプにおいては、
ポンプの効率を高めるために、シリンダ室3における周
面および上面とロータ9における上面および周面との間
の隙間、スラストプレート5の上面とロータ9の下面と
の間の隙間、さらにシリンダ室3における周面と上面と
が交差する角部とロータ9における上面と周面とが交差
する角部との間の隙間、ロータ9における下面と周面と
が交差する角部とシリンダ室3における周面とスラスト
プレート5の上面が交差する角部との間の隙間を夫々で
きるだけ小さく油洩れが少ないことが良い。
【0015】このため、従来の油ポンプにおいては図4
に示すように各隙間をできるだけ小さくするようにして
いる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】シリンダ2は金属材料
からなるもので、シリンダ室3はフライス盤のエンドミ
ルを用いた切削加工により形成されている。また、ロー
タ8は合成樹脂からなるもので、射出成形により形成さ
れている。
【0017】このため、シリンダ室3における周面およ
び上面がエンドミル加工により平坦に形成され、ロータ
9における上面および周面が射出成形により平坦に形成
されるので、シリンダ室3における周面および上面とロ
ータ9における上面および周面との間の隙間は容易に小
さくすることができる。
【0018】また、スラストプレート5は樹脂または金
属のいずれからなるものであっても、平坦に形成するこ
とができる。このため、スラストプレート5の上面とロ
ータ9の下面との間の隙間も容易に小さくすることが可
能である。
【0019】ところが、通常エンドミルは経済性を考慮
して先端が丸みを有するものが用いられており、このエ
ンドミルを用いてシリンダ室3における周面と上面とが
交差する角部を切削加工すると、角部が丸みをもった形
状となる。そこで、従来は先端が直角である高価なエン
ドミルを用いて、シリンダ室3における周面と上面とが
交差する角部を直角に形成している。
【0020】また、ロータ9を、射出成形する時に、成
形されたロータ9を型から取り出すためにロータ9の一
方の端面と周面との角部が丸みを有する形状となる。そ
こで、従来はロータ9の丸みを有する角部を直角に形成
するために種々の仕上げ加工を行っている。
【0021】このように従来の油ポンプでは、シリンダ
室3における周面と上面とが交差する角部とロータ9に
おける上面と周面とが交差する角部との間の隙間小さく
するために、シリンダ室3における角部とロータ9にお
ける角部を多くの手数と経費をかけて直角に仕上げてい
た。
【0022】本発明は前記事情にもとづいてなされたも
ので、多くの手数を要することなく勝つ経済的にシリン
ダ室における角部とロータにおける角部との間の隙間を
小さくすることができる密閉型圧縮機の油ポンプを提供
することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の密閉型圧縮機の油ポンプは、密閉ハウジング
の内部に収容された圧縮機構を駆動する回転軸の下端部
に組み込まれ、前記密閉ハウジングの内底部に貯溜され
た潤滑油を吸い込んで前記回転軸の内部に形成された給
油孔を通して前記圧縮機構の摺動部に給油する油ポンプ
において、前記回転軸の下端に偏心軸が設けられ、この
偏心軸が下面部が開放されたシリンダ室を有するシリン
ダにおける前記シリンダ室の内部に配置されるととも
に、前記シリンダ室の下面開放部が閉塞部材で閉塞さ
れ、且つ前記シリンダ室の内部に前記シリンダ室の内周
面に摺接してシリンダ室を区画する合成樹脂により形成
されたロータが配置されるとともに、このロータが前記
偏心軸の周囲に回転可能に嵌合され、さらに前記シリン
ダ室における上面と周面とが交差する角部が面取りされ
ているとともに、前記ロータにおける上面と周面とが交
差する角部が面取りされ、前記シリンダ室の周面と前記
シリンダの下面とが交差する角部が直角とされていると
ともに、前記ロータにおける下面と周面とが交差する角
部が直角とされていることを特徴とする。
【0024】
【作用】シリンダのシリンダ室における上面と周面とが
交差する角部は面取りがなされている。これは、先端角
部が円弧をなすエンドミルを用いた切削加工によりシリ
ンダ室を成形する時に、シリンダ室における上面と周面
とが交差する角部に形成された面取り部を、そのまま角
部として利用している。
【0025】ロータにおける上面と周面とが交差する角
部に面取りがなされている。ロータを合成樹脂からなる
