JPH0932754A

JPH0932754A - スクロール圧縮機

Info

Publication number: JPH0932754A
Application number: JP7181293A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Fukuhara; 弘之福原; Sadayuki Yamada; 定幸山田; Noboru Iida; 飯田　　登; Yushi Hashimoto; 雄史橋本
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1995-07-18
Filing date: 1995-07-18
Publication date: 1997-02-04
Also published as: TW463881U; CN1147063A; US5791885A; CN1070268C

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、軸方向に移動可能に分割構成され
た固定スクロールのフレーム部と鏡板ハネ部の平面方向
および回転方向の位置決めを精度良く容易に行い高性能
で安価なスクロール圧縮機を提供することを目的とする
ものである。【構成】固定スクロール２５がフレーム部と２５ａと
軸方向に移動可能に分割構成された鏡板ハネ部２５ｂを
スライド部２５ｃで平面方向の、ピン２５ｄと穴２５ｅ
で回転方向の位置を決める構成としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は業務用および家庭用の冷
凍空調に使用されるスクロール圧縮機に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】冷凍空調用の電動圧縮機としては、圧縮
部がレシプロ式のもの、ロータリー式のものが有り、い
ずれの方式も家庭用、業務用の冷凍空調分野で使用され
てきており、現在はコスト、性能面等でそれぞれ特徴を
生かして成長してきている。そしてスクロール式の圧縮
機が高効率、低騒音、低振動という特徴を生かして実用
化されてきた。

【０００３】図６に従来のスクロール圧縮機の縦断面図
を示す。密閉容器１の内部には、フレーム部２９ａと鏡
板ハネ部２９ｂよりなる固定スクロール２９に対して旋
回運動する可動スクロール２ｂを噛み合わせた圧縮機構
２と、可動スクロール２ｂを支えるスラスト軸受３、ス
ラスト軸受３と一体となった軸受部品４を上部に設けて
いる。軸受部品４は、外周を密閉容器１に密封固定され
ている。そして可動スクロール２ｂの軸２ｃを、クラン
ク軸５の上端部に設けられた偏芯軸受６に挿入し可動ス
クロール２ｂをクランク軸５により旋回運動させる。ク
ランク軸５には電動機７の回転子７ａが取り付けられて
おり、密閉容器１に焼き嵌め固定された固定子７ｂとと
もに軸受部品４の下部に配設されている。クランク軸５
は、軸受部品４の主軸受８と副軸受２３とで支えられて
いる。密閉容器１の下方底部には潤滑油９を貯溜する油
だめ１０が設けられている。また密閉容器１の側部には
ガスの吸入管１１が設けられている。そして密閉容器１
の内部には吸入側のガス圧力が作用する構成となってい
る。前記軸受部品４には主軸受８、副軸受２３、偏芯軸
受６、スラスト軸受３を潤滑、冷却した潤滑油９を排出
する油排出口１２が設けられている。クランク軸５には
潤滑油９を各軸受部、即ち主軸受８、副軸受２３、偏芯
軸受６、スラスト軸受３へ供給する貫通穴１３を設け、
かつクランク軸５の下端には油ガイド１４を圧入また
は、焼き嵌め固定して取り付け、潤滑油９を吸い上げる
ようにしている。１５は固定スクロールの上部に設けら
れた吐出チャンバー、１６は密閉容器１の外へ圧縮ガス
を出す吐出管である。固定スクロールのフレーム部２９
ａと軸受部品４とはガイドポスト３０を挿入してボルト
で締結されている。鏡板ハネ部２９ｂは軸受部品４に固
定された４本のガイドポスト３０と相対する位置に開け
られた４個の穴をスライド部２９ｃとして軸方向に移動
可能に構成されている。１９は停止時に可動スクロール
２ｂが逆転するのを防ぐための逆止弁、２４は逆止弁の
動きを規制する逆止弁ガイド、２０は可動スクロール２
ｂを固定スクロール２９に対して旋回運動させるための
自転防止用のオルダムリング、２１は圧縮機構２へ低圧
ガスを吸い込ませる軸受部品４に設けた吸入口である。
次に上記構成からなる圧縮機構の作用を説明する。低圧
ガスは吸入管１１より密閉容器１内に吸入され、さらに
圧縮機構２へ吸入される。固定スクロール２９に対して
可動スクロール２ｂが旋回運動することにより、吸入さ
れたガスが圧縮機構２で圧縮された高圧ガスになり、一
旦吐出チャンバー１５へ入る。そして吐出管１６より密
閉容器１外へ吐出し、再び低圧ガスを循環させ、周知の
圧縮サイクルを構成する。

【０００４】一方、油ガイド１４で吸い上げられた潤滑
油９は、クランク軸５の貫通穴１３の中を上昇し、副軸
受２３、偏芯軸受６、スラスト軸受３、主軸受８を潤
滑、冷却して、油排出口１２から固定子７ｂ上部へ排出
し、固定子７ｂの切り欠き部１８を通って油だめ１０に
戻る潤滑サイクルを形成する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】固定スクロールのハネ
部を軸方向に移動可能に構成し、ハネ先端での圧縮ガス
の洩れを少なくして効率を向上することは公知（特開平
４−３１４９８６）であるが、スライド部と廻り止め
は、ハネ先端に隙間ができることなく軸方向の動きに滑
らかに追従できなければ圧縮ガスの洩れが多量に発生
し、圧縮機の破損を引き起こすことになる。また、固定
スクロールハネと可動スクロールハネは一定の位相角度
を持って組み立てなければ性能が発揮できないがその位
相が圧縮行程において変動することなくまた平面上でず
れることなく容易に軸方向に移動でき、かつ組立容易に
構成しなければ性能が良い低価格の圧縮機を提供するこ
とができない。

