JP4573614B2 - 圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、冷媒ガス等の流体を圧縮して吐出する密閉型の圧縮機であって、特に回転軸と共に同心軸回転してシリンダ内の冷媒ガス等を圧縮する圧縮部材に特徴を有する圧縮機に関するものである。
圧縮機としては、従来種々の方式・形態のものが知られており、そのうち回転式圧縮機(ロータリ圧縮機)は密閉容器内に駆動要素と圧縮要素とが配置され、駆動要素における電動モータのステータに通電してロータを軸回転させ、このロータに軸着されている回転軸によって圧縮要素におけるシリンダ内でローラを偏心回転させ、このローラの外周面に常時当接しているベーンによりシリンダ内が低圧室と高圧室とに区分されており、低圧室に吸入した冷媒ガスガスを圧縮して密閉容器内に吐出すると共に、この密閉容器から高圧冷媒ガスを吐出させて冷媒回路に供給するように構成したものである(例えば、特許文献1)。
上記従来の回転式圧縮機は、前記駆動要素のロータに軸着された回転軸の端部近傍に、当該回転軸に偏心する偏心円盤部を設け、この偏心円盤部の外周にローラを回転自在に配設している。そして、前記のように回転軸が軸回転すると、偏心円盤部の偏心回転に伴ってローラがシリンダの円形空間(圧縮空間)の内周面に沿って摺動回転し、シリンダ内の冷媒ガスを低圧室から高圧室に移動させながら圧縮するのである。
このような構造の回転式圧縮機では、回転軸に偏心円盤部を形成しなければならず、且つこの偏心円盤部の外周にローラを回転自在に設ける必要があることから、加工性が低下し且つ部品が増えてコストアップの原因の一つになっている。又、偏心円盤部を介してローラが偏心回転するため、振動とトルク変動が大きくなる傾向がある。
上記従来構造の回転圧縮機における加工性の低下、部品の増大及び振動とトルク変動の増大を防止するために、回転軸の偏心円盤部とローラとの組み合わせを用いず、回転軸に対して同心軸に圧縮部材を取り付け、この圧縮部材をシリンダの圧縮空間内を回転させることで吸入した冷媒ガスを圧縮できるようにした圧縮機が知られている(例えば、特許文献2)。
回転軸と同心軸回転する圧縮部材を備えた上記圧縮機は、圧縮部材として傾斜板が用いられており、この傾斜板の両面側で冷媒ガスを圧縮するためシリンダの圧縮空間に吸入冷媒ガスを導く吸入路及び圧縮後の冷媒ガスを吐出するための吐出路を2つずつ設けなければならない。このような構造であると、シリンダ内全域において傾斜板の上下で高圧室と低圧室とが隣接する形となるため、高低圧差が大きくなり、冷媒ガスリークによる効率悪化が問題となる。これを防止するために、本出願人は圧縮部材を比較的肉厚な部材で形成し、片面側で冷媒ガスを圧縮するようにした圧縮機を開発して先に特許出願した(特願2004−003142号)。
特開平6−307363号公報 特願2004−003142号
上記先願に係る圧縮機は、概略説明すると駆動機構の回転軸に対してほぼ円柱状の圧縮部材を同心軸に設け、この圧縮部材の上面に傾斜面を形成することにより冷媒ガスを圧縮できるようにしたもので、駆動要素のステータに通電してロータを回転させ、このロータに軸着されている回転軸によって圧縮要素におけるシリンダ内で圧縮部材を同心回転させ、この圧縮部材の傾斜面に常時当接しているベーンを介してシリンダ内が低圧室と高圧室とに区分されており、低圧室に吸入した冷媒ガスを圧縮して密閉容器内に吐出すると共に、この密閉容器から高圧冷媒ガスを吐出させて冷媒回路に供給するように構成したものである。
この先願に係る圧縮機において、圧縮要素は密閉容器に固定されて駆動要素のロータに固定された回転軸を貫通して軸支する支持部材と、この支持部材に固定されて圧縮空間を形成するシリンダと、回転軸に同心軸固定されてシリンダの圧縮空間内を回転し一面が回転軸を中心として一周すると最も高くなる上死点から最も低くなる下死点を経て上死点に戻る略正弦波形状の傾斜面に形成された圧縮部材と、前記支持部材に設けられたベーンスロットにバネを介して装着され先端が圧縮部材の傾斜面に常時接触して圧縮空間内を低圧室と高圧室とに区分するベーンとを備えている。
