JP2013185523A - 圧縮機及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

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和 高島
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Abstract

【課題】
回転軸の湾曲や傾きにより偏心部及びローラが微小に傾くと、ブレードとローラ間のシール性の低下を招き性能低下の原因となる。
【解決手段】
軸方向に積層された複数のブレードの内の1つは基端面にスプリングが設けられており、スプリングに押圧されるブレードは、回転軸の回転に合わせて偏心回転するローラの外周面に当接しつつブレード溝内を往復摺動する。さらに、スプリングに押圧されていないブレードは、係止手段を介して、スプリングに押圧されるブレードの往復摺動に追従しブレード溝内を往復摺動する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、圧縮機及び冷凍サイクル装置に関する。
一般にロータリ式の密閉型圧縮機は、密閉容器内上部に駆動用の電動機を収納し、また下部に圧縮機構を収納し、密閉容器の底部に潤滑油を貯留している。
圧縮機構部は、密閉容器の内壁に固定された主軸受と、主軸受にボルト固定されたシリンダと、シリンダ内に設けられた回転軸の偏心部に嵌合したローラと、このローラの外周面に当接しつつ偏心部の偏心回転に追従して往復摺動するブレードと、シリンダの下側を密閉すると共に回転軸を支える副軸受で構成されている。また、主軸受には圧縮された冷媒を密閉容器内に吐出する吐出口が設けられており、この吐出口を閉塞し吐出音を静音する吐出マフラが設けられている。
一般的には上記のようなロータリ式の圧縮機において、1つのシリンダに設けられるブレードは1つであり、このブレードとローラとによってシリンダ室内は吸込み側と吐出側とに仕切られている。
特開2001−263280号公報
しかし、圧縮機が運転を開始すると、回転軸は、電動機の回転子の振れ回りや、シリンダ室内のローラを高圧状態の冷媒が押圧することにより、微小な湾曲や傾きを招くことがある。この回転軸の湾曲や傾きにより偏心部及びローラが微小に傾くと、ブレードとローラ間のシール性の低下を招き性能低下の原因となる。
本発明は、上記のような原因から性能低下しない圧縮機を提供するためなされたものである。
本発明は、上記の課題を鑑みなされたものであり、本発明の実施形態における圧縮機は、内部にシリンダ室と、シリンダ室に開口するブレード溝を有するシリンダを備えている。シリンダ室内には、回転軸に設けられた偏心部と、偏心部の外周を覆うローラが収納されている。また、ブレード溝には回転軸の軸方向に積層された複数のブレードが収納されており、先端面がローラの外周面に当接するように配置されている。軸方向に積層された複数のブレードの内の1つは基端面にスプリングが設けられており、スプリングに押圧されるブレードは、回転軸の回転に合わせて偏心回転するローラの外周面に当接しつつブレード溝内を往復摺動する。さらに、スプリングに押圧されていないブレードは、係止手段を介して、スプリングに押圧されるブレードの往復摺動に追従しブレード溝内を往復摺動する。
第1の実施形態に係る密閉型圧縮機の縦断面及びこれを用いた冷凍サイクル装置を示す構成図。 第1の実施形態に係るシリンダの上面図。 第1の実施形態に係るブレードを示す図。 第1の実施形態に係る回転軸が傾いた時のブレードを示す図。 第2の実施形態に係る密閉型圧縮機の縦断面及びこれを用いた冷凍サイクル装置を示す構成図。 第2の実施形態に係るシリンダの上面図。 第2の実施形態に係る回転軸が傾いた時のブレードを示す図。 第3の実施形態に係る密閉型圧縮機の縦断面及びこれを用いた冷凍サイクル装置を示す構成図。 第3の実施形態に係る回転軸が傾いた時のブレードを示す図。
(第1の実施の形態)
本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
図1に第1の実施形態に係る密閉型圧縮機1の縦断面図とこの密閉型圧縮機1を備えた冷凍サイクル装置100の概略を示す。
冷凍サイクル装置100は、密閉型圧縮機1と凝縮器2と膨張装置3と蒸発器4が冷媒配管で順次接続されて構成されている。このように構成された冷凍サイクル装置100の運転中の冷媒の流れを説明する。
