JP2008255924A - 流体機械 - Google Patents

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Noriyuki Kobayashi
憲幸 小林
Hitomi Shibata
瞳 柴田
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Abstract

【課題】簡易にしてオイルポンプの組み付け性を向上することができる流体機械を提供する。
【解決手段】オイルポンプ(42)は、オイル室(38)のオイルを吸入する吸入領域を所定の位置(B)近傍に形成し、吸入領域に吸入されたオイルをオイル通路(40)に吐出する吐出領域を第2の所定の位置(D)近傍に形成するロータユニット(44)と、ロータユニットを上部ケース(58)及び下部ケース(60)で挟持するポンプケース(46)とからなり、下部ケースは、ロータユニットが収容される収容部(72)、オイル室と吸入領域とを連通する吸入部(78,82)、吐出領域とオイル通路とを連通する吐出部(80)を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体機械に係り、詳しくは、冷凍空調機やヒートポンプ式給湯機に用いられて好適な流体機械に関する。
この種の流体機械、例えば密閉型のスクロール圧縮機は、作動流体の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施するスクロールユニット備え、スクロールユニットを駆動する回転軸には、潤滑オイルを循環させるべく、回転軸の回転によって駆動されるトロコイド式のオイルポンプが装着されている。
このようなオイルポンプは、歯数の異なるインナロータとアウタロータとが偏心して組み付けられてロータユニットを構成し、このロータユニットはポンプケースに収容されている。
そして、インナロータが回転するとアウタロータも同方向に回転するが、インナロータとアウタロータとは歯数及び回転中心が異なるため、インナロータとアウタロータとの隙間容積が互いの歯の噛合位置により異なり、この隙間容積が大きくなり始める噛合位置にオイルの吸入部を位置づけ、この隙間容積が小さくなり始める噛合位置にオイルの吐出部を位置づけることにより、オイルポンプはオイルを吸入し、吸入したオイルを吐出することができる。
ここで、特許文献1に開示されたオイルポンプは、ポンプケースが上部ケースと下部ケースとから構成されてねじ止めされており、ロータユニットは上部ケースに設けられた収容部に収容されるとともに、下部ケースで下側から支持され、下部ケースにオイルの吸入孔及び吐出孔が形成されている。
特開平11−82350号公報
しかしながら、上記従来技術では、ロータユニットが収容される部材と、吸入部及び吐出部が形成される部材とがそれぞれ上部ケース、下部ケースとして別体となるため、これら部材を正規のねじ止め箇所からずらしてねじ止めすると、上記各噛合位置に対して吸入孔及び吐出孔がそれぞれずれて位置づけられてしまう。
このようにオイルポンプが誤組み付けされた状態で圧縮機を運転すると、オイルポンプでのオイルの吸入、吐出が適正に行えないため、圧縮機の潤滑性能が大幅に低下するとの問題がある。
また、誤組み付けが判明したとしても、オイルポンプを再度分解して組み付け直さなければならず、圧縮機の生産性が大幅に低下するとの問題もある。
そこで、上記従来技術でも提案されているように、上部及び下部ハウジングからなるポンプケースを二等辺三角形に形成し、これら部材の固定位置が一義に決まるようにして誤組み付けを防止することが考えられる。