しかしながら、上記圧縮機はシリンダの圧縮空間内で圧縮される冷媒ガスが、支持部材と回転軸との僅かな隙間(クリアランス)からリークして圧縮効率を低下させる問題があった。この問題を解決するために、例えば図6に示すように圧縮要素における支持部材Bの主軸受け部Cの上端部に凹陥部Dを設け、この凹陥部Dにシール部材Eを嵌着して、支持部材Bと回転軸Fとの僅かな隙間(図略)から冷媒ガスがリークするのを抑えるようにしている。図6において、Gは支持部材Bの下に取り付けられたシリンダを示している。
本発明は、上記シール部材Eを用いることなく、支持部材Bと回転軸Fとの僅かな隙間から冷媒ガスがリークするのを抑えるようにした圧縮機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1の圧縮機は、密閉容器内に駆動要素と、この駆動要素により駆動される圧縮要素とが配置され、前記圧縮要素は前記密閉容器に固定され前記駆動要素のロータに固定した回転軸を貫通させて軸支する支持部材と、この支持部材に固定されて圧縮空間を形成するシリンダと、前記回転軸に同軸心に固定されて前記シリンダの圧縮空間内を回転し一面が前記回転軸を中心として一周すると最も高くなる上死点から最も低くなる下死点を経て上死点に戻る略正弦波形状の傾斜面に形成された圧縮部材と、前記支持部材に設けられたベーンスロットにバネを介して装着され先端が前記圧縮部材の傾斜面に常時接触して前記圧縮空間内を低圧室と高圧室とに区分するベーンとを備え、前記低圧室に吸入した流体を前記圧縮部材により圧縮して前記高圧室から吐出する圧縮機であって、
前記支持部材は、上部軸孔を有する上部材と、この上部材に取り付ける下部軸孔を有する下部材とから構成し、
前記下部材の下部軸孔は、前記上部材の上部軸孔と同軸心でこの上部軸孔の径より小径に設けることによって、前記上部材との接合面である下部材上面の、前記下部軸孔の周辺に段部を形成し、
前記回転軸にはスラスト面を有する段差を設け、
当該回転軸を支持部材に貫設し、
前記回転軸は下部材の上面に対面するスラスト面において、駆動要素のロータ及び回転軸からの自重によって下向きのスラスト力である押圧力を下部材の上面へ作用させるのと同時に、
前記シリンダに回転可能に下部を支持された圧縮部材には前記バネからの圧縮力の反作用が前記下部材へ伝達し、前記下部材の上面からこれに対面する前記スラスト面へ向けて、上向きのスラスト力である反力を作用させることによって、
前記段差のスラスト面を前記段部の段部面に密接させてガスシールするように構成したことを特徴とする。
上記請求項1の発明によれば、支持部材の軸孔内に段部を設けると共に、回転軸にはスラスト面を有する段差を設け、この段差のスラスト面を軸孔内の段部の段部面に密接させることによりガスシールする構成にしたので、前記シール部材Eを用いることなく、支持部材と回転軸との僅かな隙間から冷媒ガスがリークするのを抑えることができる。これにより、シリンダにおける圧縮空間での圧縮効率が向上し、圧縮機の性能を高めることができる。
また、上記請求項の発明によれば、支持部材は上部軸孔を有する上部材と、この上部材に取り付ける下部軸孔を有する下部材とから構成し、下部材の下部軸孔は上部材の上部軸孔と同軸心でこの上部軸孔の径より小径に形成することで、上部材と下部材との接合面に段部を容易に構成することができる。これにより、支持部材に形成する段部の加工が簡略化すると共に精密仕上げが可能となり、この段部の段部面と回転軸のスラスト面との密接が著しく向上してガスシール性能を高めることができる。
次に、本発明に係る圧縮機の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る圧縮機の実施形態を示す概略縦断面図である。図2は本発明に係る圧縮機の実施形態における圧縮要素の概略縦断面図である。図3は本発明に係る圧縮機の実施形態における概略横断面図である。図1において、1は鉄製の密閉容器であり、円筒状の胴部1aと、この胴部1aの上端に溶接されたキャップ部1bと、胴部1aの下端に溶接されたボトム部1cとから構成されている。この密閉容器1内の上方部には駆動要素2が、下方部には駆動要素2により駆動される圧縮要素3がそれぞれ配置されている。