冷媒は、密閉型圧縮機1で高温・高圧に圧縮されて吐出管1aから吐出し、凝縮器2で凝縮されて、高温・高圧の液冷媒となり、膨張装置3で減圧され、気液二相の混合冷媒となる。さらに冷媒は、蒸発器4で蒸発されて、密閉型圧縮機1の吸込み側に設けられたアキュームレータ5に導かれる。冷媒はこのアキュームレータ5で気相と液相とに分離され、気相冷媒が密閉型圧縮機1の密閉容器10内に吸込まれる。
次に密閉型圧縮機1の内部構造について説明する。
密閉型圧縮機1は縦長円筒状の密閉容器10内部上方に電動機部20を有し、下方に圧縮機構部30を有している。これら電動機部20と圧縮機構部30とは回転動力を伝達するための回転軸25で連結されている。
密閉容器10の底部には潤滑油が貯留されており、圧縮機構部30内の各摺動部を潤滑するようになっている。
電動機部20は密閉容器10の内部壁面に固着された集中巻固定子21と、集中巻固定子21の内側に所定の間隙を有して配置され、回転軸25の上端側に固着されるとともに永久磁石を有する回転子22を有している。
電動機部20は端子23を介して図示しない外部電源に接続され電力の供給を受けるようになっている。
次に圧縮機構部30について説明する。
圧縮機構部30は回転軸25の下端側に設けられた偏心部25aを備えている。この偏心部25aには偏心部25aの外周面を覆うローラ36が回転自在に嵌め合わされている。
回転軸25の下端側にはシリンダ室40aを有するシリンダ40と、回転軸25を回転可能に支持する主軸受41及び副軸受42が設けられている。
偏心部25a及びローラ36は、シリンダ40のシリンダ室40a内に収められており、回転軸25の回転に伴い偏心回転するように配置されている。
シリンダ40の上端面には回転軸25を回転可能に支持する主軸受41が重ねられており、シリンダ40の下端面には副軸受42が重ねられている。主軸受41には図示しない通気孔を備えた吐出マフラ43が重ねられ、ボルト45aによって主軸受41と一緒にシリンダ40に固定されている。
また、副軸受42もボルト45bによりシリンダ40に固定されている。
シリンダ40にはシリンダ室40aに連通したブレード溝40b(図2参照)が設けられており、このブレード溝40bには2つの平板状のブレード32、33が回転軸25の軸方向に積層されて配置されている。すなわち、シリンダ室40aは一対のブレード32、33により吸込側と吐出側とに仕切られている。
ブレード32の基端面には、ブレード32をローラ36側へ押圧するスプリング34が設けられており、ブレード32はローラ36の偏心回転に追従して先端面がローラ36の外周面に常時当接しつつ、シリンダ40のブレード溝40b内を往復摺動するように配置されている。
シリンダ40の電動機側端面には主軸受41が設けられ、反電動機側端面には副軸受42が設けられており、シリンダ室40aを閉塞している。
また、回転軸25には下端に開口し、回転に伴い潤滑油を吸込み、シリンダ室40a及び回転軸25と各軸受の摺動部に潤滑油を供給する潤滑油通路が設けられている。
組立てられた圧縮機構部30は、シリンダ40の外周部を密閉容器10内壁面にアークスポット溶接することにより固着され固定されている。
図2にシリンダの上面図を示す。
シリンダ40には外部からシリンダ室内へ冷媒を取込むための吸込み穴40Sが設けられており、ブレード32をはさんだ反対側には、圧縮された冷媒を上方へ吐出するための吐出溝40Dが設けられている。
ローラ36は回転軸25及び偏心部25aの回転に伴い、図2の実線矢印の方向に偏心回転する。
ローラ36は、常にシリンダ室40aの内周面とブレード32の先端面に接触しており、シリンダ室40aは吸込み側と吐出側とに仕切られている。ローラ32が回転するとブレード32は先端面をローラ36の外周面に常時当接させつつブレード溝40bの方向(図2の破線矢印方向)に往復摺動する。これらローラ36とブレード32によりシリンダ室40aは吸込み側と吐出側とに分離されており、ローラ36の回転に伴って、吸込み口40Sから吸込んだ冷媒を圧縮しつつ吐出側に移動させる。
図3は回転軸25の偏心部25a及びローラ36とブレード32、33の位置関係を示す拡大概略図である。