しかしながら、これではポンプケース、ひいては圧縮機の全体形状が制約を受け、そのデザインやレイアウトの自由度が低下してポンプケース、ひいては圧縮機の形状が特殊になり、これらの生産性が低下するとの問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、簡易にしてオイルポンプの組み付け性を向上することができる流体機械を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の流体機械は、ハウジング内の底部に形成され、オイルが貯留されるオイル室と、ハウジング内を延び、内部にオイルのオイル通路が形成される回転軸と、オイル室と回転軸との間に位置づけられ、回転軸の駆動によって、オイル室のオイルを吸入し、吸入されたオイルをオイル通路に吐出するオイルポンプとを備え、オイルポンプは、オイル室のオイルを吸入する吸入領域を所定の位置近傍に形成し、吸入領域に吸入されたオイルをオイル通路に吐出する吐出領域を第2の所定の位置近傍に形成するロータユニットと、ロータユニットを上部ケース及び下部ケースで挟持するポンプケースとからなり、下部ケースは、ロータユニットが収容される収容部、オイル室と吸入領域とを連通する吸入部、吐出領域とオイル通路とを連通する吐出部を有することを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、請求項1において、ポンプケースが平面視で少なくとも2つの中心線を境界に略対称形状に形成されることを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、請求項1又は2において、上部ケースが回転軸を回転自在に支持する軸受部を有することを特徴としている。
更にまた、請求項4記載の発明では、請求項3において、上部ケースが下部ケースとインロー構造によって当接することを特徴としている。
また、請求項5記載の発明では、請求項1から4のいずれかにおいて、下部ケースがオイル室と吸入部とを連通するオイル吸入管を有することを特徴としている。
更に、請求項6記載の発明では、請求項5において、オイル吸入管がオイルフィルタのフィルタ固定部を有することを特徴としている。
従って、請求項1記載の本発明の流体機械によれば、ロータユニットの収容部、オイルの吸入部及び吐出部が総てオイルポンプの下部ケースに一括して形成される。これにより、ポンプケースの組み付け時に上部ケースに対して下部ケースがずれて組み付けられたとしても、ロータユニットの吸入領域及び吐出領域がそれぞれ吸入部及び吐出部とずれて位置づけられることを根本から防止でき、オイルポンプの誤組み付けを気にすることなく簡易にしてオイルポンプの組み付け性を向上できる。
また、請求項2記載の発明によれば、ポンプケースが平面視で少なくとも2つの中心線を境界に略対称形状に形成される。これにより、オイルポンプの誤組み付けを防止するためにポンプケースを平面視左右対称に形成する必要はなく、オイルポンプ、ひいては流体機械の外観形状の制約が払拭され、そのデザインやレイアウトの自由度、及びその生産性を向上しつつ、簡易にしてオイルポンプの組み付け性を向上できる。
更に、請求項3記載の発明によれば、上部ケースが回転軸を回転自在に支持する軸受部有することにより、回転軸をオイルポンプのロータユニットに装着する際の芯出し作業が容易になり、オイルポンプの組み付け性を更に向上できる。
更にまた、請求項4記載の発明によれば、上部ケースが下部ケースとインロー構造で当接することにより、回転軸をオイルポンプのロータユニットに装着する際の芯出し作業がより一層容易になり、オイルポンプの組み付け性を更に向上できる。
また、請求項5記載の発明によれば、下部ケースがオイル室と吸入部とを連通するオイル吸入管を有することにより、オイル室からオイルポンプを経てオイル通路にかけてのオイル供給構造がより一層簡素化され、オイルポンプの組み付け性を更に向上できる。
更に、請求項6記載の発明によれば、オイル吸入管がオイルフィルタのフィルタ固定部を有することにより、オイル室からオイルポンプを経てオイル通路にかけてのオイル供給構造が更に簡素化され、オイルポンプの組み付け性を更に向上できる。
以下、図面により本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る流体機械の一例としての密閉型のスクロール圧縮機を示す。この圧縮機1は冷凍空調装置やヒートポンプ式給湯機などの冷凍回路に組み込まれている。当該回路は、作動流体の一例である二酸化炭素冷媒(以下、冷媒という)が循環する経路を備え、圧縮機1は経路から冷媒を吸入し、圧縮して経路に向けて吐出する。
