JP2012036824A - 軸受ハウジング - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受メタルと圧入孔との同軸度及び円筒度を確保して、軸受メタルの圧入作業を精度良く行うことができるようにする。
【解決手段】ハウジング本体(31)の圧入孔(34)は、軸受メタル(35)の外径よりも内径が小さい圧入部(34a)と、圧入部(34a)よりも圧入方向の手前側において軸受メタル(35)の外径よりも内径が僅かに大きいガイド部(34b)とを有している。そして、軸受メタル(35)をガイド部(34b)内に挿入して圧入部(34a)と同心状に保持した後で、ガイド部(34b)で保持された軸受メタル(35)を圧入部(34a)に圧入する。
【選択図】図6

Description

本発明は、軸受ハウジングに関するものである。
従来より、回転式圧縮機は、例えば蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路において冷媒を圧縮するのに用いられている。回転式圧縮機では、密閉型のケーシング内に、圧縮機構と、圧縮機構を駆動する電動機とが収納されている。
特許文献1には、スクロール式の圧縮機構を採用した圧縮機が開示されている。このスクロール式の圧縮機は、ケーシングに固定される固定体としての固定スクロールと、この固定スクロールと噛合する可動体としての可動スクロールとを備えている。
固定スクロールと可動スクロールは、板状の鏡板と渦巻き状のラップとをそれぞれ備えている。両スクロールにおいて、各ラップは、各鏡板の前面に突設されている。そして、両スクロールは、各ラップが互いに向かい合う姿勢で配置され、それぞれのラップが互いに噛み合わされる。その結果、互いに噛み合ったラップが鏡板で挟まれた状態となり、これらラップと鏡板とによって圧縮室が形成される。可動スクロールには、鏡板の背面側に駆動軸の偏心部が係合している。軸受ハウジングのハウジング本体には、軸受部材としての軸受メタルが圧入されている。駆動軸は、軸受メタルによって回転自在に軸受されている。
そして、スクロール式の圧縮機の運転時には、電動機によって駆動軸が駆動される。その結果、可動スクロールは、固定スクロールに対して偏心しながら公転する。このように可動スクロールが公転運動を続けると、圧縮室の容積が拡縮する。その結果、圧縮室に吸入された流体が圧縮され、圧縮された流体は吐出管より外部へ排出される。
特開平8−121366号公報
しかしながら、従来の圧縮機に用いられている軸受ハウジングでは、軸受メタルと圧入孔との同軸度及び円筒度を確保することが難しいという問題があった。
具体的に、圧入孔の開口側の周縁部には、軸受メタルの挿入を容易にするために、45度のC面取りや30度の鋭角面取りが施されている。そのため、軸受メタルを圧入孔に圧入すべく軸受メタルを圧入孔の開口側に配置すると、圧入孔の面取り部分の傾きに沿って軸受メタルが僅かに傾いてしまうことがある。
そして、軸受メタルが傾いた状態で圧入作業を継続すると、軸受メタル外周の裏金に対して局所的に大きな応力が作用してしまい、軸受メタルの裏金が削り取られながら強引に圧入されることとなる。そのため、圧入完了後の軸受メタルの内径と圧入孔との同軸度及び円筒度が悪化してしまう。
また、軸受メタルが裏金、ブロンズ層、樹脂層の3層構造で形成されている場合には、軸受メタルの圧入完了後、ハウジング本体の外径面を基準面として軸受メタルの内周面の樹脂層を削り出すことで、軸受メタルの内径の仕上げ加工を行うようにしている。なお、ハウジング本体の外径面は、圧入孔を基準面として同軸度及び円筒度が良好になるように仕上げられている。ここで、軸受メタルが圧入孔に対して傾いた状態で圧入されていた場合には、削り出された樹脂層の厚みやブロンズ層の露出率が不均一になってしまい、軸受メタルの耐力品質がばらついてしまうという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、軸受メタルと圧入孔との同軸度及び円筒度を確保して、軸受メタルの圧入作業を精度良く行うことができるようにすることにある。
