JP2014101835A - スクロール圧縮機 - Google Patents
スクロール圧縮機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014101835A JP2014101835A JP2012255307A JP2012255307A JP2014101835A JP 2014101835 A JP2014101835 A JP 2014101835A JP 2012255307 A JP2012255307 A JP 2012255307A JP 2012255307 A JP2012255307 A JP 2012255307A JP 2014101835 A JP2014101835 A JP 2014101835A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- scroll
- thrust bearing
- hole
- insertion portion
- reamer bolt
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Rotary Pumps (AREA)
Abstract
【課題】低コストで信頼性及び性能が高いスクロール圧縮機を得る。
【解決手段】スクロール圧縮機100は、揺動スクロール2の揺動スクロールスラスト軸受面2cに、該揺動スクロールスラスト軸受面2cの中心部から所定距離離れた位置に突設された1つの円柱状のリーマボルト4と、該揺動スクロールスラスト軸受面2cの中心部に突設された1つの円柱状の揺動スクロール挿通部2dと、を備えている。また、スクロール圧縮機100は、スラストベアリング3に、リーマボルト4が挿通されるリーマボルト穴26と、揺動スクロール挿通部2dが挿通されるスラストベアリング中心空間部3aと、が形成されている。そして、スクロール圧縮機100は、揺動スクロール2の揺動によってスラストベアリング3に作用する摩擦力の大部分を、リーマボルト4よりも曲率半径が大きい揺動スクロール挿通部2dで支持する。
【選択図】図2
【解決手段】スクロール圧縮機100は、揺動スクロール2の揺動スクロールスラスト軸受面2cに、該揺動スクロールスラスト軸受面2cの中心部から所定距離離れた位置に突設された1つの円柱状のリーマボルト4と、該揺動スクロールスラスト軸受面2cの中心部に突設された1つの円柱状の揺動スクロール挿通部2dと、を備えている。また、スクロール圧縮機100は、スラストベアリング3に、リーマボルト4が挿通されるリーマボルト穴26と、揺動スクロール挿通部2dが挿通されるスラストベアリング中心空間部3aと、が形成されている。そして、スクロール圧縮機100は、揺動スクロール2の揺動によってスラストベアリング3に作用する摩擦力の大部分を、リーマボルト4よりも曲率半径が大きい揺動スクロール挿通部2dで支持する。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば空気調和装置や冷凍装置に採用される冷凍サイクルの一構成要素として使用されるスクロール圧縮機に関するものである。
スクロール圧縮機は、冷媒ガスの圧縮過程で揺動スクロールに作用するスラスト軸受荷重を、フレームで支持する構成となっている。このため、従来のスクロール圧縮機には、揺動スクロールのスラスト軸受面の摺動性確保のため、揺動スクロールのスラスト軸受面とフレームとの間にスラストベアリング(スラスト軸受部材)を設けたものが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。このような構成のスクロール圧縮機においては、スラストベアリングは、例えば次のように設けられている。
揺動スクロールのスラスト軸受面には、揺動スクロールの中心部から所定距離離れた位置の2箇所にリーマボルトが取り付けられている。また、スラストベアリングには、リーマボルトと対応する位置のそれぞれにリーマボルト穴が形成されている。そして、スラストベアリングのリーマボルト穴にリーマボルトが挿通されることにより、スラストベアリングは揺動スクロールのスラスト軸受面に位置決めされる。また、スラストベアリングの2箇所に形成されたリーマボルト穴は、一方が丸穴形状(円形状)に形成され、もう一方が丸穴形状(円形状)又は長穴形状(2つの半円形状部及びこれら半円形状部の接線となる2本の直線部から成る形状)に形成されている。そして、これら2つのリーマボルト穴は、スラストベアリングの中心部に対して概ね対称位置に配置されている。
また、リーマボルト穴はリーマボルトの頭部外周との間に所定のクリアランスを持つように形成されている。そして、2つのリーマボルト穴が丸穴形状と長穴形状の組合せで構成される場合では、リーマボルトと長穴形状のリーマボルト穴の長手方向のクリアランスは、リーマボルトと丸穴形状のリーマボルト穴のクリアランスより大きく設定され、長穴形状のリーマボルト穴の長手方向は、スラストベアリングの中心方向を向くようにされている。
上述のような従来のスクロール圧縮機は、揺動スクロールが揺動して冷媒ガスの圧縮を開始すると、揺動スクロールと共に揺動するスラストベアリングとフレームとが摺動することとなり、両者の摺動によって摩擦力が発生する。つまり、冷媒ガスの圧縮により揺動スクロール(つまりスラストベアリング)に作用するスラスト荷重をFth、スラストベアリングとフレームとの間の摩擦係数をμとすると、Fth×μの摩擦力が発生する。このため、従来のスクロール圧縮機は、Fth×μの荷重を2本のリーマボルトで支持することとなる。