ものとし、この合成樹脂からなるロータを射出成形など
の型を用いて成形する時に、成形されたロータを型から
取り出すことを容易にするために、ロータにおける面取
りを施した一方の端面と周面とが交差する角部を、その
ままロータの角部として利用している。
【0026】シリンダ室における上面と周面とが交差す
る角部と、ロータにおける上面と周面とが交差する角部
は、夫々が面取りされているので、両者の間の隙間を小
さくすることができる。そして、各角部における面取り
部は、シリンダ室とロータを製造する時の製造条件によ
り発生するもので、特別に専用の加工により形成したも
のではなく、経済的且つ容易に形成することができる。
【0027】なお、ここで面取り部というのは、角部が
円弧面または傾斜面をなしていることであり、シリンダ
室の角部の場合には切削工具の仕様により規定される。
各角部の面取りは円弧面同士、または傾斜面同士を組合
せる。
【0028】さらに、シリンダに形成されたシリンダ室
の下端が開放されるとともに、シリンダ室の下面開放部
が閉塞部材で閉塞された構造において、シリンダ室の周
面とシリンダの下面とが交差する角部が直角とされると
ともに、ロータにおける周面と下面とが交差する角部が
直角とされているので、シリンダ室の下端の角部とロー
タの下端の角部との間の隙間を大変小さくすることがで
きる。
【0029】従って、シリンダ室とロータの夫々の上端
の角部の間の隙間およびシリンダ室とロータの夫々の下
端の角部の間の隙間を共に最小として、油ポンプの効率
を高めることができる。
【0030】
【実施例】本発明の実施例について図1ないし図3を参
照して説明する。
【0031】まず、本発明の油ポンプを備えた密閉型圧
縮機の一例としてスクロール型圧縮機について図1を参
照して説明する。
【0032】図1において、密閉ハウジング31の内部
はディスチャージカバー32によって高圧空間33と低
圧空間34とに仕切られている。低圧空間34の内部の
上部にはスクロール型圧縮機構Cが、下部には電動機M
が、さらに低圧空間34の底部(密閉ハウジング31の
底部)には本発明の油ポンプPが夫々設けられ、これら
はスクロール型圧縮機構C、電動機Mおよび油ポンプP
は電動機Mに設けられた回転軸35によって連結されて
いる。
【0033】電動機Mは密閉ハウジング31に固定され
た固定子36と、この固定子36の内部に組合された回
転子37と、この回転子37に挿通固着された回転軸3
5とを有し、回転軸35は回転子37の下側と上側に夫
々延出している。
【0034】スクロール型圧縮機構Cは、固定スクロー
ル38と旋回スクロール39を有し、固定スクロール3
8は端板40と渦巻状のラップ41とを備え、端板40
には吐出ポート42が設けられている。旋回スクロール
39は端板43と渦巻状のラップ44とを備え、端板4
3の下面に設けられたボス45の内部にブッシュ46が
軸受47を介して回転自在に嵌合され、このブッシュ4
6に回転軸35の上端に設けられた偏心軸48がスライ
ド可能に挿入されている。
【0035】固定スクロール38と旋回スクロール39
は、端板40と端板43とが所定距離偏心するととも
に、ラップ41とラップ44が180度だけ角度をずら
せて相互に組合されている複数の密閉空間49が形成さ
れている。旋回スクロール39は密閉ハウジング31の
内部に固定されたケーシング50に摺動自在に支持さ
れ、旋回スクロール39とケーシング50との間には、
旋回スクロール39の公転旋回運動を許容するが自転を
阻止する自転阻止機構51が設けられている。
【0036】固定スクロール38の端板40の外周はケ
ーシング50に浮き上がり自在に支持され、固定スクロ
ール38の端板40の上面には円筒フランジ52、53
が同心状に配設されている。
【0037】これら円筒フランジ52、53の間にはデ
ィスチャージカバー32の下面に設けられた円筒フラン
ジ54が封密摺動自在に嵌合されて背圧室55が形成さ
れている。この背圧室55は端板40には設けられた孔
56を介してガスの圧縮途中にある密閉空間49と連通
している。ここで、孔56はラップ41の内周側に接し
た地点に位置され、背圧室55の内周側には高圧室57
が形成され、外周側には低圧室58が形成されている。
なお、密閉ハウジング31の低圧空間34の部分にはガ
ス吸入管59が設けられ、高圧空間35の部分にはガス
吐出管60が設けられている。
【0038】このような構造では、電動機Mの駆動によ
