JP2009108762A - 回転式流体機械 - Google Patents

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祥孝 芝本
Takashi Shimizu
孝志 清水
Ryuzo Sotojima
隆造 外島
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Abstract

【課題】シリンダ内に形成された環状の空間内に環状ピストンを配置し、該シリンダと環状ピストンとが相対的に偏心回転運動をする回転式流体機械において、高速運転時に、自転防止機構の慣性力による振動を低減できるようにする。
【解決手段】ピストン(40)がシリンダ(35)に対して偏心回転する回転式流体機械において、上記ピストン(40)のピストン側鏡板(41)の背面側で該ピストン(40)を支持するリアヘッド(50)を設ける。さらに、上記ピストン(40)のピストン側鏡板(41)に設けられた複数のピン(101)と、リアヘッド(50)に設けられ且つ各ピン(101)が挿入されて該ピンの移動を案内する複数のガイド穴(102)とを備えて上記ピストン(40)の自転を規制する自転防止機構(100)を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダ内に形成された環状の空間内に環状ピストンを配置し、該シリンダと環状ピストンとが相対的に偏心回転運動をする回転式流体機械に関するものである。
従来より、冷媒を圧縮する圧縮機等には、シリンダ内に形成された環状の空間(シリンダ室)内に環状ピストンを配置し、該シリンダと環状ピストンとが相対的に偏心回転運動をする回転式流体機械が用いられることがある。
このような回転式流体機械の一例としては、例えば特許文献1に記載された回転式流体機械が知られている。この回転式流体機械は、環状ピストンがシリンダに対して公転運動する回転式流体機械である。この回転式流体機械は、特許文献1の図6に示されるように、シリンダ室が、高圧室と低圧室とに凹型のブレードで仕切られている。この凹型のブレードは、シリンダの径方向(X方向と呼ぶ)に摺動できるようになっている。また、ピストンの一部には、ブレードの凹部が摺動する平面部が設けられている。これにより、ブレードは、X方向に直行する方向に、ピストンに対して摺動できる。したがって、ピストンが移動できる方向は、シリンダの径方向と、シリンダの径方向と直交する方向とになる。つまり、ブレード、ピストン、及びシリンダによって自転防止機構が構成され、ピストンの自転が防止されている。また、特許文献1の図3には、ピストン、オルダムリング、及び下部ハウジングによって、オルダム継手を構成し、ピストンの自転を防止している例も記載されている。
上記のように、環状ピストンがシリンダに対して公転運動する回転式流体機械では、オルダム継手などの自転防止機構を設けて環状ピストンの自転が防止されている。
韓国特許第10−0436864号明細書
しかしながら、上記のように、オルダムリングを有する自転防止機構は、オルダムリングが往復運動するので、高速運転時にはこの慣性力に基づく振動が大きくなるという問題がある。しかも、このようなオルダム継手を構成するには十字方向にキー及びキー溝を形成する必要があるので複雑な加工が必要となり、例えば製造コストアップに繋がる。
また、上記のように、ブレード、ピストン、及びシリンダからなる自転防止機構では、安定した摺動と耐久性を保証するには、ブレードの厚さが一定以上必要になる。そして、その結果としてブレードの質量が大きくなり、ブレードの慣性力に基づく振動が大きくなってしまう可能性がある。
本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、高速運転時に、自転防止機構の慣性力による振動を低減できるようにすることを目的としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、複数のピン(101)と、各ピン(101)が挿入されて該ピン(101)の移動を案内する複数のガイド穴(102)とを備えて上記可動側共働部材(40)の自転を規制する自転防止機構(100)を設けた。
具体的に、第1の発明は、
環状のシリンダ室(60,65)を有し且つ背面に鏡板(36)を有するシリンダ(35)と、該シリンダ(35)に対して偏心して上記シリンダ室(60,65)に収納されて該シリンダ室(60,65)を外側作動室(60)と内側作動室(65)とに区画し、背面に鏡板(41)を有する環状のピストン(40)と、上記各作動室(60,65)を高圧側(61,66)と低圧側(62,67)とに区画するブレード(45)とを備え、上記ピストン(40)及びシリンダ(35)の何れか一方が固定側共働部材(35)に構成され、他方が可動側共働部材(40)に構成されて該可動側共働部材(40)が固定側共働部材(35)に対して偏心回転する回転式流体機械であって、
上記可動側共働部材(40)の鏡板(41)の背面側で該可動側共働部材(40)を支持する支持部材(50)と、
上記可動側共働部材(40)の鏡板(41)と上記支持部材(50)の両対向部材の何れか一方に設けられた複数のピン(101)と、他方の対向部材に設けられ且つ各ピン(101)が挿入されて該ピン(101)の移動を案内する複数のガイド穴(102)とを備えて上記可動側共働部材(40)の自転を規制する自転防止機構(100)と、
を備えていることを特徴とする。
また、第2の発明は、
C字型溝のシリンダ室(61,66,67)を有し、且つ背面に鏡板(36)を有するシリンダ(35)と、該シリンダ(35)に対して偏心して上記シリンダ室(61,66,67)に収納されて、背面に鏡板(41)を有するピストン(40)と、上記シリンダ室(61,66,67)内で上記ピストン(40)の一端に当接して、該シリンダ室(61,66,67)を外側作動室(61)と内側作動室(67)とに区画するブレード(45)とを備え、上記ピストン(40)及びシリンダ(35)の何れか一方が固定側共働部材(35)に構成され、他方が可動側共働部材(40)に構成されて該可動側共働部材(40)が固定側共働部材(35)に対して偏心回転する回転式流体機械であって、
上記可動側共働部材(40)の鏡板(41)の背面側で該可動側共働部材(40)を支持する支持部材(50)と、
上記可動側共働部材(40)の鏡板(41)と上記支持部材(50)の両対向部材の何れか一方に設けられた複数のピン(101)と、他方の対向部材に設けられ且つ各ピン(101)が挿入されて該ピン(101)の移動を案内する複数のガイド穴(102)とを備えて上記可動側共働部材(40)の自転を規制する自転防止機構(100)と、
を備えていることを特徴とする。
これらにより、ピン(101)の移動がガイド穴(102)によって規制されるので、可動側共働部材(40)の自転が確実に阻止されて、該ピストン(40)が固定側共働部材(35)に対して公転することになる。そして、ピン(101)とガイド穴(102)とによる自転防止機構(100)は、オルダム継手による自転防止機構のように、部材の往復運動ではなくピン(101)の回転運動が行なわれるので、自転防止機構自体が振動源になることがない。特に高速運転時でも低振動となる。
また、第3の発明は、
第1及び第2の発明うちの何れかにおいて、
上記両対向部材の間には、可動側共働部材(40)を固定側共働部材(35)に押し付ける背圧空間を形成するためのシールリング(70)が設けられ、