また、スクロール圧縮機は、固定スクロールの固定スクロール渦巻状突起と揺動スクロールの揺動スクロール渦巻状突起との間に圧縮室が形成されており、揺動スクロールを揺動させることによって、圧縮室に吸入された冷媒ガスを揺動スクロール渦巻状突起及び固定スクロール渦巻状突起の中心側へ移動させながら圧縮する構成となっている。このため、上記のFth×μの荷重は、概ねスラストベアリングの中心部に作用する。したがって、一方のリーマボルトが支持する荷重をF1、F1の支持点とFth×μの荷重作用点(スラストベアリングの中心部)との距離をL1、もう一方のリーマボルトが支持する荷重をF2、F2の支持点とFth×μの荷重作用点(概ねスラストベアリング中心)との距離をL2とすると、F1:F2=L2:L1となる。2つのリーマボルト穴がスラストベアリングの中心部に対して、概ね対称に位置する場合においては、L1≒L2、すなわちF1≒F2であり、支持すべき荷重Fth×μを2本のリーマボルトでほぼ均等に支持することとなる。このリーマボルトによる荷重Fth×μの支持は、スラストベアリングのリーマボルト穴とリーマボルトが接触及び摺動することにより行われる。このため、スラストベアリングのリーマボルト穴とリーマボルトが接触及び摺動することにより、スラストベアリングのリーマボルト穴の摩耗が発生する。
ここで、近年、スクロール圧縮機の高速運転化が要求されてきている。また、近年、地球温暖化係数の小さいR32等の新冷媒の使用も要求されてきているが、このような新冷媒は動作圧力が高く、リーマボルトで支持すべき荷重Fth×μが増大してきている。このため、2本のリーマボルトで荷重Fth×μを支持する従来のスクロール圧縮機は、スラストベアリングのリーマボルト穴とリーマボルトが接触及び摺動することにより発生するリーマボルト穴の摩耗が増大してしまい、スラストベアリングの動作不良が発生してしまうという課題があった。
なお、スラストベアリングのリーマボルト穴とリーマボルトの接触により生じる摩耗を抑制するため、スラストベアリングのリーマボルト穴とリーマボルトとの間のクリアランスを非常に小さく管理し、両者の接触面積を増加して接触面圧を低減することが考えられる。また、スラストベアリングのリーマボルト穴とリーマボルトの接触により生じる摩耗を抑制するため、摩耗特性に優れ、強度の高い素材から成るスラストベアリング及びリーマボルトを使用することが考えられる。しかしながら、このようにスクロール圧縮機を構成すると、スラストベアリング及びリーマボルトのコストが増加してしまい、スクロール圧縮機のコスト増加を招いてしまうという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、低コストで信頼性及び性能が高いスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
本発明に係るスクロール圧縮機は、密閉容器と、一方の面に固定スクロール渦巻状突起が形成され、前記密閉容器内に固定された固定スクロールと、該固定スクロールと対向する面に揺動スクロール渦巻状突起が形成され、該揺動スクロール渦巻状突起と前記固定スクロール渦巻状突起との間に圧縮室を形成する揺動スクロールと、前記揺動スクロールを揺動させ、前記圧縮室に吸入された冷媒ガスを前記揺動スクロール渦巻状突起及び前記固定スクロール渦巻状突起の中心側へ移動させながら圧縮する回転駆動手段と、前記揺動スクロールの前記揺動スクロール渦巻状突起が形成されていない側の面であるスラスト軸受面と対向して設けられ、冷媒ガスの圧縮過程で前記揺動スクロールに作用する荷重を支持するフレームと、該フレームと前記揺動スクロールの前記スラスト軸受面との間に設けられ、前記揺動スクロールと共に揺動し、前記フレームと摺動するスラストベアリングと、を備えたスクロール圧縮機において、前記揺動スクロールの前記スラスト軸受面又は前記スラストベアリングの前記揺動スクロールとの対向面の一方において、前記揺動スクロール及び前記スラストベアリングの中心部から所定距離離れた位置に突設された1つの円柱状の第1の挿通部と、前記揺動スクロールの前記スラスト軸受面又は前記スラストベアリングの前記揺動スクロールとの対向面の他方において、前記揺動スクロール及び前記スラストベアリングの中心部から所定距離離れた位置に形成され、前記第1の挿通部が挿通された1つの第1の穴部と、前記揺動スクロールの前記スラスト軸受面又は前記スラストベアリングの前記揺動スクロールとの対向面の一方の中心部に突設され、前記第1の挿通部よりも大きな曲率半径で形成された1つの円柱状の第2の挿通部と、前記揺動スクロールの前記スラスト軸受面又は前記スラストベアリングの前記揺動スクロールとの対向面の一方の中心部に形成され、前記第2の挿通部が挿通された丸穴形状の1つの第2の穴部と、を備え、前記揺動スクロールの揺動によって前記スラストベアリングに作用する摩擦力を、前記第1の挿通部及び前記第2の挿通部で支持するものである。
本発明に係るスクロール圧縮機は、揺動スクロールの揺動によってスラストベアリングに作用する摩擦力を、揺動スクロール又はスラストベアリングの中心部に突設された1つの第2の挿通部と、従来のスクロール圧縮機のリーマボルト設置位置に対応する位置に設けられた1つの第1の挿通部と、で支持する構成となっている。つまり、本発明に係るスクロール圧縮機は、Fth×μの荷重作用点(概ねスラストベアリング中心)に近い第2の挿通部がFth×μの大部分を支持する構成となっている。このとき、スクロール圧縮機の構成上、揺動スクロール又はスラストベアリングの中心部に突設された第2の挿通部は、その曲率半径を、揺動スクロール及びスラストベアリングの中心部から所定距離離れた位置に設けられる第1の挿通部の曲率半径よりも大きく形成することができる。つまり、第2の挿通部は、第1の挿通部(従来のリーマボルトに相当)よりも大きな接触面でFth×μの大部分を支持することができるので、第1の挿通部(従来のリーマボルトに相当)よりも接触面圧を低減できる。このため、本発明に係るスクロール圧縮機は、第1の挿通部及び第2の挿通部で支持すべき荷重Fth×μが増大しても、従来のスクロール圧縮機において発生していたスラストベアリングのリーマボルト穴の摩耗と比べ、第1の穴部及び第2の穴部の摩耗を抑制できる。つまり、本発明に係るスクロール圧縮機は、スラストベアリングの動作不良を防止できる。したがって、本発明に係るスクロール圧縮機は、スラストベアリング及びリーマボルトの上記のようなコスト増加を防止しつつ、つまり、低コストで信頼性及び性能が高いスクロール圧縮機を得ることができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。図1に基づいて、スクロール圧縮機100の構成及び動作について説明する。このスクロール圧縮機100は、例えば冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、空気調和装置、冷凍装置、給湯器等の各種産業機械に用いられる冷凍サイクルの構成要素の一つとなるものである。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