って回転軸35が回転され、この回転が偏心軸48、ブ
ッシュ46およびボス45を介して圧縮機構Cの旋回ス
クロール39に伝達される。旋回スクロール39は自転
阻止機構51により自転を阻止されながら好転旋回半径
を半径とする円軌道上で公転旋回運動を行う。
【0039】そうすると、ガスは吸入管59を介して密
閉ハウジング31の低圧空間34に入り、図示省略の経
路を経て圧縮機構Cの密閉区間に吸入される。そして、
旋回スクロール39の公転旋回運動によって密閉空間4
9の容積が減少するのに伴いガスは圧縮されながら中央
部に至り、吐出ポート42から高圧室57を経て高圧空
間33に入り、ここからガス吐出管60を経て外部に吐
出される。
【0040】この際、高圧室57および背圧室55内の
ガス圧力によって固定スクロール38は旋回スクロール
39に押し付けられ密閉空間49内部からガスが漏出す
ることを阻止する。密閉空間49内部に液体が吸入され
た時は、固定スクロール38が浮上してその液体を逃が
すことにより圧縮機構の損傷を防止する。
【0041】次に本発明の対象である油ポンプPの一実
施例について図1ないし図3を参照して説明する。図中
71は密閉ハウジング31の内底部に配置固定されたシ
リンダで、これは下面部が開放されたシリンダ室72を
有している。このシリンダ室72における上面72aと
周面72bとが交差する角部42cは円弧をなす面取り
が施されている。ここでは、金属からなるシリンダ71
に、先端角部が円弧をなすエンドミルを用いた切削加工
を施してシリンダ室72を成形しており、シリンダ室7
2における上面72aと周面72bとが交差する角部7
2cを形成すると角部72cに円弧をなす面取り部が形
成される。そこで、この面取り部をそのまま角部として
利用している。
【0042】また、図2に示すようにシリンダ室72の
下面開放部では、シリンダ室72の周面72bとシリン
ダ71の下面とが交差する角部は直角に形成されてい
る。
【0043】このシリンダ71はこれと一体に形成され
たステー73によって密閉ハウジング31に固定されて
いる。シリンダ室72の下面開放部はボルト92により
シリンダ71に取付けられた閉塞部材の一例であるスラ
ストプレート74およびカバープレート75により閉塞
されている。
【0044】回転軸35の下端部はシリンダ71に挿通
され、シリンダ室72に位置する下端には偏心軸76が
形成されている。77はシリンダ室72の内部に配置さ
れた円環状のロータで、これは偏心軸76の外周部に回
転自在に嵌合され外周面がシリンダ室72の内周面に接
触してシリンダ室72を三日月形に制限するものであ
る。このロータ77はスラストプレート74の上面に支
持されてこの上面上を摺動する。
【0045】ロータ77の外周部には直径方向に延びる
ブレード78が一体に形成され、これはシリンダ室72
の内周面に直径方向に沿って形成されたスロット79に
摺動自在に挿入されている。このブレード78はシリン
ダ室72を給油室80と排油室81とに仕切るととも
に、ロータ77の自転を阻止している。
【0046】ロータ77における上面77aと周面77
bとが交差する角部77cには面取りが施されている。
ロータ77は合成樹脂からなるもので、射出成形により
成形されている。ロータを射出成形する時に、成形され
たロータ77を型から取り出すことを容易にするため
に、ロータ77における一方の端面と周面とが交差する
角部に面取りを施している。そこで、この面取り部をそ
のまま角部として利用している。
【0047】また、図2に示すようにロータ77の周面
77bと下面とが交差する角部は直角に形成されてい
る。なお、ロータ77の下面は前述したように閉塞部材
の一例であるスラストプレート74の上面に接触してい
る。
【0048】カバープレート75にはシリンダ室72の
給油室80の下側に位置して吸い込み孔82が形成さ
れ、これは密閉ハウジング31の内底部に連通してい
る。スラストプレート74には吸い込み孔82およびシ
リンダ室72の給油室80に連通する吸い込み口83が
形成されている。
【0049】また、カバープレート75には吐出孔84
が形成され、スラストプレート74には吐出孔84およ
びシリンダ室72の排油室81に連通する吐出口85
と、吐出孔84および回転軸35の給油孔87に連通す
る連通孔86が夫々形成されている。
【0050】なお、給油孔87は回転軸35の内部に下
端から上端にわたって軸方向に沿って形成されている。
密閉ハウジング31の内底部には潤滑油OILが溜めら
