JP2005351111A - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構成によりチップシールの破損を防止し、固定スクロールと可動スクロールとの間におけるシール性を高め、もって良好な圧縮効率を有するスクロール圧縮機を提供する。
【解決手段】 スクロール圧縮機は、固定スクロールに対して旋回運動する可動スクロール54を有する。可動スクロール54の渦巻き壁54bは渦巻き状のチップシール60を介して、固定スクロールの基板に対して摺接する。チップシール60の内端領域60bは、可動スクロール54の渦巻き壁54bの内端部92まで延び、その旋回運動に伴ない吐出孔84の開口縁を横切る。チップシール60の内端領域60bが溝90から脱離するのを防止するため、チップシール60の内端領域60b及び溝90には舌状部94又は挿入孔96がそれぞれ形成され、舌状部94は挿入孔96に挿入されている。
【選択図】 図2
【解決手段】 スクロール圧縮機は、固定スクロールに対して旋回運動する可動スクロール54を有する。可動スクロール54の渦巻き壁54bは渦巻き状のチップシール60を介して、固定スクロールの基板に対して摺接する。チップシール60の内端領域60bは、可動スクロール54の渦巻き壁54bの内端部92まで延び、その旋回運動に伴ない吐出孔84の開口縁を横切る。チップシール60の内端領域60bが溝90から脱離するのを防止するため、チップシール60の内端領域60b及び溝90には舌状部94又は挿入孔96がそれぞれ形成され、舌状部94は挿入孔96に挿入されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、スクロール圧縮機に関する。
例えば自動車用空調システムやガスヒートポンプ(GHP)システムの圧縮機として用いられるスクロール圧縮機は、ハウジング内に可動スクロール及び固定スクロールを有する(例えば、特許文献1)。これら可動及び固定スクロールは、各々が基板及び当該基板の内面に一体的に形成された渦巻き壁を有し、相手スクロールとの間に気密な圧縮室を形成するよう、互いに噛み合った状態で配置されている。このような配置のもと、可動スクロールは、外部から駆動力の供給を受けることにより固定スクロールに対して旋回運動する。この旋回運動に伴なって前記圧縮室はその容積及び位置が変化し、これにより圧縮室内で作動ガス(冷媒)の圧縮工程が行われる。そして、固定スクロールの基板には、その略中央部を貫通して吐出孔が形成されており、圧縮室が吐出孔と連通したときに、圧縮室から圧縮作動ガスが吐出される。
より詳しくは、上述の圧縮室の気密性を確保すべく、可動及び固定スクロールの各渦巻き壁の先端面には溝が形成され、この溝にチップシールが配置されている。そして、可動スクロールの旋回運動に伴ない、可動及び固定スクロールの渦巻き壁の先端面は、チップシールを介して相手スクロールの基板に対して摺接し、これにより基板と渦巻き壁の先端面との間における気密性が確保されている。
ところで、特許文献1のスクロール圧縮機は、固定スクロールの基板に複数のバイパス孔が形成され、可動スクロールに取り付けられたチップシールは、各バイパス孔の開口縁に対して摺接するので摩耗し易い。そこで、特許文献1のスクロール圧縮機では、チップシールとして、ポリフェニレンスルファイド又はポリエーテルケトンからなる硬質なチップシールを用いることにより、チップシールの摩耗を抑制している。
特開2002−180980号公報
上述した従来技術のスクロール圧縮機では、可動スクロール側のチップシールが、可動スクロールの渦巻き壁の内端部まで延びていなかった。このため、このスクロール圧縮機では、可動及び固定スクロールの径方向中央部で圧縮室の気密性が低下し、圧縮効率の低下を招いていた。
これは、可動スクロールの旋回運動に伴なって、可動スクロールの渦巻き壁の内端部が、固定スクロールの吐出孔の開口縁に対して摺接することに起因している。すなわち、チップシールがこの渦巻き壁の内端部まで延びている場合、チップシールの一部分が吐出孔の開口上に位置付けられたときに、圧縮室の背圧によりその溝から吐出孔内に押し出され、破損することがある。このような破損を防止するために、可動スクロール側のチップシールは、その一部分でも吐出孔の開口上を通過しないよう、渦巻き壁の内端部の手前までに留められていた。