【０００６】従来のスクロール圧縮機の場合、軸受部品
に固定された４本のガイドポストと固定スクロールの鏡
板ハネ部の相対する位置に開けられた穴を貫通させてス
ライドさせる構造となっているが、４本のガイドポスト
の固定ピッチと鏡板ハネ部の４個の穴のピッチが合わな
い場合、鏡板ハネ部は軸方向に滑らかに動くことはでき
ない。また、４本のガイドポストの内１本でも軸受部品
に垂直に固定されない場合にも同様であり、軸受部品お
よびガイドポスト端面の加工および組立に手間がかかり
コストが高くなってしまう。また、４対のガイドポスト
の外径寸法と鏡板ハネ部の穴の直径寸法が狂った場合、
鏡板ハネ部は平面方向および回転方向の位置決めに狂い
が生じ、なおかつガイドポストにそって軸方向に滑らか
に移動することが困難になる。また、これらの加工およ
び組立誤差を考慮し、穴およびガイドポスト部に大きな
隙間を設定する必要が生じ圧縮行程でのスクロールハネ
同志の平面方向および回転方向の変動が大きくなり、性
能の良い圧縮機が得られなくなる。さらに、ガイドポス
トを軸受部品に組み付ける際に固定スクロールハネと可
動スクロールハネの位相を合わせるために、組立に注意
を払う必要が生じ、コストが高くなってしまうといった
課題が発生していた。

【０００７】本発明は、上記従来の問題点を解消するも
ので、固定スクロールハネと可動スクロールハネの圧縮
行程における位相の変動を抑制し、かつ鏡板ハネ部の軸
方向の移動を滑らかにすることにより高性能なスクロー
ル圧縮機を提供することを目的とするものである。

【０００８】また、本発明は、上記従来の問題点を解消
するもので、固定スクロールハネと可動スクロールハネ
の圧縮行程における位相の変動を安価な構成で抑制し、
かつ鏡板ハネ部の軸方向の移動を滑らかにすることによ
り高性能で安価なスクロール圧縮機を提供することを目
的とするものである。

【０００９】また、本発明は、上記従来の問題点を解消
するもので、鏡板ハネ部のスライド部でのこじれを防止
し、軸方向の移動を滑らかにすることにより、高性能で
信頼性の高いスクロール圧縮機を提供することを目的と
するものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明は、固定スクロールを構成するフレームおよ
び鏡板ハネ部のそれぞれ相対する位置に円筒状のスライ
ド部を設け、さらにフレーム部と鏡板ハネ部のいずれか
にピンを設け、また、相対する位置に円形の凹部を設け
たものである。

【００１１】また、上記問題点を解決するために本発明
は、固定スクロールを構成するフレームおよび鏡板ハネ
部のそれぞれ相対する位置に円筒状のスライド部を設
け、その外側にさらにフレーム部と鏡板ハネ部のいずれ
かにピンを設け、また相対する位置に円形の凹部を設け
たものである。

【００１２】また、上記問題点を解決するために本発明
は、固定スクロールを構成するフレームと鏡板ハネ部の
それぞれ相対する位置にフレーム部に内周側の、鏡板ハ
ネ部に外周側の円筒状のスライド部を設け、その外側に
さらにフレーム部と鏡板ハネ部のいずれかにピンを設
け、また相対する位置に円形の凹部を設けたものであ
る。

【００１３】また、上記問題点を解決するために本発明
は、固定スクロールを構成するフレームと鏡板ハネ部の
それぞれ相対する位置にフレーム部に外周側の、鏡板ハ
ネ部に内周側の円筒状のスライド部を設け、その外側に
さらにフレーム部と鏡板ハネ部のいずれかにピンを設
け、また相対する位置に円形の凹部を設けたものであ
る。

【００１４】また、上記問題点を解決するために本発明
は、固定スクロールを構成するフレームおよび鏡板ハネ
部のそれぞれ相対する位置に円筒状のスライド部を設
け、その内側にさらにフレーム部と鏡板ハネ部のいずれ
かにピンを設け、また相対する位置に円形の凹部を設け
たものである。

【００１５】また、上記問題点を解決するために本発明
は、固定スクロールを構成するフレームと鏡板ハネ部の
それぞれ相対する位置にフレーム部に内周側の、鏡板ハ
ネ部に外周側の円筒状のスライド部を設け、その内側に
さらにフレーム部と鏡板ハネ部のいずれかにピンを設
け、また相対する位置に円形の凹部を設けたものであ
る。

【００１６】また、上記問題点を解決するために本発明
は、固定スクロールを構成するフレームと鏡板ハネ部の
それぞれ相対する位置にフレーム部に外周側の、鏡板ハ
ネ部に内周側の円筒状のスライド部を設け、その内側に
さらにフレーム部と鏡板ハネ部のいずれかにピンを設
け、また相対する位置に円形の凹部を設けたものであ
る。

【００１７】上記問題点を解決するために本発明は、固
定スクロールを構成するフレームおよび鏡板ハネ部のそ
れぞれ相対する位置に円筒状のスライド部を設け、さら
にフレーム部と鏡板ハネ部のいずれかにピンを設け、ま
た相対する位置に直線部を持った凹部を設けたものであ
る。

【００１８】また、上記問題点を解決するために本発明
は、固定スクロールを構成するフレームおよび鏡板ハネ
部のそれぞれ相対する位置に円筒状のスライド部を設
け、その外側にさらにフレーム部と鏡板ハネ部のいずれ
かにピンを設け、また相対する位置に直線部を持った凹
部を設けたものである。

【００１９】また、上記問題点を解決するために本発明
は、固定スクロールを構成するフレームと鏡板ハネ部の
それぞれ相対する位置にフレーム部に内周側の、鏡板ハ
ネ部に外周側の円筒状のスライド部を設け、その外側に
さらにフレーム部と鏡板ハネ部のいずれかにピンを設
け、また相対する位置に直線部を持った凹部を設けたも
のである。

【００２０】また、上記問題点を解決するために本発明
は、固定スクロールを構成するフレームと鏡板ハネ部の
それぞれ相対する位置にフレーム部に外周側の、鏡板ハ
ネ部に内周側の円筒状のスライド部を設け、その外側に
さらにフレーム部と鏡板ハネ部のいずれかにピンを設
け、また相対する位置に直線部を持った凹部を設けたも
のである。