上記駆動要素2は、密閉容器1の胴部1aの内壁に固定されたステータ4と、このステータ4の内側に配設されたロータ6とから電動モータが構成されており、ロータ6の中心軸部には回転軸5の上端部が軸着されている。密閉容器1のキャップ部1bには複数の端子2aが取付部材2bを介して装着され、これらの端子2aとステータ4とが内部リード線(図略)で接続されると共に、端子2aには外部電源からの外部リード線(図略)が接続されてステータ4に通電するように構成されている。尚、駆動要素2のステータ4の外周部と密閉容器1の胴部1aとの間には、上下の空間部を連通する隙間10が複数箇所に形成されている。
上記圧縮要素3は、密閉容器1の胴部1aの内壁に固定された支持部材7と、この支持部材7の下にボルト(図略)により取り付けられたシリンダ8と、このシリンダ8内に配置された圧縮部材9(本実施形態では、スワッシュ部材と称する)と、支持部材7に対して上下動可能に装着された略矩形板状のベーン11と、シリンダ8の切欠部8b(図3)の側面に取り付けられた吐出バルブ12等から構成されている。
図2に示すように、上記支持部材7はベーンスロット16と、このベーンスロット16の中央部に位置するバネ装着孔17が設けられ、前記ベーン11がコイルバネ18を介して上下動可能に装着されている。コイルバネ18はバネ装着孔17内に挿入されており、下端はベーン11の上端部に固定され、上端はバネ装着孔17の上方のバネ受け部14に固定されてベーン11を常時下方に付勢している。
又、支持部材7は上部材Rと下部材Sとから構成され、上部材Rの上面中央部には同心円柱状に上方に突出させて突出部13が形成され、下面中央部には同心円柱状に内方に窪ませて凹陥部15が形成されており、この凹陥部15に下部材Sの上端部が嵌着固定されている。
上記支持部材7の上部材Rには、突出部13の上面から凹陥部15の底面に貫通する上部軸孔7aが設けられ、下部材Sには上面から下面に貫通する下部軸孔7bが設けられ、この下部軸孔7bは上部軸孔7aと同軸心であって、上部軸孔7aの径よりも小径に形成されている。これにより、上部材Rと下部材Sとを一体化して支持部材7を形成すると接合面に段部Tが形成され、この段部Tを介して上部軸孔7aと下部軸孔7bとが連通して回転軸5の主軸受け部が構成される。又、上部材Rと下部材Sには、前記ベーンスロット16とバネ装着孔17とが上下方向に連通して設けられており、ベーンスロット16の内側端部は上部軸孔7a及び下部軸孔7bに開口している。
前記回転軸5は、下部の外径が上部の外径より小径に形成され、その境界部分にはスラスト面5aを有する段差Uが形成されている。この回転軸5は前記支持部材7の上部軸孔7a、下部軸孔7bに回転自在に挿通されており、回転軸5の段差Uが支持部材7の段部Tに係合してスラスト面5aと段部面とが密接している。これにより、上部材Rの上部軸孔7aと回転軸5との間の僅かな隙間と、下部材Sの下部軸孔7bと回転軸5との間の僅かな隙間とは、回転軸5のスラスト面5aによって連通が遮断される。又、回転軸5の外周面には、前記ベーン11の内側端面が接触している。このベーン11の内側端部は段部Vが形成され、この段部Vより下方の張出部分が回転軸5の段差Uより下方部の外周面に接触する。
前記支持部材7の上部材Rは、図1に示すように管接続口7cが設けられ、この管接続口7cに密閉容器1の胴部1aに取り付けられた吸込配管19の端部が接続固定される。又、管接続口7cは上部材Rの内部に形成した通路7dに連通しており、この通路7dは下部材Sに貫設した吸入口7eに連通している。
前記シリンダ8は、中央部に上下に貫通する空所が設けられ、この空所の上端部は前記支持部材7の下部材Sが嵌着して閉塞され、空所の下端部はシリンダ8の下面に固定したカバー板部材20により閉塞されることで圧縮空間21が構成されている。この圧縮空間21に前記下部材Sの吸入口7eが開口しており、前記吸込配管19から供給される冷媒ガスは、支持部材7の通路7dを通って吸入口7eから圧縮空間21内に吸い込まれる。