上記ガイド穴(102)側の対向部材には、上記シールリング(70)を嵌め込むためのシールリング溝(103)が形成されていることを特徴とする。
この構成により、運転時にガイド穴(102)とシールリング溝(103)との干渉が起こらない。したがって、運転時におけるガイド穴(102)とシールリング(70)との干渉を考慮せず回転式流体機械を設計できる。つまり、ガイド穴(102)とシールリング(70)とを別々の部材に設けたものと比べ、設計が容易である。また、ガイド穴(102)及びシールリング溝(103)を別々の部材に設けたものは、運転時におけるガイド穴(102)とシールリング溝(103)との干渉を避けるために、ピストン(40)やシリンダ(35)の鏡板を大きくする必要がある。しかし、本発明によれば、これらの鏡板を小さく設計することができる。
また、第4の発明は、
第1及び第2の発明うちの何れかにおいて、
上記ガイド穴(102)には、ガイド穴(102)側の対向部材よりも硬質のスリーブが嵌め込まれていることを特徴とする。
例えば、ガイド穴(102)が、ピン(101)との部分的な繰り返し摺動すると、偏摩耗する可能性がある。しかし、このような構成にすれば、耐摩耗性を向上させることができる。
また、第5の発明は、
第1の発明において、
上記ブレード(45)は、板状に形成され、ブレード(45)の長手方向がシリンダ(35)に対して該シリンダ(35)の半径方向であるX軸方向に移動自由に構成され、且つブレード(45)の厚さ方向がピストン(40)に対してX軸方向と直交するY方向に移動自在に構成されていることを特徴とする。
本発明のように構成されたブレード(45)を備えた回転式流体機械では、ブレード、ピストン、及びシリンダを自転防止機構として利用することができるが、この場合には、安定した摺動と耐久性を保証するために、ブレード(45)の厚さ(Y方向の幅)を一定以上確保する必要がある。しかし、本発明では、ピン(101)とガイド穴(102)とによる自転防止機構(100)によってピストン(40)の自転が防止される。したがって、ブレード、ピストン、及びシリンダからなるオルダム継手を自転防止機構とした回転式流体機械と比べてブレード(45)の厚さを小さくしても、安定した摺動と耐久性を保証することが可能になる。つまり、本発明では、ブレード(45)の小型化により、高速運転時において、ブレード(45)の往復運動(ブレードの慣性力)を起因とする振動が低減する。
また、第6の発明は、
第1及び第2の発明うちの何れかにおいて、
上記シリンダ(35)が固定側共働部材(35)に構成され、上記ピストン(40)が可動側共働部材(40)に構成されていることを特徴とする。
これにより、シリンダ(35)が固定されピストン(40)が可動する回転式流体機械において、ピストン(40)の自転が防止される。そして、ピストン(40)がシリンダ(35)に対して公転することになる。
また、第7の発明は、
第1及び第2の発明うちの何れかにおいて、
上記ピストン(40)が固定側共働部材(35)に構成され、上記シリンダ(35)が可動側共働部材(40)に構成されていることを特徴とする。
これにより、ピストン(40)が固定されシリンダ(35)が可動する回転式流体機械において、シリンダ(35)の自転が防止される。そして、シリンダ(35)がピストン(40)に対して公転することになる。
第1及び第2の発明によれば、ピン(101)とガイド穴(102)とによって可動側共働部材(40)の自転が防止される。そして、このピン(101)とガイド穴(102)による自転防止機構(100)は、オルダム継手による自転防止機構のように、往復運動をしないので、自転防止機構自体が振動源になることがなく、高速運転時の低振動化を図ることができる。また、オルダム継手は、リング部材の裏表面に突起のキーや窪みのキー溝を設ける必要があり、裏表の同時加工は容易にはできないため加工が複雑である。これに対し、ピン(101)とガイド穴(102)とによる自転防止機構(100)は、ピン(101)及びガイド穴(102)の径を設定するのみでよいので、このような複雑な加工が不要であり、コストの抑制もできる。
また、第3の発明によれば、運転時にガイド穴(102)とシールリング溝(103)との干渉が起こらない。つまり、ガイド穴(102)及びシールリング溝(103)を別々の部材に設けたものと比べ、容易に設計することができる。また固定側共働部材(35)及び可動側共働部材(40)の鏡板を小さく設計することができる。
また、第4の発明によれば、ガイド穴(102)が設けられた部材の耐摩耗性を向上させることができる。
また、第5の発明によれば、ブレード(45)の厚さを、ブレード、ピストン、及びシリンダからなるオルダム継手を自転防止機構とした回転式流体機械と比べ、小さくすることができる。つまり、本発明では、高速運転時において、ブレード(45)の往復運動(ブレードの慣性力)を起因とする振動を低減することができる。
また、第6の発明によれば、シリンダ(35)が固定され、ピストン(40)が可動する回転式流体機械において、ピストン(40)の自転が防止される。
また、第7の発明によれば、ピストン(40)が固定され、シリンダ(35)が可動する回転式流体機械において、シリンダ(35)の自転が防止される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、以下の各実施形態や変形例の説明において、一度説明した構成要素と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態として、例えば、空気調和装置の冷媒回路において、蒸発器から吸入した冷媒を圧縮して、凝縮器へ吐出するために用いられる圧縮機について説明する。
−圧縮機(1)の全体構成−
図1に示すように、圧縮機(1)は、ケーシング(10)内に、電動機(20)(駆動機構)と圧縮機構(30)とが収納され、全密閉型に構成されている。
ケーシング(10)は、縦長の円筒状に形成された円筒部(12)と、椀状に形成されて、該円筒部(12)の両端に外側に凸になるように配設される一対の端板部(13)と、によって構成された縦長の密閉容器である。そして、上記円筒部(12)の上端側を塞ぐ一方の端板部(13)には、該端板部(13)を厚み方向に貫通する吐出管(14)が設けられ、上記円筒部(12)には、該円筒部(12)を厚み方向に貫通する吸入管(15)が設けられている。
ここで、図1に示すように、上記吐出管(14)は、ケーシング(10)内部に連通している。一方、上記吸入管(15)は、該ケーシング(10)内の圧縮機構(30)に繋がっている。すなわち、上記圧縮機(1)は、圧縮機構(30)で圧縮された冷媒がケーシング(10)の内部空間へ吐出されて、その後、上記吐出管(14)を通ってケーシング(10)外へ送出されるように構成されており、該ケーシング(10)内が高圧の状態になる、いわゆる高圧ドーム型の圧縮機である。すなわち、上記ケーシング(10)内の空間が高圧空間(S2)となる。
上記ケーシング(10)の内部には、上から下へ向かって順に、駆動機構としての電動機(20)及び圧縮機構(30)が配設されている。また、上記ケーシング(10)の内部には、該ケーシング(10)の円筒部(12)内を筒軸方向に延びるように駆動軸(25)が配設されていて、この駆動軸(25)を介して、上記圧縮機構(30)及び電動機(20)が駆動連結されている。なお、密閉容器状の上記ケーシング(10)内の底部は、上記圧縮機構(30)の各摺動部等に供給される潤滑油が溜められている貯留部(59)になっている。