図1は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。図1に基づいて、スクロール圧縮機100の構成及び動作について説明する。このスクロール圧縮機100は、例えば冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、空気調和装置、冷凍装置、給湯器等の各種産業機械に用いられる冷凍サイクルの構成要素の一つとなるものである。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
スクロール圧縮機100は、冷凍サイクルを循環する冷媒を吸入し、圧縮して高温高圧の状態として吐出させるものである。このスクロール圧縮機100は、センターシェル7、アッパーシェル22、ロアシェル23により構成される密閉容器24内に、固定スクロール1と固定スクロール1に対して揺動する揺動スクロール2を組み合わせた圧縮機構を備えている。また、スクロール圧縮機100は、密閉容器24内に電動回転機械等からなる回転駆動手段を備えている。図1に示すように、密閉容器24内において、圧縮機構が上側に、回転駆動手段が下側に、それぞれ配置されている。
密閉容器24は、センターシェル7の上部及び下部にアッパーシェル22及びロアシェル23が設けられて構成されている。ロアシェル23は、潤滑油を貯留する油溜めとなっている。また、センターシェル7には、冷媒ガスを吸入するための吸入パイプ15が接続されている。アッパーシェル22には、冷媒ガスを吐出するための吐出パイプ17が接続されている。なお、センターシェル7内部は低圧室18に、アッパーシェル22内部は高圧室19になっている。
固定スクロール1は、固定スクロール台板1bと、固定スクロール台板1bの一方の面に立設された渦巻状突起である固定スクロール渦巻状突起1aと、で構成されている。また、揺動スクロール2は、揺動スクロール台板2bと、揺動スクロール台板2bの一方の面に立設され、固定スクロール渦巻状突起1aと実質的に同一形状の渦巻状突起である揺動スクロール渦巻状突起2aと、で構成されている。なお、揺動スクロール台板2bの他方の面(揺動スクロール渦巻状突起2aの形成面とは反対側の面(背面))は、揺動スクロールスラスト軸受面2cとして作用する。また、揺動スクロール台板2bの揺動スクロールスラスト軸受面2cよりも中心側は下方に向かって突出した凸部2dとなっている(以下、便宜的に揺動スクロール挿通部2dと称する)。
揺動スクロールスラスト軸受面2cには、1本のリーマボルト4が挿入されている。また、リーマボルト4は、その頭部が揺動スクロールスラスト軸受面2cから突出するように挿入されている。スクロール圧縮機100を組み立てる際、揺動スクロールスラスト軸受面2cにリーマボルト4が挿入された状態において、スラストベアリング3に形成されたリーマボルト穴26にリーマボルト4の頭部を位置させる。スラストベアリング3は、リング状に形成されており、中心部(以下、便宜的にスラストベアリング中心空間部3aと称する)に揺動スクロール挿通部2dが位置するようになっている。そして、スラストベアリング3の下面が、揺動スクロール挿通部2dの先端面に対して、下に位置している。なお、リーマボルト4、スラストベアリング3については、図2及び図3で詳細に説明する。
揺動スクロール2は、圧縮機運転中に生じるスラスト軸受荷重がスラストベアリング3を介してフレーム20で支持されるようになっている。なお、フレーム20がスラスト軸受荷重に対して十分な硬度を持たない場合は、図1に示すように、スラストベアリング3とフレーム20の間に、スラスト軸受荷重に対して十分な硬度を持つ素材から成るスラストプレート5を挿入する構造としてもよい。換言すると、フレーム20のスラストベアリング3と対向する側の面を、スラストプレート5で形成してもよい。
揺動スクロール2及び固定スクロール1は、揺動スクロール渦巻状突起2aと固定スクロール渦巻状突起1aとを互いに組み合わせ、密閉容器24内に装着されている。揺動スクロール2及び固定スクロール1が組み合わされた状態では、固定スクロール渦巻状突起1aと揺動スクロール渦巻状突起2aの巻方向が互いに逆となる。揺動スクロール渦巻状突起2aと固定スクロール渦巻状突起1aとの間には、相対的に容積が変化する圧縮室30が形成される。なお、固定スクロール1及び揺動スクロール2には、固定スクロール渦巻状突起1a及び揺動スクロール渦巻状突起2aの先端面からの冷媒漏れを低減するため、固定スクロール渦巻状突起1a及び揺動スクロール渦巻状突起2aの先端面(上端面、下端面)にシール31,32が配設されている。
固定スクロール1は、フレーム20に図示省略のボルト等によって固定されている。固定スクロール1の固定スクロール台板1bの中央部には、圧縮され、高圧となった冷媒ガスを吐出する吐出口16が形成されている。そして、圧縮され、高圧となった冷媒ガスは、固定スクロール1の上部に設けられている高圧室19に排出されるようになっている。高圧室19に排出された冷媒ガスは、吐出パイプ17を介して冷凍サイクルに吐出されることになる。なお、吐出口16には、高圧室19から吐出口16側への冷媒の逆流を防止する吐出弁33が設けられている。
揺動スクロール2は、自転運動を阻止するためのオルダムリング14により、固定スクロール1に対して自転運動することなく公転旋回運動(揺動運動)を行うようになっている。また、揺動スクロール2の揺動スクロール渦巻状突起2a形成面とは反対側の面の略中心部には、中空円筒形状のボス部2eが形成されている。このボス部2eには、主軸8の上端に設けられた偏心軸部8aが挿入される。
