JP2006104947A - 圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮機における圧縮要素の支持部材に、ベーンスロットとバネ装着孔とを容易に加工することができ、且つ簡単に精密仕上げ加工できるようにした圧縮機を提供する。
【解決手段】支持部材7は主軸受け部13を含む上半部Aと、突出部14となる下半部Bとを分割し、更に下半部Bは左半部Cと右半部Dとに二分割する。下半部Bに形成するベーンスロット16及びバネ装着孔17は、左半部Cと右半部Dに左右対称となるように振り分けてそれぞれ加工するため、それらの加工が容易であると共に簡単に精密仕上げ加工をすることができる。この下半部Bのベーンスロット16及びバネ装着孔17に対応させて、上半部Aにもベーンスロット16及びバネ装着孔17(図示されず)を加工する。上半部Aの主軸受け部13の上面から複数のボルト24を差し込み、これらのボルト24の先端部を下半部Bに設けたネジ孔7gに螺合締着することで、上半部Aと下半部Bとを一体化して支持部材7を構成する。尚、下半部Bを二分割しない場合もある。
【選択図】 図4
【解決手段】支持部材7は主軸受け部13を含む上半部Aと、突出部14となる下半部Bとを分割し、更に下半部Bは左半部Cと右半部Dとに二分割する。下半部Bに形成するベーンスロット16及びバネ装着孔17は、左半部Cと右半部Dに左右対称となるように振り分けてそれぞれ加工するため、それらの加工が容易であると共に簡単に精密仕上げ加工をすることができる。この下半部Bのベーンスロット16及びバネ装着孔17に対応させて、上半部Aにもベーンスロット16及びバネ装着孔17(図示されず)を加工する。上半部Aの主軸受け部13の上面から複数のボルト24を差し込み、これらのボルト24の先端部を下半部Bに設けたネジ孔7gに螺合締着することで、上半部Aと下半部Bとを一体化して支持部材7を構成する。尚、下半部Bを二分割しない場合もある。
【選択図】 図4
Description
本発明は、冷媒ガス等の流体を圧縮して吐出する密閉型の圧縮機であって、特に回転軸と共に同心軸回転してシリンダ内の冷媒ガス等を圧縮する圧縮部材に特徴を有する圧縮機に関するものである。
圧縮機としては、従来種々の方式・形態のものが知られており、そのうち回転式圧縮機(ロータリ圧縮機)は密閉容器内に駆動要素と圧縮要素とが配置され、駆動要素のステータに通電してロータを軸回転させ、このロータに軸着されている回転軸によって圧縮要素のシリンダ内でローラを偏心回転させ、このローラの外周面に常時当接しているベーンによりシリンダ内が低圧室と高圧室とに区分されており、低圧室に吸入した冷媒ガスを圧縮して密閉容器内に吐出すると共に、この密閉容器から高圧冷媒ガスを吐出させて冷媒回路に供給するように構成したものである(例えば、特許文献1)。
上記従来の回転式圧縮機は、前記駆動要素のロータに軸着された回転軸の端部近傍に偏心円盤部を設け、この偏心円盤部の外周にローラを回転自在に配設している。そして、前記のように回転軸が軸回転すると、偏心円盤部の偏心回転に伴ってローラがシリンダの圧縮空間内を偏心回転し、シリンダ内の冷媒ガスを低圧室から高圧室に移動させながら圧縮するのである。
このような構造の回転式圧縮機では、回転軸に偏心円盤部を形成しなければならず、且つこの偏心円盤部の外周にローラを回転自在に設ける必要があることから、加工性が低下し且つ部品が増えてコストアップの原因の一つになっている。又、偏心円盤部を介してローラが偏心回転するため、振動とトルク変動が大きくなる傾向がある。
上記従来構造の回転圧縮機における加工性の低下、部品の増大及び振動とトルク変動の増大を防止するために、回転軸の偏心円盤部とローラとの組み合わせを用いず、回転軸に
対して同心軸に圧縮部材を取り付け、この圧縮部材をシリンダの圧縮空間内を回転させることで吸入した冷媒ガスを圧縮できるようにした圧縮機が知られている(例えば、特許文献2)。
対して同心軸に圧縮部材を取り付け、この圧縮部材をシリンダの圧縮空間内を回転させることで吸入した冷媒ガスを圧縮できるようにした圧縮機が知られている(例えば、特許文献2)。