本発明は、圧縮機構(20)の駆動軸(40)を回転自在に軸受する軸受部材(35)と、該軸受部材(35)が圧入される圧入孔(34)が形成されたハウジング本体(31)とを備えた軸受ハウジングを対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記圧入孔(34)は、前記軸受部材(35)の外径よりも内径が小さい圧入部(34a)と、該圧入部(34a)よりも圧入方向の手前側において該軸受部材(35)を該圧入部(34a)と同心状に保持する程度に該軸受部材(35)の外径よりも内径が僅かに大きいガイド部(34b)とを有することを特徴とするものである。
第1の発明では、圧入孔(34)には、軸受部材(35)の外径よりも内径が小さい圧入部(34a)と、圧入部(34a)よりも圧入方向の手前側において軸受部材(35)の外径よりも内径が僅かに大きいガイド部(34b)とが設けられる。ガイド部(34b)では、圧入前の軸受部材(35)が圧入部(34a)と同心状に保持される。
このような構成とすれば、軸受部材(35)と圧入孔(34)との同軸度及び円筒度を確保して、軸受部材(35)を圧入することができる。
具体的に、圧入孔(34)の開口側の周縁部には、軸受部材(35)としての軸受メタル(35)の挿入を容易にするために、45度のC面取りや30度の鋭角面取りが施されている。そのため、軸受メタル(35)を圧入孔(34)に圧入すべく軸受メタル(35)を圧入孔(34)の開口側に配置すると、圧入孔(34)の面取り部分の傾きに沿って軸受メタル(35)が僅かに傾いてしまうことがある。このように、軸受メタル(35)が傾いた状態で圧入作業を継続すると、軸受メタル(35)外周の裏金に対して局所的に大きな応力が作用してしまい、軸受メタル(35)の裏金が削り取られながら強引に圧入されることとなる。そのため、圧入完了後の軸受メタル(35)の内径と圧入孔(34)との同軸度及び円筒度が悪化してしまう。
また、軸受メタル(35)が裏金、ブロンズ層、樹脂層の3層構造で形成されている場合には、ハウジング本体(31)の外径面を基準面として軸受メタル(35)の内周面の樹脂層を削り出すことで、軸受メタル(35)の内径の仕上げ加工を行うようにしている。なお、ハウジング本体(31)の外径面は、圧入孔(34)を基準面として同軸度及び円筒度が良好になるように仕上げられている。ここで、軸受メタル(35)が圧入孔(34)に対して傾いた状態で圧入されていた場合には、削り出された樹脂層の厚みやブロンズ層の露出率が不均一になってしまい、軸受メタル(35)の耐力品質がばらついてしまうという問題があった。
これに対し、本発明では、軸受メタル(35)を圧入孔(34)の圧入部(34a)に圧入する前に、軸受メタル(35)をガイド部(34b)内に配置することで、軸受メタル(35)が傾かないように姿勢を矯正しつつ圧入部(34a)と同心状に保持することができる。これにより、軸受メタル(35)と圧入孔(34)との同軸度及び円筒度を確保して軸受メタル(35)の圧入作業を精度良く行うことができる。さらに、ハウジング本体(31)の外径基準面に対して同軸度及び円筒度が十分に確保されているため、軸受メタル(35)の内周面を仕上げ加工したときに、樹脂層の厚みやブロンズ層の露出率を均一とすることができ、軸受メタル(35)の耐力品質が安定する。
第2の発明は、第1の発明において、
前記ガイド部(34b)の開口側の周縁には、テーパー部(34c)が形成されていることを特徴とするものである。
第2の発明では、ガイド部(34b)の開口側の周縁にテーパー部(34c)が形成されているから、軸受部材(35)をガイド部(34b)内にスムーズに挿入させることができる。
第3の発明は、圧縮機構(20)の駆動軸(40)を回転自在に軸受する軸受部材(35)と、該軸受部材(35)が圧入される圧入孔(34)が形成されたハウジング本体(31)とを備えた軸受ハウジングの製造方法を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第3の発明は、前記圧入孔(34)は、前記軸受部材(35)の外径よりも内径が小さい圧入部(34a)と、該圧入部(34a)よりも圧入方向の手前側において該軸受部材(35)の外径よりも内径が僅かに大きいガイド部(34b)とを有しており、