【００２１】また、上記問題点を解決するために本発明
は、固定スクロールを構成するフレームおよび鏡板ハネ
部のそれぞれ相対する位置に円筒状のスライド部を設
け、その内側にさらにフレーム部と鏡板ハネ部のいずれ
かにピンを設け、また相対する位置に直線部を持った凹
部を設けたものである。

【００２２】また、上記問題点を解決するために本発明
は、固定スクロールを構成するフレームと鏡板ハネ部の
それぞれ相対する位置にフレーム部に内周側の、鏡板ハ
ネ部に外周側の円筒状のスライド部を設け、その内側に
さらにフレーム部と鏡板ハネ部のいずれかにピンを設
け、また相対する位置に直線部を持った凹部を設けたも
のである。

【００２３】また、上記問題点を解決するために本発明
は、固定スクロールを構成するフレームと鏡板ハネ部の
それぞれ相対する位置にフレーム部に外周側の、鏡板ハ
ネ部に内周側の円筒状のスライド部を設け、その内側に
さらにフレーム部と鏡板ハネ部のいずれかにピンを設
け、また相対する位置に直線部を持った凹部を設けたも
のである。

【００２４】また、上記問題点を解決するために本発明
は、固定スクロールを構成する鏡板ハネ部とフレーム部
に設けられたスライド部でこじれが生じないように鏡板
ハネ部の軸方向の移動可能距離を設定したものである。

【００２５】

【作用】この構成によって、鏡板ハネ部とフレーム部に
それぞれ設けられたスライド部で鏡板ハネ部とフレーム
部の平面内での位置を容易に決定することができる。こ
こで、スライド部製作は、切削加工で容易に行えるもの
である。さらに鏡板ハネ部とフレーム部のいずれかに固
定されたピンと円形の凹部により、回転方向の位置も容
易に決定することができる。ピンは焼き嵌め、圧入等の
手段で固定でき、円形の凹部もドリル，リーマやエンド
ミルなどの工具で容易に精度良く開けられるものであ
る。従って、固定スクロールを構成するフレーム部と鏡
板ハネ部は平面方向の組立精度を向上させることがで
き、圧縮行程における可動スクロールとのスクロールハ
ネの位置関係は設計した通りに変動することなど精度良
く運転することができ、低コストで性能の良いスクロー
ル圧縮機を提供することができるものである。

【００２６】また、スライド部をピンおよび円形の凹部
の内側に構成することにより、スライド部の切削加工寸
法を小さくすることができるため、直径の寸法精度がで
やすくなりスライド部の隙間を小さくすることができ
る。従って、鏡板ハネ部の平面方向の組立精度を向上さ
せることができ、さらに鏡板ハネ部は小さな隙間のスラ
イド部にそって滑らかに軸方向に移動することができ、
ハネ先端での洩れを減少させ、効率の良い圧縮機を提供
することができる。さらに、ピンと円形の凹部による回
転方向位置決めに関しては、上述の通りであり、固定ス
クロールを構成するフレーム部と鏡板ハネ部は平面方向
の組立精度を向上させることができ、圧縮行程における
可動スクロールとのスクロールハネの位置関係は設計し
た通りに変動することなく精度良く運転することがで
き、低コストで性能の良いスクロール圧縮機を提供する
ことができるものである。

【００２７】また、スライド部をピンおよび円形の凹部
の内側で鏡板ハネ部側に外周の、フレーム部側に内周の
スライド部を構成することにより、スライド部の切削加
工寸法を小さくすることができ、さらに加工工具の選定
が容易になるため直径の寸法精度がでやすくなりスライ
ド部の隙間を小さくすることができる。従って、鏡板ハ
ネ部の平面方向の位置関係の組立精度を向上させること
ができ、さらに鏡板ハネ部は小さな隙間のスライド部に
そって滑らかに軸方向に移動することができ、ハネ先端
での洩れを減少させ、効率の良い圧縮機を提供すること
ができる。さらに、ピンと円形の凹部による回転方向位
置決めに関しては、上述の通りであり、固定スクロール
を構成するフレーム部と鏡板ハネ部は平面方向の組立精
度を向上させることができ、圧縮行程における可動スク
ロールとのスクロールハネの位置関係は設計した通りに
変動することなく精度良く運転することができ、低コス
トで性能の良いスクロール圧縮機を提供することができ
るものである。

【００２８】また、鏡板ハネ部に内周の、フレーム部に
外周のスライド部を構成しても同様の作用を得ることが
できる。

【００２９】また、スライド部をピンおよび円形の凹部
の外側に構成することにより、スライド部の切削加工寸
法を大きくすることができるため、剛性の高い切削工具
を使用することが可能となるため直径の寸法精度がでや
すくなり、スライド部の隙間を小さくすることができ
る。従って、鏡板ハネ部の平面方向の組立精度を向上さ
せることができ、さらに鏡板ハネ部は小さな隙間のスラ
イド部にそって滑らかに軸方向に移動することができ、
ハネ先端での洩れを減少させ、効率の良い圧縮機を提供
することができる。さらに、ピンと円形の凹部による回
転方向位置決めに関しては、上述の通りであり、固定ス
クロールを構成するフレーム部と鏡板ハネ部は平面方向
の組立精度を向上させることができ、圧縮行程における
可動スクロールとのスクロールハネの位置関係は設計し
た通りに変動することなく精度良く運転することがで
き、低コストで性能の良いスクロール圧縮機を提供する
ことができるものである。

【００３０】また、スライド部をピンおよび円形の凹部
の外側で鏡板ハネ部側に外周の、フレーム部側に内周の
スライド部を構成することにより、スライド部の切削加
工寸法を大きくすることができ、さらに高い剛性の切削
工具の選定が容易になるため、寸法精度がでやすくなり
スライド部の隙間を小さくすることができる。従って、
鏡板ハネ部の平面方向の組立精度を向上させることがで
き、さらに鏡板ハネ部はスライド部にそって滑らかに軸
方向に移動することができ、ハネ先端での洩れを減少さ
せ、効率の良い圧縮機を提供することができる。さら
に、ピンと円形の凹部による回転方向位置決めに関して
は、上述の通りであり、固定スクロールを構成するフレ
ーム部と鏡板ハネ部は平面方向の組立精度を向上させる
ことができ、圧縮行程における可動スクロールとのスク
ロールハネの位置関係は設計した通りに変動することな
く精度良く運転することができ、低コストで性能の良い
スクロール圧縮機を提供することができるものである。