又、図3に示すように支持部材7の下部材Sの下端縁部には、下面側から外周面側に抜ける吐出口7fが設けられ、この吐出口7fの下面側は前記圧縮空間21に開口し、外周面側は上記シリンダ8の内部に設けられた通路8aに連通しており、この通路8aはシリンダ8の切欠部8bに開口している。そして、シリンダ8の切欠部8bの側面には前記吐出バルブ12が取り付けられ、この吐出バルブ12によって通路8aが開閉される。これにより、圧縮空間21内で圧縮された高圧冷媒ガスは、下部材Sの吐出口7fからシリンダ8の通路8aを通り、吐出バルブ12を開いて切欠部8b側に吐出される。
前記支持部材7の上部材Rには、図示は省略しだがシリンダ8の切欠部8bに対応させて切欠部が設けられ、更にこの切欠部から密閉容器1に通じる通孔が設けられている。これにより、上記シリンダ8の切欠部8bに吐出された高圧冷媒ガスは、上部材Rの切欠部及び通孔を介して密閉容器1内に吐出される。
前記スワッシュ部材9は、図4に示すように全体形状としては略円柱状を呈しており、一側の肉厚部9aとこれに対向する他側の肉薄部9bとを有し、円周方向に沿う上面9cは肉厚部9aにて高く、肉薄部9bにて低い連続傾斜面に形成されている。このスワッシュ部材9は、上面の中心に設けた取付孔9dに前記回転軸5の下端部を嵌着固定し、前記シリンダ8の圧縮空間21内に回転自在に配置される。又、図1及び図2に示すようにスワッシュ部材9は、下面の中心に設けた円筒状の突出部9eを前記カバー板部材20に設けた軸孔20aに回転自在に嵌装してあり、これにより回転軸5の副軸受け部が構成される。更に、スワッシュ部材9の突出部9eの下端部にはオイルポンプ22が取り付けられている。
図5(a)〜(c)はそれぞれスワッシュ部材9の回転角度を変えた側面図が示されている。スワッシュ部材9の上面9cは、回転軸5を中心として円周方向に一周すると最も高くなる上死点Pから最も低くなる下死点Qを経て上死点Pに戻る略正弦波形状を呈している。又、回転軸5を通る上面9cの縦断面は、360度何れの角度の切断面においても全て水平(図1及び図2参照)であり、この上面9cと前記支持部材7における下部材Sの下面との間が圧縮空間21となる。
そして、スワッシュ部材9の上死点Pが、前記支持部材7における下部材Sの下面に微少なクリアランスを介して移動自在に対向している。このクリアランスは密閉容器1内に封入されているオイルによってシールされる。又、前記ベーン11は、図5のように下端が断面R形状に形成されてスワッシュ部材9の上面9cに常時当接し、シリンダ8内の圧縮空間21を低圧室と高圧室とに区分している。前記コイルバネ18は、ベーン11を下向きに付勢することで、ベーン11の下端稜線部がスワッシュ部材9の上面9cから離れないように保持し、且つベーン11が支持部材7のベーンスロット16に沿って円滑に上下動するのを制御する作用をなす。
又、スワッシュ部材9の外周面は、密閉空間21を構成しているシリンダ8の内壁面との間に微少なクリアランスを形成し、これによりスワッシュ部材9は回転自在とされている。このスワッシュ部材9の外周面とシリンダ8の内壁面との間も前記オイルによってシールされる。冷媒ガスのリークを抑えるためである。尚、スワッシュ部材9の外周面には、シール部材を嵌着するための凹溝9fが円周方向に沿って設けられ、スワッシュ部材9の下面側には、図1及び図2のように前記肉厚部9bに対応させて適宜の大きさの凹陥部9gが設けられている。この凹陥部9gは肉厚部9bの重量を減少させることで、スワッシュ部材9の回転トルクの変動を抑えるようにしてある。
前記密閉容器1におけるキャップ部1bの上端には、図1に示すように吐出配管23が取り付けられている。前記のように支持部材7の通孔から密閉容器1内に吐出された高圧冷媒ガスは、前記駆動要素2におけるステータ4とロータ6との間の僅かな隙間を通って密閉容器1内の上部領域に流入し、吐出配管23から外部に吐出される。吐出配管23から吐出された高圧冷媒ガスは、図示を省略した冷媒回路に供給され、この冷媒回路を循環して低圧となった冷媒ガスは、前記吸込配管19から圧縮機に戻される。
又、密閉容器1の内底部はオイル溜め24とされ、このオイル溜め24内のオイルが前記オイルポンプ22により汲み上げられる。汲み上げられたオイルは、スワッシュ部材9及び回転軸5の同心軸回転による遠心力によって、回転軸5に形成されている軸線方向の通孔5bに沿って上昇し、回転軸5の要所に設けられているオイル孔(図略)から前記圧縮要素3のクリアランス等に供給される。尚、密閉容器1内には例えば二酸化炭素、R134a、或はHC系の冷媒ガスが所定量封入される。