上記駆動軸(25)は、主軸部(26)と偏心部(27)とを有している。この偏心部(27)は、駆動軸(25)の下端寄りの位置で、上記主軸部(26)よりも大径の円柱状に形成されている。また、この偏心部(27)は、軸心が上記主軸部(26)の軸心に対して偏心するように設けられている。さらに、上記偏心部(27)は、後述する圧縮機構(30)のピストン(40)を貫通した状態で、該ピストン(40)に対して一体回転可能に固定されている。
また、上記駆動軸(25)の内部には、該駆動軸(25)の下端から上方へ延びる給油通路としての貫通孔(25a)が形成されている。これにより、上記ケーシング(10)内の底部に位置する上記貯留部(59)の潤滑油は、該ケーシング(10)内の高い圧力によって上記貫通孔(25a)内を上昇し、圧縮機構(30)の各摺動部等へ供給される。
上記電動機(20)は、ステータ(21)とロータ(22)とを備えている。このステータ(21)は、ケーシング(10)の円筒部(12)の内面に固定されている。上記ロータ(22)には、上記駆動軸(25)の主軸部(26)が貫通していて、この状態で概略円筒形状の上記ステータ(21)の内側に配置されている。
上記圧縮機構(30)は、固定側共働部材としてのシリンダ(35)と、リアヘッド(50)と、可動側共働部材(40)としてのピストン(40)とを備えている。このシリンダ(35)は、有底円筒状に形成されていて、上記リアヘッド(50)の上側に、底部が上方に位置付けられるように配設される。これにより、両者間には上記ピストン(40)を収容するための空間が形成される。
上記ピストン(40)は、駆動軸(25)の偏心部(27)に嵌合する円筒状の軸受部(42)と、該軸受部(42)の外周側で該軸受部(42)に対して同心状に位置する環状ピストン本体部(43)と、該軸受部(42)及び環状ピストン本体部(43)を下端側(圧縮機構(30)における軸方向の一端側)で一体化するように設けられた円板状のピストン側鏡板(41)とを備えている。上記環状ピストン本体部(43)は、円環の一部分が分断された略C字型形状に形成されていて、この分断された部分が後述するブレード溝を構成している。
上記リアヘッド(50)は、ピストン(40)を支持する部材(支持部材)である。このリアヘッド(50)は、厚肉の円板状の部材で、その外周縁部で上記ケーシング(10)の内周面に固定されているとともに、外周部分が上記シリンダ(35)に対して密着するように固定されている。また、上記リアヘッド(50)の中央部分には、上記駆動軸(25)の主軸部(26)が貫通しており、その貫通孔の内周面には該主軸部(26)を回転可能に支持する滑り軸受(50a)が設けられている。また、このリアヘッド(50)には、後に詳述するように、シールリング(70)を収容するシールリング溝(103)が設けられている。
上記シリンダ(35)は、シリンダ側鏡板(36)と外側シリンダ部(38)(周縁部とも呼ぶ)と軸受部(37)とを備えており、該外側シリンダ部(38)でリアヘッド(50)に固定されている一方、該軸受部(37)で上記駆動軸(25)を回転可能に支持している。
具体的には、上記シリンダ側鏡板(36)は、厚肉の円板状に形成されていて、該シリンダ側鏡板(36)の外周側に位置する上記外側シリンダ部(38)が、溶接等によって上記ケーシング(10)の円筒部(12)の内面に固定されたリアヘッド(50)にボルト等で固定されている。また、上記シリンダ側鏡板(36)の中央部分には、上方に向かって膨出する円筒状の軸受部(37)が形成されていて、該軸受部(37)には、該軸受部(37)を上下方向に貫通した状態で上記駆動軸(25)の主軸部(26)を回転可能に支持する滑り軸受(37a)が設けられている。
上記外側シリンダ部(38)は、シリンダ側鏡板(36)の下面よりも下方に向かって膨出するように略円筒状に形成されていて、該外側シリンダ部(38)を径方向に貫通する吸入ポート(39)が形成されている。この吸入ポート(39)は、一端側が上記シリンダ(35)及びリアヘッド(50)によって形成される空間に開口している一方、他端側は上記吸入管(15)に接続されていて、これにより、上記空間内に冷媒を吸入するための吸入通路の一部を構成している。すなわち、上記吸入ポート(39)は低圧空間(S1)の一部をなしている。
また、上記シリンダ側鏡板(36)の下面には、上記外側シリンダ部(38)と同心円状に配置された略円筒状の内側シリンダ部(52)が突設されていて、これにより、該内側シリンダ部(52)と上記外側シリンダ部(38)との間に、圧縮室としてのシリンダ室(60,65)が形成されている。そして、上記ピストン(40)の環状ピストン本体部(43)は、図2に示すように、環状の上記シリンダ室(60,65)内に位置付けられている。
より詳しくは、上記外側シリンダ部(38)の内周面と内側シリンダ部(52)の外周面とは、互いに同一中心上に配置された円筒面であり、その間に上記シリンダ室(60,65)が形成されている。上記ピストン(40)の環状ピストン本体部(43)は、外周面が外側シリンダ部(38)の内周面よりも小径で、内周面が内側シリンダ部(52)の外周面よりも大径に形成されている。このことにより、上記環状ピストン本体部(43)の外周面と外側シリンダ部(38)の内周面との間に外側シリンダ室(60)が形成され、該環状ピストン本体部(43)の内周面と内側シリンダ部(52)の外周面との間に内側シリンダ室(65)が形成されている。
すなわち、上記シリンダ側鏡板(36)とピストン側鏡板(41)と外側シリンダ部(38)と環状ピストン本体部(43)とによって外側シリンダ室(60)が形成され、上記シリンダ側鏡板(36)とピストン側鏡板(41)と内側シリンダ部(52)と環状ピストン本体部(43)とによって内側シリンダ室(65)が形成されている。また、上記シリンダ側鏡板(36)とピストン側鏡板(41)とピストン(40)の軸受部(42)と内側シリンダ部(52)との間には、内側シリンダ部(52)の内周側で軸受部(42)の偏心回転動作を許容するための動作空間(68)が形成されている。なお、上記図1及び図2の構成において、この動作空間(68)は、高圧空間になるように構成されている。
また、上記ピストン(40)とシリンダ(35)とは、環状ピストン本体部(43)の外周面と外側シリンダ部(38)の内周面とが1点で実質的に接する状態(厳密にはミクロンオーダーの隙間があるが、その隙間での冷媒の漏れが問題にならない状態)において、その接点と位相が180°異なる位置で、環状ピストン本体部(43)の内周面と内側シリンダ部(52)の外周面とが1点で実質的に接するようになっている。
そして、上記外側シリンダ部(38)の内周面及び上記内側シリンダ部(52)の外周面の対向する位置には、それぞれ、互いに略平行な平面部(38a,52a)が形成されている。これらの平面部(38a,52a)は、上記シリンダ(35)の径方向に直交するように設けられていて、後述するように、上記シリンダ室(60,65)を高圧室(61,66)と低圧室(62,67)とに区画する略直方体形状のブレード(45)がその伸長方向両端面で摺接している。
上述のとおり、上記シリンダ(35)には吸入管(15)に連通する吸入ポート(39)が設けられているが、この吸入ポート(39)の一端側は、上記外側シリンダ室(60)の低圧室(62)に開口している。また、上記環状ピストン本体部(43)には、上記外側シリンダ室(60)の低圧室(62)と内側シリンダ室(65)の低圧室(67)とを連通する貫通孔(53)が形成されている。