回転軸と同心軸回転する圧縮部材を備えた上記圧縮機は、圧縮部材として傾斜板が用いられており、この傾斜板の両面側で冷媒ガスを圧縮するためシリンダの圧縮空間に冷媒ガスを導く吸入路及び圧縮後の冷媒ガスを吐出するための吐出路を2つずつ設けなければならない。このような構造であると、シリンダ内全域において傾斜板の上下で高圧室と低圧室とが隣接する形となるため、高低圧差が大きくなり、冷媒ガスリークによる効率悪化が問題となる。これを防止するために、本出願人は圧縮部材を比較的肉厚な部材で形成し、片面側で冷媒ガスを圧縮するようにした圧縮機を開発して先に特許出願した(特願2004−003142号)。
特開平6−307363号公報
特願2004−003142号
上記先行出願に係る圧縮機は、回転軸に対してほぼ円柱状の圧縮部材を同心軸に設け、この圧縮部材の上面に特殊形状の傾斜面を形成することにより冷媒ガスを圧縮できるようにしたもので、駆動要素のステータに通電してロータを回転させ、このロータに軸着されている回転軸によって圧縮要素におけるシリンダ内で圧縮部材を同心軸回転させ、この圧縮部材の傾斜面に常時当接しているベーンを介してシリンダ内が低圧室と高圧室とに区分されており、低圧室に吸入した冷媒ガスを圧縮して密閉容器内に吐出すると共に、この密閉容器から高圧冷媒ガスを吐出させて冷媒回路に供給するものである。
この先行出願に係る圧縮機の構成を概略説明すると、前記圧縮要素は密閉容器に固定されて駆動要素のロータに固定した回転軸を貫通させて軸支する支持部材と、この支持部材に固定されて圧縮空間を形成するシリンダと、回転軸に同心軸固定されてシリンダの圧縮空間内を回転し一面が回転軸を中心として一周すると最も高くなる上死点から最も低くなる下死点を経て上死点に戻る略正弦波形状の傾斜面に形成された圧縮部材と、前記支持部材に設けられたベーンスロットにコイルバネを介して装着され先端が圧縮部材の傾斜面に常時当接して圧縮空間内を低圧室と高圧室とに区分するベーンとを備えている。
しかしながら、上記支持部材はベーンを装着するためのベーンスロットとコイルバネを装着するためのバネ装着孔を設けなければならず、これらの加工が厄介であり且つ精密に仕上げ加工するのが困難であるという問題があった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、支持部材にベーンスロットとバネ装着孔とを容易に加工することができ、且つ簡単に精密仕上げ加工できるようにした圧縮機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1の圧縮機は、密閉容器内に駆動要素と、この駆動要素により駆動される圧縮要素とが配置され、前記圧縮要素は前記密閉容器に固定され前記駆動要素のロータに固定した回転軸を貫通させて軸支する支持部材と、この支持部材に固定されて圧縮空間を形成するシリンダと、前記回転軸に同心軸固定されて前記シリンダの圧縮空間内を回転し一面が前記回転軸を中心として一周すると最も高くなる上死点から最も低くなる下死点を経て上死点に戻る略正弦波形状の傾斜面に形成された圧縮部材と、前記支持部材に設けられたベーンスロットにバネを介して装着され先端が前記圧縮部材の傾斜面に常時接触して前記圧縮空間内を低圧室と高圧室とに区分するベーンとを備え、前記低圧室に吸入した流体を前記圧縮部材により圧縮して前記高圧室から吐出する圧縮機であって、前記支持部材は上部と下部とに分割し、前記ベーンスロット及びバネ装着孔をそれぞれ別個に形成した後に止め具を介して上部と下部とを一体化する構成にしたことを特徴とする。
請求項2の圧縮機は、請求項1において、前記支持部材の下部は更に二分割し、ベーンスロット及びバネ装着孔の片側をそれぞれ別個に形成した後に組合せることを特徴とする。
上記請求項1の発明によれば、支持部材を上部と下部とに分割したので、ベーンスロット及びバネ装着孔の加工を上部と下部とでそれぞれ別個に加工することができる。これにより、ベーンスロット及びバネ装着孔の加工が容易となり、且つ精密に仕上加工をするのが簡単になる。
請求項2の発明によれば、支持部材の下部を更に二分割したので、下部に設けるべきベーンスロット及びバネ装着孔の片側をそれぞれ別個に加工することができる。これにより、ベーンスロット及びバネ装着孔の加工が一層容易となり、且つ精密に仕上加工をするのも更に簡単に行うことができる。