オルダムリング14は、そのオルダム爪が揺動スクロール挿通部2d及び揺動スクロールスラスト軸受面2cに形成されたオルダム溝(図2に示すオルダム溝6a)に収容されるように設置されている。また、スラストベアリング3にはオルダムリング逃がし溝6b(図2参照)が設けられている。このオルダムリング逃がし溝6bは、揺動スクロールスラスト軸受面2cに形成されたオルダム溝6aと干渉を回避するために形成されている。なお、オルダムリング14は、揺動スクロール台板2bの揺動スクロール渦巻状突起2a形成面側に設置するようにしてもよい。
回転駆動手段は、主軸8に固定された回転子11、固定子10、及び回転軸である主軸8等で構成されている。回転子11は、主軸8に焼き嵌め固定され、固定子10への通電が開始することにより回転駆動し、主軸8を回転させるようになっている。すなわち、固定子10及び回転子11で電動回転機械を構成している。回転子11は、センターシェル7に焼き嵌め固定された固定子10とともに主軸8に固定されている第1バランスウェイト12の下部に配置されている。なお、固定子10には、センターシェル7に設けられた電源端子9を介して電力が供給されるようになっている。
主軸8は、回転子11の回転に伴って回転し、揺動スクロール2を旋回させるようになっている。この主軸8の上部(偏心軸部8a近傍)は、フレーム20に設けられた主軸受21によって支持されている。一方、主軸8の下部は、副軸受35によって回転自在に支持されている。この副軸受35は、密閉容器24の下部に設けられたサブフレーム34の中央部に形成された軸受収納部に圧入固定されている。また、サブフレーム34には、容積型のオイルポンプ(図示省略)が設けられている。このオイルポンプで吸引された潤滑油は、主軸8の内部形成された図示省略の油穴等を介して各摺動部に送られる。
また、主軸8の上部には、揺動スクロール2が偏心軸部8aに装着されて揺動することにより生じるアンバランスを相殺するため、第1バランスウェイト12が設けられている。回転子11の下部には、揺動スクロール2が偏心軸部8aに装着されて揺動することにより生じるアンバランスを相殺するため、第2バランスウェイト13が設けられている。第1バランスウェイト12は主軸8の上部に焼き嵌めによって固定され、第2バランスウェイト13は回転子11の下部に回転子11と一体的に固定される。
次に、スクロール圧縮機100の動作について説明する。
電源端子9に通電すると、固定子10の電線部に電流が流れ、磁界が発生する。この磁界は、回転子11を回転させるように働く。つまり、固定子10と回転子11にトルクが発生し、回転子11が回転する。回転子11が回転すると、それに伴い主軸8が回転駆動される。主軸8が回転駆動されると、オルダムリング14により自転を抑制された揺動スクロール2は、揺動運動を行う。
電源端子9に通電すると、固定子10の電線部に電流が流れ、磁界が発生する。この磁界は、回転子11を回転させるように働く。つまり、固定子10と回転子11にトルクが発生し、回転子11が回転する。回転子11が回転すると、それに伴い主軸8が回転駆動される。主軸8が回転駆動されると、オルダムリング14により自転を抑制された揺動スクロール2は、揺動運動を行う。
回転子11が回転するとき、主軸8の上部に固定されている第1バランスウェイト12と、回転子11の下部に固定されている第2バランスウェイト13と、で揺動スクロール2及びスラストベアリング3の偏心公転運動に対する静的及び動的バランスを保っている。これにより、主軸8の上部に偏心支持され、オルダムリング14により自転を抑制された揺動スクロール2が揺動されて公転旋回を始め、公知の圧縮原理により冷媒を圧縮する。
これにより、冷媒ガスの一部はフレーム20の吸入ポート(図示せず)を介して圧縮室30内へ流れ、吸入過程が開始される。また、冷媒ガスの残りの一部は、固定子10の鋼板の切り欠き(図示せず)を通って、電動回転機械と潤滑油を冷却する。圧縮室30は、揺動スクロール2の揺動運動により揺動スクロール2の中心へ移動し、さらに体積が縮小される。この工程により、圧縮室30に吸入された冷媒ガスは圧縮されていく。圧縮された冷媒は、固定スクロール1の吐出口16を通り、吐出弁33を押し開けて高圧室19に流入する。そして、吐出パイプ17を介して密閉容器24から吐出される。
圧縮室30内の冷媒ガスの圧力により発生するスラスト軸受荷重は、スラストベアリング3を支持するフレーム20で受けている。リーマボルト4は、スラスト軸受荷重により生じるスラストベアリング3とフレーム20との間の摩擦力とスラストベアリング3の遠心力との合力を支持している。また、主軸8が回転することで第1バランスウェイト12と第2バランスウェイト13に生じる遠心力及び冷媒ガス荷重は、主軸受21及び副軸受35で受けている。なお、低圧室18内の低圧冷媒ガスと高圧室19内の高圧冷媒ガスとは、固定スクロール1、フレーム20により仕切られ、気密が保たれる。固定子10への通電を止めると、スクロール圧縮機100が運転を停止する。
図2は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の揺動スクロール及びスラストベアリングを拡大して示す斜視図である。また、図3は、このスクロール圧縮機の揺動スクロール及びスラストベアリングを組み付けた状態を示す底面図である。図2及び図3に基づいて、リーマボルト4、スラストベアリング3について詳細に説明する。
図2に示すように、揺動スクロールスラスト軸受面2cには、互いに円柱状のリーマボルト4の頭部及び揺動スクロール挿通部2dが突設されている。リーマボルト4は、揺動スクロールスラスト軸受面2cの中心部から所定距離離れた位置(揺動スクロール挿通部2dの外周側)に突設されている。揺動スクロール挿通部2dは、揺動スクロールスラスト軸受面2cの中心部に突設されている。また、リーマボルト4は、スラストベアリング3の中心部から所定距離離れた位置に形成されたリーマボルト穴26に挿通され、揺動スクロール挿通部2dは、スラストベアリング3の中心部に形成されたスラストベアリング中心空間部3aに挿通される。つまり、スラストベアリング3は、自身に形成されているリーマボルト穴26及びスラストベアリング中心空間部3aとリーマボルト4及び揺動スクロール挿通部2dとによって、揺動スクロールスラスト軸受面2cに位置決めされるようになっている。リーマボルト穴26は、リーマボルト4の本数に合わせて1つ形成されている。なお、リーマボルト穴26は、円形状に限らず種々の形状に形成することができる。リーマボルト穴26の形状の詳細については、実施の形態2以降で説明する。