れている。
【0051】このように構成された油ポンプは、電動機
Mにより回転される回転軸35とともに、偏心軸35が
図示矢印方向に偏心回転される。ロータ77は偏心回転
する偏心軸76に押されて、外周面がシリンダ71のシ
リンダ室72の内周面に一線で摺接しながら公転旋回運
動する。ロータ77の回転に伴いシリンダ室72におけ
る給油室80と排油室81の夫々の容積が相対的に増減
して変化してゆく。
【0052】給油室80の容積が増大してゆくのに伴
い、密閉ハウジング31の内底部に溜められている潤滑
油OILが、カバープレート75の吸い込み孔82およ
びスラストプレート74の吐出口85を通ってシリンダ
室72の給油室80に順次吸い込まれる。また、シリン
ダ室72の排油室81の容積が減少ゆくのに伴い、排油
室81にある潤滑油OILが加圧されてスラストプレー
ト74の吐出口85から吐出される。
【0053】吐出された潤滑油OILはカバープレート
75の吐出孔84およびスラストプレート74の連通孔
86を経て回転軸35の下端から給油孔87に送り込ま
れ、給油孔87を通って回転軸35の上端から流れ出て
圧縮機構Cにおける各摺動部に供給されて潤滑を行う。
その後、潤滑油OILは密閉ハウジング31の内部を流
れ落ちて再び底部に溜まる。
【0054】なお、図中89はカバープレート75に設
けられて吐出孔84の中間部に形成された逃し孔88を
開閉可能に塞ぐ逆止弁、90は逆止弁89に対して閉塞
力を加えるばね、91はばね90を支えるばね支えであ
る。
【0055】このように構成された油ポンプにおいて、
油ポンプの効率を高めるためにシリンダ室72における
上面72aおよび周面72bと,ロータ77における上
面77aおよび周面77bとの間の隙間ができるだけ小
さく設定され、またスラストプレート75の上面とロー
タ77の下面との間の隙間、ロータ77における下面と
周面とが交差する角部と、シリンダ室72における周面
とスラストプレート5の上面が交差する角部との間の隙
間もできるだけ小さく設定されている。
【0056】さらに、シリンダ室72におけると上面7
2aと周面72bが交差する角部72cとロータ77に
おける上面77aと周面77bとが交差する角部77c
との間の隙間はできるだけ小さく設定されている。
【0057】ここで、シリンダ71のシリンダ室72に
おける上面72aと周面72bとが交差する角部72c
は面取りがなされている。これは、先端角部が円弧をな
すエンドミルを用いた切削加工によりシリンダ室を成形
する時に、シリンダ室72における上面と周面とが交差
する角部に形成された面取り部をそのまま角部として利
用している。
【0058】ロータ77における上面77aと周面77
bとが交差する角部77cに面取りがなされている。合
成樹脂からなるロータ77を型成形する時に、成形され
たロータを型から取り出すことを容易にするために、ロ
ータ77における面取りを施した一方の端面と周面とが
交差する角部をそのままロータ77の角部として利用し
ている。
【0059】このようにシリンダ室72における周面7
2bと上面72aとが交差する角部72cとロータ77
における上面77aと周面77bとが交差する角部77
cは夫々円弧面の面取りがなされているので、これら角
部72cと角部77cとの間の隙間を小さくすることが
できる。そして、各角部72c、77cにおける面取り
部は、シリンダ室72とロータ77を製造する時の製造
条件により発生するもので、特別に専用の加工により形
成したものではなく、経済的且つ容易に形成することが
できる。このため、シリンダ室72の上端の角部72c
とロータ77御上端の角部77cとの間の隙間を小さく
する多くの手数と経費を掛けて直角に仕上げる必要がな
くなる。
【0060】この実施例では、シリンダ室72における
周面72bと上面72aとが交差する角部72cとロー
タ77における上面77aと周面77bとが交差する角
部77cの面取りを円弧面としたが、これに限定されず
角部72cと角部77cとに傾斜面をなす面取りを施し
ても良い。
【0061】また、シリンダ71に形成されたシリンダ
室72の下端が開放されるとともに、シリンダ室72の
下面開放部がシリンダ71に取付けられた閉塞部材で閉
塞された構造において、シリンダ室72の周面72bと
シリンダ71の下面とが交差する角部が直角とされると
ともに、ロータ77の周面77bと閉塞部材であるスラ
ストプレート74に接触する下面とが交差する角部が直