一方、上記シリンダ(35)には外側吐出ポート(54)及び内側吐出ポート(55)が形成されている。これらの吐出ポート(54,55)は、それぞれ、上記シリンダ(35)のシリンダ側鏡板(36)をその厚み方向に貫通している。上記外側吐出ポート(54)の下端は外側シリンダ室(60)の高圧室(61)に臨むように開口し、上記内側吐出ポート(55)の下端は内側シリンダ室(65)の高圧室(66)に臨むように開口している。なお、これらの吐出ポート(54,55)には、該吐出ポート(54,55)を開閉するための吐出弁(図示省略)が設けられている。
上記ピストン(40)における環状ピストン本体部(43)及び軸受部(42)の先端面(図1における上端面)は、共に上記シリンダ(35)のシリンダ側鏡板(36)に摺接している一方、上記シリンダ(35)の内側シリンダ部(52)の先端面(図1における下端面)も上記ピストン(40)のピストン側鏡板(41)と摺接している。これにより、上記シリンダ(35)の内側シリンダ部(52)と上記ピストン(40)とによって形成される上記シリンダ室(60,65)は気密状態になっている。なお、詳しくは後述するが、この気密状態を保持するために、上記ピストン(40)にはその背面側から押し付け力が作用するように構成されている。
図1、図3に示すように、上記リアヘッド(50)の上面には、上記ピストン(40)のピストン側鏡板(41)に対応してシールリング溝(103)が設けられ、シールリング溝(103)内には、シールリング(70)が収納されている。これにより、シールリング(70)は、上記リアヘッド(50)とピストン(40)との間の空間を径方向に分割する。
そして、上記シールリング(70)よりも内周側の空間は、ケーシング(10)内の高圧空間(S2)と連通して、上記貯留部(59)から駆動軸(25)の貫通孔(25a)内を通ってきた高圧の潤滑油が供給されるように構成されている。すなわち、上記シールリング(70)よりも内側の空間は高圧の状態になっているため、上記ピストン(40)に対して上記シリンダ(35)側に押し付ける背圧が作用する。
ここで、上記ピストン(40)には、上記シリンダ室(60,65)の内圧によって、上記シリンダ(35)から離反するような離反力が生じる。これに対して、上述のような押し付け力を上記ピストン(40)に作用させることにより、該ピストン(40)が上記シリンダ(35)から離反するのを防止することができ、該ピストン(40)とシリンダ(35)とによって形成される上記シリンダ室(60,65)の気密性が保たれるようになっている。
一方、上記シールリング(70)よりも外周側の空間は、背圧空間(S3)である。該シールリング(70)を越えて進入する潤滑油や、軸受からシリンダ室(60,65)を介して漏れ出た潤滑油によって、該背圧空間(S3)内の圧力が、上記吸入ポート(39)よりも高圧で且つ上記ケーシング(10)内の高圧空間(S2)よりも低圧の中間圧になっている。このことにより、この背圧空間(S3)内の圧力も上記ピストン(40)を背面側から押し付けるように作用する。
また、この圧縮機(1)では、複数のピン(101)と、各ピン(101)が挿入されて該ピン(101)の移動を案内する複数のガイド穴(102)とから、ピストン(40)の自転防止機構(100)が構成されている。
詳しくは、本実施形態では、上記複数のピン(101)は、リアヘッド(50)と対面する側のピストン側鏡板(41)の面に設けられている。図3は、3本のピン(101)を設けた例である。なお、各ピン(101)の直径はdであるものとする。
また、複数のガイド穴(102)は、図3に示すように、リアヘッド(50)に設けられている。各ガイド穴(102)の直径Dは、D=d+2e+δに設定されている。ただし、eは、クランク偏心量(すなわち、偏心部(27)の主軸部(26)に対する偏心量)であり、δは、ピン(101)とガイド穴(102)との間に設定する微小隙間である。これにより、ピストン(40)は、各ピン(101)と、各ピン(101)が対応したガイド穴(102)によって、自転方向の動きが制限される。
−ブレード−
上述のように、上記圧縮機構(30)は、上記シリンダ室(60,65)をそれぞれ高圧室(61,66)と低圧室(62,67)とに区画するブレード(45)を有している。このブレード(45)は、上記シリンダ室(60,65)の径方向線上で、該シリンダ室(60,65)の内周側の壁面(内側シリンダ部(52)の外周面)から外周側の壁面(外側シリンダ部(38)の内周面)まで、環状ピストン本体部(43)の分断箇所を挿通して延在するように構成された略直方体形状の部材である。そして、ブレード(45)は、伸長方向の両端面(外側シリンダ部(38)側及び内側シリンダ部(52)側の両端面)及び該環状ピストン本体部(43)に接する両側面がそれぞれ互いに平行な平面になっている。
すなわち、上記ブレード(45)は、上記環状ピストン本体部(43)のブレード溝側面(58,58)間に挿入され、該ブレード(45)の伸長方向両端面が上記外側シリンダ部(38)及び内側シリンダ部(52)の平面部(38a,52a)と実質的に面接触し、該ブレード(45)の両側面が上記環状ピストン本体部(43)におけるブレード溝側面(58,58)と実質的に面接触するように配設されている。
これにより、上記ブレード(45)は、伸長方向両端の平面が上記外側シリンダ部(38)及び内側シリンダ部(52)の平面部(38a,52a)に摺接し、且つ両側面の平面が上記環状ピストン本体部(43)に摺接して、該平面部(38a,52a)及び環状ピストン本体部(43)に対して摺動するようになっている。
上述の構成において、上記駆動軸(25)に連結されたピストン(40)が上記シリンダ(35)に対して偏心した状態で回転すると、ピストン(40)の自転は、ピン(101)とガイド穴(102)からなる自転防止機構(100)によって防止される。その結果、図4に示すように、該ピストン(40)の環状ピストン本体部(43)が上記ブレード(45)の伸長方向に摺動しつつ、該ブレード(45)とともに上記外側シリンダ部(38)及び内側シリンダ部(52)の平面部(38a,52a)上を摺動することになり、上記シリンダ(35)に対して公転することになる。上記環状ピストン本体部(43)の動作について詳しくは後述するが、上記ブレード(45)の環状ピストン本体部(43)及び平面部(38a,52a)に対する摺動によって、環状ピストン本体部(43)とシリンダ(35)との接触点が上記図4の(A)から(D)へ順に移動することになり、シリンダ室(60,65)内で冷媒が圧縮される。なお、この図4は本実施形態に係る圧縮機構(30)の動作状態を表す図であり、図4の(A)から(D)まで90°間隔で環状ピストン本体部(43)が図の時計回り方向に移動している様子を表している。
上述のように、この圧縮機(1)では、ピン(101)とガイド穴(102)とによって、ピストン(40)の自転が確実に防止される。したがって、環状ピストン本体部(43)は、ブレード(45)の伸長方向、すなわち径方向の動きと、上記平面部(38a,52a)の延びる方向、すなわち該径方向に直交する方向の動きとを合成した動きをする。
−運転動作−
次に、上記圧縮機(1)の運転動作について説明する。