ここで、揺動スクロールスラスト軸受面2cの中心部から所定距離離れた位置に突設されるリーマボルト4の頭部は、揺動スクロール2のボス部2eとの干渉を避けて設置しなければならない等、設置上の制約が生じる。このため、リーマボルト4の頭部は、ある一定の曲率半径以上に大きくすることができない。一方、揺動スクロールスラスト軸受面2cの中心部に突設される揺動スクロールスラスト軸受面2cは、揺動スクロール2のボス部2eを囲うように形成することができるので、リーマボルト4の頭部に比べ、揺動スクロールスラスト軸受面2cの曲率半径を大きくすることができる。
なお、リーマボルト4の頭部が本発明の第1の挿通部に相当し、リーマボルト穴26が本発明の第1の穴部に相当する。なお、ここでは、揺動スクロールスラスト軸受面2cに第1の挿通部を、スラストベアリング3に第1の穴部を、設けた場合を例に説明するが、揺動スクロールスラスト軸受面2cに第1の穴部を、スラストベアリング3に第1の挿通部を、設けるようにしてもよい。このような構成にすることで、スラストベアリング3の第1の穴部がなくなり、スラスト面積がより広くなるので、スラスト面圧を下げることができ、信頼性能の向上が更に図れることになる。また、リーマボルト自体をなくせるので部品点数の削減にもなる。一方、揺動スクロールスラスト軸受面2cに第1の挿通部を、スラストベアリング3に第1の穴部を、設けた場合、揺動スクロール台板2bの強度を確保できるという効果が得られる。
また、揺動スクロール挿通部2dが本発明の第2の挿通部に相当し、スラストベアリング中心空間部3aが、本発明の第2の穴部に相当する。なお、ここでは、揺動スクロールスラスト軸受面2cに第2の挿通部を、スラストベアリング3に第2の穴部を、設けた場合を例に説明するが、揺動スクロールスラスト軸受面2cの中心部に第2の穴部を、スラストベアリング3の中心部に第2の挿通部を、設けるようにしてもよい。このような構成にすることで、スラストベアリング3の第2の穴部がなくなり、スラスト面積がより広くなるので、スラスト面圧を下げることができ、信頼性能向上が更に図れることになる(なお、この場合でも、ボス部2eを挿通する貫通穴は必要である)。一方、揺動スクロールスラスト軸受面2cに第2の挿通部を、スラストベアリング3に第2の穴部を、設けた場合、揺動スクロール台板2bの強度を確保できるという効果が得られる。なお、揺動スクロールスラスト軸受面2cに第2の挿通部を設ける場合、揺動スクロールスラスト軸受面2cの中心部に突設されたボス部2eを第2の挿通部として用いてもよい。
図3に示すように、リーマボルト穴26はリーマボルト4の頭部を挿通できる穴形状に形成されており、スラストベアリング中心空間部3aは円形の丸穴形状に形成されている。また、揺動スクロール挿通部2dとリーマボルト4の頭部は円形に形成されており、リーマボルト穴26とリーマボルト4の頭部は所定のクリアランスを持つよう設定されている。同様に、揺動スクロール挿通部2dとスラストベアリング中心空間部3aも所定のクリアランスを持つよう設定されている。
なお、スラストベアリング3が揺動スクロールスラスト軸受面2cに設置された状態において、揺動スクロール挿通部2dの先端面と、スラストベアリング3の下面との位置関係は上述した通りである。また、リーマボルト4の頭部の端面は、スラストベアリング3が揺動スクロールスラスト軸受面2cに設置された状態において、スラストベアリング3の下面に対して、上に位置している。
スクロール圧縮機100の構成を以下にまとめる。
1本のリーマボルト4と揺動スクロール挿通部2dを用いて、揺動スクロールスラスト軸受面2cに対してスラストベアリング3の位置決めをしている。このような構成としたので、スラストベアリング3を揺動スクロール2に挿入した1本のリーマボルト4と揺動スクロール挿通部2dで支持することとなる。
1本のリーマボルト4と揺動スクロール挿通部2dを用いて、揺動スクロールスラスト軸受面2cに対してスラストベアリング3の位置決めをしている。このような構成としたので、スラストベアリング3を揺動スクロール2に挿入した1本のリーマボルト4と揺動スクロール挿通部2dで支持することとなる。
ここで、上述のように揺動スクロール2が揺動して冷媒ガスの圧縮を開始すると、揺動スクロール2と共に揺動するスラストベアリング3とフレーム20とが摺動することとなり、両者の摺動によって摩擦力が発生する。つまり、冷媒ガスの圧縮により揺動スクロール2(つまりスラストベアリング3)に作用するスラスト荷重をFth、スラストベアリング3とフレーム20との間の摩擦係数をμとすると、Fth×μの摩擦力(荷重)が発生する。また、上述のように、スクロール圧縮機100は、固定スクロール渦巻状突起1aと揺動スクロール渦巻状突起2aとの間に圧縮室30が形成されており、揺動スクロール2を揺動させることによって、圧縮室30に吸入された冷媒ガスを揺動スクロール渦巻状突起2a及び固定スクロール渦巻状突起1aの中心側へ移動させながら圧縮する構成となっている。このため、上記のFth×μの荷重は、概ねスラストベアリング3の中心部に作用する。
このため、図3に示すように、リーマボルト4の支持荷重をF1、F1の支持点とFth×μの荷重作用点(概ねスラストベアリング3の中心部)との距離をL1、揺動スクロール挿通部2dの支持荷重をF3、F3の支持点とFth×μ荷重作用点との距離をL3とすると、F1:F3=L3:L1となる。つまり、1本のリーマボルト4と揺動スクロール挿通部2dとでスラストベアリングを支持する場合、L1>>L3、すなわちF3>>F1であり、支持すべきFth×μの大部分を揺動スクロール挿通部2dで支持できる。