前記軸受部材(35)を前記ガイド部(34b)内に挿入して前記圧入部(34a)と同心状に保持する手順と、
前記ガイド部(34b)で保持された前記軸受部材(35)を前記圧入部(34a)に圧入する手順とを備えたことを特徴とするものである。
第3の発明では、軸受部材(35)をガイド部(34b)内に挿入して圧入部(34a)と同心状に保持し、ガイド部(34b)で保持された軸受部材(35)を圧入部(34a)に圧入するから、軸受メタル(35)が傾かないように姿勢を矯正しつつ圧入部(34a)に圧入することができ、軸受メタル(35)と圧入孔(34)との同軸度及び円筒度を確保して軸受メタル(35)の圧入作業を精度良く行うことができる。
本発明によれば、軸受メタル(35)を圧入孔(34)の圧入部(34a)に圧入する前に、軸受メタル(35)をガイド部(34b)内に配置することで、軸受メタル(35)が傾かないように姿勢を矯正しつつ圧入部(34a)と同心状に保持することができる。これにより、軸受メタル(35)と圧入孔(34)との同軸度及び円筒度を確保して軸受メタル(35)の圧入作業を精度良く行うことができる。
本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の構成を示す断面図である。 圧縮機構の要部を示す断面図である。 軸受メタルの構成を示す断面図である。 軸受メタルをハウジング本体に圧入する手順を説明する断面図である。 軸受メタルをガイド部で保持した状態を示す断面図である。 軸受メタルを圧入部に圧入した状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の構成を示す断面図である。図1に示すように、このスクロール圧縮機(10)は、いわゆる全密閉型に構成されており、例えば、空気調和装置の蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路に設けられ、冷媒を圧縮するものである。
前記スクロール圧縮機(10)は、縦長の円筒形の密閉容器状に形成されたケーシング(11)を備えている。このケーシング(11)内には、冷媒を圧縮する圧縮機構(20)と、圧縮機構(20)を駆動する電動機(45)とが収納されている。この電動機(45)は、圧縮機構(20)の下方に配置され、回転軸である駆動軸(40)を介して圧縮機構(20)に連結されている。
前記ケーシング(11)の頂部には、吸入管(12)が貫通して取り付けられている。この吸入管(12)は、その終端が圧縮機構(20)に接続されている。また、ケーシング(11)の胴部には、吐出管(13)が貫通して取り付けられている。この吐出管(13)は、その終端がケーシング(11)内の圧縮機構(20)と電動機(45)との間に開口している。
前記駆動軸(40)は、主軸部(41)と偏心部(42)とを備え、クランクを構成している。偏心部(42)は、主軸部(41)よりも小径に形成され、主軸部(41)の上端面に立設している。そして、この偏心部(42)は、主軸部(41)の軸心に対して所定距離だけ偏心し、偏心ピンを構成している。
前記ケーシング(11)の胴部の下端付近には、下部軸受部材(48)が固定されている。この下部軸受部材(48)は、駆動軸(40)の主軸部(41)の下端部を回転自在に支持している。なお、図示しないが、駆動軸(40)の内部には、上下方向へ延びる給油通路が形成され、主軸部(41)の下端部には、遠心ポンプが設けられている。この遠心ポンプによってケーシング(11)の底部から吸い上げられた冷凍機油は、駆動軸(40)の給油通路を通って圧縮機構(20)の各摺動部へ供給される。
前記電動機(45)は、ステータ(46)とロータ(47)とによって構成されている。ステータ(46)は、ケーシング(11)の胴部に固定されている。ロータ(47)は、駆動軸(40)の主軸部(41)に連結され、駆動軸(40)を回転駆動する。
前記圧縮機構(20)は、固定スクロール(21)と、固定スクロール(21)に噛合する可動スクロール(22)と、固定スクロール(21)を固定支持する軸受ハウジング(30)とを備えている。