積層された2つのブレード32、33の互いに対向する面のそれぞれに、係止手段80Aを構成する半円筒状の凹部32b、33bが設けられている。この凹部32b、33bはブレード32、33の先端面が一致している時に、重なり合い、直径D1の円筒状の空間を形成する。この円筒状の空間には係止手段80Aを構成し、直径d1を有する球状の係止部材35が設けられている。この係止部材35は、ブレード32とブレード33が摺動方向にずれた場合に互いを係止しどちらか一方の往復摺動移動に追従させるよう機能する。
また、この上段側のブレード32の基端面に設けられたスプリング34により、ブレード32はローラ36へ押圧付勢されており、下段側のブレード33は係止部材35を介して上段側のブレード32に追従してローラ32へ押圧付勢される。
密閉型圧縮機1が運転を開始すると、シリンダ室40a内のローラ36が偏心回転し吸込まれた低圧冷媒を圧縮する。この時、高圧状態の冷媒がローラ36を押圧し、偏心部25aを押圧する。これにより、回転軸25が微小に湾曲又は傾斜し、偏心部25及びローラ36が傾く。
図4に、回転軸25が傾斜した際の回転軸25の偏心部25a及びローラ36とブレード32、33の位置関係を示す。なお、図4に示す偏心部25a及び回転軸25の傾きは誇張した表現となっており、実際にはローラ36の直径に対して非常に微小な間隙が生じる程度である。
傾斜したローラ36の外周面に先端面を接触しているブレード32、33は互いに摺動方向に対して微小な距離だけずれるように移動する。
ここで、係止部材35の直径d1は、凹部32b、33bの直径D1よりもδxだけ小さい値となっており、ブレード32と33は最大でδxだけずれるようになっている。δxは数μm〜数十μmと非常に微小な間隙であり、潤滑油膜厚さと略同程度である。
一対のブレード32、33が1つのローラ36に接触していることで、ブレード32、33の先端面とローラ36外周面間に生じる間隙は、ブレードが一枚で形成されている場合の間隙の半分に抑えることができ、吸込み側と吐出側との高いシール性を保つことができる。
さらに、ローラ36の外周面から受ける接触圧力は1つのブレード先端面の一部分に集中することなく、2つのブレード32、33に分散されるので、片当りによるブレードの偏磨耗の発生を抑制することができる。
また、密閉型圧縮機1の起動時や回転数の低い運転状態においては、ブレード32、33の先端面に加わるシリンダ室40a内の圧力と、ブレード32、33の基端面に加わる密閉容器10内の圧力が安定しておらず、スプリング等によりローラに押圧されないブレードは、通常であれば、ローラの外周面から不規則に離れるバタツキ(ブレードジャンピング)を起こす可能性がある。しかし、スプリングを有さないブレード33においても、係止手段80Aによってスプリング34を有するブレード32の動きに追従するようになっており、起動時や回転数の低い運転状態においてもバタツキ(ブレードジャンピング)を生じることなく、安定した運転状態を維持することができる。
このように、圧縮機の運転中に問題となる起動時と低回転域で発生するブレードのバタツキを抑えることができ、且つ、高回転時に発生する回転軸25の傾きに起因するローラ36とブレード32、33の先端面間の間隙増大とブレード先端面の偏磨耗を抑制することができる。これにより、起動から低・高回転域で高いシール性と耐久性を有する密閉型圧縮機を提供することができる。
また、この密閉型圧縮機を備えることで、性能と信頼性の高い冷凍サイクル装置を提供することができる。
上記実施形態において、係止手段80Aに球状の係止部材35を用いたが、これに限らずブレード32、33の凹部32b、33bによって形成される空間に係合する形状であれば円柱状や楕円球体状など種々の形状のものを用いてもよい。
また、ブレード32、33の凹部32b、33bは半円柱状に形成されているが、これに限らず、角形の切欠状に形成されてもよく、この形状に合わせて係止部材35の形状も適宜変更してよい。
(第2の実施形態)
以下に第2の実施形態について図を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。図5に縦断面図を示すように第2の実施形態の密閉型圧縮機1Bは、2つのシリンダを備えた圧縮機構部30を有するツインロータリ式の密閉型圧縮機である。すなわち、シリンダ室40a、50aを有する2つのシリンダ40、50が仕切板49を挟んで上下に重ねられており、さらにその上下に主軸受41及び副軸受42が重ね合わされている。また、主軸受41の上方及び副軸受42の下方には吐出マフラ43、44が設けてあり、それぞれボルト45a、45bにより主軸受41、副軸受42とともに固定されている。