以上のように構成された本発明に係る圧縮機の動作に付いて説明する。この圧縮機は、駆動要素2のステータ4のコイルに通電するとロータ6が回転する。このロータ6の回転は、回転軸5を介してスワッシュ部材9に伝達され、これによりスワッシュ部材9はシリンダ8の圧縮空間21内を回転する。ここで、スワッシュ部材9の上面9cの上死点Pがベーン11を境にして吐出側にあり、吸入側でシリンダ8、支持部材7、スワッシュ部材9及びベーン11で囲まれた空間(低圧室)内に吸込配管22、支持部材7の通路7d及び吸入口7eを介して冷媒ガスが吸い込まれているものとする。
この状態からスワッシュ部材9が回転していくと、上死点Pがベーン11、吸入口7eを過ぎた段階からスワッシュ部材9の上面9cの傾斜により低圧室の体積は狭められていき、高圧室内の冷媒ガスは圧縮されていく。そして、上死点Pが支持部材7の吐出口7fを通過するまでの間、圧縮された高圧冷媒ガスは吐出口7fから吐出される。そして、上死点Pが支持部材7の吸入口7eを通過した後、吸入側で低圧室の体積は拡大していくので冷媒ガスが低圧室内に吸い込まれることになる。このような動作が繰り返し行われて、冷媒ガスが圧縮される。
上記高圧室から支持部材7の吐出口7fに吐出された高圧冷媒ガスは、前記のようにシリンダ8の通路8aを通って吐出バルブ12を介してシリンダ8の切欠部8b側に吐出され、次いで支持部材7の切欠部及び通孔を通って密閉容器1内に吐出される。密閉容器1内に吐出された高圧冷媒ガスは、駆動要素2のステータ4とロータ6との僅かな隙間を通過し、密閉容器1内の上部領域に移動してオイルと分離され、吐出配管23から吐出して冷媒回路に供給される。一方、高圧冷媒ガスから分離されたオイルは、密閉容器1とステータ4との間に形成されている前記隙間10から流下し、密閉容器1における内底部のオイル溜め24に戻る。
オイル溜め24から汲み上げられたオイルは、回転軸5から前記支持部材7の上部軸孔7a及び下部軸孔7bにも供給される。しかしながら、上部軸孔7a及び下部軸孔7bに供給されたオイルは、回転軸5の回転に伴なう遠心力により上昇し、前記支持部材7の突出部13から流出することがある。このような事態が生じると、クリアランスにオイル不足が発生して、圧縮空間21にて圧縮中の冷媒ガスがクリアランスを通ってリークしてしまう。このため、図6に示すように支持部材Bの上端部に凹陥部Dを設け、この凹陥部Dにシール部材Eを嵌着することにより、オイルの流出に起因する冷媒ガスリークを抑えるようにしていた。
本発明では、前記のように回転軸5の段差Uは、支持部材7の段部Tに係合して回転軸5のスラスト面5aが支持部材7の段部面に密接しているため、この回転軸5のスラスト面5aにより上部軸孔7aと下部軸孔7bとの連通が遮断されている。これにより、下部軸孔7bのオイルは上部軸孔7a側に移動することはできず、結果として冷媒ガスのリークを抑えることができる。
上記実施形態では、支持部材7における下部材Sの下部軸孔7bを上部材Rの上部軸孔7aより小径に形成したものであるが、それとは逆に下部材Sの下部軸孔7bを上部材Rの上部軸孔7aより大径に形成して実施することが可能である。その場合には、回転軸5の段差は支持部材7の段部に対応させて、スラスト面5aが上面となるように形成する。又、上記実施形態では、支持部材7を上部材Rと下部材Sとから構成したが、上部材Rと下部材Sとに分割せずに一体の支持部材を使用し、この支持部材に段部を有する軸孔を形成して実施することも可能である。
本発明に係る圧縮機は、小型で構造が簡単でありながら十分な圧縮機能を発揮することが可能である。前記のようにスワッシュ部材9は外周面に凹溝9fを設けてあり、この凹溝9fにシール部材を嵌着することにより圧縮空間21の内壁面との間のシールを確保することができる。これにより、スワッシュ部材9とシリンダ8との間における冷媒ガスのリークも効果的に抑えることができ、圧縮効率の高い運転が可能となる。又、スワッシュ部材9はフライホイールの役割を果たすので、トルク変動も少なくなる。
