JP5341819B2 - スクロール型流体機械 - Google Patents
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Description
そして上記スクロール型流体機械の一例として、ハウジングに、吸入口(吸入ポート)を両スクロールの外周の吸入室に連通させる主吸入孔を形成するとともに、その主吸入孔とは別に吸入口を吸入室に連通する補助吸入孔を形成したスクロール型圧縮機が開示されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来技術では、可動スクロールの背面の一部に局所的に異常摩耗が生じるおそれがある点につき格別な配慮がなされておらず、スクロールユニットの更なる潤滑性向上、ひいては効果的な耐久性向上及び機械損失低減を実現することについて依然として課題が残されている。
好ましくは、溝部は開口部から離間するにつれて可動スクロール径方向における断面積が小となる(請求項4)。
好ましくは、溝部は可動スクロールと連結される軸の軸心を基準に可動スクロールの径方向において開口部の反対側に終端部を有する(請求項5)。
好ましくは、スラストプレートは開口部から離間するにつれて摺接面の面積が大となる
(請求項7)。
好ましくは、可動スクロールの渦巻座標原点は可動スクロールと連結される軸の軸心を基準に可動スクロールの径方向において開口部の反対側に位置づけられる(請求項9)。
請求項3記載の発明によれば、溝部はハウジングの内周面に沿う円環形状をなすことにより、作動流体を背面側の全範囲に亘って行き渡らせることが可能であり、更に効果的に背面側の広範囲に亘って油膜形成が可能である。
請求項9記載の発明によれば、可動スクロールの渦巻座標原点は可動スクロールと連結される軸の軸心を基準に可動スクロールの径方向において開口部の反対側に位置づけられる。一般に可動スクロールのスラスト荷重は可動スクロールの渦巻座標原点近傍で変動することから、変動するスラスト荷重を面圧低下されて油膜が好適に形成されたた摺接面で受けることができるため、スクロールユニットの更なる耐久性向上及び機械損失低減を図ることができる。
圧縮機1はリアハウジング2及びフロントハウジング(ハウジング)4を備え、リアハウジング2とフロントハウジング4との間にはスクロールユニット6が挟持されている。スクロールユニット6は各ハウジング2,4に固定された固定スクロール8と、この固定スクロール8に対して噛み合うように組付けられた可動スクロール10とからなる。
より詳しくは、リアハウジング2内にはその端板とスクロールユニット6の固定スクロール8との間に吐出室12が形成され、この吐出室12は固定スクロール8の端板8aに形成された吐出孔(図示しない)にリードバルブタイプの吐出弁14を介して接続可能である一方、リアハウジング2に形成した吐出ポート(図示しない)を介して冷凍回路の冷媒循環経路に接続されている。
一方、フロントハウジング4内には駆動軸(軸)18が配置され、この駆動軸18は大径端部20及び小径軸部22を有する。大径端部20はニードル軸受24を介してフロントハウジング4に回転自在に支持され、小径軸部22はボール軸受26を介してフロントハウジング4に回転自在に支持されている。更に、小径軸部22とフロントハウジング4との間にはリップシール28が配置され、このリップシール28はフロントハウジング4内を気密に区画している。
更に、フロントハウジング4と可動スクロール10の端板10aとの間には自転阻止機構42(図2参照)が配置されている。
なお、上述した吐出孔は、固定渦巻体50の中央端部54の近傍に位置付けられ、この中央端部54の内面との間には一定のクリアランスが確保されている。
また、冷媒ガスが溝部72を流下する過程において、冷媒ガスの一部はスラストプレート74を超えて溝部72から流出する。この流出した冷媒ガス自体が摺接面76及び背面64に接触することによってミスト状の潤滑油が摺接面76及び背面64に直接に結露して付着されるため、摺接面76に油膜が好適に形成される。
以下、図6〜8を参照して、本実施形態の溝部90及びスラストプレート92の形状、及び、冷媒ガス及び冷媒ガスに含まれる潤滑油の流れについて説明する。なお、これらの図中において冷媒ガス及び潤滑油の流れは、見える流れについては実線で示し、スラストプレートで隠れる流れは破線で示す。
上述したように、第2実施形態の圧縮機88では、溝部90の断面積を開口部70から離間するにつれて小さくすることにより、図8に示されるように、溝部90の開口部70からの離間箇所、すなわちフロントハウジング4内の下部においては溝部90に溜まった潤滑油を積極的に溢れさせ、摺接面94に導くことができるため、フロントハウジング4内の下部における摺接面94に更に効果的に油膜を形成することができる。
例えば、本発明の溝部72,90は必ずしも環形状に形成される必要はなく、駆動軸18の軸心Cを基準に可動スクロール10の径方向において開口部70の反対側に終端部(図示しない)を形成し、溝部72,90をΩ状に形成しても良い。この場合にも冷媒を摺接面76,94の広範囲に亘って行き渡らせることが可能であり、しかも、この終端部の位置を調整することによって溝部72,90に溜まった潤滑油を溢れさせる位置をも調整可能となることから、更に効果的にフロントハウジング4内の下部における摺接面76,94に油膜形成が可能である。
更に、本発明の圧縮機では必ずしもスラストプレート74,92を要していなくても良く、少なくとも溝部72,90を有する限りは台座部62の台座面66が背面64に摺接する構造としても同様の効果を得ることが可能である。
4 ハウジング
4b 内周面
8 固定スクロール
10 可動スクロール
10a 端板
16 吸入ポート(ポート)
18 駆動軸(軸)
60 圧縮室(圧縮室または膨張室)
62 台座部
64 背面
72,90 溝部
74,92 スラストプレート
76,94 摺接面
Claims (10)
- 固定スクロール及び可動スクロールが協働して潤滑油を含む作動流体の圧縮室または膨張室を区画するスクロール型流体機械であって、
前記作動流体が通過するポートと、前記ポートが開口され、前記圧縮室または前記膨張室の区画によって前記可動スクロールの端板の背面側にスラスト荷重が作用する台座部とを有するハウジングを備え、
前記台座部は前記ポートの開口部を含む領域に凹設された溝部を有することを特徴とするスクロール型流体機械。 - 前記溝部は前記ハウジングの内周面に沿って形成されることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
- 前記溝部は前記ハウジングの内周面に沿う円環形状をなすことを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
- 前記溝部は前記開口部から離間するにつれて前記可動スクロールの径方向における断面積が小となることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
- 前記溝部は前記可動スクロールと連結される軸の軸心を基準に前記可動スクロールの径方向において前記開口部の反対側に終端部を有することを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
- 前記台座部と前記端板との間にはスラストプレートが設けられ、前記スラストプレートは前記背面が摺接される摺接面によって前記可動スクロールのスラスト荷重を受けることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
- 前記スラストプレートは前記開口部から離間するにつれて前記摺接面の面積が大となることを特徴とする請求項6に記載のスクロール型流体機械。
- 前記スラストプレートは前記開口部から離間するにつれて前記溝部を塞ぐ形状をなすことを特徴とする請求項6に記載のスクロール型流体機械。
- 前記可動スクロールの渦巻座標原点は前記可動スクロールと連結される軸の軸心を基準に前記可動スクロールの径方向において前記開口部の反対側に位置づけられることを特徴とする請求項7に記載のスクロール型流体機械。
- 前記可動スクロールの旋回軸線が水平となる横置き型であることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
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