【００３１】また、鏡板ハネ部に内周の、フレーム部に
外周のスライド部を構成しても同様の作用を得ることが
できる。

【００３２】この構成によって、鏡板ハネ部とフレーム
部にそれぞれ設けられたスライド部で鏡板ハネ部とフレ
ーム部の平面内での位置を容易に決定することができ
る。ここで、スライド部製作は、切削加工で容易に行え
るものである。さらに鏡板ハネ部とフレーム部のいずれ
かに固定されたピンと直線部を持った凹部により、回転
方向の位置も非常に容易に決定することができる。ピン
は焼き嵌め、圧入等の手段で固定でき、切り欠きはエン
ドミルなどの工具により容易に精度良く加工できるもの
である。ここで、切り欠きの位置精度は、回転方向の位
置を押さえていれば、平面方向の位置は多少ズレてもピ
ンと相対する位置の平面部で回転方向の位置が決まり、
平面方向の位置はスライド部のみで決まり、両中心間の
ピッチ寸法の誤差によるこじれや位置決め精度の悪化な
どがなくなり、非常に容易な加工で精度の高い組立が行
うことができる。ここで、直線部を持った凹部はその幅
寸法も抑制することが必要であるが、スクロール圧縮機
においては廻り止めのオルダムリングで非常に精度の良
いキー溝を製作しており、本発明のような直線部を持っ
た凹部は非常に容易に精度良く製作することができる。
従って、鏡板ハネ部はスライド部にそって滑らかに軸方
向に移動することができ、ハネ先端での洩れを少なくす
ることができ性能の良いスクロール圧縮機を提供するこ
とができる。また、固定スクロールの鏡板ハネ部と可動
スクロールのハネの位置関係はあたかも一体の部品のよ
うに容易に組立を行うことができ、圧縮行程における可
動スクロールと鏡板ハネ部の位置関係は設計した通りに
変動することなく精度良く運転することができ、さらに
低コストで性能の良いスクロール圧縮機を提供すること
ができるものである。

【００３３】また、スライド部をピンおよび直線部を持
った凹部の内側に構成することにより、スライド部の切
削加工寸法が小さくなるため、寸法精度がでやすくなり
スライド部の隙間を小さくすることができる。従って、
鏡板ハネ部の平面の位置関係の組立精度を向上させるこ
とができ、さらに鏡板ハネ部はスライド部にそって滑ら
かに軸方向に移動することができ、ハネ先端での洩れを
減少させ、効率の良い圧縮機を提供することができる。
さらに、ピンと直線部を持った凹部による回転方向位置
決めに関しては、上述の通りであり、固定スクロールの
鏡板ハネ部と可動スクロールのハネの位置関係はあたか
も一体の部品のように容易に組立を行うことができ、圧
縮行程における可動スクロールと鏡板ハネ部の位置関係
は設計した通りに変動することなく精度良く運転するこ
とができ、さらに低コストで性能の良いスクロール圧縮
機を提供することができるものである。

【００３４】また、スライド部をピンおよび直線部を持
った凹部の内側で鏡板ハネ部側に外周の、フレーム部側
に内周のスライド部を構成することにより、スライド部
の切削加工寸法が小さく、加工工具の選定が容易になる
ため、寸法精度がでやすくなりスライド部の隙間を小さ
くすることができる。従って、鏡板ハネ部の平面の位置
関係の組立精度を向上させることができ、さらに鏡板ハ
ネ部はスライド部にそって滑らかに軸方向に移動するこ
とができ、ハネ先端での洩れを減少させ、効率の良い圧
縮機を提供することができる。さらに、ピンと直線部を
持った凹部による回転方向位置決めに関しては上述の通
りであり、固定スクロールの鏡板ハネ部と可動スクロー
ルのハネの位置関係はあたかも一体の部品のように容易
に組立を行うことができ、圧縮行程における可動スクロ
ールと鏡板ハネ部の位置関係は設計した通りに変動する
ことなく精度良く運転することができ、さらに低コスト
で性能の良いスクロール圧縮機を提供することができる
ものである。

【００３５】また、鏡板ハネ部に内周の、フレーム部に
外周のスライド部を構成しても同様の作用を得ることが
できる。

【００３６】また、スライド部をピンおよび直線部を持
った凹部の外側に構成することにより、スライド部の切
削加工寸法が大きくなるため、剛性の高い切削工具を使
用することが可能となり寸法精度がでやすくなり、スラ
イド部の隙間を小さくすることができる。従って、鏡板
ハネ部とフレーム部の平面の位置の組立精度を向上させ
ることができ、さらに鏡板ハネ部はスライド部にそって
滑らかに軸方向に移動することができ、ハネ先端での洩
れを減少させ、効率の良い圧縮機を提供することができ
る。さらに、ピンと直線部を持った凹部による回転方向
位置決めに関しては、上述の通りであり、固定スクロー
ルの鏡板ハネ部と可動スクロールのハネの位置関係はあ
たかも一体の部品のように容易に組立を行うことがで
き、圧縮行程における可動スクロールと鏡板ハネ部の位
置関係は設計した通りに変動することなく精度良く運転
することができ、さらに低コストで性能の良いスクロー
ル圧縮機を提供することができるものである。