シリンダ40のシリンダ室40aは主軸受41と仕切板49によって閉塞されており、シリンダ50のシリンダ室50aは仕切板49と副軸受42によって閉塞されている。
シリンダ50はシリンダ40に対して上下対称に形成されている。すなわち、シリンダ40及びシリンダ50の吸込口40S(50S)、ブレード溝40b(50b)、吐出溝40D(50D)は、上面視で夫々重なるように配置されている(図6参照)。さらに、上方に位置するシリンダ40に設けられた吐出溝は、主軸受41に面しているのに対して、シリンダ50の下面に設けられた吐出溝は副軸受42に面して設けられている。
また、回転軸25には偏心部25a、25bが設けられており、シリンダ40、50のシリンダ室40a、50a内に収まるように配置されている。この2つの偏心部25a、25bは180°の位相差を有している。
これら偏心部25a、25bには夫々ローラ36、36が回転自在に嵌め込まれており、シリンダ室40a、50a内で偏心回転するようになっている。
シリンダ50のブレード溝には軸方向に2つで一対のブレード37、38が設けられている。
ブレード37の基端面にはスプリング34が設けられており、ローラ36の偏心回転に追従して先端面がローラ36の外周面に常時当接しつつ、シリンダ50のブレード溝50b内を往復摺動するように配置されており、シリンダ室50a内を吸込み側と吐出側とに二分する様になっている。
副軸受42は主軸受41同様に、回転軸25の下端を支持する略円筒状のボス部42aと、シリンダ室50aを閉塞する略円盤状のフランジ部42bを一体に形成されている。フランジ部42bにはシリンダ50に設けられた吐出溝に重なる様に吐出口が設けられている。吐出口には冷媒が逆流するのを防ぐための吐出弁が設けられており、吐出口からシリンダ室内へ冷媒が逆流するのを防いでいる。
図6にシリンダ40(50)の上面図を示す。
ここで、本第2の実施形態におけるブレード32、33及びブレード37、38は、第1の実施形態の凹部32b、33bを有しておらず、回転軸方向に対して平行で、夫々のブレードを貫通した縦穴32c、33c及び37c、38cを有している。また、夫々、対となるブレード32、33及び37、38は同一形状で、上下の区別なく形成されている。
縦穴32c、33c及び37c、38cには夫々、円柱状の係止ピン39、39が挿入されている。
これら縦穴32c、33c及び係止ピン39が係止手段80Bを構成し、縦穴37c、38c及び係止ピン39が係止手段80Cを構成している。
図7に、密閉型圧縮機1Bが運転を開始し、高圧冷媒によるローラ36及び偏心部25a、25bへの圧力や電動機部の振れ回りなどの影響で回転軸25が傾斜した状態の回転軸25の偏心部25a(25b)とローラ36とブレード32、33(37、38)の縦断面及び係止ピン39の位置関係を示す。
ブレード32、33(37、38)に設けられた縦穴32c、33c(37c、38c)は直径D2を有しており、そこに挿入される係止ピン39は直径d2を有している。
係止ピン39の直径d2は、縦穴32c、33c(37c、38c)の直径D2よりもδxだけ小さい値となっており、一対のブレード32、33(37、38)は最大でδxだけずれるようになっている。δxは数μm〜数十μmと非常に微小な間隙であり、潤滑油膜厚さと略同程度である。
回転軸25が傾くことにより、傾斜したローラ36の外周面に、先端面を接触しているブレード32、33(37、38)は互いに摺動方向に対して微小な距離だけずれるように移動し、最大で縦穴32c、33c(37c、38c)の直径D2と係止ピン39の直径d2の差分δxの距離ずれる。
これにより、一対のブレード32、33(37、38)が1つのローラ36に接触していることで、ブレード32、33(37、38)の先端面とローラ36外周面間に生じる間隙は、ブレードが一枚で形成されている場合の間隙の半分に抑えることができ、吸込み側と吐出側との高いシール性を保つことができる。
さらに、ローラ36の外周面から受ける接触圧力は1つのブレード先端面の一部分に集中することなく、2つのブレード32、33(37、38)に分散されるので、片当りによるブレードの偏磨耗の発生を抑制することができる。