これは、可動スクロールの旋回運動に伴なって、可動スクロールの渦巻き壁の内端部が、固定スクロールの吐出孔の開口縁に対して摺接することに起因している。すなわち、チップシールがこの渦巻き壁の内端部まで延びている場合、チップシールの一部分が吐出孔の開口上に位置付けられたときに、圧縮室の背圧によりその溝から吐出孔内に押し出され、破損することがある。このような破損を防止するために、可動スクロール側のチップシールは、その一部分でも吐出孔の開口上を通過しないよう、渦巻き壁の内端部の手前までに留められていた。
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、簡単な構成によりチップシールの破損を防止し、固定スクロールと可動スクロールとの間におけるシール性を高め、もって良好な圧縮効率を有するスクロール圧縮機を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明によれば、ハウジング内に互いに噛み合うようにして配置され、各々が基板及び当該基板に設けられた渦巻き壁を有する、固定スクロール及び可動スクロールと、前記固定スクロールの前記基板の略中央部に設けられ、前記固定スクロールの前記基板を貫通する吐出孔と、前記可動スクロールの前記渦巻き壁の先端面に形成された溝に配置され、前記固定スクロールの前記基板に対して摺接する渦巻き状のチップシールとを備えるスクロール圧縮機において、渦巻き方向でみて前記チップシールの内端領域は、前記固定スクロールに対する前記可動スクロールの旋回運動に伴ない前記吐出孔の開口縁を横切る前記可動スクロールの前記渦巻き壁の内端部まで延び、前記チップシールの内端領域と前記溝とを互いに係合させ、前記溝内に前記チップシールの内端領域を保持する係合手段を有することを特徴とするスクロール圧縮機が提供される(請求項1)。
具体的な構成として、前記係合手段は、前記チップシール及び溝のうち一方に形成された凹部と、他方に形成された凸部とからなり(請求項2)、より詳しくは、前記溝の端壁に形成された挿入孔と、前記チップシールの内端領域から一体的に延出し、前記挿入孔に挿入される舌状部とからなる(請求項3)。
上記した構成によれば、チップシールの内端領域が、可動スクロールの渦巻き壁の内端部まで延びているので、可動スクロールの渦巻き壁の先端面と固定スクロールの基板との間の気密性が、渦巻き壁の内端部近傍においても高い。このため、このスクロール圧縮機は、良好な圧縮効率を有する。
上記した構成によれば、チップシールの内端領域が、可動スクロールの渦巻き壁の内端部まで延びているので、可動スクロールの渦巻き壁の先端面と固定スクロールの基板との間の気密性が、渦巻き壁の内端部近傍においても高い。このため、このスクロール圧縮機は、良好な圧縮効率を有する。
そして、このスクロール圧縮機では、吐出孔の開口縁をチップシールの内端領域の一部分が横切るときでも、係合手段によって溝からチップシールの内端領域が脱離するのが防止される。このため、このスクロール圧縮機では、チップシールの破損が防止される。
また好適な態様として、前記チップシールは、ポリフェニレンスルファイド及びポリエーテルケトンのうち一方からなる(請求項4)。これらの材質からなるチップシールは、良好な耐摩耗性を有するので、吐出孔の開口縁に対して摺接しても十分な寿命を有する。
また好適な態様として、前記チップシールは、ポリフェニレンスルファイド及びポリエーテルケトンのうち一方からなる(請求項4)。これらの材質からなるチップシールは、良好な耐摩耗性を有するので、吐出孔の開口縁に対して摺接しても十分な寿命を有する。
以上説明したように、請求項1〜4の本発明のスクロール圧縮機によれば、簡単な構成によりチップシールの破損を防止し、固定スクロールと可動スクロールとの間におけるシール性を高め、良好な圧縮効率を有するスクロール圧縮機を提供することができる。