以上、本実施の形態1のように構成されたスクロール圧縮機100においてはFth×μの荷重作用点(概ねスラストベアリング3の中心部)に近い揺動スクロール挿通部2dがFth×μの大部分を支持する構成となっている。このとき、揺動スクロール挿通部2dは、リーマボルト4の頭部よりも大きな接触面でFth×μの大部分を支持することができるので、スラストベアリング中心空間部3aの摩耗を抑制できる。したがって、本実施の形態1に係るスクロール圧縮機100は、Fth×μが大きくなっても、リーマボルト穴とリーマボルトとの間のクリアランスを非常に小さく管理すること、及び、スラストベアリング及びリーマボルトの材質を耐摩耗性に優れ強度の高い材質に変更すること等を実施することなく、信頼性及び性能を確保することができる(スラストベアリングの動作不良を抑制できる)。つまり、本実施の形態1に係るスクロール圧縮機100は、低コストで信頼性及び性能が高いスクロール圧縮機とすることができる。
また、本実施の形態1に係るスクロール圧縮機100は、揺動スクロール挿通部2d及びリーマボルト4の頭部で支持すべき荷重Fth×μの大部分を揺動スクロール挿通部2dで支持している。このため、リーマボルト4の支持荷重を大幅に低減できるので、リーマボルト4及びリーマボルト穴26を小さく構成できる。したがって、本実施の形態1に係るスクロール圧縮機100は、スラスト軸受面圧を下げることができ、スラスト軸受部(スラストベアリング3及びフレーム20の摺動箇所)の信頼性向上及びスラスト軸受摺動損失低減による高効率化が図れる。
また、本実施の形態1に係るスクロール圧縮機100は、従来のスクロール圧縮機からリーマボルトを1本削減できる構成となっているので、コスト削減を図ることができる。また、本実施の形態1に係るスクロール圧縮機100は、不要となったリーマボルトを挿通するためリーマボルト穴をスラストベアリングに形成する必要がなくなるので、スラスト軸受面圧を更に下げることができ、スラスト軸受の更なる信頼性向上及びスラスト軸受摺動損失の更なる低減による高効率化が図れる。そして、本実施の形態1に係るスクロール圧縮機100は、リーマボルト4の支持荷重を低減することで、リーマボルト4とスラストベアリング3との接触及び摺動により生じるスラストベアリング3のリーマボルト穴26の摩耗を抑制でき、更なる信頼性向上が図れる。
実施の形態2.
実施の形態1ではリーマボルト穴26の形状を限定しなかったが、例えばリーマボルト穴26を次のように構成してもよい。なお、実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
実施の形態1ではリーマボルト穴26の形状を限定しなかったが、例えばリーマボルト穴26を次のように構成してもよい。なお、実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
図4は、本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機の揺動スクロール及びスラストベアリングを組み付けた状態を示す底面図である。図4に基づいて、本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機100のスラストベアリング3に形成するリーマボルト穴26の穴形状について説明する。
本実施の形態2に係るスクロール圧縮機100は、実施の形態1の構成条件を満たし、かつ、リーマボルト穴26が丸穴形状(円形状)となっている(以下、丸穴形状のリーマボルト穴26をリーマボルト穴27と称する)。
このようにリーマボルト穴27を構成することにより、リーマボルト4及びリーマボルト穴27は互いの曲面で接触することとなり、リーマボルト穴27とリーマボルト4との接触面積を増加させることができる。このため、リーマボルト4とリーマボルト穴27の接触面圧を低減できるので、リーマボルト4とリーマボルト穴26とが接触及び摺動することにより生じるスラストベアリング3のリーマボルト穴26の摩耗を抑制でき、スクロール圧縮機100の更なる信頼性向上が図れる。
実施の形態3.
また、リーマボルト穴26を次のように形成してもよい。なお、実施の形態3では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
また、リーマボルト穴26を次のように形成してもよい。なお、実施の形態3では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
図5は、本発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機の揺動スクロール及びスラストベアリングを組み付けた状態を示す底面図である。図5に基づいて、本発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機100のスラストベアリング3に形成するリーマボルト穴26の穴形状について説明する。
揺動スクロール2及びスラストベアリング3は、揺動スクロール挿通部2d中心部からリーマボルト4の頭部中心部までの距離がスラストベアリング中心空間部3a中心部からリーマボルト穴26中心部までの距離と同じになるように設計させる。しかしながら、揺動スクロール2及びスラストベアリング3の加工時の寸法公差により、揺動スクロール挿通部2d中心部からリーマボルト4の頭部中心部までの距離と、スラストベアリング中心空間部3a中心部からリーマボルト穴26中心部までの距離とが異なってしまうことがある。
そこで、本実施の形態3に係るスクロール圧縮機100は、実施の形態1の構成条件を満たし、かつ、リーマボルト穴26が長穴形状(2つの半円形状部及びこれら半円形状部の接線となる2本の直線部から成る形状)となっている(以下、長穴形状のリーマボルト穴26をリーマボルト穴28と称する)。また、リーマボルト穴28は、長手方向がスラストベアリング3の中心部、つまりスラストベアリング中心空間部3aの中心部を向くように形成されている。そして、リーマボルト4の頭部とリーマボルト穴28との間の前記長手方向のクリアランスは、揺動スクロール挿通部2dとスラストベアリング中心空間部3aとの間のクリアランスよりも大きく設定されている。
このようにリーマボルト穴28を構成することにより、揺動スクロール2及びスラストベアリング3の加工時の寸法公差を、リーマボルト4の頭部とリーマボルト穴28との間の前記長手方向のクリアランスで吸収することができ、スクロール圧縮機100の加工コスト削減及び組立性改善が図れる。
実施の形態4.