また、密閉型圧縮機1Bの起動時や回転数の低い運転状態においては、ブレード32、33(37、38)の先端面に加わるシリンダ室40a内の圧力と、ブレード32、33の基端面に加わる密閉容器10内の圧力が安定しておらず、スプリング等によりローラに押圧されないブレードは通常であれば、ローラの外周面から不規則に離れるバタツキ(ブレードジャンピング)を起こす可能性がある。しかし、スプリングを有さないブレード33(38)においても、係止手段80B(C)によってスプリング34を有するブレード32(37)の動きに追従するようになっており、運転起動時や回転数の低い運転状態においてもバタツキ(ブレードジャンピング)を生じることなく、安定した運転状態を維持することができる。
また、夫々対となるブレード32、33及び37、38は同一形状に形成されており、ブレード同士が接触する面と接触しない面との表面性状に区別がない場合には、製造組立て過程においてブレードの上下を確認する必要がない。これにより組立て作業を円滑に行なうことができる。
このように、圧縮機の運転中に問題となる始動時と低回転域で発生するブレードのバタツキを抑えることができ、且つ、高回転時に発生せる回転軸25の傾きに起因するローラ36とブレード32、33(37、38)の先端面との間隙増大とブレード先端面の偏磨耗を抑制することができる。これにより、運転始動から低・高回転域で高いシール性と耐久性を有する密閉型圧縮機を提供することができる。
また、この密閉型圧縮機を備えることで、性能と信頼性の高い冷凍サイクル装置を提供することができる。
上記実施形態において、円柱状の係止ピン39を用いたが、これに限らずブレード32、33(37、38)の縦穴32c、33c(37c、38c)に係合する形状であれば楕円柱状や角柱状など種々の形状のものを用いてもよい。
また、ブレード32、33の縦穴32c、33cも円柱状の縦穴に形成されているが、これに限らず、角形に形成されてもよい。また、各ブレードを貫通せずともよく、この形状に合わせて係止部材35の形状も適宜変更してよい。
(第3の実施形態)
上記第1、第2の実施形態の係止手段80A、80B、80Cは、係止部材35または係止ピン39とブレード32、33(37、38)が別体となっているものについて説明したが、これに限らず、ブレード32、33のいずれか一方にのみ凹部を設け、他方のブレードにこの凹部に係合する凸部を一体形成してもよい。
例えば、図8の密閉型圧縮機1Cに示すように、ブレード32のブレード33に対向する面には凸部32dが設けられており、ブレード33のブレード33に対向する面には凸部32dよりも一回り小さい凹部33dが設けられている。
この凸部32dと凹部33dは、ブレード32、33の先端面が同一平面上にあるときに、重なり合う位置に配置されている。
図9に、密閉型圧縮機1Cが運転を開始し、高圧冷媒によるローラ36及び偏心部25aへの圧力や電動機部の振れ回りなどの影響で回転軸25が傾斜した状態の回転軸25の偏心部25aとローラ36とブレード32、33の位置関係を示す。
ブレード33に設けられた凹部33dは長さD3を有しており、そこに係合する凸部32dは長さd3を有している。
凸部32dの長さd3は、凹部、33dの長さD3よりもδxだけ小さい値となっており、一対のブレード32、33は最大でδxだけずれるようになっている。δxは数μm〜数十μmと非常に微小な間隙であり、潤滑油膜厚さと略同程度である。
回転軸25が傾くことにより傾斜したローラ36の外周面に、先端面を接触しているブレード32、33は互いに摺動方向に対して微小な距離だけずれるように移動し、最大で凹部33dの長さD3と凸部32dの長さd3の差分δxの距離ずれる。
これにより、一対のブレード32、33が1つのローラ36に接触していることで、ブレード32、33の先端面とローラ36外周面間に生じる間隙は、ブレードが一枚で形成されている場合の間隙の半分に抑えることができ、吸込み側と吐出側との高いシール性を保つことができる。
さらに、ローラ36の外周面から受ける接触圧力は1つのブレード先端面の一部分に集中することなく、2つのブレード32、33に分散されるので、片当りによるブレードの偏磨耗の発生を抑制することができる。