角とされているので、シリンダ室72の下端の角部とロ
ータ77の下端の角部との間の隙間を大変小さくするこ
とができる。
【0062】従って、シリンダ室72とロータ77の夫
々の上端の角部の間の隙間およびシリンダ室72とロー
タ77の夫々の下端の角部の間の隙間を共に最小とし
て、油ポンプの効率を高めることができる。
【0063】なお、本発明が前述した実施例に限定され
ずに、種々変形して実施することができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明の密閉型圧縮
機の油ポンプによれば、シリンダ室における上面と周面
とが交差する角部に面取りがなされ、ロータの上面と周
面とが交差する角部に面取りがなされて、両方の角部が
組合されているので、多くの手数を要することなく且つ
経済的にシリンダ室における角部とロータにおける角部
との間の隙間を小さくすることができる。
【0065】特にロータが合成樹脂により形成されてい
るので、ロータを型成形する時に成形されたロータを型
から取出すことを容易にするためにロータにおける面取
りを施した角部をそのままロータの角部として利用でき
る。
【0066】さらに、シリンダに形成されたシリンダ室
の下端が開放されるとともに、シリンダ室の下面開放部
が閉塞部材で閉塞された構造において、シリンダ室の周
面とシリンダの下面とが交差する角部が直角とされると
ともに、ロータにおける周面と下面とが交差する角部が
直角とされているので、シリンダ室の下端の角部とロー
タの下端の角部との間の隙間を大変小さくすることがで
きる。
【0067】従って、シリンダ室とロータの夫々の上端
の角部の間の隙間およびシリンダ室とロータの夫々の下
端の角部の間の隙間を共に最小として、油ポンプの効率
を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の油ポンプを搭載したスクロ
ール型圧縮機を示す断面図。
【図2】図1における油ポンプの部分を拡大して断面
図。
【図3】図2AーA線に沿う断面図。
【図4】従来の油ポンプを示す断面図。
【図5】図4BーB線に沿う断面図。
【符号の説明】
31…密閉ハウジング、 35…回転軸、71…シ
リンダ、 72…シリンダ室、72c…角
部、 76…偏心軸、77…ロータ、
77c…角部、78…ブレード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関田 真澄 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番 地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 (56)参考文献 特開 平5−187371(JP,A) 実開 平5−36085(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 29/02 311 F04C 18/02 311

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉ハウジングの内部に収容された圧縮
    機構を駆動する回転軸の下端部に組み込まれ、前記密閉
    ハウジングの内底部に貯溜された潤滑油を吸い込んで前
    記回転軸の内部に形成された給油孔を通して前記圧縮機
    構の摺動部に給油する油ポンプにおいて、 前記回転軸の下端に偏心軸が設けられ、この偏心軸が下
    面部が開放されたシリンダ室を有するシリンダにおける
    前記シリンダ室の内部に配置されるとともに、前記シリ
    ンダ室の下面開放部が閉塞部材で閉塞され、且つ前記シ
    リンダ室の内部に前記シリンダ室の内周面に摺接してシ
    リンダ室を区画する合成樹脂により形成されたロータが
    配置されるとともに、このロータが前記偏心軸の周囲に
    回転可能に嵌合され、さらに前記シリンダ室における上
    面と周面とが交差する角部が面取りされているととも
    に、前記ロータにおける上面と周面とが交差する角部が
    面取りされ、前記シリンダ室の周面と前記シリンダの下
    面とが交差する角部が直角とされているとともに、前記
    ロータにおける下面と周面とが交差する角部が直角とさ
    れていることを特徴とする密閉型圧縮機の油ポンプ。
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