まず、電動機(20)を起動すると、ロータ(22)の回転が駆動軸(25)を介して圧縮機構(30)のピストン(40)に伝達される。そうすると、該ピストン(40)の環状ピストン本体部(43)がブレード(45)に沿って往復運動(進退動作)を行い、かつ、該環状ピストン本体部(43)及びブレード(45)が一体的になってシリンダ(35)の外側シリンダ部(38)及び内側シリンダ部(52)に対して上記往復動作の方向とは直交する方向へ摺動する。また、上記ピン(101)がガイド穴(102)に挿入されて該ガイド穴(102)に沿って回転移動するので、上記環状ピストン本体部(43)がシリンダ(35)の外側シリンダ部(38)及び内側シリンダ部(52)に対して自転することなく公転し、圧縮機構(30)が所定の圧縮動作を行う。
具体的には、上記圧縮機構(30)の外側シリンダ室(60)では、図4の(A)の状態で低圧室(62)の容積がほぼ最小であり、ここから駆動軸(25)が図の右回りに回転して図4の(B)〜(D)の状態へ変化するのに伴って該低圧室(62)の容積が増大するときに、冷媒が、吸入管(15)及び吸入ポート(39)を通って該低圧室(62)に吸入される。
上記駆動軸(25)が一回転して再び図4の(A)の状態になると、上記低圧室(62)への冷媒の吸入が完了する。そして、この低圧室(62)は、今度は冷媒が圧縮される高圧室(61)となり、ブレード(45)を隔てて新たな低圧室(62)が形成される。駆動軸(25)がさらに回転すると、上記低圧室(62)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(61)の容積が減少し、該高圧室(61)で冷媒が圧縮される。高圧室(61)の圧力が所定値となって吐出空間との差圧が設定値に達すると、該高圧室(61)の高圧冷媒によって弁が開き、高圧冷媒が吐出空間からケーシング(10)内の高圧空間(S2)へ流出する。
一方、内側シリンダ室(65)では、図4の(C)の状態で低圧室(67)の容積がほぼ最小であり、ここから駆動軸(25)が図の右回りに回転して図4の(D)〜(B)の状態へ変化するのに伴って該低圧室(67)の容積が増大するときに、冷媒が、吸入管(15)、吸入ポート(39)、及び貫通孔(53)を通って内側シリンダ室(65)の低圧室(67)へ吸入される。
上記駆動軸(25)が一回転して再び図4の(C)の状態になると、上記低圧室(67)への冷媒の吸入が完了する。そして、この低圧室(67)は、今度は冷媒が圧縮される高圧室(66)となり、ブレード(45)を隔てて新たな低圧室(67)が形成される。上記駆動軸(25)がさらに回転すると、上記低圧室(67)において冷媒の吸入が繰り返される一方、高圧室(66)の容積が減少し、該高圧室(66)で冷媒が圧縮される。高圧室(66)の圧力が所定値となって吐出空間との差圧が設定値に達すると、該高圧室(66)の高圧冷媒によって弁が開き、高圧冷媒が吐出空間からケーシング(10)内の高圧空間(S2)へ流出する。
上記外側シリンダ室(60)では、ほぼ図4の(C)のタイミングで冷媒の吐出が開始され、内側シリンダ室(65)では、ほぼ図4の(A)のタイミングで吐出が開始される。つまり、外側シリンダ室(60)と内側シリンダ室(65)とでは、吐出のタイミングがほぼ180°異なっている。外側シリンダ室(60)及び内側シリンダ室(65)で圧縮されてケーシング(10)内の高圧空間(S2)へ流出した高圧の冷媒は吐出管(14)から吐出され、冷媒回路で凝縮行程、膨張行程、及び蒸発行程を経た後、再度圧縮機(1)に吸入される。
ここで、上記ピストン(40)とリアヘッド(50)との間の空間のうち、シールリング(70)によって区画された内側の空間内は、上記高圧空間(S2)に連通しているため高圧状態であり、該ピストン(40)は、その背面側からシリンダ(35)側に押し付けられている。
一方、上記貯留部(59)の潤滑油は、駆動軸(25)下端の遠心ポンプ作用により、該駆動軸(25)の貫通孔(25a)内を上方へ押し上げられて、圧縮機構(30)の各滑り軸受(37a,50a)や、上記ピストン(40)とリアヘッド(50)との間で上記シールリング(70)よりも内周側の空間に供給される。
−実施形態の効果−
以上のように、本実施形態によれば、ピン(101)の移動が、ガイド穴(102)で案内されることによって、ピストン(40)の自転が防止される。
そして、ピン(101)とガイド穴(102)とによる自転防止機構(100)は、オルダム継手による自転防止機構のように、往復運動をしないので、自転防止機構自体が振動源になることがなく、高速運転時の低振動化を図ることができる。
また、オルダム継手は、リング部材の裏表面に突起のキーや窪みのキー溝を設ける必要あるが、裏表の同時加工は容易にはできないため加工が複雑である。これに対し、本実施形態の自転防止機構(100)は、このような複雑な加工が不要であり、低コスト化が期待できる。
また、ガイド穴(102)とシールリング溝(103)とを同じ部材に設けると、運転時にガイド穴(102)とシールリング溝(103)との干渉が起こらない。そのため、運転時におけるガイド穴(102)とシールリング(70)との干渉を考慮せずに圧縮機構(30)を設計できる。つまり、ガイド穴(102)とシールリング溝(103)とを互いに別の部材に設けたものと比べ、設計が容易である。
また、ガイド穴(102)及びシールリング溝(103)を別々の部材に設けたものは、運転時におけるガイド穴(102)とシールリング溝(103)との干渉を避けるために、ピストン(40)やシリンダ(35)の鏡板を大きくする必要がある。しかし、本実施形態によれば、これらの鏡板を小さく設計することが可能になる。
ところで、上記の構造のブレード(45)では、ブレード(45)と平面部(38a,52a)とをオルダム継手として機能させれば、ピストン(40)の自転防止が期待できる。しかし、この場合には、安定した摺動と耐久性を保証するために、環状ピストン本体部(43)の径方向に直交する方向のブレード(45)の幅を一定以上確保する必要がある。そして、この場合はブレード(45)の質量が増加し、その結果、ブレード(45)の慣性力による振動が問題になる可能性がある。
これに対して、本実施形態では、ピン(101)とガイド穴(102)とで、ピストン(40)の自転が防止されるので、ピストン(40)の自転によるトルクがブレード(45)に作用しない。そのため、本実施形態では、ブレード、ピストン、及びシリンダを自転防止機構としたものと比べて小型のブレード(45)でも、安定した摺動と耐久性を保証することが可能になる。つまり、本実施形態では、ブレード(45)の小型化により、高速運転時において、ブレード(45)の往復運動(ブレードの慣性力)を起因とする振動を低減することが可能になる。
また、平面部(38a,52a)に作用する高圧室(61,66)の冷媒の圧力は、環状ピストン本体部(43)の中心方向を向かないので、ピストン(40)を駆動軸(25)の回りに回転させる自転トルクになる。これに対して、本実施形態では、シリンダ(35)の平面部(38a,52a)を大きく取る必要がないので、ピストン(40)に作用する自転トルクも大きくならない。したがって、ピン(101)に作用する荷重は小さく、ピン(101)による摺動損失も小さい。さらに、環状ピストン本体部(43)の厚みも増やす必要がないためピストン(40)の小型化が可能になる。