【００３７】また、スライド部をピンおよび直線部を持
った凹部の外側で鏡板ハネ部側に外周の、フレーム部側
に内周のスライド部を構成することにより、スライド部
の切削加工寸法が大きく、剛性の高い切削工具の選定が
容易になるため、寸法精度がでやすくなりスライド部の
隙間を小さくすることができる。従って、鏡板ハネ部と
フレーム部の平面の位置関係の組立精度を向上させるこ
とができ、さらに鏡板ハネ部はスライド部にそって滑ら
かに軸方向に移動することができ、ハネ先端での洩れを
減少させ、効率の良い圧縮機を提供することができる。
さらに、ピンと直線部を持った凹部による回転方向位置
決めに関しては、上述の通りであり、固定スクロールの
鏡板ハネ部と可動スクロールのハネの位置関係はあたか
も一体の部品のように容易に組立を行うことができ、圧
縮行程における可動スクロールと鏡板ハネ部の位置関係
は設計した通りに変動することなく精度良く運転するこ
とができ、さらに低コストで性能の良いスクロール圧縮
機を提供することができるものである。

【００３８】また、鏡板ハネ部に内周の、フレーム部に
外周のスライド部を構成しても同様の作用を得ることが
できるものである。

【００３９】この構成によって、固定スクロールを構成
する鏡板ハネ部は、フレーム部と鏡板ハネ部に設けられ
たスライド部がこじるまえに、鏡板ハネ部背面とフレー
ム部が接触し、スライド部のこじれを防止するために、
あらゆる圧縮機の運転条件において、鏡板ハネ部はスラ
イド部にそって滑らかに軸方向に移動することができ、
性能の良好なスクロール圧縮機を提供することができる
ものである。

【００４０】

【実施例】以下、本発明について図１〜５を参考に説明
する。図１は第１の本発明のスクロール流体機械の縦断
面図、図２は第２の発明による固定スクロール付近の縦
断面図およびその要部拡大図、図３（ａ），（ｂ）は第
３の発明による固定スクロール付近の縦断面図である。

【００４１】ここで図１の本発明のスクロール流体機械
の縦断面図は、図６の従来のスクロール流体機械の縦断
面図と固定スクロールを除いてほぼ同一であるので、同
一機能部品については、同一番号を使用する。

【００４２】密閉容器１の内部の固定スクロール２５
は、フレーム部２５ａと鏡板ハネ部２５ｂより構成さ
れ、各々の中心部に円筒状のスライド部２５ｃとフレー
ム部２５ａにピン２５ｄが圧入され相対する鏡板ハネ部
２５ｅに円形の凹部が設けられており勘合して回転方向
の位置決めを行っている。また、固定スクロール２５に
対して旋回運動する可動スクロール２ｂを噛み合わせた
圧縮機構２と、可動スクロール２ｂを支えるスラスト軸
受３、スラスト軸受３を支承する軸受部品４を上部に設
けている。そして可動スクロール２ｂの軸２ｃを、クラ
ンク軸５の端部５ａに設けられた円形の凹部５ｂの偏芯
軸受６に挿入し可動スクロール２ｂをクランク軸５によ
り旋回運動させる。クランク軸５には電動機７の回転子
７ａが取り付けられており、密閉容器１に焼き嵌め固定
された固定子７ｂとともに軸受部品４の下部に配設され
ている。クランク軸５は、軸受部品４の主軸受８と副軸
受２３とで支えられている。密閉容器１の下方底部には
潤滑油９を貯溜する油だめ１０が設けられている。また
密閉容器１の側部にはガスの吸入管１１が設けられてい
る。そして密閉容器１の内部には吸入側のガス圧力が作
用する構成となっている。前記軸受部品４には主軸受
８、副軸受２３、偏芯軸受６、スラスト軸受３を潤滑、
冷却した潤滑油９を排出する油排出口１２が設けられて
いる。クランク軸５には潤滑油９を各軸受部、即ち主軸
受８、副軸受２３、偏芯軸受６、スラスト軸受３へ供給
する貫通穴１３を設け、かつクランク軸５の下端には油
ガイド１４を圧入または、焼き嵌め固定して取り付け、
潤滑油９を吸い上げるようにしている。１５は固定スク
ロールの上部に設けられた吐出チャンバー、１６は密閉
容器１の外へ圧縮ガスを出す吐出管である。フレーム部
２５ａと軸受部品４とはボルトで締結されている。１９
は停止時に可動スクロール２ｂが逆転するのを防ぐため
の逆止弁、２４は逆止弁の動きを規制する逆止弁ガイ
ド、２０は可動スクロール２ｂを固定スクロール２５に
対して旋回運動させるための自転防止用のオルダムリン
グ、２１は圧縮機構２へ低圧ガスを吸い込ませる軸受部
品４に設けた吸入口である。次に上記構成からなる圧縮
機構の作用を説明する。低圧ガスは吸入管１１より戻
り、圧縮機構２へ吸入される。固定スクロール２５に対
して可動スクロール２ｂが旋回運動することにより、吸
入されたガスが圧縮機構２で圧縮された高圧ガスにな
り、一旦吐出チャンバー１５へ入る。そして吐出管１６
より密閉容器１外へ吐出し、再び低圧ガスを循環させ、
周知の圧縮サイクルを構成する。鏡板ハネ部２５ｂは、
スクロールハネにより圧縮されるガス圧力に勝ってハネ
先端の隙間を小さくするために、鏡板ハネ部２５ｂとフ
レーム部２５ａの間にバネや圧縮した高圧のガスによる
附勢手段を構成している。４０は高圧と低圧をシールす
るシール材である。

【００４３】上記構成のように回転方向位置決めのピン
および円形の凹部の内側の円筒状のスライド部２５ｃは
フレーム部２５ａおよび鏡板ハネ部２５ｂの中心に小径
で構成されており、各部品の製作時に切削加工により平
面方向の位置の精度を効率良く決めることができる。ま
た、スライド部２５ｃは小径のため寸法精度も確保しや
すくフレーム部２５ａと鏡板ハネ部２５ｂのスライド部
２５ｃの隙間を圧縮行程中の位置変動を無視できるまで
小さく設定することができ、スライド部２５ｃにそって
滑らかに軸方向に移動することができる。また、フレー
ム部２５ａの穴に圧入または焼き嵌めされたピン２５ｄ
と鏡板ハネ部２５ｂに設けられた円形の凹部はいずれも
加工でその位置精度を出すことは容易でありその穴を基
準にスクロールハネの加工を行うことにより角度方向の
位置を決めることができる。従って、固定スクロール２
５として平面方向および角度方向の位置決めはフレーム
部２５ａと鏡板ハネ部２５ｂを組み合わせることによ
り、一体で構成されたものと同等の精度で組み立てるこ
とができるため、圧縮行程におけるスクロールハネ同志
のずれが少なくなり、かつ鏡板ハネ部２５ｂが滑らかに
軸方向に移動しハネ先端のガス洩れを防止することがで
きるため、より高性能なスクロール圧縮機を提供するこ
とができる。