また、リーマボルト穴26を次のように形成してもよい。なお、実施の形態4では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
また、リーマボルト穴26を次のように形成してもよい。なお、実施の形態4では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
図6は、本発明の実施の形態4に係るスクロール圧縮機の揺動スクロール及びスラストベアリングを組み付けた状態を示す底面図である。図6に基づいて、本発明の実施の形態4に係るスクロール圧縮機100のスラストベアリング3に形成するリーマボルト穴26の穴形状について説明する。
本実施の形態4に係るスクロール圧縮機100は、実施の形態1の構成条件を満たし、かつ、リーマボルト穴26が楕円形状となっている(以下、楕円形状のリーマボルト穴26をリーマボルト穴29と称する)。また、リーマボルト穴29は、長手方向がスラストベアリング3の中心部、つまりスラストベアリング中心空間部3aの中心部を向くように形成されている。そして、リーマボルト4の頭部とリーマボルト穴29との間の前記長手方向のクリアランスは、揺動スクロール挿通部2dとスラストベアリング中心空間部3aとの間のクリアランスよりも大きく設定されている。
このようにリーマボルト穴29を構成しても、揺動スクロール2及びスラストベアリング3の加工時の寸法公差を、リーマボルト4の頭部とリーマボルト穴29との間の前記長手方向のクリアランスで吸収することができ、スクロール圧縮機100の加工コスト削減及び組立性改善が図れる。
さらに、本実施の形態4に係るスクロール圧縮機100は、リーマボルト4及びリーマボルト穴29は互いの曲面で接触することとなり、リーマボルト穴29とリーマボルト4との接触面積を増加させることができる。このため、本実施の形態4に係るスクロール圧縮機100は、実施の形態2と同様に、リーマボルト4とリーマボルト穴29の接触面圧を低減できるので、リーマボルト4とリーマボルト穴29とが接触及び摺動することにより生じるスラストベアリング3のリーマボルト穴29の摩耗を抑制でき、スクロール圧縮機100の更なる信頼性向上が図れる。
さらに、本実施の形態4に係るスクロール圧縮機100は、リーマボルト4及びリーマボルト穴29は互いの曲面で接触することとなり、リーマボルト穴29とリーマボルト4との接触面積を増加させることができる。このため、本実施の形態4に係るスクロール圧縮機100は、実施の形態2と同様に、リーマボルト4とリーマボルト穴29の接触面圧を低減できるので、リーマボルト4とリーマボルト穴29とが接触及び摺動することにより生じるスラストベアリング3のリーマボルト穴29の摩耗を抑制でき、スクロール圧縮機100の更なる信頼性向上が図れる。
実施の形態5.
また、リーマボルト穴26を次のように形成してもよい。なお、実施の形態5では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
また、リーマボルト穴26を次のように形成してもよい。なお、実施の形態5では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略するものとする。
図7は、本発明の実施の形態5に係るスクロール圧縮機の揺動スクロール及びスラストベアリングを組み付けた状態を示す底面図である。図7に基づいて、本発明の実施の形態5に係るスクロール圧縮機100のスラストベアリング3に形成するリーマボルト穴26の穴形状について説明する。
本実施の形態5に係るスクロール圧縮機100は、実施の形態1の構成条件を満たし、かつ、実施の形態2と同様にリーマボルト穴26が丸穴形状のリーマボルト穴27となっている。また、本実施の形態5に係るスクロール圧縮機100においては、リーマボルト4の頭部とリーマボルト穴27との間のクリアランスが、揺動スクロール挿通部2dとスラストベアリング中心空間部3aとの間のクリアランスよりも大きく設定されている。
このようにリーマボルト穴27を構成することにより、揺動スクロール2が揺動した際、クリアランスが大きく形成されたリーマボルト4の頭部とリーマボルト穴27とが接触及び摺動する頻度よりも、クリアランスが小さく形成された揺動スクロール挿通部2dとスラストベアリング中心空間部3aとが接触及び摺動する頻度の方が多くなる。このため、本実施の形態5に係るスクロール圧縮機100は、リーマボルト4及び揺動スクロール挿通部2dで支持すべき荷重Fth×μを、クリアランスの小さい揺動スクロール挿通部2dで主として支持し、クリアランスの大きいリーマボルト4は補助的に支持することとなる。これにより、本実施の形態5に係るスクロール圧縮機100は、支持すべき荷重Fth×μの大部分をより揺動スクロール挿通部2dで支持することができ、リーマボルト4の支持荷重を更に大幅に低減でき、リーマボルト4及びリーマボルト穴27を更に小さく構成できる。したがって、本実施の形態5に係るスクロール圧縮機100は、更にスラスト軸受面圧を下げることができ、スラスト軸受の更なる信頼性向上及びスラスト軸受摺動損失低減による更なる高効率化が図れる。
なお、本実施の形態5では、実施の形態2で示した丸穴形状のリーマボルト穴27を例に説明した。これに限らず、実施の形態3で示した長穴形状のリーマボルト穴28及び実施の形態4で示した楕円形状のリーマボルト穴29に対し、リーマボルトの頭部とこれらリーマボルト穴との間におけるこれらリーマボルト穴の短手方向のクリアランスを、揺動スクロール挿通部2dとスラストベアリング中心空間部3aとの間のクリアランスよりも大きく設定してもよい。このように構成しても、リーマボルト4及び揺動スクロール挿通部2dで支持すべき荷重Fth×μを、クリアランスの小さい揺動スクロール挿通部2dで主として支持し、クリアランスの大きいリーマボルト4は補助的に支持することとなり、上記の効果を得ることができる。
1 固定スクロール、1a 固定スクロール渦巻状突起、1b 固定スクロール台板、2 揺動スクロール、2a 揺動スクロール渦巻状突起、2b 揺動スクロール台板、2c 揺動スクロールスラスト軸受面、2d 揺動スクロール挿通部、2e ボス部、3 スラストベアリング、3a スラストベアリング中心空間部、4 リーマボルト、5 スラストプレート、6 オルダム溝、6a オルダム溝、6b オルダムリング逃し溝、7 センターシェル、8 主軸、8a 偏心軸部、9 電源端子、10 固定子、11 回転子、12 第1バランスウェイト、13 第2バランスウェイト、14 オルダムリング、15 吸入パイプ、16 吐出口、17 吐出パイプ、18 低圧室、19 高圧室、20 フレーム、21 主軸受、22 アッパーシェル、23 ロアシェル、24 密閉容器、26 リーマボルト穴、27 リーマボルト穴(丸穴)、28 リーマボルト穴(長穴)、29 リーマボルト穴(楕円)、30 圧縮室、31 シール、32 シール、33 吐出弁、34 サブフレーム、35 副軸受、100 スクロール圧縮機。
Claims (6)
- 密閉容器と、
一方の面に固定スクロール渦巻状突起が形成され、前記密閉容器内に固定された固定スクロールと、
該固定スクロールと対向する面に揺動スクロール渦巻状突起が形成され、該揺動スクロール渦巻状突起と前記固定スクロール渦巻状突起との間に圧縮室を形成する揺動スクロールと、
前記揺動スクロールを揺動させ、前記圧縮室に吸入された冷媒ガスを前記揺動スクロール渦巻状突起及び前記固定スクロール渦巻状突起の中心側へ移動させながら圧縮する回転駆動手段と、
前記揺動スクロールの前記揺動スクロール渦巻状突起が形成されていない側の面であるスラスト軸受面と対向して設けられ、冷媒ガスの圧縮過程で前記揺動スクロールに作用する荷重を支持するフレームと、
該フレームと前記揺動スクロールの前記スラスト軸受面との間に設けられ、前記揺動スクロールと共に揺動し、前記フレームと摺動するスラストベアリングと、
を備えたスクロール圧縮機において、
前記揺動スクロールの前記スラスト軸受面又は前記スラストベアリングの前記揺動スクロールとの対向面の一方において、前記揺動スクロール及び前記スラストベアリングの中心部から所定距離離れた位置に突設された1つの円柱状の第1の挿通部と、