また、本実施形態の自転防止機構(100)は、いわゆるスクロール圧縮機にも採用することが可能であるが、シリンダ(35)とピストン(40)とが相対的に偏心回転運動をする回転式流体機械(公転式回転流体機械と呼ぶ)に採用する方が、製作が容易である。例えば、スクロール圧縮機では、自転の規制角度が大きいと、渦巻きの隙間が拡大縮小する。そのため、スクロール圧縮機では、ピン(101)とガイド穴(102)の隙間であるδを非常に小さくし、ピン(101)の本数も多くする必要があると考えられる。これに対し、公転式回転流体機械では、可動側共働部材(40)の捩れによる隙間増減がないので、製作が容易である。詳しくは、公転式回転流体機械においてリアヘッド(50)にガイド穴(102)を設ける場合におけるピン(101)とガイド穴(102)との位置精度は、スクロール圧縮機において可動スクロール背面とハウジング間にピン(101)、ガイド穴(102)を設ける場合におけるピン(101)とガイド穴(102)との位置精度よりも緩和することが可能になる。また、ピン(101)の本数もスクロール圧縮機よりも少なくて済む。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2の圧縮機(回転式流体機械)は、シリンダ(35)、ピストン(40)、及びブレード(45)の構成が実施形態1と異なっている。
本実施形態のピストン(40)は、図5及び図6に示すように、駆動軸(25)の偏心部(27)に嵌合する円筒状の軸受部(42)と、軸受部(42)の外周側に空間をあけて、軸受部(42)と同心状に設けられた環状ピストン本体部(43)と、軸受部(42)及び環状ピストン本体部(43)の間を下端側で一体化するように設けられた円板状のピストン側鏡板(41)とを備えている。
上記環状ピストン本体部(43)の円環の周方向の一部分には、径方向に直交する方向に直線状に延びる直線部(201)が形成され、該直線部(201)に、後述するブレード(45)が摺動可能に嵌合するようになっている。
また、本実施形態でも、複数のピン(101)と、各ピン(101)が挿入されて該ピン(101)の移動を案内する複数のガイド穴(102)とによって、ピストン(40)の自転防止機構(100)が構成されている。図6には現れていないが、上記複数のピン(101)は、リアヘッド(50)と対面する側の、ピストン側鏡板(41)の面に設けられている。
上記シリンダ(35)は、図5及び図7に示すように、共に円環状で同心状に配置された外側シリンダ部(38)と内側シリンダ部(52)とを備えている。外側シリンダ部(38)の内周面と内側シリンダ部(52)の外周面とは、互いに同心状に配置された円筒面であり、その間に環状の外側シリンダ室(60,65)が形成されている。なお、外側シリンダ部(38)の内周面における上記環状ピストン本体部(43)の直線部(201)に対応する部分は、径方向に直交する方向に延びる直線状に形成されている。
上記シリンダ(35)は厚肉の円板状に形成されたシリンダ側鏡板(36)をさらに備え、このシリンダ側鏡板(36)の外周側には下側に向かって上記外側シリンダ部(38)が突設されており、この外側シリンダ部(38)が、溶接等によってケーシング(10)の円筒部(12)の内面に固定されているリアヘッド(50)に固定されている。また、シリンダ側鏡板(36)の下面には、外側シリンダ部(38)の内側に上記内側シリンダ部(52)が突設されていて、これにより、内側シリンダ部(52)と外側シリンダ部(38)との間に圧縮室としての上記外側シリンダ室(60,65)が形成されている。
そして、図5に示すように、上記ピストン(40)の環状ピストン本体部(43)は、上記外側シリンダ室(60,65)内に位置付けられている。環状ピストン本体部(43)は、外周面が外側シリンダ部(38)の内周面よりも小径で、内周面が内側シリンダ部(52)の外周面よりも大径に形成されている。このことにより、環状ピストン本体部(43)の外周面と外側シリンダ部(38)の内周面との間に外側シリンダ室(60)が形成される一方、環状ピストン本体部(43)の内周面と内側シリンダ部(52)の外周面との間に内側シリンダ室(65)が形成されている。
具体的には、上記シリンダ側鏡板(36)とピストン側鏡板(41)と外側シリンダ部(38)と環状ピストン本体部(43)とによって外側シリンダ室(60)が形成され、シリンダ側鏡板(36)とピストン側鏡板(41)と内側シリンダ部(52)と環状ピストン本体部(43)とによって内側シリンダ室(65)が形成されている。
上記シリンダ(35)のシリンダ側鏡板(36)と内側シリンダ部(52)と、ピストン(40)のピストン側鏡板(41)と軸受部(42)との間には、内側シリンダ部(52)の内周側で軸受部(42)の偏心回転動作を許容するための動作空間(68)が形成されている(図1を参照)。図5の構成において、この動作空間(68)は、高圧空間になるように構成されている。
また、上記ピストン(40)とシリンダ(35)とは、環状ピストン本体部(43)の外周面と外側シリンダ部(38)の内周面とが1点で実質的に接する状態(厳密にはミクロンオーダーの隙間があるが、その隙間での冷媒の漏れが問題にならない状態)において、その接点と位相が180°異なる位置で、環状ピストン本体部(43)の内周面と内側シリンダ部(52)の外周面とが1点で実質的に接するようになっている。
上記シリンダ(35)のシリンダ側鏡板(36)の中央部分には、上方に向かって膨出する円筒状の軸受部(37)が形成されていて、この軸受部(37)には、該軸受部(37)を上下方向に貫通した状態で駆動軸(25)の主軸部(26)を回転可能に支持する滑り軸受(37a)が設けられている。
また、外側シリンダ部(38)には、該外側シリンダ部(38)を径方向に貫通する吸入ポート(39)が形成されている。この吸入ポート(39)は、一端側が外側シリンダ室(60)の低圧室に開口している一方、他端側は吸入管(15)に接続されている。また、上記環状ピストン本体部(43)には、外側シリンダ室(60)の低圧室(62)と内側シリンダ室(65)の低圧室(67)とを連通する貫通孔(53)が形成されている。
一方、上記シリンダ(35)には、外側吐出ポート(54)及び内側吐出ポート(55)が形成されている。これらの吐出ポート(54,55)は、それぞれ、シリンダ(35)のシリンダ側鏡板(36)の厚み方向に貫通して形成されている。外側吐出ポート(54)の下端は外側シリンダ室(60)の高圧室(61)に臨むように開口し、内側吐出ポート(55)の下端は内側シリンダ室(65)の高圧室(66)に臨むように開口している。なお、これらの吐出ポート(54,55)には、該吐出ポート(54,55)を開閉するための逆止弁からなる吐出弁(図示せず)が設けられている。
そして、上記シリンダ(35)において上記ピストン(40)の直線部(201)に対応する位置には、略直方体形状のブレード(45)を摺動可能に嵌め込むためのブレード溝(202)が径方向に沿って配置されている。具体的には、このブレード溝(202)は、内側シリンダ部(52)に形成された第1ブレード溝(202a)と、シリンダ側鏡板(36)に形成された第2ブレード溝(202b)と、外側シリンダ部(38)に形成された第3ブレード溝(202c)とで構成され、これらの第1〜第3ブレード溝(202a,202b,202c)は、シリンダ(35)の径方向に沿って一直線状に連続して形成されている。