【００４４】また、図４に示すように第１の発明の応用
として、回転方向の位置を決めるピン３１ｄおよび円形
の凹部３１ｅの外側にフレーム部３１ａおよび鏡板ハネ
部３１ｂと中心を同じにした円筒状のスライド部３１ｃ
を大径で構成した場合は、各部品の製作時に切削加工に
より平面方向の位置の精度を効率良く決めることがで
き、またスライド部３１ｃは大径のため剛性の高い切削
工具で加工することができるため寸法精度も確保しやす
く、また低温で低圧の雰囲気中に構成されているため、
温度および圧力による寸法変化や変形の影響が少なく、
フレーム部３１ａと鏡板ハネ部３１ｂのスライド部の隙
間を圧縮行程中の位置変動を無視できるまで小さく設定
することができ、鏡板ハネ部３１ｂはスライド部３１ｃ
にそって滑らかに軸方向に移動することができる。フレ
ーム部３１ａの穴に圧入または焼き嵌めされたピン３１
ｄと鏡板ハネ部３１ｂに設けられた円形の凹部３１ｅは
いずれも加工でその位置精度を出すことは容易でありそ
の円形の凹部を基準にスクロールハネの加工を行うこと
により角度方向の位置を決めることができる。従って、
固定スクロール３１として平面方向および角度方向の位
置決めはフレーム部３１ａと鏡板ハネ部３１ｂを組み合
わせることにより、一体で構成されたものと同等の精度
で組み立てることができるため、圧縮行程におけるスク
ロールハネ同志のずれが少なくなり、かつ鏡板ハネ部３
１ｂが滑らかに軸方向に移動しハネ先端のガス洩れを防
止することができるため、より高性能なスクロール圧縮
機を提供することができる。

【００４５】次に第２の発明の作用について図２
（ａ），（ｂ）を用いて説明する。第２の発明は、第１
の発明と固定スクロール回りを除いて同一であるので、
全体の説明を省略して、第１の発明との差異を中心に説
明する。

【００４６】密閉容器１の内部の固定スクロール２６
は、フレーム部２６ａと鏡板ハネ部２６ｂより構成さ
れ、各々の中心部に円筒状のスライド部２６ｃとフレー
ム部２６ａにピン２６ｄが圧入され相対する鏡板ハネ部
２６ｅに直線部を持った凹部が設けられており勘合して
回転方向の位置決めを行っている。

【００４７】上記構成のように回転方向位置決めのピン
２６ｄおよび直線部を持った凹部２６ｅの内側の円筒状
のスライド部２６ｃはフレーム部２６ａおよび鏡板ハネ
部２６ｄの中心に小径で構成されており、各部品の製作
時に切削加工により平面方向の位置の精度を効率良く決
めることができる。また、スライド部２６ｃは小径のた
め寸法精度も確保しやすくフレーム部２６ａと鏡板ハネ
部２６ｂのスライド部２６ｃの隙間を圧縮行程中の位置
変動を無視できるまで小さく設定することができ、スラ
イド部にそって滑らかに軸方向に移動することができ
る。また、フレーム部２６ａの穴に圧入または焼き嵌め
されたピン位置を決めるのはフレーム部２６ａに開けら
れた穴でその加工は回転方向の位置精度のみを出すこと
は非常に容易である。さらに、鏡板ハネ部２６ｄの直線
部を持った凹部２６ｅは直線部２６ｆでピンとの位置を
決めるため、回転方向の位置と切り欠きの幅の精度を出
さなければならないが、スクロール圧縮機を製作する上
で、廻り止めにオルダムリングを用いている場合が多
く、直線部を持った凹部２６ｅの幅を精度良く加工する
ことは容易である。回転方向の位置を決めることは、そ
の直線部を持った凹部を基準にスクロールハネの加工を
行うことにより非常に容易である。従って、固定スクロ
ール２６として平面方向および角度方向の位置決めはフ
レーム部２６ａと鏡板ハネ部２６ｂを組み合わせること
により、一体で構成されたものと同等の精度で組み立て
ることができるため、圧縮行程におけるスクロールハネ
同志のずれが少なくなり、かつ鏡板ハネ部が滑らかに軸
方向に移動しハネ先端のガス洩れを防止することができ
るため、より高性能なスクロール圧縮機を提供すること
ができる。

【００４８】また、図５に示すように第２の発明の応用
として、回転方向の位置を決めるピン３２ｄおよび直線
部を持った凹部３２ｅの外側にフレーム部３２ａおよび
鏡板ハネ部３２ｂと中心を同じにした円筒状のスライド
部３２ｃを大径で構成した場合は、各部品の製作時に切
削加工により平面方向の位置の精度を効率良く決めるこ
とができ、またスライド部３２ｃは大径のため剛性の高
い切削工具で加工することができるため寸法精度も確保
しやすく、また低温で低圧の雰囲気中に構成されている
ため、温度および圧力による寸法変化や変形の影響が少
なく、フレーム部３２ａと鏡板ハネ部３２ｂのスライド
部３２ｃの隙間を圧縮行程中の位置変動を無視できるま
で小さく設定することができ、鏡板ハネ部３２ｂはスラ
イド部３２ｃにそって滑らかに軸方向に移動することが
できる。また、フレーム部３２ｃに圧入または焼き嵌め
されたピン位置を決めるのはフレーム部３２ｃに開けら
れた穴でその穴加工は回転方向の位置精度のみを出すこ
とは非常に容易である。さらに、鏡板ハネ部３２ｂの直
線部を持った凹部３２ｅは直線部３２ｆでピン３２ｄと
の位置を決めるため、回転方向の位置と直線部を持った
凹部の幅の精度を出さなければならないが、スクロール
圧縮機を製作する上で、廻り止めにオルダムリングを用
いている場合が多く、直線部を持った凹部３２ｅの幅を
精度良く加工することは容易である。回転方向の位置を
決めることは、切り欠きを基準にスクロールハネの加工
を行うことにより非常に容易である。従って、固定スク
ロール３２として平面方向および角度方向の位置決めは
フレーム部３２ａと鏡板ハネ部３２ｂを組み合わせるこ
とにより、一体で構成されたものと同等の精度で組み立
てることができるため、圧縮行程におけるスクロールハ
ネ同志のずれが少なくなり、かつ鏡板ハネ部３２ｂが滑
らかに軸方向に移動しハネ先端のガス洩れを防止するこ
とができるため、より高性能なスクロール圧縮機を安価
に提供することができる。