次に、本発明に係る圧縮機の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る圧縮機の実施形態を示す概略縦断面図である。図2は本発明に係る圧縮機の実施形態におけるベーンの箇所を通る概略縦断面図である。図3は本発明に係る圧縮機の実施形態における概略横断面図である。各図において、1は密閉容器であり、有底円筒状の鉄製容器の上端部に、キャップ状の鉄製被覆部材を溶接することで構成され、この密閉容器1内の上方部には駆動要素2が、下方部には駆動要素2により駆動される圧縮要素3がそれぞれ配置されている。
上記駆動要素2は、密閉容器1の内壁に固定されたステータ4と、このステータ4の内側に配設されたロータ6とから電動モータが構成されており、ロータ6の中心軸部には回転軸5の上端部が軸着されている。この駆動要素2のステータ4の外周部と密閉容器1との間には上下の空間部を連通する隙間10が複数箇所に形成されている。尚、図示は省略したが、前記密閉容器1における鉄製被覆部材には取付部材を介して端子が装着され、この端子とステータ4とが内部リード線で接続される。そして、端子には外部電源からの外部リード線が接続されて、ステータ4に通電するように構成される。
上記圧縮要素3は、密閉容器1の内壁に固定された支持部材7と、この支持部材7の下にボルト(図略)により取り付けられたシリンダ8と、このシリンダ8内に配置された圧縮部材9(本実施形態では、スワッシュ部材と称する)と、支持部材7に対して上下動可能に装着されたベーン11と、シリンダ8の切欠部8bの側面に取り付けられた吐出バルブ12等から構成されている。又、支持部材7の上面中央部は同心円柱状に上方に突出して回転軸5の主軸受け部13が形成され、下面中央部は同心円柱状に下方へ突出して突出部14が形成されており、その下面14aは平滑面になっている。
上記支持部材7にはベーンスロット16が設けられ、このベーンスロット16内に前記ベーン11が上下動可能に装着されている。このベーンスロット16の上部にはベーン11に密閉容器1内の高圧を背圧として印加するための背圧孔15が形成されると共に、ベーンスロット16の中央部にはバネ装着孔17が設けられ、ベーン11を下方に付勢するためのコイルバネ18が装着されている。尚、背圧孔15を設けずに閉空間とし、中間圧力がベーン11に掛かるようにしたり、或は背圧孔15に替えてノズルを設けて減圧し、ベーン11に掛かる圧力を調整するようにすることも可能である。
又、支持部材7は図4乃至図6に示すように、主軸受け部13を含む上半部Aと前記突出部14に相当する下半部Bとに分割され、更に下半部Bはベーンスロット16が設けられる箇所の中央を境として左半部Cと右半部Dとに二分割されている。
上記支持部材7の上半部Aは外周面に管接続口7aが設けられ、この管接続口7aには図1に示すように密閉容器1に取り付けられた吸込配管22の端部が接続固定される。又、管接続口7aは上半部Aの内部に形成した通路7bに連通しており、この通路7bは上半部Aの下面に開口している。図6に示すように上半部Aの底面中央には円形の凹陥部7dが回転軸5を挿通する軸孔7cと同心軸で形成され、主軸受け部13の上面から凹陥部7dに抜けるボルト挿通孔7eが軸孔7cを中心として円周方向に複数個形成されている。尚、図4のように上半部Aにおける主軸受け部13に、軸孔7cと同心でその軸孔7cより大きい径の円形の凹陥部7fが設けられており、この凹陥部7fには図1に示すようにオイルシール部材23が嵌着される。
上記支持部材7の下半部Bは、左半部Cと右半部Dを切断面を当接させて突き合わせると、前記ベーンスロット16とバネ装着孔17とが構成されるようにしてある。前記のように下半部Bはベーンスロット16が設けられる箇所の中央を境として左半部Cと右半部Dとに二分割されているため、ベーンスロット16とバネ装着孔17とを形成するに際しては、図5に示すように左半部Cと右半部Dとに左右対称に振り分けて加工することにより容易に形成することができる。又、左半部Cと右半部に二分割されているため、ベーンスロット16とバネ装着孔17との精密仕上げ加工も簡単に行うことができる。