上記内側シリンダ部(52)の第1ブレード溝(202a)が形成される部分近傍は、径方向に直行する方向に延びる直線状に形成されていて、第1ブレード溝(202a)は、この内側シリンダ部(52)の直線状の部分における周方向中心部分を厚み方向に貫通するように設けられている。一方、第3ブレード溝(202c)は、外側シリンダ部(38)の中心側端面から外周側の途中部分にまで設けられている。このブレード溝(202)にブレード(45)が嵌合し、後述するように、上記シリンダ室(60,65)が高圧室(61,66)と低圧室(62,67)とに区画されるようになっている。
また、外側シリンダ部(38)の先端面と内側シリンダ部(52)の先端面とは、ピストン側鏡板(41)の上端面に、それぞれが摺接している。
一方、上記ピストン(40)における環状ピストン本体部(43)の先端面(図1の上端面)は、シリンダ(35)の内側シリンダ部(52)と外側シリンダ部(38)との間のシリンダ側鏡板(36)に摺接し、ピストン(40)の軸受部(42)の先端面は、シリンダ(35)の内側シリンダ部(52)よりも内側のシリンダ側鏡板(36)に摺接している。
これにより、シリンダ(35)のシリンダ部(52,38)とピストン(40)とによって気密状態のシリンダ室(60,65)が形成される。
なお、本実施形態においても、実施形態1の圧縮機(1)と同様に、各シリンダ室(60,65)の気密状対を保持するために、上記シールリング(70)よりも内周側の空間は、ケーシング(10)内の高圧空間(S2)と連通していて、上記貯留部(59)から駆動軸(25)の貫通孔(25a)内を通ってきた高圧の潤滑油が供給されるように構成されている。すなわち、上記シールリング(70)よりも内側の空間は高圧の状態になっているため、上記ピストン(40)に対して上記シリンダ(35)側に押し付ける背圧が作用する。
上記ブレード(45)は、図8に示すように、矩形状板の部材からなり、長手方向の中央部分には上記ピストン(40)の直線部(201)を摺動する凹部(45c)が形成されている。そして、該凹部(45c)の外側が外側シリンダ室(60)を区画する外側ブレード部(45a)に形成され、内側が内側シリンダ室(65)を区画する内側ブレード部(45b)に形成されている。また、上記ブレード溝(202)の長さは、ブレード(45)よりも長く構成されている。
これにより、ブレード(45)は、ブレード(45)の長手方向がシリンダ(35)に対して該シリンダ(35)の半径方向であるX軸方向に移動自由、且つブレード(45)の厚さ方向がピストン(40)に対してX軸方向と直交するY方向(より具体的には直線部(201)に沿った方向)に移動自在となる。
上述した構成において、上記駆動軸(25)に連結されたピストン(40)がシリンダ(35)に対して偏心した状態で回転すると、ピン(101)とガイド穴(102)とによってピストン(40)の自転が阻止される。そのため、図9に示すように、ピストン(40)の環状ピストン本体部(43)が、該ブレード(45)をブレード溝(202)内でシリンダ(35)のX軸方向に摺動させ、かつ直線部(201)をブレード(45)の凹部(45c)内でY軸方向に摺動させながら偏心回転運動する。すなわち、環状ピストン本体部(43)がシリンダ(35)に対して公転することになる。
このように、環状ピストン本体部(43)が、ブレード(45)とともにシリンダ(35)の径方向に摺動するとともに、ブレード(45)の凹部(45c)での直線部(201)の摺動によりシリンダ(35)に対して径方向に直交した方向に摺動することによって、環状ピストン本体部(43)とシリンダ(35)との接触点が図9の(A)から(H)へ順に移動することになり、シリンダ室(60,65)内で冷媒が圧縮される。なお、この図9は、本実施形態に係る圧縮機構(30)の動作状態を表す図であり、図9の(A)から(H)まで45°間隔で環状ピストン本体部(43)が図の時計回り方向に移動している様子を表している。
−実施形態の効果−
以上のように、本実施形態おいても、ピン(101)の移動が、ガイド穴(102)で案内されることによって、ピストン(40)の自転が防止される。そのため、本実施形態においてもやはり、実施形態1の圧縮機(1)と同様の効果を得ることが可能になる。
既述したように、ブレード、ピストン、及びシリンダからなるオルダム継手を自転防止機構とした従来の回転式流体機械では、ブレードの厚さ(ピストンがブレードを摺動する方向の幅)を一定以上確保する必要がある。そして、その結果としてブレードの質量が大きくなり、ブレードの慣性力に基づく振動が大きくなってしまう可能性がある。
しかし、本実施形態では、ピン(101)とガイド穴(102)とで、ピストン(40)の自転が防止されるので、ピストン(40)の自転によるトルクがブレード(45)に作用しない。そのため、本実施形態では、ブレード、ピストン、及びシリンダからなるオルダム継手を自転防止機構とした回転式流体機械と比べて小型のブレード(45)でも、安定した摺動と耐久性を保証することが可能になる。つまり、本実施形態では、ブレード(45)の小型化により、高速運転時において、ブレード(45)の往復運動(ブレードの慣性力)を起因とする振動を低減することが可能になる。さらに、本実施形態では、ピストン(40)の直線部(201)を大きく取る必要がないので、ピストン(40)に作用する自転トルクも大きくならない。そのため、各ピン(101)に作用する荷重は小さく、ピン(101)による摺動損失も小さい。さらに、環状ピストン本体部(43)の厚みも増やす必要がないためピストン(40)の小型化が可能になる。
《発明の実施形態3》
また、シリンダ(35)、ピストン(40)、ブレード(45)は、図10に示すような構成としてもよい。
本実施形態では、図10に示すように、シリンダ(35)は、シリンダ室が略C字型溝形状に形成され、C字型溝の一端に外側吐出ポート(54)と、内側吐出ポート(55)とが設けられている。そして、C字型溝の吐出口側には、C字型溝内部を摺動するブロック状のブレード(45)が配置されている。
また、環状ピストン本体部(43)は、円環の一部分が分断された略C字型形状に形成されている。そして、環状ピストン本体部(43)の分断された箇所の一方は、ブレード(45)と当接するようになっている。
また、ブレード(45)の外側(環状ピストン本体部(43)と当接する面とは反対側)には、所定圧力のガス(例えば冷媒ガス)が導入された加圧部(301)が設けられている。これによりブレード(45)は、所定の圧力で環状ピストン本体部(43)の端部に押し付けられる。この構成により、シリンダ室が、高圧室と低圧室とに仕切られる。
この例でもピストン(40)には、複数のピン(101)が設けられ、リアヘッド(50)にガイド穴(102)が設けられる。したがって、本実施形態においてもやはり、ピン(101)とガイド穴(102)からなる自転防止機構(100)によって、ピストン(40)の自転が阻止され、ピストン(40)がシリンダ(35)に対して公転運動する。
《変形例》
上記の各実施形態(実施形態1〜3の何れでもよい)においては、図11に示すように、ガイド穴(102)の内部に、スリーブ(102a)を設けてもよい。この場合、スリーブ(102a)の内径Dは、D=d+2e+δに設定する。ただし、eは、クランク偏心量(すなわち、偏心部(27)の主軸部(26)に対する偏心量)であり、δは、ピン(101)とガイド穴(102)との間に設定する微小隙間である。
また、スリーブ(102a)は、ガイド穴(102)を設ける部材(上記の実施形態ではリアヘッド(50))よりも硬質な材質を採用する。一般的には、スリーブ(102a)の材質としては、軸受鋼SUJや、炭素鋼に窒化処理、浸炭焼入れ、あるいはDLCコーティングしたものが考えられる。