【００４９】次に第３の発明の作用について図３
（ａ），（ｂ）を用いて説明する。第３の発明は、第１
の発明と固定スクロール回りを除いて同一であるので、
全体の説明を省略して、第１の発明との差異を中心に説
明する。

【００５０】密閉容器１の内部の固定スクロール２７
は、フレーム部２７ａと鏡板ハネ部２７ｂより構成さ
れ、各々の中心部に円筒状のスライド部２７ｃで軸方向
に移動可能に位置決めを行い、その軸方向移動可能距離
は鏡板ハネ部２７ｂが斜めになって動作した場合でもス
ライド部２７ｃでこじれを生じず、鏡板ハネ部の最外周
２７ｈで接触させるようにスライド部２７ｃの隙間寸
法、鏡板ハネ部２７ｂとフレーム部２７ａの隙間寸法お
よび鏡板ハネ部２７ｂの外径寸法を設定して固定スクロ
ール２７を構成している。

【００５１】上記構成のようにいかなる運転状態におい
ても鏡板ハネ部２７ｂは軸方向に移動可能に位置決めさ
れたスライド部２７ｃとこじることがないため、常に滑
らかに軸方向に移動することができ、ハネ先端での圧縮
ガス洩れを抑制することができるため、高性能なスクロ
ール圧縮機を提供することができる。

【００５２】

【発明の効果】以上のように本発明は、フレーム部と鏡
板ハネ部を一対の円筒状のスライド部と一対のピンと円
形の凹部で平面方向および回転方向の位置決めを行うよ
うにしたため、フレーム部と鏡板ハネ部は容易に精度良
く加工することができ、その２部品に分割された固定ス
クロールは容易にあたかも一体の部品のように精度良く
組み立てることが可能となり圧縮行程における可動スク
ロールと固定スクロール鏡板ハネ部の位置関係は設計し
た通りに変動することなく運転できるようになったた
め、性能の良いスクロール圧縮機を安価に提供できる。
さらに、円筒状のスライド部により滑らかに軸方向に移
動することが可能となりハネ先端での圧縮ガスの洩れを
抑制することが可能となりさらに性能の良いスクロール
圧縮機を提供することが可能となる。

【００５３】以上のように本発明は、フレーム部と鏡板
ハネ部を一対の円筒状のスライド部と一対のピンと直線
部を持った直線部で平面方向および回転方向の位置決め
を行うようにしたため、フレーム部と鏡板ハネ部は非常
に容易に精度良く加工することができ、その２部品に分
割された固定スクロールは非常に容易にあたかも一体の
部品のように精度良く組み立てることが可能となり圧縮
行程における可動スクロールと固定スクロール鏡板ハネ
部の位置関係は設計した通りに変動することなく運転で
きるようになったため、性能の良いスクロール圧縮機を
非常に安価に提供できる。さらに、円筒状のスライド部
により滑らかに軸方向に移動することが可能となりハネ
先端での圧縮ガスの洩れを抑制することが可能となりさ
らに性能の良いスクロール圧縮機を提供することが可能
となる。

【００５４】以上のように本発明は、一対の円筒状のス
ライド部で軸方向に移動可能に勘合された鏡板ハネ部が
フレーム部に対して傾いてもこじることのないようにス
ライド部の隙間寸法、鏡板ハネ部とフレーム部の隙間寸
法および鏡板ハネ部の外径寸法を設定することにより、
鏡板ハネ部は円筒状のスライド部にそって滑らかに軸方
向に移動可能となり、ハネ先端での圧縮ガスの洩れを抑
制することが可能となり性能の良いスクロール圧縮機を
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の本発明の一実施例を示すスクロール流体
機械の縦断面図