この圧縮機1はハウジング2を備え、ハウジング2の胴部4の上側、下側にはそれぞれ上蓋6、下蓋8が気密に嵌合し、これより胴部4の内部は密閉されて冷媒の吐出圧が作用している。胴部4の適宜位置には、上記回路から取り込んだ冷媒を吸入する吸入管10が接続され、上蓋6の適宜位置には、ハウジング2内の圧縮冷媒を上記回路へ送出する吐出管12が接続されている。
胴部4内には電動モータ14が収容され、このモータ14内には回転軸16が配置されており、回転軸16はモータ14への通電によって駆動される。
回転軸16はハウジング2内の長手方向に延設され、その上端側は軸受を介して主軸フレーム18に回転自在に支持され、スクロールユニット20に結合されている。一方、回転軸16の下端側は後述する軸受ケース(上部ケース)58を介して副軸フレーム22に回転自在に支持されている。
上記ユニット20は胴部4内においてモータ14の上方に配置され、冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施する。
詳しくは、当該ユニット20は、可動スクロール24及び固定スクロール26から構成され、各スクロール24,26の互いに対向する面にはそれぞれ渦巻きラップが一体に形成されている。そして、これら渦巻きラップが協働し、吸入管10から冷媒を吸入して圧縮室を形成し、固定スクロール26に対する可動スクロール24の旋回運動により、圧縮室は渦巻きラップ中心に向けて移動しながら、その容積が減少される。
上述した可動スクロール24に旋回運動を付与するため、可動スクロール24の下部にはボス28が形成され、このボス28は軸受を介して偏心軸30に連結されている。この偏心軸30は回転軸16の上端側に一体形成され、回転軸16の回転により可動スクロール24は主軸フレーム18上で旋回運動する。
一方、固定スクロール26は主軸フレーム18に固定され、上蓋6に形成される吐出室32側と圧縮室側とを仕切っている。固定スクロール26の中央部分の適宜位置には、圧縮室側に連通する図示しない吐出孔が貫通して穿設されており、この吐出孔は固定スクロール26の背面側に配置された吐出弁34により開閉される。また、吐出弁34は吐出ヘッド36で覆われており、この吐出ヘッド36により、吐出弁34の開弁時における音が抑制される。
上述した圧縮機1によれば、回転軸16の回転に伴い、可動スクロール24が旋回運動する。この可動スクロール24の旋回運動は、吸入管10からの冷媒をユニット20の内部に向けて吸入させ、圧縮室の容積が縮小することにより冷媒を圧縮し、当該圧縮した高圧の冷媒がハウジング2内を循環した後、吐出室32から吐出管12を通じて圧縮機1外へ送出される。
ところで、ハウジング2内では冷媒の他、ユニット20や軸受等の摺動部分の潤滑、並びに当該摺動部分の摺動面をシールすべくオイルが循環している。
詳しくは、下蓋8内、すなわちハウジング2の底部にはオイルが貯留されるオイル室38が形成され、また、回転軸16内には、その軸線方向に沿ってオイル通路40が穿設され、オイル室38とオイル通路40との間にオイルポンプ42が配置されている。
オイルポンプ42は、トロコイド式のポンプであって、ロータユニット44とロータユニット44を収容するポンプケース46とから構成されている。
ロータユニット44は、インナロータ48とアウタロータ50とから構成され、インナロータ48には回転軸16の下端側において縮径されて一部が軸線方向に向けて切り欠かれた端部16aが連結されている。
ポンプケース46は、その下側開口端にオイルフィルタ52が装着されるとともに、副軸フレーム22にボルト54で締結支持されている。
また、副軸フレーム22の適宜位置にはオイルの導入口56が複数形成されており、オイルポンプ42によって圧縮機1内の摺動部分に供給され潤滑やシールに供したオイルは導入口56を介してオイル室38に貯留される。
より詳しくは、図2,3のオイルポンプ42の分解斜視図に示されるように、インナロータ48はその外周に所定数(例えば8個)のトロコイド歯48aを有し、インナロータ48の略中央に嵌合孔48bが穿設され、この嵌合孔48bは端部16aが嵌合可能に形成されている。