例えば、スリーブ(102a)が無いと、ガイド穴(102)は、ピン(101)との部分的な繰り返し摺動によって、偏摩耗する可能性がある。しかし、このような構成にすれば、耐摩耗性(耐久性)を向上させることが可能になる。
《その他の実施形態》
上記の実施形態は、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記の各実施形態では、圧縮機(1)について説明したが、本発明は、高圧冷媒などのガスをシリンダ室に導入し、該ガスが膨張することによって回転軸の駆動力を発生させる膨張機にも適用できるし、ポンプにも適用できる。
また、上記実施形態では、電動機(20)をケーシング(10)内に収納するようにしているが、この限りではなく、該ケーシング(10)の外部から圧縮機構(30)を駆動するように構成してもよい。
また、ピン(101)を設ける部材とガイド穴102を形成する部材は上記の逆であってもよい。すなわち、ピン(101)をリアヘッド(50)側に設け、ガイド穴(102)をピストン(40)側に設けるようにしてもよい。この場合も、シールリング溝(103)はガイド穴(102)を設けた部材に設けるのがよい。
また、ピン(101)の数やガイド穴(102)の数は例示であり、上記の例に限定されない。
また、ピストン(40)を固定側共働部材として構成し、シリンダ(35)を可動側共働部材として構成し、シリンダ(35)がピストン(40)に対して公転するようにしてもよい。この場合には、各ピン(101)は、シリンダ(35)のシリンダ側鏡板(36)及びシリンダ(35)の支持部材の何れか一方に設け、他方にガイド穴(102)を設けるようにする。
本発明に係る回転式流体機械は、シリンダ内に形成された環状の空間内に環状ピストンを配置し、該シリンダと環状ピストンとが相対的に偏心回転運動をする回転式流体機械として有用である。
本発明の実施形態1に係る圧縮機(回転式流体機械)の縦断面図である。 本発明の実施形態1に係る圧縮機構を示す横断面図である。 ピン、ガイド穴、及びシールリング溝の配置を示す図である。 本発明の実施形態1に係る圧縮機構の動作を示す横断面図である。 本発明の実施形態2に係る圧縮機構を示す横断面図である。 本発明の実施形態2に係るピストンを示し、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。 本発明の実施形態2に係るシリンダを示し、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。 本発明の実施形態2に係るブレードを示す斜視図である。 本発明の実施形態2に係る圧縮機構の動作を示す横断面図である。 本発明の実施形態3に係る圧縮機構を示す横断面図である。 ガイド穴の他の構成例を示す図である。
符号の説明
35 シリンダ
36 シリンダ側鏡板
40 ピストン
41 ピストン側鏡板
45 ブレード
60 外側シリンダ室
65 内側シリンダ室
70 シールリング
100 自転防止機構
101 ピン
102 ガイド穴
103 シールリング溝

Claims (7)

  1. 環状のシリンダ室(60,65)を有し且つ背面に鏡板(36)を有するシリンダ(35)と、該シリンダ(35)に対して偏心して上記シリンダ室(60,65)に収納されて該シリンダ室(60,65)を外側作動室(60)と内側作動室(65)とに区画し、背面に鏡板(41)を有する環状のピストン(40)と、上記各作動室(60,65)を高圧側(61,66)と低圧側(62,67)とに区画するブレード(45)とを備え、上記ピストン(40)及びシリンダ(35)の何れか一方が固定側共働部材(35)に構成され、他方が可動側共働部材(40)に構成されて該可動側共働部材(40)が固定側共働部材(35)に対して偏心回転する回転式流体機械であって、
    上記可動側共働部材(40)の鏡板(41)の背面側で該可動側共働部材(40)を支持する支持部材(50)と、
    上記可動側共働部材(40)の鏡板(41)と上記支持部材(50)の両対向部材の何れか一方に設けられた複数のピン(101)と、他方の対向部材に設けられ且つ各ピン(101)が挿入されて該ピン(101)の移動を案内する複数のガイド穴(102)とを備えて上記可動側共働部材(40)の自転を規制する自転防止機構(100)と、
    を備えていることを特徴とする回転式流体機械。
  2. C字型溝のシリンダ室(61,66,67)を有し、且つ背面に鏡板(36)を有するシリンダ(35)と、該シリンダ(35)に対して偏心して上記シリンダ室(61,66,67)に収納されて、背面に鏡板(41)を有するピストン(40)と、上記シリンダ室(61,66,67)内で上記ピストン(40)の一端に当接して、該シリンダ室(61,66,67)を外側作動室(61)と内側作動室(67)とに区画するブレード(45)とを備え、上記ピストン(40)及びシリンダ(35)の何れか一方が固定側共働部材(35)に構成され、他方が可動側共働部材(40)に構成されて該可動側共働部材(40)が固定側共働部材(35)に対して偏心回転する回転式流体機械であって、
    上記可動側共働部材(40)の鏡板(41)の背面側で該可動側共働部材(40)を支持する支持部材(50)と、
    上記可動側共働部材(40)の鏡板(41)と上記支持部材(50)の両対向部材の何れか一方に設けられた複数のピン(101)と、他方の対向部材に設けられ且つ各ピン(101)が挿入されて該ピン(101)の移動を案内する複数のガイド穴(102)とを備えて上記可動側共働部材(40)の自転を規制する自転防止機構(100)と、
    を備えていることを特徴とする回転式流体機械。
  3. 請求項1及び請求項2のうちの何れか1項において、
    上記両対向部材の間には、可動側共働部材(40)を固定側共働部材(35)に押し付ける背圧空間を形成するためのシールリング(70)が設けられ、
    上記ガイド穴(102)側の対向部材には、上記シールリング(70)を嵌め込むためのシールリング溝(103)が形成されていることを特徴とする回転式流体機械。
  4. 請求項1及び請求項2のうちの何れか1項において、
    上記ガイド穴(102)には、ガイド穴(102)側の対向部材よりも硬質のスリーブが嵌め込まれていることを特徴とする回転式流体機械。
  5. 請求項1において、
    上記ブレード(45)は、板状に形成され、ブレード(45)の長手方向がシリンダ(35)に対して該シリンダ(35)の半径方向であるX軸方向に移動自由に構成され、且つブレード(45)の厚さ方向がピストン(40)に対してX軸方向と直交するY方向に移動自在に構成されていることを特徴とする回転式流体機械。
  6. 請求項1及び請求項2のうちの何れか1項において、
    上記シリンダ(35)が固定側共働部材(35)に構成され、上記ピストン(40)が可動側共働部材(40)に構成されていることを特徴とする回転式流体機械。
  7. 請求項1及び請求項2のうちの何れか1項において、
    上記ピストン(40)が固定側共働部材(35)に構成され、上記シリンダ(35)が可動側共働部材(40)に構成されていることを特徴とする回転式流体機械。
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