【図２】（ａ）は第２の本発明による固定スクロール付
近の縦断面図（ｂ）は同要部拡大図

【図３】（ａ）は第３の本発明による固定スクロール付
近の縦断面図（ｂ）は同縦断面図

【図４】第１の本発明の他の実施例を示す固定スクロー
ル付近の縦断面図

【図５】第２の本発明の他の実施例を示す固定スクロー
ル付近の縦断面図

【図６】従来のスクロール流体機械の縦断面図

【符号の説明】

１密閉容器２圧縮機構２ｂ可動スクロール３スラスト軸受４軸受部品５クランク軸６偏芯軸受７電動機７ａ回転子７ｂ固定子８主軸受９潤滑油１０油だめ１１吸入管１２油排出口１３貫通穴１４油ガイド１５吐出チャンバー１６吐出管１８切り欠き部１９逆止弁２０オルダムリング２４逆止弁ガイド２５ａ、２６ａ、２７ａ、２９ａ、３１ａ、３２ａフ
レーム部２５ｂ、２６ｂ、２７ｂ、２９ｂ、３１ｂ、３２ｂ鏡
板ハネ部２５ｃ、２６ｃ、２７ｃ、２９ｃ、３１ｃ、３２ｃス
ライド部２５ｄ、２６ｄ、２７ｄ、３１ｄ、３２ｄピン２５ｅ、３１ｅ穴２６ｅ、２７ｅ、３２ｅ切り欠き２６ｆ、３２ｆ切り欠き直線部２７ｈ最外周３０ガイドポスト４０シール材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者橋本雄史大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】密閉容器の内部に、フレーム部と鏡板ハネ
部からなり、この鏡板ハネ部は前記フレーム部に対し軸
方向に移動可能に構成された固定スクロールとこの固定
スクロールに対して旋回運動する可動スクロールを噛み
合わせてなる圧縮機構と、前記可動スクロールを支える
スラスト軸受と、軸受部品と、前記可動スクロールの軸
が勘合する偏芯軸受を具備し、かつ前記可動スクロール
を旋回駆動させるクランク軸と、前記クランク軸に取り
付けた回転子と、前記密閉容器に取り付けられた固定子
からなる電動機と、前記密閉容器の内部に潤滑油を貯蔵
する油だめとをそれぞれ設けて、前記固定スクロールを
構成する前記フレーム部および前記鏡板ハネ部の中心付
近の相対する部位に円筒状のスライドを設け、前記フレ
ーム部と前記鏡板ハネ部のいずれかにピンを、また、相
対する部位に円形の凹部を設けたスクロール圧縮機。
【請求項２】固定スクロールを構成するフレーム部およ
び鏡板ハネ部の中心付近の相対する部位に円筒状のスラ
イドを設け、前記固定スクロールを構成する前記フレー
ム部と前記鏡板ハネ部のいずれかにピンを、また、相対
する部位に円形の凹部を設け、前記ピンおよび前記円形
の凹部の内側に円筒状のスライドを構成した請求項１記
載のスクロール圧縮機。
【請求項３】鏡板ハネ部が外周でフレーム部が内周でス
ライドを構成した請求項２記載のスクロール圧縮機。
【請求項４】鏡板ハネ部が内周でフレーム部が外周でス
ライドを構成した請求項２記載のスクロール圧縮機。
【請求項５】固定スクロールを構成するフレーム部と鏡
板ハネ部の中心付近の相対する部位に円筒状のスライド
を設け、前記固定スクロールを構成する前記フレーム部
と前記鏡板ハネ部のいずれかにピンを、また、相対する
部位に円形の凹部を設け、前記ピンおよび前記円形の凹
部の外側に円筒状のスライドを構成した請求項１記載の
スクロール圧縮機。
【請求項６】鏡板ハネ部が外周でフレーム部が内周でス
ライドを構成した請求項５記載のスクロール圧縮機。
【請求項７】鏡板ハネ部が内周でフレーム部が外周でス
ライドを構成した請求項５記載のスクロール圧縮機。
【請求項８】密閉容器の内部に、フレーム部と鏡板ハネ
部からなり、前記鏡板ハネ部は前記フレーム部に対し軸
方向に移動可能に構成された固定スクロールとこの固定
スクロールに対して旋回運動する可動スクロールを噛み
合わせてなる圧縮機構と、前記可動スクロールを支える
スラスト軸受と、軸受部品と、前記可動スクロールの軸
が勘合する偏芯軸受を具備し、かつ前記可動スクロール
を旋回駆動させるクランク軸と、前記クランク軸に取り
付けた回転子と、前記密閉容器に取り付けられた固定子
からなる電動機と、前記密閉容器の内部に潤滑油を貯蔵
する油だめとをそれぞれ設けて、前記固定スクロールを
構成する前記フレーム部および前記鏡板ハネ部の中心付
近の相対する部位に円筒状のスライドを設け、フレーム
部と鏡板ハネ部のいずれかにピンを、また、相対する部
位に直線部を持った凹部を設けたスクロール圧縮機。
【請求項９】固定スクロールを構成するフレーム部およ
び鏡板ハネ部の中心付近の相対する部位に円筒状のスラ
イドを設け、固定スクロールを構成するフレーム部と鏡
板ハネ部のいずれかにピンを、また、相対する部位に直
線部を持った凹部を設け、ピンおよび直線部を持った凹
部の内側に円筒状のスライド部を構成した請求項８記載
のスクロール圧縮機。
【請求項１０】鏡板ハネ部が外周でフレーム部が内周で
スライドを構成した請求項９記載のスクロール圧縮機。
【請求項１１】鏡板ハネ部が内周でフレーム部が外周で
スライドを構成した請求項９記載のスクロール圧縮機。
【請求項１２】固定スクロールを構成するフレーム部と
鏡板ハネ部の中心付近の相対する部位に円筒状のスライ
ドを設け、前記固定スクロールを構成する前記フレーム
部と前記鏡板ハネ部のいずれかにピンを、また、相対す
る部位に直線部を持った凹部を設け、前記ピンおよび前
記直線部を持った凹部の外側に前記円筒状のスライド部
を構成した請求項８記載のスクロール圧縮機。
【請求項１３】鏡板ハネ部が外周でフレーム部が内周で
スライドを構成した請求項１２記載のスクロール圧縮
機。
【請求項１４】鏡板ハネ部が内周でフレーム部が外周で
スライドを構成した請求項１２記載のスクロール圧縮
機。
【請求項１５】密閉容器の内部に、フレーム部と鏡板ハ
ネ部からなり、この鏡板ハネ部は前記フレーム部に対し
軸方向にスライド可能に構成された固定スクロールとこ
の固定スクロールに対して旋回運動する可動スクロール
を噛み合わせてなる圧縮機構と、前記可動スクロールを
支えるスラスト軸受と、軸受部品と、前記可動スクロー
ルの軸が勘合する偏芯軸受を具備し、かつ前記可動スク
ロールを旋回駆動させるクランク軸と、前記クランク軸
に取り付けた回転子と、前記密閉容器に取り付けられた
固定子からなる電動機と、前記密閉容器の内部に潤滑油
を貯蔵する油だめとをそれぞれ設けて、前記固定スクロ
ールを構成する前記フレーム部と前記鏡板ハネ部のいず
れかにピンを、また、相対する部位に円形の凹部または
直線部を持つ凹部を設け、前記フレーム部と前記鏡板ハ
ネ部の中心付近の相対する部位に円筒状のスライド部を
設け、そのスライド部でこじれが生じないように前記固
定スクロールの前記鏡板ハネ部の軸方向の移動可能距離
を設定したスクロール圧縮機。