上記実施形態では、カバー板部材20は回転軸5の副軸受け部となる軸孔20aを有しているので、回転軸5の副軸受け用の支持部材を別途設ける必要がなくなり、部品点数の削減と更なる小型化が可能となる。
尚、上記実施形態では、冷凍機の冷媒回路に使用されて冷媒ガスを圧縮する圧縮機について説明したが、これに限定されずに例えば空気を吸い込んで圧縮するエアーコンプレッサ等にも本発明を有効に適用することができる。
本発明は、特に冷媒ガスを圧縮して冷凍機等の冷媒回路に供給するための圧縮機として最適に利用することができる。
本発明に係る圧縮機の実施形態を示す概略縦断面図である。 本発明に係る圧縮機の実施形態における圧縮要素の概略縦断面図である。 本発明に係る圧縮機の実施形態における概略横断面図である。 本発明に係る圧縮機の実施形態におけるスワッシュ部材の斜視図である。 本発明に係る圧縮機の実施形態におけるスワッシュ部材の回転角度を変えた側面図であり、(a)は肉薄部側から見た側面図、(b)は肉薄部と肉厚部との中間位置から見た側面図、(c)は肉厚部側から見た側面図である。 先願に係る圧縮機における圧縮要素のシール手段を示す斜視図である。
1 密閉容器
2 駆動要素
3 圧縮要素
4 ステータ
5 回転軸
5a スラスト面
6 ロータ
7 支持部材
7a 上部軸孔
7b 下部軸孔
8 シリンダ
9 スワッシュ部材(圧縮部材)
10 隙間
11 ベーン
12 吐出バルブ
13 突出部
14 バネ受け部
15 凹陥部
16 ベーンスロット
17 バネ装着孔
18 コイルバネ
19 吸込配管
20 カバー板部材
21 圧縮空間
22 オイルポンプ
23 吐出配管
24 オイル溜め
R 上部材
S 下部材
T 段部
U 段差

Claims (1)

  1. 密閉容器(1)内に駆動要素(2)と、この駆動要素(2)により駆動される圧縮要素(3)とが配置され、前記圧縮要素(3)は前記密閉容器(1)に固定され前記駆動要素(2)のロータ(6)に固定した回転軸(5)を貫通させて軸支する支持部材(7)と、この支持部材(7)に固定されて圧縮空間(21)を形成するシリンダ(8)と、前記回転軸(5)に同軸心に固定されて前記シリンダ(8)の圧縮空間(21)内を回転し一面が前記回転軸(5)を中心として一周すると最も高くなる上死点から最も低くなる下死点を経て上死点に戻る略正弦波形状の傾斜面に形成された圧縮部材(9)と、前記支持部材(7)に設けられたベーンスロット(16)にバネ(18)を介して装着され先端が前記圧縮部材(9)の傾斜面に常時接触して前記圧縮空間(21)内を低圧室と高圧室とに区分するベーン(11)とを備え、前記低圧室に吸入した流体を前記圧縮部材(9)により圧縮して前記高圧室から吐出する圧縮機であって、
    前記支持部材(7)は、上部軸孔を有する上部材(R)と、この上部材(R)に取り付ける下部軸孔を有する下部材(S)とから構成し、
    前記下部材(S)の下部軸孔は、前記上部材(R)の上部軸孔と同軸心でこの上部軸孔の径より小径に設けることによって、前記上部材(R)との接合面である下部材(S)上面の、前記下部軸孔の周辺に段部(T)を形成し、
    前記回転軸(5)にはスラスト面(5a)を有する段差(U)を設け、
    当該回転軸(5)を支持部材(7)に貫設し、
    前記回転軸(5)は下部材(S)の上面に対面するスラスト面(5a)において、駆動要素(3)のロータ(6)及び回転軸(5)からの自重によって下向きのスラスト力である押圧力を下部材(S)の上面へ作用させるのと同時に、
    前記シリンダ(8)に回転可能に下部を支持された圧縮部材(9)には前記バネ(18)からの圧縮力の反作用が前記下部材(S)へ伝達し、前記下部材(S)の上面からこれに対面する前記スラスト面(5a)へ向けて、上向きのスラスト力である反力を作用させることによって、
    前記段差(U)のスラスト面(5a)を前記段部(T)の段部面に密接させてガスシールするように構成したことを特徴とする圧縮機。
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