前記軸受ハウジング(30)は、その全周がケーシング(11)の胴部内面に接合されたハウジング本体(31)を備えている。このハウジング本体(31)は、上段部(32)と下段部(33)とによって構成されている。これら上段部(32)及び下段部(33)は、順に上から下へ連続して形成されている。
前記上段部(32)は、その上面中央に凹部(32a)が形成されている。この凹部(32a)には、後述する可動スクロール(22)のボス部(22c)が収容される。下段部(33)は、上段部(32)の下面から下方へ突出して一体形成されている。また、この下段部(33)の中央位置には、上段部(32)の凹部(32a)に連通する圧入孔(34)が形成されている。この圧入孔(34)には、軸受部材としての円筒状の軸受メタル(35)が圧入されている。軸受メタル(35)には、駆動軸(40)の主軸部(41)が挿通され、主軸部(41)を回転自在に支持する滑り軸受を構成している。なお、下段部(33)の圧入孔(34)や軸受メタル(35)の具体的な構成については後述する。
前記固定スクロール(21)は、固定側鏡板部(21a)と、固定側ラップ(21b)と、縁部(21c)とを備えている。固定スクロール(21)の固定側鏡板部(21a)は、略円板状に形成されている。固定側ラップ(21b)は、固定側鏡板部(21a)の下面に立設され、固定側鏡板部(21a)に一体形成されている。この固定側ラップ(21b)は、高さが一定の渦巻き壁状に形成されている。
前記縁部(21c)は、固定側鏡板部(21a)の外周縁部から下方へ向かって延びる壁状に形成されている。この縁部(21c)は、その下端部が全周に亘って外側へ突出し、ハウジング本体(31)の上段部(32)の上面に固定されている。
前記可動スクロール(22)は、可動側鏡板部(22a)と、可動側ラップ(22b)と、ボス部(22c)とを備えている。可動スクロール(22)の可動側鏡板部(22a)は、略円板状に形成されている。可動側ラップ(22b)は、可動側鏡板部(22a)の上面に立設され、該可動側鏡板部(22a)に一体形成されている。この可動側ラップ(22b)は、高さが一定の渦巻き壁状に形成され、固定スクロール(21)の固定側ラップ(21b)に噛合するように構成されている。ボス部(22c)は、可動側鏡板部(22a)の下面から下方へ延設され、可動側鏡板部(22a)に一体形成されている。
前記ボス部(22c)には、駆動軸(40)の偏心部(42)が挿入されている。つまり、駆動軸(40)が回転すると、可動スクロール(22)が主軸部(41)の軸心を中心として公転する。この可動スクロール(22)の公転半径は、偏心部(42)の偏心量、すなわち主軸部(41)の軸心と偏心部(42)の軸心との距離と同じである。
前記可動スクロール(22)の可動側鏡板部(22a)は、ハウジング本体(31)の上段部(32)の上方に位置し、前記ボス部(22c)は、ハウジング本体(31)の上段部(32)の凹部に位置している。なお、図示しないが、可動スクロール(22)の可動側鏡板部(22a)とハウジング本体(31)の上段部(32)の上面との間には、可動スクロール(22)の自転を阻止するオルダム継手が配設されている。
図2に示すように、圧縮機構(20)では、いわゆる非対称渦巻き構造を採用しており、固定側ラップ(21b)と可動側ラップ(22b)とで巻き数が相違している。具体的に、固定側ラップ(21b)は、可動側ラップ(22b)よりも約1/2巻き分だけ長くなっている。固定側ラップ(21b)の外周側端部は、可動側ラップ(22b)の外周側端部の近傍に位置し、縁部(21c)に連続している。また、固定側ラップ(21b)及び可動側ラップ(22b)は、厚み(壁厚)が一定となっている。つまり、固定側ラップ(21b)及び可動側ラップ(22b)は、その外周側端部から内周側端部に亘って、歯厚が均一に構成されている。
前記圧縮機構(20)では、固定スクロール(21)の固定側ラップ(21b)と可動スクロール(22)の可動側ラップ(22b)とが噛合することで、2つ圧縮室(24a,24b)が区画形成されている。これらの2つの圧縮室(24a,24b)は、固定側ラップ(21b)の内周面と可動側ラップ(22b)の外周面との間に形成されるものが第1圧縮室(24a)となり、固定側ラップ(21b)の外周面と可動側ラップ(22b)の内周面との間に形成されるものが第2圧縮室(24b)となっている。つまり、第1圧縮室(24a)は可動側ラップ(22b)の外周面に臨み、第2圧縮室(24b)は可動側ラップ(22b)の内周面に臨んでいる。第1圧縮室(24a)の最大容積は、第2圧縮室(24b)の最大容積よりも大きくなっている。