図1は第1実施例のスクロール圧縮機を示し、例えば、自動車用空調システムやガスヒートポンプ(GHP)システムにおける冷凍回路の圧縮機として用いられる。より詳しくは、冷凍回路は、作動ガスとしての冷媒が循環する循環管路を備え、圧縮機は蒸発器に循環管路の復路を介して接続される一方、循環管路の往路には凝縮器及び膨張弁が介挿される。
この圧縮機はハウジング20を備え、ハウジング20はフロントハウジング22及びケーシング24を有する。フロントハウジング22は、ケーシング24側が大径となる段付きの筒形状をなし、それぞれ開口した両端を有する。一方、ケーシング24は、フロントハウジング22の大径端に向けて開口したカップ形状をなし、その開口端がフロントハウジング22の大径端にOリング26を介して気密に嵌合され、そして、複数の連結ねじ28を介してフロントハウジング22の大径端に連結されている。
フロントハウジング22内には駆動軸30が配置され、この駆動軸30もまた段付き形状をなし、一端側の小径軸部32と、その他端の大径端部34とを有する。小径軸部32は、ボール軸受38を介してフロントハウジング22の小径端に回転自在に支持され、この一方、大径端部34はニードル軸受36を介してフロントハウジング22に回転自在に支持されている。
そして、フロントハウジング22内にはボール軸受38とニードル軸受36との間に軸封止ユニット40が配置されており、このシールユニット40はフロントハウジング22内を気密に区画している。
そして、フロントハウジング22内にはボール軸受38とニードル軸受36との間に軸封止ユニット40が配置されており、このシールユニット40はフロントハウジング22内を気密に区画している。
駆動軸30における小径軸部32はフロントハウジング22から突出し、その突出端に電磁クラッチ42を内蔵した駆動プーリ44が取付けられており、この駆動プーリ44は、軸受46を介してフロントハウジング22に回転自在に支持されている。
駆動プーリ44は、GHPシステムの場合にはガスエンジンからの動力を受けて回転され、駆動プーリ44の回転はその電磁クラッチ42を介して駆動軸30に伝達可能である。従って、ガスエンジンの駆動中、電磁クラッチ42がオン作動されれば、駆動軸30は駆動プーリ44とともに回転される。
駆動プーリ44は、GHPシステムの場合にはガスエンジンからの動力を受けて回転され、駆動プーリ44の回転はその電磁クラッチ42を介して駆動軸30に伝達可能である。従って、ガスエンジンの駆動中、電磁クラッチ42がオン作動されれば、駆動軸30は駆動プーリ44とともに回転される。
一方、ケーシング24内にはスクロールユニット52が収容され、このスクロールユニット52は、可動スクロール54及び固定スクロール56を含む。可動及び固定スクロール54,56のそれぞれは、基板54a,56aと、基板54a,56aの内面に一体に設けられた渦巻き壁54b,56bを有する。可動スクロール54は、固定スクロール56との間に気密な圧縮室58を形成すべく、固定スクロール56と噛み合うように配置されている。より詳しくは、渦巻き壁54b,56bは、後述するチップシール60,62を介して相手側の基板54a,56aに摺接する一方、径方向内面及び外面にて相互に局所的に摺接している。この配置のもとで、可動スクロール54は固定スクロール56に対して旋回運動可能であり、この旋回運動に伴なって、渦巻き壁54b,56b間の摺接個所はそれらの周方向(渦巻き方向)に移動する。
上述した可動スクロール54の旋回運動を達成するため、可動スクロール54の基板54aはニードル軸受64を介して偏心ブッシュ66に回転自在に支持されている。そして、偏心ブッシュ66はクランクピン68に支持され、このクランクピン68は駆動軸30の大径端部34から偏心して突出している。従って、駆動軸30の回転に伴い、クランクピン68及び偏心ブッシュ66を介して可動スクロール54が旋回運動することになる。
なお、偏心ブッシュ66にはカウンタウエイト70が取付けられており、このカウンタウエイト70は、可動スクロール54の旋回運動に対するバランスウエイトとなる。