この下半部Bに形成されるベーンスロット16とバネ装着孔17に対応させて、図6のように上半部Aにもベーンスロット16とバネ装着孔17とが形成され、この上半部A側のベーンスロット16とバネ装着孔17の上端は、図2に示すように上半部Aの上面よりも少し下方の位置で止められており、バネ装着孔17の上端はそのバネ装着孔17より小径の孔によって構成されている前記背圧孔15に連通している。
又、下半部Bは前記上半部Aにおける軸孔7cに対応させて、図4のように中央部に軸孔7cが貫設されている。この軸孔7cは図5に示すように左半部Cと右半部Dとに左右対称に振り分けて研削加工することにより容易に形成することができる。
更に、下半部Bは前記上半部Aにおける複数(図例では4個)のボルト挿通孔7eに対応させて、図4のように複数のネジ孔7gが形成されている。この場合、図5のようにネジ孔7gは左半部Cと右半部Dに2個ずつ振り分けて形成される。
そして、右半部Dは前記上半部Aにおける通路7bの下面開口に対応させて、吸入口7hを上下方向に貫通させて形成してある。この吸入口7hの下面開口は、図6のように前記ベーンスロット16の近傍に位置している。又、左半部Cの下面外周縁部における前記ベーンスロット16の近傍位置に、図6に示すように左半部Cの下面と外周面とを連通する略断面半円形で傾斜した吐出口7iが形成されている。吸入口7hと吐出口7iは、ベーンスロット16を挟んで対向位置に近接して配設されている。
上半部Aと下半部Bとを一体化するには、下半部Bにおける左半部Cと右半部Dとを切断面を突き合わせることで突き合わせると共に、下半部Bと上半部Aのベーンスロット16同士を連通させるように位置決めして、下半部Bを上半部Aの下面の凹陥部7dに嵌め込む。この状態を保持して、上半部Aのボルト挿通孔7eからボルト24を挿入して下半部Bのネジ孔7gにそれぞれ螺着することにより容易に一体化して支持部材7を構成することができる。尚、上部材Aの下面側からバネ装着孔17にコイルバネ18を挿入し、このコイルバネ18の下端に固定された前記ベーン11をベーンスロット16に嵌入すれば、支持部材7にベーン11を装着することができるが、このベーン11の装着は前記圧縮要素3を組み立てる際に行うようにする。
このようにして、上半部Aと下半部Bとを一体化することにより支持部材7を構成すると、図1のように上半部Aと下半部Bの軸孔7c同士は連通し、上半部Aの通路7bと下半部Bの吸入口7hとが連通する。尚、図6に示すように、下半部Bにおいて左半部Cの
軸孔7c面に設けられる縦方向のオイル溝7mと、上半部Aの軸孔7c面に設けられる縦方向のオイル溝7nは、上半部Aと下半部Bを一体化した時に上下方向に連通しないように位置をずらしてある。このため、下半部B(左半部C)のオイル溝7mに冷媒ガスが漏れたとしても途中で遮断されることになり、結果として冷媒ガスリークを抑えることができる。
軸孔7c面に設けられる縦方向のオイル溝7mと、上半部Aの軸孔7c面に設けられる縦方向のオイル溝7nは、上半部Aと下半部Bを一体化した時に上下方向に連通しないように位置をずらしてある。このため、下半部B(左半部C)のオイル溝7mに冷媒ガスが漏れたとしても途中で遮断されることになり、結果として冷媒ガスリークを抑えることができる。
本実施形態では、支持部材7は上半部Aと下半部Bとに分割し、更に下半部Bを左半部Cと右半部Dとに二分割して構成した例を示したが、これとは別に上半部Aと下半部Bとに分割するだけで実施することも可能である。その場合には、下半部Bを左半部Cと右半部Dとに二分割する場合に比べると、下半部Bに形成するベーンスロット16とバネ装着孔17との仕上げ加工は多少やり難くなるが、上半部Aと下半部Bとに分割しない場合に比べると、ベーンスロット16とバネ装着孔17との切削加工や、材料費及び上半部A、下半部Bの組み立てが容易であるといえる。
前記圧縮要素3について更に詳しく説明すると、図1のように前記シリンダ8の中央部は下方に凹陥しており、この凹陥部19内に圧縮空間20が構成されている。又、シリンダ8の凹陥部19の下面中央部には副軸受け部21が開口状態にて形成されている。尚、図8に示すように、シリンダ8の中央部に上面から下面に貫通する空所を設け、シリンダ8の下面にカバー板部材27を取り付けて上記圧縮空間20を構成し、且つカバー板部材27の中央部に副軸受け部となる軸孔27aを設けて回転軸5の下端部を回転自在に軸支するように構成してもよい。