前記固定スクロール(21)の外周側には、吸入管(12)の終端に接続される吸入ポート(29)が形成されている。この吸入ポート(29)は、可動スクロール(22)の偏心回転運動に伴って圧縮室(24a,24b)に間欠的に連通するように構成されている。固定スクロール(21)の固定側鏡板部(21a)には、その上方を覆うカバー(27)が取り付けられている。そして、このカバー(27)と固定側鏡板部(21a)との間には、吐出空間としての吐出室(28)が形成されている。固定スクロール(21)の固定側鏡板部(21a)の中央には、吐出室(28)に開口する吐出ポート(25)が形成されている。この吐出ポート(25)は、可動スクロール(22)の偏心回転運動に伴って圧縮室(24a,24b)に間欠的に連通するように構成されている。なお、圧縮機構(20)は、吐出室(28)に吐出されたガス冷媒がガス通路(図示せず)を通じてハウジング本体(31)の下方の空間に導入され、吐出管(13)からケーシング(11)外へ吐出されるように構成されている。
−軸受メタルの圧入手順−
前記ハウジング本体(31)の圧入孔(34)に圧入される軸受メタル(35)は、図3に示すように、円筒状の裏金(35a)と、裏金(35a)の内周面を覆うブロンズ層(35b)と、ブロンズ層(35b)の内周面を覆う樹脂層(35c)との3層構造で形成されている。
図4に示すように、ハウジング本体(31)の圧入孔(34)には、軸受メタル(35)の外径よりも内径が小さい圧入部(34a)と、圧入部(34a)よりも圧入方向の手前側(図4では上側)において軸受メタル(35)の外径よりも内径が僅かに大きいガイド部(34b)とを有している。
具体的に、前記ガイド部(34b)の内径は、圧入部(34a)の内径に対して0.4〜0.5%程度大きくなるように形成されている。また、ガイド部(34b)の軸方向長さは、軸受メタル(35)の長さの7.5%程度となるように形成されている。さらに、ガイド部(34b)は、圧入部(34a)に対して同軸度が0.005以下で且つ円筒度が0.005以下となるように形成されている。
このような構成とすれば、軸受メタル(35)をガイド部(34b)内に配置したときに、ガイド部(34b)内において軸受メタル(35)が傾かないように姿勢を矯正しつつ、軸受メタル(35)を圧入部(34a)と同心状に保持することができる。
前記ガイド部(34b)の開口側の周縁には、テーパー部(34c)が形成されている。このテーパー部(34c)は、45度のC面取りや30度の鋭角面取りによってテーパー状に形成されている。
次に、軸受ハウジング(30)の圧入孔(34)に軸受メタル(35)を圧入する手順について、図4〜図6に基づいて説明する。まず、図4に示すように、ハウジング本体(31)の下段部(33)が上向き、上段部(32)が下向きとなるように、ハウジング本体(31)を倒置させる。
そして、図5に示すように、軸受メタル(35)をガイド部(34b)内に挿入して、軸受メタル(35)を圧入部(34a)と同心状に保持する。続いて、図6に示すように、ガイド部(34b)で保持された軸受メタル(35)を圧入部(34a)に圧入することで、軸受メタル(35)を軸受ハウジング(30)に取り付ける。そして、軸受メタル(35)の圧入完了後、ハウジング本体(31)の外周面又は凹部(32a)の内周面を基準面として、軸受メタル(35)の内周面の樹脂層を削り出し、樹脂層(35c)の厚みやブロンズ層(35b)の露出率を均一とする。
このように、軸受メタル(35)を圧入孔(34)の圧入部(34a)に圧入する前に、軸受メタル(35)をガイド部(34b)内に配置することで、軸受メタル(35)が傾かないように姿勢を矯正しつつ圧入部(34a)と同心状に保持することができる。これにより、軸受メタル(35)の圧入作業を精度良く行うことができる。さらに、ハウジング本体(31)の外周面や凹部(32a)の内周面に対して軸受メタル(35)の同軸度及び円筒度が十分に確保されているため、軸受メタル(35)の内周面を仕上げ加工したときに、樹脂層(35c)の厚みやブロンズ層(35b)の露出率が均一となり、軸受メタル(35)の耐力品質が安定する。