前記揺動スクロールの前記スラスト軸受面又は前記スラストベアリングの前記揺動スクロールとの対向面の他方において、前記揺動スクロール及び前記スラストベアリングの中心部から所定距離離れた位置に形成され、前記第1の挿通部が挿通された1つの第1の穴部と、
前記揺動スクロールの前記スラスト軸受面又は前記スラストベアリングの前記揺動スクロールとの対向面の一方の中心部に突設され、前記第1の挿通部よりも大きな曲率半径で形成された1つの円柱状の第2の挿通部と、
前記揺動スクロールの前記スラスト軸受面又は前記スラストベアリングの前記揺動スクロールとの対向面の一方の中心部に形成され、前記第2の挿通部が挿通された丸穴形状の1つの第2の穴部と、
を備え、
前記揺動スクロールの揺動によって前記スラストベアリングに作用する摩擦力を、前記第1の挿通部及び前記第2の挿通部で支持することを特徴とするスクロール圧縮機。 - 前記第1の穴部は、丸穴形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
- 前記第1の穴部は、2つの半円形状部及びこれら半円形状部の接線となる2本の直線部から成る長穴形状に形成され、該長穴形状の長手方向が当該第1の穴部の形成部材の中心部を向くように配置されており、
前記第1の挿通部と前記第1の穴部との間の前記長手方向のクリアランスは、前記第2の挿通部と前記第2の穴部との間のクリアランスよりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。 - 前記第1の穴部は、楕円形状に形成され、該楕円形状の長手方向が当該第1の穴部の形成部材の中心部を向くように配置されており、
前記第1の挿通部と前記第1の穴部との間の前記長手方向のクリアランスは、前記第2の挿通部と前記第2の穴部との間のクリアランスよりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。 - 前記第1の挿通部と前記第1の穴部との間のクリアランスは、前記第2の挿通部と前記第2の穴部との間のクリアランスよりも大きく設定されていることを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
- 前記第1の挿通部と前記第1の穴部との間における前記第1の穴部の短手方向のクリアランスは、前記第2の挿通部と前記第2の穴部との間のクリアランスよりも大きく設定されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のスクロール圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012255307A JP2014101835A (ja) | 2012-11-21 | 2012-11-21 | スクロール圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012255307A JP2014101835A (ja) | 2012-11-21 | 2012-11-21 | スクロール圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014101835A true JP2014101835A (ja) | 2014-06-05 |
Family
ID=51024547
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012255307A Pending JP2014101835A (ja) | 2012-11-21 | 2012-11-21 | スクロール圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014101835A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102014113435A1 (de) * | 2014-09-17 | 2016-03-17 | Bitzer Kühlmaschinenbau Gmbh | Kompressor |
-
2012
- 2012-11-21 JP JP2012255307A patent/JP2014101835A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102014113435A1 (de) * | 2014-09-17 | 2016-03-17 | Bitzer Kühlmaschinenbau Gmbh | Kompressor |
US10634141B2 (en) | 2014-09-17 | 2020-04-28 | Bitzer Kuehlmaschinenbau Gmbh | Scroll compressor having axial guide support |
US11396877B2 (en) | 2014-09-17 | 2022-07-26 | Bitzer Kuehlmaschinenbau Gmbh | Scroll compressor having axial guide support |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6366833B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2011099377A (ja) | 冷媒圧縮機 | |
JP6057535B2 (ja) | 冷媒圧縮機 | |
JP6033467B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP6607970B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP6745913B2 (ja) | 圧縮機 | |
JP2014101835A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JPWO2015177851A1 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP5773922B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP6104396B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2014214736A (ja) | スクロール流体機械 | |
JP6195466B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2012189002A (ja) | 圧縮機 | |
JP6598881B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP6320575B2 (ja) | 電動圧縮機 | |
JP6116333B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP4792947B2 (ja) | 圧縮機 | |
KR20200057544A (ko) | 압축기 | |
JP6029517B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
WO2022219668A1 (ja) | 二段スクロール圧縮機 | |
JP2014020209A (ja) | 2段圧縮機および2段圧縮システム | |
JP5836845B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP5147489B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2012082714A (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2012036876A (ja) | スクロール圧縮機 |