更に、フロントハウジング22の大径端と可動スクロール54の基板54aとの間には自転阻止機構としてのボールカップリング72が介装されている。例えば、ボールカップリング72はフロントハウジング22の大径端及び基板54aにそれぞれ支持され、その周方向に等間隔を存して環状レースを有した一対のリングプレート74と、これらリングプレート74の環状レース間に挟持されたボール76とからなる。
更に、フロントハウジング22の大径端と可動スクロール54の基板54aとの間には自転阻止機構としてのボールカップリング72が介装されている。例えば、ボールカップリング72はフロントハウジング22の大径端及び基板54aにそれぞれ支持され、その周方向に等間隔を存して環状レースを有した一対のリングプレート74と、これらリングプレート74の環状レース間に挟持されたボール76とからなる。
一方、固定スクロール56はケーシング24内にてボルト(図示せず)を介して固定されている。固定スクロール56の基板56aは、Oリング78と協働してケーシング24内を圧縮室58側と吐出室80とに気密を存して仕切っており、スクロールユニット52の外周とケーシング24の内周面との間には、吸入室82が区画されている。また、基板56aにはその中央に圧縮室58に連なる吐出孔84が形成され、この吐出孔84は吐出弁としてのリード弁86により開閉される。このリード弁86はその弁押さえ88とともに基板56aの外面にボルト(図示せず)を介して取付けられている。
なお、ケーシング24には、図1には示されていないが、その周壁に吸入室82及び吐出室80にそれぞれ連通する吸込口及び送出口が形成されており、吸込口は前述した循環管路の復路に接続され、そして、送出口は循環管路の往路に接続されている。
上述したスクロール圧縮機によれば、駆動軸30の回転に伴い、クランクピン68及び偏心ブッシュ66を介して可動スクロール54が旋回運動し、この際、可動スクロール54の自転がボールカップリング72の働きにより阻止された状態にある。この結果、可動スクロール54はその旋回姿勢を一定に維持した状態で、固定スクロール56に対して旋回運動し、この旋回運動により、以下の一連のプロセスが実施される。
上述したスクロール圧縮機によれば、駆動軸30の回転に伴い、クランクピン68及び偏心ブッシュ66を介して可動スクロール54が旋回運動し、この際、可動スクロール54の自転がボールカップリング72の働きにより阻止された状態にある。この結果、可動スクロール54はその旋回姿勢を一定に維持した状態で、固定スクロール56に対して旋回運動し、この旋回運動により、以下の一連のプロセスが実施される。
まず、吸込口を通じて吸入室82に外部から冷媒が吸い込まれ、そして、吸入室82内の冷媒は、スクロールユニット52の外周にて吸入室82と連通した圧縮室58内に吸い込まれる。圧縮室58内に吸い込まれた冷媒は、渦巻き壁54b,56bに沿った渦巻き中心方向への圧縮室58の移動に伴ない、その容積減少により圧縮される。圧縮冷媒は、渦巻き中心近傍にて圧縮室58が吐出孔84に連通したときに、その圧力によりリード弁86が開弁されて吐出室80内に吐出される。この後、圧縮冷媒は吐出室80から送出口を通じて外部に供給される。なお、スクロールユニット52においては、渦巻き方向に沿って相互に離間した複数の圧縮室58が同時に形成され、一連のプロセスにおける各工程が同時に進行する。
上述したスクロール圧縮機において、圧縮室58の気密性を確保するために、チップシール60,62が使用されている。チップシール60,62は、渦巻き壁54b,56bの渦巻き方向に沿って延び、渦巻き壁54b,56bと基板54a,56aとの間に配置されている。可動スクロール54に取り付けられるチップシール60を例に説明すると、図2に一部を拡大して示したように、固定スクロール56の基板56aに対して摺接する可動スクロール54の渦巻き壁54aの先端面54cには、その渦巻き方向に延びる溝90が形成されている。溝90は、渦巻き壁54bの内端部92から外端部に向かって延び、その長手方向全域に亘りチップシール60が嵌め込まれている。溝90の形状は、チップシール60の形状と略同一であり、このためチップシール60の外面は、渦巻き壁54bの先端面54cと面一をなしている。また、溝90の内端壁90a及びチップシール60の内端面60aの双方は同一径の半円形状をなし、互いに合致可能になっている。