又、シリンダ8の圧縮空間20には前記支持部材7における吸入口7hが開口し、この吸入口7hは前記通路7bを介して吸込配管22に連通している。これにより、吸込配管22から供給される冷媒ガスは、通路7bを通って吸入口7hから圧縮空間20内に吸い込まれる。更に、シリンダ8は、図3に示すように前記支持部材7における吐出口7iの外周面側の開口に連通する通路8aが設けられており、この通路8aはシリンダ8における切欠部8bの側壁面に設けられている前記吐出バルブ12により開閉される。尚、支持部材7における吐出口7iの底面側の開口は圧縮空間20に連通している。これにより、圧縮空間20内で圧縮された高圧冷媒ガスは、吐出口7iから通路8aを通って吐出バルブ12を開け、シリンダ8の切欠部8b側に吐出される。
前記ベーン11は略矩形板状に形成されており、図3に示すように圧縮空間20に開口する吸入口7hと吐出口7iとの間に位置しており、このベーン11によって圧縮空間20内が低圧室と高圧室とに区分される。
前記回転軸5は、支持部材7の軸孔7c及びシリンダ8の中央に挿通され、中央部分を主軸受け部13により回転自在に軸支されると共に、下端部分は副軸受け部21にて回転自在に軸支されている。そして、回転軸5の下部には前記スワッシュ部材9が一体に設けられて、前記シリンダ8の圧縮空間20内に配置されている。
上記スワッシュ部材9は、全体形状としては回転軸5と同心軸の略円柱状を呈しており、図7(a)、(b)はそれぞれスワッシュ部材9を含む回転軸5の側面図を示している。スワッシュ部材9は、一側の肉厚部9aとこれに対向する他側の肉薄部9bとを有し、円周方向に沿う上面9cは肉厚部9aにて高く、肉薄部9bにて低い連続する傾斜面に形成されている。即ち、スワッシュ部材9の上面9cは、回転軸5を中心として円周方向に一周すると最も高くなる上死点Pから最も低くなる下死点Qを経て上死点Pに戻る略正弦波形状を呈している。又、回転軸5を通る上面9cの断面形状は、360度何れの角度の切断面においても前記支持部材7における突出部14の下面14aと平行であり、この上面9cと突出部14の下面14aとの間が前記圧縮空間20となる。
そして、このスワッシュ部材9の上死点Pが支持部材7の突出部14の下面14aに微少なクリアランスを介して移動自在に対向している。このクリアランスは密閉容器1内に封入されたオイルによってシールされる。又、前記ベーン11は下端が断面R形状に形成されてスワッシュ部材9の上面9cに常時当接している。前記コイルバネ18はベーン11を常時下向きに押圧することで、ベーン11の下端がスワッシュ部材9の上面9cから離れないように保持し、且つベーン11が支持部材7のベーンスロット16に沿って円滑に上下動するのを制御する作用をなす。
又、スワッシュ部材9の外周面はシリンダ8における凹陥部19の内壁面との間に微少なクリアランスを形成し、これによりスワッシュ部材9は回転自在とされている。そして、このスワッシュ部材9の外周面と凹陥部19の内壁面との間もクリアランスもオイルによってシールされる。これにより、冷媒ガスのリークを抑えることができる。
前記密閉容器1の上端には、図1及び図2に示すように吐出配管25が取り付けられている。前記のようにシリンダ8内の圧縮空間20で圧縮された高圧冷媒ガスは、吐出バルブ12を介してシリンダ8の切欠部8bと密閉容器1とで囲まれた空間R(図3)に吐出される。吐出された高圧冷媒ガスは、切欠部8bの上に位置する支持部材7の切欠部7j(図6)及びこの切欠部7jに連通する通孔7k(図6及び図4)を通って密閉容器1内に吐出される。密閉容器1内に吐出された高圧冷媒ガスは、前記駆動要素2のステータ4とロータ6との間の僅かな隙間を通って密閉容器1内の上部領域に流入し、吐出配管25から外部に吐出される。吐出配管25から吐出された高圧冷媒ガスは、図示を省略した冷媒回路に供給され、この冷媒回路を循環して低圧となった冷媒ガスは、前記吸込配管22から圧縮機に戻される。
尚、密閉容器1の内底部にはオイル溜め26が構成され、このオイル溜め26内のオイルが回転軸5を介して圧縮要素3等に供給される。更に、密閉容器1内には例えば二酸化炭素、R134a、或はHC系の冷媒ガスが所定量封入される。