一方、アウタロータ50はその内側にインナロータ48のトロコイド歯48aの歯数より多い所定数(例えば9個)のトロコイド歯50aを有しており、アウタロータ50の内側にはインナロータ48が偏心した状態で組み付けられる。
これに対し、ポンプケース46は、上側の軸受ケース58と下側のフィルタケース(下部ケース)60とから構成され、これらケース58,60はともに平面視略正方形をなしており、その四隅にはボルト孔62が設けられている。そして、各ボルト孔62にボルト54を挿入し、副軸フレーム22に締結することによりオイルポンプ42が固定される。
軸受ケース58には、その略中央に回転軸16の端部16aが挿入可能な貫通孔64が穿設されている。また、軸受ケース58の上面58aには貫通孔64を囲繞するように筒状の軸受部66が一体に突設され、軸受部66は回転軸16を回転自在に支持する。
また、軸受ケース58の下面58bには所定深さを有する環状凹部68が貫通孔64と同心位置に形成されている。
一方、フィルタケース60には、その上面60aに環状凹部68に嵌合可能な環状凸部70が形成され、この環状凸部70の偏心位置にはロータユニット44を収容すべく所定深さのロータ収容部(収容部)72が凹設されている。
また、フィルタケース60には、その下面60bに筒状のオイル吸入管74が一体に突設され、このオイル吸入管74には、その下側開口端にオイルフィルタ52のフィルタ固定部76が形成されている。
ここで、ロータ収容部72には、その底部の所定の位置にオイルの吸入溝(吸入部)78及び吐出溝(吐出部)80が凹設されている。
吸入溝78は、ロータ収容部72の外周壁に沿って円弧状に形成され、吸入溝78の所定位置にはオイル吸入管74と連通する吸入孔(吸入部)82が穿設されている。
吐出溝80は、吸入溝78と略対向して位置づけられ、ロータ収容部72の外周壁に沿った円弧状からロータ収容部72の内方に向けて拡張されたT字状に形成され、その拡張された部位はオイルポンプ42の組み付け状態においてオイル通路40と連通する位置まで延設されている。
以下、図4を参照して、オイルポンプ42の組み付け状態におけるロータユニット44と吸入溝78及び吐出溝80との位置関係について詳しく説明する。
端部16aが嵌合孔48bに嵌合され、オイルポンプ42を組み付けた状態において、端部16a、すなわち回転軸16が矢印の方向に回転している。
ここで、上述したように、ロータ収容部72は環状凸部70の偏心位置に位置づけられており、換言すると、端部16aに対してロータ収容部72、ひいてはアウタロータ50が図中の点線矢印で示す偏心方向Eに偏心して位置づけられている。なお、当然ながら、偏心方向Eはフィルタケース60、ひいてはポンプケース46の形状により一義に決定される固有要素である。
この状態において、ロータユニット44は、歯48a,50aが互いに略完全に噛合する噛合位置Aと、歯48a,50aの谷部の離間距離が略最大となる噛合位置Cとを形成し、これら位置A,Cは偏心方向Eの延長線上において互いに対向して位置づけられる。
一方、吸入溝78は回転軸16の回転方向でみて、歯48a,50aが位置Aから位置Cにかけて移動する過程の噛合位置(所定の位置)B近傍に位置づけられている。また、吐出溝80は回転軸16の回転方向でみて、歯48a,50aが位置Cから位置Aにかけて移動する過程の噛合位置(第2の所定の位置)D近傍に位置づけられている。換言すると、これら位置B,Dは、偏心方向Eの延長線と略直行する線上において互いに対向して位置づけられる。
すなわち、偏心方向Eによって位置A,Cが一義に決定され、位置A,C及び回転軸16の回転方向によって位置B,Dが一義に決定され、オイルポンプ42の作動中においてもこれら位置A〜Dの位置関係は変わらない。
以下、図4,5を参照してオイルポンプ42の作動について説明する。
回転軸16の回転に伴いインナロータ48が回転すると、アウタロータ50も同方向に回転する。ここで、インナロータ48とアウタロータ50とは歯数及び回転中心が異なるため、歯48aと歯50aとの隙間容積は位置A〜Dにおいて異なる。