−運転動作−
次に、上述したスクロール圧縮機(10)の基本的な運転動作について説明する。まず、図1に示すように、電動機(45)を駆動すると、駆動軸(40)が回転し、可動スクロール(22)が固定スクロール(21)に対して偏心回転運動を行う。その際、可動スクロール(22)は、オルダム継手によって自転が阻止される。
図2に示すように、可動スクロール(22)の偏心回転運動に伴って、圧縮室(24a,24b)の容積が周期的に増減を繰り返す。具体的に、圧縮室(24a,24b)が吸入ポート(29)に連通した状態で圧縮室(24a,24b)の容積が増大すると、冷媒回路の冷媒が圧縮室(24a,24b)に吸い込まれる。さらに、可動スクロール(22)が回転すると、第1圧縮室(24a)と吸入ポート(29)とが遮断され、最外周側の第1圧縮室(24a)が閉じきられる。その後、可動スクロール(22)が回転すると、第2圧縮室(24b)と吸入ポート(29)とが遮断され、最外周側の第2圧縮室(24b)が閉じきられる。その後、可動スクロール(22)が回転し続けると、圧縮室(24a,24b)がその容積を減少させながら中心部へ移動していく。その際に、圧縮室(24a,24b)の冷媒が圧縮される。そして、圧縮室(24a,24b)が吐出ポート(25)に連通すると、圧縮室(24a,24b)内の冷媒が吐出室(28)へ吐出される。この吐出室(28)の冷媒は、ケーシング(11)の内部空間から吐出管(13)を通じて冷媒回路に戻る。
なお、本実施形態では、スクロール式の圧縮機に用いられる軸受ハウジング(30)に軸受メタル(35)を圧入した構成について説明したが、例えば、ロータリ式の圧縮機に用いられる軸受ハウジングに対しても同様に適用可能である。
以上説明したように、本発明は、軸受メタルと圧入孔との同軸度及び円筒度を確保して、軸受メタルの圧入作業を精度良く行うことができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
20 圧縮機構
30 軸受ハウジング
31 ハウジング本体
34 圧入孔
34a 圧入部
34b ガイド部
34c テーパー部
35 軸受メタル(軸受部材)
40 駆動軸

Claims (3)

  1. 圧縮機構(20)の駆動軸(40)を回転自在に軸受する軸受部材(35)と、該軸受部材(35)が圧入される圧入孔(34)が形成されたハウジング本体(31)とを備えた軸受ハウジングであって、
    前記圧入孔(34)は、前記軸受部材(35)の外径よりも内径が小さい圧入部(34a)と、該圧入部(34a)よりも圧入方向の手前側において該軸受部材(35)を該圧入部(34a)と同心状に保持する程度に該軸受部材(35)の外径よりも内径が僅かに大きいガイド部(34b)とを有することを特徴とする軸受ハウジング。
  2. 請求項1において、
    前記ガイド部(34b)の開口側の周縁には、テーパー部(34c)が形成されていることを特徴とする軸受ハウジング。
  3. 圧縮機構(20)の駆動軸(40)を回転自在に軸受する軸受部材(35)と、該軸受部材(35)が圧入される圧入孔(34)が形成されたハウジング本体(31)とを備えた軸受ハウジングの製造方法であって、
    前記圧入孔(34)は、前記軸受部材(35)の外径よりも内径が小さい圧入部(34a)と、該圧入部(34a)よりも圧入方向の手前側において該軸受部材(35)の外径よりも内径が僅かに大きいガイド部(34b)とを有しており、
    前記軸受部材(35)を前記ガイド部(34b)内に挿入して前記圧入部(34a)と同心状に保持する手順と、
    前記ガイド部(34b)で保持された前記軸受部材(35)を前記圧入部(34a)に圧入する手順とを備えたことを特徴とする軸受ハウジングの製造方法。
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