以上のように構成された本発明に係る圧縮機の動作に付いて説明する。この圧縮機は、駆動要素2のステータ4のコイルに通電するとロータ6が回転する。このロータ6の回転は、回転軸5を介してスワッシュ部材9に伝達され、これによりスワッシュ部材9はシリンダ8内において回転する。今、スワッシュ部材9の上面9cの上死点Pがベーン11を境にして吐出側にあり、ベーン11を境にして吸入側でシリンダ8、支持部材7、スワッシュ部材9及びベーン11で囲まれた空間(低圧室)内に吸込配管22、支持部材7の通路7b及び吸入口7hを介して冷媒ガスが吸い込まれているものとする。
この状態からスワッシュ部材9が回転していくと、上死点Pがベーン11、吸入口7hを過ぎた段階からスワッシュ部材9の上面9cの傾斜により圧縮空間20の体積は狭められていき、高圧室内の冷媒ガスは圧縮されていく。そして、上死点Pが支持部材7の吐出口7iを通過するまで圧縮された高圧冷媒ガスは吐出口7iから吐出される。そして、上死点Pが支持部材7の吸入口7hを通過した後、ベーン11を境として吸入側でシリンダ8、支持部材7、スワッシュ部材9及びベーン11で囲まれた空間(低圧室)の体積は拡大していくので、吸込配管22、支持部材7の通路7b及び吸入口7hを介して冷媒ガスが低圧室内に吸い込まれていく。
高圧室から支持部材7の吐出口7iに流入した高圧冷媒ガスは、前記のようにシリンダ8の通路8aを通って吐出バルブ12を介してシリンダ8の切欠部8b内(空間R)に吐出され、次いで支持部材7の切欠部7j及び通孔7kを通って密閉容器1内に吐出される。そして、密閉容器1内に吐出された高圧冷媒ガスは、駆動要素2のステータ4とロータ6との僅かな隙間を通過して密閉容器1内の上部領域に移動し、高圧冷媒ガス中に含まれているオイルが分離され、吐出配管25より吐出して冷媒回路に供給される。一方、高圧冷媒ガスから分離されたオイルは、密閉容器1とステータ4との間に形成されている前記隙間10から流下し、密閉容器1における内底部のオイル溜め26に戻る。
本発明に係る圧縮機は、小型で構造が簡単でありながら十分な圧縮機能を発揮することが可能である。前記のようにスワッシュ部材9は連続する肉厚部9aと肉薄部9bを有して、その上面9cが略正弦波形状を呈して傾斜しているので、シリンダ8の高圧室に対応することになる肉厚部9aにおいてシリンダ8の内壁面との間のオイルシール寸法を十分に確保することができる。
これらにより、スワッシュ部材9とシリンダ8間における冷媒ガスリークの発生を効果的に防止できるようになり、圧縮効率の高い運転が可能となる。又、スワッシュ部材9はフライホイールの役割を果たすので、トルク変動も少なくなる。更に、本発明に係る圧縮機はいわゆる内部高圧型であるので、前記背圧孔15から高圧が掛かってベーン11に下向きの背圧が加わる。これにより、前記コイルバネ18による押圧力に、背圧孔15からの背圧がベーン11に付加されるため、ベーン11とスワッシュ部材9との接触が確実に保証され、圧縮空間20内での冷媒ガスの圧縮効率を高めることができる。
上記実施形態で、シリンダ8が回転軸5の副軸受け部21を有している場合には、カバー板部材27のような副軸受け用支持部材を別途設ける必要がなくなり、部品点数の削減と更なる小型化が可能となる。又、支持部材7にベーン11を装着するためのベーンスロット16を構成し、コイルバネ18を支持部材7内に設けているので、高い加工精度が必要となるシリンダ8にベーン取付機構を形成する必要がなくなり、加工性が改善される。更に、上記実施形態のごとくスワッシュ部材9を回転軸5に一体に形成すれば、スワッシュ部材9を回転軸5に取り付けるための部材が不要となり、更なる部品点数の削減が可能となる。
尚、上記実施形態では、冷凍機の冷媒回路に使用されて冷媒ガスを圧縮する圧縮機について説明したが、これに限定されずに例えば空気を吸い込んで圧縮するエアーコンプレッサ等にも本発明を有効に適用することができる。
本発明は、特に冷媒ガスを圧縮して冷凍機等の冷媒回路に供給するための圧縮機として最適に利用することができる。
1 密閉容器
2 駆動要素
3 圧縮要素
4 ステータ
5 回転軸
6 ロータ
7 支持部材
8 シリンダ
9 スワッシュ部材(圧縮部材)
11 ベーン
12 吐出バルブ
14 突出部
15 背圧孔
16 ベーンスロット
17 バネ装着孔
18 コイルバネ
20 圧縮空間
22 吸込配管