詳しくは、位置Bは歯48aと歯50aとの隙間容積が位置Aから徐々に大きくなる位置であり、これより位置B近傍の隙間容積の内圧が低下する。ここで、位置B近傍に吸入孔82を有する吸入溝78が位置づけられることから、この減圧作用により、オイル室38のオイルがオイル吸入管74、吸入孔82、吸入溝78を順次経てロータユニット44に吸入される。
次に、各ロータ48,50が回転して、歯48a,50aが位置Cを経て位置Dに移動する。位置Dは歯48aと歯50aとの隙間容積が位置Cから徐々に小さくなる位置であり、これより位置D近傍の隙間容積の内圧が上昇する。ここで、位置D近傍に吐出溝80が位置づけられることから、この増圧作用により、ロータユニット44に吸入されたオイルが吐出溝80を経てオイル通路40に吐出される。
このように、オイルポンプ42が適切に作動することにより、オイルがハウジング2内を好適に循環し、ユニット20や軸受等の摺動部分の潤滑、並びに当該摺動部分の摺動面をシールする。
以上のように本実施形態に係る圧縮機1によれば、ロータユニット44のロータ収容部72、吸入溝78、吐出溝80が総てオイルポンプ42のフィルタケース60に一括して形成されている。
すなわち、本願発明では、フィルタケース60、ひいてはポンプケース46の固有要素である偏心方向Eによって位置A,Cが一義に決定され、位置A,C及びオイルポンプ42の固有要素である回転軸16の回転方向によって位置B,Dが一義に決定される点に着目し、オイルポンプ42の組み付け時点においては変動のない位置A〜Dに基づいて吸入溝78及び吐出溝80をフィルタケース60に一体に形成している。これにより、ポンプケース46の組み付け時に、フィルタケース60を軸受ケース58に対して例えば90°又は180°又は270°の角度でずらした状態でボルト孔62にボルト54を挿入し、副軸フレーム22に締結したとしても、ロータユニット44において位置B,Dがそれぞれ吸入溝78及び吐出溝80とずれて位置づけられることを根本から防止できる。従って、オイルポンプ42の誤組み付けを気にすることなく簡易にしてオイルポンプ42の組み付け性を向上できる。
また、軸受ケース58は、回転軸16を回転自在に支持する軸受部66を一体に有することから、回転軸16をオイルポンプ42のロータユニット44に装着する際の芯出し作業が容易になり、オイルポンプ42の組み付け性を更に向上できる。
更に、軸受ケース58とフィルタケース60とがそれぞれ環状凹部68、環状凸部70を有し、これら環状凹部68及び環状凸部70が嵌合して、いわゆるインロー構造で当接する。これにより、回転軸16をオイルポンプ42のロータユニット44に装着する際の芯出し作業がより一層容易になり、オイルポンプ42の組み付け性を更に向上できる。
更にまた、フィルタケース60がオイル室38と吸入孔82とを連通するオイル吸入管74を一体に有していることから、オイル室38からオイルポンプ42を経てオイル通路40にかけてのオイル供給構造がより一層簡素化され、オイルポンプ42の組み付け性を更に向上できる。
また、オイル吸入管74には、その開口端にオイルフィルタ52のフィルタ固定部76が形成されることから、オイル室38からオイルポンプ42を経てオイル通路40にかけてのオイル供給構造が更に簡素化され、オイルポンプ42の組み付け性を更に向上できる。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では環状凹部68及び環状凸部70によりポンプケース46のインロー構造を構成しているが、図6,7に示す如く軸受ケース58の下面58bの四隅のうちの3箇所に凸部84を形成し、フィルタケース60の上面60aの四隅のうちの各凸部84に対応する3箇所に凸部84と嵌め合い可能に凹部86を切り欠いて形成しても良い。
また、これら凸部84及び凹部86を環状凹部68及び環状凸部70とともに形成しても良く、これらの場合にも回転軸16をオイルポンプ42のロータユニット44に装着する際の芯出し作業が容易になり、オイルポンプ42の組み付け性を向上できる。