上述したように渦巻き壁56bの先端面に溝が形成され、この溝にチップシール62が嵌め込まれているのは、固定スクロール56側についても同じであるが、このスクロール圧縮機では、可動スクロール54側のチップシール60と、その溝90との間に、溝90からのチップシール60の脱離を防止するための係合手段が形成されている。
係合手段は、チップシール60及び溝90のうち一方に形成された凸部と、他方に形成された凹部とからなる。具体的には、図3に示したように、チップシール60は、前記凸部としての舌状部94を有し、この舌状部94は内端面60aに一体に形成されている。舌状部94は、チップシール60よりも厚みが小さく、段差を存して内端面60aから軸線方向に延出している。一方、図4に示したように、溝90の内端壁90aには、前記凹部としての挿入孔96が形成されている。挿入孔96は、渦巻き壁54bの内部を先端面54cと平行に延び、チップシール60の舌状部94と合致する形状を有する。
係合手段は、チップシール60及び溝90のうち一方に形成された凸部と、他方に形成された凹部とからなる。具体的には、図3に示したように、チップシール60は、前記凸部としての舌状部94を有し、この舌状部94は内端面60aに一体に形成されている。舌状部94は、チップシール60よりも厚みが小さく、段差を存して内端面60aから軸線方向に延出している。一方、図4に示したように、溝90の内端壁90aには、前記凹部としての挿入孔96が形成されている。挿入孔96は、渦巻き壁54bの内部を先端面54cと平行に延び、チップシール60の舌状部94と合致する形状を有する。
上述したスクロール圧縮機では、可動スクロール54側のチップシール60が渦巻き壁54bの内端部92まで延びている。このため、可動スクロール54の渦巻き壁54bの先端面54cと固定スクロール56の基板56aとの間の気密性は、圧縮室58が吐出孔84に連通するまでチップシール60を介して良好に保たれる。それ故、このスクロール圧縮機では、冷媒が圧縮室58を介して効率的に圧縮・吐出され、圧縮効率を向上することができる。
そして、このスクロール圧縮機では、可動スクロール54側のチップシール60が渦巻き壁54bの内端部92まで延びているにも拘わらず、チップシール60の破損が以下の理由により防止されている。
チップシール60が渦巻き壁54bの内端部92まで延びているときに生じるとされていたチップシールの破損は、可動スクロール54の旋回運動に伴なって、その渦巻き壁54bの内端部92が、固定スクロール56の吐出孔84の開口を横切ることに起因している。図2を参照すると、II−II線はチップシール60を内端部92側の内端領域60bと外端部側とに区画する仮想線であり、チップシール60の内端領域60bは、可動スクロール54の旋回運動に伴ない、その一部分(以下、開口通過部という)が二点鎖線で示した吐出孔84の開口内に位置付けられる。このとき、この開口通過部には圧縮室58の背圧が加わることから、何ら係合手段を設けていない場合、開口通過部がその溝90から吐出孔84内に押し出され、破損してしまう。
チップシール60が渦巻き壁54bの内端部92まで延びているときに生じるとされていたチップシールの破損は、可動スクロール54の旋回運動に伴なって、その渦巻き壁54bの内端部92が、固定スクロール56の吐出孔84の開口を横切ることに起因している。図2を参照すると、II−II線はチップシール60を内端部92側の内端領域60bと外端部側とに区画する仮想線であり、チップシール60の内端領域60bは、可動スクロール54の旋回運動に伴ない、その一部分(以下、開口通過部という)が二点鎖線で示した吐出孔84の開口内に位置付けられる。このとき、この開口通過部には圧縮室58の背圧が加わることから、何ら係合手段を設けていない場合、開口通過部がその溝90から吐出孔84内に押し出され、破損してしまう。
そこで、このスクロール圧縮機では、チップシール60の内端領域60bと溝90との間に設けられた係合手段、つまり舌状部94及び挿入孔96によって、溝90からチップシール60の開口通過部(内端領域60b)が脱離するのを防止し、もって、チップシール60の内端領域60bの破損を防止しているのである。