25 吐出配管
26 オイル溜め
27 カバー板部材
2 駆動要素
3 圧縮要素
4 ステータ
5 回転軸
6 ロータ
7 支持部材
8 シリンダ
9 スワッシュ部材(圧縮部材)
11 ベーン
12 吐出バルブ
14 突出部
15 背圧孔
16 ベーンスロット
17 バネ装着孔
18 コイルバネ
20 圧縮空間
22 吸込配管
25 吐出配管
26 オイル溜め
27 カバー板部材
Claims (2)
- 密閉容器内に駆動要素と、この駆動要素により駆動される圧縮要素とが配置され、前記圧縮要素は前記密閉容器に固定され前記駆動要素のロータに固定した回転軸を貫通させて軸支する支持部材と、この支持部材に固定されて圧縮空間を形成するシリンダと、前記回転軸に同心軸固定されて前記シリンダの圧縮空間内を回転し一面が前記回転軸を中心として一周すると最も高くなる上死点から最も低くなる下死点を経て上死点に戻る略正弦波形状の傾斜面に形成された圧縮部材と、前記支持部材に設けられたベーンスロットにバネを介して装着され先端が前記圧縮部材の傾斜面に常時接触して前記圧縮空間内を低圧室と高圧室とに区分するベーンとを備え、前記低圧室に吸入した流体を前記圧縮部材により圧縮して前記高圧室から吐出する圧縮機であって、前記支持部材は上部と下部とに分割し、前記ベーンスロット及びバネ装着孔をそれぞれ別個に形成した後に止め具を介して上部と下部とを一体化する構成にしたことを特徴とする圧縮機。
- 前記支持部材の下部は更に二分割し、ベーンスロット及びバネ装着孔の片側をそれぞれ別個に形成した後に組合せることを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004289179A JP2006104947A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004289179A JP2006104947A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006104947A true JP2006104947A (ja) | 2006-04-20 |
Family
ID=36374990
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004289179A Withdrawn JP2006104947A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006104947A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2261839A1 (en) | 2009-06-12 | 2010-12-15 | Glory Ltd. | Biometric matching system and biometric matching method |
CN102650291A (zh) * | 2011-02-28 | 2012-08-29 | 三洋电机株式会社 | 多级压缩式旋转压缩机及压缩式旋转压缩机 |
-
2004
- 2004-09-30 JP JP2004289179A patent/JP2006104947A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2261839A1 (en) | 2009-06-12 | 2010-12-15 | Glory Ltd. | Biometric matching system and biometric matching method |
CN102650291A (zh) * | 2011-02-28 | 2012-08-29 | 三洋电机株式会社 | 多级压缩式旋转压缩机及压缩式旋转压缩机 |
CN102650291B (zh) * | 2011-02-28 | 2016-03-30 | 松下知识产权经营株式会社 | 多级压缩式旋转压缩机及压缩式旋转压缩机 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070831 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20091209 |