また、密閉型圧縮機1Cの起動時や回転数の低い運転状態においては、ブレード32、33の先端面に加わるシリンダ室40a内の圧力と、ブレード32、33の基端面に加わる密閉容器10内の圧力が安定しておらず、スプリング等によりローラに押圧されないブレードは通常であれば、ローラの外周面から不規則に離れるバタツキ(ブレードジャンピング)を起こす可能性がある。しかし、スプリングを有さないブレード33においても、係止手段80Dによってスプリング34を有するブレード32の動きに追従するようになっており、運転起動時や回転数の低い運転状態においてもバタツキ(ブレードジャンピング)を生じることなく、安定した運転状態を維持することができる。
また、ブレード32、33の他に係止部材や係止ピンのような細かな部材を有していないため、製造組立て過程においてブレード組み付けを容易に行なうことができる。
このように、圧縮機の運転中に問題となる始動時と低回転域で発生するブレードのバタツキを抑えることができ、且つ、高回転時に発生せる回転軸25の傾きに起因するローラ36とブレード32、33の先端面との間隙増大とブレード先端面の偏磨耗を抑制することができる。これにより、運転始動から低・高回転域で高いシール性と耐久性を有する密閉型圧縮機を提供することができる。
また、この密閉型圧縮機を備えることで、性能と信頼性の高い冷凍サイクル装置100を提供することができる。
上記第1、第2、第3の実施形態において、1つのシリンダに用いられるブレードは回転軸方向に2つ積層されたものを用いたが、シリンダの排除容積が大きく、ローラ高さが大きい場合には、3つのブレードを積層させてもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されない。さらに、本発明の実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。例えば、本発明の実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
100…冷凍サイクル装置、1…密閉型圧縮機、2…凝縮器、3…膨張装置、4…蒸発器、5…アキュームレータ、10…密閉容器、20…電動機部、22…回転子、21…集中巻固定子、25…回転軸、25a…偏心部、32,33…ブレード、36…ローラ、40…シリンダ、40a…シリンダ室、40b…ブレード溝、40S…吸込み口、40D…吐出溝、41…主軸受、41a…ボス部、41b…フランジ部、41c…吐出口、41d…肉厚部、41e…凹部、41f…ボルト穴、42…副軸受、43,44…吐出マフラ、45…ボルト、48…吐出弁、49…仕切板、50…シリンダ

Claims (5)

  1. 内部にシリンダ室と、前記シリンダ室に開口するブレード溝を有するシリンダと、
    偏心部を有する回転軸と、
    前記偏心部の外周を覆うローラと、
    前記ローラの外周面に当接する先端面を有し、前記回転軸の軸方向に積層された複数のブレードと、
    前記軸方向に積層された複数のブレードの内の1つを押圧する1つのスプリングを備えており、
    前記スプリングに押圧されるブレードは、前記回転軸の回転に合わせて偏心回転する前記ローラの外周面に当接して、前記ブレード溝内を往復摺動するとともに、
    スプリングに押圧されていないブレードは、前記複数のブレードを互いに係止しあう係止手段を介して前記スプリングに押圧されるブレードの往復摺動に追従し、前記ブレード溝内を往復摺動することを特徴とする圧縮機。
  2. 前記系止手段は、積層された前記複数のブレードの互いに対向する面にそれぞれ設けられた凹部と、該凹部によって囲まれた空間内に収納される系止部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記係止手段は、前記積層された複数のブレードに設けられた回転軸方向と平行な縦穴と、前記縦穴に挿入された係止ピンとを備えたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  4. 前記係止手段は、互いに対向する前記複数のブレードのどちらか一方に設けられた凹部と、他方のブレードに設けられて、前記凹部と係合する凸部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  5. 前記請求項1ないし4に記載の圧縮機を備えたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
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