本発明は上記した一実施例に限定されることはなく、種々変形が可能である。
本発明は上記した一実施例に限定されることはなく、種々変形が可能である。
例えば、図5は、第2実施例のチップシール100を示しており、このチップシール100は、係合手段の凸部として、その両側にフランジ部102を有する。図6は、このチップシール100を渦巻き壁54bの溝104に嵌め込んだ状態を示しており、この溝104は、係合手段の凹部として、その両側壁に側溝106を有する。
また、図7は、第3実施例のチップシール108及びその溝110を示しており、チップシール108は、係合手段の凸部として、その内面に突起112を有する。また、溝110は、係合手段の凹部として、その底壁に凹所114を有する。
また、図7は、第3実施例のチップシール108及びその溝110を示しており、チップシール108は、係合手段の凸部として、その内面に突起112を有する。また、溝110は、係合手段の凹部として、その底壁に凹所114を有する。
更に、図8は第4実施例の場合を示しており、第4実施例では、チップシール60を嵌め込む溝116が、II−II線よりも内端部92側で、渦巻き壁56bの内面側近傍を延びている。これに対し、図9は第5実施例の場合を示しており、第5実施例では、チップシール60を嵌め込む溝118が、II−II線よりも内端部92側で、渦巻き壁56bの外面側近傍を延びている。
また、上記した一実施例では、チップシール60の材質は特に限定されないが、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルケトン又はこれらと同等の特性を有する樹脂からなるのが好ましい。これらポリフェニレンスルファイド又はポリエーテルケトンの材質からなるチップシール60は、硬質であって良好な耐摩耗性を有するので、吐出孔84の開口縁に対して摺接しても十分な寿命を有するからである。
54 可動スクロール
54b 渦巻き壁
54c 先端面
60 チップシール
60b チップシールの内端領域
84 吐出孔
90 溝
94 舌状部
96 挿入孔
54b 渦巻き壁
54c 先端面
60 チップシール
60b チップシールの内端領域
84 吐出孔
90 溝
94 舌状部
96 挿入孔
Claims (4)
- ハウジング内に互いに噛み合うようにして配置され、各々が基板及び当該基板に設けられた渦巻き壁を有する、固定スクロール及び可動スクロールと、
前記固定スクロールの前記基板の略中央部に設けられ、前記固定スクロールの前記基板を貫通する吐出孔と、
前記可動スクロールの前記渦巻き壁の先端面に形成された溝に配置され、前記固定スクロールの前記基板に対して摺接する渦巻き状のチップシールと
を備えるスクロール圧縮機において、
渦巻き方向でみて前記チップシールの内端領域は、前記固定スクロールに対する前記可動スクロールの旋回運動に伴ない前記吐出孔の開口縁を横切る前記可動スクロールの前記渦巻き壁の内端部まで延び、
前記チップシールの内端領域と前記溝とを互いに係合させ、前記溝内に前記チップシールの内端領域を保持する係合手段を有する
ことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 前記係合手段は、前記チップシール及び溝のうち一方に形成された凹部と、他方に形成された凸部とからなることを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
- 前記係合手段は、前記溝の端壁に形成された挿入孔と、前記チップシールの内端領域から一体的に延出し、前記挿入孔に差し込まれる舌状部とからなることを特徴とする請求項2記載のスクロール圧縮機。
- 前記チップシールは、ポリフェニレンスルファイド及びポリエーテルケトンのうち一方からなることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のスクロール圧縮機。
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2004
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