更に、オイル吸入管74と吸入孔82とが連通するのであれば、図6,7に示す如くオイル吸入管74を下面60aにおいて偏心して形成しても良く、この場合にはオイル吸入管74をコンパクト化でき、オイルポンプ42の組み付け性のみならずその生産性をも向上すうることができる。
更にまた、上記実施形態ではポンプケース46を平面視略正方形に形成しているが、ポンプケース46が平面視で少なくとも2つの中心線を境界に略対称形状に形成されればよく、平面視略円形等に形成しても良い。これにより、オイルポンプ42の誤組み付けを防止するためにポンプケース46を平面視で左右対称に形成する必要はなく、オイルポンプ42、ひいては圧縮機1の外観形状の制約が払拭され、そのデザインやレイアウトの自由度、及びその生産性を向上しつつ、簡易にしてオイルポンプ42の組み付け性を向上できる。
最後に、上記実施形態では冷凍空調機やヒートポンプ給湯機に好適な密閉型のスクロール圧縮機に二酸化炭素冷媒を使用しているが、冷媒の種類や圧縮機の用途、種類についてはこれに限定されるものではなく、膨張機等の流体機械に用いても良い。
本発明の一実施形態に係る密閉型スクロール圧縮機を示した縦断面図である。 図1のオイルポンプを分解して上側からみた斜視図である。 図1のオイルポンプを分解して下側からみた斜視図である。 図1のA−A方向からみたオイルポンプの組み付け状態を示す拡大図である。 図4のB−B方向からみた密閉型圧縮機の要部拡大図である。 変形例となるオイルポンプを分解して上側からみた斜視図である。 変形例となるオイルポンプを分解して下側からみた斜視図である。
符号の説明
1 密閉型圧縮機(流体機械)
2 ハウジング
16 回転軸
38 オイル室
40 オイル通路
42 オイルポンプ
44 ロータユニット
46 ポンプケース
52 オイルフィルタ
58 軸受ケース(上部ケース)
60 フィルタケース(下部ケース)
66 軸受部
72 ロータ収容部(収容部)
74 オイル吸入管
76 フィルタ固定部
78 吸入溝(吸入部)
80 吐出溝(吐出部)
82 吸入孔(吸入部)
B 噛合位置(所定の位置)
D 噛合位置(第2の所定の位置)

Claims (6)

  1. ハウジング内の底部に形成され、オイルが貯留されるオイル室と、
    前記ハウジング内を延び、内部にオイルのオイル通路が形成される回転軸と、
    前記オイル室と前記回転軸との間に位置づけられ、前記回転軸の駆動によって、前記オイル室のオイルを吸入し、該吸入されたオイルを前記オイル通路に吐出するオイルポンプとを備え、
    前記オイルポンプは、前記オイル室のオイルを吸入する吸入領域を所定の位置近傍に形成し、該吸入領域に吸入されたオイルを前記オイル通路に吐出する吐出領域を第2の所定の位置近傍に形成するロータユニットと、該ロータユニットを上部ケース及び下部ケースで挟持するポンプケースとからなり、
    前記下部ケースは、前記ロータユニットが収容される収容部、前記オイル室と前記吸入領域とを連通する吸入部、前記吐出領域と前記オイル通路とを連通する吐出部を有することを特徴とする流体機械。
  2. 前記ポンプケースは、平面視で少なくとも2つの中心線を境界に略対称形状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  3. 前記上部ケースは、前記回転軸を回転自在に支持する軸受部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の流体機械。
  4. 前記上部ケースは、前記下部ケースとインロー構造によって当接することを特徴とする請求項3に記載の流体機械。
  5. 前記下部ケースは、前記オイル室と前記吸入部とを連通するオイル吸入管を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の流体機械。
  6. 前記オイル吸入管は、オイルフィルタのフィルタ固定部を有することを特徴とする請求項5に記載の流体機械。
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